JP2002114981A - 難燃剤、難燃性樹脂組成物及び難燃性樹脂成形体 - Google Patents

難燃剤、難燃性樹脂組成物及び難燃性樹脂成形体

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JP2002114981A
JP2002114981A JP2001246575A JP2001246575A JP2002114981A JP 2002114981 A JP2002114981 A JP 2002114981A JP 2001246575 A JP2001246575 A JP 2001246575A JP 2001246575 A JP2001246575 A JP 2001246575A JP 2002114981 A JP2002114981 A JP 2002114981A
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JP2001246575A
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Takefumi Nakanaga
偉文 中長
Tadao Yabuhara
忠男 藪原
Yuji Tada
祐二 多田
Yoichi Nishioka
洋一 西岡
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ハロゲンを含まず、高融点、低揮
発性で且つ樹脂本来の特性を低下させない等の利点を備
えた難燃剤を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の難燃剤は、一般式(3) 【化1】 [式中mは3〜25の整数を示す。R1はシアノ置換フ
ェニル基を示す。R2は炭素数1〜18のアルキル基等
を示す。R2が2個以上ある場合には、R2は同一であっ
てもよいし、異なっていてもよい。p及びqは、p>
0、q≧0であり、p+q=2を満足する実数であ
る。]で表される環状ホスファゼン化合物及び一般式
(4) 【化2】 [式中R1、R2、p及びqは前記に同じ。nは3〜10
00の整数を示す。X’は基−P(OR14等を示し、
Y’は基−N=P(OR13等を示す。]で表される直
鎖状ホスファゼン化合物からなる群より選ばれた少なく
とも1種のホスファゼン化合物からなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃剤、難燃性樹脂
組成物及び難燃性樹脂成形体に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】プラスチックスはその
優れた成形加工性、機械的特性、外観等の特徴から、電
器・電子製品、OA機器、事務機器及び通信機器等の用
途に使用されている。これらの用途では、内部部品の発
熱発火等の問題から樹脂の難燃化が必要とされている。
【0003】熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に難燃性を
付与するためには、樹脂成形前に難燃剤を添加する方法
が一般的である。難燃剤としては、無機水酸化物、有機
リン化合物、有機ハロゲン化合物、ハロゲン含有有機リ
ン化合物等が知られている。
【0004】これらの中で難燃効果の優れた難燃剤は、
有機ハロゲン化合物、ハロゲン含有有機リン化合物等の
ハロゲン含有化合物である。
【0005】しかしながら、これらハロゲン含有化合物
は、樹脂成形時に熱分解してハロゲン化水素を発生し、
金型の腐食や樹脂の劣化及び着色を惹起する。また、火
災等により樹脂が燃焼する際にはハロゲン化水素等の生
物に対する有害ガスや煙を発生するという問題点を有し
ている。
【0006】一方、ハロゲンを含まない難燃剤は、水酸
化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機水酸化物
や有機リン化合物である。
【0007】ところが、無機水酸化物は、熱分解で生じ
る水により難燃性が発現されるため、難燃効果が低く、
そのために多量に添加せねばならないが、多量添加によ
り、樹脂本来の特性が損なわれるという欠点がある。
【0008】また、有機リン化合物は比較的良好な難燃
効果が得られることから広く用いられており、代表的な
ものとしてトリフェニルホスフェイト(TPP)、トリ
クレジルホスフェイト(TCP)等が知られている。し
かしながら、これらの有機リン化合物は液体もしくは低
融点固体であるため揮発性が高く、樹脂の成形温度を低
下させたり、混練時のブロッキングや滲みだし(ジュー
シング)等の問題がある。
【0009】更に、これらの有機リン化合物を含む樹脂
組成物には、燃焼中にドリッピング(溶融した樹脂の滴
下)及びそれに起因する延焼が起るという欠点がある。
従って、有機リン化合物を樹脂に添加し、難燃性能を評
価する上での基準となる難燃性試験UL−94(プラス
チックの燃焼試験規格、Testing for Flammability of
Plastic MaterialS for Parts in Devices & Applianc
es)で「評価V−0(燃焼が一定時間以上継続せず、綿
を発火させる、溶融滴下がない)」を達成するために
は、燃焼時の溶融樹脂の滴下防止剤として、例えば、ポ
リ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)等のフッ素系樹脂
を添加する必要がある。しかし、これらのフッ素樹脂が
ハロゲン元素を含有し、燃焼時に人体に有毒なガスを発
生することは既に述べた通りである。
【0010】このため、ハロゲンを含まず、高融点、低
揮発性で且つ機械的特性、成形加工性等の樹脂本来の特
性を低下させず、混練時のブロッキングや滲みだし等の
問題がなく、燃焼中にドリッピングを起こさない新規難
燃剤の開発が望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の一部架橋した
フェノキシホスファゼン化合物が、所望の難燃剤になり
得ることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき
完成されたものである。
【0012】本発明によれば、一般式(1)
【0013】
【化9】
【0014】[式中mは3〜25の整数を示す。Phは
フェニル基を示す。]で表される環状ホスファゼン化合
物及び一般式(2)
【0015】
【化10】
【0016】[式中Xは基−N=P(OPh)3又は基
−N=P(O)OPhを示し、Yは基−P(OPh)4
又は基−P(O)(OPh)2を示す。nは3〜100
0の整数を示す。Phは前記に同じ。]で表される直鎖
状ホスファゼン化合物からなる群より選ばれた少なくと
も1種のホスファゼン化合物が、o−,m−,p−フェ
ニレン基、ビフェニレン基及び基
【0017】
【化11】
【0018】[式中Aは−C(CH32−、−SO
2−、−S−又は−O−を示す。]からなる群より選ば
れた少なくとも1種の架橋基により架橋されている化合
物であって、該架橋基は上記ホスファゼン化合物のフェ
ニル基が脱離した2個の酸素原子間に介在しており、架
橋化合物中のフェニル基の含有割合が上記ホスファゼン
化合物(1)及び/又は(2)中の全フェニル基の総数
を基準に50〜99.9%であることを特徴とする架橋
フェノキシホスファゼン化合物からなる難燃剤(以下、
この難燃剤を「難燃剤A」という)が提供される。
【0019】本発明の架橋フェノキシホスファゼン化合
物からなる難燃剤Aは、ハロゲンを含まず、従って樹脂
成型時に熱分解してハロゲン化水素を発生し、金型の腐
食や樹脂の劣化及び着色を惹起することはなく、また火
災等により樹脂が燃焼する際にはハロゲン化水素等の生
物に対する有害ガスや煙を発生することはない。また本
発明の架橋フェノキシホスファゼン化合物は、揮発性が
低く、樹脂の成形温度を低下させることはなく、また混
練時のブロッキングや滲みだし(ジューシング)、燃焼
時のドリッピング等の問題が生じることはない。更に難
燃剤Aの配合により耐衝撃性等の機械的特性、耐熱性、
成形加工性等の樹脂本来の特性を低下させることもな
い。
【0020】また、本発明によれば、(a)熱可塑性樹
脂又は熱硬化性樹脂100重量部に対し、難燃剤Aを
0.1〜100重量部配合した難燃性樹脂組成物、
(b)熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂100重量部に対
し、難燃剤A0.1〜100重量部及び無機質充填剤
0.01〜50重量部を配合した難燃性樹脂組成物、
(c)熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂100重量部に対
し、難燃剤A0.1〜50重量部及びハロゲンを含有し
ない有機リン化合物0.1〜50重量部を配合した難燃
性樹脂組成物、並びに(d)熱可塑性樹脂100重量部
に対し、難燃剤A0.1〜100重量部及びフッ素樹脂
0.01〜2.5重量部を配合した難燃性樹脂組成物が
提供される。
【0021】また、本発明によれば、上記(a)〜
(d)の難燃性樹脂組成物を成形して得ることのできる
難燃性樹脂成形体が提供される。
【0022】更に、上記一般式(1)で表される環状ホ
スファゼン化合物及び一般式(2)で表される直鎖状ホ
スファゼン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1
種のホスファゼン化合物を、無機質充填剤又はハロゲン
を含有しない有機リン化合物と併用する場合にも、上記
のような本発明の所期の効果が発現されることを見い出
した。
【0023】本発明によれば、一般式(1)で表される
環状ホスファゼン化合物及び一般式(2)で表される直
鎖状ホスファゼン化合物からなる群より選ばれた少なく
とも1種のホスファゼン化合物からなる難燃剤(以下、
この難燃剤を「難燃剤B」という)が提供される。
【0024】また、本発明によれば、(e)熱可塑性樹
脂又は熱硬化性樹脂100重量部に対し、難燃剤B0.
1〜100重量部及び無機質充填剤0.01〜50重量
部を配合した難燃性樹脂組成物、並びに(f)熱可塑性
樹脂又は熱硬化性樹脂100重量部に対し、難燃剤B
0.1〜50重量部及びハロゲンを含有しない有機リン
化合物0.1〜50重量部を配合した難燃性樹脂組成物
が提供される。
【0025】また、本発明によれば、上記(e)〜
(f)の難燃性樹脂組成物を成形して得ることのできる
難燃性樹脂成形体が提供される。
【0026】更に、下記一般式(3)で表される環状ホ
スファゼン化合物及び一般式(4)で表される直鎖状ホ
スファゼン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1
種のホスファゼン化合物を難燃剤として用いる場合に
も、上記のような本発明の所期の効果が発現されること
を見い出した。
【0027】本発明によれば、一般式(3)
【0028】
【化12】
【0029】[式中mは前記に同じ。R1はシアノ置換
フェニル基を示す。R2は炭素数1〜18のアルキル
基、基
【0030】
【化13】
【0031】又は基
【0032】
【化14】
【0033】を示す。ここでR3は水素原子、シアノ
基、炭素数1〜10のアルキル基、アリル基又はフェニ
ル基を示す。R2が2個以上ある場合には、R2は同一で
あってもよいし、異なっていてもよい。p及びqは、p
>0、q≧0であり、p+q=2を満足する実数であ
る。]で表される環状ホスファゼン化合物及び一般式
(4)
【0034】
【化15】
【0035】[式中n、R1、R2、p及びqは前記に同
じ。X’は基−P(OR14、基−P(OR13(OR
2)基、−P(OR12(OR22、基−P(OR1
(OR23、基−P(OR24、基−P(O)(O
12、基−P(O)(OR1)(OR2)又は基−P
(O)(OR22を示し、Y’は基−N=P(O
13、基−N=P(OR12(OR2)、基−N=P
(OR1)(OR22、基−N=P(OR23、基−N
=P(O)OR1又は基−N=P(O)OR2を示す。]
で表される直鎖状ホスファゼン化合物からなる群より選
ばれた少なくとも1種のホスファゼン化合物からなる難
燃剤(以下、この難燃剤を「難燃剤C」という)が提供
される。
【0036】また、本発明によれば、熱可塑性樹脂又は
熱硬化性樹脂100重量部に対し、難燃剤C0.1〜1
00重量部を配合した難燃性樹脂組成物が提供される。
【0037】また、本発明によれば、上記難燃性樹脂組
成物を成形して得ることのできる難燃性樹脂成形体が提
供される。
【0038】
【発明の実施の形態】難燃剤 (a) 難燃剤A まず、難燃剤Aにつき説明する。
【0039】本発明の架橋フェノキシホスファゼン化合
物は、ジクロルホスファゼンオリゴマー(環状のジクロ
ルホスファゼンオリゴマーと直鎖状のジクロルホスファ
ゼンオリゴマーとの混合物)にフェノールのアルカリ金
属塩及び芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩を
反応させることにより製造できる。ジクロルホスファゼ
ンオリゴマーは、環状のジクロルホスファゼンオリゴマ
ーと直鎖状のジクロルホスファゼンオリゴマーとを分離
して各々単独で用いてもよい。フェノールのアルカリ金
属塩と芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩は、
これらを混合して反応に供してもよいし、フェノールの
アルカリ金属塩を反応させ更に芳香族ジヒドロキシ化合
物のアルカリ金属塩を反応させてもよいし、或いはその
逆でもよい。
【0040】ジクロルホスファゼンオリゴマーは、特開
昭57−87427号公報、特公昭58−19604号
公報、特公昭61−1363号公報、特公昭62−20
124号公報等の公知の方法に従って製造できる。その
一例を示せば、まずクロルベンゼンを溶媒とし、塩化ア
ンモニウムと五塩化リン(又は塩化アンモニウムと三塩
化リンと塩素)とを、120〜130℃程度で反応させ
て、脱塩酸化すればよい。
【0041】フェノールのアルカリ金属塩としては、フ
ェノールのNa塩、K塩、Li塩等を例示できる。また
芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩としては、
その分子内に1又は2個以上のベンゼン環を有し且つ2
個のヒドロキシ基を有する公知化合物のアルカリ金属塩
をいずれも使用でき、例えば、レゾルシノール、ハイド
ロキノン、カテコール、4,4’−イソプロピリデンジ
フェノール(ビスフェノール−A)、4,4’−スルホ
ニルジフェノール(ビスフェノール−S)、4,4’−
チオジフェノール、4,4’−オキシジフェノール、
4,4’−ジフェノール等のアルカリ金属塩等を挙げる
ことができる。アルカリ金属塩としては特に制限はない
が、Li塩が好ましい。芳香族ジヒドロキシ化合物のア
ルカリ金属塩は、1種を単独で使用でき又は2種以上を
併用できる。
【0042】ジクロルホスファゼンオリゴマーに対する
フェノールのアルカリ金属塩と芳香族ジヒドロキシ化合
物のアルカリ金属塩の使用量は、両アルカリ金属塩の合
計量で、通常1〜1.5当量程度(ジクロルホスファゼ
ンオリゴマーの塩素量を基準として)、好ましくは1〜
1.2当量程度(塩素量を基準として)とすればよい。
また、両アルカリ金属塩の使用比(芳香族ジヒドロキシ
化合物のアルカリ金属塩/フェノールのアルカリ金属
塩、モル比)は特に制限はなく広い範囲から適宜選択で
きるが、通常1/2000〜1/4程度とすればよい。
この範囲内で、本発明の所望の架橋フェノキシホスファ
ゼン化合物を得ることができる。
【0043】この使用比が1/2000より著しく小さ
いと、架橋化合物の効果が低くなり、溶融滴下防止等の
前記課題の解決が困難になる可能性がある。一方、使用
比が1/4より大幅に大きくなると、架橋が進み過ぎ
て、得られる架橋フェノキシホスファゼン化合物が不
溶、不融となり、樹脂への分散性が低下する虞れが生ず
る場合がある。
【0044】ジクロルホスファゼンオリゴマーと両アル
カリ金属塩との反応は、通常室温〜150℃程度の温度
下に、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロルベンゼン
等のハロゲン化芳香族炭化水素類等の溶媒中にて行われ
る。
【0045】上記一般式(2)における末端基XとYは
反応条件等により変化し、通常の反応条件で、例えば非
水の系で温和な反応を行った場合には、Xが−N=P
(OPh)3、Yが−P(OPh)4の構造となり、水分
もしくはアルカリ金属水酸化物が反応系内に存在するよ
うな反応条件で又は転移反応が生じるような過酷な反応
条件で反応を行った場合には、Xが−N=P(OPh)
3、Yが−P(OPh)4の構造の他に、Xが−N=P
(O)OPh、Yが−P(O)(OPh)2の構造のも
のが混在する状態となる。
【0046】斯くして本発明の架橋フェノキシホスファ
ゼン化合物が製造される。本発明の架橋フェノキシホス
ファゼン化合物の分解温度は、一般に250〜350℃
の範囲内にある。
【0047】上記の方法において、ジクロルホスファゼ
ンオリゴマーを、芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ
金属塩を使用せずに、フェノールのアルカリ金属塩のみ
を反応させると、上記一般式(1)で表される環状ホス
ファゼン化合物や一般式(2)で表される直鎖状ホスフ
ァゼン化合物が生成する。ところが、芳香族ジヒドロキ
シ化合物のアルカリ金属塩を、フェノールのアルカリ金
属塩と共に用いると、上記一般式(1)で表される環状
ホスファゼン化合物や一般式(2)で表される直鎖状ホ
スファゼン化合物中のフェニル基の一部が架橋基で置き
換えられた本発明の架橋フェノキシホスファゼン化合物
が生成する。
【0048】本発明の架橋フェノキシホスファゼン化合
物中のフェニル基の含有割合は、上記ホスファゼン化合
物(1)及び/又は(2)中の全フェニル基の総数を基
準に50〜99.9%であり、好ましくは70〜90%
である。
【0049】上記で得られる本発明の架橋フェノキシホ
スファゼン化合物は、通常の単離方法、例えば洗浄、濾
過、乾燥等の従来公知の慣用方法に従い、反応混合物か
ら単離、精製される。
【0050】(b) 難燃剤B 次に難燃剤Bにつき説明する。
【0051】一般式(1)で表される環状ホスファゼン
化合物及び一般式(2)で表される直鎖状ホスファゼン
化合物は、いずれも公知の化合物である。これらのホス
ファゼン化合物は、例えば James E. Mark, Harry R. A
llcock, Robert West 著、"Inorganic Polymers " Pret
ice-Hall International, Inc., 1992, p61-p140 に記
載されている。
【0052】一般式(1)で表される環状ホスファゼン
化合物及び一般式(2)で表される直鎖状ホスファゼン
化合物は、例えば上記架橋フェノキシホスファゼン化合
物の製造の際に、芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ
金属塩を使用しない以外は上記と同様の方法により製造
される。
【0053】上記で得られるホスファゼン化合物は、通
常の単離方法、例えば洗浄、濾過、乾燥等の従来公知の
慣用方法に従い、反応混合物から単離、精製される。
【0054】一般式(1)で表される環状ホスファゼン
化合物を具体的に例示すると、例えば塩化アンモニウム
と五塩化リンとを、120〜130℃で反応して得られ
るヘキサクロルシクロトリホスファゼン、オクタクロル
シクロテトラホスファゼン等の環状及び直鎖状のnが3
〜25の整数で表されるクロルホスファゼン混合物にフ
ェノキシ基が置換したホスファゼン化合物、前記クロル
ホスファゼン混合物からヘキサクロルシクロトリホスフ
ァゼン、オクタクロルシクロテトラホスファゼン、デカ
クロルシクロペンタホスファゼン等の単一物を取り出
し、これらの単一物にフェノキシ基が置換したヘキサフ
ェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシ
クロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタ
ホスファゼン等の環状ホスファゼン化合物等が挙げられ
る。また、一般式(2)で表される直鎖状ホスファゼン
化合物を具体的に例示すると、例えばヘキサクロルシク
ロトリホスファゼンを220〜250℃に加熱し、開環
重合して得られるnが3〜1000の整数で表されるジ
クロルホスファゼンにフェノキシ基が置換した直鎖状ホ
スファゼン化合物等が挙げられる。
【0055】これらの中でも、環状及び直鎖状のnが3
〜25の整数で表されるクロルホスファゼン混合物にフ
ェノキシ基が置換したホスファゼン化合物が好ましい。
【0056】(c) 難燃剤C 次に難燃剤Cにつき説明する。
【0057】一般式(3)で表されるホスファゼン化合
物としては、例えば、R1がシアノ置換フェニル基、R2
が炭素数1〜8のアルキル基、基
【0058】
【化16】
【0059】又は基
【0060】
【化17】
【0061】であり、R3が水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基又はアリル基であり、pが0.3〜1.7、
qが0.3〜0.7である環状ホスファゼン化合物が好
ましい。
【0062】また、一般式(4)で表されるホスファゼ
ン化合物としては、例えば、R1がシアノ置換フェニル
基、R2が炭素数1〜8のアルキル基、基
【0063】
【化18】
【0064】又は基
【0065】
【化19】
【0066】であり、R3が水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基又はアリル基であり、pが0.3〜1.7、
qが0.3〜0.7である直鎖状ホスファゼン化合物が
好ましい。
【0067】R1で示されるシアノ置換フェニルとして
は、例えば2−シアノフェニル、3−シアノフェニル、
4−シアノフェニル基等が挙げられる。
【0068】更に詳しくは、一般式(3)又は(4)で
表されるホスファゼン化合物としては、例えば、シアノ
フェノキシ基とフェノキシ基を混合置換した、シクロト
リホスファゼン、シクロテトラホスファゼン、シクロペ
ンタホスファゼン等の環状ホスファゼン化合物、又は直
鎖状ホスファゼン化合物が挙げられる。
【0069】上記シアノフェノキシ基とフェノキシ基を
混合置換した環状ホスファゼン化合物の具体例として、
例えば、モノシアノフェノキシペンタフェノキシシクロ
トリホスファゼン、ジシアノフェノキシテトラフェノキ
シシクロトリホスファゼン、トリシアノフェノキシトリ
フェノキシシクロトリホスファゼン、テトラシアノフェ
ノキシジフェノキシシクロトリホスファゼン、及びペン
タシアノフェノキシモノフェノキシシクロトリホスファ
ゼン等のシクロトリホスファゼン化合物、モノシアノフ
ェノキシペプタフェノキシシクロテトラホスファゼン、
ジシアノフェノキシヘキサフェノキシシクロテトラホス
ファゼン、トリシアノフェノキシペンタフェノキシシク
ロテトラホスファゼン、テトラシアノフェノキシテトラ
フェノキシシクロテトラホスファゼン、ペンタシアノフ
ェノキシトリフェノキシシクロテトラホスファゼン、ヘ
キサシアノフェノキシジフェノキシシクロテトラホスフ
ァゼン、及びへプタシアノフェノキシモノフェノキシシ
クロテトラホスファゼン等のシクロテトラホスファゼ
ン、及びシアノフェノキシ基とフェノキシ基が混合置換
したシクロペンタホスファゼン化合物等の環状ホスファ
ゼン化合物が挙げられる。
【0070】また、直鎖状のホスファゼン化合物として
は、例えばシアノフェノキシ基とフェノキシ基が混合置
換した直鎖状のホスファゼン化合物が挙げられる。
【0071】これらホスファゼン化合物は1種単独で使
用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
【0072】上記ホスファゼン化合物の中でも、その製
法及び入手容易性等の観点から、シアノフェノキシ基と
フェノキシ基を混合置換したホスファゼンオリゴマー
(環状物と直鎖状物の混合物)が好ましい。シアノフェ
ノキシ基とフェノキシ基との含有割合が1:7〜7:1
であるホスファゼンオリゴマーが特に好ましい。
【0073】本発明のシアノフェノキシ基を有するホス
ファゼン化合物(一般式(3)又は(4)で表されるホ
スファゼン化合物)は、種々の方法により製造される。
【0074】シアノフェノキシ基を有するホスファゼン
化合物の製造原料として、例えば、下記の反応式−1に
示すように、塩化アンモニウムと五塩化リンを、120
〜130℃で反応して得られるヘキサクロルシクロトリ
ホスファゼン、オクタクロルシクロテトラホスファゼン
等の環状及び直鎖状のホスファゼン化合物を使用でき
る。この反応において、溶媒としてはテトラクロロエタ
ン、クロルベンゼン等の溶媒を用いることができる。反
応式−1
【0075】
【化20】
【0076】また、上記製造原料として、上記反応式−
1に示す方法で得られる環状及び直鎖状混合物からヘキ
サクロルシクロトリホスファゼンを取り出し、これを2
20〜250℃に加熱し、開環重合して得られるジクロ
ロホスファゼンを直鎖状ホスファゼン化合物として使用
できる(下記反応式−2参照)。反応式−2
【0077】
【化21】
【0078】本発明のシアノフェノキシ基を有するホス
ファゼン化合物の製造方法としては、例えば上記で得ら
れた環状乃至直鎖状ホスファゼン化合物と、所望の比で
混合したシアノフェノールのアルカリ金属塩とフェノー
ル(芳香環上に炭素数1〜10のアルキル基、アリル
基、フェニル基が置換しているフェノールを含む)、ナ
フトール(芳香環上に炭素数1〜10のアルキル基、ア
リル基、フェニル基が置換しているナフトールを含む)
及び炭素数1〜18のアルコールからなる群より選ばれ
た少なくとも1種(以下これらを「フェノール類」とい
う)のアルカリ金属塩との混合物とを反応させる方法が
挙げられる。
【0079】例えば、所望の比で混合したシアノフェノ
ール及びフェノール類と、水酸化ナトリウムの混合物か
ら脱水反応を行い、シアノフェノールのナトリウム塩及
びフェノール類のナトリウム塩を調製する。この脱水反
応では、単に水を除けばよく、溶媒を使用してもよい
し、使用しなくてもよい。溶媒を使用する場合には、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン及びクロルベンゼン等が選
ばれ、それら溶媒との共沸により、脱水効率が上がる場
合もある。次に、シアノフェノールのナトリウム塩及び
フェノール類のナトリウム塩に、上記で得られた環状乃
至直鎖状のホスファゼン化合物を添加後、50〜150
℃で1〜24時間加熱し、置換反応を行い、目的のシア
ノフェノキシ基を有するホスファゼン化合物を得ること
ができる。反応式−3
【0080】
【化22】
【0081】目的のシアノフェノキシ基を有するホスフ
ァゼン化合物は前記のように脱水反応と置換反応とから
製造することができる。各操作の効率を考慮すると、溶
媒としてクロルベンゼンが選ばれる。クロルベンゼンを
溶媒として用いた場合、この置換反応はクロルベンゼン
の還流温度で12時間程度行えば完結する。
【0082】また、上記以外の製法として、分離精製し
たジクロロホスファゼンの環状物もしくは直鎖状物にシ
アノフェノールのアルカリ金属塩とフェノール類のアル
カリ金属塩とを反応させる方法や、ジクロルホスファゼ
ンオリゴマーにシアノフェノールのアルカリ金属を反応
させ、次にフェノール類のアルカリ金属塩を逐次的に反
応させる方法等が挙げられる。
【0083】上記で得られるシアノフェノキシ基を有す
るホスファゼン化合物は、通常の単離方法、例えば洗
浄、濾過、乾燥等の従来公知の慣用方法に従い、反応混
合物から単離、精製される。
【0084】難燃性樹脂組成物 本発明の難燃性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂又は熱硬化
性樹脂に上記難燃剤A、B又はCが配合されたものであ
る。以下特に断わらない限り、本発明の難燃性樹脂組成
物とは、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれかをマ
トリックスとする樹脂組成物を総称するものとする。
【0085】(a) 熱可塑性樹脂 本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、従来公知の
ものを広く使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリイソプレン、ポリエステル(ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリ
ブタジエン、スチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン、ア
クリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、
メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂(M
BS樹脂)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン樹脂(MABS樹脂)、アクリ
ロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂(AAS樹
脂)、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリカーボネ
ート、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリア
ミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリアリレー
ト、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリ
チオエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリベ
ンズイミダゾール、ポリカルボジイミド、ポリアミドイ
ミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、複合プラス
チック等が挙げられる。
【0086】これらの熱可塑性樹脂の中でも、ポリエス
テル、ABS樹脂、ポリカーボネート、変性ポリフェニ
レンエーテル、ポリアミド等を好ましく使用できる。
【0087】本発明において、熱可塑性樹脂は、1種単
独で又は2種以上混合して使用される。
【0088】(b) 熱硬化性樹脂 熱硬化性樹脂としては、従来公知のものを広く使用で
き、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿
素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることがで
きる。
【0089】これらの熱硬化性樹脂の中でも、ポリウレ
タン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等
を特に好ましく使用できる。
【0090】エポキシ樹脂としては特に制限はなく、従
来から知られているものを広く使用することができる。
その一例として、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、
ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−
AD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪
族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジ
ルアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ウレ
タン変性エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール−A型エ
ポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0091】本発明において、熱硬化性樹脂は、1種を
単独で又は2種以上を混合して使用される。
【0092】これらの熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に
対する難燃剤A、難燃剤B又は難燃剤Cの配合割合とし
ては、特に限定されるものではないが、通常熱可塑性樹
脂又は熱硬化性樹脂100重量部当たり0.1〜100
重量部、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5
〜30重量部とするのがよい。
【0093】(c) 無機質充填剤 本発明の難燃性樹脂組成物には、ドリッピング防止性を
より一層向上させるために、無機質充填剤を配合するこ
とができる。
【0094】従来、これらの無機質充填剤は主に樹脂の
機械的物性を向上させるための補強材として使用されて
きた。しかし、本発明者は、樹脂中に上記難燃剤と無機
質充填剤とを共存させることにより、これらが相乗的に
作用し、機械的物性の向上だけでなく、上記難燃剤の難
燃効果、特にドリッピング防止効果が著しく高められる
ことを見い出した。
【0095】上記難燃剤と無機質充填剤が樹脂中で共存
する場合、樹脂表面層が緻密且つ強固になり、燃焼時に
おける樹脂表面での生成ガスの拡散を抑制し、更に上記
難燃剤の炭化層(チャー)の形成を促進することによ
り、優れた難燃効果が発現するものと考えられる。特に
難燃剤Bの場合には、無機質充填剤と併用することが必
須である。
【0096】無機質充填剤としては公知の樹脂充填剤が
使用でき、例えば、マイカ、カオリン、タルク、シリ
カ、クレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、酸化チタン、
硝子ビーズ、硝子バルーン、硝子フレーク、ガラス繊
維、繊維状チタン酸アルカリ金属(チタン酸カリウム繊
維等)、繊維状ホウ酸遷移金属塩(ホウ酸アルミニウム
繊維等)、繊維状ホウ酸アルカリ土類金属塩(ホウ酸マ
グネシウム繊維等)、酸化亜鉛ウィスカー、酸化チタン
ウィスカー、酸化マグネシウムウィスカー、石膏ウィス
カー、珪酸アルミニウム(鉱物名ムライト)ウィスカ
ー、珪酸カルシウム(鉱物名ワラストナイト)ウィスカ
ー、炭化珪素ウィスカー、炭化チタンウィスカー、窒化
珪素ウィスカー、窒化チタンウィスカー、炭素繊維、ア
ルミナ繊維、アルミナ−シリカ繊維、ジルコニア繊維、
石英繊維等を挙げることができる。
【0097】これら無機質充填剤の中でも、繊維状チタ
ン酸アルカリ金属、繊維状ホウ酸遷移金属塩、繊維状ホ
ウ酸アルカリ土類金属塩、酸化亜鉛ウィスカー、酸化チ
タンウィスカー、酸化マグネシウムウィスカー、珪酸ア
ルミニウムウィスカー、珪酸カルシウムウィスカー、炭
化珪素ウィスカー、炭化チタンウィスカー、窒化珪素ウ
ィスカー、窒化チタンウィスカー等の繊維状物やマイカ
等の形状異方性を有するものが好ましく、繊維状チタン
酸アルカリ金属、繊維状ホウ酸遷移金属塩、繊維状ホウ
酸アルカリ土類金属塩、酸化チタンウィスカー、珪酸カ
ルシウムウィスカー等が特に好ましい。
【0098】これらの無機質充填剤は、1種を単独で使
用でき又は2種以上を併用できる。
【0099】これらの無機充填剤の中でも、ウィスカー
類やマイカ等の形状異方性を有するものを好ましく使用
できる。
【0100】尚、無機充填剤の一つであるチタン酸カリ
ウム繊維としては、通常平均繊維径が0.05〜2.0
μm程度、平均繊維長が1〜500μm程度で、好まし
くはアスペクト比(繊維長/繊維径)が10以上の六チ
タン酸カリウム繊維等を挙げることができる。これらの
中でも、pH6.0〜8.5の六チタン酸カリウム繊維
が特に好ましい。ここで、チタン酸カリウム繊維のpH
とは、チタン酸カリウム繊維の1.0重量%懸濁水(脱
イオン水を使用)を10分間撹拌後、20℃で測定した
pH値をいう。チタン酸カリウム繊維のpHが8.5を
大幅に越えると、樹脂の物性の低下及び耐熱変色性の低
下が起る場合があり、好ましくない。一方pHが6.0
を極端に下回ると、得られる樹脂組成物の強度の向上効
果が低下するのみならず、残留する酸により、加工機
械、金型を腐蝕する原因にもなるので、好ましくない。
【0101】熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に対する無
機質充填剤の配合割合としては、特に限定されるもので
はないが、機械的物性の向上と難燃性能の向上のバラン
スを考慮すると、通常熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂1
00重量部当たり0.01〜50重量部、好ましくは1
〜20重量部とするのがよい。
【0102】(d) ハロゲンを含有しない有機リン化合物 本発明の難燃性樹脂組成物には、その難燃性をより一層
向上させるために、ハロゲンを含有しない有機リン化合
物(以下「ハロゲンフリー有機リン化合物」という)を
配合することができる。
【0103】従来、ハロゲンフリー有機リン化合物が樹
脂等のマトリックスの難燃性を向上させることは公知で
ある。しかしながら、本発明者は、本発明において使用
する特定のホスファゼン化合物とハロゲンフリー有機リ
ン化合物とを併用した場合には、相乗効果が発現され、
難燃効果が著しく高められることを見い出した。このよ
うな顕著な効果が達成される理由は未だ充分明らかでは
ないが、両者の併用により、燃焼時、樹脂組成物表面に
炭化層が形成されると共に、膨張層が形成され、両層が
分解生成物の拡散や伝熱を抑制しているためと考えられ
る。
【0104】ハロゲンフリー有機リン化合物としては、
従来公知のものを広く使用できる。例えば特公平6−1
9003号公報、特開平2−115262号公報、特開
平5−1079号公報、特開平6−322277号公
報、米国特許第5122556号明細書等に記載のもの
を挙げることができる。
【0105】より具体的には、例えばトリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリルホス
フェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシリル
ジフェニルホスフェート、トリルジキシリルホスフェー
ト、トリス(ノリルフェニル)ホスフェート、(2−エ
チルヘキシル)ジフェニルホスフェート等のリン酸エス
テル、レゾルシノールジフェニルホスフェート、ハイド
ロキノンジフェニルホスフェート等の水酸基含有リン酸
エステル、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェー
ト)、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェー
ト)、ビスフェノール−Aビス(ジフェニルホスフェー
ト)、ビスフェノール−Sビス(ジフェニルホスフェー
ト)、レゾルシノールビス(ジキシリルホスフェー
ト)、ハイドロキノンビス(ジキシリルホスフェー
ト)、ビスフェノール−Aビス(ジトリルホスフェー
ト)、ビフェノール−Aビス(ジキシリルホスフェー
ト)、ビスフェノール−Sビス(ジキシリルホスフェー
ト)等の縮合リン酸エステル化合物、トリラウリルホス
フィン、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィンオキシド、トリトリルホス
フィンオキシド等のホスフィン又はホスフィンオキシド
化合物等を挙げることができる。
【0106】これらハロゲンフリー有機リン化合物の中
でも、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフ
ェート、トリキシリルホスフェート、レゾルシノールビ
ス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノンビス
(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノール−Aビス
(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジ
キシリルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジキシ
リルホスフェート)、ビスフェノール−Aビス(ジトリ
ルホスフェート)等の縮合リン酸エステル化合物、トリ
フェニルホスフィンオキシド、トリトリルホスフィンオ
キシド等のホスフィンオキシド化合物等が好ましく、特
にトリフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジ
フェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシ
リルホスフェート)、トリフェニルホスフィンオキシド
等が好ましい。
【0107】ハロゲンフリー有機リン化合物は、1種を
単独で使用でき又は2種以上を併用できる。
【0108】ハロゲンフリー有機リン化合物は、難燃剤
A又は難燃剤Bとの併用が特に有効である。
【0109】熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に対するハ
ロゲンフリー有機リン化合物の配合割合としては、特に
限定されるものではないが、機械的物性の向上と難燃性
能の向上のバランスを考慮すると、通常熱可塑性樹脂又
は熱硬化性樹脂100重量部当たり0.1〜50重量
部、好ましくは1〜30重量部とするのがよい。尚、こ
の際の難燃剤の配合割合は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性
樹脂100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、
好ましくは5〜30重量部とするのがよい。
【0110】(e) フッ素樹脂 更に、熱可塑性樹脂をマトリックスとする本発明の難燃
性樹脂組成物には、フッ素樹脂を、本発明の目的を損な
わない範囲内で配合することができる。その配合量とし
ては、特に制限されるものではないが、熱可塑性樹脂1
00重量部当たり通常0.01〜2.5重量部、好まし
くは0.1〜1.2重量部とするのがよい。
【0111】フッ素樹脂としては、従来公知のものを広
く使用でき、例えばポリ四フッ化エチレン樹脂(PTF
E)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹
脂(FEP)、四フッ化エチレン−パーフロロアルキル
ビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレ
ン−エチレン共重合樹脂(ETFE)、ポリ三フッ化塩
化エチレン樹脂(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVdF)等を挙げることができ、特に好ましいのは
PTFEである。フッ素樹脂の添加により、ドリップ防
止効果がより一層発現される。
【0112】フッ素樹脂は、難燃剤Aとの併用が特に有
効である。
【0113】(f) その他の添加剤 本発明の難燃性樹脂組成物は、塩素、臭素等のハロゲン
を含有する化合物を難燃化成分として使用せずに、優れ
た難燃効果を発現する樹脂組成物であるが、通常用いら
れる公知の難燃化のための添加剤を、その優れた効果を
損なわない範囲で適宜組合せて添加することもできる。
【0114】難燃化のための添加剤は、通常、難燃化効
果を発現するものであれば特に制限はなく、酸化亜鉛、
酸化スズ、酸化鉄、酸化モリブデン、酸化銅、二酸化マ
ンガン等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化ジルコニウム、シュウ酸処理した水
酸化アルミニウム、ニッケル化合物で処理した水酸化マ
グネシウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウム、アルキルスルホン酸ナトリウ
ム等のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、塩素化
パラフィン、パークロロシクロペンタデカン、テトラブ
ロモビスフェノール−A、エポキシ樹脂、ビス(トリブ
ロモフェノキシ)エタン、ビス(テトラブロムフタルイ
ミノ)エタン等の有機塩素化合物又は有機臭素化合物、
三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ン、アンチモン酸ナトリウム等のアンチモン化合物、赤
燐、ハロゲン含有リン酸エステル化合物、ハロゲン含有
縮合リン酸エステル化合物又はホスホン酸エステル化合
物、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンホスフ
ェート、メラム、メレム、メロン、サクシノグアナミ
ン、スルファミン酸グアニジン、硫酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、アルキル
アミンリン酸塩等の窒素含有化合物、硼酸亜鉛、メタ硼
酸バリウム、硼酸アンモニウム等の硼素化合物、シリコ
ーンポリマー、シリカ等の珪素化合物、熱膨脹性のグラ
ファイト等を挙げることができる。
【0115】これらの難燃化のための添加剤は、1種を
単独で使用でき、又は2種以上を併用できる。
【0116】本発明難燃剤Cを配合した難燃性樹脂組成
物には、ルイス酸を微量添加することにより、樹脂の耐
熱性及び難燃性をより一層向上させることができる。ル
イス酸としては、従来公知のものを広く使用でき、例え
ば塩化亜鉛、塩化鉄等を挙げることができる。これらル
イス酸は、1種単独で又は2種以上混合して使用でき
る。またこれらルイス酸は、難燃性樹脂組成物全量中
に、通常0.01〜0.6重量部程度配合するのがよ
い。
【0117】更に、本発明難燃性樹脂組成物には、その
優れた特性を損なわない範囲で、従来から公知の各種樹
脂添加剤を適宜組合せて配合することができる。樹脂添
加剤としては、例えば、上記以外の難燃剤、ドリップ防
止剤(滴下防止剤)、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防
止剤、遮光剤、金属不活性剤、消光剤、耐熱安定剤、潤
滑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、老化防止剤、可塑
剤、衝撃強度改良剤、相溶化剤等を挙げることができ
る。
【0118】上記紫外線吸収剤は、光エネルギーを吸収
して、分子内プロトン移動することによりケト型分子と
なったり(ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール系)、
又はシス−トランス異性化することにより(シアノアク
リレート系)、熱エネルギーとして放出、無害化するた
めの成分である。その具体例としては、例えば2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキ
シベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロ
キシベンゾフェノン類、2−(2’−ヒドロキシ−5’
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−
t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−t−5’−メチルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,
2’−メチレンビス(4−t−オクチル−6−ベンゾト
リアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール類、フェニルサリシレー
ト、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−t
−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾ
エート類、2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、
2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オ
キザニリド類、及びエチル−α−シアノ−β,β−ジフ
ェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル
−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシア
ノアクリレート類等が挙げられる。
【0119】光安定剤は、光エネルギーにより生成した
ハイドロパーオキサイドを分解し、安定なN−O・ラジ
カルやN−OR、N−OHを生じ、安定化させるための
成分であり、例えばヒンダードアミン系光安定剤を挙げ
ることができる。その具体例としては、例えば2,2,
6,6,−テトラメチル−4−ピペリジルステアレー
ト、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキ
シレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)−2−ブチル−2−(3’,5’−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒ
ドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6
−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6
−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−t−オク
チリアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミ
ノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s
−トリアジン重縮合物等が挙げられる。
【0120】酸化防止剤は、熱成形時又は光暴露によ
り、生成したハイドロパーオキシラジカル等の過酸化物
ラジカルを安定化したり、生成したハイドロパーオキサ
イド等の過酸化物を分解するための成分である。酸化防
止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、過
酸化物分解剤等が挙げられる。前者はラジカル連鎖禁止
剤として作用し、後者は系中に生成した過酸化物を更に
安定なアルコール類に分解して自動酸化を防止するため
に作用する。
【0121】ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、2−−t−ブチル−6
−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベン
ジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−
(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニ
ル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアク
リレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルキル化ビス
フェノール、テトラキス[メチレン3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオ
ニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,
10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン等を例
示できる。
【0122】過酸化物分解剤としては、例えばトリス
(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト等の有機リン系過酸化物分解剤、ジラウリル
−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−
3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,
3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテト
ラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデ
シル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプ
トベンズイミダゾール等の有機イオウ系過酸化物分解剤
を例示できる。
【0123】遮光剤は、光が高分子バルクに達するのを
防止するための成分である。その具体例としては、例え
ばルチル型酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化クロム(Cr23)、酸化セリウム(CeO
2)等が挙げられる。
【0124】金属不活性剤は、キレート化合物により樹
脂中の重金属イオンを不活性化するための成分である。
その具体例としては、例えばベンゾトリアゾール及びそ
の誘導体(具体的には1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル等)等が挙げられる。
【0125】消光剤は、高分子中の光励起したハイドロ
パーオキサイドやカルボニル基等の官能基をエネルギー
移動によって失活させるための成分であり、具体的には
有機ニッケル等を例示できる。
【0126】また、防曇性、防黴性、抗菌性、或いはそ
の他の機能性を付与する目的で、従来公知の各種添加剤
を更に配合してもよい。
【0127】本発明難燃性樹脂組成物の製造 本発明の難燃性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂又は熱硬化
性樹脂に上記難燃剤及び必要に応じて無機質充填剤、ハ
ロゲンフリー有機リン化合物、フッ素樹脂、難燃化のた
めの各種添加剤、その他の添加剤の所定量又は適量を秤
量して添加し、公知の方法で混合、混練することにより
得ることができる。例えば、粉末、ビーズ、フレーク又
はペレット状の各成分の混合物を、1軸押出機、2軸押
出機等の押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、
2本ロール等の混練機等を用いて混練することにより本
発明の樹脂組成物を得ることができる。また、液体を配
合する必要のある場合には、公知の液体注入装置を用
い、上記の押出機又は混練機等で混練することができ
る。
【0128】本発明難燃性樹脂成形体 本発明の難燃性樹脂組成物を成形することにより、難燃
性樹脂成形体を得ることができる。例えば、プレス成
形、射出成形、押出成形等の従来公知の成形手段より、
樹脂板、シート、フィルム、異形品等の種々の形状の押
出成形品を製造できることは勿論であり、また共押出混
練機等を用いて、二層乃至三層構造の樹脂板を製造する
ことも可能である。
【0129】このようにして得られる本発明の難燃性樹
脂組成物及び難燃性樹脂成形体は、電気・電子・通信、
農林水産、鉱業、建設、食品、繊維、衣類、医療、石
炭、石油、ゴム、皮革、自動車、精密機器、木材、家
具、印刷、楽器等の幅広い産業分野に使用できる。
【0130】より具体的には、本発明の難燃性樹脂組成
物及び難燃性樹脂成形体は、プリンター、パソコン、ワ
ープロ、キーボード、PDA(小型情報端末機)、電話
機、ファクシミリ、複写機、ECR(電子式金銭登録
機)、電卓、電子手帳、電子辞書、カード、ホルダー、
文具等の事務・OA機器、 洗濯機、冷蔵庫、掃除機、
電子レンジ、照明器具、ゲーム機、アイロン、炬燵等の
家電機器、TV、VTR、ビデオカメラ、ラジカセ、テ
ープレコーダー、ミニディスク、CDプレイヤー、スピ
ーカー、液晶ディスプレイ等のAV機器、コネクター、
リレー、コンデンサー、スイッチ、プリント基板、コイ
ルボビン、半導体封止材料、電線、ケーブル、トラン
ス、偏向ヨーク、分電盤、時計等の電気・電子部品及び
通信機器等の用途に使用される。
【0131】また、本発明の難燃性樹脂組成物及び難燃
性樹脂成形体は、座席(詰物、表地等)、ベルト、天井
張り、コンパーチブルトップ、アームレスト、ドアトリ
ム、リアパッケージトレイ、カーペット、マット、サン
バイザー、ホイルカバー、マットレスカバー、エアバッ
ク、絶縁材、吊り手、吊り手帯、電線被服材、電気絶縁
材、塗料、コーティング材、上張り材、床材、隅壁、デ
ッキパネル、カバー類、合板、天井板、仕切り板、側
壁、カーペット、壁紙、壁装材、外装材、内装材、屋根
材、防音板、断熱板、窓材等の自動車、車両、船舶、航
空機及び建築用材料や、衣類、カーテン、シーツ、合
板、合繊板、絨毯、玄関マット、シート、バケツ、ホー
ス、容器、眼鏡、鞄、ケース、ゴーグル、スキー板、ラ
ケット、テント、楽器等の生活・スポーツ用品の各種用
途に使用される。
【0132】
【実施例】以下に合成例、実施例及び比較例を挙げ、本
発明を具体的に説明する。以下において、「部」及び
「%」とあるのは、特に断らない限り、「重量部」及び
「重量%」を意味する。
【0133】合成例1(化合物A;パラフェニレンによ
る架橋構造を有するフェノキシホスファゼン化合物の合
成) 2.04モル(196g)のフェノールと同モル(82
g)の水酸化ナトリウムからトルエンで共沸脱水してナ
トリウムフェノラートの20%トルエン溶液約1200
gを調製した。
【0134】前記反応と並行し、ジクロルホスファゼン
オリゴマー(3量体58.57%、4量体12.26
%、5量体及び6量体11.11%、7量体2.82
%、8量体以上12.04%の混合体)115.9gを
含む20%クロルベンゼン溶液580gを2リットルの
四ツ口フラスコに入れ、撹拌下に、別途調製したハイド
ロキノンのジリチウム塩0.15モル(18.3g)の
10%トルエン溶液を滴下した。滴下後、50℃で5時
間撹拌反応し、引き続いて、先に調製したナトリウムフ
ェノラートの20%トルエン溶液約1200gを撹拌下
に滴下し、100℃で8時間撹拌反応させた。
【0135】反応終了後、反応混合物を濃縮し、水/メ
タノール=1/1容量比の混合溶媒3リットル中に撹拌
下に注入し、希硫酸で中和した後、濾過した。次いで、
3リットルの水/メタノール=1/1容量比の混合溶媒
で2回洗浄、濾過し、80℃、20mmHg下に11時
間加熱真空乾燥して、220gの微黄色粉末を得た。
【0136】上記で得られた架橋フェノキシホスファゼ
ン化合物は明確な融点は示さず、TG/DTA分析によ
る分解開始温度は305℃を示していた。また、リン含
有率及びCHN元素分析値より、この架橋フェノキシホ
スファゼン化合物の組成は、ほぼ[N=P(−O−p−
Ph−O−)0.15(−O−Ph)1.7]であることが判
明した。
【0137】合成例2(化合物B:2,2−ビス(p−
オキシフェニル)プロパン基による架橋構造を有するフ
ェノキシホスファゼン化合物の合成) ビスフェノール−A 86.7g(0.38モル)及び
テトラヒドロフラン(THF)460mlを2リットル
の四ツ口フラスコに入れ、撹拌下、内部の液温を19℃
に保ちつつ、金属Li 3.5g(0.5モル)を裁断
して投入した。投入終了後1時間かけて61℃まで昇
温、61℃〜68℃で4時間撹拌を続けた。反応終了
後、反応混合物のビスフェノール−Aのリチウム塩は白
色スラリーになった。
【0138】フェノール215.6g(2.25モル)
及びトルエン500mlを3リットルの四ツ口フラスコ
に入れ、撹拌下、内部の液温を25℃に保ちつつ、金属
Na34.5g(1.5モル)を裁断して投入した。投
入終了後4時間かけて77℃まで昇温、77℃〜113
℃で3時間撹拌を続けた。反応終了後、反応混合物のナ
トリウムフェノラートは白色スラリーになった。
【0139】ジクロルホスファゼンオリゴマー(濃度3
7.01%、モノクロルベンゼン溶液,3量体58.5
7%、4量体12.26%、5及び6量体11.11
%、7量体2.82%、8量体以上12.04%の混合
体)313.13g(1.0モル)を5リットルの四つ
口フラスコに入れ、撹拌下、内部の液温を20℃に保ち
つつ、ビスフェノール−Aのリチウム塩溶液を1時間か
けて滴下した。内容物は淡黄色ミルク状になった。次い
で撹拌下、内部の液温を20℃に保ちつつ、ナトリウム
フェノラート溶液を1時間かけて滴下した。内容物は褐
色スラリー状になった。滴下終了後47℃で13時間、
撹拌を続けた。淡褐色スラリー状になった。
【0140】反応終了後、反応混合物を濃縮した。次い
で2%NaOH 3リットルで3回洗浄、濾過、水/メ
タノール=1/1容量比の混合溶媒3リットルで3回洗
浄、濾過し、80℃、20mmHg下に11時間加熱真
空乾燥したところ白色の粉末が得られた。収量208.
67g、ジクロルホスファゼンに対する収率86.50
%。
【0141】得られた化合物の加水分解塩素は0.93
%、分解温度は296.0℃、5%減量温度は307.
7℃であった。リン含有率並びにCHN元素分析値より
最終物の組成は、[N=P(−O−Ph−C(CH32
−Ph−O−)0.25(−O−Ph)1.50]であった。
【0142】合成例3(化合物C:メタフェニレンによ
る架橋構造を有するフェノキシホスファゼン化合物の合
成) ハイドロキノンに替えてレゾルシノールを用い、合成例
1と同様に反応と処理を行い、[N=P(−O−m−P
h−O−)0.15(−O−Ph)1.7]の組成の白色粉末
を得た。この架橋フェノキシホスファゼン化合物は明確
な融点は示さず、TG/DTA分析による分解開始温度
は300℃を示していた。
【0143】実施例1 芳香族ポリカーボネート樹脂75部及びABS樹脂25
部からなる樹脂に、合成例1で製造した化合物A 15
部とPTFE 0.2部を添加してミキサーで混合後、
ラボプラストミルを用いて溶融混練し、難燃性樹脂組成
物を得た。
【0144】この組成物を加熱プレスにより1/8イン
チの厚さの試験片を作製し、UL−94の試験法に基づ
く難燃性の評価とASTMのD−648に準じて熱変形
温度の測定を行った。この結果、難燃性はV−0、熱変
形温度は108℃であり、成型時にジューシングは認め
られなかった。
【0145】実施例2 化合物Aに代えて合成例2で製造した化合物Bを使用
し、実施例1と同様に試料作製と評価を行った。この結
果、難燃性はV−0、熱変形温度は111℃であり、成
型時にジューシングは認められなかった。
【0146】実施例3 化合物Aに代えて合成例3で製造した化合物Cを使用
し、実施例1と同様に試料作製と評価を行った。この結
果、難燃性はV−0、熱変形温度は106℃であり、成
型時にジューシングは認められなかった。
【0147】実施例4 実施例1の配合においてPTFEを添加せずに試料作製
を行い、難燃性と熱変形温度の評価を行った。この結
果、難燃性はV−0、熱変形温度109℃であり、成型
時にジューシングは認められなかった。
【0148】比較例1 化合物Aに代えてトリキシリルホスフェイトを使用し、
実施例1と同様に試料作製と評価を行った。この結果、
難燃性はV−2、熱変形温度は82℃であり、成型時に
ジューシングが認められた。
【0149】参考例1 攪拌棒、コンデンサー、滴下ロート及び温度計付フラス
コに、オキシ塩化リン460g(3モル)、レゾルシン
110g(2モル)、フェノール94.1g(1モル)
及び塩化アルミニウム9g(触媒)を同時に仕込み15
0℃まで反応させ、次いでフェノール564.6g(6
モル)を加えて反応させた。反応混合物を水洗後、高温
真空下でトリフェニルホスフェートを留去し、レゾルシ
ノールで架橋した縮合リン酸ジフェニルエステル515
gを得た。
【0150】この縮合リン酸ジフェニルエステルの品
質:黄色液体、平均分子量=540、%P=10.6、
酸価2.2。
【0151】比較例2 化合物Aに代えてレゾルシノールで架橋した縮合リン酸
ジフェニルエステル(参考例1で得られたもの)を使用
し、実施例1と同様に試料作製と評価を行った。この結
果、難燃性はV−2、熱変形温度は89℃であり、成型
時にジューシングが認められた。
【0152】比較例3 難燃剤を添加せず実施例1と同様に試料作製と評価を行
ったところ、試験片は燃焼してしまい、難燃性は全く示
さなかった。熱変形温度は111℃であった。
【0153】実施例5 ポリ(2,6−ジメチル−1,4 −フェニレン)オキ
シド70部及びゴム変性耐衝撃性ポリスチレン30部か
らなる樹脂に、化合物Aを15部を添加してミキサーで
混合後、ラボプラストミルを用いて溶融混練し、難燃性
樹脂組成物を得た。
【0154】この組成物を加熱プレスにより1/8イン
チの厚さの試験片を作製し、UL−94の試験法に基づ
く難燃性の評価とASTMのD−648に準じて熱変形
温度の測定を行った。この結果、難燃性はV−0、熱変
形温度は130℃であり、成型時にジューシングは認め
られなかった。
【0155】実施例6 化合物Aに代えて化合物Bを使用し、実施例5と同様に
試料作製と評価を行った。この結果、難燃性はV−0、
熱変形温度は131℃であり、成型時にジューシングは
認められなかった。
【0156】実施例7 化合物Aに代えて化合物Cを使用し、実施例5と同様に
試料作製と評価を行った。この結果、難燃性はV−0、
熱変形温度は128℃であり、成型時にジューシングは
認められなかった。
【0157】比較例4 化合物Aに代えてトリフェニルホスフェイトを使用し、
実施例5と同様に試料作製と評価を行った。この結果、
難燃性はV−2、熱変形温度は110℃であり、成型時
にジューシングが認められた。
【0158】比較例5 化合物Aに代えて、レゾルシノールで架橋した縮合リン
酸ジフェニルエステル(参考例1で得られたもの)を使
用し、実施例5と同様に試料作製と評価を行った。この
結果、難燃性はV−2、熱変形温度は115℃であり、
成型時にジューシングが認められた。
【0159】比較例6 難燃剤を添加せず実施例5と同様に試料作製と評価を行
ったところ、試験片は燃焼してしまい、難燃性は全く示
さなかった。熱変形温度は133℃であった。
【0160】実施例8 ビスフェノール−A型エポキシ樹脂100部に対し、化
合物Aを10部添加してワニスを調製し、これをガラス
クロスに含浸したのち乾燥してプレプリグを作製した。
続いて、プリプレグを所定枚数重ね、160℃以上で加
熱プレスして厚さ1/16インチのガラスエポキシ板を
作製し、規定寸法に切断して試験片とした。この試験片
を用いてUL−94の試験法に基づく難燃性の評価を行
った結果、難燃性V−0を得た。また加熱プレス時にジ
ューシングは認められなかった。
【0161】実施例9 化合物Aに代えて化合物Cを使用し、実施例8と同様に
試料作製と評価を行った。この結果、難燃性はV−0で
あり、加熱プレス時にジューシングは認められなかっ
た。
【0162】比較例7 化合物Aに代えて、レゾルシノールで架橋した縮合リン
酸ジフェニルエステル(参考例1で得られたもの)を使
用し、実施例8と同様に試料作製と評価を行った。この
結果、難燃性はV−2であり、加熱プレス時にジューシ
ングが認められた。
【0163】比較例8 難燃剤を添加せず実施例8と同様に試料作製と評価を行
ったところ、試験片は燃焼してしまい、難燃性は全く示
さなかった。
【0164】実施例10〜13 合成例2と同様に合成した一般式 −[−N=P(−O−架橋基−O−)x(−O−Ph)
y−]n− で表される化合物を用い、実施例1と同様に難燃性試験
を行った。結果を表1に示す。
【0165】
【表1】
【0166】表1において、Tm(℃)は熱重量分析
(TG/DTA分析)による融解温度、T5(℃)は熱
重量分析での5%減量の温度、Td(℃)は熱重量分析
での分解温度である。
【0167】表1から明らかなように、上記一般式で表
される化合物からなる難燃剤が配合された樹脂組成物の
成形性はいずれも良好であり、ジューシングは認められ
なかった。
【0168】合成例4(化合物D:4,4’−スルホニ
ルジフェニレン(ビスフェノール−S残基)による架橋
構造を有するフェノキシホスファゼンの合成) 1リットルの四つ口フラスコで、フェノール1.28モ
ル(121.14g)とビスフェノール−S 0.01
7モル(4.26g)とをテトラヒドロフラン(TH
F)500mlに溶解し、25℃以下で金属ナトリウム
砕片7.6gを投入し、投入終了後1時間かけて61℃
まで昇温、61℃〜68℃で6時間撹拌を続け、ナトリ
ウムフェノラート混合溶液を調製した。
【0169】前記反応と並行し、ジクロルホスファゼン
オリゴマー(3量体58.57%、4量体12.26
%、5及び6量体11.11%、7量体2.82%、8
量体以上12.04%の混合体)0.5ユニットモル
(58g)を含む20%クロルベンゼン溶液290gを
2リットルの四ツ口フラスコに準備し、この中へ、25
℃以下の冷却・撹拌下に、先に調製した前記ナトリウム
フェノラート混合溶液を滴下した。滴下後、71〜73
℃で15時間撹拌反応した。
【0170】反応終了後、反応混合物を濃縮し、クロル
ベンゼン500mlに再溶解した後、水先、5%NaO
H水洗浄を三回、5%硫酸洗浄、5%重曹水洗浄、水洗
三回を行い、濃縮乾固して淡黄色のワックス状物108
gを得た。収率93.5%。
【0171】このもののGPC分析による重量平均分子
量(Mw)はポリスチレン換算で810であり、TG/
DTA分析による融解温度(Tm)は103℃で、5%
重量減少温度(T5)と分解開始温度(Td)は各々3
30及び347℃であった。
【0172】また、残存塩素量は0.09%であり、燐
含有率並びにCHN元素分析値より、この物の組成はほ
ぼ[N=P(−O−Ph−SO2−Ph−O−)
0.025(−O−Ph)1.95]と決定した。
【0173】合成例5〜6(化合物E及び化合物F:
4,4’−スルホニルジフェニレン(ビスフェノール−
S残基)による架橋構造を有するフェノキシホスファゼ
ンの合成) フェノール1.254モル(118.03g)とビスフ
ェノール−S 0.033モル(8.26g)[或いは
フェノール1.122モル(105.60g)とビスフ
ェノール−S 0.099モル(24.77g)]とを
用い、合成例4と同様に反応、後処理を行い淡黄色のワ
ックス状物を得、分析の結果以下の化合物であることを
確認した。 化合物E: [N=P(−O−Ph−SO2−Ph−O−)0.05(−
O−Ph)1.90] 収率91.5%、残存塩素=0.01%以下、Mw=8
20、Tm=103℃、T5=332℃、Td=347
℃ 化合物F: [N=P(−O−Ph−SO2−Ph−O−)0.15(−
O−Ph)1.70] 収率90.0%、残存塩素=0.11%、Mw=85
0、Tm=102℃、T5=333℃、Td=355
℃。
【0174】合成例7〜8(化合物G及び化合物H:
4,4’−オキシジフェニレン基による架橋構造を有す
るフェノキシホスファゼンの合成) ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル13.4g
(0.066モル)とフェノール111.7g(1.1
88モル)[或いはビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
ーテル26.8g(0.132モル)とフェノール9
9.3g(1.056モル)]並びに金属Na27.6
g(1.2モル)を用いて、合成例4と同スケールで同
様に反応・処理を行い、以下の高粘性化合物を得た。 化合物G: [N=P(−O−Ph−O−Ph−O−)0.1(−O−
Ph)1.8] 収率99.8%、残存塩素=0.01%以下、Mw=1
510、Tm=検出できず、T5=346℃、Td=3
53℃ 化合物H: [N=P(−O−Ph−O−Ph−O−)0.2(−O−
Ph)1.6] 収率97.9%、残存塩素=0.11%、Mw=195
0、Tm=検出できず、T5=318℃、 Td=37
5℃。
【0175】合成例9〜10(化合物I及び化合物J:
4,4’−チオジフェニレン基による架橋構造を有する
フェノキシホスファゼンの合成) 4,4’−チオジフェノール14.4g(0.066モ
ル)[或いは28.8g(0.132モル)]を用い、
合成例7、8と同様に反応と処理を行い、以下の高粘性
化合物を得た。 化合物I: [N=P(−O−Ph−S−Ph−O−)0.1(−O−
Ph)1.8] 収率98.8%、残存塩素=0.09%、Mw=169
0、Tm=検出できず、T5=340℃, Td=34
4℃ 化合物J: [N=P(−O−Ph−S−Ph−O−)0.2(−O−
Ph)1.6] 収率95.1%、残存塩素=0.01%、Mw=305
0、Tm=検出できず、T5=344℃、Td=348
℃。
【0176】合成例11〜12(化合物K及び化合物
L:4,4’−ジフェニレン基による架橋構造を有する
フェノキシホスファゼンの合成) 4,4’−ジフェノール12.3g(0.066モル)
[或いは24.6g(0.132モル)]を用い、合成
例7、8と同様に反応と処理を行い、以下の高粘性化合
物を得た。 化合物K: [N=P(−O−Ph− Ph−O−)0.1(−O−P
h)1.8] 収率99.9%、残存塩素=0.01%、Mw=159
0、Tm=検出できず、T5=348℃,Td=349
℃ 化合物L: [N=P(−O−Ph− Ph−O−)0.2(−O−P
h)1.6] 収率97.0%、残存塩素=0.11%、Mw=190
0、Tm=検出できず、T5=345℃、Td=347
℃。
【0177】実施例14 芳香族ポリカーボネート樹脂75部及びABS樹脂25
部からなる樹脂に、4,4’−スルホニルジフェニレン
(ビスフェノール−S残基)による架橋構造を有するフ
ェノキシホスファゼン(化合物D)15部とPTFE
0.5部を添加してミキサーで混合後、ラボプラストミ
ルを用いて溶融混練し、難燃性樹脂組成物を得た。
【0178】この組成物を加熱プレスにより1/8イン
チの厚さの試験片を作製し、UL−94の試験法に基づ
く難燃性の評価とASTMのD−648に準じて熱変形
温度の測定を行った。この結果、試験片の溶融滴下もな
く難燃性はV−0、熱変形温度は111℃であり、成型
時にジューシングは認められなかった。
【0179】実施例15 化合物E 18部を使用し、PTFEを添加せずに実施
例14と同様に試料作製と評価を行った。結果は、試験
片の綿を発火する溶融滴下もなく難燃性V−0、熱変形
温度112℃であり、成型時にジューシングも認められ
なかった。この結果より、当該化合物はPTFEを使用
せずに所望の難燃性能を発揮し得る化合物であることが
確認され、真の非ハロゲン系難燃性付与剤であることが
実証された。
【0180】実施例16〜22 化合物F〜Lを使用し、実施例13と同様に試料作製と
評価を行った。結果を表2に示す。
【0181】
【表2】
【0182】実施例23 ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシ
ド70部及びゴム変性耐衝撃性ポリスチレン30部から
なる樹脂に、化合物Eの架橋構造を有するフェノキシホ
スファゼン15部を添加してミキサーで混合後、ラボプ
ラストミルを用いて溶融混練し、難燃性樹脂組成物を得
た。
【0183】この組成物を加熱プレスにより1/8イン
チの厚さの試験片を作製し、UL−94のV試験法に基
づく難燃性の評価とASTMのD−648に準じて熱変
形温度の測定を行った。この結果、難燃性はV−0、熱
変形温度は131℃であり、成型時にジューシングは認
められなかった。
【0184】実施例24 化合物Eに代えて化合物Hを使用し、実施例23と同様
に試料作製と評価を行った。この結果、難燃性はV−
0、熱変形温度は133℃であり、成型時にジューシン
グは認められなかった。
【0185】実施例25 化合物Eに代えて化合物Jを使用し、実施例23と同様
に試料作製と評価を行った。この結果、難燃性はV−
0、熱変形温度は130℃であり、成型時にジューシン
グは認められなかった。
【0186】実施例26 ビスフェノール−A型エポキシ樹脂100部に対し、化
合物Dを10部添加してワニスを調製し、これをガラス
クロスに含浸した後、乾燥してプレプリグを作製した。
次いで、プリプレグを所定枚数重ね、160℃以上で加
熱プレスして厚さ1/16インチのガラスエポキシ板を
作製し、規定寸法に切断して試験片とした。 この試験
片を用いてUL−94の試験法に基づく難燃性の評価を
行った結果、難燃性V−0を得た。また、加熱プレス時
にジューシングは認められなかった。
【0187】実施例27 化合物Eに代えて化合物Hを使用し、実施例26と同様
に試料作製と評価を行った。この結果、難燃性はV−0
であり、加熱プレス時にジューシングは認められなかっ
た。
【0188】実施例28 化合物Eに代えて化合物Jを使用し、実施例26と同様
に試料作製と評価を行った。この結果、難燃性はV−0
であり、加熱プレス時にジューシングは認められなかっ
た。
【0189】合成例13(クロルホスファゼンの合成) 99.5%五塩化燐(PCl5)2512g(12モ
ル)、99.5%塩化アンモニウム(NH4Cl)68
8g(12.8モル)、97.0%塩化亜鉛(ZnCl
2)20g(0.16モル)及びモノクロロベンゼン
(MCB)5リットルを温度制御装置、撹拌機及び還流
装置を備えた反応釜に入れ、初めは24℃で反応を開始
し、徐々に昇温し、反応開始後3時間で130℃まで昇
温した。更に130℃〜134℃で2時間、撹拌下に還
流した後、反応混合液を濾過し、白色の濾過残渣76g
を除去し、殆ど無色透明のMCB溶液としてクロルホス
ファゼン6883g(クロルホスファゼン100%換算
として1343g,溶液中のクロルホスファゼン濃度1
9.51%)を得た。収率96.56%(対五塩化
燐)。
【0190】31P−NMRより分析した結果、三量体m
=3(ここでmは上記一般式におけるmを示す。):5
4%,四量体m=4:19%,五量体m≧5:27%で
あった。
【0191】本溶液を濃縮して39.5%クロルホスフ
ァゼン溶液とし、合成例14の原料とした。
【0192】合成例14(フェノキシホスファゼンの合
成) フェノール(PhOH)2931g(31.14モ
ル)、金属Na 596.67g(25.95モル)及
びテトラヒドロフラン(THF)7リットルを、温度制
御装置、撹拌機及び還流装置を備えた反応釜に入れ、撹
拌下に8時間還流した。反応混合液は若干着色。次に、
この溶液に合成例13で得られた39.5%クロルホス
ファゼン溶液(3172.41g)をTHF 5.5リ
ットルに溶解した溶液を、42℃〜79℃の温度下に滴
下した。滴下終了後、撹拌下78℃で10時間還流を継
続した。
【0193】次いで、反応混合物を濃縮後、モノクロロ
ベンゼン8リットル、水5リットル及び5%NaOH水
溶液3リットルに溶解した。これを以下の順序で洗浄し
た。5%NaOH水溶液7リットルで2回、5%塩酸7
リットルで1回、7%NaHCO3水溶液7リットルで
1回、水7リットルで2回。洗浄後、MgSO4を加え
て乾燥し、濃縮した。最後に、80℃、3torr以下
で12時間真空乾燥し、2437gの黄色シャーベット
状のフェノキシホスファゼンを得た。収率97.5%。
【0194】分析結果は次の通りである。31P−NMR
より、三量体m=3:55%,四量体m=4:18%,
五量体m≧5:27%、GPCより重量平均分子量Mw
=720、mp=109℃、5%減量温度Td(5%)
=343℃、分解温度Td=366℃、熱分解後の残渣
%(600℃)=19%、残存PhOH=0.038w
t%、残存MCB=0.042wt%、残存塩素=0.
102%。
【0195】実施例29 芳香族ポリカーボネート樹脂75部及びABS樹脂25
部からなる樹脂に、難燃剤として合成例14で得られた
フェノキシホスファゼン15部及びチタン酸カリウム繊
維(大塚化学(株)製、商品名:TISMO N−10
2、以下同じ)7.5部を添加し、ミキサーで混合後、
ラボプラストミルを用いて溶融混練し、難燃性樹脂組成
物を得た。
【0196】この組成物から加熱プレスにより1/16
インチの厚さの試験を作製し、UL−94の試験法に基
づく難燃性の評価、ASTMのD−648に準じて熱変
形温度を測定した。また、難燃試験時、綿を発火するフ
レミング(Flaming)粒(ドリップ)の有無、ラボプラ
ストミル混練時の揮発ガスの発生の有無、及び試験片成
形後の外観変化について調べた。結果を表3に示す。
【0197】実施例30〜31 実施例29において、チタン酸カリウム繊維に代えてカ
オリン(和光純薬工業(株)試薬)又はマイカ(商品
名:Clarite Mica 400W、(株)クラ
レ製)を用いる以外は、実施例29と同様にして、難燃
性樹脂組成物を得た。これらの組成物の難燃性を実施例
29と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0198】実施例32〜35 実施例29において、合成例2のフェノキシホスファゼ
ンに代えて化合物E〜Hを用いる以外は、実施例29と
同様にして、難燃性樹脂組成物を得た。この組成物の難
燃性を実施例29と同様にして評価した。結果を表3に
示す。
【0199】実施例36 実施例29において、ポリカーボネート樹脂とABS樹
脂とからなる樹脂に代えて、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)オキサイド60部とゴム変性耐衝
撃性ポリスチレン40部とからなる樹脂を使用する以外
は、実施例29と同様にして、難燃性樹脂組成物を得
た。この組成物の難燃性を実施例29と同様にして評価
した。結果を表3に示す。
【0200】実施例37 ビスフェノール−A型エポキシ樹脂100部に対して、
合成例14で合成したフェノキシホスファゼン15部及
びチタン酸カリウム繊維7.5部を添加してワニスを調
製し、これをガラスクロスに含浸した後乾燥してプリプ
レグを作製した。続いて、このプリプレグを所定枚数重
ね、160℃以上で加熱プレスして厚さ1/16インチ
のガラスエポキシ板を作製し、規定寸法に切断して試験
片とした。 この試験片を用いてUL−94の試験法に
基づく燃焼試験、及び熱変形温度の測定を前記した方法
に準じて行った。結果を表3に示す。
【0201】比較例9 チタン酸カリウム繊維を配合しない以外は、実施例29
と同様にして樹脂組成物を得た。この組成物の難燃性を
実施例29と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0202】比較例10 チタン酸カリウム繊維を配合しない以外は、実施例36
と同様にして樹脂組成物を得た。この組成物の難燃性を
実施例29と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0203】比較例11 チタン酸カリウム繊維を配合しない以外は、実施例37
と同様にして樹脂組成物を得た。この組成物の難燃性を
実施例29と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0204】
【表3】
【0205】合成例15(4−シアノフェノキシ基を有
するフェノキシホスファゼンの合成) 攪拌装置、加熱装置、温度計及び脱水装置を備えた容量
2リットルの四ツ口フラスコに4−シアノフェノール
0.44モル(52.4g)、フェノール2.20モル
(207.0g)、水酸化ナトリウム2.64モル(1
05.6g)及びトルエン1000mlを添加した。こ
の混合物を加熱還流し、系から水を除き、シアノフェノ
ール及びフェノールのナトリウム塩のトルエン溶液を調
製した。
【0206】このシアノフェノール及びフェノールのナ
トリウム塩のトルエン溶液に、1ユニットモル(11
5.9g)のジクロロホスファゼンオリゴマー(3量体
59%、4量体12%、5及び6量体11%、7量体3
%、8量体以上の環状及び直鎖状化合物15%の混合
物)を含む20%クロルベンゼン溶液580gを撹拌し
ながら内温30℃以下で滴下した。この混合溶液を12
時間還流した後、反応混合物に5%水酸化ナトリウム水
溶液を添加し2回洗浄した。次に有機層を希硫酸で中和
した後、水洗を2回行い有機層を濾過し、濃縮、真空乾
燥(真空乾燥条件:80℃、5mmHg、12時間)し
て、220gの微黄色粘性液体を得た。使用したジクロ
ロホスファゼンオリゴマーから算出した収率は92%で
あった。
【0207】生成物の残存加水分解性塩素は0.09%
で、1H−NMRスペクトルは7.6〜6.6ppm、
31P−NMRスペクトルは10〜6、−11〜−14、
−16〜−21ppmの範囲にピークを示し、GPCで
測定した重量平均分子量は1500(ポリスチレン換算
の値)であった。
【0208】この生成物の組成は炭素、水素、窒素及び
リンの元素分析結果より、[N=P(OC64CN)
0.33(OPH)1.67]であり、この組成は4−シアノフ
ェノールとフェノールの仕込み比に一致し、目的物が合
成できていることを確認した。この生成物は明確な融点
を示さず、TG/DTA分析による分解温度は327℃
を示した。
【0209】合成例16〜19 合成例15における4−シアノフェノールとフェノール
の使用割合を変え、合成例15と同様の操作で4−シア
ノフェノキシ基を有するフェノキシホスファゼン化合物
の合成を行った。その結果を表4に示す。
【0210】これら生成物の炭素、水素、窒素、塩素及
びリンの元素分析並びに1H−NMR及び31P−NMR
スペクトルの測定結果から、生成物の組成は4−シアノ
フェノールとフェノールの仕込み比に一致し、それぞれ
目的物が合成できていることを確認した。
【0211】
【表4】
【0212】合成例20 合成例15において用いたフェノールを4−イソプロピ
ルフェノールに替え、合成例15と同様の操作で4−シ
アノフェノキシ基を有するイソプロピルフェノキシホス
ファゼン化合物の合成を行った。その結果を表5に示
す。この生成物の炭素、水素、窒素、塩素及びリンの元
素分析と1H−NMR及び31P−NMRスペクトルの測
定結果から、生成物の組成は4−シアノフェノールと4
−イソプロピルフェノールの仕込み比に一致し、目的物
が合成できていることを確認した。
【0213】合成例21 合成例15において用いたフェノールを2−ナフトール
に替え、合成例15と同様の操作で4−シアノフェノキ
シ基を有するナフトキシホスファゼン化合物の合成を行
った。その結果を表5に示す。この生成物の炭素、水
素、窒素、塩素及びリンの元素分析と1H−NMR及び
31P−NMRスペクトルの測定結果から、生成物の組成
は4−シアノフェノールと2−ナフトールの仕込み比に
一致し、目的物が合成できていることを確認した。
【0214】合成例22 合成例15において用いたフェノールをN−プロパノー
ルに、4−シアノフェノールを2−シアノフェノールに
替え、これらのナトリウム塩を金属ナトリウムで調製し
た他は合成例15と同様の操作で4−シアノフェノキシ
基を有するプロポキシホスファゼン化合物の合成を行っ
た。その結果を表5に示す。これらの生成物の組成は炭
素、水素、窒素及びリンの元素分析結果、1H−NMR
及び31P−NMRスペクトルにより、2−シアノフェノ
ールとN−プロパノールの仕込み比に一致し、目的物が
合成できていることを確認した。
【0215】合成例23 合成例15において用いたフェノールを2−エチルヘキ
サノールに替え、2−エチルヘキサノールと4−シアノ
フェノールのナトリウム塩を金属ナトリウムで調製した
他は合成例15と同様の操作で4−シアノフェノキシ基
を有するエチルヘキシルオキシホスファゼン化合物の合
成を行った。その結果を表5に示す。この生成物の炭
素、水素、窒素、塩素及びリンの元素分析と1H−NM
R及び31P−NMRスペクトルの測定結果から、生成物
の組成は4−シアノフェノールと2−エチルヘキサノー
ルの仕込み比に一致し、目的物が合成できていることを
確認した。
【0216】合成例24 合成例15において用いたフェノール2.20モルを2
−アリルフェノール2.00モル及びN−プロパノール
0.20モルに替え、2−アリルフェノール、N−プロ
パノール及び4−シアノフェノールのナトリウム塩を金
属ナトリウムで調製した他は合成例15と同様の操作で
4−シアノフェノキシ基を有するホスファゼン化合物の
合成を行った。その結果を表5に示す。この生成物の炭
素、水素、窒素、塩素及びリンの元素分析と1H−NM
R及び31P−NMRスペクトルの測定結果から、生成物
の組成は4−シアノフェノール、2−アリルフェノール
及びN−プロパノールの仕込み比に一致し、目的物が合
成できていることを確認した。
【0217】合成例25 ヘキサクロロシクロトリホスファゼン 1.5モル(5
21.6g)を窒素雰囲気下で12時間250℃に加熱
し、開環重合によってジクロロホスファゼンポリマーを
得た。未反応のヘキサクロロシクロトリホスファゼンを
70℃、減圧下で7時間昇華して除去した。得られたジ
クロロホスファゼンポリマー224.3g(収率:43
%)にクロルベンゼンを添加し、20%溶液とした。合
成例15と同様な操作でシアノフェノール及びフェノー
ルのナトリウム塩のトルエン溶液を調製した。
【0218】このフェノール類のナトリウム塩のトルエ
ン溶液に、先に調製したジクロロホスファゼンポリマー
1ユニットモル(115.9g)を溶解した20%ク
ロルベンゼン溶液580gを撹拌しながら内温30℃以
下で滴下し、この混合溶液を12時間還流した。反応混
合物を濃縮し、5%水酸化ナトリウム水溶液に再沈殿し
た。次に析出したポリマーをテトラヒドロフランに溶解
し、水に再沈殿した。この操作を3回行った。生成した
ポリマーを真空乾燥(真空乾燥条件:80℃、5mmH
g、12時間)して、213gの微黄色粘性液体を得
た。その結果を表5に示す。この生成物の炭素、水素、
窒素、塩素及びリンの元素分析と1H−NMR及び31
−NMRスペクトルの測定結果から、生成物の組成は4
−シアノフェノールとフェノールの仕込み比に一致し、
目的物が合成できていることを確認した。
【0219】
【表5】
【0220】実施例38〜48 芳香族ポリカーボネート樹脂75部及びABS樹脂25
部からなる樹脂に、合成例15〜25で合成したシアノ
フェノキシ基を有するホスファゼン化合物15部を添加
してミキサーで混合後、ラボプラストミルを用いて溶融
混練し、難燃性樹脂組成物を得た。
【0221】この組成物を加熱プレスにより所定の形状
の試験片を作製し、UL−94の試験法に基づく燃焼試
験、アイゾット衝撃強さ及び熱変形温度の測定を以下に
示した方法に準じて行った。これらの結果を表6に示
す。 ・燃焼試験 UL―94規定の垂直燃焼試験法で行い、難燃性の指標
とした。(試験片:厚み1/16インチ、長さ5イン
チ、幅0.5インチ) ・アイゾット衝撃強さ JIS K―7110に準拠した方法で23℃で測定
し、耐衝撃性の指標とした。(試験片厚み 1/8イン
チ、Vノッチ入り) ・熱変形温度 ASTM D―648に準拠した方法で荷重18.6k
g/cm2で測定し、耐熱性の指標とした。
【0222】比較例12 実施例38で使用したホスファゼン化合物に代えてトリ
フェニルホスフェイトを使用し、実施例38と同様に試
料作製と評価を行った結果を表6に示す。
【0223】比較例13 実施例38で使用したホスファゼン化合物に代えてレゾ
ルシノールで架橋した縮合燐酸ジフェニルエステル(大
八化学工業(株)製CR733Sと同様な化合物)を使
用し、実施例38と同様に試料作製と評価を行った結果
を表6に示す。
【0224】比較例14 難燃剤を添加せず、実施例38と同様に試料作製と評価
を行った結果を表6に示す。
【0225】実施例49 実施例38の配合において塩化亜鉛を0.5部添加して
試料作製を行い、難燃性と熱変形温度の評価を行った。
この結果を表6に示す。
【0226】実施例50 実施例38の配合において市販のポリテトラフルオロエ
チレン(ダイキン工業(株)製、商品名:F−201)
を0.6部添加して試料作製を行い、難燃性と熱変形温
度の評価を行った。この結果を表6に示す。
【0227】実施例51〜55 ポリ(2,6−ジメチル−1,4 −フェニレン)オキ
シド70部及びゴム変性耐衝撃性ポリスチレン30部か
らなる樹脂に、合成例15〜19で合成したシアノフェ
ノキシ基を有するホスファゼン化合物15部添加してミ
キサーで混合後、ラボプラストミルを用いて溶融混練
し、難燃性樹脂組成物を得た。UL−94の試験法に基
づく燃焼試験、アイゾット衝撃強さ及び熱変形温度の測
定を前記した方法に準じて行った。これらの結果を表6
に示す。
【0228】比較例15 実施例51で使用したホスファゼン化合物に代えてトリ
フェニルホスフェイトを使用し、実施例51と同様に試
料作製と評価を行った結果を表6に示す。
【0229】比較例16 実施例51で使用したホスファゼン化合物に代えてレゾ
ルシノールで架橋した縮合燐酸ジフェニルエステル(大
八化学工業(株)製CR733Sと同様な化合物)を使
用し、実施例51と同様に試料作製と評価を行った結果
を表6に示す。
【0230】比較例17 難燃剤を添加せず、実施例51と同様に試料作製と評価
を行った結果を表6に示す。
【0231】実施例56 数平均分子量が25,000であるナイロン−6 10
0部に、合成例15で合成したシアノフェノキシ基を有
するホスファゼン化合物10部添加してミキサーで混合
後、ラボプラストミルを用いて溶融混練し、難燃性樹脂
組成物を得た。
【0232】実施例38と同様にして試料片を作製し、
UL−94の試験法に基づく燃焼試験、アイゾット衝撃
強さ及び熱変形温度の測定を行った。この結果を表6に
示す。
【0233】比較例18 実施例56で使用したホスファゼン化合物に代えてレゾ
ルシノールで架橋した縮合燐酸ジフェニルエステル(大
八化学工業(株)製CR733Sと同様な化合物)を使
用し、実施例38と同様に試料作製と評価を行った結果
を表6に示す。
【0234】実施例57 ポリカーボネート樹脂70部、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂30部及び合成例15で合成したシアノフェノ
キシ基を有するホスファゼン化合物20部をミキサーで
混合後、ラボプラストミルを用いて溶融混練し、難燃性
樹脂組成物を得た。
【0235】実施例38と同様にして試料片を作製し、
UL−94の試験法に基づく燃焼試験、アイゾット衝撃
強さ及び熱変形温度の測定を行った。この結果を表6に
示す。
【0236】比較例19 実施例57で使用したホスファゼン化合物に代えてレゾ
ルシノールで架橋した縮合燐酸ジフェニルエステル(大
八化学工業(株)製CR733Sと同様な化合物)を使
用し、実施例57と同様に試料作製と評価を行った結果
を表6に示す。
【0237】実施例58 ビスフェノール−A型エポキシ樹脂100部に対し、合
成例15で合成したシアノフェノキシ基を有するホスフ
ァゼン化合物を10部添加してワニスを調製し、これを
ガラスクロスに含浸したのち乾燥してプリプレグを作製
した。続いて、プリプレグを所定枚数重ね、160℃以
上で加熱プレスして厚さ1/8と1/16インチのガラ
スエポキシ板を作製し、規定寸法に切断して試験片とし
た。
【0238】この試験片を用いてUL−94の試験法に
基づく燃焼試験、アイゾット衝撃強さ及び熱変形温度の
測定を前記した方法に準じて行った。この結果を表6に
示す。加熱プレス時にジューシングは認められなかっ
た。
【0239】実施例59 実施例58において用いたシアノフェノキシ基を有する
ホスファゼン化合物(合成例15で合成した化合物)に
代えて、合成例23で合成した化合物を使用し、実施例
58と同様に試料作製と評価を行った結果を表6に示
す。加熱プレス時にジューシングは認められなかった。
【0240】比較例20 合成例15で合成したホスファゼン化合物に代えて、レ
ゾルシノールで架橋した縮合燐酸ジフェニルエステル
(大八化学工業(株)製CR733Sと同様な化合物)
を使用し、実施例58と同様に試料作製と評価を行った
結果を表6に示す。加熱プレス時にジューシングが認め
られた。
【0241】比較例21 難燃剤を添加せず、実施例58と同様に試料作製と評価
を行った結果を表6に示す。
【0242】
【表6】
【0243】表6より、本発明の樹脂組成物は、各々の
樹脂及びホスファゼンをそれぞれ最適化して配合するこ
とにより、優れた難燃性、耐衝撃性及び耐熱性を極めて
バランスよく兼ね備えていることがわかる(実施例38
〜59)。また、実施例49では、芳香族ポリカーボネ
ート樹脂、ABS樹脂及びシアノフェノキシ基を有する
ホスファゼン化合物の混合樹脂に塩化亜鉛を少量添加す
ることによって、より一層優れた難燃性と耐衝撃性を発
現することがわかる。一方、難燃剤としてリン酸エステ
ル化合物を使用した場合は難燃性及び耐熱性が乏しく、
実用上の利用価値は低いことがわかる(比較例12〜1
3、15〜16、18〜20)。
【0244】実施例60 芳香族ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンS−
2000N、三菱エンジニアリングプラスチックス
(株)製)75部及びABS樹脂(商品名:サンタック
UT−61、三井化学(株)製)25部からなる樹脂組
成物100部、トリフェニルホスフェート(和光純薬
(株)製)5.0部、合成例14で合成したフェキシホ
スファゼン5.0部及びポリテトラフルオロエチレン
(商品名:G−307、旭硝子(株)製)0.6部を二
軸押出機にて混練し、ペレット化し、本発明の難燃性樹
脂組成物のペレットを製造した。
【0245】比較例22及び23 実施例60において、トリフェニルホスフェート及びフ
ェノキシホスファゼンを併用せず、トリフェニルホスフ
ェートのみを10部(比較例22)又はフェノキシホス
ファゼンのみを10部(比較例23)用いる以外は、実
施例60と同様にして、樹脂組成物のペレットを製造し
た。
【0246】実施例61〜63 実施例60において、ハロゲンフリー有機リン化合物と
してトリフェニルホスフェートに代えてトリフェニルホ
スフィンオキサイド(関東化学(株)製、実施例6
1)、トリクレジルホスフェート(和光純薬(株)製、
実施例62)又はレゾルシノールビス(2,6−ジメチ
ルフェニルホスフェート)(実施例63)を使用する以
外は、実施例60と同様にして、本発明の難燃性樹脂組
成物のペレットを製造した。
【0247】比較例24〜26 実施例61〜63において、ハロゲンフリー有機リン化
合物及びフェノキシホスファゼンを併用せず、トリフェ
ニルホスフィンオキサイドのみ(比較例24)、トリク
レジルホスフェートのみ(比較例25)又はレゾルシノ
ールビス(2,6−ジメチルフェニルホスフェート)
(比較例26)を10部使用する以外は、実施例61〜
63と同様にして、樹脂組成物のペレットを製造した。
【0248】実施例64 実施例60において、フェノキシホスファゼンに代えて
合成例3で合成したホスファゼン化合物を使用する以外
は、実施例60と同様にして、本発明の難燃性樹脂組成
物のペレットを製造した。
【0249】実施例65 実施例60において、フェノキシホスファゼンに代えて
合成例4で合成したホスファゼン化合物を使用する以外
は、実施例60と同様にして、本発明の難燃性樹脂組成
物のペレットを製造した。
【0250】実施例66 実施例60において、ポリカーボネート樹脂とABS樹
脂との混合樹脂に代えて変性PPE樹脂(商品名:ザイ
ロンX9108、旭化成工業(株)製)を使用する以外
は、実施例60と同様にして、本発明の難燃性樹脂組成
物のペレットを製造した。
【0251】実施例60〜66及び比較例22〜26に
おける、樹脂、ハロゲンフリー有機リン化合物及びホス
ファゼン化合物を下記表7にまとめて示す。尚、括弧内
は配合量(部)である。
【0252】
【表7】
【0253】PC:芳香族ポリカーボネート樹脂(商品
名:ユーピロンS−2000N、三菱エンジニアリング
プラスチックス(株)製) ABS:ABS樹脂(商品名:サンタックUT−61、
三井化学(株)製) TPP:トリフェニルホスフェート(和光純薬(株)
製) TPPO:トリフェニルホスフィンオキサイド(関東化
学(株)製) TCP:トリクレジルホスフェート(和光純薬(株)
製) LBDP:レゾルシノールビス(2,6−ジメチルフェ
ニルホスフェート) 実施例60〜66及び比較例22〜26で得られた樹脂
組成物のペレットを射出形成して所定の形状の試験片を
作製し、UL−94の試験法に基づく燃焼試験、曲げ弾
性率、熱変形温度、アイゾット衝撃強さ及びメルトフロ
ーレートの測定を行った。燃焼試験、熱変形温度及びア
イゾット衝撃強さの測定は前記した方法に準じて行っ
た。曲げ弾性率及びメルトフローレートの測定は、以下
に示した方法に準じて行った。 ・曲げ弾性率 JIS−K7203に準拠した方法で測定した。 ・メルトフローレート JIS−K7210に準拠した方法で、240℃で10
kgの荷重をかけて測定した。
【0254】これらの結果を下記表8に示す。
【0255】実施例67 ビスフェノール−A型エポキシ樹脂(商品名:EP54
00、旭電化工業(株)製)100部、トリフェニルホ
スフェート7.5部、合成例14で合成したフェノキシ
ホスファゼン7.5部及びポリテトラフルオロエチレン
(G−307)0.6部を混合し、本発明の難燃性樹脂
組成物のワニスを製造した。
【0256】このワニスをガラスクロスに含浸し、その
後乾燥してプリプレグを得、このプリプレグを5枚重
ね、160℃で50kg/cm2にてプレスして厚さ
1.6mmのガラスエポキシ板を製造し、長さ12.7
cm、幅1.3cmに切断して試験片を作成した。この
試験片を、前記の各試験に供した。結果を表8に示す。
【0257】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 21/14 C09K 21/14 (72)発明者 多田 祐二 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内 (72)発明者 西岡 洋一 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内 Fターム(参考) 4H028 AA38 AA42 AA48 4J002 AC031 BB031 BB121 BB181 BC031 BC061 BG061 BN141 BN151 BN161 CC031 CC101 CC181 CC211 CD001 CF001 CF061 CF071 CG001 CH071 CH091 CK021 CL001 CM021 CM041 CM051 CN011 CN031 CQ012 EW156 FD132 FD136 GC00 GQ00 4J030 CB42 CB48 CG21 CG22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(3) 【化1】 [式中mは3〜25の整数を示す。R1はシアノ置換フ
    ェニル基を示す。R2は炭素数1〜18のアルキル基、
    基 【化2】 又は基 【化3】 を示す。ここでR3は水素原子、シアノ基、炭素数1〜
    10のアルキル基、アリル基又はフェニル基を示す。R
    2が2個以上ある場合には、R2は同一であってもよい
    し、異なっていてもよい。p及びqは、p>0、q≧0
    であり、p+q=2を満足する実数である。]で表され
    る環状ホスファゼン化合物及び一般式(4) 【化4】 [式中R1、R2、p及びqは前記に同じ。nは3〜10
    00の整数を示す。X’は基−P(OR14、基−P
    (OR13(OR2)基、−P(OR12(OR2 2
    基−P(OR1)(OR23、基−P(OR24、基−
    P(O)(OR12、基−P(O)(OR1)(OR2
    又は基−P(O)(OR22を示し、Y’は基−N=P
    (OR13、基−N=P(OR12(OR2)、基−N
    =P(OR1)(OR22、基−N=P(OR23、基
    −N=P(O)OR1又は基−N=P(O)OR2を示
    す。]で表される直鎖状ホスファゼン化合物からなる群
    より選ばれた少なくとも1種のホスファゼン化合物から
    なる難燃剤。
  2. 【請求項2】 ホスファゼン化合物が、R1がシアノ置
    換フェニル基、R2が炭素数1〜8のアルキル基、基 【化5】 又は基 【化6】 であり、R3が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又
    はアリル基であり、pが0.3〜1.7、qが0.3〜
    0.7である一般式(3)の環状ホスファゼン化合物並
    びにR1がシアノ置換フェニル基、R2が炭素数1〜8の
    アルキル基、基 【化7】 又は基 【化8】 であり、R3が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又
    はアリル基であり、pが0.3〜1.7、qが0.3〜
    0.7である一般式(4)の直鎖状ホスファゼン化合物
    からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1
    に記載の難燃剤。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂100重
    量部に対し、請求項1又は請求項2に記載のホスファゼ
    ン化合物からなる難燃剤を0.1〜100重量部配合し
    た難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の難燃性樹脂組成物を成
    形して得ることができる難燃性樹脂成形体。
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