JP2019077061A - 樹脂構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層構造を有する樹脂構造体において、スキン層とコア層との接合強度が高く、軽量且つ高剛性な樹脂構造体並びに樹脂構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂構造体2は、コア層15と、コア層15を挟んで、コア層15の表裏両面に各々積層されたスキン層11、12と、を備え、スキン層11、13は、繊維層110、120と、繊維層110、120に含浸されたマトリックス樹脂14と、を有し、コア層13は、マトリックス樹脂14よりも比重の小さいシート状の樹脂基材150を有し、樹脂基材150は、スキン層と接する面に凹凸131を有する。樹脂基材150の表裏に開口された貫通孔150hを有していることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂構造体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、厚みを付与するコア層と、繊維強化された樹脂からなるスキン層と、を備える樹脂構造体及びその製造方法に関する。
FRPに代表される繊維強化された樹脂構造体は、高強度・高剛性・軽量・高耐久性等の高い機械特性を備える点で、優れた材料である。近年、この繊維強化された樹脂構造体は、軽量化の観点から、車両等の構造体である鋼板に代えて用いられる。
一方で、車両等に用いられる樹脂構造体の中には、衝撃荷重を効果的に吸収する高弾性能が求められるものがある。例えば、車両用バンパ等の外板部材用構造体としての用途では、衝突時等における安全性を高めるために、樹脂構造体が高弾性を有することが求められる。このような用途の樹脂構造体が、特許文献1に開示されている。また、このような樹脂構造体を製造する方法が、特許文献2及び特許文献3に開示されている。
特開2003−146252号公報 特開2009−179038号公報 特開2013−198984号公報
上記の特許文献1には、多孔体であるコア層の両面側に繊維強化された樹脂よりなる一対のスキン層が積層された樹脂構造体が開示されている。コア層にスキン層より軽量の多孔体を用いることによって、繊維強化樹脂のみを用いる以上に、樹脂構造体に厚みを付与し更に軽量化を実現している。また、特許文献2には、VaRTM成形(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)で特許文献1に係る構成の樹脂構造体を製造する方法が開示されている。特許文献3には、プレスで特許文献1に係る構成の樹脂構造体を製造する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1の樹脂構造体を製造するには、コア層を形成する多孔体及びスキン層を形成する強化繊維を金型内にセットし、未硬化樹脂を注入し、強化繊維の間隙にマトリックス樹脂を充填してコア層とスキン層とを一体化させる必要がある(所謂RTM成形(特許文献2ではVaRTM成形))。多孔体前駆体を予め発泡成形し、当該多孔体前駆体をコア層の形状に賦形する別途の準備工程を行い、賦形されたコア層にスキン層を貼り付けて一体化させていた。
従って、上記の樹脂構造体を製造するためには、コア層とスキン層との接合強度を維持する手段が必要であった。両者の接合強度を維持する工夫を余儀なくされるという問題点を有していた。また、特許文献3には、コア層とスキン層との接合強度を維持するために、最終工程で、コア層とスキン層とを一体にプレスする方法が開示されている。この場合であっても、一体にプレスするための前駆体をプレ成形する別途の準備工程が必要になるという問題点を有していた。
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、軽量且つ高剛性な樹脂構造体のコア層として適した新規な樹脂構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下に示す通りである。
[1]請求項1に記載の樹脂構造体は、コア層と、前記コア層を挟んで、前記コア層の表裏両面に各々積層されたスキン層と、を備えた樹脂構造体であって、
前記スキン層は、繊維層と、前記繊維層に含浸されたマトリックス樹脂と、を有し、
前記コア層は、前記マトリックス樹脂よりも比重の小さいシート状の樹脂基材を有し、
前記樹脂基材は、前記スキン層と接する面に凹凸を有することを要旨とする。
[2]請求項2に記載の樹脂構造体は、請求項1に記載の樹脂構造体において、前記樹脂基材は、表裏に開口された貫通孔を有し、
表面側のスキン層を構成するマトリックス樹脂と、裏面側のスキン層を構成するマトリックス樹脂と、は、前記貫通孔を介して一体であることを要旨とする。
[3]請求項3に記載の樹脂構造体は、請求項1又は2に記載の樹脂構造体において、前記マトリックス樹脂が、熱硬化性樹脂であり、
前記樹脂基材を構成する樹脂が、オレフィン系熱可塑性樹脂であることを要旨とする。
[4]請求項4に記載の樹脂構造体は、請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の樹脂構造体において、曲面部を有することを要旨とする。
[5]請求項5に記載の樹脂構造体は、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の樹脂構造体において、車両用バンパであることを要旨とする。
[6]請求項6に記載の樹脂構造体の製造方法は、請求項2に記載の樹脂構造体の製造方法であって、
前記表面側のスキン層を構成する表側繊維層と、
前記貫通孔を有した前記樹脂基材と、
前記裏面側のスキン層を構成する裏側繊維層と、がこの順に積層された積層体を、キャビティ内にセットするセット工程と、
前記キャビティ内に、前記マトリックス樹脂となる未硬化樹脂を注入し、前記樹脂基材の前記貫通孔を通じて、前記積層体内に前記未硬化樹脂を含浸する含浸工程と、
前記積層体内に含浸された未硬化樹脂を硬化させて前記マトリックス樹脂を得る硬化工程と、を備えることを要旨とする。
本発明の樹脂構造体は、コア層と、コア層を挟んで、前記コア層の表裏両面に各々積層されたスキン層と、を備え、スキン層は、繊維層と、前記繊維層に含浸されたマトリックス樹脂と、を有しているため、高剛性な樹脂構造体を有することができる。
また、本発明の樹脂構造体が備えるコア層は、マトリックス樹脂よりも比重の小さいシート状の樹脂基材を有しているため、軽量化を図ることができる。
更に、本発明の樹脂構造体が備える樹脂基材は、スキン層と接する面に凹凸を有するため、コア層とスキン層との接合強度を維持することができる。
また、本発明の樹脂構造体において、樹脂基材が、表裏に開口された貫通孔を有し、表面側のスキン層を構成するマトリックス樹脂と、裏面側のスキン層を構成するマトリックス樹脂と、が前記貫通孔を介して一体である場合には、一体成型に際して、貫通孔を介して表裏両方の繊維層に未硬化樹脂を含浸させることができる。このため、コア層とスキン層との間に高い接合強度を得ることができる。
更に、本発明の樹脂構造体において、マトリックス樹脂が、熱硬化性樹脂であり、樹脂基材を構成する樹脂が、オレフィン系熱可塑性樹脂である場合には、より接合強度を維持できると共に軽量化を図ることができる。
また、本発明の樹脂構造体において、樹脂構造体が曲面部を有する場合には、撓性を備えるコア層の基材として用いることにより、所望の樹脂構造体形状に容易に賦形することができる。更に、前述のように、高剛性な材料に曲面形状を付与することで、本樹脂構造体は、全体として高弾性を有することになる。従って、衝撃等により外力が加わった際には、変形により衝撃を吸収しながら、その外力が取り去られた際には、元の形状に復元しようとする性質を発揮させることができる。
本発明の樹脂構造体において、樹脂構造体が、車両用バンパとして用いられる場合には、高剛性でありながら、軽量であるために、車両の軽量化に貢献できる。
本発明の樹脂構造体の製造方法は、表面側のスキン層を構成する表側繊維層と、貫通孔を有した樹脂基材と、裏面側のスキン層を構成する裏側繊維層と、がこの順に積層された積層体を、キャビティ内にセットするセット工程と、キャビティ内に、マトリックス樹脂となる未硬化樹脂を注入し、樹脂基材の貫通孔を通じて、積層体内に未硬化樹脂を含浸する含浸工程と、積層体内に含浸された未硬化樹脂を硬化させてマトリックス樹脂を得る硬化工程と、を備えるため、多孔体を成形する等の別工程を要せずに樹脂構造体を成形できるので、生産工程を簡略化する観点から樹脂構造体の生産性を高められる。
更に、射出含浸工程では、基材の貫通孔を介して表裏両方の繊維層に未硬化樹脂を含浸させることができ、更に生産性を高めることができる。
本発明について典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
本樹脂構造体の模式断面図である。 本他例の樹脂基材に貫通孔を有する樹脂構造体の模式断面図である。 車両用バンパを説明するための斜視図である。 図3におけるX−X断面の模式断面図である。 本樹脂構造体の製造方法を説明する模式図である。 積層体をセットする工程を説明する模式図である。 射出工程を説明する模式図である。 硬化工程を説明する模式図である。
以下、本発明を、図を参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものである。本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に、本発明の構造的な詳細を示すことを意図するものでない。図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]樹脂構造体
本発明の樹脂構造体(1)は、コア層(13)と、コア層(13)を挟んで、コア層(13)の表裏両面に各々積層されたスキン層(11、12)と、を備えた樹脂構造体(1)である。また、スキン層(11、)12は、繊維層(110、120)と、繊維層(110、120)に含浸されたマトリックス樹脂(14)と、を有する。更に、コア層(13)は、マトリックス樹脂(14)よりも比重の小さいシート状の樹脂基材(130)を有し、樹脂基材(130)は、スキン層(11、12)と接する面に凹凸を有することを特徴とする。
即ち、本発明を具体化した樹脂構造体1は、図1に示すように、コア層13を備えている。このコア層13は、マトリックス樹脂14よりも比重の小さいシート状の樹脂基材130を有している。そして、樹脂基材130は、スキン層と接する面に凹凸131を有している。
スキン層11及び12は、コア層13を挟んで、コア層13の表裏両面に配置されている。このうち、スキン層11は繊維層110と、繊維層110に含浸されたマトリックス樹脂14と、を有する。同様に、スキン層12は繊維層120と、繊維層120に含浸されたマトリックス樹脂14と、を有している。
樹脂構造体1は、脂構造体に所望の厚みを付与し、且つ、軽量であるために設けられるコア層13に、繊維強化されたスキン層11及び12を積層して構成される。樹脂構造体は、主に、スキン層11及び12のマトリックス樹脂14中に強化繊維が配されていることにより、優れた機械特性を発現可能に構成されている。
樹脂構造体1は、内層側にコア層13を、コア層13の表面、裏面にスキン層11及び12を各々積層して構成され、コア層13の一面側及び対面側を両側からスキン層11及び12で挟み込んだサンドイッチ構造を有する。スキン層11及び12を複数備えれば、一層優れた機械的特性を発現できる。
表面側のスキン層11を構成するマトリックス樹脂14と、裏面側のスキン層12を構成するマトリックス樹脂14とは異なっていてもよいが、後述の貫通孔150hを介して一体であることが好ましい。
〔スキン層〕
スキン層11及び12は、コア層13の表裏両面に積層される表皮層であり、強化繊維がマトリックス樹脂14中に配された繊維強化樹脂層よりなる。このため、高い機械特性を具備する樹脂構造体が得られる。
スキン層11及び12としては、従来公知の樹脂構造体に用いられる従来構成のスキン層を用いることができ、特に限定されない。
スキン層11及び12を形成するマトリックス樹脂14としては、熱可塑性樹脂や熱又は光で硬化する樹脂を使用することができる。例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
好ましくは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で、熱、光等の外部からのエネルギーにより硬化成形される樹脂を用いることができる。
また、強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等の高強度繊維が用いられる。また、アラミド繊維、ケブラー繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの強化された有機繊維も用いられる。中でも高い剛性を保持したまま軽量性を確保するために、炭素繊維を用いることが好ましい。
尚、樹脂構造体1が上記のサンドイッチ構造を有する場合に、各スキン層11及び12の強化繊維又はマトリックス樹脂12は、同じでも異なっていても、どちらでも構わない。後述する製造方法と関連して容易に接合強度が高められるので、一対のスキン層11及び12のそれぞれのマトリックス樹脂14が同じであれば好ましい。
〔コア層〕
コア層13は、マトリックス樹脂14よりも比重の小さいシート状の樹脂基材130を有する。こうすることで、軽量化を図ることができる。
樹脂基材130は、マトリックス樹脂14よりも比重が小さければよく、その種類は限定されない。例えば、マトリックス樹脂14が、硬化樹脂である場合、熱可塑性樹脂であることが好ましい。硬化樹脂に対して、一般に、熱可塑性樹脂は比重が小さいからである。樹脂基材130を構成する樹脂自体の比重は限定されないが、1.06以下であることが好ましい。通常0.90以上である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びこれらのアロイ等のポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
また、樹脂基材130の形態も限定されず、中実体であってもよく、多孔体であってもよい。多孔体である場合には、軽量化の観点からより好ましい。多孔体である場合の樹脂基材130の比重は、例えば、0.7以上1.0以下とすることができる。この比重は、更に、0.75以上0.99以下とすることができ、0.80以上0.98以下とすることができ、0.85以上0.97以下とすることができる。
上述のように、マトリックス樹脂が硬化性樹脂である場合、その比重は、通常、1.06を超える。具体的には、1.07以上であり、通常2.0以下である。このような樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。
コア層13の厚みは限定されず、樹脂基材130の厚みに対応して形成される。従って、所定の厚みを備える樹脂基材130を適宜に選択してコア層13を形成し、樹脂構造体に所望の厚みを付与することができる。
樹脂基材130は、シート状を呈する。シート状とは、具体的には、厚さが10mm以下であることが好ましい。通常0.5mm以上である。樹脂基材130の厚さは、0.7mm以上8mm以下が好ましく、0.8mm以上6mm以下がより好ましく、0.9mm以上5mm以下が更に好ましく、1mm以上4.5mm以下が特に好ましい。
また、樹脂基材130は、スキン層11、12と接する面に凹凸131を有している。凹凸を有することで、樹脂基材が多孔体であっても、スキン層との接合強度を確保することができる。凹凸は、櫛歯形状、ノコギリ歯形状、円弧歯形状、等が挙げられるが、特に限定されない。樹脂基材130に係る凹凸131は、凹部131a、凸部131bからなり、凹部131aにマトリックス樹脂14が食い込むことで、アンカー効果を発現してスキン層11、12と樹脂基材130との接合強度を高めることができる。
凹凸131の形態は限定されないが、例えば、凹部131aの大きさ(最大幅)s及び、凸部131bの大きさ(最大幅)tは、各々別個に、0.1〜30mmとすることができる。この大きさは、更に、0.5〜25mmとすることができ、1〜20mmとすることができる。凹部及び凸部の大きさは同じでもよいし、異なってもよい。
また、凹部131aの深さ(最大深さ)uは、0.01〜20mmとすることができる。この大きさは、更に、0.05〜15mmとすることができ、0.1〜10mmとすることができる。
更に、凹凸131の凹部131a及び凸部131bの密度は、各々別個に、0.01〜20個/cmとすることができる。この大きさは、更に、0.05〜10個/cmとすることができ、0.1〜5個/cmとすることができる。
このような凹凸131は、どのように形成してもよく、例えば、シート状の樹脂基材130に対してエンボス加工を施すことにより付与できる。また、シート状の樹脂基材130を収縮させて凹凸130を付与することもできる。
図2に示す樹脂構造体2のように、樹脂基材150の表裏に開口された貫通孔150hを有していることが好ましい。そして、スキン層11、12を構成するマトリックス樹脂14とは、貫通孔150hを介して一体であることが好ましい。
尚、樹脂構造体2は、貫通孔150hを備えている点のみが、樹脂構造体1と相違する。スキン層11、12、樹脂基材150が備える凹凸151についての構成、作用効果は、樹脂基材130が備える凹凸131と同様であり、その説明を省略する。
[2]樹脂構造体の製造方法
本発明の樹脂構造体の製造方法は、前述の樹脂構造体のうち、表裏に開口された貫通孔150hを有する樹脂基材130を用いた樹脂構造体1であり、表面側のスキン層11を構成するマトリックス樹脂14と、裏面側のスキン層12を構成するマトリックス樹脂14と、が貫通孔150hを介して一体となった樹脂構造体1の製造方法である。
このような樹脂構造体1を、本方法では、表面側のスキン層11を構成する表側繊維層と、貫通孔150hを有した樹脂基材130と、裏面側のスキン層12を構成する裏側繊維層と、がこの順に積層された積層体50を用いる。そして、この積層体50を、キャビティ内にセットするセット工程と、キャビティ内に、マトリックス樹脂14となる未硬化樹脂490を注入し、樹脂基材130の貫通孔150hを通じて、積層体50内に未硬化樹脂490を含浸する含浸工程と、積層体50内に含浸された未硬化樹脂490を硬化させてマトリックス樹脂14を得る硬化工程と、を備える。この方法については、具体的に、実施例において後述する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
尚、実施形態で各構成に付した符号は、各構成に対応する実施例に記載の具体的構成との対応関係において、対応する同一構成には同一符号を付して以下の説明を行う。
[1]樹脂構造体(実施例1)
実施例1の樹脂構造体として、樹脂基材150をコア層15の基材として用いた樹脂構造体2を図3に示す車両用フロントバンパ30に適用する例を説明する。
図3に示すように、本実施例のバンパ30は、本実施形態の前記の樹脂構造体2を用い、車両本体のフロント部に設けられた一対のバンパ取り付け部81に取り付け可能な形状に成形されている。バンパ30は、車両80の高さ方向に沿って所定の短手方向の高さを有し、車両80の幅方向に沿って緩やかな曲面をなし車両幅とほぼ同じ長さを長手方向に有する長尺なパネル形状をなしている。バンパ30の緩やかな曲面は、長手方向の中央近辺301に向けて外方に徐々に高くなる湾曲状に形成されている。
また、バンパ30を短手方向に沿って切断した図4のX-X断面に示されるように、バンパ30は、コア層38に対して車両の外方に積層されるスキン層36と車両の内方に積層されるスキン層37とを備えている。各スキン層36、37は、コア層38よりも薄いパネル状をなし、バンパ30は、各スキン層36、37の数倍程度の厚みを有するコア層38を各スキン層36、37で厚み方向に挟み込むサンドイッチ構造を有している。また、バンパ30には、短手方向に沿った略1/4程度の上側及び下側において(図3参照)、車両内方に向けて折れ曲がる屈曲部302、303が形成されている。各屈曲部302、303は、長手方向の全長に亘って連続的に形成されている。尚、バンパ30は、車両内方のスキン層37側に形成される凹状部に図示しないエネルギーアブソーバを取り付け、バンパーレインフォースを介し、バンパ取り付け部81に取り付けられている。
各スキン層36、37は、炭素繊維よりなる強化繊維360、370がマトリックス樹脂39中に配された繊維強化樹脂よりなる。コア層38は、樹脂基材380と、樹脂基材380の間隙を充填するマトリックス樹脂39と、を備え、樹脂基材380は、樹脂基材150からなる。また、スキン層36、37を構成するマトリックス樹脂39とコア層38を構成するマトリックス樹脂39とが、共通している。
本実施例のバンパ38に適用される樹脂構造体は、コア層38が樹脂基材380を備えている。これにより、コア層38とスキン層36、37との接合強度を高める製法を採用でき、バンパ30の信頼性が高められる。具体的には、実施例2で説明するように、コア層38の樹脂基材380にスキン層36、37を強化する強化繊維360、370を積層した積層体50に、未硬化樹脂490を含浸させる射出工程を行う。バンパ30を構成するコア層38とスキン層36、37とを一体に成形できるので、両者の接合強度を高めてバンパ30の信頼性を一層高めることができる。
また、バンパ30の内部には、マトリックス樹脂よりも比重の小さいシート状の樹脂基材150がとどまっている。これにより、バンパ30が軽量化される。
そして、樹脂基材150の凹凸151により、スキン層36、37との接合強度が高められる。
更に、樹脂基材150は、表裏に開口された貫通孔150hを有し、表面側のスキン層36を構成するマトリックス樹脂39と、裏面側のスキン層37を構成するマトリックス樹脂39とは、貫通孔150hを介して一体であるため、一体成型に際して、貫通孔150hを介して表裏両方の繊維層360、390に未硬化樹脂を含浸させることができる。このため、コア層38とスキン層36、37との間に、更に高い接合強度を得ることができる。
また、スキン層36、37を構成するマトリックス樹脂39とコア層38を構成するマトリックス樹脂39とが共通するので、接合強度を更に高める一体成型を採用でき、信頼性を更に高めたバンパ30が得られる。具体的には、未硬化樹脂を射出する工程で行う手数を最小限に止め、バンパ30の生産性を更に高めるとともにスキン層36、37とコア層38との接合強度を一層高められる。
また、コア層38の両面側にスキン層36、37が配設されるので、高い機械特性を具備するバンパ30が得られる。具体的には、バンパ30は、一対のスキン層36、37をコア層38の厚み方向に相対向させて挟み込むサンドイッチ状の樹脂構造体として成形される。従って、バンパ30が、更に高い機械特性を発現可能に成形されている。
また、バンパ30が曲面を有するパネル状構造体なので、撓性を備えるシート状の樹脂基材をコア層38の基材として用いることにより、所望のバンパ30の形状に容易に賦形することができる。具体的には、樹脂基材380に強化繊維360、370を積層した後述する積層体50を用いて、バンパ30が成形される。積層体50は、自在に所望形状を形作る賦形性を有する。従って、従来構成の樹脂構造体よりも、湾曲状及び屈曲状302、303を備えるバンパ30を容易に成形することができ、生産性を高められる。いる。
[2]樹脂構造体の製造方法(実施例2)
実施例1の樹脂構造体の製造方法として、実施例1のバンパ30の製造方法を樹脂構造体の製造方法に適用する例を説明する。
本実施例の樹脂構造体からなるバンパ30は、例えば、図5〜8の各図に示すように製造される。図5〜8の各図は、積層体50、成形型90又はバンパ30の中間成形体等をバンパ30の短手方向に切断した断面を示す。まず、図5に示すように、実施例1の樹脂基材380と、樹脂基材380(即ち、樹脂基材150であり、以下、適宜に、樹脂基材150とも記す。)の両面側に積層される一対の強化繊維360、370と、よりなる積層体50を準備する。実施例1の樹脂基材150と一対の強化繊維380、381とは、それぞれ、上記のバンパ30の湾曲状を直状に広げた長手方向長さ(図示せず)よりやや長い長さを有する。また、バンパ30の屈曲状を直状に広げた短手方向幅よりやや大きな短手方向幅を有する。樹脂基材150の両面に一対の強化繊維360、370を重ね合わせて積層し、積層体50を準備する。積層体50は、バンパ30を長手方向及び短手方向に広げた平坦な長尺帯形形状よりも、やや相似大形をなしている。
尚、樹脂基材が、多孔体である場合には、成形時に形成されたスキン層(スムーズ層)を除去し、表裏両面に凹凸賦形を形成したものを樹脂基材とする。
次に、図6及び図7に示すように、凹部911を有する下型91に対して凸部921を有する上型92を型締めした状態で、バンパ40の形状に対応するキャビティを形成する成形型90を準備する。成形型90は、上記のバンパ30の湾曲形状に対応するキャビティの空間を形成するために、下型91の凹部911に湾曲状の底面を備える。また、成形型90は、上記のバンパ30の屈曲部302、303の形状に対応するキャビティの空間を形成するために、下型91に凹部911と、上型92に凸部921及び凸部921の(図示において)左右側に形成される周縁溝部922、923を備える。
そして、上記の積層体50を下型91の凹部911に載置する。載置する前の積層体50は、上記の平坦な長尺帯状をなす。凹部911に積層体50を載置後に、下型91に対して上型92を型締めする。型締め後の積層体50は、キャビティを形成する壁面に圧せられて多少縮小しながら、バンパ30の実形状に対応する湾曲及び屈曲形状に賦形される。
次に、図7に示すように、未硬化樹脂490を積層体71がセットされるキャビティ内に射出する。具体的には、液状のエポキシ樹脂未硬化樹脂490を上型92の樹脂注入口924より射出する。積層体50は、自身の積層体全体に間隙を備えている。従って、未硬化樹脂490は、図示において上側に配置する強化繊維360、樹脂基材15(380)、下側に配置する強化繊維370の順に透過し、積層体50全体に含浸される。更に、キャビティ全体が未硬化樹脂490で充填される。
尚、上記の未硬化樹脂490を積層体50に効率よく含浸させるために、複数の注入口から高圧で射出する方法や、キャビティ内を真空ポンプなどで減圧して未硬化樹脂を吸引する方法を用いても構わない。実施例2では、上型92、下型91を用いる製造方法を説明したが、所謂バックフィルムで積層体50の上面を覆い、下型とバッグフィルムで形成したキャビティ空間内を減圧し、樹脂を注入する方法でも構わない。
図8に示すように、所定時間保持しながら未硬化樹脂490を加熱硬化させる。屈曲部を有し湾曲パネル状の樹脂構造体30を離型する。更に、樹脂構造体30に仕上げ加工を施し、屈曲部302、303を有する湾曲パネル状のバンパ30を製造することができる。
本実施例のバンパに適用される樹脂構造体の製造方法は、樹脂基材150と、その両面側に積層される強化繊維360、370と、よりなる繊維積層体50に、未硬化樹脂490を含浸させる射出工程を備えているため、バンパ30の生産性を高められる。
また、積層体50に含浸される未硬化樹脂490を硬化工程で硬化するので、コア層38とスキン層36、37とを確実に一体に成形できる。これにより、高剛性を発現する所定の厚みを備えしかも軽量化が図られたバンパ30の生産性が一層高められる。
更に、樹脂基材150は、スキン層36、37と接する面に凹凸151を有しているため、アンカー効果により、接合強度が確保される。
また、スキン層との接合性が確保しがたい多孔体を樹脂基材としても、表面に凹凸を形成することで、接合強度が確保される。
そして、樹脂基材150が表裏に開口される貫通孔150hを有することで、一体成型に際して、貫通孔150を介して表裏両方の繊維層360、370に未硬化樹脂を含浸させることができ、コア層38とスキン層36、37との間に高い接合強度を得ることができる。
尚、本発明の樹脂構造体であるバンパ30について、主に上記のRTM成形による製造方法と関連付けて説明したが、樹脂構造体は、かかる製造方法によって限定されない。例えば、所謂プリプレグシートを用いてプレス成形する製法でも容易に製造することができる。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。
本発明の表皮材及び構造体は、種々の技術分野において利用することができる。具体的には、車両(自動車及び鉄道車両等)、航空機、船舶、建築、アパレル等の各種産業における構造体が関わる分野において好適に利用することができる。
1、2、30;樹脂構造体、
11、12、36、38;スキン層、
110、120、360、380;繊維層、
38;コア層、
130、150、380;樹脂基材、
131;凹凸、
14、39;マトリックス樹脂、
150h;貫通孔、
30;バンパ、
490;未硬化樹脂、
50;積層体、
80;車両、81;バンパ取り付け部。

Claims (6)

  1. コア層と、前記コア層を挟んで、前記コア層の表裏両面に各々積層されたスキン層と、を備えた樹脂構造体であって、
    前記スキン層は、繊維層と、前記繊維層に含浸されたマトリックス樹脂と、を有し、
    前記コア層は、前記マトリックス樹脂よりも比重の小さいシート状の樹脂基材を有し、
    前記樹脂基材は、前記スキン層と接する面に凹凸を有することを特徴とする樹脂構造体。
  2. 前記樹脂基材は、表裏に開口された貫通孔を有し、
    表面側のスキン層を構成するマトリックス樹脂と、裏面側のスキン層を構成するマトリックス樹脂と、は、前記貫通孔を介して一体である請求項1に記載の樹脂構造体。
  3. 前記マトリックス樹脂が、熱硬化性樹脂であり、
    前記樹脂基材を構成する樹脂が、オレフィン系熱可塑性樹脂である請求項1又は2に記載の樹脂構造体。
  4. 曲面部を有する請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の樹脂構造体。
  5. 車両用バンパである請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の樹脂構造体。
  6. 請求項2に記載の樹脂構造体の製造方法であって、
    前記表面側のスキン層を構成する表側繊維層と、
    前記貫通孔を有した前記樹脂基材と、
    前記裏面側のスキン層を構成する裏側繊維層と、がこの順に積層された積層体を、キャビティ内にセットするセット工程と、
    前記キャビティ内に、前記マトリックス樹脂となる未硬化樹脂を注入し、前記樹脂基材の前記貫通孔を通じて、前記積層体内に前記未硬化樹脂を含浸する含浸工程と、
    前記積層体内に含浸された未硬化樹脂を硬化させて前記マトリックス樹脂を得る硬化工程と、を備えることを特徴とする樹脂構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114517347A (zh) * 2022-03-11 2022-05-20 江南大学 一种智能纱线的制备装置及其制备方法

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