JP6101971B2 - アンモニア精製装置及びその再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素、二酸化炭素、水等の不純物を含む粗アンモニアを精製する装置、及び、アンモニアの精製を行なった後、該アンモニア精製装置を再生する方法に関する。
窒化ガリウム系化合物半導体が、発光ダイオードやレーザーダイオード等の素子として多用されている。この窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程(窒化ガリウム系化合物半導体プロセス)は、通常はMOCVD法によってサファイア等の基板に窒化ガリウム系化合物を気相成長させることにより行なわれており、これに用いられる原料ガスとしては、例えばIII族のトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムのほか、V族のアンモニアが使用されている。窒化ガリウム系化合物半導体プロセスにおいては、高純度のアンモニアが要求される。
一般的に工業用として市販されている粗アンモニア(工業用の粗アンモニア)には、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、水等が含まれている。また、高純度のアンモニアとしては、工業用の粗アンモニアを、さらに、蒸留、精留、または液化することにより不純物を除去して得られた形態、またはこれを高純度の不活性ガスで希釈した形態で市販されている。しかし、前記の高純度のアンモニアは、工業用の粗アンモニアに比べて大変高価であり、窒化ガリウム系化合物半導体プロセスにおいては、ランニングコストが極めて高価なものとなってしまう不都合があった。しかもその大部分は半導体プロセスで使用されることなく、未反応のまま大量に廃棄されている。そのため、工業用の粗アンモニアを、連続して前記半導体プロセスに供給し、安価に半導体を製造することが可能なアンモニアの精製方法が開発されている。
例えば、粗アンモニアを、ニッケルを主成分とする触媒と接触させて不純物を除去する方法(特開平5−124813、特開平6−107412)、工業用の粗アンモニアを、ニッケルを有効成分とする触媒と接触させた後、さらに細孔径が4〜10Å相当の合成ゼオライトと接触させて、粗アンモニアに含まれる不純物を除去する方法(特開2002−37624)がある。
特開平5−124813号公報 特開平6−107412号公報 特開2002−37624号公報
しかしながら、工業用の粗アンモニアをニッケル触媒及び合成ゼオライトにより精製して、連続して精製アンモニアを窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給する場合、精製ラインが2系列であっても、不純物濃度が高い工業用の粗アンモニアを多量に精製処理する際には、片方のアンモニア精製装置による精製処理可能時間よりも、もう片方のアンモニア精製装置の再生に時間がかかり、連続して精製アンモニアを窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給できない虞がある。
尚、アンモニア精製装置の再生に関し、使用後のニッケル触媒は、通常は加熱しながら触媒筒に水素含有ガスを流通してアンモニアの精製時に捕捉した酸素等を除去して完了する。また、使用後の合成ゼオライトは、通常は(1)加熱しながら吸着筒に不活性ガス(または不活性ガスとアンモニアの混合ガス)を流通してアンモニアの精製時に吸着した水等を除去した後、(2)不活性ガスを流通して冷却し、(3)アンモニア(または不活性ガスとアンモニアの混合ガス)を徐々に流通してアンモニアを吸着させて完了する。
アンモニアの精製を再開する前に予め合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる理由は、このような準備をしないと、アンモニア精製の開始時に多量の吸着熱が発生し、アンモニアに含まれる不純物を合成ゼオライトで吸着除去できない状態になる虞があるからである。そして、前述の「精製処理可能時間よりも精製装置の再生に時間がかかる問題」は、前記(3)の工程で、合成ゼオライトがアンモニアを吸着できなくなる温度まで上昇しないように、流量を少なく制御してアンモニア(または不活性ガスとアンモニアの混合ガス)を流通しなければならないために発生する処理時間の長時間化による影響が大きい。
この問題を解決するために、前記(3)の工程において、単に合成ゼオライトの充填量を増やす方法は、アンモニアの精製処理時間は増えるが、アンモニア精製装置の再生においても、合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる際に多量の吸着熱が発生するので時間がかかり、特に吸着筒の直径を大きくした場合はかえって再生時間が大幅に増加する不具合が発生する。また、前記(3)の工程の際に、アンモニアの含有率が低い混合ガスを流通する方法は、合成ゼオライトの温度上昇が抑制される(不活性ガスの流通が冷却効果を発揮する)が、アンモニアの吸着に時間がかかり問題は解決されない。従って、本発明が解決しようとする課題は、再生に時間がかからないアンモニア精製装置及びその再生方法を提供することである。
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、前述のようなアンモニア精製装置の再生において、合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる際に、アンモニアの含有率が比較的に低いガスを加圧された状態で流通すれば、アンモニアは含有率が低くても分圧が高いため、温度が急上昇することなく短時間で合成ゼオライトにアンモニアを吸着できること、合成ゼオライトを流通後の再生ガス排出ラインに圧力調整器を設ければアンモニア精製装置に加圧された再生ガス(不活性ガスとアンモニアの混合ガス)を容易に流通できること等を見出し、本発明のアンモニア精製装置及びその再生方法に到達した。
すなわち本願の第1の発明は、ニッケルを有効成分とする触媒の充填部を有する触媒筒、合成ゼオライトの充填部を有する吸着筒、及び粗アンモニアの導入ラインを備えたアンモニアの精製装置であって、再生ガス導入ライン、再生ガス排出ライン、及び合成ゼオライトを流通後の再生ガス排出ラインに圧力調整器を備えてなることを特徴とするアンモニアの精製装置である。
また、本願の第2の発明は、ニッケルを有効成分とする触媒の充填部と合成ゼオライトの充填部を有する精製筒、及び粗アンモニアの導入ラインを備えたアンモニア精製装置であって、再生ガス導入ライン、再生ガス排出ライン、及び合成ゼオライトを流通後の再生ガス排出ラインに圧力調整器を備えてなることを特徴とするアンモニアの精製装置である。
また、本願の第3の発明は、第1の発明のアンモニア精製装置によりアンモニアの精製を行なった後、該アンモニア精製装置を再生する方法であって、加熱下で吸着筒に不活性ガスまたは不活性ガスとアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトから不純物を除去する工程、吸着筒に不活性ガスを流通し合成ゼオライトを冷却する工程、及び吸着筒に加圧された不活性ガス及びアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる工程を含むことを特徴とするアンモニア精製装置の再生方法である。
また、本願の第4の発明は、第2の発明のアンモニア精製装置によりアンモニアの精製を行なった後、該アンモニア精製装置を再生する方法であって、加熱下で精製筒に不活性ガスまたは不活性ガスとアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトから不純物を除去する工程、精製筒に不活性ガスを流通し合成ゼオライトを冷却する工程、及び精製筒に加圧された不活性ガス及びアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる工程を含むことを特徴とするアンモニア精製装置の再生方法である。
本発明のアンモニア精製装置及びその再生方法により、アンモニア精製装置の再生において長時間化の主要因であったアンモニアの合成ゼオライトへの吸着を、従来の方法より短時間で行なうことができるので、アンモニア精製装置の再生時間を短縮することが可能である。その結果、片方のアンモニア精製装置による精製処理可能時間よりも、もう片方のアンモニア精製装置の再生に時間がかかり、連続して精製アンモニアを窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給できないという不具合を解消することができる。
本発明は、粗アンモニアを、ニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトと接触することにより、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去するアンモニアの精製装置、及び、該アンモニアの精製装置を再生する方法に適用される。
以下、本発明のアンモニア精製装置及びその再生方法について、図1〜図3に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。尚、これらの図は、本発明のアンモニアの精製装置の一例を示す構成図である。(図1、図2は請求項1の発明に対応し、図3は請求項2の発明に対応する。)
本願の第1の発明の精製装置は、図1、図2に示すように、ニッケルを有効成分とする触媒の充填部1を有する触媒筒3、合成ゼオライトの充填部2を有する吸着筒4、及び粗アンモニアの導入ライン6を備えたアンモニアの精製装置であって、再生ガス導入ライン7、再生ガス排出ライン8、及び合成ゼオライトを流通後の再生ガス排出ラインに設置された圧力調整器9(例えば開閉機能を備えた圧力調整弁)を備え、再生ガス導入ライン7は、不活性ガスの導入ライン11、水素の導入ライン12、アンモニアの導入ライン13と結合してなるアンモニアの精製装置である。
また、本願の第2の発明の精製装置は、図3に示すように、ニッケルを有効成分とする触媒の充填部1と合成ゼオライトの充填部2を有する精製筒5、及び粗アンモニアの導入ライン6を備えたアンモニア精製装置であって、再生ガス導入ライン7、再生ガス排出ライン8、及び合成ゼオライトを流通後の再生ガス排出ラインに設置された圧力調整器9(例えば開閉機能を備えた圧力調整弁)を備え、再生ガス導入ライン7は、不活性ガスの導入ライン11、水素の導入ライン12、アンモニアの導入ライン13と結合してなるアンモニアの精製装置である。
本発明において、圧力調整器9の設置場所は、吸着筒4あるいは精製筒5のガス排出口、または前記のガス排出口より下流側の再生ガス排出ライン8上であれば特に制限されることはないが、好ましくは前記のガス排出口から100cm以内、さらに好ましくは50cm以内の再生ガス排出ライン8上に設けられる。また、再生ガス導入ライン7は、第1、第2の発明の精製装置において、不活性ガスの導入ライン11、水素の導入ライン12、アンモニアの導入ライン13等と結合し、適宜これらのガスまたは混合ガスを再生ガスとして各筒に供給することができる。前記の再生用ガスの1つであるアンモニアとしては、本発明により得られた精製アンモニアを用いることができる。前記の再生ガスは、各筒を流通した後は、再生ガス排出ライン8を経由して外部に排出される。尚、各図において、再生ガス導入ライン7と再生ガス排出ライン8の設置位置は固定されることなく、例えばこれらの設置位置を交換することもできる。
本発明において使用されるニッケルを有効成分とする触媒は、金属ニッケルまたはニッケルの酸化物等還元され易いニッケル化合物を主成分とするものである。また、ニッケル以外の金属成分としてクロム、鉄、コバルト、銅などの金属が少量含まれているものであってもよい。これらのニッケルは単独で用いてもよく、また、触媒担体などに担持させた形態で用いてもよいが、ニッケルの表面とガスとの接触効率を高める目的などから通常は、触媒担体などに担持させた形態で使用することが好ましい。
ニッケルを担体に担持させる方法としては、例えば、ニッケル塩の水溶液中に珪藻土、アルミナ、シリカアルミナ、アルミノシリケートおよびカルシウムシリケート等の担体粉末を分散させ、さらにアルカリを添加して担体の粉末上にニッケル成分を沈殿させ、次いで濾過し必要に応じて水洗して得たケーキを120〜150℃で乾燥後、300℃以上で焼成しこの焼成物を粉砕する方法、あるいはNiCO、Ni(OH)、Ni(NO等の無機塩、NiC、Ni(CHCOO)等の有機塩を焼成し、粉砕した後、これに耐熱性セメントを混合し焼成する方法が挙げられる。
これらは、通常は、押出成型、打錠成型などで成型体とされ、そのまま、あるいは必要に応じて適当な大きさに破砕して使用される。成型方法としては乾式法あるいは湿式法を用いることができ、その際、少量の水、滑剤などを使用してもよい。また、ニッケル系触媒として市販されているものがあるので、それらから選択したものを使用してもよい。要は、還元ニッケル、酸化ニッケル等が微細に分散されて、その表面積が大きくガスとの接触効率の高い形態のものであればよい。
ニッケルを有効成分とする触媒のBET比表面積は、通常は10〜300m/g、好ましくは30〜250m/gである。また、触媒全体に対するニッケルの含有率は、通常は5〜95wt%、好ましくは20〜95wt%である。ニッケルの含有量が5wt%よりも少なくなると酸素の除去能力が低くなり、また95wt%よりも高くなると水素による還元の際にシンタリングが生じて活性が低下する虞がある。ニッケルを有効成分とする触媒は、通常は使用する前にこれらを活性化するために、水素還元が行なわれる。水素還元の際は、例えば350℃以下程度で水素と窒素の混合ガスを空筒線速度(LV)5cm/sec程度で通すことによって行なうことができる。
本発明において使用される合成ゼオライトは、化学的には合成結晶アルミノシリケート含水ナトリウム塩のナトリウムの一部をカリウムで置換した合成ゼオライトである。この合成ゼオライト結晶は内部に多数の細孔を有し、その細孔径がほぼ揃っていることが特徴である。これらの合成ゼオライトは効率よく使用できるように、通常は4〜20meshの球状物、直径1.5〜4mm、高さ5〜20mmの柱状物等に成形されて用いられる。尚、本発明においては、好ましくは、細孔径が4〜10Å相当の合成ゼオライトが使用される。合成ゼオライトは、通常は使用する前に200〜350℃程度の温度で不活性ガスを通気しながら活性化される。
本願の第3の発明のアンモニア精製装置の再生方法は、図1、図2に示すようなアンモニア精製装置によりアンモニアの精製を行なった後、該アンモニア精製装置を再生する方法であって、加熱下で吸着筒に不活性ガスまたは不活性ガスとアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトから不純物を除去する工程、吸着筒に不活性ガスを流通し合成ゼオライトを冷却する工程、及び吸着筒に加圧された不活性ガス及びアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる工程を含む再生方法である。
また、本願の第4の発明のアンモニア精製装置の再生方法は、図3に示すようなアンモニア精製装置によりアンモニアの精製を行なった後、加熱下で精製筒に不活性ガスまたは不活性ガスとアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトから不純物を除去する工程、精製筒に不活性ガスを流通し合成ゼオライトを冷却する工程、及び精製筒に加圧された不活性ガス及びアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる工程を含む再生方法である。
本発明においては、アンモニアの精製の際に、ニッケルを有効成分とする触媒との接触により、粗アンモニアから主に酸素と二酸化炭素が除去され、合成ゼオライトとの接触により、粗アンモニアから主に二酸化炭素と水が除去される。従って、アンモニア精製装置の再生前において、ニッケルを有効成分とする触媒には主に酸素と二酸化炭素が捕捉され、合成ゼオライトには主に二酸化炭素と水が吸着されている。これらの不純物は、本発明のアンモニア精製装置の再生方法により効率よく除去されて、再度アンモニアの精製が可能となる。
本発明において、ニッケルを有効成分とする触媒の再生は、加熱下(150〜350℃)でニッケルを有効成分とする触媒に、再生ガス導入ラインから水素含有ガスを流通し、ニッケルを有効成分とする触媒から不純物を除去することにより行なわれる。また、合成ゼオライトの再生は、(1)加熱下(200〜350℃)で合成ゼオライトに、再生ガス導入ラインから不活性ガスまたは不活性ガスとアンモニアの混合ガスを流通し、合成ゼオライトから不純物を除去し、(2)合成ゼオライトに、再生ガス導入ラインから不活性ガスを流通して、合成ゼオライトを冷却し、(3)合成ゼオライトに、再生ガス導入ラインから加圧された不活性ガス及びアンモニアの混合ガスを流通し、最終的に100%のアンモニアを流通して、合成ゼオライトにアンモニアを吸着させることにより行なわれる。
アンモニア精製装置の再生は、通常はニッケルを有効成分とする触媒の再生よりも合成ゼオライトの再生の方が時間がかかる。また、合成ゼオライトの再生の中でも、前記(3)の工程に長時間を要する。しかし、本発明は、前記(3)の工程を大幅に短縮することが可能である。これは、前記(3)の工程において、合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる際に多量の吸着熱が発生するが、不活性ガス及びアンモニアの混合ガスを加圧された状態で流通すれば、不活性ガスの流通が冷却の効果を発揮するとともに、アンモニアは含有率が低くても分圧が高いため、短時間で合成ゼオライトにアンモニアを吸着できるためである。
本発明の前記(3)の工程の加圧ガスの導入は、合成ゼオライトを流通後の再生ガス排出ラインに設置された圧力調整器により実施することが可能である。合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる際の混合ガスの絶対圧力は、通常は120〜500kPa、好ましくは150〜400kPaとなるように圧力調整器により調整される。また、混合ガスに含まれるアンモニアの含有率は、通常は5〜50vol%、好ましくは6〜30vol%である。アンモニアの含有率が5vol%未満の場合は、アンモニアの合成ゼオライトへの吸着に時間がかかり、アンモニアの含有率が50vol%を超える場合は、不活性ガスの流通による冷却効果が得られ難くなる。また、混合ガスの空筒線速度(LV)は、導入される混合ガスの条件、合成ゼオライトの充填状態、圧力等の操作条件等によって異なり一概に特定できないが、通常は100cm/sec以下、好ましくは30cm/sec以下である。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
(アンモニア精製装置の製作)
ステンレス製の触媒筒(内径108.3mm、長さ1000mm)とステンレス製の吸着筒(内径108.3mm、長さ1000mm)からなる精製ラインを2系列備えた図1に示すような構成のアンモニア精製装置を製作した。各々の触媒筒に市販のニッケル触媒を充填長が400mmとなるように充填し、また各々の吸着筒に市販の4Å相当の合成ゼオライト(モレキュラーシーブス4A、ユニオンカーバイト社製)を充填長が600mmとなるように充填した。尚、合成ゼオライトの充填部には、上流側から下流側の方向に向かって等間隔となるように、温度測定用の熱伝対を5個設置した。
次に、片方の精製ラインについて、ニッケル触媒を250℃に加熱するとともに、触媒筒に水素と窒素の混合ガスを常圧で流してニッケル触媒の還元処理を行なった。また、合成ゼオライトを300℃に加熱するとともに、吸着筒に窒素を常圧で流して合成ゼオライトの活性化処理を行ない、加熱を止め窒素を流して冷却後、吸着筒に加圧された窒素とアンモニアの混合ガスを流し、続いて100%のアンモニアを流して、合成ゼオライトにアンモニアを吸着させた。さらに、もう片方の精製ラインのニッケル触媒と合成ゼオライトについて同様の処理を行なった。
(アンモニアの精製)
不純物として、酸素、二酸化炭素、及び水を含む工業用の粗アンモニアを、常温、常圧、流量200L/minの条件で片方の精製ラインに流通してアンモニアの精製を行なった。精製処理開始後、精製アンモニアの取出し口から精製されたアンモニアを、予め定められた時間にサンプリングし、GC−TCD、GC−FID、FT−IRを用いてガス中の酸素、二酸化炭素、及び水の濃度を測定した。その結果、最初に微量の水が検出された(吸着筒が破過)ので、精製ラインをもう片方の精製ラインに切替えた。
(アンモニア精製装置の再生)
再生ガス導入ラインからアンモニア精製済のラインに再生ガス(水素、窒素、アンモニア)が導入できるように、またアンモニア精製済のラインから再生ガス排出ラインに再生ガスが排出できるようにバルブを切替えた。次に、ニッケル触媒を250℃に加熱するとともに、再生ガス導入ラインから水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を常圧で20L/minの流量で8時間流してニッケル触媒の還元処理を行なった。
続いて、合成ゼオライトを300℃に加熱するとともに、吸着筒に窒素を常圧で20L/minの流量で12時間流して、合成ゼオライトから不純物を除去し、加熱を止め窒素を流して冷却後、圧力調整弁を調整しながら合成ゼオライトに加圧された窒素とアンモニアの混合ガス(絶対圧力450kPa、アンモニア20vol%)を流して、合成ゼオライトにアンモニアを吸着させた。この間、吸着筒の熱伝対の設置位置の温度がすべて200℃以下となるような条件で、なるべく多量の混合ガスを流し、最後に100%のアンモニアを流して、合成ゼオライトへのアンモニアの吸着処理を完了した。その結果、合成ゼオライトへのアンモニアの吸着処理に11.2時間かかったことがわかった。
[実施例2]
実施例1と同様のアンモニア精製装置を用いて、実施例1と同様にしてアンモニアの精製を行ない、続いてアンモニア精製装置の再生を行なった。アンモニア精製装置の再生は、合成ゼオライトへのアンモニアの吸着処理において、圧力調整弁を調整して窒素とアンモニアの混合ガスの絶対圧力を300kPaに下げたほかは、実施例1と同様にしてアンモニア精製装置の再生を行なった。その結果、合成ゼオライトへのアンモニアの吸着処理に11.8時間かかった。
[実施例3]
実施例1と同様のアンモニア精製装置を用いて、実施例1と同様にしてアンモニアの精製を行ない、続いてアンモニア精製装置の再生を行なった。アンモニア精製装置の再生は、合成ゼオライトへのアンモニアの吸着処理において、窒素とアンモニアの混合ガスのアンモニア濃度を30vol%に上げたほかは実施例1と同様にして行なった。その結果、合成ゼオライトへのアンモニアの吸着処理に
12.3時間かかった。
[実施例4]
実施例1と同様のアンモニア精製装置を用いて、実施例1と同様にしてアンモニアの精製を行ない、続いてアンモニア精製装置の再生を行なった。アンモニア精製装置の再生は、合成ゼオライトへのアンモニアの吸着処理において、窒素とアンモニアの混合ガスのアンモニア濃度を10vol%に下げたほかは実施例1と同様にして行なった。その結果、合成ゼオライトへのアンモニアの吸着処理に11.5時間かかった。
[比較例1]
実施例1と同様のアンモニア精製装置を用いて、実施例1と同様にしてアンモニアの精製を行ない、続いてアンモニア精製装置の再生を行なった。アンモニア精製装置の再生は、合成ゼオライトへのアンモニアの吸着処理において、圧力調整弁を調整して窒素とアンモニアの混合ガスを常圧に下げたほかは実施例1と同様にして行なった。その結果、合成ゼオライトへのアンモニアの吸着処理に12.7時間かかった。
以上の通り、本発明の実施例は、アンモニア精製装置の再生において、アンモニアの合成ゼオライトへの吸着時間を、比較例より大幅に短縮できるので、アンモニア精製装置の再生時間を短縮することが可能である。
本発明のアンモニアの精製装置の一例を示す構成図 本発明の図1以外のアンモニアの精製装置の一例を示す構成図 本発明の図1、図2以外のアンモニアの精製装置の一例を示す構成図
1 ニッケルを有効成分とする触媒の充填部
2 合成ゼオライトの充填部
3 触媒筒
4 吸着筒
5 精製筒
6 粗アンモニアの導入ライン
7 再生ガス導入ライン
8 再生ガス排出ライン
9 圧力調整器
10 精製アンモニアの取出し口
11 不活性ガスの導入ライン
12 水素の導入ライン
13 アンモニアの導入ライン

Claims (8)

  1. ニッケルを有効成分とする触媒の充填部を有する触媒筒、合成ゼオライトの充填部を有する吸着筒、及び粗アンモニアの導入ラインを備えたアンモニアの精製装置であって、再生ガス導入ライン、再生ガス排出ライン、及び合成ゼオライトを流通後の再生ガス排出ラインに設置された圧力調整器を備え、再生ガス導入ラインは、不活性ガスの導入ライン、水素の導入ライン、アンモニアの導入ラインと結合してなることを特徴とするアンモニアの精製装置。
  2. ニッケルを有効成分とする触媒の充填部と合成ゼオライトの充填部を有する精製筒、及び粗アンモニアの導入ラインを備えたアンモニア精製装置であって、再生ガス導入ライン、再生ガス排出ライン、及び合成ゼオライトを流通後の再生ガス排出ラインに設置された圧力調整器を備え、再生ガス導入ラインは、不活性ガスの導入ライン、水素の導入ライン、アンモニアの導入ラインと結合してなることを特徴とするアンモニアの精製装置。
  3. 請求項1に記載のアンモニア精製装置によりアンモニアの精製を行なった後、該アンモニア精製装置を再生する方法であって、
    加熱下で吸着筒に不活性ガスまたは不活性ガスとアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトから不純物を除去する除去工程と、
    前記除去工程の後に、吸着筒に不活性ガスを流通し合成ゼオライトを冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程の後に、吸着筒に加圧された不活性ガス及びアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる吸着工程と
    を含むことを特徴とするアンモニア精製装置の再生方法。
  4. 請求項2に記載のアンモニア精製装置によりアンモニアの精製を行なった後、該アンモニア精製装置を再生する方法であって、
    加熱下で精製筒に不活性ガスまたは不活性ガスとアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトから不純物を除去する除去工程と、
    前記除去工程の後に、精製筒に不活性ガスを流通し合成ゼオライトを冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程の後に、精製筒に加圧された不活性ガス及びアンモニアの混合ガスを流通し合成ゼオライトにアンモニアを吸着させる吸着工程と
    を含むことを特徴とするアンモニア精製装置の再生方法。
  5. 加圧された不活性ガス及びアンモニアの混合ガスの絶対圧力が、合成ゼオライトとの接触の際に、120〜500kPaとなるように、圧力調整器で調整される請求項3または請求項4に記載のアンモニア精製装置の再生方法。
  6. 加圧された不活性ガス及びアンモニアの混合ガスに含まれるアンモニアの含有率が、5〜50vol%である請求項3または請求項4に記載のアンモニア精製装置の再生方法。
  7. さらに、前記除去工程の前に、加熱下で触媒筒に水素含有ガスを流通しニッケルを有効成分とする触媒から不純物を除去する還元処理工程を含む請求項3に記載のアンモニア精製装置の再生方法。
  8. さらに、前記除去工程の前に、加熱下で精製筒に水素含有ガスを流通しニッケルを有効成分とする触媒から不純物を除去する還元処理工程を含む請求項4に記載のアンモニア精製装置の再生方法。
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