JP6875660B2 - 含窒素環状化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、1分子中に2個のグリシジル基及び2個のメトキシメチル基を有する、新規なグリコールウリル類、並びにその製造方法に関する。
グリコールウリル類は、尿素系窒素原子を環構造中に4個有するヘテロ環化合物であり、上記の尿素系窒素原子上に種々の置換基を有するグリコールウリル類が製造され、機能性化合物として用いられている。
例えば、1分子中に4個のメトキシメチル基を有する1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルは、エポキシ樹脂の架橋剤としてよく知られている(特許文献1参照)。
置換基を有さないグリコールウリル1分子に、4個のメトキシメチル基を導入する方法が、例えば特許文献2に開示されている。さらに、グリコールウリル類の4個の窒素原子に結合した水素原子のうち少なくとも1個の水素原子がグリシジル基で置換されたグリシジルグリコールウリル類が、特許文献3に開示されている。しかし、グリコールウリル類の4個の窒素原子のうち2個の窒素原子に結合した水素原子がグリシジル基で置換され、且つ残りの2個の窒素原子に結合した水素原子がメトキシメチル基で置換された化合物は、特許文献1、2及び3に記載されていないだけでなく、示唆もされていない。
特開2013−33276号公報 特許第3154819号明細書 特開2015−54856号公報
グリシジル基を1分子中に2個有する化合物とヒドロキシ基又はカルボキシ基を1分子中に2個有する化合物とを原料モノマーとして、鎖状のポリマーが重合される。重合されたポリマーを適当な溶媒に溶解させたポリマー溶液を基板上に塗布した後、所定の温度でベークすることによって該基板上に膜が形成される。しかし、前記膜はポリマー間の架橋が弱く硬化が不十分になるため、前記ポリマー溶液に前述の架橋剤が添加される。一方、分子内にメトキシメチル基のような架橋性基が導入されたポリマーを採用することで、架橋剤を使用することなく所望の硬化膜を得ることができる。
本発明は、上記背景に基づいてなされたものであり、1分子中に2個のグリシジル基及び2個のメトキシメチル基を有する新規なグリコールウリル類を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される含窒素環状化合物である。
Figure 0006875660
(式中、R1、R2、R3及びR4のうちいずれか2つはグリシジル基を表し、残りの2つはメトキシメチル基を表す。)
前記式(1)で表される含窒素環状化合物は、例えば下記式(1A)又は式(1B)で表される。
Figure 0006875660
更に本発明は、下記式(a)で表される化合物を塩基性水溶液中でホルムアルデヒドと反応させて下記式(b)で表される化合物を得る第一工程、前記式(b)で表される化合物を、メタノールの酸性溶液中で該メタノールと反応させて下記式(c)で表される化合物を得る第二工程、及び前記式(c)で表される化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させて前記式(1A)で表される含窒素環状化合物を得る第三工程を含む、含窒素環状化合物の製造方法である。
Figure 0006875660
本発明はまた、下記式(d)で表される化合物を塩基性水溶液中でホルムアルデヒドと反応させて下記式(e)で表される化合物を得る第一工程、前記式(e)で表される化合物を、メタノールの酸性溶液中で該メタノールと反応させて下記式(f)で表される化合物を得る第二工程、及び前記式(f)で表される化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させて前記式(1B)で表される含窒素環状化合物を得る第三工程を含む、含窒素環状化合物の製造方法である。
Figure 0006875660
本発明によるグリコールウリル類は、1分子中に2個のグリシジル基及び2個のメトキシメチル基を有し、該グリシジル基及び該メトキシメチル基はそれぞれ異なる窒素原子と結合した含窒素環状化合物である。該化合物は、架橋性基であるメトキシメチル基を2個有するため、架橋剤として使用することができる。
本発明の含窒素環状化合物はさらに、グリシジル基を2個有するため、該化合物とヒドロキシ基又はカルボキシ基を1分子中に2個有する化合物とを原料モノマーとして、鎖状のポリマーを重合することができる。重合されたポリマーは、前記含窒素環状化合物に由来するメトキシメチル基を有するため、該ポリマーの他に架橋剤を使用することなく、溶剤耐性を有する所望の硬化膜を得ることができる。
本発明のグリコールウリル類は、下記式(1)で表される含窒素環状化合物である。該式(1)において、R1及びR4がそれぞれグリシジル基を表し、R2及びR3がそれぞれメトキシメチル基を表すか又はR2及びR3がそれぞれグリシジル基を表し、R1及びR4がそれぞれメトキシメチル基を表す場合、下記式(1A)で表される含窒素環状化合物である。さらに該式(1)において、R1及びR2がそれぞれグリシジル基を表し、R3及びR4がそれぞれメトキシメチル基を表すか又はR3及びR4がそれぞれグリシジル基を表し、R1及びR2がそれぞれメトキシメチル基を表す場合、下記式(1B)で表される含窒素環状化合物である。
Figure 0006875660
(式中、R1、R2、R3及びR4のうちいずれか2つはグリシジル基を表し、残りの2つはメトキシメチル基を表す。)
前記式(1A)で表される含窒素環状化合物は、下記式(a)で表される化合物を塩基性水溶液中でホルムアルデヒドと反応させて下記式(b)で表される化合物を得る第一工程、前記式(b)で表される化合物を、メタノールの酸性溶液中で該メタノールと反応させて下記式(c)で表される化合物を得る第二工程、及び前記式(c)で表される化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる第三工程を経て、製造される。
Figure 0006875660
前記式(1B)で表される含窒素環状化合物は、下記式(d)で表される化合物を塩基性水溶液中でホルムアルデヒドと反応させて下記式(e)で表される化合物を得る第一工程、前記式(e)で表される化合物を、メタノールの酸性溶液中で該メタノールと反応させて下記式(f)で表される化合物を得る第二工程、及び前記式(f)で表される化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる第三工程を経て、製造される。
Figure 0006875660
上記式(a)で表される化合物は、例えば、特開2016−138051号公報に記載されている参考例3(1,4−ジアリルグリコールウリルの合成)に基づいて合成することができる。最終的に上記式(a)で表される化合物が得られるなら、前記参考例3とは異なる方法により合成してもよい。
上記式(d)で表される化合物は、例えば、前記特許文献3に記載されている参考例1(1,3−ジアリルグリコールウリルの合成)、又は特開2016−138051号公報に記載されている参考例2(1,3−ジアリルグリコールウリルの合成)に基づいて合成することができる。最終的に上記式(d)で表される化合物が得られるなら、前記参考例1及び前記参考例2とは異なる方法により合成してもよい。
前記含窒素環状化合物の製造工程において、前記塩基性水溶液として、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、及び炭酸水素ナトリウム水溶液が挙げられる。前記メタノールの酸性溶液中の酸として、例えば、硝酸、硫酸、蟻酸、及び塩酸が挙げられる。前記有機溶媒として、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールのようなアルコール類、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノンのようなアミド類、及びジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が挙げられる。前記酸化剤として、例えば、メタクロロ過安息香酸、過酸化水素、オキソン[登録商標](ペルオキシ一硫酸カリウム)、及び過酢酸が挙げられる。
前記式(1A)で表される含窒素環状化合物と、カルボキシ基又はヒドロキシ基を1分子中に2個有する化合物とを重合させることによって、下記式(2)で表される繰り返し単位構造を有するポリマーが得られる。前記式(1A)で表される含窒素環状化合物に替えて前記式(1B)で表される含窒素環状化合物と、カルボキシ基又はヒドロキシ基を1分子中に2個有する化合物とを重合させることによって、下記式(3)で表される繰り返し単位構造を有するポリマーが得られる。前記カルボキシ基又はヒドロキシ基を1分子中に2個有する化合物に替えて、カルボキシ基及びヒドロキシ基をそれぞれ1分子中に少なくとも1個有する化合物を用いてもよい。
Figure 0006875660
(式中、Qはヘテロ原子を少なくとも1個有してもよい炭素原子数1乃至16の二価の有機基を表し、m及びnはそれぞれ独立に0又は1を表す。)
以下、本発明を合成例及び実施例によって説明するが、本発明はこれら合成例及び実施例によって特に限定されるものではない。
本明細書の下記合成例に示す純度は、高速液体クロマトグラフィー(以下、本明細書ではHPLCと略称する。)による測定結果である。測定には(株)日立ハイテクノロジーズ製HPLC装置(L−2000シリーズ)を用い、測定条件等は次のとおりである。
HPLCカラム:Inertsil[登録商標]ODS−3(ジーエルサイエンス(株))
カラム温度:40℃
溶媒:アセトニトリル/10mMギ酸アンモニウム水溶液=3/7(v/v)(0分〜10分),3/7(v/v)から7/3(v/v)へ組成比を変更(10分〜15分),7/3(v/v)(15分〜25分),7/3(v/v)から3/7(v/v)へ組成比を変更(25分〜30分),3/7(v/v)(30分〜35分)
流量:1.0mL/分
本明細書の下記合成例に示す重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、本明細書ではGPCと略称する。)による測定結果である。測定には東ソー(株)製GPC装置(HLC−8320GPC)を用い、測定条件等は次のとおりである。
GPCカラム:KF−403HQ,KF−402HQ,KF−401HQ(昭和電工(株)製)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.5mL/分
標準試料:ポリスチレン(昭和電工(株)製)
<合成例1>
(1,4−ジアリルグリコールウリルの合成)
Figure 0006875660
冷却機、温度計及び攪拌機を備えた1Lフラスコに、アリル尿素(東京化成工業(株)製)200.00g(2.00mol)、純水400.00g(2.00部)、39質量%グリオキサール水溶液(東京化成工業(株)製)110.37g(0.74mol)、及び濃塩酸(関東化学(株)製,特級)24.0g(0.12部)を入れ、これを90℃に昇温して3時間撹拌した。その後、前記フラスコ内の反応溶液を5℃に冷却し、析出した結晶をろ過し、ろ物を冷水100gにより二回洗浄した。得られた残留物を減圧下、乾燥して、上記式(a)で表される1,4−ジアリルグリコールウリル50.53gを白色固体として得た。得られた化合物の、収率は29.89%、HPLCにより測定した純度は100%であった。
得られた1,4−ジアリルグリコールウリルの1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)におけるδ値は下記のとおりであった。
7.63(s,2H),5.73(m,2H),5.19(dd,4H),5.18(s,2H),3.90(dd,2H),3.49(dd,2H)
<合成例2>
(1,4−ジアリル−3,6−ジメチロールグリコールウリルの合成)
Figure 0006875660
冷却機、温度計及び攪拌機を備えた500mLフラスコに、37質量%ホルムアルデヒド水溶液(東京化成工業(株)製)45.65g(0.56mol)、0.5N水酸化ナトリウム水溶液1.94g(0.04部)、及び純水250.00g(5.00部)を入れ、これを40℃に昇温して撹拌した。同温度にて、前記合成例1で得られた1,4−ジアリルグリコールウリル50.00g(0.23mol)を添加した後、これを55℃に昇温して1.5時間撹拌した。その後、前記フラスコ内の反応溶液を25℃に冷却し、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を0.44g添加した。さらに、前記反応溶液を20℃まで冷却して析出した結晶をろ過し、ろ物を酢酸エチル50.00g(1.00部)により二回洗浄した。得られた残留物を減圧下、乾燥して、上記式(b)で表される1,4−ジアリル−3,6−ジメチロールグリコールウリル48.50gを白色固体として得た。得られた化合物の、収率は76.37%、HPLCにより測定した純度は100%であった。
得られた1,4−ジアリル−3,6−ジメチロールグリコールウリルの1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)におけるδ値は下記のとおりであった。
5.93(t,2H),5.76(m,2H),5.37(s,2H),5.17(dd,4H),4.63(m,4H),4.02(dd,2H),3.86(dd,2H)
<合成例3>
(1,4−ジアリル−3,6−ジ(メトキシメチル)グリコールウリルの合成)
Figure 0006875660
冷却機、温度計及び攪拌機を備えた300mLフラスコに、前記合成例2で得られた1,4−ジアリル−3,6−ジメチロールグリコールウリル48.00g(0.17mol)、メタノール109.0g及び65質量%硝酸3.67g(0.04mol)を入れ、これを40℃に昇温して2時間撹拌した。その後、前記フラスコ内の反応溶液を25℃に冷却し、20質量%水酸化ナトリウム水溶液8.14gを添加して、減圧下40℃にて溶媒を留去した。得られた濃縮液にトルエン480.30g(10.00部)及び純水240.00g(5.00部)を加えて分液した。さらに有機層に純水240.00g(5.00部)を加えて分液した後、得られた有機層を減圧下40℃にて溶媒を留去して、上記式(c)で表される1,4−ジアリル−3,6−ジ(メトキシメチル)グリコールウリル41.10gを白色固体として得た。得られた化合物の、収率は77.9%、HPLCにより測定した純度は99.49%であった。
得られた1,4−ジアリル−3,6−ジ(メトキシメチル)グリコールウリルの1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)におけるδ値は下記のとおりであった。
5.74(m,2H),5.35(s,2H),5.19(m,4H),4.61(dd,4H),4.09(dd,2H),3.76(dd,2H),3.17(s,6H)
<合成例4>
(1,4−ジグリシジル−3,6−ジ(メトキシメチル)グリコールウリルの合成)
Figure 0006875660
冷却機、温度計及び攪拌機を備えた1Lフラスコに、前記合成例3で得られた1,4−ジアリル−3,6−ジ(メトキシメチル)グリコールウリル40.00g(0.13mol)、及びクロロホルム400.00g(10.00部)を入れ、0℃に冷却して撹拌した。同温度にて、65質量%メタクロロ過安息香酸(東京化成工業(株)製)82.12g(0.31mol)を添加した後、これを25℃に昇温して38.5時間撹拌した。その後、前記フラスコ内の反応溶液にクロロホルム400.00g(10.00部)を追加し、さらに5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液800.00g(20.00部)を滴下し、分液した。次いで有機層に10質量%亜硫酸ナトリウム水溶液800.00g(20.00部)を添加し、分液した。さらに有機層に5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液800.00g(20.00部)を添加し、分液した。最後に有機層に純水800.00g(20.00部)を添加し、分液した。得られた有機層を減圧下30℃にて、溶媒を留去した。得られた残留物にシクロペンチルメチルエーテル160.00g(4.00部)を添加して、析出した結晶をろ過し、ろ物をシクロペンチルメチルエーテル20.00g(0.50部)により二回洗浄した。得られた残留物を減圧下30℃にて、乾燥して、上記式(1A)で表される1,4−ジグリシジル−3,6−ジ(メトキシメチル)グリコールウリル21.54gを白色固体として得た。得られた化合物の、収率は48.82%、HPLCにより測定した純度は96.70%であった。
[陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の前処理方法]
陰イオン交換樹脂(2.0kg)にプロピレングリコールモノメチルエーテル(2.0kg)を加え4時間撹拌後ろ過し、再度その陰イオン交換樹脂にプロピレングリコールモノメチルエーテル(2.0kg)を加え8時間撹拌後ろ過した。更に、前記陰イオン交換樹脂にプロピレングリコールモノメチルエーテル(2.0kg)を加え4時間撹拌後保管した。このプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて保管した陰イオン交換樹脂を、下記合成例で使用する直前にろ過した。
陽イオン交換樹脂(2.0kg)にプロピレングリコールモノメチルエーテル(4.0kg)を加え4時間撹拌後ろ過し、再度その陽イオン交換樹脂にプロピレングリコールモノメチルエーテル(2.0kg)を加え8時間撹拌後ろ過した。更に、前記陽イオン交換樹脂にプロピレングリコールモノメチルエーテル(2.0kg)を加え4時間撹拌後保管した。このプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて保管した陽イオン交換樹脂を、下記合成例で使用する直前にろ過した。
<合成例5>
前記合成例4で得られた1,4−ジグリシジル−3,6−ジ(メトキシメチル)グリコールウリル2.01g、3,3’−ジチオジプロピオン酸(堺化学工業(株)、商品名:DTDPA)1.29g、及び触媒として第4級ホスホニウム塩であるトリフェニルモノエチルホスホニウムブロミド0.11gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル13.60gに溶解させた後、105℃に加温し、窒素雰囲気下で24.5時間撹拌した。得られた反応生成物に、前記前処理を経た陰イオン交換樹脂(製品名:ダウエックス[登録商標]MONOSPHERE[登録商標]550A、ムロマチテクノス(株))2.86gと前記前処理を経た陽イオン交換樹脂(製品名:アンバーリスト[登録商標]15JWET、オルガノ(株))2.86gを加え、25℃乃至30℃で4時間撹拌後ろ過した。イオン交換処理後のワニス溶液のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は6630であった。この反応生成物は、下記式(2A)で表される繰り返し単位構造を有する。
Figure 0006875660
<合成例6>
モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(四国化成工業(株)、商品名:MADGIC)2.0g、3,3’−ジチオジプロピオン酸(堺化学工業(株)、商品名:DTDPA)1.56g、及び触媒として第4級ホスホニウム塩であるトリフェニルモノエチルホスホニウムブロミド0.13gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル14.82gに溶解させた後、105℃に加温し、窒素雰囲気下で24.5時間撹拌した。得られた反応生成物に、前記合成例5で用いた陰イオン交換樹脂3.22gと前記合成例5で用いた陽イオン交換樹脂3.22gを加え、25℃乃至30℃で4時間撹拌後ろ過した。イオン交換処理後のワニス溶液のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は6165であった。この反応生成物は、下記式(4)で表される繰り返し単位構造を有する。
Figure 0006875660
〔実施例1〕
前記合成例5で得られた反応生成物0.364gを含む溶液1.838gに、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.158g、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム0.013g、及び界面活性剤(DIC(株)、商品名:R−40−LM)0.004gを加え、溶液とした。その溶液を、孔径0.45μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、膜形成用組成物を調製した。
〔比較例1〕
前記合成例6で得られた反応生成物0.364gを含む溶液1.898gに、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.087g、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム0.013g、及び界面活性剤(DIC(株)、商品名:R−40−LM)0.004gを加え、溶液とした。その溶液を、孔径0.45μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、膜形成用組成物を調製した。
〔比較例2〕
前記合成例6で得られた反応生成物0.283gを含む溶液1.475gに、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.424g、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム0.010g、架橋剤としてテトラメトキシメチルグリコールウリル(日本サイテックインダストリーズ(株)、商品名:POWDERLINK[登録商標]1174)0.085g、及び界面活性剤(DIC(株)、商品名:R−40−LM)0.003gを加え、溶液とした。その溶液を、孔径0.45μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、膜形成用組成物を調製した。
(ストリッピング試験)
本明細書に記載の実施例1並びに比較例1及び比較例2で調製された膜形成用組成物を、それぞれスピンコーターによりシリコンウエハー上に塗布した。このシリコンウエハーをホットプレート上に配置し、215℃で1分間ベークし、該シリコンウエハー上に薄膜を成膜した(膜厚約100nm)。そして、形成されたこれらの薄膜を溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート=7/3)に1分間浸漬させた(ストリッピング)後、スピナーにより前記溶剤を除去した。前記薄膜を乾燥させるため、ホットプレート上、100℃で30秒間ベークした後、該薄膜の膜厚を測定し、下記表1に示す結果を得た。
表1に示す結果から明らかなように、前記合成例5で得られた反応生成物を含有し、架橋剤を含有しない実施例1の膜形成用組成物を用いることで、溶剤耐性を有する硬化膜が得られた。一方、前記合成例6で得られた反応生成物を含有し、架橋剤を含有しない比較例1の膜形成組成物を用いると、溶剤耐性を有する硬化膜が得られなかった。この結果は、実施例1に用いた合成例5で得られた反応生成物は自己架橋性を有することを示す。
Figure 0006875660
本発明により製造された含窒素環状化合物は、例えば、リソグラフィー用反射防止膜形成組成物、レジスト下層膜形成組成物、レジスト上層膜形成組成物、光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、平坦化膜形成組成物、接着剤組成物、その他の組成物に適用することができる。

Claims (2)

  1. 下記式(1A)で表される含窒素環状化合物
    Figure 0006875660
  2. 下記式(a)で表される化合物を塩基性水溶液中でホルムアルデヒドと反応させて下記式(b)で表される化合物を得る第一工程、
    前記式(b)で表される化合物を、メタノールの酸性溶液中で該メタノールと反応させて下記式(c)で表される化合物を得る第二工程、及び
    前記式(c)で表される化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させて前記式(1A)で表される含窒素環状化合物を得る第三工程を含む、請求項に記載の含窒素環状化合物の製造方法。
    Figure 0006875660
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