JP2019094314A - トリアジン−2,4−ジオン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

トリアジン−2,4−ジオン誘導体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、窒素原子と結合する置換基としてグリシジル基を2つ有し、更にアルコキシ基を含む置換基を1つ有する、新規なトリアジン−2,4−ジオン誘導体、及びその製造方法を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される、25℃、101.3kPaにおける物質の状態が液体である、ジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体。【化1】(式中、R1は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表し、m及びnはそれぞれ独立に0乃至5の整数を表し、−(R3O)n(R2O)mR1基の炭素原子の総数は1乃至18である。)【選択図】なし

Description

本発明は、窒素原子と結合する置換基としてグリシジル基を2つ有し、更にアルコキシ基を含む置換基を1つ有する、新規なトリアジン−2,4−ジオン誘導体、及びその製造方法に関する。
窒素原子と結合する置換基として1つのグリシジル基を有するモノグリシジルイソシアヌレート化合物及びその製造方法が、特許文献1に開示されている。また、比較的に安価で入手容易なシアヌル酸クロリド(別名:2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン)を出発原料とし、窒素原子と結合する置換基として2つの炭化水素基を有するイソシアヌル酸誘導体の製造方法が、特許文献2に開示されている。
イソシアヌル酸誘導体は様々な用途に使用される。例えば、特許文献3には、イソシアヌル酸誘導体を含む、リソグラフィー用反射防止膜形成組成物が記載されている。特許文献4には、イソシアヌル酸誘導体と他のモノマーとを重合させて得たポリマーを含む、接着剤組成物が記載されている。
国際公開WO2017/175610号 国際公開WO2017/159310号 国際公開WO02/086624号 国際公開WO2013/035787号
本発明は、例えばレジスト下層膜形成組成物の原料としての用途が期待される、新規なトリアジン−2,4−ジオン誘導体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、窒素原子と結合する置換基としてグリシジル基を2つ有し、更にアルコキシ基を含む置換基を1つ有する、新規なトリアジン−2,4−ジオン誘導体を合成し得ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は下記式(1)で表される、25℃、101.3kPaにおける物質の状態が液体である、ジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体である。
Figure 2019094314
(式中、Rは炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表し、m及びnはそれぞれ独立に0乃至5の整数を表し、−(RO)(RO)基の炭素原子の総数は1乃至18である。)
本発明はまた、前記式(1)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造中間体である、下記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体である。
Figure 2019094314
(式中、R、R、R、m及びnはそれぞれ前記式(1)と同義である。)
前記Rは例えば炭素原子数1又は2のアルキル基を表し、前記Rは例えば炭素原子数1又は2のアルキレン基を表す。
本発明はまた、シアヌル酸クロリドと下記式(2)で表されるアルコール類を反応させて下記式(3)で表されるトリアジン誘導体を得た後、該式(3)で表されるトリアジン誘導体から下記式(4)で表されるトリアジン−2,4−ジオン誘導体を得る第一工程、前記式(4)で表されるトリアジン−2,4−ジオン誘導体とアリル化剤を反応させることにより下記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を得る第二工程、及び前記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を含む溶液と酸化剤とを反応させることにより下記式(1)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を得る第三工程を含み、全ての工程が50℃を超えない温度で行われる、ジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造方法である。
Figure 2019094314
(式中、Rは炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表し、m及びnはそれぞれ独立に0乃至5の整数を表し、−(RO)(RO)基の炭素原子の総数は1乃至18である。)
前記アリル化剤は、例えば、ヨウ化アリル、臭化アリル、塩化アリル、アリルトシラート及びアリルメシラートからなる群から選択されるアリル化剤である。
前記酸化剤は、例えば、m−クロロ過安息香酸又は過酸化水素である。
本発明に係るジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体は、レジスト下層膜形成組成物等のポリマー又はオリゴマー成分の原料としての用途が期待される。特に、ジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体は、1分子中にエポキシ基を2つ有するため、トリアジン環を主鎖に有する線状ポリマーの原料となる。また、本発明に係るジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体は、例えばレジスト下層膜形成組成物に使用される有機溶剤に対する溶解性に優れる。さらに、本発明に係るジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造方法は、全行程を通して50℃を超える温度で行われる工程が存在しないため、工業的に有用である。
前記式(1)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体において、Rで表される炭素原子数1乃至10のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状いずれでもよい。該アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘキシルメチル基が挙げられる。また、R及びRで表される炭素原子数1乃至5のアルキレン基として、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、及びペンチレン基が挙げられる。
前記式(1)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体は、25℃、101.3kPaにおける物質の状態が液体であれば特に限定されず、例えば、下記式(1−1)乃至式(1−26)で表される。これらのうち、下記式(1−1)乃至式(1−16)は前記式(1)においてm及びnがいずれも0を表す例であり、下記式(1−17)乃至式(1−20)は前記式(1)において例えばmが1を表しnが0を表す例であり、下記式(1−21)乃至式(1−24)は前記式(1)において例えばmが2を表しnが0を表す例であり、下記式(1−25)及び式(1−26)は前記式(1)においてmが1を表しnが1を表す例である。
Figure 2019094314
Figure 2019094314
前記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体は、25℃、101.3kPaにおける物質の状態が必ずしも液体である必要はない。目的とする前記式(1)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体が液体で得られるなら、その製造中間体である前記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体は、固体でもよい。そして、前記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体として、例えば、前記式(1−1)乃至式(1−24)の2つのグリシジル基が全てアリル基に置換された化合物が挙げられる。
本発明に係るジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造方法の第一工程は、シアヌル酸クロリドと前記式(2)で表されるアルコール類を反応させて前記式(3)で表されるトリアジン誘導体を得た後、該式(3)で表されるトリアジン誘導体から下記式(4)で表されるトリアジン−2,4−ジオン誘導体を得る工程である。本工程は、例えば、前記特許文献2に記載された第一工程及び第二工程を参考に実施することができる。ただし、前記特許文献2の第一工程で使用したベンジルアルコールを、前記式(2)で表されるアルコール類に変更する必要がある。
本発明に係るジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造方法の第二工程は、前記式(4)で表されるトリアジン−2,4−ジオン誘導体とアリル化剤を反応させることにより前記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を得る工程である。本工程は、例えば、前記特許文献2に記載された第三工程を参考に実施することができる。ただし、前記特許文献2の第三工程で使用したアルキル化剤を、アリル化剤に変更する必要がある。
本発明に係るジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造方法の第三工程は、前記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を含む溶液と酸化剤とを反応させることにより前記式(1)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を得る最終工程である。本工程は、例えば、前記特許文献1に記載された実施例1乃至実施例5及び比較例1を参考に実施することができる。
以下、具体例を挙げて、本発明に係るジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造方法を説明する。しかし、本発明は以下に挙げる具体例に限定されない。
[収率算出方法]
後述する合成例及び実施例に示す収率は、得られた化合物の質量と理論収量を用いて百分率で算出したものである。なお、前記理論収量は、合成に使用した原料化合物のモル数と得られる化合物の分子量を乗じることにより算出したものである。
[原料化合物の合成]
<合成例1>
Figure 2019094314
シアヌル酸クロリド(東京化成工業(株)製)30.00g及びエタノール(関東化学(株)製)128.31gを混合し、撹拌しながら5℃まで冷却した。そこへ、炭酸水素ナトリウム(関東化学(株)製)13.67gを加え、5℃で24時間撹拌した。反応溶液へ水150.00gを加え、ろ過を行った。得られた結晶を30℃にて減圧乾燥することで、上記式(3−1)で表されるトリアジン誘導体を白色固体として21.28g得た(収率67.4%)。
Figure 2019094314
酢酸ナトリウム(関東化学(株)製)45.63g、N−メチルモルホリン(東京化成工業(株)製)2.22g及び水212.60gを混合し、そこへ、前記式(3−1)で表されるトリアジン誘導体21.26g及びテトラヒドラフラン(関東化学(株)製)191.34gの混合溶液を、撹拌しながら滴下ロートを用いて滴下した。その滴下ロートをテトラヒドラフラン(関東化学(株)製)21.26gで洗浄し、前記式(3−1)で表されるトリアジン誘導体、酢酸ナトリウム、及びN−メチルモルホリンを含むテトラヒドフランの混合溶液を25℃で46時間撹拌した。その後、反応溶液へ1M HClを21.26g加え、40℃にて減圧濃縮し、結晶析出後にろ過を行った。得られた結晶を40℃にて減圧乾燥することで、上記式(4−1)で表されるトリアジン−2,4−ジオン誘導体を白色固体として19.30g得た。収率は100%を超える結果となった。
<合成例2>
Figure 2019094314
シアヌル酸クロリド(東京化成工業(株)製)50.00g及びメトキシエタノール(関東化学(株)製)353.24gを混合し、撹拌しながら5℃まで冷却した。そこへ、炭酸水素ナトリウム(関東化学(株)製)22.78gを加え、5℃で46.5時間撹拌した。その後、不溶物を除去するため反応溶液をろ過した。さらに、トルエン(関東化学(株)製)50.00gで2回ケーキ洗浄を行った。ここで、ケーキとは、スラリー等の固液混合物をろ過することにより液体が分離されて残った固形物を表す。得られた溶液を40℃にて減圧濃縮し、乾燥することで、上記式(3−2)で表されるトリアジン誘導体を無色透明液体として53.33g得た(収率87.8%)。
Figure 2019094314
酢酸ナトリウム(関東化学(株)製)166.66g、N−メチルモルホリン(東京化成工業(株)製)8.10g及びメタノール(関東化学(株)製)627.69gを混合し、そこへ、前記式(3−2)で表されるトリアジン誘導体89.67g及びメタノール(関東化学(株)製)538.02gの混合溶液を、撹拌しながら滴下ロートを用いて滴下した。その滴下ロートをメタノール(関東化学(株)製)89.67gで洗浄し、前記式(3−2)で表されるトリアジン誘導体、酢酸ナトリウム、及びN−メチルモルホリンを含むメタノールの混合溶液を25℃で41.5時間撹拌した。その後、反応溶液へ1M HClを21.26g加え、40℃にて減圧濃縮し、結晶析出後にろ過を行った。得られた結晶にエタノール(関東化学(株)製)896.70gを加え、25℃で10分間撹拌した後、ろ過を行った。得られた結晶を40℃にて減圧乾燥することで、上記式(4−2)で表されるトリアジン−2,4−ジオン誘導体を白色固体として73.22g得た(収率 97.7%)。
<実施例1>
Figure 2019094314
合成例1で得られた前記(4−1)で表されるトリアジン−2,4−ジオン誘導体30.33g、炭酸セシウム(東京化成工業(株)製)157.23g及びジメチルスルホキシド(関東化学(株)製)303.30gを混合し、そこへ、アリル化剤であるアリルブロミド(東京化成工業(株)製)58.38gを滴下した。滴下終了後、25℃で3時間撹拌し、トルエン(関東化学(株)製)303.30gを加えた後、ろ過した。さらに、トルエン(関東化学(株)製)30.33gでケーキ洗浄を行い、水303.30gを加え分液した。得られた有機層へ再び水303.30gを加え分液した。得られた有機層を40℃にて減圧濃縮し、乾燥することにより、上記式(1’−1)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を無色透明液体として18.72g得た(収率40.9%)。
<実施例2>
Figure 2019094314
実施例1で得られた上記式(1’−1)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体18.72gとクロロホルム(関東化学(株)製)140.40gを混合し、そこへ、m−クロロ過安息香酸(東京化成工業(株)製)44.63gを加えた。その後、25℃で120時間撹拌し、クロロホルム(関東化学(株)製)187.20を加えた。そこへ、5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液374.40gを加え、分液した。その後、得られた有機層へ10wt%亜硫酸ナトリウム水溶液187.20gを加え、分液した。引き続き、得られた有機層へ5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液374.40gを加え、分液した。さらに、得られた有機層へ水187.20gを加え、分液した。この水による洗浄操作を再び繰り返し、得られた有機層を40℃にて減圧濃縮した。その後、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒を酢酸エチル/ヘプタン=7/3(v/v)から酢酸エチル/ヘプタン=10/0(v/v)へ組成変更)により精製し、乾燥することにより、上記式(1−2)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を無色透明液体として6.61g得た(収率31.5%)。また、この化合物のH NMR(500MHz,DMSO−d)を測定したところ、δ4.57 (q, 2H), 4.08 (m, 4H), 3.27 (ddd, 3H), 2.80 (dd, 2H), 2.65 (dd, 2H), 1.44 (t, 3H)であった。
<実施例3>
Figure 2019094314
合成例2で得られた上記式(4−2)で表されるトリアジン−2,4−ジオン誘導体73.22g、炭酸セシウム(東京化成工業(株)製)318.67g及びジメチルスルホキシド(関東化学(株)製)732.20gを混合し、そこへ、アリル化剤であるアリルブロミド(東京化成工業(株)製)118.32gを滴下した。滴下終了後、25℃で6時間撹拌し、トルエン(関東化学(株)製)732.20を加えた後に、ろ過した。さらに、トルエン(関東化学(株)製)73.22gでケーキ洗浄を行い、水732.20gを加え分液した。得られた有機層へ再び水732.20gを加え分液した。得られた有機層を40℃にて減圧濃縮し、乾燥することにより、上記式(1’−2)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を白色固体として51.29g得た(収率 49.0%)。
<実施例4>
Figure 2019094314
実施例3で得られた上記式(1’−2)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体51.29gとクロロホルム(関東化学(株)製)384.68gを混合し、そこへ、m−クロロ過安息香酸(東京化成工業(株)製)122.27gを加えた。その後、25℃で89.5時間撹拌し、クロロホルム(関東化学(株)製)512.90を加えた。そこへ、5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液1025.80gを加え、分液した。その後、得られた有機層へ10wt%亜硫酸ナトリウム水溶液512.90gを加え、分液した。引き続き、得られた有機層へ5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液1025.80gを加え、分液した。さらに、得られた有機層へ水512.90gを加え、分液した。この水による洗浄操作を再び繰り返し、得られた有機層を40℃にて減圧濃縮した。その後、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒を酢酸エチルからクロロホルムへ変更)により精製し、乾燥することにより、上記式(1−19)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を無色透明液体として17.38g得た(収率 30.3%)。また、この化合物のH NMR(500MHz,DMSO−d)を測定したところ、δ4.61 (dd, 2H), 4.16 (m, 2H), 4.01 (m, 2H), 3.69 (m, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.24 (m, 2H), 2.78 (m,2H), 2.67 (m, 2H)であった。
[溶媒溶解性評価]
実施例2で得られた上記式(1−2)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体1.0gに、1−メトキシ−2−プロパノール(以下、本明細書ではPGMEと略称する。)1.0gを加えたところ、25℃で完全に溶解した。
実施例4で得られた上記式(1−19)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体1.0gに、PGME1.0gを加えたところ、25℃で完全に溶解した。
実施例2で得られた上記式(1−2)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体1.0gに、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート(以下、本明細書ではPGMEAと略称する。)1.0gを加えたところ、25℃で完全に溶解した。
実施例4で得られた上記式(1−19)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体1.0gに、PGMEA1.0gを加えたところ、25℃で完全に溶解した。
実施例2で得られた上記式(1−2)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体1.0gに、乳酸エチル(以下、本明細書ではELと略称する。)1.0gを加えたところ、25℃で完全に溶解した。
実施例4で得られた上記式(1−19)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体1.0gに、EL1.0gを加えたところ、25℃で完全に溶解した。
<比較例1>
Figure 2019094314
上記式(5)で表されるジグリシジルイソシアヌレート化合物を用意した。
比較例1のジグリシジルイソシアヌレート化合物1.0gに、PGME1.33gを加えたところ、25℃で溶解しなかった。
比較例1のジグリシジルイソシアヌレート化合物1.0gに、PGMEA1.33gを加えたところ、25℃で溶解しなかった。
比較例1のジグリシジルイソシアヌレート化合物1.0gに、EL1.0gを加えたところ、25℃で溶解しなかった。
実施例2及び実施例4のジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体、並びに比較例1の化合物について、溶媒溶解性評価の結果を下記表1にまとめて示す。表1において、(1−2)、(1−19)、(5)はそれぞれ、実施例2で得られた式(1−2)で表される化合物、実施例4で得られた式(1−19)で表される化合物、比較例1の式(5)で表される化合物を表す。さらに表1において、○は溶媒(PGME、PGMEA又はEL)に溶解したことを表し、×は該溶媒に溶解しなかったことを表す。
Figure 2019094314
本発明に係るジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体は、例えば、リソグラフィー用反射防止膜形成組成物、レジスト下層膜形成組成物、レジスト上層膜形成組成物、光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、平坦化膜形成組成物、接着剤組成物、その他の組成物に適用することができる。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される、25℃、101.3kPaにおける物質の状態が液体である、ジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体。
    Figure 2019094314
    (式中、Rは炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表し、m及びnはそれぞれ独立に0乃至5の整数を表し、−(RO)(RO)基の炭素原子の総数は1乃至18である。)
  2. 請求項1に記載の式(1)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造中間体である、下記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体。
    Figure 2019094314
    (式中、R、R、R、m及びnはそれぞれ前記式(1)と同義である。)
  3. 前記Rは炭素原子数1又は2のアルキル基を表し、前記Rは炭素原子数1又は2のアルキレン基を表す、請求項1に記載のジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体。
  4. 前記Rは炭素原子数1又は2のアルキル基を表し、前記Rは炭素原子数1又は2のアルキレン基を表す、請求項2に記載のジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体。
  5. シアヌル酸クロリドと下記式(2)で表されるアルコール類を反応させて下記式(3)で表されるトリアジン誘導体を得た後、該式(3)で表されるトリアジン誘導体から下記式(4)で表されるトリアジン−2,4−ジオン誘導体を得る第一工程、
    前記式(4)で表されるトリアジン−2,4−ジオン誘導体とアリル化剤を反応させることにより下記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を得る第二工程、及び
    前記式(1’)で表されるジアリルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を含む溶液と酸化剤とを反応させることにより下記式(1)で表されるジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体を得る第三工程を含み、
    全ての工程が50℃を超えない温度で行われる、請求項1に記載のジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造方法。
    Figure 2019094314
    (式中、Rは炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表し、m及びnはそれぞれ独立に0乃至5の整数を表し、−(RO)(RO)基の炭素原子の総数は1乃至18である。)
  6. 前記アリル化剤は、ヨウ化アリル、臭化アリル、塩化アリル、アリルトシラート及びアリルメシラートからなる群から選択されるアリル化剤である、請求項5に記載のジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造方法。
  7. 前記酸化剤はm−クロロ過安息香酸又は過酸化水素である、請求項5又は請求項6に記載のジグリシジルトリアジン−2,4−ジオン誘導体の製造方法。
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