JP4987267B2 - 帯電防止性粘接着剤の製造方法および保護材の製造方法 - Google Patents

帯電防止性粘接着剤の製造方法および保護材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、帯電防止性と粘接着性を有する帯電防止性粘接着剤および帯電防止性粘接着層に関する。また、保護テープ、保護シート、保護フィルムなどの保護材に関する。
従来から、各種部品や物品の表面を機械的あるいは電気的に保護するため、また、精密機器の内部への埃や水分の侵入を防ぐため、保管、搬送、輸送、加工時に保護テープ、保護シート、保護フィルムなどの保護材で部品、物品、精密機器等を被覆することがある。
一般的に、保護材は、基材上に、部品や物品に貼着するための粘接着層が設けられたものが使用されている。ところで、保護材を剥離した際には静電気が生じるため、ディスプレイ、偏光板、電子部品などの保護に保護材を適用した場合に、それらを損傷あるいは機能低下させることがあった。その対策として、保護材に帯電防止性を持たせることが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。特に、特許文献3,4では、π共役系導電性高分子を含む水溶性の塗液を基材上に塗布して帯電防止性の粘接着層を設けることが提案されている。しかしながら、水溶性の塗液の場合には、乾燥時間が長くなるため、塗液を有機溶剤系にすることが求められていた。
そこで、特許文献5では、ポリチオフェン水溶液をポリチオフェンのアルコール溶液に変換し、そのポリチオフェンのアルコール溶液にアクリル系重合体を分散させて、アルコールに分散した導電性粘着剤を調製し、その粘着剤を粘接着層に用いることが提案されている。
特開2001−301819号公報 特開2001−106994号公報 特開平6−295016号公報 特開平9−31222号公報 特開2005−126081号公報
しかしながら、特許文献5に記載の粘接着剤では、アルコール以外の有機溶剤を使用できず、粘接着成分であるアクリル系重合体にも制限があった。また、特許文献5に記載の粘接着剤は、塗工時のポットライフは確保されるものの、保存安定性が高いとは言えず、数日間の保存すら困難であった。例えば、調製から数日経過すると、π共役系導電性高分子が凝集・分離して、粘接着層の透明性や導電性が低くなることがあった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、アルコール以外の液状の有機化合物を溶媒として使用でき、アクリル系重合体に制限がない上に、保存安定性が高い帯電防止性粘接着剤を提供することを目的とする。また、透明性と帯電防止性とに優れた帯電防止性粘接着層および保護材を提供することを目的とする。
本発明の帯電防止性粘接着剤の製造方法は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの複合体水溶液に相間移動触媒および有機溶剤を添加し、分離した水層を除去し、粘接着成分を添加することを特徴とする。
本発明の保護材の製造方法は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの複合体水溶液に相間移動触媒および有機溶剤を添加し、分離した水層を除去し、粘接着成分を添加して帯電防止性粘接着剤を得た後、該帯電防止性粘接着剤を基材に塗布して帯電防止性粘接着層を形成することを特徴とする。
本発明の帯電防止性粘接着剤は、アルコール以外の液状の有機化合物を溶媒として使用でき、アクリル系重合体に制限がない上に、保存安定性が高い。
本発明の帯電防止性粘接着層および保護材は、透明性と帯電防止性とに優れる。
<帯電防止性粘接着剤>
(π共役系導電性高分子)
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性を得ることができるが、導電性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
このようなπ共役系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
中でも、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種又は2種からなる(共)重合体が抵抗値、反応性の点から好適に用いられる。さらには、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性がより高い上に、耐熱性が向上する点から、より好ましい。
また、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)のようなアルキル置換化合物は溶媒溶解性や、疎水性樹脂を添加した場合の相溶性および分散性が向上することからより好ましい。また、アルキル置換化合物のアルキル基の中では、導電性の低下を防ぐことから、メチル基が好ましい。
上記π共役系導電性高分子は、溶媒中、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と後述のアニオン基を有する高分子の存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、N−メチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
π共役系導電性高分子の製造で使用する溶媒としては特に制限されず、前記前駆体モノマーを溶解又は分散しうる溶媒であり、酸化剤の酸化力を維持させることができるものであればよい。例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよいし、他の有機溶剤との混合物としてもよい。
酸化剤としては、前記前駆体モノマーを酸化させてπ共役系導電性高分子を得ることができるものであればよく、例えば、ぺルオキソ二硫酸アンモニウム、ぺルオキソ二硫酸ナトリウム、ぺルオキソ二硫酸カリウム等のぺルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が挙げられる。
(可溶化高分子)
可溶化高分子とは、π共役系導電性高分子を可溶化する高分子であり、可溶化高分子としては、アニオン基及び/又は電子吸引基を有する高分子が挙げられる。
[アニオン基を有する高分子]
アニオン基を有する高分子(以下、ポリアニオンという。)は、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものである。
このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリアルキレンとは、主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーである。ポリアルキレンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピレン)、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和結合(ビニル基)が1個以上含まれる構成単位からなるポリマーである。ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる1種以上の構成単位を含む重合体が挙げられる。
これらの中でも、不飽和結合とπ共役系導電性高分子との相互作用があること、置換若しくは未置換のブタジエンを出発物質として合成しやすいことから、置換若しくは未置換のブテニレンが好ましい。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2,3,3−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、2,2−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の無水物とオキシジアニン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドが挙げられる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等が挙げられる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアニオンが置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシ基等が挙げられる。溶媒への溶解性、耐熱性及び樹脂への相溶性等を考慮すると、アルキル基、ヒドロキシ基、フェノール基、エステル基が好ましい。
アルキル基は、極性溶媒又は非極性溶媒への溶解性及び分散性、樹脂への相溶性及び分散性等を高くすることができ、ヒドロキシ基は、他の水素原子等との水素結合を形成しやすくでき、有機溶剤への溶解性、樹脂への相溶性、分散性、接着性を高くすることができる。また、シアノ基及びヒドロキシフェニル基は、極性樹脂への相溶性、溶解性を高くすることができ、しかも、耐熱性も高くすることができる。
上記置換基の中では、アルキル基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基が好ましい。
前記アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等の鎖状アルキル基、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。有機溶剤への溶解性、樹脂への分散性、立体障害等を考慮すると、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましい。
前記ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したヒドロキシ基又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシ基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。ヒドロキシ基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。これらの中では樹脂への相溶及び有機溶剤への溶解性から、主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端に結合したヒドロキシ基がより好ましい。
前記アミノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したアミノ基又は他の官能基を介在して結合したアミノ基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。アミノ基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。
前記フェノール基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したフェノール基又は他の官能基を介在して結合したフェノール基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。フェノール基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。
前記エステル基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したアルキル系エステル基、芳香族系エステル基、他の官能基を介在してなるアルキル系エステル基又は芳香族系エステル基が挙げられる。
シアノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したシアノ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端に結合したシアノ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端に結合したシアノ基等を挙げることができる。
ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらのうち、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリアニオンは、π共役系導電性高分子の熱分解を緩和することができる。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100,000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10,000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有さないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/又は重合触媒の存在下で、酸化重合又はラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/又は重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。
アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリアニオン塩である場合には、ポリアニオン酸に変質させることが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
アニオン基含有重合性モノマーは、モノマーの一部が一置換硫酸エステル基、カルボキシ基、スルホ基等で置換されたものであり、例えば、置換若しくは未置換のエチレンスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のスチレンスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のアクリレートスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のメタクリレートスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のアクリルアミドスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のシクロビニレンスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のブタジエンスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のビニル芳香族スルホン酸化合物が挙げられる。
具体的には、ビニルスルホン酸及びその塩類、アリルスルホン酸及びその塩類、メタリルスルホン酸及びその塩類、スチレンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸及びその塩類、アリルオキシベンゼンスルホン酸及びその塩類、α−メチルスチレンスルホン酸及びその塩類、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸及びその塩類、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩類、シクロブテン−3−スルホン酸及びその塩類、イソプレンスルホン酸及びその塩類、1,3−ブタジエン−1−スルホン酸及びその塩類、1−メチル−1,3−ブタジエン−2−スルホン酸及びその塩類、1−メチル−1,3−ブタジエン−4−スルホン酸及びその塩類、アクリル酸エチルスルホン酸(CHCH-COO-(CH22-SO3H)及びその塩類、アクリル酸プロピルスルホン酸(CHCH-COO-(CH23-SO3H)及びその塩類、アクリル酸−t−ブチルスルホン酸(CHCH-COO-C(CH32CH-SO3H)及びその塩類、アクリル酸−n−ブチルスルホン酸(CHCH-COO-(CH2-SO3H)及びその塩類、アリル酸エチルスルホン酸(CHCHCH-COO-(CH22-SO3H)及びその塩類、アリル酸−t−ブチルスルホン酸(CHCHCH-COO-C(CH32CH-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸エチルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-(CH22-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸プロピルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-(CH23-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸−n−ブチルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-(CH2-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸−t−ブチルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-C(CH32CH-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸フェニレンスルホン酸(CHCH(CH22-COO-C64-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸ナフタレンスルホン酸(CHCH(CH22-COO-C108-SO3H)及びその塩類、メタクリル酸エチルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-(CH22-SO3H)及びその塩類、メタクリル酸プロピルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-(CH23-SO3H)及びその塩
類、メタクリル酸−t−ブチルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-C(CH32CH-SO3H)及びその塩類、メタクリル酸−n−ブチルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-(CH2-SO3H)及びその塩類、メタクリル酸フェニレンスルホン酸(CHC(CH3)-COO-C64-SO3H)及びその塩類、メタクリル酸ナフタレンスルホン酸(CHC(CH3)-COO-C108-SO3H)及びその塩類、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。また、これらを2種以上含む共重合体であってもよい。
アニオン基を有さない重合性モノマーとしては、エチレン、プロぺン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、スチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−ブチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、p−メトキシスチレン、α−メチルスチレン、2−ビニルナフタレン、6−メチル−2−ビニルナフタレン、1−ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ビニルアセテート、アクリルアルデヒド、アクリルニトリル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルイミダゾ−ル、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニルブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸アリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸イソボニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸エチルカルビトール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリロイルモルホリン、ビニルアミン、N,N−ジメチルビニルアミン、N,N−ジエチルビニルアミン、N,N−ジブチルビニルアミン、N,N−ジ−t−ブチルビニルアミン、N,N−ジフェニルビニルアミン、N−ビニルカルバゾール、ビニルアルコール、塩化ビニル、フッ化ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、2−メチルシクロヘキセン、ビニルフェノール、1,3−ブタジエン、1−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,4−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,2−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−オクチル−1,3−ブタジエン、2−オクチル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン、2−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
これらアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合することで溶媒溶解性をコントロールすることができる。
[電子吸引基を有する高分子]
電子吸引基を有する高分子は、電子吸引基として、例えば、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、カルボニル基、アセチル基から選ばれる少なくとも1種を有する化合物を構成単位とした高分子が挙げられる。これらの中でも、シアノ基は極性が高く、π共役系導電性高分子をより可溶化できることから好ましい。
電子吸引性基を有する高分子の具体例としては、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂や、水酸基あるいはアミノ基含有樹脂をシアノエチル化した樹脂(例えば、シアノエチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリビニルピロリドン、ニトロセルロースなどが挙げられる。
可溶化高分子の含有量は、π共役系導電性高分子1モルに対して0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、1〜7モルの範囲であることがより好ましい。可溶化高分子の含有量が0.1モルより少なくなると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。また、可溶化高分子の含有量が10モルより多くなると、π共役系導電性高分子の含有割合が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
可溶化高分子には、耐衝撃性を改良するための合成ゴムや、耐環境特性を向上させるための老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤が添加されていてもよい。ただし、アミン化合物系の酸化防止剤は上記導電性高分子を重合させる際に用いる酸化剤の働きを阻害することがあるので、酸化防止剤にはフェノール系のものを用いたり、重合後に混合したりするなどの対策が必要である。
上記π共役系導電性高分子と可溶化高分子とは化学的結合により複合体を形成することが多い。その複合体の中でも、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)は、熱安定性が高く、重合度が低いために塗膜形成後の透明性を高くしやすい点で好ましい。
(相間移動触媒)
相間移動触媒としては、分子内にカチオンを有する化合物、分子内にカチオンおよびアニオンを有する化合物などが挙げられる。具体的には、アンモニウム誘導体類、イミニウム類、ジアゾニウム類、非環式窒素骨格のカチオン類、含窒素環式骨格のカチオン類、含窒素共鳴安定化カチオン類、有機ホスホニウム塩類等が挙げられる。
より具体的には、メチルトリヘキシルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、メチルトリデシルアンモニウムクロライド、メチルトリドデシルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ジデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、テトラヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルアンモニウムブロマイド、テトラドデシルアンモニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラオクチルホスホニウムブロマイド、2−トリメチルシリルエチル−トリフェニルホスホニウムクロライド、1−ドデシル−2−エチル−3−エチルイミダゾリウムクロライド、1−テトラデシル−2−エチル−3−エチルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキサデシル−2−エチル−3−エチルイミダゾリウムクロライド、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−テトラデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキサデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−オクタデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、メチルピリジニウムクロライド、エチルピリジニウムクロライド、プロピルピリジニウムクロライド、ブチルピリジニウムクロライド、ヘキシルピリジニウムクロライド、オクチルピリジニウムクロライド、デシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサドデシルピリジニウムクロライドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
相間移動触媒の含有量は、π共役系導電性高分子のドープに寄与していない可溶化高分子のアニオン基および電子吸引基に対して0.1〜10モル当量であることが好ましく、0.5〜2.0当量であることがより好ましく、0.85〜1.25当量であることが特に好ましい。相間移動触媒の含有量が前記下限値以上であれば、相間移動触媒が可溶化高分子のアニオン基や電子吸引基の殆どに配位するため、有機溶剤への溶解性が高くなる。また、前記上限値以下であれば、余剰な相間移動触媒が帯電防止性粘着剤中に含まれないから、導電性等の性能低下を防止できる。
(粘接着成分)
粘接着成分とは、粘着性または接着性を発揮する成分のことであり、それ自体が粘着性または接着性を有するものであってもよいし、加熱後に粘着性または接着性を発揮するものであってもよい。なお、粘着とは、剥離可能な貼着を意味し、接着とは、剥離不可能な貼着を意味する。
粘接着成分の具体例としては、アクリル系化合物、ウレタン系化合物、エポキシ系化合物、エステル系化合物、アミド系化合物、ウレア系化合物、ゴム系化合物、シリコーン系化合物、メラミン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリジン系化合物、セルロール系化合物等のモノマー又はポリマーが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。
上記の中でも、透明性の点から、アクリル系化合物が好ましく、さらには、アクリルモノマー及び/又はアクリル系重合体がより好ましい。
アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸と一級アルコール又は一級アミンとを反応させて得られる単分子化合物が挙げられる。アクリルモノマーの具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、2−メトキシエチルアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ビスフェノールA・エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等のアクリレート類、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート類、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、高級アルコールグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリロイルホルモリン、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、アクリロイルピペリジン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、N−ビニルホルムアミド、2−クロロエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル等のビニルエーテル類、酪酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類などが挙げられる。
上記アクリルモノマーは液体であるため、粘接着成分として上記アクリルモノマーを含む場合には、帯電防止性粘接着剤を、有機溶剤を含まない無溶剤系とすることができる。
(アクリル系重合体)
アクリル系重合体とは、少なくとも1種以上の上記アクリルモノマー単位を構成成分として含むホモポリマーまたはコポリマーである。コポリマーの場合の共重合モノマーとしては特に制限されないが、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の二重結合を有するカルボン酸モノマーまたはその無水物、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、スチレンなどが挙げられる。
また、粘接着層に凝集力が求められる場合には、架橋剤によりアクリル系重合体を架橋することが好ましい。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属系架橋剤などが挙げられる。
粘接着成分がモノマーである場合には、粘接着性や基材との密着性を容易に制御できることから、該帯電防止性粘接着剤に重合開始剤を添加することが好ましい。重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチラウムモノサルファイド、チオキサントン類などが挙げられる。さらに、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合できる。
また、カチオン系重合開始剤として、アリールジアゾニウム塩類、ジアリールハロニウム塩類、トリフェニルスルホニウム塩類、シラノール/アルミニウムキレート、α−スルホニルオキシケトン類などが挙げられる。
(ドーパント)
帯電防止性粘接着剤において、ポリアニオンはπ共役系導電性高分子のドーパントとして機能するが、帯電防止性粘接着剤にはポリアニオン以外のドーパント(以下、他のドーパントという。)が含まれていてもよい。
他のドーパントとしては、π共役系導電性高分子を酸化還元させることができればドナー性のものであってもよく、アクセプタ性のものであってもよい。
[ドナー性ドーパント]
ドナー性ドーパントとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等の4級アミン化合物等が挙げられる。
[アクセプタ性ドーパント]
アクセプタ性ドーパントとしては、例えば、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、有機シアノ化合物、有機金属化合物、フラーレン、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレン等を使用できる。
さらに、ハロゲン化合物としては、例えば、塩素(Cl)、臭素(Br2)、ヨウ素(I)、塩化ヨウ素(ICl)、臭化ヨウ素(IBr)、フッ化ヨウ素(IF)等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO等が挙げられる。
有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。
プロトン酸としては、無機酸、有機酸が挙げられる。さらに、無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。
有機カルボン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にカルボキシ基を一つ又は二つ以上を含むものを使用できる。例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。
有機スルホン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にスルホ基を一つ又は二つ以上含むもの、又は、スルホ基を含む高分子を使用できる。
スルホ基を一つ含むものとして、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、2−ブロモエタンスルホン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、コリスチンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキチルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アセトアミド−3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、8−クロロナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、アントラキノンスルホン酸、ピレンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
スルホ基を二つ以上含むものとしては、例えば、エタンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、キシレンジスルホン酸、クロロベンゼンジスルホン酸、フルオロベンゼンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、3,4−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、ペンタデシルナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸、1−アセトアミド−8−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフトール−2,7−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアノトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−マレイミジルスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
(有機溶剤)
帯電防止性粘接着剤には有機溶剤が含まれていてもよい。その有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレンカーボネート、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、トルエン等が挙げられる。これら有機溶剤は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
上記有機溶剤の中でも、乾燥速度が速くなることから、水より沸点の低い有機溶剤が好ましい。
粘接着成分が液状のものであれば、有機溶剤は必ずしも必要ではなく、該帯電防止性粘接着剤を無溶剤系とすることができる。
本発明の帯電防止性粘接着剤には、フィラーが含まれていてもよい。フィラーが含まれていれば、粘接着性を容易に制御でき、保護材のブロッキングを防止できる。フィラーとしては、例えば、黒鉛等の多孔質類、ガラスビーズ等の含ケイ素化合物類、炭酸カルシウムや無機リン化合物等の無機化合物、球状プラスチック等が挙げられる。
(帯電防止性粘接着剤の製造方法)
帯電防止性粘接着剤の製造方法としては、例えば、液−液抽出法を採ることができる。液−液抽出法による帯電防止性粘接着剤の製造方法の一例では、まず、可溶化高分子の水溶液中で、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーを化学酸化重合して、π共役系導電性高分子と可溶化高分子との複合体の水溶液を得る。次いで、π共役系導電性高分子と可溶化高分子との複合体の水溶液に有機溶剤を添加し、続いて、相間移動触媒を添加し、攪拌または振とうする。その後、しばらく静置して、水層と有機溶剤層とに分離させ、水層を除去して、溶媒が有機溶剤の溶液を得る。そして、その溶液に粘接着成分を添加して帯電防止性粘接着剤を得る。
また、帯電防止性粘接着剤は他の方法でも製造できる。帯電防止性粘接着剤の製造方法の他の例では、まず、可溶化高分子の水溶液中で、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーを化学酸化重合して、π共役系導電性高分子と可溶化高分子との複合体の水溶液を得る。次いで、π共役系導電性高分子と可溶化高分子との複合体の水溶液に相間移動触媒を添加して、π共役系導電性高分子と可溶化高分子と相間移動触媒との混合物を沈殿させ、これを捕集する。次いで、その混合物を有機溶剤に溶解させるとともに、粘接着成分を添加して帯電防止性粘接着剤を得る。
上記帯電防止性粘接着剤では、相間移動触媒が可溶化高分子のアニオン基や電子吸引基に配位しており、可溶化高分子の油溶性が高くなっている。そのため、可溶化高分子と複合体を形成するπ共役系導電性高分子が、アルコール以外の有機溶剤やアクリルモノマーなどの液状の有機化合物に溶解する。また、いずれの粘接着成分であっても相溶性を確保することができるため、アクリル系重合体の制限が少なくなる。アクリル系重合体の制限が少なくなれば、粘接着剤の性能に幅を持たせることができる。
このように、π共役系導電性高分子および可溶化高分子の複合体が、相間移動触媒によって水溶性から油溶性に変換されている帯電防止性粘接着剤は、保存安定性に優れている。したがって、長期間保存してもπ共役系導電性高分子が凝集・分離しにくく、粘接着層の透明性や導電性が低下することが防止されている。
さらに、帯電防止性粘接着剤の保存安定性が高くなった結果、帯電防止性粘接着剤の調製から保護材の製造までを連続して行う必要性がなくなり、保護材の製造方法に融通性を持たせることができる。
(帯電防止性粘接着層)
本発明の帯電防止性粘接着層は、上記帯電防止性粘接着剤が塗布されて形成されたものである。
帯電防止性粘接着剤の塗布方法としては、例えば、浸漬、コンマコート、スプレーコート、ロールコート、グラビアロールコート、スピンコートなどが挙げられるが、一般的な塗膜を形成する方法であれば特に限定されない。
塗布後、加熱、または、光照射によって塗膜を硬化させることで帯電防止性粘接着層が得られる。加熱方法としては、例えば、熱風加熱や赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。光照射方法としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源から紫外線を照射する方法を採用できる。
帯電防止性粘接着層の厚さは特に限定されないが、0.01μm〜5mmであることが好ましく、0.1μm〜0.5mmであることがより好ましく、1〜50μmであることが特に好ましい。帯電防止性粘接着層の厚さが0.01μm未満であると粘接着性および帯電防止性が不足することがあり、5mmを超えると剥離時に帯電防止性粘接着層の内部破断が起こり、保護対象物に残ってしまうことがある。
(保護材)
本発明の保護材は、基材と、基材上に設けられた上記帯電防止性粘接着層とを備えているものであり、例えば、カバーテープやキャリアテープなどの保護テープ、あるいは、保護シート、保護フィルムなどが挙げられる。
ここで、基材としては、帯電防止性粘接着剤を保持できれば特に制限されないが、透明性の点から、プラスチック基材が好ましい。プラスチック基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、トリアセチルセルロース等のセルロイド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノキシ樹脂類、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、成形性、汎用性の点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、帯電防止性粘接着剤との密着性を向上させるために、基材の塗工面に、プライマー処理、プラズマ処理、アーク放電処理等の前処理を施してもよい。
基材の厚さは特に限定されないが、保護対象物からの剥離容易性および透明性の点から、0.01μm〜10mmであることが好ましく、0.1μm〜1mmであることがより好ましく、1μm〜0.5mmであることが特に好ましい。基材の厚さが0.01μm未満であると強度が不足し、10mmを超えると剥離時の取り扱い性が低下する。
本発明の保護材は、上記帯電防止性粘接着剤が塗布されて形成された帯電防止性粘接着層を備えたものであるため、透明性および導電性(帯電防止性)に優れる。
(製造例1)ポリスチレンスルホン酸の合成
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。
さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形物を得た。
(製造例2)導電性高分子水溶液の調製
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)の水溶液を得た。
(製造例3)導電性高分子のMEK溶液の調製
製造例2のPSS−PEDOT水溶液200mlにアセトン200mlおよびトルエン200mlを添加した混合液に、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド(相間移動触媒)3.2gを加えて激しく振とうした。その後、静置して、上層の有機溶剤層と下層の水層とに分離し、水層を分離除去した。次いで、分離除去した水と等質量のMEKにて希釈した後、ナノマイザー処理して、PSS−PEDOTのMEK溶液を得た。
(製造例4)アクリル系共重合体の合成
メチルメタクリレート50mol%、2−エチルヘキシルメタクリレート30mol%、ブチルメタクリレート20mol%を重合してアクリル系共重合体を得た。
(実施例1)
PSS−PEDOTのMEK溶液とアクリル系共重合体とを、質量比60/40となるようにナノマイズ処理により混合・分散して帯電防止性粘接着剤を得た。その際、PEDOTが、アクリル系共重合体に対して1.0質量%になるようにした。
(実施例2)
実施例1で得た帯電防止青年接着剤からMEKを留去し、ナノマイズ処理等により相溶化し、無溶剤化した帯電防止性粘接着剤を得た。
(実施例3)
アクリル系共重合体の代わりに、根上工業株式会社製アクリルモノマーUN−9000PEPに変更したこと以外は実施例1と同様にして帯電防止性粘接着剤を得た。
(比較例1)
製造例2のPSS−PEDOT水溶液を、イソプロピルアルコールにて溶剤置換した後、製造例4のアクリル系共重合体をMEK/トルエン混合溶媒(質量比50/50)に溶解し、
実施例1,2及び比較例1の帯電防止性粘接着剤を、室温下にて一週間保存した際の保存安定性を目視により評価したところ、実施例1,2の粘接着剤には変化が見られなかったが、比較例1の粘接着剤は濃青色析出物が沈降していた。すなわち、実施例1,2の粘接着剤の保存安定性は優れていた。
(比較例2)
ポリエステルエマルジョン(東洋紡績製、商品名バイナロールMD−1100、固形分30質量%)に、チオフェン系のπ共役系導電性高分子とポリアニオンの水/イソプロピルアルコール溶液(長瀬産業製、商品名デナトロンP−502S)を加えて攪拌した。これにより、π共役系導電性高分子を分散させて、薄紫色に懸濁した粘接着剤を得た。
(比較例3)
ポリエステルエマルジョンとして、東洋紡績製、商品名バイナロールMD−1500、固形分30質量%を用いたこと以外は比較例2と同様にして粘接着剤を得た。
(実施例4〜9)保護材の製造
実施例1〜3及び比較例1〜3の粘接着剤を、基材であるポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製、商品名ルミラー)上に、コータを用いて乾燥膜厚が5μmになるようにコーティングした。その後、80℃で乾燥して、粘着層を有する保護材を得た。
得られた保護材の全光線透過率・ヘイズ値・表面抵抗性について評価した。その結果を表1に示す。
[表面抵抗率]
JIS K 6911に準拠し、ハイレスタ(三菱化学(株)製)を用いて測定した。
[全光線透過率及び曇価(ヘイズ値)]
得られた帯電防止膜の透過率、及び曇価(ヘイズ値)を、JIS K 7361−1におけるプラスチックの光学的特性試験方法に準拠して測定した。
Figure 0004987267
π共役系導電性高分子とポリアニオンと相間移動触媒と粘接着成分を含み、溶媒としてMEKを含む実施例1,3の帯電防止性粘接着剤は、保存安定性に優れていた上に、透明性および導電性の高い帯電防止性粘接着層を形成することができた。その結果、表1に示すように、透明性および導電性の高い保護材が得られた。
また、π共役系導電性高分子とポリアニオンと相間移動触媒と粘接着成分を含み、無溶剤である実施例2の帯電防止性粘接着剤も保存安定性に優れていた上に、透明性および導電性の高い帯電防止性粘接着層を形成することができた。その結果、表1に示すように、透明性および導電性の高い保護材が得られた。
π共役系導電性高分子とポリアニオンと粘接着成分を含み、溶媒を水からイソプロパノールに置き換えた比較例1の帯電防止性粘接着剤は、保存安定性が低く、保護材の透明性が低かった。
ポリエステルエマルジョンとπ共役系導電性高分子とを含む比較例2,3の帯電防止性粘接着剤では、保護材の透明性および導電性が共に低かった。

Claims (2)

  1. π共役系導電性高分子とポリアニオンの複合体水溶液に相間移動触媒および有機溶剤を添加し、分離した水層を除去し、粘接着成分を添加することを特徴とする帯電防止性粘接着剤の製造方法
  2. π共役系導電性高分子とポリアニオンの複合体水溶液に相間移動触媒および有機溶剤を添加し、分離した水層を除去し、粘接着成分を添加して帯電防止性粘接着剤を得た後、該帯電防止性粘接着剤を基材に塗布して帯電防止性粘接着層を形成することを特徴とする保護材の製造方法。
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