JP2014049336A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料循環路を循環する液体の量を安定に保つことができる、燃料電池システムを提供する。
【解決手段】循環室42内の液量が所定の切替液量以上であるときには、循環室42が燃料供給管54と連通されて、循環室42に貯留されている液体が燃料供給管54を通して燃料電池11に供給される。循環室42内の液量が切替液量未満になると、循環室42と燃料供給管54とが遮断され、リザーバ室43と燃料供給管54とが連通される。これにより、リザーバ室43に貯留されている液体が燃料供給管54を通して燃料電池11に供給される。リザーバ室43内の液量が所定の下限液量未満に低下するか、または、リザーバ室43と燃料供給管54とが連通されてから所定の第1時間が経過すると、循環室42と燃料供給管54とが再び連通される。
【選択図】図1
【解決手段】循環室42内の液量が所定の切替液量以上であるときには、循環室42が燃料供給管54と連通されて、循環室42に貯留されている液体が燃料供給管54を通して燃料電池11に供給される。循環室42内の液量が切替液量未満になると、循環室42と燃料供給管54とが遮断され、リザーバ室43と燃料供給管54とが連通される。これにより、リザーバ室43に貯留されている液体が燃料供給管54を通して燃料電池11に供給される。リザーバ室43内の液量が所定の下限液量未満に低下するか、または、リザーバ室43と燃料供給管54とが連通されてから所定の第1時間が経過すると、循環室42と燃料供給管54とが再び連通される。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池を含む燃料電池システムに関する。
燃料電池システムとして、ヒドラジンなどの液体燃料を燃料電池に供給するものが知られている。
燃料電池は、たとえば、固体高分子膜の両側にアノード(燃料極)およびカソード(酸素極)を貼り合わせて一体化した膜/電極接合体を備えている。アノードには、燃料循環路が接続されている。すなわち、燃料循環路の一端がアノードの燃料供給口に接続され、その他端がアノードの燃料排出口に接続されている。アノードには、燃料循環路から液体燃料が供給され、アノードを通過した液体燃料は、燃料循環路に排出される。一方、カソードには、空気が供給される。
アノードでは、窒素ガス(N2)、水(H2O)および電子(e−)が生成される。電子は、外部回路(図示せず)を介して、カソードに移動する。窒素ガスおよび水は、未反応の液体燃料とともに、燃料循環路に排出される。一方、カソードでは、アニオン(OH−)が生成される。アニオンは、固体高分子膜を透過して、アノードに移動する。その結果、アノードとカソードとの間に、発電反応(電気化学反応)による起電力が発生する。
発電反応に伴い、液体燃料が消費されるとともに、アノードで生成された水が燃料循環路に排出されるので、燃料循環路を循環する液体中の液体燃料の濃度が低下する。燃料循環路を循環する液体中の液体燃料の濃度が低下すると、燃料タンクに貯留されている液体燃料が燃料循環路に補給されて、その濃度が発電反応に適した濃度に調整される。
アノードで生成された水が燃料循環路に排出されることにより、燃料循環路を循環する液体の量が増加する。一方、液体燃料が水とともにアノードから固体高分子膜を透過してカソードに移動する、いわゆるクロスリーク(クロスオーバ)の発生により、燃料循環路を循環する液体の量が減少する。そのため、燃料循環路を循環する液体の量に増減が生じる。
燃料循環路を循環する液体中の液体燃料の濃度を発電反応に適した濃度に調整するために燃料循環路に補給すべき液体燃料の量は、燃料循環路を循環している液体の量に依存する。そのため、燃料循環路を循環する液体の量が増減すると、これに応じて、燃料循環路に補給すべき液体燃料の量を増減させなければならず、燃料循環路を循環する液体中の液体燃料の濃度の調整が困難となる。
本発明の目的は、燃料循環路を循環する液体の量を安定に保つことができる、燃料電池システムを提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、互いに上部が連通し、液体燃料を含む液体が貯留される循環室およびリザーバ室を内部に有する循環燃料タンクと、前記燃料電池に供給される液体が流通する液体供給路と、前記循環室および前記リザーバ室を前記液体供給路と選択的に連通させるための切替手段と、前記燃料電池から排出される液体を前記循環室に戻すための液体帰還路と、前記循環室内の液量を検出する循環室液量検出手段と、前記リザーバ室内の液量を検出するリザーバ室液量検出手段と、前記切替手段を制御して、前記循環室液量検出手段によって検出される液量が所定の切替液量以上であるときには、前記循環室と前記液体供給路とを連通させ、前記循環室液量検出手段によって検出される液量が前記切替液量未満であるときには、前記リザーバ室と前記液体供給路とを連通させる第1切替制御手段と、前記リザーバ室と前記液体供給路とが連通された後、前記リザーバ室液量検出手段によって検出される液量が所定の下限液量未満に低下するか、または、その連通後の経過時間が所定の第1時間を超えたことに応答して、前記切替手段を制御して、前記循環室と前記液体供給路とを連通させる第2切替制御手段とを含む。
この構成によれば、循環燃料タンクには、液体燃料を含む液体が貯留されている。循環燃料タンク内には、循環室およびリザーバ室が設けられている。循環室およびリザーバ室は、それらの上部で互いに連通している。
循環室に貯留されている液体の量が所定の切替液量以上であるときには、循環室が液体供給路と連通されて、循環室に貯留されている液体が液体供給路に送出され、その液体供給路に送出された液体が燃料電池に供給される。そして、液体は、燃料電池から排出され、液体帰還路を通して循環室に戻される。すなわち、循環室内の液量が切替液量以上であるときには、循環室から送出される液体が燃料電池を経由して循環室に戻される。
循環室に液体が満杯に溜まると、それ以上に循環室に戻される液体は、循環室からリザーバ室にオーバフローし、リザーバ室に溜められる。これにより、循環室、液体供給路、燃料電池および液体帰還路を循環する液体の量は、循環室に切替液量以上で満杯量以下の液体が貯留される範囲内に保たれる。
燃料電池での発電が続けられる間に、燃料電池における液体のクロスリークなどが原因で、循環室、液体供給路、燃料電池および液体帰還路を循環する液体の量が減少し、循環室内の液量が切替液量未満になると、循環室と液体供給路とが遮断され、リザーバ室と液体供給路とが連通される。これにより、リザーバ室に貯留されている液体が液体供給路に送出され、その液体供給路に送出された液体が燃料電池に供給される。そして、燃料電池から排出される液体は、液体帰還路を通して循環室に戻される。すなわち、循環室内の液量が切替液量未満であるときには、リザーバ室から送出される液体が燃料電池を経由して循環室に戻される。そのため、循環室内の液量が増加し、リザーバ室内の液量が減少する。
リザーバ室内の液量が所定の下限液量未満に低下すると、リザーバ室と液体供給路とが遮断され、循環室と液体供給路とが連通される。また、リザーバ室内の液量が下限液量未満に低下する前に、リザーバ室と液体供給路とが連通されてから所定の第1時間が経過すると、リザーバ室と液体供給路とが遮断され、循環室と液体供給路とが連通される。循環室と液体供給路とが再び連通されるまでに、通常は、リザーバ室から液体供給路に十分な量の液体が送出され、循環室には、切替液量以上で満杯量以下の液体が貯留される。そのため、循環室、液体供給路、燃料電池および液体帰還路を循環する液体の量は、循環室に切替液量以上で満杯量以下の液体が貯留される範囲内に再び保たれる。
よって、循環室、液体供給路、燃料電池および液体帰還路からなる燃料循環路を循環する液体の量を安定に保つことができる。
燃料電池システムには、燃料電池を冷却するための冷却水が循環する冷却水循環路と、冷却水による冷却能力の不足/充足を判断する冷却能力判断手段と、冷却能力判断手段によって冷却能力不足と判断されているときに、切替手段を制御して、前記リザーバ室と液体供給路とを連通させる冷却切替制御手段とがさらに含まれていることが好ましい。
燃料電池は、冷却水循環路を循環する冷却水によって冷却される。この冷却水による燃料電池の冷却時に、その冷却能力の不足/充足が判断される。冷却水による冷却能力不足と判断されると、リザーバ室と液体供給路とが連通され、リザーバ室から液体供給路を通して燃料電池に液体が供給される。
燃料循環路を循環する循環室内の液体燃料は、燃料電池における発電反応に伴って発生する熱などによって昇温する。そのため、リザーバ室に貯留されている液体は、循環室に貯留されている液体よりも低温である。冷却水による冷却能力不足と判断された場合に、リザーバ室から液体供給路を通して燃料電池に低温の液体が供給されることにより、燃料電池の冷却効果を得ることができる。その結果、燃料電池システム全体が有する冷却能力を底上げすることができる。
燃料電池システムには、循環室と液体供給路との連通状態が継続している時間を計測する計時手段と、計時手段によって計測される時間が所定の第2時間を超えたことに応答して、切替手段を制御して、リザーバ室と液体供給路とを連通させる定期切替制御手段とがさらに含まれていることが好ましい。
循環室から燃料電池に液体が供給され続けて、リザーバ室内の液体が長時間放置されると、そのリザーバ室内の液体が分解したり、劣化したりするおそれがある。リザーバ室から液体供給路に液体が定期的に送出されることにより、リザーバ室内での液体の分解および劣化を防止することができる。
本発明によれば、循環室、液体供給路、燃料電池および液体帰還路からなる燃料循環路を循環する液体の量を安定に保つことができる。その結果、燃料循環路を循環する液体中の液体燃料の濃度を容易に調整することができる。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
[配管構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。
燃料電池システム1は、液体燃料を用いる燃料電池システム(FCシステム)であり、たとえば、自動車に駆動源として搭載される。
<燃料電池>
燃料電池システム1は、燃料電池11を備えている。
燃料電池11は、所定数(たとえば、100〜200)のセルが一方向に積層された、いわゆるセルスタックを有している。各セルは、膜/電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)、膜/電極接合体の両側に配置されたセパレータ、および膜/電極接合体と各セパレータとの間に介在されたガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)を備えている。
膜/電極接合体は、固体高分子膜の両側にアノード(燃料極)およびカソード(酸素極)を貼り合わせて一体化したものである。固体高分子膜は、たとえば、アニオン(OH−)を透過させる性質を有する。
セパレータの両面には、たとえば、葛折り状に屈曲した凹溝(図示せず)が形成されている。膜/電極接合体のアノードに対向する凹溝は、燃料流路として形成されている。燃料流路の一端および他端は、それぞれ燃料入口12および燃料出口13に接続されている。膜/電極接合体のカソードに対向する凹溝は、エア流路として形成されている。エア流路の一端および他端は、それぞれエア入口14およびエア出口15に接続されている。また、各セル間では、一方のセルのセパレータに形成された凹溝と他方のセルのセパレータに形成された凹溝とが重なり合い、それらの凹溝が冷却水流路を形成している。冷却水流路の一端および他端は、それぞれ冷却水入口16および冷却水出口17に接続されている。
<燃料系>
燃料電池システム1は、第1燃料タンク21、第2燃料タンク22、燃料サブタンク23および気液分離器24を備えている。
第1燃料タンク21には、液体燃料として、たとえば、常温の水加ヒドラジン(N2H4・H2O)が貯留されている。第1燃料タンク21には、第1燃料補給管31の一端が接続されている。第1燃料補給管31の他端は、燃料サブタンク23に接続されている。第1燃料補給管31の途中部には、第1燃料供給ポンプ32およびチェックバルブ33が第1燃料タンク21側からこの順に介装されている。
第2燃料タンク22には、電解液として、たとえば、常温の水酸化カリウム水溶液(KOH)が貯留されている。第2燃料タンク22には、第2燃料補給管34の一端が接続されている。第2燃料補給管34の他端は、燃料サブタンク23に接続されている。第2燃料補給管34の途中部には、第2燃料供給ポンプ35およびチェックバルブ36が第2燃料タンク22側からこの順に介装されている。
燃料サブタンク23内は、燃料サブタンク23内の底面に立設された仕切壁41により、循環室42およびリザーバ室43に分けられている。仕切壁41の上端と燃料サブタンク23内の天面との間には、間隔が生じており、循環室42とリザーバ室43とは、それらの上部で互いに連通している。循環室42およびリザーバ室43には、電解液に混合された液体燃料、たとえば、水酸化カリウム水溶液に混合された水加ヒドラジンが貯留される。
燃料サブタンク23の底面には、循環室42から液体燃料を送出するための第1送出管51の一端と、リザーバ室43から液体燃料を送出するための第2送出管52の一端とが接続されている。第1送出管51および第2送出管52の各他端は、サブタンク三方弁53の循環室ポート53Aおよびリザーバ室ポート53Bに接続されている。サブタンク三方弁53の出口ポート53Cには、燃料供給管54の一端が接続されている。燃料供給管54の他端は、燃料電池11の燃料入口12に接続されている。燃料供給管54の途中部には、燃料循環ポンプ55およびFC入口燃料遮断弁56がサブタンク三方弁53側からこの順に介装されている。
燃料電池11の燃料出口13には、燃料排出管61の一端が接続されている。燃料排出管61の他端は、気液分離器24に接続されている。燃料排出管61の途中部には、FC出口燃料遮断弁62が介装されている。
気液分離器24の底部には、燃料帰還管71の一端が接続されている。燃料帰還管71の他端は、燃料サブタンク23の循環室42に接続されている。燃料帰還管71の途中部には、ストレーナ72が介装されている。また、気液分離器24の上部には、パージ管73の一端が接続されている。パージ管73の途中部には、パージ電磁弁74が介装されている。
<空気系>
燃料電池システム1は、エアコンプレッサ81および気液分離器82を備えている。
エアコンプレッサ81の吸込口には、吸気管83の一端が接続されている。吸気管83の他端は、エアクリーナ84に接続されている。エアコンプレッサ81の吐出口には、エア供給管85の一端が接続されている。エア供給管85の他端は、燃料電池11のエア入口14に接続されている。エア供給管85の途中部には、インタクーラ86およびFC入口エア遮断弁87がエアコンプレッサ81側からこの順に介装されている。
燃料電池11のエア出口15には、エア排出管91の一端が接続されている。エア排出管91の他端は、気液分離器82に接続されている。
気液分離器82の底部には、回収管101の一端が接続されている。回収管101の他端は、気液分離器24に接続されている。回収管101の途中部には、環流電磁弁102およびフィルタ103が気液分離器82側からこの順に介装されている。気液分離器82の上部には、パージ管104の一端が接続されている。パージ管104の途中部には、エア背圧調整弁105が介装されている。
<冷却系>
燃料電池システム1は、燃料電池11の冷却のために、冷却水供給管111、冷却水排出管112およびラジエータ113を備えている。
冷却水供給管111の一端は、ラジエータ113に接続されている。冷却水供給管111の他端は、燃料電池11の冷却水入口16に接続されている。冷却水供給管111の途中部には、三方流量弁114およびウォータポンプ115がラジエータ113側からこの順に介装されている。
冷却水排出管112の一端は、燃料電池11の冷却水出口17に接続されている。冷却水排出管112の他端は、ラジエータ113に接続されている。冷却水排出管112の途中部には、分岐管116が分岐して接続されている。分岐管116の先端は、三方流量弁114に接続されている。
[電気的構成]
<センサ>
第1燃料タンク21には、第1液量センサ141が設けられている。第1液量センサ141は、たとえば、ボールフロート式のレベルスイッチからなる。第1燃料タンク21内の水加ヒドラジンの液面が所定のエンプティ位置以下に低下すると、第1液量センサ141がオフになる。
第2燃料タンク22には、第2液量センサ151が設けられている。第2液量センサ151は、たとえば、フロートガイドパイプ式のレベルスイッチからなる。第2燃料タンク22内の水酸化カリウム水溶液の液面が所定のエンプティ位置以下に低下すると、第2液量センサ151がオフになる。
燃料サブタンク23には、循環室液量センサ161およびリザーバ室液量ゲージ162が設けられている。循環室液量センサ161は、たとえば、フロートガイドパイプ式のレベルスイッチからなる。循環室液量センサ161は、燃料サブタンク23の循環室42内の液体の液面が所定のエンプティ位置よりも高いときにオンになる。リザーバ室液量ゲージ162は、2個のフロートガイドパイプ式のレベルスイッチ164,165を組み合わせて構成されている。レベルスイッチ164,165は、互いに高さが異なる位置に配置されている。上方のレベルスイッチ164は、リザーバ室43内の液体の液面が所定の上限位置よりも高いときにオンになる。下方のレベルスイッチ165は、燃料サブタンク23のリザーバ室43内の液体の液面が所定の下限位置よりも高いときにオンになる。上方のレベルスイッチ164は、リザーバ室43内の液体の液面が所定の上限位置よりも高いときにオンになる。
また、燃料サブタンク23には、燃料サブタンク23内の液体の温度を検出する燃料温度センサ166が設けられている。
気液分離器24には、気液分離器24内の圧力を検出する気液分離器圧力センサ171が設けられている。
燃料供給管54には、燃料循環ポンプ55とFC入口燃料遮断弁56との間に、燃料供給管54内の圧力を検出するFC入口燃料圧力センサ191が設けられている。また、燃料供給管54には、FC入口燃料遮断弁56と燃料電池11の燃料入口12との間に、燃料供給管54から燃料入口12に流入する液体の温度を検出するFC入口燃料温度センサ192とが設けられている。
燃料排出管61には、燃料電池11の燃料出口13とFC出口燃料遮断弁62との間に、燃料排出管61内の圧力を検出するFC出口燃料圧力センサ201と、燃料出口13から燃料排出管61に流出した液体の温度を検出するFC出口燃料温度センサ202とが設けられている。
気液分離器82には、気液分離器液量センサ211が設けられている。気液分離器液量センサ211は、たとえば、フロートガイドパイプ式のレベルスイッチからなる。気液分離器82内の液体の液面が所定の上限位置よりも上昇すると、気液分離器液量センサ211がオンになる。
また、気液分離器82には、気液分離器82内の圧力を検出するFC出口エア圧力センサ212と、気液分離器82内の液体の温度を検出する気液分離器温度センサ213とが設けられている。
吸気管83には、吸気管83を流通するエアの温度を検出する第1エア温度センサ221と、吸気管83を流通するエアの流量を検出するエア流量計222とが設けられている。
エア供給管85には、エアコンプレッサ81とインタクーラ86との間に、エア供給管85を流通するエアの温度を検出する第2エア温度センサ231が設けられている。
冷却水供給管111には、冷却水供給管111を流通する冷却水の温度を検出するFC入口水温センサ241が設けられている。
冷却水排出管112には、冷却水排出管112を流通する冷却水の温度を検出するFC出口水温センサ251が設けられている。
<制御系>
燃料電池システム1は、CPUおよびメモリを含む構成のFC−ECU(電子制御ユニット)301を備えている。
FC−ECU301には、各種センサが電気的に接続されている。すなわち、FC−ECU301には、第1液量センサ141、第2液量センサ151、循環室液量センサ161、リザーバ室液量ゲージ162(レベルスイッチ163〜165)、燃料温度センサ166、気液分離器圧力センサ171、FC入口燃料圧力センサ191、FC入口燃料温度センサ192、FC出口燃料圧力センサ201、FC出口燃料温度センサ202、気液分離器液量センサ211、FC出口エア圧力センサ212、気液分離器温度センサ213、第1エア温度センサ221、エア流量計222、第2エア温度センサ231、FC入口水温センサ241およびFC出口水温センサ251が接続されている。
FC−ECU301は、メモリに格納されたプログラムに従い、各種センサから入力される信号に基づいて、第1燃料供給ポンプ32、第2燃料供給ポンプ35、燃料循環ポンプ55、エアコンプレッサ81、ラジエータ113およびウォータポンプ115の駆動を制御し、FC入口燃料遮断弁56、FC出口燃料遮断弁62、パージ電磁弁74および環流電磁弁102の開閉を制御し、サブタンク三方弁53の循環室ポート53Aおよびリザーバ室ポート53Bの開閉を制御し、エア背圧調整弁105の開度および三方流量弁114の各出口ポートの開度を制御する。
[動作]
<燃料の流通>
燃料電池11による発電のために、サブタンク三方弁53の循環室ポート53A、リザーバ室ポート53Bの一方が選択的に開かれる。また、FC入口燃料遮断弁56およびFC出口燃料遮断弁62が開かれる。そして、燃料循環ポンプ55が駆動される。これにより、燃料サブタンク23に貯留されている液体が第1送出管51または第2送出管52を通して燃料供給管54に吸い出され、その液体が燃料供給管54を燃料電池11の燃料入口12に向けて流通する。燃料供給管54を流通する液体は、燃料入口12を通して、燃料電池11に供給される。
燃料電池11に供給される液体は、燃料流路を流通し、燃料出口13を通して、燃料排出管61に流出する。
燃料排出管61に流出した液体は、燃料排出管61を流通して、気液分離器24に流入する。気液分離器24では、燃料排出管61から流入する液体からその液体に含まれる気体(たとえば、発電時に生成されるN2ガス)が分離される。
脱気された液体は、気液分離器24内の下部(底部)に集まり、気液分離器24から燃料帰還管71に流出する。燃料帰還管71に流出した液体は、燃料帰還管71を流通し、その途中でストレーナ72を通過する。液体がストレーナ72を通過することにより、液体から異物(固形物)が除去される。その後、燃料帰還管71を流通する液体は、燃料帰還管71から燃料サブタンク23の循環室42に戻る。このようにして、液体は、燃料サブタンク23、第1送出管51、第2送出管52、燃料供給管54、燃料電池11の燃料流路、燃料排出管61、気液分離器24および燃料帰還管71を含む燃料循環路を循環する。
通常、パージ電磁弁74は、開かれている。気液分離器24内で液体から分離された気体は、気液分離器24からパージ管73に流出し、パージ管73を排気処理器121に向けて流通する。そして、パージ管73を流通する気体は、排気処理器121を経由して、大気に放出される。
<エアの流通>
また、燃料電池11による発電のために、FC入口エア遮断弁87およびエア背圧調整弁105が開かれる。そして、エアコンプレッサ81が駆動される。エアコンプレッサ81が駆動されると、エア(大気)がエアクリーナ84を通して吸気管83に取り込まれる。吸気管83に取り込まれたエアは、エアコンプレッサ81で圧縮されて、エアコンプレッサ81からエア供給管85に送り出される。エアコンプレッサ81での圧縮に伴って温度が上昇したエアは、エア供給管85を流通する途中で、インタクーラ86によって冷却される。そして、冷却後のエアは、燃料電池11のエア入口14を通して、燃料電池11に供給される。
燃料電池11に供給されるエアは、エア流路を流通し、エア出口15を通して、エア排出管91に流出する。
燃料電池システム1では、水および液体燃料が膜/電極接合体のアノードから固体高分子膜を透過してカソードに移動する、いわゆるクロスリークが発生する。そのため、エア排出管91に流出するエアには、そのクロスリークした液体燃料および水の蒸気が含まれる。
エア排出管91に流出したエアは、エア排出管91を流通して、気液分離器82に流入する。気液分離器82では、エア排出管91から流入するエアとそのエアに含まれる液体燃料などの液体とが分離される。
液体が除去されたエアは、気液分離器82からパージ管104に流出し、パージ管104を排気処理器121に向けて流通する。そして、パージ管104を流通するエアは、排気処理器121を経由して、大気に放出される。
一方、エアから分離した液体は、気液分離器82内の下部(底部)に集まる。環流電磁弁102が閉じられている間、その液体は、気液分離器82内の下部に溜められる。気液分離器82内に溜められた液体は、エア背圧調整弁105の開度が小さくされて、気液分離器82内の圧力が通常よりも高められた状態で、環流電磁弁102が開かれることにより、回収管101を通して、気液分離器24に送られる(回収される)。液体が回収管101を流通する途中でフィルタ103を通過することにより、液体から異物が除去される。気液分離器24に流入した液体は、気液分離器24内の下部(底部)に集まり、気液分離器24から燃料帰還管71に流出し、燃料帰還管71を流通して、燃料帰還管71から燃料サブタンク23の循環室42に戻る。
<発電反応>
燃料電池11の燃料流路を液体燃料を含む液体が流通し、エア流路をエアが流通すると、燃料電池11において、発電反応(電気化学反応)が生じ、その電気化学反応による起電力が発生する。
具体的には、アノードにおいて、反応式(1)で示される反応が生じ、窒素ガス(N2)、水(H2O)および電子(e−)が生成される。電子は、外部回路(図示せず)を介して、カソードに移動する。窒素ガスおよび水は、未反応の液体燃料とともに、燃料流路から燃料出口13を通して燃料排出管61に流出する。一方、カソードでは、反応式(2)で示される反応が生じ、アニオン(OH−)が生成される。アニオンは、固体高分子膜を透過して、アノードに移動する。
NH2NH2+4OH−→N2+4H2O+4e− ・・・(1)
O2+2H2O+4e−→4OH− ・・・(2)
この結果、アノードとカソードとの間に、発電反応(電気化学反応)による起電力が発生する。
<液体燃料の補給>
燃料電池システム1の稼働中に、燃料サブタンク23に液体燃料を補給する必要が生じると、第1燃料供給ポンプ32および/または第2燃料供給ポンプ35が駆動される。
第1燃料供給ポンプ32が駆動されると、第1燃料タンク21から第1燃料補給管31に液体燃料が汲み出される。そして、第1燃料補給管31内のチェックバルブ33よりも上流側の部分の圧力が所定圧以上になると、チェックバルブ33が自動的に開き、液体燃料が第1燃料補給管31を通して燃料サブタンク23に供給される。
第2燃料供給ポンプ35が駆動されると、第2燃料タンク22から第2燃料補給管34に電解液が汲み出される。そして、第2燃料補給管34内のチェックバルブ36よりも上流側の部分の圧力が所定圧以上になると、チェックバルブ36が自動的に開き、電解液が第2燃料補給管34を通して燃料サブタンク23に供給される。
<燃料電池の冷却>
冷却水供給管111および冷却水排出管112内には、冷却水が封入されている。
燃料電池11の発電時には、ウォータポンプ115が駆動される。ウォータポンプ115が駆動されると、冷却水が冷却水供給管111を燃料電池11の冷却水入口16に向けて流通する。冷却水供給管111を流通する冷却水は、冷却水入口16を通して、燃料電池11に供給される。
燃料電池11に供給される冷却水は、冷却水流路を流通し、冷却水出口17を通して、冷却水排出管112に流出する。冷却水が冷却水流路を流通することにより、燃料電池11が冷却される。
冷却水排出管112に流出した冷却水は、冷却水排出管112をラジエータ113に向けて流通する。三方流量弁114に設けられた分岐管116の接続ポートが閉じられているときには、冷却水排出管112を流通する冷却水は、ラジエータ113を通過して、冷却水供給管111に戻る。ラジエータ113を通過する冷却水は、走行風および/またはラジエータファン113Fからの送風によって冷却される。一方、分岐管116の接続ポートが閉じられているときには、冷却水排出管112を流通する冷却水は、ラジエータ113をバイパスして、冷却水供給管111に戻る。
[三方弁切替制御]
図2A,2Bは、三方弁切替制御の流れを示すフローチャートである。
燃料電池11の発電時には、前述のように、燃料循環ポンプ55が駆動されて、燃料電池11の燃料流路を液体燃料が流通する。これと並行して、FC−ECU301により、図2A,2Bに示される三方弁切替制御が繰り返し実行される。
燃料循環ポンプ55の駆動が開始されると、サブタンク三方弁53のリザーバ室ポート53Bが閉じられて、循環室ポート53Aが開かれることにより、燃料サブタンク23の循環室42が第1送出管51を介して燃料供給管54と連通される(ステップS1)。
この状態では、燃料循環ポンプ55の働きにより、循環室42内の液体燃料を含む液体が第1送出管51を通して燃料供給管54に吸い込まれ、その液体が燃料供給管54を燃料電池11に向けて流通する。そして、燃料供給管54を流通する液体は、燃料電池11の燃料流路、燃料排出管61、気液分離器24および燃料帰還管71を流通して、循環室42に戻る。すなわち、循環室42、第1送出管51、燃料供給管54、燃料電池11の燃料流路、燃料排出管61、気液分離器24および燃料帰還管71からなる燃料循環路において液体燃料を含む液体が循環する。
次いで、循環室42の液体の液面が所定のエンプティ位置であるときの循環室42内の液体の液量を切替液量として、循環室42内の液体燃料を含む液体の液量が切替液量未満に低下したか否か、つまり循環室液量センサ161がオフか否かが調べられる(ステップS2)。
循環室42内の液量は、クロスリークなどが原因で減少する。循環室42内の液量が切替液量未満に低下し、循環室液量センサ161がオフになると(ステップS2のYES)、サブタンク三方弁53のリザーバ室ポート53Bが開かれ、循環室ポート53Aが閉じられることにより、燃料サブタンク23のリザーバ室43が第2送出管52を介して燃料供給管54と連通される(ステップS3)。
この状態では、燃料循環ポンプ55の働きにより、リザーバ室43内の液体燃料を含む液体が第2送出管52を通して燃料供給管54に吸い込まれ、その液体が燃料供給管54を燃料電池11に向けて流通する。そして、燃料供給管54を流通する液体は、燃料電池11の燃料流路、燃料排出管61、気液分離器24および燃料帰還管71を流通して、循環室42に戻る。そのため、リザーバ室43内の液量が減り、循環室42内の液量が増加する。
その後、リザーバ室43の液体の液面が所定の下限位置であるときのリザーバ室43内の液体の液量を下限液量として、リザーバ室43内の液量が下限液量未満に低下したか否か、つまりレベルスイッチ165がオフか否かが調べられる(ステップS4)。
リザーバ室43内の液量が下限液量以上であり、レベルスイッチ165がオンであるときには(ステップS4のNO)、サブタンク三方弁53のリザーバ室ポート53Bが開かれてからの経過時間が所定の第1時間を超えたか否かが判断される(ステップS5)。第1時間は、循環室42内の液量が切替液量以上に復帰するのに十分な量の液体がリザーバ室43から燃料供給管54に送出される時間に設定されている。
リザーバ室43内の液量が下限液量未満に低下するか、または、リザーバ室ポート53Bが開かれてからの経過時間が第1時間を超えるまで、リザーバ室ポート53Bの開かれた状態が維持される(ステップS4,S5のNO)。
リザーバ室43内の液量が下限液量未満に低下し、レベルスイッチ165がオフになるか(ステップS4のYES)、または、リザーバ室ポート53Bが開かれてからの経過時間が第1時間を超えると(ステップS5のYES)、循環室ポート53Aが開かれ、リザーバ室ポート53Bが閉じられる。これにより、燃料サブタンク23の循環室42が第1送出管51を介して燃料供給管54と再び連通される(ステップS6)。
そして、図2Bに示されるように、循環室42内の液量が依然として切替液量未満であるか否か、つまり循環室液量センサ161がオフか否かが調べられる(ステップS7)。
リザーバ室43内の液量が下限液量未満に低下するか、または、リザーバ室ポート53Bが開かれてからの経過時間が第1時間を超えるまで、リザーバ室43から燃料供給管54に液体燃料を含む液体が送出されることにより、通常は、循環室42に切替液量以上の液体が貯留される。より具体的には、循環室42に液体が満杯に溜まると、それ以上に循環室42に戻される液体は、循環室42からリザーバ室43にオーバフローし、リザーバ室43に溜められる。そのため、通常、リザーバ室43内の液量が下限液量未満に低下することはなく、リザーバ室ポート53Bが開かれてからの経過時間が第1時間を超えることにより、循環室42と燃料供給管54とが再び連通され、この時点で、循環室42には、切替液量以上満杯量以下の液体が貯留されている。
循環室42内の液量が依然として切替液量未満であるときには(ステップS7のYES)、液体燃料を含む液体の漏洩などの故障が生じているか、または、燃料電池システム1全体に存在する液体燃料を含む液体の液量が不足していると判断される(ステップS8)。
そして、燃料電池システム1の稼働が停止され(ステップS11)、この三方弁切替制御が終了される。
一方、循環室42内の液量が切替液量以上に正常に復帰しているときには(ステップS7のNO)、リザーバ室43の液体の液面が所定の上限位置であるときのリザーバ室43内の液体の液量を上限液量として、リザーバ室43内の液体燃料を含む液体の液量が上限液量以上であるか否か、つまり、レベルスイッチ164がオンか否かが調べられる(ステップS9)。
リザーバ室43内の液量が上限位置以上であり、レベルスイッチ164がオンである場合には(ステップS9のYES)、燃料サブタンク23内の液量が過剰であると判断される(ステップS10)。
そして、燃料電池システム1の稼働が停止されて(ステップS11)、この三方弁切替制御が終了される。
また、循環室42内の液量が切替液量以上であり、かつ、リザーバ室43内の液量が上限液量未満であるときには(ステップS9のNO)、燃料サブタンク23内の液量が適正であると判断されて、ステップS1に戻り、循環室42が燃料供給管54と連通した状態での発電が継続される。
その後は、循環室42内の液量が切替液量未満であるか否かが再び調べられ、循環室42内の液量が切替液量未満である場合には(ステップS2のNO)、リザーバ室43内の液量が上限液量未満であるか否かが再び調べられる(ステップS9)。このようにして、燃料サブタンク23内の液量が適正に保たれている間は、燃料電池11による発電が継続される。
[作用効果]
以上のように、燃料サブタンク23には、液体燃料を含む液体が貯留されている。燃料サブタンク23内には、循環室42およびリザーバ室43が設けられている。循環室42およびリザーバ室43は、それらの上部で互いに連通している。
循環室42に貯留されている液体の量が所定の切替液量以上であるときには、循環室42が燃料供給管54と連通されて、循環室42に貯留されている液体が燃料供給管54に送出され、その燃料供給管54に送出された液体が燃料電池11に供給される。そして、液体は、燃料電池11から排出され、燃料排出管61および燃料帰還管71を通して循環室42に戻される。すなわち、循環室42内の液量が切替液量以上であるときには、循環室42から送出される液体が燃料電池11を経由して循環室42に戻される。
循環室42に液体が満杯に溜まると、それ以上に循環室42に戻される液体は、循環室42からリザーバ室43にオーバフローし、リザーバ室43に溜められる。これにより、循環室42、第2送出管52、燃料供給管54、燃料電池11、燃料排出管61および燃料帰還管71を循環する液体の量は、循環室42に切替液量以上で満杯量以下の液体が貯留される範囲内に保たれる。
燃料電池11での発電が続けられる間に、燃料電池11における液体のクロスリークなどが原因で、循環室42、第2送出管52、燃料供給管54、燃料電池11、燃料排出管61および燃料帰還管71を循環する液体の量が減少し、循環室42内の液量が切替液量未満になると、循環室42と燃料供給管54とが遮断され、リザーバ室43と燃料供給管54とが連通される。これにより、リザーバ室43に貯留されている液体が燃料供給管54に送出され、その燃料供給管54に送出された液体が燃料電池11に供給される。そして、燃料電池11から排出される液体は、燃料排出管61および燃料帰還管71を通して循環室42に戻される。すなわち、循環室42内の液量が切替液量未満であるときには、リザーバ室43から送出される液体が燃料電池11を経由して循環室42に戻される。そのため、循環室42内の液量が増加し、リザーバ室43内の液量が減少する。
リザーバ室43内の液量が所定の下限液量未満に低下すると、リザーバ室43と燃料供給管54とが遮断され、循環室42と燃料供給管54とが連通される。また、リザーバ室43内の液量が下限液量未満に低下する前に、リザーバ室43と燃料供給管54とが連通されてから所定の第1時間が経過すると、リザーバ室43と燃料供給管54とが遮断され、循環室42と燃料供給管54とが連通される。循環室42と燃料供給管54とが再び連通されるまでに、通常は、リザーバ室43から燃料供給管54に十分な量の液体が送出され、循環室42には、切替液量以上で満杯量以下の液体が貯留される。そのため、循環室42、液体供給路、燃料電池11および燃料排出管61および燃料帰還管71を循環する液体の量は、循環室42に切替液量以上で満杯量以下の液体が貯留される範囲内に再び保たれる。
よって、循環室42、第1送出管51、燃料供給管54、燃料電池11、燃料排出管61および燃料帰還管71からなる燃料循環路を循環する液体の量を安定に保つことができる。
[第2実施形態]
図2A,2Bに示される三方弁切替制御では、循環室42内の液量が切替液量以上であり(ステップS2,S7のNO)、かつ、リザーバ室43内の液量が上限液量未満である場合には(ステップS9のNO)、ステップS1に戻り、循環室42が燃料供給管54と連通した状態での発電が継続されるとした。しかしながら、ステップS1に戻る前に、図3に示される追加の処理が行われてもよい。
図3に示される処理では、リザーバ室43内の液体燃料を含む液体の液量が上限液量未満である場合に(ステップS9のNO)、冷却水循環路を循環する冷却水の冷却能力の不足/充足が判断される(ステップS21)。具体的には、ラジエータファン113Fおよびウォータポンプ115が最大能力で駆動されるとともに、冷却水排出管112を流通するすべての冷却水がラジエータ113を経由するように、三方流量弁114の各出口ポートの開度が調整された状態で、燃料温度センサ166によって検出される燃料サブタンク23内の液体燃料を含む液体の温度が所定温度を超えて上昇し続けているか否かが判断される。そして、燃料温度センサ166によって検出される温度が所定温度を超えて上昇し続けている場合には、冷却水による冷却能力が不足していると判断される。一方、燃料温度センサ166によって検出される温度が所定温度を超えていない場合または所定温度を超えていても上昇し続けていない場合には、冷却水による冷却能力が充足していると判断される。
冷却水による冷却能力が充足しているときには(ステップS21のNO)、図2Aに示されるステップS1に戻り、循環室42が燃料供給管54と連通した状態での発電が継続される。
一方、冷却水による冷却能力が不足しているときには(ステップS21のYES)、サブタンク三方弁53のリザーバ室ポート53Bが開かれ、循環室ポート53Aが閉じられることにより、燃料サブタンク23のリザーバ室43が第2送出管52を介して燃料供給管54と連通される(ステップS22)。
この状態では、リザーバ室43内の液体燃料を含む液体が燃料供給管54に供給される。リザーバ室43から燃料供給管54への液体の供給は、リザーバ室43内の液量が下限液量未満に低下するか、または、リザーバ室ポート53Bが開かれてからの経過時間が所定の第1時間を超えるまで続けられる。
リザーバ室43内の液量が下限液量未満に低下するか(ステップS23のYES)、または、リザーバ室ポート53Bが開かれてからの経過時間が第1時間を超えると(ステップS24のYES)、図2Aに示されるステップS1に戻り、サブタンク三方弁53のリザーバ室ポート53Bが閉じられて、循環室ポート53Aが開かれることにより、燃料サブタンク23の循環室42が第1送出管51を介して燃料供給管54と連通される。
このように、冷却水による冷却能力が不足していると判断されると、リザーバ室43と燃料供給管54とが連通され、リザーバ室43から燃料供給管54を通して燃料電池11に液体が供給される。
燃料循環路を循環する循環室42内の液体燃料は、燃料電池11における発電反応に伴って発生する熱などによって昇温する。そのため、リザーバ室43に貯留されている液体は、循環室42に貯留されている液体よりも低温である。冷却水による冷却能力不足と判断された場合に、リザーバ室43から燃料供給管54を通して燃料電池11に低温の液体が供給されることにより、燃料電池11の冷却効果を得ることができる。その結果、燃料電池システム1全体が有する冷却能力を底上げすることができる。
[第3実施形態]
また、図3に示される追加の処理に代えて、図4に示される追加の処理が行われてもよい。
図4に示される処理では、リザーバ室43内の液体燃料を含む液体の液量が上限液量未満である場合に(ステップS9のNO)、まず、冷却水循環路を循環する冷却水の冷却能力の不足/充足が判断される(ステップS31)。この判断手法は、図3に示される処理の場合と同様である。
冷却水による冷却能力が充足しているときには(ステップS31のNO)、図2Aに示されるステップS1に戻り、循環室42が燃料供給管54と連通した状態での発電が継続される。
一方、冷却水による冷却能力が不足しているときには(ステップS31のYES)、サブタンク三方弁53のリザーバ室ポート53Bが開かれ、循環室ポート53Aが閉じられることにより、燃料サブタンク23のリザーバ室43が第2送出管52を介して燃料供給管54と連通される(ステップS33)。
この状態では、リザーバ室43内の液体燃料を含む液体が燃料供給管54に供給される。リザーバ室43から燃料供給管54への液体の供給は、リザーバ室43内の液量が下限液量未満に低下するか、または、リザーバ室ポート53Bが開かれてからの経過時間が所定の第1時間を超えるまで続けられる。
リザーバ室43内の液量が下限液量未満に低下するか(ステップS34のYES)、またば、リザーバ室ポート53Bが開かれてからの経過時間が第1時間を超えると(ステップS35のYES)、図2Aに示されるステップS1に戻り、サブタンク三方弁53のリザーバ室ポート53Bが閉じられて、循環室ポート53Aが開かれることにより、燃料サブタンク23の循環室42が第1送出管51を介して燃料供給管54と連通される。
冷却水による冷却能力が充足している場合であっても(ステップS31のNO)、サブタンク三方弁53の循環室ポート53Aが開かれてからの経過時間が所定の第2時間を超えた場合には(ステップS32のYES)、循環室ポート53Aが閉じられ、サブタンク三方弁53のリザーバ室ポート53Bが開かれることにより、燃料サブタンク23のリザーバ室43が第2送出管52を介して燃料供給管54と連通されて(ステップS33)、リザーバ室43内の液体燃料を含む液体が燃料供給管54に供給される。
循環室42から燃料電池11に液体が供給され続けて、リザーバ室43内の液体が長時間放置されると、そのリザーバ室43内の液体が分解したり、劣化したりするおそれがある。リザーバ室43から燃料供給管54に液体が定期的に送出されることにより、リザーバ室43内での液体の分解および劣化を防止することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 燃料電池システム
11 燃料電池
23 燃料サブタンク(循環燃料タンク)
42 循環室
43 リザーバ室
51 第1送出管(液体供給路)
52 第2送出管(液体供給路)
53 サブタンク三方弁(切替手段)
54 燃料供給管(液体供給路)
61 燃料排出管(液体帰還路)
71 燃料帰還管(液体帰還路)
111 冷却水供給管(冷却水循環路)
112 冷却水排出管(冷却水循環路)
113 ラジエータ(冷却水循環路)
161 循環室液量センサ(循環室燃料検出手段)
164 レベルスイッチ(リザーバ室液量検出手段)
165 レベルスイッチ(リザーバ室液量検出手段)
301 FC−ECU(第1切替制御手段、第2切替制御手段、冷却能力判断手段、冷却切替制御手段、計時手段、定期切替制御手段)
11 燃料電池
23 燃料サブタンク(循環燃料タンク)
42 循環室
43 リザーバ室
51 第1送出管(液体供給路)
52 第2送出管(液体供給路)
53 サブタンク三方弁(切替手段)
54 燃料供給管(液体供給路)
61 燃料排出管(液体帰還路)
71 燃料帰還管(液体帰還路)
111 冷却水供給管(冷却水循環路)
112 冷却水排出管(冷却水循環路)
113 ラジエータ(冷却水循環路)
161 循環室液量センサ(循環室燃料検出手段)
164 レベルスイッチ(リザーバ室液量検出手段)
165 レベルスイッチ(リザーバ室液量検出手段)
301 FC−ECU(第1切替制御手段、第2切替制御手段、冷却能力判断手段、冷却切替制御手段、計時手段、定期切替制御手段)
Claims (3)
- 膜/電極接合体を備える燃料電池と、
互いに上部が連通し、液体燃料を含む液体が貯留される循環室およびリザーバ室を内部に有する循環燃料タンクと、
前記燃料電池に供給される液体が流通する液体供給路と、
前記循環室および前記リザーバ室を前記液体供給路と選択的に連通させるための切替手段と、
前記燃料電池から排出される液体を前記循環室に戻すための液体帰還路と、
前記循環室内の液量を検出する循環室液量検出手段と、
前記リザーバ室内の液量を検出するリザーバ室液量検出手段と、
前記切替手段を制御して、前記循環室液量検出手段によって検出される液量が所定の切替液量以上であるときには、前記循環室と前記液体供給路とを連通させ、前記循環室液量検出手段によって検出される液量が前記切替液量未満であるときには、前記リザーバ室と前記液体供給路とを連通させる第1切替制御手段と、
前記リザーバ室と前記液体供給路とが連通された後、前記リザーバ室液量検出手段によって検出される液量が所定の下限液量未満に低下するか、または、その連通後の経過時間が所定の第1時間を超えたことに応答して、前記切替手段を制御して、前記循環室と前記液体供給路とを連通させる第2切替制御手段とを含む、燃料電池システム。 - 前記燃料電池を冷却するための冷却水が循環する冷却水循環路と、
前記冷却水による冷却能力の不足/充足を判断する冷却能力判断手段と、
前記冷却能力判断手段によって冷却能力不足と判断されているときに、前記切替手段を制御して、前記リザーバ室と前記液体供給路とを連通させる冷却切替制御手段とをさらに含む、請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記循環室と前記液体供給路との連通状態が継続している時間を計測する計時手段と、
前記計時手段によって計測される時間が所定の第2時間を超えたことに応答して、前記切替手段を制御して、前記リザーバ室と前記液体供給路とを連通させる定期切替制御手段とをさらに含む、請求項1または2に記載の燃料電池システム。
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---|---|---|---|
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---|---|
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---|---|---|---|
JP2012192387A Pending JP2014049336A (ja) | 2012-08-31 | 2012-08-31 | 燃料電池システム |
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-
2012
- 2012-08-31 JP JP2012192387A patent/JP2014049336A/ja active Pending
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