JP2014047308A - 樹脂組成物及び樹脂成型体 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃性に優れると共に工業製品としての利用に適した物性を有する非ハロゲン系ポリカーボネート樹脂組成物及び樹脂成型体を提供すること。
【解決手段】本技術に係る樹脂組成物は、A成分と、B成分と、C成分と、D成分とを具備する。A成分は、ポリカーボネート樹脂である。B成分は、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下である。C成分は、有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下である。D成分は、ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下である。
【選択図】図3
【解決手段】本技術に係る樹脂組成物は、A成分と、B成分と、C成分と、D成分とを具備する。A成分は、ポリカーボネート樹脂である。B成分は、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下である。C成分は、有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下である。D成分は、ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下である。
【選択図】図3
Description
本技術は、難燃性を有する樹脂組成物及び樹脂成型体に関する。
近年、電気・電子機器や自動車部品等の様々な分野において、各種製品の薄肉軽量化に伴う機械的強度面の要望や脱ハロゲン化に伴う環境配慮面の社会的なニーズから、従来のポリスチレン(PS)やABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)で代表される汎用の臭素系難燃性樹脂に代わり、リン系(リン酸エステル化合物等)難燃性ポリカーボネート(PC)樹脂や同難燃PC/ABSアロイへの移行が進行している。
しかしながら、リン系(リン酸エステル等)難燃PC樹脂や難燃PC/ABSアロイ中には多量(数重量%〜十数重量%)のリン系難燃剤が添加されているため、射出成型する際にガスが発生したり、リサイクル時や高温高湿下で、該樹脂の物性が大幅に低下するという課題を有している。これらの問題はいずれもリン系難燃剤が特に高温高湿条件下において、PC成分を加水分解させていることが起因していると考えられる。
一方で、上記臭素やリン等のハロゲンを含有しないポリカーボネート樹脂も開発されている。例えば、特許文献1や特許文献2には、官能基含有シリコーンや同剤と有機アルカリ金属塩を難燃剤として添加した、ポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載のポリカーボネート樹脂は、十分な難燃性を有するものとはいえないと考えられる。加えて、上述のような各種工業製品においては、樹脂の成型性、耐久性、強度や化学的安定性が求められる。このため、難燃性が要求される非ハロゲン系ポリカーボネート樹脂であって、工業製品の材料として実用性に優れるものが望まれている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、難燃性に優れると共に工業製品としての利用に適した物性を有する非ハロゲン系ポリカーボネート樹脂組成物及び樹脂成型体を提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る樹脂組成物は、A成分と、B成分と、C成分と、D成分とを具備する。
上記A成分は、ポリカーボネート樹脂である。
上記B成分は、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下である。
上記C成分は、有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下である。
上記D成分は、ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下である。
上記A成分は、ポリカーボネート樹脂である。
上記B成分は、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下である。
上記C成分は、有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下である。
上記D成分は、ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下である。
この構成によれば、難燃性と工業製品に好適な物性(成型性、耐久性、強度や化学的安定性)を兼ね備えた樹脂組成物を提供することが可能である。特にB成分のタルクについて、その粒径(平均メディアン径)によって樹脂組成物の難燃性に影響が生じることが本発明者らによって見出された。上述の平均メディアン径を有するタルクをB成分とすることによって、それを含有する樹脂組成物は高い難燃性を示すものとなる。加えて、当該樹脂組成物は、ハロゲン元素を含有せず、環境負荷も小さいものである。
上記樹脂組成物は、
シリコーン化合物であって、上記シリコーン化合物に含まれる水素原子のうち、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上または水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上であるシリコーン化合物であり、0.1重量%以上2.0重量%以下であるE成分をさらに含有してもよい。
シリコーン化合物であって、上記シリコーン化合物に含まれる水素原子のうち、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上または水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上であるシリコーン化合物であり、0.1重量%以上2.0重量%以下であるE成分をさらに含有してもよい。
この構成によれば、B成分による難燃性の向上効果に加え、E成分によるさらなる難燃性の向上が可能であり、特に上記条件(水素原子の比率)を有するシリコーン化合物が有効である。また、B成分によって樹脂組成物の剛性が向上する効果も生じる。
上記A成分は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が36000以上58000以下のポリカーボネート樹脂であってもよい。
この構成によれば、樹脂組成物の成型性や強度を加工(特に薄肉加工)に適したものとすることが可能であると共に、A成分による難燃性の低下(ドリップ(溶融滴下)の発生等)を防止することが可能である。
上記C成分は、芳香族環を有する高分子重合体のスルホン酸または芳香族環を有する高分子重合体のスルホン酸の金属塩であってもよい。
C成分は、B成分と共に樹脂組成物の難燃性を向上させるが、芳香族環を有する高分子重合体のスルホン酸またはその金属塩とすることにより、高温高湿条件下における樹脂組成物の化学的安定性を優れたものとすることが可能である。
上記D成分は、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンであってもよい。
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはドリップ抑制剤として好適であり、樹脂組成物のドリップによる難燃性の低下を防止することが可能である。
上記目的を達成するため、本技術の別の形態に係る樹脂組成物は、A成分と、B成分と、C成分と、D成分とを含有する。
上記A成分は、ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
上記B成分は、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクである。
上記C成分は、有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩である。
上記D成分は、ドリップ抑制剤である。
上記A成分は、ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
上記B成分は、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクである。
上記C成分は、有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩である。
上記D成分は、ドリップ抑制剤である。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る樹脂成型体は、A成分と、B成分と、C成分と、D成分とを具備する。
上記A成分は、ポリカーボネート樹脂である。
上記B成分は、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下である。
上記C成分は、有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下である。
上記D成分は、ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下である。
上記A成分は、ポリカーボネート樹脂である。
上記B成分は、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下である。
上記C成分は、有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下である。
上記D成分は、ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下である。
以上のように、本技術によれば、難燃性に優れると共に工業製品としての利用に適した物性を有する非ハロゲン系ポリカーボネート樹脂組成物及び樹脂成型体を提供することが可能である。
[樹脂組成物の構成]
本実施形態に係る樹脂組成物(以下、樹脂組成物αとする)は、ポリカーボネート樹脂(A成分)、タルク(B成分)、スルホン酸化合物(C成分)及びドリップ抑制剤(D成分)を含有する。また、詳細は後述するが、樹脂組成物αはさらに他の成分を含有するものとすることも可能である。
本実施形態に係る樹脂組成物(以下、樹脂組成物αとする)は、ポリカーボネート樹脂(A成分)、タルク(B成分)、スルホン酸化合物(C成分)及びドリップ抑制剤(D成分)を含有する。また、詳細は後述するが、樹脂組成物αはさらに他の成分を含有するものとすることも可能である。
(A成分)
A成分は、ポリカーボネート樹脂であり、樹脂組成物αの主成分である。具体的には、A成分は、樹脂組成物αにおける含有率が77.5重量%以上94.9重量%以下、好ましくは85重量%以上94.9重量%以下とすることができる。含有率が77.5重量%未満の場合、他の成分との均一な混合が困難となり、ポリカーボネート樹脂が本来有する特性(耐衝撃性、引張破壊伸度等)を得ることが難しくなるためである。一方、含有率が94.9重量%を超える場合、他の成分(B〜D成分等)の含有率が不足するためである。
A成分は、ポリカーボネート樹脂であり、樹脂組成物αの主成分である。具体的には、A成分は、樹脂組成物αにおける含有率が77.5重量%以上94.9重量%以下、好ましくは85重量%以上94.9重量%以下とすることができる。含有率が77.5重量%未満の場合、他の成分との均一な混合が困難となり、ポリカーボネート樹脂が本来有する特性(耐衝撃性、引張破壊伸度等)を得ることが難しくなるためである。一方、含有率が94.9重量%を超える場合、他の成分(B〜D成分等)の含有率が不足するためである。
A成分となるポリカーボネート樹脂は、例えば、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。反応方法の例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。原料となる二価フェノールとカーボネート前駆体については、特に制限は無く、種々のものを使用することができる。
A成分は、ポリカーボネート樹脂のうち、ポリスチレン換算の重量平均分子量が36000以上58000以下のポリカーボネート樹脂が好適である。ポリスチレン換算の重量平均分子量は、クロロホルム溶媒を用いたGPC(Gel Permeation Chromatography)測定において、ポリスチレン分子量標準物質を基準として得ることができる。重量平均分子量が58000を超えると、樹脂組成物αの溶融時の流れ性が悪化し、成型加工性が低下するため、薄肉成型体の成型が難しくなる。一方、重量平均分子量が36000未満であると、耐溶剤性が低下しソルベントクラック(薬品によるクラック)が発生しやすくなり、あるいは樹脂組成物αの耐衝撃性が低下してしまう。
また、A成分は、分子量の異なる複数種のポリカーボネート樹脂を混合したものであってもよい。この場合、A成分のポリスチレン換算重量平均分子量は、混合されるそれぞれのポリカーボネート樹脂のポリスチレン重量平均分子量の相加平均とすることができる。
A成分となるポリカーボネート樹脂は、新たに製造されたバージン材であっても良いが、廃材、端材、スプルー材、屑等をリサイクルしたものであってもよい。例えば、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、MO、MD、ブルーレイディスク(BD)等の光学ディスクや、レンズ、水ボトル、建材、ヘッドランプ等またはこれらの混合物を原料としてポリカーボネート樹脂を製造することができる。光学ディスクをリサイクルする場合、金属反射層、メッキ層、記録材料層、接着剤層、レーベル等の各種副材料(不純物)があるが、これらを具備したまま使用してもよく、このような副材料を従来公知の方法により分離、除去したものを用いてもよい。
光学ディスクに付属する副材料には、具体的には、Al、Au、Ag、Si等の金属反射層、シアニン系色素を含む有機色素、Te、Se、S、Ge、In、Sb、Fe、Tb、Co、Ag、Ce、Bi等の記録材料層、アクリル系アクリレート、エーテル系アクリレート、ビニル系のモノマーやオリゴマー、ポリマーの少なくとも一種以上からなる接着剤層、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマーの少なくとも一種及び重合開始剤や顔料、補助剤が混入されているレーベルインキ層等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、光学ディスクにおいて通常使用される膜形成材料、塗装材料を含んでいてもよい。
なお、リサイクルという観点においては、原料が低コストであることが望ましいため、ポリカーボネート樹脂に各種副材料が含まれたまま再利用することが好適である。しかし、ポリカーボネート樹脂の要求特性や色に合わせるために、化学処理や物理(研磨)処理等により上述の塗装膜が除去された光学ディスクを用いても良い。例えば光学ディスクを細かく破砕したものそのものや、化学処理により膜剥離した光学ディスクの粉砕物や同ペレットを、そのまま、あるいは所定の添加物と混練・溶融し、ペレット化してポリカーボネート樹脂原料として用いることができる。
あるいは、射出成型機の構造によっては、光学ディスクを、後述する各種添加剤と共に射出成型機のホッパー等に直接投入し、樹脂組成物αよりなる成型体を得てもよい。なお、A成分となるポリカーボネート樹脂として、上記各種不純物を含まない状態のものを使用する場合には、金属反射層、記録材料層、接着剤層、表面硬化層、レーベル等の付着物は、例えば、特開平6−223416号公報、特開平10−269634公報、特開平10−249315号公報等において提案されている物理(機械)的あるいは化学的な方法で除去することができる。
(B成分)
B成分はタルク(talc:滑石)であり、樹脂組成物αに難燃性や力学的強度を付与する。タルクは、水酸化マグネシウムとケイ酸塩からなる天然鉱物であり、価格も比較的安価であるため、ポリカーボネート樹脂への添加剤として広く利用されている。タルクは産地により成分比率や色目が多少異なるが、微粉砕化の程度の異なる各種グレードのものが各社より販売されている。
B成分はタルク(talc:滑石)であり、樹脂組成物αに難燃性や力学的強度を付与する。タルクは、水酸化マグネシウムとケイ酸塩からなる天然鉱物であり、価格も比較的安価であるため、ポリカーボネート樹脂への添加剤として広く利用されている。タルクは産地により成分比率や色目が多少異なるが、微粉砕化の程度の異なる各種グレードのものが各社より販売されている。
タルクの微粉砕化の程度は、平均メディアン径によって規定することができる。平均メディアン径とは、粒度分布を粒子径スケールに対する積算%として求め、得られた粒度分布曲線の積算%が50%となる粒子径であり、50%粒子径とも呼ばれる。平均メディアン径は、レーザ回折式または散乱式の粒度分布測定装置によって測定することが可能である。
ここで、本実施形態においては、平均メディアン径4.6μm以上6.0μm以下のタルクをB成分として利用する。タルクの平均メディアン径が4.6μm未満であると、添加した樹脂組成物の流動性が上昇し過ぎ、燃焼させた際にドリップ(溶融滴下)が生じやすくなる。また、タルクの平均メディアン径が6.0μmを超えると、混練時の分散性が悪化すること等を原因として添加した樹脂組成物の曲げ強度が低下し、樹脂成型品を曲げた際にクラックや割れが発生する(実施例参照)。したがって、平均メディアン径4.6μm以上6.0μm以下のタルクがB成分として好適である。
樹脂組成物αにおけるB成分の含有量は5重量%以上20重量%以下が好適であり、より好ましくは5重量%以上18%重量%以下である。含有量が5重量%未満の場合、樹脂組成物を薄肉の樹脂成型品に成型したときに、剛性や難燃性の向上効果を得ることが困難となる。一方20重量%を超える場合、樹脂組成物を成型する際に押し出し機のフィード部分でタルクが滑る等の問題があり、所望の原料比率での混練が困難になる、射出成型の際に溶融した樹脂組成物の流動性が低下する、樹脂組成物の機械的強度が不足する等の不具合が生じるおそれがある。
(C成分)
C成分はスルホン酸化合物であり、樹脂組成物αに難燃性を付加する。C成分となるスルホン酸化合物は、有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩である。有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩のいずれかをC成分としてもよく、有機スルホン酸とその金属塩を共にC成分として樹脂組成物αに含有させてもよい。
C成分はスルホン酸化合物であり、樹脂組成物αに難燃性を付加する。C成分となるスルホン酸化合物は、有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩である。有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩のいずれかをC成分としてもよく、有機スルホン酸とその金属塩を共にC成分として樹脂組成物αに含有させてもよい。
有機スルホン酸は、低分子量あるいは高分子量のいずれの有機スルホン酸も利用することができる。低分子量の有機スルホン酸は例えば、パーフルオロアルカンスルホン酸(パーフルオロブタンスルホン酸)、ジアルキルスルホンスルホン酸(ジフェニルスルホンスルホン酸)、アルキルベンゼンスルホン酸、ハロゲン化アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等が上げられる。
高分子量の有機スルホン酸は、例えば、芳香族環を有するポリマーであってスルホン酸基を含むスルホン酸系ポリマーを利用することができる。芳香族環を有するポリマーとしては、例えばポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)またはスチレン・アクリロニトリル共重合樹脂(AS)が挙げられる。その他にスルホン酸系ポリマーは、「特許4196862号公報」や「特許4196861号公報」にも開示されているものを利用することが可能である。
有機スルホン酸金属塩は、上記低分子量の有機スルホン酸や高分子量の有機スルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を利用することができる。C成分はこれらの有機スルホン酸及び有機スルホン酸金属塩の中から一つもしくは複数を選択することが可能である。
有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩としては、以上に記載した通り低分子量のものから高分子量のものまで各種あるものの、一般的には高分子量のものの方が、高温高湿条件下での保存安定性が優れることから好ましい。その中でも、粒子表層部にスルホン酸基が結合しているコア・シェル型のスチレン系ポリマー及びそのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等がより好適である。具体的にはポリスチレンスルホン酸やそのカリウム塩は、極少量の添加で高い難燃効果を得ることができる。C成分を高分子量のスルホン酸化合物とする場合、その重量平均分子量(ポリスチレン換算)が40000以上300000以下であると、耐溶剤性と相溶性のバランスが保たれるため、より好適である。
C成分の樹脂組成物αにおける含有率は、0.05重量%以上2.0重量%以下が好適である。0.05重量%未満では樹脂組成物αの難燃性が不十分となり、2.0重量%を超えるとポリカーボネート樹脂(A成分)との相溶性が低下し、負の難燃効果、即ち不含有の場合よりも難燃性が低下する効果が生じる場合がある。さらに上記含有率範囲でも特に、0.05重量%以上1.0重量%の範囲が樹脂組成物αの難燃性が向上し、好適である。
(D成分)
D成分は、ドリップ抑制剤であり、樹脂組成物αの燃焼時に生じるドリップ(溶融滴下)を抑制するための成分である。D成分となるドリップ抑制剤としては、フッ素系ポリマー、中でもフッ素化ポリオレフィンが好適である。このフッ素化ポリオレフィンの具体例としては、例えば、ジフルオロエチレン重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとエチレン系モノマーとの共重合体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。フッ素化ポリオレフィンの重合度の異なるものを混合して用いることによって、アグロメレーション(凝集)が防止できるなど、原料としてのハンドリングが良くなることもある。
D成分は、ドリップ抑制剤であり、樹脂組成物αの燃焼時に生じるドリップ(溶融滴下)を抑制するための成分である。D成分となるドリップ抑制剤としては、フッ素系ポリマー、中でもフッ素化ポリオレフィンが好適である。このフッ素化ポリオレフィンの具体例としては、例えば、ジフルオロエチレン重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとエチレン系モノマーとの共重合体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。フッ素化ポリオレフィンの重合度の異なるものを混合して用いることによって、アグロメレーション(凝集)が防止できるなど、原料としてのハンドリングが良くなることもある。
D成分は、上記フッ素化ポリオレフィンの中でも、フィブリル(小繊維)形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好適であり、その平均分子量は50000以上、特に100000以上20000000以下のものが好適である。
D成分の樹脂組成物αにおける含有率は、0.05重量%以上1.0重量%以下が好適である。0.05重量%未満ではドリップを抑制する効果が小さく、1.0重量%を超えるとドリップを抑制する効果が飽和して、コスト高になり、あるいは機械的強度や樹脂組成物の流れ性が低下し過ぎるためである。さらに、上記含有率範囲でも特に、0.05重量%以上0.8重量%以下が好適である。
樹脂組成物αは、以上のように、A成分、B成分、C成分及びD成分を含有するものとすることができる。このような樹脂組成物αは、後述する実施例において実証するように、高い難燃性を有すると共に、成型性、耐久性、強度や化学的安定性を備え、工業製品としての利用に適するものである。加えて、樹脂組成物αはハロゲン元素を含有せず、環境負荷が小さいものである。
(E成分)
樹脂組成物αは、上述したA〜D成分に加え、さらに他の成分を含有するものとすることが可能である。具体的には、樹脂組成物αは、特定の条件を満たすシリコーン化合物(E成分)を含有するものとすることができる。
樹脂組成物αは、上述したA〜D成分に加え、さらに他の成分を含有するものとすることが可能である。具体的には、樹脂組成物αは、特定の条件を満たすシリコーン化合物(E成分)を含有するものとすることができる。
E成分は、B成分と共に樹脂組成物αに難燃性を付加する。E成分として利用できるシリコーン化合物の具体例として、ポリオルガノシロキサン(シリコーン、有機シリケート等)が挙げられ、例えばポリ(フェニルメチルメトキシハイドロジェン)シロキサン、ポリ(フェニルメチル)シロキサン、ポリ(フェニルハイドロジェン)シロキサン、ポリ(メチルエチル)シロキサン、ポリ(ジメチル)シロキサン、ポリ(ジフェニル)シロキサン、ポリ(ジエチル)シロキサン、ポリ(エチルフェニル)シロキサンを挙げることができる。
さらに、ポリオルガノシロキサンの具体例として、ジメチルシロキサン、メチルエチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、ジエチルシロキサン、エチルフェニルシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン、フェニルハイドロジェンシロキサン、フェニルメトキシシロキサン、メチルメトキシシロキサンなどのシロキサンユニットの複数が共重合したもの及びこれらの混合物を挙げることができる。
これらポリオルガノシロキサンを構成するシロキサンユニットのケイ素に結合する官能基(置換基)としては、例えば水素基、芳香族基、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基、メルカプト基、エポキシ基、ビニル基、アリールオキシ基、ポリオキシアルキレン基、ビニル基等が挙げられる。この中でも、E成分となるシリコーン化合物では芳香族基、水素基、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ビニル基またはエポキシ基が好適であり、特にフェニル基、水素基、メチル基が好適である。ポリオルガノシロキサンの形態については、例えばオイル状、ワニス状、ガム状、粉末状、ペレット状のいずれであっても良い。
E成分となるシリコーン化合物は、上述したようなシリコーン化合物のうち、各官能基に含まれる水素原子の比率が特定の範囲のものである。具体的には、E成分となるシリコーン化合物は、フェニル基に含まれる水素原子(Ph−H)、水素基に含まれる水素原子(Si−H)、またはメチル基に含まれる水素原子(Me−H)の比率によって規定することができる。
E成分となるシリコーン化合物は、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上であるシリコーン化合物である。このうち、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上かつメチル基に含まれる水素原子の比率が29%以上であるシリコーン化合物が好適であり、その中でもフェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上71%以下かつメチル基に含まれる水素原子の比率が29%以上49%以下であるシリコーン化合物がより好適である。
または、E成分となるシリコーン化合物は、水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上であるシリコーン化合物である。このうち、水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上かつメチル基に含まれる水素原子の比率が50%以上であるシリコーン化合物が好適であり、水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上50%以下かつメチル基に含まれる水素原子の比率が50%以上78%以下であるシリコーン化合物がより好適である。
上述のように樹脂組成物αには、難燃性の付加を目的とするスルホン酸化合物(C成分)及びシリコーン化合物(E成分)が含有されている。しかしながら、スルホン酸化合物とシリコーン化合物の両方を含有させることにより、両者を単独で含有させた場合よりも樹脂組成物の難燃性が悪化する場合がある。ここで、本実施形態に係るE成分のように、水素原子の特定の官能基への含有率が所定範囲にあるシリコーン化合物を利用することにより、このような難燃性の悪化を防止し、B成分とE成分の含有量を極限まで低減させることが可能となる。
図1は、後述する実施例において使用する各シリコーン化合物における、水素原子の各官能基ごとの含有率を示す表である。この表に挙げたシリコーン化合物のうち、E−1及びE−2はフェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上であり、E−3は水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上であるから、本実施形態に係るE成分に該当する。E−4〜E−8についてはこれらの条件を満たさず、本実施形態に係るE成分に該当しない。
また、E1〜E3のうち、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上かつメチル基に含まれる水素原子の比率が29%以上であるシリコーン化合物はE−1及びE−2であり、これらはフェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上71%以下かつメチル基に含まれる水素原子の比率が29%以上49%以下である。また、E1〜E3のうち、水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上かつメチル基に含まれる水素原子の比率が50%以上であるシリコーン化合物はE−3であり、これは水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上50%以下かつメチル基に含まれる水素原子の比率が50%以上78%以下である。なお、この表に示す各シリコーン化合物は例示であり、この表に含まれないシリコーン化合物であっても、上記条件を満たすものは本実施形態に係るE成分に含まれる。
シリコーン化合物に含まれる水素原子が、いずれの官能基に含まれるかは、シリコーン化合物をプロトン核磁気共鳴法(1H NMR)によって分析することで特定することが可能である。具体的には、分析対象のシリコーン化合物を重クロロホルム溶媒に溶解させてNMR測定を実施し、NMRチャートを得る。図2は上記E−1のNMRチャートの例である。
水素原子の帰属は、NMRチャートにおけるピークのケミカルシフト(δ)のシフト量が、水素原子の化学的環境によって異なることを利用して判定することが可能である。ケミカルシフトとは、テトラメチルシラン(TMS)のメチル基の遮蔽定数を基準とした場合の測定サンプルとの差を百万分率(ppm)で表現したものであり、例えば500MHzの電磁波をかけた場合、1ppmは500Hzに相当する。
各官能基に含まれる水素原子の比率は、各官能基に帰属する水素原子の積分値を全ての水素原子の積分値で除することによって求めることが可能である。図2には各官能基に含まれる水素原子の積分値を示す。図1に示す各シリコーン化合物の官能基ごとの水素原子含有率は、このような手法によって求めることが可能である。
E成分の樹脂組成物αにおける含有率は、0.1重量%以上2.0重量%以下が好適である。0.1重量%未満及び2.0重量%を超える場合には、難燃性向上の効果が小さくなるためである(実施例参照)。
(その他の成分)
樹脂組成物αには、E成分と共に、あるいはE成分に替えて、さらに他の成分を含有させることが可能である。具体的には樹脂組成物αは、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系)、帯電防止剤、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、環状イミノエステル系、シアノアクリレート系)、光安定化剤、可塑剤、相溶化剤、着色剤(顔料、染料)、光拡散剤、光安定剤、結晶核剤、抗菌剤、流動改質剤、赤外線吸収剤、蛍光体、加水分解防止剤、離型剤、シリコーン系の表面処理剤などを含有していてもよい。これにより、射出成形性、耐衝撃性、外観、耐熱性、耐候性、色あるいは剛性などが改善される。
樹脂組成物αには、E成分と共に、あるいはE成分に替えて、さらに他の成分を含有させることが可能である。具体的には樹脂組成物αは、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系)、帯電防止剤、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、環状イミノエステル系、シアノアクリレート系)、光安定化剤、可塑剤、相溶化剤、着色剤(顔料、染料)、光拡散剤、光安定剤、結晶核剤、抗菌剤、流動改質剤、赤外線吸収剤、蛍光体、加水分解防止剤、離型剤、シリコーン系の表面処理剤などを含有していてもよい。これにより、射出成形性、耐衝撃性、外観、耐熱性、耐候性、色あるいは剛性などが改善される。
[樹脂組成物の製造方法]
樹脂組成物αは、次のようにして製造することが可能である。まず、各成分(A成分、B成分、C成分、D成分及び必要に応じてE成分や各種添加剤)を混合する。混合は、例えば、ヘンシェルミキサーやタンブラーを用いてすることが可能である。この際、各成分が均一に分散するように混合する。その後、単軸あるいは二軸押し出し機等により溶融混練した際に得られるストランドをペレタイザーでカットしてペレットを作る。
樹脂組成物αは、次のようにして製造することが可能である。まず、各成分(A成分、B成分、C成分、D成分及び必要に応じてE成分や各種添加剤)を混合する。混合は、例えば、ヘンシェルミキサーやタンブラーを用いてすることが可能である。この際、各成分が均一に分散するように混合する。その後、単軸あるいは二軸押し出し機等により溶融混練した際に得られるストランドをペレタイザーでカットしてペレットを作る。
樹脂組成物αは以上のようにして製造することが可能である。なお、樹脂組成物αはペレット状に加工したものに限られず、各成分を混合した状態(粉末状態や流体状態)やペレットとは異なる形態(シート状等)に加工したものも含む。
[樹脂成型体]
樹脂組成物αは、各種工業製品に成型することが可能である。具体的には、電化製品、自動車部品、情報機器、事務機器、電話機、文房具、家具、あるいは繊維等の各種製品の筐体や部品材等を樹脂組成物αからなるものとすることが可能である。樹脂組成物αからなる樹脂成型体は、上述のように高い難燃性、耐久性、強度や化学的安定性を有し、薄肉化にも適している。
樹脂組成物αは、各種工業製品に成型することが可能である。具体的には、電化製品、自動車部品、情報機器、事務機器、電話機、文房具、家具、あるいは繊維等の各種製品の筐体や部品材等を樹脂組成物αからなるものとすることが可能である。樹脂組成物αからなる樹脂成型体は、上述のように高い難燃性、耐久性、強度や化学的安定性を有し、薄肉化にも適している。
樹脂組成物αからなる樹脂成型体は、上述したペレット状の樹脂組成物αを、射出成型、射出圧縮成型、押出成型、ブロー成型、真空成型、プレス成型、発泡成型、あるいは超臨界成型等の各種成型方法を利用して成型することが可能である。
本技術は、上記各実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において変更することが可能である。
本技術の実施例に係る樹脂組成物(樹脂組成物α)と、比較例に係る樹脂組成物を準備し、各樹脂組成物について評価を実施した。図3乃至図5は、実施例に係る樹脂組成物の組成(重量%)と評価結果を示す表であり、図6及び図7は比較例に係る樹脂組成物の組成(重量%)と評価結果を示す表である。
[実施例及び比較例に係る樹脂組成物の構成]
実施例及び比較例に係る樹脂組成物に含有される各成分について説明する。なお、各成分(A成分、B成分、C成分、D成分及びE成分)は、上記実施形態において説明した各成分と対応する。
実施例及び比較例に係る樹脂組成物に含有される各成分について説明する。なお、各成分(A成分、B成分、C成分、D成分及びE成分)は、上記実施形態において説明した各成分と対応する。
(A成分:ポリカーボネート樹脂)
A−1:市販の中分子量ポリカーボネート樹脂(L−1225L:帝人化成製、ポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、PS換算のMw)45000)
A−2:市販の低分子量ポリカーボネート樹脂(L−1225LLL:帝人化成製、PS換算のMw33000)
A−3:使用済み建材用シートを粗粉砕し、二軸押し出し機にて溶融・混練の後、ペレット化したポリカーボネート樹脂(PS換算のMw:46000)
A−4:淡緑色の使用済み水ボトル容器から回収されたPC樹脂(PS換算のMw:56000)
A−5:使用済みCD(Compact Disc)を粉砕処理(2〜20mm)したものをアルカリ性の熱水溶液で処理することにより塗装膜(記録材料層、レーベル、接着剤層、硬化層、金属反射層等)を除去した後、二軸押し出し機にて溶融・混練の後ペレット化したポリカーボネート樹脂(PS換算のMw:32000)
A−6:淡青色の使用済み水ボトル容器から回収されたPC樹脂(PS換算のMw:61000)
A−7:使用済みDVD(Digital Versatile Disc)を粉砕処理(2〜20mm)したものをアルカリ性の熱水溶液で処理することにより塗装膜(記録材料層、レーベル、接着剤層、硬化層、金属反射層等)を除去した後、二軸押し出し機にて溶融・混練の後ペレット化したポリカーボネート樹脂(PS換算のMw:30000)
A−1:市販の中分子量ポリカーボネート樹脂(L−1225L:帝人化成製、ポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、PS換算のMw)45000)
A−2:市販の低分子量ポリカーボネート樹脂(L−1225LLL:帝人化成製、PS換算のMw33000)
A−3:使用済み建材用シートを粗粉砕し、二軸押し出し機にて溶融・混練の後、ペレット化したポリカーボネート樹脂(PS換算のMw:46000)
A−4:淡緑色の使用済み水ボトル容器から回収されたPC樹脂(PS換算のMw:56000)
A−5:使用済みCD(Compact Disc)を粉砕処理(2〜20mm)したものをアルカリ性の熱水溶液で処理することにより塗装膜(記録材料層、レーベル、接着剤層、硬化層、金属反射層等)を除去した後、二軸押し出し機にて溶融・混練の後ペレット化したポリカーボネート樹脂(PS換算のMw:32000)
A−6:淡青色の使用済み水ボトル容器から回収されたPC樹脂(PS換算のMw:61000)
A−7:使用済みDVD(Digital Versatile Disc)を粉砕処理(2〜20mm)したものをアルカリ性の熱水溶液で処理することにより塗装膜(記録材料層、レーベル、接着剤層、硬化層、金属反射層等)を除去した後、二軸押し出し機にて溶融・混練の後ペレット化したポリカーボネート樹脂(PS換算のMw:30000)
(B成分:タルク)
B−1:超微粒子グレード(平均メディアン径:4.2μm、比表面積:45000cm2/g以上)の市販タルク(富士タルク製:LMS−400)
B−2:微粒子グレード(平均メディアン径:4.6μm、比表面積:45000cm2/g以上)の市販タルク(富士タルク製:LMS−300)
B−3:微粒子グレード(平均メディアン径:5.0μm、比表面積:40000〜45000cm2/g)の市販タルク(富士タルク製:LMS−200)
B−4:微粒子グレード(平均メディアン径:6.0μm、比表面積:33000〜38000cm2/g)の市販タルク(富士タルク製:LMS−100)
B-5:中粒子グレード(平均メディアン径:13μm、比表面積:18000〜21000cm2/g)の市販タルク(富士タルク製:PKP−80)
B−1:超微粒子グレード(平均メディアン径:4.2μm、比表面積:45000cm2/g以上)の市販タルク(富士タルク製:LMS−400)
B−2:微粒子グレード(平均メディアン径:4.6μm、比表面積:45000cm2/g以上)の市販タルク(富士タルク製:LMS−300)
B−3:微粒子グレード(平均メディアン径:5.0μm、比表面積:40000〜45000cm2/g)の市販タルク(富士タルク製:LMS−200)
B−4:微粒子グレード(平均メディアン径:6.0μm、比表面積:33000〜38000cm2/g)の市販タルク(富士タルク製:LMS−100)
B-5:中粒子グレード(平均メディアン径:13μm、比表面積:18000〜21000cm2/g)の市販タルク(富士タルク製:PKP−80)
(C成分:スルホン酸化合物)
C−1:ポリスチレンの表層部にスルホン酸カリウム塩を導入したもの(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス製:PSS−K)
C−2:パーブタンスルホン酸カリウム(サンケミカル製:Chemguard−411)
C−1:ポリスチレンの表層部にスルホン酸カリウム塩を導入したもの(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス製:PSS−K)
C−2:パーブタンスルホン酸カリウム(サンケミカル製:Chemguard−411)
(D成分:ドリップ抑制剤)
D−1:フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとして市販のPTFE(ダイキン工業株式会社製:ポリフロンFA500H)
D−1:フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとして市販のPTFE(ダイキン工業株式会社製:ポリフロンFA500H)
(E成分:シリコーン化合物、図1参照)
E−1:フェニル/メチル/メトキシ/水素系 液状シリコーンオリゴマー
E−2:フェニル/メチル系 固形シリコーンオリゴマー
E−3:メチル/水素系 液状シリコーンオリゴマー
E−1:フェニル/メチル/メトキシ/水素系 液状シリコーンオリゴマー
E−2:フェニル/メチル系 固形シリコーンオリゴマー
E−3:メチル/水素系 液状シリコーンオリゴマー
(汎用難燃PC/ABSアロイ(比較例))
TF−7100F:帝人化成製、難燃PC/ABSアロイ
TF−7100F:帝人化成製、難燃PC/ABSアロイ
[樹脂組成物の成型及び各種測定]
各成分を図3乃至図7記載の配合比にて配合し、タンブラーにてブレンドした後、二軸同方向回転混練押出機(東洋精機製作所製:ラボプラストミル、二軸押し出しユニット使用)を用いて溶融混練し、ペレットを得た。押出条件は吐出量4kg/h、スクリュー回転数48rpmであり、押出温度は第1供給口からダイス部分まで270℃とした。得られたペレットを120℃で8時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成型機を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度70℃で成型し、難燃性測定用試験片とノート型パソコン用パームレスト(薄肉成型性の確認用、肉厚:1.0mm)を得た。
各成分を図3乃至図7記載の配合比にて配合し、タンブラーにてブレンドした後、二軸同方向回転混練押出機(東洋精機製作所製:ラボプラストミル、二軸押し出しユニット使用)を用いて溶融混練し、ペレットを得た。押出条件は吐出量4kg/h、スクリュー回転数48rpmであり、押出温度は第1供給口からダイス部分まで270℃とした。得られたペレットを120℃で8時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成型機を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度70℃で成型し、難燃性測定用試験片とノート型パソコン用パームレスト(薄肉成型性の確認用、肉厚:1.0mm)を得た。
各評価は次のようにして実施した。
(難燃性)
UL規格94の垂直燃焼試験を、厚み1.0mmの試験片で行い、その等級を評価した。この規格ではV−2、V−1、V−0等の等級(レベル)があり、V−2よりV−1、V−1よりV−0が難燃性が高い。また、V−2に到達しない場合にはV不適合とされる。本測定ではV−1及びV−0を良好として判定した。
UL規格94の垂直燃焼試験を、厚み1.0mmの試験片で行い、その等級を評価した。この規格ではV−2、V−1、V−0等の等級(レベル)があり、V−2よりV−1、V−1よりV−0が難燃性が高い。また、V−2に到達しない場合にはV不適合とされる。本測定ではV−1及びV−0を良好として判定した。
(成型性)
ノート型パソコン用パームレスト(肉厚:1.0mm)の金型を用いて成型を行い、成型ができるか否か、外観(ヒケ、ウエルドラインの状態)を確認した。また、ウエルド部分の強度、10回繰り返しビス締めによるボス部の強度について評価を行い、実用レベルであるかどうかの判定を行った。
ノート型パソコン用パームレスト(肉厚:1.0mm)の金型を用いて成型を行い、成型ができるか否か、外観(ヒケ、ウエルドラインの状態)を確認した。また、ウエルド部分の強度、10回繰り返しビス締めによるボス部の強度について評価を行い、実用レベルであるかどうかの判定を行った。
(曲げ弾性率)
ASTM D790に基づき、厚さ2mmの試験片について測定を行った。2900MPa以上を高剛性として十分な値として判定した。
ASTM D790に基づき、厚さ2mmの試験片について測定を行った。2900MPa以上を高剛性として十分な値として判定した。
(耐久性)
得られた成型体を85℃、80%RHの高温高湿条件下に2週間おくことで劣化を促進させた場合の、重量平均分子量の保持率(成型前のペレットの重量平均分子量に対する)にて評価を行った。95%以上の保持率を良好と判定した。
得られた成型体を85℃、80%RHの高温高湿条件下に2週間おくことで劣化を促進させた場合の、重量平均分子量の保持率(成型前のペレットの重量平均分子量に対する)にて評価を行った。95%以上の保持率を良好と判定した。
(総合判定)
上述のようにして評価した、難燃性、成型性、曲げ弾性率、高耐久性について、いずれも良好であれば総合判定を「可」とした。いずれかに不良があった場合、総合判定を「不可」とした。
上述のようにして評価した、難燃性、成型性、曲げ弾性率、高耐久性について、いずれも良好であれば総合判定を「可」とした。いずれかに不良があった場合、総合判定を「不可」とした。
[実施例及び比較例の評価結果]
図3乃至図5に示すように、実施例に係る樹脂組成物は、いずれの評価結果も良好であった。一方、図6及び図7に示すように、比較例に係る樹脂組成物は下記のような結果となった。
図3乃至図5に示すように、実施例に係る樹脂組成物は、いずれの評価結果も良好であった。一方、図6及び図7に示すように、比較例に係る樹脂組成物は下記のような結果となった。
比較例1:耐久性試験の結果、ポリスチレン換算の重量平均分子量の保持率が80%と低かった。
比較例2:A成分(ポリカーボネート樹脂)の分子量(ポリスチレン換算の重量平均分子量またはその相加平均、以下同じ)が低すぎるため、難燃性試験においてドリップが生じてV不適合となった。また、得られたパームレストが突出し時に割れることがあった。
比較例3:A成分の分子量が低すぎるため、難燃性試験においてドリップが生じてV不適合となった。また、得られたパームレストが突出し時に割れることがあった。
比較例4:A成分の分子量が高すぎるため、ショートショット(充填不足)となり、薄肉成型体が得られなかった。
比較例5:B成分(タルク)が添加されていないため、曲げ弾性率の値が不足していた(実施例1との比較)。
比較例6:B成分の添加量が少なすぎるため、難燃レベルが低下した。また、E成分が添加されていないため、難燃レベルが不足していた(実施例1との比較)。
比較例7:B成分の添加量が少なすぎるため、曲げ弾性率の値が不足していた(実施例1との比較)。
比較例8:B成分の添加量が多すぎるため、所望の組成のコンパウンドが得られなかった。
比較例9:B成分の平均メディアン径が小さすぎるため、流動性が上がり、難燃試験中にドリップを生じた。
比較例10:B成分の平均メディアン径が小さく、添加量も多かったため、流動性が相当程度上がり、難燃試験中においてV不適合となった。
比較例11:B成分の平均メディアン径が大きすぎ、ウエルド部での割れが発生した。
比較例12:B成分の平均メディアン径が大きく、添加量も多かったため、ウエルド部での割れとボス折れが発生した。
比較例13:B成分の添加量が多すぎるため、所望の組成のコンパウンドが得られなかった。
比較例14:B成分の添加量が多すぎるため、所望の組成のコンパウンドが得られなかった。
比較例15:C成分(スルホン酸化合物)の添加量が少なすぎるため、難燃レベルが低下した(実施例1との比較)。
比較例16:C成分の添加量が多すぎるため、難燃レベルが低下し、かつ成型時にガスが発生した(実施例1との比較)。
比較例2:A成分(ポリカーボネート樹脂)の分子量(ポリスチレン換算の重量平均分子量またはその相加平均、以下同じ)が低すぎるため、難燃性試験においてドリップが生じてV不適合となった。また、得られたパームレストが突出し時に割れることがあった。
比較例3:A成分の分子量が低すぎるため、難燃性試験においてドリップが生じてV不適合となった。また、得られたパームレストが突出し時に割れることがあった。
比較例4:A成分の分子量が高すぎるため、ショートショット(充填不足)となり、薄肉成型体が得られなかった。
比較例5:B成分(タルク)が添加されていないため、曲げ弾性率の値が不足していた(実施例1との比較)。
比較例6:B成分の添加量が少なすぎるため、難燃レベルが低下した。また、E成分が添加されていないため、難燃レベルが不足していた(実施例1との比較)。
比較例7:B成分の添加量が少なすぎるため、曲げ弾性率の値が不足していた(実施例1との比較)。
比較例8:B成分の添加量が多すぎるため、所望の組成のコンパウンドが得られなかった。
比較例9:B成分の平均メディアン径が小さすぎるため、流動性が上がり、難燃試験中にドリップを生じた。
比較例10:B成分の平均メディアン径が小さく、添加量も多かったため、流動性が相当程度上がり、難燃試験中においてV不適合となった。
比較例11:B成分の平均メディアン径が大きすぎ、ウエルド部での割れが発生した。
比較例12:B成分の平均メディアン径が大きく、添加量も多かったため、ウエルド部での割れとボス折れが発生した。
比較例13:B成分の添加量が多すぎるため、所望の組成のコンパウンドが得られなかった。
比較例14:B成分の添加量が多すぎるため、所望の組成のコンパウンドが得られなかった。
比較例15:C成分(スルホン酸化合物)の添加量が少なすぎるため、難燃レベルが低下した(実施例1との比較)。
比較例16:C成分の添加量が多すぎるため、難燃レベルが低下し、かつ成型時にガスが発生した(実施例1との比較)。
[実施例及び比較例の検討]
(A成分について)
A成分となるポリカーボネート樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、33000(比較例2)では少なすぎてドリップを生じ、61000(比較例4)では多すぎて成型性が低下した。したがって、A成分のポリスチレン換算重量平均分子量は、36000(実施例5及び17−19)以上58000(実施例6)以下が好適である。
(A成分について)
A成分となるポリカーボネート樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、33000(比較例2)では少なすぎてドリップを生じ、61000(比較例4)では多すぎて成型性が低下した。したがって、A成分のポリスチレン換算重量平均分子量は、36000(実施例5及び17−19)以上58000(実施例6)以下が好適である。
(B成分について)
B成分となるタルクは、実施例1−19に示すように、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下(B−2、B−3及びB−4)が好適である。平均メディアン径が4.2μm(B−1)以下であると十分な難燃性が得られず(比較例9、10)、13μm(B−5)以上であると成形性に問題がある(比較例11、12)ためである。なお、幾つかの比較例では、B成分として上記平均メディアン径を満たすタルクがB成分として利用されているが、B成分の添加量や他の成分によって総合判定が不可となっている。
B成分となるタルクは、実施例1−19に示すように、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下(B−2、B−3及びB−4)が好適である。平均メディアン径が4.2μm(B−1)以下であると十分な難燃性が得られず(比較例9、10)、13μm(B−5)以上であると成形性に問題がある(比較例11、12)ためである。なお、幾つかの比較例では、B成分として上記平均メディアン径を満たすタルクがB成分として利用されているが、B成分の添加量や他の成分によって総合判定が不可となっている。
B成分となるタルクの含有量は、5重量%以上20重量%以下が好適である。含有量が4重量%以下であると曲げ弾性率が不十分であり(比較例6、7)、25重量%を超えると所望の組成のコンパウンドが得られない(比較例8、13、14)ためである。
(C成分について)
C成分となるスルホン酸化合物は、含有率が0.03重量%では少なすぎて十分な難燃性が得られず(比較例15)、5重量%では多すぎて十分な難燃性が得られなかった(比較例16)。したがって、C成分の含有率は、0.05重量%(実施例16)以上2.0重量%以下が好適である。
C成分となるスルホン酸化合物は、含有率が0.03重量%では少なすぎて十分な難燃性が得られず(比較例15)、5重量%では多すぎて十分な難燃性が得られなかった(比較例16)。したがって、C成分の含有率は、0.05重量%(実施例16)以上2.0重量%以下が好適である。
(D成分について)
D成分となるドリップ抑制剤は、含有率が0.01重量%では少なすぎてドリップを生じ、1.50重量%では多すぎて十分な難燃性が得られなかった。したがって、D成分の含有率は、0.05重量%以上1.00重量%以下が好適である。
D成分となるドリップ抑制剤は、含有率が0.01重量%では少なすぎてドリップを生じ、1.50重量%では多すぎて十分な難燃性が得られなかった。したがって、D成分の含有率は、0.05重量%以上1.00重量%以下が好適である。
(E成分について)
E成分となるシリコーン化合物は、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上または、水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上のシリコーン化合物(E−1、E−2及びE−3)が、十分な難燃性が得られ、好適である。
E成分となるシリコーン化合物は、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上または、水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上のシリコーン化合物(E−1、E−2及びE−3)が、十分な難燃性が得られ、好適である。
E成分の含有率は、0.05重量%は少なすぎて十分な難燃性が得られず、3.00重量%では多すぎて十分な難燃性が得られなかった。したがって、E成分の含有率は、0.10重量%以上2.0重量%以下が好適である。
(樹脂組成物について)
以上から、ポリカーボネート樹脂(A成分)、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであって5重量%以上20重量%以下のタルク)B成分)、0.05重量%以上2.0重量%以下のスルホン酸化合物(C成分)、0.05重量%以上1.0重量%以下のドリップ抑制剤(D成分)を含有する樹脂組成物は、高い難燃性を有し、実用性に優れるものである。加えて上記樹脂組成物は特定条件を満たすシリコーン化合物であって0.1重量%以上2.0重量%以下のシリコーン化合物(E成分)を含有するものであってもよい。E成分の特定条件は、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上または、水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上である。
以上から、ポリカーボネート樹脂(A成分)、平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであって5重量%以上20重量%以下のタルク)B成分)、0.05重量%以上2.0重量%以下のスルホン酸化合物(C成分)、0.05重量%以上1.0重量%以下のドリップ抑制剤(D成分)を含有する樹脂組成物は、高い難燃性を有し、実用性に優れるものである。加えて上記樹脂組成物は特定条件を満たすシリコーン化合物であって0.1重量%以上2.0重量%以下のシリコーン化合物(E成分)を含有するものであってもよい。E成分の特定条件は、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上または、水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上である。
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下であるB成分と、
有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下であるC成分と、
ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下であるD成分と
を含有する樹脂組成物。
ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下であるB成分と、
有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下であるC成分と、
ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下であるD成分と
を含有する樹脂組成物。
(2)
上記(1)に記載の樹脂組成物であって、
シリコーン化合物であって、上記シリコーン化合物に含まれる水素原子のうち、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上または水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上であるシリコーン化合物であり、0.1重量%以上2.0重量%以下であるE成分
をさらに含有する樹脂組成物。
上記(1)に記載の樹脂組成物であって、
シリコーン化合物であって、上記シリコーン化合物に含まれる水素原子のうち、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上または水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上であるシリコーン化合物であり、0.1重量%以上2.0重量%以下であるE成分
をさらに含有する樹脂組成物。
(3)
上記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物であって、
請求項1に記載の樹脂組成物であって、
上記A成分は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が36000以上58000以下のポリカーボネート樹脂である
樹脂組成物。
上記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物であって、
請求項1に記載の樹脂組成物であって、
上記A成分は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が36000以上58000以下のポリカーボネート樹脂である
樹脂組成物。
(4)
上記(1)から(3)のいずれか一つに記載の樹脂組成物であって、
上記C成分は、芳香族環を有する高分子重合体のスルホン酸または芳香族環を有する高分子重合体のスルホン酸の金属塩である
樹脂組成物。
上記(1)から(3)のいずれか一つに記載の樹脂組成物であって、
上記C成分は、芳香族環を有する高分子重合体のスルホン酸または芳香族環を有する高分子重合体のスルホン酸の金属塩である
樹脂組成物。
(5)
上記(1)から(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物であって、
上記D成分は、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンである
樹脂組成物。
上記(1)から(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物であって、
上記D成分は、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンである
樹脂組成物。
(6)
ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであるB成分と、
有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であるC成分と、
ドリップ抑制剤であるD成分と
を含有する樹脂組成物。
ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであるB成分と、
有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であるC成分と、
ドリップ抑制剤であるD成分と
を含有する樹脂組成物。
(7)
ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下であるB成分と、
有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下であるC成分と、
ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下であるD成分と
を含有する樹脂組成物からなる樹脂成型体。
ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下であるB成分と、
有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下であるC成分と、
ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下であるD成分と
を含有する樹脂組成物からなる樹脂成型体。
Claims (7)
- ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下であるB成分と、
有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下であるC成分と、
ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下であるD成分と
を含有する樹脂組成物。 - 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
シリコーン化合物であって、前記シリコーン化合物に含まれる水素原子のうち、フェニル基に含まれる水素原子の比率が51%以上または水素基に含まれる水素原子の比率が22%以上であるシリコーン化合物であり、0.1重量%以上2.0重量%以下であるE成分
をさらに含有する樹脂組成物。 - 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
前記A成分は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が36000以上58000以下のポリカーボネート樹脂である
樹脂組成物。 - 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
前記C成分は、芳香族環を有する高分子重合体のスルホン酸または芳香族環を有する高分子重合体のスルホン酸の金属塩である
樹脂組成物。 - 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
前記D成分は、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンである
樹脂組成物。 - ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであるB成分と、
有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であるC成分と、
ドリップ抑制剤であるD成分と
を含有する樹脂組成物。 - ポリカーボネート樹脂であるA成分と、
平均メディアン径が4.6μm以上6.0μm以下のタルクであり、5重量%以上20重量%以下であるB成分と、
有機スルホン酸または有機スルホン酸金属塩であり、0.05重量%以上2.0重量%以下であるC成分と、
ドリップ抑制剤であり、0.05重量%以上1.0重量%以下であるD成分と
を含有する樹脂組成物からなる樹脂成型体。
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