JP2014133787A - 導電性ゲルおよび導電性ゲルの製造方法 - Google Patents

導電性ゲルおよび導電性ゲルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い機械的強度および優れた柔軟性等を備えた新規ゲルを提供する。
【解決手段】本発明に係る導電性ゲルは、架橋網目構造を有する第1のポリマーと、該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーとによって構成されているゲル、導電性ポリマー、ドーパント、および、アルキレングリコール系化合物を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、複数のポリマーを含む導電性および柔軟性に優れたゲルおよびその製造方法に関する。
伸縮性素材の上に各種エレクトロニクス素子または素材を組み込むことによって得られる、曲げるだけでなく伸縮も可能な「フレキシブル&ストレッチャブルエレクトロニクスデバイス」の開発が脚光を浴びている。
フレキシブル&ストレッチャブルエレクトロニクスデバイスを実現するためには、柔軟性、伸縮性、高強度、および高導電性を兼ね備えた導電性材料が必要であり、導電性プラスチック、有機トランジスタ、導電性エラストマー等の様々な有機系素材または高分子系素材の利用が検討されている。
しかし、上記導電性高分子(プラスチック)は、剛直であるため柔軟性には乏しく、脆く、かつ伸縮しにくい。
上記有機トランジスタは、プラスチック等の基板の上に有機物半導体を蒸着または塗布することによって作製される。従って、有機トランジスタは、基板の制約を受けて、実質的に伸縮させ難い。
上記導電性エラストマーは、金属等の導電性のフィラーをエラストマー中に分散および塗布することによって作製される。しかし、フィラーの分散および塗布の状態を制御することは困難なため、導電性エラストマーの導電性は一般にあまり高くない。
ところで、柔軟性および伸縮性に優れた素材として、近年、ハイドロゲルが注目を集めている。また、ハイドロゲルの機械的強度を向上させるための技術が開発されてきている(例えば、特許文献1および2)。
また、特許文献3には、柔軟性、伸縮性に優れ、かつ高強度な導電ハイドロゲルおよび柔軟性、軽量性に優れた導電性乾燥ゲルについて記載されている。
特開2006−213868号公報(平成18年8月17日公開) 特開2008−163055号公報(平成20年7月17日公開) 特開2011−236311号公報(平成23年11月24日公開)
特許文献3に記載された導電ハイドロゲルおよび導電性乾燥ゲルは、柔軟性および伸縮性に加えて、特許文献1および2に記載のハイドロゲルにない導電性を備えているが、「フレキシブル&ストレッチャブルエレクトロニクスデバイス」のための用途を拡大するためには、さらなる改善の余地がある。
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、柔軟性、伸縮性、高強度、および高導電性を兼ね備えた新規ゲルを提供することにある。
水溶性有機溶媒または水溶性有機溶媒の水溶液を利用してハイドロゲル中で導電性高分子を重合することによって、相分離を起こさせず製造された導電性ハイドロゲルは柔軟性を有する。これに対して本発明者らが鋭意検討した結果、上記導電性ハイドロゲルから得られる導電性ポリマーを含有する乾燥ゲル(導電性乾燥ゲル)に、アルキレングリコール系化合物を配合することによって、導電性ゲルの柔軟性および伸縮性を向上させつつ、強度を向上させ得ること、さらに想定外に導電性が維持されていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る導電性ゲルは、架橋網目構造を有する第1のポリマーと、該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーとによって構成されているゲル、上記ゲル中に分散されている導電性ポリマー、ドーパント、および、上記ゲル中に含まれている、アルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、および分子鎖の末端の0〜4個に水酸基を有するポリアルキレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種のアルキレングリコール系化合物を含む。
ここで「導電性ゲルがドーパントを含む」とは、ゲル(ベースゲル)自身がドーパントとして機能する場合、導電性ポリマー自身にドーパントが含まれている場合、ならびにゲルおよび導電性ポリマーとは別にドーパントが含まれている場合の何れの場合でもあり得る。
また、本発明に係る導電性ゲルでは、上記アルキレングリコール系化合物の含有量が、10重量%〜65重量%の範囲内であることがより好ましい。
また、本発明に係る導電性ゲルでは、上記アルキレングリコール系化合物としてのポリアルキレングリコールは、重量平均分子量が200〜2000の範囲内のものであることがより好ましい。
また、本発明に係る導電性ゲルでは、上記アルキレングリコール系化合物は、ポリエチレングリコールであることがより好ましい。
また、本発明に係る導電性ゲルでは、上記第1のポリマーおよび上記第2のポリマーの少なくとも一方が、酸性基または塩基性基を有していることがより好ましい。
また、本発明に係る導電系ゲルでは、上記導電性ポリマーが、チオフェン、ピロールもしくはアニリンもしくはこれらの誘導体またはこれらの混合物を重合してなる重合体であることがより好ましい。
また、本発明に係る導電性ゲルでは、上記第1のポリマーおよび上記第2のポリマーの少なくとも一方が、カルボキシル基、リン酸基もしくはスルホン酸基またはこれらの塩を有していることがより好ましい。
また、本発明に係る導電性ゲルでは、上記ゲルは、架橋網目構造を有する上記第1のポリマーと、該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した上記第2のポリマーとによって構成されているハイドロゲルを乾燥させたものであることがより好ましい。
また、本発明に係る導電性ゲルでは、電気伝導度が、0.1S/cm以上であることがより好ましい。
また、本発明では、上述のような導電性ゲルを用いた感圧素子もまた包含するものである。
また、本発明に係る導電性ゲルの製造方法は、上述のような導電性ゲルの製造方法であって、架橋網目構造を有する第1のポリマー、および該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーによって構成されるハイドロゲルを調製するゲル調製工程と、水溶性有機溶媒または水溶性有機溶媒の水溶液に導電性モノマーが溶解してなるモノマー溶液に、上記ハイドロゲルを浸漬させて該導電性モノマーを上記ハイドロゲルに含浸させるモノマー浸漬工程と、上記ハイドロゲルに含浸した上記導電性モノマーを重合させる重合工程と、上記重合工程によって得られた上記導電性ポリマーを含有するハイドロゲルを乾燥させる乾燥工程と、上記乾燥工程によって得られた導電性ポリマーを含有する上記ゲルに上記アルキレングリコール系化合物を含浸させるアルキレングリコール系化合物浸漬工程と、を含む構成である。
また、本発明に係る導電性ゲルの製造方法では、上記ゲル調製工程において、上記第1のポリマーおよび上記第2のポリマーの少なくとも一方を、酸性基または塩基性基を有するモノマーを含むモノマー混合物を重合させて調製することがより好ましい。
また、本発明に係る導電性ゲルの製造方法では、上記導電性モノマーが、チオフェン、ピロールもしくはアニリンもしくはこれらの誘導体またはこれらの混合物であることがよりこの好ましい。
以上のように、本発明によれば、優れた柔軟性と高い機械的強度等を兼備する導電性ゲルを提供できる。
本発明の一実施例に係る導電性ゲルの柔軟性の評価方法を示す図である。 本発明の一実施例に係る導電性ゲルを圧縮した際の抵抗値の変化を示す図である。 本発明の一実施例に係る導電性ゲルの圧縮率と抵抗値の関係を示す図である。 本発明の一実施例に係る導電性ゲルの延伸時の電気伝導率の変化を示す図である。
本発明の一実施形態について説明すれば以下の通りである。なお、本明細書において、範囲を示すために用いている「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を意味する。
〔導電性ゲル〕
本発明に係る導電性ゲルは、架橋網目構造を有する第1のポリマーと、該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーとを含むゲル(以下、ダブルネットワークゲルまたはベースゲルともいう)中に、導電性ポリマーが分散してなり、ドーパントと、可塑剤としてアルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、または0〜4の分子鎖の末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つのアルキレングリコール系化合物とを含む、柔軟性および伸縮性を有する導電性ゲルである。
本発明に係る導電性ゲルは、架橋網目構造を有する第1のポリマーと、該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーとを含む構造を有しているため、高い強度を有するとともに、任意の形状に容易に変形し得るものである。また、導電性ポリマーを含んでいるため導電性を示し、例えば、電気化学的な酸化・還元により大きな変形応答を示し得るものである。また、詳細な機構は必ずしも明らかではないが、アルキレングリコール系化合物をゲル中に含浸させることによって、柔軟性と伸縮性とがさらに向上および安定化されているとともに、機械的強度も向上されている。したがって、例えば、優れた柔軟性と高い機械的強度とを兼備し、かつ電気化学的な酸化・還元により大きな変形応答を示し得る導電性ゲルを提供できる。
なお、〔導電性ゲルの製造方法〕欄で後述するが、上記ベースゲルは、架橋網目構造を有する第1のポリマー、および該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーを含むハイドロゲルを乾燥させたものであることが好ましい。
(第1のポリマー、第2のポリマー)
本明細書においてポリマー(例えば第1のポリマー)が有する架橋網目構造とは、複数の架橋点を有するポリマーによって形成される網目構造をいう。架橋点の数、架橋点における分岐の数には特に制限はない。この架橋網目構造に侵入する第2のポリマーは、複数の架橋点を有するポリマーでも、架橋点を有しない直鎖状のポリマーでもよい。
なお、本明細書における「第1のポリマー」および「第2のポリマー」という表記は、本発明において用いられるベースゲルを2つのポリマーのみからなるゲルに限定するためのものではなく、3つまたはそれ以上のポリマーから構成されるゲルも含まれる。例えば、架橋網目構造を有する第1のポリマーからなるゲルに対して第2のポリマーおよび第3のポリマーを侵入させたゲルも本発明に用いられるベースゲルの一態様である。
第1のポリマーおよび第2のポリマーを構成する原料モノマーとしては、水または水と混和性のある溶媒に溶解するものであればよく、電気的に中性な基を有する不飽和モノマー、酸性基を有する不飽和モノマー、および塩基性基を有する不飽和モノマーのいずれもが利用可能である。ここで、「電気的に中性な基を有する」とは、酸性基および塩基性基のいずれをも有していないことを意図している。
電気的に中性な基を有する不飽和モノマーとしては、例えば、アクリルアミド(AAm)、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、メチルメタクリレート(MMA)、ビニルピリジン、ジメチルシロキサン、ヒドロキシエチルアクリレート、酢酸ビニル、アクリロイルモルホリン、およびフッ素含有不飽和モノマー(例えば、トリフルオロエチルアクリレート(TFE)、2,2,2−トリフルオロエチルメチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、3−(ペルフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、およびフッ化ビニリデン)を挙げることができる。安定して高分子量の高分子を簡便に得ることができ、その結果高強度性を付与できる点で、嵩高さが小さいモノマーが好ましく、中でも、アクリルアミドまたはその誘導体がより好ましく、アクリルアミド、またはN,N−ジメチルアクリルアミドが特に好ましい。
酸性基を有する不飽和モノマーにおける酸性基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、およびスルホン酸基が挙げられる。また、塩基性基を有する不飽和モノマーにおける塩基性基としては、例えば、アミノ基が挙げられる。酸性基を有する不飽和モノマー、および塩基性基を有する不飽和モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、4−ビニル安息香酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリレート4級塩化物、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド4級塩化物、またはそれらの塩を挙げることができる。安定して高分子量の高分子を簡便に得ることができ、その結果高強度性を付与でき、かつドーパントとしても機能できる点で、嵩高さが小さいモノマーが好ましく、中でも、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸がより好ましい。或いは、耐加水分解性を有し、化学的な安定性に優れているという点では、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、または4−ビニル安息香酸がより好ましい。また、電気伝導度の観点では、これら3つの化合物の中では、スチレンスルホン酸およびビニルスルホン酸の少なくとも一方を不飽和モノマーとして利用することが好ましく、少なくともスチレンスルホン酸を不飽和モノマーとして利用することがより好ましい。
第1のポリマーおよび第2のポリマーはそれぞれ、単一のモノマーの重合により形成されるホモポリマーであってもよく、複数種のモノマーを混合したモノマー混合物の重合により形成される共重合体であってもよい。
第1のポリマーおよび第2のポリマーの少なくとも一方は、酸性基または塩基性基を有していることが好ましい。これにより、第1のポリマーおよび第2のポリマーの少なくとも一方を、導電性ゲルにおいてドーパントとして機能させることができる。ドーパントは、導電性ポリマーの電気伝導度を高めるものである。中でも、第1のポリマーおよび第2のポリマーの一方が酸性基または塩基性基を有しており、他方が電気的に中性な基を有していることがより好ましく、第1のポリマーおよび第2のポリマーの一方が酸性基を有しており、他方が電気的に中性な基を有していることがさらに好ましい。
ベースゲルにおける第1のポリマーおよび第2のポリマーの含有量の比は、特に制限されないが、機械強度の増加の観点からは、例えば、重量比にして1:3〜1:100(第1のポリマー:第2のポリマー)とすることが可能である。
(導電性ポリマー)
本明細書において、導電性ポリマーは導電性モノマーの重合体である。導電性ポリマーは、π共役系導電性ポリマーであることが好ましい。π共役系導電性ポリマーは、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば公知の如何なる方法で製造されたものでも使用可能である。本発明に係る導電性ゲルにおける電圧印加による変形は、導電性ポリマーにおける、高分子鎖上のπ電子の非局在化によるコンフォメーション変化(電気伝導)、ならびに材料中にあるイオンによるイオン伝導の両者によって起きているため、低電圧で変形を生じさせることが可能である。また、電気化学的酸化・還元によるドーパントのドーピングおよび脱ドーピングと高分子鎖上のπ電子の非局在化とによるコンフォメーション変化を起こすことができるため、より好ましい。
本発明における導電性ポリマーとしては、単一の導電性モノマーによるホモポリマー、または2種以上の導電性モノマーによる共重合体が可能である。導電性モノマーとしては、非限定的に、チオフェン、ピロール、アニリン、アセチレン、フェニレン、フェニレンビニレン、およびフルオレン、ならびにこれらの誘導体が挙げられる。したがって、導電性ポリマーとしては、例えば、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、およびポリフルオレン類、ならびにこれらの共重合体などが挙げられる。重合反応の容易さ、および空気中での安定性の点から、ポリピロール類、ポリチオフェン類、およびポリアニリン類がより好ましい。
導電性ポリマーは無置換のままでもよく、置換基を有していてもよい。導電性ポリマーに含浸し得る置換基としては、アルキル基、カルボキシ基、アルキルカルボキシ基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、シアノ基、アルキルシアノ基、ニトロ基およびビニル基などの官能基が挙げられる。導電性ポリマーは、モノマー単位の複数の分子末端にピロール類、およびチオフェン類等を含む架橋性モノマーとピロール類、およびポリチオフェン類等との重合によって得られた架橋・分岐構造を有するものも含む。置換基を有することにより、第1のポリマーと第2のポリマーとによって構成されているベースゲル中に、効率よく、生成および複合化させることができる。
このような導電性ポリマーとして具体的には、例えば、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(N−(2−カルボキシエチル)ピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−カルボキシプロピルピロール)、ポリ(3−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、 ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−ニトロピロール)、ポリ(3−ピロールエチルスルホネート)、ポリ(3−ピロールプロピルスルホネート)およびポリ(3−ピロールヘキシルスルホネート)などのポリピロール類;ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ (3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オク チルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシプロピルチオフェン)、ポリ(3−カルボキシブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−ニトロチオフェン)、ポリ(イソチアナフテン)、ポリ(3−チオフェンエチルスルホネート)、ポリ(3−チオフェンプロピルスルホネート)およびポリ(3−チオフェンヘキシルスルホネート)などのポリチオフェン類;ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポ リ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)トルイジンおよびアニシジンなどのポリアニリン類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でも、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)およびポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種または2種からなる(共)重合体が、反応性の点からより好ましい。
詳細は後述の〔導電性ゲルの製造方法〕において説明するが、好ましい一製造態様において、導電性ポリマーは、第1のポリマーと第2のポリマーとによって構成されているハイドロゲルを、導電性モノマーが溶解しているモノマー溶液に浸漬させて、導電性モノマーをハイドロゲル中に含浸させ、ハイドロゲル中に含浸した導電性モノマーを重合させることにより、得られるものである。これにより、水溶性ではない導電性ポリマーがハイドロゲルの相と相分離を起こすことなく、ハイドロゲル中に分散することになる。
導電性ポリマーの含有量は、上記ハイドロゲルに対して導電性を付与し、かつハイドロゲルの特性を保持し得る限り特に限定されるものではないが、ハイドロゲルに対して5重量%〜75重量%含有されていることがより好ましく、12.5重量%〜62.5重量%含有されていることが特に好ましい。ハイドロゲルに対して5重量%以上含有されていることにより導電性を付与することができ、75重量%以下であることにより脆弱性を抑制することが可能である。
ハイドロゲルに塩基性基を有するポリマーが含まれている場合には、カチオン性の導電性ポリマーを用いることがより好ましく、ハイドロゲルに酸性基を有するポリマーが含まれている場合には、アニオン性の導電性ポリマーを用いることがより好ましい。これによりn型およびp型何れの導電性ゲルも構築し得る。
(ドーパント)
導電性ポリマーと呼ばれる共役系高分子は共役構造を持ち導電経路は有するものの、自由に動ける電荷(キャリア)が存在せず、それ自身では導電性を発現しない。導電性を付与し、伝導度を向上させるためには、イオン性の添加物を加え、自由に動ける電荷(キャリア)を注入する必要がある。このドーピングは、I 、Br 、ClO 、BF 、FeCl 、PF 、AsF 、SbF 、トルエンスルホン酸、およびドデシルベンゼンスルホン酸等の電子受容体(アクセプタ)、ならびに、Li、NaおよびKなどのアルカリ金属、NH およびテトラエチルアンモニウムイオン等の電子供与体(ドナー)等の適当な化学種(ドーパント)を導電性ポリマーに添加することで行われ、化学ドーピングと呼ばれる。本発明に係る導電性ゲルに含まれるドーパントは、導電性ポリマーの電気伝導度を高めるものであれば特に限定されるものではない。また導電性ゲル中にドーパントが含まれているものであればその含有形態は特に制限されず、上述のようにベースゲル自身がドーパントとして機能するものであってもよく、または、導電性ポリマー自身にドーパントが含まれているものであってもよく、または、ベースゲルおよび導電性ポリマーとは別にドーパントが含まれていてもよい。例えば、ベースゲルが塩基性基を有するポリマーまたは酸性基を有するポリマーを含むことにより、ベースゲル自身がドーパントとして機能し得る。また、導電性ポリマーにスルホン酸塩、カルボン酸塩およびリン酸塩などが含まれることにより、導電性ポリマーがドーパントとして機能し得る。また、(電気)化学的にポリマーを酸化することにより、アニオンが取り込まれ、この取り込まれたアニオンがドーパントとして機能する。さらに、導電性ポリマーの重合反応においては、ルイス酸等の重合触媒がチオフェン等のモノマーを酸化して重合が起こるが、このとき、触媒は還元(Fe(III)→Fe(II))され、TsO等のアニオンが生成される。このアニオンをドーパントとして機能させることも可能である。
(アルキレングリコール系化合物)
導電性ゲルは、アルキレングリコール系化合物を含浸していることが特徴の一つである。アルキレングリコール系化合物は、導電性ゲルの柔軟性および伸縮性を向上させつつ、その機械的強度(例えば、弾性率および破断強度)を向上させる。また、想定に反して、アルキレングリコール系化合物を相当量含ませた場合であっても導電性ゲルの導電性は大きく損なわれることはない。
アルキレングリコール系化合物としては、アルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、および分子鎖の末端の0〜4個に水酸基を有するポリアルキレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールが挙げられる。アルキレングリコールにおけるアルキレン基を構成する炭素原子数は特に限定されないが、例えば、2〜6の範囲内が好ましく、2〜4の範囲内であることがより好ましい。
アルキレングリコールエーテル類としては、例えば、メチルグリコール、メチルジグリコール、メチルトリグリコール、メチルポリグリコール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、ブチルトリグリコール、ヘキシルグリコール、ヘキシルジグリコール、2−エチルヘキシルグリコール、2−エチルヘキシルジグリコールなどのアルキルグリコールエーテル類;フェニルグリコール、フェニルジグリコールなどのフェニルグリコールエーテル類;ベンジルグリコール、ベンジルジグリコールなどのベンジルグリコールエーテル類;メチルプロピレングリコール、メチルジプロピレングリコール、メチルトリプロピレングリコール、ブチルプロピレングリコール、ブチルジプロピレングリコール、ブチルトリプロピレングリコールなどのアルキルプロピレングリコールエーテル類;フェニルプロピレングリコールなどのフェニルプロピレングリコールエーテル類;ジメチルグリコール、ジメチルジグリコール、ジメチルトリグリコール、ジエチルジグリコール、ジブチルジグリコールなどのジアルキルグリコールエーテル類;ジメチルジプロピレングリコールなどのジアルキルプロピレングリコール類;ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのプロピレングリコールエーテル類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルキレングリコールエーテルにおけるアルキレン基を構成する炭素原子数は特に限定されないが、例えば、2〜6の範囲内が好ましく、2〜4の範囲内であることがより好ましい。
分子鎖の4つの末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールとしては、例えば、テトラオール型ポリエチレングリコールが挙げられる。これらテトラオール型ポリエチレングリコールは、例えば、エリスリトール、ペンタエリスリトール等によってテトラオール化されたものが使用できる。テトラオール型ポリエチレングリコールの重量平均分子量は特に限定されないが、300〜2000の範囲内のものが好ましく使用できる。テトラオール型ポリエチレングリコールの重量平均分子量を当該範囲内にすることで、ベースゲルに好適に吸収され、吸収後、ベースゲル内に安定に保持される。
分子鎖の3つの末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールとしては、例えば、トリオール型ポリプロピレングリコールが挙げられる。これらトリオール型ポリプロピレングリコールは、例えば、グリセリンまたはトリメチロールプロパンによってトリオール化されたものが使用できる。これらトリオール型ポリプロピレングリコールの重量平均分子量は特に限定されないが、260〜2000の範囲内のものが好ましく、300〜1500の範囲内のものがさらに好ましく、300〜700の範囲内のものが最も好ましい。トリオール型ポリプロピレングリコールの重量平均分子量を当該範囲内にすることで、ベースゲルに好適に吸収され、吸収後、ベースゲル内に安定に保持される。
分子鎖の2つの末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールとしては、例えば、ジオール型ポリエチレングリコール、ジオール型ポリプロピレングリコールが挙げられる。ジオール型ポリエチレングリコール及びジオール型ポリプロピレングリコールの重量平均分子量は特に限定されないが、200〜2000の範囲内のものが好ましく、300〜600の範囲内のものがより好ましい。ジオール型ポリプロピレングリコールは、重量平均分子量が400〜2000の範囲内のものが好ましく、400〜700の範囲内のものがより好ましい。ジオール型ポリアルキレングリコールとしては、2以上の種類のアルキレングリコールの縮重合させたもの使用することもできる。特にエチレングリコールを縮重合させたものが、導電性ゲルの柔軟性および伸縮性を好適に向上させる。また、ジオール型ポリアルキレングリコールの重量平均分子量を当該範囲内にすることで、ベースゲルに好適に吸収され、吸収後、ベースゲル内に安定に保持される。
本明細書において、分子鎖の末端の1つに水酸基を有するポリアルキレングリコールとは、少なくとも1つの分子鎖の末端に炭素数1〜18の炭化水素エーテル基、炭素数1〜18の炭化水素エステル基、フェニルエーテル基、炭素数1〜9のアルキル基を有するフェニルエーテル基、またはベンジルエーテル基ポリアルキレングリコールの置換したポリアルキレングリコールをいう。当該炭素数1〜18の炭化水素基は、不飽和二重結合を有していてもよく、直鎖状であってもよく分枝を有していてもよい。1つの分子鎖の末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキレンエーテル類;ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノール、ポリオキシエチレンベンジルエーテルなどのポリオキシエチレン芳香族エーテル類;ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンなどのポリオキシエチレン脂肪族エステル類が挙げられる。
また、分子鎖の末端の水酸基が0、つまり、ポリオキシアルキレングリコールの末端に水酸基がないポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)が挙げられる。これらアルキレングリコール系化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらアルキレングリコール系化合物は、導電性ゲル内に、10〜65重量%の範囲内で含まれていることが好ましく、34〜60重量%の範囲内で含まれていることがより好ましく、44又は45重量%〜60重量%の範囲内で含まれていることがさらに好ましく、49〜60重量%の範囲内で含まれていることがよりさらに好ましく、50〜60重量%の範囲内で含まれていることが特に好ましい。当該範囲内とすることで、導電性ゲルの柔軟性および伸縮性を向上させつつ、より弾性および破断強度を向上させることができる。
(導電性ゲルの物性、その用途等)
本発明に係る導電性ゲルは、例えば以下の物性を示す。
電気伝導度:特に限定されないが、圧縮や延伸等を行わない状態において、好ましくは0.1S/cm以上であり、より好ましくは0.2S/cm以上であり、さらに好ましくは0.3S/cm以上であり、特に好ましくは0.4S/cm以上である。
弾性率:特に限定されないが好ましくは、7MPa以上であり、より好ましくは10MPa以上であり、さらに好ましくは15MPa以上である。
破断強度:特に限定されないが好ましくは2MPa以上であり、より好ましくは3.5MPa以上であり、さらに好ましくは4.5MPa以上である。
本発明に係る導電性ゲルは、圧縮、または延伸することによって電気伝導度がより高くなる特性を示すことが好ましく、圧縮率または延伸率に正比例して電気伝導度が高くなる特性を示すことがより好ましい。
上記のように調製された導電性ゲルは、導電性材料として用いることができ、また圧縮等により電気伝導度が変化する特性を利用した感圧素子として用いることができる。感圧素子の具体例としては、例えば、触覚・圧力センサーおよび歪ゲージ用材料等が挙げられる。
〔導電性ゲルの製造方法〕
本発明に係る導電性ゲルの製造方法の好ましい一形態は、架橋網目構造を有する第1のポリマー、および該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーによって構成されるハイドロゲルを調製するゲル調製工程と、水溶性有機溶媒または水溶性有機溶媒の水溶液に導電性モノマーが溶解してなるモノマー溶液に、上記ハイドロゲルを浸漬させて該導電性モノマーを上記ハイドロゲルに含浸させるモノマー浸漬工程と、上記ハイドロゲルに含浸した上記導電性モノマーを重合させる重合工程と、上記重合工程によって得られた導電性ポリマーを含有するハイドロゲルを乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程を経たハイドロゲル(乾燥ゲルまたは導電性乾燥ゲルと称する場合もある)に上記アルキレングリコール系化合物を含浸させるアルキレングリコール系化合物浸漬工程と、を含む構成である。
本発明に係る導電性ゲルが含む乾燥ゲル(ベースゲルの一例)は、まず、架橋網目構造を有する第1のポリマー、および該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーを含むハイドロゲルを調製し、当該ハイドロゲルを、アルキレングリコール系化合物浸漬工程の前に乾燥させることによって得られる。
(ハイドロゲルの調製)
架橋網目構造を有する第1のポリマー、および該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーを含むハイドロゲルの製造方法としては、例えば、架橋網目構造を有する第1のポリマーからなるゲルを調製する工程、このゲルを第2のポリマーを形成するためのモノマーの溶液に浸漬する工程(この工程において、第1のポリマーからなるゲルの架橋網目構造の空隙部分にモノマーが含浸される)、およびこのモノマーを重合させる工程を含む方法が挙げられる。
また、架橋網目構造を有する第1のポリマーを含むゲルを調製した後、これを物理的に、例えば乳鉢および乳棒を用いて砕くなどして、第1のポリマーを含むゲルを微粒子状にして用いてもよい。第1のポリマーを含むゲルを微粒子状にすることによって、第1のゲルが破損しにくくなり、これにより取り扱いがより容易となり、3次元化など加工性も向上する。
架橋網目構造を有する第1のポリマーからなるゲルを調製する方法としては、第1のポリマーを調製するための第1の原料モノマー、架橋剤、および重合開始剤を含む第1の重合溶液を用いて、原料モノマーを重合させるとともに架橋剤により重合体どうしを架橋する方法が挙げられる。第1の原料モノマーとしては、上述の原料モノマーを用いればよい。なお、重合の条件は、当業者であれば、その目的に応じて適宜選択し得る。
架橋剤は、多官能性であって、水または有機モノマーに溶解する性質を有するものであればよい。これにより、ハイドロゲルを構成するポリマー間を共有結合により架橋させることができる。このような架橋剤の例としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−プロピレンビスアクリルアミド、ジ(アクリルアミドメチル)エーテル、1,2−ジアクリルアミドエチレングリコール、1,3−ジアクリロイルエチレンウレア、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N,N’−ジアリルタータルジアミドおよびN,N’−ビスアクリリルシスタミンなどの二官能性化合物、ならびにトリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートなどの三官能性化合物が例示される。
重合開始剤としては、この分野において一般的に用いられている重合開始剤を用いることができ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミド]水和物、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメエチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、および2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]などの熱重合開始剤、ならびに2−オキソグルタル酸などの光重合開始剤などが挙げられる。
第1のポリマーの架橋網目構造に侵入した第2のポリマーを調製する方法としては、例えば、第1のポリマーからなる架橋網目構造を有するゲルを、第2のポリマーを調製するための第2の原料モノマーおよび重合開始剤を含む第2の重合溶液に浸漬させて、第2の原料モノマーを第1のポリマーからなるゲル中に含浸させた後に、第2の原料モノマーの重合を行なう方法が挙げられる。第2の原料モノマーとしては、上述の原料モノマーを用いればよい。
重合開始剤の説明は、第1のポリマーの調製方法における重合開始剤の説明を援用できる。
なお、重合に際しての原料モノマー、架橋剤および重合開始剤の濃度については、それぞれが溶媒に溶解し得る限り特に制限はないが、高強度の導電性ゲルを得る観点からは、開始剤の量はより少ないほうが望ましい。また、導電性ゲルをアクチュエータへ適用する場合には、原料モノマーおよび架橋剤の濃度がより低いことが望ましい。また、導電性ハイドロゲルを構造材料として使用する場合には、原料モノマーおよび架橋剤の濃度がより高いことが望ましい。
第1のポリマーを調製するための第1の原料モノマー、および第2のポリマーを調製するための第2の原料モノマーは、特に制限されないが、得られる第1のポリマーおよび第2のポリマーの少なくとも一方が導電性ポリマーに対するドーパントとして機能するように、第1のポリマーおよび第2のポリマーの少なくとも一方は、酸性基を有する不飽和モノマーまたは塩基性基を有する不飽和モノマーを含む重合溶液を用いて重合することによって調製されることが好ましい。中でも、第1のポリマーおよび第2のポリマーの何れか一方が、酸性基を有する不飽和モノマーまたは塩基性基を有する不飽和モノマーを含む重合溶液を用いて重合することによって調製され、他方が電気的に中性な基を有する不飽和モノマーの重合溶液を用いて重合することによって調製されることがより好ましい。特に好ましくは、第1のポリマーおよび第2のポリマーの何れか一方が、酸性基を有する不飽和モノマーを含む重合溶液を用いて重合することによって調製され、他方が電気的に中性な基を有する不飽和モノマーの重合溶液を用いて重合することによって調製される。
(導電性ポリマーの調製)
ハイドロゲルに分散する導電性ポリマーは、ハイドロゲルを調製した後、水溶性有機溶媒または水溶性有機溶媒の水溶液に導電性モノマーが溶解してなるモノマー溶液に、ハイドロゲルを浸漬させて導電性モノマーをハイドロゲルに含浸させて、ハイドロゲルに含浸した導電性モノマーを重合させることにより得られる。
ここで、導電性モノマーの重合は、導電性モノマーをハイドロゲルに完全に含浸させた後に開始させる場合に限らず、導電性モノマーのハイドロゲルへの含浸と、導電性モノマーの重合および複合化とが並行してなされるものであってもよい。なお、ハイドロゲルをモノマー溶液に浸漬させる際の温度を低くすることにより、重合が進行する前に、導電性モノマーをハイドロゲル中に十分に含浸させることができる。これにより、重合後、ハイドロゲル中により均一に分散した導電性ポリマーを得ることができる。重合が進行する前に導電性モノマーをハイドロゲル中に十分に含浸させる場合には、0℃〜25℃で含浸させることが好ましく、0℃〜15℃で含浸させることが特に好ましい。また、低い温度で含浸させた後に、温度を高くすることにより重合を促進することができる。
導電性モノマーをハイドロゲルに含浸させて重合反応させることにより、ハイドロゲルが重合の反応場としての空間を導電性モノマーに提供することになる。これにより、導電性モノマーの凝集を回避し、効率よく導電性ポリマーが網目中に形成される。
導電性モノマーとしては、上述の導電性ポリマーを製造し得るものであればよく、例えば、ピロール類、アニリン類、チオフェン類、アセチレン類、フェニレン類、フェニレンビニレン類、およびフルオレン類などが挙げられる。なお、ここで、「類」とはその化合物の誘導体も含むことを意図している。すなわち、「ピロール類」とはピロールおよびその誘導体を意図している。中でも、重合の容易さから、ピロール、チオフェン、N−メチルピロール、3−メチルチオフェン、3−メトキシチオフェンおよび3,4−エチレンジオキシチオフェンがより好ましい。導電性モノマーは1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合した導電性モノマー混合物を用いて共重合体を製造するものであってもよい。
導電性モノマーとして水酸基を有するモノマーを用いることにより、重合により得られる導電性ポリマーの水溶性をより容易に制御することができる。
導電性モノマーを溶解する溶媒としては、水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒の水溶液を用いることができる。水溶性有機溶媒は、水溶性であれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールなどの水溶性アルコール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、エチレングリコール、ならびにアセトンなどが挙げられる。また、水溶性有機溶媒の水溶液は、例えば、これら水溶性有機溶媒と水とを混合した水溶液等が挙げられる。これら溶媒の種類は、ハイドロゲルの種類および導電性モノマーの種類に応じて適宜選択できる。
上記溶媒の種類を選択することによって、重合の反応速度をコントロールできる。例えば、ハイドロゲルがエタノールによって膨潤する場合、水溶性有機溶媒としてエタノールを用いることにより、導電性モノマーがゲル中に十分に含浸する前に重合が完了してしまうことを防ぐことができる。また、ハイドロゲルが水によって膨潤する場合、上記溶媒の水溶液を用いることにより、ゲルを膨潤し易くしつつ、導電性モノマーの水への溶解性を向上し、ハイドロゲルの内部に導電性モノマーを含浸し易くする。
水溶性有機溶媒の水溶液に含まれる水溶性有機溶媒の濃度は特に限定されず、溶媒に溶解させる導電性モノマーに応じて適宜決定すればよい。例えば、導電性モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを用い、水溶性有機溶媒としてエタノールを用いる場合には、エタノールの濃度を50%とすることにより、3,4−エチレンジオキシチオフェンを十分に溶解させるとともに、ハイドロゲルを十分に膨潤させて3,4−エチレンジオキシチオフェンをハイドロゲル中に含浸させて、ハイドロゲル内で重合を行なうことができる。なお、ハイドロゲルがエタノールのみの溶媒によって十分に膨潤する場合、エタノールのみを溶媒として使用できる。
また、例えば、ハイドロゲルを構成する第1のポリマーに、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニル安息香酸のうちのいずれか1種の重合体又はこれらのうちの2種以上の共重合体を用い、第2のポリマーにN−イソプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドのいずれか1種類の重合体又はこれらのうちの2種以上の共重合体を用いたときは、水溶性有機溶媒としてエタノールを用いて当該ハイドロゲルを膨潤させることができる。よって、エタノールに3,4−エチレンジオキシチオフェンを溶解し、当該ハイドロゲルに含浸させ、重合させることができる。
以上のように、ハイドロゲルをモノマー溶液に浸漬させる際の温度、および導電性モノマーを溶解する溶媒の種類を適宜選択することにより、ハイドロゲル中に分散させる導電性ポリマーの量を調節することができる。したがって、目的に応じて、または導電性ハイドロゲルを製造するために用いるハイドロゲルの大きさに応じて、浸漬の温度および溶媒の種類を決定すればよい。
なお、導電性モノマーを十分にハイドロゲル内に浸透させ、ハイドロゲル内に効率良く導電性高分子を生成させるために、モノマー溶液に浸漬する前に、ハイドロゲルを乾燥させる乾燥工程を経ることが好ましい。乾燥方法としては、凍結乾燥、風乾および真空乾燥などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。中でも、アセトニトリル、アセトンおよびメタノールなどの水溶性有機溶媒による脱水後、真空乾燥する方法が特に好ましい。
モノマー溶液には、上述の導電性モノマーのほかに、重合触媒が含まれていることが好ましい。重合触媒としては、p−トルエンスルホン酸鉄(III)・6水和物、塩化鉄(III)、および塩化鉄(III)・6水和物などが挙げられる。p−トルエンスルホン酸鉄(III)・6水和物は、得られる導電性ポリマーに対するドーパントしても機能するため、より好ましい。
以上のようにして導電性ポリマーをハイドロゲル中で調製することにより、ハイドロゲル中に導電性ポリマーが相分離を起こすことなく均一に分散した導電性ハイドロゲルを調製することができる。
(導電性ゲルの調製)
本発明に係る導電性ゲルは、上記によって製造された導電性ハイドロゲルを乾燥し、それによって得られる導電性乾燥ゲルを、アルキレングリコールエーテル系化合物のアルコール溶液に浸漬することによって、導電性乾燥ゲル内にアルキレングリコール系化合物を含浸することで調製される。
導電性乾燥ゲルは、乾燥によって上述の導電性ハイドロゲルから水分を十分に除去することにより得ることができる。導電性乾燥ゲルの水分含量は、10重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることが特に好ましい。乾燥方法としては、凍結乾燥、風乾および真空乾燥などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。中でも、アセトニトリル、アセトン、およびメタノールなどの水溶性有機溶媒による脱水後、真空乾燥する方法が特に好ましい。導電性ハイドロゲルの乾燥は、導電性ゲル内に効率よくアルキレングリコール系化合物を含浸するために行われる。
アルキレングリコール系化合物は、アセトニトリル、アセトン、メタノール、およびエタノールのようなアルキレングリコール系化合物との相溶性に優れる有機溶媒に溶解させる。有機溶媒に溶解させるアルキレングリコール系化合物の濃度は、アルキレングリコール系化合物の種類に応じて適宜決定すればよい。例えば、重量平均分子量が400であるポリエチレングリコールをエタノールに溶解する場合、5〜50重量%の範囲内であることが好ましい。アルキレングリコール系化合物の濃度を当該範囲内とすることによって、導電性乾燥ゲルの内部に、適切な量のポリエチレングリコールを含浸することができる。
なお、アルキレングリコール系化合物の含浸工程が終わったのち、アルキレングリコール系化合物を溶解させる有機溶媒は、導電性ゲルから除去することが好ましい。導電性ゲルから除去するという観点では、当該有機溶媒は上記例示のような低沸点有機溶媒であることが好ましい。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
〔実施例1.ポリエチレングリコール含有導電性ゲルの調製〕
(ダブルネットワークハイドロゲルの調製)
まず、2.3g(10mmol)のスチレンスルホン酸ナトリウム(NaSS;純度89.1%)、154.2mg(1mmol)のN,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBAAm:架橋剤)、および4.4mg(30mmol)の2−オキソグルタル酸(a−keto:重合開始剤)を純水10mlに溶解し、30分間アルゴン置換した。この溶液を厚さ0.08mmのガラス製セル内に移し、365nmのUVランプによって5時間紫外線を照射することによって、縦40mm、横40mm、厚さ0.08mmのポリスチレンスルホン酸ナトリウムゲル(PNaSSゲル)の成形物を得た。
次いで、89.2g(0.9mmol)のN,N’−ジメチルアクリルアミド(DMAAm)、および132mg(0.9mmol)のa−keto(重合開始剤)を、450mLの純水に溶解し、30分間アルゴン置換した。この溶液に、上述のPNaSSゲルの成形物6枚を投入し、5℃で18時間静置して、PNaSSゲルを平衡化し、膨潤させた。平衡膨潤後、ガラス板に移し取り、365nmのUVランプで10時間紫外線照射することによってDMAAmを重合させた。得られたダブルネットワーク(DN)ハイドロゲルを大過剰の純水で繰り返し洗浄した後、500mlの0.5N HCl水溶液に浸漬することで、DNゲルを構成するPNaSSゲルを酸型のポリスチレンスルホン酸ゲルに転換させた。このDNゲルを、大過剰の純水で繰り返し洗浄した後、デシケータ内で乾燥させることによって乾燥DNハイドロゲルを得た。
(導電性乾燥ゲルの調製)
1.8g(12mmol)の3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)、および4.1g(7.0mmol)のp−トルエンスルホン酸鉄(III)・6水和物(触媒)を、10℃に保ったエタノール11mLに溶解した。当該溶液の調製後直ちに、上述の乾燥DNハイドロゲル0.2gを投入し、DNハイドロゲルを膨潤させ、EDOTおよびp−トルエンスルホン酸鉄(III)をDNハイドロゲル内部に含浸させた。24時間後、DNハイドロゲルを浸漬した溶液の温度を室温に保ち、1週間反応させ、DNハイドロゲル内部においてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を重合し、DNハイドロゲルに複合化(固定化)させた。所定の時間反応後、DNハイドロゲルを反応溶液から取り出して、大過剰のエタノールおよび水で繰り返し洗浄することによって含水状態の導電性ハイドロゲル(E−DNハイドロゲル)を得た。その後、E−DNハイドロゲルをデシケータ内で乾燥させることによって、導電性乾燥ゲル(E−DN乾燥ゲル)を得た。
(ポリエチレングリコールの含浸)
表1のように0〜70重量%の濃度になるように調整した重量平均分子量400のポリエチレングリコール(PEG400)を含むエタノール溶液10mlそれぞれに、上述のE−DN乾燥ゲルを0.1gずつ投入した。当該ゲルが平衡膨潤に達した後、エタノール溶液から各ゲルを取り出した。常温常圧にてエタノールを乾燥させ、ポリエチレングリコールを含まない導電性ゲルの試料1と、異なる濃度でPEG400が含浸された導電性ゲル(PEG−E−DNゲル)の試料2〜9とを得た。
〔実施例2.柔軟性の評価〕
実施例1において得られた試料1〜9を長さ20mm、幅3mm、厚さ0.12mmの大きさに切り取り、柔軟性の評価を行った。評価方法は、図1に示す通りである。試料の一端から他端側の試料の固定箇所までの長さが15mmとなるように、試料の他端を平板上に固定し、試料が自重によって撓んだ時の角度を測定することで柔軟性をゲル屈曲性として評価した。さらに、実際に指先で試料をつかんで力を加え、試料の曲げやすさを評価した。各試料の評価結果を表1に示す。
なお、導電性ゲル中のPEG400の含有率(重量%)は、まず、得られたE−DN乾燥ゲルの重量(W1)を測定し、PEG400を含むエタノール溶液に含浸後、エタノールを乾燥させて得たPEG−E−DNゲルの重量(W2)の増加分(W2−W1)をPEG400の含有量として、(W2−W1)/W2×100(重量%)として計算した。
Figure 2014133787
PEG400を含まないE−DN乾燥ゲル(試料1)は、上記したゲル屈曲性の評価試験に供しても自重で全く撓むことがなく、また、力を加えて屈曲させようとすると破断した。対して、PEG−E−DNゲルはPEG400の含有率の増加とともに、柔軟性が向上し、自重で曲がり撓むようになった。PEG400を50重量%以上含有するPEG−E−DNゲルは、特に柔らかく自在に曲げることが可能で、伸縮性にも優れた。しかし、PEG400を60重量%以上含有するPEG−E−DNゲル(試料8および9)の場合、ゲル表面からPEG400のにじみ出しがみられた。したがって、PEG400を含有するPEG−E−DNゲルはいずれも従来より柔軟性を有し、特に、PEG400を10〜65重量%含有するPEG−E−DNゲルは従来にない柔軟性を有するという結果となった。さらに、PEG400を49〜60重量%含有する導電性ゲルは、特に柔らかく自在に曲げることが可能であり、伸縮性にも優れ、取り扱い性にも優れていること確認された。
〔実施例3.機械強度の評価〕
実施例1における試料7の作製と同様の方法でPEG400の含有率が約50重量%となるようにPEG−E−DNゲルを調製した。比較用のE−DNハイドロゲル(含水率70重量%)と得られたPEG−E−DNゲルとを長さ12mm、幅3mm、厚さ0.13mmとなるように成形し、それぞれ精密万能試験機オートグラフAG−X(株式会社島津製作所製)を用いて、25mm/minの速度で引っ張り試験を行った。これらの評価結果を表2に示す。
Figure 2014133787
PEG−E−DNゲルの破断ひずみの評価結果は1.0であった。この値は、比較用のE−DNハイドロゲルの評価結果に比べ約1.3倍の値であった。また、PEG−E−DNゲルは、弾性率が15.1MPa、破断強度が4.9MPa、破断エネルギーは2.5MJ・mを示した。これらの値は、比較用のE−DNハイドロゲルにおける各評価結果に対して、弾性率で6.9倍、破断強度で3.3倍、破断エネルギーで4.2倍という優れたものとなり、水の替わりにポリエチレングリコールを含浸させると導電性ゲルの強度が大幅に向上することが明らかになった。さらに、比較用のE−DNハイドロゲルが長時間空気中に放置すると水分の蒸発に伴い、柔軟性が低下するのに対し、これらPEG−E−DNゲルは、長期間空気中に放置しても良好な柔軟性および伸縮性を保持していた。
〔実施例4.電気伝導度の評価〕
実施例1における試料7の作製と同様の方法でPEG400の含有率が約50重量%となるようにPEG−E−DNゲルを調製した。比較用の試料としてE−DNハイドロゲル(含水率70%)およびE−DN乾燥ゲル(実施例1参照)を用いた。これらの評価結果を表3に示す。これら試料の電気伝導度は、株式会社三菱化学アナリテック製の抵抗率計ロレスタGP(MCPT−610)およびLSPプローブを用い四端針法にて測定した。
Figure 2014133787
E−DN乾燥ゲルおよびE−DNハイドロゲルは良好な伝導度を示した。PEG−E−DNゲルも、0.45S/cmという高い伝導度を示した。
〔実施例5.圧縮条件下における電気抵抗値の評価〕
実施例1における試料7の作製と同様の方法でPEG400の含有率が約50重量%となるようにPEG−E−DNゲルを調製し、長さ15mm、幅11mm、厚さ0.114mmに形成した。このPEG−E−DNゲルを一対の金電極(15mm×11mm)で挟み、さらにガラス板で挟むようにして固定し、サンドイッチ型の測定用セルとした。このセルを精密万能試験機オートグラフAG―X(株式会社島津製作所製)にセットし、圧縮下での電気的特性を評価した。ALS/CH Instruments electrochemical Analyzer (Model 700C)を用い圧縮下での電流−電圧特性を測定し、抵抗値を算出した。当該測定用セルに1〜5Nの力を加え、PEG−E−DNゲルを圧縮した際の電気抵抗値の変化を評価した。評価結果を図2のグラフに示す。圧縮に伴いPEG−E−DNゲルの電気抵抗値は減少し、圧縮すると電気が流れやすくなった。PEG−E−DNゲル圧縮時のゲルの変形量から圧縮率を算出し、それに対する抵抗値をプロットしたものを図3のグラフに示す。PEG−E−DNゲルの圧縮率と電気抵抗値の変化をグラフ化することによって、PEG−E−DNゲルの圧縮率の増加と共に直線的にPEG−E−DNゲルの電気抵抗値が減少することがわかった。PEG−E−DNゲルを25%の圧縮率まで圧縮すると、PEG−E−DNゲルの電気抵抗値は約1/2にまで減少する結果となった。
〔実施例6.延伸条件下での電気伝導度の評価〕
実施例1における試料7の作製と同様の方法でPEG400の含有率が約50重量%となるようにPEG−E−DNゲルを調製し、長さ28mm、幅19.9mm、厚さ0.114mmに形成した。このPEG−E−DNゲルを手動一軸延伸機19A2型(株式会社井元製作所製)に固定した。この時、延伸機のチャック間距離は20.3mm、ゲルの幅は19.9mmとした。ゲルを延伸させた際の電気伝導度は、株式会社三菱化学アナリテック製の抵抗率計ロレスタGP(MCPT−610)およびLSPプローブを用い四端針法にて測定した。PEG−E−DNゲルが延伸するに伴い、PEG−E−DNゲルの電気伝導度は増大し、約45%の延伸で、電気伝導度は約1.5倍向上した。本実施例の導電性ゲル(PEG−E−DNゲル)は、圧縮のみならず、延伸下でも電気が流れやすくなる特性を有していることが明らかになった。
〔実施例7.ポリプロピレングリコール含有導電性ゲルの調製〕
実施例1における導電性乾燥ゲルの調製と同様の方法でE−DN乾燥ゲルを調製した。50重量%の濃度になるように調整した重量平均分子量300のトリオール型ポリプロピレングリコール(PPG300)を含むエタノール溶液10mlに、上述のE−DN乾燥ゲル0.1gを投入した。当該ゲルが平衡膨潤に達した後、エタノール溶液からゲルを取り出した。常温常圧にてエタノールを乾燥させ、45.4重量%の濃度でPPG300が含浸された導電性ゲル(PPG−E−DNゲル)を得た。この時、PPG−E−DNゲルの表面からPPG300のにじみ出しは認められなかった。PEG−E−DNゲル程ではないが、PPG−E−DNゲルも柔軟性を有し、自重により、上述のゲル屈曲性で36.5°の角度の撓みが認められ、曲げ、伸縮させることが可能であった。
また、実施例4と同様の方法で電気伝導度を評価した結果、PPG−E−DNゲルも、0.41S/cmという高い伝導度を示した。
本発明の導電性ゲルは、機械的強度および電気化学特性に優れているため、人工筋肉およびソフトアクチュエータのような生体模倣型駆動材料、家電および自動車などの、各種部品ならびに機器のアクチュエータおよびセンサー、各種衝撃吸収剤および制振材料などに利用することができ、工業上多彩な分野での利用が期待される。また、本発明の導電性ゲルは、フレキシブル&ストレッチャブルエレクトロニクスデバイスのための材料として、家電、自動車および航空機などにおける各種省エネ部材としての代替素材、着用可能なパソコンおよび携帯機器などのウェアラブルデバイス、ロボット用デバイス、ならびに発電装置などへの応用が期待される。

Claims (13)

  1. 架橋網目構造を有する第1のポリマーと、該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーとによって構成されているゲル、
    上記ゲル中に分散されている導電性ポリマー、
    ドーパント、および、
    上記ゲル中に含まれている、アルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、および分子鎖の末端の0〜4個に水酸基を有するポリアルキレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種のアルキレングリコール系化合物
    を含む、導電性ゲル。
  2. 上記アルキレングリコール系化合物の含有量が、10重量%〜65重量%の範囲内である請求項1に記載の導電性ゲル。
  3. 上記アルキレングリコール系化合物としてのポリアルキレングリコールは、重量平均分子量が200〜2000の範囲内のものである請求項1または2に記載の導電性ゲル。
  4. 上記アルキレングリコール系化合物は、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールである請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性ゲル。
  5. 上記第1のポリマーおよび上記第2のポリマーの少なくとも一方が、酸性基または塩基性基を有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ゲル。
  6. 上記導電性ポリマーが、チオフェン、ピロールもしくはアニリンもしくはこれらの誘導体またはこれらの混合物を重合してなる重合体である、請求項1〜5の何れか1項に記載の導電性ゲル。
  7. 上記第1のポリマーおよび上記第2のポリマーの少なくとも一方が、カルボキシル基、リン酸基もしくはスルホン酸基またはこれらの塩を有している、請求項1〜6の何れか1項に記載の導電性ゲル。
  8. 上記ゲルは、架橋網目構造を有する上記第1のポリマーと、該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した上記第2のポリマーとによって構成されているハイドロゲルを乾燥させたものである、請求項1〜7の何れか1項に記載の導電性ゲル。
  9. 電気伝導度が、0.1S/cm以上である、請求項1〜8の何れか1項に記載の導電性ゲル。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性ゲルを用いた感圧素子。
  11. 請求項1〜9の何れか1項に記載の導電性ゲルの製造方法であって、
    架橋網目構造を有する第1のポリマー、および該第1のポリマーの該架橋網目構造に侵入した第2のポリマーによって構成されるハイドロゲルを調製するゲル調製工程と、
    水溶性有機溶媒または水溶性有機溶媒の水溶液に導電性モノマーが溶解してなるモノマー溶液に、上記ハイドロゲルを浸漬させて該導電性モノマーを上記ハイドロゲルに含浸させるモノマー浸漬工程と、
    上記ハイドロゲルに含浸した上記導電性モノマーを重合させる重合工程と、
    上記重合工程によって得られた上記導電性ポリマーを含有するハイドロゲルを乾燥させる乾燥工程と、
    上記乾燥工程によって得られた導電性ポリマーを含有する上記ゲルに上記アルキレングリコール系化合物を含浸させるアルキレングリコール系化合物浸漬工程と、
    を含む、導電性ゲルの製造方法。
  12. 上記ゲル調製工程において、上記第1のポリマーおよび上記第2のポリマーの少なくとも一方を、酸性基または塩基性基を有するモノマーを含むモノマー混合物を重合させて調製する、請求項11に記載の導電性ゲルの製造方法。
  13. 上記導電性モノマーが、チオフェン、ピロールもしくはアニリンもしくはこれらの誘導体またはこれらの混合物である、請求項11または12に記載の導電性ゲルの製造方法。
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