JP2011018046A - 現像剤、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 キャリア汚染を生ずることなく、良好な画像を形成し得る現像剤を得る。
【解決手段】 バインダー樹脂及び着色剤を含有する粗く粒状化された混合物を含む水系分散液を機械的せん断に供して粒状化した後、得られた着色微粒子を凝集して、凝集粒子を形成し、同様に水系分散液を機械的せん断に供して粒状化した離型剤微粒子及び樹脂微粒子を用いて第1のカプセル化を行い、さらに樹脂微粒子を用いて第2のカプセル化を行得ことによりカプセルトナーを得る。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法等における静電荷像、磁気潜像を現像するための現像剤、及びその製造方法に関する。
電子写真法では、像担持体上に電気的な潜像を形成し、ついで潜像をトナーによって現像し、紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱・加圧等の手段によって定着する。使用するトナーは、従来の単色ブラックのみならず、フルカラー画像を形成するために、複数色のトナーを用いて画像を形成している。
トナーは、キャリア粒子と混合して使用される2成分系現像剤と、磁性トナー又は非磁性トナーとして使用される1成分系現像剤とがある。これらトナーの製法は、通常、混練粉砕法により製造される。この混練粉砕法は、バインダー樹脂、顔料、ワックスなどの離型剤、帯電制御剤等を溶融混練し、冷却後に微粉砕し、これを分級して所望のトナー粒子を製造する方法である。混練粉砕法により製造されたトナー粒子表面には、目的に応じ、表面に無機及び/又は有機の微粒子が添加され、トナーが得られる。
混練粉砕法により製造されるトナー粒子の場合、通常、その形状は不定型であり、その表面組成は不均一である。使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により、トナー粒子の形状や表面組成は微妙に変化するが、形状を意図的に制御することは困難である。
また、特に粉砕性の高い材料を用いた場合、現像機内での種々のストレスにより、さらに微粉化されたり、形状が変化し、その結果、2成分系現像剤においては、微粉化されたトナーがキャリア表面へ固着して現像剤の帯電劣化が加速されたり、1成分系現像剤においては、粒度分布が拡大し、微粉化されたトナーが飛散したり、トナー形状の変化に伴い現像性が低下し、画質が劣化するという問題が生じていた。
また、トナーがワックスなどの離型剤を含む場合、バインダー樹脂と離型剤の界面にて粉砕が起きやすいため、トナーの表面に離型剤が露出することがある。特に高弾性を有する粉砕されにくい樹脂と、ポリエチレンのような脆いワックスからなるトナーの場合、トナーの表面にポリエチレンの露出が多く見られる。このようなトナーは、定着時の離型性や感光体上からの未転写トナーのクリーニングには有利であるものの、トナーの表面のポリエチレンが、現像機内での剪断力等の機械力により、トナーから脱離し、現像ロール、像担持体、及びキャリア等に容易に移行し得る。このため、ワックスによる、現像ロール、像担持体、及びキャリア等汚染が生じ易く、現像剤としての信頼性が低下することがあった。
このような事情の下、近年、トナー粒子の形状及び表面組成を意図的に制御したトナーの製造方法として、乳化重合凝集法が提案されている。
乳化重合凝集法は、乳化重合により樹脂分散液を作成し、一方、溶媒に着色剤を分散させた着色剤分散液を作成し、これらを混合してトナー粒径に相当する凝集粒子を形成した後、加熱することによって融合し、トナー粒子を得る方法である。この乳化重合凝集法によると、加熱温度条件を選択することにより、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することができる。
乳化重合凝集法では、少なくとも樹脂微粒子の分散液、及び着色剤の分散液を所定の条件で凝集・融着させることにより得ることができる。しかしながら、乳化重合凝集法は合成し得る樹脂の種類に制約があり、スチレンアクリル系共重合体の製造には好適だが、定着性が良好であることが知られているポリエステル樹脂を適用することができない。
これに対し、ポリエステル樹脂を用いたトナーの製造方法として、有機溶剤に溶解させた溶液に顔料分散液等を添加し、これに水を加える転相乳化法があるが、有機溶剤を除去回収する必要がある。有機溶剤を使用せずに水系媒体中で機械的せん断により微粒子を製造する方法が提案されているが、溶融状態の樹脂等を撹拌装置に供給する必要があり、ハンドリングが困難であった。また、形状制御に対する自由度も低く、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することができなかった。
そこでわれわれは、有機溶剤を使用せずにポリエステル樹脂を微粒化し、その後、凝集、カプセル化せしめることにより形状及び粒子径分布が制御可能で、さらに帯電性が良好な製法、及び、電子写真用トナーを見出した。この製法では、少なくともバインダー樹脂及び着色剤を含有する粗く粒状化された混合物を水系媒体と混合する工程、及び混合液を機械的撹拌に供し、粗く粒状化された混合物を微細に粒状化して、微粒子を形成する工程、バインダー樹脂を含有する粗く粒状化された混合物を水系媒体と混合する工程、及び混合液を機械的撹拌に供し、粗く粒状化された混合物を微細に粒状化して、微粒子を形成する工程、及び微粒子を凝集せしめ、凝集粒子を形成する工程、バインダー樹脂を含有する微粒子と大きさの異なる凝集体を混合しカプセル化する工程を有している。
しかしながら、バインダー樹脂及び着色剤に、離型剤を追加した混合物を水系媒体中にて微細に粒状化した場合、離型剤や着色剤がトナー表面に存在するため、定着時の離型性や感光体上からの未転写トナーのクリーニングには有利であるものの、トナーの表面の離型剤や着色剤が、現像機内での剪断力等の機械力により、トナーから脱離し、現像ロール、像担持体、及びキャリア等に容易に移行し得る。このため、離型剤や着色剤による、現像ロール、像担持体、及びキャリア等汚染が生じ易く、現像剤としての信頼性が低下するという問題がある。
特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特開平9−311502号公報
本発明の実施形態は、キャリア汚染を生ずることなく、良好な画像を形成し得る現像剤を提供することを目的とする。
実施形態に係る現像剤の製造方法によれば、バインダー樹脂及び着色剤を含有する粗く粒状化された混合物を水系媒体と混合して第1の水系分散液を調製する工程、該第1の水系分散液を機械的せん断に供し、該粗く粒状化された混合物を微細に粒状化して、着色微粒子を含む第1の微粒子分散液を形成する工程、及び該第1の微粒子分散液中で該着色微粒子を凝集する工程により、凝集粒子を形成するプロセスと、
少なくとも1種類以上の離型剤を含有する離型剤粒子を水系媒体と混合して第2の水系分散液を形成する工程、及び該第2の水系分散液を機械的せん断に供し、該離型剤粒子を微細に粒状化する工程により、離型剤微粒子を形成するプロセスと、
少なくとも1種類以上のバインダー樹脂を含有する樹脂粒子を水系媒体と混合して第3の水系分散液を形成する工程、及び該第3の水系分散液を機械的せん断に供し、該樹脂粒子を微細に粒状化する工程により、樹脂微粒子を形成するプロセスとにより、凝集粒子、離型剤微粒子、樹脂微粒子を各々形成する。
その後、凝集粒子を含む分散液中に離型剤微粒子及び樹脂微粒子を添加し、凝集粒子表面に離型剤微粒子及び樹脂微粒子を付着させることにより、第1のカプセル化を行い、凝集粒子表面上に第1のカプセル部を形成するプロセスと、
第1のカプセル粒子を含む分散液中に樹脂微粒子を添加し、第1のカプセル部表面に該樹脂微粒子を付着させることにより、第2のカプセル化を行い、第2のカプセル部を形成するプロセスとにより現像剤を製造する。
実施形態にかかる現像剤の製造方法の一例を表すフロー図である。 機械的せん断装置として使用される高圧式微粒化機の一例を表す図である。 一実施態様により得られた現像剤を適用可能な複写機の構成を表す概略図である。
実施形態によれば、着色剤とバインダーを樹脂を含有する凝集粒子を含む分散液中に離型剤微粒子及び樹脂微粒子を添加し、凝集粒子表面に離型剤微粒子及び樹脂微粒子を付着させることにより、第1のカプセル化を行い、凝集粒子表面上に第1のカプセル部を形成するプロセスと、
第1のカプセル粒子を含む分散液中に樹脂微粒子を添加し、第1のカプセル部表面に樹脂微粒子を付着させることにより、第2のカプセル化を行い、第2のカプセル部を形成するプロセスとを具備する現像剤の製造方法が提供される。
凝集粒子を形成するプロセスは、バインダー樹脂及び着色剤を含有する粗く粒状化された混合物を水系媒体と混合して第1の水系分散液を調製する工程、第1の水系分散液を機械的せん断に供し、粗く粒状化された混合物を微細に粒状化して、着色微粒子を含む第1の微粒子分散液を形成する工程、及び第1の微粒子分散液中で該着色微粒子を凝集する工程を含む。
離型剤微粒子を形成するプロセスは、少なくとも1種類以上の離型剤を含有する離型剤粒子を水系媒体と混合して第2の水系分散液を形成する工程、及び第2の水系分散液を機械的せん断に供し、離型剤粒子を微細に粒状化する工程を含む。
樹脂微粒子を形成するプロセスは、少なくとも1種類以上のバインダー樹脂を含有する樹脂粒子を水系媒体と混合して第3の水系分散液を形成する工程、及び該第3の水系分散液を機械的せん断に供し、樹脂粒子を微細に粒状化する工程を含む。
また、実施形態によれば、上記方法を用いて得られた現像剤が提供される。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に、実施形態にかかる現像剤の製造方法の一例を表すフロー図を示す。
この方法では、凝集粒子、離型剤微粒子、及び樹脂微粒子を各々形成する。
まず、凝集粒子の形成について、説明する。
バインダー樹脂及び着色剤を含有する粗く粒状化された混合物を調製する(Act 1)。このとき、混合物中に、任意に離形剤を添加することができる。
粗く粒状化された混合物は、好ましくは、例えば0.05mmないし10mmの体積平均粒径を有する。体積平均粒径が0.03mm未満であると、水系媒体中に分散させるために強い攪拌が必要となり、攪拌により発生した泡が混合品の分散を低下させる傾向があり、10mmを超えると、機械的せん断装置のせん断部に設けられたギャップと比較して粒子径が大きいため、せん断部に粒子が詰まったり、混合物の内部と外部での受けたエネルギーの違いにより、組成や粒子径の不均一な粒子が発生したりする傾向がある。
粗く粒状化された混合物は、より好ましくは、0.1mmないし5mmの体積平均粒径を有する。
粗く粒状化された混合物を水系媒体と混合して第1の水系分散液を調製する(Act 2)。
粗く粒状化された混合物の分散液を形成する工程において、水系媒体に、任意に、界面活性剤及びpH調整剤のうち少なくとも1種を添加することができる。
界面活性剤を添加することにより、混合物表面に吸着した界面活性剤の働きにより容易に水系媒体中に分散することができる。また、pH調整剤を添加することにより、混合品表面の解離性官能基の解離度を増加させたり、極性を高めたりすることにより、自己分散性を向上することができる。
続いて、第1の水系分散液を機械的せん断に供し、粗く粒状化された混合物を微細に粒状化して、着色微粒子を含む第1の微粒子分散液を形成する(Act 3)。
第1の微粒子分散液中で着色微粒子を所望の大きさになるまで凝集せしめ、(Act 4)、凝集粒子を形成することができる。
尚、着色微粒子を凝集する際、後述の離型剤微粒子を第1の微粒子分散液中に混合することが出来る。
凝集粒子を形成するために、分散液中に凝集剤を投入することができる。
凝集粒子を形成する工程では、pHの調整、界面活性剤の添加、水溶性塩の添加、有機溶剤の添加、及び温度調整のうち少なくとも1つのプロセスを用いて微粒子を複数個凝集させることができる。これらのプロセスを調整することにより得られる凝集粒子の形状を制御することが可能である。
次に、離型剤微粒子の形成について説明する。
少なくとも1種類以上の離型剤を含有する粗く粒状化された離型剤を水系媒体と混合して第2の水系分散液を形成する。(Act 5)
粗く粒状化された離型剤は、好ましくは、0.03mmないし10mmの体積平均粒径を有する。
体積平均粒径が0.03mm未満であると、水系媒体中に分散させるために強い攪拌が必要となり、攪拌により発生した泡が混合品の分散を低下させる傾向があり、10mmを超えると、機械的せん断装置のせん断部に設けられたギャップと比較して粒子径が大きいため、せん断部に粒子が詰まったり、混合物の内部と外部での受けたエネルギーの違いにより、組成や粒子径の不均一な粒子が発生したりする傾向がある。
粗く粒状化された離型剤含有物は、より好ましくは、0.05mmないし5mmの体積平均粒径を有する。
その後、第2の水系分散液を機械的せん断に供し(Act 6)、離型剤粒子を微細に粒状化し、離型剤微粒子を得ることが出来る。
さらに、樹脂微粒子の形成について説明する。
バインダー樹脂を含有する樹脂粒子を水系媒体と混合して第3の水系分散液を形成する(Act 7)。バインダー樹脂は他の材料と混合してもよいし、単独で使用してもよい。また、水系媒体に、任意に、界面活性剤及びpH調整剤のうち少なくとも1種を添加することができる。界面活性剤を添加することにより、混合物表面に吸着した界面活性剤の働きにより容易に水系媒体中に分散することができる。また、pH調整剤を添加することにより、バインダー樹脂表面の解離性官能基の解離度を増加させたり、極性を高めたりすることにより、自己分散性を向上することができる。
その後、第3の水系分散液を機械的せん断に供し(Act 8)、該樹脂粒子を微細に粒状化する工程により、樹脂微粒子を形成することができる。
なお、機械的せん断は、バインダー樹脂のTg以上の温度に加温して行うことができる。
水系媒体中で、バインダー樹脂のTg以上の温度で機械的せん断を行うことにより、粗く粒状化されたバインダー樹脂の粘性を確保でき、微細に分割して粒状化することができる。実施形態によれば、機械的せん断の処理温度、処理時間及び高圧微粒化装置のパス回数、攪拌微粒化装置の回転数、超音波微粒化装置の超音波強度等を調整することにより、得られる微粒子の大きさを制御することができる。
このようにして準備した凝集粒子、離型剤微粒子、及び樹脂微粒子を用いて、以下のようにカプセル化トナーを形成する。
まず、凝集粒子を含む分散液中に離型剤微粒子を添加し、凝集粒子表面に、離型剤微粒子及び樹脂微粒子を付着させることにより、第1のカプセル化を行い、(Act 9)第1のカプセル部を形成する。
その後、第1のカプセル粒子を含む分散液中に樹脂微粒子を添加し、第1のカプセル部表面に樹脂微粒子を付着させることにより、第2のカプセル化を行い、第2のカプセル部を形成する(Act 10)。
凝集粒子に離型剤微粒子及び樹脂微粒子をカプセル化するために、pHの調整、界面活性剤の添加、水溶性塩の添加、有機溶剤の添加、及び温度調整のうち少なくとも1つのプロセスを用いることができる。また、凝集粒子を安定化させるために、この分散液を例えばバインダー樹脂のガラス転移点に対して+5〜+80℃位の温度に加温することができる。
凝集粒子は、好ましくは1〜15μmの体積平均粒子径を有する。
凝集粒子は、好ましくは0.8〜1.0の円形度を有する。
続いて、第1のカプセル部及び第2のカプセル部が形成された凝集粒子を含む分散液を例えば5℃ないしガラス転移点以下まで冷却し、その後、例えばフィルタープレス等を用いて洗浄し(Act 11)、乾燥(Act 12)することにより、カプセル化されたトナー粒子が得られる。
実施形態にかかる方法によれば、バインダー樹脂及び着色剤を含有する材料を水系媒体中に混合させて機械的せん断に供することにより、材料を微細に分割しながら粒状化することが可能となる。また、バインダー樹脂を含有する材料を水系媒体中に混合させて機械的せん断に供することにより、バインダー樹脂をシェル剤に適した条件にて材料を微細に分割しながら粒状化することが可能となる。これにより、有機溶媒を使用することなく、カプセル化トナーの製造が可能であり、表面組成のばらつきが少なく、十分な定着性及び転写性を示すカプセルトナーが得られる。また、これにより、トナーの対汚染性、環境安定性を向上することができる。
また、このようなカプセルトナーを用いることにより、良好な画像を形成し得る。
実施形態に使用されるバインダー樹脂としては、定着性や透明性に優れたポリエステル樹脂が使用できるが、他の樹脂を併用することもできる。例えばポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・アクリル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリエチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン・ノルボルネン共重合体、ポリエチレン・ビニルアルコール共重合体などのエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びマレイン酸系樹脂が挙げられる。これら樹脂は、2種以上を併用してもよい。
バインダー樹脂は、好ましくは1mgKOH/g以上の酸価を有する。
実施形態に用いる着色剤としては、カーボンブラックや有機もしくは無機の顔料や染料などがあげられる。例えばカーボンブラックでは、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。また、イエロー顔料の例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、81、83、93、95、97、98、109、117、120、137、138、139、147、151、154、167、173、180、181、183、185、C.I.バットイエロー1、3、20などが挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。また、マゼンタ顔料の例としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、150、163、184、185、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35がなど挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。また、シアン顔料の例としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45などが挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。
粗く粒状化された混合物中には、ワックス、及び帯電制御剤のうち少なくとも1つをさらに添加することができる。
ワックスとして、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックスの如き植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ぺトロラタムの如き鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどがあげられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸、ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸の如き不飽和脂肪酸、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコールの如き飽和アルコール、ソルビトールの如き多価アルコール、リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(−般に金属石けんといわれているもの)、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス、ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
また、摩擦帯電電荷量を制御するための帯電制御剤としては、例えば含金属アゾ化合物が用いられ、金属元素が鉄、コバルト、クロムの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。その他、含金属サリチル酸誘導体化合物も使用可能であり、金属元素がジルコニウム、亜鉛、クロム、ボロンの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。
実施形態に使用可能なpH調整剤としては、アミン化合物を使用することが望ましい。アミン化合物として、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン,イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパンなどが挙げられる。
実施形態に使用可能な界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、及び多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
実施形態に用いられる機械的せん断装置としては、例えば、NANO3000(株式会社美粒)、ウルトラタラックス(IKAジャパン社製)、TKオートホモミクサー(プライミックス社製)、TKパイプラインホモミクサー(プライミックス社製)、TKフィルミックス(プライミックス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、クレアSS5(エム・テクニック社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)のようなメディアレス撹拌機、ビスコミル(アイメックス製)、アペックスミル(寿工業社製)、スターミル(アシザワ、ファインテック社製)、DCPスーパーフロー(日本アイリッヒ社製)、エムピーミル(井上製作所社製)、スパイクミル(井上製作所社製)、マイティーミル(井上製作所社製)、SCミル(三井鉱山社製)などのメディア攪拌機等が挙げられる。
図2に、機械的せん断装置として使用される高圧式微粒化機の一例を表す図を示す。
高圧式微粒化機とは、高圧ポンプにより、10MPa〜300MPaの圧力をかけながら、微小なノズルを通過させることにより、せん断をかけ微粒子化する装置である。
図示するように、高圧型湿式微粒化機の一例となる高圧ホモジナイザー210は、ホッパータンク201、送液ポンプ202、高圧ポンプ203、加熱部204、微粒化部205、減圧部206、冷却部207、及び減圧部208を順に配置した構成と、各部を接続する配管とを含む。
ホッパータンク201は、処理液を投入するタンクである。装置稼動時は、装置内に空気を送り込まないよう常に液を満たしておく必要が有る。処理液の粒子径が大きく、沈降性があるものの場合は、さらに攪拌機を設けることができる。
送液ポンプ202は、高圧ポンプ203に処理液を連続的に送るために設置する。また、高圧ポンプ203に設けられた図示しない逆止弁での詰まりを回避するためにも有効である。このポンプ202としては、例えばダイアフラムポンプ、チュービングポンプ、ギアポンプ等が使用できる。
高圧ポンプ203は、プランジャー式ポンプであり、図示しない処理液入口及び処理液出口に逆止弁を有する。プランジャーの数は生産規模に応じ、1から10個使用される。脈流を極力減らすために、2個以上あることが望ましい。
加熱部204は、オイルバス等の加熱器具内に熱交換面積を多くとるためにらせん状に形成された高圧配管209が設置されている。この加熱部204は、分散液の流れる方向に対し、高圧ポンプ203の上流側または下流側のどちらでも問題が無いが、少なくとも微粒化部205の上流側である必要がある。高圧ポンプ203の上流側に加熱部204を設置する場合は、ホッパータンク201に加熱装置を付与しても良いが、高温下での滞留時間が長いため、熱分解が起こり易くなる。
微粒化部205には、強力なせん断をかけるための微小な径を有するノズルが含まれている。ノズルの径及び形状は様々あるが、ノズル径は0.05mmから0.5mmが望ましく、形状は、通過型ノズル、または衝突型ノズルが望ましい。また、このノズルは多段で構成しても良く、多段にする場合は異なるノズル径を複数並べても良い。複数並べる方法は並列でも直列でも良い。ノズルの材質は高圧に耐えることが可能なダイヤモンド等が使用される。
冷却部207には、冷水が連続的に流されるバス内に熱交換面積を多くとるためにらせん状に形成された配管11が設置されている。
必要に応じ、上記冷却部207の前後に減圧部206,8を設けることができる。減圧部206,8の構成としては、微粒化部7のノズル径より、大きくかつ接続配管径より小さい流路を有するセル、または2方向バルブを1つ以上配置する。
この高圧式微粒化機による処理は以下のように行う。
まず、処理液は使用されるバインダー樹脂のガラス転移点温度以上に加熱される。加熱を行う理由は、使用されるバインダー樹脂を溶融させる目的がある。
この加熱温度はバインダー樹脂のガラス転移点温度により異なる。また、連続的に熱交換器を通過させ加熱する方法の場合、分散液の流速及び熱交換の配管の長さにも影響する。流速が速い場合や配管が短い場合は高い温度が必要で、逆に流速が遅い場合や配管が長い場合は充分に分散液が加熱されるため、低い温度で処理が可能となる。例えば、流量が300から400cc/min、熱交換配管が3/8インチ・12mの高圧配管、バインダー樹脂のガラス転移点温度が60℃の場合、加熱温度は、例えば180℃にすることができる。
次に、この加熱された分散液を10MPa以上の圧力をかけながらせん断を与える。この時、せん断を与えるのはノズルである。10MPa以上の高圧をかけながら、ノズルを通過することにより、溶融したバインダー樹脂が微粒化される。この時の圧力は10MPaから300MPaあると良い。
最後に分散液を樹脂のTg以下まで冷却する。この冷却により、溶融した微粒子が固化される。処理液が急速に冷却されるため、冷却による凝集や合一が起こり難くなる。
必要に応じ、上記冷却部の前後に背圧を付与したり、減圧を行っても良い。背圧または減圧とは、ノズル通過後にすぐに大気圧開放するのではなく、1段階(背圧)または、多段階(減圧)で大気圧付近に戻すことを意味する。背圧部または減圧部通過後の圧力は0.1MPa〜10MPa、望ましくは0.1〜5MPaである。この減圧部は径の異なるセル又はバルブを複数個並べるとさらに良い。多段階で減圧することにより粗粒子が少なく粒度分布がシャープな微粒子を得ることができる。
得られた微粒子は、必要に応じて吸引濾過することにより分散媒を除去することができる。
実施形態においては、機械的せん断装置を用いて少なくとも樹脂と顔料を含む混合品、もしくは、混練品を加熱しながら微粒化するが、微粒化後は一旦所望の温度まで冷却しても良いし、凝集を行う所望の温度に設定しても良い。
また、実施形態においては、粗く粒状化された混合物を調製するために、バインダー樹脂と着色剤を含む混合物を混練することができる。
使用する混練機は、溶融混練が可能であれば特に限定されないが、例えば1軸押出機、2軸押出機、加圧型ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー等が挙げられる。具体的には、FCM(神戸製鋼所社製)、NCM(神戸製鋼所社製)、LCM(神戸製鋼所社製)、ACM(神戸製鋼所社製)、KTX(神戸製鋼所社製)、GT(池貝社製)、PCM(池貝社製)、TEX(日本製鋼所社製)、TEM(東芝機械社製)、ZSK(ワーナー社製)、及びニーデックス(三井鉱山社製)などが挙げられる。
実施形態においては、微粒子を凝集させる場合に、水溶性の塩を使用することができる。水溶性の塩として例えば、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、などの塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシム等の無機金属塩重合体などである。
実施形態においては、微粒子を凝集させる場合に、酸を使用しても良い。酸として例えば、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、燐酸などの無機酸、酢酸、無水酢酸、シュウ酸、クエン酸、スルホン酸、モノ硫酸エステルなどの有機酸である。
実施形態においては、微粒子を凝集させる場合に、0.1MのPHが7より小さい強酸弱塩基の塩を使用しても良い。0.1MのPHが7より小さい強酸弱塩基の塩として、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウムなどの無機酸アンモニウム塩、硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの酸水素塩、クエン酸アンモニウムなどの有機酸アンモニウム塩、が挙げられる。
実施形態においては、微粒子を凝集させる場合に、有機溶剤を使用しても良い。有機溶剤として、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
実施形態においては、トナー粒子に対して流動性や帯電性を調整するために、トナー粒子表面に、トナー全重量に対し、0.01〜20重量%の無機微粒子を添加混合してもよい。このような無機微粒子としてはシリカ、チタニア、アルミナ、及びチタン酸ストロンチウム、酸化錫等を単独であるいは2種以上混合して使用することができる。
無機微粒子は疎水化剤で表面処理されたものを使用することが環境安定性向上の観点から好ましい。また、このような無機酸化物以外に1μm以下の樹脂微粒子をクリーニング性向上のために外添してもよい。
無機微粒子等の混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、リボコーン(大川原製作所社製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン社製)、タービュライザー(ホソカワミクロン社製)、サイクロミキサー(ホソカワミクロン社製)、スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製)、レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられる。
実施形態においては、更に粗粒などをふるい分けしてもよい。篩に用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製)、ジャイロシフター(徳寿工作所社)、バイブラソニックシステム(ダルトン社製)、ソニクリーン(新東工業社製)、ターボスクリーナー(ターボ工業社製)、ミクロシフター(槙野産業社製)、円形振動篩い等が挙げられる。
このため、離型剤や着色剤による、現像ロール、像担持体、及びキャリア等汚染が生じ易く、現像剤としての信頼性が低下する。
このような構成をとることにより、離型剤や着色剤をトナーの表面に露出するのを防ぎ、対汚染性の向上が可能となり、所望の透明性、帯電特性を有する電子写真用トナーを得ることができるため、良好な画像を提供することができる。
図3に、一実施態様により得られた現像剤を適用可能な複写機の構成を表す概略図を示す。
図示するように、4連タンデム方式のカラー複写機MFP(e−studio 4520c)1は上方にスキャナ部2及び排紙部3を備える。
カラー複写機1は、中間転写ベルト(中間転写媒体)10の下側に沿って並列に配置されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4組の画像形成ステーション11Y、11M、11C及び11Kを有する。
各画像形成ステーション11Y、11M、11C及び11Kは、それぞれ感光体ドラム(像担持体)12Y、12M、12C及び12Kを有している。感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kの周囲には、その矢印m方向の回転方向に沿って帯電チャージャ13Y、13M、13C及び13K、現像装置14Y、14M、14C及び14K、及び感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16Kを配置している。感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kの周囲の帯電チャージャ13Y、13M、13C及び13Kから現像装置14Y、14M、14C及び14Kに至る間には、レーザ露光装置(潜像形成装置)17による露光々が照射され、感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K上に静電潜像を形成する。
現像装置14Y、14M、14C及び14Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー及びキャリアからなる二成分現像剤を有し、感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K上の静電潜像にトナーを供給する。
中間転写ベルト10は、バックアップローラ21、従動ローラ20及び第1〜第3のテンションローラ22〜24により張架される。中間転写ベルト10は、感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kに対向し接触する。中間転写ベルト10の感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kに対向する位置には、感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K上のトナー像を中間転写ベルト10に1次転写するための、一次転写ローラ18Y、18M、18C及び18Kが設けられる。この一次転写ローラ18Y、18M、18C及び18Kはそれぞれ導電ローラであり、これら各一次転写部に一次転写バイアス電圧を印加する。
中間転写ベルト10のバックアップローラ21により支持される転写位置である二次転写部には、二次転写ローラ27が配置される。二次転写部では、バックアップローラ21が導電ローラであり、所定の二次転写バイアスが印加されている。印刷対象物のシート紙(最終転写媒体)が、中間転写ベルト10と二次転写ローラ27間を通過すると、シート紙上に、中間転写ベルト10上のトナー像が二次転写される。二次転写終了後、中間転写ベルト10はベルトクリーナ10aによりクリーニングされる。
レーザ露光装置17の下方には二次転写ローラ27方向にシート紙を供給する給紙カセット4を備えている。カラー複写機1の右側には手差しによりシート紙を給紙する手差し機構31を備える。
給紙カセット4から二次転写ローラ27に到る間には、ピックアップローラ4a、分離ローラ28a、搬送ローラ28b及びレジストローラ対36が設けられ、これらにより給紙機構を構成している。手差し機構31の手差しトレイ31aからレジストローラ対36に到る間には、手差しピックアップローラ31b、手差し分離ローラ31cが設けられる。
更に、給紙カセット4或いは手差しトレイ31aから二次転写ローラ27方向にシート紙を搬送する縦搬送路34上には、シート紙の種類を検知するメディアセンサ39が配置される。カラー複写機1は、メディアセンサ39による検知結果から、シート紙の搬送速度、転写条件、定着条件等を制御可能となっている。又、縦搬送路34方向に沿って、2次転写部の下流には定着装置30が設けられる。
給紙カセット4から取り出され、あるいは手差し機構31から給紙されるシート紙は、縦搬送路34に沿って、レジストローラ対36、二次転写ローラ27を経て、定着装置30に搬送される。定着装置30は、一対の加熱ローラ51及び駆動ローラ52に巻かれた定着ベルト53と、定着ベルト53を介して、加熱ローラ51に対向して配置された対向ローラ54とを有する。定着ベルト53及び対向ローラ54間に、二次転写部にて転写されたトナー像をもつシート紙を導入し、加熱ローラ51にて加熱を行うことにより、シート紙に転写されたトナー像を熱処理して定着する。定着装置30の下流には、ゲート33が設けられ、排紙ローラ41方向或いは、再搬送ユニット32方向に振り分ける。排紙ローラ41に導かれたシート紙は、排紙部3に排紙される。又再搬送ユニット32に導かれたシート紙は、再度二次転写ローラ27方向に導かれる。
画像形成ステーション11Yは、感光体ドラム12Yとプロセス手段を一体的に有し、画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられている。プロセス手段とは、帯電チャージャ13Yと現像装置14Yと感光体クリーニング装置16Yの少なくとも1つを言う。
感光体クリーニング装置16Yは、図示しないクリーニング部材を有する。クリーニング部材を使用し、感光体表面に接触させることにより、残留する現像剤を掻き落とすことができる。この時、トナーの円形度が高いと、ブレードと感光体表面との間をすり抜けてクリーニング性を低下させる場合があるけれども、実施形態にかかるトナーは、不定形化されて円形度が少し低下しているので、クリーニング性を低下させ難い。
画像形成ステーション11M、11C及び11Kも画像形成ステーション11Yと同様な構成である。各画像形成ステーション11Y、11M、11C及び11Kは、画像形成装置に対して各々着脱自在であっても良いし、一体の画像形成ユニット11として画像形成装置に対して着脱自在であっても良い。
以下に実施例を示し、実施形態を説明する。
(実施例1)
(着色微粒子の製造)
低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)75重量部、高分子量体ポリエステル樹脂(Tg=65℃)10重量部、シアン10重量部、ライスワックス5重量部を混合後、120℃に温度設定した2軸混練機にて処理することにより、混練品を得た。得られた混練品をバンタムミルで粉砕し、平均粒径100μmの混練中砕品を得た。
混練中砕品40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径350nmの着色微粒子が得られた。
(樹脂微粒子の製造)
平均粒径50μmの低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(離型剤微粒子の製造)
平均粒径50μmのライスワックス40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、イオン交換水59.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの離型剤微粒子が得られた。
(着色凝集体スラリーの製造)
30℃で攪拌しながら、着色微粒子5重量部、1N塩酸0.2重量部、イオン交換水94.8重量部を混合後、pH調整を行い50℃まで加熱を行い体積平均粒径4.9μmの凝集体が得られた。
(第一層カプセル粒子の製造)
着色凝集体スラリー80重量部を50℃で攪拌しながら、樹脂微粒子9重量部、離型剤微粒子1重量部を混合後、10%塩化アンモニウム水溶液10重量部を添加することにより、体積平均粒径5.1μmのカプセル粒子が得られた。
(第二層カプセル粒子の製造)
50℃で攪拌しながら、第一層カプセル粒子90重量部、低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃、酸価10mgKOH/g)の樹脂微粒子10重量部を混合後、95℃まで加熱を行い体積平均粒径5.2μmのカプセル粒子が得られた。
カプセル粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させた。乾燥後、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部を着色粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得ることができた。電子写真用トナーの体積平均粒子径をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測定した結果、5.2μmであり、FPIA(シスメックス社製)により円形度を測定した結果、0.98であった。
実施形態のカプセルトナー5重量部をキャリア95重量部と混合し現像剤を得た。この現像剤を評価のために改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、定着評価を実施した。定着器温度を意図的に変更し、良好な画像を得ることができる定着器の温度範囲を測定した結果、良好な画像を得ることができる温度領域(非オフセット温度領域と呼ぶ)が70℃であることが分った。非オフセット領域は広いほど定着器温度のドリフトに対応できるため望ましく、50℃以上あれば実用上問題なく使用できる。40℃以下の場合、欠陥画像発生の確率が高くなり望ましくない。
また現像剤を30℃85%の高温多湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフで測定した帯電量q/m[HH]と、10℃20%の低温低湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフにて測定した帯電量q/m[LL]を用いて帯電安定性の評価を実施した。帯電安定性はq/m[HH]をq/m[LL]にて除して求めることができ、現像剤の値は0.75であった。帯電安定性は、その値が0.70以上であれば環境雰囲気によらず良好な画像を得ることができる。
次に現像剤を東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、印字率10%にて100K枚の通紙試験を実施した。通紙終了後の現像剤を採取し、キャリア表面を汚染した物質の量を測定した結果、キャリア汚染量は0.07重量部であった。100K枚の通紙にわたり、良好な画像を得るためにはキャリア汚染量は0.10重量部以下であることが望ましい。
(実施例2)
(着色微粒子の製造)
低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)75重量部、高分子量体ポリエステル樹脂(Tg=65℃)10重量部、シアン10重量部、ライスワックス5重量部を混合後、120℃に温度設定した2軸混練機にて処理することにより、混練品を得た。得られた混練品をバンタムミルで粉砕し、平均粒径100μmの混練中砕品を得た。混練中砕品40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径350nmの着色微粒子が得られた。
(樹脂微粒子の製造)
平均粒径50μmの低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、NaOH1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径108nmの樹脂微粒子が得られた。
(離型剤微粒子の製造)
平均粒径50μmのライスワックス40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、イオン交換水59.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(着色凝集体の製造)
30℃で攪拌しながら、着色微粒子5重量部、1N塩酸0.2重量部、イオン交換水94.8重量部を混合後、pH調整を行い50℃まで加熱を行い体積平均粒径4.8μmの凝集体が得られた。
(第一層カプセル粒子の製造)
着色凝集体スラリー80重量部を50℃で攪拌しながら、樹脂微粒子9重量部、離型剤微粒子1重量部を混合後、10%塩化アンモニウム水溶液10重量部体積平均粒径5.1μmのカプセル粒子が得られた。
(第二層カプセル粒子の製造)
50℃で攪拌しながら、第一層カプセル粒子90重量部、低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃、酸価5mgKOH/g)の樹脂微粒子10重量部を混合後、95℃まで加熱を行い体積平均粒径5.2μmのカプセル粒子が得られた。
カプセル粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させた。乾燥後、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部を着色粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得ることができた。電子写真用トナーの体積平均粒子径をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測定した結果、5.2μmであり、FPIA(シスメックス社製)により円形度を測定した結果、0.98であった。
実施形態のカプセルトナー5重量部をキャリア95重量部と混合し現像剤を得た。この現像剤を評価のために改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、定着評価を実施した。定着器温度を意図的に変更し、良好な画像を得ることができる定着器の温度範囲を測定した結果、良好な画像を得ることができる温度領域(非オフセット温度領域と呼ぶ)が70℃であることが分った。非オフセット領域は広いほど定着器温度のドリフトに対応できるため望ましく、50℃以上あれば実用上問題なく使用できる。40℃以下の場合、欠陥画像発生の確率が高くなり望ましくない。
また現像剤を30℃85%の高温多湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフで測定した帯電量q/m[HH]と、10℃20%の低温低湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフにて測定した帯電量q/m[LL]を用いて帯電安定性の評価を実施した。帯電安定性はq/m[HH]をq/m[LL]にて除して求めることができ、現像剤の値は0.76であった。帯電安定性は、その値が0.70以上であれば環境雰囲気によらず良好な画像を得ることができる。
次に現像剤を東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、印字率10%にて100K枚の通紙試験を実施した。通紙終了後の現像剤を採取し、キャリア表面を汚染した物質の量を測定した結果、キャリア汚染量は0.065重量部であった。100K枚の通紙にわたり、良好な画像を得るためにはキャリア汚染量は0.10重量部以下であることが望ましい。
(実施例3)
(着色微粒子の製造)
低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)75重量部、高分子量体ポリエステル樹脂(Tg=65℃)10重量部、シアン10重量部、ライスワックス5重量部を混合後、120℃に温度設定した2軸混練機にて処理することにより、混練品を得た。得られた混練品をバンタムミルで粉砕し、平均粒径100μmの混練中砕品を得た。混練中砕品40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径350nmの着色微粒子が得られた。
(樹脂微粒子の製造)
平均粒径50μmの低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(離型剤微粒子の製造)
平均粒径50μmのライスワックス40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、イオン交換水59.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(着色凝集体の製造)
30℃で攪拌しながら、着色微粒子10重量部、硫酸アンモニウム1.5重量部、イオン交換水88.5重量部を混合後、pH調整を行い50℃まで加熱を行い体積平均粒径3.2μmの凝集体が得られた。
(第一層カプセル粒子の製造)
着色凝集体スラリー80重量部を50℃で攪拌しながら、樹脂微粒子9重量部、離型剤微粒子1重量部を混合後、10%塩化アンモニウム水溶液10重量部体積平均粒径5.1μmのカプセル粒子が得られた。
(第二層カプセル粒子の製造)
50℃で攪拌しながら、第一層カプセル粒子90重量部、低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃、酸価20mgKOH/g)の樹脂微粒子10重量部を混合後、95℃まで加熱を行い体積平均粒径4.9μmのカプセル粒子が得られた。
カプセル粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させた。乾燥後、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部を着色粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得ることができた。電子写真用トナーの体積平均粒子径をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測定した結果、4.9μmであり、FPIA(シスメックス社製)により円形度を測定した結果、0.96であった。
実施形態のカプセルトナー5重量部をキャリア95重量部と混合し現像剤を得た。この現像剤を評価のために改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、定着評価を実施した。定着器温度を意図的に変更し、良好な画像を得ることができる定着器の温度範囲を測定した結果、良好な画像を得ることができる温度領域(非オフセット温度領域と呼ぶ)が75℃であることが分った。非オフセット領域は広いほど定着器温度のドリフトに対応できるため望ましく、50℃以上あれば実用上問題なく使用できる。40℃以下の場合、欠陥画像発生の確率が高くなり望ましくない。
また現像剤を30℃85%の高温多湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフで測定した帯電量q/m[HH]と、10℃20%の低温低湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフにて測定した帯電量q/m[LL]を用いて帯電安定性の評価を実施した。帯電安定性はq/m[HH]をq/m[LL]にて除して求めることができ、現像剤の値は0.78であった。帯電安定性は、その値が0.70以上であれば環境雰囲気によらず良好な画像を得ることができる。
次に現像剤を東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、印字率10%にて100K枚の通紙試験を実施した。通紙終了後の現像剤を採取し、キャリア表面を汚染した物質の量を測定した結果、キャリア汚染量は0.075重量部であった。100K枚の通紙にわたり、良好な画像を得るためにはキャリア汚染量は0.10重量部以下であることが望ましい。
(実施例4)
(着色微粒子の製造)
低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)75重量部、高分子量体ポリエステル樹脂(Tg=65℃)10重量部、シアン10重量部、ライスワックス5重量部を混合後、120℃に温度設定した2軸混練機にて処理することにより、混練品を得た。得られた混練品をバンタムミルで粉砕し、平均粒径100μmの混練中砕品を得た。混練中砕品40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径350nmの着色微粒子が得られた。
(樹脂微粒子の製造)
平均粒径50μmの非結晶性低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(離型剤微粒子の製造)
平均粒径50μmのライスワックス40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、イオン交換水59.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(着色凝集体の製造)
30℃で攪拌しながら、着色微粒子5重量部、1N塩酸0.2重量部、イオン交換水94.8重量部を混合後、pH調整を行い50℃まで加熱を行い体積平均粒径4.7μmの凝集体が得られた。
(第一層カプセル粒子の製造)
着色凝集体スラリー80重量部を50℃で攪拌しながら、樹脂微粒子7重量部、離型剤微粒子3重量部を混合後、10%塩化アンモニウム水溶液10重量部体積平均粒径5.1μmのカプセル粒子が得られた。
(第二層カプセル粒子の製造)
50℃で攪拌しながら、第一層カプセル粒子90重量部、樹脂微粒子10重量部を混合後、95℃まで加熱を行い体積平均粒径5.2μmのカプセル粒子が得られた。
カプセル粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させた。乾燥後、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部を着色粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得ることができた。電子写真用トナーの体積平均粒子径をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測定した結果、5.2μmであり、FPIA(シスメックス社製)により円形度を測定した結果、0.95であった。
実施形態のカプセルトナー5重量部をキャリア95重量部と混合し現像剤を得た。この現像剤を評価のために改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、定着評価を実施した。定着器温度を意図的に変更し、良好な画像を得ることができる定着器の温度範囲を測定した結果、良好な画像を得ることができる温度領域(非オフセット温度領域と呼ぶ)が80℃であることが分った。非オフセット領域は広いほど定着器温度のドリフトに対応できるため望ましく、50℃以上あれば実用上問題なく使用できる。40℃以下の場合、欠陥画像発生の確率が高くなり望ましくない。
また現像剤を30℃85%の高温多湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフで測定した帯電量q/m[HH]と、10℃20%の低温低湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフにて測定した帯電量q/m[LL]を用いて帯電安定性の評価を実施した。帯電安定性はq/m[HH]をq/m[LL]にて除して求めることができ、現像剤の値は0.75であった。帯電安定性は、その値が0.70以上であれば環境雰囲気によらず良好な画像を得ることができる。
次に現像剤を東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、印字率10%にて100K枚の通紙試験を実施した。通紙終了後の現像剤を採取し、キャリア表面を汚染した物質の量を測定した結果、キャリア汚染量は0.08重量部であった。100K枚の通紙にわたり、良好な画像を得るためにはキャリア汚染量は0.10重量部以下であることが望ましい。
(実施例5)
(着色微粒子の製造)
低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)75重量部、高分子量体ポリエステル樹脂(Tg=65℃)10重量部、シアン10重量部、ライスワックス5重量部を混合後、120℃に温度設定した2軸混練機にて処理することにより、混練品を得た。得られた混練品をバンタムミルで粉砕し、平均粒径100μmの混練中砕品を得た。混練中砕品40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径350nmの着色微粒子が得られた。
(樹脂微粒子の製造)
平均粒径50μmの非結晶性低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(離型剤微粒子の製造)
平均粒径50μmのライスワックス40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、イオン交換水59.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(着色凝集体の製造)
30℃で攪拌しながら、着色微粒子5重量部、1N塩酸0.2重量部、イオン交換水94.8重量部を混合後、pH調整を行い50℃まで加熱を行い体積平均粒径4.7μmの凝集体が得られた。
(第一層カプセル粒子の製造)
着色凝集体スラリー80重量部を50℃で攪拌しながら、樹脂微粒子9.9重量部、離型剤微粒子0.1重量部を混合後、10%塩化アンモニウム水溶液10重量部体積平均粒径5.1μmのカプセル粒子が得られた。
(第二層カプセル粒子の製造)
50℃で攪拌しながら、第一層カプセル粒子90重量部、樹脂微粒子10重量部を混合後、95℃まで加熱を行い体積平均粒径5.2μmのカプセル粒子が得られた。
カプセル粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させた。乾燥後、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部を着色粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得ることができた。電子写真用トナーの体積平均粒子径をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測定した結果、5.2μmであり、FPIA(シスメックス社製)により円形度を測定した結果、0.95であった。
実施形態のカプセルトナー5重量部をキャリア95重量部と混合し現像剤を得た。この現像剤を評価のために改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、定着評価を実施した。定着器温度を意図的に変更し、良好な画像を得ることができる定着器の温度範囲を測定した結果、良好な画像を得ることができる温度領域(非オフセット温度領域と呼ぶ)が70℃であることが分った。非オフセット領域は広いほど定着器温度のドリフトに対応できるため望ましく、50℃以上あれば実用上問題なく使用できる。40℃以下の場合、欠陥画像発生の確率が高くなり望ましくない。
また現像剤を30℃85%の高温多湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフで測定した帯電量q/m[HH]と、10℃20%の低温低湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフにて測定した帯電量q/m[LL]を用いて帯電安定性の評価を実施した。帯電安定性はq/m[HH]をq/m[LL]にて除して求めることができ、現像剤の値は0.90であった。帯電安定性は、その値が0.70以上であれば環境雰囲気によらず良好な画像を得ることができる。
次に現像剤を東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、印字率10%にて100K枚の通紙試験を実施した。通紙終了後の現像剤を採取し、キャリア表面を汚染した物質の量を測定した結果、キャリア汚染量は0.01重量部であった。100K枚の通紙にわたり、良好な画像を得るためにはキャリア汚染量は0.10重量部以下であることが望ましい。
(実施例6)
(着色微粒子の製造)
低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)75重量部、高分子量体ポリエステル樹脂(Tg=65℃)10重量部、シアン10重量部、ライスワックス5重量部を混合後、120℃に温度設定した2軸混練機にて処理することにより、混練品を得た。得られた混練品をバンタムミルで粉砕し、平均粒径100μmの混練中砕品を得た。
混練中砕品40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径350nmの着色微粒子が得られた。
(樹脂微粒子の製造)
非結晶性低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(離型剤微粒子の製造)
平均粒径50μmのライスワックス40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、イオン交換水59.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(着色凝集体の製造)
30℃で攪拌しながら、着色微粒子5重量部、1N塩酸0.2重量部、イオン交換水94.8重量部を混合後、pH調整を行い50℃まで加熱を行い体積平均粒径4.7μmの凝集体が得られた。
(第一層カプセル粒子の製造)
着色凝集体スラリー80重量部を50℃で攪拌しながら、樹脂微粒子0.1重量部、離型剤微粒子9.9重量部を混合後、10%塩化アンモニウム水溶液10重量部体積平均粒径5.1μmのカプセル粒子が得られた。
(第二層カプセル粒子の製造)
50℃で攪拌しながら、第一層カプセル粒子90重量部、樹脂微粒子10重量部を混合後、95℃まで加熱を行い体積平均粒径5.2μmのカプセル粒子が得られた。
カプセル粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させた。乾燥後、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部を着色粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得ることができた。電子写真用トナーの体積平均粒子径をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測定した結果、5.2μmであり、FPIA(シスメックス社製)により円形度を測定した結果、0.95であった。
実施形態のカプセルトナー5重量部をキャリア95重量部と混合し現像剤を得た。この現像剤を評価のために改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、定着評価を実施した。定着器温度を意図的に変更し、良好な画像を得ることができる定着器の温度範囲を測定した結果、良好な画像を得ることができる温度領域(非オフセット温度領域と呼ぶ)が82℃であることが分った。非オフセット領域は広いほど定着器温度のドリフトに対応できるため望ましく、50℃以上あれば実用上問題なく使用できる。40℃以下の場合、欠陥画像発生の確率が高くなり望ましくない。
また現像剤を30℃85%の高温多湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフで測定した帯電量q/m[HH]と、10℃20%の低温低湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフにて測定した帯電量q/m[LL]を用いて帯電安定性の評価を実施した。帯電安定性はq/m[HH]をq/m[LL]にて除して求めることができ、現像剤の値は0.72であった。帯電安定性は、その値が0.70以上であれば環境雰囲気によらず良好な画像を得ることができる。
次に現像剤を東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、印字率10%にて100K枚の通紙試験を実施した。通紙終了後の現像剤を採取し、キャリア表面を汚染した物質の量を測定した結果、キャリア汚染量は0.09重量部であった。100K枚の通紙にわたり、良好な画像を得るためにはキャリア汚染量は0.10重量部以下であることが望ましい。
(実施例7)
(着色微粒子の製造)
低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)75重量部、高分子量体ポリエステル樹脂(Tg=65℃)10重量部、シアン10重量部、エステルワックス5重量部を混合後、120℃に温度設定した2軸混練機にて処理することにより、混練品を得た。得られた混練品をバンタムミルで粉砕し、平均粒径100μmの混練中砕品を得た。混練中砕品40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径350nmの着色微粒子が得られた。
(樹脂微粒子の製造)
平均粒径50μmの低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(離型剤微粒子の製造)
平均粒径50μmのライスワックス40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、イオン交換水59.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(着色凝集体の製造)
30℃で攪拌しながら、着色微粒子10重量部、塩化ナトリウム2.0重量部、イオン交換水88重量部を混合後、pH調整を行い50℃まで加熱を行い体積平均粒径2.4μmの凝集体が得られた。
(第一層カプセル粒子の製造)
着色凝集体スラリー80重量部を50℃で攪拌しながら、樹脂微粒子9重量部、離型剤微粒子1重量部を混合後、10%塩化アンモニウム水溶液10重量部体積平均粒径4.7μmのカプセル粒子が得られた。
(第二層カプセル粒子の製造)
50℃で攪拌しながら、第一層カプセル粒子90重量部、樹脂微粒子10重量部を混合後、95℃まで加熱を行い体積平均粒径4.9μmのカプセル粒子が得られた。
カプセル粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させた。乾燥後、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部を着色粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得ることができた。電子写真用トナーの体積平均粒子径をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測定した結果、4.9μmであり、FPIA(シスメックス社製)により円形度を測定した結果、0.93であった。
実施形態のカプセルトナー5重量部をキャリア95重量部と混合し現像剤を得た。この現像剤を評価のために改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、定着評価を実施した。定着器温度を意図的に変更し、良好な画像を得ることができる定着器の温度範囲を測定した結果、良好な画像を得ることができる温度領域(非オフセット温度領域と呼ぶ)が53℃であることが分った。非オフセット領域は広いほど定着器温度のドリフトに対応できるため望ましく、50℃以上あれば実用上問題なく使用できる。40℃以下の場合、欠陥画像発生の確率が高くなり望ましくない。
また現像剤を30℃85%の高温多湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフで測定した帯電量q/m[HH]と、10℃20%の低温低湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフにて測定した帯電量q/m[LL]を用いて帯電安定性の評価を実施した。帯電安定性はq/m[HH]をq/m[LL]にて除して求めることができ、現像剤の値は0.72であった。帯電安定性は、その値が0.70以上であれば環境雰囲気によらず良好な画像を得ることができる。
次に現像剤を東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、印字率10%にて100K枚の通紙試験を実施した。通紙終了後の現像剤を採取し、キャリア表面を汚染した物質の量を測定した結果、キャリア汚染量は0.09重量部であった。100K枚の通紙にわたり、良好な画像を得るためにはキャリア汚染量は0.10重量部以下であることが望ましい。
(比較例1)
(着色微粒子の製造)
低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)75重量部、高分子量体ポリエステル樹脂(Tg=65℃)10重量部、シアン10重量部、ライスワックス5重量部を混合後、120℃に温度設定した2軸混練機にて処理することにより、混練品を得た。得られた混練品をバンタムミルで粉砕し、平均粒径50μmの混練中砕品を得た。混練中砕品40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径350nmの着色微粒子が得られた。
(樹脂微粒子の製造)
平均粒径50μmの低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(離型剤微粒子の製造)
平均粒径50μmのライスワックス40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、イオン交換水59.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(着色凝集体スラリーの製造)
30℃で攪拌しながら、着色微粒子5重量部、1N塩酸0.2重量部、イオン交換水94.8重量部を混合後、pH調整を行い50℃まで加熱を行い体積平均粒径4.9μmの凝集体が得られた。
(第一層カプセル粒子の製造)
着色凝集体スラリー80重量部を50℃で攪拌しながら、離型剤微粒子10重量部を混合後、10%塩化アンモニウム水溶液10重量部体積平均粒径5.1μmのカプセル粒子が得られた。
(第二層カプセル粒子の製造)
50℃で攪拌しながら、第一層カプセル粒子90重量部、樹脂微粒子10重量部を混合後、95℃まで加熱を行い体積平均粒径5.1μmのカプセル粒子が得られた。
カプセル粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させた。乾燥後、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部を着色粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得ることができた。電子写真用トナーの体積平均粒子径をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測定した結果、5.1μmであり、FPIA(シスメックス社製)により円形度を測定した結果、0.98であった。
実施形態のカプセルトナー5重量部をキャリア95重量部と混合し現像剤を得た。この現像剤を評価のために改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、定着評価を実施した。定着器温度を意図的に変更し、良好な画像を得ることができる定着器の温度範囲を測定した結果、良好な画像を得ることができる温度領域(非オフセット温度領域と呼ぶ)が43℃であることが分った。非オフセット領域は広いほど定着器温度のドリフトに対応できるため望ましく、50℃以上あれば実用上問題なく使用できる。40℃以下の場合、欠陥画像発生の確率が高くなり望ましくない。
また現像剤を30℃85%の高温多湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフで測定した帯電量q/m[HH]と、10℃20%の低温低湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフにて測定した帯電量q/m[LL]を用いて帯電安定性の評価を実施した。帯電安定性はq/m[HH]をq/m[LL]にて除して求めることができ、現像剤の値は0.60であった。帯電安定性は、その値が0.70以上であれば環境雰囲気によらず良好な画像を得ることができる。
次に現像剤を東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、印字率10%にて100K枚の通紙試験を実施した。通紙終了後の現像剤を採取し、キャリア表面を汚染した物質の量を測定した結果、キャリア汚染量は0.38重量部であった。100K枚の通紙にわたり、良好な画像を得るためにはキャリア汚染量は0.10重量部以下であることが望ましい。
(比較例2)
(着色微粒子の製造)
低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)75重量部、高分子量体ポリエステル樹脂(Tg=65℃)10重量部、シアン10重量部、エステルワックス5重量部を混合後、120℃に温度設定した2軸混練機にて処理することにより、混練品を得た。得られた混練品をバンタムミルで粉砕し、平均粒径100μmの混練中砕品を得た。混練中砕品40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径350nmの着色微粒子が得られた。
(樹脂微粒子の製造)
平均粒径50μmの低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃、酸価=28mgKOH/g)40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(離型剤微粒子の製造)平均粒径50μmのライスワックス40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、イオン交換水59.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(着色凝集体の製造)
30℃で攪拌しながら、着色微粒子5重量部、1N塩酸0.2重量部、イオン交換水94.8重量部を混合後、pH調整を行い50℃まで加熱を行い体積平均粒径4.9μmの凝集体が得られた。
(第一層カプセル粒子の製造)
着色凝集体スラリー80重量部を50℃で攪拌しながら、樹脂微粒子9重量部、離型剤微粒子1重量部を混合後、10%塩化アンモニウム水溶液10重量部体積平均粒径5.1μmのカプセル粒子が得られた。
(第二層カプセル粒子の製造)
50℃で攪拌しながら、第一層カプセル粒子90重量部、酸価28mgKOH/gの樹脂微粒子10重量部を混合後、95℃まで加熱を行い体積平均粒径5.2μmのカプセル粒子が得られた。
カプセル粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させた。乾燥後、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部を着色粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得ることができた。電子写真用トナーの体積平均粒子径をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測定した結果、5.2μmであり、FPIA(シスメックス社製)により円形度を測定した結果、0.97であった。
実施形態のカプセルトナー5重量部をキャリア95重量部と混合し現像剤を得た。この現像剤を評価のために改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、定着評価を実施した。定着器温度を意図的に変更し、良好な画像を得ることができる定着器の温度範囲を測定した結果、良好な画像を得ることができる温度領域(非オフセット温度領域と呼ぶ)が47℃であることが分った。非オフセット領域は広いほど定着器温度のドリフトに対応できるため望ましく、50℃以上あれば実用上問題なく使用できる。40℃以下の場合、欠陥画像発生の確率が高くなり望ましくない。
また現像剤を30℃85%の高温多湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフで測定した帯電量q/m[HH]と、10℃20%の低温低湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフにて測定した帯電量q/m[LL]を用いて帯電安定性の評価を実施した。帯電安定性はq/m[HH]をq/m[LL]にて除して求めることができ、現像剤の値は0.64であった。帯電安定性は、その値が0.70以上であれば環境雰囲気によらず良好な画像を得ることができる。
次に現像剤を東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、印字率10%にて100K枚の通紙試験を実施した。通紙終了後の現像剤を採取し、キャリア表面を汚染した物質の量を測定した結果、キャリア汚染量は0.12重量部であった。100K枚の通紙にわたり、良好な画像を得るためにはキャリア汚染量は0.10重量部以下であることが望ましい。
(比較例3)
(着色微粒子の製造)
低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)75重量部、高分子量体ポリエステル樹脂(Tg=65℃)10重量部、シアン10重量部、エステルワックス5重量部を混合後、120℃に温度設定した2軸混練機にて処理することにより、混練品を得た。得られた混練品をバンタムミルで粉砕し、平均粒径100μmの混練中砕品を得た。混練中砕品40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径350nmの着色微粒子が得られた。
(樹脂微粒子の製造)
平均粒径50μmの低分子量体ポリエステル樹脂(Tg=55℃)40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、アミン化合物1重量部、イオン交換水58.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(離型剤微粒子の製造)
平均粒径50μmのライスワックス40重量部、アニオン性界面活性剤0.4重量部、イオン交換水59.6重量部をNANO3000に投入し、サンプル温度を150℃に加熱し、パス回数を1回にて微粒化物を得た。処理終了後、30℃まで冷却し、体積平均粒径100nmの樹脂微粒子が得られた。
(着色凝集体の製造)
30℃で攪拌しながら、着色微粒子5重量部、1N塩酸0.2重量部、イオン交換水94.8重量部を混合後、pH調整を行い50℃まで加熱を行い体積平均粒径4.9μmの凝集体が得られた。
(第一層カプセル粒子の製造)
着色凝集体スラリー80重量部を50℃で攪拌しながら、樹脂微粒子10重量部を混合後、10%塩化アンモニウム水溶液10重量部体積平均粒径5.1μmのカプセル粒子が得られた。
(第二層カプセル粒子の製造)
50℃で攪拌しながら、第一層カプセル粒子90重量部、樹脂微粒子10重量部を混合後、95℃まで加熱を行い体積平均粒径5.2μmのカプセル粒子が得られた。
カプセル粒子を遠心分離機にて洗浄水の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄し、真空乾燥機にて含水率が0.3wt%になるまで乾燥させた。乾燥後、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部を着色粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得ることができた。電子写真用トナーの体積平均粒子径をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測定した結果、5.2μmであり、FPIA(シスメックス社製)により円形度を測定した結果、0.97であった。
実施形態のカプセルトナー5重量部をキャリア95重量部と混合し現像剤を得た。この現像剤を評価のために改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、定着評価を実施した。定着器温度を意図的に変更し、良好な画像を得ることができる定着器の温度範囲を測定した結果、良好な画像を得ることができる温度領域(非オフセット温度領域と呼ぶ)が39℃であることが分った。非オフセット領域は広いほど定着器温度のドリフトに対応できるため望ましく、50℃以上あれば実用上問題なく使用できる。40℃以下の場合、欠陥画像発生の確率が高くなり望ましくない。
また現像剤を30℃85%の高温多湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフで測定した帯電量q/m[HH]と、10℃20%の低温低湿環境下に16時間放置し、吸引式ブローオフにて測定した帯電量q/m[LL]を用いて帯電安定性の評価を実施した。帯電安定性はq/m[HH]をq/m[LL]にて除して求めることができ、現像剤の値は0.64であった。帯電安定性は、その値が0.70以上であれば環境雰囲気によらず良好な画像を得ることができる。
次に前記現像剤を東芝テック社製複合機e−STUDIO281cに投入し、印字率10%にて100K枚の通紙試験を実施した。通紙終了後の現像剤を採取し、キャリア表面を汚染した物質の量を測定した結果、キャリア汚染量は0.21重量部であった。100K枚の通紙にわたり、良好な画像を得るためにはキャリア汚染量は0.10重量部以下であることが望ましい。
Figure 2011018046
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
201…ホッパー、202…送液ポンプ、203…高圧ポンプ、204…加熱部、205…微粒化部、206,208…減圧部、207…冷却部、209,211…配管、210…高圧型湿式微粒化機

Claims (6)

  1. バインダー樹脂及び着色剤を含有する粗く粒状化された混合物を水系媒体と混合して第1の水系分散液を調製する工程、該第1の水系分散液を機械的せん断に供し、該粗く粒状化された混合物を微細に粒状化して、着色微粒子を含む第1の微粒子分散液を形成する工程、及び該第1の微粒子分散液中で該着色微粒子を凝集する工程により、凝集粒子を形成するプロセスと、
    少なくとも1種類以上の離型剤を含有する離型剤粒子を水系媒体と混合して第2の水系分散液を形成する工程、及び該第2の水系分散液を機械的せん断に供し、該離型剤粒子を微細に粒状化する工程により、離型剤微粒子を形成するプロセスと、
    少なくとも1種類以上のバインダー樹脂を含有する樹脂粒子を水系媒体と混合して第3の水系分散液を形成する工程、及び該第3の水系分散液を機械的せん断に供し、該樹脂粒子を微細に粒状化する工程により、樹脂微粒子を形成するプロセスと、
    前記凝集粒子を含む分散液中に該離型剤微粒子を添加し、該凝集粒子表面に該離型剤微粒子及び該樹脂微粒子を付着させることにより、第1のカプセル化を行い、該凝集粒子表面上に第1のカプセル部を形成するプロセスと、
    前記第1のカプセル粒子を含む分散液中に該樹脂微粒子をさらに添加し、該第1のカプセル部表面に該樹脂微粒子を付着させることにより、第2のカプセル化を行い、第2のカプセル部を形成するプロセスとを具備する現像剤の製造方法。
  2. 前記バインダー樹脂は、ポリエステル樹脂である請求項1に記載の方法。
  3. 前記機械的せん断は、高圧微粒化機を用いて行われる請求項1または2に記載の方法、
  4. バインダー樹脂及び着色剤を含有する粗く粒状化された混合物を水系媒体と混合して第1の水系分散液を調製する工程、該第1の水系分散液を機械的せん断に供し、該粗く粒状化された混合物を微細に粒状化して、着色微粒子を含む第1の微粒子分散液を形成する工程、及び該第1の微粒子分散液中で該着色微粒子を凝集する工程により得られた凝集粒子と、
    少なくとも1種類以上の離型剤を含有する離型剤粒子を水系媒体と混合して第2の水系分散液を形成する工程、及び該第2の水系分散液を機械的せん断に供し、該離型剤粒子を微細に粒状化する工程により得られた離型剤微粒子と、
    少なくとも1種類以上のバインダー樹脂を含有する樹脂粒子を水系媒体と混合して第3の水系分散液を形成する工程、及び該第3の水系分散液を機械的せん断に供し、該樹脂粒子を微細に粒状化する工程により得られた樹脂微粒子とを含む現像剤であって、
    前記凝集粒子と、該凝集粒子表面に付着された、該離型剤微粒子及び該樹脂微粒子を含む第1のカプセル部と、該第1のカプセル部表面に付着された樹脂微粒子を含む第2のカプセル部を具備する現像剤。
  5. 前記バインダー樹脂は、非晶質ポリエステル樹脂である請求項4に記載の現像剤。
  6. 前記機械的せん断は、高圧微粒化機を用いて行われる請求項4または5に記載の現像剤。
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