JP7308381B2 - 人孔接合部止水工法 - Google Patents
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Description
従来、積層されたコンクリート側塊の接合部からの浸水を防ぐ手段として、積層されたコンクリート側塊の接合部を、コンクリート側塊の内周側から外周壁面を超えない範囲の所定の位置までの深さで、接合部に沿って周方向に切削して、コンクリート側塊の接合部に内周側に開口する高さ方向所定幅の周溝部を形成し、周溝部に弾性接着剤を充填してシールしたり(例えば、特許文献1参照。)、また、積層されたコンクリート側塊の接合部に止水モルタルを配置する(例えば、特許文献2参照。)といったことが知られている。
この状態で、前記周溝部の溝奥で、前記バイパス穴の手前或いは跨がる位置に水膨潤材又は水膨張材からなる止水材を挿入することにより、前記止水材が流入する水を吸いこみ膨潤又は膨張して前記周溝部の内周に圧接する。
前記周溝部の溝奥に挿入した前記止水材が前記バイパス穴の手前である場合、コンクリート側塊の接合部を通じて前記周溝部へ流入する水は前記周溝部の奥部に連通する前記バイパス穴に流れるので、前記周溝部の内周に圧接した前記止水材に掛かる水圧を低く抑えることができ、前記周溝部に流入した水で前記止水材が押し出されることなく、前記周溝部が前記止水材により確実に堰止められる。
また、前記周溝部の溝奥に挿入した前記止水材が前記バイパス穴に跨がっている場合、前記周溝部へ流入した水の圧力が上昇し、水圧により前記周溝部の内周に圧接した前記止水材が前記周溝部の開口側へ押し出されたとしても、前記止水材が前記バイパス穴から離れた時点で前記バイパス穴が開放され、前記周溝部に流入した水は前記バイパス穴に流れ、前記周溝部の内周に圧接した前記止水材に掛かる水圧が低くなり、前記止水材がそれ以上押し出されることなく、前記周溝部が前記止水材により確実に堰止められる。
このようにして堰止めした前記周溝部に止水接着剤を充填することにより、前記周溝部を確実にシールすることができる。
そして、前記周溝部に止水接着剤を充填したら、前記コンクリート側塊の壁部に形成した前記バイパス穴にシール材を注入してシールするが、前記バイパス穴内を流れる水量は少ないので水圧が低く、前記バイパス穴に注入した前記シール材が押し出されることがなく、前記バイパス穴を前記シール材で確実にシールすることができる。
この状態で、前記周溝部の溝奥に前記止水材を挿入することにより、前記止水材が流入する水を吸いこみ膨潤又は膨張して前記周溝部の内周に圧接する。
そして、外部からコンクリート側塊の前記接合部へ入った水は、前記接合部に連通する前記バイパス穴に流れるので、前記周溝部の内周に圧接した前記止水材に掛かる水圧を低く抑えることができ、前記接合部を通って前記周溝部に流入した水で前記止水材が押し出されることなく、前記周溝部が前記止水材により確実に堰止められる。
このようにして堰止めした前記周溝部に止水接着剤を充填することにより、前記周溝部を確実にシールすることができる。
そして、前記周溝部に止水接着剤を充填したら、前記コンクリート側塊の壁部に形成した前記バイパス穴にシール材を注入してシールするが、前記バイパス穴内を流れる水量は少ないので水圧が低く、前記バイパス穴に注入した前記シール材が押し出されることがなく、前記バイパス穴を前記シール材で確実にシールすることができる。
図1乃至図4は本発明に係る人孔接合部止水工法の実施の形態の第1例を示すものであり、図1は第1例の人孔接合部止水工法を実施した人孔を示す縦断面図、図2は第1例の人孔接合部止水工法を実施する工程で、積層されたコンクリート側塊の接合部に周溝部を形成した状態を示す要部縦断説明図、図3は第1例の人孔接合部止水工法を実施する工程で、周溝部の周溝部内に止水材を挿入して周溝部を堰止めした状態を示す要部縦断説明図、図4は第1例の人孔接合部止水工法を実施する工程で、周溝部に止水接着剤を充填してシールした状態を示す要部縦断説明図である。
周溝部4内に挿入された環状の止水材5は、流入する水を吸いこみ膨潤又は膨張して周溝部4の内周に圧接し、そして、周溝部4の内周に圧接した止水材に掛かる水圧は低くなっているので、流入した水で押し出されることなく周溝部4を堰止める(図3参照。)。
なお、止水材5の形状は、周溝部4に沿って挿入することができれば特に限定されないが、本例のように紐状に形成すると周溝部4に沿った止水材5の挿入を容易にすることができるので好適である。また、予め周溝部4の溝奥の周長に合わせた長さに形成した紐状の止水材5の両端を接合して環状の止水材5としてもよい。環状の止水材5によれば、周溝部4の所定位置への止水材5の挿入を素早く且つ容易に行うことができる。
止水接着剤6にあっては、樹脂系接着剤、セメント型接着剤などが使用される。樹脂系接着剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーンゴム系樹脂などがあげられる。セメント型接着剤としては、ポリマーセメントモルタルがあげられる。
第2例は、第1例と同様に、既設の人孔1における上下に積層されたコンクリート側塊2,2の接合部3から流入する水を止める人孔接合部止水工法であり、特に、コンクリート側塊2,2の接合部3から流入する水量が多い場合に適した人孔接合部止水工法であって、第1例で、周溝部4に挿入した止水材5が周溝部4に流入する水の水圧により開口側に押し出されるおそれがある場合に、止水材5の押出しを防止できるようにしたものである。
本例では、バイパス穴7を周溝部4の周方向に任意の間隔を空けて複数形成している(図7参照。)。バイパス穴7の間隔や個数は、バイパス穴7へバイパスさせる水量やバイパス穴7へ挿入するシール材の材質などにより適宜設定する。
周溝部4内に挿入された止水材5は、流入する水を吸いこみ膨潤又は膨張して周溝部4内周に圧接し、その結果、周溝部4へ流入した水の水圧が上昇し、水圧により周溝部4の内周に圧接した止水材5に高い水圧が掛かることになるが、このとき、止水材5に周溝部4の内周に圧接した圧接力を超える水圧が掛かり、この水圧により止水材5が周溝部4の開口側へ押し出されたとしても、止水材5がバイパス穴7から離れた時点でバイパス穴7が開放され、周溝部4に流入した水はバイパス穴7に流れ、周溝部4の内周に圧接している止水材5に掛かる水圧が低くなり、止水材5がそれ以上押し出されることなく周溝部4を堰止める(図10参照。)。
止水接着剤6にあっては、樹脂系接着剤、セメント型接着剤などが使用される。樹脂系接着剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーンゴム系樹脂などがあげられる。セメント型接着剤としては、ポリマーセメントモルタルがあげられる。
第2例では、ゴム等の弾性体からなる栓9をバイパス穴7の奥に圧入して止水してからシール材8を注入してシールしている。
シール材8として、エポキシ樹脂、ポリマーセメントモルタルがあげられる。本例ではポリマーセメントモルタルを使用している。
本例では、バイパス穴7に跨がる位置に止水材5を挿入したので、周溝部4内に挿入された止水材5は、流入する水を吸いこみ膨潤又は膨張して周溝部4内周に圧接し、その結果、周溝部4へ流入した水の水圧が上昇し、水圧により周溝部4の内周に圧接した止水材5に高い水圧が掛かることになるが、この水圧により止水材5が周溝部4の開口側へ押し出されたとしても、止水材5がバイパス穴7から離れた時点でバイパス穴7が開放され、周溝部4に流入した水はバイパス穴7に流れ、周溝部4の内周に圧接している止水材5に掛かる水圧が低くなり、止水材5がそれ以上押し出されることなく周溝部4が止水材5により確実に堰止められる。
また、図9に示すように、バイパス穴7が下側と上側の両方のコンクリート側塊2,2の両方に形成した場合には、外部からコンクリート側塊2,2,の接合部3を通じて周溝部4へ流入する水が上下のバイパス穴7に流れるので、多くの量の水をバイパスさせることができ、周溝部4へ流入する水の量が多くても周溝部3を流れる水量が減少し、周溝部4の内周に圧接した止水材5に掛かる水圧を低くすることができる。また、流入する水の量が少ない場合には、上側のバイパス穴7が通気穴となって下側のバイパス穴7内の水の流れをスムーズにすることができる。
第2例では第1例と同様に、止水接着剤6は、少なくともコンクリート側塊の破壊より弱い力で剪断する弾性接着剤が使用されているので、地震によってコンクリート側塊の接合部が水平方向にずれたとき、水平方向にかかる応力は、コンクリート側塊の接合部に沿って周方向に切削された周溝部に充填された接合部全周にある弾性接着剤層全体に均等にかかることになるから、応力に対する耐力の向上が図れ、また、コンクリート側塊の接合部の水平方向へのずれが周溝部に充填された弾性接着剤で形成された弾性接着剤層の伸び率を超えた場合、コンクリート側塊に先んじて弾性接着剤層が剪断し、コンクリート側塊の破壊を防止することができるので、地震にも対応することができる。
また、第2例では、ゴム等の弾性体からなる栓9をバイパス穴7の奥に圧入して止水してからシール材8を注入してシールしているので、バイパス穴7の水の流れが無い状態でシール材8を注入することができ、シール材8の注入作業を容易に行うことができる。
第3例は、第2例と同様に、既設の人孔1における上下に積層されたコンクリート側塊2,2の接合部3から流入する水を止める人孔接合部止水工法である。
本例では、バイパス穴7を接合部3の周方向に任意の間隔を空けて複数形成している(図15参照。)。バイパス穴7の間隔や個数は、バイパス穴7へバイパスさせる水量やバイパス穴7へ挿入するシール材の材質などにより適宜設定する。
周溝部4内に挿入された止水材5は、外部からコンクリート側塊2,2の接合部3へ入り、周溝部4内に流入する水を吸いこみ膨潤又は膨張して周溝部4内周に圧接する。そして、外部からコンクリート側塊2,2の接合部3へ入った水は、接合部3に連通するバイパス穴7に流れるので、周溝部4の内周に圧接している止水材5に掛かる接合部3を通って周溝部4に流入した水の圧力を低く抑えることができる。これにより、接合部3を通って周溝部4に流入した水で止水材5が押し出されることなく、周溝部4が止水材5により確実に堰止められる(図16参照。)。
止水接着剤6にあっては、樹脂系接着剤、セメント型接着剤などが使用される。樹脂系接着剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーンゴム系樹脂などがあげられる。セメント型接着剤としては、ポリマーセメントモルタルがあげられる。
第2例では、ゴム等の弾性体からなる栓9をバイパス穴7の奥に圧入して止水してからシール材8を注入してシールしている。
シール材8として、エポキシ樹脂、ポリマーセメントモルタルがあげられる。本例ではポリマーセメントモルタルを使用している。
そして、外部からコンクリート側塊2,2の接合部3へ入った水は、接合部3に連通するバイパス穴7に流れるので、周溝部4の内周に圧接した止水材5に掛かる水圧を低く抑えることができ、接合部3を通って周溝部4に流入した水で止水材5が押し出されることなく、周溝部4が止水材5により確実に堰止められる。
第3例では第2例と同様に、止水接着剤6は、少なくともコンクリート側塊の破壊より弱い力で剪断する弾性接着剤が使用されているので、地震によってコンクリート側塊の接合部が水平方向にずれたとき、水平方向にかかる応力は、コンクリート側塊の接合部に沿って周方向に切削された周溝部に充填された接合部全周にある弾性接着剤層全体に均等にかかることになるから、応力に対する耐力の向上が図れ、また、コンクリート側塊の接合部の水平方向へのずれが周溝部に充填された弾性接着剤で形成された弾性接着剤層の伸び率を超えた場合、コンクリート側塊に先んじて弾性接着剤層が剪断し、コンクリート側塊の破壊を防止することができるので、地震にも対応することができる。
また、第3例では、第2例と同様に、ゴム等の弾性体からなる栓9をバイパス穴7の奥に圧入して止水してからシール材8を注入してシールしているので、バイパス穴7の水の流れが無い状態でシール材8を注入することができ、シール材8の注入作業を容易に行うことができる。
2,2 コンクリート側塊
3 接合部
4 周溝部
5 止水材
6 止水接着剤
7 バイパス穴
8 シール材
9 栓
Claims (6)
- 積層されたコンクリート側塊の接合部から流入する水を止める人孔接合部防水工法であって、積層された前記コンクリート側塊の接合部を、前記コンクリート側塊の内周側から外周壁面を超えない範囲の所定の位置までの深さで、接合部に沿って周方向に切削して前記コンクリート側塊の接合部に内周側に開口する周溝部を形成し、つぎに、前記周溝部の溝奥に水膨潤材又は水膨張材からなる止水材を挿入して前記周溝部を堰止めし、つぎに、前記周溝部に止水接着剤を充填してシールすることを特徴とする人孔接合部止水工法。
- 積層されたコンクリート側塊の接合部から流入する水を止める人孔接合部防水工法であって、積層された前記コンクリート側塊の接合部を、前記コンクリート側塊の内周側から外周壁面を超えない範囲の所定の位置までの深さで、接合部に沿って周方向に切削して前記コンクリート側塊の接合部に内周側に開口する周溝部を形成するとともに、前記コンクリート側塊の壁部に、前記周溝部の奥部に連通し内周壁面に開口するバイパス穴を形成し、つぎに、前記周溝部の溝奥で、前記バイパス穴の手前或いは跨がる位置に水膨潤材又は水膨張材からなる止水材を挿入して前記周溝部を堰止めし、つぎに、前記周溝部に止水接着剤を充填してシールし、つぎに、前記コンクリート側塊の壁部に形成した前記バイパス穴にシール材を注入してシールすることを特徴とする人孔接合部止水工法。
- 前記コンクリート側塊の壁部に形成する前記バイパス穴は、前記周溝部の周方向に任意の間隔を空けて複数形成することを特徴とする請求項2に記載の人孔接合部止水工法。
- 積層されたコンクリート側塊の接合部から流入する水を止める人孔接合部防水工法であって、積層された前記コンクリート側塊の接合部を、前記コンクリート側塊の内周側から外周壁面を超えない範囲の所定の位置までの深さで、接合部に沿って周方向に切削して前記コンクリート側塊の接合部に内周側に開口する周溝部を形成するとともに、前記コンクリート側塊の壁部に、前記コンクリート側塊の外周壁面と前記周溝部の奥部との間に存在する積層された前記コンクリート側塊の接合部に連通し内周壁面に開口するバイパス穴を形成し、つぎに、前記周溝部の溝奥に水膨潤材又は水膨張材からなる止水材を挿入して前記周溝部を堰止めし、つぎに、前記周溝部に止水接着剤を充填してシールし、つぎに、前記コンクリート側塊の壁部に形成した前記バイパス穴にシール材を注入してシールすることを特徴とする人孔接合部止水工法。
- 前記コンクリート側塊の壁部に形成する前記バイパス穴は、前記コンクリート側塊の外周壁面と前記周溝部の奥部との間に存在する積層された前記コンクリート側塊の接合部の周方向に任意の間隔を空けて複数形成することを特徴とする請求項4に記載の人孔接合部止水工法。
- 前記周溝部に充填する止水接着剤は、少なくとも前記コンクリート側塊の破壊より弱い力で剪断する弾性接着剤であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の人孔接合部止水工法。
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