JP2006091567A - 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用トナーの製造方法及び画像形成方法。 - Google Patents

静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用トナーの製造方法及び画像形成方法。 Download PDF

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与人 中嶋
Takao Ishiyama
孝雄 石山
Michio Take
道男 武
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聡 吉田
Yasuo Sumikura
康夫 角倉
Moeki Iguchi
もえ木 井口
Atsushi Sugidachi
淳 杉立
Yuji Isshiki
勇治 一色
Takeshi Tanabe
剛 田邊
Takashi Hara
敬 原
Kazuya Mori
一也 森
Hitomi Akiyama
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Abstract

【課題】オイルレス定着において優れた剥離性を維持し、定着画像排出時のロール当接痕のない状態を長期に渡り維持し、且つ、良好な定着像表面光沢性、OHP透明性といった定着特性に優れた精細な画像品質を満足する静電荷現像用トナーの提供。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、色材、離型剤を含み、測定周波数6.28rad/sにおける正弦波振動法による動的粘弾性測定を行なったときの、120℃時の貯蔵粘弾性(G'120)と180℃時の貯蔵粘弾性(G'180)の比(G'120/G'180)が14〜150であり、且つ該離型剤がポリアルキレンであることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法または静電記録法等により形成される静電潜像を現像剤により現像する際に用いられる静電潜像現像用トナー及びその製造方法、画像形成方法に関する。
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。
その中の一例として、写真画像の複写やプリントの簡易的な出力機器としての用途も少なからず存在している。 一方、ここ最近の写真領域におけるデジタル化、いわゆるデジタルカメラの急激な普及によって、高精細だけでなく見た目の美しい写真画像の適時的な提供が求められてきている。画像入力装置としてのデジタルカメラは高解像度化と低価格化が進んで普及拡大しているが、画像出力装置としては未だアナログの銀塩写真プリントに匹敵するものが少ない。個人の一般的な使用形態としては、これまではフィルムカメラで記録し、現像プリントで出力保存するものであったが、最近ではデジタルカメラによる記録、電子データでの保存、必要なときにプリントと言う形態が増えてきている。
上記のようなデジタル写真化の流れの中で、現状は特に記録したデータの出力(プリント)が問題となっている部分が多く、中でも適時的な出力装置として広く一般的に普及しているものはインクジェット式プリンターと考えられるが、商業ベースでの生産性という面ではその能力が限られている。一方で写真並の高画質の出力生産性という面では印刷に優る方式は考えにくいが、1枚目の出力までの工程と時間を考慮するとインクジェットプリンターとは比較にならないほどかかる。その点、電子写真方式のプリンターは印刷とインクジェットプリンターの中間に位置し、ある領域での出力生産性と高画質の両立を成し得る潜在能力を持っており、その期待も大きい。
これまでにも適時的な高画質の画像データ出力装置として、デジタルカラー複写機を用いてきた分野があるが、それはどちらかと言えば、印刷に近い領域であり、例えば、印刷原稿のチェックや色合わせ、サンプルとして数部出力するといった使われ方や、または版を起こすまでに至らない部数を略印刷画質で出力するといった用いられ方が多い。高画質・高精細画像の小部数出力という用途は、商用からオフィス、牽いては家庭用とその需要の裾を広げる機会が今存在していると言える。
特にカラーのプリンターや複写機の領域では、これまで上述のように高精細な画像提供の実現のために、トナー小径化や機械自体の高速化、小型化に注力してきたが、更なる機能向上と普及を目指す次の方向性の一つとして「高速且つ小型の機械で、高精細且つ高画質な写真画像が手軽に出力できる」ことが重要となる。
電子写真方式においては、帯電、露光工程により感光体上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程工程を経て可視化されるプロセスを有する。この電子写真方式が銀塩写真に近づく方法としては幾つかのアプローチが考えられるが、殊現像剤が関わる方策としては、昨今のトナー小径化による高精細の獲得に続き、画像光沢の一様性、つまり被記録体(一般的には用紙)上に形成された写真画像面が斑なく均一に光沢を持つことが重要となる。これには、トナーだけでなく電子写真プロセスの最適化も必須となるが、静電気と言う微妙な力を制御する画像形成工程では、画像形成上の処々のパラメータ両立が難しく、トナーや画像を固定する定着工程での改善効果は大きい。
まず定着工程は、可視化現像された画像を固定する工程であるが、一方で電子写真プロセスの最後の工程でもあり、実際に出力される画像を最後に処理することから、この工程が出力画像の品質に与える影響は大きい。上述の「画像光沢の一様性」を最も左右する工程でもあり、可視化現像されたトナー層を一様に溶融し、且つトナー層表面を荒らすことなく均一に剥離した場合に、そのトナーの能力を最大限に引き出すこととなる。つまり画像光沢はトナーの溶融性と定着装置の溶融性能、剥離性能の両立によりもたらされるものと言える。
<定着装置>
まず、転写体または被記録体上にトナーを用いて形成された未定着の可視化現像層の一般的な定着方法としては、加熱によってトナーを溶融させ、被記録体に熱融着させる加熱型像定着装置が広く用いられている。
この加熱型像定着装置としては、例えば円筒状心金に少なくとも弾性層を被覆し、内部に熱源が配された加熱ロールと、これに当接してニップ部を形成する、円筒状心金に少なくとも弾性層が被覆された加圧ロールと、から構成される2ロール定着装置が一般的である。当該2ロール定着装置は、他の加熱定着法である熱風定着方式やオーブン定着方式と較べて熱効率が高く、低電力化が図られ、かつ高速性に優れ、しかも、紙詰まりによる火災の危険性等の問題もないことなどから、現在最も広く利用されている。しかし、2ロール定着装置は、加熱ロールおよび加圧ロールともに弾性層が設けられ、熱容量が大きくなりがちであり、また、ニップ部時間を長く取ることが困難であり、加熱ロール表面を高い温度に保っておく必要があることから、インスタントスタート性(スイッチオンから定着可能な温度になるまでの時間が短いこと)、省エネルギー性、離形性、および、特にカラー画像における高画質化に対して不利である。
これに対して、2ロール定着装置における少なくとも加圧ロール側がエンドレスベルトに取って代わり、該エンドレスベルトが加熱ロール等の駆動部材に所定角度巻き付けられ、長いニップ時間を確保することができるベルトニップ方式の画像定着装置が提案されている。ベルトニップ方式では、加熱側の駆動部材が加熱ロールであるロール−ベルトニップ方式のほか、加熱側の駆動部材もエンドレスベルトであるベルト−ベルトニップ方式も提案されている。これらのベルトニップ方式の中でも、加熱側の駆動部材に対して押圧部材でエンドレスベルトを押圧してニップ部を形成し、エンドレスベルトを張架させないでフリーの状態としておくフリーベルトニップ方式は、エンドレスベルトの張力制御が不要であり、構造の簡素化・小型化が容易であって保守上の観点からも有利である。
定着装置の溶融能力は、被記録体上でトナー層を溶融する能力であり、簡単には加熱ロールから与えることのできる熱量とニップ部の圧力と距離、通過時間で示すことができる。上記より装置の高速化・小型化を狙う場合には、2ロール方式よりもベルトニップ方式が有利であり、この場合には熱量も圧力もほぼ微調整の域となるため、ニップ部の距離と通過時間により溶融状態を制御することとなるが、通過時間は機械の出力能力によっても規定され、他特性との兼ね合いからニップ部距離も極端に変化可能ではないので実際の制御幅は小さいと言える。
ニップ部距離による定着性能制御については、特許文献1にニップ幅制御プレートの付備によって画像光沢を任意に制御する方法が提案されているが(特許文献1)、装置自体の簡素化・小型化とは逆の方向であり目指す装置形態では採用しにくい。
<現像剤>
また、これらの装置と組合わせて用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とが知られているが、そのトナーの製法は通常、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤とともに溶融混練し、冷却後、微粉砕・分級する混練粉砕製法が利用されている。これらトナーには、必要であれば流動性やクリーニング性を改善するための無機、有機の微粒子をトナー粒子表面に添加することもある。これらの方法によりかなり優れたトナーを製造しうるが、以下に記載する如きいくつかの問題点を有する。
通常の混練粉砕製法では、トナー形状及びトナーの表面構造が不定型であり、使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により微妙に変化するものの意図的なトナー形状及び表面構造の制御は困難である。また、混練粉砕法では材料選択の範囲に制限がある。具体的には、樹脂着色剤分散体が十分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕されうる物でなければならない。ところがこういった要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆くすると、現像機中に於いて与えられる機械的せん断力などによりさらに微粉を発生させたり、トナー形状に変化をきたすことがある。
これらの影響により2成分現像剤においては、トナー微粉のキャリア表面への固着による現像剤の帯電劣化が加速されたり、1成分現像剤に於いては粒度分布の拡大によりトナー飛散が生じたり、トナー形状の変化による現像性の低下によって画質の劣化が生じやすくなる。また、ワックスなどの離形剤を多量に内添してトナー化する場合には、熱可塑性樹脂との組み合せにより表面への離型剤の露出が懸念されることが多い。特に高分子量成分により弾性が増した、やや粉砕されにくい樹脂とポリエチレンやポリプロピレンのような脆いワックスとの組み合せではトナー表面にこれらのワックス成分の露出が多く見られる。これは定着時の離形性や感光体上からの未転写トナーのクリーニングには有利であるものの、表層のポリエチレンが機械力により容易に移行するために現像ロールや感光体、キャリアの汚染を生じやすくなり、ひいては装置の信頼性の低下につながる。
更にトナー形状が不定型であることにより流動性助剤の添加によってもトナーの流動性が充分でないことがあり、使用中の機械的せん断力によるトナー表面の微粒子のトナー凹部分への移動により経時的に流動性が低下したり、流動性助剤のトナー内部への埋没がおこることで、現像性、転写性、クリーニング性がしばしば悪化する。またクリーニングにより回収されたトナーを再び現像機に戻して使用するとさらに画質の低下を生じやすい。これら防ぐために、さらに流動性助剤を増加すると感光体上への黒点の発生や助剤粒子の飛散を生じ易い。
近年、意図的にトナー形状及び表面構造の制御を可能とする手段として特許文献2、や特許文献3に乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が提案されている。これらは、一般に乳化重合などにより樹脂分散液を作製し、一方で溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を作製した後に、これらを混合し、トナー粒径に相当する凝集体を形成し、更に加熱によって融合・合一させトナーとする製造方法である。
この方法によってある程度は形状を制御でき、帯電性、耐久性の改善をはかることができるが、内部構造がほぼ均一になることから定着の際における被定着シートとの剥離性、OHPで出力した際の透明性の安定化、更には、帯電の色間差の存在などに問題を残している。
上記のように電子写真プロセスにおいては、様々な機械的ストレス下でもトナーが安定して良い性能を維持するために、トナー表面への離型剤の露出を抑制することや、定着性を損なわずにトナー表面硬度を高くするとともにトナー自体の機械的強度を向上させ且つ十分な帯電性・定着性とを両立させることが必要である。
更に近年、特にカラーの画像形成では高画質化への要求が高まり、高精細な画像を実現するためにトナーの小径化傾向が著しい。しかし、従来の粒度分布のままでの単純な小径化では、微粉側トナーの存在により、キャリアや感光体の汚染やトナー飛散の問題が著しくなり、高画質と高信頼性を同時に実現することは困難である。このためには粒度分布をシャープで、かつ小粒径化が可能なことも必要になる。
近年、デジタルフルカラー複写機やプリンターに於いては色画像原稿をB(ブルー)、R(レッド)、G(グリーン)の各フィルターで色分解した後にオリジナル原稿に対応した20〜70μmのドット径からなる潜像をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(黒)の各現像剤を用い減色混合作用を利用して現像するが、従来の白黒機に比べて多量のトナーを転写させる必要があることや容易かつ十分に混色することが重要であり、更なる小径のドット径に対応する必要もあることからトナーの均一帯電性、持続性、強度、粒度分布のシャープネスがますます重要になりつつある。また、これらのマシンの高速化や省エネルギー性等を鑑みると一層の低温定着性も必要となる。これらの点からも、粒度分布がシャープでかつ小粒子径の製造に適する凝集・融合合一によるトナーは優れた特性を有している。
また、従来の電子写真方式の定着装置では、一般に離形剤成分として定着時の低温オフセットを防止する目的でポリオレフィン系ワックスが選択され用いられている。また、これとあわせて定着ローラーに微量のシリコーンオイルを均一に塗布し高温時のオフセットの向上を図っている。このため、出力された転写材にはシリコーンオイルが付着しておりこれを取り扱う際にべたつく不快感があり、実使用上好ましくない。
このため特許文献4の如くトナー中に大量の離形剤成分を内包させたオイルレス定着用のトナーが提案されている。しかし、この場合多量の離形剤の添加によってある程度は剥離性の改善を行うことができるが、バインダー成分と離形剤との相溶が発生し、多くの場合には離形剤のしみだしが均一でないことから剥離の安定性は得にくい。更にトナーのバインダー樹脂の凝集力はバインダーのMw、Tgに依存する為、トナーの定着時における曳糸性、凝集性を直接的に制御することは困難である。更に、離形剤の遊離成分が帯電阻害の原因となることもある。
これらの問題点を解決する方法として、特許文献5、特許文献6の如くバインダー樹脂の剛直性を高分子量成分の添加によって得る方法や特許文献7、特許文献8、の様に化学架橋の導入によって補填し、結果的にトナーの定着温度における曳糸性を減少させるオイルレス定着における剥離性を改善する方法が提案されている。
一方、離型剤に関しても、前記のオイルレス定着性、特にオイルレス剥離性、フルカラー画像におけるOHP透明性、あるいは離型剤に起因するトナー粉体流動性阻害の問題に対するアプローチが検討され、改善方法が提案されている。具体的には、オイル剥離性を改善する目的で、例えば特許文献9ごとく、離型剤の融点を中温度域にし、且つエステルワックスといった非結晶、あるいは低結晶性の離型剤を適用することにより、溶融粘度を低く抑え、オイルレス剥離性を実現し、且つこの低結晶構造によって、フルカラー画像のOHP透明性阻害を抑制するというものである。
しかしこの場合、バインダー樹脂成分に該離型剤成分が可塑化を生じさせることが多く、結果的に定着時の樹脂のレオロジーが低下することから、トナーのオイルレス剥離性を低下させる。このため、バインダー樹脂表面に架橋構造を導入したり、分子量やTgを高くするなどして、可塑化による剥離性の低下を抑制したり、多量の離型剤の導入が不可欠となる。しかしこれは、結果的に画像光沢の低下に繋がり、ひいてはOHPの透明性も損なうこととなる場合が多い。更に、離型剤を多く必要とすることからコスト的に不利となるばかりでなく、定着画像上の離型剤量も多くなることから、装置形態によっては定着された後排出される際に接触する排出ロールによって該離型剤層に当接痕が発生し、画像品質を損なうことがしばしば発生する。この当接痕は、高光沢度の画像ほど顕著となる。
特開平2003−330299号公報 特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特開平5―061239号公報 特開平4―69666号公報 特開平9−258481号公報 特開昭59−218460号公報 特開昭59−218459号公報 特開平6−337541号公報
本発明は、かかる従来のトナーにおける上述のごとき問題点を解決した静電潜像現像用トナー、及びその製造方法、画像形成方法を提供するものである。
即ち、本発明の目的は、オイルレス定着において優れた剥離性、定着画像排出時のロール当接痕のない状態を長期に渡り維持し、且つ、高速フルカラー機に搭載されても良好な定着像表面光沢性、OHP透明性といった定着特性に優れた精細な画像品質を示す静電潜像現像用トナー、及びその製造方法、画像形成方法を提供することにある。
本発明者等は、上記従来技術に於ける問題点を克服するために鋭意検討した結果、
<1> 少なくとも結着樹脂、色材、離型剤を含み、測定周波数6.28rad/sにおける正弦波振動法による動的粘弾性測定を行なったときの、120℃時の貯蔵粘弾性(G'120)と180℃時の貯蔵粘弾性(G'180)の比(G'120/G'180)が14〜150であり、且つ該離型剤がポリアルキレンであることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
<2> 該トナー中に含まれる離型剤が混合や変性により結晶性制御を施してなり、X線回折測定から求められる結晶化度の値が30〜90のポリアルキレンであることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナー。
<3> 該離型剤の示差熱分析より求められる吸熱の極大値が85〜100℃にあり、且つ該吸熱極大値のピークの高さから求められるトナー中の離型剤量が6〜10質量%であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の静電潜像現像用トナー。
<4> 透過型電子顕微鏡観察において観察される該離型剤の塊状結晶の面積比率が、10〜30%であることを特徴とする<1>ないし<3>のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
<5> 透過型電子顕微鏡観察において観察されるトナー像に被覆層が存在し、その厚さが0.1〜0.3μmであって、かつトXPSから求められるトナー表面に存在する離型剤の量が11〜30Atm%であることを特徴とする<1>ないし<4>のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
<6> 少なくとも体積平均粒径が1ミクロン以下の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と着色剤分散液、離型剤分散液、及び無機微粒子を分散した分散液を混合し、樹脂微粒子と着色剤の凝集粒子分散液を形成した後、融合工程の前に凝集粒子を分散させた凝集粒子分散液に微粒子を分散させた樹脂分散液を添加混合して前記凝集粒子に前記樹脂粒子を付着させて付着粒子を形成する付着工程を含み、融合工程に於いて当該樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱せしめ融合・合一する工程を含み、前記凝集工程に於いて少なくとも1種以上の金属塩の重合体を用いることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
<7> 静電潜像担持体表面上に潜像を形成する潜像形成工程、該潜像を静電潜像現像用トナーを用いてトナー像を形成する現像工程、該トナー像を転写体上に転写する転写工程、該トナー像を転写体上に定着する定着工程を有する画像形成方法において、上記定着工程が、少なくとも表面が加熱されて周動回転する駆動部材と、該駆動部材の表面に当接し従動されるエンドレスベルトと、該エンドレスベルトをその周内から前記駆動部材の表面に付勢して、前記駆動部材−前記エンドレスベルト間に未定着トナー像を保持する記録シートを挿通可能なニップ部を形成する押圧部材と、前記押圧部材が少なくとも前記エンドレスベルトを面で付勢する押圧パッドと、該押圧パッドの付勢面に配され表面が前記エンドレスベルトに接するシートとから構成される画像定着装置に<1>に記載の静電潜像現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、オイルレス定着において優れた剥離性、定着画像排出時のロール当接痕のない状態を長期に渡り維持し、且つ、高速フルカラー機に搭載されても良好な定着像表面光沢性、OHP透明性といった定着特性に優れた精細な画像品質を示す静電荷現像用トナーと、該トナーが安定的に得られる製造方法、及びそのトナーに最適な画像形成方法を提供することができる。
以下にまず、本発明の静電潜像現像用トナー、及び製造方法について詳述する。
本発明の静電潜像現像用トナーに用いる樹脂粒子は一般に乳化重合などにより製造される。次に、該樹脂粒子をイオン性界面活性剤の存在下で分散した樹脂分散液を用い、これと反対極性のイオン性界面活性剤で分散された顔料と混合し、ヘテロ凝集を生じさせる。ついでこれに該樹脂微粒子をさらに添加し、凝集体表面に付着・凝集させることにより所望のトナー径の凝集粒子を形成する。その後で該樹脂のガラス転移点以上に加熱することにより凝集体表面を融合・合一することによりトナー粒子とする。ついで、適当な条件にて洗浄、乾燥することで所望のトナーとする製造方法によるもので、この際のトナー形状は不定形から球形までのものが好ましい。
また、トナー化のプロセスは、一括で混合し凝集することによりなされるものであっても、凝集工程において、初期の各極性イオン性分散剤量のバランスを予めずらしておき、例えば硝酸カルシウム等の無機金属塩、もしくはポリ塩化アルミニウム等の無機金属塩の重合体を用いてこれをイオン的に中和し、ガラス転移点以下で第1段階の母体凝集を形成し安定化の後に、第2段階としてバランスのずれを補填するような極性、量の分散剤で処理された樹脂分散液を添加し、さらに必要に応じて母体または追加粒子に含まれる樹脂のガラス転移点以下でわずかに加熱して、より高い温度で安定化させた後にガラス転移点以上に加熱することにより、凝集形成の第2段階で加えた粒子を母体凝集粒子の表面に付着させたまま合一させたものでも良い。更にこの凝集の段階的操作は複数回、繰り返し実施したものでもよい。凝集・融合終了後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナーを得るが、洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
前記凝集・融合工程において、融合中にpHを調整することによってトナーの形状変化速度を調整することが可能である。
(pH調整)
pHの調整は、酸及び/又はアルカリを添加することによって行なわれる。
酸は特に限定されないが、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸の0.1〜50%水溶液が好ましい。アルカリは特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物の0.1〜50%水溶液が好ましい。pHの調整に於いて、局所的なpHの変化が起こると、局所的な凝集粒子自体の破壊や局所的な過剰凝集を引き起こし、また、形状分布の悪化をも招く。特にスケールが大きくなる程、酸及び/又はアルカリ量は多くなる。一般的には酸及びアルカリの投入箇所は1箇所であるので、同一時間で処理するならば投入箇所の酸及びアルカリの濃度はスケールが大きくなる程高くなる。
そこで、局所的なpHの変化を防ぐために、酸及びアルカリ投入はシャワーノズルを用いて、シャワー状に投入する。シャワーノズルは2箇所以上同時に用いてもよい。
シャワーノズルの形状は特に限定されないが、穴径又は液滴サイズとしては、好ましくは直径5mm以下であり、さらに好ましくは直径0.1〜3mmである。シャワーノズルから放出される液滴サイズが5mm以下であれば、撹拌下のスラリーの中で速やかに均一混合されるため、局所的なpH変化を大スケールであっても小スケールレベルにすることができる。また、液滴サイズを0.1mm未満にすることは技術的に難しい。
また、投入速度はスラリー量によらず1〜100kg/分が好ましい。100kg/分を超えるとシャワー状に投入しても局所的pH低下が生じる。1kg/分未満だと生産性が悪化する。
ここで言うシャワーノズルとは市販されている一流体ノズルやニ流体ノズル等の噴霧ノズル、シャワーボール等も含む。また、ここで言う大スケールとは5〜80m3程度のことを表し、小スケールとは1m3未満のことを表す。小スケールでは酸及び/又はアルカリ量が相対的に少なくなるため、本発明の方法によらずとも、品質に影響するほどの局所的な濃度の変化は起こらない。1m3以上5m3未満では酸及び/又はアルカリの濃度、投入速度により、品質に影響する局所的な濃度の変化は起こる場合がある。
[冷却工程]
表面処理工程は前記融合工程に於いて作製したトナー組成物融合粒子分散液を、樹脂のガラス転移点以下の温度まで、冷却してトナー分散液を作製する工程である。
後述する洗浄工程に於いて、界面活性剤を除去し易くするために、冷却中にpH調整を行なってもよい。
本発明における静電荷像現像用トナーの製造方法においては、必要に応じて、以下の工程を付加することができる。
[洗浄工程]
まず、上記第冷却工程で作製したトナー分散液から、水系媒体を除去、洗浄及び脱水する工程である。この洗浄工程では冷却工程で作製したトナー分散液を酸処理および水洗を実施する。さらに品質を良化させるためにアルカリ処理を行なってもよい。
[乾燥工程・外添工程]
さらに、その次の工程は乾燥工程である。この工程では、洗浄工程で作製したトナーケーキを乾燥することにより、トナー粒子とする。さらに、その次の工程は外添工程である。この工程では乾燥工程で作製したトナー粒子の表面に、流動性向上剤その他の目的として、種々の樹脂粉や無機化合物を外添剤として添加して、トナー外添粒子とする。
[篩分工程]
さらに、その次の工程は篩分工程である。この工程では外添工程で作製したトナー外添粒子を篩分することにより、静電荷像現像用トナーとするものである。
これらの工程においては、トナーが凝集や粉砕を起こさない方法である限り、洗浄、乾燥、外添及び篩分は如何なる方法で行なってもよい。
本発明において、水若しくは有機溶媒中、又はそれらの混合溶媒中で造粒して着色樹脂粒子を生成させ、該着色樹脂粒子を洗浄、乾燥してトナー粒子を製造する湿式製法を用いてなる静電荷像現像用トナーの製造方法において、該着色樹脂粒子をケーキ洗浄法(例えば、フィルタープレス装置)によって液状媒体から濾別し、ケーキ状に着色樹脂粒子を保持した状態で、水もしくは酸またはアルカリの希釈液等の洗浄液を通過させる際に、該洗浄液の供給側と排出側を交互に切り換えることが好ましい。
生産性を向上させるために、ケーキを厚くするとケーキ厚さ方向に対して洗浄性の分布が生じてしまう。逆に、ケーキ厚さを薄くすると厚さ方向に対する洗浄性の分布は狭くなるものの生産能力が低下してしまう。また、ケーキ厚さを薄くしすぎるとケーキに亀裂が生じ、洗浄液のショートカットにより洗浄性が低下する。さらに、フィルタープレス等の縦型にケーキを形成する装置の場合、装置スケールが大きくなるほど、ケーキ厚さを薄くすると上下のケーキ厚さに差が生じ、上下で洗浄性に差が生じる。また、これらの条件で洗浄を十分に行おうとすると過剰の洗浄液が必要となる。
しかしながら、洗浄液の供給側と排出側を交互に切り換えることで、ケーキが厚い場合でも、少量の洗浄水量で厚さ方向に対して洗浄性の分布が生じず、帯電分布がシャープなトナーを得ることが可能である。また、洗浄液の供給側と排出側を交互に切り換えることで、濾布の目詰まりを抑制することもできる。
(水洗浄およびイオン交換反応処理方法)
上記イオン交換反応は、酸性水溶液、アルカリ性水溶液の処理液を用いて行うことが好ましく、着色樹脂粒子の特性に応じて適宜選択されることが好ましい。酸性水溶液としては従来公知の化合物を使用できるが、硝酸が好適である。一方、アルカリ性水溶液としても従来公知の化合物を使用できるが水酸化ナトリウムが好ましい。また、本発明で用いられる水は、一定の処理を施した液体を使用することができる。処理の方法としてはイオン交換法、膜分離法、蒸留法、電解法などがあげられるが、洗浄能力およびコストの点からイオン交換法が好ましい。また、処理後の水の導電率は通常0〜15μS/cmであるが、5μS/cm以下であることが好ましい。また、水を使用する際の温度Tはトナー軟化点Tg−5℃以下であることが好ましく、さらにトナー軟化点Tg−15℃以上であることが好ましい。この水は、40℃の水が好ましいが、これ以外の温度でも特に制限はされない。
また、着色樹脂粒子100質量部あたり、前記処理液200〜1000質量部を使用することが好ましい。前記処理液が200質量部より少ないとイオン交換反応処理に必要な処理液(酸性水溶液、アルカリ性水溶液)の濃度が高くなり、イオン交換反応処理にムラが生じ、その結果、帯電性が悪くなる。また処理液を1000質量部より多くしても、それ以上の効果は得られない。
また、前記処理液を通過させる前に、着色樹脂粒子100質量部あたり、水200〜2000質量部を使用して水洗浄し、できるだけ水溶性の分散安定剤および金属イオン等の不純物を除去することで効率よくイオン交換反応処理を行うことができる。洗浄水が200質量部より少ないと水溶性の分散安定剤を十分に除去できず帯電性が悪くなる。一方、洗浄水を2000質量部より多くしても、それ以上の効果は得られない。
また、前記処理液を通過させた後に、着色樹脂粒子100質量部あたり、水200〜2000質量部を使用して洗浄(リンス)することで、着色樹脂粒子のケーキ内に残留した処理液および該処理液に溶解した金属を洗浄することができ、得られたトナーは安定した帯電を有することとなる。洗浄水が200質量部より少ないと着色樹脂粒子のケーキ内に残留した処理液および該処理液に溶解した金属を十分に除去できず帯電性が悪くなる。洗浄水を2000質量部より多くしても、それ以上の効果は得られない。
上述の着色樹脂粒子の水洗浄およびイオン交換反応は、例えば水洗浄を行い、その排水中の安定剤濃度や金属イオン濃度を測定し、これらの濃度が所定量以下になったと判断されると、フィルタープレス装置内に供給する送液ラインを切り換え、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液からなる処理液をフィルタープレス装置内に送液する。このイオン交換反応時に排出される溶液の水素イオン濃度[H+]を測定し、所定の水素イオン濃度[H+]の範囲内になったと判断されると、フィルタープレス装置内に供給する送液ラインを切り換え、再度水による洗浄を行う。該処理液によるイオン交換反応処理と前後の水洗浄を同一フィルタープレス装置内で連続して行うことにより、従来のリスラリー方法で生じる可能性のあった不純物の発生を防止することができ高い洗浄性、イオン交換反応処理性を得ることができると共に、固液分離とリスラリーを併用した方法のような容器の移し替えがないため、得られるトナーの収率も向上し、これらにより高いトナーの生産性を得ることができる。
また、ケーキ洗浄方法で使用するフィルタープレス装置は、センターフィード式、ボトムフィード式、トップフィード式の何れでも良いが、洗浄性の均一性の点から、ボトムフィード式またはトップフィード式が好ましい。さらに配管内の残トナー量を少なくできる点からトップフィード式がより好ましい。また、フィルタープレス装置以外にも同一の機構のものであれば、同様な効果が得られる。
また、着色樹脂粒子100質量部あたり、10〜100質量部/minの流量で水洗浄および処理液によるイオン交換を行うことが好ましい。流量が10質量部/minに満たない場合、水洗浄およびイオン交換反応に時間がかかるだけでなく、フィルタープレス装置内に洗浄水および処理液が行き渡らず、着色樹脂粒子粒子表面を均一に洗浄およびイオン交換することができず、得られるトナーの帯電性が低下する。一方、流量が100質量部/minを超えると、着色樹脂粒子ケーキ内でショートパスが発生し、着色樹脂粒子の表面を均一に洗浄およびイオン交換することができず、得られたトナーの帯電量分布がブロードとなってしまう。
また、フィルタープレス装置に使用するフィルターの通気量は、2〜40cc/cm2・minであることが好ましい。通気量が2cc/cm2・minに満たないと、フィルターの目詰まりが発生しやすく、濾別の効率が落ちるばかりでなく、均一な洗浄およびイオン交換反応も困難となってしまう。逆に、通気量が40cc/cm2・minを超えてしまうと、フィルターから着色樹脂粒子の一部が通り抜けてしまい、好ましくない。
また、フィルタープレス装置における圧搾圧力は、0.1〜1.0MPaであることが好ましい。圧搾圧力が、0.1MPaに満たない場合、濾別の効率が落ちるばかりでなく、濾過室内のケーキに均一な圧力がかからず、均一な洗浄およびイオン交換反応が困難となってしまう。一方、1.0MPaを超えると、トナー粒子の変形が生じ、湿式法により得られた着色樹脂粒子の球形状に起因する高転写性という利点が損なわれるため、好ましくない。
また、着色樹脂粒子を水洗した後、通気して水分量40%以下にすることが好ましい。水分量が40%を超えた状態で、次工程の乾燥を行うと、乾燥の効率が悪く、さらには、得られるトナーも凝集した状態のものが多くなり、好ましくない。通気圧力は0.1〜1.0MPaであることが好ましい。通気圧力が0.1MPaに満たない場合、脱水の効率が落ちるばかりでなく、濾過室内のケーキに均一な圧力がかからず、均一な脱水が困難となってしまう。また、1.0MPaを超えた場合も、着色樹脂粒子ケーキ内でショートパスが発生し、均一な脱水が困難となってしまう。
図1には、着色樹脂粒子のケーキ洗浄工程における装置構成の一例が示されている。 上記濾過器は、濾枠14内に、複数個の濾布(フィルター)15が併設されており、この濾布15の内部には、着色樹脂粒子のスラリーを導入して脱液してケーキ状の着色樹脂粒子16が充填されている。また、各濾布15の外部には、着色樹脂粒子のケーキの洗浄およびイオン交換に用いられる洗浄水を供給および排出するための供給/排出口12が設けられ、この供給/排出口12は三方弁17にて洗浄水供給ライン20に接続されている。また、供給/排出口13は三方弁18にて排出ライン21に接続されている。この三方弁17、18の切り換えによって、洗浄水の供給および排出口を任意に切り換えることが可能となる。
上記方法により得られるトナーの乾燥は、真空乾燥法、流動層乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、気流乾燥法など、任意の方法を採用することができ、なんら制限されるものではない。トナーは、乾燥後の含水分率を1.0%以下、好ましくは0.5%以下に調整することが望ましい。
トナーの帯電特性は、例えば特開昭57-79958号公報に示すチャージスペクトログラフ法(以下、「CSG法」。これにより測定された値を、「CSG値」と呼ぶ)により測定する事ができる。また、前記静電荷現像用トナーの夏場(高温高湿:28℃、85%RH)におけるCSG法におけるピーク値(以下「高温高湿CSG値」という)と、冬場(低温低湿:10℃、15%RH)におけるCSG法におけるピーク値(以下「低温低湿CSG値」という)の比、(高温高湿CSG値)/(低温低湿CSG値)の環境依存指数は0.35〜1.3の範囲、好ましくは0.7〜1.0の範囲が適当である。この比率が上記の範囲を外れると、高温高湿下での帯電安定性、信頼性を損なう要因となる。各環境下におけるCSG値の最大値および最小値をそれぞれトップ値およびボトム値と呼び、(トップ値)−(ボトム値)が小さいほどシャープな帯電分布を意味する。
a)帯電量qと粒径dとの関係(q/d値) CSG法では、トナーの粒子個々の帯電量と粒径との関係を用いてCSGの値を求めている。
例えば、上述した高温高湿または低温低湿の環境下におけるトナーの帯電量をq(fC)、トナーの粒径をd(μm)と表した場合に、q/d値の度数分布における、ピーク値を求め、このピーク値を用いて環境依存指数を求めている。なお、q/d値としては、正帯電トナーの場合には、上記数値規定がそのまま適用されるが、負帯電トナーの場合には、トナーの帯電量q(fC)の値を正負逆転させた後に、上記数値規定が適用される。
個々のトナーについて、q/d値を測定し、その度数分布をグラフにした場合、上限値および下限値のある大略正規分布になる。本発明において、このグラフの頂点となる点のq/d値をピーク値、グラフの上限値および下限値をそれぞれトップ値およびボトム値という。
b)測定方法 q/d値の度数分布は、上述した例えば特開昭57−79958号公報に示すチャージスペクトログラフ法(以下、「CSG法」という)により測定することができる。以下、具体的な測定方法について説明する。
図2は、CSG法によりq/d値の度数分布を測定するための測定装置1の概略斜視図である。測定装置1は、円筒状の胴部2と、その下側開口部を閉塞するフィルター3と、上側開口部を閉塞するメッシュ5と、メッシュ5の中央から胴部2内部へ突出させたサンプル供給筒6と、胴部2の下側開口部から空気を吸引する吸引ポンプ(図示せず)と、胴部2の側面から電場Eを与える電場発生装置(図示せず)とからなる。
吸引ポンプは、胴部2の下側開口部のフィルター3を介して、フィルター3の全面に均一に、胴部2内側の空気を吸引するように設定されている。それに伴い上側開口部のメッシュ5から空気が流れ込み、胴部2内側には、垂直下方向に一定の空気流速Vaの層流が生ずる。さらに電場発生装置により、空気流と直交する方向に均一かつ一定の電場Eが与えられている。以上のような状態とした胴部2の内部に、サンプル供給筒6から測定対象となるトナーの粒子を徐々に投下する(落下させる)。サンプル供給筒6先端のサンプル出口7から出てきたトナーの粒子は、電場Eの影響を受けなければ、空気の層流の影響を受けつつ垂直下方向に飛行し、フィルター3の中心Oに到達する(このとき、サンプル出口7とフィルター3との距離kがトナーの直進飛行距離となる)。フィルター3は粗目のポリマーフィルター等からなり、空気は十分に通すが、トナーの粒子は透過することなく、フィルター14上に残る。
しかし電荷を帯びたトナーの場合は、電場Eの影響を受け、中心Oよりも電場Eの進行方向に位置がずれてフィルター3上に到達する(図2中の点T)。この点Tと中の距離(変位)xを測定し、その度数分布を求めることにより、q/d値の度数分布を求めることができる。
より具体的に説明すると、上記のようにして測定装置1により得られた変位x(mm)と、トナーの帯電量q(fC)と、トナーの粒径d(μm)との関係は、下式(1)により表される。
q/d = (3π×η×Va/k×E)×x ・・・(1)
式(1)中、ηは空気の粘度(kg/m・sec.)、Vaは空気流速(m/sec.)、kはトナーの直進飛行距離(m)、Eは電場(V/m)、xを変位をそれぞれ表す。
式(1)の各条件が、以下の数値になるように、図2に示す測定装置1の各条件を設定して測定を行っている。
空気の粘度η=1.8×10-5(kg/m・sec.)
空気流速Va=1(m/sec.)
トナーの直進飛行距離k=10(cm)
電場E=190V/cm
上記値を式(1)に代入すると以下のようになる。
q(fC)/d(μm)≒0.09・x
なお、測定対象となるトナーの粒子をサンプル供給筒6に投下するに際し、該トナーは予め帯電させておく必要がある。
図3および図4には、静電荷現像用トナーの製造方法に用いられるのに好適な含水粉体乾燥用乾燥装置の一例の気流乾燥装置の概略上面および断面が示されている。ケーシング27は、円錐形状をしており、該ケーシング27の上端部側面から該ケーシング27内に、向かって複数本の気流ノズル29が分散して設置されている。
また、該気流ノズル29の本数と内径は、被乾燥原料が必要とする処理風量から決めることができる。このとき該気流ノズルからの乾燥エアーの吐出速度も考慮する必要があり、吐出速度は20m/sから250m/sになるようにするのが好ましい。
一定の処理風量を吐出する場合、ノズル内径を同じにしてノズル本数を多くするほど、吐出速度は遅くなる。
また、ケーシング27の側面に設けられた複数本の気流ノズル29は、ケーシング27の側面にほぼ等間隔で配置されていてもよく、また、気流ノズル29は、ケーシング27の上面または下面と水平な断面をほぼ等間隔で分割するように配置していてもよい。一方、複数の気流ノズル29は、ケーシング7の側面にランダムに配置されてもよく、ケーシング27内で、粉体が旋回可能なように、各気流ノズル29の吐出エアーの気流速度を制御することが好ましい。
上述の乾燥装置をスケールアップする場合には、気流ノズル29の内径は一定にし、本数を増加させることが可能である。また、気流ノズル29の本数を一定にして内径を大きくさせることも可能である。上記気流ノズル29は、ケーシング7の側面、すなわち外周に、ほぼ等間隔またはランダムに以下に示す範囲で設置することができる。
すなわち、ケーシング27の側面への気流ノズル29の取り付け角度は、気流ノズル29とケーシング7の上面または下面と水平な円断面の接線との角度αが、全ての気流ノズル29に対してほぼ同一の角度を有することが好ましい。
これにより、ケーシング27内において十分な旋回流により、例えば粉体の含水凝集体を適宜解砕しながら粉体の含水量を低減させることができ、さらに熱による粉体、特に粉体がトナーの場合にはトナーの融着を抑えることができ、所望の乾燥粉体や乾燥トナー粒子を得ることができる。
ここで、上述した気流ノズル29とケーシング27の上面または下と水平な円断面の接線との取り付け角度αは、以下の範囲を有し、各気流ノズル29の取り付け角度αは、すべて同一角度であってもよいが、以下に示す許容範囲内で異なる角度であってもよい。
20°≦α≦160°
であって、各気流ノズルの取り付け角度αが異なる場合には上記取り付け角度αに対して±20°の許容範囲で各気流ノズルを取り付けることが好ましい。
また、取り付け角度αは、30°〜60°もしくは120°〜150°がより好ましく、各気流ノズルの取り付け角度αが異なる場合には、上記取り付け角度αに対して±20°の許容範囲で取り付けることがより好ましい。
上記取り付け角度αは、ケーシング27内での旋回流を制御するものなので、特に重要である。なお、上記の「ほぼ同一の角度を有する」は、上述の「取り付け角度αの許容範囲の角度に取り付けられている」を含むものである。
図3に示す装置では、例えば、全ての該気流ノズル29の取り付け角度α=45°、β=0°,となっている。この他に全ての該気流ノズル29をβ=0°とし、該気流ノズルが偶数本の場合、互い違いにα=60°と45°で設置されていてもよい。
また、原料供給口28は、図3および図4に示すように、ケーシング7の上面外側に配置されているが、これに限るものではなく、該ケーシング7の外周側面の気流ノズル29と気流ノズル29との間に配置されていてもよい。
また、排出内筒管30は、ケーシング27の上面からケーシング7の底部に向かって伸び、開口面が下向きになるように配置されており、内径および長さを変えることによって分離粒子径を変えられる。ケーシング27は、気流ノズル29が設置されている部分が中空構造のジャケット33となっており、このジャケット33の部分に冷却媒体を充填または供給することにより、連続的に気流ノズル29の設置部分を冷却することができる。
気流ノズル29のケーシング7への吹き出し口付近は、熱風が吐出されるため、トナーがケーシング27の内壁部分に融着しやすい傾向になる。したがって、上述のようなジャケット33により吹き出し口付近を冷却することによって、トナーのケーシング27内壁への融着を抑えることができる。なお、後述する図に示すように冷却水36などの冷却媒体を供給することによって、連続的に該気流ノズル29を冷却することができる。
図5には、含水粉体乾燥用乾燥装置の他の実施の形態を示す。なお、上記実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
本実施の形態の装置は、ケーシング27の側面への気流ノズル29の取り付け角度は、気流ノズル29とケーシング27の上面または下面と水平な円断面の接線との角度、および、気流ノズル29と円断面との角度の両方が、全ての気流ノズル29に対してほぼ同一の角度を有することが好ましい。
また、気流ノズル29とケーシング27の上面または下面と水平な円断面との該気流ノズル29との取り付け角度βは、以下の範囲を有し、各気流ノズルの取り付け角度βは、すべて同一角度であってもよいが、以下に示す許容範囲内で異なる角度であってもよい。
−60°≦β≦+60°
であって、各気流ノズルの取り付け角度βが異なる場合には、上記取り付け角度βに対して±30°の許容範囲で各気流ノズルを取り付けることが好ましい。
また、取り付け角度βは、−30°≦β≦+30°がより好ましく、各気流ノズルの取り付け角度βが異なる場合には、上記取り付け角度βに対して±30°の許容範囲で取り付けることがより好ましい。なお、上記の「ほぼ同一の角度を有する」は、上述の「取り付け角度αの許容範囲の角度で取り付けられている」および「取り付け角度βの許容範囲の角度で取り付けられている」を含むものである。
また、図5に示す装置では、例えば、全ての該気流ノズル29の取り付け角度α=45°、β=−30°となるようにしている。また、全ての該気流ノズル9をα=45°とし、該気流ノズル29が偶数本の場合、互い違いにβ=−30°と+30°で設置されていてもよい。
図6には、含水粉体乾燥用乾燥装置の他の実施の形態を示す。なお、上記実施の形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
排出内筒管30は、ケーシング27の円錐部の胴部から水平方向にケーシング内部に挿入され、更にエルボー管により水平断面の中央部から上面に立ち上がり、開口面が上向きになるように配置されていてもよい。内径および長さを変えることによって、分離粒子径を変えられる。排出内筒管30の開口部または開口部の上方に、整流板42、43などを取り付けることが好ましい。整流板42と43のクリアランス、および、整流板の大きさで、分離粒子径を変えられる。
図7には、図3〜図6の乾燥装置37を用いて、連続プロセスを組み、連続的に原料を供給して、該乾燥装置37で処理した、例えば着色トナー粒子を、気流と一緒に系外に同伴させ、回収装置にて、例えば着色トナー粒子と気流とを分離して、製品となる着色トナー粒子を捕集するための連続処理フローが示されている。
上記回収装置としては、製品回収用サイクロン39にしているが、微粉回収用バグフィルター40を直結したり、分級装置などを選定することも可能である。また、該乾燥装置の出口気流温度Toutをモニターして、一定温度になるように、入口気流温度Tinもしくは、原料供給器38の供給速度を調整できるようにすることが好ましい。該乾燥装置37で分級した粗粉は、排出弁32から排出し、再度原料供給口に一定の割合で戻す閉回路システムにしてもよい。
上述の乾燥用原料としては、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等の湿式法で製造された水分を含んだ静電荷現像用トナーであったり、熱処理により表面改質を行う静電荷現像用トナーであってもよく、または一般的な含水粉体であればいずれの粉体であってもよい。
次に本発明のトナーの製造に用いられる材料について説明する。
<原材料>
本発明に用いられる樹脂粒子に使用される重合体は特に制限はないが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類などの単量体、βCEA(βカルボキシエチルアクリレート)などの重合体を用いることが出来る。更に架橋成分としてたとえばペンタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、デカンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート等のアクリル酸エステルを用いることが出来る。また、これらの単量体などの重合体、または、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体またはこれらの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
ビニル系単量体の場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合を実施して樹脂粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合は油性かつ水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に溶かした後に水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザーなどの分散機により水中に微粒子分散し、その後加熱または減圧して溶剤を蒸散することにより、適当な樹脂分散液を作製することもできる。得られた樹脂微粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA-700堀場製作所製、日機装(株)製:マイクロトラックUPA9340)等で測定される。
本発明に使用できる離型剤の例としては、静電潜像現像用トナーとして前記要件を満たすものであれば特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン類、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、天然ガス系ワックス等のポリアルキレンから適宜選ぶことが出来る。
また、それら自体やそれらの類似物、変性物、そして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、また改質助剤成分として、炭素数10から18である高級アルコールやその混合物、及び炭素数16から22の高級脂肪酸モノグリセライドやその混合物に挙げられるものを組み合わせて、該離型剤の結晶性制御に用いることができる。
また、本発明における離型剤は、X線回折装置(XRD;リガク社製 RINTシリーズ、フィリップス社製 X'Pertシリーズ等)での測定により、後述の結晶化度の値が30%〜90%のものであることが望ましい。ここで定義する結晶化度は、上記装置により得られる結果において、樹脂結晶に由来するピーク(Pn:nはピーク番号)とベースライン延長線で括ったピーク面積(Sn:nはピーク番号)の合計と同区間のベースラインと基準線とで囲まれる非晶質相当部位の面積Sbとの関係を下記算出式を用いて定量する。
(離型剤の結晶化度%)=〔ΣSn /(ΣSn + Sb)〕*100(%) ただし、ΣSnはS1〜Sn
までの総和を示す。
上記の算出式から求められる離型剤の結晶化度が、30%以下の場合には非晶質部分が多くなりすぎて溶融しにくくなるため、定着時の画像光沢性低下やロール当接痕が顕著に現れる。逆に90%以上であると結晶性部位が多くなりすぎるため良溶融性を示すが、定着時のロール剥離性が悪化したり、トナー表面への離型剤露出が多くなることにより、トナーの粉体特性の悪化や牽いては製造性までもが難しくなる。
該離型剤の示差熱分析より求められる吸熱の極大値は85〜100℃が好ましく、より好ましくは86〜95℃である。85℃未満であると、溶融粘度は低くなりオイルレス定着の際の溶出性は良化するものの、ヘテロ凝集法でトナーを製造する際に、離型剤が融解しやすくなることから、製造時に内包性が低下し、粒度制御性を損なうばかりでなく、表面離型剤量が増加することによりトナーの粉体流動性を損なうことがある。また、100℃を越えると前記製造安定性は良好となるが溶融粘度が上昇することから、オイルレス定着における離型剤の溶出性を低下させオイルレス剥離性を低下させる場合がある。
また、該離型剤の示差熱分析における吸熱極大値のピークの高さから求められるトナー中の量は、6から10質量%が好ましい。 より好ましくは、6.5から9.5%である。トナー中の該離型剤の量が6%未満では、オイルレス定着の際の剥離に充分な離型剤溶出が得られないため、剥離性を損ないかつ定着表面荒れが生じて画像光沢性を低下させる。逆に10%を越えると、剥離性は良好となるものの、トナー表面や定着画像上の離型剤量が多くなることから、トナーの粉体流動性を低下させるばかりでなく、定着画像排出の際に排出ロール等の当接痕が生じ易くなり、画像品質を損なう場合がある。
該離型剤の示差熱分析には、例えばハ゜ーキンエルマー社製のDSC-7を用いる。装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
これらの離型剤類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに混合し、融点以上への加熱とともに強い剪断をかけることが可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)により微粒子化分散し、体積平均粒径が1ミクロン以下の離型剤粒子分散液とすることができる。
また、得られた離型剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA-700堀場製作所製、日機装(株)製:マイクロトラックUPA9340)等で測定される。
本発明に使用できる着色剤としては公知のものが使用できる。例えば、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等があげられる。
黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG等があげられる。
橙色顔料としては赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等があげられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等があげられる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどがあげられる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等があげられる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ヒ゜ク゛メントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等があげられる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等があげられる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等があげられる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等があげられる。
更に、これらは単独、もしくは混合、固溶体の状態であっても使用できる。これらの着色剤は、公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられ、極性を有する界面活性剤を用いて前記ホモジナイザーによって水系に分散することも可能である。
本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から適宜選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対して1〜20質量部がトナー構造中のバランスの観点から好ましい。
黒色着色剤に磁性体を用いた場合は、比重の観点から他の着色剤とは異なり、30〜100質量部が好ましく添加される。また、トナーを磁性として用いる場合は、磁性粉を含有せしめても良い。このような磁性粉としては、磁場中で磁化される物質が用いられ鉄、コバルト、ニッケルの如き強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等化合物が適している。
特に、本発明に記載の製造方法では水相中でトナーを得るため、磁性体自体の水相移行性や溶解性、酸化性に注意を払う必要があり、可能な限り表面改質、例えば疎水化処理等を施しておくことが好ましい。
本発明では帯電性のより向上安定化のために帯電制御剤を使用することができる。帯電制御剤としては4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することが出来るが、凝集や合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
本発明では、帯電性の安定のために湿式で無機微粒子を添加することができる。添加する無機微粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
また、流動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂微粒子を乾燥状態でせん断をかけて表面へ添加し、流動性助剤やクリーニング助剤として用いることもできる。
本発明の中で乳化重合、顔料分散、樹脂粒子、離型剤分散、凝集、またはその安定化などに用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散のため手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
<静電潜像現像用トナー>
本発明に於けるトナーの粒度は、体積平均粒径で3〜9μmが好ましく、3〜8μmがより好ましい。前記粒度が2μm未満だと帯電性が不十分になる場合があり、現像性が低下することがあり、8μmを超えると画像の精細性・解像性が低下する場合がある。
また、本発明の粒子径分布指標は、体積平均粒度分布指標GSDvが大きくとも1.30であり、且つ該体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比が少なくとも0.95であることが好ましい。
体積平均粒度分布指標GSDvが1.30を超える場合にはトナー粒径の大小の差(分布)が大きいために、現像像の細線部や小さい文字の精細性や解像性が低下し、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpの比が0.95未満の場合、帯電性の低下を発生させることがあると同時に飛び散り、カブリ等の画像欠陥の原因ともなり得る。
本発明の粒径、及び粒径分布指標は、例えば、コールターカウンターTA−II(ベックマン−コールター社製)、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)等の測定器を用いて測定される粒度を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数、それぞれに小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積D16%、または数D16%と定義し、累積50%となる粒径を、体積D50%、または数D50%と定義する。同様に累積84%となる粒径を、体積D84%、または、数D84%と定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、D84v/D16vより求められ、数平均粒度分布指標(GSDp)はD84p/D16pより算出される。
本発明に於ける静電潜像現像用トナーの帯電量については絶対値で、20〜40μC/gが好ましく、15〜35μC/gがより好ましい。前記帯電量が20μC/g未満であると現像時の電位に敏感になりすぎて背景汚れ(カブリ)が発生しやすくなり、逆に40μC/gを超えると現像電位が高くなるため画像濃度が低下し易くなる。また、同時に前記静電潜像現像用トナーの夏場(高湿)に於ける帯電量と冬場(低温低湿)に於ける帯電量の比率としては、0.5〜1.5が好ましく、0.7〜1.3がより好ましい。前記比率がこれらの範囲外にあると帯電の環境依存性が強く、帯電の安定性に欠けること、上述のように静電潜像像の制御が難しくなることより、実用上好ましくない。
本発明による静電潜像現像用トナーの形状係数SF1は、画像形成性の点より110≦SF1≦120にすることが好ましい。この形状係数SF1は、形状係数の平均値(最大長の2乗/投影面積)であり、例えば以下の如き方法にて算出される。即ち、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーの最大長の2乗/投影面積(ML2/A)を計算し、平均値を求めることにより得られるものである。
また、本発明におけるトナーの動的粘弾性の測定には、例えばレオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置が用いられる。該動的粘弾性測定では、通常を錠剤に成形した後、25mm径のパラレルプレートにセットし、ノーマルフォースを0とした後に、6.28rad/sの振動周波数で正弦波振動を与える。
測定サンプルは、前記パラレルプレートの間隙を2.0mmにセットし、90℃を始点として行う。温度の制御は、測定システム内の温度制御をもって行う。測定時間インターバルは30秒、測定開始後の温度調整精度は±1.0℃以下とすることが測定精度の観点から好ましい。また、測定中は各測定温度においてひずみ量を適切に維持し、適正な測定値が得られるように適宜調整する。
ひずみ量を適切に維持し、適性な測定値が得られるように適宜調整するとは、次のような理由による。貯蔵弾性率は歪みと同位相の応力をひずみで割ったものであり、損失弾性率はひずみの位相から90°ずれた応力をひずみで割ったものである。応力とひずみ量が線形関係である範囲内であるかぎり、応力はひずみによって発生するものであり、応力はかかるひずみの大きさに比例するものである以上、貯蔵弾性率、損失弾性率共にひずみの大きさによらないものである。しかしながら、前記測定機には測定可能な応力には、装置上の上限と感度上からの下限があり、本発明のトナーの測定温度範囲でひずみを固定すると,ひずみが小さい場合には高温度領域で発生する応力が小さいために測定感度がなくなり、ひずみが大きい場合には低温度領域で発生する応力が大きいために装置の測定可能領域の上限を超えてしまう。本発明のトナーでは測定温度の全温度領域において測定可能なひずみは存在しないため、低温度領域ではひずみを小さくし、昇温に伴ってひずみを大きくしてゆくように適宜調整するものである。
本発明におけるトナーの動的粘弾性は、測定周波数6.28rad/sで測定をしたときの、120℃時の貯蔵粘弾性(G'120)と180℃時の貯蔵粘弾性(G'180)の比(G'120/G'180)が14〜150であることが、定着画像の高光沢性発現と剥離性との両立にとって重要である。つまり、トナーの貯蔵粘弾性の比(G'120/G'180)が14以下の場合には、高温溶融時の粘度が高すぎて画像光沢が充分に得られないか、もしくは低温時の弾性が足りないためにトナーとしての保存性に問題が生じる可能性がある。また、この比(G'120/G'180)が150以上である場合には、高温溶融時の粘度が低すぎて顕著なオフセットが発生するか、もしくは低温時の弾性が高すぎて定着像が脆くなるため「欠け」や「剥れ」といった別の問題を生じる可能性がある。
本発明のトナーは、透過型電子顕微鏡観察において観察されるトナー像に被覆層が存在し、その厚さが0.1〜0.3μmであって、かつXPSでの分析値から求められるトナー表面に存在する離型剤の量が11から30Atm%であることが好ましい。 被覆層の厚さが0.1μm未満では、表面均一性が低下し、該トナーの表面層に存在する離型剤量が増加することから、粉体流動性を低下させ、転写性を損なうばかりでなく、現像機内での凝集塊を形成し、白すじ等の画像欠陥を生じることがある。また、0.3μmをこえるとオイルレス定着の際の離型剤の溶出を阻害し、オイルレス剥離性が低下する。更に、XPSで検出されるトナー表面の離型剤量が11%未満の場合には、オイルレス定着時の剥離性を損なうことがあり、30%を越えるとトナー自体の流動性を低下させることがある。
本発明における、トナー表面の離型剤量は、X線電子分光装置(JPS-9000MX:日本電子社製)を用いる。これにより、樹脂等に由来する炭素と酸素の検出量の合計と離型剤に由来する炭素を下記算出式を用いて定量する。
(離型剤量比%)=〔(炭素検出量)+(酸素検出量)〕*100(%)
次に、本発明に用いられる画像形成方法、特に定着装置の構成を詳細に説明する。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、少なくとも、静電潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成工程、静電潜像現像用トナーを用いて潜像を顕像化し、トナー画像を形成する現像工程、該トナー像を転写体上に転写する転写工程、該トナー像を転写体上に定着する定着工程を含む。さらにクリーニング工程を含んでもよい。
前記潜像形成工程は、静電潜像担体上に静電潜像を形成する工程である。前記現像工程は、現像剤担持体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、前記本発明に用いられる静電潜像現像用トナーを含んでいれば特に制限はない。前記転写工程は、前記トナー画像を転写体上に転写する工程である。前記クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留する静電潜像現像剤を除去する工程である。
前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、潜像形成工程は、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。具体的には、有機感光体上にレーザー光を用いて静電潜像を形成し、該潜像を現像装置内の現像剤を用いて現像した後、潜像担持体上のトナー像を転写体上に転写ロールもしくはコロトロン等で静電的に転写する。必要に応じて複数回転写を繰り返してもよい。
上記トナーは、目的に応じて成分組成を選択することができる。単独で用いて1成分用現像剤として使用してもよいし、キャリアと組み合わせて2成分現像剤として用いてもよいが、本発明においては高プロセススピード対応を目的とするため、高速適性に優れた2成分現像剤として用いるのが好ましい。
<定着装置の構成要素>
(駆動部材)
本発明に記載の定着装置に用いる駆動部材は、表面が加熱されて周動回転するものであり、ロール状の加熱ロール、および、熱源を周内に有するエンドレスベルトの2通りが挙げられる。以下、前者について好ましい態様を詳述し、後者については好ましい実施形態の項で延べることとするが、本発明における駆動部材は、これらに限定されるものではない。
本発明に使用することができる加熱ロールとしては、その形状、構造、大きさ等について特に制限はないが、装置自体の大きさ制限や能力目的に応じて、それ自体公知の構成の中から適宜選択して使用することができる。前記加熱ロールは、一般には少なくとも、円筒状のコアと、その表面に形成された弾性層とを有し、コアの内部に加熱源を備えてなる。
前記コアの材質としては、機械的強度に優れ、伝熱性が良好である材質ならば特に制限はないが、例えば、アルミ、ステンレス(SUS)、鉄、銅等の金属、これらの金属および/またはその他の金属からなる合金、繊維強化メタル(FRM)、セラミックスなどが挙げられる。
前記弾性層の材質としては、弾性層として公知の材質の中から適宜選択できるが、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。本発明においては、これらの材質の中でも、表面張力が小さく、弾性に優れる点でシリコーンゴムが好ましい。該シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)などが挙げられる。前記弾性層の厚みとしては、通常3mm以下であり、好ましくは0.1〜1.5mmである。前記弾性層を前記コアの表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、公知のコーティング法、成型などが採用できる。
本発明においては、前記弾性層の表面に離形層が形成されていてもよい。該離形層が形成されていると、トナー像のオフセットを好適に防止でき、安定した状態で画像定着装置を稼動させることができる点で有利である。前記離形層の材質としては、トナー像に対して適度な離形性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの材質の中でもフッ素樹脂が好適なものとして挙げられる。
かかるフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられ、これらの中でも特に、耐熱性、機械特性等の面から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、および、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル(EFA)共重合体が好適に用いられる。
前記離型層の厚みとしては、通常10〜100μmであり、好ましくは15〜30μmである。前記離型層を前記コアの表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、上述したコーティング法などが挙げられる。また、押出し成型によって形成されたチューブを被覆する方法を採用することもできる。
(エンドレスベルト)
本発明に用いるエンドレスベルト(フィルム状管状体)は、前記駆動部材の表面に当接し従動されるとともに、押圧部材により、その周内から前記駆動部材の表面に付勢されるものであり、張架されずフリーな状態で備えられるものである。前記エンドレスベルトの、押圧部材により付勢された部位の外周面と、前記駆動部材との間には、未定着トナー像を保持する記録シートを挿通可能なニップ部が形成される。
本発明に使用することができるエンドレスベルトとしては、その形状、大きさ等について特に制限はなく、前記加熱ロール同様、装置自体の大きさ制限や能力目的に応じて、それ自体公知のものの中から適宜選択して使用することができる。前記エンドレスベルトとしては、帯状かつ無端に形成されたベルトが一般的である。前記エンドレスベルトの構造としては、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。多層構造のエンドレスベルトとしては、ベース層と離形層とを少なくとも有するものなどが挙げられる。
前記エンドレスベルト(多層構造の場合には、ベース層。以下、「基材」と称する。)の材質としては、例えば、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性等に優れる点で熱硬化性ポリイミド、ポリベンゾイミダゾールが好ましい。当該基材中には、導電性、熱伝導性、絶縁性、補強等の目的に応じて適宜、無機粒子、金属粉、金属酸化物、有機金属酸化物等の機能性フィラーを添加することができる。
前記離型層としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられ、特に耐熱性、機械特性等の面から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル(EFA)共重合体が好適に用いられる。
前記エンドレスベルトとしては、その内周面に、フッ素樹脂層が形成されてなるものであっても構わない。前記エンドレスベルトの内周面に処理を施すことにより、適切な摩擦係数、良好な耐磨耗性、および長期安定性の実現が可能であり、フッ素樹脂層を形成することでこれら効果をより高いレベルで実現できる可能性がある。
前記エンドレスベルトの内周面に形成可能なフッ素樹脂層としては、前記離型層で述べたものと同様のものが使用可能であるが、特開2001−249558号公報に記載された、フィルム管状体の内面に施される親油化処理したフッ素樹脂、あるいは親油化剤をフッ素樹脂と併用したもの等を使用することも可能である。
(押圧部材)
本発明に用いられる押圧部材は、少なくとも、前記エンドレスベルトを面で付勢する押圧パッドと、該押圧パッドの付勢面に配され、表面が前記エンドレスベルトに接する低摩擦シートとから構成される。該押圧パッドと低摩擦シートとの間は、接着剤や溶着等の公知の手段により固着されていてもよいし、両者間は固定されず単に重なり合うだけで、前記低摩擦シートが他の箇所に固定されることで、全体として固定的ないし半固定的に配置されるようにしても構わない。
前記押圧パッドは、前記エンドレスベルトの内側に配置され、かつ前記低摩擦シートを介してエンドレスベルトと前記加熱定着ロールとの間に、未定着トナー像を保持する記録シートが通過可能なニップ部が形成されるように、該エンドレスベルトを介して前記エンドレスベルトを面で付勢し、加熱ロール等の前記駆動部材の表面を押圧する。
前記押圧パッドとしては、前記エンドレスベルトと前記駆動部材の表面との間に、未定着トナー像を保持する記録シートを挿通可能なニップ部を形成することができる機能を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものの中から選択できる。特に硬度の点からJIS A硬度10〜40°のシリコーンゴムが好適に用いられる。前記押圧パッドの形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば前記押圧パッドは、単一の部材からなる構造であってもよいし、異なる機能を有する複数の部材からなる構造であってもよい。
前記押圧パッドの付勢面に配され、表面が前記エンドレスベルトに接する低摩擦シートとしては、接触する前記エンドレスベルトの内周面に対して低摩擦係数の材料であれば、如何なる材料のものであってもよく、例えば、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、グラファイトからなるシート等が挙げられる。これらの中でも、低摩擦性、耐磨耗性、可撓性等の観点から、フッ素樹脂が好ましい。さらに、フッ素樹脂の中でも特に、加工性、摩擦特性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなるものが好適に用いられる。
前記低摩擦シートの形態としては、単にフィルム状のものであってもよいが、本発明に特有のメチルフェニルシリコーンオイルやパーフルオロポリエーテルオイルの離形オイルを含浸して保持するのに好適な、多孔質体であることが、長期的な安定性の観点から好ましい。多孔質体としては、いわゆるスポンジ状のほか、織布状、不織布状等、前記離形オイルを含浸して保持するのに適した形態であればよい。
前記低摩擦シートにおける低摩擦の度合いとしては、対象物として前記エンドレスベルトの内周面との関係において低摩擦であることが要求され、具体的には、前記エンドレスベルトの内周面と前記低摩擦シートの表面と間の、常温における動摩擦係数が、0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。
なお、本発明の画像形成方法は、それ自体公知の複写機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができるが、少なくとも前述した静電潜像現像用トナーと定着装置を組み合わせて用いる。すなわち、小型且つ、簡素で信頼性が高く、インスタントオンが可能な定着装置に、結晶化制御された離型剤料と、構造としてのトナー粘弾性や離形剤ドメイン状態や表面露出率を制御することにより、オイルレス定着において優れた剥離性、定着画像排出時のロール当接痕のない状態を長期に渡り維持することができ、高速フルカラー機に搭載されても良好な定着像表面光沢性、OHP透明性といった定着特性に優れた精細な画像品質を示す静電荷現像用トナーとを組合わせることにより、最適な画像形成方法を提供することが可能となる。
<定着装置の好ましい実施形態>
次に、本発明に用いる画像定着装置について、好ましい実施形態を例を挙げて説明する。
図8は、本発明で用いる実施形態の画像定着装置を表す模式断面図である。本実施形態に例示する画像定着装置は、駆動部材としての加熱ロール70と、薄膜状のエンドレスベルト80と、押圧パッド90および低摩擦シート100からなる押圧部材と、を備えている。エンドレスベルト80は、その内側に配置された押圧パッド90により低摩擦シート100を介して加熱ロール70に押圧されて、エンドレスベルト80に付勢されており、加熱ロール70とエンドレスベルト80との間に記録シートが挿通可能なニップ部76が形成されている。
加熱ロール70は、アルミ製で外径30mm、肉厚1.8mm、長さ360mmの円筒状のコア71の外周面に、弾性層72としてシリコーンHTVゴム(ゴム硬度35度:JIS−A)が600μmの厚みに被覆され、さらにその弾性層72の表面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)による厚み30μmの離形層73が、チューブ被覆されてなり、鏡面状態に近い表面に仕上げられている。
コア71の内部には、加熱源として600Wのハロゲンランプ74が配設されている。加熱ロール70の表面温度は、当該加熱ロール70の表面に当接した状態で配置される感温素子75の温度センサーと、不図示温度コントローラーとにより175℃に制御される。
エンドレスベルト80は、周長94mm、肉厚75μm、長さ320mmの熱硬化性ポリイミドを基材とし、該基材の外周面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を30μmの厚みにコーティングしてなる離形層が形成されて構成される。
加熱ロール70へのエンドレスベルト80の巻き付け角度は、約40°であり、この時ニップ部76のニップ幅(ニップ部におけるエンドレスベルト80の進行方向の長さ)は、約8mmであった。押圧パッド90は、支持体91と、該支持体91に取り囲まれるように配置された弾性体92とから構成されている。また、支持体91には、エンドレスベルト80がスムーズに回転するように設けられたベルト走行ガイド94が取り付けられている。
押圧パッド90とともに押圧部材の一部を構成する低摩擦シート100は、弾性体92のエンドレスベルト90との接触面(付勢面)に載置され、エンドレスベルト80の周動回転方向に対して前端および後端(図1における左右の端)が、不図示の固定手段により、画像定着装置本体に固定されている。弾性体92は、シリコーンゴム製であり、そのサイズは、幅(図1における左右の長さ)10mm、肉厚5mm、長さ(図7における紙面の奥側と手前側)320mmである。該弾性体92の表面に配置された低摩擦シート100は、多孔質のフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)のシートである。
ベルト走行ガイド94の表面には、エンドレスベルト80の周動回転方向と平行に複数のリブが設けられており、エンドレスベルト80の内周面とベルト走行ガイド94との接触面積を少なくしている。ベルト走行ガイド94の両端(エンドレスベルト80の周動回転軸の両端、すなわち、図8における紙面の奥側と手前側)には、エンドレスベルト80の寄りを規制する鍔(つば)状の部材(不図示)が設けられている。支持体91は、耐熱性であり、弾性体92を固定する機能を有する。該支持体91は、薄膜状のエンドレスベルト80を介して圧縮コイルスプリング(不図示)により加熱ロール70を付勢している。
モーター(不図示)からの駆動力は、加熱ロール70に伝達されこれを矢印A方向に220mm/secの速度で回転させ、これに従動して同速度でエンドレスベルト80も矢印B方向に周動回転する。ハロゲンランプ74により表面が加熱された加熱ロール70の表面とエンドレスベルト80との間に形成されたニップ部76に、未定着トナー像を保持する記録シートが挿通されると、その熱および圧力により、当該記録シートの表面にトナー像が定着される。
以下実施例を交えて詳細に本発明を説明するが、何ら本発明を限定するものではない。
発明における粒度分布測定について述べる。
測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON‐II(ベックマンーコールター社製)を使用する。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100ml中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求める。測定する粒子数は50000であった。
本発明におけるトナーの動的粘弾性の測定には、レオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置を用いた。該動的粘弾性測定では、通常を錠剤に成形した後、25mm径のパラレルプレートにセットし、ノーマルフォースを0とした後に、6.28rad/sの振動周波数で正弦波振動を与える。
初めに測定サンプルを前記パラレルプレートの間隙を2.0mmにセットし、90℃、120℃、150℃、180℃、210℃の各温度においてひずみを0.01%から1.0%まで測定し、全温度において応力とひずみ量が線形関係であることを確認した。
測定サンプルは、前記パラレルプレートの間隙を2.0mmにセットし、90℃を始点として行った。温度の制御は、測定システム内の温度制御をもって行った。測定時間インターバルは30秒、測定開始後の温度調整精度は±1.0℃以下とした。また、測定中は各測定温度においてひずみ量を適切に維持し、適正な測定値が得られるように適宜調整する。
該動的粘弾性測定ではひずみ量により発生する応力は比例関係にあり、任意の温度において応力をひずみ量で割ったものは一定の値を示す。一方で本発明のトナーのような樹脂の場合、ひずみ量により発生する応力は測定温度が低いほど少ないひずみ量で大きな応力が測定され、測定温度が高いほど大きいひずみ量を加えないと適当な応力が測定されない。該動的粘弾性測定装置には測定可能な応力に上下限が存在するため、一般に測定温度が変化する条件下においては、全温度領域で測定感度が高い状態で測定するために、ひずみ量を低温度では小さく、高温度では大きくする。該動的粘弾性測定はこのひずみ量の設定を自動でおこなった。
本発明のトナーは、以下の如き方法にて得られる。
即ち、下記の樹脂微粒子、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液、無機微粒子分散液をそれぞれ調製する。
次いでこれらを所定量を秤量し、混合攪拌しながら無機金属塩の重合体を添加することによりイオン的に中和させ、上記各粒子の混合凝集体を形成する。適当な粒子径としたところで樹脂微粒子を追加し、所望のトナー粒子径とする。ついで、無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性の領域に調整した後、樹脂のガラス転移温度以上に加熱することで、合一融合する。反応終了後、十分な洗浄・固液分離・乾燥の工程を経て所望のトナーを得る。
以下にそれぞれの材料の調整方法、凝集粒子の作成方法の作成例を記載する。
樹脂微粒子分散液1の調製
− 油層1−
スチレン (和光純薬社製) 15質量部
nブチルアクリレート (和光純薬社製) 5質量部
βカルボキシエチルアクリレート (ローディア日華社製) 0.6質量部
ドデカンチオール (和光純薬社製) 0.2質量部
デカンジオールジアクリレート(新中村化学社製) 0.05質量部
− 油層2−
スチレン (和光純薬社製) 15質量部
nブチルアクリレート (和光純薬社製) 5質量部
βカルボキシエチルアクリレート (ローディア日華社製) 0.6質量部
ドデカンチオール (和光純薬社製) 0.1質量部
デカンジオールジアクリレート(新中村化学社製) 0.05質量部
− 水層1−
イオン交換水 17.5質量部
アニオン性界面活性剤(ローディア日華社製) 0.35質量部
− 水層2−
イオン交換水 40質量部
アニオン性界面活性剤(ローディア日華社製) 0.05質量部
過硫酸アンモニウム (和光純薬社製) 0.3質量部
上記の油層1に記載の成分と水層1の成分の半量をフラスコ中に入れて攪拌混合し単量体乳化分散液1とし、同様に油層2と残りの水層1の半量を攪拌混合し単量体乳化分散液2とした。反応容器に上記水層2の成分を投入し、容器内を窒素で充分に置換し攪拌をしながら、オイルバスで反応系内が75℃になるまで加熱した。反応容器内に初めに単量体乳化分散液1を1.5時間かけて滴下し、次に単量体乳化分散液2を1.5時間かけて滴下して乳化重合を行った。滴下終了後さらに75℃で重合を継続し、3時間後に重合を終了させた。
得られた樹脂微粒子分散液は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装(株)製:マイクロトラックUPA9340)で樹脂微粒子の体積平均粒子径D50n を測定したところ210nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ53℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として数平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ11000、であった。
樹脂微粒子分散液2の調製
− 油層−
スチレン (和光純薬社製) 30質量部
nブチルアクリレート (和光純薬社製) 10質量部
βカルボキシエチルアクリレート (ローディア日華社製) 1.3質量部
ドデカンチオール (和光純薬製) 0.4質量部
− 水層1−
イオン交換水 17.5質量部
アニオン性界面活性剤(ローディア社製) 0.35質量部
− 水層2−
イオン交換水 40質量部
アニオン性界面活性剤(ローディア社製) 0.05質量部
過硫酸アンモニウム (和光純薬社製) 0.4質量部
上記の油層成分と水層1の成分をフラスコ中に入れて攪拌混合し単量体乳化分散液とした。反応容器に上記水層2の成分を投入し、容器内を窒素で充分に置換し攪拌をしながら、オイルバスで反応系内が75℃になるまで加熱した。反応容器内に単量体乳化分散液を6時間かけて徐々に滴下し乳化重合を行った。滴下終了後さらに75℃で重合を継続し、3時間後に重合を終了させた。
得られた樹脂微粒子分散液2は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装(株)製:マイクロトラックUPA9340)で樹脂微粒子の体積平均粒子径D50v を測定したところ220nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ56℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として数平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ12000、であった。
着色剤分散液(1)の調製
シアン顔料(銅フタロシアニンC.I.Pigment Blue15:3、大日精化社製)
0.18質量部
イオン性界面活性剤ネオゲンRK (第一工業製薬社製) 0.02質量部
イオン交換水 0.80質量部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で10分間分散して、体積平均粒子径D50n が170nmのシアン色の着色剤分散液(1) を得た。
着色剤分散液(2) の調製
イエロー顔料(C.I.Pigment Yellow74、クラリアント社製) 0.20質量部
イオン性界面活性剤ネオゲンRK (第一工業製薬社製) 0.02質量部
イオン交換水 0.78質量部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で10分間分散して、体積平均粒子径D50n が250nmのイエロー色の着色剤分散液(2) を得た。
無機微粒子分散液として
コロイダルシリカAとしてST-OL(日産化学社製:体積平均粒径40nm)を、コロイダルシリカBとしてコロイダルシリカST-OS (同:体積平均粒径20nm)をそれぞれ20質量部、40質量部を適宜混合し、0.3mol/lの硝酸HNO3 30質量部を加え、これにポリ塩化アルミニウム0.1質量部を添加し、20分間常温下で静置し、凝集させたものをそのまま用いた。
離型剤分散液1の調製
フィッシャートロプシュワックス1(密度0.94g/cm3 融点90℃ 日本精蝋社製)
0.20質量部
イオン性界面活性剤ネオゲン RK (第一工業製薬社製) 0.02質量部
イオン交換水 0.78質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、110℃にて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、固形分量20%の離型剤分散液1を得た。
得られた離型剤分散液は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装(株)製:マイクロトラックUPA9340)で離型剤微粒子の体積平均粒子径D50V を測定したところ210nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いた昇温速度10℃/minでの測定における最大吸熱ピークは89℃であり、更に85℃以下の吸熱面積の割合は、12%であった。加えて、X線回折装置(XRD)による測定から導出される結晶化度は38%であった。
離型剤分散液2の調製
フィッシャートロプシュワックス2(密度0.95g/cm3 融点113℃ 日本精蝋社製)
0.184質量部
フィッシャートロプシュワックス3(密度0.93g/cm3 融点86℃ 日本精蝋社製)
0.016質量部
イオン性界面活性剤ネオゲン RK (第一工業製薬) 0.02質量部
イオン交換水 0.78質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、120℃にて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、固形分量20%の離型剤分散液2を得た。
得られた離型剤分散液は、離型剤分散液と同様の測定によると、体積平均粒子径D50V は230nmであり、最大吸熱ピークは93℃であり、その時の85℃以下の吸熱面積の割合は9%であった。加えて、XRDによる測定から導出される結晶化度は62%であった。
離型剤分散液3の調製
フィッシャートロプシュワックス4(密度0.94g/cm3 融点121℃ 日本精蝋社製) 0.180質量部
ポリエチレンワックス1(密度0.91g/cm3 融点76℃ 東洋ペトロライト社製)
0.020質量部
イオン性界面活性剤ネオゲン RK (第一工業製薬社製) 0.02質量部
イオン交換水 0.78質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、120℃にて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、固形分量20%の離型剤分散液3を得た。
得られた離型剤分散液は、離型剤分散液と同様の測定によると、体積平均粒子径D50V は200nmであり、最大吸熱ピークは87℃であり、その時の85℃以下の吸熱面積の割合は14%であった。加えて、XRDによる測定から導出される結晶化度は32%であった。
離型剤分散液4の調製
ポリエチレンワックス2(密度0.95g/cm3 融点107℃ 東洋ペトロライト社製)
0.20質量部
イオン性界面活性剤ネオゲン RK (第一工業製薬) 0.02質量部
イオン交換水 0.78質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、130℃にて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、固形分量20%の離型剤分散液4を得た。
得られた離型剤分散液は、離型剤分散液と同様の測定によると、体積平均粒子径D50V は250nmであり、最大吸熱ピークは106℃であり、その時の85℃以下の吸熱面積の割合は3%であった。加えて、XRDによる測定から導出される結晶化度は28%であった。
離型剤分散液5の調製
フィッシャートロプシュワックス 5 (密度0.94g/cm3 融点90℃ 日本精蝋社製)
0.20質量部
イオン性界面活性剤ネオゲン RK (第一工業製薬社製) 0.02質量部
イオン交換水 0.78質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、120℃にて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、固形分量20%の離型剤分散液5を得た。
得られた離型剤分散液は、離型剤分散液と同様の測定によると、体積平均粒子径D50V は220nmであり、最大吸熱ピークは90℃であり、その時の85℃以下の吸熱面積の割合は11%であった。加えて、XRDによる測定から導出される結晶化度は39%であった。
離型剤分散液6の調製
フィッシャートロプシュワックス1(密度0.94g/cm3 融点90℃ 日本精蝋社製)
0.14質量部
マイクロクリスタリンワックス1(密度0.93g/cm3 融点75℃ 日本精蝋社製)
0.06質量部
イオン性界面活性剤ネオゲン RK (第一工業製薬社製) 0.02質量部
イオン交換水 0.78質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、110℃にて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、固形分量20%の離型剤分散液6を得た。
得られた離型剤分散液は、離型剤分散液と同様の測定によると、体積平均粒子径D50V は240nmであり、最大吸熱ピークは不明瞭で判別ができないものとなり、その時の85℃以下の吸熱面積の割合は20%であった。加えて、XRDによる測定から導出される結晶化度は22%であった。
離型剤分散液7の調製
フィッシャートロプシュワックス6(密度0.93g/cm3 融点83℃ 日本精蝋社製)
0.2質量部
イオン性界面活性剤ネオゲン RK (第一工業製薬社製) 0.02質量部
イオン交換水 0.78質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、110℃にて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、固形分量20%の離型剤分散液7を得た。
得られた離型剤分散液は、離型剤分散液と同様の測定によると、体積平均粒子径D50V は200nmであり、最大吸熱ピークは83℃であり、その時の85℃以下の吸熱面積の割合は65%であった。加えて、XRDによる測定から導出される結晶化度は57%であった。
離型剤分散液8の調製
フィッシャートロプシュワックス7(密度0.95g/cm3 融点113℃ 日本精蝋社製)
0.198質量部
フィッシャートロプシュワックス8(密度0.93g/cm3 融点86℃ 日本精蝋社製)
0.002質量部
イオン性界面活性剤ネオゲン RK (第一工業製薬社製) 0.02質量部
イオン交換水 0.78質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、120℃にて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、固形分量20%の離型剤分散液8を得た。
得られた離型剤分散液は、離型剤分散液と同様の測定によると、体積平均粒子径D50V は240nmであり、最大吸熱ピークは110℃であり、その時の85℃以下の吸熱面積の割合は6%であった。加えて、XRDによる測定から導出される結晶化度は83%であった。
トナー作製例1.
樹脂微粒子分散液(1) 62.2質量部
着色剤分散液(1) 4.4質量部
無機微粒子分散液の予備凝集物 0.35質量部
離型剤分散液(1) 8.0質量部
ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、PAC100W) 0.05質量部
上記成分を適当量(以後、特にこだわりのない限り固形分15%になる量を指す)のDIW(イオン交換水)と共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら47℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を49℃まで上げてその温度で1時間保持して凝集粒子を得た。次いで、表面被覆用の樹脂微粒子分散液 25質量部を追加して添加し緩やかに攪拌した。
その後、0.5M/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系中のpHを中性域に調節し、攪拌を保ちながら96℃まで加熱し、そのままの温度で5時間保持して融合・合一した。終了後、冷却しイオン交換水で充分洗浄して、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。次に、40℃のイオン交換水3L中に再分散し、15分間攪拌しながら洗浄した。この洗浄操作を4回繰り返した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、真空下で12時間乾燥してトナー粒子を得た。
このトナー粒子の体積平均粒子径D50を測定したところ5.6μmであり、体積平均粒度分布指標GSDvは1.23であった。また、含水率を測定すると0.29%であった。電子顕微鏡でトナー粒子の表面状態を観察すると、樹脂微粒子、着色剤及び離型剤からなるコア粒子表面に樹脂微粒子が融着して連続層を形成していることが確認された。また、透過型電子顕微鏡でトナー断面を観察すると、トナー表層への顔料の露出はほとんど認められなかった。さらに、上記のルーゼックス画像解析装置を用い、形状係数SF1を測定したところ115であった。
このトナーの透過型電子顕微鏡観察をおこなったところ、トナー中に存在する離型剤の形状は、棒状と塊状が存在し、塊状の面積比率は、20%であった。また、シェル層(被覆層)の存在が観察され、その厚さは、0.22μmであった。X線光電子分光分析から、該トナーの表面Wax量を測定したところ、18atm%であった。
トナー作製例2.
樹脂微粒子分散液(1) 62.2質量部
着色剤分散液(2) 4.4質量部
無機微粒子分散液の予備凝集物 0.35質量部
離型剤分散液(2) 8.0質量部
ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、PAC100W) 0.05質量部
上記成分を適当量のDIWと共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら47℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を49℃まで上げてその温度で1時間保持して凝集粒子を得た。次いで、表面被覆用の樹脂微粒子分散液 25質量部を追加して添加し緩やかに攪拌した。
以降、作製例1と同様の操作を行ない、トナー粒子を得た。
この時の体積平均粒子径を測定したところ体積平均粒子径D50は6.1μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.22であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は118であった。このトナーの透過型電子顕微鏡観察をおこなったところ、トナー中に存在する離型剤の形状は、棒状と塊状が存在し、塊状の面積比率は、15%であった。また、シェル層(被覆層)の存在が観察され、その厚さは、0.28μmであった。X線光電子分光分析から、該トナーの表面Wax量を測定したところ、13atm%であった。
トナー作製例3.
樹脂微粒子分散液(1) 61質量部
着色剤分散液(1) 4.5質量部
無機微粒子分散液の予備凝集物 0.36質量部
離型剤分散液(3) 9.1質量部
ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、PAC100W) 0.04質量部
上記成分を適当量のDIWと共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら47℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を49℃まで上げてその温度で1時間保持して凝集粒子を得た。次いで、表面被覆用の樹脂微粒子分散液 25質量部を追加して添加し緩やかに攪拌した。
以降、作製例1と同様の操作を行ない、トナー粒子を得た。
この時の体積平均粒子径を測定したところ体積平均粒子径D50は7.2μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.23であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は119であった。このトナーの透過型電子顕微鏡観察をおこなったところ、トナー中に存在する離型剤の形状は、棒状と塊状が存在し、塊状の面積比率は、25%であった。また、シェル層(被覆層)の存在が観察され、その厚さは、0.13μmであった。X線光電子分光分析から、該トナーの表面Wax量を測定したところ、25atm%であった。
トナー作製例4.
樹脂微粒子分散液(1) 64.7質量部
着色剤分散液(1) 4.5質量部
無機微粒子分散液の予備凝集物 0.36質量部
離型剤分散液(4) 5.4質量部
ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、PAC100W) 0.04質量部
上記成分を適当量のDIWと共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら47℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を49℃まで上げてその温度で1時間保持して凝集粒子を得た。次いで、表面被覆用の樹脂微粒子分散液 25質量部を追加して添加し緩やかに攪拌した。
以降、作製例1と同様の操作を行ない、トナー粒子を得た。
この時の体積平均粒子径を測定したところ体積平均粒子径D50は5.9μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.26であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は121であった。このトナーの透過型電子顕微鏡観察をおこなったところ、トナー中に存在する離型剤の形状は、棒状と塊状が存在し、塊状の面積比率は、15%であった。また、シェル層(被覆層)の存在が観察され、その厚さは、0.19μmであった。X線光電子分光分析から、該トナーの表面Wax量を測定したところ、10atm%であった。
トナー作製例5.
樹脂微粒子分散液(1) 55.2質量部
着色剤分散液(2) 4.8質量部
無機微粒子分散液の予備凝集物 0.39質量部
離型剤分散液(5) 14.53質量部
ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、PAC100W) 0.08質量部
上記成分を適当量のDIWと共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら47℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を49℃まで上げてその温度で1時間保持して凝集粒子を得た。次いで、表面被覆用の樹脂微粒子分散液 25質量部を追加して添加し緩やかに攪拌した。
以降、作製例1と同様の操作を行ない、トナー粒子を得た。
この時の体積平均粒子径を測定したところ体積平均粒子径D50は6.4μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.25であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は118であった。このトナーの透過型電子顕微鏡観察をおこなったところ、トナー中に存在する離型剤の形状は、棒状と塊状が存在し、塊状の面積比率は、55%であった。また、シェル層(被覆層)の存在が観察され、その厚さは、0.23μmであった。X線光電子分光分析から、該トナーの表面Wax量を測定したところ、32atm%であった。
トナー作製例6.
樹脂微粒子分散液(1) 63質量部
着色剤分散液(1) 4.44質量部
無機微粒子分散液の予備凝集物 0.37質量部
離型剤分散液(6) 7.1質量部
ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、PAC100W) 0.09質量部
上記成分を適当量のDIWと共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら47℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を49℃まで上げてその温度で1時間保持して凝集粒子を得た。次いで、表面被覆用の樹脂微粒子分散液 25質量部を追加して添加し緩やかに攪拌した。
以降、作製例1と同様の操作を行ない、トナー粒子を得た。
この時の体積平均粒子径を測定したところ体積平均粒子径D50は8.7μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.23であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は123であった。このトナーの透過型電子顕微鏡観察をおこなったところ、トナー中に存在する離型剤の形状は、棒状と塊状が存在し、塊状の面積比率は、10%であった。また、シェル層(被覆層)の存在が観察され、その厚さは、0.29μmであった。X線光電子分光分析から、該トナーの表面Wax量を測定したところ、9atm%であった。
トナー作製例7.
樹脂微粒子分散液(2) 61質量部
着色剤分散液(2) 4.52質量部
無機微粒子分散液の予備凝集物 0.36質量部
離型剤分散液(7) 9.06質量部
ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、PAC100W) 0.06質量部
上記成分を適当量のDIWと共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら49℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を51℃まで上げてその温度で2時間保持して凝集粒子を得た。次いで、表面被覆用の樹脂微粒子分散液 25質量部を追加して添加し緩やかに攪拌した。
以降、作製例1と同様の操作を行ない、トナー粒子を得た。
この時の体積平均粒子径を測定したところ体積平均粒子径D50は4.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.29であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は112であった。このトナーの透過型電子顕微鏡観察をおこなったところ、トナー中に存在する離型剤の形状は棒状と塊状が存在し、塊状の面積比率は、10%であった。また、シェル層(被覆層)の存在が観察され、その厚さは、0.1μmであった。X線光電子分光分析から、該トナーの表面Wax量を測定したところ、35atm%であった。
外添トナーの作製.
作成したトナーを50質量部に対し量部疎水性シリカ(TS720:キャボット製)を1質量部添加し、サンプルミルにてブレンドした。これをメチルメタアクリレート(綜研化学社製:重量平均分子量75000)を平均2%コートした体積平均粒径35μmのフェライトキャリアに対しトナー濃度が8%になるように秤量し、V型ブレンダーで20分間攪拌・混合し現像剤を調整した。
実施例1.
トナー作製例1.のトナーの定着性について、単位トナー載り量が4.0g/m2となるよう調整したDocuCentre Color 400改造機を用いて画出しを行ない、未定着サンプルとした。その後外部定着器を用いて、Nip幅7.5mm、定着速度220mm/secに調整して定着した。また、OHPシートの場合には同様に未定着サンプルを作製し、外部定着器の設定をNip幅6.5mm、定着速度50mm/secに調整して定着した。
この時の剥離性は許容範疇であり、多少巻付き気味ではあるが十分に剥離していることが確認され、オフセットもほとんど発生しなかった。また、これらの定着画像は、定着装置出口に設けられた排出補助ロールやガイドロールの通過による当接痕も観られず、且つ表面光沢性も良好であった。加えて、OHPシートの透過性も優れ、濁りのない透過像が確認された。
実施例2.
トナー作製例2.について、トナー作製例1と同様の操作により定着性の試験を実施した。
この時の剥離性は良好で、何ら抵抗も無く剥離していることが確認され、オフセットもほとんど発生しなかった。また、これらの定着画像は、定着装置出口に設けられた排出補助ロールやガイドロールの通過による当接痕は観られなかったが、表面光沢性については許容範疇ではあるものの実施例1に比べると若干低かった。更に、OHPシートの透過性も許容範疇であり、多少濁り感のある透過像が確認された。
実施例3.
トナー作製例3.についても、トナー作製例1と同様の操作により定着性の試験を実施した。
この時の剥離性は許容範疇であり、多少巻付き気味ではあるが十分に剥離していることが確認され、オフセットもほとんど発生しなかった。また、これらの定着画像は、定着装置出口に設けられた排出補助ロールやガイドロールの通過による当接痕はほぼ観られなかったが、表面光沢性については実施例同等に良好であった。更に、OHPシートの透過性は許容範疇ではあり、多少濁り感のある透過像が確認された。
比較例1.
トナー作製例4.についても、トナー作製例1と同様の操作により定着性の試験を実施した。
この時の剥離性は良好で、何ら抵抗も無く剥離していることが確認されたが、軽微にオフセットを発生した。また、これらの定着画像は、定着装置出口に設けられた排出補助ロールやガイドロールの通過による当接痕が若干観られ、オフセットや当接痕が影響してか表面光沢性はかなり低くなり、かつ段差が目立ち見難い画像となった。更に、OHPシートの透過性についても、画像の乱れと相まって軽微な濁り感のある透過像が確認された。
比較例2.
トナー作製例5.についても、トナー作製例1と同様の操作により定着性の試験を実施した。
この時の剥離性は許容範疇であり、多少巻付き気味ではあるが十分に剥離していることが確認されたが、全面オフセットを発生した。また、これらの定着画像は、定着装置出口に設けられた排出補助ロールやガイドロールの通過による当接痕が若干観られ、オフセットや当接痕が影響してか表面光沢性は低く、見難い画像となった。OHPシートの透過性については、定着時に充分に溶融されたためか許容範疇に留まり、多少濁り感のある透過像が確認された。
比較例3.
トナー作製例6.についても、トナー作製例1と同様の操作により定着性の試験を実施した。
この時の剥離性は良好で、何ら抵抗も無く剥離していることが確認されたが、軽微にオフセットを発生した。また、これらの定着画像は、定着装置出口に設けられた排出補助ロールやガイドロールの通過による当接痕が顕著に観られ、オフセットや当接痕が影響して表面光沢性はかなり低くなり、かつ段差が目立ち見難い画像となった。OHPシートの透過性についても、溶融不足と剥離不良により画像表面が荒れて全体的に暗く、濁り感の強い透過像が確認された。
比較例4.
トナー作製例7.についても、トナー作製例1と同様の操作により定着性の試験を実施した。
この時の剥離性は許容できないレベルであり、巻付き気味にようやく剥離している状態となり、それに伴ない顕著なオフセットが発生した。また、これらの定着画像は、定着装置出口に設けられた排出補助ロールやガイドロールの通過による当接痕が軽微に観られ画像的には見難い部分もあったが、表面光沢性については実施例1と同様に良好であった。OHPシートの透過性は許容範疇ではあり、多少濁り感のある透過像が確認された。
以下、トナーの性状とこのトナーによる画像形成の性能評価を表1に纏めて示す。
Figure 2006091567
本発明における静電潜像現像用トナーを製造するのに好適なケーキ洗浄装置の好ましい一実施の形態を示す概略的構成図である。 CDS法によりq/d値の度数分布を測定するための測定装置を示す概略的構成図である。 本発明における静電潜像現像用トナーを製造するのに好適な含水粉体用乾燥装置の好ましい一実施の形態を示す概略的構成図である。 図3のA―A線概略的断面図である。 本発明における静電潜像現像用トナーを製造するのに好適な含水粉体用乾燥装置の好ましい他の実施の形態を示す概略的構成図である。 本発明における静電潜像現像用トナーを製造するのに好適な含水粉体用乾燥装置の好ましい更に他の実施の形態を示す概略的構成図である。 図3の含水粉体用乾燥装置を備えた連続処理のフロー図である。 本発明の画像形成装置の好ましい一実施の形態を示す断面図である。
符号の説明
27 ケーシング
28 原料供給口
29 気流ノズル
30 排出内筒管
31 粗粉排出孔
32 排出弁
33 ジャケット
34 吐出ブロワ
35 ヒーター
36 冷却水
37 気流式乾燥装置
38 原料供給器
39 製品回収用サイクロン
40 微粉回収用バグフィルター
41 排気ブロワ
42 整流板
43 整流板
70 加熱ロール
71 コア
72 弾性層
73 離型層
74 ハロゲンランプ
75 感熱素子
76 ニップ
80 エンドレスベルト
90 押圧パッド
91 支持体
92 弾性体
94 走行ガイド
100 低摩擦シート

Claims (3)

  1. 少なくとも結着樹脂、色材、離型剤を含み、測定周波数6.28rad/sにおける正弦波振動法による動的粘弾性測定を行なったときの、120℃時の貯蔵粘弾性(G'120)と180℃時の貯蔵粘弾性(G'180)の比(G'120/G'180)が14〜150であり、且つ該離型剤がポリアルキレンであることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 少なくとも1ミクロン以下の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と着色剤分散液、離型剤分散液、及び無機微粒子を分散した分散液を混合し、樹脂微粒子と着色剤の凝集粒子分散液を形成した後、融合工程の前に凝集粒子を分散させた凝集粒子分散液に微粒子を分散させた樹脂分散液を添加混合して前記凝集粒子に前記樹脂粒子を付着させて付着粒子を形成する付着工程を含み、融合工程に於いて当該樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱せしめ融合・合一する工程を含み、前記凝集工程に於いて少なくとも1種以上の金属塩の重合体を用いることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  3. 静電潜像担持体表面上に潜像を形成する潜像形成工程、該潜像を静電潜像現像用トナーを用いてトナー像を形成する現像工程、該トナー像を転写体上に転写する転写工程、該トナー像を転写体上に定着する定着工程を有する画像形成方法において、上記定着工程が、少なくとも表面が加熱されて周動回転する駆動部材と、該駆動部材の表面に当接し従動されるエンドレスベルトと、該エンドレスベルトをその周内から前記駆動部材の表面に付勢して、前記駆動部材−前記エンドレスベルト間に未定着トナー像を保持する記録シートを挿通可能なニップ部を形成する押圧部材と、前記押圧部材が少なくとも前記エンドレスベルトを面で付勢する押圧パッドと、該押圧パッドの付勢面に配され表面が前記エンドレスベルトに接するシートとから構成される画像定着装置に請求項1に記載の静電潜像現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。

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