JP2006185973A - 導電性高分子溶液及びその製造方法、導電体、コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

導電性高分子溶液及びその製造方法、導電体、コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 多孔質体の内部への浸透性が高く、コンデンサ容量を効率的に引き出せる上に、耐熱性に優れる導電性高分子溶液を提供する。また、容量が高く、耐熱性に優れたコンデンサを提供する。
【解決手段】 本発明の導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子と質量平均分子量が1,000〜300,000の可溶化高分子とからなる導電性粒子及び溶媒を含有し、導電性粒子の粒子径分布は、粒径5〜100nmの粒子の割合が50体積%以上である。本発明のコンデンサ10は、弁金属の多孔質体からなる陽極11と、陽極11の表面が酸化されて形成された誘電体層12と、誘電体層12上に形成された陰極13とを有し、陰極11が、上述した導電性高分子溶液が塗布されて形成された導電体からなる固体電解質層を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、導電性を有する導電性高分子溶液及びその製造方法、導電体に関する。また、本発明は、アルミ電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、ニオブ電解コンデンサなどコンデンサ及びその製造方法に関する。
近年、電子機器のデジタル化に伴い、電子機器に用いられるコンデンサは高周波領域におけるインピーダンスを低下させることが要求されている。従来から、この要求に対応すべく、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁金属からなる多孔質体の酸化皮膜を誘電体とし、この表面にポリピロール、ポリチオフェンなどのπ共役系導電性高分子からなる層(導電性高分子層)を形成して陰極とした、所謂、機能性コンデンサが使用されている。
導電性高分子層の形成方法としては、例えば、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーを含む分散液を調製し、この分散液を誘電体の表面に塗布した後、前駆体モノマーを重合させる方法が知られている。その際の重合方法としては、特許文献1等で開示されている電解重合法や、特許文献2等で開示されている化学酸化重合法が知られている。
しかし、電解重合法では、弁金属多孔質体表面にマンガン酸化物からなる導電層を形成した後に、この導電層を電極として電解重合する必要があり、導電性高分子層を形成するまでの工程が非常に煩雑であった。また、マンガン酸化物は導電性が低いため、高い導電性を有するπ共役系導電性高分子を使用する効果が薄れるという問題があった。
また、化学酸化重合法では重合時間が長く、コンデンサの生産効率が低かった。また、化学酸化重合法では、誘電体の表面において酸化剤を用いるが、重合後に酸化剤を十分に洗浄できないため、酸化剤により誘電体表面が侵されて、漏れ電流特性の低下や耐湿性の低下を招いていた。
π共役系導電性高分子を溶液化して塗布、乾燥できれば上記のような問題は発生しないが、π共役系導電性高分子はいかなる溶剤にも溶解性を示さない上に、融点を迎える前に分解を生じる、いわゆる不溶不融の性質を有している。
これを解決するため、特許文献3には、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)をドーパントとして用い、ポリピロールを溶剤に溶解させる方法が開示されている。
特開昭63−158829号公報 特開昭63−173313号公報 特表平10−507225号公報
特許文献3に記載の方法で形成されるπ共役系導電性高分子は、溶液中で、ピロールより嵩高いDBSAがポリピロールにドープしており、導電性高分子同士の凝集が防止されているため、溶媒溶解性は確保されている。しかしながら、得られる導電性粒子の粒子径がドープ前より大きくなるため、その溶液は微細な多孔質体の内部に浸透しにくかった。
特に、近年では、弁金属の多孔質体は、表面積を大きくしてコンデンサ容量を増やすために、孔径が500nm以下、多孔質体内部においては100nm以下と小さくなってきている。したがって、π共役系導電性高分子の溶液はますます多孔質体の内部に浸透しにくくなってきており、コンデンサの容量を効率的に引き出すことが困難になってきている。さらに、DBSAのような低分子量ドーパントは耐熱性が低く、高温での使用時に脱ドープして導電性を大きく低下させるという欠点があり、実用的ではなかった。
したがって、多孔質体への浸透性と耐熱性をともに高くするために、別の方法が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、多孔質体の内部への浸透性が高く、コンデンサ容量を効率的に引き出せる上に、耐熱性に優れる導電性高分子溶液及びその製造方法を提供することを目的とする。また、その導電性高分子溶液から形成された耐熱性に優れた導電体を提供することを目的とする。さらには、容量が高く、耐熱性に優れたコンデンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子と質量平均分子量が1,000〜300,000の可溶化高分子とからなる導電性粒子及び溶媒を含有し、
導電性粒子の粒子径分布は、粒径5〜100nmの粒子の割合が50体積%以上であることを特徴とする。
本発明の導電性高分子溶液は、ドーパントをさらに含むことが好ましい。
本発明の導電性高分子溶液の製造方法は、質量平均分子量が1,000〜300,000の可溶化高分子及び溶媒の存在下で、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合することを特徴とする。
本発明の導電体は、上述した導電性高分子溶液から形成されたことを特徴とする。
本発明のコンデンサは、弁金属の多孔質体からなる陽極と、該陽極の表面が酸化されて形成された誘電体層と、該誘電体層上に形成された陰極とを有するコンデンサにおいて、
陰極が、上述した導電体からなる固体電解質層を具備することを特徴とする。
本発明のコンデンサの製造方法は、弁金属の多孔質体からなる陽極と該陽極の表面が酸化されて形成された誘電体層とを有するコンデンサ中間体における誘電体層側表面に、上述した導電性高分子溶液を塗布し、乾燥する工程を有することを特徴とする。
本発明の導電性高分子溶液は、多孔質体の内部への浸透性が高く、コンデンサ容量を効率的に引き出せる上に、耐熱性に優れる。
本発明の導電性高分子溶液の製造方法によれば、多孔質体の内部への浸透性および耐熱性がともに高い導電性高分子溶液を容易に製造できる。
本発明の導電体は、耐熱性に優れる。
本発明のコンデンサは、容量が高く、耐熱性に優れる。
本発明のコンデンサの製造方法は、容量が高く、耐熱性に優れるコンデンサを容易に製造できる。
(導電性高分子溶液)
本発明の導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子と可溶化高分子とからなる導電性粒子及び溶媒とを含有するものである。
<π共役系導電性高分子>
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性を得ることができるが、導電性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
このようなπ共役系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
中でも、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種又は2種からなる(共)重合体が抵抗値、コスト、反応性の点から好適に用いられる。さらには、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性がより高い上に、耐熱性が向上する点から、より好ましい。
上記π共役系導電性高分子は、溶媒中、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述の可溶化高分子成分の存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
[前駆体モノマー]
前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
[溶媒]
π共役系導電性高分子の製造で使用する溶媒としては特に制限されず、前記前駆体モノマーを溶解又は分散しうる溶媒であり、酸化剤及び酸化触媒の酸化力を維持させることができるものであればよい。例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよいし、他の有機溶媒との混合物としてもよい。
[酸化剤及び酸化触媒]
酸化剤、酸化触媒としては、前記前駆体モノマーを酸化させてπ共役系導電性高分子を得ることができるものであればよく、例えば、ぺルオキソ二硫酸アンモニウム、ぺルオキソ二硫酸ナトリウム、ぺルオキソ二硫酸カリウム等のぺルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が挙げられる。
<可溶化高分子>
可溶化高分子は、スルホ基、カルボキシ基、シアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する高分子であり、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させるものである。
[スルホ基を有する高分子、カルボキシ基を有する高分子]
スルホ基を有する高分子、カルボキシ基を有する高分子(以下、これらを総称してポリアニオンという。)は、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、スルホ基又はカルボキシ基を有する構成単位とスルホ基及びカルボキシ基を有さない構成単位とからなるものである。
ポリアルキレンとは、主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーである。ポリアルキレンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリ3,3,3−トリフルオロプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和結合(ビニル基)が1個以上含まれる構成単位からなるポリマーである。ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる1種以上の構成単位を含む重合体が挙げられる。
これらの中でも、不飽和結合とπ共役系導電性高分子との相互作用があること、置換若しくは未置換のブタジエンを出発物質として合成しやすいことから、置換若しくは未置換のブテニレンが好ましい。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2,3,3−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、2,2−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の無水物とオキシジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドが挙げられる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等が挙げられる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアニオンが置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシ基等が挙げられる。溶媒への溶解性、耐熱性及び樹脂への相溶性等を考慮すると、アルキル基、ヒドロキシ基、フェノール基、エステル基が好ましい。
アルキル基は、極性溶媒又は非極性溶媒への溶解性及び分散性、樹脂への相溶性及び分散性等を高くすることができ、ヒドロキシ基は、他の水素原子等との水素結合を形成しやすくでき、有機溶媒への溶解性、樹脂への相溶性、分散性、接着性を高くすることができる。また、シアノ基及びヒドロキシフェニル基は、極性樹脂への相溶性、溶解性を高くすることができ、しかも、耐熱性も高くすることができる。
上記置換基の中では、アルキル基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基が好ましい。
前記アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等の鎖状アルキル基、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。有機溶剤への溶解性、樹脂への分散性、立体障害等を考慮すると、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましい。
前記ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したヒドロキシ基又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシ基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。ヒドロキシ基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。これらの中では樹脂への相溶及び有機溶剤への溶解性から、主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端に結合したヒドロキシ基がより好ましい。
前記アミノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したアミノ基又は他の官能基を介在して結合したアミノ基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。アミノ基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。
前記フェノール基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したフェノール基又は他の官能基を介在して結合したフェノール基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。フェノール基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。
前記エステル基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したアルキル系エステル基、芳香族系エステル基、他の官能基を介在してなるアルキル系エステル基又は芳香族系エステル基が挙げられる。
シアノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したシアノ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端に結合したシアノ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端に結合したシアノ基等を挙げることができる。
ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらのうち、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸が好ましい。ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸は、熱エネルギーを吸収して自ら分解することにより、π共役系導電性高分子成分の熱分解を緩和することができるため、耐熱性、耐環境性を向上させることができる。
ポリアニオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてスルホ基及びカルボキシ基を有さないポリマーにスルホ基又はカルボキシ基を直接導入する方法、スルホ基及びカルボキシ基を有さないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、スルホ基又はカルボキシ基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
スルホ基又はカルボキシ基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、スルホ基又はカルボキシ基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/又は重合触媒の存在下で、酸化重合又はラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。具体的には、所定量のスルホ基又はカルボキシ基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/又は重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、スルホ基又はカルボキシ基含有重合性モノマーにスルホ基及びカルボキシ基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。
スルホ基又はカルボキシ基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリアニオン塩である場合には、ポリアニオン酸に変質させることが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
スルホ基又はカルボキシ基含有重合性モノマーは、モノマーの一部が一置換硫酸エステル基、カルボキシ基、スルホ基等で置換されたものであり、例えば、置換若しくは未置換のエチレンスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のスチレンスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のアクリレートスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のメタクリレートスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のアクリルアミドスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のシクロビニレンスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のブタジエンスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のビニル芳香族スルホン酸化合物が挙げられる。
具体的には、ビニルスルホン酸及びその塩類、アリルスルホン酸及びその塩類、メタリルスルホン酸及びその塩類、スチレンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸及びその塩類、アリルオキシベンゼンスルホン酸及びその塩類、α−メチルスチレンスルホン酸及びその塩類、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸及びその塩類、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩類、シクロブテン−3−スルホン酸及びその塩類、イソプレンスルホン酸及びその塩類、1,3−ブタジエン−1−スルホン酸及びその塩類、1−メチル−1,3−ブタジエン−2−スルホン酸及びその塩類、1−メチル−1,3−ブタジエン−4−スルホン酸及びその塩類、アクリル酸エチルスルホン酸(CHCH-COO-(CH22-SO3H)及びその塩類、アクリル酸プロピルスルホン酸(CHCH-COO-(CH23-SO3H)及びその塩類、アクリル酸−t−ブチルスルホン酸(CHCH-COO-C(CH32CH-SO3H)及びその塩類、アクリル酸−n−ブチルスルホン酸(CHCH-COO-(CH2-SO3H)及びその塩類、アリル酸エチルスルホン酸(CHCHCH-COO-(CH22-SO3H)及びその塩類、アリル酸−t−ブチルスルホン酸(CHCHCH-COO-C(CH32CH-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸エチルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-(CH22-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸プロピルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-(CH23-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸−n−ブチルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-(CH2-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸−t−ブチルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-C(CH32CH-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸フェニレンスルホン酸(CHCH(CH22-COO-C64-SO3H)及びその塩類、4−ペンテン酸ナフタレンスルホン酸(CHCH(CH22-COO-C108-SO3H)及びその塩類、メタクリル酸エチルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-(CH22-SO3H)及びその塩類、メタクリル酸プロピルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-(CH23-SO3H)及びその塩類
、メタクリル酸−t−ブチルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-C(CH32CH-SO3H)及びその塩類、メタクリル酸−n−ブチルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-(CH2-SO3H)及びその塩類、メタクリル酸フェニレンスルホン酸(CHC(CH3)-COO-C64-SO3H)及びその塩類、メタクリル酸ナフタレンスルホン酸(CHC(CH3)-COO-C108-SO3H)及びその塩類、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。また、これらを2種以上含む共重合体であってもよい。
スルホ基及びカルボキシ基を有さない重合性モノマーとしては、エチレン、プロぺン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、スチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−ブチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、p−メトキシスチレン、α−メチルスチレン、2−ビニルナフタレン、6−メチル−2−ビニルナフタレン、1−ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ビニルアセテート、アクリルアルデヒド、アクリルニトリル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルイミダゾ−ル、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニルブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸アリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸イソボニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸エチルカルビトール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリロイルモルホリン、ビニルアミン、N,N−ジメチルビニルアミン、N,N−ジエチルビニルアミン、N,N−ジブチルビニルアミン、N,N−ジ−t−ブチルビニルアミン、N,N−ジフェニルビニルアミン、N−ビニルカルバゾール、ビニルアルコール、塩化ビニル、フッ化ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、2−メチルシクロヘキセン、ビニルフェノール、1,3−ブタジエン、1−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,4−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,2−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−オクチル−1,3−ブタジエン、2−オクチル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン、2−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
これらスルホ基及びカルボキシ基を有さない重合性モノマーを共重合することで溶媒溶解性をコントロールすることができる。
[シアノ基を有する高分子]
シアノ基を有する高分子は、シアノ基を有する化合物を構成単位とした高分子である。シアノ基を有する高分子の具体例としては、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂や、水酸基あるいはアミノ基含有樹脂をシアノエチル化した樹脂(例えば、シアノエチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリビニルピロリドン、ニトロセルロースなどが挙げられる。
この可溶化高分子においては、スルホ基、カルボキシ基、シアノ基のうちの2種以上の官能基を有していてもよい。例えば、スルホ基及びシアノ基を有する可溶化高分子としてアクリロニトリル−メタクリルスルホン酸共重合体等が挙げられる。
可溶化高分子の質量平均分子量は1,000〜300,000、好ましくは1,000〜100,000である。質量平均分子量がこの範囲にあることにより、多孔質体への浸透性及び耐熱性を確保できるのに対し、質量平均分子量が1,000未満であると、導電性粒子の粒子径が小さくなるものの耐熱性が不足するとともに、π共役系導電性高分子が析出して不溶不融の粒子を形成しやすくなる。また、可溶化高分子の質量平均分子量が300,000を超えると、導電性粒子の粒子径が大きくなるため、多孔質体内部への浸透性が低くなる。
可溶化高分子の質量平均分子量は、可溶化高分子を製造する際の、単量体の濃度、開始剤の濃度、チオール類やニトロ基を有する化合物等の連鎖移動剤やキノン類等の連鎖停止剤の濃度、溶媒の種類、重合温度、重合時間を適宜選択することで調節できる。例えば、単量体濃度を低く、連鎖移動剤又は連鎖停止剤の濃度を低く、開始剤濃度を高くすれば分子量を小さくすることができる。
また、質量平均分子量が上記範囲の可溶化高分子を市販のものから選択して使用してもよい。
上記π共役系導電性高分子と可溶化高分子との質量比は95:5〜1:99であることが好ましい。π共役系導電性高分子が1質量%未満であると導電性が不足しやすくなり、99質量%を超えると溶媒溶解性が低くなることがある。
<ドーパント>
導電性高分子溶液中にはドーパントが含まれていてもよい。ドーパントとしては、π共役系導電性高分子を酸化還元させることができればドナー性のものであってもよく、アクセプタ性のものであってもよい。
[ドナー性ドーパント]
ドナー性ドーパントとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等の4級アミン化合物等が挙げられる。
[アクセプタ性ドーパント]
アクセプタ性ドーパントとしては、例えば、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、有機シアノ化合物、有機金属化合物、フラーレン、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレン等を使用できる。
さらに、ハロゲン化合物としては、例えば、塩素(Cl)、臭素(Br2)、ヨウ素(I)、塩化ヨウ素(ICl)、臭化ヨウ素(IBr)、フッ化ヨウ素(IF)等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO等が挙げられる。
有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。
プロトン酸としては、無機酸、有機酸が挙げられる。さらに、無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。
有機カルボン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にカルボキシ基を一つ又は二つ以上を含むものを使用できる。例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。
有機スルホン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にスルホ基を一つ又は二つ以上含むもの、又は、スルホ基を含む高分子を使用できる。
スルホ基を一つ含むものとして、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、2−ブロモエタンスルホン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、コリスチンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキチルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アセトアミド−3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、8−クロロナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、アントラキノンスルホン酸、ピレンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
スルホ基を二つ以上含むものとしては、例えば、エタンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、キシレンジスルホン酸、クロロベンゼンジスルホン酸、フルオロベンゼンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、3,4−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、ペンタデシルナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸、1−アセトアミド−8−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフトール−2,7−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアノトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−マレイミジルスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
ドーパントの質量平均分子量は200〜5,000であることが好ましい。ドーパントの質量平均分子量が200以上であると耐熱性がより高くなり、5,000以下であるとπ共役系導電性高分子に対してドープしやすくなるため導電性がより高くなる。
この導電性高分子溶液においては、導電性粒子の粒子径分布が、粒径5〜100nmの粒子の割合が50体積%以上、好ましくは60体積%以上、より好ましくは70体積%以上である。粒径5〜100nmの粒子の割合が50体積%以上であることにより、多孔質体内部への浸透性及び耐熱性を確保できる。これに対し、粒径5nm未満の粒子の割合が50体積%以上である場合には二次凝集性を有するため大きな凝集体を生成しやすくなる。粒径100nmを超える粒子の割合が50体積%以上である場合には多孔質体内部への浸透性が不足する。粒径の上限は80nm以下が好ましく、60nm以下がより好ましい。
以上説明した導電性高分子溶液は、可溶化高分子の質量平均分子量が1,000〜300,000であり、π共役系導電性高分子と可溶化高分子との複合体からなる導電性粒子の粒子径分布が、粒径5〜100nmの粒子の割合が50体積%以上である。そのため、微細な多孔質体の内部に浸透しやすく、コンデンサの容量を効率的に引き出すことができる。また、上記可溶化高分子は耐熱性が高く、高温使用時でも脱ドープしにくいため、導電性の低下を防ぐことができる。
この導電性高分子溶液はコンデンサの製造以外にも使用できる。特に、粒子径が小さく、塗膜の透明性に優れるから、導電性を必要とする光学材料にも適用できる。
(導電性高分子溶液の製造方法)
導電性高分子溶液を調製するには、まず、質量平均分子量が1,000〜300,000の可溶化高分子を、これを溶解可能な溶媒に溶解し、これにより得られた溶液に、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを添加する。次いで、酸化剤を添加してモノマーを重合させ、その後、余剰の酸化剤やモノマーを分離、精製して導電性高分子溶液を得る。ドーパントの添加のタイミングには特に制限されず、はじめから添加して重合してもよいし、精製後に添加してもよい。
導電性高分子溶液に含まれる溶媒としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)などのアルコール系溶媒、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド系溶媒、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶媒、トルエン、キシレン、水などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。中でも、近年の環境保護の観点から、環境負荷の小さい水やアルコール系溶媒が好ましい。
可溶化高分子を溶媒に溶解する際には、耐衝撃性を向上させるための合成ゴム成分や、耐環境特性を向上させるための老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤も同時に溶媒に溶解させてもよい。ただし、酸化防止剤のうちアミン化合物系酸化防止剤は、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーの重合を阻害することもあるので、フェノール系酸化防止剤を用いたり、重合後に添加したりすることが好ましい。
π共役系導電性高分子の前駆体モノマーが重合するメカニズムは以下のように推定される。すなわち、溶媒中で可溶化高分子と前駆体モノマーとが静電的相互作用などの弱い力により互いを引きつけ合い、酸化剤を添加した際に、隣り合った前駆体モノマー同士が重合するものと推定される。ここで、可溶化高分子は、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーに対して“鋳型”のような機能を持っているものと推測される。可溶化高分子の質量平均分子量の違いによって“鋳型”の大きさが異なるため、可溶化高分子の質量平均分子量を制御することにより、導電性粒子の粒子径分布を制御することができると推定される。
従来の可溶化高分子の質量平均分子量は約500,000であり、その結果、導電性粒子の粒子径が大きかったのに対し、本発明では、可溶化高分子の質量平均分子量が1,000〜300,000であることにより、導電性高分子溶液中の導電性粒子の粒子径分布を、粒径5〜100nmの粒子の割合が50体積%以上にすることができる。この粒子径分布は導電性粒子が小さいものであり、細孔内に浸透させやすくなっている。
(導電体)
本発明の導電体は、上述した導電性高分子溶液が塗布されて形成されたものである。導電体中のπ共役系導電性高分子及び可溶化高分子は、導電性高分子溶液に含まれていたときと同じ形態を保っている。
導電性高分子溶液の塗布方法としては、例えば、コーティング、浸漬、スプレーなどの公知の手法が挙げられる。乾燥方法としては、熱風乾燥など公知の手法が挙げられる。
このような導電体は、帯電防止コーティング、帯電防止包装材等の帯電防止材や、液晶画面やプラズマディスプレイ画面の電磁波遮蔽用の電磁波シールド材、転写ベルト、現像ロール、帯電ロール、転写ロール等の電子写真機器部品に用いることができる。また、多孔質体や発泡体など、細孔を有するものに形成するのに適している。
(コンデンサ)
以下、本発明のコンデンサ及びその製造方法の一実施形態例について説明する。
図1は、本実施形態例のコンデンサの構成を示す図である。このコンデンサ10は、弁金属の多孔質体からなる陽極11と、陽極11の表面が酸化されて形成された誘電体層12と、誘電体層12上に形成された陰極13とを有して概略構成されている。
<陽極>
陽極11をなす弁金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモンなどが挙げられる。これらのうち、コンデンサの陽極としては、アルミニウム、タンタル、ニオブが好適である。これら弁金属は、電解酸化処理により、緻密で耐久性を有する誘電体酸化被膜(誘電体層)を形成できるため、コンデンサ容量を安定的に高くすることができる。
陽極11の具体例としては、アルミニウム箔をエッチングして表面積を増加させた後、その表面を酸化処理したものや、タンタル粒子やニオブ粒子の焼結体表面を酸化処理してペレットにしたものが挙げられる。このように処理されたものは表面に凹凸が形成されている。
<誘電体層>
誘電体層12は、例えば、アジピン酸アンモニウム水溶液などの電解液中にて、金属体11の表面を陽極酸化することで形成されたものである。よって、図1に示すように、陽極11と同様に誘電体層12の表面にも凹凸が形成されている。
<陰極>
陰極13は、固体電解質層13aと、固体電解質層13a上に形成されたアルミ箔などの陰極金属層13bとを具備し、固体電解質層13aが、上述した導電体からなるものである。
(コンデンサの製造方法)
コンデンサの製造方法は、弁金属の多孔質体からなる陽極11と陽極11の表面が酸化されて形成された酸化被膜の誘電体層12とを有するコンデンサ中間体の誘電体層12側表面に、導電性高分子溶液を塗布、乾燥して固体電解質層13aを形成する方法である。
塗布方法としては、導電体形成の際の塗布方法と同じ方法を採ることができる。また、塗布の際には、必要に応じて超音波、振動、減圧、加熱等の操作を施して導電性高分子溶液の多孔質体内部への侵入を促進させてもよい。さらに、塗布、乾燥を繰り返して塗膜の厚さを調節してもよい。
導電性高分子溶液の塗布により、誘電体層の表面に導電性高分子溶液が付着し、その後、多孔質体の孔の中に侵入する。これにより、孔の内壁表面にπ共役系導電性高分子を付着させることができる。
固体電解質層13aを形成した後には、カーボンペースト、銀ペーストによって陰極金属層13bを形成したり、セパレータを介して陰極電極を対向したりする公知の手法により陰極金属層13bを形成することができる。
上述した製造方法は、導電性高分子溶液を塗布、乾燥することにより固体電解質層を形成するから、工程が簡便であり、大量生産に向いており、低コストである。
また、導電性高分子溶液に含まれる導電性粒子の粒子径分布が、粒径5〜100nmの粒子の割合が50体積%以上であるため、陽極11をなす多孔質体の内部に十分に浸透する。その結果、コンデンサの容量を効率的に引き出すことができ、高周波数領域におけるインピーダンスを低く抑えることができる。また、可溶化高分子は分子量が大きいため、耐熱性が高く、高温使用時であってもπ共役系導電性高分子へのドープを維持するので導電性の低下を防ぐことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。なお、以下の例において、質量平均分子量、粒子径は下記方法で測定した。
[質量平均分子量]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、スチレン又はプルラン換算の質量平均分子量を測定した。
[粒子径]
ベックマンコールター社製サブミクロン粒子アナライザーN5を用い、導電性高分子溶液中の導電性粒子の平均粒子径及び粒子径分布を測定した。
[実施例1]
(1)可溶化高分子の合成
スルホエチルメタクリル酸ナトリウム58gを水100ml中に溶解させ、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを58g添加し、還流条件下3時間重合させた後、80℃の恒温槽中で一晩静置した。次いで、ヒドロキノンスルホン酸571mgを添加した後、酸性になるまで硫酸水溶液を添加した。そして、精製して、質量平均分子量が64,000のポリスルホエチルメタクリル酸(可溶化高分子)を得た。
(2)導電性高分子溶液の調製
純水100gに、上述のようにして得たポリスルホエチルメタクリル酸10gを溶解し、ピロール10gを添加し、5℃に冷却しながら1時間攪拌した。これにより得られた溶液に、過硫酸アンモニウム250gを純水1250gに溶解した酸化剤溶液を、0℃に保ちながら2時間かけて滴下し、さらに12時間攪拌を続けてピロールを重合させた。
重合終了後、限外ろ過により不純物等を除去して、粒径5〜100nmの粒子の割合が67体積%の粒子径分布を有する導電性粒子を含む導電性高分子溶液を得た。
[実施例2]
(1)可溶化高分子の合成
スルホエチルメタクリル酸ナトリウム17.4gを水1500ml中に溶解させ、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを31.2g添加し、85℃にて1時間重合した。次いで、ヒドロキノンスルホン酸8.57gを添加した後、加熱減圧下1300mlの水を留去した後、700mlのメタノール中で再沈殿させた。これにより得られた沈殿物をろ過し、硫酸水溶液中に溶解し、精製して、質量平均分子量が20,000のポリスルホエチルメタクリル酸(可溶化高分子)を得た。
(2)導電性高分子溶液の調製
純水100gに、上述のようにして得たポリスルホエチルメタクリル酸10gを溶解し、ピロール10gを添加し、5℃に冷却しながら1時間攪拌した。これにより得られた溶液に、過硫酸アンモニウム250gを純水1250gに溶解した酸化剤溶液を、0℃に保ちながら2時間かけて滴下し、さらに12時間攪拌を続けてピロールを重合させた。
重合終了後、限外ろ過により不純物等を除去して、粒径5〜100nmの粒子の割合が95体積%の粒子径分布を有する導電性粒子を含む導電性高分子溶液を得た。
[実施例3]
エッチドアルミ箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸アンモニウム10質量%水溶液中で化成(酸化処理)して、アルミ箔表面に誘電体層を形成してコンデンサ中間体を得た。
次に、コンデンサ中間体と、陰極リード端子を溶接させた対向アルミ陰極箔とを積層し、これを巻き取ってコンデンサ素子とした。その際、コンデンサ中間体の陽極箔と陰極箔との間にセパレータを挟んだ。
実施例1で調製した導電性高分子溶液にコンデンサ素子を浸漬した後、120℃の熱風乾燥機で乾燥する操作を5回繰り返して、コンデンサ中間体の誘電体層側表面に固体電解質層を形成させた。
次いで、アルミニウム製のケースに、固体電解質層が形成されたコンデンサ素子と、電解液であるアジピン酸水素アンモニウム20質量%−エチレングリコール80質量%溶液とを充填し、封口ゴムで封止して、コンデンサを作製した。
作製したコンデンサについて、LCRメータ(ZN2353、エヌエフ回路設計ブロック社製)を用いて、120Hzでの静電容量、100kHzでの等価直列抵抗(ESR)を測定した。その結果、静電容量は47.3μF、ESRは10mΩであった。
このように、可溶化高分子の質量平均分子量を1,000〜300,000の範囲とし、導電性高分子溶液中の導電性粒子の平均粒子径を小さくすることにより、静電容量の大きなコンデンサを得ることができる。また、π共役系導電性高分子にドープする可溶化高分子は分子量が高いから耐熱性に優れる。
[比較例1]
(1)可溶化高分子の合成
スルホエチルメタクリル酸ナトリウム58gを水100ml中に溶解させ、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを19g添加し、還流条件下3時間重合させた後、80℃の恒温槽中で一晩静置した。次いで、ヒドロキノンスルホン酸190mgを添加した後、酸性になるまで硫酸水溶液を添加した。そして、精製して質量平均分子量が400,000のポリスルホエチルメタクリル酸(可溶化高分子)を得た。
(2)導電性高分子溶液の調製
純水100gに、上述のようにして得たポリスルホエチルメタクリル酸10gを溶解し、ピロール10gを添加し、5℃に冷却しながら1時間攪拌した。これにより得られた溶液に、過硫酸アンモニウム250gを純水1250gに溶解した酸化剤溶液を、0℃に保ちながら2時間かけて滴下し、さらに12時間攪拌を続けてピロールを重合させた。
重合終了後、限外ろ過により不純物等を除去して、粒径5〜100nmの粒子の割合が0体積%の粒子径分布を有する導電性粒子を含む導電性高分子溶液を得た。
[比較例2]
実施例2の導電性高分子溶液の代わりに比較例1の導電性高分子溶液を用いたこと以外は実施例3と同様にしてコンデンサを作製した。
作製したコンデンサについて、LCRメータ(ZN2353、エヌエフ回路設計ブロック社製)を用いて、120Hzでの静電容量、100kHzでの等価直列抵抗(ESR)を測定した。その結果、静電容量は2.1μF、ESRは665mΩであった。
このように、可溶化高分子の質量平均分子量が300,000を超え、粒径5〜100nmの導電性粒子の割合が0体積%である導電性高分子溶液を用いて作製したコンデンサは静電容量が低く、ESR値が高かった。
本発明のコンデンサの一実施形態例を示す断面図である。
符号の説明
10 コンデンサ
11 陽極
12 誘電体層
13 陰極
13a 固体電解質層

Claims (6)

  1. π共役系導電性高分子と質量平均分子量が1,000〜300,000の可溶化高分子とからなる導電性粒子及び溶媒を含有し、
    導電性粒子の粒子径分布は、粒径5〜100nmの粒子の割合が50体積%以上であることを特徴とする導電性高分子溶液。
  2. ドーパントをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子溶液。
  3. 質量平均分子量が1,000〜300,000の可溶化高分子及び溶媒の存在下で、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合することを特徴とする導電性高分子溶液の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の導電性高分子溶液から形成されたことを特徴とする導電体。
  5. 弁金属の多孔質体からなる陽極と、該陽極の表面が酸化されて形成された誘電体層と、該誘電体層上に形成された陰極とを有するコンデンサにおいて、
    陰極が、請求項4に記載の導電体からなる固体電解質層を具備することを特徴とするコンデンサ。
  6. 弁金属の多孔質体からなる陽極と該陽極の表面が酸化されて形成された誘電体層とを有するコンデンサ中間体における誘電体層側表面に、請求項1又は2に記載の導電性高分子溶液を塗布し、乾燥する工程を有することを特徴とするコンデンサの製造方法。
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