JP4196861B2 - 難燃剤、難燃性樹脂組成物、難燃剤の製造方法 - Google Patents

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本発明は、樹脂組成物に対して難燃性を付与する難燃剤、この難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物、及び難燃剤の製造方法に関する。
近年、樹脂組成物に対して難燃性を付与する樹脂用難燃剤としては、例えば金属水酸化物系(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)難燃剤、珪素系(シリコーン、シリカ)難燃剤、ハロゲン(臭素)系難燃剤、リン系(燐酸エステル、赤燐等)難燃剤、等を挙げることができる。
そして、金属水酸化物系難燃剤は、樹脂中に添加量が多くなるため樹脂の機械的特性を損ねるといった不具合や、珪素系難燃剤は、適用可能な樹脂組成物が限られるといった不具合等がある。また、ハロゲン系難燃剤は、動物や母乳から検出されたり、燃焼時に臭素系ダイオキシン等が発生したりする等といった不具合が生じる虞があることから使用量が減少傾向にある。
そこで、これらの難燃剤の代替として現在注目されているのがリン系難燃剤である。しかしながら、このリン系難燃剤は、樹脂組成物を射出成形する時にガスを発生させたり、樹脂組成物の耐熱性を低下させたりする等といった問題を有している。
また、例えば樹脂組成物としてポリカーボネート樹脂を用いた場合については、金属塩タイプの難燃剤であるポリスチレンスルホン酸塩型の樹脂用難燃剤が提案されている(特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照。)。
しかしながら、これらの提案では、適用可能な樹脂組成物がポリカーボネート樹脂に限定されることや、難燃効果が不十分であることや、樹脂組成物に略均一に分散されない、いわゆる相溶性に乏しい等といった問題があり、さらに難燃効果に優れる樹脂用難燃剤が望まれている。
特に、特許文献3で提案されている樹脂用難燃剤は、水を吸着し易いアミド基やカルボキシル基等を有しており、含有された樹脂組成物を長時間保存すると変色して外観を損なわせたり、樹脂自体が脆くなる、いわゆる機械的強度が低下したりするといった問題が生じる虞がある。
特開2001−181342号公報 特開2001−181444号公報 特開2001−2941号公報
本発明は、樹脂組成物に対する相溶性に優れ、含有された樹脂組成物を長期保存しても外観不良や機械的強度の低下が起こることを抑制できる難燃剤、難燃性樹脂組成物、及び難燃剤の製造方法を提供するものである。
上述した問題を解決するために、発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、所定量のアクリロニトリルをモノマー単位として有するスチレン系ポリマーに、所定量のスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されているものが樹脂用難燃剤として優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る難燃剤は、樹脂組成物に含有させることで当該樹脂組成物に難燃性を付与し、少なくともアクリロニトリルとスチレンとが含有されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを有し、このアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理することにより、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されていることを特徴としている。
また、本発明に係る難燃性樹脂組成物は、樹脂組成物に難燃剤が含有されることで難燃性が付与され、難燃剤が、少なくともアクリロニトリルとスチレンとを含有したアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを有し、このアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理することにより、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されていることを特徴としている。
さらに、本発明に係る難燃剤の製造方法は、樹脂組成物に含有させることで樹脂組成物に難燃性を付与する難燃剤の製造方法であって、少なくともアクリロニトリルとスチレンとが含有されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理することにより、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を導入させることを特徴としている。
さらにまた、本発明に係る難燃剤の製造方法は、樹脂組成物に含有させることで樹脂組成物に難燃性を付与する難燃剤の製造方法であって、少なくともアクリロニトリルとスチレンとが含有する粉末状のアクリロニトリル−スチレン系ポリマーをSOガスと反応させてスルホン化処理することにより、粉末状のアクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を導入させることを特徴としている。
本発明によれば、水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理することでスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを難燃剤として用いることで、難燃性を適切に付与することが可能な樹脂組成物の種類を多くでき、樹脂組成物に難燃剤を略均一に分散させることが可能になる。
また、本発明によれば、スルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを難燃剤として樹脂組成物に含有させることで、長期保存したときに外観不良や機械的強度の低下が起こることのない優れた難燃性樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明を適用した難燃剤、難燃性樹脂組成物、難燃剤の製造方法について詳細に説明する。
本発明を適用した難燃性樹脂組成物は、例えば家電製品や繊維等に用いられる樹脂材料であり、被難燃樹脂である樹脂組成物に難燃剤が含有されることで難燃性が付与されたものである。
難燃性樹脂組成物に含有される難燃剤は、少なくともアクリロニトリルとスチレンとを含有するポリマーに、所定量のスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されたものである。
具体的に、アクリロニトリルとスチレンとを含有するポリマー(以下、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーと記す。)としては、例えばアクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル-塩素化ポリエチレン-スチレン樹脂(ACS)、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート共重合体(ASA)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES)、アクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレン樹脂(AEPDMS)等を挙げることができ、これらのうち何れか一種若しくは複数種を混合して用いることができる。
そして、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにおいては、含有されるアクリロニトリル単位が1モル%〜90モル%の範囲であり、好ましくは10モル%〜80モル%の範囲であり、さらに好ましくは20モル%〜70モル%の範囲である。
アクリロニトリル−スチレン系ポリマー中に含有されるアクリロニトリル単位が1モル%より少なくなると、難燃性樹脂組成物中に略均一に分散させることが困難になる、すなわち樹脂組成物に対する難燃剤の相溶性が悪くなり、優れた難燃性を得ることができなくなる。一方、アクリロニトリル−スチレン系ポリマー中に含有されるアクリロニトリル単位が90モル%より多くなると、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーに対するスルホン酸基やスルホン酸塩基の導入率が低くなり、難燃性樹脂組成物に対して難燃性を付与する効果が低くなる。
また、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにおいては、含有されるスチレン単位が1モル%〜99モル%の範囲であり、好ましくは10モル%〜90モル%の範囲であり、さらに好ましくは20モル%〜80モル%の範囲である。
アクリロニトリル−スチレン系ポリマー中に含有されるスチレン単位が該ポリマー中のスチレン単位が1モル%より少なくなると、スルホン酸基やスルホン酸塩基の導入率が低くなり、良好な難燃性を得られなくなってしまう。一方、アクリロニトリル−スチレン系ポリマー中に含有されるスチレン単位が99モル%より多くなると、樹脂組成物に対する難燃剤の相溶性が悪くなり、優れた難燃性を得ることが困難になる。
なお、アクリロニトリル単位とスチレン単位は、交互に共重合されていても良いし、ブロック重合されているものであっても良いが、難燃性樹脂組成物に対して難燃性を適切に付与させるためには交互共重合されているものがより好ましい。
また、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにおいては、その重量平均分子量が1000〜10000000の範囲であり、好ましくは5000〜1000000の範囲であり、さらに好ましくは20000〜500000の範囲である。
アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにおいては、重量平均分子量が5000〜10000000の範囲から外れる場合、被難燃樹脂に略均一に難燃剤を分散させることが困難、すなわち相溶性が低下し、難燃性樹脂組成物に対して適切に難燃性を付与することができなくなる。
そして、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにおいては、スチレン単位はベンゼン環を保有していることから、後述するスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を導入されるときに貢献し、一方、アクリロニトリル単位は樹脂組成物に対する相溶性を向上させるために貢献する。
また、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーには、例えば使用済みとなった回収材や工場内で排出された端材を用いることもできる。すなわち、難燃剤においては、原料となるアクリロニトリル−スチレン系ポリマーがリサイクル性に優れており、低コスト化を図ることができる。
アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を導入する方法としては、例えばアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを所定のスルホン化剤でスルホン化処理する方法がある。
この場合にアクリロニトリル−スチレン系ポリマーをスルホン化処理するのに用いるスルホン化剤としては、例えば含有する水分が3重量%未満のものが望ましい。具体的に、スルホン化剤としては、例えば無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、ポリアルキルベンゼンスルホン酸類等を挙げることができ、これらのうち何れか一種若しくは複数種を混合して用いる。また、スルホン化剤としては、例えばアルキル燐酸エステルやジオキサン等のルイス塩基との錯体物も用いることができる。
スルホン化剤として水分が96重量%の濃硫酸等を用いた場合、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーをスルホン化させて難燃剤を製造する際に、ポリマー中のシアノ基が加水分解されて吸水効果の高いアミド基やカルボキシル基に転換され、これらアミド基やカルボキシル基を含有する難燃剤が生成される。このようなアミド基やカルボキシル基等を多量に含んだ難燃剤を用いると、難燃性樹脂組成物に対して高い難燃性を付与することはできるものの、時間経過とともに外部から水分を吸収して、難燃性樹脂組成物が変色して外観を損なわせたり、樹脂の機械的強度を劣化させたりするといった不具合の原因になる虞がある。具体的に、特開2001−2941号公報等で提案されているポリスチレンスルホン酸塩型の難燃剤はこの類である。
以上のことを考慮すると、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン化処理を施す方法としては、例えばアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを有機溶剤(塩素系溶剤)に溶解した状態の溶液に、所定のスルホン化剤を所定量添加して反応させる方法がある。この他にも、例えば有機溶媒中に粉末状のアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを分散させた状態(非溶解状態)の分散溶液に、所定のスルホン化剤を所定量添加して反応させる方法がある。さらには、例えばアクリロニトリル−スチレン系ポリマーをスルホン化剤に直接投入して反応させる方法や、粉末状のアクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン化ガス、具体的には無水硫酸(SO)ガスを直接吹きかけて反応させる方法等もある。これらの方法の中でも、有機溶剤を使用しない粉末状のアクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン化ガスを直接吹き付けて反応させる方法がより好ましい。
そして、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーには、例えばスルホン酸基(−SOH)の状態、スルホン酸塩基の状態、アンモニアやアミン化合物で中和された状態で導入される。具体的に、スルホン酸塩基としては、例えばスルホン酸Na塩基、スルホン酸K塩基、スルホン酸Li塩基、スルホン酸Ca塩基、スルホン酸Mg塩基、スルホン酸Al塩基、スルホン酸Zn塩基、スルホン酸Sb塩基、スルホン酸Sn塩基等を挙げることができる。
そして、難燃剤においては、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーに、スルホン酸基よりスルホン酸塩基で導入された方が、難燃性樹脂組成物に対し、より高い難燃性を付与することができる。
また、難燃剤において、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーに導入されるスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基の導入量としては、難燃剤中に含有される硫黄(S)成分を目安にしている。具体的には、難燃剤中に硫黄成分が0.001重量%〜16重量%の範囲で含有され、好ましくは0.01重量%〜10重量%の範囲で含有され、さらに好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲で含有されている。
難燃剤中に含有される硫黄成分が0.001重量%よりも少ないと、アクリロニトリル−スチレンポリマーに導入されるスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基の導入量が少なすぎて、難燃性樹脂組成物に対して難燃性を付与することが困難になる。一方、難燃剤中に含有される硫黄成分が16重量%よりも多くなると、アクリロニトリル−スチレンポリマーに導入されるスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基の導入量が多すぎて、樹脂組成物との相溶性が低下したり、時間経過と共に難燃性樹脂組成物の機械的強度が劣化したり、燃焼時にブルーミング時間が長くなったりする虞がある。
上述した難燃剤が含有されることで難燃性が付与される樹脂組成物、すなわち難燃性樹脂組成物の原料となる被難燃樹脂としては、例えばポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスルホン(PSF)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリブタジエン(PB)、ポリイソプレン(PI)、ニトリルゴム(アクリロニトリル-ブタジエンラバー)、ナイロン、ポリ乳酸(PLA)等を挙げることができ、これらのうち何れか一種類以上を5重量%以上含有している樹脂組成物を用いる。すなわち、これらの被難燃樹脂は、一種類で用いてもよいし、複数種を混合した混合物(アロイ)として用いてよい。
上述した難燃剤が含有されることで特に効果的に難燃性が付与される被難燃樹脂としては、例えばPC、ABS、(HI)PS、AS、PPO、PBT、PET、PVC、PLA、ABS/PCアロイ、PS/PCアロイ、AS/PCアロイ、HIPS/PCアロイ、PET/PCアロイ、PBT/PCアロイ、PVC/PCアロイ、PLA(ポリ乳酸)/PCアロイ、PPO/PCアロイ、PS/PPOアロイ、HIPS/PPOアロイ、ABS/PETアロイ、PET/PBTアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種類以上を用いることができる。
そして、被難燃樹脂には、上述した難燃剤と同様、例えば使用済みとなった回収材や工場内で排出された端材を用いることもできる。すなわち、難燃性樹脂組成物においては、原料となる被難燃樹脂がリサイクル性に優れており、低コスト化を図ることができる。
以上のような構成の難燃性樹脂組成物においては、水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理することでスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを難燃剤として用いており、難燃性を適切に付与することが可能な被難燃樹脂の種類を多くできる。
また、この難燃性樹脂組成物においては、難燃剤となるアクリロニトリル−スチレン系ポリマーのアクリロニトリル単位が、難燃剤を被難燃樹脂中に略均一に分散させるように作用することから、優れた難燃性を得ることができる。
さらに、この難燃性樹脂組成物においては、含有される難燃剤が水分量3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理されることで得られたものであり、難燃剤中に吸水効果の高いアミド基やカルボキシル基が導入されることがないことから、長期保存中に水分を吸って変色して外観を損ねたり、機械的強度が低下したりするといった不具合を抑制できる。
さらにまた、難燃性樹脂組成物においては、難燃剤の含有量は0.0001重量%〜30重量%の範囲であり、好ましくは0.001重量%〜10重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.01重量%〜3重量%の範囲である。
難燃剤の含有量が0.0001重量%より少なくなると、難燃性樹脂組成物に対して難燃性を効果的に付与することが困難になる。一方、難燃剤の含有量が30重量%より多くなると、被難燃性樹脂組成物が逆に燃焼し易くなる。
すなわち、この難燃剤は、被難燃樹脂に少量加えることで難燃性が効果的に付与された難燃性樹脂組成物を得ることができるものである。
以上で説明した難燃性樹脂組成物においては、上述した難燃剤の他に、さらに難燃性を高める目的で、例えば従来公知の難燃剤等を添加させることもできる。
従来公知の難燃剤としては、例えば有機リン酸エステル系難燃剤、ハロゲン化リン酸エステル系難燃剤、無機リン系難燃剤、ハロゲン化ビスフェノール系難燃剤、ハロゲン化合物系難燃剤、アンチモン系難燃剤、窒素系難燃剤、ほう素系難燃剤、金属塩系難燃剤、無機系難燃剤、珪素系難燃剤等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
具体的に、有機リン酸エステル系難燃剤としては、例えばトリフェニルフォスフェート、メチルネオベンジルフォスフェート、ペンタエリスリトールジエチルジフォスフェート、メチルネオペンチルフォスフェート、フェニルネオペンチルフォスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、ジネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカテコールフォスファイト、エチルピロカテコールフォスフェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェート等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
ハロゲン化リン酸エステル系難燃剤としては、例えばトリス(βークロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(βーブロモエチル)ホスフェート、トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、縮合型ポリホスフェート、縮合型ポリホフホネート等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
無機リン系難燃剤としては、例えば赤燐、無機系リン酸塩等が挙げられ、これらのうちの一種若しくは両方を混合して用いることが可能である。
ハロゲン化ビスフェノール系難燃剤としては、例えばテトラブロモビスフェノールA及びこのオリゴマー、ビス(ブロモエチルエーテル)テトラブロモビスフェノールA等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
ハロゲン化合物系難燃剤としては、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモ無水フタル酸、(テトラブロビスモフェノール)エポキシオリゴマー、ヘキサブロモビフェニルエーテル、トリブロモフェノール、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、デカブロモジフェニルオキシド、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化ポリカーボネート共重合体、ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化ポリオレフィン、塩素化パラフィン、パークロロシクロデカン等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
アンチモン系難燃剤としては、例えば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
窒素系難燃剤としては、例えばメラミン、アルキル基又は芳香族置換メラミン、メラミンシアヌレート、イソシアヌレート、メラミンフォスフェート、トリアジン、グアニジン化合物、尿素、各種シアヌール酸誘導体、フォスファゼン化合物等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
ほう素系難燃剤としては、例えばほう素酸亜鉛、メタほう素酸亜鉛、メタほう酸バリウム等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
金属塩系難燃剤としては、例えばパーフルオロアルカンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ハロゲン化アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
無機系難燃剤としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、塩基性炭酸マグネシウム、水素化ジルコニウム、酸化スズの水和物等の無機金属化合物の水和物、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等の金属酸化物、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、チタン、マンガン、スズ、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、タングステン、アンチモン等の金属粉、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
そして、無機系難燃剤の中でも、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、マグネシウムの含水ケイ酸塩であるタルク、塩基性炭酸マグネシウム、マイカ、ハイドロサルサイト、アルミ等が難燃性や経済性の観点から好適である。なお、使用済みとなった回収材や工場内で排出された端材等を無機系難燃剤として用いることができる。
珪素系難燃剤としては、例えばポリオルガノシロキサン樹脂(シリコーン、有機シリケート等)、シリカ等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。そして、ポリオルガノシロキサン樹脂としては、例えばポリメチルエチルシロキサン樹脂、ポリジメチルシロキサン樹脂、ポリメチルフェニルシロキサン樹脂、ポリジフェニルシロキサン樹脂、ポリジエチルシロキサン樹脂、ポリエチルフェニルシロキサン樹脂やこれら混合物等を挙げることができる。
これらポリオルガノシロキサン樹脂のアルキル基部分には、例えばアルキル基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基、メルカプト基、エポキシ基、ビニル基、アリールオキシ基、ポリオキシアルキレン基、水素基、ハロゲン等の官能基が含有されていても良く、特にアルキル基、アルコキシ基、水酸基、ビニル基等が含有されることが好ましい。
そして、ポリオルガノシロキサン樹脂としては、その平均分子量が100以上、好ましくは500〜5000000の範囲であり、その形態については、例えばオイル状、ワニス状、ガム状、粉末状、ペレット状のいずれであっても良い。また、シリカについては、炭化水素系化合物のシランカップリング剤で表面処理されたものが好適である。
以上で説明した従来公知の難燃剤は、その種類や必要とされる難燃性のレベルや被難燃樹脂の種類によって異なるが、その含有量は、通常、被難燃樹脂に対して0.001重量%〜50重量%の範囲であり、好ましくは0.01重量%〜30重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1重量%〜10重量%の範囲である。
また、難燃性樹脂組成物においては、上述した難燃剤の他に、機械的強度の向上や、さらなる難燃性の向上を図る目的で、例えば従来公知の無機充填剤等を添加させることもできる。
従来公知の無機充填剤としては、例えば結晶性シリカ、溶融シリカ、アルミナ、マグネシア、タルク、マイカ、カオリン、クレー、珪藻土、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、ガラス繊維、弗化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシウム、炭素繊維、カーボンナノチューブ、チタン酸カリウム繊維等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。これらの無機充填剤の中でも、タルク、マイカ、カーボン、ガラス、カーボンナノチューブを用いることが好ましい。
無機充填剤は、難燃性樹脂組成物に対して0.1重量%〜90重量%の範囲、好ましくは0.5重量%〜50重量%の範囲、さらに好ましくは1重量%〜30重量%の範囲で含有されている。
無機充填剤の含有量が0.1重量%より少なくなると、難燃性樹脂組成物の剛性や難燃性の改善効果が低くなる。一方、無機充填剤の含有量が90重量%より多くなると、難燃性樹脂組成物を射出成形する際に溶融した難燃性樹脂組成物の流動性が低下したり、機械的強度が低下したりするといった不具合が起こる虞がある。
さらに、難燃性樹脂組成物においては、上述した難燃剤の他に、燃焼時のドリップ現象を抑制する目的で、例えばフルオロオレフィン樹脂等を添加させることもできる。
ドリップ現象を抑制できるフルオロオレフィン樹脂としては、例えばジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン系モノマーとの共重合体等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
これらのフルオロオレフィン樹脂の中でも、特にテトラフルオロエチレン重合体等を用いることが好ましく、その平均分子量は50000以上であり、好ましくは100000〜20000000の範囲である。なお、フルオロオレフィン樹脂としては、フィブリル形成能を有するものがより好ましい。
フルオロオレフィン樹脂は、難燃性樹脂組成物に対して0.001重量%〜5重量%の範囲、好ましくは0.005重量%〜2重量%の範囲、さらに好ましくは0.01重量%〜0.5重量%の範囲で含有されている。
フルオロオレフィン樹脂の含有量が0.001重量%より少なくなると、ドリップ現象を抑制させることが困難になる。一方、フルオロオレフィン樹脂の含有量が5重量%より多くなると、ドリップ現象を抑制できる効果が飽和し、コスト高になったり、機械的強度が低下したりするといった不具合が起こる虞がある。
さらにまた、難燃性樹脂組成物においては、上述した難燃剤の他に、射出成形性、耐衝撃性、外観、耐熱性、耐候性、剛性等の改善を目的で、例えば酸化防止剤(フェノール系、リン系、硫黄系)、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、可塑剤、相溶化剤、着色剤(顔料、染料)、抗菌剤、加水分解防止剤、表面処理剤等を添加させることもできる。
そして、以上で説明した難燃性樹脂組成物は、難燃剤、被難燃樹脂、及びその他の添加剤等を、例えばタンブラー、リブレンダー、ミキサー、押出機、コニーダ等といった混練装置にて略均一に分散された後に、射出成形、射出圧縮成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、プレス成形、発泡成形、超臨界成形等といった成形法により所定の形状に成形された状態で得られる。
そして、難燃性樹脂組成物からなる成形品は、例えば家電製品、自動車、情報機器、事務機器、電話機、文房具、家具、繊維等の各種製品の難燃性が付与された筐体や部品材として、種々の分野で用いられる。
以下、上述した本発明を実証するための実施例、及び実施例に対して比較するための比較例について説明する。
先ず、実施例及び比較例に含有される難燃剤として実施サンプル及び比較サンプルを作製した。
〈実施サンプル1〉
実施サンプル1を作製する際は、先ず、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーとして32メッシュ以下に粉砕したアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(アクリロニトリル単位:39モル%、スチレン単位:50モル%、ブタジエン単位:11モル%)3gを、シクロヘキサン24gを注入した丸底フラスコに投入して分散させ、スラリー状のポリマー溶液を調製した。次に、ポリマー溶液に無水硫酸7gを加えて1時間室温下で攪拌することでアクリロニトリル−スチレン系ポリマーに対してスルホン化処理を行った。次に、フラスコ中の残留ガスをエアーバブリングにて除去した後に、グラスフィルターにて固体の濾過を行った。次に、得られた固体を水に投入し水酸化カリウムでpHを7になるように調整した後に、再度、グラスフィルターで濾過を行い、乾燥(真空乾燥機:50℃×10時間)することで茶褐色の難燃剤を得た。すなわち、難燃剤としてスルホン酸基が導入されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーが得られた。
そして、得られた難燃剤について、燃焼フラスコ法による元素分析を行ったところ、得られた難燃剤中に含まれる硫黄成分は14重量%であった。また、フーリエ変換赤外分光高度計(FT−IR)にて難燃剤の成分分析を行ったところ、アミド基やカルボキシル基に由来する特性吸収は確認されなかった。
〈実施サンプル2〉
実施サンプル2を作製する際は、先ず、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーとして使用済みの業務用カセット内の透明リール材を粉砕し、83メッシュパスの粉末状となったアクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(アクリロニトリル単位:44モル%、スチレン単位:56モル%)2gを丸底フラスコに投入し、そのまま攪拌した状態で発煙硫酸3gから発生するSOガスを室温下で4時間かけて吹き込むことでアクリロニトリル−スチレン系ポリマーに対してスルホン化処理を行った。次に、フラスコ中にエアーを送り込むことで丸底フラスコラから残留SOガスを取り除き、その後、水を加えて水酸化ナトリウムで水のpHを7に調整した。次に、グラスフィルターにより固体(改質樹脂)を濾過し、乾燥(真空乾燥機:50℃×10時間)することで白色粉末状の難燃剤を得た。すなわち、実施サンプル2も、スルホン酸基が導入されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーである。
そして、得られた難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、難燃剤中に含有される硫黄成分を測定したところ、硫黄成分は2.1重量%であった。また、実施サンプルと同様に難燃剤の成分分析を行ったところ、アミド基やカルボキシル基に由来する特性吸収は確認されなかった。
〈実施サンプル3〉
実施サンプル3では、スルホン化処理を行った時間を10分としたこと以外は、上述した実施サンプル2と同様にして白色粉末状の難燃剤を得た。そして、得られた難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、難燃剤中に含有される硫黄成分を測定したところ、硫黄成分は0.05重量%であった。また、実施サンプルと同様に難燃剤の成分分析を行ったところ、アミド基やカルボキシル基に由来する特性吸収は確認されなかった。すなわち、実施サンプル3も、スルホン酸基が導入されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーである。
〈比較サンプル1〉
比較サンプル1では、アクリロニトリル−スチレン系ポリマーの代わりにポリスチレン樹脂(分子量:2万)を用いたこと以外は、上述した実施サンプル2と同じ用にして難燃剤を得た。すなわち、比較サンプル1は、各実施サンプルとは異なり、ポリスチレン樹脂にスルホン酸基が導入されたものである。
そして、得られた難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、難燃剤中に含有される硫黄成分を測定したところ、硫黄成分は2.2重量%であった。また、実施サンプルと同様に難燃剤の成分分析を行ったところ、アミド基やカルボキシル基に由来する特性吸収は確認されなかった。
〈比較サンプル2〉
比較サンプル2では、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(重量平均分子量:1.8万)を難燃剤として用いる。そして、この難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、難燃剤中に含有される硫黄成分を測定したところ、硫黄成分は14重量%であった。また、実施サンプルと同様に難燃剤の成分分析を行ったところ、アミド基やカルボキシル基に由来する特性吸収は確認されなかった。
〈比較サンプル3〉
比較サンプル3では、スルホン化処理に用いるスルホン化剤として96重量%の濃硫酸を80℃に加熱を行い、これに実施サンプル2と同じ樹脂粉末を投入して1時間反応した。反応終了後、固形物の濾過を行い、2度目の水洗時に水酸化ナトリウムでpH7に調整した。その後、濾過した固形物を乾燥して難燃剤を得た。そして、得られた難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、難燃剤中に含有される硫黄分を測定したところ、硫黄分は8重量%であった。また、実施サンプルと同様に難燃剤の成分分析を行ったところ、アミド基やカルボキシル基に由来する特性吸収が確認された。すなわち、比較サンプル3は、スルホン酸基の他に、アミド基やカルボキシル基が導入されたアクリロニトリル−スチレンポリマーである。
次に、以上のようにして得られた実施サンプル及び比較サンプル、すなわち難燃剤を所定の被難燃樹脂に含有させて実施例及び比較例を作製した。
〈実施例1〉
実施例1では、被難燃樹脂としてポリカーボネート樹脂(ビスフェノールA型)(以下、PCと記す。)を99.8重量部と、難燃剤として実施サンプル2を0.1重量部と、ドリップ抑制剤としてポリテトラフルオロエチレン(フィブリル形成性)(以下、PTFEと記す。)を0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製し、この難燃性樹脂前駆体を押出機に供給して所定の温度で混練し、ペレット化した後、このペレットを射出成形機に投入して所定の温度で射出形成して厚みが1.5mmの難燃性樹脂組成物からなる短冊状の試験片を形成した。
〈実施例2〉
実施例2では、被難燃樹脂としてPC84.3重量部及びアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(アクリロニトリル/ポリブタジエン/スチレン=24/20/56:重量比)(以下、ABS樹脂と記す。)15重量部と、難燃剤として実施サンプル1を0.1重量部と、その他の難燃剤である珪素系難燃剤としてポリメチルフェニルシロキサン(以下、SIと記す。)を0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例3〉
実施例3では、被難燃樹脂としてPC89.2重量部及びゴム変性ポリスチレン(ポリブタジエン/ポリスチレン=10/90:重量比)(以下、HIPS樹脂と記す。)10重量部と、難燃剤として実施サンプル3を0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例4〉
実施例4では、被難燃樹脂としてPC89.5重量部及びアクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(アクリロニトリル/スチレン=25/75:重量比)(以下、AS樹脂と記す。)10重量部と、難燃剤として実施サンプル1を0.2重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.1重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.2重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例5〉
実施例5では、被難燃樹脂としてPC84重量部及びポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)15重量部と、難燃剤として実施サンプル2を0.2重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例6〉
実施例6では、被難燃樹脂としてPC48.8重量部及びポリ乳酸(以下、PLAと記す。)50重量部と、難燃剤として実施サンプル2を0.5重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.2重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例1〉
比較例1では、被難燃樹脂としてPC99.8重量部と、難燃剤として比較サンプル1を0.1重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例2〉
比較例2では、被難燃樹脂としてPC99.8重量部と、難燃剤として比較サンプル2を0.1重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例3〉
比較例3では、被難燃樹脂としてPC99.8重量部と、難燃剤として比較サンプル3を0.1重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例4〉
比較例4では、被難燃樹脂としてPC84.3重量部及びABS樹脂15重量部と、難燃剤として比較サンプル2を0.1重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例5〉
比較例5では、被難燃樹脂としてPC89.2重量部及びHIPS樹脂10重量部と、難燃剤として比較サンプル1を0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例6〉
比較例6では、被難燃樹脂としてPC89.5重量部及びAS樹脂10重量部と、難燃剤として比較サンプル3を0.2重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.1重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.2重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例7〉
比較例7では、被難燃樹脂としてPC84重量部及びPET15重量部と、難燃剤として比較サンプル2を0.2重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例8〉
比較例8では、被難燃樹脂としてPC48.8重量部及びPLA50重量部と、難燃剤として比較サンプル1を0.5重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.2重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
次に、得られた各実施例及び各比較例について、燃焼性試験と外観検査とを行った。
ここでの燃焼性試験は、UL94(アンダーライターズラボラトリー・サブジェクト94)のV−0、V−1、V−2規格に従って垂直燃焼試験を行った。具体的には、各実施例及び各比較例の試験片を各5個ずつ用意し、略垂直状に指示した短冊状試験片に対して下側からバーナー炎をあてて10秒間保ち、その後、バーナー炎を短冊状試験片から離す。炎が消えれば直ちにバーナー炎をさらに10秒間あてた後、バーナー炎を離す。このとき、1回目と2回目の接炎終了後の有炎燃焼持続時間、2回目の接炎終了後の有炎燃焼持続時間及び無炎燃焼持続時間の合計、5本全ての試験片の有炎燃焼時間の合計、燃焼滴下物の有無で判定する。そして、V−0規格は、1回目、2回目ともに10秒以内に、V−1、V−2規格は、1回目、2回目ともに30秒以内に有炎燃焼を終えたときである。また、2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼持続時間との合計がV−0規格は30秒以内、V−1及びV−2規格は60秒以内である。さらに、5本の試験片の有炎燃焼時間の合計がV−0規格は50秒以内、V−1及びV−2規格は250秒以内である。さらにまた、燃焼落下物は、V−2規格のみに許容される。すなわち、UL燃焼試験法(UL94)においては、V−0、V−1、V−2規格の順で難燃性が高くなる。
また、外観検査は、各実施例及び各比較例の試料片を80℃雰囲気下、湿度80%の恒温恒湿槽内に30日間曝した後に、試験片の外観を目視で確認し、変色が無かった場合は○印で示し、変色が生じた場合は×印で示した。
以下、表1に、各実施例及び各比較例における燃焼性試験と外観検査について評価した結果を示す。
Figure 0004196861
表1に示す評価結果から、難燃剤中にアクリロニトリル単位を含有する実施例1は、難燃剤中にアクリロニトリル単位を含有しない比較例1及び比較例2に比べ、難燃性が優れていることがわかる。
また、表1に示す評価結果から、比較例3は、難燃剤中に水等を吸収し易いアミド基やカルボキシル基が存在する場合、難燃性樹脂組成物に難燃性はある程度付与されるものの長期保存による経時変化を受け易く、変色、具体的には樹脂中に斑点(同ポリマーが水分を吸収したもの)が発生し、外観が損なわれていることがわかる。
さらに、表1に示す評価結果から、本発明が適用された実施サンプルを難燃剤として含有した実施例2〜実施例6は、本発明が適用されていない比較サンプルを難燃剤として含有する比較例4〜比較例8に比べ、難燃性及び外観が両立された難燃性樹脂組成物であることがわかる。
以上ことから、難燃性樹脂組成物を作製するに際して、水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理されてスルホン酸基が導入されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを難燃剤として用いることは、難燃性が適切に付与され、長期保存されても外観不良が生じることのない優れた難燃性樹脂組成物を得る上で大変重要であることがわかる。

Claims (12)

  1. 樹脂組成物に含有させることで当該樹脂組成物に難燃性を付与する難燃剤において、
    少なくともアクリロニトリルとスチレンとが含有されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを有し、このアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理することにより、上記アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されている難燃剤。
  2. 上記スルホン化剤は、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、ポリアルキルベンゼンスルホン酸のうちの何れか一種以上である請求項1記載の難燃剤。
  3. 上記アクリロニトリル−スチレン系ポリマーは、所定の目的で製造及び/又は使用された樹脂回収物である請求項1記載の難燃剤。
  4. 樹脂組成物に難燃剤が含有されることで難燃性が付与された難燃性樹脂組成物において、
    上記難燃剤は、少なくともアクリロニトリルとスチレンとが含有されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを有し、このアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理することにより、上記アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されている難燃性樹脂組成物。
  5. 上記スルホン化剤は、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、ポリアルキルベンゼンスルホン酸のうちの何れか一種以上である請求項記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 上記樹脂組成物は、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン、熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエンラバー、ナイロンのうちの何れか1種類以上を3重量%以上含有している請求項記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 上記樹脂組成物及び/又は上記アクリロニトリル−スチレン系ポリマーは、所定の目的で製造及び/又は使用された樹脂回収物である請求項記載の難燃性樹脂組成物。
  8. ドリップ抑制剤として、フルオロオレフィン樹脂が含有されている請求項記載の難燃性樹脂組成物。
  9. 樹脂組成物に含有させることで当該樹脂組成物に難燃性を付与する難燃剤の製造方法であって、
    少なくともアクリロニトリルとスチレンとが含有されたアクリロニトリル−スチレン系ポリマーを水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理することにより、上記アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を導入させる難燃剤の製造方法。
  10. 上記スルホン化剤として、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、ポリアルキルベンゼンスルホン酸のうちの何れか一種以上を用いる請求項記載の難燃剤の製造方法。
  11. 上記アクリロニトリル−スチレン系ポリマーとして、所定の目的で製造及び/又は使用された樹脂回収物を用いる請求項記載の難燃剤の製造方法。
  12. 樹脂組成物に含有させることで当該樹脂組成物に難燃性を付与する難燃剤の製造方法であって、
    少なくともアクリロニトリルとスチレンとが含有される粉末状のアクリロニトリル−スチレン系ポリマーをSOガスと反応させてスルホン化処理することにより、上記アクリロニトリル−スチレン系ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を導入させる難燃剤の製造方法。
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