JP2010103106A - 導電性膜形成用組成物および導電性膜付き積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機系導電性化合物、ポリスチレンスルホン酸またはその誘導体、重合開始剤および溶剤を含有することを特徴とする導電性膜形成用組成物。
【選択図】なし
Description
また、液晶ディスプレイ等の平板型画像表示装置に装着されるタッチパネルや電子ペーパー等において、透明電極フィルムを用いる場合には透明性に優れ、複屈折が小さく、高強度で高耐熱性、低吸水性である必要があり、このような特性を満足した上に、変形に対し耐性のある導電層を有するフィルムが見出される必要が生じている。
さらに、特許文献2には、高透明性を有する有機電極を製造するための有機電極コーティング用組成物が記載されている。該組成物は、ナノ粒子サイズのポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)系伝導性高分子水溶液、多価アルコール、界面活性剤を、溶媒である1価アルコールおよびアミド系、スルホキシド系溶媒またはこれらの混合溶媒と混合する際、伝導性高分子水溶液中の伝導性高分子粒子をナノスケールで微細相分離したものである。
上記の重合性基を有するアミン化合物は、ビニル基を有するアミン化合物、(メタ)アクリロイル基を有するアミン化合物、メラミン化合物の誘導体およびシロキシド基を有するアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物であることが好ましい。
上記重合性基を有するアミン化合物の含有量は、溶剤を除く不揮発分に占める割合として、1〜50重量%であってもよい。
本発明の導電性膜形成用組成物は、さらに、(メタ)アクリレート化合物(ただし、上記の重合性基を有するアミン化合物を除く。)を含有することができる。またさらに、環状エーテル含有化合物も含有することができる。
上記溶剤として、さらに、多価アルコール、ポリオール、1価アルコールおよびアミド系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有することが好ましい。
さらに、本発明の導電性膜付き積層体は、熱可塑性樹脂基板と、該基板上に形成された、有機系導電性化合物、ポリスチレンスルホン酸またはその誘導体、重合性基を有するアミン化合物、重合開始剤およびジメチルスルホキシドを含有する導電性膜形成用組成物から得られた導電性膜とを有することを特徴とする。
<導電性膜形成用組成物>
本発明の導電性膜形成用組成物は、有機系導電性化合物、ポリスチレンスルホン酸またはその誘導体、重合性基を有するアミン化合物、重合開始剤および溶剤を含有することを特徴とするものである。また、該導電性膜形成用組成物は、(メタ)アクリレート化合物(ただし、該重合性基を有するアミン化合物を除く。)および/または環状エーテル含有化合物をさらに含有することが好ましい。
有機系導電性化合物としては、例えば、ポリチオフェン系化合物、ポリアニリン系化合物、ポリピロール系化合物、ポリアセチレン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物などを挙げることができる。これらの中でも、ポリチオフェン系化合物が好ましく、さらに好ましくはポリエチレンジオキシチオフェンをπ共役系導電性高分子として用いることが、透明性、抵抗値および環境安定性の点から好ましい。
有機系導電性化合物の含有量は、溶剤を除く不揮発分に占める割合として、好ましくは2〜50重量%、より好ましくは3〜40重量%である。また、重合性基を有するアミン化合物100重量部に対して、有機系導電性化合物は50〜1,000重量部が好ましく、100〜500重量部がより好ましい。有機系導電性化合物の含有量が上記範囲内であると、導電性膜の透明性と抵抗値とのバランスが良好となるため好適である。
ポリスチレンスルホン酸の誘導体としては、ポリ−α−メチルスチレンスルホン酸、ポリ−p−メチルスチレンスルホン酸などを挙げることができる。ポリスチレンスルホン酸またはその誘導体は、ポリエチレンジオキシチオフェンのドーパントとして用い、ポリエチレンジオキシチオフェンを溶媒に可溶化させる上でも好適である。
重合性基を有するアミン化合物は、ポリチオフェン系化合物を溶解し易くすることにより該ポリチオフェン系化合物の再配列を促進することできる。この再配列により、抵抗値の増大を引き起こすドメイン形成を抑制し、膜の面内および膜厚方向において組成の偏りの少ない均一な導電性膜を形成することができる。さらに、該アミン化合物が有する電荷により静電的に該ポリチオフェン化合物のパッキングを密にし、より一層導電性を高めることができる。加えて、該重合性基を有するアミン化合物を硬化させることで、IPN構造を付与することができ、結果的に導電性膜の物理的強度を高めることができると考えられる。
ビニル基を有するアミン化合物として、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N,N−ジメチルアミノプロピルビニルエーテル、N,N−ジメチルアミノブチルビニルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、N,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテルが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するアミン化合物は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
アミノエチル(メタ)アクリレート、
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
3−(ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、
2−(ジメチルアミノ)イソプロピル(メタ)アクリレート、
4−(ジメチルアミノ)ブチル(メタ)アクリレート、
3−(ジメチルアミノ)イソブチル(メタ)アクリレート、
2−(ジメチルアミノ)tert−ブチル(メタ)アクリレート、
メチルエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、
メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
3−(メチルエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、
2−(メチルエチルアミノ)イソプロピル(メタ)アクリレート、
4−(メチルエチルアミノ)ブチル(メタ)アクリレート、
3−(メチルエチルアミノ)イソブチル(メタ)アクリレート、
2−(メチルエチルアミノ)tert−ブチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
3−(ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、
2−(ジエチルアミノ)イソプロピル(メタ)アクリレート、
4−(ジエチルアミノ)ブチル(メタ)アクリレート、
3−(ジエチルアミノ)イソブチル(メタ)アクリレート、
2−(ジエチルアミノ)tert−ブチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジプロピルアミノメチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、
3−(ジプロピルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、
2−(ジプロピルアミノ)イソプロピル(メタ)アクリレート、
4−(ジプロピルアミノ)ブチル(メタ)アクリレート、
3−(ジプロピルアミノ)イソブチル(メタ)アクリレート、
2−(ジプロピルアミノ)tert−ブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
メラミン化合物の誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサメトキシプロピルメラミンなどが挙げられる。これらのうち、ヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
シラノール基を有するアミン化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらのうち、3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
重合性基有するアミン化合物の含有量は、溶剤を除く不揮発分に占める割合として、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%である。重合性基を有するアミン化合物の含有量が上記範囲内であると、ポリチオフェン系化合物を溶解し易くすることによって導電性が均一な導電性膜を形成し易くし、さらに静電的に該化合物のパッキングを密にし、導電性を高められるという効果がより向上するため好適である。
重合開始剤としては、紫外線などのような放射線の照射によりラジカルを発生する光重合開始剤および加熱によりラジカルを発生する熱重合開始剤を用いることができる。
また、このような光重合開始剤は、市販品を用いることができる。例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンは、「イルガキュア907」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)として、また、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは、「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンは、「ダロキュア1173」(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)として入手することができる。
このような熱重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,2アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。これらの中でもベンゾイルパーオキサイドが好ましい。これらの熱重合開始剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶剤として、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含有することが好ましく、さらに、多価アルコール、ポリオール、1価アルコールおよびアミド系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤および水を含有することができる。
(メタ)アクリレート化合物(ただし、上記の重合性基を有するアミン化合物を除く。)は、分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有しているものであれば特に制限されるものではない。単官能(メタ)アクリレート化合物、または多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられ、これらのうち、多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、導電性膜形成用組成物の反応性を向上させることができる。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類;
ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これら単官能(メタ)アクリレート化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリヒドロキシエチルトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;
イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレートのポリ(メタ)アクリレート類;
トリシクロデカンジイルジメチルジ(メタ)アクリレート等のシクロアルカンのポリ(メタ)アクリレート類;
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とから得られる(メタ)アクリレート等のビスフェノールAの(メタ)アクリレート誘導体類;
3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロオクタンジ(メタ)アクリレート、3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジ(メタ)アクリロイルプロパン、N−n−プロピル−N−2,3−ジ(メタ)アクリロイルプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド等の含フッ素(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
導電性膜形成用組成物における(メタ)アクリレート化合物の含有量は、溶剤を除く不揮発分に占める割合として、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは6〜25重量%である。また、重合性基を有するアミン化合物100重量部に対して、(メタ)アクリレート化合物は10〜1,000重量部が好ましく、50〜500重量部がより好ましい。(メタ)アクリレート化合物の含有量が上記範囲内であると、架橋構造の制御が容易となり環境耐久性が良好となるため好適である。
環状エーテル含有化合物は、分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有しているものであれば特に制限されるものではない。環状エーテル含有化合物として、オキシラニル基含有化合物またはオキセタニル基含有化合物が挙げられ、これらのうち、オキシラニル基含有化合物が好ましく、導電性膜形成用組成物の反応性、得られる硬化膜の熱履歴や応力による変形に対する耐性を向上させることができる。
本発明の導電性膜形成用組成物には、他の成分として、界面活性剤、シランカップリング剤なども配合することができる。
界面活性剤は、導電性膜形成用組成物をフィルム面に対して均一に塗布するために用いられる。すなわち、導電性膜形成用組成物の表面張力を下げることにより、ハジキのない塗布面を形成し、抵抗値の面内均一性を高めることができると考えられる。
導電性膜形成用組成物における界面活性剤の添加量は、特に制限されるものではないが、導電性膜形成用組成物の固形分の合計を100重量部としたときに、通常、0.001〜10重量部が好ましい。界面活性剤の添加量が0.001重量部未満となると、添加効果の発現に乏しい傾向がある。一方、界面活性剤の添加量が10重量部を越えると、導電性の低下が引き起こされる傾向がある。
シランカップリング剤は、導電性膜形成用組成物の基材への密着性向上のために用いられる。
導電性膜形成用組成物の製造方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。以下にその製造方法を具体的に例示するが、本発明はこれに限定されない。
さらに、架橋成分であるアミノ基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート化合物、光重合開始剤、界面活性剤およびシランカップリング剤を添加し、導電性膜形成用組成物が得られる。
本発明の導電性膜付き積層体の製造方法は、上記導電性膜形成用組成物を熱可塑性樹脂基材上に塗布する工程(A)、塗布された該組成物を加熱処理する工程(B)、および加熱処理した該組成物に放射線を照射して導電性膜を形成する工程(C)を含むことを特徴とするものである。
工程(A)とは、上記導電性膜形成用組成物を熱可塑性樹脂基材上に塗布する工程である。
ノルボルネン系樹脂が光学特性に優れていることから、「熱可塑性樹脂基材」はノルボルネン系樹脂フィルムであることが好ましい。
ノルボルネン系樹脂フィルムを構成するノルボルネン系樹脂は、下記式(2)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体から導かれる構造単位を有する樹脂、すなわちノルボルネン系化合物を少なくとも1種含む単量体組成物を重合した樹脂からなることが好ましく、また必要に応じて、さらに水素添加して得られたものがより好ましい。
R5とR6またはR7とR8とは、相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、R5とR6、R7とR8またはR6とR7とは、相互に結合して炭素環または複素環を形成してもよい。ただし、該炭素環および該複素環は、単環構造または多環構造を形成していてもよく、芳香環であっても非芳香環であってもよい。
mは、0または1〜3の整数を表し、nは、0または1を表す。)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、
5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルカルボニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、
7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−(4−ビフェニル)−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
8−メチル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、
8−フェニル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、
7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−ブロモ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8−ジクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−クロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−ジクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−トリクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−ヒドロキシ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−シアノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−アミノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4−エン、
ヘキサシクロ[8.4.0.12,9.14,7.111,14.03,8]ヘプタデカ−5−エン、
8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(4−ビフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェニルカルボニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フルオロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−クロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ブロモ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,8−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8,9,9−テトラクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−シアノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−アミノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン。
−(CH2)zCOOR …(3)
(式中、Rは、置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基を表し、zは、0または1〜10の整数を表す。)
開環重合による重合体の製造は、ノルボルネン系化合物について公知の開環重合反応により行うことができ、上記単量体組成物を、重合触媒、重合反応用溶媒および必要に応じて分子量調節剤を用いて、開環重合させることによって製造することができる。
付加(共)重合反応による重合体の製造は、ノルボルネン系化合物について公知の付加重合反応により行うことができ、ノルボルネン系化合物を含む単量体組成物を、重合触媒、必要に応じて重合反応用溶媒、および必要に応じて分子量調節剤を用いて、付加重合させることによって製造することができる。
「酸化防止剤」としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。
ノルボルネン系樹脂は、濃度5g/Lのクロロベンゼン溶液の30℃における固有粘度〔η〕inhが、好ましくは0.2〜2.0dL/g、さらに好ましくは0.35〜1.0dL/g、特に好ましくは0.4〜0.85dL/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量〔Mn〕が、好ましくは5,000〜100万、さらに好ましくは1万〜50万、特に好ましくは1.5万〜25万であり、重量平均分子量〔Mw〕が1万〜200万、さらに好ましくは2万〜100万、特に好ましくは3万〜50万のものが好適である。固有粘度〔η〕inh、数平均分子量〔Mn〕および重量平均分子量〔Mw〕が上記範囲にあると、ノルボルネン系樹脂フィルムは機械的強度が優れたものとなる。
ノルボルネン系樹脂フィルムは、ノルボルネン系樹脂を直接溶融成形することにより、または溶媒に溶解しキャスティング(キャスト成形)する方法により好適に成形することができる。
本発明に用いるノルボルネン系樹脂フィルムは、ノルボルネン系樹脂またはノルボルネン系樹脂と上述した添加剤とを含有する樹脂組成物を溶融成形することにより製造することができる。溶融成形方法としては、例えば、射出成形、溶融押出成形あるいはブロー成形等を挙げることができる。
ノルボルネン系樹脂フィルムは、ノルボルネン系樹脂を溶媒に溶解した液状樹脂組成物を適切な基材の上にキャスティングして溶剤を除去することにより製造することもできる。例えば、スチールベルト、スチールドラムまたはポリエステルフィルム等の基材の上に、該液状樹脂組成物を塗布して溶剤を乾燥させ、その後基材から塗膜を剥離することにより、ノルボルネン系樹脂フィルムを得ることができる。
ノルボルネン系樹脂フィルムは、光透過性が通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であるのが望ましい。
ノルボルネン系樹脂フィルムは、延伸処理を施した位相差フィルムであってもよい。延伸処理の方法としては、該フィルムを一軸延伸処理または二軸延伸処理する方法が用いられる。
このようなノルボルネン系樹脂フィルムは、市販のものであってもよく、例えば、アートン(ARTON(登録商標))フィルム G(JSR(株)製、膜厚188μm)、アートン(ARTON(登録商標))フィルム R50(JSR(株)製、膜厚150μm)などが好適である。
ノルボルネン系樹脂フィルム表面への表面粗さ付与方法として、エンボス処理、フィルム押出時の型転写、粒子含有ハードコートの塗布、エンボスロールとフィルム間に無溶剤の光硬化性樹脂を挟みこんで、フィルム側から活性エネルギー線を照射し、エンボス表面が転写された光硬化性樹脂をフィルム上に設ける方法などが挙げられる。なかでも、エンボス処理にて表面粗さを付与することが、比較的再現良く、安定的に表面粗さを付与することが可能である。JIS B0601−1994に規定されている算術平均粗さ〔Ra〕、最大高さ〔Ry〕および十点平均粗さ〔Rz〕が、それぞれ0.1〜0.2μm、0.5〜2.5および0.2〜2.0、好ましくはそれぞれ0.12〜0.18μm、0.7〜1.5および0.3〜1.5の表面粗さを有するクロムメッキ版型を、温度150〜280℃、好ましくは190〜240℃、圧力1〜100kgf/cm2、好ましくは2〜50kgf/cm2で、ノルボルネン系樹脂フィルムの表面に押し付け、0.1〜10秒間、好ましくは0.5〜3秒間ホールドした後に、該クロムメッキ版型からノルボルネン系樹脂フィルムを剥がす方法が挙げられる。
ノルボルネン樹脂フィルムの表面形状を、0.1≦Ra≦0.2μm、かつ0.5≦Ry≦2.5μm、かつ0.2≦Rz≦2.0μmといった数値範囲内に制限することで、ノルボルネン樹脂フィルムにおける透明性を確保することができると同時に、これらの数値を適宜最適化することでニュートンリングを有効に防止しながら、ギラツキを最小限に止めることができる。とりわけ、0.12≦Ra≦0.18μm、かつ0.7≦Ry≦2.0μm、0.3≦Rz≦1.5μmとすることが好ましい。このような表面形状を付与することで、タッチパネル等の表示装置に適用された場合に発生し易い、いわゆるニュートンリングをより効果的に防止しつつ、画像表示した際に、高い精細度を維持することができる。
ノルボルネン系樹脂フィルムは、導電性膜との接着性を高める目的で、表面処理を施したものであることが好ましい。このような表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理、コーティング処理等が挙げられるが、これらのうち、プラズマ処理、コロナ処理およびコーティング処理が好ましい。
導電性膜形成用組成物の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、スピンコート、ワイヤーコート、バーコート、ロールコート、ブレードコート、カーテンコート、スクリーン印刷などが挙げられる。
工程(B)とは、塗布された上記導電性膜形成用組成物を乾燥させる工程である。
導電性膜形成用組成物を乾燥させる際の加熱温度としては、特に限定されないが、例えば、60〜150℃である。導電性膜形成用組成物中の残留溶剤量は可能な限り少ない方がよく、通常3重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。
工程(C)とは、乾燥させた上記導電性膜形成用組成物に活性エネルギー線を照射して導電性膜を形成する工程である。
本発明の導電性膜付き積層体は、熱可塑性樹脂基板と、該基板上に形成された、有機系導電性化合物、ポリスチレンスルホン酸またはその誘導体、重合性基を有するアミン化合物、重合開始剤およびジメチルスルホキシドを含有する導電性膜形成用組成物から得られた導電性膜とを有することを特徴とするものであって、上記の導電性膜付き積層体の製造方法により得られることが好ましい。
このような導電性膜付き積層体としては、以下の特性を有することが望ましい。
導電性膜付き積層体の全光線透過率(%)およびヘイズ(%)を、(株)村上色材技術研究所製のヘイズメーター「HM−150型」を用いて、D65光源においてそれぞれ測定した場合、全光線透過率は、好ましくは80〜95%であり、ヘイズは0〜50%である。
導電性膜付き積層体の表面抵抗率(Ω/□)を、三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用いて測定した場合、好ましくは150〜4,000、より好ましくは200〜2,000、特に好ましくは300〜900である。
導電性膜付き積層体およびタッチパネルの抵抗値の面内均一性(%)を以下に従って測定した場合、好ましくは4%以下、より好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。
抵抗値の面内均一性が上記範囲内であると、タッチ位置の検出が正確となり、タッチパネルとしての誤動作を防ぐことが可能となるため好適である。
導電性膜付き積層体の屈曲時の表面抵抗(Ω)を以下に従って測定した場合、好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.5〜3、特に好ましくは1〜2である。
屈曲時の表面抵抗(Ω)=印加電圧(V)/測定された電流値(A)
屈曲時の表面抵抗が上記範囲内であると、タッチパネルへの繰り返し入力時における、導電性膜のクラック等を抑制することが可能なため好適である。
導電性膜付き積層体およびタッチパネルの環境耐久性を以下に従って測定した場合、好ましくは0.8〜1.5、より好ましくは0.9〜1.3、特に好ましくは0.9〜1.2である。
環境耐久性が上記範囲内であると、長期に渡り安定的な入力動作が可能となるため好適である。
導電性膜付き積層体の表面にアンチニュートンリング性を付与する場合、表面粗さ〔Ra〕、〔Ry〕および〔Rz〕を、触針式表面形状測定機(FORM TALYSURF SERIES2、Taylor Hobsons社製)を用いて、試験片表面の測定長5mmにて測定した場合、〔Ra〕は0.1〜0.2μm、〔Ry〕は0.5〜2.5μmおよび〔Rz〕は0.2〜2.0μmが好ましい。
表面粗さが上記範囲内であると、充分なアンチニュートンリング性能が得られるとともに、高精細な表示装置においてもギラツキを充分に抑制しえるため好適である。
本発明のタッチパネルは、上記導電性膜付き積層体を用いてなることを特徴とするものである。タッチパネルとしては以下の特性を有することが望ましい。
タッチパネルの抵抗値の面内均一性(%)を以下に従って測定した場合、好ましくは4以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは0.1〜1である。
抵抗値の面内均一性が上記範囲内であると、タッチ位置の検出が正確となり、タッチパネルとしての誤動作を防ぐことが可能となるであるため好適である。
タッチパネルの環境耐久性を以下に従って測定した場合、好ましくは0.8〜1.6、より好ましくは0.9〜1.4、特に好ましくは0.9〜1.3である。
環境耐久性が上記範囲内であると、長期に渡り安定的な入力動作が可能となるため好適である。
本発明の表示装置は、上記タッチパネルを透明スイッチとして具備することを特徴とするものである。
本発明の表示装置として、以下の特性を有することが望ましい。
(黒色表示の視認性評価)
表示装置の、黒色を表示した際の視認性を以下に従って評価した場合、わずかながら反射光による白ぼけも観察されるものの、黒一色の画面として観察されることが好ましく、明瞭な黒一色の画面として観察されることがより好ましい。
表示装置の、緑色を表示した際の視認性を以下に従って評価した場合、わずかながらギラツキによるRGBも観察されるものの、緑一色の画面として観察されることが好ましく、明瞭な緑一色の画面として観察されることがより好ましい。
表示装置のアンチニュートンリング性として、3波長の蛍光灯の下、黒い台紙の上にガラス板を乗せ、コーティング面を指で押し当てたときのニュートンリング(干渉ムラ)を目視により観察し評価をした場合、ニュートンリングが見られないことが好ましい。
(1)全光線透過率およびヘイズ
導電性膜付き積層体の全光線透過率(%)およびヘイズ(%)を、(株)村上色材技術研究所製のヘイズメーター「HM−150型」を用いて、D65光源において測定した。
導電性膜付き積層体の表面抵抗率(Ω/□)を、三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用いて測定した。
導電性膜付き積層体およびタッチパネルの抵抗値の面内均一性(%)を以下に従って測定した。
導電性膜付き積層体の屈曲時の表面抵抗(Ω)を以下に従って測定した。
長さ110mm×幅10mmに調製した試験片を、曲率半径3mmの円柱状の絶縁体に導電層を外側にして、該円柱に対し半周分巻きつけ、フィルム両端よりそれぞれ5mmの点に一定電圧を印加し、そのときの電流値を測定した。
屈曲時の表面抵抗(Ω)=印加電圧(V)/測定された電流値(A)
導電性膜付き積層体およびタッチパネルの環境耐久性を以下に従ってそれぞれ測定した。
試験片を温度85℃、相対湿度85%の環境下にて300時間保持する前後の表面抵抗率および回路抵抗をそれぞれR0およびRとし、R/R0で算出される抵抗率変化を「環境耐久性」とした。
導電性膜付き積層体の表面粗さ〔Ra〕、〔Ry〕および〔Rz〕を、触針式表面形状測定機(FORM TALYSURF SERIES2、Taylor Hobsons社製)を用いて、試験片表面の測定長5mmにて測定した。なお、〔Ra〕、〔Ry〕および〔Rz〕は、それぞれJIS B0601−1994によって規定されている算術平均粗さ、最大高さおよび十点平均粗さを示す。
タッチパネルを具備する表示装置の、黒色を表示した際の視認性を以下に従って評価した。
このようなタッチパネルを具備する表示装置の液晶画面の電源をONにして、黒色を表示した際の表示状態をタッチパネル面に正対し、画面表示を目視にて観察し、下記の評価した。
◎:明瞭な黒一色の画面として観察された。
○:黒一色の画面として観察されたが、わずかながら反射光による白ぼけも観察された。
タッチパネルを具備する表示装置の、緑色を表示した際の視認性を以下に従って評価した。
◎:明瞭な緑一色の画面として観察された。
○:緑一色の画面として観察されたが、わずかながらギラツキによるRGBも観察された。
導電性膜付き積層体およびタッチパネルを具備する表示装置のアンチニュートンリング性を以下に従って評価した。
○:ニュートンリングが見られない。
×:ニュートンリングが見える。
環状オレフィン系樹脂からなる透明フィルムであるアートン(ARTON(登録商標))フィルム(JSR(株)製、膜厚188μm)をテンター内で、Tg+10℃(177℃)に加熱し、延伸速度300%/分でフィルムの縦方向に1.2倍に延伸した後、Tg−20℃(147℃)の雰囲気下で約1分間この状態を保持しながら冷却し、さらに室温で冷却し、テンター内から取り出すことにより、位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルム(以下「SF−1」とする。)の面内位相差を波長550nmにおいて測定したところ、140nmであった。
アートン(ARTON(登録商標))フィルム(JSR(株)製、膜厚188μm;以下「F−1」とする。)および作製例1で得られた位相差フィルム(SF−1)のそれぞれの片面に対して、表面粗さが、〔Ra〕=0.11μm、〔Ry〕=0.44および〔Rz〕=0.21のクロムメッキ版型を温度230℃で100kgf/cm2で押し付け、1秒間ホールドした後、F−1およびSF−1をそれぞれ剥離した。片面に表面凹凸を有するエンボスフィルム、それぞれ「EF−1」および「ESF−1」を得た。
(導電性膜形成用組成物の調製)
ポリスチレンスルホン酸ドープのポリチオフェン分散液であるBaytron(登録商標)PH510(エイチ・シー・スタルク(株)製)100gに、溶剤としてジメチルスルホキシド20.1g、水34.1g、界面活性剤としてサーフロンS−111N(AGCセイミケミカル(株)製)の0.1%メタノール溶液2.6gを添加し、30分攪拌した。
F−1の任意の片面に、大気下で放電量80W/m2/minにてコロナ処理を施した。F−1のコロナ処理を施した面に、導電性膜形成用組成物(1)をNo.5バーコーターを用いて塗布し、強制攪拌式乾燥機中にて110℃で3分間、溶剤乾燥させた後に、メタルハライドランプを用いて、照射量0.5J/cm2にて大気下で紫外線を照射し、導電性膜付き積層体(1)を得た。
導電性膜付き積層体(1)を上部電極として、スパッタリングによりITO(錫ドープ酸化インジウム)をガラス基板上(厚さ1mm)に製膜した透明電極を下部電極として用い、さらに導電性ペーストを塗布し、120℃で30分間乾燥させて、上下電極それぞれに一対ずつの電極を形成し、対角7インチサイズの4線式抵抗膜方式のタッチパネルを作製した。
上記タッチパネルの下部電極側にリリースフィルム付きの感圧性接着剤を貼り合わせて、対角7インチサイズの液晶ディスプレイ((株)クイックサン製)の画面に感圧性接着剤のリリースフィルムを剥離した後貼り合わせ、タッチパネルを具備する表示装置を作製した。
導電性膜付き積層体、タッチパネルおよびタッチパネルを具備する表示装置について、各物性の測定および評価を行った結果を表1に示す。
(導電性膜形成用組成物の調製)
実施例1において、水34.1gの代わりに、エチレングリコール20.1gと、イソプロピルアルコール10.8gと、N−メチルホルムアミド3.2gとを用いた以外は実施例1と同様にして導電性膜形成用組成物(2)を調製した。
F−1、SF−1、EF−1およびESF−1に対して、エンボス処理フィルムについてはエンボス処理面に、エンボス処理を施していないフィルムについては任意の片面に、大気下で放電量80W・min/m2にてコロナ処理を施した。
実施例1において、導電性膜付き積層体(1)の代わりに、導電性膜付き積層体(A)〜(D)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてタッチパネルを製造した。
上記タッチパネルを、対角7インチサイズの液晶ディスプレイ((株)クイックサン製)に感圧接着剤を用いて貼り合わせ、タッチパネルを具備する表示装置を作製した。
導電性膜付き積層体、タッチパネルおよびタッチパネルを具備する表示装置について、各物性の測定および評価を行った結果を表1に示す。
実施例2において、DMAEAの代わりにN,N−ジエチルアミノエチルアクリレートを用いた以外は実施例2と同様にして導電性膜形成用組成物(3)を調製した。
導電性膜付き積層体、タッチパネルおよびタッチパネルを具備する表示装置について、各物性の測定および評価を行った結果を表1に示す。
実施例2において、DMAEAの代わりに硬化成分としてN,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテルを用いた以外は実施例2と同様にして導電性膜形成用組成物(4)を調製した。
導電性膜付き積層体、タッチパネルおよびタッチパネルを具備する表示装置について、各物性の測定および評価を行った結果を表1に示す。
実施例2において、DMAEAの代わりに硬化成分としてヘキサメトキシメチルメラミン0.51gと1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル0.26gとを用いた以外は実施例2と同様にして導電性膜形成用組成物(5)を調製した。
導電性膜付き積層体、タッチパネルおよびタッチパネルを具備する表示装置について、各物性の測定および評価を行った結果を表1に示す。
実施例2において、DMAEAの代わりに硬化成分として3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.51gと1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル0.26gとを用いた以外は実施例2と同様にして導電性膜形成用組成物(6)を調製した。
導電性膜付き積層体、タッチパネルおよびタッチパネルを具備する表示装置について、各物性の測定および評価を行った結果を表1に示す。
(導電性膜形成用組成物の調製)
実施例1において、ジメチルスルホキシド20.1gを添加することなく、その代わりに実施例1と固形分濃度を同等とするために、水20.1gを添加した以外は実施例1と同様にして導電性膜形成用組成物(4)を調製した。
実施例1において、導電性膜形成用組成物(1)の代わりに導電性膜形成用組成物(4)を用いた以外は実施例1と同様にして導電性膜付き積層体(4)を得た。
実施例1において、導電性膜付き積層体(1)の代わりに、導電性膜付き積層体(4)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてタッチパネルを製造した。
上記タッチパネルを、対角7インチサイズの液晶ディスプレイ((株)クイックサン製)に感圧接着剤を用いて貼り合わせ、タッチパネルを具備する表示装置を作製した。
導電性膜付き積層体、タッチパネルおよびタッチパネルを具備する表示装置について、各物性の測定および評価を行った結果を表1に示す。
(導電性膜形成用組成物の調製)
実施例2において、重合性基を有するアミン化合物としてDMAEA0.6gの代わりにペンタエリスリトールトリアクリレート0.6gを用いた以外は実施例2と同様にして導電性膜形成用組成物(5)を調製した。
実施例1において、導電性膜形成用組成物(1)の代わりに導電性膜形成用組成物(5)を用いた以外は実施例1と同様にして導電性膜付き積層体(5)を得た。
実施例1において、導電性膜付き積層体(1)の代わりに、導電性膜付き積層体(5)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてタッチパネルを製造した。
上記タッチパネルを、対角7インチサイズの液晶ディスプレイ((株)クイックサン製)に感圧接着剤を用いて貼り合わせ、タッチパネルを具備する表示装置を作製した。
導電性膜付き積層体、タッチパネルおよびタッチパネルを具備する表示装置について、各物性の測定および評価を行った結果を表1に示す。
(導電性膜形成用組成物の調製)
実施例2において、重合性基を有するアミン化合物としてDMAEA0.6gの代わりに、アクリルアミド化合物としてN,N−ジメチルアクリルアミド0.6gを用いた以外は実施例2と同様にして導電性膜形成用組成物(6)を調製した。
実施例1において、導電性膜形成用組成物(1)の代わりに導電性膜形成用組成物(6)を用いた以外は実施例1と同様にして導電性膜付き積層体(6)を得た。
実施例1において、導電性膜付き積層体(1)の代わりに、導電性膜付き積層体(6)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてタッチパネルを製造した。
上記タッチパネルを、対角7インチサイズの液晶ディスプレイ((株)クイックサン製)に感圧接着剤を用いて貼り合わせ、タッチパネルを具備する表示装置を作製した。
Claims (19)
- 有機系導電性化合物、ポリスチレンスルホン酸またはその誘導体、重合性基を有するアミン化合物、重合開始剤および溶剤を含有することを特徴とする導電性膜形成用組成物。
- 上記有機系導電性化合物が、ポリチオフェン系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の導電性膜形成用組成物。
- 上記の重合性基を有するアミン化合物が、ビニル基を有するアミン化合物、(メタ)アクリロイル基を有するアミン化合物、メラミン化合物の誘導体およびシロキシド基を有するアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性膜形成用組成物。
- 上記重合開始剤が、光重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性膜形成用組成物。
- 上記の重合性基を有するアミン化合物の含有量が、溶剤を除く不揮発分に占める割合として、1〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電性膜形成用組成物。
- さらに、(メタ)アクリレート化合物(ただし、上記の重合性基を有するアミン化合物を除く。)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の導電性膜形成用組成物。
- さらに、環状エーテル含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の導電性膜形成用組成物。
- 上記溶剤が、ジメチルスルホキシドを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の導電性膜形成用組成物。
- 上記溶剤として、さらに、多価アルコール、ポリオール、1価アルコールおよびアミド系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の導電性膜形成用組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の導電性膜形成用組成物を熱可塑性樹脂基材上に塗布する工程(A)、塗布された該組成物を加熱処理する工程(B)、および加熱処理した該組成物に放射線を照射して導電性膜を形成する工程(C)を含むことを特徴とする導電性膜付き積層体の製造方法。
- 上記熱可塑性樹脂基材が、ノルボルネン系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項11に記載の導電性膜付き積層体の製造方法。
- 上記ノルボルネン系樹脂フィルムが、下記式(2)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体から導かれる構造単位を有する樹脂からなることを特徴とする請求項11または12に記載の導電性膜付き積層体の製造方法。
R5とR6またはR7とR8とは、相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、R5とR6、R7とR8またはR6とR7とは、相互に結合して炭素環または複素環を形成してもよい。ただし、該炭素環および該複素環は、単環構造または多環構造を形成していてもよく、芳香環であっても非芳香環であってもよい。
mは、0または1〜3の整数を表し、nは、0または1を表す。) - 請求項11〜13のいずれかに記載の導電性膜付き積層体の製造方法により得られることを特徴とする導電性膜付き積層体。
- JIS B0601−1994に規定の表面粗さである算術平均粗さ〔Ra〕、最大高さ〔Ry〕および十点平均粗さ〔Rz〕が、それぞれ0.1〜0.2μm、0.5〜2.5および0.2〜2.0であることを特徴とする請求項14に記載の導電性膜付き積層体。
- 上記表面粗さが、ロールエンボスの熱転写によって付与されることを特徴とする請求項14または15に記載の導電性膜付き積層体。
- 請求項14〜16のいずれかに記載の導電性膜付き積層体を用いてなることを特徴とするタッチパネル。
- 請求項17に記載のタッチパネルを、透明スイッチとして具備することを特徴とする表示装置。
- 熱可塑性樹脂基板と、
該基板上に形成された、有機系導電性化合物、ポリスチレンスルホン酸またはその誘導体、重合性基を有するアミン化合物、重合開始剤およびジメチルスルホキシドを含有する導電性膜形成用組成物から得られた導電性膜と
を有することを特徴とする導電性膜付き積層体。
Priority Applications (1)
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JP2009224435A JP5387292B2 (ja) | 2008-09-29 | 2009-09-29 | 導電性膜形成用組成物および導電性膜付き積層体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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