JP2013163651A - オキセタン環を有するイソシアヌレート化合物 - Google Patents

オキセタン環を有するイソシアヌレート化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の原料として用途が期待される新規なイソシアヌレート化合物を提供する。
【解決手段】下記の化学式で示されるオキセタン環を有するイソシアヌレート化合物。
Figure 2013163651

【選択図】なし

Description

本発明は、オキセタン環を有する新規なイソシアヌレート化合物に関するものである。
イソシアヌレート化合物を熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の原料として用いた場合には、同化合物が有するリジッドなトリアジン骨格が、重合体の分子中に取り込まれることにより、樹脂の機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性(耐光性)、難燃性、電気的特性等を改善することができる。そのため、目的や用途に応じて数多くの種類のイソシアヌレート化合物が開発・検討され、また実用に供されている。
一方、オキセタン環を有する化合物(オキセタン化合物)が、近年注目を集めている。オキセタン化合物は、飽和の4員環であって酸素原子を1つ含む環状エーテル構造を有しており、同様な3員環であるエポキシ化合物に比べて、カチオン重合性に優れている。
本発明に類似する物質として、例えば特許文献1には、化学式(III)で示されるオキセタン化合物が開示されている。
Figure 2013163651
特開2001−163882号公報
本発明は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の原料として用途が期待される新規なイソシアヌレート化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、化学式(I)または化学式(II)で示されるオキセタン環を有するイソシアヌレート化合物を合成し得ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。
Figure 2013163651
Figure 2013163651
本発明のオキセタン環を有するイソシアヌレート化合物を、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の原料として用いた場合には、同化合物の有するリジッドなトリアジン骨格が、重合体の分子中に取り込まれることにより、樹脂の機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性(耐光性)、難燃性、電気的特性等の改善効果が期待される。
また、エポキシ化合物(樹脂)やシリコン化合物(樹脂)による改質や、それらとの併用により、前記の改善効果を高めることも期待される。
例えば、特開2002−341101号公報には(引用により本明細書に含む)、「(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(D)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物、を必須成分として含有することを特徴とする光学材料用組成物」が記載されている(請求項1)。
そして、(A)成分として、トリアリルイソシアヌレートが例示され(段落0034)、(D)成分として、モノアリルジベンジルイソシアヌレートやモノアリルジグリシジルイソシアヌレートが例示されており(段落0089)、これらのイソシアヌレート化合物の代わりに、またはこれらと併用して、本発明の内のアリル基を有するイソシアヌレート化合物の利用が期待される。
また、この公報には、当該光学材料用組成物に、熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂(エポキシ化合物)として、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートやジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを添加し得る点が記載されている(段落0107〜0108)が、これらの代わりに、またはこれらと併用して、本発明のオキセタン環を有するイソシアヌレート化合物の利用が期待される。
本発明のオキセタン環を有するイソシアヌレート化合物およびその重合物は、発光ダイオード、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録媒体用基板、フィルター等の光学部品等の材料、具体的には、半導体素子/集積回路(IC他)、個別半導体(ダイオード、トランジスタ、サーミスタなど)、LED(LEDランプ、チップLED、受光素子、光半導体用レンズなど)、センサー(温度センサー、光センサー、磁気センサー)、受動部品(高周波デバイス、抵抗器、コンデンサなど)、機構部品(コネクター、スイッチ、リレーなど)、自動車部品(回路系、制御系、センサー類、ランプシールなど)、接着剤(光学部品、光学ディスク、ピックアップレンズなど)、光学用フィルムの表面部コーティング剤等に使用される樹脂の原料としての利用が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、前記の化学式(I)または化学式(II)で示されるオキセタン環を有するイソシアヌレート化合物(以下、単にイソシアヌレート化合物と云うことがある)である。
化学式(I)で示されるイソシアヌレート化合物は、
1,3−ジメチル−5−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)イソシアヌレート、
1−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)−3,5−ジメチルイソシアヌレート、
1,3−ジメチル−5−[2−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]イソシアヌレート、
1−[2−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]−3,5−ジメチルイソシアヌレート、
1,3−ジメチル−5−[3−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレート、
1−[3−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]−3,5−ジメチルイソシアヌレート、
1,3−ジアリル−5−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)イソシアヌレート、
1,3−ジアリル−5−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)イソシアヌレート、
1,3−ジアリル−5−[2−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]イソシアヌレート、
1,3−ジアリル−5−[2−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]イソシアヌレート、
1,3−ジアリル−5−[3−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレート、
1,3−ジアリル−5−[3−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス[2−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]イソシアヌレート、
1,3,5−トリス[3−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレートおよび
1,3,5−トリス[3−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレートを包含する。
化学式(II)で示されるイソシアヌレート化合物は、
1−メチル−3,5−ビス(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)イソシアヌレート、
1,3−ビス(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)−5−メチルイソシアヌレート、
1−メチル−3,5−ビス[2−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]イソシアヌレート、
1,3−ビス[2−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]−5−メチルイソシアヌレート、
1−メチル−3,5−ビス[3−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレート、
1,3−ビス[3−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]−5−メチルイソシアヌレート、
1−アリル−3,5−ビス(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)イソシアヌレート、
1−アリル−3,5−ビス(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)イソシアヌレート、
1−アリル−3,5−ビス[2−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]イソシアヌレート、
1−アリル−3,5−ビス[2−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]イソシアヌレート、
1−アリル−3,5−ビス[3−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレートおよび
1−アリル−3,5−ビス[3−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレートを包含する。
本発明のイソシアヌレート化合物は、それらの前駆体となるカルボキシメチルイソシアヌレート化合物、カルボキシエチルイソシアヌレート化合物またはカルボキシプロピルイソシアヌレート化合物と、3−メチル−3−オキセタンメタノールまたは3−メチル−3−オキセタンメタノールとを、適宜の反応溶媒の存在下において、また適宜の反応温度および反応時間にて、エステル化反応させることにより合成することができる。
なお、このエステル化反応に先立って、予め塩化チオニルにより、前駆体が有するカルボキシル基をクロロカルボニル基に変換(注:所謂、酸クロライドと称される物質)しておくことが好ましい。この際、触媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを用いることが効果的である。
また、このエステル化反応においては、発生する塩化水素を中和する目的で、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基を、理論発生量の1.0〜1.5倍モル量使用することが好ましい。
前記の反応溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム等の塩素系溶媒を好ましく使用することができる。
また、前記の反応温度および反応時間は、使用する原料、反応溶媒や反応スケール等に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは各々0℃〜室温および1〜24時間の範囲である。
以下、実施例に示した合成試験により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例1〜8において使用した原料のイソシアヌレート化合物は、以下のとおりである。
・1−(3−カルボキシプロピル)−3,5−ジメチルイソシアヌレート(実施例1)
1,3−ジメチルイソシアヌレートを原料として、特開2004−352662号公報に記載の方法に準拠して合成した。
・1−(3−カルボキシメチル)−3,5−ジメチルイソシアヌレート(実施例2)
1,3−ジメチルイソシアヌレートを原料として、特開平8−81461号公報に記載の方法に準拠して合成した。
・1,3−ジアリル−5−(3−カルボキシエチル)イソシアヌレート(実施例3)
1,3−ジアリルイソシアヌレートを原料として、特開平8−81461号公報に記載の方法に準拠して合成した。
・1,3,5−トリス(3−カルボキシメチル)イソシアヌレート(実施例4)
特開平8−81461号公報に記載の方法に従って合成した。
・1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート(実施例5)
特開2004−352662号公報に記載の方法に従って合成した。
・1,3−ビス(3−カルボキシエチル)−5−メチルイソシアヌレート(実施例6)
1−メチルイソシアヌレートを原料として、特開平8−81461号公報に記載の方法に準拠して合成した。
・1−アリル−3,5−ビス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート(実施例7)
1−アリルイソシアヌレートを原料として、特開2004−352662号公報に記載の方法に準拠して合成した。
・1−アリル−3,5−ビス(3−カルボキシメチル)イソシアヌレート(実施例8)
1−アリルイソシアヌレートを原料として、特開平8−81461号公報に記載の方法に準拠して合成した。
また、前記の1−メチルイソシアヌレートは、「W. J. Close, J.Am.Chem.Soc.,
75, 3617(1953).」に記載された方法に従って合成した。
同1,3−ジメチルイソシアヌレートは、「Edwin M. Smolin and Lorence Rapoport,“The Chemistry of Heterocyclic Compounds:
s-Triazines and Derivatives”, Interscience Publishers, Inc., New York, NY, 1959, p.389-422.」に記載された方法に従って合成した。
同1−アリルイソシアヌレートおよび1,3−ジアリルイソシアヌレートは、四国化成工業社製品を使用した。
また、他の主原料は以下のとおりである。
・3−メチル−3−オキセタンメタノール
和光純薬工業製の試薬を使用した。
・3−エチル−3−オキセタンメタノール
東京化成工業製の試薬を使用した。
[実施例1]
<1,3−ジメチル−5−[3−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレートの合成>
50mLフラスコに、1−(3−カルボキシプロピル)−3,5−ジメチルイソシアヌレート0.18g(0.8mmol)、塩化チオニル0.18g(1.5mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド0.01gを投入して反応液を調製し、80℃で2時間反応させた後、減圧下にて未反応の塩化チオニルを溜去して、1−(3−クロロカルボニルプロピル)−3,5−ジメチルイソシアヌレート(酸クロライド)を得た。
これとは別に、50mLフラスコに、3−メチル−3−オキセタンメタノール0.11g(1.0mmol)、ピリジン0.06g(0.8mmol)およびジクロロメタン0.8mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、ジクロロメタン0.8mLに溶解した前述の1−(3−クロロカルボニルプロピル)−3,5−ジメチルイソシアヌレートを添加し、室温まで昇温して20時間反応させた。
次いで、反応液を再び氷冷し、水を5mL添加し、クロロホルム10mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に1回行い、これらの抽出液を混合して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を溜去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)による精製操作により、無色液体0.14g(収率58%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR(DMSO) δ:4.39(d,2H), 4.24(d,2H),
4.17(s,2H), 3.80(t,2H), 3.06(s,6H), 2.41(t,2H), 1.86(m,2H), 1.16(s,3H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(IV)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
Figure 2013163651
[実施例2]
<1−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)−3,5−ジメチルイソシアヌレートの合成>
50mLフラスコに、1−(カルボキシメチル)−3,5−ジメチルイソシアヌレート0.65g(3.0mmol)、塩化チオニル2.14g(6.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド0.01gを投入して反応液を調製し、80℃で2時間反応させた後、減圧下にて未反応の塩化チオニルを溜去して、1−(クロロカルボニルメチル)−3,5−ジメチルイソシアヌレート(酸クロライド)を得た。
これとは別に、50mLフラスコに、3−エチル−3−オキセタンメタノール0.52g(1.5mmol)、ピリジン0.26g(1.1mmol)およびジクロロメタン2mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、ジクロロメタン2mLに溶解した前述の1−(クロロカルボニルメチル)−3,5−ジメチルイソシアヌレートを添加し、室温まで昇温して20時間反応させた。
次いで、反応液を再び氷冷し、水を10mL添加し、クロロホルム10mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に1回行い、これらの抽出液を混合して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を溜去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)による精製操作により、無色液体0.42g(収率45%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR(DMSO) δ:4.62(s,2H), 4.33(d,2H), 4.25(s,2H),
4.24(d,2H), 3.12(s,6H), 1.63(q,2H), 0.92(t,3H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図2に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(V)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
Figure 2013163651
[実施例3]
<1,3−ジアリル−5−[2−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]イソシアヌレートの合成>
50mLフラスコに、1,3−ジアリル−5−(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート0.65g(3.0mmol)、塩化チオニル2.14g(6.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド0.01gを投入して反応液を調製し、80℃で2時間反応させた後、減圧下にて未反応の塩化チオニルを溜去して、1,3−ジアリル−5−(2−クロロカルボニルエチル)イソシアヌレート(酸クロライド)を得た。
これとは別に、50mLフラスコに、3−メチル−3−オキセタンメタノール0.46g(1.5mmol)、ピリジン0.26g(1.1mmol)およびジクロロメタン2mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、ジクロロメタン2mLに溶解した前述の1,3−ジアリル−5−(2−クロロカルボニルエチル)イソシアヌレートを添加し、室温まで昇温して20時間反応させた。
次いで、反応液を再び氷冷し、水を10mL添加し、クロロホルム10mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に1回行い、これらの抽出液を混合して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を溜去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)による精製操作により、無色液体0.42g(収率38%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR(DMSO) δ:5.83-5.80(m,2H), 5.15(q,4H), 4.39(d,2H), 4.33(d,4H), 4.24(m,2H),
4.11(s,2H), 3.81(t,2H), 2.51(t,2H), 1.25(s,3H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図3に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(VI)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
Figure 2013163651
[実施例4]
<1,3,5−トリス(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)イソシアヌレートの合成>
50mLフラスコに、1,3,5−トリス(カルボキシメチル)イソシアヌレート0.61g(2.0mmol)、塩化チオニル0.71g(6.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド0.01gを投入して反応液を調製し、80℃で2時間反応させた後、減圧下にて未反応の塩化チオニルを溜去して、1,3,5−トリス(クロロカルボニルメチル)イソシアヌレート(酸クロライド)を得た。
これとは別に、50mLフラスコに、3−メチル−3−オキセタンメタノール0.92g(9.0mmol)、ピリジン0.57g(7.2mmol)およびジクロロメタン2mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、ジクロロメタン2mLに溶解した前述の1,3,5−トリス(クロロカルボニルメチル)イソシアヌレートを添加し、室温まで昇温して20時間反応させた。
次いで、反応液を再び氷冷し、水を10mL添加し、クロロホルム10mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に1回行い、これらの抽出液を混合して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を溜去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)による精製操作により、白色結晶0.34g(収率32%)を得た。
得られた結晶の融点およびH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・融点:115.0-117.3℃
1H-NMR(DMSO) δ:4.65(s,6H), 4.36(d,6H),
4.24(s,6H), 4.23(d,6H), 1.25(s,9H).
また、この結晶のIRスペクトルデータは、図4に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた結晶は、化学式(VII)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
Figure 2013163651
[実施例5]
<1,3,5−トリス[3−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレートの合成>
50mLフラスコに、1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート0.57g(2.0mmol)、塩化チオニル2.14g(6.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド0.01gを投入して反応液を調製し、80℃で2時間反応させた後、減圧下にて未反応の塩化チオニルを溜去して、1,3,5−トリス(3−クロロカルボニルプロピル)イソシアヌレート(酸クロライド)を得た。
これとは別に、50mLフラスコに、3−エチル−3−オキセタンメタノール1.05g(4.5mmol)、ピリジン0.71g(3.6mmol)およびジクロロメタン2mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、ジクロロメタン2mLに溶解した前述の1,3,5−トリス(3−クロロカルボニルプロピル)イソシアヌレートを添加し、室温まで昇温して20時間反応させた。
次いで、反応液を再び氷冷し、水を10mL添加し、クロロホルム10mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に1回行い、これらの抽出液を混合して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を溜去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)による精製操作により、無色液体1.00g(収率73%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR(DMSO) δ:4.33(d,6H), 4.27(d,6H),
4.16(s,6H), 3.78(t,6H), 2.40(t,6H), 1.82(m,6H), 1.66(q,6H), 0.85(t,9H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図5に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(VIII)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
Figure 2013163651
[実施例6]
<1,3−ビス[2−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)エチル]−5−メチルイソシアヌレートの合成>
50mLフラスコに、1,3−ビス(2−カルボキシエチル)−5−メチルイソシアヌレート0.86g(3.0mmol)、塩化チオニル2.14g(6.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド0.01gを投入して反応液を調製し、80℃で2時間反応させた後、減圧下にて未反応の塩化チオニルを溜去して、1,3−ビス(2−クロロカルボニルエチル)−5−メチルイソシアヌレート(酸クロライド)を得た。
これとは別に、50mLフラスコに、3−エチル−3−オキセタンメタノール1.05g(4.5mmol)、ピリジン0.71g(3.6mmol)およびジクロロメタン2mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、ジクロロメタン2mLに溶解した前述の1,3−ビス(2−クロロカルボニルエチル)−5−メチルイソシアヌレートを添加し、室温まで昇温して20時間反応させた。
次いで、反応液を再び氷冷し、水を10mL添加し、クロロホルム10mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に1回行い、これらの抽出液を混合して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を溜去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)による精製操作により、無色液体0.32g(収率22%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR(DMSO) δ:4.41(d,4H), 4.27(m,4H), 4.14(s,4H),
3.79(t,4H), 3.10(s,3H), 2.53(t,4H), 1.63(q,4H), 1.34(t,6H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図6に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(IX)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
Figure 2013163651
[実施例7]
<1−アリル−3,5−ビス[3−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニル)プロピル]イソシアヌレートの合成>
50mLフラスコに、1−アリル−3,5−ビス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート0.27g(0.8mmol)、塩化チオニル0.37g(4.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド0.01gを投入して反応液を調製し、80℃で2時間反応させた後、減圧下にて未反応の塩化チオニルを溜去して、1−アリル−3,5−トリス(3−クロロカルボニルプロピル)イソシアヌレート(酸クロライド)を得た。
これとは別に、50mLフラスコに、3−メチル−3−オキセタンメタノール0.24g(2.4mmol)、ピリジン0.14g(1.7mmol)およびジクロロメタン0.8mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、ジクロロメタン0.8mLに溶解した前述の1−アリル−3,5−トリス(3−クロロカルボニルプロピル)イソシアヌレートを添加し、室温まで昇温して20時間反応させた。
次いで、反応液を再び氷冷し、水を5mL添加し、クロロホルム10mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に1回行い、これらの抽出液を混合して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を溜去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)による精製操作により、無色液体0.08g(収率59%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR(DMSO) δ:5.80-5.79(m,1H), 5.14(q,2H),
4.38(d,4H), 4.28-4.22(m,6H), 4.11(s,4H), 3.74(t,4H), 2.40(t,4H), 1.81(t,4H),
1.22(s,6H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図7に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(X)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
Figure 2013163651
[実施例8]
<1−アリル−3,5−ビス(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシカルボニルメチル)イソシアヌレートの合成>
50mLフラスコに、1−アリル−3,5−ビス(カルボキシメチル)イソシアヌレート0.57g(2.0mmol)、塩化チオニル2.14g(6.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド0.01gを投入して反応液を調製し、80℃で2時間反応させた後、減圧下にて未反応の塩化チオニルを溜去して、1−アリル−3,5−ビス(クロロカルボニルメチル)イソシアヌレート(酸クロライド)を得た。
これとは別に、50mLフラスコに、3−エチル−3−オキセタンメタノール1.05g(4.5mmol)、ピリジン0.71g(3.6mmol)およびジクロロメタン2mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、ジクロロメタン2mLに溶解した前述の1−アリル−3,5−ビス(クロロカルボニルメチル)イソシアヌレートを添加し、室温まで昇温して20時間反応させた。
次いで、反応液を再び氷冷し、水を10mL添加し、クロロホルム10mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に1回行い、これらの抽出液を混合して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を溜去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)による精製操作により、無色液体0.34g(収率35%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR(DMSO) δ:5.79-5.77(m,1H), 5.12(q,2H), 4.63(d,4H),
4.38(d,2H), 4.32(d,4H), 4.26(m,8H), 1.66(q,4H), 1.31(t,6H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図8に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(XI)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
Figure 2013163651
実施例1で得られた液体のIRスペクトルチャートである。 実施例2で得られた液体のIRスペクトルチャートである。 実施例3で得られた液体のIRスペクトルチャートである。 実施例4で得られた結晶のIRスペクトルチャートである。 実施例5で得られた液体のIRスペクトルチャートである。 実施例6で得られた液体のIRスペクトルチャートである。 実施例7で得られた液体のIRスペクトルチャートである。 実施例8で得られた液体のIRスペクトルチャートである。
本発明によれば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の原料としての用途が期待されるイソシアヌレート化合物を提供することができる。

Claims (1)

  1. 化学式(I)または化学式(II)で示されるオキセタン環を有するイソシアヌレート化合物。
    Figure 2013163651
    Figure 2013163651
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