JP2014046846A - 車両用ボード構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒンジ部で割れが発生しても危険性がなく、かつボード構造体をヒンジ部で折り返して低温で保持した後にカバー部材が水平状態まで戻らなくなるという不具合がない、車両用ボード構造体を提供する
【解決手段】本発明の車両用ボード構造体は、ハニカム体15からなる芯材と、芯材のハニカム体15の中空部の開口を塞ぐように芯材を挟んで設けられた表側面材14と裏側面材16と、芯材の中空部に発泡、充填された熱硬化性樹脂18と、熱硬化性樹脂18が充填された芯材の一部が裏側面材16から表側面材14に向かって押し潰されて形成され、表側面材14と裏側面材16が接合されたヒンジ部11、12と、を備える。表側面材14の外側に、ヒンジ部11、12を横切るように設けられた可撓性を有するヒンジシート13と、裏側面材14の外側に、ヒンジ部11、12を覆うように設けられた不織布層を有するカバーシート17、17’と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車の室内に設けられる車両用ボード構造体に関し、特に、芯材に熱硬化性樹脂が塗布または充填されて成形されるとともに、その一部にヒンジ部を有する車両用ボード構造体に関する。
自動車の荷室フロアに設けられた収納用凹部の開口を開閉可能に配設されるデッキボードや、荷室を上下に仕切るトノボードなどの自動車用内装材として、種々のボード構造体が知られている。この種のボード構造体としては、所要の耐荷重性が求められると同時に、ボード構造体の操作性および車両の低燃費化の観点から、より軽量化することが求められている。
このような軽量ボード構造体としては、内部に区画された多数の小室(セル)を有するハニカム体が芯材として用いられ、ハニカム体のセル内に発泡性熱硬化性樹脂を充填、発泡させることによって軽量化、および剛性の向上を実現したボード構造体が知られている。
また、自動車室内の荷室フロアに配置されるデッキボードは、収納用凹部の開口を開閉可能とすると共に、荷室フロア面を平坦に形成することを目的としている。このようなデッキボードは、荷室の略全面を覆うように形成されているので、収容用凹部にアクセスするために、デッキボード全体を開閉する必要がある。したがって、デッキボード全体を開閉するときにデッキボード上に載置されている荷物を一旦、車外に取り出す必要があるので、操作性および利便性が乏しいものとなっている。このため、デッキボードの利便性を高めることを目的として、デッキボードにヒンジ部を形成して、デッキボードの一部がヒンジ部中心に回動可能に構成され、収容用凹部の開口の一部分のみを開閉可能とする形態が採られている。
デッキボードにヒンジ部を形成する方法としては、ボードを複数に分割して形成し、分割された各ボードをヒンジ部品で連結することで、このヒンジ部品でボードの一部を折曲可能に形成する方法が知られている。
しかしながら、この構成の場合、ボードの剛性の低下や、製造工数および製造コストの増加を避けることが困難である。
そのため、ボードを分割せずにヒンジ部を形成することが求められる。上述したボード構造体を分割せずにヒンジ部を形成する方法としては、ボード構造体の成形と同時に、ボード構造体の芯材および芯材を挟む面材の一部を押し潰すことによって、その部分を起点にボード構造体を折り曲げ可能とすることができるヒンジ部を形成することが考えられる。しかしながら、ヒンジ部は、芯材および面材に充填された熱硬化性樹脂が硬化しているため、可撓性、即ちヒンジ特性を有していない。さらにヒンジ部は、脆く、ボード構造体を、ヒンジ部を起点に折り曲げただけで割れが発生するおそれがある。
ボード構造体にヒンジ特性を付与することを可能とした構成が特許文献1に開示されている。特許文献1のボード構造体は、芯材の一部を裏側面材側から表側面材に向かって押し潰して、表側面材と裏側面材とが接合したヒンジ部と、該ヒンジ部における表側面材の外側に、ヒンジ部に跨って設けられた可撓性を有するヒンジシートを表側面材に埋設したことを特徴とする。これにより、特許文献1のボード構造体は、熱硬化性樹脂を含浸させた芯材と面材からなるにも拘らず、ヒンジ特性が付与されている。
特開2011−11615号公報
特許文献1に記載のボード構造体は、ヒンジ特性を付与することはできているが、ヒンジシートが設けられていない裏側面材には、ヒンジ部を起点に表側に向かって折り返した際に割れが発生し、バリやガラス繊維に起因する危険性が生じることが課題となっている。
また、この課題の対策として、不織布等のカバー部材をボード構造体に貼り合せることが考えられるが、この方法の場合、カバー部材が裏側面材のヒンジ部に形成された割れ目に噛み込まれる場合があり、さらに、低温時などにヒンジ部で折り返した状態で一定時間、ボード構造体が保持されると、ヒンジ部で折り返された部位が水平まで戻らなくなるという不具合が発生していた。
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ハニカム体を芯材として用い、該ハニカム体の中空部内に熱硬化性樹脂が発泡、充填してなるボード構造体において、ヒンジ部で割れが発生した場合でも、バリやガラス繊維に起因する危険性が生じることがなく、かつボード構造体をヒンジ部で折り返した状態で、低温で保持した後にカバー部材が水平状態まで戻らなくなるという不具合が発生しない、車両用ボード構造体を提供することを目的とする。
本発明の車両用ボード構造体は、ハニカム体からなる芯材と、芯材のハニカム体の中空部の開口を塞ぐように芯材を挟んで設けられた表側面材と裏側面材と、芯材の中空部に発泡、充填された熱硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂が充填された芯材の一部が裏側面材から表側面材に向かって押し潰されて形成され、表側面材と裏側面材が接合されたヒンジ部と、を備える。表側面材の外側に、ヒンジ部を横切るように設けられた可撓性を有するヒンジシートと、裏側面材の外側に、ヒンジ部を覆うように設けられた不織布層を有するカバーシートと、を有する。
本発明によれば、ヒンジ部で割れが発生した場合でも、バリやガラス繊維に起因する危険性が生じることがなく、かつボード構造体をヒンジ部で折り返した状態で、低温で保持した後でもカバー部材が水平状態まで戻らなくなるという不具合が発生しない、
本発明の車両用ボード構造体を示す概略斜視図である。 デッキボードの成形前の状態を示す分解概略図である。 図1のAA断面の概略図である。 前方ボードを折り返した状態のデッキボード1を示している。 デッキボードを裏側から見た正面図である。 図4の前方ボード付近を拡大して示した斜視図である。 スプリングの拡大概略図である。 カバーシートの実施例を示した概略図であり、(a)は第1の実施例、(b)は第2の実施例、(c)は第3の実施例である。
以下に、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の機能を有する構成には添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。
図1は、本発明に係る車両用ボード構造体が適用された、車両後部の荷室フロア面に敷設されるデッキボードを表面側(車室内側)から見た斜視図である。なお、以下の説明では、車両の一例として自動車を用いて説明するが、本発明の車両用ボード構造体はこれに限定されない。
車両用ボード構造体であるデッキボード1は、車両、例えば自動車の荷室フロアの下方に設けられた収納凹部の開口を覆う。また、デッキボード1の全て又は一部を回動可能に構成することによって、収納凹部の外部から内部にアクセス可能であり、荷物を格納および取り出し可能となる。デッキボード1の表面を平坦にすることで、デッキボード1上にも荷物を載置可能である。
デッキボード1は、自動車における敷設位置となる荷室フロア面の形状にほぼ沿った外形形状を有している。デッキボード1の荷室内側の面(表面)には、表皮材10が積層されており、自動車の内装材として好適な意匠性や手触り感が表皮材10によって付与されている。
表皮材10としては、目付量が100g/m2以上、300g/m2以下のポリエステル繊維からなるニードルパンチ不織布が好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維などの各種熱可塑性樹脂繊維からなる不織布を代わりに用いることができる。
デッキボード1には、自動車の前後方向である図1中X方向における前方側の位置に、自動車の幅方向である図1中Y方向に延びる第1ヒンジ部11が形成され、第1ヒンジ部11よりも自動車の前後方向で後方に第2ヒンジ部12が形成されている。デッキボード1は、第1ヒンジ部11よりも前方の前方ボード1a、1a’、第1ヒンジ部11と第2ヒンジ部との間の中間ボード1b、そして第2ヒンジ部12よりも後方の後方ボード1cに分割されている。
ユーザは、後方ボード1cの後端の把持部1c’を掴んで後方ボード1cを持ち上げることによって、第2ヒンジ部12を回動軸として後方ボード1cを回動させることができる。これによって、デッキボード1全体を持ち上げることなく、後方ボード1cのみを持ち上げるだけで後方ボード1cが第2ヒンジ部12を回動軸として回動して、荷室フロアの下方の収納凹部へ荷物の出し入れが可能となる。このため、デッキボード1は、ユーザの負担を軽減した利便性に優れたデッキボードを実現している。
また、デッキボード1は、第2ヒンジ部11を回動軸として前方ボード1a、1a’を回動させることが可能とされている。これによって、前方ボード1a、1a’をリヤシートのシートバックに載置した状態で、リヤシートのリクライニング操作や、リヤシートを前倒しして、荷室スペースを拡張させても、前方ボード1a、1a’は第1ヒンジ部11を回動軸として回動可能であるため、前方ボード1a、1a’は、リヤシートに追従できる。このため、リヤシートと荷室フロア面との間のすき間を完全に遮蔽して、見栄えを良好に保つことか可能となる。自動車の幅方向(図中Y方向)において右側の前方ボード1aおよび左側の前方ボード1a’と分割しているため、リヤシートが分割タイプのシートであってもそれぞれのシートのリクライニング操作に対応させて、リヤシートと荷室フロア面との間のすき間を遮蔽できるため好ましい。本実施例では、5:5のリヤシートに対応させて、前方ボード1aと前方ボード1a’の幅方向の長さは同じ5:5という比率にしているがこれに限られるものではなく、リヤシートに応じて任意に設定可能である。
図2は、デッキボード1の成形前の状態を示す分解概略図であり、図1のX方向に沿ったデッキボード1の断面図である。図2に示すように、デッキボード1は、裏面(図中下方)側から表面(図中上面)側に向かって、裏側面材16、スパンボンド不織布層25、芯材であるハニカム体15、表側面材14、ヒンジシート13、および表皮材10が積層されている。裏側面材16のスパンボンド不織布層25とは反対側の面には、ヒンジ部11、12(図3参照)が形成される位置にカバーシート17、17’が配置される。表側面材14、ハニカム体15、スパンボンド不織布層25および裏側面材16は、面積がほぼ等しく形成されている。また、ヒンジシート13とカバーシート17、17’は、表側面材14、ハニカム体15、および裏側面材16と、自動車の幅方向(図1のY方向)の長さ寸法がほぼ等しくされ、X方向における一部のみに配置されている。また、表皮材10は、図1のX方向およびY方向の長さ寸法が、表側面材14、ハニカム体15、スパンボンド不織布層25および裏側面材16よりも大きくなるように形成されて、デッキボード1の表面側から側面および底面(裏面)の周縁までを覆うように巻き込み、貼り合わされている。表皮材10の貼り合せ工程は、ヒンジシート13、表側面材14、ハニカム体15、スパンボンド不織布層25および裏側面材16の成形と同時でも良いし、成形後の後貼りでも良い。
本実施形態のデッキボード1の芯材は、内部が多数のセルに区切られたハニカム体15によって構成されている。この種のハニカム体15としては、ダンボール等のペーパーハニカム、ポリプロピレン等のプラスチックハニカム、およびアルミニウム等で形成された金属製ハニカムなどを適用することが可能であるが、軽量化を図る観点から、ペーパーハニカムを用いることが好ましい。
また、ハニカム体15の目付量としては、100g/m2以上、2000g/m2以下の範囲のものが好ましく、500g/m2以上、1500g/m2以下の範囲であればさらに好ましい。上述した下限値以上であれば、車両用デッキボード1として必要とされる剛性および耐久性が確保され、上述した上限値以下であれば、従来のデッキボードに比べて著しい軽量化の効果が得られる。
本実施形態では、ハニカム体15として、ダンボールからなるペーパーハニカム(新日本フェザーコア社製:「フェザーコアF−V」)を用いている。
ハニカム体15としては、断面六角形状のセルが連なって構成されたハニカム体や、複数の平板状仕切壁と複数の波形状仕切壁とが交互に重ねられ、一定間隔をあけた平板状仕切壁の間で波形状仕切壁が蛇行してなるハニカム体が公知である。
本実施形態のデッキボード1の芯材を構成するハニカム体15としては、上述のハニカム体に限定されるものではない。このような内部に多数のセルが形成されるように仕切られたハニカム構造を有するものであって、板状のハニカム体の両面(上面および下面)のそれぞれにおいて、セルが外部に開口している構造であれば、他の形状のハニカム体と代替可能である。
表側面材14および裏側面材16としては、ガラス繊維マットが、所要の剛性を付与できるとともに、軽量かつ断熱性に優れるといった理由で、好適に用いられる。なお、表側面材14および裏側面材16としては、植物繊維マットなどの天然繊維マットである各種繊維マットが用いられてもよい。
本実施形態における表側面材14および裏側面材16には、発泡性の熱硬化性樹脂がスプレーや浸漬などの各種方法をもちいて含浸されている。熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂が好適に用いられるが、フェノール樹脂やメラミン樹脂、ユリア樹脂など各種の熱硬化性樹脂でも代替可能である。
熱硬化性樹脂の含浸量は、表側面材14および裏側面材16の各重量に対して、100重量%以上、1000重量%以下の範囲にすることが好ましい。熱硬化性樹脂の含浸量が上述の下限値以上であれば、ハニカム体15の中空部内への熱硬化性樹脂の充填量が十分に確保されて、デッキボード1に所要の剛性が得られるので好ましい。また、熱硬化性樹脂の含浸量が上述の上限値以下であれば、従来のデッキボードに比べて、デッキボード1の軽量化を図ることが可能となると共に、必要以上の量の熱硬化性樹脂を使用して製造コストが増加することを防止できるので好ましい。
本実施形態では、表側面材14および裏側面材16へのウレタン樹脂の含浸方法は、スプレーによって散布する方法を採用している。
熱硬化性樹脂の面材への含浸方法としては、スプレー以外にも、塗布や浸漬など各種公知の含浸方法をもちいることもできる。
本実施形態のデッキボード1は、ハニカム体15の両面を表側面材14と、裏側面材16とで挟んでなるボード構造体であるので、ダンボール製のハニカム体15の内部に多数の中空のセルを有している。このため、デッキボード1は、従来のこの種のデッキボードに比べて極めて軽量に構成することができる。また、ハニカム体15の両面における中空部の開口を表側面材14および裏側面材16で塞ぐようにハニカム体15が挟んで設けられることによって、表側面材14および裏側面材16が、デッキボード1に負荷された力を受けると同時に、力をハニカム体15の仕切壁全体に分散させる。その結果、デッキボード1の厚み方向に対して、ダンボール製のハニカム体のみを芯材としたボード構造体では実現が困難であった高い耐圧性および高い機械的強度が得られる。なお、スパンボンド不織布層25の詳細については後述するが、ボード構造体の構成要素としては無くても構わない。
本実施形態のデッキボード1は、芯材として、隔壁によって多数のセルに仕切られたハニカム体15を用いる。そして、熱硬化性樹脂が含浸された表側面材14と裏側面材16およびスパンボンド不織布層25とでハニカム体15の両面を挟み込んで表側面材14と裏側面材16およびスパンボンド不織布層25とを加熱することでこれらは一体化される。このとき、表側面材14と裏側面材16に含浸された熱硬化性樹脂は、デッキボード1の加圧成形と同時に加熱発泡して、ハニカム体15のセルの中空部内に充填される。裏側面材16に含浸した熱硬化性樹脂もスパンボンド不織布層25を介してハニカム体15に充填される。これにより、軽量化、かつ高剛性が実現されたデッキボード1を形成することが可能となる。
ハニカム体15のセルの中空部内に発泡、充填された熱硬化性樹脂は、引き続き、成形型によって加熱され続けることによって硬化する。これによって、表側面材14とハニカム体15、および、裏側面材16とスパンボンド不織布層25とハニカム体15は、それぞれ接着される。ハニカム体15の中空部内に熱硬化性樹脂が発泡、充填されることによって、デッキボード1の機械的強度、耐圧性などの特性が更に向上する。
図3は、図1のAA断面の概略図である。図4は、図1のAA断面における、前方ボード1aを折り返した状態のデッキボード1を示している。ヒンジシート13、表側面材14、ハニカム体15、スパンボンド不織布層25、および裏側面材16からなる積層体がプレス加工された後、表皮材10が表側面材14に接着されるとともに、表皮材10の端部がデッキボード1の側面および裏側面材16の端部までを覆うように巻き込まれ接着されている。さらに、カバーシート17を第1ヒンジ部11における裏側面材16の表面に、カバーシート17’を第2ヒンジ部12における裏側面材16の表面に、それぞれ、ヒンジ部11、12の、裏面側から見て窪んだ部分を覆うように貼り合されている。
表側面材14および裏側面材16に含浸させた熱硬化性樹脂18がハニカム体15の内部に発泡、充填されることによって、ハニカム体15の各隔壁を熱硬化性樹脂18の発泡体が覆って補強すると共に、表側面材14とハニカム体15、および、ハニカム体15とスパンボンド不織布層25と裏側面材16とが強固に接着固定されている。このため、荷室フロア面に設けられるデッキボードとして、要求される機械的強度や剛性を満たすと共に、従来のデッキボードに比べて著しい軽量化を達成することができる。
ここで、発泡、充填される熱硬化性樹脂18は、ハニカム体15のセルの中空部内に必ずしも完全に埋め尽くすまで発泡される必要は無い。すなわち、表側面材14および裏側面材16がハニカム体15に接着され、熱硬化性樹脂18がハニカム体15のセルの各隔壁を部分的に被覆するのに十分な発泡量が確保されればよく、本発明の効果が同様に得られる。
熱硬化性樹脂18の発泡、充填量は、ハニカム体15のセル内部の容積に対して、5%以上、80%以下の割合で充填されていることが好ましく、10%以上、60%以下の範囲内であれば更に好ましい。
熱硬化性樹脂18の発泡、充填量は、上述した下限値以上であれば、所要の剛性および耐久性が保証され、上述した上限値以下であれば、デッキボード1を軽量化する効果が十分に得られる。
次に、第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12の構造について説明する。第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12は、デッキボード1の加圧成形と同時に、裏側面材16から表側面材14に向かってハニカム体15の一部を圧潰して押し潰す圧潰加工を施すと共に、裏側面材16とスパンボンド不織布層25と表側面材14とを接合することによって形成されている。
本実施形態では、表皮材10は、裏側面材16、スパンボンド不織布層25、ハニカム体15、および表面面材14からなる積層体の成形工程の後工程で、貼り合されているが、表皮材10が表側面材14に積層された状態で、デッキボード1の加圧成形を行っても良く、デッキボード1が表皮材10を備えない構成でも良い。
表側面材14の表皮材10に面する側には、第1ヒンジ部11から第2ヒンジ部12までを覆うようにヒンジシート13が積層されている。
デッキボード1は、ハニカム体15を2つの面材14、16で挟み込み、面材14、16に含浸させた熱硬化性樹脂を加熱発泡させて、ハニカム体15のセルの中空部内まで熱硬化性樹脂が充填されて硬化させて形成されるハニカムサンドイッチ構造をしている。一般的なハニカムサンドイッチ構造の場合、ヒンジ部11、12を圧潰形成した場合に、ヒンジ部11、12の可撓性が乏しく、成形後にヒンジ部11、12を回動軸として折り曲げることが困難である、あるいは、ヒンジ部11、12で折り曲げようとしたときにこの部分から裂けてしまう、という問題があるため、ヒンジ特性を付与することができない。しかしながら、本発明のデッキボード1においては、熱可塑性樹脂を基材とするヒンジシート13を第1ヒンジ部11から第2ヒンジ部12にわたって配置することによって、ハニカム体15内および表側面材14、裏側面材16に熱硬化性樹脂が発泡、硬化しているにもかかわらず、デッキボード1の加圧成形と同時にヒンジ特性を第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12に付与することが可能となる。
ヒンジシート13は、自動車の幅方向であるY方向において、デッキボード1の幅とほぼ同じ長さを有している。ヒンジシート13のX方向の幅は、第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12の、裏面側から見て最も窪んだ部分同士の間にわたって配置することが可能な寸法を有する必要があり、その幅は10mm〜80mm程度が好適であるが、本実施形態においては、X方向の幅が112mmのヒンジシート13を使用し、第1ヒンジ部11と第2ヒンジ部12と共用とすることによって、製造工程における効率性を高めて、製造工数を短縮させている。
また、ヒンジシート13の厚み方向の一部は、表側面材14の内部に埋設されている。この構造は、第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12が形成される位置にヒンジシート13が積層された状態で、加圧成形(熱プレス成形)を行うことで形成される。ヒンジシート13の厚み方向において、ヒンジシート13の厚さ寸法の40%以上が表側面材14の内部に埋設されている構成が好ましく、ヒンジシート13の厚さ寸法の70%以上が表側面材14の内部に埋設されている構成が更に好ましい。このようにヒンジシート13の厚み方向の少なくとも一部が、表側面材14の内部に埋設されている積層体を構成することによって、表側面材14の表面にヒンジシート13による凹凸が現れることを可及的に防止することができる。したがって、デッキボード1の第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12の外観を良好に保つことができる。
次に、ヒンジシート13の構造について説明する。ヒンジシート13は、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどの熱可塑性樹脂からなる基材樹脂シート、基材樹脂シートの表皮材10側に積層されたPETスパンボンド不織布などからなる断熱用不織布、および基材樹脂シートのハニカム体15側の面に積層されたPETスパンボンド不織布などからなる接着用不織布の3層からなる積層体である。
ヒンジシート13を構成する基材樹脂シートとしては、可撓性を有する熱可塑性樹脂が好適に用いられ、目付量が50g/m2以上、160g/m2以下の範囲にされることが好ましく、さらに目付量50g/m2以上、150g/m2以下の範囲にされることが好ましく、さらに目付量50g/m2以上、120g/m2以下の範囲にされることが好ましい。上述の下限値以上とすることで、第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12にヒンジ特性を付与できるだけの機械的強度が確保され、上限値以下とすることで、デッキボード1の重量の増加が抑えられる。さらに、前方ボード1a、1a’を、第1ヒンジ部11を回動軸として、デッキボード1の表面側へ回動させた状態で一定時間(2時間)、低温(−20℃)で保持した後に前方ボード1a、1a’開放し、2秒以内に前方ボード1a、1a’が水平状態まで戻るか評価する試験(フォールダウン試験)において、水平状態までの戻りが良くなる傾向にあることを確認した。
断熱用不織布は、目付量が30g/m2以上にされることが好ましい。これは、デッキボード1の加熱を伴う加圧成形時に、基材樹脂シートの温度が上昇し溶融して、溶けた樹脂が成形型に付着したりするなどによって、第1ヒンジ部11と第2ヒンジ部12の成形時に不具合が発生することが考えられるためである。断熱用不織布を配置することによって、断熱効果が得られるので、基材樹脂シートが溶けて成形時に不具合が発生する可能性を低減することができる。
なお、本実施形態では、ヒンジシート13は、基材樹脂シートとして目付量が120g/m2であるポリプロピレン樹脂シート、断熱用不織布として目付量が100g/m2であるPETスパンボンド不織布、接着用不織布として目付量が100g/m2であるPETスパンボンド不織布をそれぞれ用いた。
図5は、デッキボード1を裏側から見た正面図であり、図6は、図5の前方ボード1a付近を拡大して示した斜視図である。図7は、スプリングの拡大概略図である。
デッキボード1の側面から裏面の周縁まで表皮材10が巻き込まれ、接着されている。また、中間ボード1bの、自動車の幅方向(Y方向)の両端部には、係合突起を有するストライカ19、19’がリベットにて固定されている。ストライカ19、19’は、ポリアセタール(POM)を射出成型して成形されており、矩形状の基部の略中央に係合突起が膨出形成され、その両側にリベットの挿通用の孔が形成されている。ストライカ19、19’の係合突起が、車体側に設けられた被係合部に係合されることにより、中間ボード1bは、摺動および回動が不能となるように車体側に固定されるため、第1ヒンジ部11を回動軸として、前方ボード1a、1a’のみがリヤシートのリクライニング操作に追従して回動することができるとともに、第2ヒンジ部12を回動軸として、後方ボード1cのみがユーザの開閉操作に応じて回動することができる。即ち、第1ヒンジ部11と第2ヒンジ部12の双方の回動操作が互いに影響しあうことなく独立して回動できるため、2つのヒンジ部11、12を設けたデッキボード1を成立させることを可能としている。
第1ヒンジ部11において、前方ボード1a、1a’と中間ボード1bとの間には2つのスプリング20、20’が設けられ、スプリング20、20’によって、前方ボード1a、1a’が中間ボード1bと略水平となる位置へと付勢されている。2つのスプリング20、20’は同一構成であるため、一方のスプリング20のみを説明する。
スプリング20は、弾性復元力を与える渦巻状のコイル部20aと、コイル部20aの両端部から延在する前側アーム部20bおよび後側アーム部20cとからなる。前側アーム部20bは、コイル部20aの一端から自動車の前後方向(X方向)の前方へ延びているのに対して、後側アーム部20cは、コイル部20aの他端から自動車の後方へ延びており、さらに、自動車の幅方向(Y方向)に屈曲し、端部は前方に屈曲している。即ち、後側アーム部20cは鉤状をしている。
スプリング20、20’は、前側アーム部20bの端部を前側ベース部材21、21’によって、後側アーム部20cの端部を後側ベース部材22、22’によって覆われるとともにリベットにて締結され固定されている。前側ベース部材21、21’および後側ベース部材22、22’の裏面には、前側アーム部20bおよび後側アーム部20cの端末形状に相似した形状の溝部が形成されており、この溝部に前側アーム部20bおよび後側アーム部20cの端末部が係合する。なお、前側ベース部材21、21’の裏面に形成された溝部は、前側アーム部20bの端末に応じて、直線状に形成されているが、前側アーム部20bが自動車の前後方向(X方向)に一定距離だけ摺動できるように前側アーム部の先端よりも前側に延長形成されている。一方、後側アーム部20cは鉤状に形成されており、後側ベース部材22、22’の裏面に形成された溝部もこの形状に対応するように形成されており、後側アーム部20cの端部をこの溝部に係合させることによって、自動車の前後方向(X方向)にも幅方向(Y方向)にも摺動不能となっている。
コイル部20aと前側アーム部20bと前側ベース部材21、21’は、デッキボード1の裏面における一般面から一段、内方へ窪んだ前側凹陥部23に配設されるとともに、後側アーム部20cと後側ベース部材22、22’は、デッキボード1の中間ボード1bの裏面における一般面から一段内方へ窪んだ後側凹陥部24に配設される。これにより、スプリング20、20’および前側ベース部材21、21’、後側ベース部材22、22’が裏側面材16から突出しないため、見栄えに優れるとともに、引っ掛かり難くなるため耐久性が向上し、且つ危険性が可及的に低減できる。
前方ボード1a、1a’の回動操作に伴って、前側アーム部20bおよびコイル部20aは車両前後方向に摺動することができるため、前方ボード1a、1a’の回動を阻害することなく滑らかに回動させるとともに、前方ボード1a、1a’が中間ボード1bと水平になる方向へ付勢することが可能となる。
なお、本実施形態では、スプリング20、20’として、最大モーメントは1106.8N・mm、材質はSWP−B、径2mm、コイル部径8mm、有効巻数17.2のコイルばねを用いた。
第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12は、デッキボード1の成形後に、ヒンジ折り機にて、初期の折り癖をつけた後、手加工にて表側面材14側に180°折って、さらに、裏側面材16側に90°折られる。その際に、第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12の裏側面材16側には、折れ線(裏面側から見て最も窪んだ部分)に沿うように割れ目が形成されて、バリなどが発生したり、ガラス繊維やウレタンが飛び出したりして、ユーザが触って不快に感じる手触り感を与えたり、ユーザがケガをしてしまう可能性が生じる。
ここで、本発明におけるデッキボード1においては、第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12の裏側面材16側には、折れ線に沿って形成された割れ目を覆うようにカバーシート17、17’が貼り合わされていることを特徴とする。
カバーシート17、17’は、不織布層28と、接着層27の2層からなる(図8参照)。不織布層28は、目付70g/m2〜140g/m2、より好ましくは、80g/m2〜120g/m2のPETスパンボンド不織布が好適に用いられ、接着層27は、両面テープや粘着剤が好適に用いられるが、特に第1ヒンジ部11には、カバーシート17がヒンジ部11に噛み込み難くなるという理由で粘着剤が用いられる。
第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12の裏側面材16側にカバーシート17、17’をそれぞれ貼り合せることによって、第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12に形成されたヒンジの折れ線に沿うように形成された割れ目によるバリやガラス繊維やウレタンの飛び出しなどによるユーザへの危険性を著しく低減することが可能となる。不織布層28の目付が140g/m2より小さければ、前方ボード1a、1a’を回動操作することによって、ヒンジに形成された割れ目に不織布層28が噛み込む量が低減、または、不織布層28が噛み込まれなくなるため、好ましい。即ち、上述したフォールダウン試験において、前方ボード1a、1a’が2秒以内に水平状態に戻るという条件を満足させることができる。また、不織布層の目付が70g/m2よりも大きければ、ヒンジ部の折れ線に沿って形成される割れ目によるユーザへの危険性やチクチクとする不快な手触り感を十分に低減可能であるため好ましい。
本実施例においては、カバーシート17、17’の接着層27は、不織布層28の略全体に設定されているが、例えば、第1ヒンジ部11と第2ヒンジ部12の割れ目部分に、接着層27のない、または、後述の接着阻害物質によって接着が阻害されてなる、非接着領域26が設けられても良い。このような構成とすることによって、割れ目にカバーシート17、17’が噛み込むおそれをさらに低減できるため、フォールダウン試験において、前方ボード1a、1aの戻りが遅れるという不具合の発生を可及的に低減できるとともに、不織布層28の目付を上げることが可能となるため、割れ目にカバーシート17、17’が噛み込まれることを抑制しつつ、カバーシート17、17’による危険性の低下および手触り感の向上という効果をさらに高めることが可能となる。
非接着領域26は、図8(a)に示すようにカバーシート17、17’の長手方向(車両の幅方向)の一端から他端まで、カバーシート17、17’の中間部分に設けられていてよい。また、図8(b)、(c)に示すように、非接触領域26が断続的に設けられてもよい。
カバーシート17、17’の貼り方は後述するが、前方ボード1a、1a’または後方ボード1cをヒンジ部11、12で180度折り返して中間ボード1b上に重ねた状態で、カバーシート17、17’が裏側面材16に貼り合わされるため、元の状態に戻したときに、カバーシート17、17’の非接着領域26の少なくとも一部が浮き上がって、凸状部(しわ)が形成される。これにより、さらに、ヒンジ部11、12の割れ目にカバーシート17、17’が噛み込み難くなるため好ましい。
なお、本実施形態では、カバーシート17、17’は、不織布層28として、目付100g/m2の関西フェルトファブリック社製のPETを用い、車両前後方向(X方向)の長さが22mm、車両幅方向(Y方向)の長さが852mmとなるように裁断し、接着層27として、カバーシート17にはPETに目付60g/m2の粘着剤を塗布し、カバーシート17’にはセキスイ社製の両面テープ♯5782を略同じ大きさに裁断して一方の面をPETに貼り合せて形成した。これは、両面テープに比べて、粘着剤を接着層とした方が、第1ヒンジ部11へのカバーシート17の噛み込みが発生し難いことが分かったためである。ここで、カバーシート17’についても、接着層として両面テープに替えて粘着剤を適用しても構わない。
カバーシート17を裏側面材16に貼り合わせる前には、第1ヒンジ部11に石筆を塗っている。これにより、カバーシート17が第1ヒンジ部11にさらに噛み込み難くなる。
図2に示したようにハニカム体15と裏側面材16との間には、スパンボンド不織布層25が積層されている。この種のボード、即ち、ウレタンスプレー技術を用いて製造されるボードでは、表側面材14および裏側面材16として用いられるガラスマットの目付が低くなると成形時に、伸ばされた部分で穴あきが発生するため、見栄えが悪くなり、商品性が低下するという課題が生じる。これに対して、表側面材14や裏側面材16の目付を高くすると、結果として製品重量が増加するため、好ましくない。表側面材14には、表皮材10が積層されるため見栄え上、問題ないが、裏側面材16は表皮材10の巻き込み部分以外は、露出するため、孔あきが発生すると見栄えの問題が生じる。この対策として、本実施例では、裏側面材16とハニカム体15との間にスパンボンド不織布層25を積層することにより、裏側面材16に穴が形成されても、スパンボンド不織布層25が穴を埋めてくれるため、見栄えが良好に保たれる。
スパンボンド不織布層25としては、目付が5〜500g/m2で融点が80℃以上であることが好ましい。
スパンボンド不織布層25を設けることによって、裏側面材16の穴埋め効果が得られるだけでなく、第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12における裏側面材16のヒンジ折れ線部(割れ目)での危険性を緩和する効果も同時に得られる。このため、カバーシート17、17’の目付を抑えることもできるため、フォールダウン試験において、ヒンジ戻りが良好に保つことができるため好ましい。
なお、本実施形態では、スパンボンド不織布層25としは、目付25g/m2のPETスパンボンドを使用した。
次にデッキボード1の製造方法を以下で説明する。
表側面材14および裏側面材16は、予めスプレー等を用いて熱硬化性樹脂18が略均一に散布、含浸されている。ハニカム体15は、乾燥させておく。表側面材14および裏側面材16をハニカム体15の中空部を塞ぐようにハニカム体15の両面側から挟み込むように積層する。このとき、ハニカム体15と裏側面材16との間にスパンボンド不織布層25を積層させている。さらに、表側面材14の上面にヒンジシート13を載置し、この状態で、一対の成形型の間にセットする。
そして、成形型の型表面温度を、熱硬化性樹脂18が発泡、硬化するのに十分な温度である130℃〜150℃程度に加熱した状態で、ハニカム体15、表側面材14、裏側面材16、スパンボンド不織布層25、ヒンジシート13が積層されてなる積層体を成形型によって熱プレス成形する。このとき、第1ヒンジ部11および第2ヒンジ部12が圧潰形成されることにより、デッキボード1に前方ボード1a、1a’、中間ボード1b、後方ボード1cがヒンジ部11、12を起点に折曲可能に連結した状態で形成される。
続いて、予め、粗裁断しておいた表皮材10に、接着剤を塗布し、加熱した上記積層体の表側面材14側の面に積層、圧着する。次に、デッキボード1の裏面への巻き込み部分を残すように、表皮材10の外周を裁断した後、表皮材10を裏側面材16の周縁部まで巻き込み、圧着する。表皮材10のデッキボード裏面への巻き込み部には、ボードの湾曲部に対応する箇所に複数のスリットが形成されている。スリットを形成することによって、表皮材10の巻き込み部分がボード形状に追従できるようになる。
そして、第1ヒンジ部11を起点に前方ボード1a、1a’を表側面材14側に180°折り返して中間ボード1b上に重ねた状態で、第1ヒンジ部11の折れ線(割れ目)に対して自動車の幅方向(Y方向)の端部間に石筆を一往復させて、接着阻害物質であるロウ石を塗り込んだ後、折れ線(割れ目)を覆うようにカバーシート17を貼り合せる。接着阻害物質としては、石筆(ロウ石)の他にローソクやチョークなどを用いても構わないが、低コストであり、粉が多量に発生して汚れの原因になるようなことがないため、石筆(ロウ石)が好適である。続いて、後方ボード1cを表側面材14側に180°折り返して中間ボード1b上に重ねた状態で第2ヒンジ部12の折れ線(割れ目)を覆うようにカバーシート17’を貼り合せる。
そして、ストライカ19、19’やスプリング20、20’等の付属部品を取り付ける。
1 車両用ボード構造体(デッキボード)
11 第1ヒンジ部
12 第2ヒンジ部
13 ヒンジシート
14 表側面材
15 ハニカム体(芯材)
16 裏側面材
17、17’ カバーシート
18 熱硬化性樹脂

Claims (10)

  1. ハニカム体からなる芯材と、前記芯材の前記ハニカム体の中空部の開口を塞ぐように前記芯材を挟んで設けられた表側面材と裏側面材と、前記芯材の前記中空部に発泡、充填された熱硬化性樹脂と、前記熱硬化性樹脂が充填された前記芯材の一部が前記裏側面材から前記表側面材に向かって押し潰されて形成され、前記表側面材と前記裏側面材が接合されたヒンジ部と、を備える車両用ボード構造体であって、
    前記表側面材の外側に、前記ヒンジ部を横切るように設けられた可撓性を有するヒンジシートと、
    前記裏側面材の外側に、前記ヒンジ部を覆うように設けられた不織布層を有するカバーシートと、を有する、車両用ボード構造体。
  2. 前記不織布層の目付量が70g/m2以上、140g/m2以下である、請求項1に記載の車両用ボード構造体。
  3. 前記ヒンジ部の前記裏側面材の表面の少なくとも一部に接着阻害物質が塗布されている、請求項1または2に記載の車両用ボード構造体。
  4. 前記カバーシートは、前記不織布層と、前記不織布層と前記裏側面材と間に位置する、前記裏側面材に接着する接着層および前記接着層が設けられていない非接着領域と、を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用ボード構造体。
  5. 前記非接着領域において、前記裏側面材と前記不織布層との間には空間が形成されている、請求項4に記載の車両用ボード構造体。
  6. 前記芯材と前記裏側面材との間にスパンボンド不織布層が設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用ボード構造体。
  7. 前記ヒンジ部が複数設けられている、請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用ボード構造体。
  8. 前記ヒンジシートの厚み方向の少なくとも一部が前記表側面材の内部に埋設されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の車両用ボード構造体。
  9. ハニカム体からなる芯材と、熱硬化性樹脂を含浸させた表側面材および裏側面材とを、一対の成形型の間に、前記表側面材および前記裏側面材とを、一対の成形型の間に、前記表側面材および前記裏側面材によって前記芯材を挟んで前記ハニカム体の中空部の開口を塞ぐように配置し、ヒンジ部を形成する位置の前記表側面材の外側に、可撓性を有するヒンジシートを、前記ヒンジ部を覆うように配置し、
    前記成形型を用いて、前記表側面材および前記裏側面材を加熱することで、前記表側面材と前記裏側面材に含浸させた前記熱硬化性樹脂を前記芯材の前記中空部に発泡、充填させるとともに、前記成形型を用いて、前記裏側面材側から前記表側面材に向かって、前記熱硬化性樹脂が充填された前記芯材の一部に圧潰加工することで前記表側面材と前記裏側面材を接合してヒンジ部を形成するボード構造体の製造方法であって、
    前記ヒンジ部を起点に前記ボード構造体を前記表側面材側に折り返した状態で、前記ヒンジ部の折れ目を覆うように、裏側面材側に不織布からなるカバーシートを貼着することを特徴とする車両用ボード構造体の製造方法。
  10. 前記カバーシートを貼着する前に、前記ヒンジ部の前記裏側面材側の前記折れ目の少なくとも一部に接着阻害物質を塗布する、請求項9に記載の車両用ボード構造体の製造方法。
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