JP2014046481A - インクジェット記録方法、及び、印刷物 - Google Patents

インクジェット記録方法、及び、印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】長期保存後であっても得られる画像の画質に優れ、また、インクジェットヘッドのスキャン速度の速いインクジェット記録を行った場合(高生産時)でも硬化性に優れるインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】記録媒体上に、インクジェット記録装置のインクジェットヘッドからインク組成物を吐出する吐出工程、及び、活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを付与して、吐出された前記インク組成物を硬化する硬化工程、を含み、前記インク組成物が、(成分A)N−オキシル化合物をインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物であり、前記吐出工程におけるインクジェットヘッドのスキャンスピードが0.9m/s以上であることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及び、印刷物に関し、特に複数色のインクを吐出して画像を形成する技術に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
また、従来のインクジェット記録装置やインク組成物としては、特許文献1〜3に記載のものが知られている。
特許文献1には、少なくとも色材と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクジェット用インクと、活性エネルギー線照射手段と、該インクジェット用インクにより画像形成するためのインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査する走査手段とを有するインクジェット記録装置であって、該活性エネルギー線照射手段は、300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源を有することを特徴とするインクジェット記録装置が記載されている。
特許文献2には、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるモノマーAと、(メタ)アクリル化アミン化合物と、前記(メタ)アクリル化アミン化合物以外のヒンダードアミン化合物と、光重合開始剤と、を含む、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物が記載されている。
特許文献3には、(A)N−ビニルラクタム類、(B)その他の重合性化合物、(C)重合開始剤、(D)塩基性化合物、及び、(E)酸化電位が1.0V(vsSCE)以上の油溶性染料、を含有し、(A)N−ビニルラクタム類及び(B)その他の重合性化合物の総量の内、単官能重合性化合物が65重量%以上であることを特徴とするインク組成物が記載されている。
また、特許文献4には、一定のノズルピッチで穿設された複数のノズル開口からなるノズル列を複数条横並びに配設してノズル列群を構成し、ノズル列毎にインクの種類を設定して吐出させるように構成したインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記ノズル列群を、ノズル開口の穿設位置をそれぞれ1/N(Nは4以上の自然数)ピッチずつノズル列方向にずらしたN条の高解像度ノズル列群によって構成したことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドが記載されている。
特開2007−118409号公報 特開2012−92291号公報 特開2010−77228号公報 特開2002−67317号公報
本発明の目的は、長期保存後であっても得られる画像の画質に優れ、また、インクジェットヘッドのスキャン速度の速いインクジェット記録を行った場合(高生産時)でも硬化性に優れるインクジェット記録方法を提供することである。
上記目的は、下記<1>又は<17>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<16>と共に以下に示す。
<1>インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置を準備する準備工程、記録媒体上に、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドからインク組成物を吐出する吐出工程、及び、活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを付与して、吐出された前記インク組成物を硬化する硬化工程、を含み、前記インク組成物が、(成分A)N−オキシル化合物をインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物であり、前記吐出工程におけるインクジェットヘッドのスキャンスピードが0.9m/s以上であることを特徴とするインクジェット記録方法、
<2>前記インク組成物が、(成分D)N−ビニルラクタム類をインク組成物全量に対して2〜40質量%含有する、上記<1>に記載のインクジェット記録方法、
<3>成分Bが、多官能(メタ)アクリレートモノマーである、上記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録方法、
<4>前記インク組成物が、(成分E)増感剤を含有する、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<5>成分Aが、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル基を有する化合物である、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<6>成分Aが、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシルである、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<7>成分Bの含有量が、インク組成物全量に対して、40〜85質量%である、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<8>前記インク組成物が、内部に気液界面のない酸素非透過性インクパックから供給される、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<9>前記インク組成物が、フタロシアニン顔料を含有する、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<10>前記インク組成物が、シアンインク組成物である、上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<11>前記インク組成物が、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を実質的に含有しない、上記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法、
<12>前記インクジェット記録装置が、
活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列であり、かつ、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインク組成物をそれぞれ吐出するN個(N≧4)の色毎のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記第1の方向においてノズルがずらして配置されているインクジェットヘッドと、
前記ノズルから吐出され、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴に前記活性エネルギーを付与する活性エネルギー付与手段と、
前記インクジェットヘッドと前記活性エネルギー付与手段とを前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置して保持する保持手段と、
前記保持手段と前記記録媒体とを前記第2の方向に相対的に走査させる走査手段と、
前記走査手段による走査毎に、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第1の方向に相対的に移動させる移動手段と、
前記保持手段により保持された前記インクジェットヘッド及び前記活性エネルギー付与手段を前記記録媒体の各領域に対して所定の回数だけ相対的に走査させながら前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段と、を備えたインクジェット記録装置である、上記<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<13>前記インクジェットヘッドの吐出周波数が、10kHz以上である、上記<1>〜<12>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<14>前記インクジェットヘッドの各ノズル列のうち、第1の方向において、インクジェットヘッドに対する記録媒体の相対移動最上流側にブラックインクのノズルが配置されている、上記<12>に記載のインクジェット記録方法、
<15>前記シアン、マゼンタ及びイエローの3色のインク組成物がいずれも、(成分A)ヒンダードアミンをインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物である、上記<12>又は<14>に記載のインクジェット記録方法、
<16>前記シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインク組成物がいずれも、(成分A)ヒンダードアミンをインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物である、上記<15>に記載のインクジェット記録方法、
<17>上記<1>〜<16>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
本発明によれば、長期保存後であっても得られる画像の画質に優れ、また、インクジェットヘッドのスキャン速度の速いインクジェット記録を行った場合(高生産時)でも硬化性に優れるインクジェット記録方法を提供することができた。
本発明に好適に使用されるインクジェットヘッドの一例を示す拡大模式図である。 本発明に好適に使用されるインクジェットヘッドの他の一例を示す拡大模式図である。 本発明に好適に使用されるインクジェット記録装置の一例の構成の概要を説明するための説明図である。 本発明に好適に使用されるインクジェット記録装置の一例のシステム構成図である 本発明に好適に使用されるインクジェットヘッドの更に他の一例を示す拡大模式図である。 本発明のインクジェット記録方法の一例を示すフローチャートである。 本発明に好適に使用されるインクジェット記録装置の他の一例の外観斜視図である。 図7に示すインクジェット記録装置における記録媒体搬送路を模式的に示す説明図である。 図7に示すインクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドと仮硬化光源及び本硬化光源の配置を示す平面透視図である。 本発明に好適に使用されるインクジェット記録装置のインク供給系の構成の一例を示すブロック図である。 本発明に好適に使用されるインクジェット記録装置の構成の一例を示すブロック図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書中、「xx〜yy」の記載は、xx及びyyを含む数値範囲を表す。
「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等と同義であり、以下同様とする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
(インクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置を準備する準備工程、記録媒体上に、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドからインク組成物を吐出する吐出工程、及び、活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを付与して、吐出された前記インク組成物を硬化する硬化工程、を含み、前記インク組成物が、(成分A)N−オキシル化合物をインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物であり、前記吐出工程におけるインクジェットヘッドのスキャンスピードが0.9m/s以上であることを特徴とする。
近年、インクジェットプリンターの高生産化に伴い、シャトルスキャンスピードも高速化することが求められている。
インクジェットは、所望の場所にインク組成物を打滴することにより画像を形成するために、シャトルスキャンスピードとスローディスタンスとインクの吐出速度を精密に調整する必要がある。
本発明者等が詳細な検討を行った結果、特にインクジェットヘッドのスキャンスピードを速くした高生産化を達成する態様に関しては、インク組成物の粘度を中心とする物性のばらつきに大きく影響を受け、結果画像品質に大きな影響を与えることを見出した。したがって、インクジェットプリンターの高生産化に伴い、インク組成物の粘度変動許容幅が小さくなる。つまり従来の生産性程度のプリンター(特にキャリッジ速度が遅いという意味)では許容されていたインク組成物の粘度変動を、高生産化したインクジェットプリンターでは、抑える技術が必須となることを、本発明者等は見出した。例えば、特許文献2に記載されているような従来のインクジェット記録装置であるインクジェットプリンターPX−G5000(セイコーエプソン(株)製)では、インクジェットヘッドのスキャンスピードが0.9m/s未満である。
本発明者等が更に詳細な検討を行った結果、(成分A)N−オキシル化合物をインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有することにより、詳細な機構については不明であるが、インクジェットヘッドのスキャンスピードが0.9m/s以上であっても、長期保存後、特に非酸素透過性のインクパック中での長期保存後であっても得られる画像の画質に優れ、また、高生産時でも硬化性に優れることを見出した。
以下に、インク組成物、各工程の順で本発明を詳細に説明する。
<インク組成物>
本発明のインクジェット記録方法においては、(成分A)N−オキシル化合物をインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物(以下、単に「インク」ともいう。)を少なくとも1種使用する。
前記ラジカル重合性インク組成物は、シアンインク組成物であることが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、シアン、マゼンタ及びイエローの3色のインク組成物を少なくとも使用し、シアン、マゼンタ及びイエローの3色のインク組成物がいずれも、(成分A)ヒンダードアミンをインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物であることが好ましく、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインク組成物を少なくとも使用し、前記シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインク組成物がいずれも、(成分A)ヒンダードアミンをインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物であることがより好ましい。上記態様であると、長期保存後のプリント物の画質により優れる。
更に、本発明のインクジェット記録方法においては、使用するいずれのインク組成物も、(成分A)N−オキシル化合物をインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物であることが特に好ましい。上記態様であると、長期保存後のプリント物の画質により優れる。
本発明に用いることができるインク組成物は、活性エネルギーにより硬化可能な油性のインク組成物である。「活性エネルギー」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる活性エネルギー線であり、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。更に好ましい光源として、露光による熱を発生しないため基材適用範囲が広く、オゾンを発生させず、安価で過剰の冷却装置を必要としないなどの理由から、発光ダイオード(LED)光源が挙げられる。
また、本発明に用いることができるインク組成物は、活性エネルギー硬化型のインク組成物であり、インク組成物を記録媒体上に適用後硬化させるため、高揮発性溶剤を含まず、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に高揮発性溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。インク組成物の総質量に対する溶剤の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、含有していないことが最も好ましい。
以下、インク組成物が含有する成分について説明する。
(成分A)N−オキシル化合物
本発明のインクジェット記録方法における少なくとも1種のインク組成物は、(成分A)N−オキシル化合物をインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有する。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、使用するいずれのインク組成物も、(成分A)N−オキシル化合物をインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有することが特に好ましい。上記態様であると、長期保存後のプリント物の画質により優れる。
N−オキシル化合物は、N−オキシル基(>N−O)を有する化合物であれば特に制限はなく、公知の化合物を用いることができる。
N−オキシル化合物は、化合物自体の安定性の観点から、ヒンダードアミン化合物をN−オキシル化したN−オキシル化合物であることが好ましい。
ヒンダードアミン化合物をN−オキシル化したN−オキシル化合物としては、例えば、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル)、及び、HO−TEMPO(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル)が好ましく挙げられる。
また、N−オキシル化合物は、インクの他の成分との相溶性の観点から、脂肪族環状構造を有するN−オキシル化合物であることが好ましい。
更に、N−オキシル化合物は、インクの他の成分との相溶性、及び、インク組成物中での安定性の観点から、ヒドロキシ基を有するN−オキシル化合物であることが好ましい。
本発明において、成分Aは、以下の式(A−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2014046481
(式(A−1)中、Wは炭素数4又は5の環状アルキレン鎖を示し、該環状アルキレン鎖は置換基を有してもよい。)
式(A−1)で表される化合物は、式(A−2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2014046481
(式(A−2)中、R11〜R16はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表すか、あるいは、R11及びR12、R13及びR14、R15及びR16はこれらが結合する炭素と共に1個のカルボニル基を形成してもよい。)
式(A−2)中、R11〜R16が一価の有機基である場合、前記一価の有機基としては、ヒドロキシル基、−NR12(R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−O(C=O)R3、−NH(C=O)R4(R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。)、カルバモイル基、カルボキシ基、シアノ基、マレイミド基又はホスホリル基が好ましい。
前記アルキル基は、炭素数1〜16のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基であることが更に好ましい。また、アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、環状構造を有していてもよい。
前記アリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜10のアリール基であることがより好ましい。
前記アルコキシ基は、炭素数1〜16のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルコキシ基であることがより好ましい。
前記アリールオキシ基は、炭素数6〜20のアリールオキシ基であることが好ましく、炭素数6〜10のアリールオキシ基であることがより好ましい。
また、R11〜R16が一価の有機基である場合、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウム基、ジメチルスルホニウム基、トリフェニルフェナシルホスホニウム基等が挙げられる。
式(A−2)中、R11、R12、R15及びR16は、水素原子であることが好ましい。
式(A−2)中、R13及びR14は、水素原子、ヒドロキシル基、−NR12(R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)、アルキル基(炭素数1〜10)、アリール基(炭素数6〜10)、アルコキシ基(炭素数1〜10)、アリールオキシ基、−O(C=O)R3、−NH(C=O)R4(R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。)、又は、R13及びR14がこれらが結合する炭素と共に1個のカルボニル基を形成していることが好ましく、R13が、ヒドロキシ基又はアルコキシ基であり、R14が水素原子であることがより好ましく、R13が、ヒドロキシ基であり、R14が水素原子であることが特に好ましい。
成分Aとして好ましい化合物を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014046481
なお、Rは炭素数1〜10の鎖状のアルキル基を表し、該アルキル基は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。
上記化合物(A−1−1)〜(A−1−10)中、(A−1−1)、(A−1−2)、(A−1−4)、(A−1−5)であることが好ましく、(A−1−1)、(A−1−2)、(A−1−4)であることがより好ましく、(A−1−2)が特に好ましい。
成分Aは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
成分Aの含有量は、インク組成物全量に対して0.05質量%以上であり、0.05〜5質量%であることが好ましく、0.05〜2質量%であることがより好ましく、0.08〜1.0質量%であることが更に好ましく、0.15〜0.5質量%であることが特に好ましい。
(成分B)多官能モノマー
本発明のインクジェット記録方法における少なくとも1種のインク組成物は、(成分B)多官能モノマー(「多官能重合性化合物」ともいう。)をインク組成物全量に対して40質量%以上含有する。ここで、多官能モノマーとは、2官能以上のモノマーのことを指す。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、使用するいずれのインク組成物も、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有することが特に好ましい。上記態様であると、長期保存後のプリント物の画質により優れる。
なお、本発明におけるモノマーは、分子量1,000以下の重合性化合物であり、分子量200〜750の重合性化合物であることが好ましい。
本発明に用いることができる多官能モノマーは、特に制限はなく、公知の多官能モノマーを用いることができるが、多官能ラジカル重合性モノマーであることが好ましい。多官能ラジカル重合性モノマーとしては、多官能(メタ)アクリレートモノマーや多官能ビニルエーテル化合物が好ましく例示できる。
本発明に用いることができる多官能モノマーは、2以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であることが好ましく、また、多官能モノマーとして、多官能(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも含むことが好ましく、多官能(メタ)アクリレートモノマーをインク組成物全量に対して30質量%以上含有することがより好ましく、多官能(メタ)アクリレートモノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有することが特に好ましい。上記態様であると、高生産時の硬化性により優れる。
また、本発明に用いることができる多官能モノマーは、多官能モノマーとして、多官能ビニルエーテル化合物を少なくとも含むことが好ましい。上記態様であると、高生産時の硬化性により優れる。
(成分B−1)多官能(メタ)アクリレートモノマー
本発明に使用するインク組成物は、(成分B)多官能モノマーとして、(成分B−1)多官能(メタ)アクリレートモノマーを含有することが好ましい。
本発明に用いることができる多官能(メタ)アクリレートモノマーは、アクリルオキシ基及びメタクリルオキシ基よりなる群から選択される基を2つ以上有する多官能モノマーである。多官能(メタ)アクリレートモノマーを含有することで、硬化性に優れ、高い硬化膜強度を有するインク組成物が得られる。
本発明において、インク組成物は、成分B−1として、多官能アクリレートモノマーを含有することが特に好ましい。
成分B−1の具体例としては、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールエチレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
挙げられる。
成分B−1としてアルキレンオキシド基を有するポリ(メタ)アクリレートを含有することも好ましい。ここで、「ポリ(メタ)アクリレート」とは、分子内に(メタ)アクリル酸エステル残基を2以上有することを意味し、2〜4個の残基を有することが好ましく、2個の(メタ)アクリル酸エステル残基を有することがより好ましい。また、アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが好ましい。アルキレンオキシド基の付加モル数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。この多官能モノマーは、グリコール類にアルキレンオキシドを付加して、(メタ)アクリル酸のポリエステルとすることにより得られる。
アルキレンオキシド基を有する(メタ)アクリレートの具体例には、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが含まれる。
また、成分B−1としては、脂肪族環状構造を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーを含有することが好ましい。
前記脂肪族環状構造としては、2環以上が縮環した脂肪族環状構造であることが好ましく、トリシクロデカン環構造であることがより好ましい。
脂肪族環状構造を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジジメタールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのプロピレンオキシド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキシド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
成分B−1は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
成分B−1の含有量は、インク組成物全体の30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。また、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが更に好ましく、75質量%以下であることが特に好ましい。上記態様であると、長期保存後であっても得られる画像の画質により優れ、また、高生産時でも硬化性により優れる。
(成分B−2)多官能ビニルエーテル化合物
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、(成分B)多官能モノマーとして、(成分B−2)多官能ビニルエーテル化合物を含有することが好ましい。
多官能ビニルエーテル化合物としては、分子内にビニルエーテル基(CH2=CH−O−)を2以上有する化合物であれば特に限定されないが、(ポリ)オキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物、アルキレン骨格を有するビニルエーテル化合物、及び、シクロアルカン骨格を有するビニルエーテル化合物が好ましい。
(ポリ)オキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレンレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレンレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ポリブチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
アルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、1,10−デカンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
シクロアルカン骨格を有するジビニルエーテル化合物としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンジオールジビニルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカンジオールジビニルエーテル等が挙げられる。
トリビニルエーテル化合物としては、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、ジビニルエーテル化合物が好ましく、アルキレン骨格を有するジビニルエーテル及び(ポリ)オキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物がより好ましく、ポリオキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物が更に好ましく、トリエチレングリコールジビニルエーテルが特に好ましい。
オキシアルキレン基としては、炭素数2〜6のオキシアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のオキシアルキレン基がより好ましく、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基であることが好ましい。
ポリオキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物は、オキシアルキレン基の繰り返し数が1〜10であることが好ましく、2〜8であることが好ましく、2〜6であることが更に好ましい。また、分子量は100〜1,000であることが好ましく、150〜800であることがより好ましく、180〜600であることが更に好ましい。
成分B−2は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
成分B−2の含有量は、インク組成物全体の1〜50質量%であることが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
成分Bは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
成分Bの含有量は、インク組成物全量に対して40質量%以上であり、50質量%以上であることがより好ましく、52質量%以上であることが更に好ましい。また、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが更に好ましく、75質量%以下であることが特に好ましい。上記態様であると、長期保存後であっても得られる画像の画質により優れ、また、高生産時でも硬化性により優れる。
(成分C)光重合開始剤
本発明のインクジェット記録方法における少なくとも1種のインク組成物は、(成分C)光重合開始剤を含有する。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、使用するいずれのインク組成物も、(成分C)光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、ラジカル光重合開始剤、及び、カチオン光重合開始剤が挙げられるが、ラジカル光重合開始剤を含有することがより好ましい。
光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を使用することができる。本発明に用いることができる光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル光重合開始剤とカチオン光重合開始剤とを併用してもよい。
本発明に用いることのできる光重合開始剤は、活性エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。活性エネルギー線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
本発明に用いることができる光重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。上記重合開始剤の詳細については、当業者に公知であり、例えば、特開2009−185186号公報に記載されている。
本発明における光重合開始剤は1種単独又は2種以上の併用によって好適に用いられるが、2種以上を併用することが好ましく、3種以上を併用することがより好ましく、3〜5種併用することが更に好ましい。
成分Cとしては、ビスアシルホスフィン化合物、モノアシルホスフィン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、及び、α−アミノケトン化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を使用することが好ましく、ビスアシルホスフィン化合物、モノアシルホスフィン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、及び、α−アミノケトン化合物よりなる群から選ばれた少なくとも2種の化合物を使用することがより好ましく、ビスアシルホスフィン化合物及びモノアシルホスフィン化合物を併用することが特に好ましい。
ビスアシルホスフィン化合物及びモノアシルホスフィン化合物としては、特開2009−096985号公報の段落0080〜0098に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物及びモノアシルホスフィン化合物が好ましく挙げられる。
中でも、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが好ましい。
また、モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが好ましい。
α−ヒドロキシケトン化合物としては、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
α−アミノケトン化合物としては、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
本発明のインク組成物中における成分Cの含有量としては、インク組成物の総質量に対して、0.1〜20.0質量%であることが好ましく、0.5〜18.0質量%であることがより好ましく、1.0〜15.0質量%であることが更に好ましい。成分Cの含有量が上記範囲であると、硬化性に優れ、また、表面ベトツキ低減の観点から適切である。
(成分D)N−ビニルラクタム類
本発明のインクジェット記録方法における少なくとも1種の前記インク組成物は、(成分D)N−ビニルラクタム類を含有することが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、使用するいずれのインク組成物も、(成分D)N−ビニルラクタム類を含有することがより好ましい。
(成分D)N−ビニルラクタム類を含有すると、硬化性により優れる。
N−ビニルラクタム類としては、式(d)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014046481
式(d)中、nは2〜6の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、記録媒体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、nは3〜5の整数であることが好ましく、nが3又は5であることがより好ましく、nが5である、すなわちN−ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク硬化性、及び硬化膜の記録媒体への良好な密着性が得られるので好ましい。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上の水素原子がアルキル基、アリール基等の置換基により置換されていてもよく、ラクタム環と飽和又は不飽和環構造とが連結していてもよい。
式(d)で表される化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
N−ビニルラクタム類の含有量は、インク組成物全体の5〜40質量%であることが好ましく、10〜35質量%であることがより好ましい。
N−ビニルラクタム類は、インク組成物が着色インク組成物である場合に好ましく使用される。
(成分E)増感剤
本発明のインクジェット記録方法における少なくとも1種の前記インク組成物は、(成分E)増感剤を含有することが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、使用するいずれのインク組成物も、(成分E)増感剤を含有することがより好ましい。
(成分E)増感剤は、特定の活性エネルギー線を吸収して光重合開始剤の分解を促進させる化合物であり、増感剤を含有することにより、硬化性により優れる。
増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)、チオキサントン類(例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及び、4−イソプロピルチオキサントン等)、チオクロマノン類(例えば、チオクロマノン等)が好ましく挙げられる。
)等が挙げられる。
これらの中でも、チオキサントン類が好ましく、2−イソプロピルチオキサントン、及び/又は、4−イソプロピルチオキサントンがより好ましい
また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
増感剤の含有量は、インク組成物全体の0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。
(成分F)オリゴマー
本発明のインクジェット記録方法における少なくとも1種の前記インク組成物は、(成分F)オリゴマーを含有することが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、使用するいずれのインク組成物も、(成分F)オリゴマーを含有することがより好ましい。
ここで、オリゴマーとは、分子量が1,000を超える化合物であり、エチレン性不飽和基を複数含有することが好ましく、エチレン性不飽和基を2〜4個含有する、多官能オリゴマーであることがより好ましい。ラジカル重合性オリゴマーは、有限個(一般的には5〜100個)の構成単位を有する付加重合体の分子末端又は分子側鎖にエチレン性不飽和基を有することが好ましく、重量平均分子量が1,000を超え10,000以下であることが好ましく、1,000を超え5,000以下であることがより好ましい。
オリゴマーの分子量の測定方法としては、(1)末端基定量法、(2)束一的性質利用法、(3)光散乱法、(4)超遠心法、(5)粘度法、(6)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法などが挙げられるが、その中でもゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法が好ましく挙げられる。具体的には、例えば、下記の条件でGPC分析を実施し、好適に測定することができる。
1)機器装置:東ソー(株)製HLC−8220GPC
2)コラム(製造会社、コラム性質):TSK gel SuperAWM-H 3本連結
(6.0mmI.D.×15cm×3本)東ソー(株)製、親水性ビニルポリマーを基材とした微粒子ゲル
3)溶媒:テトラヒドロフラン
4)流速:0.5mL/min
5)試料濃度:0.1質量%
6)注入量:60μL
7)温度:40℃
8)検出器:示差屈折計(RI)
オリゴマーは、ラジカル重合性オリゴマーであることが好ましい。
前記ラジカル重合性オリゴマーは、(メタ)アクリロキシ基を有することが好ましく、2以上の(メタ)アクリロキシ基を有することがより好ましい。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、いかなる単量体をその構成単位とするものでもよく、例えば、オレフィン系(エチレンオリゴマー、プロピレンオリゴマーブテンオリゴマー等)、ビニル系(スチレンオリゴマー、ビニルアルコールオリゴマー、ビニルピロリドンオリゴマーアクリレートオリゴマー、メタクリレートオリゴマー等)、ジエン系(ブタジエンオリゴマー、クロロプレンゴム、ペンタジエンオリゴマー等)、開環重合系(ジ−,トリ−,テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチルイミン等)、重付加系(オリゴエステルアクリレート、ポリアミドオリゴマー、ポリイソシアネートオリゴマー)、付加縮合オリゴマー(フェノール樹脂、アミノ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂等)等を挙げることができる。これらの中では、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられるが、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、2〜4官能のウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、被記録媒体への密着性に優れ、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
オリゴマーについて、オリゴマーハンドブック(古川淳二監修、(株)化学工業日報社)も参照することができる。
また、市販のラジカル重合性オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートとして、例えば、第一工業製薬(株)製のR1204、R1211、R1213、R1217、R1218、R1301、R1302、R1303、R1304、R1306、R1308、R1901、R1150等や、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL230、270、4858、8402、8804、8807、8803、9260、1290、1290K、5129、4842、8210、210、4827、6700、4450、220)、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU−4HA、U−6HA、U−15HA、U−108A、U200AX等、東亞合成(株)製のアロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960、サートマー・ジャパン(株)製のCN964 A85等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとして、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートとして、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等が挙げられる。
また、オリゴマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
オリゴマーの含有量は、インク組成物の全質量に対し、0.1重量%以上10質量%未満であることが好ましく、0.5〜8質量%であることがより好ましく、1〜7質量%であることが特に好ましい。
(成分G)他の単官能重合性モノマー
本発明のインクジェット記録方法における少なくとも1種の前記インク組成物は、成分D以外の(成分G)他の単官能重合性モノマーを含有していてもよい。
他の単官能重合性モノマーとしては、単官能ラジカル重合性モノマーであることが好ましい。
本発明に用いることができる他の単官能重合性モノマーとしては、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に制限はなく、公知のラジカル重合性化合物を用いることができる。
他の単官能重合性モノマーとしては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−80675号等の各公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料が知られている。
本発明に用いることができる他の単官能重合性モノマーとしては、ビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基及びN−ビニル基よりなる群から選択されたエチレン性不飽和基を有する単官能ラジカル重合性モノマーを好ましく例示できる。中でも、単官能(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーの例として、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、サイクリックトリメチロールプロパンフォーマル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロデシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサシクロヘキサン、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、サイクリックトリメチロールプロパンフォーマル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートが好ましい。
成分Gは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
成分Gの含有量は、成分Bの含有量より少ないことが好ましく、40質量%未満であることが好ましく、10重量%未満であることがより好ましく、5重量%未満であることが更に好ましい。
(成分H)他の重合禁止剤
本発明のインクジェット記録方法における少なくとも1種の前記インク組成物は、成分B以外の(成分H)他の重合禁止剤を含有していてもよい。
他の重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤、亜リン酸エステル系重合禁止剤、ハイドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、ヒンダードアミン等が挙げられる。
本発明に好ましく使用されるニトロソ系重合禁止剤の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014046481
ニトロソ系重合禁止剤の市販品として、FIRSTCURE ST−1(Chem First社製)等が挙げられる。
亜リン酸エステル系重合禁止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニルホスファイト)、トリエチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
中でも、クペロンAl(トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩、FIRSTCURE ST−1)、及び/又は、メトキシヒドロキノンが好ましい。
本発明に用いられるインク組成物中における他の重合禁止剤の含有量は、0.5質量%以下であることが好ましく、0.01〜0.5質量%であることがより好ましく、0.05〜0.2質量%であることが更に好ましい。上記の数値の範囲内であると、インク組成物の調製時、保管時の重合を抑制でき、インクジェットノズルの詰まりを防止できる。
(成分I)着色剤
本発明のインクジェット記録方法における少なくともインク組成物が着色インク組成物である場合、着色剤を含有することが好ましい。中でも、着色剤として、フタロシアニン顔料を含有することが特に好ましい。上記態様であると、本発明の効果をより発揮することができる。
本発明に用いることができる着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。本発明において好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、
緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、
黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、
白色顔料としては、PigmentWhite 6,18,21
などが目的に応じて使用できる。
中でも、C.I.プグメントブルー 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1等のフタロシアニン顔料が好ましく挙げられる。
以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
本発明に使用可能な前記油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
本発明に使用可能な前記油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料;等を挙げることができる。
本発明に適用可能な前記油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料あるいはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料;等を挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
以下に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2;等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
本発明においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用いてもよい。
また、着色剤として油溶性染料を使用する際、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色剤を併用することもできる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明に使用することができる着色剤は、インク組成物に添加された後、適度に当該インク組成物内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分と共に直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、予め溶剤又は本発明に使用するラジカル重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散あるいは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、ラジカル重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。
これらの着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、インク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、更に好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
本発明において、インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましい。
(成分J)分散剤
本発明に用いることができるインク組成物は、(成分J)分散剤を含有することが好ましい。特に、本発明のインク組成物を着色インク組成物として使用する場合には、着色剤の分散性を向上させる目的で、(成分J)分散剤を含有することが好ましい。
分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、質量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤としては、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−111、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−182(BYKケミー社製);EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製);ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製);ソルスパース(SOLSPERSE)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤(Noveon社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123((株)ADEKA製)、イオネットS−20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)が挙げられる。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.05〜15質量%であることが好ましい。
(成分K)界面活性剤
本発明に用いることができるインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。
ただし、光沢性、筋ムラを抑制する観点から、本発明のインク組成物は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を実質的に含有しないことが好ましい。界面活性剤を実質的に含有しないとは、インク組成物の全重量に対し、0重量%以上0.03重量%以下であり、0重量%以上0.005重量%以下が好ましい。
なお、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤以外の界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
<その他の成分>
本発明のインク組成物には、必要に応じて、前記各成分以外に、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を含んでいてもよい。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
<インク物性>
本発明に用いることができるインク組成物は、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、7〜30mPa・sであることが更に好ましい。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。インク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となるので好ましい。更に、インク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明において、インク組成物の粘度は、B型粘度計:Brookfield LVDV−I(Brookfield社製)を用い、25℃条件下、ローターの回転数20rpmで粘度測定を行うことが好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物の25℃における表面張力は、濡れ性の観点から40mN/m以下であることが好ましく、35mN/m以下であることがより好ましく、30mN/m以下であることが更に好ましい。また、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上であることが好ましく、23mN/m以上であることがより好ましい。
なお、インク組成物の25℃における表面張力の測定方法としては、公知の方法を用いることができるが、吊輪法、又は、ウィルヘルミー法で測定することが好ましい。本発明において、表面張力は、一般的に用いられる表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定を行うことが好ましい。
<準備工程>
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置を準備する準備工程を含む。
本発明に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、公知のインクジェット記録装置を用いることもできるが、以下に示す特定のインクジェット記録装置であることが好ましい。
本発明に用いることができるインクジェット記録装置としては、活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列であり、かつ、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクをそれぞれ吐出するN個(N≧4)の色毎のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記第1の方向においてノズルがずらして配置されているインクジェットヘッドと、前記ノズルから吐出され、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴に前記活性エネルギーを付与する活性エネルギー付与手段と、前記インクジェットヘッドと前記活性エネルギー付与手段とを前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置して保持する保持手段と、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第2の方向に相対的に走査させる走査手段と、前記走査手段による走査毎に、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第1の方向に相対的に移動させる移動手段と、前記保持手段により保持された前記インクジェットヘッド及び前記活性エネルギー付与手段を前記記録媒体の各領域に対して所定の回数だけ相対的に走査させながら前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段と、を備えたインクジェット記録装置であることが好ましい。
以下に本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置について、説明する。なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック等の各色インクについては、後述する。
−インクジェットヘッド−
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列であり、かつ、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクをそれぞれ吐出するN個(N≧4)の色毎のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記第1の方向について、ノズルがP/Nずつずらして配置されているインクジェットヘッドを備えている。
前記第1の方向は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)であることが好ましい。
前記インクジェットヘッドは、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクをそれぞれ吐出するN個(N≧4)の色毎のノズル列を有しており、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクと、少なくとも1色の淡インクとをそれぞれ吐出するN個(N≧5)の色毎のノズル列を有していることが好ましく、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン及びライトマゼンタの6色のインクをそれぞれ吐出するN個(N≧6)の色毎のノズル列を有していることがより好ましい。
前記インクジェットヘッドの各ノズル列は、活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列である。
ピッチPは、特に制限はなく、所望のピッチであればよいが、50dpi以上(約508μm以下)600dpi以下(約42μm以上)であることが好ましい。
また、前記インクジェットヘッドの各ノズル列は、前記第1の方向においてノズルがずらして配置されており、前記第1の方向において、ノズルがP/Nずつずらして配置されていることが好ましい。
前記各ノズル列のずらし方は、各ノズル列が少なくともずらされていれば特に制限はなく、階段状に各ノズルをずらしてもよいし、隣接するノズル列のずれがP/Nであっても、P/Nの整数倍であっても、任意のずれの大きさであってもよい。例えば、4色のノズル列の場合は、図1又は図2に示すようなずらし方が挙げられる。中でも、ノズルがP/Nずつずらして配置されている場合に、隣接するノズル列のずれができるだけP/Nでないようなずらし方が好ましく、5色以上のノズル列の場合は、隣接するノズル列のずれがいずれも(2×P/N)以上であるずらし方が特に好ましい。
前記インクジェットヘッドの各ノズル列は、第1の方向において、インクジェットヘッドに対する記録媒体の相対移動最上流側から、4色の場合、ブラックインク用ノズル列、イエローインク用ノズル列、シアンインク用ノズル列、マゼンタインク用ノズル列の順でずらして配置されていることが好ましい。また、4色並びにライトシアン及びライトマゼンタの計6色の場合、ブラックインク用ノズル列、イエローインク用ノズル列、ライトマゼンタインク用ノズル列、シアンインク用ノズル列、ライトシアンインク用ノズル列、マゼンタインク用ノズル列の順でずらして配置されていることが好ましい。
また、前記インクジェットヘッドの各ノズル列は、第1の方向において、インクジェットヘッドに対する記録媒体の相対移動最上流側に最も硬化感度の低いインクのノズルが配置されていることが好ましく、硬化感度の低いインクから順に、ノズルインクジェットヘッドに対する記録媒体の相対移動上流から下流にかけて配置されていることがより好ましい。上記態様であると、記録媒体の相対移動の上流側に配置されたノズルのインクほど記録媒体の記録面に近い層に配置して記録媒体の記録面に画像を形成させるようにしたので、最も硬化感度の低いインクを最も記録面に近い層に配置して表面層の状態を常に一定にすることができ、光沢ムラを低減することができる。
前記4色のインクのうち、最も硬化感度の低いインクは、ブラックインクである場合が多く、2番目に硬化感度の低いインクはイエローインクである場合が多い。
また、前記インクジェットヘッドは、淡インクとしてライトシアン及びライトマゼンタのインクをそれぞれ吐出するノズル列を有し、インクジェットヘッドの各ノズル列は、第1の方向にノズルがP/6ずつずらして配置され、かつシアンのノズルとマゼンタのノズルとの間、マゼンタのノズルとイエローのノズルとの間、又は、イエローのノズルとシアンのノズルとの間に、ライトシアン又はライトマゼンタのノズルが配置されていることが好ましい。
また、前記インクジェットヘッドは、ホワイトインク用ノズル列、及び/又は、クリアインク用ノズル列を有していてもよい。なお、ホワイトインク及びクリアインクは、画像の光沢ムラへの影響が少ないため、ホワイトインク用ノズル列、及び/又は、クリアインク用ノズル列は、他の各ノズル列とともに、前記第1の方向について、ノズルがずらして配置されていてもよいし、いなくともよい。
また、ホワイトインク用ノズル列、及び/又は、クリアインク用ノズル列は、前記シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック(好ましくは、更にライトシアン及び/又はライトマゼンタ)の各色のインクをそれぞれ吐出するN個の色毎のノズル列の第2の方向における両側にそれぞれ1種ずつ配置されていることが好ましい。具体的には、例えば、後述する図9に示す配置などが挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法は、クリアインクを着色インクと同様に使用しても、下塗り層やオーバーコート層の形成に使用してもよい。
前記インクジェットにおけるノズル列の所定のピッチPで配置されたノズルの数は、2以上であれば特に制限はないが、4以上1,024以下であることが好ましく、8以上512以下であることがより好ましい。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサを含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インクを含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pL、より好ましくは3〜42pL、更に好ましくは8〜30pLのマルチサイズドットを、好ましくは300×300〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
本発明のインクジェット記録方法において使用されるインクジェットヘッドは、非撥液処理ノズルプレートを有するインクジェットヘッドであることが好ましい。
ピッチPで配置されたノズル列を有するノズルプレートとしては、公知のものを用いることができるが、例えば、米国特許第7,011,396号明細書、米国特許出願公開第2009/0290000号明細書等に記載されたインクジェットヘッドを好ましく用いることができる。このようなノズルプレートは、例えば、FUJIFILM Dimatix社製のピエゾ駆動方式によるオンデマンド・インクジェットヘッドに搭載されている。その具体例として、S−class、Q−class Sapphireが挙げられる。
前記ノズルプレートは、少なくとも記録媒体に対向する側の面の一部が非撥液処理(親インク処理)されたものであることがより好ましい。非撥液処理方法としては、公知の方法を用いることができ、限定されないが、例えば(1)シリコン製のノズルプレートの表面を熱酸化して酸化ケイ素膜を形成する方法、(2)シリコンやシリコン以外の酸化膜を酸化的に形成する方法、若しくは、スパッタリングにより形成する方法、(3)金属膜を形成する方法、が挙げられる。これらの方法の詳細については、米国特許出願公開第2010/0141709号明細書を参照することができる。
本発明において、吐出されるインクを一定温度にすることが好ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる画像形成装置が好ましく使用される。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサを各配管部位に複数設け、インクの流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断又は断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
−活性エネルギー付与手段−
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、前記ノズルから吐出され、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴に前記活性エネルギーを付与する活性エネルギー付与手段を備えている。
前記活性エネルギー付与手段は、走査手段による1回の走査において、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴を不完全に硬化させる程度の活性エネルギーを付与することが好ましい。上記態様であると、光沢性を増すことができる。
本発明に用いられるインクジェット記録装置は、前記活性エネルギー付与手段によって活性エネルギーが付与されたインク滴に対して更に活性エネルギーを付与することでインク滴を本硬化させる第2の活性エネルギー付与手段を備えることが好ましい。上記態様であると、適切にインクを硬化させることができる。
前記活性エネルギー付与手段における活性エネルギー源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、LED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
本発明におけるインクの硬化には、紫外線を照射するための線源として、紫外線発光ダイオード(UV−LED)を使用することが好ましく、発光ピーク波長が300〜420nmの範囲である紫外線を発生する発光ダイオードを使用することがより好ましい。
UV−LEDとして、例えば、日亜化学工業(株)が、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。
前記活性エネルギー付与手段における紫外線の発光ピーク波長は、硬化性の観点から、増感剤の吸収特性にもよるが、300〜420nmであることが好ましく、350〜420nmがより好ましく、380〜420nmが更に好ましい。
活性エネルギーの付与条件及び基本的な付与方法は、特開昭60−132767号公報に開示されているものが例示できる。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われることが好ましい。
このように、稼働部に設けられる活性エネルギー源として小型かつ軽量のUV−LEDを用いることにより、インクジェット記録装置の小型化及び省エネルギー化を図ることができ、高い生産性で画像を形成することができる。また、UV−LEDは、露光条件の可変性に優れているため、インクに応じて好適な露光条件を設定することができ、高い生産性で画像を形成することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、付与方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
−保持手段−
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッドと前記活性エネルギー付与手段とを前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置して保持する保持手段を備えている。
前記第2の方向は、記録媒体の搬送方向に直交するインクジェットヘッド走査方向(主走査方向)であることが好ましい。また、前記第2の方向は、記録媒体の記録面に略平行であることが好ましい。
前記保持手段としては、特に制限はなく、例えば、インクジェットヘッドと活性エネルギー付与手段とを共に備えた部材であっても、インクジェットヘッドと活性エネルギー付与手段とを共に駆動させる機構であってもよい。
前記保持手段としては、前記のように、インクジェットヘッドと活性エネルギー付与手段との配置を保持する手段であれば特に制限はないが、少なくとも1つのインクジェットヘッドと少なくとも2つの活性エネルギー付与手段を保持する手段であることが好ましく、インクジェットヘッドの第2の方向における両隣に活性エネルギー付与手段を保持する手段であることがより好ましい。上記態様であると、インクを不完全に硬化させることが容易である。
また、前記保持手段は、記録媒体の相対移動の下流側に第2の活性エネルギー付与手段を保持することが好ましい。上記態様であると、適切にインクを完全に硬化させることができる。
第2の活性エネルギー付与手段における記録媒体表面における最高照度は、前記(第1の)活性エネルギー付与手段における記録媒体表面における最高照度より大きいことが好ましい。また、第2の活性エネルギー付与手段における記録媒体表面における積算光量は、前記(第1の)活性エネルギー付与手段における記録媒体表面における積算光量より大きいことが好ましい。
−走査手段、及び、移動手段−
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第2の方向に相対的に走査させる走査手段と、前記走査手段による走査毎に、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第1の方向に相対的に移動させる移動手段とを備えている。
走査手段及び移動手段は、特に制限はなく、公知の手段を用いることができる。
走査手段としては、例えば、ガイドレール、駆動機構、駆動用モータ、及び、制御回路などが挙げられる。
移動手段としては、例えば、ニップローラ、プラテン、駆動機構、駆動用モータ、及び、制御回路などが挙げられる。
−制御手段−
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、前記保持手段により保持された前記インクジェットヘッド及び前記活性エネルギー付与手段を前記記録媒体の各領域に対して所定の回数だけ相対的に走査させながら前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段を備えている。
制御手段としては、特に制限はなく、公知の手段を用いることができ、例えば、中央演算処理装置(CPU)を備えたコンピュータ等の制御装置が挙げられる。
制御装置には、例えば、記録媒体搬送制御部、キャリッジ駆動制御部、光源制御部、画像処理部、吐出制御部が挙げられ、これらの各部は、ハードウェア回路若しくはソフトウェア、又は、これらの組合せが挙げられる。
−その他の手段−
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、必要に応じ、前記以外の公知の手段を備えていてもよい。例えば、インクジェット記録装置を操作する操作パネルや形成する画像を入力するインターフェース等の入力装置、インクジェット記録装置の現在の状態や入力操作や入力画像等を表示する表示装置などが挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置を、図面を参照して更に説明する。
図3は、インクジェット記録装置100の構成の概要を説明するための説明図である。また、図4は、インクジェット記録装置100のシステム構成図である。
インクジェット記録装置100は、インクジェットヘッド110、硬化光源116R、116L、これらインクジェットヘッド110及び硬化光源116R、116Lを搭載したキャリッジ118(保持手段の一例)、キャリッジ118を主走査方向(第2の方向に相当)に伸延されたガイド119に沿って走査可能に構成されたキャリッジ走査機構130(走査手段の一例)、上面に載置された記録媒体120を主走査方向に直交する副走査方向(第1の方向に相当)に移動可能に構成された記録媒体搬送機構132(移動手段の一例)、有線又は無線の通信インターフェースを介して画像データを取得する画像入力インターフェース134、入力された画像データに所望の画像処理を施す画像処理部136、インクジェット記録装置100を統括制御する制御部138等から構成される。
図5は、インクジェットヘッド110の拡大模式図である。インクジェットヘッド110は、6つのヘッド112K、112C、112M、112Y、112LC、112LM(ノズル列の一例)から構成されている。6つのヘッド112K、112C、112M、112Y、112LC、112LMは、紫外線硬化型インク(UV硬化インク、活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクの一例)である黒インク(ブラックインク、Kインク)、シアンインク(Cインク)、マゼンタインク(Mインク)、イエローインク(Yインク)、ライトシアンインク(LCインク)、ライトマゼンタインク(LMインク)を吐出するための複数のノズル114K、114C、114M、114Y、114LC、114LMをそれぞれ有している。ここでLCインクはCインクと同色系であり、Cインクよりも着色剤濃度が低いインク(淡インク)である。同様に、LMインクはMインクと同系色であり、Mインクよりも着色剤濃度が低いインク(淡インク)である。
ここで、Kインク、Cインク、Mインク、Yインク、LCインク、LMインクの6色のインクのうち、硬化光源116R、116Lから照射される紫外線の波長(例えば385nm)に対して、Kインクの硬化感度が最も低く、Yインクの硬化感度が2番目に低い。更に、LMインク、Cインク、LCインク、Mインクの順に硬化感度が低い。
ここで、硬化感度とは、紫外線を照射してインク滴を硬化させる場合に、完全に硬化させるために必要なエネルギー量をいい、エネルギー量が小さいほど高感度である。したがって、硬化感度が最も低いとは、完全に硬化させるために必要なエネルギー量が最も大きいことをいう。
ヘッド112Kの複数のノズル114Kは、副走査方向に沿って等間隔に1列に配置されている。同様にヘッド112Cの複数のノズル114C、ヘッド112Mの複数のノズル114M、ヘッド112Yの複数のノズル114Y、ヘッド112LCの複数のノズル114LC、ヘッド112LMの複数のノズル114LMは、それぞれ副走査方向に沿って等間隔に1列に配置されている。ここでは、各色ヘッド112のノズル114のピッチは、全て100dpiである。
各色ヘッド112は、主走査方向左から112LM、112K、112C、112M、112Y、112LCの順に配置されている。
また、副走査方向には、記録媒体搬送方向の最上流側にノズル114Kが配置され、下流側に向かって114K、114Y、114LM、114C、114LC、114Mの順に等間隔で(600dpi(254μm÷6=約42μm)の間隔で)並ぶように各色ヘッド112がずらして配置されている。ここで、印字に使用されるノズル(有効ノズル)のうち最も上流側に配置されるノズルがノズル114Kであればよく、印字に使用されることのないノズル(無効ノズル)がノズル114Kよりも上流側に配置されていてもよい。
このように、各色ヘッド112は、ノズルピッチをP、ヘッド数(ノズル列数)をNとすると、副走査方向にP/Nずつずらして配置されている。なお、副走査方向にずらすとは、各色ヘッド112のノズル114のうち、最も記録媒体搬送方向上流側のノズル(1番ノズル)が基準とするインクの1番ノズルより前後に配置することをいう。1番ノズルとは、各色ヘッド112に設けられた複数のノズル114において、最も記録媒体搬送方向上流側にあるものに限らず、その作画モードで吐出に使用され、作画に寄与するノズルのうち最も上流側に位置するノズルをいう。
インクジェットヘッド110は、キャリッジ118の走査により主走査方向に往復走査されるとともに、制御部138の制御に従って各色ヘッド112のノズル114からインクを吐出することで、記録媒体120の記録面に各色インクのインク滴を打滴する。
記録媒体120は、インクジェットヘッド110が主走査方向に走査される度に、記録媒体搬送機構132により副走査方向に所定量だけ搬送(走査)される。なお、本明細書では、図3の上側を記録媒体120の搬送方向の上流側、図3の下側を記録媒体120の搬送方向の下流側と呼ぶ。
硬化光源116R、116L(活性エネルギー付与手段の一例)は、それぞれ複数個のUV−LEDを備えている。硬化光源116R、116Lは、制御部138により、キャリッジ118の主走査の上流側に位置するUV−LEDが消灯され、下流側に位置するUV−LEDが点灯される。この点灯されたUV−LEDにおいて、各色ヘッド112から記録媒体120に打滴された各色インクのインク滴に対して紫外線を照射し、不完全に硬化(半硬化)させる。
すなわち、キャリッジ118が図3の右方向に移動しながら各色ヘッド112のノズル114からインクを吐出する場合には、走査の下流側に位置する硬化光源116LのUV−LEDによりインク滴に紫外線を照射する。また、キャリッジ118が図3の左方向に移動しながら各色ヘッド112のノズル114からインクを吐出する場合には、走査の下流側に位置する硬化光源116RのUV−LEDによりインク滴に紫外線を照射する。
記録媒体120に打滴されたインク滴は、硬化光源116R、116Lによる1回の紫外線照射では完全には硬化せず、半硬化状態となる。ここで、半硬化状態とは、インクが硬化を開始してから本硬化状態に至るまでの間の硬化状態を指す。半硬化状態のインク滴は、その後、記録媒体120の搬送方向の下流側に配置された図示しない本硬化光源によって更に紫外線が照射されて本硬化状態となり、これにより記録媒体120の記録面に画像が記録される。なお、本硬化状態とは、記録媒体120のハンドリングを行っても画像劣化しない程度にインク滴が硬化している状態を指す。すなわち、本硬化とは必ずしも硬化反応が完了していることを意味するものではない。
なお、硬化光源116R、116Lの照射光量と本硬化光源の照射光量は別個に設定することができる。前述のように、半硬化時の照射光量を低減することで、記録画像の光沢性を増加させることができる。
〔データ処理方法〕
図5に示すように、副走査方向の各色ヘッド112(のノズル114)の位置がずらして配置されているため、ハーフトーン画像データとしては、ずれた位置のハーフトーンデータがラスター毎に切取られ、各色ヘッド112に転送されて、打滴されていく。
ハーフトーン化した画像データは、RIPソフト上で通常と同様に生成され、画像入力インターフェース134を介してインクジェット記録装置100に入力され、画像処理部136へ送られる。画像処理部136へは、画像の上端から副走査方向に1ドットずつずらして各色、例えばLM、K、C、M、Y、LCが連続した形式で送られ、蓄積される。
画像処理部136では、各色ヘッド112のずらし量に応じて、ある基準とする色データから、ずらし量に近い副走査方向にずれた点からの画像データを制御部138へ送る。ずらした配置に応じて、基準色のデータから副走査方向にずれた点からのデータを制御部138へ転送する。これによって、RIPソフトでは通常のハーフトーン処理を行いつつ、インクジェット記録装置100側では、各色ヘッド112のずらし位置に応じた出力が行われ、完成画像として各色ヘッド112配置のずらしの影響が小さな作画処理が実施される。
図4に示す実施形態では、画像入力インターフェース134からハーフトーン化された画像データが入力されているが、RGB画像等が入力され、画像処理部136において印刷用のドットデータに変換するように構成してもよい。
各色ヘッド112は、副走査方向に、112K、112Y、112LM、112C、112LC、112Mの順に配置されているため、硬化感度の最も低いKインクが最初に記録媒体120の表面に着弾し、次いで2番目に硬化感度の低いYインクが着弾する。以下、硬化感度の低い順であるLMインク、Cインク、LCインク、Mインクの順に着弾する。したがって、記録媒体表面からKインク、Yインク、LMインク、Cインク、LCインク、Mインクの順に上層に向かって配置される。
このように、本発明のインクジェット記録方法では、硬化感度の低いインクの順にノズルをずらして配置し(図6のステップS1)、硬化感度の低いインクほど下層に、高いインクほど上層に配置して(記録媒体搬送方向上流側に配置されたノズルのインクほど下層に配置して)画像を形成する(図6のステップS2)ことが好ましい。これにより、表面層の状態を常に一定にすることができ、光沢ムラをより低減することができる。
また、UV硬化インクでは、硬化時に記録媒体内部へ浸透せずに表面に立体的な形状を形成するため、打滴するインク量が多量となる4C(シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、黒インク)からなる黒ベタ画像において、光沢ムラが顕著となる。その4種のインクからなる濃度の高い画像部分では、淡インクは殆ど用いられない。
したがって、図3に示す実施形態では、各色ヘッド112の副走査方向の配置として、濃インクであるYインク、Cインク、Mインクのノズルの間に淡インクのノズルを配置している。このように配置することで、濃インク同士の打滴干渉を低減することができ、光沢ムラを回避することができる。
この副走査方向のノズル順序において、各色ヘッド112のノズル114の間隔100dpiの中に各色ノズル114を600dpiで配置することが好ましい。これにより、半硬化用と本硬化用の光源が分離されたインクジェット記録装置において、半硬化光源の照度を低減することで光沢度が高く、かつ光沢ムラの目立たない画像が形成可能となる。
このように、各色ヘッド112の副走査方向の位置をインクの硬化感度を鑑みて低感度のインクのノズルほど記録媒体搬送方向の上流方向にずらし、かつ濃インクのノズル間に淡インクのノズルを入れることで、高濃度の画像を形成時に濃インクのドット間が開くので、半硬化用光源の光量をより低減でき、光沢を増すことと光沢ムラの回避を同時に実現することが可能となる。
なお、本実施形態では、淡インクとしてLCインクとLMインクの2色のインクを用いているが、淡インクは2色に限定されない。Kインクと同色系であってKインクよりも着色剤濃度が低いライトブラックインク(LKインク)や、Yインクと同色系であってYインクよりも着色剤濃度が低いライトイエローインク(LYインク)を用いて、1色〜4色の構成とすることも可能である。この場合も、各色ヘッド112の副走査方向の配置として、濃インクであるKインク、Yインク、Cインク、Mインクのノズルの間に淡インクのノズルを配置することで、濃インク同士の打滴干渉を低減することができる。
なお、本実施形態では、各色ヘッド112の副走査方向の位置を低感度のインクのノズルほど記録媒体搬送方向の上流方向にずらしたが、最も硬化感度の低いインクのノズルを最上流側に配置し、この最も硬化感度の低いインクを記録媒体に最も近い層に配置すれば、その他のインクの配置順が異なっていても光沢ムラの回避に対して一定の効果がある。
例えば、前記6色のインクを用いる場合、記録媒体120の搬送方向の最上流側に硬化感度の最も低いインクのノズル114Kを配置し、Kインクが最初に記録媒体120の表面に着弾(すなわち、記録媒体120の記録面に最も近い層に着弾)すればよい。その他のノズルについては、下流側に向かって114K、114C、114LM、114M、114LC、114Yの順や、114K、114M、114LC、114Y、114LM、114Cの順等でもよい。
また、本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができる他のインクジェット記録装置について図を参照して説明するが、本実施形態はこれらに限定されないことはいうまでもない。
図7は、本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができる他のインクジェット記録装置の外観斜視図である。このインクジェット記録装置10は、紫外線硬化型インク(UV硬化インク)を用いて記録媒体12上にカラー画像を形成するワイドフォーマットプリンターである。ワイドフォーマットプリンターとは、大型ポスターや商業用壁面広告など、広い描画範囲を記録するのに好適な装置である。ここでは、A3ノビ以上に対応するものを「ワイドフォーマット」と呼ぶ。
インクジェット記録装置10は、装置本体20と、この装置本体20を支持する支持脚22とを備えている。装置本体20には、記録媒体(メディア)12に向けてインクを吐出するドロップオンデマンド型のインクジェットヘッド24と、記録媒体12を支持するプラテン26と、ヘッド移動手段としてのガイド機構28及びキャリッジ30(走査手段の一例)が設けられている。
ガイド機構28は、プラテン26の上方において、記録媒体12の搬送方向(X方向、第1の方向)に直交し、かつプラテン26の媒体支持面と平行な走査方向(Y方向、第2の方向)に沿って延在するように配置されている。キャリッジ30は、ガイド機構28に沿ってY方向に往復移動可能に支持されている。キャリッジ30には、インクジェットヘッド24が搭載されるとともに、記録媒体12上のインクに紫外線を照射する仮硬化光源32A、32Bと、本硬化光源34A、34Bとが搭載されている。
仮硬化光源32A、32Bは、インクジェットヘッド24から吐出されたインク滴が記録媒体12に着弾した後に、隣接液滴同士が合一化しない程度にインクを仮硬化(半硬化)させるための紫外線を照射する光源である。本硬化光源34A、34Bは、仮硬化後に追加露光を行い、最終的にインクを完全に硬化(本硬化)させるための紫外線を照射する光源である。
なお、本発明における「半硬化」とは、インク組成物が硬化を開始してから完全硬化に至るまでの間の状態をいう。
また、本発明における「完全硬化」とは、インク組成物の内部及び表面が完全に硬化した状態をいう。具体的には、普通紙などの浸透媒体を押し当てて、浸透媒体にインク組成物が転写したかどうかによって判断することができる。すなわち、全く転写しない場合を完全に硬化した状態という。
キャリッジ30上に配置されたインクジェットヘッド24、仮硬化光源32A、32B及び本硬化光源34A、34Bは、ガイド機構28に沿ってキャリッジ30と共に一体的に(一緒に)移動する。
記録媒体12は、後述にても説明するが、紙、不織布、塩化ビニル、合成化学繊維、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ターポリンなど、材質を問わず、また、浸透性媒体、非浸透性媒体を問わず、様々な媒体を用いることができる。記録媒体12は、装置の背面側からロール紙状態(図8参照)で給紙され、印字後は装置正面側の巻き取りローラ(図7中不図示、図8の符号44)で巻き取られる(移動手段の一例)。プラテン26上に搬送された記録媒体12に対して、インクジェットヘッド24からインク滴が吐出され、記録媒体12上に付着したインク滴に対して仮硬化光源32A、32B、本硬化光源34A、34Bから紫外線が照射される。
図7において、装置本体20の正面に向かって左側の前面に、インクカートリッジ36の取り付け部38が設けられている。インクカートリッジ36は、紫外線硬化型インクを貯留する交換自在なインク供給源(インクタンク)である。インクカートリッジ36は、本例のインクジェット記録装置10で使用される各色インクに対応して設けられている。色別の各インクカートリッジ36は、それぞれ独立に形成された不図示のインク供給経路によってインクジェットヘッド24に接続される。各色のインク残量が少なくなった場合にインクカートリッジ36の交換が行われる。
また、図示を省略するが、装置本体20の正面に向かって右側には、インクジェットヘッド24のメンテナンス部が設けられている。該メンテナンス部には、非印字時におけるインクジェットヘッド24を保湿するためのキャップと、インクジェットヘッド24のノズル面(インク吐出面)を清掃するための払拭部材(ブレード、ウエブ等)が設けられている。インクジェットヘッド24のノズル面をキャッピングするキャップには、メンテナンスのためにノズルから吐出されたインク滴を受けるためのインク受けが設けられている。
〔記録媒体搬送路の説明〕
図8は、インクジェット記録装置10における記録媒体搬送路を模式的に示す説明図である。図8に示すように、プラテン26は逆樋状に形成され、その上面が記録媒体12の支持面(「媒体支持面」という。)となる。プラテン26の近傍における記録媒体搬送方向(X方向)の上流側には、記録媒体12を間欠搬送するための記録媒体搬送手段である一対のニップローラ40が配設される。このニップローラ40は記録媒体12をプラテン26上でX方向へ移動させる。
ロール・ツー・ロール方式の媒体搬送手段を構成する供給側のロール(「送り出し供給ロール」という。)42から送り出された記録媒体12は、印字部の入り口(プラテン26の記録媒体搬送方向の上流側)に設けられた一対のニップローラ40によって、X方向に間欠搬送される。インクジェットヘッド24の直下の印字部に到達した記録媒体12は、インクジェットヘッド24により印字が実行され、印字後に巻き取りローラ44に巻き取られる。印字部の記録媒体搬送方向の下流側には、記録媒体12のガイド46が設けられている。
印字部においてインクジェットヘッド24と対向する位置にあるプラテン26の裏面(記録媒体12を支持する面と反対側の面)には、印字中の記録媒体12の温度を調整するための温調部50が設けられている。印字時の記録媒体12が所定の温度となるように調整されると、記録媒体12に着弾したインク液滴の粘度や、表面張力等の物性値が所望の値になり、所望のドット径を得ることが可能となる。なお、必要に応じて、温調部50の上流側にプレ温調部52を設けてもよいし、温調部50の下流側にアフター温調部54を設けてもよい。
〔インクジェットヘッドの説明〕
図9は、キャリッジ30上に配置されるインクジェットヘッド24と仮硬化光源32A、32B及び本硬化光源34A、34Bの配置形態の例を示す平面透視図である。
インクジェットヘッド24には、CL(クリア)、W(ホワイト)、LM、K、C、M、Y、LCの各色のインク毎に、それぞれインクを吐出するためのノズル列61CL、61W、61LM、61K、61C、61M、61Y、61LC、61CL、61Wが設けられている。図9では、ノズル列を点線により図示し、簡略化して記載しており、各ノズル列のずれ及びノズルの個別の図示は省略されている。また、以下の説明では、ノズル列61CL、61W、61LM、61K、61C、61M、61Y、61LC、61CL、61Wを総称して、符号61を付してノズル列を表すことがある。
インク色の種類(色数)や色の組合せについては、図9に示す態様に限定されない。例えば、LC、LMのノズル列を省略する形態、CLやWのノズル列を省略する形態、特別色のインクを吐出するノズル列を追加する形態などが可能である。また、色別のノズル列のY方向の配置順序も特に限定はない。
色別のノズル列61毎にヘッドモジュールを構成し、これらを並べることによって、カラー描画が可能なインクジェットヘッド24を構成することができる。例えば、ノズル列61CL、61W、61LM、61K、61C、61M、61Y、61LCをそれぞれ有する各ヘッドモジュール24CL、24W、24LM、24K、24C、24M、24Y、24LCを、キャリッジ30のY方向に並ぶように等間隔に配置する態様も可能である。
色別のヘッドモジュール24CL、24W、24LM、24K、24C、24M、24Y、24LCを、それぞれ「インクジェットヘッド」と解釈することも可能である。あるいはまた、1つのインクジェットヘッド24の内部で色別にインク流路を分けて形成し、1ヘッドで複数色のインクを吐出するノズル列を備える構成も可能である。
各ノズル列61は、複数個のノズルが一定の間隔でX方向に沿って1列に(直線的に)並んだものとなっている。本例のインクジェットヘッド24は、各ノズル列61を構成するノズルの配置ピッチ(ノズルピッチ)が254μm(100dpi)、1列のノズル列61を構成するノズルの数は256ノズル、ノズル列61の全長Lw(「ノズル列の長さ」に相当、「ノズル列幅」という場合がある。)は約65mm(254μm×255=64.8mm)である。
また、ノズル列61LM、61K、61C、61M、61Y、61LCは、各ノズルがX方向にそれぞれずらして配置されており(不図示)、メディア搬送方向上流側から最も硬化感度の低いKインクを吐出するノズル列61K、2番目に硬化感度の低いYインクを吐出するノズル列61Y、の順に並んでいる。また、濃インクであるYインク、Cインク、Mインクのノズルの間に淡インクであるLMインク、LCインクのノズルが配置されている(図5参照)。なお、硬化感度の低い濃インクほどメディア搬送方向上流側に配置してもよい。
また、吐出周波数は15kHzであり、駆動波形の変更によって10pl、20pl、30plの3種類の吐出液滴量を打ち分けることができる。すなわち、小ドット、中ドット、大ドットの3種類の大きさのドットを形成することができる。
インクジェットヘッド24のインク吐出方式としては、圧電素子(ピエゾアクチュエータ)の変形によってインク滴を飛ばす方式(ピエゾジェット方式)が採用されている。吐出エネルギー発生素子として、静電アクチュエータを用いる形態(静電アクチュエータ方式)の他、ヒータなどの発熱体(加熱素子)を用いてインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばす形態(サーマルジェット方式)を採用することも可能である。
〔紫外線照射装置の配置について〕
図9に示したように、インクジェットヘッド24の走査方向(Y方向)の左右両脇に、仮硬化光源32A、32Bが配置される。更に、インクジェットヘッド24の記録媒体搬送方向(X方向)の下流側に本硬化光源34A、34Bが配置されている。
インクジェットヘッド24のノズルから吐出されて記録媒体12上に着弾したインク滴には、その直後にその上を通過する仮硬化光源32A(又は32B)によって仮硬化のための紫外線が照射される。また、記録媒体12の間欠搬送に伴ってインクジェットヘッド24の印字領域を通過した記録媒体12上のインク滴には、本硬化光源34A、34Bにより本硬化のための紫外線が照射される。
なお、仮硬化光源32A、32B、本硬化光源34A、34Bは、インクジェット記録装置10の印刷動作中は常時点灯していてもよいし、必要に応じて適宜点灯と消灯を制御してもよい。
〔仮硬化光源の構成例について〕
図9に示したように、仮硬化光源32A、32Bは、それぞれ複数個のUV−LED素子33が並べられた構造を有している。2つの仮硬化光源32A、32Bは、共通の構成である。本例では、仮硬化光源32A、32Bとして、X方向に沿って6個のUV−LED素子33が1列に並べたLED素子配列を例示したが、LED素子数及びその配列形態はこの例に限定されない。例えば、複数個のLED素子をX/Y方向にマトリクス状に配置した構成も可能である。
この6個のUV−LED素子33は、インクジェットヘッド24のノズル列幅Lwと同じ幅の領域に対して一度にUV照射を行うことができるように並べられている。
〔本硬化光源の構成例について〕
図9に示したように、本硬化光源34A、34Bは、それぞれ複数個のUV−LED素子35が並べられた構造を有している。2つの本硬化光源34A、34Bは、共通の構成である。図9の例では、本硬化光源34A、34Bとして、Y方向に6個、X方向に2個のUV−LED素子35がマトリクス状に配置されたLED素子配列(6×2)を例示している。
UV−LED素子35のX方向の配置は、後述するスワス幅と関連し、キャリッジ30の一度の走査において、ノズル列幅Lwのn分の1(nは正の整数)に対応する幅の領域に対して一度にUV照射を行うことができるように決められる。図9の例では、ノズル列幅Lwの1/2(n=2)の幅の領域を一度に照射可能にUV−LED素子35が配置されている。
なお、本硬化光源のLED素子数及びその配列形態は、図9の例に限定されない。また、仮硬化光源32A、32B、本硬化光源34A、34Bの発光源としては、UV−LED素子33、35に限らず、UVランプなどを用いることも可能である。
〔作画モードについて〕
上記のごとく構成されたインクジェット記録装置10は、マルチパス方式の描画制御が適用され、印字パス数の変更によって印字解像度を変更することが可能である。例えば、高生産モード、標準モード、高画質モードの3種類の作画モードが用意され、各モードでそれぞれ印字解像度が異なる。印刷目的や用途に応じて作画モードを選択することができる。
高生産モードでは、600dpi(主走査方向)×400dpi(副走査方向)の解像度で印字が実行される。高生産モードの場合、主走査方向は2パス(2回の走査)によって600dpiの解像度が実現される。まず、1回目の走査(キャリッジ30の往路)では300dpiの解像度でドットが形成される。2回目の走査(復路)では、1回目の走査(往路)で形成されたドットの中間を300dpiで補間するようにドットが形成され、主走査方向について600dpiの解像度が得られる。
一方、副走査方向については、ノズルピッチが100dpiであり、1回の主走査(1パス)により副走査方向に100dpiの解像度でドットが形成される。したがって、4パス印字(4回の走査)により補間印字を行うことで400dpiの解像度が実現される。
なお、本明細書では、主走査方向のパス数と副走査方向のパス数との積を、その作画モードにおけるパス数と呼ぶ。したがって、高生産モードのパス数は、主走査2パス印字×副走査4パス印字=8パスとなる。
標準モードでは、600dpi×800dpiの解像度で印字が実行される。この解像度は、主走査方向は2パス印字、副走査方向は8パス印字とすることにより得られる。すなわち、標準モードのパス数は、主走査2パス印字×副走査8パス印字=16パスとなる。
また、高画質モードでは、1200×1200dpiの解像度で印字が実行され、主走査方向は4パス、副走査方向は12パスによりこの解像度を得ている。すなわち、高画質モードのパス数は、主走査4パス印字×副走査12パス印字=48パスとなる。
〔インク供給系の説明〕
図10は、インクジェット記録装置10のインク供給系の構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクカートリッジ36に収容されているインクは、供給ポンプ70によって吸引され、サブタンク72を介してインクジェットヘッド24に送られる。サブタンク72には、内部のインクの圧力を調整するための圧力調整部74が設けられている。
圧力調整部74は、バルブ76を介してサブタンク72と連通される加減圧用ポンプ77と、バルブ76と加減圧用ポンプ77との間に設けられる圧力計78と、を具備している。
通常の印字時は、加減圧用ポンプ77がサブタンク72内のインクを吸引する方向に動作し、サブタンク72の内部圧力及びインクジェットヘッド24の内部圧力が負圧に維持される。一方、インクジェットヘッド24のメンテナンス時は、加減圧用ポンプ77がサブタンク72内のインクを加圧する方向に動作し、サブタンク72の内部及びインクジェットヘッド24の内部が強制的に加圧され、インクジェットヘッド24内のインクがノズルを介して排出される。インクジェットヘッド24から強制的に排出されたインクは、上述したキャップ(図示せず)のインク受けに収容される。
〔インクジェット記録装置の制御系の説明〕
図11はインクジェット記録装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10は、制御手段としての制御装置202が設けられている。制御装置202としては、例えば、中央演算処理装置(CPU)を備えたコンピュータ等を用いることができる。制御装置202は、図4に示した制御部138に該当し、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。制御装置202には、記録媒体搬送制御部204、キャリッジ駆動制御部206、光源制御部208、画像処理部210、吐出制御部212が含まれる。これらの各部は、ハードウェア回路又はソフトウェア、若しくはこれらの組合せによって実現される。
記録媒体搬送制御部204は、記録媒体12(図7参照)の搬送を行うための搬送駆動部214を制御する。搬送駆動部214は、図4に示した記録媒体搬送機構132に該当し、図8に示すニップローラ40を駆動する駆動用モータ、及びその駆動回路が含まれる。プラテン26(図7参照)上に搬送された記録媒体12は、インクジェットヘッド24による主走査方向の往復走査(印刷パスの動き)に合わせて、スワス幅単位で副走査方向へ間欠送りされる。
図11に示すキャリッジ駆動制御部206は、キャリッジ30(図7参照)を主走査方向に移動させるための主走査駆動部216を制御する。主走査駆動部216は、図4に示したキャリッジ走査機構130に該当し、キャリッジ30の移動機構に連結される駆動用モータ、及びその制御回路が含まれる。
光源制御部208は、LED駆動回路218を介して仮硬化光源32A、32BのUV−LED素子33の発光量を調整するとともに、LED駆動回路219を介して本硬化光源34A、34BのUV−LED素子35の発光量を調整する制御手段である。
LED駆動回路218は、光源制御部208からの指令に応じた電圧値の電圧を出力して、UV−LED素子33の発光量を調整する。また、LED駆動回路219は、光源制御部208からの指令に応じた電圧値の電圧を出力して、UV−LED素子35の発光量を調整する。LEDの発光量の調整は、電圧を変更するのではなく、PWM(Pulse Width Modulation)を用いて駆動波形のDuty比を変更することによって行ってもよいし、電圧値とDuty比の両方を変更してもよい。
制御装置202には、操作パネル等の入力装置220、表示装置222が接続されている。
入力装置220は、手動による外部操作信号を制御装置202へ入力する手段であり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、操作ボタンなど各種形態を採用し得る。表示装置222には、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTなど、各種形態を採用し得る。オペレータは、入力装置220を操作することにより、作画モードの選択、印刷条件の入力や付属情報の入力・編集などを行うことができ、入力内容や検索結果等の各種情報は、表示装置222の表示を通じて確認することができる。
また、インクジェット記録装置10には、各種情報を格納しておく情報記憶部224と、印刷用の画像データを取り込むための画像入力インターフェース226が設けられている。画像入力インターフェースには、シリアルインターフェースを適用してもよいし、パラレルインターフェースを適用してもよい。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
画像入力インターフェース226を介して入力された画像データは、画像処理部210にて印刷用のデータ(ドットデータ)に変換される。このドットデータは、一般に、多階調の画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って生成される。
ハーフトーン処理の手段としては、誤差拡散法、ディザ法、閾値マトリクス法、濃度パターン法など、各種公知の手段を適用できる。ハーフトーン処理は、一般にM値(M≧3)の階調画像データをN値(N<M)の階調画像データに変換する。最も簡単な例では、2値(ドットのオンオフ)のドット画像データに変換するが、ハーフトーン処理において、ドットサイズの種類(例えば、大ドット、中ドット、小ドットなどの3種類)に対応した多値の量子化を行うことも可能である。
こうして得られた2値又は多値の画像データ(ドットデータ)は、各ノズルの駆動(オン)/非駆動(オフ)、更に、多値の場合には液滴量(ドットサイズ)を制御するインク吐出データ(打滴制御データ)として利用される。
吐出制御部212は、画像処理部210において生成されたドットデータに基づいて、ヘッド駆動回路228に対して吐出制御信号を生成する。また、吐出制御部212は、不図示の駆動波形生成部を備えている。駆動波形生成部は、インクジェットヘッド24の各ノズルに対応した吐出エネルギー発生素子(本例では、ピエゾ素子)を駆動するための駆動電圧信号を生成する手段である。
駆動電圧信号の波形データは、予め情報記憶部224に格納されており、必要に応じて使用する波形データが出力される。駆動波形生成部から出力された信号(駆動波形)は、ヘッド駆動回路228に供給される。なお、駆動波形生成部から出力される信号はデジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
ヘッド駆動回路228を介してインクジェットヘッド24の各吐出エネルギー発生素子に対して、共通の駆動電圧信号が印加され、各ノズルの吐出タイミングに応じて各エネルギー発生素子の個別電極に接続されたスイッチ素子(不図示)のオンオフを切り換えることで、対応するノズルからインクが吐出される。
情報記憶部224には、制御装置202のCPUが実行するプログラム、及び制御に必要な各種データなどが格納されている。情報記憶部224には、作画モードに応じた解像度の設定情報、パス数(スキャンの繰り返し数)、仮硬化光源32A、32B及び本硬化光源34A、34Bの発光量情報などが格納されている。
エンコーダ230は、主走査駆動部216の駆動用モータ、及び搬送駆動部214の駆動用モータに取り付けられており、該駆動モータの回転量及び回転速度に応じたパルス信号を出力し、該パルス信号は制御装置202に送られる。エンコーダ230から出力されたパルス信号に基づいて、キャリッジ30の位置、及び、記録媒体12(図7参照)の位置が把握される。
センサ232は、キャリッジ30に取り付けられており、センサ232から得られたセンサ信号に基づいて記録媒体12の幅が把握される。
以上のように構成されたインクジェット記録装置10によれば、各色インクのヘッドをノズルピッチ内でそれぞれ記録媒体搬送方向にずらし、低感度のインクのヘッドほど記録媒体搬送方向上流側に配置し、低感度のインクほど下層に配置して記録することで、表面層の状態を常に一定にして光沢ムラを低減することができる。
上記の実施形態では、UV硬化インクを用いて画像を形成する例を用いて説明しているが、活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを用いた場合に適用することができる。例えば、X線、分子線、又はイオンビーム等により硬化するインクを用いることができる。
<吐出工程>
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体上に、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドからインク組成物を吐出する吐出工程を含む。
前記吐出工程は、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドから、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のうち、少なくとも2種の前記インク組成物を吐出する工程であることが好ましく、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドから、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のうち、少なくとも3種の前記インク組成物を吐出する工程であることがより好ましく、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドから少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色の前記インク組成物を吐出する工程であることが更に好ましい。上記態様であると、本発明の効果をより発揮できる。
また、前記吐出工程におけるインクジェットヘッドのスキャンスピードは、0.9m/s以上であり、0.95m/s以上であることが好ましい。また、3.5m/s以下であることが好ましく、3.0m/s以下であることがより好ましく、2.5m/s以下であることが更に好ましい。上記態様であると、本発明の効果をより発揮することができる。
本発明において、記録媒体としては、特に限定されず、公知の記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。
前記吐出工程におけるインク組成物の吐出は、インク組成物を、好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のような25℃におけるインク組成物の粘度が10〜30mPa・sであるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インク組成物で使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、インク組成物の温度の制御幅は、設定温度の±5℃であることが好ましく、設定温度の±2℃であることがより好ましく、設定温度±1℃であることが更に好ましい。
<硬化工程>
本発明のインクジェット記録方法は、前記活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを付与して、吐出された前記インク組成物を硬化する硬化工程を含む。
記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性エネルギーを付与することによって硬化する。
前記活性エネルギー付与手段による記録媒体表面における最高照度は、画質及び生産性の観点から、10〜3,000mW/cm2であることが好ましく、50〜2,100mW/cm2がより好ましく、100〜1,600mW/cm2が更に好ましい。
前記活性エネルギー付与手段の前記発光ダイオードにより付与するエネルギー、すなわち紫外線の照射により記録媒体上のインク組成物に付与するエネルギー(積算光量)は、100〜1,000mJ/cm2が好ましく、150〜800mJ/cm2がより好ましく、200〜700mJ/cm2が更に好ましい。上記範囲であると、生産性と硬化性を両立できる。
本発明のインジェット記録方法においては、活性エネルギーを、好ましくは0.1〜2秒、より好ましくは0.2〜1.5秒、更に好ましくは0.3〜1秒照射することが好ましい。
活性エネルギーの照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることが好ましい。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができる。
また、本発明のインクジェット記録方法は、必要に応じ、前記以外の工程を含んでいてもよい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示すものとする。
<各ミルベースの調製>
下記表1〜表4に記載の各成分を、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散することにより、各ミルベースをそれぞれ作製した。
<インク組成物の作製方法>
表1〜表4に記載の素材を混合、撹拌することで、各インク組成物を得た。なお、表中の数値は各成分の配合量(質量部)を表す。撹拌は、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて室温(25℃)で5,000回転/分にて20分の条件で行った。
<インクジェット記録方法>
−装置構成−
図1に示すように各色のノズル列がずらして配置されたインクジェットヘッドを備えた装置を使用した。また、各部の詳細は、以下の通りである。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色ヘッドはそれぞれ、ピエゾ型インクジェットヘッドQ−class Sapphire QS−256/10(FUJIFILM DIMATIX社製、ノズル数256個(100npi(nozzle per inch)、最小液滴量10pL、30kHz)を使用した。
光源は、仮硬化光源として図9(ただし、インクジェットヘッドにおける各色のノズル配置は図1に示すものとした。)に示されるように発光ダイオード(UV−LED、日亜化学工業(株)製NC4U134、波長385nm)を配置した光源を2個具備し、照度780mW/cm2であるものを使用し、本硬化光源として発光ダイオード(UV−LED、日亜化学工業(株)製NC4U134、波長385nm)を10個配置した光源を2個具備し、照度1,500mW/cm2であるものを使用した。
インク供給系は、インクパック、供給配管、脱気フィルターSEPAREL EF−G2(DIC(株)製)、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、脱気フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなり、脱気フィルター部分では0.5気圧まで減圧した。
−画像形成−
上記構成の装置を用い、画像形成を実施した。
描画条件は、以下の条件で行った。
インクジェットヘッドのスキャンスピード:1m/s
基材:UVグロスコート157(157g/cm2、UVGC760、グロス紙、桜井(株)製、厚さ150μm)
描画モード:1,200dpi×1,200dpi、12パス
画像:4カラー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)にて300%の網パーセントのグレー
各色のヘッド位置の相対関係:図1に示す各色ヘッドのノズル配置(なお、本実施例において、当該態様を「ノズルずらし実施」ともいう。)
<評価方法>
−インクパック形態での長期保管後のプリント物画質評価−
インク供給部としてスパウト部を具備し、酸素非透過性インクパック(インクパック外側よりポリアミドからなる樹脂層(15μm)/粘着層(3μm)/アルミニウム層(10μm)/粘着層(3μm)/ポリオレフィンからなる樹脂層(80μm)であるインクパック)にインクを充填し内部に気液界面のない状態でインクパックを作製した。そのインクパックを30℃の条件で6ヶ月間保管を行い、プリンターに装着しプリント出力した。
画質評価は、出力画像としてISO12642−2 AnnexB(flesh tone)を用い、900*800dpi、16パス、双方向印刷モードにて描画を行った。その後、出力物全体を総合して出力画像のざらつき感を目視により5段階で評価した。
5:画像が滑らかでざらつき感を感じないレベル
4:画像がごく僅かにざらついているが、実用上十分性能を満足するレベル
3:画像が僅かにざらついているが、実用上の性能を満足するレベル
2:画像がざらついており、画像の縁の部分がややにじむことがわかる。実用上やや問題となるレベル
1:画像が顕著にざらついており、画像の縁の部分ににじみがみられる。実用上使用できないレベル
−高生産時での硬化性評価−
フォトショップにてC=100、M=100、Y=100、K=100の4GCの画像データを作成し、この画像を実機プリンターで出力した。印刷条件は、600*500dpi、10パス、双方向印刷モードで、コート紙(UVグロスコート157、桜井(株)製)に対して出力した。印刷物はA4サイズにカットし、同サイズのコート紙を重ね、アクリル板(厚み1cm)を重ねることで均一に荷重がかかる条件にし、更にアクリル板の上に1kgの錘をのせ、40℃、20時間積み重ね、印刷面を目視により5段階評価した。
5:印刷面にコート紙の跡がまったくない。
4:印刷面に僅かに対面させていたコート紙からの白地が転写する(〜5%未満)。
3:印刷面に対面させていたコート紙の白地が5%以上30%未満転写する。
2:印刷面に対面させていたコート紙の白地が30%以上60%未満転写する。
1:印刷面に対面させていたコート紙の白地が60%以上転写する。
(実施例1〜10、及び、比較例1〜5)
上記条件でそれぞれ画像形成を行った結果を表1〜表4に示す。
なお、インクの吐出に当たっては、吐出温度を調節して、吐出時の粘度の最適化を行った。また、吐出波形の最適化も実施した。その結果、いずれのインクも良好に吐出できることを確認した。
また、システム要件において、ノズルずらし未実施である実施例6は、ノズルの並ぶ方向(前記第1の方向)において、各色のノズル列の配置がずれていないインクジェットヘッドを備えた装置を使用した。
Figure 2014046481
Figure 2014046481
Figure 2014046481
Figure 2014046481
なお、上記表1〜表4に記載された各成分は以下の通りである。
<モノマー>
・NVC:N−ビニルカプロラクタム(V−CAP、ISP社製)
・PEA:フェノキシエチルアクリレート(SR339、サートマー・ジャパン(株)製)
・CTFA:サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート(SR531、サートマー・ジャパン(株)製)
・IBOA:イソボニルアクリレート(IBXA、大阪有機化学工業(株)製)
・DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート(SR508、サートマー・ジャパン(株)製)
・RAPI−CURE DVE3:トリエチレングリコールジビニルエーテル(ISA社製)
・3-methylpentane diol diacrylate:3−メチルペンタンジオールジアクリレート(SR341、サートマー・ジャパン(株)製)
・SR−833:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(サートマー・ジャパン(株)製)
・EOTMPTA:エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート(トリメチロールプロパンエチレンオキサイド3モル付加物をトリアクリレート化した化合物)(SR454 D NS、サートマー・ジャパン(株)製)
・NPGPODA:プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート(ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)(SR9003、サートマー・ジャパン(株)製)
・TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(SR351S、サートマー・ジャパン(株)製
<光重合開始剤>
・IRGACURE 184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製)
・TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(DAROCUR TPO、チバ・ジャパン(株)製)
・IRGACURE 819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819、チバ・ジャパン(株)製)
・ITX:イソプロピルチオキサントン(SPEEDCURE ITX、LAMBSON社製)
<重合禁止剤>
・FIRSTCURE ST−1:トリス(トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミン)アルミニウム塩(10質量%)とフェノキシエチルアクリレート(90質量%)との混合物(Chem First社製)
・MEHQ:Hydroquinone monomethylether(ヒドロキノンモノメチルエーテル、和光純薬工業(株)製)
・HO−TEMPO:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル((株)ADEKA製)
<顔料>
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、BASFジャパン(株)製)
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASFジャパン(株)製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、BASFジャパン(株)製)
<分散剤>
・SOLSPERSE 32000(Noveon社製分散剤)
<オリゴマー>
・CN964A85(脂肪族ポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマー(トリプロピレングリコールジアクリレートを15%含有、サートマー・ジャパン(株)製)
10:インクジェット記録装置、12:記録媒体、20:装置本体、22:支持脚、24:インクジェットヘッド、26:プラテン、28:ガイド機構、30:キャリッジ、32A,32B:仮硬化光源、33,35:UV−LED素子、34A,34B:本硬化光源、36:インクカートリッジ、38:取り付け部、40:ニップローラ、42:送り出し供給ロール、44:巻き取りローラ、46:ガイド、50:温調部、52:プレ温調部、54:アフター温調部、61:ノズル列、70:供給ポンプ、72:サブタンク、74:圧力調整部、76:バルブ、77:加減圧用ポンプ、78:圧力計、
100:インクジェット記録装置、110:インクジェットヘッド、112:ヘッド、114:ノズル、116:硬化光源、118:キャリッジ、119:ガイド、120:記録媒体、130:キャリッジ走査機構、132:記録媒体搬送機構、134:画像入力インターフェース、136:画像処理部、138:制御部、
202:制御装置、204:記録媒体搬送制御部、206:キャリッジ駆動制御部、208:光源制御部、210:画像処理部、212:吐出制御部、214:搬送駆動部、216:主走査駆動部、218,219:LED駆動回路、220:入力装置、222:表示装置、224:情報記憶部、226:画像入力インターフェース、228:ヘッド駆動回路、230:エンコーダ、232:センサ

Claims (17)

  1. インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置を準備する準備工程、
    記録媒体上に、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドからインク組成物を吐出する吐出工程、及び、
    活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを付与して、吐出された前記インク組成物を硬化する硬化工程、を含み、
    前記インク組成物が、(成分A)N−オキシル化合物をインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物であり、
    前記吐出工程におけるインクジェットヘッドのスキャンスピードが0.9m/s以上であることを特徴とする
    インクジェット記録方法。
  2. 前記インク組成物が、(成分D)N−ビニルラクタム類をインク組成物全量に対して2〜40質量%含有する、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 成分Bが、多官能(メタ)アクリレートモノマーである、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インク組成物が、(成分E)増感剤を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 成分Aが、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル基を有する化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 成分Aが、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 成分Bの含有量が、インク組成物全量に対して、40〜85質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記インク組成物が、内部に気液界面のない酸素非透過性インクパックから供給される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記インク組成物が、フタロシアニン顔料を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記インク組成物が、シアンインク組成物である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記インク組成物が、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を実質的に含有しない、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記インクジェット記録装置が、
    活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列であり、かつ、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインク組成物をそれぞれ吐出するN個(N≧4)の色毎のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記第1の方向においてノズルがずらして配置されているインクジェットヘッドと、
    前記ノズルから吐出され、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴に前記活性エネルギーを付与する活性エネルギー付与手段と、
    前記インクジェットヘッドと前記活性エネルギー付与手段とを前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置して保持する保持手段と、
    前記保持手段と前記記録媒体とを前記第2の方向に相対的に走査させる走査手段と、
    前記走査手段による走査毎に、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第1の方向に相対的に移動させる移動手段と、
    前記保持手段により保持された前記インクジェットヘッド及び前記活性エネルギー付与手段を前記記録媒体の各領域に対して所定の回数だけ相対的に走査させながら前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段と、を備えたインクジェット記録装置である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記インクジェットヘッドの吐出周波数が、10kHz以上である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記インクジェットヘッドの各ノズル列のうち、第1の方向において、インクジェットヘッドに対する記録媒体の相対移動最上流側にブラックインクのノズルが配置されている、請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記シアン、マゼンタ及びイエローの3色のインク組成物がいずれも、(成分A)ヒンダードアミンをインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物である、請求項12又は14に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインク組成物がいずれも、(成分A)ヒンダードアミンをインク組成物全量に対して0.05質量%以上含有し、(成分B)多官能モノマーをインク組成物全量に対して40質量%以上含有し、かつ(成分C)光重合開始剤を含有するラジカル重合性インク組成物である、請求項15に記載のインクジェット記録方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
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