JP2014048356A - 静電荷像現像用トナー、及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂を含む微粒子と、離型剤を含む微粒子と、又は結着樹脂と離型剤とを含む微粒子、を、所定の方法により凝集させて得られる微粒子凝集体に含まれる成分を合一化させて形成される、静電荷像現像用トナーについて、ポリエステル樹脂を含む結着樹脂を用い、110℃での溶融粘度と、DSC曲線中の最大吸熱ピークの温度とが所定の範囲内であるエステルワックスを含有する離型剤をトナー中に所定量含有させる。
【選択図】なし
Description
結着樹脂を含む微粒子と、離型剤を含む微粒子と、を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成するか、又は結着樹脂と離型剤とを含む微粒子を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成し、前記微粒子凝集体を水性媒体中で加熱して、前記微粒子凝集体に含まれる成分を合一化させて形成された、静電荷像現像用トナーであって、
前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂を含み、
前記離型剤は、エステルワックスを含み、
前記エステルワックスは、110℃での溶融粘度が15mPa・s以上であり、且つ、示差走査熱量(DSC)測定で得られるDSC曲線中の最大吸熱ピークの温度が60℃以上80℃以下であり、
前記静電荷像現像用トナー中の、前記離型剤の含有量が10質量%以上30質量%以下である、静電荷像現像用トナーに関する。
(I)前記結着樹脂を含む微粒子と、前記離型剤を含む微粒子と、を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成するか、又は前記結着樹脂と前記離型剤とを含む微粒子を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成する、微粒子凝集体形成工程;及び
(II)前記微粒子凝集体を水性媒体中で加熱して、前記微粒子凝集体に含まれる成分を合一化させる、合一化工程、
を含む、第一の態様の静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明の第1実施形態は、静電荷像現像用トナー(以下、トナーともいう)に関する。第1実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、結着樹脂を含む微粒子と、離型剤を含む微粒子と、を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成するか、又は、結着樹脂と離型剤とを含む微粒子を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を得、得られる微粒子凝集体を水性媒体中で加熱して、微粒子凝集体に含まれる成分を合一化させて形成される、静電荷像現像用トナーである。また、第1実施形態に係るトナーは、ポリエステル樹脂を含有する結着樹脂を含む。さらに、第1実施形態に係るトナーは、110℃での溶融粘度と、DSC曲線中の最大吸熱ピークの温度とが所定の範囲内であるエステルワックスを含有する離型剤を含む。
本発明のトナーは、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含む。結着樹脂としてポリエスエテル樹脂を用いることにより、幅広い温度範囲で良好に定着でき、発色性に優れるトナーを調製しやすい。結着樹脂として使用するポリエステル樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来トナー用の結着樹脂として使用されているポリエステル樹脂から適宜選択できる。ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものを使用することができる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下の2価又は3価以上のアルコール成分や2価又は3価以上のカルボン酸成分が挙げられる。
高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))によりポリエステル樹脂の軟化点の測定を行う。具体的には、以下のようにしてポリエステル樹脂の軟化点を測定する。トナー1.5gを試料として用い、高さが1.0mmで直径1.0mmのダイを使用する。そして、昇温速度4℃/min、予熱時間300秒、荷重30kg、測定温度範囲60℃以上200℃以下の条件で測定を行う。ポリエステル樹脂のフローテスターの測定により得られる、温度(℃)とストローク(mm)とに関するS字カーブより、ポリエステル樹脂の軟化点を読み取る。
本発明の静電荷像現像用トナーは、定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含む。そして、離型剤は、110℃での溶融粘度が15mPa・s以上であり、且つ、示差走査熱量(DSC)測定で得られるDSC曲線中の最大吸熱ピークの温度が60℃以上80℃以下であるエステルワックスを含む。エステルワックスは、このような物性を有するエステルワックスであれば特に限定されず、天然エステルワックス及び合成エステルワックスの何れを用いてもよい。エステルワックスは、2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<DSC測定の方法>
示差走査熱量計(DSC−6200(セイコーインスツルメンツ株式会社製))を用いて測定を行う。測定試料の量を10mgとし、測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/分で常温常湿下にて測定して得られる測定試料のDSC曲線から、最大の吸熱ピークの温度を求める。
静電荷像現像用トナーは着色剤を含んでいてもよい。トナーに配合される着色剤は、トナー粒子の色に合わせて、公知の顔料や染料を用いることができる。トナーに添加することができる好適な着色剤の具体例としては以下のような着色剤が挙げられる。
静電荷像現像用トナーは、必要に応じ、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルの安定性や、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れるトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
静電荷像現像用トナーには、所望により、磁性粉を含んでいてもよい。磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイトのような鉄;コバルト、ニッケルのような強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
静電荷像現像用トナーは、所望によりその表面を外添剤により処理されていてもよい。外添剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらの外添剤は、アミノシランカップリング剤やシリコーンオイルのような疎水化剤により疎水化して使用することもできる。疎水化された外添剤を用いる場合、高温高湿下でのトナーの帯電量の低下を抑制しやすく、また、流動性に優れるトナーを得やすい。
本発明の方法により得られる静電荷像現像用トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
本発明の第2実施形態は、第1実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明の第2実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、
以下の工程(I)及び(II)を含む。
(I)結着樹脂を含む微粒子と、離型剤を含む微粒子と、を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成するか、又は結着樹脂と離型剤とを含む微粒子を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成する、微粒子凝集体形成工程;及び
(II)微粒子凝集体を水性媒体中で加熱して、微粒子凝集体に含まれる成分を合一化させる、合一化工程。
工程(III):トナーを洗浄する、洗浄工程。
工程(IV):トナーを乾燥する、乾燥工程。
工程(V):トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる、外添工程。
工程(I)では、結着樹脂を含む微粒子と、離型剤を含む微粒子と、を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成するか、又は、結着樹脂と離型剤とを含む微粒子、を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成する。
以下、結着樹脂を含む微粒子を調製する方法の好適な例について説明する。結着樹脂を含む微粒子を調製する方法は、以下に説明する方法に限定されない。
R1−O−(CH2CH2O)p−SO3M・・・(1)
(式(1)中、R1はアルキル基であり、Mは1価のカチオンであり、pは1以上50以下の整数である。)
以下、離型剤を含む微粒子を調製する方法の好適な例について説明する。離型剤を含む微粒子を調製する方法は、以下に説明する方法に限定されない。
以下、結着樹脂と離型剤とを含む微粒子を調製する方法の好適な例について説明する。結着樹脂と離型剤とを含む微粒子を調製する方法は、以下に説明する方法に限定されない。
以下、着色剤の微粒子を調製する方法の好適な例について説明する。着色剤の微粒子を調製する方法は、以下に説明する方法に限定されない。
上記の方法等により調製される種々の微粒子を用いて、結着樹脂を含む微粒子と、離型剤を含む微粒子とを含む微粒子の水性媒体分散液か、又は、結着樹脂と離型剤とを含む微粒子の水性媒体分散液を調製した後、微粒子の水性媒体分散液に含まれる微粒子を凝集させて、微粒子凝集体を形成させる。なお、上記の水性媒体分散液は、必要に応じ、さらに着色剤の微粒子を含んでいてもよい。
合一化工程では、工程(I)で得られる微粒子凝集体を水性媒体中で加熱して、微粒子凝集体に含まれる成分を合一化させて、トナー粒子を形成する。また、合一化工程では、微粒子凝集体を加熱することにより、微粒子凝集体の形状が次第に球形に近づいていく。温度上昇により結着樹脂の溶融粘度が低下し、表面張力によって球形化の方向に微粒子凝集体の形状変化が起こるためである。加熱時の温度と時間を制御することで、得られるトナー粒子の球形化度を所望の値に制御可能である。
トナー粒子は、必要に応じて、水により洗浄される。洗浄方法は特に限定されず、例えば、トナー粒子を含む水性媒体分散液から、固液分離によりトナー粒子をウエットケーキとして回収し、得られるウエットケーキを水により洗浄する方法や、トナー粒子を含む水性媒体分散液中のトナー粒子を沈降させ、上澄み液を水と置換し、置換後にトナー粒子を水に再分散させる方法が挙げられる。
トナー粒子は、必要に応じて乾燥されてもよい。トナー粒子を乾燥する方法は特に限定されない。好適な乾燥方法としては、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、及び減圧乾燥機のような乾燥機を用いる方法が挙げられる。これらの方法の中では、乾燥中のトナー粒子の凝集を抑制しやすいことからスプレードライヤーを用いる方法がより好ましい。スプレードライヤーを用いる場合、トナー粒子の分散液と共に、シリカ等の外添剤の分散液を噴霧することによって、トナー粒子の表面に外添剤を付着させることができる。
本発明の方法により製造される静電荷像現像用トナーは、必要に応じてその表面に外添剤が付着したものであってもよい。工程(I)及び(II)と、工程(III)及び/又は工程(IV)とを、組み合わせて得られるトナー母粒子の表面に、外添剤を付着させる。外添剤をトナー母粒子の表面に付着させる方法は特に限定されない。好適な方法としては、外添剤がトナー母粒子表面に埋没しないように条件を調整して、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーのような混合機により、トナー母粒子と外添剤とを混合する方法が挙げられる。
〔ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製〕
以下の方法に従って、酸価が18.5mgKOH/gであり、フローテスター軟化点(Tm)が91℃であるポリエステル樹脂を結着樹脂として用いたポリエステル樹脂微粒子の水性媒体中の分散液を調製した。
〔着色剤微粒子分散液の調製〕
シアン着色剤(銅フタロシアニン、C.I.Pigment Blue 15:3)10質量部と、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)2質量部と、イオン交換水88質量部とを羽根つきの撹拌装置(RW20 digital(IKA社製))に投入し、500rpm、30分間分散処理を行い、固形分濃度10質量%の着色剤微粒子分散液を調製した。
〔離型剤微粒子分散液a〜jの調製〕
表1に記載の種別及び溶融粘度であり、DSC曲線中の最大吸熱ピークの温度が表1に記載の温度である離型剤を、ターボミル(ターボ工業株式会社製)を用いて粗粉砕して平均粒子径400μm程度の離型剤の粗粉砕物を得た。得られた離型剤の粗粉砕物10質量部と、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)2質量部と、イオン交換水88質量部とを混合してスラリーを調製した。得られたスラリーを、ナノマイザー(NV−200(吉田機械興業株式会社製)、加熱システムを追加)を用いて、加熱システム温度160℃、処理圧力100MPaの条件下で、処理を3回繰り返してスラリーの剪断分散を行い、固形分濃度10質量%の離型剤微粒子分散液を得た。離型剤の溶融粘度は、B形粘度計(TVB−10(東機産業株式会社製))を用いて測定した。
なお、離型剤微粒子分散液h〜jの調製に使用した離型剤は下記の市販品を用いた。
離型剤微粒子分散液h:石油系ワックス(マイクロクリスタリンワックス)、Hi−Mic−1045(日本精蝋株式会社製)
離型剤微粒子分散液i:石油系ワックス(マイクロクリスタリンワックス)、Hi−Mic−3090(日本精蝋株式会社製)
離型剤微粒子分散液j:パラフィンワックス、HNP−10(日本精蝋株式会社製)
<DSC測定の方法>
示差走査熱量計(DSC−6200(セイコーインスツルメンツ株式会社製))を用いて測定を行った。測定試料の量を10mgとし、測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/分で常温常湿下にて測定して得られた測定試料のDSC曲線から、最大の吸熱ピークのボトムの温度を、最大吸熱ピークの温度として求めた。
〔工程(I):微粒子凝集体形成工程〕
温度計及び撹拌羽根を備えたフラスコに、表2に記載の量のポリエステル樹脂微粒子を含むポリエステル樹脂微粒子分散液と、着色剤微粒子含む着色剤微粒子分散液5質量部と、表2に記載の種類、及び量の離型剤微粒子を含む離型剤微粒子分散液とを投入した。フラスコの内容物を、撹拌羽根により、回転数200rpmで撹拌しながら、濃度50質量%の塩化マグネシウム六水和物水溶液(凝集剤)3.8質量部をフラスコ内に滴下した。引き続き、フラスコの内容物を撹拌しながら、ウォーターバスを用いて、フラスコ内温を、昇温速度0.1℃/分の速度で昇温することにより、微粒子の凝集を開始させた。フラスコ内温を60℃まで昇温させた後、昇温を停止し、撹拌羽根の回転数を350rpmに変えた。次いで、濃度20質量%の塩化ナトリウム水溶液23質量部をフラスコ内に加えて、微粒子の凝集の進行を停止させ、微粒子凝集体の水性媒体分散液を得た。
微粒子凝集体の水性媒体分散液を得た後、分散液を撹拌羽根により回転数350rpmで撹拌しながら、フラスコ内温を70℃まで昇温させた。後述する離型剤の遊離性の評価のために、フラスコ内温を70℃まで昇温させた後の微粒子凝集体の水性媒体分散液の一部を試料として採取した。フラスコ内温を70℃まで昇温させた後、同温度で微粒子凝集体の水性分散液を2時間撹拌することにより、微粒子凝集体に含まれるトナー成分を合一化させると共に、微粒子凝集体の形状を球状に制御した。その後、フラスコの内容物を、常温まで冷却して、トナー母粒子の水性媒体分散液を得た。
トナー母粒子の水性媒体分散液から、吸引ろ過により、トナー母粒子のウエットケーキをろ取した後、ウエットケーキを再度イオン交換水に分散させてトナー母粒子を洗浄した。トナー母粒子10質量部をイオン交換水100質量部に分散させた時の、分散液の電気伝導率が5.0μS/cm以下になるまで、トナー母粒子のイオン交換水による同様の洗浄を繰り返した。分散液の電気伝導率が5.0μS/cm以下になった後、吸引ろ過により回収したトナー母粒子のウエットケーキを、次工程で乾燥させた。なお、分散液の電気伝導率の測定は、電気伝導率計(ES−51(株式会社堀場製作所製))を用いた。
トナー母粒子のウエットケーキを、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを連続式表面改質装置(コートマイザー(フロイント産業株式会社製))に供給することにより、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させて、トナー母粒子を得た。コートマイザーによる乾燥条件は、熱風温度45℃、ブロアー風量2m3/分であった。
工程(I)〜(IV)の方法に従って得られたトナー母粒子100質量部と、シリカ(RA200HS(アエロジル社製))0.5質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井三池工業株式会社製)を用いて、回転速度3000m/sで、10分間混合してトナー母粒子に外添剤を付着させた。
調製例1で用いたポリエステル樹脂85質量部と、調製例2で用いたシアン着色剤5質量部と、離型剤微粒子分散液aの調製に用いたエステルワックス10質量部とを、混合機を用いて混合した後に、混合物を、2軸押出機を用いて溶融混練して混練物を得た。混練物を、粉砕機(ロートプレックス(株式会社東亜機械製作所製))を用いて粗粉砕して粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、粉砕機(ターボミル(ターボ工業株式会社製))を用いて微粉砕した後、気流式分級機(エルボージェット(日鉄鉱業株式会社製))を用いて分級を行い、トナー母粒子を得た。得られたトナー母粒子に対して、実施例1と同様にして外添剤を外添して比較例13のトナーを得た。
(遊離性の評価試料の調製)
トナー10質量部と、トリエチルアミン4質量部と、イオン交換水84質量部とを撹拌羽根を備えたフラスコに投入し、回転数350rpmで撹拌しながら、ウォーターバスを用いて、フラスコ内温を70℃まで昇温させて、離型剤の遊離性の評価試料として用いるトナー粒子分散液を得た。
実施例1〜5、及び比較例1〜13に関して、以下の方法に従って、定着性の評価を行った。また、実施例1〜5、及び比較例1〜13のトナーの調製時に採取した離型剤の遊離性の評価試料を用いて、離型剤遊離性を評価した。評価結果を表2に記す。なお、定着性の評価については、以下の方法により調製された2成分現像剤を用いて評価を行った。
〔2成分現像剤の調製〕
2成分現像剤中のトナーの含有量が10質量%となるように、トナーと、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製のMFP(TASKalfa250ci)用の現像剤に用いられているキャリアとを、ボールミルを用いて30分間混合し、2成分現像剤を得た。
MFP(TASKalfa250ci(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)の改造機(定着装置を取り外したもの))を用いて未定着のベタ画像を得た。その後、評価用定着装置(着温度を調節できさらに独立駆動が可能なように改造されたプリンター(LS−3140MFP(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製))用の定着装置)を用いて、定着温度170℃で、未定着のベタ画像を被記録媒体に定着させた。また、定着温度を20℃下げて、未定着のベタ画像を被記録媒体に定着させた。被記録媒体として、C2(ゼロックス社製)を用いた。定着性を下記基準により評価した。
○:何れのベタ画像にもオフセットがなく、トナーが良好に被記録媒体に定着された。
×:何れのベタ画像にもオフセットが発生した。
トナーの調製時に採取した分散液の試料を、2時間静置した後の分散液の上澄み液が、離型剤成分により白濁しているか否かを目視により確認した。離型剤遊離性を下記基準により評価した。
○:上澄み液が透明であった。
×:上澄み液が白濁した。
Claims (2)
- 結着樹脂を含む微粒子と、離型剤を含む微粒子と、を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成するか、又は結着樹脂と離型剤とを含む微粒子を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成し、前記微粒子凝集体を水性媒体中で加熱して、前記微粒子凝集体に含まれる成分を合一化させて形成された、静電荷像現像用トナーであって、
前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂を含み、
前記離型剤は、エステルワックスを含み、
前記エステルワックスは、110℃での溶融粘度が15mPa・s以上であり、且つ、示差走査熱量(DSC)測定で得られるDSC曲線中の最大吸熱ピークの温度が60℃以上80℃以下であり、
前記静電荷像現像用トナー中の、前記離型剤の含有量が10質量%以上30質量%以下である、静電荷像現像用トナー。 - 以下の工程(I)及び(II):
(I)前記結着樹脂を含む微粒子と、前記離型剤を含む微粒子と、を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成するか、又は前記結着樹脂と前記離型剤とを含む微粒子を水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成する、微粒子凝集体形成工程;及び
(II)前記微粒子凝集体を水性媒体中で加熱して、前記微粒子凝集体に含まれる成分を合一化させる、合一化工程、
を含む、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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