JP2012108462A - トナー及び現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な低温定着性、耐熱保存性,分離性能を兼ね備えたトナー、トナーを含有す
る現像剤を提供する。
【解決手段】結着樹脂として少なくとも結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルを含
有したものであり、トナーのDSC昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)が
45℃以上65℃以下であり、前記トナーのDSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度T
g(2nd)が25℃以上35℃以下であり、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)
が120℃以上135℃以下、FTIR−ATR法により計測される前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用されるトナー、及び、トナーを含有する現像剤に関するものである。
従来、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置では、電気的潜像又は磁気的潜像をトナーによって顕像化して画像形成を行っている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電潜像を形成した後、静電潜像をトナーで現像して、トナー像を形成する。トナー像は、紙等の記録媒体上に転写された後、加熱溶融して定着される。
また、近年、トナーには、出力画像の高品質化のための小粒径化や、省エネルギー化のための低温定着性の向上が要求されている。
従来の混練粉砕法により得られるトナーは、小粒径化が困難であり、その形状は不定形で、その粒径分布はブロードである。また、高温の定着温度が必要とされ、省エネルギー化が困難である等の問題点があった。さらに、混練粉砕法では、粉砕の際に、離型剤(ワックス)の界面で割れるために、離型剤(ワックス)がトナー表面に多く存在する。このため、定着時の離型効果が出る反面、キャリア、感光体、ブレードへのトナーの付着が起こりやすくなり、画像形成プロセス全体からみると、その性能は満足のいくものではない。
一方、混練粉砕法による問題点を克服するために、重合法によるトナーの製造方法が提案されている。重合法で製造されたトナーは、小粒径化が容易であり、粒度分布も粉砕法によるトナーの粒度分布に比べてシャープであり、さらに、ワックスの内包化も可能である。
このような重合法で、省エネルギー化のための低温定着性を改良することが望まれる。さらに、低温定着性の改良に伴い、トナーの耐熱保存性や耐ホットオフセット性が阻害されないようにすることが望まれる。
このような課題に対応して、トナーの結着樹脂として、従来用いられてきた非結晶性樹脂に結晶性ポリエステルを導入することが種々試みられている(例えば、特許文献1〜5)。トナー中の結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性をもつがゆえに定着開始温度付近において、急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。つまり、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性が良く、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし、定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性を兼ね備えたトナーを設計することができる。また、耐ホットオフセットについても良好なトナーを設計できる。
非結晶性樹脂に結晶性ポリエステルを導入するトナーの製造工程としては、有機溶媒中に、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と変性ポリエステル系樹脂から成る結着樹脂前駆体とを含む結着樹脂成分、着色剤、離型剤を溶解・分散させて得られる油相に、結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物を溶解させた後、油相を微粒子分散剤の存在する水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、乳化分散液中で結着樹脂前駆体を架橋反応及び/又は伸長反応させ、有機溶剤を除去して得るものが記載されている。
しかし、上記製造工程で非結晶性樹脂に結晶性ポリエステルを導入するだけでは、低温定着性を達成するには不十分な場合があり、また、低温定着化を達成できても、耐熱保存性や、耐ホットオフセット性を満足できない場合がある。低温定着性を得るためには、結晶性ポリエステルが非晶性樹脂と相溶して、トナーのガラス転移温度(Tg)を低くし、溶融粘度の低下開始温度を下げることが必要である。しかし、耐熱保存性や耐ホットオフセット性を確保するには、結晶性ポリエステルと非晶性樹脂とが非相溶で分散している状態が必要である。そして、低温定着性と耐熱保存性、耐ホットオフセット性を満足させるためには、このようなトレードオフの関係にある非結晶性樹脂―結晶性ポリエステルの相容状態、非相容状態を両立させることが必要である。このため、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルの組み合わせにおいて、トナー製造方法(例えば、特許文献2)や、DSC昇温時における吸熱ピークの値を規定したトナー(例えば、特許文献4、5)等が提案されている。
上述の提案の結晶性ポリエステルを導入したトナーで、低温定着性を得ながらホットオフセットの発生を抑制できるものはある。しかし、ホットオフセットが発生しないまでも、用紙が定着ローラに巻きついてしまい、良好な分離性能が得られないという問題が発生した。また、耐熱保存性に関しては改良されてはいるもののその効果は十分でなく、さらなる耐熱保存性の向上が望まれる。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、良好な低温定着性、耐熱保存性、及び、良好な分離性能を兼ね備えたトナー及びトナーを含有する現像剤を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、有機溶媒中に、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂成分とを含む結着樹脂成分、着色剤、離型剤を溶解・分散させて得られる油相を微粒子分散剤の存在する水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、有機溶剤を除去して得られる静電荷像現像用のトナーであって、前記トナーのDSC昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)が45℃以上65℃以下であり、前記トナーのDSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)が25℃以上35℃以下であり、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)が120℃以上135℃以下であり、FTIR−ATR法により計測される前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のトナーであって、前記結着樹脂成分は前記非結晶性樹脂成分として変性ポリエステル樹脂系樹脂からなる結着樹脂前駆体を含み、前記油相に前記結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物を溶解させ、前記乳化分散液中で前記結着樹脂前駆体を架橋反応及び/または伸長反応させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のトナーであって、前記結晶性ポリエステルが、炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸と、炭素数4〜12の飽和ジオールから構成されることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の何れかのトナーであって、前記結晶性ポリエステルのGPC測定における数分子量Mnの500以下の割合が0%以上2.0%以下であり、かつ、Mnの1000以下の割合が0%以上4.0%以下であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の何れかのトナーであって、前記油相に前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記離型剤の分散性を向上させる分散剤を含むことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、静電潜像の現像に用いる現像剤であって、請求項1乃至5の何れかのトナーを含むことを特徴とするものである。
本発明においては、結晶性ポリエステルを導入したトナーで、DSC(示差走査型熱量計)昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)に加え、DSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)、及び、FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来するピーク強度比を規定することで、良好な低温定着性、耐熱保存性に加え、良好な分離性能を兼ね備えるトナーを得るものである。
昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)は、トナーを形成する最もガラス転移温度の低い樹脂として用いられる結晶性ポリエステルのガラス転移温度に由来するものである。しかし、上記製造工程中で結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルが一部もしくは全部が相溶した場合、Tg(1st)が大幅に低くなってしまう。Tg(1st)が45℃より低い場合は、耐熱保存性が悪化する。一方、Tg(1st)が65℃より高い場合は、トナーが溶融開始する温度が高くなり、低温定着性が得られない。よって、Tg(1st)が45℃以上65℃以下となるようにする。
昇温ニ回目におけるガラス転移温度、すなわち、熱溶融後のガラス転移温度Tg(2nd)は、トナーを形成する材料に由来するものではなく、上記製造工程中で、樹脂の相溶化により新たに生ずる特徴的な温度である。Tg(2nd)が25℃より低い場合は、定着時における樹脂の相溶化が過度であり、定着時の分離性が悪化する。一方、Tg(1st)が35℃より高い場合は、定着時における樹脂の相溶化が不十分であり、低温定着性が悪化する。よって、Tg(2nd)が25℃以上35℃以下となるようにする。
1/2流出開始温度(T1/2)も、樹脂の粘度低下の指標となるもので、例えば高架式フローテスターを用いて試料を溶融流出させたときフローカーブから求められ、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度である。(T1/2)が120℃より低い場合は、定着時の分離性が悪化する。一方、(T1/2)が135℃より大きい場合、トナーの軟化開始温度が高くなり、低温定着性が得られない。よって、(T1/2)が120℃以上135℃以下となるようにする。
FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来のピーク強度比から、トナー粒子表面近傍における結晶性ポリエステル及び離型剤の偏在に関する指標を得ることができる。このピーク強度比が低い場合は、結晶性ポリエステル及び離型剤がトナー粒子表面に少ないことを示しており、0.10より小さいと分離性が悪化する。一方、ピーク強度比が高い場合は、結晶性ポリエステル及び離型剤がトナー粒子表面に多いことを示しており、0.20より大きいとトナーの耐熱保存性が悪化する。離型剤がトナー表面近傍に多く存在すると、分離性が良くなる反面、周囲への付着が起こりやすくなり耐熱保存性が悪化する。さらに、結晶性ポリエステルがトナー粒子表面近傍に多く存在すると耐熱保存性が悪くなる。これは、一般的に結晶性ポリエステルはガラス転移点が0℃以下、結晶化度は100%以下であるため、分散している結晶性ポリエステルはガラス転移点が0℃以下の非晶質部分を有している。このような部分を有する結晶性ポリエステルがトナー粒子表面近傍に多く存在すると耐熱保存性が悪くなると考えられる。よって、分離性を得つつも耐熱保存性を改良するため、FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下となるようにする。
後述する実験に示すように、上記四つの条件を満足することによって、良好な低温定着性、耐熱保存性、及び、良好な分離性能を有するトナーを得ることができる。
本発明によれば、良好な低温定着性、耐熱保存性、及び、良好な分離性能を兼ね備えたトナー及びトナーを含有する現像剤を提供することができるという優れた効果がある。
本発明を実施するための形態を説明する。
本発明のトナーは、有機溶媒中に、少なくとも着色剤、離型剤(ワックス)、結晶性ポリエステル分散液と非結晶性樹脂成分とを含む結着樹脂成分、これら以外の結着樹脂成分を溶解させて得られる油相に、微粒子分散剤の存在する水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、有機溶剤を除去して得られるものである。このようにして得るトナーのDSC昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)が45℃以上65℃以下であり、DSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)が25℃以上35℃以下であり、1/2流出開始温度(T1/2)が120℃以上135℃以下、FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下となるようにする。
また、結着樹脂成分は変性ポリエステル樹脂系樹脂からなる結着樹脂前駆体を含み、油相に結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物を溶解させ、乳化分散液中で結着樹脂前駆体を架橋反応及び/または伸長反応させるものである。
このようなトナーを得るために用いる材料およびこれを用いた製造工程について説明する。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、高温で結晶性ポリエステル樹脂を完全に溶解して均一溶液を形成し、その反面、低温に冷却すると結晶性ポリエステル樹脂と相分離し、不透明な不均一溶液を形成するものが使用される。具体例としてトルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
(結晶性ポリエステル樹脂)
トナー中で結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性をもつがゆえに定着開始温度付近において、急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。つまり、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性が良く、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし、定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性を兼ね備えたトナーを設計することが出来る。また、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)についても、良好な結果を示すトナーを設計できることが判った。
本発明者らが、トナーの低温定着性と耐熱保存性を同時に満たすために鋭意検討を行った結果、結晶性ポリエステルの吸熱ピーク温度を60〜80℃にすることが望まれる。60℃未満の場合は、耐熱保存性が悪化し、80℃より大きい場合低温定着性が悪化する。
結晶性ポリエステルの吸熱ピーク温度の調整は結晶性ポリエステルのモノマー構成、重量平均分子量で調整することが可能である。また吸熱ショルダー温度と吸熱ピークの温度差を小さくするためには、結晶性ポリエステルの結晶性を高めるモノマー構成、具体的には酸・アルコールのモノマー構成をより類似した化合物で構成することにより分子鎖中での同一構造の重なり合い確率を上げることで調整することが出来る。またそれ以外にも、結晶性ポリエステルの数平均分子量と重量平均分子量の差を小さくすることでも調整できる。
結晶性ポリエステルの吸熱量は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて以下の方法で測定することができる。まず、ポリエステル樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)を用いてDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、解析プログラム中の『吸熱ショルダー温度』を用いて、対象試料の昇温一回目における吸熱ショルダー1、吸熱ショルダー2を、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、『吸熱ショルダー温度』を用いて、対象試料の昇温二回目における吸熱ショルダー1、吸熱ショルダー2を求めることが出来る。ショルダー温度は、低い温度から順に、吸熱ショルダー1、吸熱ショルダー2と定義する。また、得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、解析プログラム中の『吸熱ピーク温度』を用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目における吸熱ピークを、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、解析プログラム中の『吸熱ピーク温度』を用いて、対象試料の昇温二回目における吸熱ピークを求めることが出来る。
結晶性ポリエステル樹脂は、例として、アルコール成分として炭素数2〜12の飽和脂肪族ジオール化合物、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1、−8オクタンジオール、1,10―デカンジオール、1,12ドデカンジオールおよびこれらの誘導体と、少なくとも酸性分として二重結合(C=C結合)を有する炭素数2〜12のジカルボン酸、もしくは、炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸、特にフマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1、−8オクタン二酸、1,10―デカン二酸、1,12ドデカン二酸およびこれらの誘導体を用いて合成される。なかでも、結晶性ポリエステルの結晶性が高く、融点付近で急激な粘度変化を示す観点から、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1、−8オクタンジオール、1,10―デカンジオール、1,12ドデカンジオールのいずれかの炭素数4〜12の飽和ジオール成分と、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1、−8オクタン二酸、1,10―デカン二酸、1,12―ドデカン二酸のいずれかの炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸成分のみで構成されることが好ましい。
また、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性および軟化点を制御する方法として、ポリエステル合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステルなどを設計、使用するなどの方法が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができるが、簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1もしくは990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを例としてあげることができる。
結晶性ポリエステルの分子量については、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が悪化するという観点から、鋭意検討した。この結果、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、重量平均分子量が5,000以上20,000以下であり、数平均分子量Mnの500以下の割合が0%以上2.5%以下であり、数平均分子量Mnの1000以下の割合が0%以上5.0%以下である場合、低温定着性、耐熱保存性の両立が達成されることを見出した。更に好ましくはかつ数平均分子量Mnの500以下の割合が0%以上2.0%以下であり、数平均分子量Mnの1000以下の割合が0%以上4.0%以下であることが好ましい。
分子量分布は、例えば、GPC測定装置(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)(「GPC−8220GPC」、東ソー社製)を用いて測定することができる。
CPG測定装置の条件は、以下のものである。
カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
試料の前処理は、試料をテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)に0.15wt%で溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価、水酸基価は、酸価をA、水酸基価をBとした際に、以下の関係式を満たすことが好ましい。
10mgKOH/g< A <40mgKOH/g
0mgKOH/g< B <20mgKOH/g
20mgKOH/g<A+B<40mgKOH/g
酸価Aが10mgKOH/g 以下である場合、記録部材である紙との親和性が悪化し、耐熱保存性が悪化する場合がある。また、酸価Aが40mgKOH/g 以上、もしくは、水酸基価Bが20mgKOH/g 以下の場合、高温高湿下でのトナーの帯電能力が低下する恐れがある。また、酸価Aと水酸基価Bの合計A+Bが20mgKOH/g 以下の場合、非晶質ポリエステルとの相溶性が低下し、低温定着性が充分得られない場合がある。また酸価Aと水酸基価Bの合計A+Bが40mgKOH/g以上の場合、結晶性ポリエステルが非晶質ポリステルとの相溶性が上がりすぎるため、耐熱保存性が悪化する場合がある。
酸価は樹脂中のカルボン酸基の数、水酸基値は水酸基の数の指標であり、これらは、JIS K0070−1992に準拠した方法を用いて測定される。
また、結晶性ポリエステルの有機溶媒中での溶解、再結晶化方法は以下のとおりである。結晶性ポリエステル10gと有機溶媒90gを70℃で1時間攪拌する。攪拌した後の溶液を、20℃で12時間冷却して、結晶性ポリエステルを再結晶化させる。再結晶化させた後の結晶性ポリエステルの有機溶媒分散体を桐山ロート(桐山製作所製)に、桐山ロート用ろ紙No.4(桐山製作所製)をセットし、アスピレーターで吸引ろ過し、有機溶媒と結晶性ポリエステルを分離する。分離して得られた結晶性ポリエステルを35℃で48時間乾燥させ、結晶性ポリエステルの再結晶化物を得る。
結晶性ポリエステルの有機溶剤に対する70℃における溶解度は10質量部以上であることが好ましい。10質量部未満の場合、有機溶剤と結晶性ポリエステルの親和性が乏しいため、有機溶剤中で結晶性ポリエステルをサブミクロンサイズまで分散させることが困難であり、トナー中に存在する結晶性ポリエステルが不均一になり、帯電性の悪化、長期使用での画質の悪化を生じることがある。
結晶性ポリエステルの有機溶剤に対する20℃における溶解度は3.0質量部未満であることが好ましい。3.0質量部以上の場合、有機溶剤中に溶解している結晶性ポリエステルが、加熱前から非晶質ポリエステルと相溶しやすくなり、耐熱保存性の悪化、現像器の汚染、画像の劣化を生じる恐れがある。
結晶性ポリエステルの有機溶剤に対する溶解度は以下の方法で求められる。
結晶性ポリエステル20gと有機溶媒80gを所定の温度下で、1時間攪拌する。
攪拌した後の溶液を、所定の温度下で、桐山ロート(桐山製作所製)に、桐山ロート用ろ紙No.4(桐山製作所製)をセットし、アスピレーターで吸引ろ過し、有機溶媒と結晶性ポリエステルを分離する。分離して得られた有機溶媒を有機溶媒の沸点+50℃の温度で1時間加熱して有機溶剤を蒸発させ、加熱前後の重量変化から、有機溶剤中に溶解していた結晶性ポリエステルの溶解量を算出する。
(結着樹脂前駆体)
トナーの結着樹脂成分は、結着樹脂前駆体を含有することが好ましい。
結着樹脂前駆体としては、変性ポリエステル系樹脂からなる結着樹脂前駆体が好ましく、イソシアネートやエポキシなどにより変性されたポリエステルプレポリマーを挙げることができる。これは、活性水素基を持つ化合物(アミン類など)と伸長反応し、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)の向上に効果をおよぼす。このポリエステルプレポリマーの合成方法としては、ベースとなるポリエステル樹脂に、従来公知のイソシアネート化剤やエポキシ化剤などを反応させることで容易に合成することが出来る。イソシアネート化剤としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。また、エポキシ化剤としては、エピクロロヒドリンなどをその代表例としてあげることが出来る。
イソシアネート化剤の比率は、イソシアネート基[NCO]と、ベースとなるポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、このポリエステルプレポリマーのウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
このポリエステルプレポリマー中のイソシアネート化剤の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
また、このポリエステルプレポリマー中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、伸長反応後のウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、結着樹脂前駆体は、重量平均分子量が1×10以上3×10以下であることが好ましい。
(結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物)
結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物としては、活性水素基を有する化合物が挙げられ、その代表として、アミン類をあげることができる。アミン類としては、ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール化合物、アミノメルカプタン化合物、アミノ酸化合物、および、これらのアミノ基をブロックした化合物などが挙げられる。ジアミン化合物としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール化合物としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン化合物としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸化合物としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。これらのアミノ基をブロックした化合物としては、前記アミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類のうち好ましいものは、ジアミン化合物およびジアミン化合物と少量のポリアミン化合物の混合物である。
(着色剤)
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本実施形態で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(離型剤)
離型剤は、融点が50〜120℃のワックスであることが好ましい。
このようなワックスは、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる。
なお、ワックスの融点は、示差走査熱量計であるTG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求められる。
離型剤としては、以下に示す材料を用いることができる。
ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
また、これらの天然ワックス以外の離型剤としては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。
さらに、1、2―ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子である、ポリメタクリル酸n−ステアリル、ポリメタクリル酸n−ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(例えば、アクリル酸n−ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子も離型剤として用いることができる。
(ワックス分散剤)
本実施形態のトナーは、上記離型剤としてのワックスを分散するためのワックス分散剤を用いる。ワックスは結着樹脂成分である非結晶性樹脂との相溶性が低いために、ワックス分散剤を使用しない場合、トナー粒子表面近傍にワックスが多く偏在する。ワックス分散剤を用いると、ワックスと結着樹脂との親和性が上がり、トナー内部にワックスが分散される。このワックス分散剤は、ワックスの分散性を良好にすると共に、結晶性ポリエステル樹脂の分散性を良好にする効果を有している。すなわち、ワックス分散剤は結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤(ワックス)の分散性を向上させる分散剤としての機能を有するものである。このような、ワックス分散剤の量を変化させることで、トナー表面近傍の結晶性ポリエステル及びワックスの偏在量を制御できる。
本実施形態のワックス分散剤は、以下に記載する樹脂(A)を主鎖とし、側鎖として後述する樹脂(B)がグラフトした構造を有するグラフト重合体である。
樹脂(A)としては、樹脂(B)をグラフト可能なものであれば良く、公知の離型剤が用いられ、例えば、ポリオレフィン樹脂、より好ましくは、熱減成型ポリオレフィン樹脂が良い。ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1?ブテン、イソブチレン、1?ヘキセン、1?ドデセン、1?オクタデセンなどが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、オレフィン類の重合体、オレフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の変性物、オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合物などが挙げられる。
また、オレフィン類の重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1?ブテン共重合体、プロピレン/1?ヘキセン共重合体などが挙げられる。オレフィン類の重合体の酸化物としては、上記オレフィン類の重合体の酸化物等が挙げられる。オレフィン類の重合体の変性物としては、上記オレフィン類の重合体のマレイン酸誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル等)付加物などが挙げられる。オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合物としては、不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等]、不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(C1?C18)エステル、マレイン酸アルキル(C1?C18)エステル等]等の単量体とオレフィン類との共重合体等が挙げられる。
また、本実施形態においては、ポリマー構造がポリオレフィンの構造を有していれば良く、モノマーが必ずしもオレフィン構造を有している必要はない。例えば、ポリメチレン(サゾールワックス等)等も使用することができる。これらポリオレフィン樹脂のうち、好ましいものは、オレフィン類の重合体、オレフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の変性物であり、さらに好ましくは、ポリエチレン、ポリメチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、マレイン化ポリプロピレンであり、特に好ましいものは、ポリエチレンおよびポリプロピレンである。
樹脂(B)を構成するモノマーとしては、不飽和カルボン酸のアルキル(炭素数1?5)エステル[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2?エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど]、ビニルエステル系モノマー[酢酸ビニルなど]が挙げられる。これらのうち好ましいものは、(メタ)アクリル酸アルキルであり、さらに好ましくは、そのアルキル鎖の炭素数が1?5である(メタ)アクリル酸アルキル(B1)である。
樹脂(B)を構成するモノマーとして(B1)と共に併用される芳香族ビニルモノマー(B2)としては、スチレン系モノマー[スチレン、α?メチルスチレン、p?メチルスチレン、m?メチルスチレン、p?メトキシスチレン、p?ヒドロキシスチレン、p?アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなど]が挙げられる。これのうち好ましいものはスチレンである。
ワックス分散剤の粒径は、例えば、「LA−920」(堀場製作所社製社製)を用いて測定される。また、LA−920の測定の際に、LA−920専用アプリケーション(Ver3.32)(堀場製作所社製社製)を用いて解析を行う。
具体的には、ワックス分散剤を分散している溶媒で光軸調整した後、バックグラウンドを測定する。その後、循環を開始しワックス分散液を滴下する。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射する。照射した後に透過率の値が70〜95%の範囲となる条件で分散粒子径を測定した。本測定装置は粒子径の測定再現性の点からLA−920の透過率の値が70〜95%の範囲となる条件で測定することが重要である。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行う必要がある。前記透過率の値を得るために前記分散液の滴下量を調節する必要がある。
測定・解析条件は以下のように設定した。
データ取り込み回数:15回
相対屈折率:1.20
循環:5
超音波強度:7
(帯電制御剤)
本実施形態のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させる事もできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えても良いし、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
(非結晶性ポリエステル樹脂)
さらに、本実施形態のトナーは、結着樹脂成分として非結晶性の未変性ポリエステル樹脂を用いる。変性ポリエステル系樹脂からなる結着樹脂前駆体を架橋及び/又は伸長反応させて得られる変性ポリエステル樹脂と未変性のポリエステル樹脂は、少なくとも一部が相溶していることが好ましい。これにより、低温定着性及び耐ホットオフセット性を向上させることができる。このため、変性ポリエステル樹脂と未変性のポリエステル樹脂のポリオールとポリカルボン酸は、類似の組成であることが好ましい。また、未変性ポリエステル樹脂として、結晶性ポリエステル分散液に用いた非結晶性ポリエステル樹脂も未変性であれば、用いることができる。
また、上記結晶性ポリエステルの酸価をA、非結晶性ポリエステル樹脂の酸価をCとした際に、以下の関係式を満たすことが好ましい。
−10mgKOH/g<A−C<10mgKOH/g
結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルと酸価と水酸基価の差が10以上である場合、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの相溶性、親和性が乏しく、低温定着性に劣る場合がある。また結晶性ポリエステルがトナー表面に露出しやすくなり、現像部への汚染、フィルミングが生じやすくなる場合がある。
なお、ウレア変性ポリエステル樹脂は、未変性のポリエステル樹脂以外に、ウレア結合以外の化学結合で変性されているポリエステル樹脂、例えば、ウレタン結合で変性されているポリエステル樹脂と併用することができる。
トナー組成物がウレア変性ポリエステル樹脂等の変性ポリエステル樹脂を含有する場合、変性ポリエステル樹脂は、ワンショット法等により製造することができる。
一例として、ウレア変性ポリエステル樹脂を製造方法について説明する。
まず、ポリオールとポリカルボン酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルスズオキサイド等の触媒の存在下で、150〜280℃に加熱し、必要に応じて、減圧しながら生成する水を除去して、水酸基を有するポリエステル樹脂を得る。次に、水酸基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートを40〜140℃で反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを得る。さらに、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン類を0〜140℃で反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を得る。
ウレア変性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、通常、1000〜10000であり、1500〜6000が好ましい。
なお、水酸基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートを反応させる場合及びイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン類を反応させる場合には、必要に応じて、溶剤を用いることもできる。
溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等);エーテル類(テトラヒドロフラン等)等のイソシアネート基に対して不活性なものが挙げられる。
なお、未変性のポリエステル樹脂を併用する場合は、水酸基を有するポリエステル樹脂と同様に製造したものを、ウレア変性ポリエステル樹脂の反応後の溶液に混合してもよい。
また、本実施形態のトナーにおいて、油相に含有される結着樹脂成分としては、上述の結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、結着樹脂前駆体、未変性樹脂を併用してもよいが、更にこれらの樹脂以外の結着樹脂成分を含有してもよい。結着樹脂成分としては、ポリエステル樹脂を含有することが好ましく、ポリエステル樹脂を50重量%以上含有することがさらに好ましい。ポリエステル樹脂の含有量が50重量%未満であると、低温定着性が低下することがある。結着樹脂成分のいずれもがポリエステル樹脂であることが特に好ましい。
なお、ポリエステル樹脂以外の結着樹脂成分としては、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等のスチレン又はスチレン置換体の重合体;スチレン‐p‐クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
(水系溶媒を用いたトナー製造法)
本実施形態のトナーの製造に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー粒子を形成する、結着樹脂前駆体、着色剤、離型剤、結晶性ポリエステル分散液、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめ、これらのトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本実施形態のトナーにおいては、着色剤、離型剤、帯電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜60分である。分散時の温度としては、通常、0〜80℃(加圧下)、好ましくは10〜40℃である。
トナー組成物100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常100〜1000重量部である。100重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。1000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
ポリエステルプレポリマーと活性水素基を有する化合物を反応させる方法としては、水系媒体中でトナー組成物を分散する前に活性水素基を有する化合物を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後に活性水素基を有する化合物を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合、製造されるトナー表面に優先的にポリエステルプレポリマーによる変性したポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
トナー組成物が分散された油相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。
また高分子系保護コロイドもしくは、水に不溶な有機微粒子により分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、ポリエステルプレポリマーが反応し変性したポリエステルが可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが、除去容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。ポリエステルプレポリマー100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
伸長および/または架橋反応時間は、ポリエステルプレポリマーと活性水素基を有する化合物の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは30分〜24時間である。反応温度は、通常、0〜100℃、好ましくは10〜50℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することもできる。具体的にはトリエチルアミンなどの3級アミンやイミダゾールなどをあげることができる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えたりすることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
(外添剤)
本実施形態のトナーは、流動性や現像性、帯電性を補助するために外添剤を含有してもよい。
外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化のための外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
(1成分現像剤、2成分現像剤)
本実施形態のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとして用いることができる。また、本実施形態のトナーは、キャリアを有する2成分系現像剤として用いることができる。
本実施形態のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。キャリアは、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ系樹脂;エポキシ樹脂;アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニル系樹脂;ポリビニリデン系樹脂;ポリスチレン、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体の共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂等の被覆樹脂で被覆されていてもよい。
また、被覆樹脂は、必要に応じて、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛等の導電粉等を含有していてもよい。導電粉は、平均粒子径が1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
次に、上述のようにして得たトナーの特性の測定方法およびその値について説明する。
本実施形態において、トナーの粒度分布は、コールターカウンター法を用いて測定される。
コールターカウンター法による粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II及びコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
本実施形態においては、コールターカウンターTA−II型測定装置に、個数分布及び体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)を介して、PC−9801パーソナルコンピューター(NEC社製)を接続して、粒度分布の測定を行う。
具体的には、まず、電解液100〜150ml中に、分散剤として、界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。なお、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1重量%の水溶液を調製したものであり、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。次に、試料を2〜20mg加えて懸濁させた後に、超音波分散機で1〜3分間分散させる。100μmアパーチャーを用いて、得られた分散液からトナーの体積及び個数を測定し、体積分布及び個数分布を算出する。
なお、チャンネルは、2.00μm以上2.52μm未満、2.52μm以上3.17μm未満、3.17μm以上4.00μm未満、4.00μm以上5.04μm未満、5.04μm以上6.35μm未満、6.35μm以上8.00μm未満、8.00μm以上10.08μm未満、10.08μm以上12.70μm未満、12.70μm以上16.00μm未満、16.00μm以上20.20μm未満、20.20μm以上25.40μm未満、25.40μm以上32.00μm未満及び32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径が2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
本実施形態のトナーの体積平均粒径は3μm以上7μm以下であることが好ましく、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比が1.2以下であることが好ましい。また、粒径が2μm以下である成分を1個数%以上10個数%以下含有することが好ましい。
また、本実施形態においてトナーの酸価は、JIS K0070−1992に準拠した方法を用いて測定される。
具体的には、試料0.5g(酢酸エチル可溶分では0.3g)をトルエン120mlに添加して、23℃で約10時間撹拌することにより溶解させる。次に、エタノール30mlを添加して試料溶液とする。なお、試料が溶解しない場合は、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いる。さらに、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113‐SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で酸価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。
なお、装置の校正には、トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、水酸基価の場合と同様である。
酸価は、以上のようにして測定することができるが、具体的には、予め標定された0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、滴定量から、式酸価[mgKOH/g]=滴定量[ml]×N×56.1[mg/ml]/試料重量[g](ただし、Nは、0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液のファクター)により酸価を算出する。
トナーの酸価は、低温定着性及び耐高温オフセット性に対して、重要な指標であり、未変性のポリエステル樹脂の末端カルボキシル基に由来するが、低温定着性(定着下限温度、ホットオフセット発生温度等)を制御するために、0.5〜40mgKOH/gであることが好ましい。酸価が40mgKOH/gを超えると、反応性変性ポリエステル樹脂の伸長反応及び/又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性が低下することがある。また、酸価が0.5mgKOH/g未満では、製造時の塩基による分散安定性を向上させる効果が得られなくなったり、反応性変性ポリエステル樹脂の伸長反応及び/又は架橋反応が進行しやすくなったりして、製造安定性が低下することがある。
また、本実施形態において、トナーのガラス転移温度は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料約5mgを入れたアルミ製試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次に、10℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱した時のトナーのガラス転移温度をT1とし、更に1回目の加熱後150℃で10分間放置し、降温速度10℃/minにて10℃まで試料を冷却して10分間放置し、更に昇温速度10℃/minで2回目の加熱した時のトナーのガラス転移温度をT2として測定する。トナーガラス転移点は、システム中の解析プログラムを用いて、ガラス転移点近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出する。
昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)は、トナーを形成する最もガラス転移温度の低い樹脂として用いられる結晶性ポリエステルのガラス転移温度に由来するものである。しかし、上記製造工程中で結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルが一部もしくは全部が相溶した場合、Tg(1st)が大幅に低くなってしまう。Tg(1st)が45℃より低い場合は、耐熱保存性が悪化する。一方、Tg(1st)が65℃より高い場合は、トナーが溶融開始する温度が高くなり、低温定着性が得られない。よって、Tg(1st)が45℃以上65℃以下となるようにする。
昇温ニ回目におけるガラス転移温度、すなわち、熱溶融後のガラス転移温度Tg(2nd)は、トナーを形成する材料に由来するものではなく、上記製造工程中で、樹脂の相溶化により新たに生ずる特徴的な温度である。Tg(2nd)が25℃より低い場合は、定着時における樹脂の相溶化が過度であり、定着時の分離性が悪化する。一方、Tg(1st)が35℃より高い場合は、定着時における樹脂の相溶化が不十分であり、低温定着性が悪化する。よって、Tg(2nd)が25℃以上35℃以下となるようにする。
本実施形態において、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)は、例えば高架式フローテスター(「CFT500型」、島津製作所製)を用いて測定することができる。具体的には、試料を溶融流出させたときフローカーブから求めることができ、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度である。
トナーの1/2流出開始温度(T1/2)は樹脂の粘度低下の指標となるものである。1/2流出開始温度(T1/2)が120℃より低い場合は、定着時の分離性が悪化する。一方、1/2流出開始温度(T1/2)が135℃より大きい場合、トナーの軟化開始温度が高くなり、低温定着性が得られない。よって、(T1/2)が120℃以上135℃以下となるようにする。
本実施形態において、FTIR−ATR法によるトナーの強度比(P2850/P828)は、例えば、FTIR装置(「Avatar370」、Thermo Electron社製)を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料として、トナー3gを自動ペレット成型器(「Type M No.50 BRP−E」、MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして40mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。そのトナーペレット表面を上記FTIR装置装置により測定した。測定条件は、下記のとおりである。
測定条件
測定範囲:4000−675[cm−1
使用窓材:Ge
ゲイン4:4.0
ミラー速度:0.6327
アパーチャー:100
ビームスプリッタ:KBr
得られたワックス及び結晶性ポリエステル樹脂由来のピーク(2850cm−1)と結着樹脂由来のピーク(828cm−1)との強度比(P2850/P828)をトナー粒子表面近傍の相対的なワックス量及び結晶性ポリエステル樹脂量とした。値は測定場所を変えて4回測定した後の平均値を用いた。
FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来のピーク強度比から、トナー粒子表面近傍における結晶性ポリエステル及び離型剤の偏在に関する指標を得ることができる。このピーク強度比が低い場合は、結晶性ポリエステル及び離型剤がトナー粒子表面に少ないことを示しており、0.10より小さいと分離性が悪化する。一方、ピーク強度比が高い場合は、結晶性ポリエステル及び離型剤がトナー粒子表面に多いことを示しており、0.20より大きいとトナーの耐熱保存性が悪化する。離型剤がトナー表面近傍に多く存在すると、分離性が良くなる反面、周囲への付着が起こりやすくなり耐熱保存性が悪化する。さらに、結晶性ポリエステルがトナー粒子表面近傍に多く存在すると耐熱保存性が悪くなる。これは、一般的に結晶性ポリエステルはガラス転移点が0℃以下、結晶化度は100%以下であるため、分散している結晶性ポリエステルはガラス転移点が0℃以下の非晶質部分を有している。このような部分を有する結晶性ポリエステルがトナー粒子表面近傍に多く存在すると耐熱保存性が悪くなると考えられる。よって、分離性を得つつも耐熱保存性を改良するため、FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下となるようにする。
以下、実施例に基づきトナーをより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下、部は重量部を示す。
〜結晶性ポリエステル樹脂1の合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,10−デカンジオール2300g、1、8−オクタンジオール2530g、ハイドロキノン5.0gを入れ、180℃で8時間反応させた後、200℃に昇温して4時間反応させ、さらに8.3kPaにて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂1を得た。DSCの昇温二回目より算出される吸熱ピーク温度(T2−cp):70℃、吸熱ショルダー温度1(T2−cs1):65℃、吸熱ショルダー温度2(T2−cs2):73℃、Mn3000、Mw12000であった。
〜結晶性ポリエステル樹脂2の合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,10−アジピン酸2320g、1、8−ペンタンジオール2880g、ハイドロキノン4.9gを入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaにて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂2を得た。DSCの昇温二回目より算出される吸熱ピーク温度(T2−cp):58℃、吸熱ショルダー温度1(T2−cs1):40℃、吸熱ショルダー温度2(T2−cs2):65℃、Mn2500、Mw12000であった。
〜非結晶性ポリエステル(低分子ポリエステル)1樹脂の合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で4時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[非結晶性ポリエステル1]を得た。[非結晶性ポリエステル1]は、数平均分子量2400、重量平均分子量6300、Tg43℃、酸価28であった。
〜中間体ポリエステルの作製〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
〜ポリエステルプレポリマー1の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
〜非結晶性ポリエステル樹脂2の合成〜
加熱乾燥した二口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)?2,2?ビス(4?ヒドロキシフェニル)プロパン780モル部と、ポリオキシエチレン(2,2)?2,2?ビス(4?ヒドロキシフェニル)プロパン18モル部、テレフタル酸47モル部と、フマル酸24モル部と、n?ドデセニルコハク酸24モル部を原料に、触媒としてジブチル錫オキサイドを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、230℃で12時間共縮重合反応させ、その後、230℃で徐々に減圧して、[非結晶性ポリエステル樹脂2]を得た。[非結晶性ポリエステル2]は、数平均分子量6700、重量平均分子量17400、Tg61℃、酸価14であった。
〜非結晶性ポリエステルの溶液1の作製〜
金属製2L容器に[非結晶性ポリエステル樹脂2]を125部、酢酸エチル75部を入れ、65℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷し[非結晶性ポリエステルの溶液1]を得た。
〜非結晶性ポリエステルの溶液2の作製〜
金属製2L容器に[非結晶性ポリエステル樹脂2]を100部、酢酸エチル100部を入れ、65℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷し[非結晶性ポリエステルの溶液2]を得た。
〜非結晶性ポリエステルの溶液3の作製〜
金属製2L容器に[非結晶性ポリエステル樹脂2]を75部、酢酸エチル125部を入れ、65℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷し[非結晶性ポリエステル溶液液3]を得た。
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
〜マスターバッチ(MB)の合成〜
水1200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕540部、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
〜ワックス分散剤の合成〜
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン600部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックスLEL−400:軟化点128℃)300部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン2310部、アクリロニトリル270部、アクリル酸ブチル150部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート78部およびキシレン455部の混合溶液を175℃で3時間かけて滴下して重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、ワックス分散剤を得た。
〜油相(顔料・WAX分散液1)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤77部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液2)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤77部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、5パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液2]を得た。[顔料・WAX分散液2]の平均粒径は0.35μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液3)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤71部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液2]を得た。
[原料溶解液2]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液3]を得た。[顔料・WAX分散液3]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液4)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤66部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液3]を得た。
[原料溶解液3]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液4]を得た。[顔料・WAX分散液4]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液5)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カル
ナバWAX110部、ワックス分散剤55部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液4]を得た。
[原料溶解液4]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液5]を得た。[顔料・WAX分散液5]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液6)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]359部、カル
ナバWAX110部、ワックス分散剤77部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル966部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液5]を得た。
[原料溶解液5]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の60%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液6]を得た。[顔料・WAX分散液6]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は52%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液7)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]359部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤66部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル966部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液6]を得た。
[原料溶解液6]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液7]を得た。[顔料・WAX分散液7]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液8)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]359部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤55部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル966部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液7]を得た。
[原料溶解液7]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の60%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液8]を得た。[顔料・WAX分散液8]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は48%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液9)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤33部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液8]を得た。
[原料溶解液8]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液9]を得た。[顔料・WAX分散液9]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液10)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤110部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液9]を得た。
[原料溶解液9]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液10]を得た。[顔料・WAX分散液10]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜結晶性ポリエステル1の分散液作製〜
金属製2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]を100g、酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mlを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液1]を得た。
〜結晶性ポリエステルの分散液2作製〜
金属製2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂2]を100g、酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mlを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液2]を得た。
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
〜水相の調整〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
〜乳化・脱溶剤1〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
〜乳化・脱溶剤2〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で20時間熟成を行い、[分散スラリー2]を得た。
〜乳化・脱溶剤3〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー2]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー2]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー3]を得た。
〜乳化・脱溶剤4〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー2]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー2]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で20時間熟成を行い、[分散スラリー4]を得た。
〜乳化・脱溶剤5〜
[顔料・WAX分散液2]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー3]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー3]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー5]を得た。
〜乳化・脱溶剤6〜
[顔料・WAX分散液3]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー4]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー4]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー6]を得た。
〜乳化・脱溶剤7〜
[顔料・WAX分散液4]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー5]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー5]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー7]を得た。
〜乳化・脱溶剤8〜
[顔料・WAX分散液5]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー6]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー6]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー8]を得た。
〜乳化・脱溶剤9〜
[顔料・WAX分散液6]664部、[非結晶性ポリエステルの溶液1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー7]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー7]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー9]を得た。
〜乳化・脱溶剤10〜
[顔料・WAX分散液7]664部、[非結晶性ポリエステルの溶液2]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー8]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー8]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー10]を得た。
〜乳化・脱溶剤11〜
[顔料・WAX分散液8]664部、[非結晶性ポリエステルの溶液3]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー9]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー9]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー11]を得た。
〜乳化・脱溶剤12〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で30時間熟成を行い、[分散スラリー12]を得た。
〜乳化・脱溶剤13〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー10]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー10]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で2時間熟成を行い、[分散スラリー13]を得た。
〜乳化・脱溶剤14〜
[顔料・WAX分散液5]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー9]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー9]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で30時間熟成を行い、[分散スラリー14]を得た。
〜乳化・脱溶剤15〜
[顔料・WAX分散液5]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー11]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー11]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で2時間熟成を行い、[分散スラリー15]を得た。
〜乳化・脱溶剤16〜
[顔料・WAX分散液9]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー12]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー12]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で30時間熟成を行い、[分散スラリー16]を得た。
〜乳化・脱溶剤17〜
[顔料・WAX分散液9]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー13]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー13]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で2時間熟成を行い、[分散スラリー17]を得た。
〜乳化・脱溶剤18〜
[顔料・WAX分散液10]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー14]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー14]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で30時間熟成を行い、[分散スラリー18]を得た。
〜乳化・脱溶剤19〜
[顔料・WAX分散液10]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー15]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー15]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で2時間熟成を行い、[分散スラリー19]を得た。
〜乳化・脱溶剤20〜
[顔料・WAX分散液9]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー12]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー12]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー20]を得た。
〜乳化・脱溶剤21〜
[顔料・WAX分散液10]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー14]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー14]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー21]を得た。
〜洗浄・乾燥〜
(実施例1)
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー2]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例2の[トナー2]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー3]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例3の[トナー3]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー4]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例4の[トナー4]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー5]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例5の2[トナー5]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー6]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例6の[トナー6]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー7]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例7の[トナー7]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー8]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例8の[トナー8]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー9]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例9の[トナー9]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー10]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例10の[トナー10]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー11]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例11の[トナー11]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー12]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例1の[トナー12]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー13]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例2の[トナー13]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー14]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例3の[トナー14]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー15]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例4の[トナー15]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー16]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例5の[トナー16]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー17]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例6の[トナー17]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー18]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例7の[トナー18]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー19]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例8の[トナー19]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー20]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例9の[トナー20]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー21]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例10の[トナー21]を得た。
このようにして得られたトナー100部に疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合した。得られたトナーの評価結果については表1に示した。
外添剤処理を施したトナー5重量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450を用いて、連続印刷して下記の基準で評価した。
(評価項目)
(耐熱保存性)
トナーを50℃で8時間保管した後、42メッシュの篩で2分間篩い、金網上の残存率を測定した。
このとき、耐熱保存性が良好なトナー程、残存率は小さい。
なお、耐熱保存性は、残存率が10%未満である場合を◎、残存率が10%以上30%未満である場合を〇、30%以上である場合を×として、判定した。
(低温定着性/耐ホットオフセット性)
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(リコー社製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(リコー社製)に複写テストを行った。
具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)及びホットオフセット温度(定着上限温度)を求めた。
定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/秒、面圧を1.2kgf/cm、ニップ幅を3mmとした。
また、定着上限温度の評価条件は、紙送りの線速度を50mm/秒、面圧を2.0kgf/cm、ニップ幅を4.5mmとした。
なお、従来の低温定着トナーの定着下限温度は、140℃程度である。
このとき、定着下限温度は、120℃未満である場合を◎、120℃以上130℃未満である場合を○、130℃以上140℃未満である場合を×、140℃以上150℃未満である場合を××として、判定した。
また、定着上限温度は、190℃以上である場合を◎、170℃以上190℃未満である場合を○、170℃未満である場合を×として、判定した。
外添剤処理を施したトナー5重量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450を用いて、連続印刷して下記の基準で評価した。
(定着時の離型性)
定着時の分離を判断する指標として定着ニップを通過した用紙と定着ローラの剥離力を考える。トナーの付着量を一定の値になるよう統一された用紙を定着装置に通過させ、定着ニップ直後、分離抵抗力測定装置を設ける。定着ニップ部を通過した用紙は定着ローラに巻きつく力を持って搬送されるため検出爪に押し付けられる形で搬送される。
このときの押し付け力を検出爪の他端に設けたロードセルにより読み取るようにする。
この値が用紙を定着ローラから剥離するのに必要な力でありこれを分離抵抗力とする。
この所定の条件のもとに測定された分離抵抗力の大小により定着ローラからの用紙の分離が可能か否かを判断する。
なお、分離抵抗力はワックスの染み出しやすさを示すものとも言える。
◎:分離抵抗力小 ○:分離抵抗力大 ×:分離不可能
表1に実施例1〜11、比較例1〜10の評価結果を示す。
Figure 2012108462
上記の通り、実施例1〜11では、耐熱保存性、定着上限、低温定着性、分離抵抗力ともに優れたトナーが得られた。一方、比較例1〜10のトナーは、耐熱保存性、定着上限、低温定着性、分離抵抗力のいずれかが劣る結果となった。
さらに、詳細には、実施例1と実施例2、実施例3と実施例4を比較すると、脱溶媒後の熟成時間の違いが、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)が変化する要因となっている。
また、実施例1,2と実施例3,4とを比較すると、[プレポリマー1]の量、[ケチミン化合物1]の量が、DSC昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)、トナーのDSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)が変化する要因となっているといえる。
また、実施例1と実施例5を比較すると、顔料・WAX分散液の作製の条件の違いによりワックスの染み出しやすさが異なり、分離抵抗力に差が生じる要因となっているといえる。
また、実施例6と実施例7と実施例8を比較すると、ワックス分散剤の部数の差がFTIR−ATR法によるトナー強度の変化の要因となっているといえる。
また、実施例1と実施例9を比較すると、プレポリマーの有無による差が定着上限の変化の要因となっているといえる。
また、実施例9、実施例10、実施例11を比較すると、非結晶性ポリエステル2の固形分量の差がFTIR−ATR法によるトナー強度の差を生み、それが耐熱保存性・低温定着性・分離抵抗力に寄与していることがわかる。
以上、本実施形態によれば、有機溶媒中に、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂成分とを含む結着樹脂成分、着色剤、離型剤を溶解・分散させて得られる油相を微粒子分散剤の存在する水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、有機溶剤を除去して得られる静電荷像現像用のトナーを得る。このトナーのDSC昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)が45℃以上65℃以下であり、前記トナーのDSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)が25℃以上35℃以下であり、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)が120℃以上135℃以下であり、FTIR−ATR法により計測される前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下とする。これにより、良好な低温定着性、耐熱保存性、及び、良好な分離性能を有するトナーを得ることができる。
また、本実施形態によれば、結着樹脂成分は非結晶性樹脂成分として変性ポリエステル樹脂系樹脂からなる結着樹脂前駆体を含み、油相に前記結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物を溶解させ、乳化分散液中で前記結着樹脂前駆体を架橋反応及び/または伸長反応させるものである。これにより、非結晶性樹脂に結晶性ポリエステルを導入することができる。
また、本実施形態によれば、結晶性ポリエステルとして、炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸と、炭素数4〜12の飽和ジオールから構成されることにより、上記特性を満足するトナーを得ることができる。
また、本実施形態によれば、結晶性ポリエステルのGPC測定における数分子量Mnの500以下の割合が0%以上2.0%以下であり、かつ、Mnの1000以下の割合が0%以上4.0%以下である。結晶性ポリエステルの分子量については、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が悪化するという観点から、上記範囲で低温定着性、耐熱保存性の両立が達成される。
また、本実施形態によれば、油相に結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤(ワックス)の分散性を向上させる分散剤を含む。これにより、結晶性ポリエステル樹脂とワックスの結着樹脂への分散性を良好にすることができ、トナー表面近傍の結晶性ポリエステル及びワックスの抑制できる。よって、上記特性を満足するトナーを得ることができる。
また、本実施形態によれば、上記トナーを含む現像剤を用いることにより、低温定着性、耐熱保存性、分離性能を兼ね備えた現像剤を提供することができる。
特開2005−015589号公報 特開2005−107387号公報 特開2006−065025号公報 特開2006−293338号公報 特開2007−033773号公報
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用されるトナー、及び、トナーを含有する現像剤に関するものである。
従来、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置では、電気的潜像又は磁気的潜像をトナーによって顕像化して画像形成を行っている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電潜像を形成した後、静電潜像をトナーで現像して、トナー像を形成する。トナー像は、紙等の記録媒体上に転写された後、加熱溶融して定着される。
また、近年、トナーには、出力画像の高品質化のための小粒径化や、省エネルギー化のための低温定着性の向上が要求されている。
従来の混練粉砕法により得られるトナーは、小粒径化が困難であり、その形状は不定形で、その粒径分布はブロードである。また、高温の定着温度が必要とされ、省エネルギー化が困難である等の問題点があった。さらに、混練粉砕法では、粉砕の際に、離型剤(ワックス)の界面で割れるために、離型剤(ワックス)がトナー表面に多く存在する。このため、定着時の離型効果が出る反面、キャリア、感光体、ブレードへのトナーの付着が起こりやすくなり、画像形成プロセス全体からみると、その性能は満足のいくものではない。
一方、混練粉砕法による問題点を克服するために、重合法によるトナーの製造方法が提案されている。重合法で製造されたトナーは、小粒径化が容易であり、粒度分布も粉砕法によるトナーの粒度分布に比べてシャープであり、さらに、ワックスの内包化も可能である。
このような重合法で、省エネルギー化のための低温定着性を改良することが望まれる。さらに、低温定着性の改良に伴い、トナーの耐熱保存性や耐ホットオフセット性が阻害されないようにすることが望まれる。
このような課題に対応して、トナーの結着樹脂として、従来用いられてきた非結晶性樹脂に結晶性ポリエステルを導入することが種々試みられている(例えば、特許文献1〜5)。トナー中の結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性をもつがゆえに定着開始温度付近において、急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。つまり、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性が良く、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし、定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性を兼ね備えたトナーを設計することができる。また、耐ホットオフセットについても良好なトナーを設計できる。
非結晶性樹脂に結晶性ポリエステルを導入するトナーの製造工程としては、有機溶媒中に、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と変性ポリエステル系樹脂から成る結着樹脂前駆体とを含む結着樹脂成分、着色剤、離型剤を溶解・分散させて得られる油相に、結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物を溶解させた後、油相を微粒子分散剤の存在する水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、乳化分散液中で結着樹脂前駆体を架橋反応及び/又は伸長反応させ、有機溶剤を除去して得るものが記載されている。
しかし、上記製造工程で非結晶性樹脂に結晶性ポリエステルを導入するだけでは、低温定着性を達成するには不十分な場合があり、また、低温定着化を達成できても、耐熱保存性や、耐ホットオフセット性を満足できない場合がある。低温定着性を得るためには、結晶性ポリエステルが非晶性樹脂と相溶して、トナーのガラス転移温度(Tg)を低くし、溶融粘度の低下開始温度を下げることが必要である。しかし、耐熱保存性や耐ホットオフセット性を確保するには、結晶性ポリエステルと非晶性樹脂とが非相溶で分散している状態が必要である。そして、低温定着性と耐熱保存性、耐ホットオフセット性を満足させるためには、このようなトレードオフの関係にある非結晶性樹脂―結晶性ポリエステルの相容状態、非相容状態を両立させることが必要である。このため、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルの組み合わせにおいて、トナー製造方法(例えば、特許文献2)や、DSC昇温時における吸熱ピークの値を規定したトナー(例えば、特許文献4、5)等が提案されている。
上述の提案の結晶性ポリエステルを導入したトナーで、低温定着性を得ながらホットオフセットの発生を抑制できるものはある。しかし、ホットオフセットが発生しないまでも、用紙が定着ローラに巻きついてしまい、良好な分離性能が得られないという問題が発生した。また、耐熱保存性に関しては改良されてはいるもののその効果は十分でなく、さらなる耐熱保存性の向上が望まれる。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、良好な低温定着性、耐熱保存性、及び、良好な分離性能を兼ね備えたトナー及びトナーを含有する現像剤を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、有機溶媒中に、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂成分とを含む結着樹脂成分、着色剤、離型剤を溶解・分散させて得られる油相を微粒子分散剤の存在する水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、有機溶剤を除去して得られる静電荷像現像用のトナーであって、前記トナーのDSC昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)が45℃以上65℃以下であり、前記トナーのDSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)が25℃以上35℃以下であり、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)が120℃以上135℃以下であり、FTIR−ATR法により計測される前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のトナーであって、前記結着樹脂成分は前記非結晶性樹脂成分として変性ポリエステル樹脂系樹脂からなる結着樹脂前駆体を含み、前記油相に前記結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物を溶解させ、前記乳化分散液中で前記結着樹脂前駆体を架橋反応及び/または伸長反応させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のトナーであって、前記結晶性ポリエステルが、炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸と、炭素数4〜12の飽和ジオールから構成されることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の何れかのトナーであって、前記結晶性ポリエステルのGPC測定における数分子量Mnの500以下の割合が0%以上2.0%以下であり、かつ、Mnの1000以下の割合が0%以上4.0%以下であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の何れかのトナーであって、前記油相に前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記離型剤の分散性を向上させる分散剤を含むことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、静電潜像の現像に用いる現像剤であって、請求項1乃至5の何れかのトナーを含むことを特徴とするものである。
本発明においては、結晶性ポリエステルを導入したトナーで、DSC(示差走査型熱量計)昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)に加え、DSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)、及び、FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来するピーク強度比を規定することで、良好な低温定着性、耐熱保存性に加え、良好な分離性能を兼ね備えるトナーを得るものである。
昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)は、トナーを形成する最もガラス転移温度の低い樹脂として用いられる結晶性ポリエステルのガラス転移温度に由来するものである。しかし、上記製造工程中で結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルが一部もしくは全部が相溶した場合、Tg(1st)が大幅に低くなってしまう。Tg(1st)が45℃より低い場合は、耐熱保存性が悪化する。一方、Tg(1st)が65℃より高い場合は、トナーが溶融開始する温度が高くなり、低温定着性が得られない。よって、Tg(1st)が45℃以上65℃以下となるようにする。
昇温ニ回目におけるガラス転移温度、すなわち、熱溶融後のガラス転移温度Tg(2nd)は、トナーを形成する材料に由来するものではなく、上記製造工程中で、樹脂の相溶化により新たに生ずる特徴的な温度である。Tg(2nd)が25℃より低い場合は、定着時における樹脂の相溶化が過度であり、定着時の分離性が悪化する。一方、Tg(1st)が35℃より高い場合は、定着時における樹脂の相溶化が不十分であり、低温定着性が悪化する。よって、Tg(2nd)が25℃以上35℃以下となるようにする。
1/2流出開始温度(T1/2)も、樹脂の粘度低下の指標となるもので、例えば高架式フローテスターを用いて試料を溶融流出させたときフローカーブから求められ、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度である。(T1/2)が120℃より低い場合は、定着時の分離性が悪化する。一方、(T1/2)が135℃より大きい場合、トナーの軟化開始温度が高くなり、低温定着性が得られない。よって、(T1/2)が120℃以上135℃以下となるようにする。
FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来のピーク強度比から、トナー粒子表面近傍における結晶性ポリエステル及び離型剤の偏在に関する指標を得ることができる。このピーク強度比が低い場合は、結晶性ポリエステル及び離型剤がトナー粒子表面に少ないことを示しており、0.10より小さいと分離性が悪化する。一方、ピーク強度比が高い場合は、結晶性ポリエステル及び離型剤がトナー粒子表面に多いことを示しており、0.20より大きいとトナーの耐熱保存性が悪化する。離型剤がトナー表面近傍に多く存在すると、分離性が良くなる反面、周囲への付着が起こりやすくなり耐熱保存性が悪化する。さらに、結晶性ポリエステルがトナー粒子表面近傍に多く存在すると耐熱保存性が悪くなる。これは、一般的に結晶性ポリエステルはガラス転移点が0℃以下、結晶化度は100%以下であるため、分散している結晶性ポリエステルはガラス転移点が0℃以下の非晶質部分を有している。このような部分を有する結晶性ポリエステルがトナー粒子表面近傍に多く存在すると耐熱保存性が悪くなると考えられる。よって、分離性を得つつも耐熱保存性を改良するため、FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下となるようにする。
後述する実験に示すように、上記四つの条件を満足することによって、良好な低温定着性、耐熱保存性、及び、良好な分離性能を有するトナーを得ることができる。
本発明によれば、良好な低温定着性、耐熱保存性、及び、良好な分離性能を兼ね備えたトナー及びトナーを含有する現像剤を提供することができるという優れた効果がある。
本発明を実施するための形態を説明する。
本発明のトナーは、有機溶媒中に、少なくとも着色剤、離型剤(ワックス)、結晶性ポリエステル分散液と非結晶性樹脂成分とを含む結着樹脂成分、これら以外の結着樹脂成分を溶解させて得られる油相に、微粒子分散剤の存在する水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、有機溶剤を除去して得られるものである。このようにして得るトナーのDSC昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)が45℃以上65℃以下であり、DSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)が25℃以上35℃以下であり、1/2流出開始温度(T1/2)が120℃以上135℃以下、FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下となるようにする。
また、結着樹脂成分は変性ポリエステル樹脂系樹脂からなる結着樹脂前駆体を含み、油相に結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物を溶解させ、乳化分散液中で結着樹脂前駆体を架橋反応及び/または伸長反応させるものである。
このようなトナーを得るために用いる材料およびこれを用いた製造工程について説明する。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、高温で結晶性ポリエステル樹脂を完全に溶解して均一溶液を形成し、その反面、低温に冷却すると結晶性ポリエステル樹脂と相分離し、不透明な不均一溶液を形成するものが使用される。具体例としてトルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
(結晶性ポリエステル樹脂)
トナー中で結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性をもつがゆえに定着開始温度付近において、急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。つまり、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性が良く、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし、定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性を兼ね備えたトナーを設計することが出来る。また、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)についても、良好な結果を示すトナーを設計できることが判った。
本発明者らが、トナーの低温定着性と耐熱保存性を同時に満たすために鋭意検討を行った結果、結晶性ポリエステルの吸熱ピーク温度を60〜80℃にすることが望まれる。60℃未満の場合は、耐熱保存性が悪化し、80℃より大きい場合低温定着性が悪化する。
結晶性ポリエステルの吸熱ピーク温度の調整は結晶性ポリエステルのモノマー構成、重量平均分子量で調整することが可能である。また吸熱ショルダー温度と吸熱ピークの温度差を小さくするためには、結晶性ポリエステルの結晶性を高めるモノマー構成、具体的には酸・アルコールのモノマー構成をより類似した化合物で構成することにより分子鎖中での同一構造の重なり合い確率を上げることで調整することが出来る。またそれ以外にも、結晶性ポリエステルの数平均分子量と重量平均分子量の差を小さくすることでも調整できる。
結晶性ポリエステルの吸熱量は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて以下の方法で測定することができる。まず、ポリエステル樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)を用いてDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、解析プログラム中の『吸熱ショルダー温度』を用いて、対象試料の昇温一回目における吸熱ショルダー1、吸熱ショルダー2を、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、『吸熱ショルダー温度』を用いて、対象試料の昇温二回目における吸熱ショルダー1、吸熱ショルダー2を求めることが出来る。ショルダー温度は、低い温度から順に、吸熱ショルダー1、吸熱ショルダー2と定義する。また、得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、解析プログラム中の『吸熱ピーク温度』を用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目における吸熱ピークを、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、解析プログラム中の『吸熱ピーク温度』を用いて、対象試料の昇温二回目における吸熱ピークを求めることが出来る。
結晶性ポリエステル樹脂は、例として、アルコール成分として炭素数2〜12の飽和脂肪族ジオール化合物、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1、−8オクタンジオール、1,10―デカンジオール、1,12ドデカンジオールおよびこれらの誘導体と、少なくとも酸性分として二重結合(C=C結合)を有する炭素数2〜12のジカルボン酸、もしくは、炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸、特にフマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1、−8オクタン二酸、1,10―デカン二酸、1,12ドデカン二酸およびこれらの誘導体を用いて合成される。なかでも、結晶性ポリエステルの結晶性が高く、融点付近で急激な粘度変化を示す観点から、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1、−8オクタンジオール、1,10―デカンジオール、1,12ドデカンジオールのいずれかの炭素数4〜12の飽和ジオール成分と、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1、−8オクタン二酸、1,10―デカン二酸、1,12―ドデカン二酸のいずれかの炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸成分のみで構成されることが好ましい。
また、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性および軟化点を制御する方法として、ポリエステル合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステルなどを設計、使用するなどの方法が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができるが、簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm^「−1」^もしくは990±10cm^「−1」^にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを例としてあげることができる。
結晶性ポリエステルの分子量については、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が悪化するという観点から、鋭意検討した。この結果、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、重量平均分子量が5,000以上20,000以下であり、数平均分子量Mnの500以下の割合が0%以上2.5%以下であり、数平均分子量Mnの1000以下の割合が0%以上5.0%以下である場合、低温定着性、耐熱保存性の両立が達成されることを見出した。更に好ましくはかつ数平均分子量Mnの500以下の割合が0%以上2.0%以下であり、数平均分子量Mnの1000以下の割合が0%以上4.0%以下であることが好ましい。
分子量分布は、例えば、GPC測定装置(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)(「GPC−8220GPC」、東ソー社製)を用いて測定することができる。
CPG測定装置の条件は、以下のものである。
カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
試料の前処理は、試料をテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)に0.15wt%で溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価、水酸基価は、酸価をA、水酸基価をBとした際に、以下の関係式を満たすことが好ましい。
10mgKOH/g< A <40mgKOH/g
0mgKOH/g< B <20mgKOH/g
20mgKOH/g<A+B<40mgKOH/g
酸価Aが10mgKOH/g 以下である場合、記録部材である紙との親和性が悪化し、耐熱保存性が悪化する場合がある。また、酸価Aが40mgKOH/g 以上、もしくは、水酸基価Bが20mgKOH/g 以下の場合、高温高湿下でのトナーの帯電能力が低下する恐れがある。また、酸価Aと水酸基価Bの合計A+Bが20mgKOH/g 以下の場合、非晶質ポリエステルとの相溶性が低下し、低温定着性が充分得られない場合がある。また酸価Aと水酸基価Bの合計A+Bが40mgKOH/g以上の場合、結晶性ポリエステルが非晶質ポリステルとの相溶性が上がりすぎるため、耐熱保存性が悪化する場合がある。
酸価は樹脂中のカルボン酸基の数、水酸基値は水酸基の数の指標であり、これらは、JIS K0070−1992に準拠した方法を用いて測定される。
また、結晶性ポリエステルの有機溶媒中での溶解、再結晶化方法は以下のとおりである。結晶性ポリエステル10gと有機溶媒90gを70℃で1時間攪拌する。攪拌した後の溶液を、20℃で12時間冷却して、結晶性ポリエステルを再結晶化させる。再結晶化させた後の結晶性ポリエステルの有機溶媒分散体を桐山ロート(桐山製作所製)に、桐山ロート用ろ紙No.4(桐山製作所製)をセットし、アスピレーターで吸引ろ過し、有機溶媒と結晶性ポリエステルを分離する。分離して得られた結晶性ポリエステルを35℃で48時間乾燥させ、結晶性ポリエステルの再結晶化物を得る。
結晶性ポリエステルの有機溶剤に対する70℃における溶解度は10質量部以上であることが好ましい。10質量部未満の場合、有機溶剤と結晶性ポリエステルの親和性が乏しいため、有機溶剤中で結晶性ポリエステルをサブミクロンサイズまで分散させることが困難であり、トナー中に存在する結晶性ポリエステルが不均一になり、帯電性の悪化、長期使用での画質の悪化を生じることがある。
結晶性ポリエステルの有機溶剤に対する20℃における溶解度は3.0質量部未満であることが好ましい。3.0質量部以上の場合、有機溶剤中に溶解している結晶性ポリエステルが、加熱前から非晶質ポリエステルと相溶しやすくなり、耐熱保存性の悪化、現像器の汚染、画像の劣化を生じる恐れがある。
結晶性ポリエステルの有機溶剤に対する溶解度は以下の方法で求められる。
結晶性ポリエステル20gと有機溶媒80gを所定の温度下で、1時間攪拌する。
攪拌した後の溶液を、所定の温度下で、桐山ロート(桐山製作所製)に、桐山ロート用ろ紙No.4(桐山製作所製)をセットし、アスピレーターで吸引ろ過し、有機溶媒と結晶性ポリエステルを分離する。分離して得られた有機溶媒を有機溶媒の沸点+50℃の温度で1時間加熱して有機溶剤を蒸発させ、加熱前後の重量変化から、有機溶剤中に溶解していた結晶性ポリエステルの溶解量を算出する。
(結着樹脂前駆体)
トナーの結着樹脂成分は、結着樹脂前駆体を含有することが好ましい。
結着樹脂前駆体としては、変性ポリエステル系樹脂からなる結着樹脂前駆体が好ましく、イソシアネートやエポキシなどにより変性されたポリエステルプレポリマーを挙げることができる。これは、活性水素基を持つ化合物(アミン類など)と伸長反応し、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)の向上に効果をおよぼす。このポリエステルプレポリマーの合成方法としては、ベースとなるポリエステル樹脂に、従来公知のイソシアネート化剤やエポキシ化剤などを反応させることで容易に合成することが出来る。イソシアネート化剤としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。また、エポキシ化剤としては、エピクロロヒドリンなどをその代表例としてあげることが出来る。
イソシアネート化剤の比率は、イソシアネート基[NCO]と、ベースとなるポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、このポリエステルプレポリマーのウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
このポリエステルプレポリマー中のイソシアネート化剤の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
また、このポリエステルプレポリマー中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、伸長反応後のウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、結着樹脂前駆体は、重量平均分子量が1×10^「4」^以上3×10^「5」^以下であることが好ましい。
(結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物)
結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物としては、活性水素基を有する化合物が挙げられ、その代表として、アミン類をあげることができる。アミン類としては、ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール化合物、アミノメルカプタン化合物、アミノ酸化合物、および、これらのアミノ基をブロックした化合物などが挙げられる。ジアミン化合物としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール化合物としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン化合物としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸化合物としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。これらのアミノ基をブロックした化合物としては、前記アミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類のうち好ましいものは、ジアミン化合物およびジアミン化合物と少量のポリアミン化合物の混合物である。
(着色剤)
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本実施形態で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(離型剤)
離型剤は、融点が50〜120℃のワックスであることが好ましい。
このようなワックスは、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる。
なお、ワックスの融点は、示差走査熱量計であるTG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求められる。
離型剤としては、以下に示す材料を用いることができる。
ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
また、これらの天然ワックス以外の離型剤としては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。
さらに、1、2―ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子である、ポリメタクリル酸n−ステアリル、ポリメタクリル酸n−ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(例えば、アクリル酸n−ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子も離型剤として用いることができる。
(ワックス分散剤)
本実施形態のトナーは、上記離型剤としてのワックスを分散するためのワックス分散剤を用いる。ワックスは結着樹脂成分である非結晶性樹脂との相溶性が低いために、ワックス分散剤を使用しない場合、トナー粒子表面近傍にワックスが多く偏在する。ワックス分散剤を用いると、ワックスと結着樹脂との親和性が上がり、トナー内部にワックスが分散される。このワックス分散剤は、ワックスの分散性を良好にすると共に、結晶性ポリエステル樹脂の分散性を良好にする効果を有している。すなわち、ワックス分散剤は結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤(ワックス)の分散性を向上させる分散剤としての機能を有するものである。このような、ワックス分散剤の量を変化させることで、トナー表面近傍の結晶性ポリエステル及びワックスの偏在量を制御できる。
本実施形態のワックス分散剤は、以下に記載する樹脂(A)を主鎖とし、側鎖として後述する樹脂(B)がグラフトした構造を有するグラフト重合体である。
樹脂(A)としては、樹脂(B)をグラフト可能なものであれば良く、公知の離型剤が用いられ、例えば、ポリオレフィン樹脂、より好ましくは、熱減成型ポリオレフィン樹脂が良い。ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンなどが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、オレフィン類の重合体、オレフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の変性物、オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合物などが挙げられる。
また、オレフィン類の重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体などが挙げられる。オレフィン類の重合体の酸化物としては、上記オレフィン類の重合体の酸化物等が挙げられる。オレフィン類の重合体の変性物としては、上記オレフィン類の重合体のマレイン酸誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル等)付加物などが挙げられる。オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合物としては、不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等]、不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(C1〜C18)エステル、マレイン酸アルキル(C1〜C18)エステル等]等の単量体とオレフィン類との共重合体等が挙げられる。
また、本実施形態においては、ポリマー構造がポリオレフィンの構造を有していれば良く、モノマーが必ずしもオレフィン構造を有している必要はない。例えば、ポリメチレン(サゾールワックス等)等も使用することができる。これらポリオレフィン樹脂のうち、好ましいものは、オレフィン類の重合体、オレフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の変性物であり、さらに好ましくは、ポリエチレン、ポリメチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、マレイン化ポリプロピレンであり、特に好ましいものは、ポリエチレンおよびポリプロピレンである。
樹脂(B)を構成するモノマーとしては、不飽和カルボン酸のアルキル(炭素数1〜5)エステル[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど]、ビニルエステル系モノマー[酢酸ビニルなど]が挙げられる。これらのうち好ましいものは、(メタ)アクリル酸アルキルであり、さらに好ましくは、そのアルキル鎖の炭素数が1〜5である(メタ)アクリル酸アルキル(B1)である。
樹脂(B)を構成するモノマーとして(B1)と共に併用される芳香族ビニルモノマー(B2)としては、スチレン系モノマー[スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなど]が挙げられる。これのうち好ましいものはスチレンである。
ワックス分散剤の粒径は、例えば、「LA−920」(堀場製作所社製社製)を用いて測定される。また、LA−920の測定の際に、LA−920専用アプリケーション(Ver3.32)(堀場製作所社製社製)を用いて解析を行う。
具体的には、ワックス分散剤を分散している溶媒で光軸調整した後、バックグラウンドを測定する。その後、循環を開始しワックス分散液を滴下する。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射する。照射した後に透過率の値が70〜95%の範囲となる条件で分散粒子径を測定した。本測定装置は粒子径の測定再現性の点からLA−920の透過率の値が70〜95%の範囲となる条件で測定することが重要である。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行う必要がある。前記透過率の値を得るために前記分散液の滴下量を調節する必要がある。
測定・解析条件は以下のように設定した。
データ取り込み回数:15回
相対屈折率:1.20
循環:5
超音波強度:7
(帯電制御剤)
本実施形態のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させる事もできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えても良いし、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
(非結晶性ポリエステル樹脂)
さらに、本実施形態のトナーは、結着樹脂成分として非結晶性の未変性ポリエステル樹脂を用いる。変性ポリエステル系樹脂からなる結着樹脂前駆体を架橋及び/又は伸長反応させて得られる変性ポリエステル樹脂と未変性のポリエステル樹脂は、少なくとも一部が相溶していることが好ましい。これにより、低温定着性及び耐ホットオフセット性を向上させることができる。このため、変性ポリエステル樹脂と未変性のポリエステル樹脂のポリオールとポリカルボン酸は、類似の組成であることが好ましい。また、未変性ポリエステル樹脂として、結晶性ポリエステル分散液に用いた非結晶性ポリエステル樹脂も未変性であれば、用いることができる。
また、上記結晶性ポリエステルの酸価をA、非結晶性ポリエステル樹脂の酸価をCとした際に、以下の関係式を満たすことが好ましい。
−10mgKOH/g<A−C<10mgKOH/g
結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルと酸価と水酸基価の差が10以上である場合、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの相溶性、親和性が乏しく、低温定着性に劣る場合がある。また結晶性ポリエステルがトナー表面に露出しやすくなり、現像部への汚染、フィルミングが生じやすくなる場合がある。
なお、ウレア変性ポリエステル樹脂は、未変性のポリエステル樹脂以外に、ウレア結合以外の化学結合で変性されているポリエステル樹脂、例えば、ウレタン結合で変性されているポリエステル樹脂と併用することができる。
トナー組成物がウレア変性ポリエステル樹脂等の変性ポリエステル樹脂を含有する場合、変性ポリエステル樹脂は、ワンショット法等により製造することができる。
一例として、ウレア変性ポリエステル樹脂を製造方法について説明する。
まず、ポリオールとポリカルボン酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルスズオキサイド等の触媒の存在下で、150〜280℃に加熱し、必要に応じて、減圧しながら生成する水を除去して、水酸基を有するポリエステル樹脂を得る。次に、水酸基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートを40〜140℃で反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを得る。さらに、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン類を0〜140℃で反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を得る。
ウレア変性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、通常、1000〜10000であり、1500〜6000が好ましい。
なお、水酸基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートを反応させる場合及びイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン類を反応させる場合には、必要に応じて、溶剤を用いることもできる。
溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等);エーテル類(テトラヒドロフラン等)等のイソシアネート基に対して不活性なものが挙げられる。
なお、未変性のポリエステル樹脂を併用する場合は、水酸基を有するポリエステル樹脂と同様に製造したものを、ウレア変性ポリエステル樹脂の反応後の溶液に混合してもよい。
また、本実施形態のトナーにおいて、油相に含有される結着樹脂成分としては、上述の結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、結着樹脂前駆体、未変性樹脂を併用してもよいが、更にこれらの樹脂以外の結着樹脂成分を含有してもよい。結着樹脂成分としては、ポリエステル樹脂を含有することが好ましく、ポリエステル樹脂を50重量%以上含有することがさらに好ましい。ポリエステル樹脂の含有量が50重量%未満であると、低温定着性が低下することがある。結着樹脂成分のいずれもがポリエステル樹脂であることが特に好ましい。
なお、ポリエステル樹脂以外の結着樹脂成分としては、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等のスチレン又はスチレン置換体の重合体;スチレン‐p‐クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
(水系溶媒を用いたトナー製造法)
本実施形態のトナーの製造に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー粒子を形成する、結着樹脂前駆体、着色剤、離型剤、結晶性ポリエステル分散液、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめ、これらのトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本実施形態のトナーにおいては、着色剤、離型剤、帯電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜60分である。分散時の温度としては、通常、0〜80℃(加圧下)、好ましくは10〜40℃である。
トナー組成物100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常100〜1000重量部である。100重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。1000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
ポリエステルプレポリマーと活性水素基を有する化合物を反応させる方法としては、水系媒体中でトナー組成物を分散する前に活性水素基を有する化合物を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後に活性水素基を有する化合物を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合、製造されるトナー表面に優先的にポリエステルプレポリマーによる変性したポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
トナー組成物が分散された油相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。
また高分子系保護コロイドもしくは、水に不溶な有機微粒子により分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、ポリエステルプレポリマーが反応し変性したポリエステルが可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが、除去容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。ポリエステルプレポリマー100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
伸長および/または架橋反応時間は、ポリエステルプレポリマーと活性水素基を有する化合物の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは30分〜24時間である。反応温度は、通常、0〜100℃、好ましくは10〜50℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することもできる。具体的にはトリエチルアミンなどの3級アミンやイミダゾールなどをあげることができる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えたりすることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
(外添剤)
本実施形態のトナーは、流動性や現像性、帯電性を補助するために外添剤を含有してもよい。
外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m^「2」^/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化のための外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
(1成分現像剤、2成分現像剤)
本実施形態のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとして用いることができる。また、本実施形態のトナーは、キャリアを有する2成分系現像剤として用いることができる。
本実施形態のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。キャリアは、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ系樹脂;エポキシ樹脂;アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニル系樹脂;ポリビニリデン系樹脂;ポリスチレン、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体の共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂等の被覆樹脂で被覆されていてもよい。
また、被覆樹脂は、必要に応じて、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛等の導電粉等を含有していてもよい。導電粉は、平均粒子径が1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
次に、上述のようにして得たトナーの特性の測定方法およびその値について説明する。
本実施形態において、トナーの粒度分布は、コールターカウンター法を用いて測定される。
コールターカウンター法による粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II及びコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
本実施形態においては、コールターカウンターTA−II型測定装置に、個数分布及び体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)を介して、PC−9801パーソナルコンピューター(NEC社製)を接続して、粒度分布の測定を行う。
具体的には、まず、電解液100〜150ml中に、分散剤として、界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。なお、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1重量%の水溶液を調製したものであり、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。次に、試料を2〜20mg加えて懸濁させた後に、超音波分散機で1〜3分間分散させる。100μmアパーチャーを用いて、得られた分散液からトナーの体積及び個数を測定し、体積分布及び個数分布を算出する。
なお、チャンネルは、2.00μm以上2.52μm未満、2.52μm以上3.17μm未満、3.17μm以上4.00μm未満、4.00μm以上5.04μm未満、5.04μm以上6.35μm未満、6.35μm以上8.00μm未満、8.00μm以上10.08μm未満、10.08μm以上12.70μm未満、12.70μm以上16.00μm未満、16.00μm以上20.20μm未満、20.20μm以上25.40μm未満、25.40μm以上32.00μm未満及び32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径が2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
本実施形態のトナーの体積平均粒径は3μm以上7μm以下であることが好ましく、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比が1.2以下であることが好ましい。また、粒径が2μm以下である成分を1個数%以上10個数%以下含有することが好ましい。
また、本実施形態においてトナーの酸価は、JIS K0070−1992に準拠した方法を用いて測定される。
具体的には、試料0.5g(酢酸エチル可溶分では0.3g)をトルエン120mlに添加して、23℃で約10時間撹拌することにより溶解させる。次に、エタノール30mlを添加して試料溶液とする。なお、試料が溶解しない場合は、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いる。さらに、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113‐SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で酸価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。
なお、装置の校正には、トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、水酸基価の場合と同様である。
酸価は、以上のようにして測定することができるが、具体的には、予め標定された0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、滴定量から、式酸価[mgKOH/g]=滴定量[ml]×N×56.1[mg/ml]/試料重量[g](ただし、Nは、0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液のファクター)により酸価を算出する。
トナーの酸価は、低温定着性及び耐高温オフセット性に対して、重要な指標であり、未変性のポリエステル樹脂の末端カルボキシル基に由来するが、低温定着性(定着下限温度、ホットオフセット発生温度等)を制御するために、0.5〜40mgKOH/gであることが好ましい。酸価が40mgKOH/gを超えると、反応性変性ポリエステル樹脂の伸長反応及び/又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性が低下することがある。また、酸価が0.5mgKOH/g未満では、製造時の塩基による分散安定性を向上させる効果が得られなくなったり、反応性変性ポリエステル樹脂の伸長反応及び/又は架橋反応が進行しやすくなったりして、製造安定性が低下することがある。
また、本実施形態において、トナーのガラス転移温度は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料約5mgを入れたアルミ製試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次に、10℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱した時のトナーのガラス転移温度をT1とし、更に1回目の加熱後150℃で10分間放置し、降温速度10℃/minにて10℃まで試料を冷却して10分間放置し、更に昇温速度10℃/minで2回目の加熱した時のトナーのガラス転移温度をT2として測定する。トナーガラス転移点は、システム中の解析プログラムを用いて、ガラス転移点近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出する。
昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)は、トナーを形成する最もガラス転移温度の低い樹脂として用いられる結晶性ポリエステルのガラス転移温度に由来するものである。しかし、上記製造工程中で結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルが一部もしくは全部が相溶した場合、Tg(1st)が大幅に低くなってしまう。Tg(1st)が45℃より低い場合は、耐熱保存性が悪化する。一方、Tg(1st)が65℃より高い場合は、トナーが溶融開始する温度が高くなり、低温定着性が得られない。よって、Tg(1st)が45℃以上65℃以下となるようにする。
昇温ニ回目におけるガラス転移温度、すなわち、熱溶融後のガラス転移温度Tg(2nd)は、トナーを形成する材料に由来するものではなく、上記製造工程中で、樹脂の相溶化により新たに生ずる特徴的な温度である。Tg(2nd)が25℃より低い場合は、定着時における樹脂の相溶化が過度であり、定着時の分離性が悪化する。一方、Tg(1st)が35℃より高い場合は、定着時における樹脂の相溶化が不十分であり、低温定着性が悪化する。よって、Tg(2nd)が25℃以上35℃以下となるようにする。
本実施形態において、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)は、例えば高架式フローテスター(「CFT500型」、島津製作所製)を用いて測定することができる。具体的には、試料を溶融流出させたときフローカーブから求めることができ、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度である。
トナーの1/2流出開始温度(T1/2)は樹脂の粘度低下の指標となるものである。1/2流出開始温度(T1/2)が120℃より低い場合は、定着時の分離性が悪化する。一方、1/2流出開始温度(T1/2)が135℃より大きい場合、トナーの軟化開始温度が高くなり、低温定着性が得られない。よって、(T1/2)が120℃以上135℃以下となるようにする。
本実施形態において、FTIR−ATR法によるトナーの強度比(P2850/P828)は、例えば、FTIR装置(「Avatar370」、Thermo Electron社製)を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料として、トナー3gを自動ペレット成型器(「Type M No.50 BRP−E」、MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして40mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。そのトナーペレット表面を上記FTIR装置装置により測定した。測定条件は、下記のとおりである。
測定条件
測定範囲:4000−675[cm−1
使用窓材:Ge
ゲイン4:4.0
ミラー速度:0.6327
アパーチャー:100
ビームスプリッタ:KBr
得られたワックス及び結晶性ポリエステル樹脂由来のピーク(2850cm−1)と結着樹脂由来のピーク(828cm−1)との強度比(P2850/P828)をトナー粒子表面近傍の相対的なワックス量及び結晶性ポリエステル樹脂量とした。値は測定場所を変えて4回測定した後の平均値を用いた。
FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来のピーク強度比から、トナー粒子表面近傍における結晶性ポリエステル及び離型剤の偏在に関する指標を得ることができる。このピーク強度比が低い場合は、結晶性ポリエステル及び離型剤がトナー粒子表面に少ないことを示しており、0.10より小さいと分離性が悪化する。一方、ピーク強度比が高い場合は、結晶性ポリエステル及び離型剤がトナー粒子表面に多いことを示しており、0.20より大きいとトナーの耐熱保存性が悪化する。離型剤がトナー表面近傍に多く存在すると、分離性が良くなる反面、周囲への付着が起こりやすくなり耐熱保存性が悪化する。さらに、結晶性ポリエステルがトナー粒子表面近傍に多く存在すると耐熱保存性が悪くなる。これは、一般的に結晶性ポリエステルはガラス転移点が0℃以下、結晶化度は100%以下であるため、分散している結晶性ポリエステルはガラス転移点が0℃以下の非晶質部分を有している。このような部分を有する結晶性ポリエステルがトナー粒子表面近傍に多く存在すると耐熱保存性が悪くなると考えられる。よって、分離性を得つつも耐熱保存性を改良するため、FTIR−ATR法により計測される結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下となるようにする。
以下、実施例に基づきトナーをより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下、部は重量部を示す。
〜結晶性ポリエステル樹脂1の合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,10−デカンジオール2300g、1、8−オクタンジオール2530g、ハイドロキノン5.0gを入れ、180℃で8時間反応させた後、200℃に昇温して4時間反応させ、さらに8.3kPaにて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂1を得た。DSCの昇温二回目より算出される吸熱ピーク温度(T2−cp):70℃、吸熱ショルダー温度1(T2−cs1):65℃、吸熱ショルダー温度2(T2−cs2):73℃、Mn3000、Mw12000であった。
〜結晶性ポリエステル樹脂2の合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,10−アジピン酸2320g、1、8−ペンタンジオール2880g、ハイドロキノン4.9gを入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaにて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂2を得た。DSCの昇温二回目より算出される吸熱ピーク温度(T2−cp):58℃、吸熱ショルダー温度1(T2−cs1):40℃、吸熱ショルダー温度2(T2−cs2):65℃、Mn2500、Mw12000であった。
〜非結晶性ポリエステル(低分子ポリエステル)1樹脂の合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で4時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[非結晶性ポリエステル1]を得た。[非結晶性ポリエステル1]は、数平均分子量2400、重量平均分子量6300、Tg43℃、酸価28であった。
〜中間体ポリエステルの作製〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
〜ポリエステルプレポリマー1の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
〜非結晶性ポリエステル樹脂2の合成〜
加熱乾燥した二口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン780モル部と、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン18モル部、テレフタル酸47モル部と、フマル酸24モル部と、n−ドデセニルコハク酸24モル部を原料に、触媒としてジブチル錫オキサイドを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、230℃で12時間共縮重合反応させ、その後、230℃で徐々に減圧して、[非結晶性ポリエステル樹脂2]を得た。[非結晶性ポリエステル2]は、数平均分子量6700、重量平均分子量17400、Tg61℃、酸価14であった。
〜非結晶性ポリエステルの溶液1の作製〜
金属製2L容器に[非結晶性ポリエステル樹脂2]を125部、酢酸エチル75部を入れ、65℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷し[非結晶性ポリエステルの溶液1]を得た。
〜非結晶性ポリエステルの溶液2の作製〜
金属製2L容器に[非結晶性ポリエステル樹脂2]を100部、酢酸エチル100部を入れ、65℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷し[非結晶性ポリエステルの溶液2]を得た。
〜非結晶性ポリエステルの溶液3の作製〜
金属製2L容器に[非結晶性ポリエステル樹脂2]を75部、酢酸エチル125部を入れ、65℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷し[非結晶性ポリエステル溶液液3]を得た。
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
〜マスターバッチ(MB)の合成〜
水1200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕540部、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
〜ワックス分散剤の合成〜
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン600部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックスLEL−400:軟化点128℃)300部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン2310部、アクリロニトリル270部、アクリル酸ブチル150部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート78部およびキシレン455部の混合溶液を175℃で3時間かけて滴下して重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、ワックス分散剤を得た。
〜油相(顔料・WAX分散液1)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤77部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液2)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤77部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、5パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液2]を得た。[顔料・WAX分散液2]の平均粒径は0.35μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液3)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤71部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液2]を得た。
[原料溶解液2]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液3]を得た。[顔料・WAX分散液3]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液4)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤66部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液3]を得た。
[原料溶解液3]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液4]を得た。[顔料・WAX分散液4]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液5)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カル
ナバWAX110部、ワックス分散剤55部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液4]を得た。
[原料溶解液4]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液5]を得た。[顔料・WAX分散液5]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液6)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]359部、カル
ナバWAX110部、ワックス分散剤77部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル966部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液5]を得た。
[原料溶解液5]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の60%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液6]を得た。[顔料・WAX分散液6]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は52%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液7)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]359部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤66部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル966部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液6]を得た。
[原料溶解液6]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液7]を得た。[顔料・WAX分散液7]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液8)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]359部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤55部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル966部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液7]を得た。
[原料溶解液7]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の60%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液8]を得た。[顔料・WAX分散液8]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は48%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液9)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤33部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液8]を得た。
[原料溶解液8]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液9]を得た。[顔料・WAX分散液9]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜油相(顔料・WAX分散液10)の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、ワックス分散剤110部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液9]を得た。
[原料溶解液9]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液10]を得た。[顔料・WAX分散液10]の平均粒径は0.5μm、固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜結晶性ポリエステル1の分散液作製〜
金属製2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]を100g、酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mlを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液1]を得た。
〜結晶性ポリエステルの分散液2作製〜
金属製2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂2]を100g、酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mlを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液2]を得た。
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
〜水相の調整〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
〜乳化・脱溶剤1〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
〜乳化・脱溶剤2〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で20時間熟成を行い、[分散スラリー2]を得た。
〜乳化・脱溶剤3〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー2]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー2]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー3]を得た。
〜乳化・脱溶剤4〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー2]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー2]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で20時間熟成を行い、[分散スラリー4]を得た。
〜乳化・脱溶剤5〜
[顔料・WAX分散液2]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー3]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー3]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー5]を得た。
〜乳化・脱溶剤6〜
[顔料・WAX分散液3]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー4]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー4]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー6]を得た。
〜乳化・脱溶剤7〜
[顔料・WAX分散液4]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー5]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー5]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー7]を得た。
〜乳化・脱溶剤8〜
[顔料・WAX分散液5]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー6]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー6]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー8]を得た。
〜乳化・脱溶剤9〜
[顔料・WAX分散液6]664部、[非結晶性ポリエステルの溶液1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー7]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー7]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー9]を得た。
〜乳化・脱溶剤10〜
[顔料・WAX分散液7]664部、[非結晶性ポリエステルの溶液2]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー8]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー8]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー10]を得た。
〜乳化・脱溶剤11〜
[顔料・WAX分散液8]664部、[非結晶性ポリエステルの溶液3]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー9]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー9]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー11]を得た。
〜乳化・脱溶剤12〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で30時間熟成を行い、[分散スラリー12]を得た。
〜乳化・脱溶剤13〜
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー10]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー10]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で2時間熟成を行い、[分散スラリー13]を得た。
〜乳化・脱溶剤14〜
[顔料・WAX分散液5]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー9]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー9]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で30時間熟成を行い、[分散スラリー14]を得た。
〜乳化・脱溶剤15〜
[顔料・WAX分散液5]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー11]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー11]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で2時間熟成を行い、[分散スラリー15]を得た。
〜乳化・脱溶剤16〜
[顔料・WAX分散液9]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー12]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー12]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で30時間熟成を行い、[分散スラリー16]を得た。
〜乳化・脱溶剤17〜
[顔料・WAX分散液9]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー13]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー13]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で2時間熟成を行い、[分散スラリー17]を得た。
〜乳化・脱溶剤18〜
[顔料・WAX分散液10]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー14]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー14]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で30時間熟成を行い、[分散スラリー18]を得た。
〜乳化・脱溶剤19〜
[顔料・WAX分散液10]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液2]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー15]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー15]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で2時間熟成を行い、[分散スラリー19]を得た。
〜乳化・脱溶剤20〜
[顔料・WAX分散液9]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー12]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー12]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー20]を得た。
〜乳化・脱溶剤21〜
[顔料・WAX分散液10]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー14]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー14]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー21]を得た。
〜洗浄・乾燥〜
(実施例1)
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー2]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例2の[トナー2]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー3]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例3の[トナー3]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー4]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例4の[トナー4]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー5]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例5の2[トナー5]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー6]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例6の[トナー6]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー7]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例7の[トナー7]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー8]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例8の[トナー8]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー9]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例9の[トナー9]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー10]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例10の[トナー10]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー11]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、実施例11の[トナー11]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー12]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例1の[トナー12]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー13]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例2の[トナー13]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー14]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例3の[トナー14]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー15]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例4の[トナー15]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー16]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例5の[トナー16]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー17]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例6の[トナー17]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー18]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例7の[トナー18]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー19]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例8の[トナー19]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー20]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例9の[トナー20]を得た。
実施例1において、[分散スラリー1]を[分散スラリー21]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、比較例10の[トナー21]を得た。
このようにして得られたトナー100部に疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合した。得られたトナーの評価結果については表1に示した。
外添剤処理を施したトナー5重量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450を用いて、連続印刷して下記の基準で評価した。
(評価項目)
(耐熱保存性)
トナーを50℃で8時間保管した後、42メッシュの篩で2分間篩い、金網上の残存率を測定した。
このとき、耐熱保存性が良好なトナー程、残存率は小さい。
なお、耐熱保存性は、残存率が10%未満である場合を◎、残存率が10%以上30%未満である場合を〇、30%以上である場合を×として、判定した。
(低温定着性/耐ホットオフセット性)
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(リコー社製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(リコー社製)に複写テストを行った。
具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)及びホットオフセット温度(定着上限温度)を求めた。
定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/秒、面圧を1.2kgf/cm^「2」^、ニップ幅を3mmとした。
また、定着上限温度の評価条件は、紙送りの線速度を50mm/秒、面圧を2.0kgf/cm^「2」^、ニップ幅を4.5mmとした。
なお、従来の低温定着トナーの定着下限温度は、140℃程度である。
このとき、定着下限温度は、120℃未満である場合を◎、120℃以上130℃未満である場合を○、130℃以上140℃未満である場合を×、140℃以上150℃未満である場合を××として、判定した。
また、定着上限温度は、190℃以上である場合を◎、170℃以上190℃未満である場合を○、170℃未満である場合を×として、判定した。
外添剤処理を施したトナー5重量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450を用いて、連続印刷して下記の基準で評価した。
(定着時の離型性)
定着時の分離を判断する指標として定着ニップを通過した用紙と定着ローラの剥離力を考える。トナーの付着量を一定の値になるよう統一された用紙を定着装置に通過させ、定着ニップ直後、分離抵抗力測定装置を設ける。定着ニップ部を通過した用紙は定着ローラに巻きつく力を持って搬送されるため検出爪に押し付けられる形で搬送される。
このときの押し付け力を検出爪の他端に設けたロードセルにより読み取るようにする。
この値が用紙を定着ローラから剥離するのに必要な力でありこれを分離抵抗力とする。
この所定の条件のもとに測定された分離抵抗力の大小により定着ローラからの用紙の分離が可能か否かを判断する。
なお、分離抵抗力はワックスの染み出しやすさを示すものとも言える。
◎:分離抵抗力小 ○:分離抵抗力大 ×:分離不可能
表1に実施例1〜11、比較例1〜10の評価結果を示す。
Figure 2012108462
上記の通り、実施例1〜11では、耐熱保存性、定着上限、低温定着性、分離抵抗力ともに優れたトナーが得られた。一方、比較例1〜10のトナーは、耐熱保存性、定着上限、低温定着性、分離抵抗力のいずれかが劣る結果となった。
さらに、詳細には、実施例1と実施例2、実施例3と実施例4を比較すると、脱溶媒後の熟成時間の違いが、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)が変化する要因となっている。
また、実施例1,2と実施例3,4とを比較すると、[プレポリマー1]の量、[ケチミン化合物1]の量が、DSC昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)、トナーのDSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)が変化する要因となっているといえる。
また、実施例1と実施例5を比較すると、顔料・WAX分散液の作製の条件の違いによりワックスの染み出しやすさが異なり、分離抵抗力に差が生じる要因となっているといえる。
また、実施例6と実施例7と実施例8を比較すると、ワックス分散剤の部数の差がFTIR−ATR法によるトナー強度の変化の要因となっているといえる。
また、実施例1と実施例9を比較すると、プレポリマーの有無による差が定着上限の変化の要因となっているといえる。
また、実施例9、実施例10、実施例11を比較すると、非結晶性ポリエステル2の固形分量の差がFTIR−ATR法によるトナー強度の差を生み、それが耐熱保存性・低温定着性・分離抵抗力に寄与していることがわかる。
以上、本実施形態によれば、有機溶媒中に、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂成分とを含む結着樹脂成分、着色剤、離型剤を溶解・分散させて得られる油相を微粒子分散剤の存在する水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、有機溶剤を除去して得られる静電荷像現像用のトナーを得る。このトナーのDSC昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)が45℃以上65℃以下であり、前記トナーのDSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)が25℃以上35℃以下であり、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)が120℃以上135℃以下であり、FTIR−ATR法により計測される前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下とする。これにより、良好な低温定着性、耐熱保存性、及び、良好な分離性能を有するトナーを得ることができる。
また、本実施形態によれば、結着樹脂成分は非結晶性樹脂成分として変性ポリエステル樹脂系樹脂からなる結着樹脂前駆体を含み、油相に前記結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物を溶解させ、乳化分散液中で前記結着樹脂前駆体を架橋反応及び/または伸長反応させるものである。これにより、非結晶性樹脂に結晶性ポリエステルを導入することができる。
また、本実施形態によれば、結晶性ポリエステルとして、炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸と、炭素数4〜12の飽和ジオールから構成されることにより、上記特性を満足するトナーを得ることができる。
また、本実施形態によれば、結晶性ポリエステルのGPC測定における数分子量Mnの500以下の割合が0%以上2.0%以下であり、かつ、Mnの1000以下の割合が0%以上4.0%以下である。結晶性ポリエステルの分子量については、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が悪化するという観点から、上記範囲で低温定着性、耐熱保存性の両立が達成される。
また、本実施形態によれば、油相に結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤(ワックス)の分散性を向上させる分散剤を含む。これにより、結晶性ポリエステル樹脂とワックスの結着樹脂への分散性を良好にすることができ、トナー表面近傍の結晶性ポリエステル及びワックスの抑制できる。よって、上記特性を満足するトナーを得ることができる。
また、本実施形態によれば、上記トナーを含む現像剤を用いることにより、低温定着性、耐熱保存性、分離性能を兼ね備えた現像剤を提供することができる。
特開2005−015589号公報 特開2005−107387号公報 特開2006−065025号公報 特開2006−293338号公報 特開2007−033773号公報

Claims (6)

  1. 有機溶媒中に、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂成分とを含む結着樹脂成分、着色剤、離型剤を溶解・分散させて得られる油相を微粒子分散剤の存在する水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、有機溶剤を除去して得られる静電荷像現像用のトナーであって、
    前記トナーのDSC昇温一回目におけるガラス転移温度Tg(1st)が45℃以上65℃以下であり、前記トナーのDSC昇温ニ回目におけるガラス転移温度Tg(2nd)が25℃以上35℃以下であり、トナーの1/2流出開始温度(T1/2)が120℃以上135℃以下であり、FTIR−ATR法により計測される前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記離型剤に由来するピーク強度比が0.10以上0.20以下であることを特徴とするトナー。
  2. 請求項1のトナーであって、前記結着樹脂成分は前記非結晶性樹脂成分として変性ポリエステル樹脂系樹脂からなる結着樹脂前駆体を含み、前記油相に前記結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物を溶解させ、前記乳化分散液中で前記結着樹脂前駆体を架橋反応及び/または伸長反応させることを特徴とするトナー。
  3. 請求項1または2のトナーであって、前記結晶性ポリエステルが、炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸と、炭素数4〜12の飽和ジオールから構成されることを特徴とするトナー。
  4. 請求項1、2または3の何れかのトナーであって、前記結晶性ポリエステルのGPC測定における数分子量Mnの500以下の割合が0%以上2.0%以下であり、かつ、Mnの1000以下の割合が0%以上4.0%以下であることを特徴とするトナー。
  5. 請求項1、2、3または4の何れかのトナーであって、前記油相に前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記離型剤の分散性を向上させる分散剤を含むことを特徴とするトナー。
  6. 静電潜像の現像に用いる現像剤であって、請求項1乃至5の何れかのトナーを含むことを特徴とする現像剤。
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