JP2014050696A - ゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】反発性が向上し得、低スピン化で飛距離増大を図ることができ、コア用ゴム組成物の加硫時間を短縮して生産性を向上させると共に、長期間使用しても耐久性が良好であるゴルフボールの提供。
【解決手段】コア1とカバー2とからなり、コア1が、基材ゴム、共架橋剤、架橋開始剤及び金属酸化物を含有するゴム組成物にて形成されるゴルフボールであって、上記共架橋剤がメタクリル酸であり、上記金属酸化物が酸化亜鉛であり、上記ゴム組成物には有機硫黄化合物が含まれると共に、上記架橋開始剤の配合量が上記基材ゴム100質量部に対し、1.2〜5質量部であり、ボール製品の初速度が74.3m/s以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、コアとカバーとからなるゴルフボールに関し、更に詳述すると、反発性が向上し得、低スピン化で飛距離増大を図ることができ、コア用ゴム組成物の加硫時間を短縮して生産性を向上させると共に、長期間使用しても耐久性が良好であるゴルフボールに関する。
競技用のゴルフボールのボール構造としては、ゲーム感覚に近い飛びやフィーリングを与えるためにワンピースゴルフボールよりもツーピースソリッドゴルフボールを使用することが望ましい。特に、コアとカバーとからなるゴルフボールにおいて、反発性を向上させ、低スピン化を図ることにより飛距離を増大させる性質を持たせることは、競技上有利にゲームを進めることができるので、最も好ましい要求特性の一つである。
ツーピースソリッドゴルフボールは、コアとカバーとからなり、コアは、シス−1,4−ポリブタジエンゴムを主材とした基材ゴムに共架橋剤、金属酸化物、有機過酸化物等の添加剤を使用することにより得られる所望のゴム架橋構造物であることが広く知られている。例えば、特開昭59−49779号公報には、ツーピースソリッドゴルフボールのコアのゴム組成物として、シス−1,4−ポリブタジエンゴムに、共架橋剤として、メタクリル酸亜鉛を所定量配合することが提案されている。しかしながら、このようにメタクリル酸亜鉛をコア用ゴム組成物に使用すると、長期間使用においてボールの耐久性を確保することが困難になる。
また、特開2003−70936号公報、特開2007−61614号公報、特開2007−301357号公報、特開2010−115485号公報、特開2010−115486号公報、特開2004−180793号公報、特開2008−149190号公報、特開2009−195761号公報、特開2005−27814号公報、及び特開2010−269147号公報のいずれにおいても、ツーピースソリッドゴルフボールのコアのゴム組成物として、シス−1,4−ポリブタジエンゴムにアクリル酸亜鉛を所定量配合することが提案されている。しかしながら、上記と同様に、アクリル酸亜鉛をコア用ゴム組成物に使用すると、長期間使用においてボールの耐久性を確保することが困難であった。
なお、本発明に関連する先行技術としては、特開2002−126128号公報の技術文献があり、このゴルフボールは、ボール表面から中心に向かって内部硬度分布を適正化したワンピースゴルフボールである。しかし、このゴルフボールでは、アイアンのリーディングエッジ等の鋭利な部分に衝突した時の表面の欠け耐久性において満足できるものではなかった。
また、ゴルフボールの製造工程において、コア用ゴム組成物の加硫時間を短縮して生産性を向上させることは工業的に有利であり、このような課題を解決することも望まれている。
特開昭59−49779号公報 特開2003−70936号公報 特開2007−61614号公報 特開2007−301357号公報 特開2010−115485号公報 特開2010−115486号公報 特開2004−180793号公報 特開2008−149190号公報 特開2009−195761号公報 特開2005−27814号公報 特開2010−269147号公報 特開2002−126128号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、反発性が向上し得、低スピン化で飛距離増大を図ることができ、コア用ゴム組成物の加硫時間を短縮して生産性を向上させると共に、長期間使用しても耐久性が良好であるゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、シス−1,4−ポリブタジエンゴムに、共架橋剤として、メタクリル酸を使用したコア用ゴム組成物において更なる改良を重ねた結果、金属酸化物として酸化亜鉛を採用し、更に有機硫黄化合物を配合すると共に、架橋開始剤の配合量を基材ゴム100質量部に対し、1.2〜5質量部と通常よりも増量としたところ、ゴム組成物の加硫時間を短縮することができることにより生産性を向上することができ、更に、このゴム組成物をゴルフボールに使用すると、当該ゴルフボールの反発性が向上し得、低スピン化で飛距離増大を図ることができ、長期間使用しても耐久性が良好であることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記のゴルフボールを提供する。
[1]コアとカバーとからなり、該コアが、基材ゴム、共架橋剤、架橋開始剤及び金属酸化物を含有するゴム組成物にて形成されるゴルフボールであって、上記共架橋剤がメタクリル酸であり、上記金属酸化物が酸化亜鉛であり、上記ゴム組成物には有機硫黄化合物が含まれると共に、上記架橋開始剤の配合量が上記基材ゴム100質量部に対し、1.2〜5質量部であり、ボール製品の初速度が74.3m/s以上であることを特徴とするゴルフボール。
[2]有機硫黄化合物の配合量が基材ゴム100質量部に対し、0.01〜3質量部である[1]記載のゴルフボール。
[3]上記ゴム組成物には脂肪酸金属塩が含まれる[1]又は[2]記載のゴルフボール。
[4]脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛である[3]記載のゴルフボール。
[5]脂肪酸金属塩の配合量が基材ゴム100質量部に対し、0.1〜5質量部である[3]記載のゴルフボール。
[6]カバーの樹脂材料の破断強度が20〜80MPa、伸度が150〜600%である[1]〜[5]のいずれか1項記載のゴルフボール。
[7]コアに初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したとき、該コアのたわみ量(CH)が2.0〜7.0mmである[1]〜[6]のいずれか1項記載のゴルフボール。
本発明のゴルフボールによれば、反発性が向上し得、低スピン化で飛距離増大を図ることができ、コア用ゴム組成物の加硫時間を短縮して生産性を向上させると共に、長期間使用しても耐久性が良好である。
本発明の一実施例を示したゴルフボールの概略断面図である。 コアの断面硬度の(A)〜(F)の部位を説明するためのコアの模式図である。 ディンプルの断面の一例を示す概略図である。 ディンプル配列の一例を示すもので、(A)は平面図、(B)は正面図である。 実施例,比較例で作製したゴルフボールに付したマークを示す平面図である。
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールの構造は、特に制限されるものではないが、例えば、図1に示されているように、コア1と、該コアを被覆するカバー2とからなるツーピースソリッドゴルフボールGである。そして、上記カバー2の表面には、通常、ディンプルDが多数形成されている。なお、この図においてコア1及びカバー2は、それぞれ単層に形成されているが、いずれも複数層とすることができる。
上記コアは、ゴム材を主材とするゴム組成物を加硫することにより得られる。このゴム組成物として具体的には、例えば、基材ゴム、共架橋剤、架橋開始剤、金属酸化物、有機硫黄化合物、必要に応じて老化防止剤、脂肪酸金属塩、不活性充填剤を含有するゴム組成物を用いて形成することができる。そして、このゴム組成物の基材ゴムとしては、ポリブタジエンを用いることが好ましい。本発明では、後述するように、コア表面から中心までのコア断面硬度に特定の変化があり、コア断面の硬度分布を所望の範囲となるように調整するが望ましい。このためには、コア配合において、後述する各種添加剤の配合量、加硫温度及び加硫時間等を適宜調整することが必要である。
上記ゴム成分のポリブタジエンは、シス−1,4−結合を60%(質量%、以下同じ)以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上有するものであることが必要である。シス−1,4−結合が少なすぎると反発性が低下する。また、1,2−ビニル結合の含有量が2%以下、より好ましくは1.7%以下、更に好ましくは1.5%以下であることが好ましい。
上記ポリブタジエンは、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が、好ましくは30以上、より好ましくは35以上、更に好ましくは40以上、上限として好ましくは100以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは70以下、最も好ましくは60以下である。
なお、本発明でいうムーニー粘度とは、いずれも回転可塑度計の1種であるムーニー粘度計で測定される工業的な粘度の指標(JIS K6300)であり、単位記号としてML1+4(100℃)を用いる。また、Mはムーニー粘度、Lは大ロータ(L型)、1+4は予備加熱時間1分間、ロータの回転時間は4分間を示し、100℃の条件下にて測定したことを示す。
上記ポリブタジエンとしては、良好な反発性を有するゴム組成物の加硫成形物を得る観点から、希土類元素系触媒又はVIII族金属化合物触媒で合成されたものであることが好ましい。
上記の希土類元素系触媒としては、特に限定されるものではないが、ランタン系列希土類元素化合物を用いたものを好適に使用することができる。また、必要に応じて、ランタン系列希土類元素化合物に有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン含有化合物、及びルイス塩基を組み合わせて使用することができる。上記で例示した各種化合物は、特開平11−35633号公報、特開平11−164912号公報、特開2002−293996号公報に記載されているものを好適に採用することができる。
上記の希土類元素系触媒の中でも、特にランタン系列希土類元素化合物であるネオジム化合物を用いたネオジム系触媒を使用することが推奨され、この場合、1,4−シス結合が高含量、1,2−ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得ることができる。
上記ポリブタジエンとしては、分子量分布Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が、1.0以上、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.2以上、更に好ましくは2.4以上、最も好ましくは2.6以上であり、上限としては、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.5以下であり、Mw/Mnが小さすぎると作業性が低下し、大きすぎると反発性が低下する場合がある。
基材ゴムとして上記ポリブタジエンを用いるものであるが、この場合、ゴム全体に占めるポリブタジエンの割合は、特に制限はないが、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。また、基材ゴムの100質量%が上記ポリブタジエンであってもよい。
具体的には、シス−1,4−ポリブタジエンゴムとしては、日本合成ゴム社製(JSR社製)の高シスBR01、BR11、BR02、BR02L、BR02LL、BR730、BR51等を用いることができる。
なお、上記基材ゴムには、上記ポリブタジエン以外にも他のゴム成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。上記ポリブタジエン以外のゴム成分としては、上記ポリブタジエン以外のポリブタジエン、その他のジエンゴム、例えばスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。
上記のイソプレンゴムとしては、シス−1,4−結合を60%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上を含有し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が60以上、好ましくは70以上、より好ましくは80以上で、上限として90以下、好ましくは85以下のものを使用することができる。具体的には日本合成ゴム社製(JSR社製)のIR2200等を用いることができる。また、スチレンブタジエンゴムとして溶液重合スチレンブタジエンゴムや乳化重合スチレンブタジエンゴムを使用することができる。具体的には、溶液重合スチレンブタジエンゴムとして日本合成ゴム社製(JSR社製)の溶液重合SBR−SL552、SL555、SL563等、乳化重合スチレンブタジエンゴムとして日本合成ゴム社製(JSR社製)の乳化重合SBR1500、1502、1507、0202等を用いることができる。なお、一般的な市販の溶液重合スチレンブタジエンゴムのスチレン結合量は5〜50%、乳化重合スチレンブタジエンゴムのスチレン結合量は15〜50%である。ゴム全体に占めるポリブタジエン以外のゴム成分の割合は、好ましくは0質量%以上、より好ましくは2質量%以上、最も好ましくは5質量%以上である。また、60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、最も好ましくは10質量%以下である。
共架橋剤としては、本発明では、メタクリル酸を採用する。この場合、メタクリル酸の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、5質量部以上であることが好適であり、より好ましくは7質量部以上、更に好ましくは12質量部以上、最も好ましくは13質量部以上、上限として、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、最も好ましくは25質量部以下配合する。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感になる場合があり、配合量が少なすぎると、軟らかくなりすぎて耐え難い打感となってしまう場合がある。
架橋開始剤としては、有機過酸化物を使用することが好適であり、具体的には、パークミルD(日油(株)製)、パーヘキサC40(日油(株)製)、トリゴノックス29−40b(アクゾノーベル社製)等の市販品を好適に用いることができる。これらは1種を単独であるいは2種以上を併用してもよい。
架橋開始剤は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは1.2質量部以上、より好ましくは1.25質量部以上、更に好ましくは1.3質量部以上であり、上限として、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは3.5質量部以下配合する。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感となると共に、割れ耐久性も大きく低下する。逆に、配合量が少なすぎると、軟らかくなりすぎて耐え難い打感となると共に、大きく生産性が低下する場合がある。
金属酸化物としては、本発明では、酸化亜鉛を用いるものである。本発明の効果を損なわない限り、酸化亜鉛以外の金属酸化物を酸化亜鉛と共に使用することも可能である。金属酸化物の配合量については、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上、更に好ましくは12質量部以上、最も好ましくは13質量部以上であり、上限として、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、最も好ましくは25質量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると適正な質量、及び好適な硬さ及び反発性を得ることができない場合がある。
なお、上記ゴム組成物には不活性充填剤を配合することができる。不活性充填剤としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ等を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。不活性充填剤の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上とすることができる。また、配合量の上限は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下とすることができる。不活性充填剤の配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると適正な重量、及び好適な硬さ、反発性を得ることができない場合がある。
本発明においては、上記ゴム組成物に有機硫黄化合物を含有するものであり、具体的には、チオフェノール系、スルフィド系、アルキルメルカプタン、好ましくはペンタクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの金属塩等を挙げることができる。有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上であり、上限として、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。
また、本発明では、老化防止剤をゴム組成物に配合するものであり、例えば、ノクラックNS−6、同NS−30、同200(大内新興化学工業(株)製)等の市販品を採用することができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤の配合量については、特に制限はないが、基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.15質量部以上、上限として好ましくは1.0質量部以下、より好ましくは0.7質量部以下、更に好ましくは0.4質量部以下である。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると、適正なコア硬度傾斜が得られずに好適な反発性、耐久性及びフルショット時の低スピン効果を得ることができない場合がある。
上記ゴム組成物には脂肪酸金属塩を含有させることができ、これにより、架橋剤としてメタクリル酸を使用した従来のゴム組成物に比べてコア用ゴム組成物の加硫時間を短縮して生産性を向上させることができるものである。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸、パルミチン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、リグノセリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等のような高級脂肪酸の、亜鉛塩やマグネシウム塩等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
脂肪酸金属塩の配合量としては、基材ゴム100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.15質量部以上であり、更に好ましくは0.2質量部以上であり、上限値としては、5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは3質量部以下である。
なお、本発明では、資源リサイクルの点から、加硫ゴムの粉砕粉や研磨粉を基材ゴム100質量部に対して40質量部以下の少量の範囲で配合することができる。この場合、粉砕粉及び研磨粉等を基材ゴム100質量部に対して、0超、好ましくは2質量%以上、最も好ましくは5質量%以上、また、上限としては40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、最も好ましくは25質量%以下の少量の範囲で配合することができる。加硫ゴム粉砕粉や研磨粉は、ゴム、不飽和カルボン酸又はその金属塩を含む加硫物である。加硫ゴム粉砕粉や研磨粉の粒径は20μm以上、好ましくは25μm以上、最も好ましくは30μm以上、また、上限としては3000μm以下、より好ましくは2000μm以下、最も好ましくは1500μm以下を使用することが好ましい。加硫ゴム粉砕粉や研磨粉の添加によって、加硫物の生産性が改善されたり、割れ耐久性が向上したりする。但し、配合が多すぎると作業性、生産性が大きく低下することがある。
上記コアは、上記各成分を含有するゴム組成物を公知の方法で加硫硬化させることにより製造することができる。例えば、バンバリーミキサーやロール等の混練機を用いて混練し、コア用金型を用いて圧縮成形又は射出成形し、有機過酸化物や共架橋剤が作用するのに十分な温度として、約100〜200℃、10〜40分の条件にて成形体を適宜加熱することにより、該成形体を硬化させ、製造することができる。本発明のコア硬度分布は、加硫条件とゴム配合の調製とを組み合わせにより実現可能なものである。
コアの直径としては、特に制限はないが、38.0mm以上、好ましくは38.9mm以上、より好ましくは39.3mm以上であり、上限として、好ましくは42.1mm以下、より好ましくは41.1mm以下である。コアの直径がこの範囲を逸脱すると、ボールの割れ耐久性が著しく低下したり、ボールの初速が低くなったりする場合がある。
コアの比重については、1.05以上、好ましくは1.08以上、更に好ましくは1.1以上、上限として1.2以下、好ましくは1.15以下、更に好ましくは1.13以下であることが推奨される。
コアが荷重負荷された時のたわみ量、即ち、コアに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(CH)は、2.0mm以上、好ましくは2.3mm以上、より好ましくは2.4mm以上、上限として、好ましくは7.0mm以下、より好ましくは6.0mm以下、更に好ましくは5.0mm以下、最も好ましくは4.5mm以下である。コアのたわみ量(CH)が小さすぎると、打感が硬くなりすぎて使用に耐え難い打感となり、逆に大きすぎると軟らかくなりすぎて耐え難い打感となると共に、大きく生産性が低下する場合がある。
本発明では、図2のコアの模式図により説明されるように、コア表面のJIS−C硬度を(A)、コア表面から中心に向かって2mm内側の部位のJIS−C硬度を(B)、コア表面から中心に向かって5mm内側の部位のJIS−C硬度を(C)、コア表面から中心に向かって10mm内側の部位のJIS−C硬度を(D)、コア表面から中心に向かって15mm内側の部位のJIS−C硬度を(E)、及びコア中心のJIS−C硬度を(F)とするとき、特に制限されるものではないが、(A)〜(F)の各々が下記のように特定の範囲を有するものとすることが好ましい。このように、コアの内部における硬度分布を所定範囲に設定することにより、心地よい打感と、良好な割れ耐久性を得ることができる。
コア表面のJIS−C硬度を(A)とするとき、(A)の値は、75以上であることが好適であり、より好ましくは76以上、更に好ましくは77以上であり、上限としては、95以下であることが好適であり、より好ましくは93以下、更に好ましくは91以下である。
コア表面から中心に向かって2mm内側の部位のJIS−C硬度を(B)とするとき、(B)の値は、70以上であることが好適であり、より好ましくは73以上、更に好ましくは75以上であり、上限としては、90以下であることが好適であり、より好ましくは87以下、更に好ましくは85以下である。
コア表面から中心に向かって5mm内側の部位のJIS−C硬度を(C)とするとき、(C)の値は、68以上であることが好適であり、より好ましくは70以上、更に好ましくは72以上であり、上限としては、88以下であることが好適であり、より好ましくは86以下、更に好ましくは84以下である。
コア表面から中心に向かって10mm内側の部位のJIS−C硬度を(D)とするとき、(D)の値は、65以上であることが好適であり、より好ましくは66以上、更に好ましくは67以上であり、上限としては、80以下であることが好適であり、より好ましくは78以下、更に好ましくは76以下である。
コア表面から中心に向かって15mm内側の部位のJIS−C硬度を(E)とするとき、(E)の値は、58以上であることが好適であり、より好ましくは59以上、更に好ましくは60以上であり、上限として、73以下であることが好適であり、より好ましくは71以下、更に好ましくは69以下である。
コア中心のJIS−C硬度を(F)とするとき、(F)の値は、50以上であることが好適であり、より好ましくは51以上、更に好ましくは52以上であり、上限としては、65以下であることが好適であり、より好ましくは63以下、更に好ましくは61以下である。
更に、上記のコアの硬度分布においては、(A)>(B)≧(C)>(D)>(E)>(F)の硬度関係を満たし、且つ(A)−(F)の値が20以上であり、(A)から(F)のうち(A)が最も硬く形成されるものであり、(A)−(C)の値が3〜15であることが好適である。上記の諸条件を満たさなくなると、打感の低下や、割れ耐久性が低下することがある。
上記の(A)−(C)の値については、下限として、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、上限として、好ましくは15以下、より好ましくは13以下、更に好ましくは11以下である。上記の(A)−(F)の値については、下限として、好ましくは20以上、より好ましくは21以上、上限として、好ましくは50以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは35以下である。
本発明においては、上記コアはハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩を含む溶液にて表面処理を施すこともできる。
また、上記コアに対して、以下に示すハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩を含む溶液にて表面処理を施す前に、該コア表面に研磨処理を施すことにより、コア表面と隣接するカバー材との接着性を更に向上させることもできる。
この際、上記研磨処理は、加硫後のコア表面からスキン層を取り除き、ハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩溶液のコア表面への浸透性を上げると共に、隣接するカバー材との接触面積を増やすことができる。その具体的な方法としては、バフ研磨、バレル研磨、センタレス研磨等が挙げられる。
上記のハロゲン化イソシアヌル酸及びその金属塩は、下記式(I)で表される化合物である。
Figure 2014050696

(ここで、Xは、水素原子、ハロゲン原子又はアルカリ金属原子を表す。Xの少なくとも1個はハロゲン原子である。ハロゲン原子としては、F、Cl、Brが好ましく、特にClが好ましい。アルカリ金属原子としては、Li、Na、Kが好ましい。)
ハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩の具体例としては、クロロイソシアヌル酸、クロロイソシアヌル酸ナトリウム、クロロイソシアヌル酸カリウム、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム二水和物、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、トリクロロイソシアヌル酸、三臭化イソシアヌル酸、二臭化イソシアヌル酸、臭化イソシアヌル酸、二臭化イソシアヌル酸ナトリウム等の塩、及びこれらの水和物、ジフルオロイソシアヌル酸等が例示される。これらの中でも、好ましくはクロロイソシアヌル酸、クロロイソシアヌル酸ナトリウム、クロロイソシアヌル酸カリウム、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、トリクロロイソシアヌル酸である。これらは水分により容易に加水分解し、酸と塩素を生成し、ジエン系ゴム分子中の二重結合への付加反応の開始剤的な役割を果たすからである。特に、トリクロロイソシアヌル酸を用いると接着性改善効果が著しい。
上記ハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩は、水又は有機溶媒に溶解して溶液として用いることが好ましい。
溶媒として水を用いる場合、上記処理液におけるハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩の含有量は、特に制限されるものではないが、水100質量部に対して好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上とすることができる。ハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩の含有量が低すぎた場合、コア表面処理後に期待される接着性改善効果が得られず、打撃耐久性が劣る場合がある。また、その上限は飽和溶液濃度であるが、費用対効果を考慮すると、水100質量部に対して10質量部程度を上限とするのが好ましい。また、コアの上記処理液への浸漬時間は、特に制限されるものではないが、好ましくは0.3秒以上、より好ましくは3秒以上、更に好ましくは10秒以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは5分以内、より好ましくは4分以内である。短すぎると処理効果が得られない場合があり、長い場合は生産性が損なわれる場合がある。
一方、有機溶媒を用いる場合、公知のものを用いることができ、特に水に可溶な有機溶媒を好適に使用することができる。その具体例としては、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。中でもコア表面への浸透性の観点からアセトンが特に好ましい。水に可溶な溶媒は、溶媒中に水分を取り込み易く、取り込まれた水分がコア表面に付着したハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩と加水分解反応し易くなること、あるいは次工程に水洗浄を用いる場合、コア表面への親和性が向上すると共に、水とハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩との加水分解反応が生起し易くなる等の理由で好ましく用いられる。
有機溶媒に溶解した場合、溶液中のハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩の含有量は、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2.5質量%以上であり、0.3質量%未満では、コア表面処理後に期待される接着性改善効果が得られず、打撃耐久性が劣る場合がある。上限としては飽和溶液濃度までが可能である。但し、費用対効果を考慮すると、例えばアセトン溶液とした場合には、10質量%程度を上限とするのが好ましい。また、コアの上記溶液への浸漬時間は、好ましくは0.3秒以上、より好ましくは3秒以上、更に好ましくは10秒以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは5分以内、より好ましくは4分以内である。短すぎると処理効果が得られない場合があり、長い場合は生産性が損なわれる場合がある。
ハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩によるコア表面の処理方法としては、ハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩溶液をコア表面に刷毛塗りや吹き付け等により塗布する方法、もしくはコアをハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩溶液へ浸漬する方法などが挙げられるが、生産性、コア表面への溶液の高浸透性という観点から、特に浸漬法が好適に用いられる。
上記コアは、ハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩を含む溶液にて表面処理が施された後にコア表面を水洗浄することが好ましい。コア表面の水洗浄は、流水や吹き付け、洗浄層を用いた漬け置きなどの方法により行うことができるが、単に洗浄するだけではなく、所望の処理反応を開始・促進する目的もあるため、余り急激な洗浄方法は適さない。よって、洗浄漕を設けた漬け置き洗いが好適に用いられる。この場合、新鮮な水を入れた洗浄漕に1〜5回くらい入れることが好ましい。
コア表面をハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩により処理することによってカバーとの接着性が大きく向上する。その理由は明確ではないが、次のようなことが考えられる。
まず、ハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩は溶媒と共にコアを形成するジエン系ゴム内部へと浸み込み、主鎖の二重結合の周りへと近づく。その後、コア表面に水が入り込み、ハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩は水により加水分解されてハロゲンを放出する。そして、ハロゲンは近くにあるジエン系ゴム主鎖の二重結合を攻撃し、付加反応が進んでいく。その付加反応の過程で、遊離したイソシアヌル酸が環構造を保ったままジエン系ゴム主鎖にハロゲンと共に付加していく。なお、付加したイソシアヌル酸は分子内に−NHCO−の構造を3つ持つものである。
従って、ハロゲン化イソシアヌル酸及び/又はその金属塩で処理されたコア表面は−NHCO−の構造が付与されるためカバー材との接着性がより向上し、そのためゴルフボールとしての打撃耐久性が改良されると考えられる。更に、カバー材としてそのポリマー分子中に同じ−NHCO−の構造を有するポリウレタンエラストマーやポリアミドエラストマーを用いるとより一層親和性が増すので打撃耐久性が高くなると考えられる。
また、表面処理後のソリッドコアの表面部分の材料は、示差走査熱量測定(DSC)により、室温から300℃までに発熱及び吸熱のいずれのピークも確認されない。これは、この温度範囲において、導入された官能基が安定した状態で維持されることを意味する。つまり、導入された官能基がカバー材の成形過程において、熱による分解などを起こさず、効力を持続すること、また、ホットメルト系樹脂のような溶融を起こさず、パーティングラインへの滲みだし等、耐久性や外観品質へ悪影響を及ぼすような心配がないことを意味している。なお、上記の通り表面処理後のソリッドコアの表面部分の材料が安定であることは、300℃以上の融点を持つイソシアヌル酸がその分子構造を維持した状態で付加したことを示す裏づけの一つであるともいえる。
なお、有機溶媒を用い、ジエン系ゴム表面へのイソシアヌル酸及び塩素の付加が起こった場合、付加前後の結合の状態変化は赤外吸収スペクトルにおいて、1725〜1705cm-1におけるC=O結合(伸縮)の吸収ピーク、3450〜3300cm-1におけるN−H結合(伸縮)のブロードな吸収ピーク、800〜600cm-1におけるC−Cl結合の吸収ピークの増加に現れる。そのため、表面処理を施したコアについて赤外吸収スペクトルを計測し、これらの吸収ピークの増加を確認することにより、コア表面におけるジエン系ゴム分子内へのイソシアヌル酸及び塩素の付加が生じたことを定性的に裏づけることができる。
次に、上記コアに直接被覆されるカバーの材料について下記に説明する。
本発明のカバー樹脂材料については、破断強度が20〜80MPa、伸度が150〜600%ならば、特に材料を限定されないが、好ましくはアイオノマー樹脂やポリウレタン等の熱可塑性樹脂を使用することができる。特には、ポリウレタンを主材とする樹脂材料が採用されることが好適である。具体的には、熱可塑性ポリウレタンエラストマーや熱硬化性ポリウレタン樹脂を使用することができ、特には、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを採用することが好適である。
カバー樹脂材料の破断強度については、20MPa以上、好ましくは25MPa以上、より好ましくは30MPa以上、最も好ましくは35MPa以上であり、上限としては、80MPa以下、好ましくは75MPa以下、より好ましくは70MPa以下、最も好ましくは65MPa以下である。カバー樹脂材料の伸度については、150%以上、好ましくは200%以上、より好ましくは250%以上であり、上限としては、600%以下、好ましくは550%以下、より好ましくは520%以下、最も好ましくは490%以下である。なお、上記の破断強度、伸度(引張り試験)の測定方法については、JIS K 7311−1995の規格に準拠して行われる。このようにカバー樹脂材料の破断強度及び伸度を所定範囲になるものを採用することにより、長期間使用されるボールとして求められる割れ耐久性、欠け耐久性、磨耗耐久性を改善することができる。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーの構造は、高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、ハードセグメントを構成する鎖延長剤及びジイソシアネートからなる。ここで、原料となる高分子ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、ポリエステル系とポリエーテル系があり、反発弾性率が高く、低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタン材料を合成できる点で、ポリエーテル系の方がポリエステル系に比べて好ましい。ポリエーテルポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられるが、反発弾性率と低温特性の点でポリテトラメチレングリコールが特に好ましい。また、高分子ポリオールの平均分子量は1000〜5000であることが好ましく、特に反発弾性の高い熱可塑性ポリウレタン材料を合成するためには2000〜4000であることが好ましい。
鎖延長剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら鎖延長剤の平均分子量は20〜15000であることが好ましい。
ジイソシアネートとしては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。但し、イソシアネート種によっては射出成形中の架橋反応をコントロールすることが困難なものがある。本発明では、芳香族ジイソシアネートである4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最も好ましい。
上述した材料からなる熱可塑性ポリウレタン材料としては、市販品を好適に用いることができ、例えばディーアイシーバイエルポリマー(株)製:パンデックスT8180、T8195、T8290、T8295、T8260や、大日精化工業(株)製レザミン2593、2597などが挙げられる。
カバーの厚さについては、0.3mm以上であることが好適であり、より好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.7mm以上であり、上限としては、好ましくは1.9mm以下、より好ましくは1.8mm以下、更に好ましくは1.7mm以下である。カバーの厚さが上記範囲よりも多くなると、反発性が低下し、飛び性能が悪くなるおそれがある。カバーの厚さが上記範囲よりも小さくなると、割れ耐久性が低下してしまう。特に、トップした時にカバーが裂けてしまうことがある。
カバーの比重については、好ましくは1.13以上、より好ましくは1.14以上、更に好ましくは1.15以上であり、上限として、好ましくは1.30以下、より好ましくは1.20以下、更に好ましくは1.17以下である。
カバーの材料硬度については、ショアD硬度で30以上、好ましくは35以上、より好ましくは38以上であり、上限としては、好ましくは57以下、より好ましくは55以下、更に好ましくは53以下、特に好ましくは51以下である。カバーのショアD硬度が上記範囲よりも硬くなると、長期使用時の外観性能(マーク耐久性)が低下し、更に飛び性能の低下も大きくなることがある。カバーのショアD硬度が、上記範囲よりも軟らかくなると、割れ耐久性が大きく低下してしまい、特にトップした時にカバーが裂けてしまうことがある。また、スピンが非常に多くなってしまい、飛距離低下を招くことがある。
本発明のゴルフボールには、通常その表面に多数のディンプルが設けられる。この場合、特に制限されるものではないが、ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル空間体積の合計が、ボール表面にディンプルが存在しないと仮定した仮想球の体積に占める比率(VR)が0.8〜1.7であることが好ましく、より好ましい下限値は0.83、更に好ましくは0.85、最も好ましくは0.86であり、より好ましい上限値は1.5、更に好ましくは1.3、最も好ましくは1.2である。
また、特に制限されるものではないが、本発明のゴルフボールに形成されるディンプルは、下記要件(1)及び(2)を満足するものとすることが好ましい。なお、下記要件(1)及び(2)は同時に満足することが好ましいが、勿論それぞれ単独に満足されることも好ましいものである。
まず、要件(1)として、図3に示したように、周縁部に曲率半径(R)0.5〜2.5mmの丸みが設けられたディンプルを有することが好ましい。上記曲率半径(R)のより好ましい下限値は0.6mm、更に好ましくは0.7mmであり、より好ましい上限値は1.8mm、更に好ましくは1.5mmである。
次に要件(2)として、直径(D)に対する上記曲率半径(R)の比率(R/D比率)が20%以上となるディンプルの合計個数(RA)のディンプル総数(N)に対する比率(ER)が15〜95%であることが好ましい。この場合、上記R/D比率は、(R/D)×100%で表され、この比率が大きいほどディンプルの大きさに対して丸み部分の占める割合が大きく、より滑らかな断面形状を有するディンプルであることを意味するものである。そして、上記ERはこの滑らかなディンプルが全ディンプルに占める割合を表すものであり、上記のように15〜95%とすることによってディンプルのエッジ部分における塗装膜の損傷を効果的に抑制することができるものである。なお、上記R/D比率の上限値に特に制限はないが、好ましくは60%以下、より好ましくは40%以下である。また、上記ERのより好ましい下限値は20%、更に好ましくは25%であり、より好ましい上限値は90%、更に好ましくは85%、最も好ましくは70%である。
また、特に制限されるものではないが、下記要件(3)を満足することが好ましい。即ち、要件(3)として、直径(D)の異なる複数種のディンプルを有する場合に、自己の直径(D)よりも大きい直径(D)のディンプルの曲率半径(R)が自己の曲率半径(R)以下になるディンプルと、最大の直径(D)を有する最大径ディンプルとの合計個数(DE)のディンプル総数(N)に対する割合(DER)が80%以上となるようにディンプルを形成することが好ましい。
通常は、ディンプルの深さ(図3参照)が一定であれば、直径が小さくなるほど周縁部に設けられる丸みの曲率半径(R)は小さくなるが、上記要件(3)は、深さを調節するなどの手段によって直径が小さいディンプルでも周縁の丸みのRをできるだけ大きく設定して、滑らかな断面形状のディンプルとし、上記DERを80%以上とすることにより、このような滑らかなディンプルの割合を多くして、塗装膜の損傷をより効果的に抑制するものである。なお、このDERのより好ましい値は85%以上、更に好ましくは90%以上、最も好ましくは93%以上である。なお、DERの上限値は100%である。
更に、本発明のディンプルは、制限されるものではないが、下記要件(4)〜(6)を満足するものであることが好ましい。なお、下記要件(4)〜(6)は全て同時に満足することが好ましいが、勿論それぞれ単独に満足されることも好ましいものである。
まず、要件(4)として、直径(D)の異なるディンプルを3種類以上設けることが好ましく、より好ましくは5種類以上のディンプルを形成することが好ましい。この場合、ディンプルの直径(D)は、特に制限されるものではないが、1.5〜7mmとすることが好ましく、より好ましい下限値は1.8mm、より好ましい上限値は6.5mmである。また、ディンプルの深さも特に制限されるものではないが、0.05〜0.35mmとすることが好ましく、より好ましい下限値は0.1mmであり、より好ましい上限値は0.3mm、更に好ましくは0.25mmである。
また、要件(5)として、ディンプルの総数(N)を380個以下とすることが好ましく、より好ましくは350個以下、より具体的には220〜340個とすることが好ましい。
更に、要件(6)として、ディンプルの縁に囲まれた平面(図3中の一点鎖線)で定義されるディンプル面積の合計が、ボール表面にディンプルが存在しないと仮定した仮想球(図3中の破線)の表面積に占める比率である表面占有率(SR)が60〜74%となるように、ディンプルを形成することが好ましい。SRが74%を超えると、隣接するディンプル間の間隔が狭くなりすぎて上記要件(1)の曲率半径の丸みをディンプル周縁部に設けることが困難になる場合があり、一方、SRが60%未満であると、空力性能が低下して飛距離が低下する場合がある。なお、より好ましいSRの下限値は65%、更に好ましくは68%であり、より好ましい上限値は73%である。
一般的に、ワンピースゴルフボールは、ゴムが若干黄色の色となっているため、1層目に白エナメル塗料を塗布し、その後、クリア塗装を塗布している。本発明のボール表面には、外観を確保する観点からも、クリア塗装を塗布することが好ましい。クリア塗装の膜厚は、ディンプル土手部(Y)が10μm以上、好ましくは12μm以上、最も好ましくは13μm以上、上限としては30μm以下、好ましくは25μm以下、最も好ましくは20μm以下、ディンプルエッジ部(Z)が8μm以上、好ましくは10μm以上、最も好ましくは11μm以上、上限としては28μm以下、好ましくは23μm以下、最も好ましくは18μm以下である。また、土手部(Y)とエッジ部(Z)の比、Z/Y×100が60%以上、好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上、上限としては100%以下、好ましくは95%以下である。上記範囲を逸脱すると、長期使用における、ディンプルエッジ部のマーク耐久性の低下が顕著になってくることがある。
ボールの直径は、42mm以上、好ましくは42.3mm以上、より好ましくは42.67mm以上であり、上限としては、44mm以下、好ましくは43.8mm以下、より好ましくは43.5mm以下、更に好ましくは43mm以下である。
ボールの重さは、44.5g以上であることが好適であり、より好ましくは44.7g以上、更に好ましくは45.1g以上、最も好ましくは45.2g以上であり、上限としては、好ましくは47.0g以下、より好ましくは46.5g以下、更に好ましくは46.0g以下である。
ボールの初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのたわみ量(BH)が、好ましくは2.0mm以上、より好ましくは2.3mm以上、更に好ましくは2.4mm以上であり、上限として、好ましくは7.0mm以下、より好ましくは6.0mm以下、更に好ましくは5.0mm以下、最も好ましくは4.5mm以下である。また、コア及びボールにおける初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したとき、それぞれのたわみ量を(CH)及び(BH)とするとき、(CH)/(BH)の値が0.95以上、好ましくは0.96以上、より好ましくは0.97以上であり、下限値として、1.1以下、好ましくは1.08以下、より好ましくは1.07以下である。(CH)/(BH)の値が大きすぎる場合、コア硬度(たわみ量)に対して、製品硬度(たわみ量)が非常に硬くなる。即ち、カバー硬度が硬くなるため、打感の低下や、長期使用における外観低下につながる場合がある。逆に、小さすぎる場合、カバーが非常に軟らかくなるため、割れ耐久性が大きく低下してしまい、特にトップした時にカバーが割けてしまうことがある。また、スピンが非常に多くなってしまい、飛距離低下を招くことがある。
また、本発明では、ボール製品の初速度(BV)の下限としては、74.3m/s以上であり、好ましくは74.5m/s以上、より好ましくは75m/s以上であり、上限としては、好ましくは77.62m/s以下である。ボール製品の初速度(BV)が上記の下限値を下回ると、飛距離が低下してしまう場合がある。また、ボール製品の初速度(BV)が上記の上限値を上回ると、R&Aルールを侵害してしまうことになる。
また、本発明では、長期間に亘る耐久性を確保する点から、ボールを最初に測定した時の、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのボールのたわみ量をBH1(mm)、及び該ボール製品の初速度をBV1(m/s)とすると共に、ボールを最初に測定してから350日放置した後、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのボールのたわみ量をBH2(mm)、及び該ボール製品の初速度をBV2(m/s)とするとき、BH2−BH1の差が0.2mm以内であることが好適であり、より好ましくは0.15mm以内、更に好ましくは0.1mm以内である。また、BV2−BV1の値は0.3m/s以内であることが好適であり、より好ましくは0.2m/s以内、更に好ましくは0.1m/s以内である。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〜4、比較例1〜11〕
実施例及び比較例におけるゴルフボールを作成するに際し、下記表1に示す配合のゴム材料を用意する。このゴム組成物をニーダー又はロールにて適宜混練した後、表1中の温度及び時間の条件により加硫し、各例のソリッドコアを作成する。なお、下記表中の各材料の数字は質量部で表される。
Figure 2014050696
上記表中のコア配合の材料は下記の内容である。
(1)BR01:JSR製のNi触媒ブタジエンゴム、ムーニー粘度ML「46」
(2)IR2200:JSR製のイソプレンゴム、ムーニー粘度ML「82」
(3)BR730:JSR製のNd触媒ブタジエンゴム、ムーニー粘度ML「55」
(4)パーヘキサC−40:日本油脂製の有機過酸化物
(5)パークミルD:日本油脂製の有機過酸化物
(6)酸化亜鉛:堺化学工業社製
(7)老化防止剤:大内新興化学工業社製の「ノクラックNS−6」
(8)メタクリル酸:クラレ製
(9)メタクリル酸亜鉛:浅田化学工業社製
(10)アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業社製
(11)酸化チタン:石原産業社製
上記表1の配合成分に従ってゴム組成物を加硫成形してコアを得た後、コア表面を研磨し、所望の外径とし、次いで、コア表面を、トリクロロイソシアヌル酸のアセトン溶液(濃度3質量%)に30秒間の条件で浸漬後、水で洗浄することによりコア表面処理を実施する。次に、このコアをカバー射出成形用金型にセットし、ソリッドコアの周囲に下記表2に示すカバー組成物の射出成形を行う。
Figure 2014050696
上記表中の説明は下記の通りである。
商品名「ハイミラン」:三井・デュポンポリケミカル社製、アイオノマー樹脂
商品名「パンデックス」:DICバイエルポリマー社製、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
商品名「サーリン」:デュポン社製、アイオノマー樹脂
ステアリン酸マグネシウム:日油社製
二酸化チタン:商品名「タイペークR550」、石原産業社製
ポリエチレンワックス:商品名「サンワックス161P」、三洋化成工業社製
なお、カバー表面には所定のディンプルパターンが形成されるように、金型キャビテイには、上記ディンプルパターンに相応した多数の凸状突起が形成されており、これにより、カバーの射出成形と同時にディンプルも型付けられる。ディンプルの詳細は下記表3に示した。また、ボール表面に図5に示したマークを印刷し、更に、ボールを塗装コーティングするために、主剤:ポリエステル樹脂(酸価6、OH価168)(固形分)/酢酸ブチル/PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)が70/15/15質量部とした、主剤100質量部に対して、硬化剤:無黄変ポリイソシアネートとしてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体(武田薬品工業(株)製、タケネートD−160N、NCO含有量8.5質量%、固形分50質量%)が150質量部、酢酸ブチル150質量部、からなる、クリア塗装を実施する。なお、比較例11については、クリア塗装の下塗りとして1層目に白エナメル塗料の塗装を実施する。
Figure 2014050696
表3中の各項目の詳細は下記の通りである。
R: 周縁部に設けられた丸みの曲率半径
R/D比率: 直径(D)に対する曲率半径(R)の比率
N: ディンプル総数
RA: (R/D比率)が20%以上となるディンプルの合計個数
ER: (RA)のディンプル総数(N)に対する比率
DE: 自己の直径(D)よりも大きい直径(D)のディンプルの曲率半径(R)が自己の曲率半径(R)以下になるディンプルと、最大の直径(D)を有する最大径ディンプルとの合計個数
DER: (DE)のディンプル総数(N)に対する比率
SR: ディンプルの縁に囲まれた平面で定義されるディンプル面積の合計が、ボール表面にディンプルが存在しないと仮定した仮想球の表面積に占める比率である表面占有率
VR: ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル空間体積の合計が、ボール表面にディンプルが存在しないと仮定した仮想球の体積に占める比率
このようにして得られた実施例及び比較例のコア、カバーの物性並びにゴルフボールの物性、飛距離、耐久性及び打感を下記の基準に従って評価する。その結果を表4,5に記す。
コア及びボール製品のたわみ量(mm)
対象球体物であるコア及びボール製品について、インストロン・コーポレーション製「4204型」を用いて、10mm/minの速度で圧縮し、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(mm)を測定する。
コアの断面硬度
コアをファインカッターにてカットし、図2の(B)〜(F)部分をJIS−C(JIS K6301−1975規格)に準じて、23±1℃に温調後、硬度測定を実施する(N=5の各2箇所)。
コアの表面硬度
コア表面をJIS−C(JIS K6301−1975規格)に準じて、23±1℃に温調後、硬度測定を実施する(N=5の各2箇所)。
コア及びボール製品の反発性(初速度)
初速は、R&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定する。サンプルとしてのコア及びボールは23±1℃の温度で3時間以上温度調節し、室温23±2℃の部屋でテストされた。10個のサンプルを各々2回打撃して、6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算する。
カバー材料硬度
カバーシートを作製し、ショアD(ASTM D−2240)に準じて、23±1℃に温調後の硬度を測定する。
破断強度、伸度(引張り試験)
樹脂材料、ゴム材料を、厚さ2mmのシート状に成形し、23±1℃の環境下で2週間保存した。この試料をJIS K 7311−1995に準拠したダンベル状試験片に加工し、23±2℃の環境下で、JIS K 7311−1995に準拠し、試験速度:5mm/sで測定し、測定個数5個の試料の平均値を求める。
膜厚計測
土手部(Y):ディンプル間の中間位置の土手部分のクリア塗装の厚さを計測する。
エッジ部分(Z):ディンプルエッジ部分のクリア塗装の厚さを計測する。
ボール2個を各々3箇所ずつ計測し、その平均値を計算する。
飛距離
ドライバー(W#1)として、ブリヂストンスポーツ社製TourStage X-DRIVE 701(ロフト角:9°)を打撃ロボットに取り付け、ヘッドスピード(HS)45m/sにて、ボールを打撃した直後のボールのスピン量及びトータル飛距離を測定する。
また、下記の磨耗試験実施後のボールのトータル飛距離を測定する。
割れ耐久性
米国Automated Design Corporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ゴルフボールの割れ耐久性を評価した。この試験機は、ゴルフボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させる機能を有する。金属板への入射速度は43m/sとした。ゴルフボールが割れるまでに要した発射回数を測定し、測定個数5個のゴルフボールの平均値を求めた。
磨耗試験
内容量8リットルの磁性のボールミルにゴルフボールを10個とバンカー用の砂3リットルを入れ、144時間ミキシングし、砂磨耗による、マークの欠け具合、表面の傷付き度合い、光沢減少の度合い、及び砂の付着の度合いを目視により調べる。ボール外観を良(○)、普通(△)、及び悪(×)の基準で評価する。
打感
ティーチングプロ10名がドライバー(W#1)で対象ボールを打撃し、そのときの打感を良好(○)、やや硬い(△)及び硬すぎる(×)の基準で評価する。
Figure 2014050696
Figure 2014050696
なお、比較例11のゴム材の破断強度は15MPa、伸度は88%である。
比較例1のゴルフボールでは、硬度分布が適正化されず、スピンが多い。その結果として、飛距離が低下してしまう。
比較例2のゴルフボールでは、硬度分布が適正化されず、スピンが多い。その結果として、飛距離が低下してしまう。
比較例3のゴルフボールでは、硬度分布が適正化されず、カバーが厚すぎ、スピンが多く、その結果として、飛距離が低下してしまう。また、ディンプルエッジのRが小さいため、磨耗耐久性が悪く、飛び性能の低下が大きい。
比較例4のゴルフボールでは、硬度分布が適正化されず、スピンが多いため、その結果として、飛距離が低下してしまう。またカバーが薄すぎ、その結果として、割れ耐久性が悪い。
比較例5のゴルフボールでは、コア配合に共架橋剤としてメタクリル酸亜鉛を使用しており、その結果として、ボール製品のたわみ量、反発性(初速度)の経時変化が大きく、割れ耐久性が悪い。
比較例6のゴルフボールでは、コア配合に共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を使用しており、その結果として、ボール製品のたわみ量、反発性の経時変化が大きく、割れ耐久性が悪い。
比較例7のゴルフボールでは、コア配合に共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を使用しており、また、カバーの破断強度、伸度が小さく、その結果として、ボール製品のたわみ量及び反発性の経時変化が大きく、割れ耐久性が悪い。また、カバーが硬く、ドライバーの打感が悪い。
比較例8のゴルフボールでは、コア配合に共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を使用しており、その結果として、ボール製品のたわみ量及び反発性の経時変化が大きく、割れ耐久性が悪い。また、ディンプルエッジのRが小さく、その結果として、ボール製品の磨耗耐久性が悪く、飛び性能の低下が大きい。
比較例9のゴルフボールでは、硬度分布が適正化されず、スピンが多い。その結果として、飛距離が低下してしまう。またカバーの破断強度、伸度が小さく、その結果として、ボール製品の磨耗耐久性が悪く、飛び性能の低下が大きい。また、カバーが硬く、ドライバーの打感が悪い。
比較例10のゴルフボールでは、硬度分布が適正化されず、スピンが多い。その結果として、飛距離が低下してしまう。またカバーの破断強度、伸度が小さく、その結果として、ボール製品の磨耗耐久性が悪く、飛び性能の低下が大きい。
比較例11のゴルフボールでは、ワンピース構造で表面ゴム材の破断強度、伸度が小さく、その結果として、ボール製品の割れ耐久性及び磨耗耐久性が悪く、飛び性能の低下が大きい。
1 コア
2 カバー
D ディンプル
G ツーピースソリッドゴルフボール

Claims (7)

  1. コアとカバーとからなり、該コアが、基材ゴム、共架橋剤、架橋開始剤及び金属酸化物を含有するゴム組成物にて形成されるゴルフボールであって、上記共架橋剤がメタクリル酸であり、上記金属酸化物が酸化亜鉛であり、上記ゴム組成物には有機硫黄化合物が含まれると共に、上記架橋開始剤の配合量が上記基材ゴム100質量部に対し、1.2〜5質量部であり、ボール製品の初速度が74.3m/s以上であることを特徴とするゴルフボール。
  2. 有機硫黄化合物の配合量が基材ゴム100質量部に対し、0.01〜3質量部である請求項1記載のゴルフボール。
  3. 上記ゴム組成物には脂肪酸金属塩が含まれる請求項1又は2記載のゴルフボール。
  4. 脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛である請求項3記載のゴルフボール。
  5. 脂肪酸金属塩の配合量が基材ゴム100質量部に対し、0.1〜5質量部である請求項3記載のゴルフボール。
  6. カバーの樹脂材料の破断強度が20〜80MPa、伸度が150〜600%である請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
  7. コアに初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したとき、該コアのたわみ量(CH)が2.0〜7.0mmである請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール。
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