JP2014058844A - 地震対応人孔保護工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 積層されたコンクリート側塊2,2の接合部3を、コンクリート側塊2,2の内周側から外周壁面を超えない範囲の所定の位置までの深さで、接合部3に沿って周方向に切削して、コンクリート側塊2,2の接合部3に内周側に開口する高さ方向所定幅の周溝部4を形成し、周溝部4に、少なくともコンクリート側塊2,2の破壊よりも弱い力で剪断するように弾性接着剤5を充填してシールする。
【選択図】 図1
Description
ゴム製保護カラーは、胴部の略中央部に内方に突出して形成した伸縮調整部を設け、地震により人孔のコンクリート側塊の接合部がずれたとき、伸縮調整部が伸びてゴム製保護カラーで接合部を塞いだ状態を保持し、接合部のずれから人孔内への土砂や水の流入を防ぐことができるものとなっている。
このようなことから、ゴム製保護カラーには、一点に集中する局部的な応力に耐えられる目標強度を設定して構造設計することが求められることになる。しかし、コンクリート側塊のずれが大きい場合、このずれにより一点に集中する局部的な応力に耐えられる目標強度をゴム製保護カラーに設定することは非常に困難であるといった問題がある。
また、コンクリート側塊の接合部を切削して形成された周溝部に充填されて接合部をシールする弾性接着剤層の伸びと強さは層の断面積に比例するので、前記周溝部の溝幅、深さ等を調整することにより、コンクリート側塊の接合部が水平方向にずれたときの保護範囲(ずれ量)と目標強度を容易に設定することができる。
また、コンクリート側塊の接合部に前記筒状シールを接着したので、前記筒状シールが所定の伸びと強さをもってコンクリート側塊の接合部の水平方向へのずれに追従することになり、前記応力に対する耐力の一層の向上が図れるとともに、前記積層されたコンクリート側塊の接合部の鉛直方向へのずれによる鉛直方向にかかる応力に対する耐力の向上も図れ、また、周溝部に充填された接合部全周にある弾性接着剤層の劣化を防止することができる。
図1乃至図4は本発明に係る地震対応人孔保護工法の実施の形態の第1例を示すもので、図1は第1例を実施した人孔の縦断面図、図2は第1例で実施される人孔の積層されたコンクリート側塊の接合部位に形成された周溝部の要部縦断説明図、図3は第1例を実施した人孔の積層されたコンクリート側塊の接合部の水平方向への変位と、変位に伴う弾性接着剤層の伸びを示す説明図、図4は第1例を実施した人孔の積層されたコンクリート側塊の接合部の鉛直方向への変位と、変位に伴う弾性接着剤層の伸びを示す説明図である。
まず、積層されたコンクリート側塊の接合部3を、コンクリート側塊2,2の内周側から外周壁面を超えない範囲の所定の位置までの深さL1で、接合部3に沿って周方向に切削して、コンクリート側塊2,2の接合部3に内周側に開口する高さ方向所定幅L2の周溝部4を形成する(図2参照。)。
つぎに、周溝部4に、少なくともコンクリート側塊2,2の破壊よりも弱い力で剪断するように弾性接着剤5を充填してシールする。
このときの水平方向にかかる応力は、周溝部4に充填された接合部3の全周にある弾性接着剤層6全体に均等にかかることになり、応力に対する耐力の向上が図れる。
また、コンクリート側塊2,2の接合部3が鉛直方向にずれたとき、周溝部3内に充填された弾性接着剤5で形成された弾性接着剤層6が伸びてコンクリート側塊2,2の接合部3の鉛直方向への変位に追従する(図4参照。)。
また、周溝部4に充填されて接合部3をシールする弾性接着剤層6の伸びと強さは弾性接着剤層6の断面積に比例するので、周溝部4の深さL1と幅L2等を調整することにより、コンクリート側塊2,2の接合部3が水平方向にずれたときの保護範囲(ずれ量)と目標強度を容易に設定することができる。
本例の地震対応人孔保護工法は、第1例と同様に、人孔1における上下に積層されたコンクリート側塊2,2の接合部3の耐震化を図る地震対応人孔保護工法である。
また、本例では、筒状シール7における胴部外周面である接着面に合成繊維シート8が溶着されている。この合成繊維シート8は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の繊維を使用した織布、不織布の何れであってもよい。
つぎに、周溝部4に、少なくともコンクリート側塊2,2の破壊よりも弱い力で剪断するように弾性接着剤5を充填してシールする。
周溝部4の深さL1と幅L2は、第1例と同様にして決められるので、第1例の説明を援用する。周溝部4に充填する弾性接着剤5にあっても、第1例と同様なので、第1例の説明を援用する。
このときの水平方向にかかる応力は、周溝部4に充填された接合部3の全周にある弾性接着剤層6、弾性接着剤層10、筒状シール7の全体に均等にかかることになり、応力に対する耐力の向上が図れる。
また、コンクリート側塊2,2の接合部3が鉛直方向にずれたとき、弾性接着剤層6、弾性接着剤層10、筒状シール7が伸びてコンクリート側塊2,2の接合部3の鉛直方向への変位に追従するので(図8参照。)、コンクリート側塊2,2の接合部3の鉛直方向へのずれによる鉛直方向にかかる応力に対する耐力の向上も図れる。
また、筒状シール7として使用されるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等は耐薬品性、耐水性に優れ、弾性接着剤層6,10への薬液浸入等による劣化を防止することができる。
また、本例では、筒状シール7における胴部外周面である接着面に合成繊維シート8が溶着されているので、弾性接着剤9により筒状シール7の接着面をコンクリート側塊2,2に接着したとき、合成繊維シート8の繊維がアンカーとなって、筒状シール7が弾性接着剤9から剥がれるといったことが防止される。
2,2 コンクリート側塊
3 接合部
4 周溝部
5 弾性接着剤
6 弾性接着剤層
7 筒状シール
8 合成繊維シート
9 弾性接着剤
10 弾性接着剤層
L1 コンクリート側塊の接合部に沿って周方向に切削して形成された周溝部の接合部の 内周側からの深さ
L2 周溝部の接合部の内周側に開口する高さ方向の幅
L3 筒状シールをコンクリート側塊内側に接着する弾性接着剤で形成される弾性接着剤 層の厚さ
L4 筒状シールをコンクリート側塊内側に接着する弾性接着剤で形成される弾性接着剤 層の幅
Claims (3)
- 積層されたコンクリート側塊の接合部の耐震化を図る地震対応人孔保護工法であって、積層されたコンクリート側塊の接合部を、コンクリート側塊の内周側から外周壁面を超えない範囲の所定の位置までの深さで、接合部に沿って周方向に切削して、コンクリート側塊の接合部に内周側に開口する高さ方向所定幅の周溝部を形成し、前記周溝部に、少なくとも前記コンクリート側塊の破壊よりも弱い力で剪断するように弾性接着剤を充填してシールすることを特徴とする地震対応人孔保護工法。
- 積層されたコンクリート側塊の接合部の耐震化を図る地震対応人孔保護工法であって、少なくとも前記コンクリート側塊の破壊よりも弱い力で破断する合成樹脂で成形した可撓シートを基材として、前記積層されたコンクリート側塊の内周に対応した筒状体を形成し、前記筒状体における胴部外周面を接着面とした筒状シールを用意し、まず、前記コンクリート側塊の接合部を、コンクリート側塊の内周側から外周壁面を超えない範囲の所定の位置までの深さで、接合部に沿って周方向に切削して、コンクリート側塊の接合部に内周側に開口する高さ方向所定幅の周溝部を形成し、つぎに、前記周溝部に、少なくとも前記コンクリート側塊の破壊よりも弱い力で剪断するように弾性接着剤を充填してシールし、つぎに、前記筒状シールを、前記積層されたコンクリート側塊の内側に接合部を跨ぐように配置し前記弾性接着剤を用いて接着し固定することを特徴とする地震対応人孔保護工法。
- 前記筒状シールにおける前記接着面には合成繊維シートが積層されていることを特徴とする請求項2に記載の地震対応人孔保護工法。
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