JP2014058454A - 新規なイソシアヌレート化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規なイソシアヌレート化合物に関し、より詳しくは、酸素原子を含んだ五員複素環構造を有する新規なイソシアヌレート化合物に関する。
従来、イソシアヌレート化合物は、種々の利用が検討されており、例えば、モノマーやオリゴマーを重合させてポリマーを形成させるのに際してイソシアヌレート化合物を存在させることにより、前記イソシアヌレート化合物が有するリジッドなトリアジン骨格を前記ポリマー中に取り込ませる試みが検討されている。
即ち、イソシアヌレート化合物は、ポリマーの改質に有用で、該改質されたポリマーを用いて得られる製品に、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性(耐光性)などの特性を発揮させるべく用いられたりしている。
即ち、イソシアヌレート化合物は、ポリマーの改質に有用で、該改質されたポリマーを用いて得られる製品に、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性(耐光性)などの特性を発揮させるべく用いられたりしている。
ところで、2−オキソ−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、γ−ブチロラクトンなどといった酸素原子を含んだ五員複素環構造を有する化合物が従来広く知られており、2−オキソ−1,3−ジオキソランの製造方法について記載された下記特許文献1には、この五員複素環構造を有するイソシアヌレート化合物について記載されている(特許文献1の実施例15参照)。
また、下記特許文献2には、1,3−ジオキソラン環構造を有する特定の有機化合物が熱交換器のフィン用塗料などとして有用であることが記載されており、1,3−ジオキソラン環構造を有するイソシアヌレート化合物(トリアジントリオン)について記載されている(特許文献2の参考例32、33参照)。
しかし、2−オキソ−1,3−ジオキソランなどの五員複素環構造を有するイソシアヌレート化合物については、僅かな製造事例しか知られておらず、このような化合物によってポリマーの改質を図ったり、全く新規なポリマーを得たりしようとしてもその選択肢が限られてしまう状況になっている。
本発明は、上記のような状況に鑑み、五員複素環構造を有する新規なイソシアヌレート化合物を提供することを課題としている。
上記課題を解決すべく本発明は、酸素原子を含んだ五員複素環構造を有し、下記化学式(1)、又は(2)で表されるイソシアヌレート化合物を提供する。
また、上記課題を解決すべく本発明は、酸素原子を含んだ五員複素環構造を有し、下記化学式(3)、又は(4)で表されるイソシアヌレート化合物を提供する。
さらに、上記課題を解決すべく本発明は、酸素原子を含んだ五員複素環構造を有し、下記化学式(5)又は(6)で表されるイソシアヌレート化合物を提供する。
本発明によれば、酸素原子を含んだ五員複素環構造を有する新規なイソシアヌレート化合物が提供される。
従って、本発明によれば、例えば、酸素原子を含んだ五員複素環構造を有するイソシアヌレート化合物によってポリマーの改質等を図る際に、その選択肢を従来に比べて拡張させることができ、従来とは異なる特性を有する新規なポリマーが提供されうる。
従って、本発明によれば、例えば、酸素原子を含んだ五員複素環構造を有するイソシアヌレート化合物によってポリマーの改質等を図る際に、その選択肢を従来に比べて拡張させることができ、従来とは異なる特性を有する新規なポリマーが提供されうる。
(第一実施形態)
本発明の第一の実施形態に係るイソシアヌレート化合物は、2−オキソ−1,3−ジオキソラン環(以下、「環状カーボネート」ともいう)を末端に有する基がトリアジン環を形成している3つの窒素原子の内の1つ又は2つに結合し、残りの窒素原子に特定の基が結合しているもので、具体的には、下記化学式(1)又は(2)で表されるものである。
本発明の第一の実施形態に係るイソシアヌレート化合物は、2−オキソ−1,3−ジオキソラン環(以下、「環状カーボネート」ともいう)を末端に有する基がトリアジン環を形成している3つの窒素原子の内の1つ又は2つに結合し、残りの窒素原子に特定の基が結合しているもので、具体的には、下記化学式(1)又は(2)で表されるものである。
この化学式(1)又は(2)で表される具体的な物質名としては、1−メチル−3,5−ビス[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1−アリル−3,5−ビス[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1−グリシジル−3,5−ビス[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1,3−ジメチル−5−[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1,3−ジグリシジル−5−[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートが挙げられる。
この化学式(1)又は(2)で表される本発明のイソシアヌレート化合物は、下記に示す反応スキームに準拠して合成することができる。
化学式(1)又は(2)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R1、R2がメチル基、又は、アリル基であるイソシアヌレート化合物は、1−メチル−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1−アリル−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジメチル−5−グリシジルイソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレートを原料として合成することができ、該原料を溶媒に溶解させた溶液に触媒を添加して反応液を調製し、該反応液に二酸化炭素を導入しながら適宜な時間攪拌して当該二酸化炭素と前記のイソシアヌレート化合物とを反応させて合成することができる。
この反応液の調製に用いる触媒としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−センヨウ化水素酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン臭化水素酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン塩酸塩、トリエチルアミンヨウ化水素酸塩、トリエチルアミン臭化水素酸塩、トリエチルアミン塩酸塩を採用することができ、該触媒は、二酸化炭素と反応させるイソシアヌレート化合物に対して、通常、0.1当量〜0.5当量の割合で用いることができる。
前記溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等を採用することができる。
前記溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等を採用することができる。
本発明のイソシアヌレート化合物を合成するための反応条件としては、通常、反応温度を0℃〜25℃とすれば良く、反応時間は、6時間〜24時間程度とすればよい。
化学式(1)又は(2)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R1、R2がグリシジル基であるイソシアヌレート化合物は、前記のように合成されるイソシアヌレート化合物を中間原料として利用して合成することができる。
即ち、化学式(1)又は(2)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R1、R2がグリシジル基であるイソシアヌレート化合物は、1−アリル−3,5−ビス[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートを合成した後に、これらのイソシアヌレート化合物とメタクロロ過安息香酸とを溶媒中に含有させた反応液を調製し、該反応液中で前記イソシアヌレート化合物のアリル基をグリシジル基に変換させて合成することができる。
即ち、化学式(1)又は(2)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R1、R2がグリシジル基であるイソシアヌレート化合物は、1−アリル−3,5−ビス[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートを合成した後に、これらのイソシアヌレート化合物とメタクロロ過安息香酸とを溶媒中に含有させた反応液を調製し、該反応液中で前記イソシアヌレート化合物のアリル基をグリシジル基に変換させて合成することができる。
この反応液の調製に用いる溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒を採用することができる。
このグリシジル化の反応条件としては、通常、反応温度を0℃〜25℃とし、反応時間を6時間〜24時間とすればよい。
このグリシジル化の反応条件としては、通常、反応温度を0℃〜25℃とし、反応時間を6時間〜24時間とすればよい。
なお、本発明のイソシアヌレート化合物は、反応液から適宜な処理を行って単離することができる。
この処理について具体的な例を挙げると、反応液を減圧下で濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する方法などが挙げられる。
この処理について具体的な例を挙げると、反応液を減圧下で濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する方法などが挙げられる。
この化学式(1)又は(2)で表されるイソシアヌレート化合物は、上記のようにR1、R2がメチル基、アリル基、又は、グリシジル基のいずれかとなっている。
従って、当該イソシアヌレート化合物は、環状カーボネートの反応性を利用して、ポリマー構造中に取り込ませ得る他にもR1、R2がアリル基やグリシジル基である場合には、これらの基の反応性を利用してポリマー分子中に取り込ませることができる。
従って、当該イソシアヌレート化合物は、環状カーボネートの反応性を利用して、ポリマー構造中に取り込ませ得る他にもR1、R2がアリル基やグリシジル基である場合には、これらの基の反応性を利用してポリマー分子中に取り込ませることができる。
この第一実施形態に係る本発明のイソシアヌレート化合物は、カチオン硬化性、アニオン硬化性、及び光硬化性樹脂の原料をはじめ、従来知られた熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂といったポリマーを改質するための原料として使用した場合には、同化合物の有するリジッドなトリアジン骨格がポリマーの分子中に取り込まれることにより、当該ポリマーによって得られる製品の機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性(耐光性)、難燃性、電気的特性等を未改質のポリマーを用いた場合に比べて向上させうる。
本発明のイソシアヌレート化合物が分子構造中に取り込まれたポリマーにポリカーボネート樹脂や、エポキシ樹脂(化合物)、シリコン樹脂(化合物)などを結合させたり、これらの樹脂(化合物)を単に混合したりして前記の改善効果を高めることも期待される。
本発明の環状カーボネート構造を含むイソシアヌレート化合物およびその重合物は、発光ダイオード、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録媒体用基板、フィルター等の光学部品等の材料、具体的には、半導体素子/集積回路(IC他)、個別半導体(ダイオード、トランジスタ、サーミスタなど)、LED(LEDランプ、チップLED、受光素子、光半導体用レンズなど)、センサー(温度センサー、光センサー、磁気センサー)、受動部品(高周波デバイス、抵抗器、コンデンサなど)、機構部品(コネクター、スイッチ、リレーなど)、自動車部品(回路系、制御系、センサー類、ランプシールなど)、接着剤(光学部品、光学ディスク、ピックアップレンズなど)、光学用フィルムの表面部コーティング剤等に使用される樹脂、リチウム電池、キャパシタ等の電解質や電解膜等の電池材料、医農薬分野において使用されるタンパク質固定化材料、及びレジスト材料の原料としての利用が期待される。
従来、分子内に複数の環状カーボネートを有する化合物と多官能アミン化合物とを反応させて、主鎖に結合する複数の水酸基を有するウレタン樹脂(ポリヒドロキシウレタン)を形成させることが行われているが、本実施形態のイソシアヌレート化合物もこのようなポリヒドロキシウレタンの形成材料として利用可能である。
本実施形態のイソシアヌレート化合物と反応させてポリヒドロキシウレタンを形成させるための多官能アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノへキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン等の脂肪族ポリアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、1,6−シクロヘキサンジアミン、ピペラジン、2,5−ジアミノピリジン等の脂環族ポリアミン、キシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
この第一実施形態に係る本発明のイソシアヌレート化合物や、当該イソシアヌレート化合物によって分子中にトリアジン骨格が導入された前記ポリヒドロキシウレタンの具体的な用途としては、例えば、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、キャパシタ等の電解質や電解液、エッチングレジストやソルダーレジストを形成させるべく写真法等によって回路基板上にパターン形成される多層レジストの下層膜形成用組成物、フラットディスプレイパネル等の反射防止膜、グラスラン、ドアウェザーストリップ、ボディサイドウェザーストリップ、インサイドシール、アウトサイドシールなどのウェザーストリップ材料、袋物、鞄、靴、家具、衣料、車両内装材、電化製品などの擬革形成用組成物、各種塗料、縫合糸、ステープル、クリップ、吻合リング、骨プレート、及び骨ねじなどの医療デバイスが挙げられる。
なお、本実施形態のイソシアヌレート化合物は、上記のようなウレタン樹脂以外にも熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、各種ゴムといった種々のポリマーの原料として利用可能であることは説明するまでもなく当然の事柄である。
また、本実施形態のイソシアヌレート化合物は、その用途をポリマー原料に限定されるものでもない。
また、本実施形態のイソシアヌレート化合物は、その用途をポリマー原料に限定されるものでもない。
(第二実施形態)
本発明の第二の実施形態に係るイソシアヌレート化合物は、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン環(以下、「環状アセタール」ともいう)を末端に有する基がトリアジン環を形成している3つの窒素原子の内の1つ又は2つに結合し、残りの窒素原子に特定の基が結合しているもので、具体的には、下記化学式(3)又は(4)で表されるものである。
本発明の第二の実施形態に係るイソシアヌレート化合物は、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン環(以下、「環状アセタール」ともいう)を末端に有する基がトリアジン環を形成している3つの窒素原子の内の1つ又は2つに結合し、残りの窒素原子に特定の基が結合しているもので、具体的には、下記化学式(3)又は(4)で表されるものである。
この化学式(3)又は(4)で表される具体的な物質名としては、1−メチル−3,5−ビス[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1−アリル−3,5−ビス[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1−グリシジル−3,5−ビス[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1,3−ジメチル−5−[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1,3−ジグリシジル−5−[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートが挙げられる。
なお、化学式(3)又は(4)で表されるイソシアヌレート化合物は、下記に示す反応スキームに準拠して合成することができる。
化学式(3)又は(4)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R3、R4がメチル基、又は、アリル基であるイソシアヌレート化合物は、1−メチル−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1−アリル−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジメチル−5−グリシジルイソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレートを原料として合成することができ、まず、該イソシアヌレート化合物と水とを含む反応液(以下、反応液(A)という)を調製して還流し、次いで、反応液(A)にアセトンと酸触媒とを加えて(以下、反応液(B)という)、該反応液(B)に含まれているイソシアヌレート化合物とアセトンとを反応させて合成することができる。
この合成における前記酸触媒としては、硫酸やパラトルエンスルホン酸などを採用することができ、該酸触媒は、イソシアヌレート化合物に対して、通常、0.05当量〜0.3当量の割合で用いることができる。
なお、反応液(A)の還流時間は、通常、7時間程度とすることができる。
一方で反応液(B)におけるイソシアヌレート化合物とアセトンとの反応は、例えば、0℃〜60℃の反応温度、及び、6時間〜24時間の反応時間とすることができる。
なお、反応液(A)の還流時間は、通常、7時間程度とすることができる。
一方で反応液(B)におけるイソシアヌレート化合物とアセトンとの反応は、例えば、0℃〜60℃の反応温度、及び、6時間〜24時間の反応時間とすることができる。
化学式(3)又は(4)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R3、R4がグリシジル基であるイソシアヌレート化合物は、前記のように合成されるイソシアヌレート化合物を中間原料として利用して合成することができる。
即ち、化学式(3)又は(4)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R3、R4がグリシジル基であるイソシアヌレート化合物は、1−アリル−3,5−ビス[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートを合成した後に、これらのイソシアヌレート化合物とメタクロロ過安息香酸とを溶媒中に含有させた反応液を調製し、該反応液中で前記イソシアヌレート化合物のアリル基をグリシジル基に変換させて合成することができる。
即ち、化学式(3)又は(4)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R3、R4がグリシジル基であるイソシアヌレート化合物は、1−アリル−3,5−ビス[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートを合成した後に、これらのイソシアヌレート化合物とメタクロロ過安息香酸とを溶媒中に含有させた反応液を調製し、該反応液中で前記イソシアヌレート化合物のアリル基をグリシジル基に変換させて合成することができる。
この反応液の調製に用いる溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒を採用することができる。
このグリシジル化の反応条件としては、通常、反応温度を0℃〜25℃とし、反応時間を6時間〜24時間とすればよい。
このグリシジル化の反応条件としては、通常、反応温度を0℃〜25℃とし、反応時間を6時間〜24時間とすればよい。
本発明のイソシアヌレート化合物は、反応液から適宜な処理を行って単離することができる。
この処理について具体的な例を挙げると、まず反応液を減圧下で濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する方法などが挙げられる。
この処理について具体的な例を挙げると、まず反応液を減圧下で濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する方法などが挙げられる。
この化学式(3)、(4)で表される本発明のイソシアヌレート化合物は、先の第一実施形態のイソシアヌレート化合物の場合と同様に、R3、R4がメチル基、アリル基、又は、グリシジル基のいずれかとなっており、このアリル基やグリシジル基の反応性を利用してポリマー分子中に取り込ませることができる点については第一実施形態のイソシアヌレート化合物の場合と同様である。
また、本実施形態のイソシアヌレート化合物が、従来知られたポリマーの改質に有用で機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性(耐光性)、難燃性、電気的特性等の改善に有用である点、当該イソシアヌレート化合物が分子構造中に取り込まれたポリマーにポリアセタール樹脂、エポキシ樹脂(化合物)、シリコン樹脂(化合物)などを結合させたり、単に混合したりして前記の改善効果を高めうる点においても第一実施形態のイソシアヌレート化合物の場合と同様である。
さらに、この第二実施形態のイソシアヌレート化合物や、該イソシアヌレート化合物によって改質されたポリマーの用途としても第一実施形態と同様のものが挙げられる。
(第三実施形態)
本発明の第三の実施形態に係るイソシアヌレート化合物は、γ−ブチロラクトン(以下、単に「ラクトン」ともいう)を末端に有する基がトリアジン環を形成している3つの窒素原子の内の1つ以上に結合し、この基が結合していない窒素原子がある場合には、この窒素原子に別の特定の基が結合しているもので、具体的には、下記化学式(5)又は(6)で表されるものである。
本発明の第三の実施形態に係るイソシアヌレート化合物は、γ−ブチロラクトン(以下、単に「ラクトン」ともいう)を末端に有する基がトリアジン環を形成している3つの窒素原子の内の1つ以上に結合し、この基が結合していない窒素原子がある場合には、この窒素原子に別の特定の基が結合しているもので、具体的には、下記化学式(5)又は(6)で表されるものである。
この化学式(5)又は(6)で表される具体的な物質名としては、1,3,5−トリス[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレート、1−メチル−3,5−ビス[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレート、1−アリル−3,5−ビス[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレート、1−グリシジル−3,5−ビス[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレート、1,3−ジメチル−5−[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレート、1,3−ジグリシジル−5−[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレートが挙げられる。
なお、化学式(5)又は(6)で表されるイソシアヌレート化合物は、下記に例示する反応スキームに準拠して合成することができる。
化学式(5)、(6)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、1,3,5−トリス[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレートについてはイソシアヌル酸とα−クロロ−γ−ブチロラクトン、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン、又は、α−ヨード−γ−ブチロラクトンとを適宜な溶媒中で塩基性物質の存在下において反応させることによって合成することができる。
また、化学式(5)、(6)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R5、R6がメチル基、又は、アリル基であるイソシアヌレート化合物は、1−メチルイソシアヌレート、1−アリルイソシアヌレート、1,3−ジメチルイソシアヌレート、1,3−ジアリルイソシアヌレートを原料として合成することができ、これらのイソシアヌレート化合物、α−クロロ−γ−ブチロラクトン、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン、又は、α−ヨード−γ−ブチロラクトン、及び、塩基性物質を溶媒中に含んだ反応液を調製し、該反応液中においてイソシアヌレート化合物とα−クロロ−γ−ブチロラクトン、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン、又は、α−ヨード−γ−ブチロラクトンとを反応させることによって合成することができる。
この反応液を調製するための溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒を採用することができる。
また、前記の塩基性物質としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムを採用することができ、該塩基性物質は、通常、イソシアヌレート化合物に対して、1.0当量〜3.0当量の割合で用いることができる。
また、前記の塩基性物質としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムを採用することができ、該塩基性物質は、通常、イソシアヌレート化合物に対して、1.0当量〜3.0当量の割合で用いることができる。
この反応における反応温度及び反応時間については、各々0℃〜60℃ならびに6時間〜24時間の範囲で適宜設定することができる。
化学式(5)、(6)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R5、R6がグリシジル基であるイソシアヌレート化合物は、前記のように合成されるイソシアヌレート化合物を中間原料として利用して合成することができる。
即ち、化学式(5)、(6)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R5、R6がグリシジル基であるイソシアヌレート化合物は、1−アリル−3,5−ビス[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレートを合成した後に、これらのイソシアヌレート化合物とメタクロロ過安息香酸とを溶媒中に含有させた反応液を調製して反応させることにより前記イソシアヌレート化合物のアリル基をグリシジル基に変換させて合成することができる。
即ち、化学式(5)、(6)で表される本発明のイソシアヌレート化合物の内、R5、R6がグリシジル基であるイソシアヌレート化合物は、1−アリル−3,5−ビス[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレートを合成した後に、これらのイソシアヌレート化合物とメタクロロ過安息香酸とを溶媒中に含有させた反応液を調製して反応させることにより前記イソシアヌレート化合物のアリル基をグリシジル基に変換させて合成することができる。
この反応液の調製に用いる溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒を採用することができる。
このグリシジル化の反応条件としては、通常、反応温度を0℃〜25℃とし、反応時間を6時間〜24時間程度とすればよい。
このグリシジル化の反応条件としては、通常、反応温度を0℃〜25℃とし、反応時間を6時間〜24時間程度とすればよい。
本発明のイソシアヌレート化合物は、前記の反応液から適宜な処理を行って単離することができる。
この処理について具体的な例を挙げると、まず反応液を減圧下で濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する方法などが挙げられる。
この処理について具体的な例を挙げると、まず反応液を減圧下で濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する方法などが挙げられる。
この化学式(5)、(6)で表される本発明のイソシアヌレート化合物は、先の第一実施形態や第二実施形態のイソシアヌレート化合物と同様にR5、R6がメチル基、アリル基、又は、グリシジル基のいずれかとなっているので、このアリル基やグリシジル基の反応性を利用してポリマー分子中に取り込ませることができる。
また、本実施形態のイソシアヌレート化合物が、従来知られたポリマーの改質に有用で機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性(耐光性)、難燃性、電気的特性等の改善に有用である点、当該イソシアヌレート化合物が分子構造中に取り込まれたポリマーにポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(化合物)、シリコン樹脂(化合物)などを結合させたり、単に混合したりして前記の改善効果を高めうる点においても第一実施形態のイソシアヌレート化合物の場合と同様である。
さらに、この第三実施形態のイソシアヌレート化合物や、該イソシアヌレート化合物によって改質されたポリマーの用途としても第一実施形態と同様のものが挙げられる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の第一の実施例として、1−アリル−3,5−ビス[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートを前記の反応スキームに準拠して合成した。
なお、実施例1のイソシアヌレート化合物の合成に使用した主な原料は、以下のとおりである。
(実施例1)
本発明の第一の実施例として、1−アリル−3,5−ビス[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートを前記の反応スキームに準拠して合成した。
なお、実施例1のイソシアヌレート化合物の合成に使用した主な原料は、以下のとおりである。
<原料>
・1,3−ジグリシジル−5−メチルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン(和光純薬工業社製)
・1,3−ジグリシジル−5−メチルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン(和光純薬工業社製)
(Step1:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−センヨウ化水素酸塩の合成)
還流管、温度計及び攪拌機を備えた100mLフラスコに、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン1.52g(10.0mmol)、ヨウ化水素酸(55%)2.33g(10.0mmol)、及びテトラヒドロフラン20mLを投入し、80℃で3時間撹拌後、減圧下で濃縮乾固した。
得られた濃縮乾固物に酢酸エチル20mLを加えて析出した結晶をろ過し、該結晶を酢酸エチル10mLで洗浄した後、乾燥することにより、褐色固体の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−センヨウ化水素酸塩2.58g(収率92%)を得た。
還流管、温度計及び攪拌機を備えた100mLフラスコに、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン1.52g(10.0mmol)、ヨウ化水素酸(55%)2.33g(10.0mmol)、及びテトラヒドロフラン20mLを投入し、80℃で3時間撹拌後、減圧下で濃縮乾固した。
得られた濃縮乾固物に酢酸エチル20mLを加えて析出した結晶をろ過し、該結晶を酢酸エチル10mLで洗浄した後、乾燥することにより、褐色固体の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−センヨウ化水素酸塩2.58g(収率92%)を得た。
(Step2:1−アリル−3,5−ビス[4−(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートの合成)
温度計、及び攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−アリル−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート2.81g(10.0mmol)、Step1で得られた1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−センヨウ化水素酸塩280mg(1.0mmol)、及びテトラヒドロフラン10mLを投入し反応液を調製した。
この反応液に室温下、二酸化炭素を吹き込みながら、24時間撹拌した。
反応終了後、減圧下で濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1、v/v)により精製し、無色液体3.00gを得た。
温度計、及び攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−アリル−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート2.81g(10.0mmol)、Step1で得られた1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−センヨウ化水素酸塩280mg(1.0mmol)、及びテトラヒドロフラン10mLを投入し反応液を調製した。
この反応液に室温下、二酸化炭素を吹き込みながら、24時間撹拌した。
反応終了後、減圧下で濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1、v/v)により精製し、無色液体3.00gを得た。
得られた液体のIRスペクトルチャートは図1に示す通りであった。
また、得られた液体の1H−NMRスペクトルデータは、以下の通りであり、該液体が下記化学式(7)で示される表題のイソシアヌレート化合物であると同定した(収率81.3%)。
・1H−NMR(CDCl3) δ:5.81−5.91(m,1H),5.30(dd,2H),4.99−5.05(2H,m),4.59(dt,2H),4.40−4.51(m,4H),4.27−4.32(m,2H),4.07(dt,2H).
また、得られた液体の1H−NMRスペクトルデータは、以下の通りであり、該液体が下記化学式(7)で示される表題のイソシアヌレート化合物であると同定した(収率81.3%)。
・1H−NMR(CDCl3) δ:5.81−5.91(m,1H),5.30(dd,2H),4.99−5.05(2H,m),4.59(dt,2H),4.40−4.51(m,4H),4.27−4.32(m,2H),4.07(dt,2H).
(実施例2)
第二の実施例として、1−メチル−3,5−ビス[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートを合成した。
第二の実施例として、1−メチル−3,5−ビス[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートを合成した。
なお、実施例2のイソシアヌレート化合物の合成に使用した主な原料は、以下のとおりである。
<原料>
・1,3−ジグリシジル−5−メチルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・パラトルエンスルホン酸(和光純薬工業社製)
・1,3−ジグリシジル−5−メチルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・パラトルエンスルホン酸(和光純薬工業社製)
(Step1:1−メチル−3,5−ビス[3−(1,2−ジヒドロキシプロピル)]イソシアヌレートの合成)
還流管、温度計及び攪拌機を備えた300mLフラスコに、1,3−ジグリシジル−5−メチルイソシアヌレート12.8g(50.0mmol)及び水200mLを投入し、還流下で7時間撹拌した後、減圧下で濃縮乾固することにより、淡黄色液体14.0gを得た。
この液体の1H−NMRスペクトルデータは、以下の通りであり、該液体が下記化学式(8)で示されるイソシアヌレート化合物であると同定した(収率96%)。
・1H−NMR(d6−DMSO) δ:4.77(d,2H),4.57(t,2H),3.68−3.88(m,6H),3.36(s,2H),3.18(s,3H).
還流管、温度計及び攪拌機を備えた300mLフラスコに、1,3−ジグリシジル−5−メチルイソシアヌレート12.8g(50.0mmol)及び水200mLを投入し、還流下で7時間撹拌した後、減圧下で濃縮乾固することにより、淡黄色液体14.0gを得た。
この液体の1H−NMRスペクトルデータは、以下の通りであり、該液体が下記化学式(8)で示されるイソシアヌレート化合物であると同定した(収率96%)。
・1H−NMR(d6−DMSO) δ:4.77(d,2H),4.57(t,2H),3.68−3.88(m,6H),3.36(s,2H),3.18(s,3H).
(Step2:1−メチル−3,5−ビス[4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メチル]イソシアヌレートの合成)
還流管、温度計、及び攪拌機を備えた200mLフラスコに、Step1で得られた1−メチル−3,5−ビス[3−(1,2−ジヒドロキシプロピル)]イソシアヌレート2.91g(10.0mmol)、アセトン100mL、及びパラトルエンスルホン酸19.0mg(0.1mmol)を投入して反応液を調製し、還流を12時間行った。
次いで、反応液を減圧下で濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/3、v/v)により精製し、無色液体2.07gを得た。
還流管、温度計、及び攪拌機を備えた200mLフラスコに、Step1で得られた1−メチル−3,5−ビス[3−(1,2−ジヒドロキシプロピル)]イソシアヌレート2.91g(10.0mmol)、アセトン100mL、及びパラトルエンスルホン酸19.0mg(0.1mmol)を投入して反応液を調製し、還流を12時間行った。
次いで、反応液を減圧下で濃縮乾固し、得られた濃縮乾固物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/3、v/v)により精製し、無色液体2.07gを得た。
得られた液体のIRスペクトルチャートは図2に示す通りであった。
また、得られた液体の1H−NMRスペクトルデータは、以下の通りであり、化学式(9)で示される表題のイソシアヌレート化合物であると同定した(収率56%)。
・1H−NMR(CDCl3) δ:4.41−4.48(m,2H),4.24(dd,2H),4.06−4.13(m,2H),3.79−3.86(m,4H),3.35(s,3H),1.33(s,6H).
また、得られた液体の1H−NMRスペクトルデータは、以下の通りであり、化学式(9)で示される表題のイソシアヌレート化合物であると同定した(収率56%)。
・1H−NMR(CDCl3) δ:4.41−4.48(m,2H),4.24(dd,2H),4.06−4.13(m,2H),3.79−3.86(m,4H),3.35(s,3H),1.33(s,6H).
(実施例3)
第三の実施例として、1−メチル−3,5−ビス[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレートを合成した。
なお、実施例3のイソシアヌレート化合物の合成に使用した主な原料は、以下のとおりである。
第三の実施例として、1−メチル−3,5−ビス[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレートを合成した。
なお、実施例3のイソシアヌレート化合物の合成に使用した主な原料は、以下のとおりである。
<原料>
・1−メチルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・α−ブロモ−γ−ブチロラクトン(東京化成工業社製)
・炭酸カリウム(和光純薬工業社製)
・N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製)
・1−メチルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・α−ブロモ−γ−ブチロラクトン(東京化成工業社製)
・炭酸カリウム(和光純薬工業社製)
・N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製)
温度計、及び攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−メチルイソシアヌレート1.43g(10.0mmol)、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン3.46g(21.0mmol)、炭酸カリウム2.76g(20.0mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド20mLを投入し反応液を調製した。
この反応液を100℃で12時間撹拌した後、減圧下で濃縮乾固した。
得られた濃縮乾固物に水10mLを加え、次いでクロロホルム30mLを加えて混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、前記抽出液から揮発分を留去した後、残分をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1、v/v)により精製し、白色固体1.06gを得た。
得られた固体のIRスペクトルチャートは図3に示す通りであった。
また、得られた固体の融点(Mp)と1H−NMRスペクトルデータは、以下の通りであり、該固体が下記化学式(10)で示される表題のイソシアヌレート化合物であると同定した(収率34%)。
・Mp:230.6〜232.1℃
・1H−NMR(CDCl3) δ:5.50(t,2H),4.63(dt,2H),4.38(q,2H),3.37(s,3H),2.63−2.67(m,4H).
この反応液を100℃で12時間撹拌した後、減圧下で濃縮乾固した。
得られた濃縮乾固物に水10mLを加え、次いでクロロホルム30mLを加えて混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、前記抽出液から揮発分を留去した後、残分をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1、v/v)により精製し、白色固体1.06gを得た。
得られた固体のIRスペクトルチャートは図3に示す通りであった。
また、得られた固体の融点(Mp)と1H−NMRスペクトルデータは、以下の通りであり、該固体が下記化学式(10)で示される表題のイソシアヌレート化合物であると同定した(収率34%)。
・Mp:230.6〜232.1℃
・1H−NMR(CDCl3) δ:5.50(t,2H),4.63(dt,2H),4.38(q,2H),3.37(s,3H),2.63−2.67(m,4H).
(実施例4)
第四の実施例として、1,3−ジメチル−5−[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレート(実施例4)を合成した。
なお、実施例4のイソシアヌレート化合物の合成に使用した主な原料は、以下のとおりである。
第四の実施例として、1,3−ジメチル−5−[3−(2−オキソ−1−オキソラニル)]イソシアヌレート(実施例4)を合成した。
なお、実施例4のイソシアヌレート化合物の合成に使用した主な原料は、以下のとおりである。
<原料>
・1,3−ジメチルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・α−ブロモ−γ−ブチロラクトン(東京化成工業社製)
・炭酸カリウム(和光純薬工業社製)
・N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製)
・1,3−ジメチルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・α−ブロモ−γ−ブチロラクトン(東京化成工業社製)
・炭酸カリウム(和光純薬工業社製)
・N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製)
温度計、及び攪拌機を備えた100mLフラスコに、1,3−ジメチルイソシアヌレート1.57g(10.0mmol)、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン1.64g(10.0mmol)、炭酸カリウム1.38g(10.0mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド10mLを投入し反応液を調製した。
この反応液を100℃で4時間撹拌した後、減圧下で濃縮乾固した。
得られた濃縮乾固物に水10mLを加え、次いでクロロホルム30mLを加えて混合・振盪し、静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、前記抽出液から揮発分を留去した後、残分をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1、v/v)により精製し、無色液体1.81gを得た。
得られた液体のIRスペクトルチャートは図4に示す通りであった。
また、得られた液体の1H−NMRスペクトルデータは、以下の通りであり、該液体が下記化学式(11)で示される表題のイソシアヌレート化合物であると同定した(収率75%)。
・1H−NMR(CDCl3) δ:5.52(t,1H),4.62(dt,1H),4.37(q,1H),3.37(s,6H),2.55−2.71(m2H).
この反応液を100℃で4時間撹拌した後、減圧下で濃縮乾固した。
得られた濃縮乾固物に水10mLを加え、次いでクロロホルム30mLを加えて混合・振盪し、静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、前記抽出液から揮発分を留去した後、残分をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1、v/v)により精製し、無色液体1.81gを得た。
得られた液体のIRスペクトルチャートは図4に示す通りであった。
また、得られた液体の1H−NMRスペクトルデータは、以下の通りであり、該液体が下記化学式(11)で示される表題のイソシアヌレート化合物であると同定した(収率75%)。
・1H−NMR(CDCl3) δ:5.52(t,1H),4.62(dt,1H),4.37(q,1H),3.37(s,6H),2.55−2.71(m2H).
上記のことからも、本発明によれば、酸素原子を含む五員複素環構造を有する新規なイソシアヌレート化合物を提供することができ、新規な特徴を有するポリマーが提供され得ることがわかる。
本発明のイソシアヌレート化合物は、例えば、各種ポリマーの改質剤や、ポリヒドロキシウレタンの原料などとして利用が期待される。
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