JP2014041826A - 燃料電池発電システム及び脱硫装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硫黄化合物を含有する原燃料ガスPから硫黄化合物を除去するための脱硫装置Dと、脱硫装置Dによって脱硫処理された原燃料ガスPを改質して、水素を主成分とする改質ガスRを生成させる改質装置3と、改質装置3から供給される改質ガスRを燃料として用いて発電する燃料電池6と、を備えた燃料電池発電システムS。脱硫装置Dは、原燃料ガスPが通過可能に設けられた容器Cの内部に、硫黄化合物を吸着する脱硫剤1aを収容して備えると共に、脱硫処理する原燃料ガスが流入するときの容器C内の脱硫剤1aを50℃〜200℃の加温状態とするように加熱する加熱手段21を備え、脱硫剤1aは、ゼオライトを主成分とするゼオライト系吸着剤である。
【選択図】図1
Description
により、総合的なエネルギ効率の向上を図ることもできる。よって、今後、燃料電池発電システムが広く普及することが期待されている。
加えて、上記脱硫剤が、ゼオライトを主成分とするゼオライト系吸着剤であると、常温において硫黄化合物を吸着することが可能な常温脱硫剤を、簡易かつ適切に使用することができる。
従って、所定の寿命期間に亘って脱硫剤の交換を不要、もしくは限られた回数とすることができる燃料電池発電システムを提供することができる。
この構成によれば、加熱制御手段が、水分検出手段により検出される水分レベルに基づいて脱硫剤を加熱して加温状態とする必要性の有無を判断し、当該必要性の有無に応じて加熱手段の動作(加熱の有無)を適切に制御することができる。
なお、この場合の所定の基準レベルは、実験結果に基づいて例えば1000〜4000ppm(露点が−20〜−5℃)の水分レベルに設定することができる。ここで、所定の基準レベルは、常温脱硫剤に顕著な温度特性が現れるような水分レベル範囲の最小値に設定されていると、より好適である。具体的には、所定の基準レベルを、例えば4000ppm(露点が−5℃)の水分レベルに設定すると好適である。
同様に、非発電時加熱制御手段からの指令により、燃料電池が発電を停止した後も加熱手段により脱硫剤を加熱して、一定時間、脱硫剤の温度を加温状態に維持させることができる。ところで、燃料電池発電システムの停止に際しては、燃料電池による発電を停止した状態で燃料電池内にガスを充填し、その状態で燃料電池をシールすることが通常行われる。このとき、上記のように燃料電池による発電停止後も脱硫剤を一定時間だけ加熱して加温状態に維持することで、燃料電池発電システムの上流側からガスをシール用に供給する場合にも、脱硫剤を高い脱硫性能を発揮し得る状態に維持できる。従って、燃料電池の発電停止時に、硫黄化合物が改質装置及び燃料電池に到達するのを極力抑制することができる。
加えて、上記脱硫剤が、ゼオライトを主成分とするゼオライト系吸着剤であると、常温において硫黄化合物を吸着することが可能な常温脱硫剤を、簡易かつ適切に使用することができる。
従って、所定の寿命期間に亘って脱硫剤の交換を不要、もしくは限られた回数とすることができる脱硫装置を提供することができる。
本発明の第一の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る燃料電池発電システムSは、硫黄化合物を含有する原燃料ガスPから硫黄化合物を除去するための脱硫装置Dと、脱硫装置Dによって脱硫処理された原燃料ガスPを改質して、水素を主成分とする改質ガスRを生成させる改質器3と、改質器3から供給される改質ガスRを燃料として用いて発電する燃料電池6と、を備えている。このような構成において、本実施形態に係る燃料電池発電システムSは、脱硫装置Dが、原燃料ガスPが通過可能に設けられた容器C内に、硫黄化合物を吸着する脱硫剤1aを収容して備えると共に、容器C内の脱硫剤1aを50℃〜200℃の加温状態とするように加熱する加熱手段21を備えた点に特徴を有する。これにより、所定の寿命期間に亘って脱硫剤1aの交換を不要、もしくは限られた回数とすることが可能となっている。以下、本実施形態に係る燃料電池発電システムSの各部の構成について、詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る燃料電池発電システムSの全体構成について説明する。燃料電池発電システムSは、図1に示すように、脱硫装置Dと、水蒸気生成器2と、改質器3と、一酸化炭素変成器4と、一酸化炭素除去器5と、燃料電池6と、を主要な構成要素として備えている。
CH4+H2O→CO+3H2
〔化2〕
CH4+2H2O→CO2+4H2
改質器3によって改質処理された改質ガスRは、一酸化炭素変成器4に供給される。
CO+H2O→CO2+H2
一酸化炭素変成器4によって変成処理された改質ガスRは、一酸化炭素除去器5に供給される。
次に、脱硫装置Dの構成について説明する。本実施形態に係る脱硫装置Dは、脱硫器1と加熱手段21とを備えている。脱硫器1は、硫黄化合物を含有する原燃料ガスPから硫黄化合物を除去するための中心的な機能を果たしている。脱硫器1は容器C(図2を参照)を備えており、当該容器C内に、硫黄化合物を吸着する脱硫剤1aが収容されている。容器Cは、その内部に原燃料ガスPが通過可能に設けられている。
次に、制御装置30の構成について説明する。燃料電池発電システムSが備える制御装置30は、図1に示すように、燃料電池発電システムSの各部の動作制御を行う中核部材としての機能を果たしており、脱硫制御部31とシステム制御部36との各機能部を備えて構成されている。本実施形態においては、脱硫制御部31は加熱制御部32を備え、システム制御部36は、発電前加熱制御部37と起動制御部38と停止後加熱制御部39とを備えている。また、制御装置30は、CPU等の演算処理装置を中核部材として備えるとともに、当該演算処理装置からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)や、演算処理装置からデータを読み出し可能に構成されたROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶装置等を有して構成されている(不図示)。そして、ROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、制御装置30の各機能部が構成される。各機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。
機能部である。脱硫制御部31は、加熱制御部32をその下位の機能部として更に備えて
いる。加熱制御部32は、加熱手段21の動作を制御する機能部である。本実施形態においては、加熱制御部32は、露点センサSe1により検出される原燃料ガスPの露点に応じて、加熱手段21の動作を制御するように構成されている。より具体的には、加熱制御部32は、露点センサSe1により検出される原燃料ガスPの露点に基づいて原燃料ガスPが低湿状態又は高湿状態のいずれの状態にあるかを判定し、原燃料ガスPの状態(低湿状態又は高湿状態)に応じて加熱手段21の動作を制御する。
を制御する機能部である。システム制御部36は、発電前加熱制御部37と起動制御部38と停止後加熱制御部39とをその下位の機能部として更に備えている。
次に、本実施形態に係る制御装置30による燃料電池発電システムSの制御処理の内容について説明する。以下では、燃料電池発電システムSに備えられた燃料電池6が発電を開始する前の制御処理である起動制御処理と、燃料電池発電システムSに備えられた脱硫装置Dに対する制御処理である加熱制御処理と、に分けて説明する。以下に説明する起動制御処理及び加熱制御処理の手順は、制御装置30の各機能部により実行される。
まず、起動制御処理の処理手順について説明する。図6は、本実施形態に係る燃料電池発電システムSにおける起動制御処理の処理手順を示すフローチャートである。起動制御処理においては、燃料電池6に対する発電要求があった場合には(ステップ#01:Yes)、まず発電前加熱制御部37は、加熱手段21に脱硫剤1aを加熱させる(ステップ#02)。本実施形態では、発電前加熱制御部37は、排熱回収機構22の排熱回収回路27に備えられたポンプ25を作動させて貯湯タンク24に貯えられた高温の湯水を容器Cに供給し、湯水と脱硫剤1aとを熱交換させることにより脱硫剤1aを加熱する。次に、起動制御部38は、温度センサSe2により検出される脱硫剤1aの温度を取得する(ステップ#03)。起動制御部38は、取得された脱硫剤1aの温度に基づいて、脱硫剤1aが加温状態にあるか否かを判定する(ステップ#04)。
次に、加熱制御処理の処理手順について説明する。図7は、本実施形態に係る燃料電池発電システムSにおける加熱制御処理の処理手順を示すフローチャートである。加熱制御処理においては、まず加熱制御部32は、露点センサSe1により検出される原燃料ガスPの露点を取得する(ステップ#21)。加熱制御部32は、取得された原燃料ガスPの露点に基づいて、原燃料ガスPが高湿状態にあるか否かを判定する(ステップ#22)。
本発明の第二の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、燃料電池発電システムSの脱硫装置Dが備える加熱手段21の構成が、上記第一の実施形態における加熱手段21の構成と一部相違している。その他の構成に関しては、上記第一の実施形態と同様である。以下では、本実施形態に係る燃料電池発電システムSについて、主に上記第一の実施形態との相違点を中心に説明する。
(1)上記第一の実施形態においては、制御装置30が加熱制御部32を備え、当該加熱制御部32が、原燃料ガスPの露点に応じて加熱手段21の動作を制御するように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、上記第一の実施形態において、上記第二の実施形態と同様に、加熱手段21が原燃料ガスPの露点(水分レベル)とは無関係に常に脱硫剤1aを加温状態とするように加熱する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
3 改質器(改質装置)
6 燃料電池
21 加熱手段
22 排熱回収機構(蓄熱機構、熱供給機構)
32 加熱制御部(加熱制御手段)
37 発電前加熱制御部(非発電時加熱制御手段)
38 起動制御部(起動制御手段)
39 停止後加熱制御部(非発電時加熱制御手段)
S 燃料電池発電システム
D 脱硫装置
C 容器
P 原燃料ガス
R 改質ガス
Se1 露点センサ(水分検出手段)
Se2 温度センサ(温度検出手段)
Claims (10)
- 硫黄化合物を含有する原燃料ガスから硫黄化合物を除去するための脱硫装置と、
前記脱硫装置によって脱硫処理された原燃料ガスを改質して、水素を主成分とする改質ガスを生成させる改質装置と、
前記改質装置から供給される改質ガスを燃料として用いて発電する燃料電池と、を備えた燃料電池発電システムであって、
前記脱硫装置は、前記原燃料ガスが通過可能に設けられた容器の内部に、硫黄化合物を吸着する脱硫剤を収容して備えると共に、
脱硫処理する前記原燃料ガスが流入するときの前記容器内の前記脱硫剤を50℃〜200℃の加温状態とするように加熱する加熱手段を備え、
前記脱硫剤は、ゼオライトを主成分とするゼオライト系吸着剤である燃料電池発電システム。 - 前記容器の上流側に設けられ、前記容器に流入する原燃料ガスに含まれる水分レベルを検出する水分検出手段と、
前記水分検出手段により検出される水分レベルに応じて前記加熱手段の動作を制御する加熱制御手段と、
を更に備えた請求項1に記載の燃料電池発電システム。 - 前記加熱制御手段は、
前記水分検出手段により検出される水分レベルが予め設定された所定の基準レベル未満の低湿状態である場合には、前記加熱手段による加熱を停止させるように制御し、
前記水分検出手段により検出される水分レベルが予め設定された所定の基準レベル以上の高湿状態である場合に、前記加熱手段による加熱を実行させるように制御する請求項2に記載の燃料電池発電システム。 - 前記加熱手段が、前記燃料電池から排出される排熱を熱源として前記脱硫剤を加熱可能に構成された請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料電池発電システム。
- 前記加熱手段が、前記排熱を回収し当該回収された熱を蓄熱する蓄熱機構と、前記蓄熱機構により蓄熱された熱を前記容器へ供給する熱供給機構と、を備える請求項4に記載の燃料電池発電システム。
- 前記燃料電池が発電を開始する前、又は発電を停止した後の一定時間、前記加熱手段に前記脱硫剤を加熱させるように制御する非発電時加熱制御手段を備えた請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料電池発電システム。
- 前記脱硫剤の温度を検出する温度検出手段と、
前記加熱手段による加熱後、前記温度検出手段により検出される温度に基づいて、前記脱硫剤が前記加温状態となった後に前記燃料電池に発電を開始させる起動制御手段と、
を更に備えた請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料電池発電システム。 - 前記脱硫剤は、Y型ゼオライトを主成分とし当該Y型ゼオライトに銀が担持されてなる銀ゼオライト吸着剤である請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料電池発電システム。
- 硫黄化合物を含有する、燃料電池に供給される原燃料ガスから硫黄化合物を除去するための脱硫装置であって、
前記原燃料ガスが通過可能に設けられた容器の内部に、常温において硫黄化合物を吸着する常温脱硫剤を収容して備えると共に、
脱硫処理する前記原燃料ガスが流入するときの前記容器内の前記常温脱硫剤を50℃〜200℃の加温状態とするように加熱する加熱手段を備え、
前記常温脱硫剤は、ゼオライトを主成分とするゼオライト系吸着剤である脱硫装置。 - 前記常温脱硫剤は、Y型ゼオライトを主成分とし当該Y型ゼオライトに銀が担持されてなる銀ゼオライト吸着剤である請求項9に記載の脱硫装置。
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