JP2021096965A - 焼結体、蓄電デバイス及び焼結体の製造方法 - Google Patents

焼結体、蓄電デバイス及び焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より高レートでの充放電を実現することができる焼結体、蓄電デバイス及び焼結体の製造方法を提供する。【解決手段】焼結体は、リチウムイオンを伝導する焼結体であって、空隙率が20体積%以上60体積%以下であり平均細孔径が7μm以下である多孔層を外面側に有するものである。この焼結体は、母材粒子の平均粒径以上の平均粒径を有し且つ平均粒径10μm未満の造孔材を20体積%以上60体積%以下の範囲で添加した多孔層が母材粒子を含む緻密層の外面側に存在する原料成形体を900℃以下の温度で焼結させ焼結体を得る焼結工程を含む製造方法で作製されるものとしてもよい。【選択図】図1

Description

本明細書では、焼結体、蓄電デバイス及び焼結体の製造方法を開示する。
従来、蓄電デバイスとしてのリチウム二次電池としては、0.5×10-4S/cm以上のリチウムイオン導電性を示す多孔質固体電解質と多孔質固体電解質の孔内部に充填される電池活物質との複合体から構成されるリチウム二次電池用電極を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このリチウム二次電池は、多孔質固体電解質と多孔質固体電解質の孔内部に充填される電池活物質との複合電極により、電子デバイスに搭載可能でかつ高出力、長寿命の全固体リチウム二次電池を提供することができるとしている。また、固体電解質である焼結体としては、基材上に第1微粒子含有溶液を堆積し、乾燥して第1微粒子凝集層にし、第1微粒子凝集層上に高分子粒子を堆積し、さらに高分子粒子を浸漬するように第2微粒子含有溶液を充填した後、乾燥して多数の高分子粒子が埋め込まれた第2微粒子凝集層を形成し、これを焼結することによって、多孔質固体電解質と固体電解質緻密体とが一体化された構造体を得るものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この焼結体では、多孔質固体電解質と固体電解質との一体化を実現させることができるとしている。また、固体電解質である焼結体としては、Li−La−Zrガーネット相の粉末に造孔材を加えて焼結し、空隙を有するものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この焼結体では、1mA/cm2の高レートで充放電ができるとしている。
特開2006−260887号公報 特開2009−238739号公報
Nano Lett. 2018,18,3926-3933
しかしながら、特許文献1、2及び非特許文献1の焼結体では、焼結温度が1000℃以上であるため、粒子が粗大化しており、高レートで充放電するのに十分な構造ではなかった。非特許文献1の焼結体は、比較的高レートに対応できているともいえるが、まだ十分でなく、更なる改良が求められていた。このように、多孔性を有し、1mA/cm2を超えるような高レートでの充放電を実現可能な焼結体が求められていた。
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、リチウムイオンを伝導するものにおいて、より高レートでの充放電を実現することができる焼結体、蓄電デバイス及び焼結体の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、ガーネット型酸化物などの固体電解質の母材粒子よりも大きく且つ所定値よりも小さい平均細孔径を有し、所定の空隙率を有するものとすると、リチウムイオンを伝導する焼結体において、より高レートでの充放電を実現することができることを見いだし、本明細書で開示する発明を完成するに至った。
即ち、本開示の焼結体は、
リチウムイオンを伝導する母材粒子を含む焼結体であって、
空隙率が20体積%以上60体積%以下であり平均細孔径が10μm未満であり前記母材粒子の平均粒径に比して平均細孔径が大きい多孔層を外面側に有するものである。
本開示の蓄電デバイスは、
正極と、
負極と、
前記正極と前記負極との間に介在してリチウムイオンを伝導し、少なくとも前記負極側に前記多孔層を有する上述の焼結体と、
を備えたものである。
本開示の焼結体の製造方法は、
リチウムイオンを伝導する母材粒子を含む焼結体の製造方法であって、
前記母材粒子の平均粒径以上の平均粒径を有し且つ平均粒径10μm未満の造孔材を20体積%以上60体積%以下の範囲で添加した多孔層が前記母材粒子を含む緻密層の外面側に存在する原料成形体を900℃以下の温度で焼結させ焼結体を得る焼結工程、
を含むものである。
本開示の焼結体、蓄電デバイス及び焼結体の製造方法では、より高レートでの充放電を実現することができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。例えば、空隙率が所望の範囲にあることにより、電極から析出したリチウムを収容するバッファとすることができ、電極と焼結体との剥離を防止することができる。また、空隙の細孔径に比して母材粒子の粒径が小さく、且つ空隙の細孔径が10μm未満であることにより、空隙チャネルとイオン伝導チャネルとがより好ましい範囲となり、イオン伝導度をより確保することができるためであると推察される。
リチウム電池10の構造の一例を示す説明図。 母材粒子のX線回折測定結果。 LiOHの添加量と焼結体に含まれる各相の体積分率との関係図。 母材粒子を焼結した焼結体のSEM写真。 造孔材を用いた焼結体の作製工程のスキーム。 実験例4の多孔層/緻密層/多孔層の断面SEM写真。 実験例4の電気化学特性評価後の多孔層のSEM写真。 実験例1〜8のインピーダンス測定結果。 造孔材の粒径と空隙率との関係図。 多孔体の構造の一例。 造孔材の平均粒径と多孔層の空隙チャネルの平均半径との関係図。 母材粒径に対する造孔材粒径の比と焼結体の見かけの伝導度との関係図。
(焼結体)
本開示の焼結体は、リチウムイオンを伝導する母材粒子を含む焼結体である。この焼結体は、リチウムイオンをキャリアとする蓄電デバイスに用いられる固体電解質としてもよい。この焼結体は、外面側に多孔層を有する。この焼結体は、中央部分に緻密層があるものとしてもよい。また、この焼結体は、多孔層/緻密層/多孔層の3層構造を有するものとしてもよい。多孔層には、蓄電デバイスの電極が隣接して形成されているものとしてもよい。この焼結体は、電極と一体成形され焼成されているものとしてもよい。この焼結体の厚さは、用いられる蓄電デバイスに要求される性能に応じて設定すればよいが、例えば、100μm以上としてもよいし、250μm以上としてもよいし、500μm以上としてもよい。また、この焼結体の厚さは、1000μm以下としてもよいし、750μm以下としてもよいし、600μm以下としてもよい。また、多孔層の厚さは、10μm以上としてもよいし、50μm以上としてもよいし、100μm以上としてもよい。この多孔層の厚さは、200μm以下としてもよいし、150μm以下としてもよいし、100μm以下としてもよい。また、緻密層の厚さは、50μm以上としてもよいし、100μm以上としてもよいし、2500μm以上としてもよい。この緻密層の厚さは、500μm以下としてもよいし、250μm以下としてもよいし、100μm以下としてもよい。
この多孔層は、空隙率が20体積%以上60体積%以下であり、平均細孔径が10μm未満であり、母材粒子の平均粒径に比して平均細孔径が大きい構造を有する。多孔層の空隙率は、25体積%以上としてもよいし、30体積%以上としてもよい。また、空隙率は、50体積%以下としてもよいし、45体積%以下としてもよい。この空隙率は、例えば、25体積%以上50体積%以下の範囲であるものとしてもよい。多孔層の平均細孔径は、7.0μm以下であることが好ましく、5.0μm以下であることがより好ましい。この平均細孔径は、1.0μm以上であることが好ましく、2.0μm以上であるものとしてもよい。例えば、平均細孔径が1.0μm以上7.0μm以下の範囲としてもよい。母材粒子の平均粒径は、例えば、0.1μm以上5μm以下の範囲が好ましい。母材粒子の平均粒径は、4.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下としてもよい。また、母材粒子の平均粒径は、0.2μm以上としてもよく、0.5μm以上としてもよい。ここで、平均細孔径は、焼結体の切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、画像に含まれる空隙に内接する円をそれぞれの空隙に対して求め、内接円の直径をその空隙の細孔径として、積算し、空隙の数で除算した平均値とする。また、粒子の平均粒径は、粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、観察視野(5000倍もしくは1000倍)に試験線を縦横7本ずつ引いて、その試験線が細孔を横切る切片の長さを粒径とし、粒子を球と仮定して、体積重み付け平均粒子径として算出する。母材粒子の平均粒径B(μm)に対する平均細孔径P(μm)の比であるP/Bは、1.0以上であるが、1.5以上が好ましく、2.0以上としてもよい。まは、この比P/Bは、5.0以下であることが好ましく、4.0以下としてもよい。上述した空隙率や平均細孔径比P/Bの範囲では、電極から析出したリチウムを収容するバッファとして好適であり、且つイオンの伝導チャネルを十分確保することができる。
この焼結体は、リチウムイオンを伝導する母材粒子を含むものとすればよいが、LiとLaとZrと少なくとも含むガーネット型酸化物の母材粒子を含むものとしてもよい。この母材粒子は、基本組成がLi7.0+x-y(La3-x,Ax)(Zr2-y,Ty)O12である。但し、AはSr、Caのうち1種以上であり、TはNb、Taのうち1種以上であり、0<x≦1.0、0<y<0.75を満たすものである。あるいは、母材粒子は、基本組成(Li7-3z+x-yz)(La3-xx)(Zr2-yy)O12や、(Li7-3z+x-yz)(La3-xx)(Y2-yy)O12で表されるガーネット型酸化物であるものとしてもよい。但し、式中、元素MはAl,Gaのうち1以上、元素AはCa,Srのうち1以上、TはNb,Taのうち1以上であり、0≦z≦0.2、0≦x≦0.2、0≦y≦2であるものとしてもよい。この基本組成式において、0.05≦z≦0.1を満たすことがより好ましい。この基本組成式において、0.05≦x≦0.1を満たすことがより好ましい。また、この基本組成式において、0.1≦y≦0.8を満たすことがより好ましい。このような範囲では、イオン伝導度をより好適なものとすることができる。
あるいは、母材粒子は、一般的な固定電解質の粒子としてもよく、例えば、Li3N、LISICONと呼ばれるLi14Zn(GeO44、硫化物のLi3.25Ge0.250.754、ペロブスカイト型のLa0.5Li0.5TiO3、(La2/3Li3x1/3-2x)TiO3(□:原子空孔)、ガーネット型のLi7La3Zr212、NASICON型と呼ばれるLiTi2(PO43、Li1.30.3Ti1.7(PO34(M=Sc,Al)などが挙げられる。また、ガラスセラミックスである80Li2S・20P25(mol%)組成のガラスから得られたLi7311、さらに硫化物系で高い導電率を持つ物質であるLi10Ge2PS2なども挙げられる。ガラス系無機固体電解質ではLi2S−SiS2、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−Li3PO4、Li2S−SiS2−Li4SiO4、Li2S−P25、Li3PO4−Li4SiO4、Li3BO4−Li4SiO4、そしてSiO2、GeO2、B23、P25をガラス系物質としてLi2Oを網目修飾物質とするものなどが挙げられる。また、チオリシコン固体電解質としてLi2S−GeS2系、Li2S−GeS2−ZnS系、Li2S−Ga22系、Li2S−GeS2−Ga23系、Li2S−GeS2−P25系、Li2S−GeS2−SbS5系、Li2S−GeS2−Al23系、Li2S−SiS2系、Li2S−P25系、Li2S−Al23系、LiS−SiS2−Al23系、Li2S−SiS2−P25系などの固体電解質が挙げられる。
この焼結体において、母材粒子の粒界にホウ酸リチウムが含まれているものとしてもよい。焼結体は、ホウ酸リチウムによって、焼結をより促進することができる。この焼結体は、25℃でのイオン伝導度が1.0×10-4S/cm以上であるものとしてもよい。焼結体のイオン伝導度は、より高いことが好ましく、25℃での伝導度が1.0×10-4(S/cm)以上であることが好ましく、2.5×10-4S/cm以上であることがより好ましい。この伝導度は、1.0×10-2S/cm以下としてもよい。なお、Li、La及びZrを含むガーネット型酸化物では、電気伝導度はイオン伝導度を表す。この焼結体は、例えば、イオン伝導性を有するため、例えば、リチウム二次電池などの蓄電デバイスの焼結体やセパレータなどに用いることができる。
この焼結体は、2.0mA/cm2以上で充放電可能であるものとしてもよい。この焼結体は上述した構造を有しているため、高レートの充放電を行うことができる。このレートは、高い方がより好ましいが、作製の困難さの観点から、焼結体は、5.0mA/cm2以下で充放電可能であるものとしてもよい。
(焼結体の製造方法)
本開示の焼結体の製造方法は、母材粒子を成形した成形体を焼結させ焼結体を得る焼結工程を含む。また、焼結工程の前に、未焼結の母材粒子を合成する母材作製工程を含むものとしてもよい。
母材作製工程では、母材粒子と水酸化リチウムとを混合して得られた粉末を焼成して未焼結の母材粒子を合成する。この工程では、ガーネット型酸化物の母材粒子を合成する原料合成処理と、母材粒子を微粒子化する粉砕処理と、母材粒子と水酸化リチウムとを混合する混合処理と、混合した粉末を焼成する焼成処理とを含むものとしてもよい。この工程では、LiとLaとZrと少なくとも含むガーネット型酸化物の母材粒子を作製することが好ましい。なお、母材粒子は、上述した一般的な固体電解質としてもよい。この処理では、基本組成がLi7.0+x-y(La3-x,Ax)(Zr2-y,Ty)O12(但し、AはSr、Caのうち1種以上であり、TはNb、Taのうち1種以上であり、0<x≦1.0、0<y<0.75を満たす)である母材粒子を用いるものとしてもよい。元素Aや元素Tを添加すると、イオン伝導性をより好適にすることができる。元素AはCaが好ましく、元素TはNbが好ましい。あるいは、母材は、基本組成(Li7-3z+x-yz)(La3-xx)(Zr2-yy)O12や、(Li7-3z+x-yz)(La3-xx)(Y2-yy)O12で表されるガーネット型酸化物であるものとしてもよい。但し、式中、元素MはAl,Gaのうち1以上、元素AはCa,Srのうち1以上、TはNb,Taのうち1以上であり、0≦z≦0.2、0≦x≦0.2、0≦y≦2であるものとしてもよい。この基本組成式において、0.05≦z≦0.1を満たすことがより好ましい。この基本組成式において、0.05≦x≦0.1を満たすことがより好ましい。また、この基本組成式において、0.1≦y≦0.8を満たすことがより好ましい。
原料合成処理では、例えば、Li化合物とLa化合物とZr化合物とを少なくとも含む原料を用い焼成して母材粒子を得るものとしてもよい。原料は、適宜、所望の組成になるように各化合物の量を調整して配合する。各化合物は、例えば、水酸化物や炭酸塩、酸化物などとしてもよい。また、原料としては、Al,Gaのうち1以上を含む添加化合物、Ca,Srのうち1以上を含む添加化合物及びNb,Taのうち1以上を含む添加化合物などを含むものとしてもよい。これらの添加化合物も、水酸化物、炭酸塩、酸化物などとしてもよい。原料合成の焼成処理では、例えば、700℃以上900℃以下の温度で行うものとしてもよい。
粉砕処理では、平均粒径が0.1μm以上5μm以下の範囲となるよう母材に対して、例えば、湿式または乾式での、ボールミル粉砕、遊星ミル粉砕、アトリッションミル粉砕などを行う。粉砕処理は、湿式ボールミル粉砕が良好である。湿式粉砕では、溶媒として、水や有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、アルコール、アセトンなどが挙げられ、エタノールなどのアルコールが好ましい。粉砕処理により得られる母材粒子の平均粒径は、4.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下としてもよい。また、母材粒子の平均粒径は、0.2μm以上としてもよく、0.5μm以上としてもよい。
混合処理では、母材粒子と水酸化リチウムとを混合する。混合方法としては、例えば、湿式または乾式での、ボールミル混合や乳鉢混合などが挙げられる。この混合処理は、粉砕処理と同じ方法及び条件で行うものとしてもよいし、粉砕処理と合わせて行う、即ち粉砕処理の一部をこの混合処理としてもよい。水酸化リチウムの配合量は、ガーネット型酸化物のリチウム数Lgに対する水酸化リチウムのリチウム数Lhの比Lh/Lgが0.05以上0.35以下の範囲が好ましい。Lh/Lgがこの範囲では、後述する焼結時の母材粒子間のネック成長を促進させ、イオン伝導度をより高めることができる。この配合量は、Lh/Lgが0.1以上であることがより好ましく、0.15以上であることが更に好ましく、0.2以上であるものとしてもよい。水酸化リチウムの配合量が増えると、焼結性がより向上し好ましい。また、この配合量は、Lh/Lgが0.3未満であることがより好ましく、0.25以下であることが更に好ましい。Lh/Lgが0.3未満では、焼結の促進を抑制することができ、母材粒子の粗粒化をより抑制することができる。
焼成処理では、上記混合した混合粉体を、焼結温度よりも低い所定の温度で焼成する。この焼成温度は、例えば、650℃以上800℃以下の温度範囲としてもよい。この温度は、700℃以上750℃以下の範囲がより好ましい。このように焼成を行うことによって、母材粒子を得ることができる。この母材粒子は、焼成することにより、母材粒子の表面に、水酸化リチウムの分解物であるLi2Oや、大気中の炭酸を吸収したLi2CO3などが存在する。このような成分が表面に存在する母材粒子では、焼結時に母材粒子の結合が促進されると共に、多孔化することができる。
焼結工程では、母材粒子に造孔材を添加した原料を少なくとも1以上の外面側に存在するよう成形し、得られた成形体を900℃以下の温度で焼結させ、焼結体を得る。この焼結工程では、母材粒子に造孔材及び/又は焼結助剤を添加する添加処理、原料粉末を原料成形体に成形する成形処理、成形体を焼結させる焼結処理を含むものとしてもよい。
添加処理では、造孔材や焼結助剤を添加して混合する。添加処理では、母材粒子の平均粒径以上の平均粒径を有し且つ平均粒径10μm未満の造孔材を20体積%以上60体積%以下の範囲で添加する。この添加処理は、例えば、窒素ガスや希ガスなど不活性雰囲気下で行うものとしてもよい。母材粒子に添加する造孔材としては、例えば有機物などが挙げられ、粒子状のポリマーなどが挙げられる。ポリマーとしては、焼結時に焼失するものであれば特に限定されないが、例えば、アクリル粒子や、有機繊維などが挙げられる。造孔材の平均粒径は、7.0μm以下であることが好ましく、5.0μm以下であることがより好ましい。この平均粒径は、1.0μm以上であることが好ましく、2.0μm以上であるものとしてもよい。例えば、造孔材の平均粒径は、1.0μm以上7.0μm以下の範囲が好ましい。なお、造孔材の存在部位に焼結体の細孔が形成されることから、造孔材の平均粒径は、焼結体の平均細孔径に関連し、これらは近接した値を示す。造孔材の添加量は、所望の空隙量に合わせて適宜設定すればよいが、例えば、25体積%以上としてもよいし、30体積%以上としてもよい。また、造孔材の添加量は、50体積%以下としてもよいし、45体積%以下としてもよい。この造孔材の添加量は、例えば、25体積%以上50体積%以下の範囲であるものとしてもよい。得られる焼結体は、25℃でのイオン伝導度が1.0×10-4S/cm以上であるものとすることができる。母材粒子に添加する焼結助剤としては、例えば、ホウ酸リチウムや酸化アルミニウム、酸化ガリウムなどが挙げられる。ホウ酸リチウムとしては、例えば、Li3BO3、Li247、LiBO2などが挙げられ、このうち、Li3BO3(以下、LBOとも称する)がより好ましい。LBOは、母材との反応性がより低いため好ましい。ホウ酸リチウムの添加量は、母材粒子とホウ酸リチウムとを足し合せた体積に対するホウ酸リチウムの体積分率を5体積%以上15体積%以下の範囲が好ましく、8体積%以上12体積%以下の範囲がより好ましい。また、焼結助剤のAlやGaは、Liを含むガーネット型酸化物のLiサイトに含まれるものとしてもよい。酸化アルミニウムは、ガーネット型酸化物の1molに対して0.08mol以上0.12mol以下の範囲となるように添加することが好ましい。酸化アルミニウムの添加量が0.08mol以上では焼結促進効果を示すことができ、0.12mol以下では添加AlがLiサイトを置換することができる。
成形処理では、金型を用いて母材粒子を含む原料粉末を成形するものとしてもよい。成形処理では、例えば、多孔層/緻密層の2層構造の原料成形体や、多孔層/緻密層/多孔層の3層構造の原料成形体を成形することができる。多孔層や緻密層の厚さについては、上記焼結体で説明した範囲とすることができる。このとき、緻密層を形成する原料粉体は、母材粒子で構成し、緻密層の外側に形成される多孔層を形成する原料粉体は、上記添加処理後の造孔材を含むものを用いる。この成形処理では、多孔層及び緻密層の原料を同時に成形してもよいし、多孔層と緻密層との原料を別々に成形してもよい。即ち、この処理において、多孔層及び緻密層の原料粉体を成形してもよいし、焼結体とした緻密層の表面に造孔材を含む多孔層の原料粉体を成形するものとしてもよいし、焼結体とした多孔層の表面に緻密層の原料粉体を成形するものとしてもよい。成形時の加圧量は、成形体の形状や大きさに合わせて適宜設定すればよく、例えば、1MPa以上100MPa以下の範囲としてもよく、5MPa以上20MPa以下の範囲としてもよい。成形体の形状は特に限定されず、任意の形状とすることができる。
焼結処理では、成形体を800℃以上900℃以下の温度で焼結する。この温度範囲で成形体を焼結すると、空隙を有した状態で且つイオン伝導度の低下をより抑制した焼結体を得ることができる。また、この温度範囲では、比較的低温であるため、母材のLiが揮発して減少することもより抑制される。焼結温度は、820℃以上や835℃以上としてもよいし、880℃以下や850℃以下としてもよい。焼結時間は、所望の強度を有する焼結体が得られれば特に限定されないが、例えば、10時間以上としてもよいし、20時間以上としてもよい。また、50時間以下としてもよいし、24時間以下としてもよい。なお、焼結時間は短い方が省エネルギーや多孔化の観点から好ましく、焼結時間が長い方が焼結強度の向上やイオン伝導度向上の観点から好ましい。この焼結処理は、酸化物の焼結体であることから、大気中で行うことが好ましい。このようにして、特定の構造を有する空隙及び母材粒子を含み、イオン伝導度がより高く、高レートで充放電可能な焼結体を作製することができる。
(蓄電デバイス)
本開示の蓄電デバイスは、正極と、負極と、正極と負極との間に介在してリチウムイオンを伝導し、少なくとも負極側に多孔層を有する上述の焼結体と、を備えている。この蓄電デバイスは、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、空気電池などのうちいずれかであるものとしてもよい。また、この蓄電デバイスは、全固体型二次電池とすることが好ましい。
正極は、正極活物質を含むものとしてもよい。正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、基本組成式をLi(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)やLi(1-x)Mn24などとするリチウムマンガン複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)CoO2などとするリチウムコバルト複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiO2などとするリチウムニッケル複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiaCobMnc2(a+b+c=1)などとするリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、基本組成式をLiV23などとするリチウムバナジウム複合酸化物、基本組成式をV25などとする遷移金属酸化物などを用いることができる。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/32などが好ましい。なお、「基本組成式」とは、他の元素を含んでもよい趣旨である。あるいは、正極活物質は、キャパシタやリチウムイオンキャパシタなどに用いられている炭素質材料としてもよい。炭素質材料としては、例えば、活性炭類、コークス類、ガラス状炭素類、黒鉛類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維類、カーボンナノチューブ類、ポリアセン類などが挙げられる。このうち、高比表面積を示す活性炭類が好ましい。炭素質材料としての活性炭は、比表面積が1000m2/g以上であることが好ましく、1500m2/g以上であることがより好ましい。比表面積が1000m2/g以上では、放電容量をより高めることができる。この活性炭の比表面積は、作製の容易性から3000m2/g以下であることが好ましく、2000m2/g以下であることがより好ましい。
正極に含まれる導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
負極は、負極活物質を含むものとしてもよい。負極は、例えば、負極活物質と集電体とを密着させて形成したものとしてもよいし、負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。負極活物質としては、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などの無機化合物、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素質材料、複数の元素を含む複合酸化物、導電性ポリマーなどが挙げられる。炭素質材料は、例えば、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。このうち、人造黒鉛、天然黒鉛などのグラファイト類が、金属リチウムに近い作動電位を有し、高い作動電圧での充放電が可能であり支持塩としてリチウム塩を使用した場合に自己放電を抑え、且つ充電時における不可逆容量を少なくできるため、好ましい。複合酸化物としては、例えば、リチウムチタン複合酸化物やリチウムバナジウム複合酸化物などが挙げられる。負極活物質としては、このうち、炭素質材料が安全性の面から見て好ましい。また、負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、正極と同様のものを用いることができる。
図1は、蓄電デバイス10の構造の一例を示す説明図である。この蓄電デバイス10は、正極12と、負極15と、固体電解質層20とを有する。正極12は、正極活物質層13と、集電体14とを有する。負極15は、負極活物質層16と、集電体17とを有する。固体電解質層20は、上述した焼結体であり、多孔層24と緻密層25とを含む。この焼結体は、Li、La及びZrを少なくとも含むガーネット型酸化物からなる母材粒子21と、焼結助剤などの成分を含む粒界22とを備え、空隙23が形成されている。
以上詳述した焼結体、蓄電デバイス及び焼結体の製造方法では、より高レートでの充放電を実現することができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。例えば、空隙率が所望の範囲にあることにより、電極から析出したリチウムを収容するバッファとすることができ、電極と焼結体との剥離を防止することができる。また、空隙の細孔径に比して母材粒子の粒径が小さく、且つ空隙の細孔径が10μm未満であることにより、空隙チャネルとイオン伝導チャネルとがより好ましい範囲となり、イオン伝導度をより確保することができるためであると推察される。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本開示の焼結体を具体的に作製した例を実験例として説明する。実験例1、2、7、8が比較例に相当し、実験例4〜6が本開示の実施例に相当する。
[微粒LLZ−CaNb粉末の作製]
粉末状試薬として、LiOH(ALDRICH製)、La(OH)3、Ca(OH)2、ZrO2、Nb25(いずれも高純度化学製)を用い、母材組成がLi6.8(La2.95Ca0.05)(Zr1.75Nb0.25)O12となるようにこれらを秤量し、湿式ボールミルで粉砕、混合、乾燥した。湿式ボールミルは、80mLジルコニアポット、1mmfジルコニアボールを用い、溶媒をエタノールとし、1時間、回転数700rpmで行った。乾燥は80℃で行った。その後、大気中で仮焼成を行い、母材粒子としてのガーネット型酸化物であるLLZ−CaNb粉末を得た。仮焼成は、700℃、48時間、Au箔を内貼りしたアルミナるつぼを使用して行った。このLLZ−CaNb粉末にLiOHを追添加して同様の混合粉砕工程を経たのちに700℃、10時間の条件で2回目の仮焼成を行い、得られた微粉末を未焼結の母材粒子(LLZ−CaNb−LiOH粉末)とした。LiOHの添加量は、LLZ−CaNbのリチウム数Lgに対するLiOHのリチウム数Lhの比Lh/Lgが0.1とした。
[母材粒子の評価]
得られた母材粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、Lh/Lgに依存せずにサブミクロンサイズの微粒粉末が得られることを確認した。また、Lh/Lgが0、0.1、0.2、0.3、0.4とした母材粒子のX線回折測定を行った。X線回折測定は、リガク社製のXRD装置smart−Labを使用し、Cu管球で、2θ=10°〜80°の範囲で、5°/分の速度で行った。図2は、母材粒子のX線回折測定結果である。図2に示すように、主相であるガーネット構造(立方晶)からのピークの他に、LiOH添加量が増えるにしたがい、Li2CO3のピークが明瞭に現れることが確認された。これは、母材粒子を焼成した際にLiOHがLi2Oとなり、大気中の二酸化炭素を吸収して生成したものと推察された。また、LiOH添加量が「0」の場合はLa2Zr27に帰属されるピークが見られており、LiOH添加量は、Lh/Lgが0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましいと判断した。
[焼結体におけるLiOH添加量の検討:参考例1〜6]
上述のように、母材に添加したLiOHは母材粒子の作製工程を経て、大気中では炭酸リチウム(Li2CO3)として存在するものと推察された。この炭酸リチウムは、母材粒子の表面に微粉末として付着する形態で存在するものと推察された。この炭酸リチウムは、成形体の焼結温度ではCO2を放出しLi2Oへと変化することから、このLi2Oの存在によって、母材粒子であるLLZ−CaNbの粒子間のネック成長が促進されることが期待される。ここでは、LiOHの添加量を変えた母材粒子を用いて焼結体を作製し、その特性を評価した。母材粒子と、焼結助剤としてのLi3BO3(LBO)、γ−Al23とを添加した原料粉末をペレット状に成形し、焼結体を得た。原料の配合比は、母材粒子1molに対するγ−Al23の添加量を0.1molとし、母材粒子とLBOとを足し合せた体積に対するLBOの体積分率を10体積%とした。ペレットの焼結は、835℃、48時間とした。母材粒子のLiOHの添加量として、Lh/Lgが0、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4としたものをそれぞれ参考例1〜6の焼結体とした。図3は、LiOHの添加量と焼結体に含まれる各相の体積分率との関係図である。各相の体積分率は、焼結体の見掛けの密度と焼結体作製時の仕込み組成から得た。図3に示すように、LiOH添加量の増大、即ちLi2CO3の増大に反比例するように空隙の体積分率は低下した。図3に示すように、LiOHの添加によって、焼結体中の空隙量(欠陥量)を低減することが成立していると確認することができた。
参考例1〜6の焼結体の断面をSEM観察した。まず、焼結ペレットの破断面を研磨紙によって面出ししたのち、導電性ペーストによって試料台に固定して、薄膜・断面試料作製装置(クロスセクションポリッシャ−、日本電子製SM−09010)を用いて平滑断面を得た。この加工品のSEM観察には日立製SU3500(加速電圧:5〜15kV)を用いた。図4は、母材粒子を焼結した焼結体のSEM写真であり、図4Aが参考例2、図4Bが参考例4、図4Cが参考例5、図4Dが参考例6の焼結体であり、図4Eは図4Dの粒界部の拡大図である。図4に示すように、温度835℃で48時間大気中焼成した場合、LiOH添加量が多いと焼結が進行し、粗粒化し、大きな粒子に粒成長することが確認された。焼結が進行することは好ましいが、過度の粒成長は空隙の減少を生じ、好ましくないため、添加量はLh/Lgが0.3未満であれば良好であると判断した。
次に、リチウムイオン伝導度の観点からLiOH添加量の最適範囲を検討した。イオン伝導度は、以下のように測定した。母材粒子を焼結した焼結体に対し、25℃の恒温槽中にてACインピーダンス測定器(Agilent製4294A)を用いて、100mVで40Hz〜110MHzの範囲でインピーダンス測定を行った。そして、ナイキストプロットの円弧より抵抗値を求め、この抵抗値からリチウムイオン伝導度を算出した。表1に参考例1〜6のLiOH添加量、各相の体積分率及び焼結体のリチウムイオン伝導度(電気伝導度)をまとめた。表1に示すように、LiOH添加量が0である参考例1および0.4である参考例6の焼結体では、イオン伝導度は低い値を示し、その間の0.05〜0.35の範囲では、安定して1×10-4S/cmを超える高い伝導度が得られることがわかった。LiOH添加量が0の場合は、ネック成長が不足し焼結が進まないことから、低い伝導度を示すものと推察された。また、LiOH添加量が0.4の場合は、図4Eに示すように、LLZ−CaNb粒子が著しく粗粒化したことによって押し出された助剤成分が粒界に浸透しており、そのため、伝導度は大きく低下するものと推察された。母材粒子の粗粒化防止の観点からは、LiOH添加量はLh/Lgが0.1以上0.3未満の範囲が好適であるが、空隙の生成は造孔材の添加により補完できることから、X線回折、組織観察、イオン伝導度の結果を総合して、LiOH添加量はLh/Lgが0.05以上0.35以下の範囲において好適であると判断した。
[焼結温度の検討]
LiOH添加量Lh/Lgが0.1の母材粒子について、焼結温度を変更して焼結体を作製した。焼結条件は、835℃48時間と、915℃12時間とした。その焼結体の断面をSEM観察したところ、915℃の焼結では著しく粒子の粗大化が生じていた。温度を上げれば焼結は促進されるが、結晶粒も著しく粗大化するため多孔化には不適であると推察された。一方、焼結温度が835℃では、焼結時間を48時間と長い時間保持しても粒成長は抑制され、焼結後も粒径を1〜2μm程度に保つことができており、良好な母材の微粒組織の保持を満たしていた。また、800℃未満での焼結では、ネック成長が不足しており、添加したAl23も未反応で残る場合があることから、母材粒子の焼結温度は、800℃以上900℃以下が好適であると推察された。
Figure 2021096965
[LLZ−CaNb焼結多孔体の作製]
焼結後の微粒条件を検討したLLZ−CaNb粉末を用いて焼結体の作製を試みた。粒径が0.5〜1.0μmの母材粒子と、粒径0.8μm〜20μmのアクリル造孔材粉末とを用いた。母材粒子は、LLZ−CaNb粉末にLiOH添加量Lh/Lgが0.1である微粉末を用いた。母材(LLZ−CaNb)の1molに対するγ−Al23の添加量は0.1mol、母材とLi3BO3とを足し合せた体積に対するLi3BO3の体積分率は10体積%とした。造孔材の体積割合は25体積%もしくは45体積%として、図5に示す手順で多孔体を作製した。図5は、造孔材を用いた焼結体の作製工程のスキームである。この作製工程は、混合処理と、成形処理と、焼結処理とを含む。混合処理では、LLZ−CaNb微粉末にLiOHを添加して焼成した母材粒子と、焼結助剤のγ−Al23及びLi3BO3と、アクリル造孔材とを、Ar雰囲気のグローブボックス内で乳鉢混合した。成形処理では、直径11.0mm、厚さ660μmの外形において、外面から80μmの範囲に上記造孔材を含む原料を充填し、それ以外には焼結助剤を含む母材粒子を充填して一軸成形を行った。これにより、造孔材を含まない層の両端面に多孔層を設けた多孔層/緻密層/多孔層の三層構造をもつ焼結体を作製した。多孔層の厚みは80μm、緻密層の厚みは500μmとした。プレス圧は10MPaとした。焼結処理では、昇温速度1℃/分で昇温し、820℃、48時間保持して焼結体を得た。造孔材を用いた焼結体は、多孔層/緻密層/多孔層の3層構造を有するものとして得られた。この焼結体は、表面研磨してSEM観察し、X線回折測定、インピーダンス測定(25,60℃)、密度測定を行った。
(実験例1〜8)
造孔材を用いずにLLZ及びAl23を含む層(厚さ500μm)とLBOの層との積層体とし、プレス圧を10MPaとし、厚さを550μmとしたものを実験例1の焼結体とした。造孔材を用いずにLLZとAl23とLBOとの一体物とし、プレス圧を10MPaとし、厚さを500μmとしたものを実験例2の焼結体とした。造孔材としてアクリル粉末(綜研化学社製,平均粒径0.8μm)を45体積%用い、厚さを600μmとしたものを実験例3の焼結体とした。造孔材としてアクリル粉末(平均粒径1.8μm)を45体積%用いたものを実験例4の焼結体とした。造孔材としてアクリル粉末(平均粒径5.0μm)を25体積%用いたものを実験例5の焼結体とした。造孔材としてアクリル粉末(平均粒径5.0μm)を45体積%用いたものを実験例6の焼結体とした。造孔材としてアクリル粉末(平均粒径10μm)を45体積%用いたものを実験例7の焼結体とした。造孔材としてアクリル粉末(平均粒径20μm)を45体積%用いたものを実験例8の焼結体とした。
(密度測定:空隙率)
焼結体の質量を電子天秤を用いて測定し、体積をマイクロメータを用いて測定した。測定した質量を体積で除して密度値を得た。造孔材を使用しない緻密焼結体の密度を利用して、多孔層/緻密層/多孔層の3層構造における多孔層の空隙率を推定した。
(電気化学特性評価)
グローブボックス内で焼結体の両面にLiを熱蒸着して電気化学特性評価に供した。金属Liは、直径6mm、厚さ数十μmとした。60℃の恒温槽に入れポテンショガルバノスタット(Biologic社製VMP3)を用いて、電流密度0.1,1.0,2.0mA/cm2で容量1mAh/cm2まで電流を流した。この通電は、順方向、逆方向の1セット行った。そして、電流方向切換時にインピーダンス測定を行った。
(SEM観察)
焼結体の破断面を研磨紙によって面出しした後、導電性ペーストによって試料台に固定して、薄膜、断面試料作製装置(クロスセクションポリッシャ-、日本電子製SM−09010)を用いて平滑断面を得た。この加工品のSEM観察には日立製SU3500を用いた。加速電圧は、5〜15kVとした。また、得られたSEM画像から空隙の平均細孔径を求めた。空隙に内接する円を求め、これをその空隙の直径とし、各空隙の直径を積算し空隙の数で除して平均細孔径とした。また、粒子の平均粒径は、粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、観察視野(5000倍もしくは10000倍)に試験線を縦横7本ずつ引いて、その試験線が細孔を横切る切片の長さを粒径とし、粒子を球と仮定して、体積重み付け平均粒子径として算出した。
(結果と考察)
表2に実験例1〜8の造孔材の粒径(μm)、添加量(体積%)、母材粒子の平均粒径Bに対する造孔材の平均粒径Pの比P/B、焼結体の平均細孔径(μm)、多孔層の空隙率(体積%)及び2mA/cm2での出力可否をまとめた。なお、比P/Bにおいて、母材であるLLZ粒子の平均粒径は、焼結後のSEM像から1.0μmと評価した。また、実験例1〜4、6は、5000倍のSEM像から評価し、実験例7は、空隙サイズが粗大なため、5000倍(上段)と1000倍(下段)の2視野で評価した。実験例8は、充放電後の試料に割れが生じたため、細孔径の平均値は評価できなかったが、SEM像から10μm以上の粗大な細孔の存在が確認された。また、表2では、実験例8の空隙率として設計値を示した。実験例5の平均細孔径について、実験例6と同じ造孔材を用いているため、これと近似した値になると見込まれることから、その評価を省略した。また、空隙率において、実験例1,2には、多孔層がないため、全体の空隙率とした。また、出力可否の評価は以下のように行った。例えば、焼結体の厚み方向への析出Liの成長はセルの短絡につながる。また、焼結体の厚み方向への析出Liの成長は初期抵抗の低下をもたらすため、初期抵抗の変化から短絡の兆候を掴むことができる。そこで、出力可否の評価は、電流密度2mA/cm2で充放電を繰り返したのち、初期抵抗からの変化が20%以内であり、初期抵抗とほぼ変わらない状態を保持している場合は「A」判定とし、初期抵抗から20%を超える範囲で大きく低下している場合は「B」判定とした。
図6は、実験例4の多孔層/緻密層/多孔層の断面SEM写真である。図7は、実験例4の電気化学特性評価後の多孔層のSEM写真である。図6に示すように、厚さ80μmの多孔層を剥離なく焼結体の両面に形成できることが確認された。また、図7に示すように、多孔層の構造内の様子を観察した結果、この空隙を埋める物質が確認された。この物質の元素分析を行ったところ、焼結助剤に含まれるBは検出されずCが検出されたため、この物質は、炭酸リチウムであると推察された。この炭酸リチウムは、充放電によって析出したリチウム金属が、大気中で二酸化炭素を吸収したものであると推察された。このように、多孔層の空隙は、充放電により析出したリチウム金属を収容するバッファとして機能していることが確認された。また、図7に示すように、微粒である母材粒子の骨格構造が充放電後も保持されていることが確認された。
図8は、実験例1〜8のインピーダンス測定結果であり図8A〜Hがそれぞれ実験例1〜8である。図8に示すように、実験例1〜3、7、8では、1mA/cm2以上で充放電ができなかったり、Li伝導抵抗が初期を基準に20%を超えて大きく変動した。一方、実験例4〜6では、2mA/cm2以上という高出力においても安定的に充放電することができることがわかった。図9は、造孔材の粒径と空隙率との関係図である。表2にまとめた結果及び図8の結果を合わせると、図9に点線で示した領域、即ち、空隙率が20体積%以上60体積%以下の範囲で、更に平均細孔径が10μm未満の範囲では、2mA/cm2以上という高出力化が期待できた。これは、言い換えると、焼結体の焼結体に多孔層を設けることにより、30分率での充放電が可能となることが確認できた。
Figure 2021096965
(計算による妥当性検証)
図9における空隙サイズに対する最適範囲の考察をシミュレーションを計算により検討した。図10は、計算に用いた空隙率50体積%の多孔体の構造の一例であり、図10Aが造孔材の粒径が2μmである多孔体、図10Bが造孔材の粒径が5μmである多孔体の例である。母材としてのLLZと造孔材の平均粒径および母材/造孔材の配合比を様々に設定して、図10に例示されるような多孔多結晶の3D構造イメージをマルチフェーズフィールド法(焼結過程における自由エネルギー減少方向への組織変化をシミュレーション可能な計算方法)を用いて作成した。次に、この空隙チャンネル半径を内接球の最大直径として評価し、その平均値を求めた。この造孔材の粒径と空隙チャンネル半径との関係は、図10に例示される。次に、この構造イメージをベースに、空間各所の伝導率と誘電率を設定して、交流電場によって誘起される物体内部の電位分布を計算してインピーダンスを評価する手法を用いた。交流電場(周波数ω)によって誘起される物体内部の電場をEとすると、この電場は物体内各所において、数式(1)を満たす必要がある。ここで、σR(r)及びε(r)は、それぞれ位置rにおける導電率と誘電率を表しており、材料組織イメージとリンクして設定している。この数式(1)から数値計算により、複素静電ポテンシャルの実数成分と虚数成分を評価した。局所ポテンシャルと局所の導電率から求まる電流を電極に平行な断面内にて積分し、境界条件として与えた電位変調幅からインピーダンスの実数成分ZRと虚数成分ZIを評価することができる。この評価を各交流周波数条件で行うことで、インピーダンススペクトルのナイキスト線図を得た。評価した実数成分ZRの総抵抗の逆数をこの多孔構造の見掛けのリチウムイオン伝導率とした。
Figure 2021096965
図11は、造孔材の平均粒径と多孔層の空隙チャネルの平均半径との関係図である。図12は、母材粒径に対する造孔材粒径の比と焼結体の見かけの伝導度との関係図である。多孔層を設けないガーネット型リチウムイオン伝導性酸化物(LLZ)を用いて、金属Li/LLZ/金属Liとして対称セルを構成した事前検討から、電流密度0.4mA/cm2において0.7mAh/cm2の容量まで安定した電位で電流を流せることを確認した。また、それ以上の電流引き抜きでは金属Li/LLZ界面においてLi枯渇が生じることを確認した。この容量0.7mAh/cm2は、Li厚さに換算すると3.4μmに見積もられ、Li金属の析出場所となる空隙の半径の上限目安を3.4μmとした。様々な多孔構造のモデルを作成して、その空隙チャンネル半径を評価したところ、造孔材の平均粒径を10μmに満たない範囲に設計すればよいことが導き出された。これは表2における造孔材の粒径の上限である10μm未満の範囲と矛盾しなかった。一方、多孔構造のリチウムイオン伝導率と構造との関わりを評価したところ、図12に示す通り、母材粒子の平均粒径よりも造孔材の平均粒径が小さくなる、即ち比が1を下回ると、電解質である母材粒子のイオン伝導パス形成が阻害されるため、イオン伝導度の性能は低下することが示唆された。このため、造孔材の平均粒径は、電解質である母材粒子の平均粒径以上の範囲に設計することが重要であると推察された。これは表2における造孔材の平均粒径の下限である1.0μmと矛盾しかった。即ち、母材粒子の平均粒径を1μmとする場合は、造孔材の平均粒径は1μm以上とすることが求められるものと推察された。
なお、本開示の焼結体、蓄電デバイス及び焼結体の製造方法は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本開示は、Liイオンを伝導する物質を用いる技術分野、例えば、電池産業の技術分野に利用可能である。
10 蓄電デバイス、12 正極、13 正極活物質層、14 集電体、15 負極、16 負極活物質層、17 集電体、20 固体電解質層、21 母材粒子、22 粒界、23 空隙。

Claims (18)

  1. リチウムイオンを伝導する母材粒子を含む焼結体であって、
    空隙率が20体積%以上60体積%以下であり平均細孔径が10μm未満であり前記母材粒子の平均粒径に比して平均細孔径が大きい多孔層を外面側に有する、焼結体。
  2. LiとLaとZrと少なくとも含むガーネット型酸化物の前記母材粒子を含む、請求項1に記載の焼結体。
  3. 前記母材粒子は、基本組成がLi7.0+x-y(La3-x,Ax)(Zr2-y,Ty)O12(但し、AはSr、Caのうち1種以上であり、TはNb、Taのうち1種以上であり、0<x≦1.0、0<y<0.75を満たす)である、請求項1又は2に記載の焼結体。
  4. 前記母材粒子の粒界にホウ酸リチウムを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結体。
  5. 前記平均細孔径が1.0μm以上7.0μm以下の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の焼結体。
  6. 前記空隙率が25体積%以上50体積%以下の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼結体。
  7. 2.0mA/cm2以上で充放電可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の焼結体。
  8. 正極と、
    負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在してリチウムイオンを伝導し、少なくとも前記負極側に前記多孔層を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の焼結体と、
    を備えた蓄電デバイス。
  9. リチウムイオンを伝導する母材粒子を含む焼結体の製造方法であって、
    前記母材粒子の平均粒径以上の平均粒径を有し且つ平均粒径10μm未満の造孔材を20体積%以上60体積%以下の範囲で添加した多孔層が前記母材粒子を含む緻密層の外面側に存在する原料成形体を900℃以下の温度で焼結させ焼結体を得る焼結工程、
    を含む焼結体の製造方法。
  10. 前記焼結工程では、基本組成がLi7.0+x-y(La3-x,Ax)(Zr2-y,Ty)O12(但し、AはSr、Caのうち1種以上であり、TはNb、Taのうち1種以上であり、0<x≦1.0、0<y<0.75を満たす)である前記母材粒子を用いる、請求項9に記載の焼結体の製造方法。
  11. 前記焼結工程では、平均粒径が1.0μm以上7.0μm以下の範囲の前記造孔材を用いる、請求項9又は10に記載の焼結体の製造方法。
  12. 前記焼結工程では、平均粒径が0.1μm以上5.0μm以下の範囲の前記母材粒子を用いる、請求項9〜11のいずれか1項に記載の焼結体の製造方法。
  13. 前記焼結工程では、25体積%以上50体積%以下の範囲で前記造孔材を添加する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の焼結体の製造方法。
  14. 前記焼結工程では、更にホウ酸リチウムを添加して前記原料成形体を得る、請求項9〜13のいずれか1項に記載の焼結体の製造方法。
  15. 前記焼結工程では、前記原料成形体を800℃以上900℃以下の温度で焼結する、請求項9〜14のいずれか1項に記載の焼結体の製造方法。
  16. 前記焼結工程では、前記ガーネット型酸化物の1molに対して酸化アルミニウムを0.08mol以上0.12mol以下の範囲で含む焼結体を得る、請求項9〜15のいずれか1項に記載の焼結体の製造方法。
  17. 請求項9〜16のいずれか1項に記載の焼結体の製造方法であって、
    前記焼結工程の前に、LiとLaとZrと少なくとも含むガーネット型酸化物と水酸化リチウムとを、前記ガーネット型酸化物のリチウム数Lgに対する前記水酸化リチウムのリチウム数Lhの比Lh/Lgが0.05以上0.35以下の範囲で混合して得られた混合粉体を焼成して未焼結の前記母材粒子を得る母材作製工程、を含む、焼結体の製造方法。
  18. 前記母材作製工程では、前記混合粉体を650℃以上800℃以下の温度で焼成する、請求項17に記載の焼結体の製造方法。
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