JP2014053178A - 全固体電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウムイオンの負極活物質に対する脱挿入の際の抵抗にならず、高入出力時に、多くのリチウムイオンを脱挿入させることができ、電池容量の向上を図ることができる全固体電池を提供する。
【解決手段】正極活物質12を有する正極層14と、リチウムイオン伝導材料にて構成された固体電解質層16と、負極活物質18を有する負極層20とを具備した全固体電池10において、負極層20は、複数の筒状のカーボンナノチューブ28にて構成され、且つ、各カーボンナノチューブ28の軸方向が一定の方向に配向された負極活物質18を有する。
【選択図】図1
【解決手段】正極活物質12を有する正極層14と、リチウムイオン伝導材料にて構成された固体電解質層16と、負極活物質18を有する負極層20とを具備した全固体電池10において、負極層20は、複数の筒状のカーボンナノチューブ28にて構成され、且つ、各カーボンナノチューブ28の軸方向が一定の方向に配向された負極活物質18を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電極活物質にカーボンナノチューブを用いた全固体電池に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が大幅に拡大している。このような用途に用いられる電池においては、イオンを移動させる媒体として、希釈溶媒に可燃性の有機溶媒を用いた有機溶媒等の液体の電解質(電解液)が従来使用されている。このような電解液を用いた電池においては、電解液の漏液や、発火、爆発等の問題を生ずる可能性がある。
このような問題を解消すべく、本質的な安全性確保のために、液体の電解質に代えて固体電解質を使用するとともに、その他の要素の全てを固体で構成した全固体電池の開発が進められている。このような全固体電池は、電解質が固体であることから、発火の心配が少なく、漏液せず、また、腐食による電池性能の劣化等の問題も生じ難い。
また、最近では、電池の用途が拡大されることによって、より大容量で小型の電池が要求されてきている。そこで、従来では、電極活物質にカーボンナノチューブを用いた全固体電池が提案されている(特許文献1〜3参照)。
特許文献1に記載の電池は、炭化ケイ素の表面熱分解により形成されたカーボンナノチューブ層をそのまま固体電解質二次電池の負極活物質として使用しているため、カーボンナノチューブの先端(固体電解質側)が閉じており、カーボンナノチューブの内部は外部に対して閉鎖されている。従って、充電時にはカーボンナノチューブ相互の間隙(外壁間)にリチウムイオンを収容し、放電時には該間隙からリチウムイオンを放出することとなる。しかし、上述したように、カーボンナノチューブの内部は外部に対して閉鎖されているため、負極活物質に吸蔵・放出し得る電荷担体イオンの量を増やすことができず、電池容量の向上には限界がある。
特許文献2に記載の電池は、特許文献1の構成を改善したものであって、負極活物質を構成する各カーボンナノチューブの先端部に、該カーボンナノチューブの内径よりも小さく、且つ、電荷担体イオンが通過可能なサイズの開口を有する篩(sieve)を有する。また、他の例としては、活物質層の電解質側表面に、平均孔径がカーボンナノチューブの内径よりも小さく、且つ、電荷担体イオンが通過可能なサイズとされた多孔質膜を介在させ、カーボンナノチューブの前記開口の径をカーボンナノチューブの内径と同じとすることで、多孔質膜を篩として機能させている。これにより、負極活物質が吸蔵・放出し得る電荷担体イオンの量を特許文献1の構成よりもさらに向上させることができる。
特許文献3に記載の電池は、電解液を用いた液系の二次電池に関するものであるが、特許文献2と同様に、負極活物質を構成する各カーボンナノチューブの先端部にイオン通路が形成されている。
上述の特許文献2及び3に記載された、篩として機能するカーボンナノチューブの先端部及び多孔質膜は、カーボンナノチューブの内径よりも小さく、且つ、電荷担体イオンが通過可能なサイズの開口及び平均孔径を有するため、リチウムイオンが1個ずつ、あるいは同時に2、3個ずつしかリチウムイオンが通過しない場合もあり、篩が、リチウムイオンの負極活物質に対する脱挿入の際の抵抗になるという問題がある。そのため、高入出力時に、多くのリチウムイオンを脱挿入させることができなくなり、電池容量の低下につながる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、リチウムイオンの負極活物質に対する脱挿入の際の抵抗にならず、高入出力時に、多くのリチウムイオンを脱挿入させることができ、電池容量の向上を図ることができる全固体電池を提供することを目的とする。
[1] 本発明に係る全固体電池は、正極活物質を有する正極層と、リチウムイオン伝導材料にて構成された固体電解質層と、負極活物質を有する負極層とを具備した全固体電池において、前記負極層は、複数の筒状のカーボンナノチューブにて構成され、且つ、各前記カーボンナノチューブの軸方向が一定の方向に配向された負極活物質を有することを特徴とする。
[2] 本発明において、前記正極層は、リチウム遷移金属酸化物の複数の粒子からなる多結晶体であって、且つ、各前記粒子の方向が前記一定の方向に配向された正極活物質を有してもよい。
[3] 本発明において、前記一定の方向は、リチウムイオンの伝導方向であってもよい。
[4] 本発明において、前記一定の方向は、前記正極層から前記負極層に向かう方向であってもよい。
[5] 本発明において、前記カーボンナノチューブは、一方の端部の開口の径と他方の端部の開口の径がほぼ同じであってもよい。
[6] 本発明において、前記正極活物質は、各前記粒子の特定の結晶面が前記正極層から前記負極層に向かう方向に配向されていてもよい。
[7] この場合、前記正極活物質に含まれる前記粒子は、層状岩塩構造又はスピネル構造を有してもよい。
[8] [7]において、前記正極活物質に含まれる前記粒子は、
一般式:Lip(Nix,Coy,Alz)O2
(上記一般式中、0.9≦p≦1.3,0.6<x<0.9,0.1<y≦0.3,0≦z≦0.2,x+y+z=1)
で表される層状岩塩構造を有し、前記特定の結晶面が(003)面であってもよい。
一般式:Lip(Nix,Coy,Alz)O2
(上記一般式中、0.9≦p≦1.3,0.6<x<0.9,0.1<y≦0.3,0≦z≦0.2,x+y+z=1)
で表される層状岩塩構造を有し、前記特定の結晶面が(003)面であってもよい。
[9] 本発明において、前記固体電解質層を構成する前記リチウムイオン伝導材料は、ガーネット系、窒化物系、ペロブスカイト系、リン酸系、硫化物系又は高分子系の材料にて構成されていてもよい。
[10] 本発明において、前記正極層は、前記正極活物質と、該正極活物質の前記固体電解質層と反対側の端面に形成された正極集電体とを有し、前記負極層は、前記負極活物質と、該負極活物質の前記固体電解質層と反対側の端面に形成された負極集電体とを有してもよい。
本発明に係る全固体電池によれば、リチウムイオンの負極活物質に対する脱挿入の際の抵抗にならず、高入出力時に、多くのリチウムイオンを脱挿入させることができ、電池容量の向上を図ることができる。
以下、本発明に係る全固体電池の実施の形態例を図1A〜図11を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る全固体電池10は、図1Aに示すように、正極活物質12を有する正極層14と、リチウムイオン伝導材料にて構成された固体電解質層16と、負極活物質18を有する負極層20とを具備し、固体電解質層16を正極層14と負極層20とで挟み込んだ構成となっている。正極層14は、正極活物質12と、該正極活物質12の固体電解質層16と反対側の端面に形成された正極集電体22とを有し、負極層20は、負極活物質18と、該負極活物質18の固体電解質層16と反対側の端面に形成された負極集電体24とを有する。
正極活物質12は、リチウム遷移金属酸化物の複数の粒子からなる多結晶体であって、且つ、各粒子の方向が一定の方向に配向されている。一定の方向は、リチウムイオンの伝導方向であり、本実施の形態では、正極活物質12は、各粒子の特定の結晶面が正極層14から負極層20に向かう方向に配向された層26にて構成されている。正極活物質12に含まれる粒子は、層状岩塩構造又はスピネル構造を有する。
具体的に、層状岩塩構造の粒子を用いる場合は、下記の一般式で表される組成の粒子であって、厚さが2〜100μm程度の板状に形成された粒子が好ましい。
一般式:Lip(Nix,Coy,Alz)O2
(上記一般式中、0.9≦p≦1.3,0.6<x<0.9,0.1<y≦0.3,0≦z≦0.2,x+y+z=1)
一般式:Lip(Nix,Coy,Alz)O2
(上記一般式中、0.9≦p≦1.3,0.6<x<0.9,0.1<y≦0.3,0≦z≦0.2,x+y+z=1)
特に、上述の特定の結晶面が(003)面であり、該(003)面が正極層14から負極層20に向かう方向に配向されていることが好ましい。これにより、リチウムイオンの正極活物質12に対する脱挿入の際の抵抗にならず、高入力時(充電時)に、多くのリチウムイオンを放出することができ、高出力時(放電時)に、多くのリチウムイオンを受け入れることができる。(003)面以外の例えば(101)面や(104)面は、正極活物質12の板面に沿うように配向させてもよい。上述の粒子の詳細については、特許第4745463号公報を参照されたい。
固体電解質層16を構成するリチウムイオン伝導材料としては、ガーネット系、窒化物系、ペロブスカイト系、リン酸系、硫化物系又は高分子系の材料を好ましく用いることができる。本実施の形態では、Li(リチウム)とLa(ランタン)とZr(ジルコニウム)とO(酸素)を含むガーネット系又はガーネット系類似の結晶構造を有する。具体的には、リチウムイオン伝導材料として、例えばLi7La3Zr2O12(LLZ)を含むガーネット系の結晶構造を用いることができる。
負極活物質18は、図1Bに示すように、複数の筒状のカーボンナノチューブ28にて構成され、且つ、各カーボンナノチューブ28の軸方向が上述した一定の方向(正極層14から負極層20に向かう方向)に配向されている。「カーボンナノチューブ28の軸方向が正極層14から負極層20に向かう方向」とは、図2Aに示すように、カーボンナノチューブ28の中心軸30と正極層14から負極層20に向かう垂直軸32とが一致する場合や、図2B及び図2Cに示すように、中心軸30と垂直軸32とのなす角の絶対値を|θ|としたとき、|θ|≦10°の範囲で傾いた場合を含む。
各カーボンナノチューブ28は、例えば図2Aに示すように、一方の端部の開口(一方の開口28a)の径D1と他方の端部の開口(他方の開口28b)の径D2がほぼ同じである。「ほぼ同じ」とは、開口28a及び28bの径D1及びD2の比(D1/D2)が0.9以上1.1以下を示す。
なお、正極集電体22及び負極集電体24を構成する材料としては、例えば、白金(Pt)、白金(Pt)/パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ITO(インジウム−錫酸化膜)等を挙げることができる。
ところで、上述した特許文献2等の従来例に係る全固体電池においては、図3Aに模式的に示すように、カーボンナノチューブ28のキャップ部34に形成されたイオン通路36は、該カーボンナノチューブ28の内径Dよりも小さく、且つ、リチウムイオン38が通過可能なサイズである。従って、充電時や放電時において、リチウムイオン38が1個ずつ、あるいは同時に2、3個ずつしかリチウムイオン38が通過しない場合もあり、イオン通路36が、リチウムイオン38の負極活物質18に対する脱挿入の際の抵抗になる。そのため、例えば図3Bに示す模式的な放電レート特性でみた場合、例えば放電レートが1Cの際の容量C1に対して、放電レートが5Cの際の容量C5が大幅に低くなると考えられる。
これに対して、本実施の形態に係る全固体電池10では、図2Aに示すように、各カーボンナノチューブ28における一方の開口28aの径D1と他方の開口28bの径D2がほぼ同じであることから、図4Aに示すように、充電時に、正極活物質12からの多数のリチウムイオン38が、固体電解質層16を介してカーボンナノチューブ28の一方の開口28aを通じて入りやすくなり、また、放電時に、カーボンナノチューブ28内の多数のリチウムイオン38が、一方の開口28aを通じて正極活物質12に向けて放出されやすくなる。そのため、例えば図4Bに示す模式的な放電レート特性でみた場合、例えば放電レートが1Cの際の容量C1に対して、放電レートが5Cの際の容量C5はそれほど低下しない。その低下幅Waは、図3Bの従来例の低下幅Wbの1/10〜1/2となる。従って、本実施の形態においては、高出力時の高速なリチウムイオン38の脱挿入に有利となる。
ここで、本実施の形態に係る全固体電池の各部材の製造方法の一例について説明する。
[正極活物質12]
先ず、NiO粉末とCo3O4粉末とAl2O3粉末とを含有する20μm以下の厚さのグリーンシートを形成し、このグリーンシートを1000℃〜1400℃の範囲内の温度で、大気雰囲気で所定時間焼成することで、(h00)配向した多数の板状の(Ni,Co,Al)O粒子からなる、独立した膜状のシート(自立膜)が形成される。ここで、助剤としてMnO2、ZnO等を添加することにより、粒成長が促進され、結果として板状結晶粒子の(h00)配向性を高めることができる。
[正極活物質12]
先ず、NiO粉末とCo3O4粉末とAl2O3粉末とを含有する20μm以下の厚さのグリーンシートを形成し、このグリーンシートを1000℃〜1400℃の範囲内の温度で、大気雰囲気で所定時間焼成することで、(h00)配向した多数の板状の(Ni,Co,Al)O粒子からなる、独立した膜状のシート(自立膜)が形成される。ここで、助剤としてMnO2、ZnO等を添加することにより、粒成長が促進され、結果として板状結晶粒子の(h00)配向性を高めることができる。
ここで、「独立した」シートとは、焼成後に他の支持体から独立して単体で取り扱い可能なシートのことをいう。すなわち、「独立した」シートには、焼成により他の支持体(基板等)に固着されて当該支持体と一体化された(分離不能あるいは分離困難となった)ものは含まれない。
このように自立膜状に形成されたグリーンシートにおいては、板面方向、すなわち、面内方向(厚さ方向と直交する方向)に比べて、厚さ方向に存在する材料の量がきわめて少ない。
このため、厚さ方向に複数個の粒子がある初期段階には、ランダムな方向に粒成長する。一方、粒成長が進み厚さ方向の材料が消費されると、粒成長方向は面内の二次元方向に制限される。これにより、面方向への粒成長が確実に促進される。
特に、グリーンシートを可能な限り薄く形成したり(例えば数μm以下)、厚さが100μm程度(例えば20μm程度)の比較的厚めであっても粒成長を可能な限り大きく促進したりすることで、面方向への粒成長がより確実に促進される。すなわち、表面エネルギーの低い面が板面方向、すなわち、面内方向(厚さ方向と直交する方向)と平行な粒子の面方向への粒成長が優先的に促進される。
従って、上述のように膜状に形成されたグリーンシートを焼成することで、特定の結晶面が粒子の板面と平行となるように配向した薄板状の多数の粒子が、粒界部にて面方向に結合した自立膜が得られる。すなわち、実質的に厚さ方向についての結晶粒子の個数が1個となるような自立膜が形成される。ここで、「実質的に厚さ方向についての結晶粒子の個数が1個」の意義は、面方向に隣り合う結晶粒子の一部分(例えば端部)が厚さ方向に互いに重なり合うことを排除しない。この自立膜は、上述のような薄板状の多数の粒子が隙間なく結合した、緻密なセラミックスシートとなり得る。
上述の工程によって得られた、(h00)配向した(Ni,Co,Al)Oセラミックスシートと、硝酸リチウム(LiNO3)とを混合して、所定時間加熱することで、(Ni,Co,Al)O粒子にリチウムが導入される。これにより、(003)面が正極層14から負極層20の方向に配向し、(104)面が板面に沿って配向した膜状の正極活物質12用のLi(Ni0.75Co0.2Al0.05)O2シートが得られる。
[固体電解質層16のリチウムイオン伝導材料]
先ず、第1焼成工程にて、Li成分、La成分及びZr成分を含む原料を焼成して、LiとLaとZrと酸素を含むセラミックス合成用の一次焼成粉末を得る。その後、第2焼成工程において、第1焼成工程で得られた一次焼成粉末を焼成して、LiとLaとZrと酸素を含むガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有するセラミックスを合成する。これにより、LLZ結晶構造を有し、且つ、アルミニウムを含有してハンドリング可能な焼結性(密度)及び伝導性を備えるセラミックス粉末又は焼結体を容易に得ることができる。
先ず、第1焼成工程にて、Li成分、La成分及びZr成分を含む原料を焼成して、LiとLaとZrと酸素を含むセラミックス合成用の一次焼成粉末を得る。その後、第2焼成工程において、第1焼成工程で得られた一次焼成粉末を焼成して、LiとLaとZrと酸素を含むガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有するセラミックスを合成する。これにより、LLZ結晶構造を有し、且つ、アルミニウムを含有してハンドリング可能な焼結性(密度)及び伝導性を備えるセラミックス粉末又は焼結体を容易に得ることができる。
(Li成分、La成分及びZr成分)
これらの各種成分は、特に限定されないで、それぞれの金属成分を含む、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩等、各種金属塩を適宜選択して用いることができる。例えば、Li成分としてはLi2CO3又はLiOHを用い、La成分としてはLa(OH)3又はLa2O3を用い、Zr成分としてはZrO2を用いることができる。なお、酸素は、通常、これら構成金属元素を含む化合物の一部を構成する元素として含まれている。
これらの各種成分は、特に限定されないで、それぞれの金属成分を含む、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩等、各種金属塩を適宜選択して用いることができる。例えば、Li成分としてはLi2CO3又はLiOHを用い、La成分としてはLa(OH)3又はLa2O3を用い、Zr成分としてはZrO2を用いることができる。なお、酸素は、通常、これら構成金属元素を含む化合物の一部を構成する元素として含まれている。
セラミックス材料を得るための原料は、各Li成分、La成分及びZr成分等から固相反応等によりLLZ結晶構造が得られる程度にLi成分、La成分及びZr成分を含むことができる。Li成分、La成分及びZr成分は、LLZの化学量論組成に従えば、7:3:2あるいは組成比に近似した組成で用いることができる。Li成分の消失を考慮する場合には、Li成分は、LLZにおけるLiの化学量論に基づくモル比相当量よりも約10%増量した量を含み、La成分及びZr成分は、それぞれLLZモル比に相当する量となるように含有することができる。例えば、Li:La:Zrのモル比が7.7:3:2となるように、含有することができる。
具体的な化合物を用いた場合のモル比としては、Li2CO3:La(OH)3:ZrO2のとき、約3.85:約3:約2のモル比となり、Li2CO3:La2O3:ZrO2のとき、約3.85:約1.5:約2のモル比となり、LiOH:La(OH)3:ZrO2のとき、約7.7:約3:約2となり、LiOH:La2O3:ZrO2のとき、約7.7:約1.5:約2となる。
なお、原料粉末の調製にあたっては、公知のセラミックス粉末の合成における原料粉末調製方法を適宜採用することができる。例えば、ライカイ機等や適当なボールミル等に投入して均一に混合することができる。
(第1焼成工程)
第1焼成工程は、少なくともLi成分やLa成分等の熱分解を行い第2焼成工程でLLZ結晶構造を形成しやくするための一次焼成粉末を得る工程である。
第1焼成工程は、少なくともLi成分やLa成分等の熱分解を行い第2焼成工程でLLZ結晶構造を形成しやくするための一次焼成粉末を得る工程である。
一次焼成粉末は、LLZ結晶構造をすでに有している場合もある。焼成温度は、好ましくは、850℃以上1150℃以下の温度である。第1焼成工程は、上記温度範囲内において、より低い加熱温度で加熱するステップとより高い加熱温度で加熱するステップとを備えていてもよい。こうした加熱ステップを備えることで、より均一な状態なセラミックス粉末を得ることができ、第2焼成工程によって良質な焼結体を得ることができる。このような複数ステップで第1焼成工程を実施するときには、各焼成ステップ終了後、ライカイ機、ボールミル及び振動ミル等を用いて混練・粉砕することが好ましい。また、粉砕手法は乾式で行うことが望ましい。こうすることで、第2焼成工程により一層均一なLLZ相を得ることができる。
第1焼成工程を構成する熱処理ステップは、好ましくは850℃以上950℃以下の熱処理ステップと1075℃以上1150℃以下の熱処理ステップを実施することが好ましい。さらに好ましくは875℃以上925℃以下(約900℃であることがより好ましい)の熱処理ステップと、1100℃以上1150℃以下(約1125℃であることがより好ましい)の熱処理ステップとする。
第1焼成工程は、全体で加熱温度として設定した最高温度での加熱時間の合計として10時間以上15時間以下程度とすることが好ましい。第1焼成工程を2つの熱処理ステップで構成する場合には、それぞれ最高温度での加熱時間を5〜6時間程度とすることが好ましい。
一方で、出発原料の1つ又は複数の成分を変更することにより、第1焼成工程を短縮化することができる。例えば、LiOHを出発原料に含まれる成分の1つとして用いる場合、LLZ結晶構造を得るには、Li、La及びZrを含むLLZ構成成分を850℃以上950℃以下の熱処理ステップで最高温度での加熱時間を10時間以下にすることができる。これは、出発原料に用いたLiOHが低温で液相を形成するため、より低温で他の成分と反応しやすくなるからである。
(第2焼成工程)
第2焼成工程は、第1焼成工程で得られた一次焼成粉末を950℃以上1250℃以下の温度で加熱する工程とすることができる。第2焼成工程によれば、第1焼成工程で得た一次焼成粉末を焼成し、最終的に複合酸化物であるLLZ結晶構造を有するセラミックスを得ることができる。
第2焼成工程は、第1焼成工程で得られた一次焼成粉末を950℃以上1250℃以下の温度で加熱する工程とすることができる。第2焼成工程によれば、第1焼成工程で得た一次焼成粉末を焼成し、最終的に複合酸化物であるLLZ結晶構造を有するセラミックスを得ることができる。
LLZ結晶構造を得るには、例えば、Li、La及びZrを含むLLZ構成成分を1125℃以上1250℃以下の温度で熱処理するようにする。Li原料としてLi2CO3を用いるときには、1125℃以上1250℃以下で熱処理することが好ましい。1125℃未満であるとLLZの単相が得られにくくLi伝導率が小さく、1250℃を超えると、異相(La2Zr2O7等)の形成が見られるようになりLi伝導率が小さく、また結晶成長が著しくなるため、固体電解質としての強度を保つことが難しくなる傾向があるからである。より好ましくは、約1180℃から1230℃である。
一方で、出発原料の1つ又は複数の成分を変更することにより、第2焼成工程を低温化することができる。例えば、Li原料としてLiOHを出発原料に用いる場合、LLZ結晶構造を得るには、Li、La及びZrを含むLLZ構成成分を950℃以上1125℃未満の温度でも熱処理することができる。これは、出発原料に用いたLiOHが低温で液相を形成するため、より低温で他の成分と反応しやすくなるからである。
第2焼成工程における上記加熱温度での加熱時間は18時間以上50時間以下程度であることが好ましい。時間が18時間よりも短い場合、LLZ系セラミックスの形成が十分ではなく、50時間よりも長い場合、埋め粉を介してセッターと反応しやすくなるほか、結晶成長が著しくサンプルとして強度を保てなくなるからである。好ましくは30時間以上である。
第2焼成工程は、一次焼成粉末を周知のプレス手法を用いて加圧成形して所望の三次元形状(例えば、全固体電池の固体電解質として使用可能な形状及びサイズ)を付与した成形体とした上で実施することが好ましい。成形体とすることで固相反応が促進されるほか、焼結体を得ることができる。なお、第2焼成工程後に、第2焼成工程で得られたセラミックス粉末を成形体として、第2焼成工程における加熱温度と同様の温度で焼結工程を別途実施してもよい。
第2焼成工程で一次焼成粉末を含む成形体を焼成して焼結させる場合、成形体を同じ粉末内に埋没させるようにして実施することが好ましい。こうすることでLiの損失を抑制して第2焼成工程前後における組成の変化を抑制できる。なお、原料粉末の成形体は、通常、原料粉末を敷き詰めた上に載置した状態で原料粉末内に埋没される。こうすることで、セッターとの反応を抑制することができる。また、必要に応じて成形体を埋め粉の上下からセッターで押さえ込むことにより、焼結体の焼成時の反りを防止することができる。
一方で、第2焼成工程においてLi原料としてLiOHを用いる等して低温化した場合、一次焼成粉末の成形体を同じ粉末内に埋没させなくても焼結させることができる。これは、第2焼成工程が低温化したことで、Liの損失が比較的抑制され、またセッターとの反応を抑制することができるからである。
以上の焼成工程によれば、LLZ結晶構造を有する固体電解質層16を得ることができる。なお、第1焼成工程及び第2焼成工程のいずれかあるいは双方の工程をアルミニウム(Al)含有化合物の存在下に実施することにより、結晶構造を有し、且つ、アルミニウムを含有する固体電解質層を製造するようにしてもよい。
[負極活物質18]
先ず、図5Aに示すように、例えば鉄触媒をアルミナあるいは石英、あるいは熱酸化膜を担持したシリコン基板よりなる基板40の全面に、典型的にはRFプラズマスパッタ法により、平均の膜厚が例えば2.5nmとなるように堆積し、触媒金属層42を形成する。このようにして形成された触媒金属層42は基板40上において凝集し、島状構造を形成する。ここで、触媒金属層42を堆積する方法としては、その他、例えばDCプラズマスパッタ法や、インパクター法、ALD(atomiclayer deposition)法、電子ビーム蒸着(electron beam;EB)法、分子線エピタキシー(MBE)法等を用いることができる。
先ず、図5Aに示すように、例えば鉄触媒をアルミナあるいは石英、あるいは熱酸化膜を担持したシリコン基板よりなる基板40の全面に、典型的にはRFプラズマスパッタ法により、平均の膜厚が例えば2.5nmとなるように堆積し、触媒金属層42を形成する。このようにして形成された触媒金属層42は基板40上において凝集し、島状構造を形成する。ここで、触媒金属層42を堆積する方法としては、その他、例えばDCプラズマスパッタ法や、インパクター法、ALD(atomiclayer deposition)法、電子ビーム蒸着(electron beam;EB)法、分子線エピタキシー(MBE)法等を用いることができる。
次に、図5Bの工程において、例えばホットフィラメント化学気相成長(chemicalvapor deposition;CVD)法により、1kPaの圧力下、620℃〜650℃、例えば650℃の基板温度において、アセチレンとアルゴンの混合ガスを原料ガスとして流すことにより、触媒金属層42から多数のカーボンナノチューブ28が成長する。なお、図5Bにおいて触媒金属層42の図示は省略してある。
例えば混合ガスとしてアセチレンガスとアルゴンガスを体積比で1:9の割合で混合したものを使い、これを200sccmの流量でCVD装置の処理容器に、流量が100sccmのキャリアガスとともに供給することにより、径が5nm〜20nmの多数のカーボンナノチューブ28よりなる束(カーボンナノチューブアレイ)を、1010〜1012本/cm2程度の面密度で得ることができる。
図5Bの工程において、カーボンナノチューブ28の長さは、CVD装置中の成長条件や成長時間により任意に調整することができる。例えば触媒金属層42の膜厚が2.5nmの場合、成長時間を60分とすることにより、カーボンナノチューブ28として、長さが150μm程度の長さのカーボンナノチューブ28を成長させることができる。成長したカーボンナノチューブ28は、本体部44と、該本体部44の先端部に形成された略半球状のキャップ部34とを有する。
なお、カーボンナノチューブ28の成長方法としては、他にアーク放電法、レーザアブレーション法、リモートプラズマCVD法、プラズマCVD法、熱CVD法、SiC表面分解法等を用いることができる。また、カーボンナノチューブ28の原料ガスはアセチレンに限定されるものではなく、他にはメタン、エチレン等の炭化水素類やエタノール、メタノール等のアルコール類を用いることもできる。触媒金属層42を構成する触媒についても鉄に限定されるものではなく、コバルト、ニッケル、鉄、金、銀、白金、あるいはその合金であればよい。
また、触媒金属層42に加え、モリブデン、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、ニオブ、バナジウム、タンタルナイトライド、チタンナイトライド、ハフニウムナイトライド、ジルコニウムナイトライド、ニオブナイトライド、バナジウムナイトライド、チタンシリサイド、タンタルシリサイド、タングステンナイトライド、アルミニウム、アルミニウムナイトライド、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化タングステン、タンタル、タングステン、銅、金、白金等のうち、少なくとも一種を含む金属ないしは合金を下地金属、上部金属、又は上部及び下部金属として用いることもできる。
そして、本実施の形態においては、図5Cの工程において、図5Bのカーボンナノチューブ28の成長後に、酸素雰囲気中、あるいは大気中において450℃から650℃の温度で加熱処理を行い、カーボンナノチューブ28のキャップ部34の除去を行う。カーボンナノチューブ28では、酸素含有雰囲気化での加熱処理により、キャップ部34が選択的に燃焼し、これにより、キャップ部34が容易に除去される。これは、キャップ部34には化学的に活性な二重結合を有する5員環が主に存在しているためで、このような二重結合を構成する炭素原子が酸素原子と優先的に反応(酸化)し、一酸化炭素又は二酸化炭素等にして除去されるためである。また、このようにして炭素原子が抜けると、残された欠陥部分はより活性になり、連続して酸化反応を起こし、結果的に、キャップ部34が全て除去され、一方の開口28aの径D1と他方の開口28bの径D2がほぼ同じとされたカーボンナノチューブ28が形成される。
図5Cの熱処理条件は、例えば基板温度を550℃に設定し、酸素圧力を1kPaに設定して実行することができる。あるいは酸素プラズマ処理等により、室温での処理によっても同様の効果を得ることが可能である。例えばこのような酸素プラズマ処理を、200Wのパワーで、10分間実行することにより、キャップ部34を除去することができる。また、別のプロセスとして、先に樹脂を埋め込んだ後、化学機械研磨(chemicalmechanical polishing;CMP)法によりキャップ部34を、樹脂ごと除去することも可能である。
[変形例]
上述した実施の形態においては、正極活物質12として、上述した一般式にて表される層状岩塩構造の複数の粒子の(003)面が正極層14から負極層20に向かう方向に配向された層26を用いたが、図6の変形例に係る全固体電池10aに示すように、正極活物質12として、前記一般式にて表される層状岩塩構造の複数の粒子と固体電解質層を構成する複数の粒子とを混合させて圧粉成形した層46を用いてもよい。
上述した実施の形態においては、正極活物質12として、上述した一般式にて表される層状岩塩構造の複数の粒子の(003)面が正極層14から負極層20に向かう方向に配向された層26を用いたが、図6の変形例に係る全固体電池10aに示すように、正極活物質12として、前記一般式にて表される層状岩塩構造の複数の粒子と固体電解質層を構成する複数の粒子とを混合させて圧粉成形した層46を用いてもよい。
[第1実施例]
実施例1、実施例2、参考例1及び比較例1に係る全固体電池について、固体電解質層16の厚みを変えた場合の体積エネルギー密度の変化をシミュレーションにて確認した。
実施例1、実施例2、参考例1及び比較例1に係る全固体電池について、固体電解質層16の厚みを変えた場合の体積エネルギー密度の変化をシミュレーションにて確認した。
この第1実施例では、全固体電池を上面からみたサイズ(縦×横)は、いずれも10mm×10mmであり、正極活物質12の厚みは、いずれも50μmとした。
実施例1、実施例2、参考例1及び比較例1の内訳を以下に説明する。
<実施例1>
実施例1に係る全固体電池は、図7Aに示すように、本実施の形態に係る全固体電池10(図1A参照)と同様の構成を有する。
正極活物質12は、組成がLi(Ni0.8Co0.15Al0.05)O2(以下、単にNCAと記す)である層状岩塩構造の粒子を用い、(003)面が正極層14から負極層20に向かう方向に配向されている。正極活物質12の厚みは50μmとした。
<実施例1>
実施例1に係る全固体電池は、図7Aに示すように、本実施の形態に係る全固体電池10(図1A参照)と同様の構成を有する。
正極活物質12は、組成がLi(Ni0.8Co0.15Al0.05)O2(以下、単にNCAと記す)である層状岩塩構造の粒子を用い、(003)面が正極層14から負極層20に向かう方向に配向されている。正極活物質12の厚みは50μmとした。
固体電解質層16を構成するリチウムイオン伝導材料は、組成がLi7La3Zr2O12(以下、単にLLZと記す)であるガーネット系の結晶構造を用いた。
負極活物質18は、複数の筒状のカーボンナノチューブ28にて構成され、且つ、各カーボンナノチューブ28の軸方向が正極層14から負極層20に向かう方向に配向されたカーボンナノチューブアレイ(以下、CNTAと記す)を用いた。カーボンナノチューブ28の密度は0.0014g/mm3である。
負極活物質18は、複数の筒状のカーボンナノチューブ28にて構成され、且つ、各カーボンナノチューブ28の軸方向が正極層14から負極層20に向かう方向に配向されたカーボンナノチューブアレイ(以下、CNTAと記す)を用いた。カーボンナノチューブ28の密度は0.0014g/mm3である。
また、負極活物質18の厚みは以下のようにして求めた。先ず、正極活物質12(NCA)からのリチウムイオンの脱離率を0.7とし、正極活物質12からのリチウムイオンがカーボンナノチューブ28中にLiC2の組成で吸蔵されるものとして、必要なカーボンナノチューブ28の電池内質量を求め、この電池内質量を上述した密度で除算することで、負極活物質18の電池内体積を求めた。この体積を表面積(縦10mm×横10mm)で除算することで、負極活物質18の厚みを求めた。
なお、正極集電体22を厚み10μmのアルミ箔にて構成し、負極集電体24を厚み10μmの銅箔にて構成した。
下記表1にシミュレーションの基となる実施例1の内訳を示す。
下記表1にシミュレーションの基となる実施例1の内訳を示す。
体積エネルギー密度を求めるにあたって、電圧は3.9V(固定)とし、容量(mAh)は下記式(1)にて求めた。
(WNCA/MNCA)×r×F×1000/3600 ……(1)
ここで、WNCAは正極活物質12に含まれるNCAの電池内質量、MNCAは正極活物質12に含まれるNCAの分子量、rはリチウムイオンの脱離率(=0.7)、Fはファラデー定数である。
(WNCA/MNCA)×r×F×1000/3600 ……(1)
ここで、WNCAは正極活物質12に含まれるNCAの電池内質量、MNCAは正極活物質12に含まれるNCAの分子量、rはリチウムイオンの脱離率(=0.7)、Fはファラデー定数である。
そして、体積エネルギー密度は下記式(2)にて求めた。
(E×C)/{(Vpe+Vne+Val+Vcu+Vx)/1000} ……(2)
ここで、Eは電圧(=3.9V)、Cは容量(mAh)、Vpeは正極活物質12の電池内体積(mm3)、Vneは負極活物質18の電池内体積(mm3)、Valは正極集電体22(Al)の電池内体積(mm3)、Vcuは負極集電体24(Cu)の電池内体積(mm3)、Vxは固体電解質層16(LLZ)の電池内体積(mm3)である。
(E×C)/{(Vpe+Vne+Val+Vcu+Vx)/1000} ……(2)
ここで、Eは電圧(=3.9V)、Cは容量(mAh)、Vpeは正極活物質12の電池内体積(mm3)、Vneは負極活物質18の電池内体積(mm3)、Valは正極集電体22(Al)の電池内体積(mm3)、Vcuは負極集電体24(Cu)の電池内体積(mm3)、Vxは固体電解質層16(LLZ)の電池内体積(mm3)である。
固体電解質層16の厚みを、50μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μmとした場合のシミュレーションによる結果を、図9のプロット「■」にて示す。
<実施例2>
実施例2に係る全固体電池は、図7Bに示すように、実施例1と同様に、負極活物質18を、配向された多数のカーボンナノチューブ28を有するCNTAにて構成し、固体電解質層16をLLZにて構成したが、正極活物質12が異なる。
すなわち、正極活物質12は、正極活物質材料であるNCAと固体電解質材料であるLLZと導電助剤であるアセチレンブラック(以下、ABと記す)とを混合し、圧粉成形して構成した。NCAとLLZとABの配合比は、NCAが60質量%、LLZが30質量%、ABが10質量%である。従って、NCAは配向されていない。正極活物質12の厚みは50μmとした。
実施例2に係る全固体電池は、図7Bに示すように、実施例1と同様に、負極活物質18を、配向された多数のカーボンナノチューブ28を有するCNTAにて構成し、固体電解質層16をLLZにて構成したが、正極活物質12が異なる。
すなわち、正極活物質12は、正極活物質材料であるNCAと固体電解質材料であるLLZと導電助剤であるアセチレンブラック(以下、ABと記す)とを混合し、圧粉成形して構成した。NCAとLLZとABの配合比は、NCAが60質量%、LLZが30質量%、ABが10質量%である。従って、NCAは配向されていない。正極活物質12の厚みは50μmとした。
また、負極活物質18の厚みは以下のようにして求めた。先ず、正極活物質12のうち、NCAからのリチウムイオンの脱離率を0.7とし、NCAからのリチウムイオンがカーボンナノチューブ中にLiC2の組成で吸蔵されるものとして、必要なカーボンナノチューブ28の電池内質量を求め、この電池内質量を上述した密度で除算することで、負極活物質18の電池内体積を求めた。この体積を表面積(縦10mm×横10mm)で除算することで、負極活物質18の厚みを求めた。
下記表2に、シミュレーションの基となる実施例2の内訳を示す。
下記表2に、シミュレーションの基となる実施例2の内訳を示す。
そして、体積エネルギー密度は上述した式(2)にて求めた。
固体電解質層16の厚みを50μmずつ変化させた場合のシミュレーションによる結果を、図9のプロット「□」にて示す。
固体電解質層16の厚みを50μmずつ変化させた場合のシミュレーションによる結果を、図9のプロット「□」にて示す。
<参考例1>
参考例1に係る全固体電池は、図8Aに示すように、実施例1と同様に、正極活物質12を、配向されたNCAにて構成し、固体電解質層16をLLZにて構成したが、負極活物質18が異なる。
すなわち、負極活物質18は、負極活物質材料であるグラファイトと固体電解質材料であるLLZとを混合し、圧粉成形して構成した。グラファイトとLLZの配合比は、グラファイトが60質量%、LLZが40質量%である。
参考例1に係る全固体電池は、図8Aに示すように、実施例1と同様に、正極活物質12を、配向されたNCAにて構成し、固体電解質層16をLLZにて構成したが、負極活物質18が異なる。
すなわち、負極活物質18は、負極活物質材料であるグラファイトと固体電解質材料であるLLZとを混合し、圧粉成形して構成した。グラファイトとLLZの配合比は、グラファイトが60質量%、LLZが40質量%である。
負極活物質18の厚みは以下のようにして求めた。先ず、正極活物質12(NCA)からのリチウムイオンの脱離率を0.7とし、正極活物質12からのリチウムイオンがグラファイトにLiC6の組成で吸蔵されるものとして、必要なグラファイトの電池内質量を求め、この電池内質量をグラファイトの密度(0.0023g/mm3)で除算することで、負極活物質18の電池内体積を求めた。この体積を表面積(縦10mm×横10mm)で除算することで、負極活物質18の厚みを求めた。
下記表3に、シミュレーションの基となる参考例1の内訳を示す。
下記表3に、シミュレーションの基となる参考例1の内訳を示す。
そして、体積エネルギー密度は上述した式(2)にて求めた。
固体電解質層16の厚みを50μmずつ変化させた場合のシミュレーションによる結果を、図9のプロット「○」にて示す。
固体電解質層16の厚みを50μmずつ変化させた場合のシミュレーションによる結果を、図9のプロット「○」にて示す。
<比較例1>
比較例1に係る全固体電池は、図8Bに示すように、正極活物質12を、実施例2と同様の配合比で、NCAとLLZとABとを混合し、圧粉成形して構成した。負極活物質18を、参考例1と同様の配合比で、グラファイトとLLZとを混合し、圧粉成形して構成した。
比較例1に係る全固体電池は、図8Bに示すように、正極活物質12を、実施例2と同様の配合比で、NCAとLLZとABとを混合し、圧粉成形して構成した。負極活物質18を、参考例1と同様の配合比で、グラファイトとLLZとを混合し、圧粉成形して構成した。
負極活物質18の厚みは以下のようにして求めた。先ず、正極活物質12のうち、NCAからのリチウムイオンの脱離率を0.7とし、NCAからのリチウムイオンがグラファイトにLiC6の組成で吸蔵されるものとして、必要なグラファイトの電池内質量を求め、この電池内質量をグラファイトの密度(0.0023g/mm3)で除算することで、負極活物質18の電池内体積を求めた。この体積を表面積(縦10mm×横10mm)で除算することで、負極活物質18の厚みを求めた。
下記表4に、シミュレーションの基となる比較例1の内訳を示す。
下記表4に、シミュレーションの基となる比較例1の内訳を示す。
そして、体積エネルギー密度は上述した式(2)にて求めた。
固体電解質層16の厚みを50μmずつ変化させた場合のシミュレーションによる結果を、図9のプロット「△」にて示す。
固体電解質層16の厚みを50μmずつ変化させた場合のシミュレーションによる結果を、図9のプロット「△」にて示す。
(考察)
図9の結果から、実施例1は、固体電解質層16の厚み50〜500μmにわたって、実施例2、参考例1及び比較例1よりも体積エネルギー密度が高いことがわかった。これは、正極活物質12がNCAのみで構成されていることと、負極活物質18がCNTAのみで構成されているからと考えられる。
図9の結果から、実施例1は、固体電解質層16の厚み50〜500μmにわたって、実施例2、参考例1及び比較例1よりも体積エネルギー密度が高いことがわかった。これは、正極活物質12がNCAのみで構成されていることと、負極活物質18がCNTAのみで構成されているからと考えられる。
また、実施例1では、正極活物質12が正極層14から負極層20に向かう方向に配向されていることから、リチウムイオンの正極活物質12に対する脱挿入の際の抵抗にならず、高入力時(充電時)に、多くのリチウムイオンを放出することができ、高出力時(放電時)に、多くのリチウムイオンを受け入れることができる。
しかも、負極活物質18を構成するカーボンナノチューブ28は、軸方向が正極層14から負極層20に向かう方向に配向され、一方の開口28aの径D1と他方の開口28bの径D2がほぼ同じであることから、リチウムイオンの負極活物質18に対する脱挿入の際の抵抗にならず、充電時に、正極活物質12からの多数のリチウムイオンが、カーボンナノチューブ28の一方の開口28aを通じて入りやすくなり、また、放電時に、カーボンナノチューブ28内の多数のリチウムイオンが、一方の開口28aを通じて正極活物質12に向けて放出されやすくなる。
しかも、負極活物質18を構成するカーボンナノチューブ28は、軸方向が正極層14から負極層20に向かう方向に配向され、一方の開口28aの径D1と他方の開口28bの径D2がほぼ同じであることから、リチウムイオンの負極活物質18に対する脱挿入の際の抵抗にならず、充電時に、正極活物質12からの多数のリチウムイオンが、カーボンナノチューブ28の一方の開口28aを通じて入りやすくなり、また、放電時に、カーボンナノチューブ28内の多数のリチウムイオンが、一方の開口28aを通じて正極活物質12に向けて放出されやすくなる。
実施例2は、体積エネルギー密度が比較例1よりも高かったが、負極活物質18の電池内体積が実施例2よりも大きい参考例1より低い結果となっている。これは、参考例1の正極活物質12がNCAのみで構成され、容量が大きくなっていることによるものと考えられる。しかし、上述の実施例2、後述する実施例4及び6を通してみると、正極活物質12の厚みに対する体積エネルギー密度の向上率が参考例1、2及び3と比して大きいことがわかった。これについては後述する。
[第2実施例]
実施例3、実施例4、参考例2及び比較例2に係る全固体電池について、固体電解質層16の厚みを変えた場合の体積エネルギー密度の変化をシミュレーションにて確認した。
実施例3、実施例4、参考例2及び比較例2に係る全固体電池について、固体電解質層16の厚みを変えた場合の体積エネルギー密度の変化をシミュレーションにて確認した。
実施例3、実施例4、参考例2及び比較例2の構成は、第1実施例における実施例1、実施例2、参考例1及び比較例1の構成とほぼ同じであるが、正極活物質12の厚みが、いずれも100μmである点で異なる(第1実施例では50μm)。
実施例3、実施例4、参考例2及び比較例2の内訳を下記表5〜表8に示す。
実施例3、実施例4、参考例2及び比較例2の内訳を下記表5〜表8に示す。
固体電解質層16の厚みを、50μmずつ変化させた場合のシミュレーションによる結果を、図10に示す。図10において、実施例3の結果をプロット「■」で示し、実施例4の結果をプロット「□」で示し、参考例2の結果をプロット「○」で示し、比較例2の結果をプロット「△」で示す。
(考察)
図10の結果から、実施例3は、固体電解質層16の厚み50μm〜500μmにわたって、実施例4、参考例2及び比較例2よりも体積エネルギー密度が高いことがわかった。これも上述した実施例1と同様の理由と考えられる。
実施例4は、体積エネルギー密度が比較例2よりも高かった。参考例2との比較では、上述した第1実施例と同様に、負極活物質18の電池内体積が実施例4よりも大きい参考例2より低い結果となっている。これは、参考例2の正極活物質12がNCAのみで構成され、容量が大きくなっていることによるものと考えられる。
図10の結果から、実施例3は、固体電解質層16の厚み50μm〜500μmにわたって、実施例4、参考例2及び比較例2よりも体積エネルギー密度が高いことがわかった。これも上述した実施例1と同様の理由と考えられる。
実施例4は、体積エネルギー密度が比較例2よりも高かった。参考例2との比較では、上述した第1実施例と同様に、負極活物質18の電池内体積が実施例4よりも大きい参考例2より低い結果となっている。これは、参考例2の正極活物質12がNCAのみで構成され、容量が大きくなっていることによるものと考えられる。
[第3実施例]
実施例5、実施例6、参考例3及び比較例3に係る全固体電池について、固体電解質層16の厚みを変えた場合の体積エネルギー密度の変化をシミュレーションにて確認した。
実施例5、実施例6、参考例3及び比較例3に係る全固体電池について、固体電解質層16の厚みを変えた場合の体積エネルギー密度の変化をシミュレーションにて確認した。
実施例5、実施例6、参考例3及び比較例3の構成は、第1実施例における実施例1、実施例2、参考例1及び比較例1の構成とほぼ同じであるが、正極活物質12の厚みが、いずれも200μmである点で異なる(第1実施例では50μm)。
実施例5、実施例6、参考例3及び比較例3の内訳を下記表9〜12に示す。
実施例5、実施例6、参考例3及び比較例3の内訳を下記表9〜12に示す。
固体電解質層16の厚みを、50μmずつ変化させた場合のシミュレーションによる結果を、図11に示す。図11において、実施例5の結果をプロット「■」で示し、実施例6の結果をプロット「□」で示し、参考例3の結果をプロット「○」で示し、比較例3の結果をプロット「△」で示す。
(考察)
図11の結果から、実施例5は、固体電解質層16の厚み50μm〜500μmにわたって、実施例6、参考例3及び比較例3よりも体積エネルギー密度が高いことがわかった。これも上述した実施例1と同様の理由と考えられる。
実施例6は、体積エネルギー密度が比較例3よりも高かった。参考例3との比較では、上述した第1実施例と同様に、負極活物質18の電池内体積が実施例6よりも大きい参考例3より低い結果となっている。これは、参考例3の正極活物質12がNCAのみで構成され、容量が大きくなっていることによるものと考えられる。
図11の結果から、実施例5は、固体電解質層16の厚み50μm〜500μmにわたって、実施例6、参考例3及び比較例3よりも体積エネルギー密度が高いことがわかった。これも上述した実施例1と同様の理由と考えられる。
実施例6は、体積エネルギー密度が比較例3よりも高かった。参考例3との比較では、上述した第1実施例と同様に、負極活物質18の電池内体積が実施例6よりも大きい参考例3より低い結果となっている。これは、参考例3の正極活物質12がNCAのみで構成され、容量が大きくなっていることによるものと考えられる。
上述した実施例2、4及び6と参考例1、2及び3とに関し、正極活物質12の厚みに対する体積エネルギー密度の向上率を確認した。具体的には、代表として、実施例2、4及び6と参考例1、2及び3における固体電解質層16の厚みが50μmのプロットで確認した。
実施例2では646.99Wh/L、実施例4では874.65Wh/L、実施例6では1059.36Wh/Lであった。一方、参考例1では863.18Wh/L、参考例2では1069.21Wh/L、参考例3では1215.62Wh/Lであった。
そして、実施例2から実施例4への向上率は{(874.65−646.99)/646.99}×100=約35%であり、実施例2から実施例6への向上率は{(1059.36−646.99)/646.99}×100=約64%であった。一方、参考例1から参考例2への向上率は{(1069.21−863.18)/863.18}×100=約24%であり、参考例1から参考例3への向上率は{(1215.62−863.18)/863.18}×100=約41%であった。
実施例2では646.99Wh/L、実施例4では874.65Wh/L、実施例6では1059.36Wh/Lであった。一方、参考例1では863.18Wh/L、参考例2では1069.21Wh/L、参考例3では1215.62Wh/Lであった。
そして、実施例2から実施例4への向上率は{(874.65−646.99)/646.99}×100=約35%であり、実施例2から実施例6への向上率は{(1059.36−646.99)/646.99}×100=約64%であった。一方、参考例1から参考例2への向上率は{(1069.21−863.18)/863.18}×100=約24%であり、参考例1から参考例3への向上率は{(1215.62−863.18)/863.18}×100=約41%であった。
このように、実施例2、4及び6は、参考例1〜3に比して、正極活物質の厚みに対する体積エネルギー密度の向上率が高いことから、一定の厚み範囲に対する体積エネルギー密度のダイナミックレンジを広くとることができ、設計の自由度を向上させることができる。
なお、本発明に係る全固体電池は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
なお、本発明に係る全固体電池は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…全固体電池 12…正極活物質
14…正極層 16…固体電解質層
18…負極活物質 20…負極層
22…正極集電体 24…負極集電体
28…カーボンナノチューブ 28a…一方の開口
28b…他方の開口 30…中心軸
32…垂直軸 34…キャップ部
38…リチウムイオン
14…正極層 16…固体電解質層
18…負極活物質 20…負極層
22…正極集電体 24…負極集電体
28…カーボンナノチューブ 28a…一方の開口
28b…他方の開口 30…中心軸
32…垂直軸 34…キャップ部
38…リチウムイオン
Claims (10)
- 正極活物質を有する正極層と、リチウムイオン伝導材料にて構成された固体電解質層と、負極活物質を有する負極層とを具備した全固体電池において、
前記負極層は、複数の筒状のカーボンナノチューブにて構成され、且つ、各前記カーボンナノチューブの軸方向が一定の方向に配向された負極活物質を有することを特徴とする全固体電池。 - 請求項1記載の全固体電池において、
前記正極層は、リチウム遷移金属酸化物の複数の粒子からなる多結晶体であって、且つ、各前記粒子の方向が前記一定の方向に配向された正極活物質を有することを特徴とする全固体電池。 - 請求項1又は2記載の全固体電池において、
前記一定の方向は、リチウムイオンの伝導方向であることを特徴とする全固体電池。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体電池において、
前記一定の方向は、前記正極層から前記負極層に向かう方向であることを特徴とする全固体電池。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体電池において、
前記カーボンナノチューブは、一方の端部の開口の径と他方の端部の開口の径がほぼ同じであることを特徴とする全固体電池。 - 請求項2〜5のいずれか1項に記載の全固体電池において、
前記正極活物質は、各前記粒子の特定の結晶面が前記正極層から前記負極層に向かう方向に配向されていることを特徴とする全固体電池。 - 請求項6記載の全固体電池において、
前記正極活物質に含まれる前記粒子は、層状岩塩構造又はスピネル構造を有することを特徴とする全固体電池。 - 請求項7記載の全固体電池において、
前記正極活物質に含まれる前記粒子は、
一般式:Lip(Nix,Coy,Alz)O2
(上記一般式中、0.9≦p≦1.3,0.6<x<0.9,0.1<y≦0.3,0≦z≦0.2,x+y+z=1)
で表される層状岩塩構造を有し、
前記特定の結晶面が(003)面であることを特徴とする全固体電池。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の全固体電池において、
前記固体電解質層を構成する前記リチウムイオン伝導材料は、ガーネット系、窒化物系、ペロブスカイト系、リン酸系、硫化物系又は高分子系の材料にて構成されていることを特徴とする全固体電池。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の全固体電池において、
前記正極層は、前記正極活物質と、該正極活物質の前記固体電解質層と反対側の端面に形成された正極集電体とを有し、
前記負極層は、前記負極活物質と、該負極活物質の前記固体電解質層と反対側の端面に形成された負極集電体とを有することを特徴とする全固体電池。
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