JP2001517858A - 飛行時間型質量分析計用2次イオン発生/検出器 - Google Patents

飛行時間型質量分析計用2次イオン発生/検出器

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JP2001517858A
JP2001517858A JP2000513306A JP2000513306A JP2001517858A JP 2001517858 A JP2001517858 A JP 2001517858A JP 2000513306 A JP2000513306 A JP 2000513306A JP 2000513306 A JP2000513306 A JP 2000513306A JP 2001517858 A JP2001517858 A JP 2001517858A
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ワインバーガー,スコット・アール
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サイファーゲン・バイオシステムズ・インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 イオン検出器は、2次電荷粒子発生器に結合した1次イオンに応答して2次荷電粒子を発生させる2次荷電粒子発生器を備える。2次荷電粒子発生器は、1次イオンおよび2次荷電粒子が電子放出検出器に結合したのに応答して電子を発生させる電子放出検出器に向かって2次荷電粒子をはじき飛ばす静電位を有する。電子放出検出器は、2次荷電粒子を引きつける電界を有する。電子放出検出器が発生させた電子を検出し、信号を生成するアノードが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、参照によって本明細書に組み込まれる1997年9月23日提出の
米国暫定特許出願第60/059828号の一部継続出願であって、この出願の
利益を請求するものである。
【0002】 (発明の背景) 本発明は一般にイオン検出器に関し、より具体的には、質量電荷比の大きなイ
オンの選択的で強化された検出用のイオン検出器に関する。
【0003】 質量電荷比(m/z)の大きなイオン(約12000ダルトン超のイオン)は
一般に、プラズマ脱離/イオン化(PDI)、マトリックス支援レーザ脱離/イ
オン化(MALDI)、表面強化レーザ脱離/イオン化(SELDI)およびエ
レクトロスプレー・イオン化(ESI)を含む、いくつかの異なるイオン化技法
を介して生成することができる。ただしこれらに限定されるわけではない。これ
らのイオンのm/z値は、最も単純な磁気セクタ静電分析器、磁気セクタ混成分
析器および四極子フィルタ分析器のm/zダイナミック・レンジを超えるほどに
大きい。したがってこれらのイオンの分析は一般に、イオントラップ、フーリエ
変換イオン・サイクロトロン共鳴および飛行時間型(TOF)質量分析計を使用
して実行される。先に述べた装置に比べ単純で経済的であるため、TOFシステ
ムは、このような大きなイオンの分析に最も頻繁に使用される。
【0004】 飛行時間型質量分析計法では、荷電(イオン化)分子が真空中で生成され、イ
オン光学アセンブリによって生成された電界により自由飛行管またはドリフト時
間の中に向かって加速される。加速された分子が到達する速度は、加速電位の平
方根、分子の電荷の平方根に比例し、分子の質量の平方根に反比例する。荷電分
子は、TOF管を検出器に向かって移動、すなわちドリフトする。
【0005】 図1に、レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析計の概要を示す。簡単に説明
すると、このシステムは、反射電極21、抽出器22および接地板23を含むイ
オン光学系20を備える。質量フィルタ24が含まれることがある。最後に、シ
ステムは検出器25を備える。試料/マトリックス混合物の結晶化層30をプロ
ーブ19の表面に適用する。次いでイオン光学系に通電し、レーザ光線31を試
料混合物30に当てて、イオンを放出、すなわち脱離させる。反射電極21の電
位を例えば30kVに維持し、抽出器22の電位を例えば15kVに維持し、接
地板23の電位を大地電位に維持する。反射電極21、抽出器22および接地板
23の間の電位差のために電界が生じ、これによって脱離したイオンがイオン光
学系の中を加速されて進む。脱離したイオンには、マトリックス分子および検体
分子が含まれる。検体分子が関心の分子であるので、質量フィルタ24を利用し
てマトリックス分子を除去してもよい。質量フィルタ24は一般に、入口板およ
び出口板(図示せず)、ならびに偏向器を備える。イオンは最終的に検出器25
に達し、検出器に達するまでの飛行時間を利用して質量電荷比を計算する。レー
ザ光線31は、ビーム・スプリッタ27を通過し、レーザ光線31の一部分がト
リガ・フォト・ダイオード32を活動化するので、このプロセスが開始された時
刻を知ることができる。
【0006】 図1に示したレーザ脱離/イオン化飛行時間型質量分析計(LDIMS)を使
用して、MALDIまたはSELDI分析を実行することができる。
【0007】 MALDI分析では、試料を、液相のエネルギー吸収コンパウンドまたはコロ
イド(マトリックス)と混合し、最終的に不活性プローブの表面でこの溶液を乾
固することによって、固体の共晶または薄膜の試料を調製する。SELDI分析
では、プローブ、すなわち試料提示面が、供試試料のイオン化、精製、選別、特
性評価または修飾に能動的な役割を果たす。いくつかのケースでは、エネルギー
吸収分子(EAM)が試料提示面の必要不可欠な構成要素である。他のケースで
は、SELDI面が試料との必要な相互作用を完了した後にエネルギー吸収分子
が追加される。EAM適用方針の如何にかかわらず、LDIMSに導入する前に
プローブの内容を乾固することができる。
【0008】 検出器25の出力は、あるデューティ・サイクルで、照射レーザ・パルス31
がトリガ・フォトダイオード32によってセンスされた時刻に対する時刻の関数
として積分される。次いでイオンの分子量を、飛行時間式m/z=A(Tf−T
o)2を使用して求める。上式で、m/zは求めるイオンの質量電荷比、Tfは イオンの総飛行時間、Toは、タイミング装置のトリガとその結果生じたイオン
の加速との間の時間間隔、Aは、イオンの総運動エネルギーおよび総飛行距離を
考慮する定数である。AおよびToの値は、特性が十分に分かっている検体の実
験的なTfの飛行数値をそれらのm/zと比較することによって、経験的に求め
る。AおよびToの決定は機器を較正し、より正確なm/z指定を可能にする。
【0009】 MALDIおよびSELDI分析の間に、それぞれマトリックスまたはEAM
の使用の直接の結果として、かなりのイオン集団が生成される可能性がある。こ
れらのイオンは、関心の検体から生成されたイオンとともに検出器の変換面に達
する。ESI分析では、キャリヤ溶液を構成する溶媒から多数のイオンが生成さ
れる。SELDIおよびMALDIの場合と同様に、これらのイオンも検出器の
変換面に達する。これらのイオン化技法では、これらの「不要なイオン」が、関
心の検体イオンの数をはるかに上回り、イオン流全体の主要な構成要素となるこ
とが珍しくない。1回のLDIMS走査のイオン伝送時間が500マイクロ秒を
超えることは滅多にないので、変換/利得プロセスの間に消費された検出器電子
は、この短いデューティ・サイクルの間には通常、置き換えられない。その結果
、検出器利得がひどく損なわれるレベルにまで電荷は涸渇し、電界は縮小する。
【0010】 電界の縮小および付随する利得の低減を避けるため、現在使用されている装置
には、不要なイオンがイオン検出器に衝突することを防ぐ手段、または不要な最
後のイオンが変換面に衝突した後に検出器の利得電圧を高速にオンに切り換える
手段が備えられている。前者は、質量ゲートまたは質量フィルタとして機能する
追加のイオン光学部品セットを使用することによって達成される。後者は、電界
効果トランジスタなどの高速スイッチング素子の使用を通して達成される。これ
らの方法はともに、TOFMS機器に複雑さとコストを追加する。検出器変換面
の利得立上がり時間が数マイクロ秒となることはしばしばなので、この高速スイ
ッチング技法は、急なカットオフ・レンジを許さず、そのデューティ・サイクル
の初期段階の利得が不十分になる可能性がある。
【0011】 TOF質量分析におけるイオン検出は一般に、電子増倍管(EMP)、マイク
ロチャネル・プレート(MCP)などの電子放出検出器を使用して達成される。
これらの装置はともに、1次入射荷電粒子を、2次、3次、4次等の電子のカス
ケードに変換することによって機能する。単一の入射荷電粒子の衝突によって2
次電子が生成される確率を、この荷電粒子のイオン−電子変換効率(またはより
単純に変換効率)としてとらえることができる。入射荷電粒子の総数に対するカ
スケード事象の総電子収量を一般に、検出器利得と呼ぶ。MCPの全体の応答時
間は一般に、EMPのそれよりもはるかに優れているので、MCPは、m/z分
解能を強化する目的に好ましい電子放出検出器である。しかしEMPは、高速な
応答時間および広い周波数帯域幅を必要としない運動エネルギーが消費されたイ
オン集団の検出には適している。
【0012】 大きなイオンの変換効率は、小さなイオンのそれよりも2、3桁小さいことが
知られている。この効果を補償するために、2次イオン発生器(SIG)が使用
されている。このような2次イオン発生器が、米国特許第5382793号およ
び5594243号に開示されている。これらの特許の内容は、参照によって全
ての目的のために本明細書に組み込まれる。このような2次イオン発生器では、
大地電位に維持された2次イオン発生器の表面に1次入射イオンが衝突したとき
に、1次入射イオンのフラグメント化、ならびにSIG表面からの2次金属イオ
ン集団であると考えられるイオン集団のスパッタリングによって2次イオンが生
成される。図2aに、離散型SIGを利用したMCP検出器を示す。この構成で
は、SIGが、一般に銅または銅合金から成る低透過性グリッドである。入射イ
オン(M+H)+がSIGに衝突し、その結果、それらがフラグメント化を起こ
して一連の生成物イオンおよび中性化学種が生じ、さらに、電子およびSIG構
造イオン(この例ではCU+)が放出されると仮定する。SIG生成物イオンは
、適度に強い電界(−1〜−5kV/cm)の使用によってMCPの変換面に向
かって後段加速される。SIG生成物イオンのm/zは一般に、大きな1次入射
イオンのそれよりもはるかに小さいので、イオン変換効率は向上し、感度は2、
3桁向上する。
【0013】 最近の研究から、このような2次イオン発生器からスパッタされた生成物の大
部分は実際には、放出された電子と金属中性化学種であり、以前に考えられてい
たのとは違って2次金属イオンは優勢ではないことが分かった。さらに、これら
のスパッタされた生成物のうちのかなりの集団が、入射イオン軌道の元々の方向
に対して逆行する向きに放出されることも分かった。図2cにこのプロセスを示
す。
【0014】 SiGに、−50〜−3000ボルトなどの負電位バイアスをかけると、−2
kV超の負電位に維持されたその下のMCPの変換面によって作り出された強い
「電界パンチ」(一領域から他の領域への電界の侵入)が抑制されることによっ
て、1次イオンの衝突確率が高まることも分かっている。このような電界パンチ
は、入射イオンを優先的にSIGグリッド線から遠ざけ、グリッド線の間の空間
に導く加速電界を生みだし、これによってSIGの目的は損なわれる。
【0015】 さらに、SIGにある負電位バイアスをかけると、電子の放出が促進されるこ
とが示されている。このようなバイアスがかかっている間、スパッタされた中性
生成物の放出に影響は生じない。負バイアスされたSIGは一般に、衝突面がS
IGのバイアスに使用される負電位を上回る高い負電位に維持されたMCP検出
器に取り付けられるので、前方および後方にスパッタされた電子はともに、逆行
して後方に加速される。その結果、これらの電子は、スパッタされた中性化学種
の雲の中を進み、そのためこれらの電子は、電子衝撃イオン化の機構を通じてこ
れらの中性化学種をイオン化して、スパッタされた金属イオンとする。このよう
にして、イオンに変換された後方にスパッタされた中性化学種が、負バイアスさ
れたSIGの電界によって加速され、SIGを通過し、MCPの表面に衝突し、
これによって、高分子量イオンに対する感度を強化する追加の検出信号が生成さ
れる。
【0016】 スパッタされた中性化学種のイオン化に加え、このような逆行電子は電子衝突
機構を通じて、非入射親イオンおよび入射前の親イオンのフラグメント化を促進
する。それらのフラグメント・イオンのm/zは、それらの大きな1次イオンの
それよりも小さいので、イオン変換効率はさらに向上する。
【0017】 スパッタされた金属イオンよりもはるかに多くのスパッタされた金属中性生成
物が形成されること、これらの生成物のうちのかなりの集団が、逆行する向きに
放出、すなわち後方にスパッタされること、放出された電子を使用して、1次イ
オンをフラグメント化する、あるいはスパッタされた中性生成物を検出に適した
形態に変換することができること、および大地電位SIG中への電界侵入によっ
て1次イオンの衝突が低減されることから、図2aに示した従来技術のSIG手
法は、この2次イオン生成プロセスを最適に利用しているとはいえない。SIG
の表面に負バイアスをかけることによって高分子量イオンの検出がかなり改良さ
れる。バイアスされたSIGは、検出可能な荷電生成物の生成により有効である
ので、このような構成を以後、2次荷電粒子発生器(SCPG)と呼ぶことにす
る。
【0018】 SIGまたはSCPGのフラグメント化、イオン化およびスパッタ生成物は、
複数の時刻、質量およびエネルギーで生成され、そのため、これらの生成物の多
くは一様に前方には進まず、したがって、それらの非入射親イオンと同時にMC
Pの変換面に衝突するというわけにはいかない。したがって離散型SCPGまた
はSIG装置では、イオン変換時間の広がりが導入され、その結果、m/z分解
能が減衰する。測定プロセスで生み出される他の既存の時間広がりと比較してそ
れほどでなければ、このようなイオン変換時間の広がりは許容される。大きなイ
オンの初期のイオン・エネルギーの広がりは、現在のSELDIおよびMALD
I TOF技術のエネルギー集束能力よりも大きく、m/z分解能の制限因子と
なる。したがって離散型SCPGまたはSIGを使用して、m/z分解能を大き
く低下させることなくイオン変換効率および検出感度を向上させることができる
。しかし、より小さなイオンでは、離散型SCPGまたはSIGをこれらの用途
に使用すると、m/z分解能がかなり低下することが示されている。
【0019】 SCPGとMCPの間に追加のグリッド電極(差動加速グリッド、DAG)を
配置すると、SCPGによって生成された生成物と非入射親イオンとの間の飛行
時間の不一致が緩和され、これによって質量分解能が向上することが示された。
このような構成を図2cに示す。SCPGによって生み出されたスパッタ生成物
の分子量は一般に、それらの入射イオンまたはフラグメント化イオンのそれより
もはるかに小さい。その結果、SCPGとMCPの間に存在する電界中に生み出
された加速によって、スパッタされたイオン生成物はこれらのその他のイオンを
しばしば追い越してしまう。その結果、入射イオンの質量に応じて、検出信号の
前端がゆがんだり、早く到着したイオン集団が分解されてしまったりする。50
kDa未満の分子量を有するイオンは一般に、測定可能な2つ以上の信号を生成
し、これよりも重いイオンは、単一の、前端がゆがんだ信号を生み出す傾向があ
る。
【0020】 このような分解ひずみは、SCPGとMCPの間に低加速電位をかけることに
よって回避することができるが、そうすると、スパッタされたSCPG生成物お
よびフラグメント化されたSCPG生成物の最終的なエネルギーが大幅に低減し
、そのため、検出器表面でのそれらの電子変換効率が低下する。また、高強度の
後段加速電界を使用すると、非入射親イオン検出変換効率が向上し、大分子量イ
オンに対する感度が増大することが示された。したがって、SCPGとMCP表
面の間に強い加速電界を与えたほうが有利となる。
【0021】 この問題を排除する好ましい方法は、DAGの使用を含む。SCPGとMCP
の間に通常存在するよりもかなり低い電位をDAGに与え、SCPGとDAGの
間に電界を確立する。このようにすると、スパッタされた生成物イオンはそれほ
ど加速されない。これらのスパッタされた生成物イオンの初期のエネルギーは低
い(測定値は20eV未満)ので、これらのイオンはこの領域をゆっくりと通過
する。非入射親イオンおよび入射イオンは、大きなエネルギー損を生じることな
く、この領域の中を高速で移動し続け、スパッタされた生成物イオンを追い越す
。DAGを通過すると、スパッタされた生成物イオンは、DAGとMCP表面の
間に存在する強い電界によって加速される。DAGの電位には、スパッタされた
生成物イオンが、MCP表面に衝突する間際に親イオン集団に「追いつく」よう
な、スパッタされたイオン集団および親イオン集団の加速が生じる電位が選択さ
れる。このようにして時間広がりは最小限に抑えられ、分解能は向上する。
【0022】 親イオンおよびスパッタされた生成物イオンを時間補償するのに必要な差動加
速の程度は質量に依存するので、入射イオンの質量が変化したときには、DAG
電位を変化させなければならない。これは、異なった直流DAG電位を使用し、
走査を、異なるターゲット質量で区分的に実行することによって達成される。し
かし、この技法はいくぶん煩雑である。好ましい一解決策は、DAGをある一定
の直流電位に維持し、振幅が時間に依存するある交流信号に容量結合するもので
ある。この交流信号の時間依存振幅変化を、所与の分子量分析時間中に適当なD
AG電位が存在するよう、親イオンがSCPGに到着する時刻と同期させる。
【0023】 (発明の概要) 本発明によれば、従来技術の欠点に対処する検出器の一実施態様である、順軌
道イオン検出器が提示される。順軌道イオン検出器はフィールド保持グリッドを
含み、これによって、負にバイアスがかけられたSCPGグリッドにイオンが入
って突き当たることが可能になり、そのため1次イオンのフラグメント化が生じ
て、SCPG表面から2次電子、スパッタ・ニュートラル、およびスパッタ・イ
オンが発生する。SCPGは、電子の放出とその電子のスパッタ中性生成物およ
び親イオンへの排出を促進させる、静電位を有することが好ましい。スパッタ・
ニュートラルによる電子衝撃は、親イオンによる電子衝撃が他のフラグメント化
を促進させる間に追加のスパッタ・イオンを作り出す。次いで非入射親イオン、
入射親イオン、およびSCPG生成物を、最終的な信号発生のため、マイクロチ
ャネル板などの電子放射検出器の表面に向けて加速させる。
【0024】 一実施態様では、フィールド保持グリッドが取り外されてフィールド保持管で
置き換えられ、これによって、バイアスがかけられたSCPGの電界の制御が可
能になり、その結果、入射イオンが検出器アセンブリに向かって自由に飛ぶ間、
その入射イオンの軌道は悪影響を受けない。
【0025】 他の実施態様では、SCPGグリッが無機系、芳香族系、共役pi系、および
/または有機金属ポリマーからなる被膜で被覆され、その結果、親イオンの衝突
によって2次電子および/または荷電イオンがより効果的に放出される。
【0026】 他の実施態様では、DAGをSCPGと電子放射検出器表面の間に配置し、そ
の結果、無傷の親イオンおよびSCPG生成物の後段加速によって生じた付帯時
間の分散は、検出器の質量分解能を過度に低下させない。
【0027】 本発明によれば、従来技術の欠点に対処するイオン検出器の第2の構成である
、逆軌道イオン検出器が提示される。逆軌道イオン検出器は、電気遮蔽トランス
ポータを含むイオン検出器を含み、このトランスポータは、1次進行方向に沿っ
た1次イオンの運動を2次荷電粒子発生器へと方向付けるものである。2次荷電
粒子発生器は、2次荷電粒子発生器に関連するトランスポータからの1次イオン
に応答して、2次荷電粒子を発生させる。2次荷電粒子発生器は、2次荷電粒子
をはじき飛ばす静電位を有することが好ましい。イオン検出器は少なくとも1つ
のイオン検出器をさらに含み、これは2次荷電粒子発生器からの2次荷電粒子と
、電子放射検出器に関連するはね返り1次イオン・フラグメントとに応答して電
子を発生させる。電子放射検出器は、少なくとも部分的に1次進行方向に後退す
る2次進行方向に沿って、2次荷電粒子とはね返り1次イオン・フラグメントと
を受け取るように位置決めされる。またイオン検出器は、電子放射検出器から発
生した電子を検出し、かつ信号を発生する装置も含む。
【0028】 一実施態様で、2次荷電粒子発生器は、高スパッタ効率を有する金属または金
属合金からなるソリッド箔である。またSCPGは、親イオン衝突によってより
効果的に2次電子および/または荷電イオンが放出されるように、無機系、芳香
族系、共役pi系、および/または有機金属ポリマーからなる被膜で被覆するこ
ともできる。したがって、注目のすべてのイオンは、2次荷電粒子発生器に打ち
当たって2次荷電粒子を作り出す。2次荷電粒子発生器は2次荷電粒子をはじき
飛ばす静電位を有することができるため、2次荷電粒子の流れおよび方向を制御
することができ、電子放射検出器に関連する2次荷電粒子の数は、従来技術と比
べた場合、非常に改善される。したがって本発明の逆軌道イオン検出器は、極め
て効率的である。
【0029】 一実施態様で、逆軌道イオン検出器は、はじき飛ばす2次荷電粒子および入射
1次イオンが電子放射検出器に打ち当たるように、これらを分散させた方向に向
けるのを補助する集束要素を含む。このため、スパッタ生成物がトランスポータ
を通して検出器から離れるのを防ぐことによって、イオン検出器の感度が高めら
れる。また、電子放射イオン電流密度も減少し、それによって飽和が回避される
【0030】 逆軌道イオン検出器は、2次荷電粒子発生器と電子放射検出器との間にフィー
ルド保持エントランス・グリッドを含むことができる。フィールド保持エントラ
ンス・グリッドは、電子放射検出器の表面によって作り出された迷走電界により
、1次イオンおよび2次生成物の飛行軌道摂動を妨げる。
【0031】 したがって本発明の2つの構成は、2次イオン発生器および収集プロセスを改
善することによって高分子量イオンを検出するための、改善されたイオン検出器
を提供する。順軌道イオン検出器は、SCPG表面の電圧バイアスと、SCPG
表面上へのポリマー被覆を促進する2次荷電粒子と、容量的または直接的に結合
されたDAGによって作り出された減時間分散性能とを用いて、従来のSCPG
またはSIG方式を超えて改善された性能を提供する。逆軌道イオン検出器は、
SCPGとして作用する連続した一般にソリッドな表面を用い、従来の方式を超
えて改善された性能を提供する。すべての親イオンがこの表面に打ち当たるため
、2次粒子の発生は、離散的なグリッドによる2次イオンまたは2次荷電粒子発
生器で作り出された場合よりも著しく多い。どちらの場合もその結果、他の2次
イオン発生手段と比べた場合に高m/zイオンに対する感度が著しく高くなる。
【0032】 本発明のその他の特徴および利点は、同様の数字が同様の要素を表している図
面を参照するとともに、以下に見出される好ましい例示的な実施形態の詳細な説
明を読み理解することによって、理解されよう。
【0033】 (具体的な実施形態の説明) 本発明による逆軌道イオン検出器41を、図3に概略的に示す。イオン検出器
40は、遮蔽トランシット管41と、2次荷電粒子発生器42と、第1マイクロ
チャネル板43、第2マイクロチャネル板44、および検出器アノード45を含
む電子放射検出器とを含む。好ましい実施形態では、マイクロチャネル板および
検出器アノードは環状であり、したがって遮蔽トランシット管を取り囲む。本明
細書で、後に当業者に明らかにされるように、これは必要とされる配置ではない
。しかしこのような配置は、イオン変換時間の分散を最小限に抑えるために好ま
しい。
【0034】 トランシット管41は、トランシット管を取り囲む電界がその中を進行する1
次イオンの進行を妨げないように、電気的に遮蔽されなければならない。同様に
トランシット管41は、大地電位または自由飛行電位に保たれなければならない
。トランシット管41は、例えばチタン、金、銅などの導電性材料で被覆される
、例えばガラス、プラスチック、ポリマーなどの材料からなるものでよい。ある
いはトランシット管41は、ソリッドな金属管または円筒形グリッドでよい。
【0035】 2次荷電粒子発生器(SCPG)42は、高スパッタ効率または高スパッタ電
位を有する材料からなる係合表面を有することが好ましい。高スパッタ効率とは
、別の粒子が打ち当たったときに、イオン、電子および陽子、ニュートラルなど
の2次荷電粒子を飛散させる材料の傾向を意味し、すなわち材料に別の粒子が打
ち当たったとき、スパッタ効率が高いほど2次荷電粒子はより多く放出される。
(スパッタ電位は、一般に昇華熱に対応する。)したがってSCPG42は、C
u、Au、Ag、Cd、Zn、Pbやこれらの金属の合金混合物などの高スパッ
タ効率の金属からなるソリッドな箔表面を係合側に有することが好ましいが、金
属は上記のものに限定されない。箔は、非透過性であることが好ましい。あるい
はSCPG42は、Cu、Au、Ag、Cd、Zn、Pbやこれらの金属の合金
混合物などであるがこれらの金属に限定されない高スパッタ効率を有する金属の
ソリッドなブロックでよく、または高スパッタ効率の金属で被覆されるソリッド
な支持体でよい。ソリッドな支持体または箔のSCPGは、芳香族、置換pi系
、共役有機金属ポリマーなどであるがこれらに限定されない高スパッタ効率のイ
オン性結晶またはポリマー被覆で交互に被覆することができる。SCPG42は
不活性材料からなる骨格であって、導電性をもたらしスパッタ能力を有する金属
、無機、または有機ポリマー被覆で少なくとも係合側に沿って被覆された骨格で
よい。SCPG42は、低透過グリッド(透過率60%未満)または高透過グリ
ッドでもよい。SCPG42は一般に平面である。最後にSCPG42は、例え
ば+5〜+10kVの範囲の電位に保たれ、それによってスパッタ荷電粒子をは
じき飛ばすことが好ましい。
【0036】 第1および第2のマイクロチャネル板43および44は、図3に示す実施形態
において電子放射検出器である。本明細書で使用する電子放射検出器は、例えば
1つまたは複数のマイクロチャネル板、電子倍増管、これら2種のハイブリッド
など、後の検出および信号発生のために電子を放出する装置を意味する。このよ
うな板は、当業界では周知である。簡単に、各板は、電界に保持される複数の顕
微鏡管からなる。これらの管壁にイオンが衝突することによって、電子の放出が
誘発される。ついでこれらの電子はこれらの管を滝のように落ちてより多くの電
子を放出する。これにより、全電荷を動じに増加させながら、イオンから電子へ
の電荷の変換が生じる。次いでこれらの電子は電子回路に利用されて信号を生成
する。本発明において、検出器アノード45は、電子を検出して信号を生成する
ために提供される。
【0037】 マイクロチャネル板43、44は、例えば−2〜−5kVと−1〜−4kVの
範囲の電位にそれぞれ保たれることが好ましい。これは電子のアノード45への
伝搬を助け、負の電位を減少させるために仮想接地に保たれることが好ましい。
以下により詳細に述べるフィールド保持エントランス・グリッド51を使用しな
いと、2次荷電粒子発生器に関する電界が作り出され、それによって2次荷電粒
子が引き付けられるのを助ける。
【0038】 したがって逆軌道イオン検出器40の一般的動作は、遮蔽イオン・トランシッ
ト管41を通って進行し、そこから出て2次荷電粒子発生器42に打ち当たりま
たは係合する1次イオン46を必要とする。SCPGは好ましくはソリッドであ
るため、ほぼすべての1次イオンがそれに打ち当たる。次いで2次荷電粒子発生
器42は、SCPG42の電位のためにSCPG42からはじき飛ばされた一般
に金属イオン、金属ニュートラル、または電子(かつことによると実施形態によ
っては陽子である)の形の2次荷電粒子47を放出し、または「スパッタ」する
。荷電粒子は、生成物イオンおよびニュートラルへとフラグメント化された跳返
り入射1次イオンと共に、第1ミクロチャネル板43に進行し、前述のチャネル
でそこに打ち当たり、それによって電子が滝のように落ち始める。荷電粒子は、
SCPG42とMCP43との間の電位差によって、マイクロチャネル板43に
向かって加速する。
【0039】 次いで第1マイクロチャネル板43から放出された電子は、第2マイクロチャ
ネル板44に打ち当たって滝のように落ち始め、第2マイクロチャネル板の管内
に電子を放出する。次いで第2マイクロチャネル板から放出される電子は、検出
器アノード45によって検出される。このため、必要とされる時間に基づいて、
1次イオンの脱離が開始して検出器アノード45で電子が検出されるまで、SC
PG42に衝突する1次イオンの質量を計算することができる。
【0040】 先に述べたように、マイクロチャネル板43および44ならびに検出器アノー
ド45は、トランシット管41を取り囲む必要がないことが、当業者には明らか
なはずである。これらのマイクロチャネル板は、トランシット管内の1次イオン
の進行方向を少なくとも部分的に後退する方向に進行しているはじき飛ばされた
2次荷電粒子を受け取る位置に存在するように配置することが必要なだけである
。環状配置は、イオン変換時間の分散を最小限に抑えるため、好ましい配置であ
る。
【0041】 さらに、ただ1つのMCPが必要とされ、3つ以上は、必要とされる感度に応
じて使用することができる。また先に述べたように、電子倍増管などのその他の
電子放射検出器を、MCPの代わりに使用することができる。あるいは電子倍増
管は、ハイブリッド配置にある1つまたは複数のMCPと共に使用することがで
きる。
【0042】 図3にさらに見られるように、好ましい実施形態では、集束要素50が設けら
れる。図3に示す実施形態で、集束要素50は、遮蔽イオン・トランシット管に
対向するSCPG42の中心に置かれた凹部である。凹面集束要素50は、SC
PG42の表面に沿って電位によって作り出された電界を引き起こし、曲がる。
したがって、得られたスパッタ2次荷電粒子は分散する方向に向けられて、第1
マイクロチャネル板43に打ち当たる。ほとんどの大きい1次イオンは、電界が
この大きいイオンを「動かす」のに十分強くないため、トランシット管41には
ね戻る。より小さいフラグメント化したイオン生成物は、第1マイクロチャネル
板43に打ち当たるように電界によって方向付けることができる。したがって集
束要素50は、作り出された2次荷電粒子を広げてマイクロチャネル板の変換表
面の分布領域に打ち当たるように機能する。このため、スパッタ生成物がトラン
シット管を通して検出器を離れるのを防止することによって、ならびにマイクロ
チャネル板のイオン電流密度を減少させ、それによって飽和を回避することによ
って、イオン検出感度が高くなる。
【0043】 図4で、集束要素50’は、遮蔽トランシット管41の出口に接続された円錐
形イオン・レンズの形にある。さらに図4は、円錐形イオン・レンズ50’の下
にあるトランシット管を取り囲むフィールド保持エントランス・グリッド51と
、フィールド保持エントランス・グリッドの下にあるトランシット管41内のレ
ンズ接地クリッド52とを含む。
【0044】 図4の実施形態で、SCPG42は例えば+5kV〜+10kVの範囲内の電
位に保たれ、SCPG42とフィールド保持エントランス・グリッド51との間
に作り出された得られたイオンの加速フィールドは、円錐形イオン・レンズを透
過してレンズ接地グリッド52で終端する。このようなフィールドの透過によっ
て焦点ぼけ作用が生じ、1次イオンを拡散させながら分布して、SCPG42の
表面全体にわたり入射させる。このイオン加速フィールドの周辺領域は平らなま
まであり、スパッタ生成物を、フィールド保持グリッドを通してMCP43の変
換表面上に強力に方向付ける。したがってこの実施形態では1次イオンが分散さ
れて、イオン検出感度が高まる。
【0045】 図3は、フィールド保持エントランス・グリッド51も示し、したがってSC
PG42は、例えば+5kV〜+10kVの範囲内の電位に保たれる。このグリ
ッドは任意選択であり、ある程度のスパッタ・イオンの集束が生じるようにSC
PG42と第1のMCP43との間の加速電位を決め、または調整するために利
用することができ、その結果、分散されたスパッタ生成物の最大限の量が、第1
のMCP43の変換表面に打ち当たる。図3の実施形態で、エネルギーが20e
Vよりも大きいはね返り1次イオンおよび1次生成物イオンは、そのほとんどが
SCPG42からはね返ってトランシット管を通過する。したがってそのイオン
は、第1のMCP43の変換表面に決して打ち当たることなく、そのためフィー
ルド保持エントランス・グリッドは、はね返り生成物とスパッタ生成物とのエネ
ルギー差によって作り出されたいかなる時間の分散も減少させるのを助ける。
【0046】 さらにフィールド保持エントランス・グリッド51は、電界内のフリンジを無
くし、かつSCPG42と第1のMCP43との間のフィールド線を維持するの
を助ける。フィールド保持エントランス・グリッドは、SCPG42とMCP4
3との間により規則正しい加速フィールドを与える。
【0047】 箔表面の法線に対し0度で放出されたスパッタ生成物のエネルギーは、30k
eVの入射粒子の場合、500eV以下が得られる。スパッタ生成物のエネルギ
ー分布は、放出角に対してコサインの二乗の関係に従うことが予想される。図5
は、+/−90度の正規分布上に作り出されたCu+のスパッタ・イオンに関す るエネルギー・プロフィルを示す。はね返り入射イオンおよび入射生成物イオン
のエネルギーは、数百から数千eVと予想される。図5で明らかにわかるように
、角度0のスパッタ生成物が最大のエネルギーを有する。「より側部」に行く傾
向があって90度に近い角度を有するスパッタ生成物は、エネルギーが少ない。
したがってこれらの弱いイオンは、電界によってMCP43にぶつかるように、
より容易に方向付けすることができる。
【0048】 逆軌道イオン検出器では低透過グリッドの代わりにソリッドなSCPGを使用
するため、所与のイオン個体群に関するSCPGへの衝突頻度は、グリッドで実
証されたものよりも高くなる。SCPGまたはSIGグリッドに入射粒子が衝突
すると、従来技術の適用例で述べたようにしばしば後方散乱生成物が得られ、そ
のため相当な量のスパッタ生成物は変換されない。ソリッドなSCPGのイオン
衝突頻度はそのSCPGまたはSIGグリッドの片方よりも高いため、またソリ
ッドなSCPGからのスパッタ生成物のすべては変換加速フィールドに残存し続
けるため、ソリッドなSCPGの設計は、グリッドが接近する場合よりも実質上
よりセンシティブである。
【0049】 イオン検出器40は、負の2次荷電粒子検出器用に構成することができる。こ
の場合、例えば−5〜−10kVの範囲内の負の電位がSCPG42に加えられ
、一方、例えば+100V〜+5kVと+500V〜+6kVの範囲内で増加す
る正の電位が、連続的なMCP検出器43および44にそれぞれ加えられる。
【0050】 本発明による順軌道イオン検出器60を、図2bおよび図2cに概略的に示す
。イオン検出器60は、フィールド保持グリッド61と、グリッド型2次荷電粒
子発生器62と、差分加速グリッド63と、第1マイクロチャネル板43、第2
マイクロチャネル板44、および検出器アノード45を含む電子放射検出器とを
含む。逆軌道イオン検出器とは対照的に、MCP板43および44ならびに検出
器アノード45は、環状配置ではないソリッドなアセンブリである。
【0051】 フィールド保持グリッド61は、Ni、ステンレス鋼、その他の非強磁性合金
などであるがこれらに限定されない低スパッタ電位の材料からなる高透過グリッ
ド(透過率80%以上)が好ましい。入射する親イオンのフラグメント化を最小
限に抑え、入射イオンがフィールド保持グリッド61を通過するときに2次生成
物が発生するのを最小限に抑えるため、高透過率および低スパッタ電位が望まれ
ている。
【0052】 この設計の他の実施形態で、フィールド保持グリッド61は図2dに示すよう
にフィールド保持管64で置き換えられる。フィールド保持管64は、金属で導
電性の非強磁性材料からなるものでよい。あるいは導電性プラスチック、または
導電性ポリマーで被覆された非導電性材料で構成することが可能であろう。
【0053】 フィールド保持グリッド61とフィールド保持管64は共に大地電位に保たれ
る。これらは、SCPG61、DAG63、MCP43および44の表面で発生
した、任意の放出された迷走電界の強さを無くすように、または弱めるように機
能し、質量分析計のドリフト管内で飛行中に親イオンの軌道を反対方向に変える
ことができる。
【0054】 グリッドSCPG62は、全親イオンおよびスパッタ生成物の透過を同時に最
大にしながら、入射親イオンの衝突頻度が最大限になるように適切な線密度のも
のが好ましい。一般的な透過効率は、30〜70%の範囲である。グリッドは、
高スパッタ効率または高スパッタ電位を有する材料からなることが好ましい。C
u、Au、Ag、Cd、Zn、Pb、これらの金属の合金混合物など、先に述べ
た同様の金属であるがこれらに限定されない金属を使用することが可能であろう
。加えてグリッドSCPG62は、イオン性結晶またはポリマー被覆で係合側に
沿って被覆することが可能であり、それによって導電性がもたらされ、スパッタ
能力が増大する。さらに、グリッドSCPG62は、高スパッタ電位の有機金属
が共有結合する金属骨格からなるものでよい。このような材料には、図6に表す
芳香族化合物、共役pi系有機化合物、および有機金属化合物が含まれる。
【0055】 SCPG62のスパッタ生成物は、主に電子およびスパッタSCPG金属ニュ
ートラルからなる。スパッタSCPG金属イオンの少量が放出される。前述の無
機被覆または有機被覆を使用する場合、より大量のスパッタ・イオンが遊離する
であろう。これらのスパッタ生成物の初速度は、SCPG62の表面に対する1
次親イオンの入射角に依存する。SCPG62のグリッド・ワイヤの側面に軽く
触れるこれらの親イオンは、前方散乱スパッタ生成物を作り出す。SCPG62
のグリッド・ワイヤに対する法線に接近する角度で打ち当たるこれらは、後方散
乱スパッタ生成物または後退移動するスパッタ生成物を作り出す。角度が法線か
ら逸れるにつれて、初期後方スパッタ速度は図5に示すコサイン二乗の手法の中
で0に近付くと予想される。すべての場合において、これらのスパッタ生成物の
初期エネルギーは低い(一般に5〜20eV)。
【0056】 グリッドSCPG62は、−50〜−3000ボルトの範囲の若干の負の電位
でバイアスがかけられることが好ましい。このようにバイアスがかけられると、
負の2kVを超える高電位が加えられて1次イオンおよびSCP生成物がMCP
43の変換表面にポスト加速されるとき、下に存在するMCPアセンブリ43に
よって作り出されたどのような強力なフィールド・パンチも抑制されることによ
って1次イオンの衝突可能性が改善される。このようなフィールド・パンチは、
入射イオンをSCPGグリッド・ワイヤから離れる方向に、かつそれらのワイヤ
間の空間に向かうように優先的に方向付ける加速フィールドをもたらし、SCP
G62の目的を無効にする。負のバイアスをSCPG62にかけることによって
、このフィールドの透過がなくなり、SCPG62ワイヤへの衝突経路上にある
イオンはその当初の軌道を維持することが可能になり、したがって1次イオンと
SCPGワイヤの衝突の可能性が増大する。
【0057】 SCPG62を若干の負の電位にバイアスすることによって、電子の放出も促
進される。スパッタ中性生成物の放出は行われない。負にバイアスがかけられた
SCPG62はMCP43の上位にあり、このMCP43の衝撃表面は、バイア
スがかけられたSCPG62に使用される電位よりもいくらか高い負の電位(一
般に−2〜−15kV)に保たれているために、前方スパッタ電子と後方スパッ
タ電子はともに後退するように後方に加速される。その結果これらの電子は、前
方および後方スパッタ・ニュートラルの雲を通って進められ、そのためこれらの
電子は電子衝撃イオン化のメカニズムによってスパッタ金属イオンにイオン化す
る。このように、後方スパッタ・ニュートラルに変換されたイオンは、ここで負
にバイアスがかけられたSCPG62のフィールドによって加速することができ
、それによってSCPG62を通過してMCP43の表面に打ち当たり、高分子
量イオンに対する感度を高める追加の検出信号を発生させる。
【0058】 イオン化スパッタ・ニュートラルに加え、そのような後退電子は、電子衝撃の
メカニズムによって、非入射親イオンおよび間もなく入射する親イオンのフラグ
メント化を促進する。これらのフラグメント・イオンのm/zは、それらの大き
い1次イオンの場合よりも小さいため、イオン変換効率はさらに高まる。
【0059】 差分加速グリッド(DAG)63は、SCPG62の下に位置決めされる。D
AG63は、Niやステンレス鋼などの低スパッタ電位の金属からなる高透過グ
リッド(80%より高い)である。親イオンがDAG63に衝突することに起因
するフラグメント・イオンまたは2次荷電粒子の発生を妨げるために、低スパッ
タ電位を有する高透過グリッドが好ましい。
【0060】 DAG63は、SCPGにより発生した生成物と非入射親イオンとの間の飛行
時間の格差を軽減するために使用され、検出器の質量分解能を向上させる。この
ような配置を図2cに示す。SCPG62で作り出されたスパッタ生成物は、一
般にMW(分子量)がその入射イオンまたはフラグメント化イオンの片方よりも
非常に低い。その結果、SCPG62とMCP43との間に存在するフィールド
内に生成された加速は、しばしばスパッタ・イオン生成物をこれらの他のイオン
を通過するように進めて、MCP43の変換表面に打ち当てる。入射イオンの質
量によって、その結果は、前端歪み検出信号から、早く到達したイオンの個体群
の解像度にわたる。分子量が50kDa未満のイオンは、一般に2つ以上の測定
可能な信号を生成することができ、一方より重いイオンは、単一の前端歪み信号
を有する傾向がある。
【0061】 分解能のこのような歪みは、SCPG62とMCP43との間に低加速電位を
かけることによって回避することができるが、そうすることによりスパッタSC
PG生成物およびフラグメント化SCPG生成物の最終エネルギーが大きく減少
し、そのためMCP43の表面でのそれらの電子変換効率が低下する。加えて、
高強度のポスト加速フィールドを使用することによって非入射親イオン検出変換
効率が改善されることも実証され、さらに、分子量が大きいイオンに対する感度
が増大する。このため、SCPG62とMCP43の表面との間に強度の加速フ
ィールドを有することが有利である。結果としてDAG63を使用することは、
この問題を排除するための好ましい方法である。
【0062】 このような分解能の歪みの補正を行うため、DAG63上に電位をかけ、SC
PG62とDAG63との間にフィールドを確立するが、これは、SCPG62
とMCP43との間に通常存在するものよりも著しく低いものである。このよう
に、スパッタ生成物イオンは大きく加速されない。これらのスパッタ生成物イオ
ンの初期エネルギーは低いため(20eV未満であることが測定された)、これ
らのイオンはこの領域内をゆっくりと移動する。著しいエネルギー損失の無い非
入射親イオンおよび入射イオンは、この領域内を高速で移動し続け、スパッタ生
成物イオンを通過する。スパッタ生成物イオンがDAG63を通過すると、次い
でこれらのイオンはDAG63とMCP43との間に存在する強度のフィールド
によって加速される。DAG電位は、スパッタ・イオンおよび親イオンの個体群
のポストDAG63加速が引き起こされて、その結果、MCP43の表面上の衝
撃点でスパッタ生成物イオンが親イオンの個体群に追いつくように選択される。
このようにして、時間の散乱は最小限に抑えられ、分解能は向上する。
【0063】 時間補償の親イオンおよびスパッタ生成物イオンに必要とされる差分加速の程
度は質量に依存するため、DAG63の電位は、入射イオンの質量とともに変わ
る。これは、異なる標的質量範囲でセグメントごとに走査が行われるように、明
らかなDC DAG電位を使用することによって実現することができる。しかし
この技法は、やや扱いにくい。好ましい解決策は、DAG63がいくらか一定の
DC電位に保たれ、信号の振幅が時間依存性であるAC信号に容量的に結合され
たものである。このAC信号の時間依存性の振幅変化は、SCPG62に親イオ
ンが到達する時間に同期し、その結果、所与の分子量分析時間中に適切なDAG
電位が存在する。
【0064】 このような分解能の補正は、作り出された多数の2次荷電粒子のために十分に
働くが、分子量または初速度がそのようなその他のイオン個体群が依然存在し、
その結果、イオン個体群のすべては、親イオンに一致するためにMCP43の変
換表面上にすべてが集束することはできない。このため、分解能の強化とこの技
法の補正に対する基本的な限度が存在する。このように順軌道SCPG検出器を
使用した場合の分解能の低下は、分子量が10kDa未満の化合物の分析中に観
察される。この質量範囲で検出された分析物は、MCP43の表面上での適切な
変換効率を示す。その結果、このような感度を高めるメカニズムは必要とされな
い。
【0065】 順軌道SCPG検出器は、SCPG62、DAG63、およびMCP43の電
位を変えることによって、高分解能モードに切り替えることができる。SCPG
62とDAG63は、共に同一でわずかに正のバイアスに設定される(+50〜
100ボルト)。このように、これらのグリッドの正のバイアスは、電子動作機
能を超え、したがってスパッタ電子の放出を起こりそうもなくする。そのため、
スパッタ・ニュートラル生成物および無傷の親イオンは、放出された電子と衝突
しない。このように電子衝撃によって、スパッタ・ニュートラルはイオン化せず
、入射親イオンはフラグメント化しない。さらに、SCPG62とDAG63と
の間に存在する同電位では、MCP43の表面に向かうスパッタ・イオン生成物
にどのような加速ももたらさない。またMCP42の表面電位は−2000ボル
ト未満に減少し、弱いポスト加速フィールドを作り出す。後者は、任意の2次ス
パッタ生成物、2次フラグメント化生成物、または1次イオン種の準安定な崩壊
生成物のポスト加速に起因する可能な時間の分散を無くす。前述の構成は、分子
量が3000Da未満の分析物のために同位体種を分解することが可能である。
【0066】 順軌道SCPG検出器は、所望の動作モードに応じて前述の電位を変えるため
、電子的または機械的な切替え手段または電圧発生手段を提供することによって
、高分解能モードと高分子量/高められた感度モードとの間に自動的に留めるこ
とができる。
【0067】 したがってミクロチャネル板43および44は、高分子量感度動作のためには
高い負の電位(−15kVまで)に保たれ、高分解能測定のためには低電位(−
2kV以下)に保たれる。どちらの場合でも、MCP43および44の負の電位
は、電子がアノード25に伝搬するのを助け、これは仮想接地に好ましく保たれ
る。
【0068】 したがって、高分子量感度モードで動作する順軌道イオン検出器の一般的な動
作は、フィールド保持グリッド61またはフィールド保持管64の内部を進行す
る1次イオン46を含む。親イオンは、いくらか負のバイアス電位に保たれたS
CPG62に打ち当たり、そのため親イオンはフラグメント化して生成物イオン
になり、それと同時にSCPG62からスパッタ電子、スパッタ・ニュートラル
、およびスパッタ・イオン生成物を放出する。放出された電子は、電子衝撃のメ
カニズムによって、スパッタ・ニュートラルおよび他のフラグメント親イオンを
イオン化する。正確な電位は、容量的に結合されたAC発生器によってDAG6
3に加えられ、その結果SCPG62生成物および無傷の親イオンの差分加速が
生じる。このような差分加速は、SCPG62生成物イオンおよび無傷の親イオ
ンが、DAG63とMCP43との間に確立された領域に移って行くまで続く。
差分加速の確立された程度は、無傷の親イオンおよびほとんどのスパッタ生成物
の両方が、同じ時点でMCP43の変換表面に到達するのを保証する。MCP4
3およびMCP44内で続けて生じる電子放出カスケードは、最終的に検出器ア
ノード45に突き当たる、増幅された電子束を作り出す。検出器アノード46で
作り出された電流は、検出器信号を発生させるために使用される。
【0069】 高分解能モードにおけるこの検出器の一般的な動作は、SCPG62およびD
AG63が同様に全く同一のわずかに正のバイアスに保たれ、MCP43が20
00ボルト以下の負の電位に保たれる他は、本質的に同様である。この構成では
、SCPG62による電子放出は好ましくなく、親イオンのSCPG62への衝
突によって作り出されたどのスパッタ生成物も、MCP43に向かって加速され
ない。さらに、DAG63とMCP43との間に存在する弱いポスト加速フィー
ルドは、スプリアスのフラグメント・イオンを適切に変換するのに不十分である
。その結果、親分子イオンのみが効率的に透過しかつ変換され、高分解能動作モ
ードが作り出される。
【0070】 既に述べたように、マイクロチャネル板43および44を、電子倍増管や、マ
イクロチャネル板と電子倍増管とのハイブリッドの組合せなどの、いくつかのそ
の他の電子放射検出器に置き換えることができることが、当業者には明らかなは
ずである。
【0071】 本発明のイオン検出器は、イオンの検出用の任意の装置に使用することができ
る。例えばイオン脱離装置は、飛行時間を検出するためのタイマを含む必要がな
い。このような装置は、発生したイオンを散開させて、検出器による微分が可能
になる。
【0072】 したがって、本発明は、2つの2次荷電粒子発生器検出器、すなわち順軌道イ
オン検出器と逆軌道イオン検出器とからなる。これら双方のアプローチは、1次
入射親イオンが2次生成物を発生させて、追加の信号を作り出すという手段を提
供し、そのため検出プロセスでの全利得が増加する。このようなイオン検出器ア
センブリは、従来技術の装置と比べた場合、感度が高められている。
【0073】 本発明について、具体的で例示的な実施形態を参照しながら述べてきたが、こ
れは、上記請求項の範囲内にあるすべての修正および均等物を含むことを意図す
ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析計計の概略図である。
【図2a】 離散グリッド型2次イオン検出器の概略図である。
【図2b】 本発明による順軌道2次荷電粒子発生器検出器の概略図である。
【図2c】 本発明によるAC結合DAGを有する順軌道離散SCPGイオン検出器の概略
図である。
【図3】 本発明による逆軌道2次イオン発生器であって凹面集束要素含むものの概略図
である。
【図4】 本発明による逆軌道2次イオン発生器であって円錐形イオン・レンズを含むも
のの概略図である。
【図5】 スパッタ角の関数として2次荷電粒子エネルギーを示すグラフである。
【図6】 可能な有機被覆、ならびにこれらの有機被覆を銅骨格に共有結合する手段を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a.1次イオンの運動を1次進行方向に沿って導く電気的に
    遮へいされたイオン・トランスポータと、 b.トランスポータからの1次イオンが結合したのに応答して2次荷電粒子を
    発生させる2次荷電粒子発生器と、 c.1次進行方向に少なくとも部分的に逆行する2次進行方向に沿った2次荷
    電粒子およびはね返った1次イオン・フラグメントを受け取るように配置され、
    2次荷電粒子発生器からの2次荷電粒子およびはね返った1次イオン・フラグメ
    ントが結合したのに応答して電子を発生させる電子放出検出器と、 d.電子放出検出器が発生させた電子を検出し、信号を発生させる手段 を備える、逆軌道イオン検出器。
  2. 【請求項2】 トランスポータが、電子伝導性材料でコーティングされた管
    を含む請求項1に記載のイオン検出器。
  3. 【請求項3】 トランスポータが金属管を含む請求項1に記載のイオン検出
    器。
  4. 【請求項4】 前記管を取り囲む電界保持入口グリッドをさらに備え、前記
    管が、電界保持入口グリッドと2次荷電粒子発生器の間に円錐形の出口を備え、
    前記管がさらに、電界保持入口グリッドと前記管の入口の間の前記管の中にレン
    ズ接地グリッドを備える請求項3に記載のイオン検出器。
  5. 【請求項5】 トランスポータが円筒形のグリッドを含む請求項1に記載の
    イオン検出器。
  6. 【請求項6】 2次イオン発生器が、2次荷電粒子をはじき飛ばす静電位を
    有する請求項1に記載のイオン検出器。
  7. 【請求項7】 2次荷電粒子が、電子、陽子、銅イオンおよび銅中性化学種
    を含む請求項1に記載のイオン検出器。
  8. 【請求項8】 2次荷電粒子が、金、銀、ニッケルおよび銅合金のうちの少
    なくとも1つ、あるいは放出されたイオン、電子、陽子および/または中性化学
    種を有する金属を含む請求項1に記載のイオン検出器。
  9. 【請求項9】 2次荷電粒子発生器が非透過性箔を含む請求項1に記載のイ
    オン検出器。
  10. 【請求項10】 2次荷電粒子発生器が透過性箔を含む請求項1に記載のイ
    オン検出器。
  11. 【請求項11】 2次荷電粒子発生器が、結合側が金属で覆われたソリッド
    のディスクを含む請求項1に記載のイオン検出器。
  12. 【請求項12】 2次荷電粒子発生器が、結合側が金属合金で覆われたソリ
    ッドのディスクを含む請求項1に記載のイオン検出器。
  13. 【請求項13】 2次荷電粒子発生器が低透過性グリッドを含む請求項1に
    記載のイオン検出器。
  14. 【請求項14】 2次荷電粒子発生器が高透過性グリッドを含む請求項1に
    記載のイオン検出器。
  15. 【請求項15】 2次荷電粒子発生器が、少なくとも結合側に沿って、導電
    性をもたらし、スパッタリング能力を有する金属、無機、または有機コーティン
    グ、あるいはこれらの混合コーティングで覆われた不活性骨格を含む請求項1に
    記載のイオン検出器。
  16. 【請求項16】 2次荷電粒子発生器が、2次荷電粒子を電子放出検出器と
    結合するように消費的に導く働きをする凹形の集束部品を備える請求項1に記載
    のイオン検出器。
  17. 【請求項17】 電子放出検出器が第1のマイクロチャネル・プレートを備
    える請求項1に記載のイオン検出器。
  18. 【請求項18】 電子放出装置が、第1のマイクロチャネル・プレートが発
    生させた電子が自体と結合したのに応答して電子を発生させる第2のマイクロチ
    ャネル・プレートを備える請求項17に記載のイオン検出器。
  19. 【請求項19】 電子放出検出器が電子増倍管を備える請求項1に記載のイ
    オン検出器。
  20. 【請求項20】 電子放出検出器が、マイクロチャネル・プレートおよび電
    子増倍管を備える請求項1に記載のイオン検出器。
  21. 【請求項21】 2次荷電粒子発生器と少なくとも1つの電子放出検出器の
    間に電界保持入口グリッドをさらに備える請求項1に記載のイオン検出器。
  22. 【請求項22】 a.1次イオンを進行方向に沿って2次荷電粒子発生器に
    導く段階と、 b.1次イオンを2次荷電粒子発生器に結合させ、これによって2次荷電粒子
    を生成させる段階と、 c.2次荷電粒子発生器からの2次荷電粒子を、1次イオンの進行方向に対し
    て少なくとも部分的に逆行する進行方向に沿って電子放出検出器に向かってはじ
    き飛ばす段階と、 d.2次荷電粒子を電子放出検出器に結合させ、これによって電子を放出させ
    る段階と、 e.電子を検出し、これに応答して信号を発生させる段階 を含む、イオン検出法。
  23. 【請求項23】 a.1次イオンを進行方向に沿って検出装置内に導く電界
    保持グリッドと、 b.機器接地に対してある電位に維持され、1次イオンが電界保持グリッドを
    通過し、自体に結合したのに応答して、スパッタされた電子、陽子、イオン、中
    性化学種および1次イオン・フラグメントを含む2次生成物を生成させるグリッ
    ド2次荷電粒子発生器と、 c.2次荷電粒子発生器からの2次生成物および1次イオンが変換面と結合し
    たのに応答して、電子を発生させる電子放出検出器と、 d.電子放出検出器が発生させた電子を検出し、これに応答して信号を発生さ
    せる手段 を備える、順軌道イオン検出器。
  24. 【請求項24】 1次イオンおよび2次生成物を、それらの大部分が電子放
    出検出器の変換面に同時に到達するように差動加速する差動加速グリッドをさら
    に備える請求項23に記載のイオン検出器。
  25. 【請求項25】 電界保持グリッドが、低スパッタ・ポテンシャルを有する
    金属または電子伝導性材料から成る高透過性グリッドを含む請求項23に記載の
    イオン検出器。
  26. 【請求項26】 電界保持グリッドを電界保持管に置き換えた請求項23に
    記載のイオン検出器。
  27. 【請求項27】 電界保持管が、金属、電子伝導性ポリマー、非伝導性ポリ
    マー、電子伝導性コーティングで覆われたセラミックのうちの1つを含む請求項
    26に記載のイオン検出器。
  28. 【請求項28】 2次荷電粒子発生グリッドが、銅、カドニウム、銀、鉛、
    亜鉛、金、高スパッタ・ポテンシャル合金のうちの1つを含む請求項23に記載
    のイオン検出器。
  29. 【請求項29】 2次荷電粒子発生グリッドが、高スパッタ・ポテンシャル
    の電子伝導性コーティングでコーティングされた非伝導性骨格を含む請求項23
    に記載のイオン検出器。
  30. 【請求項30】 有機芳香族化合物が、金属グリッドバックボーンに共有結
    合し、少なくとも2次荷電粒子発生器のイオン結合側に連続したコーティングを
    生成する請求項28に記載のイオン検出器。
  31. 【請求項31】 有機金属化合物が、金属グリッドバックボーンに共有結合
    し、少なくとも2次荷電粒子発生器のイオン結合側に連続したコーティングを生
    成する請求項28に記載のイオン検出器。
  32. 【請求項32】 π共役系を含む有機ポリマーが、金属グリッドバックボー
    ンに共有結合し、少なくとも2次荷電粒子発生器のイオン結合側に連続したコー
    ティングを生成する請求項28に記載のイオン検出器。
  33. 【請求項33】 2次荷電粒子発生器が、機器接地に対して正電位に維持さ
    れる請求項23に記載のイオン検出器。
  34. 【請求項34】 2次荷電粒子発生器が、機器接地に対して負電位に維持さ
    れる請求項23に記載のイオン検出器。
  35. 【請求項35】 差動加速グリッドが、低スパッタ・ポテンシャルを有する
    材料から成るグリッド部品の高透過性構成を含む請求項24に記載のイオン検出
    器。
  36. 【請求項36】 差動加速グリッドが、異なる機器デューティ・サイクルで
    異なる直流電位に維持され、親イオンおよび2次生成物の電子放出検出器の変換
    面での一時集束を可能にする請求項24に記載のイオン検出器。
  37. 【請求項37】 差動加速グリッドが、直流オフセットと容量結合された交
    流信号との組合せによって、異なる電位に維持され、この構成の差動加速特性が
    、走査時刻の関数として連続的に変更される請求項24に記載のイオン検出器。
  38. 【請求項38】 信号発生器が差動加速グリッドに直接に結合され、時間依
    存差動後段加速が生み出される請求項37に記載のイオン検出器。
  39. 【請求項39】 電子放出検出器が、第1のマイクロチャネル・プレートを
    含む請求項23に記載のイオン検出器。
  40. 【請求項40】 電子放出装置が、第1のマイクロチャネル・プレートが発
    生させた電子が自体に結合したのに応答して電子を発生させる第2のマイクロチ
    ャネル・プレートを備える請求項39に記載のイオン検出器。
  41. 【請求項41】 電子放出検出器が電子増倍管を備える請求項23に記載の
    イオン検出器。
  42. 【請求項42】 2次荷電粒子発生器と電子放出装置の間の電界生成の強弱
    を自動的に切り換える手段をさらに備える請求項23に記載のイオン検出器。
  43. 【請求項43】 差動加速グリッドと電子放出装置の間の電界生成の強弱を
    自動的に切り換える手段をさらに備える請求項24に記載のイオン検出器。
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