JP2020131624A - 樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の成形材の端部同士を接続する接続部の強度を十分に確保できる樹脂成形体及びその製造方法を提供する。【解決手段】樹脂成形体100は、第1熱可塑性樹脂14を含む第1成形材10と、第2熱可塑性樹脂22及び複数の細孔23を含む第2成形材20と、第1成形材10の端部11と第2成形材20の端部21とが突き合わされて固着されてなる接合部30と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、樹脂成形体及びその製造方法に関する。
一般に、車両のアンダーカバー等に用いられる樹脂成形体には、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性樹脂を含む成形材(以下、第1成形材)が用いられる。また、成形材としては、熱可塑性樹脂と複数の細孔とを含んだ成形材(以下、第2成形材)が知られている。
特開2014−28510号公報 特開2006−342437号公報
上記の第1成形材は、第2成形材に比べて吸音性能が低い等の短所を有する。一方、第2成形材は、第1成形材に比べて強度が低い等の短所を有する。
他方、これらの問題を解消する手法としては、例えば、第1及び第2成形材の端部同士を重ね合わせて、リベット等の締結部材により接続し、第1成形材を介して第2成形材を車両等に固定することが考えられる。しかしながら、この接続方法では、第1及び第2成形材の接続部の強度を確保できない可能性がある。
そこで、本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、複数の成形材の端部同士を接続する接続部の強度を十分に確保できる樹脂成形体及びその製造方法を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、第1熱可塑性樹脂を含む第1成形材と、第2熱可塑性樹脂及び複数の細孔を含む第2成形材と、前記第1成形材の端部と前記第2成形材の端部とが突き合わされて固着されてなる接合部と、を備えることを特徴とする樹脂成形体が提供される。
好ましくは、前記接合部においては、前記第1熱可塑性樹脂が前記複数の細孔に充填されている。
また、前記第1成形材は、第1強化繊維を含み、前記第2成形材は、第2強化繊維と、前記第2熱可塑性樹脂及び前記第2強化繊維を覆う表皮材と、を含み、前記第1熱可塑性樹脂及び前記第1強化繊維は、前記第2熱可塑性樹脂及び前記第2強化繊維にそれぞれ固着している。
また、前記第1成形材は、前記第1熱可塑性樹脂からなる第1樹脂層と、前記第1強化繊維からなる強化繊維層とが積層された第1シートにより形成され、前記第2成形材は、前記第2熱可塑性樹脂、前記複数の細孔及び前記第2強化繊維を含む第2樹脂層と、前記第2樹脂層の表面及び裏面にそれぞれ貼設された表側表皮材及び裏側表皮材と、を有する第2シートにより形成され、前記接合部においては、前記第1樹脂層及び前記強化繊維層が、前記表側表皮材と裏側表皮材との間で前記第2樹脂層に固着している。
本開示の一の態様によれば、第1熱可塑性樹脂を含む第1成形材と、第2熱可塑性樹脂及び複数の細孔を含む第2成形材と、前記第1成形材の端部と前記第2成形材の端部とが突き合わされて固着されてなる接合部と、を備えた樹脂成形体の製造方法であって、前記第1成形材を加熱して軟化させる第1成形材加熱行程と、前記第2成形材を加熱して軟化及び膨張させる第2成形材加熱行程と、軟化された前記第1成形材の端部と軟化及び膨張された前記第2成形材の端部とを突き合わせて固着させることで、前記接合部を形成する接合工程と、を備えることを特徴とする樹脂成形体の製造方法が提供される。
好ましくは、前記接合工程においては、前記第1熱可塑性樹脂を前記複数の細孔に充填させる。
また、前記接合工程は、軟化された前記第1成形材と、軟化及び膨張された第2成形材とを、プレス金型内に横並びに配置する配置工程と、前記プレス金型により前記第1及び第2成形材を縦方向に加圧して、前記第1成形材を流動させ、その後、前記第1成形材の端部を前記第2成形材の端部に固着させる加圧工程と、を含む。
また、前記第1成形材は、第1強化繊維を含み、前記第2成形材は、第2強化繊維と、前記第2熱可塑性樹脂及び前記第2強化繊維を覆う表皮材と、を含み、前記加圧工程においては、前記第1熱可塑性樹脂及び前記第1強化繊維を、前記第2熱可塑性樹脂及び前記第2強化繊維にそれぞれ固着させる。
また、前記第1成形材は、前記第1熱可塑性樹脂からなる第1樹脂層と、前記第1強化繊維からなる強化繊維層とが積層された第1シートにより形成され、前記第2成形材は、前記第2熱可塑性樹脂、前記複数の細孔及び前記第2強化繊維を含む第2樹脂層と、前記第2樹脂層の表面及び裏面にそれぞれ貼接された表側表皮材及び裏側表皮材と、を有する第2シートにより形成され、前記加圧工程においては、前記第1及び第2成形材の端部同士を固着させる際に、前記第1樹脂層及び前記強化繊維層を、前記表側表皮材と裏側表皮材との間で前記第2樹脂層に固着させる。
また、前記加圧工程においては、前記第1及び第2成形材の端部同士を固着させると共に、前記プレス金型の型形状に合わせて前記第1及び第2成形材を成形する。
本開示に係る樹脂成形体及びその製造方法によれば、複数の成形材の端部同士を接続する接続部の強度を十分に確保できる。
樹脂成形体の概略断面図である。 図1に示した左側の樹脂成形体の拡大断面図である。 第1成形材の材質を示す拡大断面図である。 第2成形材の材質を示す拡大断面図である。 図4に示した第2樹脂層の拡大斜視図である。 樹脂成形体の製造方法を示す工程図である。 配置工程を示す概略断面図である。 加圧工程を示す概略断面図である。 加圧する前の状態を示す拡大断面図である。 加圧する途中の状態を示す拡大断面図である。 加圧した後の状態を示す拡大断面図である。 変形例を示す樹脂成形体の拡大断面図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、図中に示す各方向は、説明の便宜上定められたものに過ぎないものとする。
先ず、図1〜図5を参照して、本実施形態の樹脂成形体100の構造について説明する。
図1に示すように、樹脂成形体100は、車両のエンジン(不図示)を下側から覆うアンダーカバーである。本実施形態の車両は、キャブオーバ型トラックであり、図中に示す一点鎖線M1,M2は、キャブを支持する左右一対のサイドメンバである。但し、樹脂成形体100は、アンダーカバー以外の製品(例えば、騒音カバー)であっても良い。
また、樹脂成形体100は、第1成形材としての第1シート10と、第2成形材としての第2シート20と、第1シート10及び第2シート20を接合する接合部30と、を備える。詳細は後述するが、第1シート10には、熱可塑性プラスチックをガラス長繊維で補強した非多孔質のスタンパブルシート(GMT:Glass−Mat reinforced Thermoplastics)が用いられる。また、第2シート20には、熱可塑性プラスチック及びガラス短繊維を含む多孔質のスタンパブルシートが用いられる。
第2シート20は、車両のエンジンの下側を覆うように左右方向に延びて、左右のサイドメンバM1,M2の間の位置に配置される。第1シート10は、第2シート20の左右の両側にそれぞれ設けられる。左側の第1シート10は、第2シート20と左側のサイドメンバM1とを連結し、右側の第1シート10は、第2シート20と右側のサイドメンバM2とを連結する。なお、本実施形態の樹脂成形体100は、左右対称の構造である。よって、以下では、左側の第1シート10、第2シート20、及び接合部30について説明し、右側については説明を省略する。
図2に示すように、左側の第1シート(以下、単に「第1シート」)10は、板状に形成され、右端から左端にかけて略クランク状に曲折された断面形状を有する。第1シート10は、水平方向に延びる右側端部11と、右側端部11の左端から左斜め上方に延びる中間部12と、中間部12の左端から左方向に水平に延びる左側端部13と、を一体的に有する。左側端部13は、点線で示すボルトC1及びナットC2を用いて、左側のサイドメンバM1の下端部に固定される。
第1シート10は、軽量で且つ強度を確保できる板厚に設定される。例えば、右側端部11及び中間部12の板厚は、2〜3mmであり、左側端部13の板厚は、4〜5mmである。
第2シート20は、板状に形成され、左右方向に延びる直線状の断面形状を有する。また、第2シート20は、主に吸音性能を確保できる板厚(例えば、5〜8mm)に設定される。但し、第2シート20の左側端部21は、第1シート10の右側端部11と同じ板厚(例えば、2〜3mm)に設定される。
接合部30は、第1シート10の右側端部11と第2シート20の左側端部21とが突き合わされて固着されてなる。
図3は、第1シート10の材質を説明するための拡大断面図であり、図4及び図5は、第2シート20の材質を説明するための拡大断面図及び拡大斜視図である。なお、図3(a)及び図4(a)は、後述する加熱工程における加熱前の状態を示し、図3(b)及び図4(b)は、加熱後の状態を示す。
図3に示すように、第1シート10は、第1熱可塑性樹脂14と、第1強化繊維15と、を含む。第1熱可塑性樹脂14には、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性プラスチックが用いられる。第1強化繊維15には、ガラス長繊維が用いられる。但し、第1強化繊維15は、ガラス短繊維であっても良く、また、ガラス材料でなくても良い。
また、本実施形態の第1シート10は、第1熱可塑性樹脂14からなるシート状の第1樹脂層A1と、第1強化繊維15からなるシート状の強化繊維層A2とが積層されてなる。本実施形態では、第1樹脂層A1は、3層からなり、強化繊維層A2は、第1樹脂層A1の各層の間に挟まれた2層からなる。
図4及び図5に示すように、第2シート10は、第2熱可塑性樹脂22と、複数の細孔23と、第2強化繊維24と、を含む。また、第2シート10は、第2熱可塑性樹脂22及び第2強化繊維24を覆う表皮材25a,25bを含む。第2熱可塑性樹脂22には、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性プラスチックが用いられる。第2強化繊維24には、ガラス短繊維が用いられる。また、表皮材25a,25bには、不織布が用いられる。但し、第1強化繊維15は、ガラス長繊維であっても良く、また、ガラス素材以外の材質であっても良い。また、表皮材25a,25bは、不織布以外の素材であっても良い。
本実施形態の第2シート20は、第2熱可塑性樹脂22の中に複数の細孔23及び第2強化繊維24を混入させてなる第2樹脂層Bと、第2樹脂層Bの表面及び裏面に貼設された表側表皮材25a及び裏側表皮材25bと、を有する。
第2樹脂層Bにおいては、互いに絡み合った第2強化繊維24の隙間により複数の細孔23が画成され、また、第2強化繊維24に第2熱可塑性樹脂22が付着されている。これにより、第2樹脂層Bは、全体として多孔質に形成される。
図2に示すように、接合部30においては、第1樹脂層A1の第1熱可塑性樹脂14と強化繊維層A2の第1強化繊維15とが、表側表皮材25aと裏側表皮材25bとの間で、第2樹脂層Bの第2熱可塑性樹脂22及び第2強化繊維24にそれぞれ固着している。また、詳細は後述するが、第1熱可塑性樹脂14は、複数の細孔23に充填されて、第1強化繊維15は、第2強化繊維24に絡み合っている。
なお、本実施形態では、表側表皮材25aと第1シート10の端部11の上面とが面一になり、また、裏側表皮材25bと第1シート10の端部11の下面とが面一になっている。そのため、綺麗な表面形状が形成され、美感が向上される。
次に、樹脂成形体100の製造方法について説明する。図6は、樹脂成形体100の製造方法を示す工程図である。
図6に示すように、樹脂成形体100の製造方法は、第1シート10を製造する第1成形材製造行程S1と、第2シート20を製造する第2シート製造行程S2と、を備える。また、樹脂成形体100の製造方法は、製造された第1シート10を加熱して軟化させる第1成形材加熱行程S3と、製造された第2シート20を加熱して軟化及び膨張させる第2成形材加熱行程S4と、を備える。
また、図6〜図8に示すように、樹脂成形体100の製造方法は、プレス金型40内で接合部30を形成する接合工程S5と、接合部30が形成された樹脂成形体100をプレス金型40から取り出す取り出し工程S6と、を備える。
第1成形材製造行程S1においては、図3(a)に示したように、第1樹脂層A1と強化繊維層A2を下方から順に交互に重ねて積層することで、第1シート10を完成させる。
第2成形材製造行程S2においては、図4(a)に示した構造の第2樹脂層Bの表面に表側表皮材25aを貼設し、また、第2樹脂層Bの裏面に裏側表皮材25bを貼設することで、第2シート20を完成させる。
第1成形材加熱行程S3においては、第1成形材製造行程S1により製造された図3(a)に示す第1シート10を、例えばヒータ(不図示)で所定の軟化温度(例えば、200℃)にまで加熱する。これにより、図3(b)に示すように、第1シート10の第1樹脂層A1が軟化される。
第2成形材加熱行程S4においては、第2成形材製造行程S2により製造された図4(a)に示す第2シート20を、例えばヒータ(不図示)で所定の軟化温度(例えば、200℃)にまで加熱する。これにより、図4(b)に示すように、第2シート20の第2樹脂層Bが軟化される。また、細孔23内の空気が熱膨張することで、細孔23が拡がり、その結果、第2樹脂層B全体が厚さ方向に膨張する。これにより、第2シート20は、板厚が10mm程度になるまで膨張される。
接合工程S5においては、図7及び図8に示すように、軟化された第1シート10の端部11と軟化及び膨張された第2シート20の端部21とを突き合わせて固着させる。
具体的には、接合工程S5は、図6に示すように、第1成形材加熱行程S3により軟化された第1シート10と、第2成形材加熱行程S4により軟化及び膨張された第2シート20とを、プレス金型40内に横並びに配置する配置工程S5aを含む。また、接合工程S5は、プレス金型40により第1シート10及び第2シート20を縦方向すなわち厚さ方向に加圧して、第1シート10を流動させ、その後、第1シート10の端部11を第2シート20の端部21に固着させる加圧工程S5bを含む。
図7に示すように、プレス金型40は、樹脂成形体100の製品形状(図1を参照)に合わせて形成された上型41及び下型42を含む。
配置工程S5aにおいては、下型42の左右方向の中央部分に第2シート20を載置し、下型42の左右の両端部に第1シート10をそれぞれ載置する。第1シート10と第2シート20とは、互いに間隔を空けて配置される。本実施形態のプレス金型40は、左右対称の構造であるので、以下では、左側のプレス金型40を参照して加圧工程S5bを説明し、右側については説明を省略する。
図9及び図10に示すように、加圧工程S5bにおいては、上型41を下降させて、第1シート10及び第2シート20を厚さ方向に加圧する。これにより、第1シート10は、上型41と下型42との間で押し潰されて、第2シート20に向かって右側に流動すると共に、第2シート20よりも左側に位置するプレス金型40内に充填される。
また、図11に示すように、加圧工程S5bにおいては、樹脂成形体100の製品形状が成形される位置まで上型41を下降させる。これにより、第1シート10及び第2シート20が更に押し潰されて、第1シート10の右側端部11が第2シート20の左側端部21に固着される。そして、この状態でプレス金型40を放置して冷却することで、第1及び第2シート10,20が冷却、硬化され、第1及び第2シート10,20の端部11,21同士の固着が終了する。
固着の際、第1熱可塑性樹脂14及び第1強化繊維15は、第2熱可塑性樹脂22及び第2強化繊維24にそれぞれ固着される。また、第1熱可塑性樹脂14は、第2熱可塑性樹脂22及び第2強化繊維24に固着するときに、複数の細孔23に入り込んで充填される。そして、第1強化繊維15は、第2強化繊維24に絡み合って固定され、アンカー効果を生じさせる。これにより、第1及び第2シート10,20の端部11,21同士が強固に接合される。
また、加圧工程S5bにおいては、第1及び第2シート10,20の端部11,21同士を固着させると共に、プレス金型40の型形状に合わせて第1及び第2シート10,20を成形する。これにより、樹脂成形体100の製品形状が成形される。
取り出し工程S6においては、プレス金型40を開いて、製品形状に成形された樹脂成形体100を取り出す。
次に、本実施形態に係る樹脂成形体100及びその製造方法の作用効果を説明する。
一般的に、車両のアンダーカバー等に用いられる樹脂成形体は、上述した第1シート10のようなスタンパブルシート(GMT)のみで成形される。
第1シート10は、強度が高く(変形し難く)、衝撃に強く(破砕し難く)、プレス金型により複雑な成形(例えば、深絞り)が可能であるいう長所を有する。また、第1シート10には、繊維含有率に応じて高い強度に調整可能であり、ボルト締めの軸力を十分に確保できる等の長所もある。
しかしながら、第1シート10には、吸音性能や断熱性能が低く、また、重量が重いという短所がある。特に、第1シート10で成形された樹脂成形体では、例えばエンジン音を遮音すべく、樹脂成形体の表面にグラスウール等からなるインシュレータを取り付けることがあるが、この場合には、更に重量が増加してしまう等の問題が生じる。
一方、成形材としては、上述した第2シート20のような多孔質のスタンパブルシートが知られている。
第2シート20は、第1シート10に比べて吸音性能や断熱性能が高いという長所を有する。そのため、第2シート20で成形された樹脂成形体では、吸音性能等を確保するためにインシュレータを設ける必要がなく、軽量化を図ることができる。また、第2シート20には、用途に応じて表皮材を選択可能であり、また、板厚で剛性を調整できる等の長所もある。
しかしながら、第2シート20には、第1シート10に比べて、強度が低く(変形し易く)、また、衝撃に弱い(破砕し易い)という短所がある。特に、第2シート20の強度では、ボルト締めの軸力を十分に確保できず、車両のサイドメンバ等に直接固定することが困難である。また、第2シート20には、第1シート10に比べて、複雑な成形が難しく、材料の歩留まりが悪く、また、端部を潰して内部の樹脂層が漏れるのを防止する必要がある等の短所もある。
これに対して、本実施形態では、図1及び図2に示したように、第1及び第2シート10,20の端部11,21同士を接合し、強度が高い第1シート10を介して、吸音性能が高い第2シート20をサイドメンバM1,M2に固定する。そのため、第1シート10によって、ボルト締めが可能な軸力を確保できると共に、第2シート20によって、広い面積でエンジン音を遮音すると同時に軽量化を図ることが可能になる。その結果、インシュレータを取り付けた場合と比較して、樹脂成形体100の重量を格段に軽くすることができる。
他方、図示しないが、第1及び第2シート10,20の端部同士を接続する手法としては、これらの端部同士を重ね合わせて、リベット等の締結部材や超音波カシメ等の接続方法によって接続することが考えられる。
しかしながら、これらの手法は、第1及び第2シートを分離不能に一体に成形するわけではない。また、第2シートは、強度が低いので、車両の振動等の影響で引張応力が負荷されたときに、リベット等によって変形ないし破損する虞がある。その結果、第2シートが第1シートから剥がれる等、接続部の強度を確保できない虞がある。
これに対して、図1及び図2に示したように、本実施形態の接合部30は、第1及び第2シート10,20の端部同士11,21を突き合わせて固着されてなる。そのため、接合部30においては、これら端部同士11,21が分離不能に一体に成形される。これにより、第2シート20は、引張応力が負荷されたときでも、第1シート10から分離されるのを抑制できる。
よって、本実施形態に係る樹脂成形体100であれば、第1及び第2成形材10,20の端部11,21同士を接続する接続部の強度を十分に確保できる。
また、接合部30においては、第1シート10の第1熱可塑性樹脂14が、第2シート20の複数の細孔23に充填される。そのため、第1熱可塑性樹脂14は、第2シート20の内部に確実に侵入して固着される。これにより、例えば端面同士を溶着させただけの場合と比較して、端部11,22同士の一体性が向上し、接合部30の強度を高めることが可能になる。
また、接合部30においては、第1樹脂層A1及び強化繊維層A2が、表側表皮材25aと裏側表皮材25bとの間で第2樹脂層B2に固着している。そのため、表皮材25a,25bによる干渉を抑えつつ、第1樹脂層A1及び強化繊維層A2を第2樹脂層Bに確実に固着できる。
また、本実施形態の製造方法によれば、加熱して軟化させた第1シート10と、加熱して軟化及び膨張させた第2シート20とを、プレス金型40に配置して加圧するだけで、容易に接合部30を成形できる。
すなわち、接合工程S5においては、第1及び第2シート10,20をプレス金型40に横並びに配置して縦方向に加圧するだけで、第1シート10をプレス金型40内で流動させて、第1シート10の端部11を第2シート20の端部21に容易に固着できる。
本実施形態では、第2シート20を加熱して膨張させた状態で、第1シート10を固着させる。そのため、熱膨張により拡がった細孔23に対して、第1熱可塑性樹脂14を確実に充填できる。
また、一度のプレス成形のみで第1及び第2シート10,20の製品形状と接合部30とを成形できるので、製造工程を減らして、製造コストの増加を抑えることが可能になる。
なお、本実施形態であれば、上述したようなリベット等の締結部品や超音波カシメ等の設備が不要になるので、部品点数や設備コストを抑えることが可能になる。
以上、本開示の基本実施形態を詳細に述べたが、本開示は以下のような変形例またはそれら変形例の組み合わせとすることができる。
(変形例1)
第1及び第2シート10,20は、それぞれ複数重ねて用いられても良い。例えば、図12に示すように、第1変形例の第2シート20は、3枚の表皮材25と、各表皮材25の間に挟まれた2層の第2樹脂層Bと、を有する。この場合、第1シート10の第1樹脂層A1及び強化繊維層A2は、各表皮材25の間で2層の第2樹脂層Bにそれぞれ固着される。
(変形例2)
樹脂成形体は、プレス成形以外の方法で製造されても良い。図示しないが、第2変形例では、射出成形により樹脂成形体を製造する。
具体的には、第2変形例の製造方法では、先ず、射出成形用の金型内に軟化及び膨張された第2シートを配置しておく。そして、例えばガラス短繊維を含んだ第1成形材としての熱可塑性樹脂を金型内に射出する。これにより、熱可塑性樹脂が金型内で流動し、第2シートの端部に固着する。その結果、熱可塑性樹脂と第2シートの端部同士が接合され、接合部が形成されると共に、製品形状が形成される。
(変形例3)
第2成形材には、第2シート20の代わりに、ウレタンフォーム等の発泡素材が用いられても良い。
具体的には、第3変形例の発泡素材は、細孔としての連続気泡を含む。そのため、軟化された第1シートと発泡素材の端部同士が固着され、第1シートの第1熱可塑性樹脂が、発泡素材の連続気泡に充填される。
(変形例4)
第1シートは、強度等を確保できる場合には、第1強化繊維を含まない実施態様とすることも可能である。また、第2シートは、第2樹脂層の材質に応じて、第2強化繊維や表皮材を含まないで形成されても良い。
前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
10 第1シート(第1成形材)
11 端部(第1成形材の端部)
14 第1熱可塑性樹脂
15 第1強化繊維
20 第2シート(第2成形材)
21 端部(第2成形材の端部)
22 第2熱可塑性樹脂
23 細孔
24 第2強化繊維
25a 表側表皮材
25b 裏側表皮材
30 接合部
40 プレス金型
100 樹脂成形体
A1 第1樹脂層
A2 強化繊維層
B 第2樹脂層

Claims (10)

  1. 第1熱可塑性樹脂を含む第1成形材と、
    第2熱可塑性樹脂及び複数の細孔を含む第2成形材と、
    前記第1成形材の端部と前記第2成形材の端部とが突き合わされて固着されてなる接合部と、を備える
    ことを特徴とする樹脂成形体。
  2. 前記接合部においては、前記第1熱可塑性樹脂が前記複数の細孔に充填されている
    請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記第1成形材は、第1強化繊維を含み、
    前記第2成形材は、第2強化繊維と、前記第2熱可塑性樹脂及び前記第2強化繊維を覆う表皮材と、を含み、
    前記第1熱可塑性樹脂及び前記第1強化繊維は、前記第2熱可塑性樹脂及び前記第2強化繊維にそれぞれ固着している
    請求項1または2に記載の樹脂成形体。
  4. 前記第1成形材は、前記第1熱可塑性樹脂からなる第1樹脂層と、前記第1強化繊維からなる強化繊維層とが積層された第1シートにより形成され、
    前記第2成形材は、前記第2熱可塑性樹脂、前記複数の細孔及び前記第2強化繊維を含む第2樹脂層と、前記第2樹脂層の表面及び裏面にそれぞれ貼設された表側表皮材及び裏側表皮材と、を有する第2シートにより形成され、
    前記接合部においては、前記第1樹脂層及び前記強化繊維層が、前記表側表皮材と裏側表皮材との間で前記第2樹脂層に固着している
    請求項3に記載の樹脂成形体。
  5. 第1熱可塑性樹脂を含む第1成形材と、
    第2熱可塑性樹脂及び複数の細孔を含む第2成形材と、
    前記第1成形材の端部と前記第2成形材の端部とが突き合わされて固着されてなる接合部と、を備えた樹脂成形体の製造方法であって、
    前記第1成形材を加熱して軟化させる第1成形材加熱行程と、
    前記第2成形材を加熱して軟化及び膨張させる第2成形材加熱行程と、
    軟化された前記第1成形材の端部と軟化及び膨張された前記第2成形材の端部とを突き合わせて固着させることで、前記接合部を形成する接合工程と、を備える
    ことを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
  6. 前記接合工程においては、前記第1熱可塑性樹脂を前記複数の細孔に充填させる
    請求項5に記載の樹脂成形体の製造方法。
  7. 前記接合工程は、
    軟化された前記第1成形材と、軟化及び膨張された第2成形材とを、プレス金型内に横並びに配置する配置工程と、
    前記プレス金型により前記第1及び第2成形材を縦方向に加圧して、前記第1成形材を流動させ、その後、前記第1成形材の端部を前記第2成形材の端部に固着させる加圧工程と、を含む
    請求項5または6に記載の樹脂成形体の製造方法。
  8. 前記第1成形材は、第1強化繊維を含み、
    前記第2成形材は、第2強化繊維と、前記第2熱可塑性樹脂及び前記第2強化繊維を覆う表皮材と、を含み、
    前記加圧工程においては、前記第1熱可塑性樹脂及び前記第1強化繊維を、前記第2熱可塑性樹脂及び前記第2強化繊維にそれぞれ固着させる
    請求項7に記載の樹脂成形体の製造方法。
  9. 前記第1成形材は、前記第1熱可塑性樹脂からなる第1樹脂層と、前記第1強化繊維からなる強化繊維層とが積層された第1シートにより形成され、
    前記第2成形材は、前記第2熱可塑性樹脂、前記複数の細孔及び前記第2強化繊維を含む第2樹脂層と、前記第2樹脂層の表面及び裏面にそれぞれ貼接された表側表皮材及び裏側表皮材と、を有する第2シートにより形成され、
    前記加圧工程においては、前記第1及び第2成形材の端部同士を固着させる際に、前記第1樹脂層及び前記強化繊維層を、前記表側表皮材と裏側表皮材との間で前記第2樹脂層に固着させる
    請求項8に記載の樹脂成形体の製造方法。
  10. 前記加圧工程においては、前記第1及び第2成形材の端部同士を固着させると共に、前記プレス金型の型形状に合わせて前記第1及び第2成形材を成形する
    請求項7〜9何れか一項に記載の樹脂成形体の製造方法。
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