JP2014059966A - 飛行時間型質量分析計及び飛行時間型質量分析計の制御方法 - Google Patents

飛行時間型質量分析計及び飛行時間型質量分析計の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】衝突エネルギーの可変範囲を従来よりも広くすることが可能な飛行時間型質量分析計及び飛行時間型質量分析計の制御方法を提供すること。
【解決手段】飛行時間型質量分析計1は、イオン源10と、第1質量分離部20と、イオンゲート30と、ポテンシャルリフト40と、衝突室60と、第2質量分離部80と、検出器90と、ポテンシャルリフト40の電位を制御する電位制御部100と、を備える。電位制御部100は、イオンゲート30で選択されたプリカーサイオンがポテンシャルリフト40に入射する時はポテンシャルリフト40の電位をVに設定し、ポテンシャルリフト40の電位を変更する場合は、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40を通過する間にポテンシャルリフト40電位をVからVに変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、微量化合物の定量分析、定性一斉分析、および試料イオンの構造解析分野に用いられる飛行時間型質量分析計及び飛行時間型質量分析計の制御方法に関する。
質量分析計(MS:Mass Spectrometer)は、イオン源でサンプルをイオン化し、質量分離部で質量mを電価数zで割った値(以下、m/z値という)ごとにイオンを分離し、検出器で分離したイオンを検出する。その結果は、横軸にm/z値、縦軸に相対強度をとったマススペクトルの形で表示され、サンプルに含まれる化合物群のm/z値および相対強度が得られ、サンプルの定性的、定量的な情報を得ることができる。質量分析計のイオン化法、質量分離法、イオン検出法にはさまざまな方法がある。
飛行時間型質量分析計(TOFMS:Time Of Flight Mass Spectrometer)は、一定量のエネルギーを与えてイオンを加速・飛行させ、検出器に到達するまでに要する時間からイオンの質量電荷比(m/z)を求める質量分析計である。TOFMSでは、イオンを一定のパルス電圧Vで加速する。このとき、エネルギー保存則から、次式(1)が成り立つ。
Figure 2014059966
式(1)において、vはイオンの速度、mはイオンの質量、zはイオンの価数、eは素電荷である。
式(1)より、イオンの速度vは、次式(2)で表される。
Figure 2014059966
従って、イオンが一定距離Lの後に置いた検出器に到着するまでの飛行時間Tは、次式(3)で表される。
Figure 2014059966
式(3)により、飛行時間Tがイオンのm/zによって異なることを利用して、質量を分離する装置がTOFMSである。
イオン源から直線的に検出器まで飛行させる直線型TOFMSや、イオン源と検出器の間に反射場を置くことにより、エネルギー収束性の向上と飛行距離の延長を可能にする反射型TOFMSが普及している。反射型TOFMSは、未知物質のm/z値を、組成式か
ら計算で求められるm/z値と数ppm程度の誤差で測定することができることから、未知物質の組成推定に利用されることで知られる。
TOFMSの質量分解能Rは、総飛行時間をT、ピーク幅をΔTとすると、次式(4)で定義される。
Figure 2014059966
すなわち、ピーク幅ΔTを一定にして、総飛行時間Tを延ばすことができれば、質量分解能を向上させられる。しかし、従来の直線型、反射型のTOFMSでは、総飛行時間Tを延ばすこと、すなわち総飛行距離を延ばすことは装置の大型化に直結する。装置の大型化を避け、かつ高質量分解能を実現するために開発された装置が、多重周回型TOFMS(非特許文献1)である。この装置は、円筒電場にマツダプレートを組み合わせたトロイダル電場を4個用い、8の字型の周回軌道を多重周回させることにより、総飛行時間Tを延ばすことができる。この装置では、初期位置・初期角度・初期運動エネルギーによる検出面での空間的な広がりと時間的な広がりを1次の項まで収束することに成功している。
しかし、閉軌道を多重周回する飛行時間型質量分析装置には、「追い越し」の問題が存在する。これは閉軌道を多重周回するため、軽いイオン(速度が大きい)が重いイオン(速度が小さい)を追い越してしまうことにより起こる。このため、検出面に軽いイオンから順に到着するという飛行時間型質量分析計の基本概念が通用しなくなる。
この問題を解決するために考案されたのが、らせん軌道型飛行時間型質量分析計である。らせん軌道型飛行時間型質量分析計は、閉軌道の始点と終点を閉軌道面に対して垂直方向にずらすことを特徴としている。これを実現するためには、イオンをはじめから斜めから入射する方法(特許文献1)や、デフレクタを用いて閉軌道の始点と終点を垂直方向にずらす方法(特許文献2)、積層型トロイダル電場を用いる方法(特許文献3)がある。
また、同様のコンセプトとして、追い越しの起こる多重反射型TOFMS(特許文献4)の軌道をジグザグ型にしたTOFMSも考案されている(特許文献5)。
上述のように質量分析計(MS)では、イオン源で生成したイオン群を質量分離部にてm/z値ごとに分離し検出する。結果は各イオンのm/z値および相対強度をグラフ化したマススペクトルという形で表される。以下、この測定を後述のMS/MS測定に対し、MS測定と呼ぶ。これに対し、イオン源で生成した特定のイオンを初段の質量分析計(以下、MS1という)で選択し(選択されたイオンはプリカーサイオンと呼ばれる)、自発的または強制的に開裂させ、生成したイオン群(開裂生成したイオンは、プロダクトイオンと呼ばれる)を後段の質量分析計(以下、MS2という)で質量分析するMS/MS測定があり、それが可能な装置をMS/MS装置と呼ぶ。この測定ではプリカーサイオンのm/z値と複数の開裂経路で生成するプロダクトイオンのm/z値、相対強度情報が得られるため、プリカーサイオンの構造情報を得ることができる。MS/MS測定を行うことができるMS/MS装置には、前述の質量分析装置を2つ組み合わせた様々なバリエーションが存在する。また、開裂方法にも、ガスとの衝突による衝突誘起解離(CID:Collision Induced Dissociation)法、光解離、電子捕獲などの方法がある。
CID法を利用したMS/MS装置の解離情報は、衝突エネルギーすなわち衝突室に入射するイオンの運動エネルギーの高低により異なる。現在利用できるMS/MS装置の場
合、数10eV程度の低衝突エネルギー(Low Energy CID)か、数〜数10kVの高衝突エネルギー(High Energy CID)の2種類に分かれる。この差は、装置の構成に左右される。High Energy CIDの利点としては、アミノ酸が数10個程度連なったペプチドの開裂において、側鎖情報が得られる場合があり、分子量が同じロイシン、イソロイシンの区別も可能である。
特開2000−243345号公報 特開2003−86129号公報 特開2006−12782号公報 英国特許第2080021号明細書 国際公開第2005/001878号明細書
M. Toyoda, D. Okumura, M. Ishihara and I. Katakuse, J. Mass Spectrom., 2003, 38, 1125-1142. E. Pittenauer and G. Allmaier, Combinatorial Chemistry & High Throughput Screening, 2009, 12, 137-155
TOFMSを2台直列接続したMS/MS装置は、一般的にTOF/TOFと呼ばれ、おもにマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI:Matrix Assisted Laser Desorption / Ionization)法によりサンプルをイオン化する装置に採用されている。従来のTOF/TOFは、直線型の第1TOFMSと反射型の第2TOFMSで構成される(図7参照)。第1TOFMSと第2TOFMSの間には、プリカーサイオンを選択するためのイオンゲートが設けられ、イオンゲート付近に第1TOFMSの収束点が配置される。
プリカーサイオンは、自発的に開裂する場合や、第1TOFMSもしくは、第2TOFMSの反射場以前に配置された衝突室にて強制的に開裂させられる。開裂生成した1価あたりのプロダクトイオンの運動エネルギーeUは次式(5)のように表現される。
Figure 2014059966
式(5)において、z,zはそれぞれプロダクトイオンとプリカーサイオンの価数、eUはプリカーサイオンの1価あたりの運動エネルギー、m,Mはそれぞれプロダクトイオンとプリカーサイオンの質量である。MALDIイオン源で生成するプリカーサイオンは、ほぼ1価である。つまりプロダクトイオンも1価であるから(中性分子は質量分析計では観測できない)、式(5)は、次式(6)で表される。
Figure 2014059966
式(6)よりプロダクトイオンの運動エネルギーは、プリカーサイオンのそれよりも必ず小さくなる。
TOF/TOFでは、第2TOFMS中の反射場のアクセプタンスが重要な要素である。アクセプタンスとは、反射場を含む第2TOFMSが測定できることのできる価数当たりの運動エネルギーのことである。1価イオンの開裂の場合、もっとも高い運動エネルギーをもつイオンはプリカーサイオンであるから、プリカーサイオンの運動エネルギーを100%とした時の、もっとも小さいプロダクトイオンの運動エネルギーによって第2TOFMSに要求されるアクセプタンスは変わってくる。現在TOF/TOFの光学系には大きく4種類のタイプが存在するが(図8、非特許文献2参照)、大きく分けるとプリカーサイオンおよびプロダクトイオンを再加速し、アクセプタンスが小さい直線場の第2TOFMSを使用する方法(#2,#3)と、再加速を行わない、あるいはプリカーサイオンの運動エネルギーよりは小さい運動エネルギーを与える程度の再加速を行い、アクセプタンスの大きい曲線場を含む反射場を使用する方法(#1,#4)である。しかしながら、図8からわかるように、どの場合においても、開裂に大きな影響を与える衝突エネルギーを大きく変化させることはできない。
また、MALDI法により生成したイオンは、自発的に開裂することも知られており、これはポストソースディケイ(PSD:Post Source Decay)と呼ばれている。これらの開裂経路もMALDI−TOF/TOFでは観測されるが、比較的低エネルギーCIDに似ているといわれている。つまりMALDI−TOF/TOFでは、理論的に高エネルギーCIDの開裂経路を観測することができるが、低エネルギーCIDと同様のPSDの開裂経路も観測され、非常にスペクトルが複雑となる。
さて、プリカーサイオンが多価の場合は、1価の場合と状況が大きく異なる。多価イオンを生成するイオン源としては、ESI(Electrospray Ionization)イオン源が主流であるが、現在TOF/TOFとの組み合わせは実験レベルを除き存在しない。その理由を以下に述べる。第1TOFMSの加速電位差が一定の場合、プリカーサイオンの運動エネルギーは価数に比例する。たとえば加速電位差が20kVの場合、1価イオンは20keVだが、2価イオンは40keVとなる。しかし反射場でうける力も価数に比例するので、開裂しないプリカーサイオンのみを測定(つまりはマススペクトルを測定)する場合、反射場には加速電位差により与えられる1価あたりの運動エネルギーを折り返すだけの電位差を設定すればよい。しかしながら開裂が起こり、プロダクトイオンの価数がプリカーサイオンのそれよりも小さくなる場合は状況が異なる。
ここで、式(5)を少し変形すると、次式(7)が得られる。
Figure 2014059966
式(7)の左辺は、プロダクトイオンの1価当たりの運動エネルギーを、プリカーサイオン1価当たりに与えられる運動エネルギーで割ったものである。m/Mは常に1より小さい値をとるが、プロダクトイオンの価数はプリカーサイオンのそれよりも小さいものも考えられるので、z/zは1以上となる場合がある。結果として、z/z×m/M>1の場合、1価あたりの運動エネルギーが、加速電位差で与えられるそれよりも大きくなる。つまり、加速電位差により与えられる1価あたりの運動エネルギーを折り返す電位差では折り返せなくなる。図9にプリカーサイオンの価数とプロダクトイオンの価数に応じてz/z×m/M≦1を満たすことのできるm/Mをまとめた。図9より、プロ
ダクトイオンの価数がプリカーサイオンの価数よりも小さくなる場合、プロダクトイオンの一部は反射場で折り返すことができず、観測できなくなることが分かる。たとえば、加速電位差20kVで加速された質量1000μの2価イオンが、質量600μと質量400μの1価イオンに開裂する場合、質量600μと質量400μのプロダクトイオンの運動エネルギーは、それぞれ24keVと16keVである。この場合、質量600μのイオンは20kVで加速されたイオンを折り返すことを想定した反射場を通過してしまう。そのため、多価イオンの開裂を効率よく観測することができない場合がある。これが、現在多価イオンが生じるイオン源(たとえばESIイオン源)とTOF/TOFの接続が進まない一つの理由である。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、衝突エネルギーの可変範囲を従来よりも広くすることが可能な飛行時間型質量分析計及び飛行時間型質量分析計の制御方法を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、多価イオンの開裂を効率よく観測することが可能な飛行時間型質量分析計及び飛行時間型質量分析計の制御方法を提供することができる。
(1)本発明に係る飛行時間型質量分析計は、
試料をイオン化するイオン源と、
前記イオン源で生成されたイオンを質量電荷比に応じた飛行時間の違いに基づいて分離する第1質量分離部と、
前記第1質量分離部で分離されたイオンからプリカーサイオンを選択するイオンゲートと、
前記イオンゲートで選択されたプリカーサイオンが通過する導電性の箱と、
前記導電性の箱を通過したプリカーサイオンを開裂させてプロダクトイオンを生成する衝突室と、
前記衝突室を通過したプリカーサイオン及び前記衝突室で生成されたプロダクトイオンを質量電荷比に応じた飛行時間の違いに基づいて分離する第2質量分離部と、
前記第2質量分離部で分離されたイオンを検出する検出器と、
前記導電性の箱の電位を制御する電位制御部と、を備え、
前記電位制御部は、
プリカーサイオンが前記導電性の箱に入射する時は前記導電性の箱の電位を第1の電位に設定し、前記導電性の箱の電位を変更する場合は、プリカーサイオンが前記導電性の箱を通過する間に前記導電性の箱の電位を前記第1の電位から第2の電位に変更する。
本発明に係る飛行時間型質量分析計によれば、導電性の箱を出射したプリカーサイオンは、衝突室に到達する前に第2の電位と衝突室の電位との差に応じた運動エネルギーになる。従って、第2の電位の設定値に応じてプリカーサイオンが衝突室に入射する時の運動エネルギーを大きく変化させることができるので、プリカーサイオンの衝突エネルギーの可変範囲を従来よりも広くすることができる。
(2)本発明に係る飛行時間型質量分析計において、
前記電位制御部は、
前記導電性の箱の電位を変更する場合は、前記導電性の箱と前記衝突室との電位差によってプリカーサイオンが前記衝突室に入射する前に減速するように前記第1の電位から第2の電位に変更するようにしてもよい。
本発明に係る飛行時間型質量分析計によれば、プリカーサイオンが衝突室に入射する前に減速するので、衝突室に入射する時の運動エネルギーは導電性の箱に入射した時の運動エネルギーよりも小さくなる。従って、プリカーサイオンの衝突エネルギーを、第2の電
位に応じて、導電性の箱に入射した時の運動エネルギーを上限とする広い範囲で変更することができる。
(3)本発明に係る飛行時間型質量分析計において、
前記第1の電位は、前記第1質量分離部の電位と同じであるようにしてもよい。
(4)本発明に係る飛行時間型質量分析計において、
前記衝突室の電位は、前記第1質量分離部の電位と同じであるようにしてもよい。
(5)本発明に係る飛行時間型質量分析計において、
前記電位制御部は、
プリカーサイオンの価数に応じて前記第2の電位の設定範囲を変更するようにしてもよい。
(6)本発明に係る飛行時間型質量分析計において、
プリカーサイオンの価数をz、前記イオン源と前記第1質量分離部との間の加速電位差をVとした時、
前記電位制御部は、
前記第2の電位と前記衝突室の電位との差の絶対値がV×(1−1/z)とVとの間になる範囲で前記第2の電位を設定するようにしてもよい。
本発明に係る飛行時間型質量分析計によれば、衝突室を出射するイオンの運動エネルギーを加速電位差Vによってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギー以下にすることができる。従って、第2質量分離部に、加速電位差Vにより与えられる1価あたりの運動エネルギーを折り返すことができる反射場を設ければ、反射場ですべてのイオンを折り返して検出器に到達させることが可能となる。その結果、1価イオンに限らず多価イオンの開裂も効率よく観測することができる。
(7)本発明に係る飛行時間型質量分析計において、
前記第2質量分離部は、
反射場を含み、
前記反射場で折り返すことができるイオンの1価あたりの最大の運動エネルギーが、前記イオン源と前記第1質量分離部との間の加速電位差によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーと同程度であるようにしてもよい。
本発明に係る飛行時間型質量分析計によれば、第2質量分離部に入射する時の運動エネルギーがイオン源と第1質量分離部との間の加速電位差によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギー以下のほとんどすべてのイオンを反射場で折り返して検出器に到達させることができる。
(8)本発明に係る飛行時間型質量分析計において、
前記衝突室と前記第2質量分離部との間に、イオンを再加速する再加速部が設けられているようにしてもよい。
本発明に係る飛行時間型質量分析計によれば、例えば、第2質量分離部に反射場を設けた場合、プロダクトイオンの運動エネルギーが低くても再加速部により運動エネルギーが付加されるので、反射場で折り返して検出器に到達させることが可能となる。
(9)本発明に係る飛行時間型質量分析計において、
前記第2質量分離部は、
反射場を含み、
前記反射場で折り返すことができるイオンの1価あたりの最大の運動エネルギーが、前記イオン源と前記第1質量分離部との間の加速電位差によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーと前記再加速部における再加速によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーとの和と同程度であるようにしてもよい。
本発明に係る飛行時間型質量分析計によれば、再加速部に入射する時の運動エネルギーがイオン源と第1質量分離部との間の加速電位差によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギー以下のほとんどすべてのイオンを反射場で折り返して検出器に到達させることができる。
(10)本発明に係る飛行時間型質量分析計において、
前記反射場の電位分布が放物線状の部分を含むようにしてもよい。
本発明に係る飛行時間型質量分析計によれば、第2質量分離部において、運動エネルギー収束性を維持しながら十分な長さの自由空間を確保することができる。
(11)本発明に係る飛行時間型質量分析計において、
前記衝突室及び前記第1質量分離部の電位が接地電位であるようにしてもよい。
(12)本発明に係る飛行時間型質量分析計の制御方法は、
試料をイオン化するイオン源と、前記イオン源で生成されたイオンを質量電荷比に応じた飛行時間の違いに基づいて分離する第1質量分離部と、前記第1質量分離部で分離されたイオンからプリカーサイオンを選択するイオンゲートと、前記イオンゲートで選択されたプリカーサイオンが通過する導電性の箱と、前記導電性の箱を通過したプリカーサイオンを開裂させてプロダクトイオンを生成する衝突室と、前記衝突室を通過したプリカーサイオン及び前記衝突室で生成されたプロダクトイオンを質量電荷比に応じた飛行時間の違いに基づいて分離する第2質量分離部と、前記第2質量分離部で分離されたイオンを検出する検出器と、を備えた飛行時間型質量分析計の制御方法であって、
プリカーサイオンが前記導電性の箱に入射する時は前記導電性の箱の電位を第1の電位に設定し、前記導電性の箱の電位を変更する場合は、プリカーサイオンが前記導電性の箱を通過する間に前記導電性の箱の電位を前記第1の電位から第2の電位に変更する。
本実施形態の飛行時間型質量分析計の構成例を示す図。 ポテンシャルリフト、減速部、衝突室及び再加速部の構造例を示す斜視図。 反射場の電位分布の一例を示す図。 ポテンシャルリフト、減速部、衝突室及び再加速部の電位の一例を示す図。 ポテンシャルリフト、減速部、衝突室及び再加速部の電位の一例を示す図。 プリカーサイオンの価数、ポテンシャルリフトの電位可変範囲、減速電位差、最大衝突運動エネルギーの対応関係の一例を示す図。 従来の飛行時間型質量分析計(TOF/TOF)の構成例を示す図。 従来の飛行時間型質量分析計(TOF/TOF)の仕様を示す図。 プロダクトイオンの1価あたりの運動エネルギー≦プリカーサイオンの1価あたりの運動エネルギーを満たすプロダクトイオンとプリカーサイオンの質量比の範囲を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するもので
はない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1−1.構成
まず、第1実施形態の飛行時間型質量分析計の構成について説明する。図1は、本実施形態の飛行時間型質量分析計の構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の飛行時間型質量分析計1は、イオン源10、第1質量分離部20、イオンゲート30、ポテンシャルリフト40、減速部50、衝突室60、再加速部70、第2質量分離部80、検出器90及び電位制御部100を含んで構成されている。なお、本実施形態の飛行時間型質量分析計は、これらの構成要素の一部を省略又は変更した構成や新たな構成要素を追加した構成としてもよい。
イオン源10は、所定の方法で試料をイオン化する。本実施形態では、イオン源10は、主に1価のイオンを生成する。このようなイオン源10としては、例えば、試料にイオン化を促進させるマトリックス(液体や結晶化合物、金属粉など)を混合溶解させて固化し、これにレーザーを照射して試料をイオン化させるマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI法)によるものが挙げられる。
イオン源10で生成されたイオンは、イオン源10と第1質量分離部20との間の電位差(加速電位差)Vで加速されて第1質量分離部20に入射し、第1質量分離部20を飛行する。イオン源10で生成されたイオンの引き出し効率を高くするために、加速電位差Vをできるだけ大きくする方が望ましい。
第1質量分離部20は、イオン源10で生成された各種イオンを、質量電荷比m/zに応じた飛行時間の違いに基づいて分離する。具体的には、第1質量分離部20は、前出の式(3)により、飛行時間Tがイオンの質量電荷比m/zによって異なることを利用して各種イオンを分離する。第1質量分離部20は、例えば、接地電位(0V)に設定される。第1質量分離部20で分離された各種イオンは、イオンゲート30に入射する。
イオンゲート30は、第1質量分離部20で分離された各種イオンから所望の質量電荷比のイオンをプリカーサイオンとして選択する。例えば、所望の質量電荷比のイオンのみがイオンゲート30を直進するようにイオンゲート30の電位を時間的に変化させることにより、イオンゲート30において所望のイオンをプリカーサイオンとして選択することができる。イオンゲート30で選択されたプリカーサイオンは、ポテンシャルリフト40に入射する。
ポテンシャルリフト40は、導電性の箱であり、イオンゲート30で選択されたプリカーサイオンが通過する。図2は、ポテンシャルリフト40、減速部50、衝突室60及び再加速部70の構造例を示す斜視図であり、図2に示すように、ポテンシャルリフト40は、例えば、円筒形の箱の中心にイオンが通過するための空間が設けられた構造であってもよい。
電位制御部100は、ポテンシャルリフト40の電位を制御する。具体的には、電位制御部100は、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40に入射する時はポテンシャルリフト40の電位をV(第1の電位)に設定し、ポテンシャルリフト40の電位を変更する場合は、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40を通過する間にポテンシャルリフト40の電位をVからV(第2の電位)に変更する。例えば、Vは、第1質量分離部20の電位と同じ電位(例えば、接地電位(0V))に設定され、Vは、V−Vの符号がプリカーサイオンの極性と逆になるような電位に所望の範囲で可変に設定され
る。
プリカーサイオンが第1質量分離部20を飛行する飛行時間は、前出の式(3)により、プリカーサイオンの質量電荷比m/zと加速電位差Vから計算され、この飛行時間から、例えば、イオン源10でプリカーサイオンが生成されてからポテンシャルリフト40に入射するまでの飛行時間を計算することができる。従って、例えば、プリカーサイオンの質量電荷比m/zと当該飛行時間の対応テーブルを不図示のメモリーにあらかじめ記憶させておき、電位制御部100は、当該対応テーブルを参照することで、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40を通過する間にポテンシャルリフト40の電位をVからVに変更するようにしてもよい。
前述したように、イオン源10で生成されたイオンの引き出し効率を高くするために、イオン源10と第1質量分離部20との間の加速電位差Vをできるだけ大きくした方が望ましい。そこで、本実施形態では、加速電位差Vをなるべく大きく設定してイオンをできるだけ加速させた後、ポテンシャルリフト40と衝突室60との電位差によってプリカーサイオンが衝突室60に入射する前に減速するようにポテンシャルリフト40の電位をVからVに変更する。
電位制御部100は、プリカーサイオンが正イオンであればポテンシャルリフト40の電位をVからVよりも低いVに変更し、逆にプリカーサイオンが負イオンであればポテンシャルリフト40の電位をVからVよりも高いVに変更することで、プリカーサイオンを減速させることができる。例えば、電位制御部100は、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40に入射する時はポテンシャルリフト40を接地電位(0V)付近に設定し、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40を通過する間に、プリカーサイオンが正イオンであればポテンシャルリフト40を所望の負電位に低下させ、プリカーサイオンが負イオンであればポテンシャルリフト40を所望の正電位に上昇させるようにしてもよい。
本実施形態では、ポテンシャルリフト40と衝突室60の間に減速部50が設けられており、プリカーサイオンは、減速部50を通過する間に減速する。減速部50は、図2に示すように、例えば、中心に穴が開いた円盤状の電極52,54,56から成り、初段の電極52をポテンシャルリフト40と同電位(すなわちV)に、最終段の電極56を衝突室60と同電位に、その間の電極54をポテンシャルリフト40と衝突室60の中間電位にそれぞれ設定することで、プリカーサイオンを減速させることができる。電極54の位置は、レンズ効果によってプリカーサイオンが収束するように調整される。なお、減速部50の代わりに自由空間であってもよく、このようにしてもポテンシャルリフト40と衝突室60との電位差によってプリカーサイオンを減速させることができる。
衝突室60は、ポテンシャルリフト40及び減速部50を通過したプリカーサイオンを開裂させて各種のプロダクトイオンを生成する。衝突室60は、図2に示すように、例えば、円筒形の箱の中心にプリカーサイオンが通過するための空間が設けられた構造であり、プリカーサイオンは、衝突室60を通過する間にガスと衝突することにより一定の確率で開裂し、各種のプロダクトイオンが生成される。衝突室60の電位は、例えば、第1質量分離部20の電位(例えば、接地電位(0V))と同じ電位に設定される。衝突室60で開裂しなかったプリカーサイオン及びプリカーサイオンの開裂により生成された各種のプロダクトイオンは、再加速部70に入射する。
再加速部70は、衝突室60と第2質量分離部80との間に設けられ、衝突室60を出射したイオン(衝突室60を通過したプリカーサイオン(開裂しなかったプリカーサイオン)及び衝突室60で生成された各種プロダクトイオン)は、再加速部70で加速されて
第2質量分離部80に入射する。再加速部70は、図2に示すように、例えば、中心に穴が開いた円盤状の電極72,74,76から成り、初段の電極72を衝突室60と同電位に、最終段の電極76を所望の再加速電位に、その間の電極74を衝突室60の電位と再加速電位の中間電位にそれぞれ設定することで、プリカーサイオンを再加速させることができる。
第2質量分離部80は、各種イオンを質量電荷比に応じた飛行時間の違いに基づいて分離する。本実施形態では、第2質量分離部80は、反射場82を含み、第2質量分離部80に入射した各種イオンは自由空間を飛行した後、反射場82で折り返す。そして反射場82で折り返したイオンは、自由空間を飛行した後、検出器90に到達する。
検出器90は、入射するイオンの量(強度)に応じたアナログ信号をリアルタイムに出力する。
本実施形態では、反射場82で折り返すことができるイオンの1価あたりの最大の運動エネルギーが、イオン源10と第1質量分離部20との間の加速電位差によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーと再加速部70における再加速によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーとの和と同程度であるように、反射場82の電位勾配が設定されている。これにより、理論的には、反射場82に入射したすべてのイオンが折り返して検出器90に到達することができる。
イオンの衝突エネルギーを大きく変化させるためには、反射場82のアクセプタンスが大きくなるように、反射場82の電位分布が放物線状の部分を含む方がよい。例えば、反射場82の電位分布のすべてが放物線状であってもよいし、図3に示すように、反射場82の電位分布が直線状の部分と放物線状の部分を含むようにしてもよい。図3の例では、反射場82は、イオンの出入口に近い側に直線部、出入口から遠い側に放射線部が設けられている。これにより、ある程度の運動エネルギー収束性を維持しながらある程度の長さの自由空間を確保することができる。
なお、再加速部70は必ずしも必要ではないが、低い運動エネルギーのプロダクトイオンを反射場82で効率よく折り返して観測することは困難であるため、再加速部70によりイオンに適度に運動エネルギーを付加することは性能確保の上で重要である。再加速部70が無い場合は、反射場82で折り返すことができるイオンの1価あたりの最大の運動エネルギーが、イオン源10と第1質量分離部20との間の加速電位差によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーと同程度であるように、反射場82の電位勾配を設定すればよい。
1−2.動作
次に、第1実施形態の飛行時間型質量分析計の動作について例を挙げて具体的に説明する。図4(A)及び図4(B)は、ポテンシャルリフト40、減速部50、衝突室60及び再加速部70の電位の一例を示す図である。図4(A),図4(B)のいずれの例も、第1質量分離部20と衝突室60の電位は0Vに固定されており、イオン源10で生成された1価の正イオンが、イオン源10と第1質量分離部20との間の加速電位差20kVによって加速され、第1質量分離部20を通過してイオンゲート30でプリカーサイオンとして選択される場合の例である。
図4(A)は、プリカーサイオンを高いエネルギーで衝突室60に導入させる場合の例である。図4(A)の例では、1価のプリカーサイオンは、20kVの加速電位差で加速されて20keVの運動エネルギーでポテンシャルリフト40に入射する。ポテンシャルリフト40を動作させずに(電位を0Vのまま変えずに)、そのまま通過させると、プリ
カーサイオンは20keVの運動エネルギーのままでポテンシャルリフト40から出射する。この時、ポテンシャルリフト40の電位と衝突室60の電位はともに0Vであるので、その間の減速部50の電位も0Vである。従って、ポテンシャルリフト40を通過したプリカーサイオンは、減速部50で減速されず、20keVの運動エネルギーのままで衝突室60に導入される。
図4(B)は、プリカーサイオンを低いエネルギーで衝突室60に導入させる場合の例である。図4(B)の例では、1価のプリカーサイオンは、20kVの加速電位差で加速されて20keVの運動エネルギーでポテンシャルリフト40に入射し、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40の内部にあるときに、ポテンシャルリフト40の電位を0Vから−19kVに変化させている。これにより、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40から出射する時には、ポテンシャルリフト40と衝突室60の間に19kVの電位差が生じている。ポテンシャルリフト40の電位変化と同時に、減速部50の電極52をポテンシャルリフト40と同じ電位(−19kV)に、電極56を衝突室60と同じ電位(0V)に、電極54をポテンシャルリフト40と衝突室60の中間電位(−9.5kV)に変化させると、ポテンシャルリフト40から出射したプリカーサイオンは、減速部50により減速されて衝突室60に導入される。その結果、1価のプリカーサイオンの運動エネルギーは、ポテンシャルリフト40に入射する時は20keVであったが、衝突室50に入射する時には1keVまで低下している。
図4(A)及び図4(B)の例からわかるように、ポテンシャルリフト40の電位を−20kV〜0Vの範囲で変更すれば、その電位に応じて1価のプリカーサイオンの衝突エネルギーを0〜20keVの範囲で変化させることができる。一般化すると、電位制御部100は、1価のプリカーサイオンがポテンシャルリフト40から出射する時のポテンシャルリフト40の電位Vと衝突室60の電位との差の絶対値が0〜Vの間になる範囲でVを変更することで、プリカーサイオンの運動エネルギー(衝突エネルギー)を変えながら衝突室60に入射させることができる。
20keVのプリカーサイオンから生成されたプロダクトイオンの運動エネルギーは20keV以下となる。従って、ポテンシャルリフト40の電位を−20kV〜0Vの範囲で変更すれば、再加速部70に入射するイオンの最大運動エネルギー(20keV)を、加速電位差20kVによってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギー20keVと再加速部70によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギー10keVの和の30keV以下である。従って、反射場82で折り返すことができるイオンの1価あたりの最大の運動エネルギーが30keVになるように反射場の電位勾配を設定すれば、反射場82に入射したすべてのイオンを折り返して検出器90に到達させることが可能となる。
なお、図4(A)及び図4(B)は、プリカーサイオンが正イオンの場合の例であるが、プリカーサイオンが負イオンの場合は電位の極性を図4(A)及び図4(B)と逆にすればよい。
以上に説明したように、第1実施形態の飛行時間型質量分析計によれば、イオンゲート30で選択されたプリカーサイオンがポテンシャルリフト40の内部を飛行中に、ポテンシャルリフト40の電位をVからVに変更することで、プリカーサイオンが衝突室60に入射する時の運動エネルギーを大きく変化させることができる。従って、本実施形態の飛行時間型質量分析計によれば、プリカーサイオンの衝突エネルギーの可変範囲を従来よりも広くすることができる。
2.第2実施形態
2−1.構成
第2実施形態の飛行時間型質量分析計の構成図は、第1実施形態(図1)と同様であるため、その図示を省略する。ただし、第2実施形態の飛行時間型質量分析計1では、電位制御部100は、プリカーサイオンとして2価以上のイオンが選択される場合も考慮して、ポテンシャルリフト40の電位制御を行う点が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、イオン源10は、1価イオンだけでなく多価イオンも生成する。このようなイオン源10としては、例えば、ESIイオン源が挙げられる。また、MALDIイオン源でも、多価イオンが生成される場合がある。
本実施形態における第1質量分離部20、イオンゲート30及びポテンシャルリフト40の構成は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態における電位制御部100は、プリカーサイオンの価数zに応じてポテンシャルリフト40の電位を制御する。具体的には、電位制御部100は、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40に入射する時はポテンシャルリフト40の電位をプリカーサイオンの価数zに応じたV(第1の電位)に設定し、ポテンシャルリフト40の電位を変更する場合は、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40を通過する間に、プリカーサイオンの価数zに応じてポテンシャルリフト40の電位をVからV(第2の電位)に変更する。例えば、Vは、第1質量分離部20の電位と同じ電位(例えば、接地電位(0V))に設定され、Vは、V−Vの符号がプリカーサイオンの極性と逆になるような電位に所望の範囲で可変に設定される。
減速部50、衝突室60、再加速部70、第2質量分離部80及び検出器90の構成は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
2−2.動作
次に、第2実施形態の飛行時間型質量分析計の動作について例を挙げて具体的に説明する。図5(A)及び図5(B)は、ポテンシャルリフト40、減速部50、衝突室60及び再加速部70の電位の一例を示す図である。図5(A),図5(B)のいずれの例も、第1質量分離部20と衝突室60の電位は0Vに固定されており、イオン源10で生成された2価の正イオンが、イオン源10と第1質量分離部20との間の加速電位差20kVによって加速され、第1質量分離部20を通過してイオンゲート30でプリカーサイオンとして選択される場合の例である。
図5(A)は、プリカーサイオンを高いエネルギーで衝突室60に導入させる場合の例である。図5(A)の例では、2価のプリカーサイオンは、20kVの加速電位差で加速されて40keVの運動エネルギーでポテンシャルリフト40に入射し、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40の内部にあるときに、ポテンシャルリフト40の電位を0Vから−10kVに変化させている。これにより、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40から出射する時には、ポテンシャルリフト40と衝突室60の間に10kVの電位差が生じている。ポテンシャルリフト40の電位変化と同時に、減速部50の電極52をポテンシャルリフト40と同じ電位(−10kV)に、電極56を衝突室60と同じ電位(0V)に、電極54をポテンシャルリフト40と衝突室60の中間電位(−5kV)に変化させると、ポテンシャルリフト40から出射したプリカーサイオンは、減速部50により減速されて衝突室60に導入される。その結果、2価のプリカーサイオンの運動エネルギーは、ポテンシャルリフト40に入射する時は40keVであったが、衝突室50に入射する時には20keVまで低下している。
図5(B)は、プリカーサイオンを低いエネルギーで衝突室60に導入させる場合の例
である。図5(B)の例では、2価のプリカーサイオンは、20kVの加速電位差で加速されて40keVの運動エネルギーでポテンシャルリフト40に入射し、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40の内部にあるときに、ポテンシャルリフト40の電位を0Vから−19.5kVに変化させている。これにより、プリカーサイオンがポテンシャルリフト40から出射する時には、ポテンシャルリフト40と衝突室60の間に19.5kVの電位差が生じている。ポテンシャルリフト40の電位変化と同時に、減速部50の電極52をポテンシャルリフト40と同じ電位(−19.5kV)に、電極56を衝突室60と同じ電位(0V)に、電極54をポテンシャルリフト40と衝突室60の中間電位(−9.75kV)に変化させると、ポテンシャルリフト40から出射したプリカーサイオンは、減速部50により減速されて衝突室60に導入される。その結果、2価のプリカーサイオンの運動エネルギーは、ポテンシャルリフト40に入射する時は40keVであったが、衝突室50に入射する時には1keVまで低下している。
図5(A)及び図5(B)の例からわかるように、ポテンシャルリフト40の電位を−10kV〜0Vの範囲で変更すれば、その電位に応じて2価のプリカーサイオンの衝突エネルギーを0〜20keVの範囲で変化させることができる。20keVのプリカーサイオンから生成されたプロダクトイオンの運動エネルギーは20keV以下となる。従って、ポテンシャルリフト40の電位を−10kV〜0Vの範囲で変更すれば、再加速部70に入射するイオンの最大運動エネルギー(20keV)を、加速電位差20kVによってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギー(20keV)と一致させることができる。その結果、第2質量分離部80に入射するイオンの運動エネルギーは、イオン源10と第1質量分離部20との間の加速電位差20kVによってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギー20keVと再加速部70によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギー10keVの和の30keV以下である。従って、反射場82で折り返すことができるイオンの1価あたりの最大の運動エネルギーが30keVになるように反射場の電位勾配を設定すれば、反射場82に入射したすべてのイオンを折り返して検出器90に到達させることが可能となる。
図6に、20kVで加速された2〜4価のプリカーサイオンから生成されるプロダクトイオンの運動エネルギーの分布が0〜20keV(つまり、加速電位差20kVによってイオンに与えられる1価当たりの運動エネルギー以下)となるようなポテンシャルリフト40の電位可変範囲、減速電位差、最大の衝突運動エネルギー(1価換算)をまとめた。プリカーサイオンが多価の場合、生成されるプロダクトイオンの価数がプリカーサイオンの価数よりも小さければ1価当たりの運動エネルギーの分布が広くなるため、1価のプリカーサイオンの場合と比較して、減速部50で大きく減速しておかなくてはならない。そのため、1価に換算した衝突エネルギーは小さくなっている。
図6の表を一般化すると、電位制御部100は、価数zのプリカーサイオンがポテンシャルリフト40から出射する時のポテンシャルリフト40の電位Vと衝突室60の電位との差の絶対値がV×(1−1/z)〜Vの間になる範囲でVを設定可能にすることで、再加速部70に入射するイオンの運動エネルギーを加速電位差Vによってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーeV以下にすることができる。従って、反射場82の電位勾配を、加速電位差Vによってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーeVと再加速部70によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーとの和以下の運動エネルギーのイオンを折り返すことができるように設定すれば、すべてのイオンを折り返して検出器90に到達させることが可能となる。
なお、図5(A)及び図5(B)は、プリカーサイオンが正イオンの場合の例であるが、プリカーサイオンが負イオンの場合は電位の極性を図5(A)及び図5(B)と逆にすればよい。
以上に説明したように、第2実施形態の飛行時間型質量分析計によれば、イオンゲート30で選択されたプリカーサイオンがポテンシャルリフト40の内部を飛行中に、ポテンシャルリフト40の電位をVからVに変更することで、プリカーサイオンが衝突室60に入射する時の運動エネルギーを大きく変化させることができる。従って、本実施形態の飛行時間型質量分析計によれば、プリカーサイオンの衝突エネルギーの可変範囲を従来よりも広くすることができる。
また、第2実施形態の飛行時間型質量分析計によれば、プリカーサイオンの価数に応じてポテンシャルリフト40の電位の可変範囲を制限することで、第2質量分離部80に入射したすべてのイオンを反射場82で折り返して検出器90に到達させることができる。従って、本実施形態の飛行時間型質量分析計によれば、多価イオンの開裂を効率よく観測することができる。
上述した実施形態は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
なお、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 飛行時間型質量分析計、20 イオン源、20 第1質量分離部、30 イオンゲート、40 ポテンシャルリフト、50 減速部、52,54,56 電極、60 衝突室、70 再加速部、72,74,76 電極、80 第2質量分離部、90 検出器、100 電位制御部

Claims (12)

  1. 試料をイオン化するイオン源と、
    前記イオン源で生成されたイオンを質量電荷比に応じた飛行時間の違いに基づいて分離する第1質量分離部と、
    前記第1質量分離部で分離されたイオンからプリカーサイオンを選択するイオンゲートと、
    前記イオンゲートで選択されたプリカーサイオンが通過する導電性の箱と、
    前記導電性の箱を通過したプリカーサイオンを開裂させてプロダクトイオンを生成する衝突室と、
    前記衝突室を通過したプリカーサイオン及び前記衝突室で生成されたプロダクトイオンを質量電荷比に応じた飛行時間の違いに基づいて分離する第2質量分離部と、
    前記第2質量分離部で分離されたイオンを検出する検出器と、
    前記導電性の箱の電位を制御する電位制御部と、を備え、
    前記電位制御部は、
    プリカーサイオンが前記導電性の箱に入射する時は前記導電性の箱の電位を第1の電位に設定し、前記導電性の箱の電位を変更する場合は、プリカーサイオンが前記導電性の箱を通過する間に前記導電性の箱の電位を前記第1の電位から第2の電位に変更する、飛行時間型質量分析計。
  2. 請求項1において、
    前記電位制御部は、
    前記導電性の箱の電位を変更する場合は、前記導電性の箱と前記衝突室との電位差によってプリカーサイオンが前記衝突室に入射する前に減速するように前記第1の電位から第2の電位に変更する、飛行時間型質量分析計。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1の電位は、前記第1質量分離部の電位と同じである、飛行時間型質量分析計。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記衝突室の電位は、前記第1質量分離部の電位と同じである、飛行時間型質量分析計。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記電位制御部は、
    プリカーサイオンの価数に応じて前記第2の電位の設定範囲を変更する、飛行時間型質量分析計。
  6. 請求項5において、
    プリカーサイオンの価数をz、前記イオン源と前記第1質量分離部との間の加速電位差をVとした時、
    前記電位制御部は、
    前記第2の電位と前記衝突室の電位との差の絶対値がV×(1−1/z)とVとの間になる範囲で前記第2の電位を設定する、飛行時間型質量分析計。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項において、
    前記第2質量分離部は、
    反射場を含み、
    前記反射場で折り返すことができるイオンの1価あたりの最大の運動エネルギーが、前記イオン源と前記第1質量分離部との間の加速電位差によってイオンに与えられる1価あ
    たりの運動エネルギーと同程度である、飛行時間型質量分析計。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項において、
    前記衝突室と前記第2質量分離部との間に、イオンを再加速する再加速部が設けられている、飛行時間型質量分析計。
  9. 請求項8において、
    前記第2質量分離部は、
    反射場を含み、
    前記反射場で折り返すことができるイオンの1価あたりの最大の運動エネルギーが、前記イオン源と前記第1質量分離部との間の加速電位差によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーと前記再加速部における再加速によってイオンに与えられる1価あたりの運動エネルギーとの和と同程度である、飛行時間型質量分析計。
  10. 請求項7又は9において、
    前記反射場の電位分布が放物線状の部分を含む、飛行時間型質量分析計。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項において、
    前記衝突室及び前記第1質量分離部の電位が接地電位である、飛行時間型質量分析計。
  12. 試料をイオン化するイオン源と、前記イオン源で生成されたイオンを質量電荷比に応じた飛行時間の違いに基づいて分離する第1質量分離部と、前記第1質量分離部で分離されたイオンからプリカーサイオンを選択するイオンゲートと、前記イオンゲートで選択されたプリカーサイオンが通過する導電性の箱と、前記導電性の箱を通過したプリカーサイオンを開裂させてプロダクトイオンを生成する衝突室と、前記衝突室を通過したプリカーサイオン及び前記衝突室で生成されたプロダクトイオンを質量電荷比に応じた飛行時間の違いに基づいて分離する第2質量分離部と、前記第2質量分離部で分離されたイオンを検出する検出器と、を備えた飛行時間型質量分析計の制御方法であって、
    プリカーサイオンが前記導電性の箱に入射する時は前記導電性の箱の電位を第1の電位に設定し、前記導電性の箱の電位を変更する場合は、プリカーサイオンが前記導電性の箱を通過する間に前記導電性の箱の電位を前記第1の電位から第2の電位に変更する、飛行時間型質量分析計の制御方法。
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