JP6168819B2 - 液体燃料電池の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体燃料電池の制御装置に関する。
液体燃料電池は、所定数のセルが一方向に積層された、いわゆるセルスタックを有している。各セルは、固体高分子膜の両側にアノード(燃料極)およびカソード(酸素極)を貼り合わせて一体化した膜/電極接合体を備えている。液体燃料電池では、アノードにヒドラジンなどの液体燃料が供給されるとともに、カソードに空気が供給されると、発電反応が生じ、アノードとカソードとの間に起電力が発生する。
この液体燃料電池における発電は、液体燃料電池が発生する電力を使用する負荷からの要求電力に基づいて制御される。たとえば、液体燃料電池がモータを走行用駆動源とする車両に搭載される場合、モータの駆動に必要な電力に応じた要求電力が車両側から液体燃料電池の制御装置に入力される。そして、制御装置により、その要求電力に応じた発電指令値が設定され、その発電指令値の電流が液体燃料電池から出力されるように、液体燃料電池における発電が制御される。
特開2011−216341号公報
ところが、液体燃料電池の出力応答性、つまり要求電力の変動に対する出力電圧(スタック電圧)の変動の応答性が低いため、要求電力が急増したときに、スタック電圧が一時的に低下する。このとき、液体燃料電池のセル間で電圧のばらつきが生じ、液体燃料電池の劣化が促進されてしまう。
本発明の目的は、要求電力の急変動時のスタック電圧の一時的な低下を防止でき、液体燃料電池の劣化を抑制できる、液体燃料電池の制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る液体燃料電池の制御装置は、液体燃料電池の電流−電圧特性を記憶する特性記憶手段と、前記液体燃料電池に対する要求電力の現在から過去に遡る所定期間における変動量が所定の第1閾値を超えているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記変動量が前記第1閾値を超えていないと判定された場合に、前記特性記憶手段に記憶されている電流−電圧特性によらずに、前記液体燃料電池に対する要求電力に応じた発電指令値を設定し、その発電指令値の電流が前記液体燃料電池から出力されるように、前記液体燃料電池における発電を制御する通常発電制御手段と、前記判定手段により、前記変動量が前記第1閾値を超えていると判定された場合に、前記特性記憶手段に記憶されている電流−電圧特性から前記液体燃料電池に対する要求電力に応じた電圧値を取得し、その取得した電圧値が前記液体燃料電池から出力されるように、前記液体燃料電池における発電を制御し、前記液体燃料電池に対する要求電力に対する当該制御によって前記液体燃料電池から出力される電力の不足分である不足電力が所定の第2閾値以下になるまで当該制御を継続する定電圧制御手段とを含む。
この構成によれば、液体燃料電池に対する要求電力の所定期間における変動量が第1閾値以下であるときには、その要求電力に応じた電力が液体燃料電池から出力されるように、液体燃料電池における発電が制御される。液体燃料電池に対する要求電力が所定期間で第1閾値よりも大きく変動すると、液体燃料電池の電流−電圧特性から要求電力に応じた電圧値が取得され、その電圧値が液体燃料電池から出力されるように、液体燃料電池における発電が制御される。すなわち、要求電力の変動量が小さいときには、液体燃料電池における発電制御が要求電力に応じた電力を液体燃料電池から出力させる通常発電制御とされ、要求電力が急変動した場合には、液体燃料電池における発電の制御が通常発電制御から液体燃料電池の電流−電圧特性に応じた定電圧制御に切り替えられる。これにより、要求電力の急変動時のスタック電圧(液体燃料電池の出力電圧)の一時的な低下を防止できる。その結果、液体燃料電池のセル間での電圧のばらつきを抑制することができ、ひいては、液体燃料電池の劣化を抑制することができる。
液体燃料電池の劣化が進行すると、液体燃料電池の出力応答性が低下し、通常発電制御では、要求電力の急変動時のスタック電圧の一時的な低下を生じる。そのため、要求電力の変動量にかかわらず、液体燃料電池における発電の制御が通常発電制御とされる構成では、液体燃料電池の劣化の進行を考慮して、液体燃料電池が劣化していない状態のときにも、負荷に必要な電力をそのまま要求電力とするのではなく、負荷に必要な電力の変動に対して要求電力の変動を抑える処理が必要となる。
しかしながら、要求電力が急変動した場合に、液体燃料電池における発電の制御が通常発電制御から定電圧制御に切り替えられる構成では、スタック電圧の落ち込みが発生しないので、負荷に必要な電力の変動に対して要求電力の変動を抑える処理が不要である。その結果、液体燃料電池が劣化していない状態のときには、液体燃料電池の発電性能を十分に発揮して、負荷に必要な電力の変動に対して良好な応答性(追従性)で、液体燃料電池から電力を出力させることができる。
液体燃料電池の制御装置は、不足電力が第2閾値を超えている状態で、液体燃料電池から出力される電流値の所定期間における変動量が所定の第3閾値を下回った場合に、カウント値がインクリメントされる劣化判定カウンタと、劣化判定カウンタのカウント値が所定の第4閾値よりも大きくなると、液体燃料電池が劣化していると断定する劣化断定手段とをさらに含む構成であってもよい。
液体燃料電池の劣化を断定することができるので、液体燃料電池の劣化に応じて、液体燃料電池の電流−電圧特性を補正することができる。これにより、定電圧制御時に、液体燃料電池の劣化に応じて、液体燃料電池における発電を良好に制御することができる。
本発明によれば、要求電力の急変動時のスタック電圧の一時的な低下を防止できる。その結果、液体燃料電池のセル間での電圧のばらつきを抑制することができ、ひいては、液体燃料電池の劣化を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置が適用される燃料電池システムの構成図である。 燃料電池システムの電気的構成の要部を示すブロック図である。 液体燃料電池における発電を制御するための処理の流れを示すフローチャート(その1)である。 液体燃料電池における発電を制御するための処理の流れを示すフローチャート(その2)である。 液体燃料電池の電流−電圧特性を示すグラフである。 通常発電制御から定電圧制御への切替後に液体燃料電池から出力される電流値の時間変化を示すグラフである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置が適用される燃料電池システムの構成図である。
燃料電池システム1は、たとえば、モータを走行用駆動源として搭載した車両(自動車)に搭載される。燃料電池システム1は、液体燃料電池2、燃料循環機構3および給排気機構4を備えている。
液体燃料電池2は、所定数(たとえば、100〜200)のセルが一方向に積層された、いわゆるセルスタックを有している。各セルは、膜/電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)、膜/電極接合体の両側に配置されたセパレータ、および膜/電極接合体と各セパレータとの間に介在されたガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)を備えている。
膜/電極接合体は、固体高分子膜11の両側にアノード(燃料極)12およびカソード(酸素極)13を貼り合わせて一体化したものである。固体高分子膜11は、たとえば、アニオン(OH)を透過させる性質を有する。
セパレータの両面には、たとえば、葛折り状に屈曲した凹溝(図示せず)が形成されている。アノード12に対向する凹溝は、燃料流路として形成されている。燃料流路の一端および他端は、それぞれ燃料入口14および燃料出口15に接続されている。膜/電極接合体のカソード13に対向する凹溝は、エア流路として形成されている。エア流路の一端および他端は、それぞれエア入口16およびエア出口17に接続されている。
また、液体燃料電池2には、液体燃料電池2から出力される電力を蓄えておくための二次電池5が昇圧コンバータ(DC/DCコンバータ)6を介して接続されている。液体燃料電池2から出力される電力は、昇圧コンバータ6で昇圧されて、二次電池5に供給される。
燃料循環機構3には、燃料供給タンク21、循環燃料タンク22および気液分離器23が含まれる。
燃料供給タンク21には、たとえば、液体燃料である常温のヒドラジン(N)が貯留されている。燃料供給タンク21には、燃料補給管24の一端が接続されている。燃料補給管24の他端は、循環燃料タンク22に接続されている。燃料補給管24の途中部には、燃料供給ポンプ25が介装されている。
循環燃料タンク22には、電解液と混合された液体燃料、たとえば、水酸化カリウム水溶液と混合されたヒドラジンが貯留されている。循環燃料タンク22には、燃料供給管26の一端が接続されている。燃料供給管26の他端は、液体燃料電池2の燃料入口14に接続されている。燃料供給管26の途中部には、燃料循環ポンプ27が介装されている。
液体燃料電池2の燃料出口15には、燃料排出管28の一端が接続されている。燃料排出管28の他端は、気液分離器23に接続されている。
気液分離器23の底部には、燃料帰還管29の一端が接続されている。燃料帰還管29の他端は、循環燃料タンク22に接続されている。また、気液分離器23の上部には、パージ管30の一端が接続されている。パージ管30の途中部には、パージ電磁弁31が介装されている。
給排気機構4には、エアコンプレッサ41、気液分離器42および排ガス処理器43が含まれる。
エアコンプレッサ41の吸込口には、吸気管44の一端が接続されている。
エアコンプレッサ41の吐出口には、エア供給管45の一端が接続されている。エア供給管45の他端は、液体燃料電池2のエア入口16に接続されている。
液体燃料電池2のエア出口17には、エア排出管46の一端が接続されている。エア排出管46の他端は、気液分離器42に接続されている。
気液分離器42の底部には、還流管47の一端が接続されている。還流管47の他端は、気液分離器23に接続されている。還流管47の途中部には、還流電磁弁48が介装されている。気液分離器42の上部には、パージ管49の一端が接続されている。パージ管49の途中部には、エア背圧調整弁50が介装されている。
液体燃料電池2による発電のために、燃料循環ポンプ27が駆動される。燃料循環ポンプ27が駆動されると、循環燃料タンク22に貯留されている液体燃料(液体燃料を含む液体)が燃料供給管26に吸い出される。そして、燃料供給管26を液体燃料が流通し、その液体燃料が液体燃料電池2の燃料入口14から液体燃料電池2の燃料流路に供給される。
また、液体燃料電池2による発電のために、エアコンプレッサ41が駆動される。エアコンプレッサ41が駆動されると、エア(大気)が吸気管44に取り込まれる。吸気管44に取り込まれたエアは、エアコンプレッサ41で圧縮されて、エアコンプレッサ41からエア供給管45に送り出される。そして、エア供給管45を流通するエアが液体燃料電池2のエア入口16から液体燃料電池2のエア流路に供給される。
液体燃料電池2の燃料流路を液体燃料が流通し、エア流路をエアが流通すると、液体燃料電池2において、発電反応(電気化学反応)が生じ、その電気化学反応による起電力が発生する。
具体的には、アノード12において、反応式(1)で示される反応が生じ、窒素ガス(N)、水(HO)および電子(e)が生成される。電子は、外部回路(図示せず)を介して、カソード13に移動する。窒素ガスおよび水は、未反応の液体燃料とともに、燃料流路から燃料出口15を通して燃料排出管28に流出する。一方、カソード13では、反応式(2)で示される反応が生じ、アニオン(OH)が生成される。アニオンは、固体高分子膜11を透過して、アノード12に移動する。
+4OH→N+4HO+4e ・・・(1)
+2HO+4e→4OH ・・・(2)
この結果、アノード12とカソード13との間に、発電反応(電気化学反応)による起電力が発生する。
液体燃料電池2の燃料流路を流通した液体は、燃料出口15から燃料排出管28に排出される。燃料排出管28に排出される液体には、ヒドラジン、窒素ガスおよび水が含まれる。燃料排出管28に排出される液体は、燃料排出管28を通して、気液分離器23に流入する。気液分離器23では、燃料排出管28から流入する液体からその液体に含まれる気体が分離される。
脱気された液体は、気液分離器23内の下部(底部)に集まり、気液分離器23から燃料帰還管29を通して循環燃料タンク22に戻る。
こうして、液体燃料を含む液体は、循環燃料タンク22、燃料供給管26、液体燃料電池2の燃料流路、燃料排出管28、気液分離器23および燃料帰還管29を含む燃料循環路を循環する。
気液分離器23内で液体から分離された気体は、気液分離器23からパージ管30に流出し、パージ管30を排ガス処理器43に向けて流通する。そして、パージ管30を流通する気体は、排ガス処理器43を経由して、大気に放出される。気体が排ガス処理器43を経由することにより、気体から有害物質などが除去される。
液体燃料電池2のエア流路を流通したエアは、エア出口17からエア排出管46に排出される。
液体燃料電池2内では、水および液体燃料が膜/電極接合体のアノード12から固体高分子膜11を透過してカソード13に移動する、いわゆるクロスリークが発生する。そのため、エア排出管46に流出するエアには、そのクロスリークした液体燃料および水の蒸気が含まれる。
エア排出管46に流出した気体は、エア排出管46を流通して、気液分離器42に流入する。気液分離器42では、エア排出管46から流入する気体とそのエアに含まれる液体とが分離される。
液体が除去された気体は、気液分離器42からパージ管49に流出し、パージ管49を排ガス処理器43に向けて流通する。そして、パージ管49を流通する気体は、排ガス処理器43を経由して、大気に放出される。気体が排ガス処理器43を経由することにより、気体から有害物質などが除去される。
一方、脱気された液体は、気液分離器42内の下部(底部)に集まる。還流電磁弁48が閉じられている間、その液体は、気液分離器42内の下部に溜められる。気液分離器42内に溜められた液体は、還流制御が実行されることにより、気液分離器42から循環燃料タンク22に液体を還流される。具体的には、還流制御では、エア背圧調整弁50の開度が小さくされて、気液分離器42内の圧力が通常よりも高められた状態で、還流電磁弁48が開かれる。気液分離器42内の液体は、気液分離器42内の圧力により、還流管47を通して、気液分離器23に送られる。気液分離器23に流入した液体は、気液分離器23内の下部(底部)に集まり、燃料帰還管29を流通して、燃料帰還管29から循環燃料タンク22に戻る。
燃料電池システム1の稼働中に、循環燃料タンク22に液体燃料を補給する必要が生じると、燃料供給ポンプ25が駆動される。燃料供給ポンプ25が駆動されると、燃料供給タンク21から燃料補給管24に液体燃料が汲み出される。そして、その液体燃料が燃料補給管24を通して循環燃料タンク22に供給される。
<電気的構成>
図2は、燃料電池システムの電気的構成の要部を示すブロック図である。
燃料電池システム1は、FC−ECU(電子制御ユニット)61を備えている。FC−ECU61は、CPU62およびメモリ63を含む。メモリ63には、液体燃料電池2の電流−電圧特性(IV特性)がマップの形態で記憶されている。また、メモリ63には、劣化判定カウンタが構成されている。電流−電圧特性および劣化判定カウンタについては、後述する。
FC−ECU61には、燃料電池システム1に設けられた各種センサが接続されている。各種センサには、電流センサ64、電圧センサ65、温度センサ66および燃料濃度センサ67が含まれる。電流センサ64は、液体燃料電池2から出力される電流値を検出する。電圧センサ65は、液体燃料電池2から出力される電圧値であるスタック電圧を検出する。温度センサ66は、液体燃料電池2の温度を検出する。温度センサ66は、液体燃料電池2の温度を直接検出するものであってもよいし、たとえば、燃料出口15から燃料排出管28に流出した液体の温度を検出し、その液体の温度から液体燃料電池2の温度を推定して出力するものであってもよい。燃料濃度センサ67は、燃料循環路を循環する液体燃料の濃度を検出する。
また、FC−ECU61は、車両に搭載されている車両ECU71と双方向に通信可能に接続されている。車両ECU71は、車両に備えられているアクセルペダルの操作量などに基づいて、走行用駆動源であるモータの駆動に必要な電力に応じた要求電力をFC−ECU61に入力する。
FC−ECU61は、車両ECU71から入力される要求電力および各種センサから入力される信号に基づいて、昇圧コンバータ6、燃料供給ポンプ25、燃料循環ポンプ27およびコンプレッサ41の駆動を制御し、パージ電磁弁31、還流電磁弁48およびエア背圧調整弁50の開閉を制御する。
<発電制御>
図3Aおよび図3Bは、液体燃料電池における発電を制御するための処理の流れを示すフローチャートである。
車両のイグニッションキースイッチがオンにされている間、FC−ECU61により、液体燃料電池2の発電制御のための処理が一定の制御周期で繰り返し実行される。
この処理では、まず、車両ECU71から入力される要求電力の補正が行われる(ステップS1)。要求電力の補正については、後述する。なお、以下の記載における「要求電力」は、補正後の要求電力を意味し、補正前の要求電力は、「車両ECU71から入力される要求電力」と記載して区別する。
次に、要求電力と1制御周期前の要求電力との差が要求電力変動量として求められる。そして、その要求電力変動量が所定の閾値Aよりも大きいか否かが判定される(ステップS2)。
要求電力変動量が閾値A以下であるときには(ステップS2のNO)、通常発電制御により、液体燃料電池2における発電が制御される(ステップS3)。通常発電制御では、要求電力に応じた電力が昇圧コンバータ6から出力されるように、昇圧コンバータ6、燃料循環ポンプ27およびコンプレッサ41が制御される。その後、処理がリターンされる。
通常発電制御が続けられるうちに、車両ECU71から入力される要求電力が急変動し、要求電力変動量が閾値Aを超えると(ステップS2のYES)、メモリ63に記憶されている電流−電圧特性が参照されて、電流−電圧特性から要求電力に応じた電圧値が取得される(ステップS4)。
液体燃料電池2の電流−電圧特性は、図4に示されるように、液体燃料電池2の出力電流値と出力電圧値との関係を示す。電流−電圧特性では、液体燃料電池2の出力電流値が増大するにつれて、出力電圧値が減少する。電流−電圧特性は、液体燃料電池2の温度や燃料循環路を循環する液体燃料の濃度の影響を受ける。メモリ63には、液体燃料電池2の電流−電圧特性が液体燃料電池2の出力電力、液体燃料電池2の温度および燃料循環路を循環する液体燃料の濃度をパラメータとする3次元マップの形態で記憶されている。ステップS4では、具体的に、要求電力、温度センサ66によって検出される液体燃料電池2の温度および燃料濃度センサ67によって検出される液体燃料の濃度に応じた電流−電圧特性が参照されて、昇圧コンバータ6の効率を考慮して、その電流−電圧特性から要求電力に応じた電圧値が取得される。
その後、その取得された電圧値が液体燃料電池2から出力されるように、液体燃料電池における発電が制御される(ステップS5)。すなわち、液体燃料電池2の電流−電圧特性に応じた定電圧制御により、液体燃料電池2における発電が制御される。
定電圧制御では、図5に示されるように、その開始後、液体燃料電池2から出力される電流値が時間の経過に伴って増加し、定電圧制御の開始からしばらくすると、その電流値の変化が小さくなる。定電圧制御の開始直後は、液体燃料電池2から出力される電流値が小さく、液体燃料電池2から出力される電力が要求電力に対して不足する。このとき、車両では、モータの駆動に必要な電力が不足するので、その不足分は、二次電池5からモータに供給される。
要求電力から液体燃料電池2から出力される電力が減じられることにより、要求電力に対する液体燃料電池2から出力される電力の不足分である不足電力が求められる。液体燃料電池2から出力される電力は、電流センサ64で検出される電流値と電圧センサ65で検出される電圧値との乗算によって求められる。そして、不足電力が所定の閾値Bよりも大きいか否かが判定される(ステップS6)。
不足電力が閾値Bよりも大きい場合(ステップS6のYES)、その不足電力がメモリ63に記憶される(ステップS7)。メモリ63に過去に記憶した不足電力が残っている場合、その不足電力に新たに記憶する不足電力が積算される。すなわち、メモリ63には、不足電力の積算値が記憶される。
その後、電流センサ64で検出されている電流値(今回電流値)と1制御周期前に電流センサ64で検出された電流値(前回電流値)との差が求められ、その差である電流値変動量が所定の閾値Cよりも小さいか否かが判定される(ステップS8)。
定電圧制御の開始直後で、液体燃料電池2から出力される電流値が増加中であるときには、電流値変動量が閾値Cを上回り(ステップS8のNO)、つづいて、定電圧制御の継続時間が所定の閾値Dを超えたか否かが判定される(ステップS9)。
定電圧制御の継続時間が閾値Dを超えていない場合には(ステップS9のNO)、処理がリターンされる。そして、新たな制御周期において、車両ECU71から入力される要求電力が新たに取得され、その要求電力の補正が行われる(ステップS1)。要求電力の補正では、車両ECU71から入力される要求電力にメモリ63に記憶されている不足電力が加算される。ただし、その補正後の要求電力と1制御周期前の要求電力との差(要求電力変動量)が閾値Aを超える場合には、車両ECU71から入力される要求電力に不足電力が加算されないか、または、その差(要求電力変動量)が閾値Aを超えない範囲で不足電力が加算される。車両ECU71から入力される要求電力に不足電力が加算されると、その加算された分の不足電力がメモリ63に記憶されている不足電力の積算値から減じられる。
その後、要求電力変動量が求められる(ステップS2)。依然として、要求電力変動量が閾値Aを超える場合には(ステップS2のYES)、メモリ63に記憶されている電流−電圧特性から要求電力に応じた電圧値が取得されて(ステップS4)、その電圧値による定電圧制御が継続される(ステップS5)。そして、不足電力が求められ、不足電力が閾値Bよりも大きい場合(ステップS6のYES)、その不足電力がメモリ63に積算して記憶される(ステップS7)。また、電流値変動量が求められ、電流値変動量が閾値Cを上回る場合には(ステップS8のNO)、定電圧制御の継続時間が閾値Dを超えたか否かが判定され(ステップS9)、定電圧制御の継続時間が閾値Dを超えていなければ(ステップS9のNO)、処理がリターンされる。
こうして定電圧制御が継続されるうちに、車両ECU71から入力される要求電力の変動が収まり、要求電力変動量が閾値A以下となるか(ステップS2のNO)、または、液体燃料電池2における発電が車両ECU71から入力される要求電力の変動に追従し、不足電力が閾値B以下になると(ステップS6のNO)、定電圧制御が終了されて、通常発電制御が開始される(ステップS3)。
一方、電流値変動量が閾値Cよりも小さくならないまま、つまり液体燃料電池2から出力される電流値が増加中のまま、定電圧制御の継続時間が閾値Dを超えた場合には(ステップS9のYES)、燃料電池システム1に何らかの異常が発生していると判断されて(ステップS10)、処理がリターンされる。この場合、たとえば、燃料電池システム1の異常がFC−ECU61のメモリ63に記憶されて、燃料電池システム1の運転が停止される。
また、不足電力が閾値B以下に低下しないまま、つまり液体燃料電池2から要求電力に応じた電力が出力されないまま、液体燃料電池2から出力される電流値が増加しなくなり、電流値変動量が閾値Cよりも小さくなると(ステップS8のYES)、液体燃料電池2が劣化している可能性があると判断されて、メモリ63に構成されている劣化判定カウンタのカウント値がインクリメントされる(ステップS11)。
劣化判定カウンタのカウント値がインクリメントされると、そのインクリメント後のカウント値(劣化判定カウント値)が所定の閾値Eを超えたか否かが判定される(ステップS12)。
劣化判定カウンタのカウント値が閾値E以下である場合には(ステップS12のNO)、処理がリターンされる。
定電圧制御が繰り返されるうちに、劣化判定カウンタのカウント値が閾値Eを超えると(ステップS12のYES)、液体燃料電池2が劣化していると断定されて、電流センサ64で検出される電流値および電圧センサ65で検出される電圧値に基づいて、メモリ63に記憶されている電流−電圧特性が現在の液体燃料電池2の劣化状態に応じた内容に更新されて(ステップS13)、処理がリターンされる。
以上のように、要求電力変動量が閾値A以下であるときには、要求電力に応じた電力が液体燃料電池2から出力されるように、液体燃料電池2における発電が制御される。一方、要求電力変動量が閾値Aよりも大きいときには、液体燃料電池2の電流−電圧特性から要求電力に応じた電圧値が取得され、その電圧値が液体燃料電池2から出力されるように、液体燃料電池2における発電が制御される。すなわち、要求電力変動量が閾値A以下であるときには、液体燃料電池2における発電の制御が通常発電制御とされ、要求電力が急変動し、要求電力変動量が閾値Aを超えたときには、液体燃料電池2における発電の制御が通常発電制御から液体燃料電池2の電流−電圧特性に応じた定電圧制御に切り替えられる。これにより、要求電力の急変動時のスタック電圧(液体燃料電池2の出力電圧)の一時的な低下を防止できる。その結果、液体燃料電池2のセル間での電圧のばらつきを抑制することができ、ひいては、液体燃料電池2の劣化を抑制することができる。
液体燃料電池2の劣化が進行すると、液体燃料電池2の出力応答性が低下し、通常発電制御では、要求電力の急変動時のスタック電圧の一時的な低下を生じる。そのため、要求電力変動量にかかわらず、液体燃料電池2における発電の制御が通常発電制御とされる構成では、液体燃料電池2の劣化の進行を考慮して、液体燃料電池2が劣化していない状態のときにも、車両1のモータの駆動に必要な電力をそのまま要求電力とするのではなく、モータの駆動に必要な電力の変動に対して要求電力の変動を抑える処理が必要となる。
しかしながら、要求電力が急変動した場合に、液体燃料電池2における発電の制御が通常発電制御から定電圧制御に切り替えられる構成では、スタック電圧の落ち込みが発生しないので、モータの駆動に必要な電力の変動に対して要求電力の変動を抑える処理が不要である。その結果、液体燃料電池2が劣化していない状態のときには、液体燃料電池2の発電性能を十分に発揮して、モータの駆動に必要な電力の変動に対して良好な応答性(追従性)で、液体燃料電池2から電力を出力させることができる。
また、不足電力が閾値Bを超えている状態で、電流値変動量が閾値Cを下回った場合に、劣化判定カウンタのカウント値がインクリメントされ、そのインクリメント後のカウント値が閾値Eよりも大きくなると、液体燃料電池2が劣化していると断定される。
液体燃料電池2の劣化を断定することができるので、液体燃料電池2の劣化に応じて、液体燃料電池2の電流−電圧特性を補正することができる。これにより、定電圧制御時に、液体燃料電池2の劣化に応じて、液体燃料電池2における発電を良好に制御することができる。
また、定電圧制御時、車両では、要求電力に対する液体燃料電池2から出力される電力の不足分が二次電池5からモータに供給される。次制御周期以降において、車両ECU71から入力される要求電力にメモリ63に積算して記憶されている不足電力を加える補正がなされることにより、二次電池5から持ち出された電力を回復させることができる。これにより、二次電池5のSOC(State Of Charge)が低下しすぎることを抑制できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、燃料電池システム1が車両に搭載された場合を例にとった。しかしながら、燃料電池システム1は、車両以外の装置に搭載されてもよいし、それ単独で電源として構成されてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 液体燃料電池
61 FC−ECU(制御装置)
62 CPU(判定手段、通常発電制御手段、定電圧制御手段、劣化断定手段)
63 メモリ(特性記憶手段、劣化判定カウンタ)

Claims (2)

  1. 液体燃料電池の電流−電圧特性を記憶する特性記憶手段と、
    前記液体燃料電池に対する要求電力の現在から過去に遡る所定期間における変動量が所定の第1閾値を超えているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により、前記変動量が前記第1閾値を超えていないと判定された場合に、前記特性記憶手段に記憶されている電流−電圧特性によらずに、前記液体燃料電池に対する要求電力に応じた発電指令値を設定し、その発電指令値の電流が前記液体燃料電池から出力されるように、前記液体燃料電池における発電を制御する通常発電制御手段と、
    前記判定手段により、前記変動量が前記第1閾値を超えていると判定された場合に、前記特性記憶手段に記憶されている電流−電圧特性から前記液体燃料電池に対する要求電力に応じた電圧値を取得し、その取得した電圧値が前記液体燃料電池から出力されるように、前記液体燃料電池における発電を制御し、前記液体燃料電池に対する要求電力に対する当該制御によって前記液体燃料電池から出力される電力の不足分である不足電力が所定の第2閾値以下になるまで当該制御を継続する定電圧制御手段とを含む、液体燃料電池の制御装置。
  2. 前記不足電力が前記第2閾値を超えている状態で、前記液体燃料電池から出力される電流値の所定期間における変動量が所定の第3閾値を下回った場合に、カウント値がインクリメントされる劣化判定カウンタと、
    前記劣化判定カウンタのカウント値が所定の第4閾値よりも大きくなると、前記液体燃料電池が劣化していると断定する劣化断定手段とをさらに含む、請求項1に記載の液体燃料電池の制御装置。
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