JP2009145893A - 現像剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶媒を使用することなく、小粒径化、及び形状制御が可能で、良好な定着性及び保存性を有する現像剤を提供する。
【解決手段】バインダー樹脂及び着色剤を含有する混合物粒子を水系媒体中に分散させ、機械的せん断に供する。分散液を加熱部、機械的せん断部、及び冷却部を含む機械的せん断装置に導入し、下記式(1)を満足する条件で、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に分散液を加熱し、機械的せん断に供した後冷却することにより微粒子を得る。
2<log((A+B)/C)<2…(1)
但し、加熱部及び機械的せん断部において分散液が流れる部分の容量をA(cc)、冷却部において分散液が流れる部分の容量をB(cc)、分散液の流速をC(cc/分)とする。
【選択図】図3
【解決手段】バインダー樹脂及び着色剤を含有する混合物粒子を水系媒体中に分散させ、機械的せん断に供する。分散液を加熱部、機械的せん断部、及び冷却部を含む機械的せん断装置に導入し、下記式(1)を満足する条件で、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に分散液を加熱し、機械的せん断に供した後冷却することにより微粒子を得る。
2<log((A+B)/C)<2…(1)
但し、加熱部及び機械的せん断部において分散液が流れる部分の容量をA(cc)、冷却部において分散液が流れる部分の容量をB(cc)、分散液の流速をC(cc/分)とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、電子写真法、静電印刷法、及び磁気記録法等における静電荷像、磁気潜像を現像するための現像剤の製造方法に関する。
電子写真法では、像担持体上に電気的な潜像を形成し、ついで潜像をトナーによって現像してトナー像を形成し、紙等の転写材にトナー像を転写した後、加熱・加圧等の手段によって定着することにより画像を形成する。フルカラー画像を形成するために、ブラックトナーのみならず、複数色のトナーを用いて画像を形成している。
トナーは、キャリア粒子と混合して使用される2成分系現像剤と、磁性トナー又は非磁性トナーとして使用される1成分系現像剤とがある。これらトナーの製法は、通常、混練粉砕法により製造される。この混練粉砕法は、バインダー樹脂、顔料、ワックスなどの離型剤、帯電制御剤等を溶融混練し、冷却後に微粉砕し、これを分級して所望のトナー粒子を製造する方法である。混練粉砕法により製造されたトナー粒子表面には、目的に応じ、表面に無機及び/又は有機の微粒子が添加され、トナーが得られる。
混練粉砕法により製造されるトナー粒子の場合、通常、その形状は不定型であり、その表面組成は不均一である。使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により、トナー粒子の形状や表面組成は微妙に変化するが、形状を意図的に制御することは困難である。
また、特に粉砕性の高い材料を用いた場合、現像機内での種々のストレスにより、さらに微粉化されたり、形状が変化し、その結果、2成分系現像剤においては、微粉化されたトナーがキャリア表面へ固着して現像剤の帯電劣化が加速されたり、1成分系現像剤においては、粒度分布が拡大し、微粉化されたトナーが飛散したり、トナー形状の変化に伴い現像性が低下し、画質が劣化するという問題が生じることがある。
また、トナーがワックスなどの離型剤を含む場合、バインダー樹脂と離型剤の界面にて粉砕が起きやすいため、トナーの表面に離型剤が露出することがある。特に高弾性を有する粉砕されにくい樹脂と、ポリエチレンのような脆いワックスからなるトナーの場合、トナーの表面にポリエチレンの露出が多く見られる。このようなトナーは、定着時の離型性や感光体上からの未転写トナーのクリーニングには有利であるものの、トナーの表面のポリエチレンが、現像機内での剪断力等の機械力により、トナーから脱離し、現像ロール、像担持体、及びキャリア等に容易に移行し得る。このため、ワックスによる、現像ロール、像担持体、及びキャリア等汚染が生じ易く、現像剤としての信頼性が低下することがある。
このような事情の下、近年、トナー粒子の形状及び表面組成を意図的に制御したトナーの製造方法として、乳化重合凝集法が提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
乳化重合凝集法は、乳化重合により樹脂分散液を作成し、一方、溶媒に着色剤を分散させた着色剤分散液を作成し、これらを混合してトナー粒径に相当する凝集粒子を形成した後、加熱することによって融合し、トナー粒子を得る方法である。この乳化重合凝集法によると、加熱温度条件を選択することにより、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することができる。
乳化重合凝集法では、少なくとも樹脂微粒子の分散液、及び着色剤の分散液を所定の条件で凝集・融着させることにより得ることができる。しかしながら、乳化重合凝集法は合成し得る樹脂の種類に制約があり、スチレンアクリル系共重合体の製造には好適だが、定着性が良好であることが知られているポリエステル樹脂を適用することができない。
これに対し、ポリエステル樹脂を用いたトナーの製造方法として、有機溶剤に溶解させた溶液に顔料分散液等を添加し、これに水を加える転相乳化法があるが、有機溶剤を除去回収する必要がある。有機溶剤を使用せずに水系媒体中で機械的せん断により微粒子を製造する方法が提案されているが、溶融状態の樹脂等を撹拌装置に供給する必要があり、ハンドリングが困難である(例えば特許文献3参照)。また、この方法を用いると、形状制御に対する自由度も低く、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することができない。さらに、ポリエステル樹脂を水系媒体中で機械的せん断により微細化する際に、加水分解が発生し、ポリエステル樹脂の分子量が低下することがある。分子量が低下したポリエステル樹脂を含有する現像剤は凝集しやすくなり、保存性が低下する。さらに、分子量の低下に伴いポリエステル樹脂の軟化点が変化し、定着性が悪化する。
特開昭63−282752号公報
特開平6−250439号公報
特開平9−311502号公報
本発明は、有機溶媒を使用することなく、小粒径化、及び形状制御が可能で、良好な定着性及び保存性を有する現像剤を提供することを目的とする。
本発明の現像剤の製造方法は、少なくともポリエステル樹脂及び着色剤を含有する粒状化された混合物を水系媒体中に分散させ、粒状化された混合物の分散液を形成する工程、及び
該分散液を加熱部、機械的せん断部、及び冷却部を含む機械的せん断装置に導入する工程、
該分散液を該加熱部に通して加熱し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に分散液を加熱する工程、
該加熱された分散液を該機械的せん断部に通して機械的せん断に供し、該粒状化された混合物を微細に粒状化する工程、
該分散液を該冷却部に通し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度未満まで冷却して、微粒子を得る工程を具備する現像剤の製造方法であって、
前記加熱部及び機械的せん断部において分散液が流れる部分の容量をAcc、前記冷却部において分散液が流れる部分の容量をBcc、分散液の流速をCcc/分とするとき、下記式(1)を満足する。
該分散液を加熱部、機械的せん断部、及び冷却部を含む機械的せん断装置に導入する工程、
該分散液を該加熱部に通して加熱し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に分散液を加熱する工程、
該加熱された分散液を該機械的せん断部に通して機械的せん断に供し、該粒状化された混合物を微細に粒状化する工程、
該分散液を該冷却部に通し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度未満まで冷却して、微粒子を得る工程を具備する現像剤の製造方法であって、
前記加熱部及び機械的せん断部において分散液が流れる部分の容量をAcc、前記冷却部において分散液が流れる部分の容量をBcc、分散液の流速をCcc/分とするとき、下記式(1)を満足する。
−2<log((A+B)/C)<2…(1)
本発明の現像剤は、バインダー樹脂及び着色剤を含有する粒状化された混合物を水系媒体中に分散させ、 該分散液を加熱部、機械的せん断部、及び冷却部を含む機械的せん断装置に導入し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に分散液を加熱し、機械的せん断に供した後冷却することにより得られた微粒子を含む現像剤であって、
前記加熱部及び機械的せん断部において分散液が流れる部分の容量をA(cc)、前記冷却部において分散液が流れる部分の容量をB(cc)、分散液の流速をC(cc/分)とするとき、下記式(1)を満足する。
本発明の現像剤は、バインダー樹脂及び着色剤を含有する粒状化された混合物を水系媒体中に分散させ、 該分散液を加熱部、機械的せん断部、及び冷却部を含む機械的せん断装置に導入し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に分散液を加熱し、機械的せん断に供した後冷却することにより得られた微粒子を含む現像剤であって、
前記加熱部及び機械的せん断部において分散液が流れる部分の容量をA(cc)、前記冷却部において分散液が流れる部分の容量をB(cc)、分散液の流速をC(cc/分)とするとき、下記式(1)を満足する。
−2<log((A+B)/C)<2…(1)
本発明を用いると、有機溶媒を使用することなく、小粒径化、及び形状制御が可能であり、かつポリエステル樹脂の分子量を保持することにより定着性及び保存性を悪化させることなく現像剤が得られる。
本発明は、少なくともバインダー樹脂及び着色剤を含有する粒状化された混合物を水系媒体中に分散させ、粒状化された混合物の分散液を形成する工程、及び
分散液を機械的せん断に供し、粒状化された混合物を微細に粒状化して、微粒子を得る工程を含む現像剤の製造方法であって、
バインダー樹脂として、少なくともポリエステル樹脂を使用し、機械的せん断を下記のように行う。
分散液を機械的せん断に供し、粒状化された混合物を微細に粒状化して、微粒子を得る工程を含む現像剤の製造方法であって、
バインダー樹脂として、少なくともポリエステル樹脂を使用し、機械的せん断を下記のように行う。
まず、分散液を加熱部、機械的せん断部、及び冷却部を含む機械的せん断装置に導入する。次に、分散液を加熱部に通して加熱し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度より高く分散液を加熱する。続いて、加熱された分散液を機械的せん断部に通して、粒状化された混合物をさらに微細に粒状化する。その後、分散液を冷却部に通し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度未満まで冷却して、微粒子を得る。
さらに、本発明では、加熱部及び機械的せん断部における分散液の流路の容量をAcc、前記冷却部における分散液の流路の容量をBcc、分散液の流速をCcc/分とするとき、下記式(1)を満足する。
−2<log((A+B)/C)<2…(1)
ここで、流路の容量とは、加熱部、機械的せん断部、及び冷却部内の分散液が流れる部分の容量をいう。
ここで、流路の容量とは、加熱部、機械的せん断部、及び冷却部内の分散液が流れる部分の容量をいう。
また、本発明に係る現像剤は、バインダー樹脂及び着色剤を含有する粒状化された混合物を水系媒体中に分散させ、下記のように機械的せん断に供することにより得られた微粒子を含む。
この機械的せん断では、この分散液を加熱部、機械的せん断部、及び冷却部を含む機械的せん断装置に導入し、上記式(1)を満足する条件で、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に分散液を加熱し、機械的せん断に供した後冷却することにより微粒子を得る。
上記式(1)において、容量Aと容量Bの合計は、分散液が、加熱に供されて、ポリエステルのガラス転移温度以上に加温され、ガラス転移温度未満に冷却されるまでの区間の容量であり、これは、分散液が加熱に供されてからガラス転移温度に到達するまでの区間を除けば、ガラス転移温度以上の温度を有する分散液が存在する区間の容量に相当する。そして、この容量Aと容量Bとの合計を流速Ccc/分で割った値は、ガラス転移温度以上の温度を有する分散液が機械的せん断装置内を流れる時間に近似する値となる。
本発明によれば、式(1)を満足させることにより、分散液中の粒状化された混合物を機械的せん断により微細に粉砕して微粒子を形成する際に、分散液がガラス転移温度以上の温度に置かれている時間を制限して、微粒子中のポリエステル樹脂の不所望な加水分解を抑制することができる。このため、本発明を用いると、有機溶媒を使用することなく、小粒径化、及び形状制御が可能であり、かつポリエステル樹脂の分子量を保持することにより定着性及び保存性を悪化させることなく現像剤が得られる。
より好ましくは、容量A,容量B,及び流量Cの値が、さらに下記式(2)を満足させることができる。
−1<log((A+B)/C)<1…(2)
以下、図面を参照し、本発明をより詳細に説明する。
以下、図面を参照し、本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明に適用し得る機械的せん断装置を説明するためのブロック図を示す。
図2は、本発明に適用し得る機械的せん断装置の構成の一例を表す概略図を示す。
図3は、本発明の現像剤の製造方法の一例を表すフロー図を示す。
図1に示すように、本発明に適用可能な機械的せん断装置10は、分散液を貯留する貯留タンク1と、タンクから放出された分散液を加熱する加熱部2と、加熱された分散液を機械的せん断に供する機械的せん断部3と、機械的せん断によりより微粒化された混合物を冷却して微粒子を得るための冷却部4と、冷却された分散液を回収する回収タンク5と備えた、連続式微細化処理装置である。
また、図2に示すように、機械的せん断装置20は、図1の構成を有する装置の一例である。
貯留タンク1は、少なくともポリエステル樹脂及び着色剤を含有する粒状化された混合物を水系媒体中に分散させ、粒状化された混合物の分散液を貯留する。貯留タンク1は、加熱部2と導管16により接続され、加熱部2に分散液を放出し得る。
加熱部2は、貯留タンク1と導管16により接続されたコイル状のノズル17と、ノズル17を浸漬し得る例えばオイルバス12を有する。
加熱部2は、機械的せん断を行う処理部13を有する機械的せん断部3と接続されている。
機械的せん断部3には、処理部13として、例えば内径50〜300μmのオリフィス径を有するノズルを用いた高圧ホモジナイザー等を使用することができる。このノズルに例えば80MPa以上の圧力で分散液を通すことにより、機械的せん断が可能である。
冷却部4は、例えばコイル状の冷却ノズル18と冷却ノズル18周囲に流された例えば冷却水等の冷却媒体を有する。
冷却部4の冷却ノズル18には導管19が接続されている。導管19は、冷却部4から導管19を通して回収される分散液11を貯留する回収タンク5内に続いている。
このような構成を有する機械的せん断装置を用いて、現像剤に使用するトナー粒子を得ることができる。
本発明の現像剤の製造方法では、まず、少なくともポリエステル樹脂及び着色剤を含有する、粗く粒状化された混合物を調製する。
粒状化された混合物を水系媒体中に分散させ、粒状化された混合物の分散液を調製する
(Act1)。
(Act1)。
得られた分散液を貯留タンク1に投入する。
分散液を貯留タンク1から放出し、加熱部2に導入してポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に加熱する(Act2)。分散液の温度は、微細化のためには使用するポリエステル樹脂のガラス転移温度以上にする必要がある。また、温度は高いほど着色粒子が微細化されるため有利であるが、加水分解が促進されるため定着性の悪化等を引き起こす傾向がある。
加熱された分散液を機械的せん断部3に通し、処理部13にて、機械的せん断に供し、粒状化された混合物をさらに微細に粒状化する(Act3)。
機械的せん断に供された分散液を速やかに冷却部に送り、ガラス転移温度未満の温度まで冷却することにより、微細に粒状化された混合物を安定した微粒子とする(Act4)。
冷却された分散液を導管19を通して回収タンク5にて回収する(Act5)。
微粒子を凝集させず、そのまま使用する場合には、冷却された分散液から微粒子を分離し、洗浄、乾燥の後にトナー粒子として用いることができる。
一方、これら微粒子を所望の大きさになるまで凝集に供し、凝集粒子を形成した後、洗浄、乾燥を行い、トナー粒子として用いることができる。
なお、加熱部及び機械的せん断部の容量Acc、冷却部の容量Bcc、分散液の流速Ccc/分は、上記式(1)を満足するように調整する。
粗く粒状化された混合物は、例えばバインダー樹脂及び着色剤を含有する混合物を溶融混練して粗粉砕する工程により得られる。あるいは、バインダー樹脂及び着色剤を含有する混合物を造粒して得られる。
粗く粒状化された混合物は、好ましくは、0.012mmないし0.2mmの体積平均粒子径を有する。
体積平均粒子径が0.012mm未満であると、粗砕するためのエネルギーが大きくなり、生産性が低下する。0.2mmを超えると、微細化装置に具備された配管等内部で詰まったり、得られる粒度分布が大きくなったりする。
粗く粒状化された混合物は、より好ましくは、0.015mmないし0.1mmmの体積平均粒子径を有する。
粒状化された混合物は、ワックス、及び帯電制御剤のうち少なくとも1つをさらに含有し得る。
粗く粒状化された混合物の分散液を形成する工程において、水系媒体に、任意に、界面活性剤及びpH調整剤のうち少なくとも1種を添加することができる。
界面活性剤を添加することにより、混合物表面に吸着した界面活性剤の働きにより容易に水系媒体中に分散することができる。また、pH調整剤を添加することにより、混合品表面の解離性官能基の解離度を増加させたり、極性を高めたりすることにより、自己分散性を向上することができる。
微粒子は、例えば、0.05〜1.2μmの体積平均粒子径を有し得る。
0.05μm未満であると、微粒子の分散安定性が高くなり、凝集時に他の微粒子と同時に凝集せず、凝集体に取り込まれなくなる傾向があり、1.2μmを超えると、凝集後に得られるトナー粒径が粗大化する傾向がある。
凝集粒子を得る場合には、pHの調整、界面活性剤の添加、水溶性金属塩の添加、有機溶剤の添加、及び温度調整のうち少なくとも1つのプロセスを用いて微粒子を複数個凝集させることができる。これらのプロセスを調整することにより得られる凝集粒子の形状を制御することが可能である。また、凝集粒子を安定化させるために、この分散液を例えばバインダー樹脂のガラス転移温度よりも5℃ないし80℃高い温度に加温することができる。
ガラス転移温度以上ガラス転移温度よりも5℃高い温度未満の温度では、凝集した微粒子間の結着強度が弱くなり、結果、得られるトナーの機械的強度が低下し、現像器内でトナー粒子が破壊されやすくなる傾向があり、ガラス転移温度よりも80℃高い温度を超えると、凝集粒子が再度分散を起こしたり、長時間の加熱により樹脂が加水分解を起こしたりしやすくなる傾向がある。
凝集粒子、もしくは、安定化された凝集粒子は、好ましくは1〜10μmの体積平均粒子径を有する。
凝集粒子、もしくは、安定化された凝集粒子は、好ましくは0.8〜1.0の円形度を有する。
凝集粒子を形成した後、この分散液を例えば5℃ないしガラス転移温度以下まで冷却し、その後、例えばフィルタープレス等を用いて洗浄し、乾燥することにより、トナー粒子が得られる。
トナー粒子は、例えば3.0ないし7.0μmの体積平均粒子径を有する。
本発明に使用されるバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂が使用される。
さらに、ポリエステル樹脂単独で使用してもよいし、スチレンアクリル樹脂、ポリエステルとスチレンアクリルのハイブリット樹脂から選択される少なく2種以上を併用してもよい。
使用されるポリエステル樹脂は、好ましくは1以上の酸価を有する。
本発明に用いる着色剤としては、カーボンブラックや有機もしくは無機の顔料や染料などがあげられる。例えばカーボンブラックでは、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。また、イエロー顔料の例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、81、83、93、95、97、98、109、117、120、137、138、139、147、151、154、167、173、180、181、183、185、C.I.バットイエロー1、3、20などが挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。また、マゼンタ顔料の例としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、150、163、184、185、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35がなど挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。また、シアン顔料の例としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45などが挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。
粗く粒状化された混合物中には、ワックス、及び帯電制御剤のうち少なくとも1つをさらに添加することができる。
ワックスとして、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックスの如き植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ぺトロラタムの如き鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどがあげられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸、ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸の如き不飽和脂肪酸、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコールの如き飽和アルコール、ソルビトールの如き多価アルコール、リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(−般に金属石けんといわれているもの)、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス、ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
また、摩擦帯電電荷量を制御するための帯電制御剤としては、例えば含金属アゾ化合物が用いられ、金属元素が鉄、コバルト、クロムの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。その他、含金属サリチル酸誘導体化合物も使用可能であり、金属元素がジルコニウム、亜鉛、クロム、ボロンの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。
本発明に使用可能なpH調整剤としては特に制約されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の他に、アミン化合物を使用することができる。アミン化合物として、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン,イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパンなどが挙げられる。
本発明に使用可能な界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、及び多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明に用いられる機械的せん断装置としては、例えば高圧式装置、及びロータステータ型攪拌装置等を使用することができる。なお、これらの装置は、必要に応じて、加熱装置、及び冷却装置等と組み合わせて使用し得る。
高圧式装置は、例えば80MPa以上の圧力で機械的せん断が可能である。
また、高圧式装置は、例えば、内径50〜300μmのオリフィス径を有するノズルを有し得る。
高圧式装置としては、例えば高圧式ホモジナイザーを使用することができる。
本発明に使用できる高圧ホモジナイザーとして、例えば ニロ・ソアビ社製 マントン・ゴーリン式高圧ホモジナイザー、みずほ工業社製 マイクロフルイダイザー、吉田機械興業社製 ナノマイザー、スギノマシン社製 アルティマイザー、白水化学株式会社製 ジーナスPY、美粒社製NANO3000等があげられる。
ロータステータ型攪拌装置は、例えば周速が15m/sないし45m/sで攪拌することにより機械的せん断が可能である。
ロータステータ型攪拌装置としては、例えばクレアミックス(エム・テクニック社製)、ウルトラタラックス(IKAジャパン社製)、TKオートホモミクサー(プライミックス社製)等をあげることができる。
本発明に用いられる機械的せん断装置としては、その他、例えば、ウルトラタラックス(IKAジャパン社製)、TKオートホモミクサー(プライミックス社製)、TKパイプラインホモミクサー(プライミックス社製)、TKフィルミックス(プライミックス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、クレアSS5(エム・テクニック社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)、マイクロフルイダイザー(みづほ工業社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)、ナノマイザー(吉田興業社製)、ジーナスPY(白水化学工業社製)、NANO3000(美粒社製)のようなメディアを使用しない機械的せん断装置、ビスコミル(アイメックス製)、アペックスミル(寿工業社製)、スターミル(アシザワ、ファインテック社製)、DCPスーパーフロー(日本アイリッヒ社製)、エムピーミル(井上製作所社製)、スパイクミル(井上製作所社製)、マイティーミル(井上製作所社製)、SCミル(三井鉱山社製)などのメディアを使用する機械的せん断装置等が挙げられる。
本発明においては、機械的せん断装置を用いて少なくとも樹脂と顔料を含む混合品、もしくは、混練品を加熱しながら微粒化するが、微粒化後はガラス転移温度以下まで冷却するが、凝集を行う所望の温度まで冷却しても良い。
本発明においては、粗く粒状化された混合物を調製するために、少なくともバインダー樹脂と着色剤を含む混合物を混練することができる。
使用する混練機は、溶融混練が可能であれば特に限定されないが、例えば1軸押出機、2軸押出機、加圧型ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー等が挙げられる。具体的には、FCM(神戸製鋼所社製)、NCM(神戸製鋼所社製)、LCM(神戸製鋼所社製)、ACM(神戸製鋼所社製)、KTX(神戸製鋼所社製)、GT(池貝社製)、PCM(池貝社製)、TEX(日本製鋼所社製)、TEM(東芝機械社製)、ZSK(ワーナー社製)、及びニーデックス(三井鉱山社製)などが挙げられる。
本発明においては、微粒子を凝集させる場合に、水溶性の金属塩を使用することができる。水溶性の金属塩として例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、などの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシム等の無機金属塩重合体などである。
本発明においては、微粒子を凝集させる場合に、有機溶剤を使用しても良い。有機溶剤として、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
本発明においては、トナー粒子に対して流動性や帯電性を調整するために、トナー粒子表面に、トナー全重量に対し、0.01〜20重量%の無機微粒子を添加混合してもよい。このような無機微粒子としてはシリカ、チタニア、アルミナ、及びチタン酸ストロンチウム、酸化錫等を単独であるいは2種以上混合して使用することができる。
無機微粒子は疎水化剤で表面処理されたものを使用することが環境安定性向上の観点から好ましい。また、このような無機酸化物以外に1μm以下の樹脂微粒子をクリーニング性向上のために外添してもよい。
無機微粒子等の混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、リボコーン(大川原製作所社製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン社製)、タービュライザー(ホソカワミクロン社製)、サイクロミキサー(ホソカワミクロン社製)、スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製)、レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられる。
本発明においては、更に粗粒などをふるい分けしてもよい。篩に用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製)、ジャイロシフター(徳寿工作所社)、バイブラソニックシステム(ダルトン社製)、ソニクリーン(新東工業社製)、ターボスクリーナー(ターボ工業社製)、ミクロシフター(槙野産業社製)、円形振動篩い等が挙げられる。
実施例
実施例1
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度58度、酸価6、重量平均分子量Mw 13,658) 90重量部、着色剤としてシアン色顔料 5重量部、エステルワックス4重量部、及び帯電制御剤としてジルコニア金属錯体1重量部を混合した後、120℃に温度設定した2軸混練機にて溶融混練し、混練物を得た。
実施例1
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度58度、酸価6、重量平均分子量Mw 13,658) 90重量部、着色剤としてシアン色顔料 5重量部、エステルワックス4重量部、及び帯電制御剤としてジルコニア金属錯体1重量部を混合した後、120℃に温度設定した2軸混練機にて溶融混練し、混練物を得た。
得られた混練物を奈良機械製作所社製ハンマーミルにて平均体積粒径1.2mmに粗粉砕し、粗粒子を得た。続いて、ホソカワミクロン社製パルベライザを用いて更に粉砕し、平均体積粒径58μmの中砕粒子を得た。
得られた中砕粒子30重量部、アニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部、アミン化合物としてトリエチルアミン1重量部、イオン交換水68重量部をIKA社製ホモジナイザーにて攪拌し、分散液1を得た。
次に得られた分散液1を、吉田機械興業社製ナノマイザー 型番YSNM−2000ARに加熱システムを追加したものに投入し、着色微粒子を得た。ナノマイザーは、オイルバスと、オイルバス中に浸漬された、3/8インチすなわち3.2mmの内径と、10mの長さと、79ccの容量をもつ加熱用コイルを備えており、この部分にて分散液はガラス転移温度以上に加熱される。また、処理部は100μmのジェネレータを具備しており、その直後に、79ccの容量をもつ冷却用コイル10mが設けられている。冷却用コイルの周りに冷却水を流すことにより、分散液をガラス転移温度未満まで冷却できる。ジェネレータ部分の容積は0.1cc以下であるので、混合液、及び分散液がガラス転移温度以上まで加熱されるのは、実質、加熱用コイルの容量と冷却用コイルの容量の和で表現できる。
今回、加熱システム温度すなわちオイルバスの温度を200℃に設定し、処理圧力80MPaにて1回のみ処理を行った。また、分散液の流量を、吐出量を用いて測定した結果100cc/minであった。冷却後得られた着色微粒子の体積平均粒子径を島津製作所社製 レーザ回折式粒度分布測定装置 型番SALD7000にて測定した結果、0.652μmであった。着色微粒子の体積平均粒子径は1.2μm以下であることが望ましく、1.2μmより大きい場合、凝集後に得られるトナーの体積平均粒子径が多くなったり、粒度分布がブロードになる傾向にある。
得られた微粒子分散液に5%硫酸マグネシウム水溶液40重量部を添加し、70℃まで徐々に温度を上げ、微粒子を所望の体積平均粒子径となるまで凝集させて凝集粒子を得た。
着色粒子の体積平均粒子径を保持するため分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2重量部添加し、形状を制御するため、90℃まで昇温させ、3時間放置した。
冷却後、得られた凝集粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させ、体積平均粒子径4.5μmのトナー粒子を得た。
得られたトナーの重量平均分子量をWaters社製 Alliance2695により、測定した結果、13554であった。分子量の変化率を、下記式
(トナーの分子量−処理前の樹脂の分子量)/処理前の樹脂の分子量×100
により、測定した結果−0.76%であった。重量平均分子量の変化量は、−5%以内が望ましく、−5%より大きくなると、加水分解により発生した低分子量体によるトナー保存性の悪化、定着性の悪化等が発生し、トナー性能が低下する。
(トナーの分子量−処理前の樹脂の分子量)/処理前の樹脂の分子量×100
により、測定した結果−0.76%であった。重量平均分子量の変化量は、−5%以内が望ましく、−5%より大きくなると、加水分解により発生した低分子量体によるトナー保存性の悪化、定着性の悪化等が発生し、トナー性能が低下する。
保存性は、トナーサンプル20gを55℃環境下に8時間放置した後、42メッシュ(開き目350μm)の上にゆっくりのせる。その後、パウダテスタ(ホソカワミクロン社製)にて10秒間振動させ、メッシュの上に残ったトナー量を保存性の値とする。保存性の値が0.5g以下であれば、市場にてトナーが固まったりしないが、0.5gより多いと、固まったトナーの一部が画像欠陥を引き起こすことがある。実施例1にて得られたトナーの保存性は0.2gであった。
電子写真用トナーの評価用に改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO 281cに投入し、故意に定着器の温度を変化させ、良好な画像が得られる定着器温度を評価した結果、150℃〜190℃で非オフセット領域は40℃であった。非オフセット領域が20℃以下の場合、連続通紙した際に生じる定着器の温度変動により、定着不良画像となる。
実施例2
ナノマイザーの処理圧を200MPaにすること以外は実施例1と同じ条件にて体積平均粒子径が0.491μmの着色微粒子を得た。この時の流量は、250 cc/minであった。実施例1と同条件にてトナーを作成した結果、体積平均粒子径4.0μmのトナーを製造した。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、13,587であり、分子量の変化率は−0.52%であった。トナーの保存性は0.2gで、非オフセット領域は40度すなわち150℃〜190℃にて定着可能であった。
ナノマイザーの処理圧を200MPaにすること以外は実施例1と同じ条件にて体積平均粒子径が0.491μmの着色微粒子を得た。この時の流量は、250 cc/minであった。実施例1と同条件にてトナーを作成した結果、体積平均粒子径4.0μmのトナーを製造した。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、13,587であり、分子量の変化率は−0.52%であった。トナーの保存性は0.2gで、非オフセット領域は40度すなわち150℃〜190℃にて定着可能であった。
実施例3
ナノマイザーの加熱用コイルを10mから20mに変更すること以外は、実施例2と同条件にて体積平均粒子径が0.423μmの着色微粒子を得た。この時の流量は、250cc/minであった。実施例1と同様にしてトナーを作成した結果、体積平均粒子径3.8μmのトナーが得られた。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、13476であり、分子量の変化率は−1.33%であった。トナーの保存性は0.4gで、非オフセット領域は40度すなわち150℃〜190℃にて定着可能であった。
ナノマイザーの加熱用コイルを10mから20mに変更すること以外は、実施例2と同条件にて体積平均粒子径が0.423μmの着色微粒子を得た。この時の流量は、250cc/minであった。実施例1と同様にしてトナーを作成した結果、体積平均粒子径3.8μmのトナーが得られた。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、13476であり、分子量の変化率は−1.33%であった。トナーの保存性は0.4gで、非オフセット領域は40度すなわち150℃〜190℃にて定着可能であった。
実施例4
実施例1と同様の方法にて、混合液1を作成した。
実施例1と同様の方法にて、混合液1を作成した。
次に、得られた混合液1をクレアミックス2.2S(エム・テクニック社製)に投入し、着色微粒子を得た。クレアミックスは、実施例1と同様の79ccの加熱用コイル、79ccの冷却用コイルを具備し、処理部に1000ccのベッセルを設けている。このベッセル内に高速回転する攪拌翼があり、機械的せん断により中砕微粒子を微細化する。また、ベッセルは130度に加熱されているため、Tg以上となっている部分の容積は合計で1,158ccとなる。さらに、1000ccベッセルの排出部にバルブを具備しており、バルブの開閉で流量を調整できる。また、タンクとクレアミックスの間に送液ポンプを設置している。
上記クレアミックス2.2Sの回転数を18,000rpmに設定し、流量が100cc/分となるようにバルブの開度を調整して処理を実施した。得られた着色微粒子の体積平均粒子径は、0.591μmであった。
実施例1と同条件にてトナーを作成した結果、体積平均粒子径4.3μmのトナーを製造した。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、13267であり、分子量の変化率は−2.86%であった。トナーの保存性は0.4gで、非オフセット領域は35度すなわち150℃〜185℃にて定着可能であった。
実施例5
バルブの開度を調整して流量を15cc/分に変更したこと以外は、実施例4と同様の条件にて体積平均粒子径が0.362μmの着色微粒子を得た。実施例1と同条件にてトナーを作成した結果、体積平均粒子径3.7μmのトナーを製造した。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、13、002であり、分子量の変化率は−4.8%であった。トナーの保存性は0.5gで、非オフセット領域は30度すなわち140℃〜170℃にて定着可能であった。
バルブの開度を調整して流量を15cc/分に変更したこと以外は、実施例4と同様の条件にて体積平均粒子径が0.362μmの着色微粒子を得た。実施例1と同条件にてトナーを作成した結果、体積平均粒子径3.7μmのトナーを製造した。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、13、002であり、分子量の変化率は−4.8%であった。トナーの保存性は0.5gで、非オフセット領域は30度すなわち140℃〜170℃にて定着可能であった。
実施例6
バルブの開度を調整して流量を400cc/分に変更したこと以外は、実施例4と同様の条件にて体積平均粒子径が0.782μmの着色微粒子を得た。実施例1と同条件にてトナーを作成した結果、体積平均粒子径6.2μmのトナーを製造した。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、13,472であり、分子量の変化率は−1.36%であった。トナーの保存性は0.4gで、非オフセット領域は40度すなわち150℃〜190℃にて定着可能であった。
バルブの開度を調整して流量を400cc/分に変更したこと以外は、実施例4と同様の条件にて体積平均粒子径が0.782μmの着色微粒子を得た。実施例1と同条件にてトナーを作成した結果、体積平均粒子径6.2μmのトナーを製造した。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、13,472であり、分子量の変化率は−1.36%であった。トナーの保存性は0.4gで、非オフセット領域は40度すなわち150℃〜190℃にて定着可能であった。
比較例1
処理部に設置したジェネレータを取り外したこと以外は、実施例1と同様の条件にて体積平均粒子径57μmの着色粒子を得た。ジェネレータを取り外すことにより、流量は20,000ccまで増加したが、微細化することはできなかった。
処理部に設置したジェネレータを取り外したこと以外は、実施例1と同様の条件にて体積平均粒子径57μmの着色粒子を得た。ジェネレータを取り外すことにより、流量は20,000ccまで増加したが、微細化することはできなかった。
比較例2
バルブの開度を調整して流量を12cc/分に変更したこと以外は、実施例4と同様の条件にて体積平均粒子径が0.358μmの着色微粒子を得た。実施例1と同条件にてトナーを作成した結果、体積平均粒子径3.7μmのトナーを製造した。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、12767であり、分子量の変化率は−6.52%であった。トナーの保存性は1.5gで、非オフセット領域は20度すなわち140℃〜160℃にて定着可能であった。
バルブの開度を調整して流量を12cc/分に変更したこと以外は、実施例4と同様の条件にて体積平均粒子径が0.358μmの着色微粒子を得た。実施例1と同条件にてトナーを作成した結果、体積平均粒子径3.7μmのトナーを製造した。得られたトナーの重量平均分子量を測定した結果、12767であり、分子量の変化率は−6.52%であった。トナーの保存性は1.5gで、非オフセット領域は20度すなわち140℃〜160℃にて定着可能であった。
Claims (6)
- 少なくともポリエステル樹脂及び着色剤の混合物を含有する混合物粒子を水系媒体中に分散させ、混合物粒子の分散液を形成する工程、及び
該分散液を加熱部、機械的せん断部、及び冷却部を含む機械的せん断装置に導入する工程、
該分散液を該加熱部に通して加熱し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に分散液を加熱する工程、
該加熱された分散液を該機械的せん断部に通して機械的せん断に供し、該混合物粒子を粒状化する工程、
該分散液を該冷却部に通し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度未満まで冷却して、第1の粒径を有する微粒子を得る工程を具備する現像剤の製造方法であって、
前記加熱部及び機械的せん断部において分散液が流れる部分の容量をAcc、前記冷却部において分散液が流れる部分の容量をBcc、分散液の流速をCcc/分とするとき、下記式(1)を満足する現像剤の製造方法。
−2<log((A+B)/C)<2…(1) - 前記機械的せん断装置は、80MPa以上の圧力で機械的せん断が可能な高圧式装置を含む請求項1に記載の方法。
- 前記高圧式装置の機械的せん断部は、内径50〜300μmのオリフィス径を有するノズルを有する請求項2に記載の方法。
- 前記混合物粒子は、前記バインダー樹脂及び前記着色剤を含有する混合物を溶融混練して粉砕する工程により得られる請求項1に記載の現像剤の製造方法。
- 前記微粒子を、pHの調整、界面活性剤の添加、水溶性金属塩の添加、有機溶剤の添加、及び温度調整のうち少なくとも1つのプロセスを用いて、複数個凝集せしめ、前記第1の粒径よりも大きい第2の粒径を有する凝集粒子を形成する工程をさらに有する請求項1に記載の現像剤の製造方法。
- バインダー樹脂及び着色剤を含有する混合物粒子を水系媒体中に分散させ、
該分散液を加熱部、機械的せん断部、及び冷却部を含む機械的せん断装置に導入し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に分散液を加熱し、機械的せん断に供した後冷却することにより得られた第1の粒径を有する微粒子を含む現像剤であって、
前記加熱部及び機械的せん断部において分散液が流れる部分の容量をA(cc)、前記冷却部において分散液が流れる部分の容量をB(cc)、分散液の流速をC(cc/分)とするとき、下記式(1)を満足する現像剤。
−2<log((A+B)/C)<2…(1)
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