JP2013151445A - オキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物 - Google Patents
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- RUZUMVNATYKTJJ-UHFFFAOYSA-N CCc1ccc(C2OC2)cc1 Chemical compound CCc1ccc(C2OC2)cc1 RUZUMVNATYKTJJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
Description
本発明は、オキシラニルベンジル基を有するイソシアヌレート化合物に関するものである。
イソシアヌレート化合物を熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の原料として用いた場合には、同化合物の有するリジッドなトリアジン骨格が、重合体の分子中に取り込まれることにより、樹脂の機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性(耐光性)、難燃性、電気的特性等を改善することができる。そのため、目的や用途に応じて数多くの種類のイソシアヌレート化合物が開発・検討され、また実用に供されている。
本発明に関連して、特許文献1には、イソシアヌール酸環の2個のN原子にのみグリシジル基を有し、第三の原子には特定の置換基を有するトリグリシジルイソシアヌレートに類似の化合物が種々開示されているが、例えば、下記の反応式で示されるように、化学式(IIIb)と化学式(IIIc)で示されるグリシジル基を有するイソシアヌレート化合物が、化学式(IIIa)で示されるトリアリルイソシアヌレートと過酸(3−クロロ過安息香酸)との反応により得られる点が開示されている。
反応式(1):
反応式(1):
特許文献2には、炭素−炭素2重結合を有する化合物を、過カルボン酸を用いてエポキシ化(グリシジル化)する点が開示され、炭素−炭素2重結合を有する化合物としてビニルトルエンが例示されている。
反応式(2):
反応式(2):
特許文献3には、化学式(V)で示されるトリス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレートが開示されている。
ところで、化学式(IIIc)に示されるトリグリシジルイソシアヌレート(以下、TGICと略記する)は、トリアジン骨格と共に1分子中に3つのグリシジル基を有するところから、例えば一般のエポキシ樹脂(化合物)に添加して用いる場合には、3次元架橋剤として作用し、エポキシ樹脂の耐熱性、耐候性、透明性を向上させることができる。
しかしながら、TGICは結晶性が高い固体の物質であるため、基材となる有機溶剤や樹脂に対する溶解性(相溶性)が低く、使用する条件が限られるという問題があった。
しかしながら、TGICは結晶性が高い固体の物質であるため、基材となる有機溶剤や樹脂に対する溶解性(相溶性)が低く、使用する条件が限られるという問題があった。
本発明は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の原料としての用途が期待され、且つ有機溶剤や樹脂への溶解性に優れる、新規なイソシアヌレート化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、化学式(I)または化学式(II)で示されるオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物を合成し得ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。
本発明のオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の原料としての利用が期待されるが、予めエポキシ化合物やシリコーン化合物で変性することによって、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の耐湿性、接着性、電気的特性、機械的特性等の向上が見込まれる。また、TGICに比べて、有機溶剤や樹脂への溶解性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、前記の化学式(I)または化学式(II)で示されるイソシアヌレート化合物である。
化学式(I)で示されるオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物は、
1,3−ジメチル−5−モノ(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレート、
1,3−ジアリル−5−モノ(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレート、
1,3−ジグリシジル−5−モノ(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートおよび
1,3,5−トリス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートを包含する。
化学式(II)で示されるオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物は、
1−モノメチル−3,5−ビス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレート、
1−モノアリル−3,5−ビス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートおよび
1−モノグリシジル−3,5−ビス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートを包含する。
本発明は、前記の化学式(I)または化学式(II)で示されるイソシアヌレート化合物である。
化学式(I)で示されるオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物は、
1,3−ジメチル−5−モノ(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレート、
1,3−ジアリル−5−モノ(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレート、
1,3−ジグリシジル−5−モノ(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートおよび
1,3,5−トリス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートを包含する。
化学式(II)で示されるオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物は、
1−モノメチル−3,5−ビス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレート、
1−モノアリル−3,5−ビス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートおよび
1−モノグリシジル−3,5−ビス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートを包含する。
本発明のオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物は、前駆体のビニルベンジルイソシアヌレート化合物をエポキシ化することにより合成することができる。
前記のエポキシ化の手段としては、公知の方法を採用することができる。このような方法としては、例えばオキソン試薬を用いた方法や、過酢酸、メタクロロ過安息香酸等の過酸を用いる方法や、タングステン酸ナトリウムを触媒とした過酸化水素を用いる方法を挙げることができる。
本発明のオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物を、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の原料として用いた場合には、同化合物の有するリジッドなトリアジン骨格が、重合体の分子中に取り込まれることにより、当該樹脂の機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性(耐光性)、難燃性、電気的特性等の改善が期待される。
また、エポキシ化合物(樹脂)やシリコン化合物(樹脂)による改質や、それらとの併用により、前記の改善効果を高めることも期待される。
また、エポキシ化合物(樹脂)やシリコン化合物(樹脂)による改質や、それらとの併用により、前記の改善効果を高めることも期待される。
例えば、特開2002−341101号公報には(引用により本明細書に含む)、「(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(D)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物、を必須成分として含有することを特徴とする光学材料用組成物」が記載されている(請求項1)。
そして、(A)成分として、トリアリルイソシアヌレートが例示され(段落0034)、(D)成分として、モノアリルジベンジルイソシアヌレートやモノアリルジグリシジルイソシアヌレートが例示されており(段落0089)、これらのイソシアヌレート化合物の代わりに、またはこれらと併用して、本願発明の内のアリル基を含むオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物の利用が期待される。
そして、(A)成分として、トリアリルイソシアヌレートが例示され(段落0034)、(D)成分として、モノアリルジベンジルイソシアヌレートやモノアリルジグリシジルイソシアヌレートが例示されており(段落0089)、これらのイソシアヌレート化合物の代わりに、またはこれらと併用して、本願発明の内のアリル基を含むオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物の利用が期待される。
また、この公報には、当該光学材料用組成物に、熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂として、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートやジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを添加し得る点が記載されている(段落0107〜0108)が、これらの代わりに、またはこれらと併用して、本発明のオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物の利用が期待される。
本発明のオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物およびその重合物は、発光ダイオード、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録媒体用基板、フィルター等の光学部品等の材料、具体的には、半導体素子/集積回路(IC他)、個別半導体(ダイオード、トランジスタ、サーミスタなど)、LED(LEDランプ、チップLED、受光素子、光半導体用レンズなど)、センサー(温度センサー、光センサー、磁気センサー)、受動部品(高周波デバイス、抵抗器、コンデンサなど)、機構部品(コネクター、スイッチ、リレーなど)、自動車部品(回路系、制御系、センサー類、ランプシールなど)、接着剤(光学部品、光学ディスク、ピックアップレンズなど)、光学用フィルムの表面部コーティング剤等に使用される樹脂の原料としての利用が期待される。
以下、本発明を実施例に示した合成試験によって具体的に説明する。
なお、原料のトリス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレートは、特開昭62−45579号公報に記載された方法に従って合成し、1,3−ジメチルイソシアヌレートについては、「Edwin M. Smolin;Lorence Rapoport.“Isocyanuric acid and derivatives”.
The chemistry of heterocyclic compounds. s-Triazines and derivatives.,
INTERSCIENCE PUBLISHERS, INC., 1959, p.389-422.」に記載された方法に従って合成した。
また、合成試験に使用した他の主原料は、以下のとおりである。
なお、原料のトリス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレートは、特開昭62−45579号公報に記載された方法に従って合成し、1,3−ジメチルイソシアヌレートについては、「Edwin M. Smolin;Lorence Rapoport.“Isocyanuric acid and derivatives”.
The chemistry of heterocyclic compounds. s-Triazines and derivatives.,
INTERSCIENCE PUBLISHERS, INC., 1959, p.389-422.」に記載された方法に従って合成した。
また、合成試験に使用した他の主原料は、以下のとおりである。
[主原料]
・メタクロロ過安息香酸(東京化成工業社製)
・水素化ナトリウム(和光純薬工業社製)
・1−モノメチルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・1−モノアリルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・4−ビニルベンジルクロライド(東京化成工業社製)
・メタクロロ過安息香酸(東京化成工業社製)
・水素化ナトリウム(和光純薬工業社製)
・1−モノメチルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・1−モノアリルイソシアヌレート(四国化成工業社製)
・4−ビニルベンジルクロライド(東京化成工業社製)
〔実施例1〕
<1,3,5−トリス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、トリス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレート560mg(1.2mmol)およびジクロロメタン12mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷して、メタクロロ過安息香酸(純度65%)1.06g(4.0mmol)を添加した後、室温まで昇温して終夜攪拌を行った。
次いで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液24mLを添加し、クロロホルム24mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した後、揮発分を留去し、得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/1、v/v)により精製し、白色結晶542mg(収率86%)を得た。
<1,3,5−トリス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、トリス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレート560mg(1.2mmol)およびジクロロメタン12mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷して、メタクロロ過安息香酸(純度65%)1.06g(4.0mmol)を添加した後、室温まで昇温して終夜攪拌を行った。
次いで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液24mLを添加し、クロロホルム24mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した後、揮発分を留去し、得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/1、v/v)により精製し、白色結晶542mg(収率86%)を得た。
得られた結晶の融点および1H−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・融点:186.0−189.5℃
・1H-NMR (CDCl3) δ:7.43(d,6H),
7.22(d,6H), 5.01(s,6H), 3.83(m,3H), 3.13(dd,3H), 2.75(dd,3H).
また、この結晶のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた生成物は、化学式(VI)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
・融点:186.0−189.5℃
・1H-NMR (CDCl3) δ:7.43(d,6H),
7.22(d,6H), 5.01(s,6H), 3.83(m,3H), 3.13(dd,3H), 2.75(dd,3H).
また、この結晶のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた生成物は、化学式(VI)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
〔実施例2−1〕
<1,3−ジメチル−5−モノ(4−ビニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1,3−ジメチルイソシアヌレート3.14g(20.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド40mLを投入して反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、水素化ナトリウム(60%)880mg(22.0mmol)を添加した後、30分間攪拌した。
次いで、この反応液に4−ビニルベンジルクロライド3.73g(22.0mmol)を添加し、室温まで昇温して12時間攪拌した後、氷冷して水5mLを添加し、減圧下で濃縮乾固させた。
得られた濃縮物に水30mLを添加し、クロロホルム30mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を留去した後、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒による再結晶操作により、化学式(VII)で示される標題の物質を、白色結晶として4.65g(収率85%)得た。
<1,3−ジメチル−5−モノ(4−ビニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1,3−ジメチルイソシアヌレート3.14g(20.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド40mLを投入して反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、水素化ナトリウム(60%)880mg(22.0mmol)を添加した後、30分間攪拌した。
次いで、この反応液に4−ビニルベンジルクロライド3.73g(22.0mmol)を添加し、室温まで昇温して12時間攪拌した後、氷冷して水5mLを添加し、減圧下で濃縮乾固させた。
得られた濃縮物に水30mLを添加し、クロロホルム30mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を留去した後、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒による再結晶操作により、化学式(VII)で示される標題の物質を、白色結晶として4.65g(収率85%)得た。
〔実施例2−2〕
<1,3−ジメチル−5−モノ(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1,3−ジメチル−5−モノ(4−ビニルベンジル)イソシアヌレート2.73g(10.0mmol)およびジクロロメタン20mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷して、メタクロロ過安息香酸(純度65%)2.92g(11.0mmol)を添加した後、室温まで昇温して終夜攪拌を行った。
次いで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液40mLを添加し、クロロホルム40mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した後、揮発分を留去し、得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、無色液体2.83g(収率98%)を得た。
<1,3−ジメチル−5−モノ(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1,3−ジメチル−5−モノ(4−ビニルベンジル)イソシアヌレート2.73g(10.0mmol)およびジクロロメタン20mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷して、メタクロロ過安息香酸(純度65%)2.92g(11.0mmol)を添加した後、室温まで昇温して終夜攪拌を行った。
次いで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液40mLを添加し、クロロホルム40mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した後、揮発分を留去し、得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、無色液体2.83g(収率98%)を得た。
得られた液体の1H−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・1H-NMR (CDCl3) δ:7.46(d,2H),
7.29(d,2H), 5.04(s,2H), 3.84(m,1H), 3.34(s,6H), 3.12(dd,1H), 2.75(dd,1H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図2に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた生成物は、化学式(VIII)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
・1H-NMR (CDCl3) δ:7.46(d,2H),
7.29(d,2H), 5.04(s,2H), 3.84(m,1H), 3.34(s,6H), 3.12(dd,1H), 2.75(dd,1H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図2に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた生成物は、化学式(VIII)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
〔実施例3−1〕
<1−モノメチル−3,5−ビス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−モノメチルイソシアヌレート716mg(5.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド10mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、水素化ナトリウム(60%)440mg(11.0mmol)を添加した後、30分間攪拌した。
次いで、この反応液に4−ビニルベンジルクロライド1.68g(11.0mmol)を添加し、室温まで昇温して6時間攪拌した後、氷冷して水5mLを添加し、減圧下で濃縮乾固させた。
得られた濃縮物に水30mLを添加し、クロロホルム30mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を留去した後、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒による再結晶操作により、化学式(IX)で示される標題の物質を、白色結晶として950mg(収率51%)得た。
<1−モノメチル−3,5−ビス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−モノメチルイソシアヌレート716mg(5.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド10mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、水素化ナトリウム(60%)440mg(11.0mmol)を添加した後、30分間攪拌した。
次いで、この反応液に4−ビニルベンジルクロライド1.68g(11.0mmol)を添加し、室温まで昇温して6時間攪拌した後、氷冷して水5mLを添加し、減圧下で濃縮乾固させた。
得られた濃縮物に水30mLを添加し、クロロホルム30mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を留去した後、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒による再結晶操作により、化学式(IX)で示される標題の物質を、白色結晶として950mg(収率51%)得た。
〔実施例3−2〕
<1−モノメチル−3,5−ビス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−モノメチル−3,5−ビス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレート760mg(2.0mmol)およびジクロロメタン10mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷して、メタクロロ過安息香酸(純度65%)1.17g(4.4mmol)を添加した後、室温まで昇温して終夜攪拌を行った。
次いで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液20mLを添加し、クロロホルム20mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した後、揮発分を留去し、得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、白色結晶676mg(収率90%)を得た。
<1−モノメチル−3,5−ビス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−モノメチル−3,5−ビス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレート760mg(2.0mmol)およびジクロロメタン10mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷して、メタクロロ過安息香酸(純度65%)1.17g(4.4mmol)を添加した後、室温まで昇温して終夜攪拌を行った。
次いで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液20mLを添加し、クロロホルム20mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した後、揮発分を留去し、得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、白色結晶676mg(収率90%)を得た。
得られた結晶の融点および1H−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・融点:139.9−142.1℃
・1H-NMR (CDCl3) δ:7.43(d,4H),
7.26(d,4H), 5.03(s,4H), 3.84(m,2H), 3.32(s,3H), 3.13(dd,2H), 2.76(dd,2H).
また、この結晶のIRスペクトルデータは、図3に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた生成物は、化学式(X)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
・融点:139.9−142.1℃
・1H-NMR (CDCl3) δ:7.43(d,4H),
7.26(d,4H), 5.03(s,4H), 3.84(m,2H), 3.32(s,3H), 3.13(dd,2H), 2.76(dd,2H).
また、この結晶のIRスペクトルデータは、図3に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた生成物は、化学式(X)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
〔実施例4−1〕
<1−モノアリル−3,5−ビス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−モノアリルイソシアヌレート3.38g(20.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド60mLを投入して、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、水素化ナトリウム(60%)1.76g(44.0mmol)を添加した後、30分間攪拌した。
次いで、この反応液に4−ビニルベンジルクロライド7.46g(44.0mmol)を添加し、室温まで昇温して6時間攪拌した後、氷冷して水5mLを添加し、減圧下で濃縮乾固させた。
得られた濃縮物に水50mLを添加し、クロロホルム50mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を留去した後、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒による再結晶操作により、化学式(XI)で示される標題の物質を、白色結晶として5.78g(収率72%)得た。
<1−モノアリル−3,5−ビス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−モノアリルイソシアヌレート3.38g(20.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド60mLを投入して、反応液を調製した。
この反応液を氷冷し、水素化ナトリウム(60%)1.76g(44.0mmol)を添加した後、30分間攪拌した。
次いで、この反応液に4−ビニルベンジルクロライド7.46g(44.0mmol)を添加し、室温まで昇温して6時間攪拌した後、氷冷して水5mLを添加し、減圧下で濃縮乾固させた。
得られた濃縮物に水50mLを添加し、クロロホルム50mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した。
続いて、揮発分を留去した後、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒による再結晶操作により、化学式(XI)で示される標題の物質を、白色結晶として5.78g(収率72%)得た。
〔実施例4−2〕
<1−モノアリル−3,5−ビス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−モノアリル−3,5−ビス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレート1.19g(3.0mmol)およびジクロロメタン15mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷して、メタクロロ過安息香酸(純度65%)2.28g(6.6mmol)を添加した後、室温まで昇温して終夜攪拌を行った。
次いで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液30mLを添加し、クロロホルム30mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した後、揮発分を留去し、得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、淡黄色液体1.09g(収率85%)を得た。
<1−モノアリル−3,5−ビス(4−オキシラニルベンジル)イソシアヌレートの合成>
温度計および攪拌機を備えた100mLフラスコに、1−モノアリル−3,5−ビス(4−ビニルベンジル)イソシアヌレート1.19g(3.0mmol)およびジクロロメタン15mLを投入し、反応液を調製した。
この反応液を氷冷して、メタクロロ過安息香酸(純度65%)2.28g(6.6mmol)を添加した後、室温まで昇温して終夜攪拌を行った。
次いで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液30mLを添加し、クロロホルム30mLと混合・振盪し静置した後、有機層(以下、抽出液と云う)を分離した。
このクロロホルム抽出操作を更に2回行い、これらの抽出液を混合して、硫酸ナトリウムで乾燥した後、揮発分を留去し、得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、淡黄色液体1.09g(収率85%)を得た。
得られた液体の1H−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・1H-NMR (CDCl3) δ:7.42(d,4H),
7.23(d,4H), 5.80-5.90(m,1H), 5.24(dd,2H), 5.03(s,4H), 4.46(d,2H), 3.84(m,2H),
3.32(s,3H), 3.13(dd,2H), 2.76(dd,2H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図4に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた生成物は、化学式(XII)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
・1H-NMR (CDCl3) δ:7.42(d,4H),
7.23(d,4H), 5.80-5.90(m,1H), 5.24(dd,2H), 5.03(s,4H), 4.46(d,2H), 3.84(m,2H),
3.32(s,3H), 3.13(dd,2H), 2.76(dd,2H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図4に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた生成物は、化学式(XII)で示される標題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
〔実施例5〕
実施例1、同2−2、同3−2および同4−2において合成したオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物について、アルコール系溶剤であるメタノール、ケトン系溶剤であるアセトン、エステル系溶剤である酢酸エチル、ニトリル系溶媒であるアセトニトリル、エーテル系溶剤であるテトラヒドロフラン、炭化水素系溶剤であるトルエンおよび非プロトン性極性溶剤であるN,N−ジメチルホルムアミドに対して、優れた溶解能を有することを確認した。
実施例1、同2−2、同3−2および同4−2において合成したオキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物について、アルコール系溶剤であるメタノール、ケトン系溶剤であるアセトン、エステル系溶剤である酢酸エチル、ニトリル系溶媒であるアセトニトリル、エーテル系溶剤であるテトラヒドロフラン、炭化水素系溶剤であるトルエンおよび非プロトン性極性溶剤であるN,N−ジメチルホルムアミドに対して、優れた溶解能を有することを確認した。
本発明によれば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の原料としての用途が期待され、且つ有機溶剤や樹脂への溶解性に優れるイソシアヌレート化合物を提供することができる。
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JP2012012545A JP2013151445A (ja) | 2012-01-25 | 2012-01-25 | オキシラニルベンジルイソシアヌレート化合物 |
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---|---|---|---|---|
CN113683576A (zh) * | 2021-08-24 | 2021-11-23 | 珠海宏昌电子材料有限公司 | 异氰脲酸酯及其制备方法和在高频高速树脂中的应用 |
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2012
- 2012-01-25 JP JP2012012545A patent/JP2013151445A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN113683576A (zh) * | 2021-08-24 | 2021-11-23 | 珠海宏昌电子材料有限公司 | 异氰脲酸酯及其制备方法和在高频高速树脂中的应用 |
CN113683576B (zh) * | 2021-08-24 | 2022-08-30 | 珠海宏昌电子材料有限公司 | 异氰脲酸酯及其制备方法和在高频高速树脂中的应用 |
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