JP2014047089A - 精製アンモニアの供給装置 - Google Patents

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寛正 伊崎
Masanori Iwaki
雅典 岩城
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【課題】 アンモニアを精製して窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給するに際し、アンモニアの供給不良による窒化ガリウム系化合物半導体プロセスへの精製アンモニアの供給が、停止または中断することを抑制できるアンモニアの供給装置を提供する。
【解決手段】 油分と、酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれる一種以上の不純物を含む工業用の粗アンモニアを、油分除去手段と接触させて油分を除去し、さらにニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトと接触させて、油分以外の前記不純物を除去して得られた精製アンモニアと、工業用の粗アンモニアを蒸留または精留して得られた精製アンモニアを、交互に切替えて、窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給できる構成を備えてなるアンモニアの供給装置とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粗アンモニアを精製して窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給する装置に関する。
窒化ガリウム系化合物半導体が、発光ダイオードやレーザーダイオード等の素子として多用されている。この窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程(窒化ガリウム系化合物半導体プロセス)は、通常はMOCVD法によってサファイア等の基板に窒化ガリウム系化合物を気相成長させることにより行なわれており、これに用いられる原料ガスとしては、例えばIII族のトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムのほか、V族のアンモニアが使用されている。窒化ガリウム系化合物半導体プロセスにおいては、高純度のアンモニアが要求される
一般的に工業用として市販されている粗アンモニア(工業用の粗アンモニア)には、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、水等が含まれている。また、高純度のアンモニアとしては、工業用の粗アンモニアを、さらに、蒸留、精留、または液化することにより不純物を除去して得られた形態、またはこれを高純度の不活性ガスで希釈した形態で市販されている。しかし、前記の高純度のアンモニアは、工業用の粗アンモニアに比べて大変高価であり、窒化ガリウム系化合物半導体プロセスにおいては、ランニングコストが極めて高価なものとなってしまう不都合があった。しかもその大部分は半導体プロセスで使用されることなく、未反応のまま大量に廃棄されている。そのため、工業用の粗アンモニアを、連続して前記半導体プロセスに供給し、安価に半導体を製造することが可能なアンモニアの精製方法が開発されている。
例えば、粗アンモニアを、ニッケルを主成分とする触媒と接触させて不純物を除去する方法(特開平5−124813、特開平6−107412)、工業用の粗アンモニアを、ニッケルを有効成分とする触媒と接触させた後、さらに細孔径が4〜10Å相当の合成ゼオライトと接触させて、粗アンモニアに含まれる不純物を除去する方法(特開2002−37624)がある。
特開平5−124813号公報 特開平6−107412号公報 特開2002−37624号公報
しかしながら、窒化ガリウム系化合物半導体用のアンモニア原料として、市販の高純度のアンモニアをそのまま用いる場合、あるいは市販の工業用の粗アンモニアを触媒等に接触させて不純物を除去して用いる場合のいずれも、窒化ガリウム系化合物半導体プロセスへの連続的な供給に関して問題点があった。例えば、高純度のアンモニアは、工業用の粗アンモニアよりも市場に出回ってなく、これを窒化ガリウム系化合物半導体用のアンモニア原料として使用する場合、大地震等で広範囲に災害が発生した際には不足して窒化ガリウム系化合物半導体プロセスが停止する虞がある。また、工業用の粗アンモニアを、ニッケル触媒等により精製して連続的に供給する場合、精製ラインが2系列であっても、不純物濃度が高い工業用の粗アンモニアを多量に精製処理する際には、片方の精製筒による精製処理可能時間よりも、もう片方の精製筒の充填材の再生に時間がかかり、連続して精製アンモニアを窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給できない虞がある。
従って、本発明が解決しようとする課題は、アンモニアを精製して窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給するに際し、前述のようなアンモニアの供給不良により窒化ガリウム系化合物半導体プロセスが停止または中断することを回避することが可能な精製アンモニアの供給装置を提供することである。
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、工業用の粗アンモニアをニッケル触媒等により精製して連続的に供給する機能と、市販の高純度のアンモニア(工業用の粗アンモニアを、予め蒸留、精留、または液化することにより不純物を除去して得られた精製アンモニア)を連続的に供給する機能を備え、これらを適宜切替えて使用可能な供給装置を用いることにより、アンモニアの供給不良による窒化ガリウム系化合物半導体プロセスの停止または中断が回避できることを見出し、本発明の精製アンモニアの供給装置に到達した。
すなわち本発明は、油分と、酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれる一種以上の不純物を含む工業用の粗アンモニアを、油分除去手段と接触させて油分を除去し、さらにニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトと接触させて、油分以外の前記不純物を除去して得られた精製アンモニアと、工業用の粗アンモニアを、予め蒸留、精留、または液化することにより不純物を除去して得られた精製アンモニアを、交互に切替えて、窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給できる構成を備えてなることを特徴とする精製アンモニアの供給装置である。
本発明の精製アンモニアの供給装置は、工業用の粗アンモニアをニッケル触媒等により精製して連続的に供給する機能と、市販の高純度のアンモニアを連続的に供給する機能を備え、これらを適宜交互に切替えて、窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに精製アンモニアを供給できるので、いずれか一方のアンモニアの供給不良による窒化ガリウム系化合物半導体プロセスの停止または中断を回避することができる。その結果、アンモニアの供給不良による該プロセスの停止または中断に伴う化合物半導体の生産ロスがなくなり、生産を効率よく行なうことが可能となる。
本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の原料として用いられるアンモニアを精製して窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給する装置に適用される。以下、本発明の精製アンモニアの供給装置について、図1〜図3に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。尚、図1〜図3は、本発明の精製アンモニアの供給装置(図1は請求項1、図2は請求項4、図3は請求項5、6に対応)の一例を示す構成図である。また、本発明における窒化ガリウム系化合物半導体のプロセス(製造工程)は、ガリウム、インジウム、アルミニウムから選ばれる1種または2種以上の金属と、窒素との化合物からなる窒化物半導体の結晶成長を行なうためのプロセス(製造工程)である。
本発明の精製アンモニアの供給装置は、油分と、酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれる一種以上の不純物を含む工業用の粗アンモニアを、油分除去手段と接触させて油分を除去し、さらにニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトと接触させて、油分以外の前記不純物を除去して得られた精製アンモニアと、工業用の粗アンモニアを、予め蒸留、精留、または液化することにより不純物を除去して得られた精製アンモニア(市販の高純度のアンモニア)を、交互に切替えて、窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給できる構成を備えてなる装置である。
本発明の精製アンモニアの供給装置は、具体的には、例えば図1に示すように、工業用のアンモニアの供給源1から供給される粗アンモニアに含まれる油分を除去する油分除去手段2、ニッケルを有効成分とする触媒5及び合成ゼオライト6の充填筒(ニッケルを有効成分とする触媒と合成ゼオライトは別々の充填筒に充填されてもよい)からなる精製アンモニアの供給ライン(以下、「第1の精製アンモニアの供給ライン」という)と、市販の高純度のアンモニアの供給源1’から供給される精製アンモニアの供給ライン(以下、「第2の精製アンモニアの供給ライン」という)と、これらのラインを適宜交互に切替えられる三方弁7を備えた供給装置である。
以下、本発明における第1の精製アンモニアの供給ラインについて説明する。
第1の精製アンモニアの供給ラインの原料である工業用の粗アンモニアは、水素と窒素の高圧反応で合成され、液体アンモニアとしてボンベ等に詰められて市販されているものである。工業用の粗アンモニアは、本発明においては純度99%〜99.99%(99%以上でかつ99.99%未満)のアンモニアを意味するものとする。このようなアンモニアは、酸素、二酸化炭素、及び水以外の不純物として、製造の際のガス圧縮工程においてコンプレッサーに用いられる油分(潤滑性、防錆性等を向上させるためのオイル)が含まれている。前記の油分は、ボンベ等に充填された液体アンモニアを気化した後においても、ミスト状(主に0.01〜100μm程度の径を有するオイルミスト)及び気体状の形態で粗アンモニアガス中に長期間浮遊する。粗アンモニアに含まれる油分の含有量は、通常は5〜50mg/mである。
本発明において使用される油分除去手段2は、工業用の粗アンモニアに含まれる油分を効率よく除去できるものであれば特に限定されることはないが、図1に示すように、フィルター筒3に収納されたフィルター3’と、充填筒4に充填された充填剤4’からなるものを用いることが好ましい。このような油分除去手段2においては、粗アンモニアがフィルター筒3に収納されたフィルター3’と接触(通過)することにより、粗アンモニアに含まれるミスト状の油分が除去され、さらに充填筒4に充填された充填剤4’と接触(通過)することにより、粗アンモニアに含まれる気体状の油分が除去される。
前記のフィルター3’は、アンモニアに対する耐腐食性があり、ミスト状の油分を除去することができれば特に制限されることはないが、例えば、セラミック繊維、ガラス繊維、金属繊維等からなるものを用いることができる。フィルター筒の形態についても特に制限されることはないが、例えば円筒状のフィルターが収納されたフィルター筒を用いることができる。また、フィルター筒は、目の粗さが互いに異なる複数枚のフィルターが設けられ、粒径の大きなミスト状の油分から順に除去するような構成であることが好ましい。
本発明において使用される充填剤4’は、アンモニアに対する耐腐食性があり、気体状の油分を除去することができれば特に制限されることはないが、例えば、活性炭、アルミナ、珪藻土を挙げることができる。これらの充填剤の中でも安価で使用後に再生が可能な点で活性炭が好ましい。活性炭を用いる場合、椰子殻炭、木粉炭、ピート炭等を用いることができるが、これらの活性炭のうち、BET比表面積が500m/g以上のものがさらに好ましい。充填筒に充填される充填剤の充填長は、通常は5〜150cmである。
充填筒は、図1に示すように、複数の充填筒を設置することにより、いずれかの充填筒でアンモニアの精製を行なうと同時に、その他の充填筒で充填剤の交換を行ない、順次ラインを切替えることにより連続してアンモニアの精製を行なうようにすることができる。尚、本発明において使用される活性炭等の充填剤は、予め主に充填剤に含まれる水分等を除去する目的で、通常は使用する前に200℃以下の温度で加熱しながら窒素等の不活性ガスを流す処理、あるいは200℃以下の温度に加熱された不活性ガスを流す処理が行なわれる。
アンモニアの精製処理を行なう場合、粗アンモニアとフィルターとの接触温度、粗アンモニアと充填剤との接触温度は100℃以下であるが、通常は両者共常温(0〜50℃)でよく、特に加熱や冷却を必要としない。また、圧力にも特に制限はなく、常圧、減圧、加圧のいずれでも処理が可能であるが、通常は常圧ないし0.3MPaの加圧下で行なわれる。また、精製時の充填筒内の粗アンモニアの空筒線速度(LV)は、通常は100cm/sec以下、好ましくは30cm/sec以下である。
尚、工業用の粗アンモニアに含まれる、酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれるいずれの不純物も、フィルターと接触しても粗アンモニアから除去されずフィルターを通過し、充填剤として活性炭を使用してもきわめて微量に活性炭に保持され得る程度で粗アンモニアからほとんど除去されない。(常温の活性炭による吸着のされやすさ:気体状の油分>アンモニア>二酸化炭素等)また、粗アンモニアを予めフィルターと接触させない場合は、活性炭等の充填剤の表面にミスト状の油分が付着し、時間の経過とともに気体状の油分の吸着が妨げられるようになる。
本発明において使用されるニッケルを有効成分とする触媒は、金属ニッケルまたはニッケルの酸化物等還元され易いニッケル化合物を主成分とするものである。また、ニッケル以外の金属成分としてクロム、鉄、コバルト、銅などの金属が少量含まれているものであってもよい。これらのニッケルは単独で用いてもよく、また、触媒担体などに担持させた形態で用いてもよいが、ニッケルの表面とガスとの接触効率を高める目的などから通常は、触媒担体などに担持させた形態で使用することが好ましい。
ニッケルを担体に担持させる方法としては、例えば、ニッケル塩の水溶液中に珪藻土、アルミナ、シリカアルミナ、アルミノシリケートおよびカルシウムシリケート等の担体粉末を分散させ、さらにアルカリを添加して担体の粉末上にニッケル成分を沈殿させ、次いで濾過し必要に応じて水洗して得たケーキを120〜150℃で乾燥後、300℃以上で焼成しこの焼成物を粉砕する方法、あるいはNiCO、Ni(OH)、Ni(NO等の無機塩、NiC、Ni(CHCOO)等の有機塩を焼成し、粉砕した後、これに耐熱性セメントを混合し焼成する方法が挙げられる。
これらは、通常は、押出成型、打錠成型などで成型体とされ、そのまま、あるいは必要に応じて適当な大きさに破砕して使用される。成型方法としては乾式法あるいは湿式法を用いることができ、その際、少量の水、滑剤などを使用してもよい。また、ニッケル系触媒として市販されているものがあるので、それらから選択したものを使用してもよい。要は、還元ニッケル、酸化ニッケル等が微細に分散されて、その表面積が大きくガスとの接触効率の高い形態のものであればよい。
ニッケルを有効成分とする触媒のBET比表面積は、通常は10〜300m/g、好ましくは30〜250m/gである。また、触媒全体に対するニッケルの含有率は、通常は5〜95wt%、好ましくは20〜95wt%である。ニッケルの含有量が5wt%よりも少なくなると酸素の除去能力が低くなり、また95wt%よりも高くなると水素による還元の際にシンタリングが生じて活性が低下する虞がある。(ニッケルを有効成分とする触媒は、通常は使用する前にこれらを活性化するために、水素還元が行なわれる。水素還元の際は、例えば350℃以下程度で水素と窒素の混合ガスを空筒線速度(LV)5cm/sec程度で通すことによって行なうことができる。)
本発明において使用される合成ゼオライトは、化学的には合成結晶アルミノシリケート含水ナトリウム塩のナトリウムの一部をカリウムで置換した合成ゼオライトである。この合成ゼオライト結晶は内部に多数の細孔を有し、その細孔径がほぼ揃っていることが特徴である。これらの合成ゼオライトは効率よく使用できるように、通常は4〜20meshの球状物、直径1.5〜4mm、高さ5〜20mmの柱状物等に成形されて用いられる。尚、本発明においては、好ましくは、細孔径が4〜10Å相当の合成ゼオライトが使用される。合成ゼオライトは、通常は使用する前に200〜350℃程度の温度で不活性ガスを通気しながら活性化される。
本発明においては、ニッケルを有効成分とする触媒との接触により、粗アンモニアから主に酸素と二酸化炭素が除去され、合成ゼオライトとの接触により、粗アンモニアから主に二酸化炭素、水が除去される。本発明に適用される粗アンモニアに含まれる酸素、二酸化炭素、水の濃度は、通常は各々100ppm以下である。これらの不純物の濃度がこれよりも高くなると発熱量が増加する場合があるため条件によっては除熱手段が必要となる。
ニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトの充填長は、実用上通常は5〜150cmとされる。アンモニアの精製処理を行なう場合、粗アンモニアの空筒線速度(LV)は供給される粗アンモニア中の不純物の濃度及び操作条件などによって異なり一概に特定できないが、通常は100cm/sec以下、好ましくは30cm/sec以下である。粗アンモニアとニッケルを有効成分とする触媒との接触温度、粗アンモニアと合成ゼオライトの接触温度は、100℃以下であるが、通常は両者共常温でよく、特に加熱や冷却を必要としない。また、圧力にも特に制限はなく、常圧、減圧、加圧のいずれでも処理が可能であるが、通常は常圧ないし0.3MPaの加圧下で行なわれる。
次に、本発明における第2の精製アンモニアの供給ラインについて説明する。
第2の精製アンモニアの供給ラインの原料は、工業用の粗アンモニアを、蒸留、精留、または液化して他のガス成分と分離して得られた高純度のアンモニアである。このようなアンモニアには油分は含まれてなく、本発明においては少なくとも純度99.99%以上のアンモニアを意味するものとする。第2の精製アンモニアの供給ラインには、ニッケルを有効成分とする触媒の充填筒の設置、あるいは合成ゼオライトの充填筒の設置は、通常は不要であるが、これらの充填筒を設けることもできる。
本発明の精製アンモニアの供給装置においては、前述の第1の精製アンモニアの供給ラインと第2の精製アンモニアの供給ラインが、交互に切替えられるように三方弁、あるいはこのような機能を有する1個または複数の弁が設けられる。そして、いずれかのラインにアンモニアの供給不良が起こり、窒化ガリウム系化合物半導体プロセスの停止または中断の虞が発生した場合、適宜精製アンモニアの供給ラインを切替えて、前記のような不具合の発生を防止することができる。
本発明の精製アンモニアの供給装置においては、図2に示すように、さらに、精製アンモニアを交互に切替える位置の下流側に、精製アンモニアを、ニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライト(第1の精製アンモニアの供給ラインに用いられるものと同様のもの)と接触させる手段を設けることができる。このような構成とすることにより、より安全に、より安定して、精製アンモニアを窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給することができる。
また、図3に示すように、油分除去手段と三方弁(精製アンモニアを交互に切替える位置)の間、または油分除去手段の上流側に、油分測定装置8を設けることもできる。油分測定装置としては、粗アンモニアに含まれる油分、または粗アンモニアからサンプリングされたガスに含まれる油分を測定できるものであれば特に制限されることはないが、例えば、水素炎イオン化検出器、赤外吸収分析器、四重極ガス分析装置、ガスクロマトグラフ質量分析計等を挙げることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
(精製アンモニアの供給装置の製作)
ニッケルを有効成分とする触媒5と合成ゼオライト6を別々の処理筒に分けたほかは、図1に示すような構成と同様の第1の精製アンモニアの供給ラインを製作した。フィルター筒3は、目の粗さが互いに異なる3枚のフィルター(ドムニクハンター社製、AOグレード(1μm程度の径を有するオイルミストを除去)、AAグレード(0.01μm程度の径を有するオイルミストを除去)、AXグレード(0.01μm以下の径を有するオイルミストを除去))を設け、粒径の大きなミスト状の油分から順に除去するような構成とした。
また、充填剤4’として活性炭(BET比表面積約800m/g)を、内径45.2mm、長さ200mmのステンレス製の充填筒に、充填長が150mmとなるように充填した。さらに、ニッケルを有効成分とする触媒5として、市販のニッケル触媒を、内径45.2mm、長さ200mmのステンレス製の触媒筒に充填長150mmとなるように充填し、合成ゼオライト6として、市販の4Å相当の合成ゼオライトを、触媒筒の下流に配置された内径45.2mm、長さ200mmのステンレス製の吸着筒に充填長150mmとなるように充填した。
次に、第2の精製アンモニアの供給ラインを設けるとともに、交互に切替えられるように三方弁を介して前記の第1の精製アンモニアの供給ラインと結合させた。さらに、三方弁の下流側に、ニッケル触媒が充填された前記と同様の処理筒と、合成ゼオライトが充填された前記と同様の処理筒を設けて、図2に示すような構成のアンモニアの供給装置を製作した。また、アンモニアをサンプリングできるガスの取出し口を、三方弁の出口(ガスの取出し口1)、及び三方弁の下流側に設けられた合成ゼオライトが充填された処理筒の出口(ガスの取出し口2)に設けた。
次に、活性炭が充填された充填筒に3L/minの流量で150℃の窒素を1時間流して活性炭の乾燥処理を行なった。また、ニッケル触媒を300℃に加熱するとともに、ニッケル触媒が充填された処理筒に、水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を3L/minの流量で5時間流してニッケル触媒の還元処理を行なった。また、合成ゼオライトを300℃に加熱するとともに、合成ゼオライトが充填された処理筒に、窒素を3L/minの流量で5時間流して合成ゼオライトの活性化処理を行なった。
(アンモニアの精製実験)
精製アンモニアの供給装置のラインの切替えを、第2の精製アンモニアの供給ラインから精製アンモニアが取出せるように三方弁を設定した。このような状態で工業用の粗アンモニアを精留して得られた精製アンモニアを、第2の精製アンモニアの供給ラインから、常温、常圧、流量10L/minの条件で供給した。ガスの取出し口1及びガスの取出し口2からサンプリングしたアンモニアについて、不純物(酸素、二酸化炭素、及び水)の分析を行なった結果、いずれの不純物も検出できなかった。尚、酸素の検出下限濃度は0.1ppm(GC−TCD)、二酸化炭素の検出下限濃度は0.03ppm(GC−FID)、水の検出下限濃度は0.05ppm(FT−IR)であった。
続いて、三方弁を切替えて、第1の精製アンモニアの供給ラインから工業用の粗アンモニアを、常温、常圧、流量10L/minの条件で供給するとともに、第2の精製アンモニアの供給ラインからの精製アンモニアの供給を停止した。この工業用の粗アンモニアは、予め分析した結果、不純物として、酸素、二酸化炭素、及び水が、各々3ppm、4ppm、20ppm含まれていた。また、この粗アンモニアには、ミスト状の油分及び気体状の油分が含まれていた。
アンモニアの供給ラインを切替えた直後、及び切替えてから1時間後に、ガスの取出し口1及びガスの取出し口2からサンプリングしたアンモニアについて、不純物(酸素、二酸化炭素、及び水)の分析を行なった結果、いずれの不純物も検出できなかった。また、アンモニアの精製を充分な時間行なった後に取出したフィルターの重量変化により、工業用の粗アンモニアからミスト状の油分が約20mg/m除去できたことがわかった。さらに、アンモニアの精製実験の終了後に取出した活性炭から四塩化炭素可溶成分(油分)を抽出し溶媒を蒸発乾固することにより、工業用の粗アンモニアから気体状の油分が約3mg/m除去できたことがわかった。
以上の通り、本発明の精製アンモニアの供給装置は、いずれか一方の精製アンモニアの供給ラインが供給不良になっても、もう一方の精製アンモニアの供給ラインにより精製アンモニアを供給することができる。
本発明の精製アンモニアの供給装置の一例を示す構成図 本発明の図1以外の精製アンモニアの供給装置の一例を示す構成図 本発明の図1、図2以外の精製アンモニアの供給装置の一例を示す構成図
1 工業用の粗アンモニアの供給源
1’市販の高純度のアンモニアの供給源
2 油分除去手段
3 フィルター筒
3’フィルター
4 充填筒
4’充填剤
5 ニッケルを有効成分とする触媒
6 合成ゼオライト
7 三方弁
8 油分測定装置
9 精製アンモニアの取出し口

Claims (6)

  1. 油分と、酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれる一種以上の不純物を含む工業用の粗アンモニアを、油分除去手段と接触させて油分を除去し、さらにニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトと接触させて、油分以外の前記不純物を除去して得られた精製アンモニアと、工業用の粗アンモニアを、予め蒸留、精留、または液化することにより不純物を除去して得られた精製アンモニアを、交互に切替えて、窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給できる構成を備えてなることを特徴とする精製アンモニアの供給装置。
  2. 工業用の粗アンモニアが、純度99%〜99.99%のアンモニアである請求項1に記載の精製アンモニアの供給装置。
  3. 工業用の粗アンモニアを蒸留または精留して得られた精製アンモニアが、純度99.99%以上のアンモニアである請求項1に記載の精製アンモニアの供給装置。
  4. さらに、精製アンモニアを交互に切替える位置の下流側に、精製アンモニアを、ニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトと接触させる手段を設けた請求項1に記載の精製アンモニアの供給装置。
  5. さらに、油分除去手段と、精製アンモニアを交互に切替える位置の間に、油分測定装置を設けた請求項1に記載の精製アンモニアの供給装置。
  6. さらに、油分除去手段の上流側に、油分測定装置を設けた請求項1に記載の精製アンモニアの供給装置。
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