JP2014040549A - 導電性高分子およびそれを含む導電性組成物、ならびにそれらを含む塗膜を有するフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】薄膜の導電性を大幅に向上させる。
【解決手段】以下の式で表される3,4−ジアルコキシチオフェン
Figure 2014040549

を、ポリアニオン及びアセチレングリコール系界面活性剤のうち少なくとも1種の存在下、水系溶媒中で化学的酸化重合させてなる導電性高分子であって、アセチレングリコール系界面活性剤が3,4−ジアルコキシチオフェン1モルに対して0.001〜0.5モルである導電性高分子、当該導電性高分子を含む導電性組成物、当該導電性高分子若しくは導電性組成物を導電体として用いてなる塗膜を有するフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンとの複合体である導電性高分子およびそれを含む導電性組成物、ならびに導電性高分子若しくは導電性組成物を用いてなる塗膜を有するフィルムに関する。
導電性高分子は、固体電解コンデンサの固体電解質; 帯電防止剤用の導電体; 液晶ディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネルなどに形成される透明電極; ならびに電磁波シールド材などの基材のコーティングに広く用いられている。通常、透明電極として最も汎用なものは、インジウム−スズ系の複合酸化物(ITOという)の蒸着膜であるが、成膜に高温を必要とすることから、成膜コストが高いという問題がある。一方、有機材料から成る透明電極として、低温かつ低コストで成膜可能な導電性高分子を用いた膜が提案されている。この用途における導電性高分子としては、例えば、チオフェンまたはその誘導体などの重合性モノマーを化学酸化重合または電解酸化重合することによって高分子化したものが知られており、特に工業的には、化学酸化重合が行われている。
上記のような導電性高分子およびその製造方法としては、例えば、水分散性が良好なポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンとの複合体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンとの複合体の水分散液に、ジヒドロキシ基、ポリヒドロキシ基、アミド基、およびラクタム基からなる群より選択される官能基を有する化合物を添加することによって、得られたコーティング組成物を基材上に付与して成る薄膜の導電性を向上させることができるとの報告もある(例えば、特許文献2を参照)。さらに、ε≧15の誘電率を有する非プロトン性化合物を含むコーティング用組成物を基材に付与することにより、100℃未満の温度で乾燥させて成る薄膜の導電性を向上させることができるとの報告もある(例えば、特許文献3を参照)。
また、3,4−ジアルコキシチオフェンをポリアニオンの存在下で重合させる際に、ペルオキソ二硫酸を酸化剤として用いること、あるいは重合時に酸を添加してpHを低下させることによって、透明性および導電性に優れた薄膜を形成可能な複合体含有水分散液を得ることができるとの報告もある(例えば、特許文献4を参照)。さらに、透明性と導電性に優れた薄膜を形成するため、薄膜形成用のポリマー水分散体の製造に際して、π共役系導電性ポリマーに塩基性有機化合物を添加する方法(例えば、特許文献5を参照)、耐圧容器内に導電性ポリマーと水と導電性ポリマーに対する相溶性を有する有機溶剤と二酸化炭素とを収容し、二酸化炭素が超臨界状態となるように耐圧容器内を加熱加圧する方法(例えば、特許文献6を参照)、あるいは3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を高分子カルボン酸の存在下で酸化重合する方法(例えば、特許文献7を参照)を用いることが知られている。
さらに、特定の条件を満たす保護層をノルボルネン系樹脂フィルム上に形成する工程(A)、ポリエチレンジオキシチオフェンを含有する導電性塗料を上記保護層上に塗工し、硬化させて透明導電層を形成する工程(C)を含む透明導電性積層フィルムの製造方法において、導電性塗料中にフッ素系界面活性剤および/またはアセチレン基を分子中に有するグリコール系界面活性剤をさらに含ませ、導電性塗料の表面張力を下げ、もって抵抗値の面内均一性を高めることができることが報告されている(例えば、特許文献8を参照)。また、アセチレングリコール系界面活性剤を、導電性ポリマーの製造後に添加する方法も知られている(例えば、特許文献9および特許文献10を参照)。さらに、ベンゼンスルホン酸などのドーパントを含む水溶液に、3,4−エチレンジオキシチオフェンなどの導電性高分子となり得るモノマーを投入し、そこにアセチレングリコール誘導体などの非イオン界面活性剤を用いて乳化させた乳化液中で、酸化剤を用いて化学酸化重合し、導電性高分子を合成する方法も知られている(例えば、特許文献11を参照)。また、ポリアニオンの量がエチレンジオキシチオフェンの2倍以下になると、導電性高分子の導電性が低下することが報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。
特開平7−090060号公報 特開平8−048858号公報 特開2000−153229号公報 特開2004−059666号公報 特開2007−254730号公報 特開2009−215422号公報 特開2011−093993号公報 特開2009−245935号公報 特開平6−049246号公報 特表2005−527048号公報 特開2011−153224号公報
PEDOTの材料物性とデバイス応用(サイエンス&テクノロジー社、2012年3月5日発行)
しかし、上記の従来から公知の技術には、次のような問題がある。特許文献1記載の技術では、帯電防止機能については十分であるが、透明性および導電性を高めるには不十分である。特許文献2〜7記載の技術では、薄膜の導電性をある程度向上させることができるものの、市場の要求するレベルの導電性を達成することはできない。
特許文献8〜10に記載される技術のように、導電性塗料中に界面活性剤を後添加すると、添加する界面活性剤の種類や量によっては、薄膜の導電性が低下し、十分な性能が得られなくなる。また、特許文献9に記載される技術のように、モノマーを乳化させるのに十分な量の界面活性剤が存在した場合、薄膜の導電性の低下が起き、これもまた十分な性能が得られなくなる。なお、非特許文献1記載のポリアニオンの添加量については、従来の製造技術に対するものであり、この添加量の制約は必ずしも正しいものではない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、従来の導電性高分子の性能を維持しながら、形成された薄膜の導電性を大幅に向上させることを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行ってきた結果、3,4−ジアルコキシチオフェンを、ポリアニオンと特定のアセチレングリコール系界面活性剤の存在下、水系溶媒中にて化学的酸化重合させることにより、薄膜の形態としたときの導電性を大幅に向上させることができることを見出し、本発明の完成に至った。本発明では、ポリアニオンの量が3,4−ジアルコキシチオフェンの量の2倍以下となっても、実用に十分耐えられるほどの高導電性を発揮できる。本発明における具体的な解決手段は、以下の通りである。
上記目的を達成するための本発明の一形態は、以下の式(1)で表される3,4−ジアルコキシチオフェン
Figure 2014040549
(式中、RおよびRは相互に独立して水素またはC1−4のアルキル基であるか、あるいは一緒になってC1−4のアルキレン基を形成し、該アルキレン基は任意に置換されていても良い。)を、
ポリアニオン;および、
以下の式(2)および式(3)
Figure 2014040549
Figure 2014040549
(式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
で表されるアセチレングリコール系界面活性剤のうち少なくとも1種の存在下、水系溶媒中で化学的酸化重合させてなる導電性高分子であって、アセチレングリコール系界面活性剤を3,4−ジアルコキシチオフェン1モルに対して0.001〜0.5モルとした導電性高分子である。
本発明の別の形態は、さらに、ポリアニオンを3,4−ジアルコキシチオフェン100質量部に対して10〜300質量部用いてなる導電性高分子である。
本発明の別の形態は、また、ポリアニオンをポリスチレンスルホン酸とする導電性高分子である。
本発明の一形態は、上述のいずれかの導電性高分子を含有する導電性組成物である。
本発明の一形態は、上述のいずれかの導電性高分子または導電性組成物を導電体として用いてなる塗膜を有するフィルムである。
本発明によれば、薄膜の導電性を大幅に向上させることができる。
以下、本発明に係る導電性高分子、導電性組成物および塗膜を有するフィルムの好適な実施の形態について説明する。
1.導電性高分子およびその製造方法
この実施の形態に係る導電性高分子は、以下の式(1)で表される3,4−ジアルコキシチオフェン
Figure 2014040549
(式中、RおよびRは相互に独立して水素またはC1−4のアルキル基であるか、あるいは一緒になってC1−4のアルキレン基を形成し、該アルキレン基は任意に置換されていても良い。)を、
ポリアニオン;および、
以下の式(2)および式(3)
Figure 2014040549
Figure 2014040549
(式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示す。)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤のうち少なくとも1種の存在下、水系溶媒中で化学的酸化重合させてなる導電性高分子であって、アセチレングリコール系界面活性剤が3,4−ジアルコキシチオフェン1モルに対して0.001〜0.5モルである。
この実施の形態に係る導電性高分子を製造する上で必須となる材料は以下の(1)〜(5)である。
(1)3,4−ジアルコキシチオフェン
上記式(1)で示される3,4−ジアルコキシチオフェンにおいて、RおよびRのC1−4のアルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基などを挙げることができる。RおよびRが一緒になったC1−4のアルキレン基としては、好ましくは、1,2−アルキレン基、1,3−アルキレン基などを挙げることができ、具体的には、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基などを挙げることができ、その中でも特に、1,2−エチレン基が好ましい。また、C1−4のアルキレン基は、置換されていても良く、その場合の好ましい置換基としては、C1−12のアルキル基あるいはフェニル基を挙げることができる。置換されたC1−4のアルキレン基としては、好ましくは、1,2−シクロヘキシレン基、2,3−ブチレン基を挙げることができる。このようなアルキレン基の代表例としてRおよびRのいずれもC1−12のアルキル基で置換された1,2−アルキレン基は、エテン、プロペン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、スチレンなどのα−オレフィン類を臭素化して得られる1,2−ジブロモアルカン類から誘導される。
(2)ポリアニオン
本発明の実施の形態で使用されるポリアニオンを形成し得る化合物(以下、ポリアニオンという場合がある)としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等のポリカルボン酸類; ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等のポリスルホン酸類; 等を挙げることができる。これらの中で、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。ポリアニオン化合物の分子量は、特に限定されないが、通常、重量平均分子量(Mw)が1,000〜2,000,000の範囲であり、さらに好ましくは2,000〜1,000,000の範囲であり、より好ましくは10,000〜500,000の範囲である。特に、上記分子量の範囲のポリスチレンスルホン酸を用いるのが好ましい。ポリスチレンスルホン酸のスルホン化率は、特に限定されるものではないが、好ましくは、80〜100%、さらに好ましくは85〜95%の範囲である。ここで、「スルホン化率」とは、ポリスチレンスルホン酸において、分子中のスルホン酸基を有するスチレン単位(A)およびスルホン酸基を有していないスチレン単位(B)の合計(A+B)に対する(A)の割合(%)を指していう。
ポリスチレンスルホン酸を得る方法としては、ポリスチレンをスルホン化する方法と、スチレンスルホン酸ナトリウムを高分子化する方法が挙げられる。後者のスチレンスルホン酸ナトリウムを高分子化する方法は、前者のポリスチレンをスルホン化する方法に比べて、純度の高いポリスチレンスルホン酸が得られやすい。この方法では、適量のイオン交換水にスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、水溶性開始剤を用いて重合し、高分子化する。水溶性開始剤としては、過硫酸塩、過酸化水素、遷移金属のような酸化剤を好適に例示できる。また、重合の温度としては、特に限定されないが、好ましくは10〜90℃である。得られた反応液を陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂で処理して、ポリスチレンスルホン酸を得ることができる。かかる高分子化の際に、上記のような酸化剤を共存させることにより、得られるポリスチレンスルホン酸ナトリウムの分子量を調整することができる。
ポリアニオンの使用量は、3,4−ジアルコキシチオフェン100質量部に対して、好ましくは10〜300質量部であり、さらに好ましくは50〜250質量部であり、より好ましくは100〜200質量部である。ポリアニオンを3.4−ジアルコキシチオフェン100質量部に対して10質量部以上使用することにより、ポリアニオンの添加による導電性向上効果を十分に発現でき、ポリアニオンを3.4−ジアルコキシチオフェン100質量部に対して300質量部以下使用することにより、ポリアニオンを過剰に添加しないことによる表面抵抗値の抑制が働き、導電性能の維持を期待できる。特に、一般的に導電率が低下すると言われているポリアニオンの使用量、すなわちポリアニオンが3,4−ジアルコキシチオフェン100質量部に対して2倍に相当する200質量部以下の条件でも、十分な性能を発揮できる。また、ポリアニオンの比率を低くすることにより、ポリアニオン由来の吸湿性を低減でき、ポリアニオンによる金属への腐食性を緩和できる。
(3)重合開始剤
本発明の実施の形態で使用される重合開始剤(以下、単に、「開始剤」という)としては、過硫酸塩、過酸化水素、遷移金属といった酸化剤を挙げることができる。開始剤としては、より好適には、第一鉄塩または第二鉄塩をそれぞれ単体、あるいは両方を組み合わせることができる。その場合、第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄、トルエンスルホン酸第一鉄、ドデシルベンゼンスルホン酸第一鉄、ナフタレンスルホン酸第一鉄を好適に例示できる。また、第二鉄塩としては、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、トルエンスルホン酸第二鉄、ドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄、ナフタレンスルホン酸第二鉄を好適に例示できる。さらに、重合開始剤として、上記第一鉄塩、上記第二鉄塩と共に、過硫酸塩を混合して用いるのが、さらに好ましい。過硫酸塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸カルシウム、過硫酸バリウムなどを好適に用いることができる。それらの中でも、過硫酸アンモニウムと硫酸第二鉄の組み合わせが好ましい。また、過硫酸塩と第二鉄塩との比率としては、モル比にて、1〜5000:1が好ましく、5〜100:1がさらに好ましい。第二鉄塩の使用量は、3,4−ジアルコキシチオフェン100質量部に対して好ましくは1〜400質量部であり、さらに好ましくは5〜200質量部であり、より好ましくは10〜100質量部である。第二鉄塩を3,4−ジアルコキシチオフェン100質量部に対して1質量部以上用いると導電性を向上でき、第二鉄塩を3,4−ジアルコキシチオフェン100質量部に対して400質量部以下用いると反応性を高めることができる。複数の開始剤を用いる場合、当該複数の開始剤を予め混合して用いても良いが、予めの混合は必須ではなく、導電性高分子の合成時に混合状態なっていれば良い。
3,4−ジアルコキシチオフェンをポリアニオンおよび特定のアセチレングリコール系界面活性剤の存在下にて重合する際、重合温度は、5〜90℃、特に10〜50℃が好ましい。重合時間としては1〜48時間、特に1〜24時間が好ましい。
(4)アセチレングリコール系界面活性剤
本発明の実施の形態では、アセチレングリコール系界面活性剤として、下記の式(2)および式(3)で表されるものの内の少なくともいずれか一種を用いる。
Figure 2014040549
Figure 2014040549
(式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
上記のアセチレングリコール系界面活性剤としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどを好適に例示できる。上記アセチレングリコール系界面活性剤の使用量は、好ましくは3,4−ジアルコキシチオフェン1モルに対して0.001〜0.5モルであり、より好ましくは0.005〜0.1モル、さらに好ましくは0.01〜0.06モルである。3,4−ジアルコキシチオフェン1モルに対してアセチレングリコール系界面活性剤を0.001〜0.5モルの範囲で使用することにより、塗膜にしたときの導電性を高く維持できる。
(5)水系溶媒
水系溶媒は、好適には、水、あるいは水と水混和性有機溶媒との混合物であり、より好適には水である。水混和性有機溶媒を水に混合する場合、水混和性有機溶媒を、水と水混和性有機溶媒との総量に対して、10質量%以下とするのが好ましい。水混和性有機溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類; アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類; N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のアミド化合物; クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類; エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール類; エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物; ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物; ジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類; 3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物; アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物; ジメチルスルホキシドに代表されるスルホキシド類; 等を好適に用いることができる。これらの水混和性有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物で用いてもよい。上記水混和性有機溶媒の中でも、作業環境をより損ないにくく、しかも沸点が水より低く、容易に塗膜を形成できることから、エタノール、イソプロパノールが好ましい。
(6)導電性高分子の製造方法
この実施の形態に係る導電性高分子は、例えば、以下の方法により製造できる。まず、ポリアニオンを水系溶媒に分散または溶解させ、これにより得られた溶液に、前駆体モノマーとしての3,4−ジアルコキシチオフェンとアセチレングリコール系界面活性剤を添加してモノマー分散液を得る。次に、当該モノマー分散液に開始剤を添加して、3,4−ジアルコキシチオフェンを化学的酸化重合させる。その後、余剰の酸化剤や未反応モノマーを除去して精製し、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンとが複合化した構造の導電性高分子の水分散液を得る。こうして得られた導電性高分子の水分散液の固形分濃度は、好ましくは0.1〜4.0質量%であり、より好ましくは0.5〜2.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜1.5質量%である。
2.導電性組成物およびその製造方法
この実施の形態に係る導電性組成物は、上述の導電性高分子を含有する液体若しくは固形物をいう。導電性組成物は、上述の導電性高分子に、水混和性有機溶媒、導電性向上剤、バインダ樹脂などを混合することもできる。導電性高分子の水分散液に、導電性向上剤および/またはバインダ樹脂を均一に混合するために、高い剪断力を付与できる混合分散機を用いるのが好ましい。混合分散機としては、例えば、ホモジナイザ、高圧ホモジナイザ、ビーズミル等が挙げられ、中でも、高圧ホモジナイザが好ましい。高圧ホモジナイザを用いた分散処理としては、例えば、分散処理を施す前の複合体溶液を高圧で対向衝突させる処理、オリフィスやスリットに高圧で通す処理等が挙げられる。混合分散機により分散処理を施すと、原理上、処理により得られる導電性高分子溶液の温度が高くなる。そのため、分散処理前の複合体溶液の温度を−20〜60℃にすることが好ましく、−10〜40℃にすることがより好ましく、−5〜30℃にすることが特に好ましい。複合体溶液の温度を−20℃以上にすれば、凍結を防止でき、60℃以下にすれば、導電性高分子またはポリアニオンの変質を防止できる。また、分散処理後の導電性高分子の水分散液を、例えば、冷媒温度−30〜20℃の熱交換器に通して冷却しても良い。
上述のような分散工程では、複合体のキュムラント平均粒子径が好ましくは2000nm以下、より好ましくは500nm以下、特に好ましくは200nm以下になるように分散処理する。複合体のキュムラント平均粒子径が2000nm以下になるように分散処理すれば、得られる導電性高分子溶液の安定性が高くなり、複合体の沈殿を防止できる。キュムラント平均粒子径は、動的光散乱法による粒径分布の測定から求められる。キュムラント平均粒子径は、分散工程での混合条件(例えば、圧力等)により調整される。具体的には、圧力が高い程、平均粒子径は小さくなる。
(1)水混和性有機溶媒
導電性組成物の一構成としての水混和性有機溶媒は、上述の導電性高分子の製造の際に使用する水系溶媒に混合し得る水混和性有機溶媒と同種類の中から選択できる。水混和性有機溶媒は、水分量が好適には4質量%以下、さらに好適には3質量%以下、より好適には2質量%以下のものである。水混和性有機溶媒の量は、特に限定されるものではないが、この実施の形態に係る固形分100質量部に対して、好適には10〜5000質量部、さらに好適には50〜3000質量部である。水混和性有機溶媒の量が上記固形分100質量部に対して3000質量部以下の場合には、導電性組成物から得られる導電性塗膜の導電性をより高くできる。一方、水混和性有機溶媒の量が上記固形分100質量部に対して50質量部以上の場合に、導電性組成物の溶液がゲル化しにくくなり、適度な粘度で調整が可能となる。
(2)導電性向上剤
導電性高分子の製造の際、導電性塗膜の導電性をさらに向上させるべく、下記(2a)〜(2h)の化合物から選ばれる1種以上の導電性向上剤を添加するのが好ましい。
(2a)窒素含有芳香族性環式化合物
(2b)2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
(2c)2個以上のカルボキシ基を有する化合物
(2d)1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物
(2e)アミド基を有する化合物
(2f)イミド基を有する化合物
(2g)ラクタム化合物
(2h)グリシジル基を有する化合物
(2a)窒素含有芳香族性環式化合物
窒素含有芳香族性環式化合物としては、好適には、一つの窒素原子を含有するピリジン類およびその誘導体、二つの窒素原子を含有するイミダゾール類およびその誘導体、ピリミジン類およびその誘導体、ピラジン類およびその誘導体、三つの窒素原子を含有するトリアジン類およびその誘導体等が挙げられる。溶媒溶解性等の観点からは、ピリジン類およびその誘導体、イミダゾール類およびその誘導体、ピリミジン類およびその誘導体が好ましい。
ピリジン類およびその誘導体の具体的な例としては、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−エチルピリジン、N−ビニルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3−シアノ−5−メチルピリジン、2−ピリジンカルボン酸、6−メチル−2−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボキシアルデヒド、4−アミノピリジン、2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4−ヒドロキシピリジン、4−ピリジンメタノール、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ピリジンジメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸メチル、2−ヒドロキシ−5−ピリジンメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸エチル、4−ピリジンメタノール、4−ピリジンエタノール、2−フェニルピリジン、3−メチルキノリン、3−エチルキノリン、キノリノール、2,3−シクロペンテノピリジン、2,3−シクロヘキサノピリジン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)プロパン、2−ピリジンカルボキシアルデヒド、2−ピリジンカルボン酸、2−ピリジンカルボニトリル、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3−ピリジンスルホン酸等が挙げられる。
イミダゾール類およびその誘導体の具体的な例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ウンデジルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール、N−アリルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール(N−ヒドロキシエチルイミダゾール)、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、ベンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール−2−スルホン酸、2−アミノ−1−メチルべンズイミダゾール、2−ヒドロキシべンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)べンズイミダゾール等が挙げられる。
ピリミジン類およびその誘導体の具体的な例としては、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−6−クロロ−4−メトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジメトキシピリミジン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4−ピリミジンジオール等が挙げられる。
ピラジン類およびその誘導体の具体的な例としては、ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、ピラジンカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5−メチルピラジンカルボン酸、ピラジンアミド、5−メチルピラジンアミド、2−シアノピラジン、アミノピラジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、2−エチル−3−メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン等が挙げられる。
トリアジン類およびその誘導体の具体的な例としては、1,3,5−トリアジン、2−アミノ−1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリ−2−ピリジン−1,3,5−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ビス(4−フェニルスルホン酸)−1,2,4―トリアジン二ナトリウム、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4―トリアジン−ρ,ρ’−ジスルホン酸二ナトリウム、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
窒素含有芳香族性環式化合物の含有量は、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して0.1〜100モルの範囲であることが好ましく、0.5〜30モルの範囲であることがより好ましく、導電性の観点からは、1〜10モルの範囲が特に好ましい。窒素含有芳香族性環式化合物の含有率が0.1モル以上の場合には、窒素含有芳香族性環式化合物とポリアニオンおよびポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)との相互作用が強くなる傾向にあり、十分な導電性を発揮できる。また、窒素含有芳香族性環式化合物が100モル以下の場合には、導電性高分子の含有量が相対的に多くなり、導電性をより高めることができる。
(2b)2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
2個以上のヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジエタノール、グルコース、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類; セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール; 1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸およびその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸およびその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸およびその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸およびその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸およびその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸およびその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等の芳香族化合物、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
2個以上のヒドロキシ基を有する化合物の含有量は、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して0.05〜50モルの範囲であることが好ましく、0.3〜10モルの範囲であることがより好ましい。2個以上のヒドロキシ基を有する化合物の含有量が、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して0.05モル以上になると、導電性および耐熱性をより高めることができる。また、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物の含有量が、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して50モル以下になると、得られる導電性塗膜中の導電性高分子の含有量が相対的に多くなり、導電性をより高めることができる。
(2c)2個以上のカルボキシ基を有する化合物
2個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物; フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシ基が結合している芳香族カルボン酸類化合物; ジグリコール酸、オキシ二酪酸、チオ二酢酸(チオジ酢酸)、チオ二酪酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
2個以上のカルボキシ基を有する化合物は、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して0.1〜30モルの範囲であることが好ましく、0.3〜10モルの範囲であることがより好ましい。2個以上のカルボキシ基を有する化合物の含有量が、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して0.1モル以上になると、導電性および耐熱性をより高めることができる。また、2個以上のカルボキシ基を有する化合物の含有量が、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して30モル以下になると、導電性塗膜中の導電性高分子の含有量が相対的に多くなり、導電性をより高めることができる。
(2d)1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物
1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物の含有量は、ポリアニオンとポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)の合計100質量部に対して1〜5,000質量部であることが好ましく、50〜500質量部であることがより好ましい。1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物の含有量が1質量部以上になると、導電性および耐熱性をより高めることができる。また、1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物の含有量が5,000質量部以下になると、導電性塗膜中の導電性高分子の含有量が相対的に多くなり、導電性をより高めることができる。
(2e)アミド化合物
アミド基を有する化合物は、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物である。すなわち、アミド化合物としては、例えば、上記結合の両末端に官能基を有する化合物、上記結合の一方の末端に環状化合物が結合された化合物、上記両末端の官能基が水素である尿素および尿素誘導体などが挙げられる。アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グリコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、ピルボアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素およびこれらの誘導体等が挙げられる。
また、アミド化合物として、アクリルアミドを使用することもできる。アクリルアミドとしては、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。アミド化合物の分子量は46〜10,000であることが好ましく、46〜5,000であることがより好ましく、46〜1,000であることが特に好ましい。
アミド化合物の含有量は、ポリアニオンとポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)の合計100質量部に対して1〜5,000質量部であることが好ましく、50〜500質量部であることがより好ましい。アミド化合物の含有量が1質量部以上になると、導電性および耐熱性をより高めることができる。また、アミド化合物の含有量が5,000質量部以下になると、導電性塗膜中の導電性高分子の含有量が相対的に多くなり、導電性をより高めることができる。
(2f)イミド化合物
イミド化合物としては、その骨格より、フタルイミドおよびフタルイミド誘導体、スクシンイミドおよびスクシンイミド誘導体、ベンズイミドおよびベンズイミド誘導体、マレイミドおよびマレイミド誘導体、ナフタルイミドおよびナフタルイミド誘導体などが挙げられる。
また、イミド化合物は、両末端の官能基の種類によって、脂肪族イミド、芳香族イミド等に分類されるが、溶解性の観点からは、脂肪族イミドが好ましい。さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの両方が飽和炭化水素である化合物である。具体的には、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。不飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの一方または両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。その具体例としては、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
イミド化合物の分子量は60〜5,000であることが好ましく、70〜1,000であることがより好ましく、80〜500であることが特に好ましい。
イミド化合物の含有量は、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンの合計100質量部に対して10〜10,000質量部であることが好ましく、50〜5,000質量部であることがより好ましい。イミド化合物の添加量が前記下限値以上であると、イミド化合物添加による効果が高くなるので、より好ましい。また、前記上限値以下であると、導電性高分子の濃度の上昇に起因する導電性の向上が起きるので、より好ましい。
(2g)ラクタム化合物
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部が−CO−NR−(Rは水素または任意の置換基)である化合物である。ただし、環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム−5−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
ラクタム化合物の含有量は、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンの合計100質量部に対して10〜10000質量部であることが好ましく、50〜5000質量部であることがより好ましい。ラクタム化合物の添加量が前記下限値以上であると、ラクタム化合物添加による効果が高くなるため、好ましい。また、前記上限値以下になると、導電性高分子の濃度の上昇に起因する導電性の向上が起きるので、より好ましい。
(2h)グリシジル基を有する化合物
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル等のグリシジル化合物などが挙げられる。
グリシジル基を有する化合物の含有量は、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンの合計100質量部に対して10〜10000質量部であることが好ましく、50〜5000質量部であることがより好ましい。グリシジル基を有する化合物の添加量が前記下限値以上であると、グリシジル基を有する化合物添加による効果が高くなるため、好ましい。また、前記上限値以下になると、導電性高分子の濃度の上昇に起因する導電性の向上が起きるので、より好ましい。
(3)バインダ樹脂
バインダ樹脂としては、特に限定されることなく、目的に応じて適宜選択可能であり、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル; ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド; ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド; ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂; ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂; エポキシ樹脂; オキセタン樹脂; キシレン樹脂; アラミド樹脂; ポリイミドシリコーン; ポリウレタン; ポリウレア; メラミン樹脂; フェノール樹脂; ポリエーテル; アクリル樹脂およびこれらの共重合体等を好適に挙げることができる。また、バインダ樹脂には、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶媒、粘度調整剤等を加えて使用することができる。
上記バインダ樹脂の中でも、容易に混合可能なポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリイミドシリコーンのいずれか1種以上が好ましい。また、アクリル樹脂は、硬度が高く透明性に優れるため、光学フィルタのような用途には適している。また、バインダ樹脂は、熱エネルギーおよび/または光エネルギーによって硬化する液状重合体を含むことが好ましい。ここで、熱エネルギーにより硬化する液状重合体としては、反応型重合体および自己架橋型重合体が挙げられる。反応型重合体は、置換基を有する単量体が重合した重合体であり、置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、酸無水物、オキセタン系、グリシジル基、アミノ基などが挙げられる。具体的な単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多官能アルコール; マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、ピメリン酸、アスコルビン酸、フタル酸、アセチルサルチル酸、アジピン酸、イソフタル酸、安息香酸、m−トルイル酸等のカルボン酸化合物; 無水マレイン酸、無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸、ジクロル無水マレイン酸、テトラクロル無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ピメリット酸等の酸無水物; 3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、アジドメチルメチルオキセタン等のオキセタン化合物; ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−p−アミノフェノールグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(すなわち、2,2−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン)等のグリシジルエーテル化合物; N,N−ジグリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N,N−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N−ジグリシジル−5,5−ジアルキルヒダントイン等のグリシジルアミン化合物; ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、DHP30−トリ(2−エチルヘクソエート)、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素、モノエチルアミン、メタンジアミン、キシレンジアミン、エチルメチルイミダゾール等のアミン化合物; 1分子中に2個以上のオキシラン環を含む化合物のうち、ビスフェノールAのエピクロロヒドリンによるグリシジル化合物、あるいはその類似物; などが挙げられる。
反応型重合体においては、少なくとも2官能以上の架橋剤を使用する。その架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、金属酸化物などが挙げられる。金属酸化物としては、塩基性金属化合物のAl(OH)、Al(OOC・CH(OOCH)、Al(OOC・CH、ZrO(OCH)、Mg(OOC・CH、Ca(OH)、Ba(OH)等を適宜使用できる。
自己架橋型重合体は、加熱により官能基同士で自己架橋するものであり、例えば、グリシジル基とカルボキシ基を含むもの、あるいは、N−メチロールとカルボキシ基の両方を含むものなどが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体としては、例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドシリコーン等のオリゴマーまたはプレポリマーが挙げられる。光エネルギーによって硬化する液状重合体を構成する単量体単位としては、例えば、ビスフェノールA・エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等のアクリレート類; テトラエチレングリコールジメタクリレート、アルキルメタクリレート、アリルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート類; アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、高級アルコールグリシジルエーデル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類; ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、アクリロイルピペリジン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアクリル(メタクリル)アミド類; 2−クロロエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル等のビニルエーテル類; 酪酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類の単官能モノマー並びに多官能モノマーが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体は、光重合開始剤によって硬化する。その光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類などが挙げられる。さらに、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合できる。また、カチオン重合開始剤としては、アリールジアゾニウム塩類、ジアリールハロニウム塩類、トリフェニルスルホニウム塩類、シラノール/アルミニウムキレート、α−スルホニルオキシケトン類等が挙げられる。
上記バインダ樹脂の量は、特に限定されるものではないが、導電性高分子の固形分(ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンとからなる複合体)100質量部に対して、固形分換算で10〜10,000質量部、特に50〜4,000質量部とするのが好ましい。
(4)その他
その他に導電性組成物に含め得る成分としては、例えば、充填剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、表面改質剤、脱泡剤、可塑剤、抗菌剤、界面活性剤、金属微粒子などを好適に挙げることができる。これらの成分は、1種単独または2種以上を併用しても良い。さらには、上記成分に属する材料も1種のみを用いても良く、あるいは2種以上を併用しても良い。
3.塗膜を有するフィルムおよびその製造方法
この実施の形態に係る導電性高分子または導電性組成物は、それを用いて塗膜を形成したフィルムに利用できる。上記導電性高分子または上記導電性組成物は、優れた導電性を発揮するのみならず、透明性、高温下での放置による導電性の低下の少ない高耐熱性などの性能も保持する。このことから、上記導電性高分子または上記導電性組成物は、帯電防止フィルムの他、導電性塗料、固体電解コンデンサ、タッチスクリーン、有機LED、有機EL、リチウム二次電池、有機薄膜太陽電池、導電性高分子繊維などにも利用できる。
この実施の形態に係る塗膜を有するフィルムは、基材となるフィルム(基材フィルムという)と、該基材フィルムの少なくとも片面に形成された導電性塗膜とを有する。上記導電性高分子または上記導電性組成物を導電体として用いてなる塗膜を有するフィルムを製造する場合、基材フィルムに導電性高分子または導電性組成物の分散液を塗布した後、あるいは基材フィルムを当該分散液中に浸漬した後、乾燥によって揮発成分を除去することにより、塗膜を有するフィルムを得ることができる。乾燥温度は、特に限定されないが、好適には40℃以上で、かつ塗膜や基材フィルムにダメージを与えない温度以下である。
基材フィルムへ上記分散液の供給法の具体例としては、スピンコート法、ローラコート法、バーコート法、ディップコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ドクターブレードコート法、ニーダーコート法などを挙げることができる。基材フィルムは、特に限定されるものではなく、透明な材料で成る基体であればより好ましく、その材料の種類、基体の形状、構造、大きさ、厚みなどについては、目的に応じて適宜選択できる。本明細書において、「透明」は、無色透明の他、有色透明、無色半透明および有色半透明のいずれをも含むように広義に解釈される。透明な基体の材料としては、例えば、樹脂を好適に挙げることができる。当該樹脂の種類は、特に限定されるものではなく目的に応じて適宜選択でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(結晶性または非晶性)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(結晶性または非晶性)、ポリエチレンナフタレート樹脂(結晶性または非晶性)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、酢酸セルロース、硝酸セルロース、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)などを挙げることができ、これらの内の1種を用い、あるいは2種以上を併用しても良い。シートを延伸処理する場合には、非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリスチレンフィルムなどのようにガラス転移温度の低い樹脂フィルムを好適に用いる。基材フィルムとして、ガラス転移温度の低い樹脂フィルムを用いる場合には、表面外観の劣化を防止するために、乾燥温度を80℃以下にすることが好ましい。
この実施の形態に係る塗膜を有するフィルムにおいて、上記導電性高分子または上記導電性組成物の分散液により形成される塗膜の厚みは、特に限定されるものではなく目的に応じて適宜選択でき、例えば、好適には、0.01〜10μmの範囲に設定できる。塗膜の厚みを0.01μm以上とすると、塗膜を有するフィルムの表面抵抗率をより安定化させることができ、塗膜の厚みを10μm以下とすると、透明な基体と塗膜との密着性をより高めることができる。
次に、製造例と、実施例及び比較例とを示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記の例において、部および%は、それぞれ質量部および質量%を意味する。
1.ポリアニオンの合成
<製造例1>
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃にて攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した3gの過硫酸アンモニウム溶液を2時間滴下し、その溶液を6時間攪拌した。得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウム溶液に対して、陽イオン交換樹脂200gを用いて2回処理した。その後、固形分が5%になるように、イオン交換水を加えて調整した。GPC(ゲル濾過クロマトグラフィ)カラムを用いたHPLC(高速液体クロマトグラフィ)システムを用いて、得られたポリスチレンスルホン酸の分析を行った。昭和電工株式会社製のプルランを標準物質として重量平均分子量(Mw)を測定した結果、ポリスチレンスルホン酸のMwは約20万であった。
<製造例2>
製造例1の3gの過硫酸アンモニウムを1gに変えた事以外は製造例1と同じにして、固形分が5%のポリスチレンスルホン酸溶液を得た。GPC(ゲル濾過クロマトグラフィ)カラムを用いたHPLC(高速液体クロマトグラフィ)システムを用いて、得られたポリスチレンスルホン酸の分析を行った。昭和電工株式会社製のプルランを標準物質として重量平均分子量(Mw)を測定した結果、ポリスチレンスルホン酸のMwは約40万であった。
2.導電性高分子の製造
(1)実施例
表1〜4に各実施例の製造条件と成膜後の評価結果をまとめて示す。
<実施例1>
5gの3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)と、上記製造例1にて得られたポリスチレンスルホン酸水溶液100g(固形分:5g)を1000mlのイオン交換水に溶かした溶液と、0.25g(EDOT1モルに対して0.06モル相当)の2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(アセチレングリコール系界面活性剤の一種)を混合した。次に、当該混合後の溶液を30℃に保ち攪拌を行いながら、3gの硫酸第二鉄と10gの過硫酸アンモニウムをそれぞれ50mlのイオン交換水に溶かした酸化触媒溶液をゆっくり加え、4時間攪拌して反応させた。これにより得られた反応液に陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂をそれぞれ100g用いて2回処理し、続いて、溶液中の固形分が1%になるように、イオン交換水を加えて、導電性高分子の固形分濃度を調整した。
<実施例2>
表1に示すように、アセチレングリコール系界面活性剤を3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールに代え、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例3>
表1に示すように、アセチレングリコール系界面活性剤を3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールに代え、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例4>
表1に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を150gに増やし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例5>
表1に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を150gに増やし、アセチレングリコール系界面活性剤を3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールに代え、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例6>
表1に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を150gに増やし、アセチレングリコール系界面活性剤を3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールに代え、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例7>
表2に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を200gに増やし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例8>
表2に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を200gに増やし、アセチレングリコール系界面活性剤を3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールに代え、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例9>
表2に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を200gに増やし、アセチレングリコール系界面活性剤を3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールに代え、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例10>
表2に示すように、アセチレングリコール系界面活性剤をEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例11>
表2に示すように、アセチレングリコール系界面活性剤を3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールに代え、かつEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例12>
表2に示すように、アセチレングリコール系界面活性剤を3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールに代え、かつEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例13>
表3に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を200gに増やし、アセチレングリコール系界面活性剤をEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例14>
表3に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を200gに増やし、アセチレングリコール系界面活性剤を3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールに代え、かつEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例15>
表3に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を200gに増やし、アセチレングリコール系界面活性剤を3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールに代え、かつEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例16>
表3に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を製造例2で得たMw=40万のものに代え、かつ150gに増やし、アセチレングリコール系界面活性剤をEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例17>
表3に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を製造例2で得たMw=40万のものに代え、かつ150gに増やし、アセチレングリコール系界面活性剤を3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールに代え、かつEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例18>
表3に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を製造例2で得たMw=40万のものに代え、かつ150gに増やし、アセチレングリコール系界面活性剤を3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールに代え、かつEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例19>
表4に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を製造例2で得たMw=40万のものに代え、アセチレングリコール系界面活性剤をEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例20>
表4に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を製造例2で得たMw=40万のものに代え、アセチレングリコール系界面活性剤を3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールに代え、かつEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<実施例21>
表4に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を製造例2で得たMw=40万のものに代え、アセチレングリコール系界面活性剤を3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールに代え、かつEDOT1モルに対して0.01モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
Figure 2014040549
Figure 2014040549
Figure 2014040549
Figure 2014040549
上記の表1〜4および後述の表5中、界面活性剤A〜Cは、以下の通りである。
A〜C: アセチレングリコール系界面活性剤
A: 2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール
B: 3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール
C: 3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール
(2)比較例
表5に各比較例の製造条件と成膜後の評価結果をまとめて示す。
<比較例1>
5gの3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)と、上記製造例1にて得られたポリスチレンスルホン酸水溶液200g(固形分:10g)を1000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを混合した。その後の工程については実施例1と同様に行った。
<比較例2>
表5に示すように、ポリスチレンスルホン酸水溶液を100gに減らし、その他の条件を比較例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<比較例3>
表5に示すように、比較例1で調整した試料300gに、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールを0.05g(EDOT1モルに対して0.06モル相当)加えて、攪拌を30分行い、評価用の試料とした。
<比較例4>
表5に示すように、アセチレングリコール系界面活性剤を、EDOT1モルに対して0.0005モルに減らし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
<比較例5>
表5に示すように、アセチレングリコール系界面活性剤を、EDOT1モルに対して0.6モルに増やし、その他の条件を実施例1と同様にして固形分1%の溶液を得た。
Figure 2014040549
3.評価方法
(1)固形分濃度の測定方法
試料約1gをアルミニウム箔製の皿に計り取り、105〜110℃に保った乾燥機に入れて1時間加熱した後、乾燥機より試料を取り出して、デシケーターの中で放冷した。試料の乾燥後の重量を測定し、次式により、固形分濃度を算出した。
Figure 2014040549
(2)導電性の測定方法
各1%溶液にジメチルスルホキシド(DMSO)を5質量%添加後、ガラス上にドクターブレードにより塗布し、塗布膜を150℃のオーブン中で乾燥させて、厚さ約1μmの塗膜を得た。得られた塗膜の電気伝導度をローレスタ(三菱化学アナリテック社製: ロレスタGP MCP−T610)を用いて測定した。
(3)耐熱性の測定方法
式・・・耐熱性(%)=(初期導電性−加熱処理後の導電性)×100/初期導電性
導電性測定試料を150℃の雰囲気下で40時間加熱処理し、加熱処理後の電気伝導度をローレスタ(三菱化学アナリテック社製: ロレスタGP MCP−T610)を用いて測定した。耐熱性は、上記式にて計算した。
(4)表面抵抗値の測定方法
各1%溶液にジメチルスルホキシド(DMSO)を5質量%添加後、メタノールにて倍量に希釈し、PETフィルム(三菱化学株式会社製、DIAFOIL T680E100)上に#8バーコーターで上記希釈した液を塗布した後、熱風乾燥機を用いて100℃×1分間の条件で乾燥した。得られたフィルムの表面抵抗値は、ローレスタ(三菱化学アナリテック社製: ロレスタGP MCP−T610)を用いて測定した。
(5)透過率の測定方法
表面抵抗値の測定に用いたフィルムの透過率を、ヘイズメーターNDH5000(日本電色社製)を用いて測定した。
4.評価結果
表1〜5に、実施例1〜21および比較例1〜5の各条件にて作製した試料の各種評価結果を示す。
表1〜5の評価結果から明らかなように、実施例1〜21により得られた導電性組成物から形成した塗膜は、比較例1〜5により得られたそれらと比べ、透過率に対する表面抵抗値が低かった。すなわち、各実施例により作製した導電性高分子を用いることにより、透過率の向上と表面抵抗値の低下という従来相反する性能が両立した塗膜を得ることができた。
本発明は、例えば、帯電防止フィルム、導電性塗料、固体電解コンデンサ、タッチスクリーン、有機LED、有機EL、リチウム二次電池、有機薄膜太陽電池、導電性高分子繊維などに有効に利用できる。

Claims (5)

  1. 以下の式(1)で表される3,4−ジアルコキシチオフェン
    Figure 2014040549
    (式中、RおよびRは相互に独立して水素またはC1−4のアルキル基であるか、あるいは一緒になってC1−4のアルキレン基を形成し、該アルキレン基は任意に置換されていても良い。)を、
    ポリアニオン;および、
    以下の式(2)および式(3)
    Figure 2014040549
    Figure 2014040549
    (式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
    で表されるアセチレングリコール系界面活性剤のうち少なくとも1種の存在下、水系溶媒中で化学的酸化重合させてなる導電性高分子であって、
    上記アセチレングリコール系界面活性剤が上記3,4−ジアルコキシチオフェン1モルに対して0.001〜0.5モルである導電性高分子。
  2. 前記ポリアニオンは、前記3,4−ジアルコキシチオフェン100質量部に対して10〜300質量部用いられることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子。
  3. 前記ポリアニオンは、ポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電性高分子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の導電性高分子を含有する導電性組成物。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の導電性高分子または請求項4に記載の導電性組成物を導電体として用いてなる塗膜を有するフィルム。
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