JP3980540B2 - 導電性組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
これに対して、化学酸化重合法では、このような制約がなく、理論的に共役導電性高分子を形成可能なモノマーと適切な酸化剤及び酸化重合触媒を用い、溶液中で大量の共役導電性高分子を重合することができる。
これは、化学酸化重合時に酸化力の高い酸化剤による好ましくない副反応が高い確率で起こり、共役性の低い高分子構造が生成すること、生成した高分子が酸化剤により再アタックされることによって過度の酸化が生じること等の現象が起こり、導電性の低い共役導電性高分子が生成する。このような課題を解決するためには、遷移金属イオンを触媒として用いたり、低温長時間反応を行ったりする等の方法が用いられている。しかし、この場合、生成した高分子が、反応性モノマーの脱水素により生成されたプロトンによってアタックされ、構造規則性の低い共役導電性高分子になりやすく、同じく導電性の低下を招く問題が生じてしまう。
又、特許文献2記載の方法では、このスルホン酸基等の導入により優れた導電性と耐熱性が得られるが、ド−プに占められるスルホン酸基以外に、過剰なスルホン酸基が存在するため、形成した導電性膜中に多数のイオンが含まれてしまうという新たな問題が生じてしまう。この問題を解決するためには、イオン交換等の方法によるイオン除去がなされているが、高価であると共に、充分イオン交換を行ってもイオンが残留してしまうという問題があった。
即ち、本発明の導電性組成物はポリアニオンと、共役導電性高分子とを含有する導電性組成物であって、共役導電性高分子はポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類から選ばれる1種以上からなり、ポリアニオンは、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーであって、スルホン酸基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリイソプレン共重合体を含み、アニオン基を有する構成単位の数をm、アニオン基を有さない構成単位の数をnとしたとき、m/n≦1であり、ポリアニオン1モルが2〜7モルの共役導電性高分子にドーピングしていることを特徴とする。
また、本発明の導電性組成物の製造方法は、前記ポリアニオンの存在下で前記共役導電性高分子の単量体を酸化重合することを特徴とする。
ポリアニオンを構成するポリアルキレンとは、主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーである。ポリアルケニレンとしては、主鎖にビニル基が1個含まれる構成単位からなるポリマーを挙げることができる。ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2,3,3−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、2,2−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物とオキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドを例示できる。ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等を例示できる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
前記ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したヒドロキシ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端に結合したヒドロキシ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端に結合したヒドロキシ基等を挙げることができる。これらの中では樹脂への相溶及び有機溶剤への溶解性から、主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端に結合したヒドロキシ基がより好ましい。
前記ヒドロキシフェニル基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したヒドロキシフェニル基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端に結合したヒドロキシフェニル基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜6のアルケニル基の末端に結合したヒドロキシフェニル基等を挙げることができる。
上述のポリアニオンはアニオン基を有する構成単位と、アニオン基を有さない構成単位とからなり、アニオン基を有するモノマーとアニオン基を有さないモノマーの共重合体が好ましい。アニオン基を有するモノマーとアニオン基を有さないモノマーは共重合可能であれば、アニオン基の有無以外は同種のモノマーであってもよく、異なる種類のモノマーであってもよい。
このアニオン基はポリアニオンを構成するポリマーの主鎖に直接結合していてもよく、このポリマーが側鎖を有していて、その側鎖がアニオン基を有していてもよい。
前記アニオン基が側鎖に結合している場合、共役導電性高分子とドープ効果を生じるため、側鎖の大きさ、長さ、極性等の特性によって、得られる組成物の導電特性、耐熱特性、相溶特性等に大きく影響を与える。これらの観点から、側鎖が炭素数1〜9の任意の置換アルキレン、炭素数2〜9の任意の置換アルケニレン、1〜3個の芳香族環、1〜3個の複素環で構成され、アニオン基がその末端に結合していることが好ましい。
また、ポリアニオンに含まれるアニオン基のモル数をドーピングに必要なモル数より少ないモル数とし、不足分はポリアニオン以外のアニオンを添加する方法もある。この方法によって、残留イオンの低減及び、ドーパントによる耐熱劣化性、導電性の制御が可能である。さらに、このポリアニオン以外のアニオンの種類を適宜選択することによって導電性組成物の溶剤溶解性、分散性、樹脂相溶性等の特性も改善される。
本発明に係るポリアニオンにおいては、ユニットAとユニットBの比率は、1以下(m/n≦1)である必要があり、1未満であることが好ましく、0.2〜0.7であることがより好ましい。このような比率にすることにより、ユニットAがポリアニオン中で広く分散して、アニオン分布が拡がり、共役導電性高分子の主鎖をポリアニオン主鎖に沿って長く延在させることができる。また、ポリアニオン中のアニオン基をドーピングに有効に活用でき、余剰残留イオンを大幅に低減することができる。
この範囲を超えてアニオンが多くなると、ポリアニオン中のアニオン基が互いに近くに存在するようになりすぎて、近傍のアニオン基にじゃまされて共役導電性高分子を捕捉しない状態のアニオン基が残るようになり、導電性高分子を塗布、乾燥して得られる塗布膜が水に弱くなるため湿度依存性が生じやすくなる。
上記ポリアニオンは、前記ユニットA用の重合可能なモノマーと前記ユニットB用の重合可能なモノマーとを、酸化剤または/及び重合触媒の存在下で酸化重合することによって得ることができる。
前記ユニットB用の重合可能なモノマーとしては、ポリアルキレン用モノマーとして置換若しくは未置換のエチレン化合物、置換若しくは未置換のアクリル酸化合物、置換若しくは未置換のビニル芳香族化合物、置換若しくは未置換のビニルアミン、置換若しくは未置換のアクリルアミド化合物、置換若しくは未置換の任意の置換ビニル複素環化合物、置換若しくは未置換のビニルフェノール化合物等を挙げることができる。任意の置換ジビニルベンゼン化合物、任意の置換シリルスチレン、任意の置換フェノール化合物等が挙げられる。
具体的には、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、2−メチルシクロヘキセン、ビニルフェノール、1,3−ブタジエン、1−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,4−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,2−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−オクチル−1,3−ブタジエン、2−オクチル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン、2−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン等を例示することができる。
有機酸としては、有機カルボン酸、フェノ−ル類、有機スルホン酸等が挙げられる。共役導電性高分子とのドーピング効果から有機スルホン酸がより好ましい。
共役導電性高分子は無置換のままでも他の有機樹脂成分等の添加成分と十分な相溶性、分散性を得ることができるが、有機樹脂成分及び溶媒へ分散又は溶解に有効なアルキル基、カルボキシ基、スルホン酸基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の官能基を共役導電性高分子に導入することがより好ましい。
ハロゲン化合物としては、塩素(Cl2)、臭素(Br2)、ヨウ素(I2)、塩化ヨウ素(ICl)、臭化ヨウ素(IBr)、フッ化ヨウ素(IF)等を挙げられる。
ルイス酸としては、PF5、AsF5、SbF5、BF5、BCl5、BBr5、SO3等を挙げることができる。
プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸と、有機カルボン酸、有機スルホン酸等の有機酸を挙げることができる。
有機カルボン酸及び有機スルホン酸としては、前記カルボン酸化合物及びスルホン酸化合物を使用することができる。
有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等を挙げられる。
一方、本発明の導電性組成物の製造方法はポリアニオンの存在下で前記共役導電性高分子の単量体を酸化重合することを特徴とする。
共役導電性高分子の酸化重合時に、ポリアニオンのアニオン基が、ポリアニオン、酸化剤又は酸化重合触媒、共役導電性高分子を重合可能なモノマーの混合溶液中に 共役導電性高分子主鎖の成長と共に、ポリアニオンのアニオン基が共役導電性高分子と塩を形成し、共役導電性高分子へのドーピングが起きる。特に、スルホン酸基のようなアニオン基が共役導電性高分子と強く塩を形成させることにより、共役導電性高分子がポリアニオンの主鎖に強く引き寄せられ、共役導電性高分子主鎖がポリアニオンの主鎖に沿って成長し、規則正しく配列した共役導電性高分子が容易に得られる。このように合成された共役導電性高分子がポリアニオンと無数の塩を形成し、ポリアニオン主鎖に固定される。このようにして合成された導電性組成物は、外部環境の湿度、熱、外部混入物によるドーパントの脱離が起きにくく、耐熱性、耐湿性の優れた導電性組成物となる。
(評価)
電気伝導度(S/cm):
各実施例、比較例で得た組成物に圧力を加えて、厚みが0.1mmの30mm×30mmのペレットを作製し、このペレットにつき、ローレスタ(三菱化学製)を用いて電気伝導度の測定を行った。
電気伝導度熱変化率(%):
温度25℃における電気伝導度R25Bを測定し、測定後のペレットを温度150℃の環境下に500時間放置した後、該ペレットを温度25℃に戻し、電気伝導度R25Aを測定し、下記式より算出した。
電気伝導度熱変化率(%)=100×(R25B−R25A)/R25B
残留イオン分析:
ペレット0.5gを超純水50mlに95℃で16時間溶出し、溶出液をイオンクロマトグラフで測定した。
水(80ml)とメタノール(20ml)の混合溶媒に、17g(0.1mol)のイソプレンスルホン酸ナトリウム(商品名:IPS、JSR社製)と6.8g(0.1mol)のイソプレン(東京化成工業製)を加え、室温下において掻き混ぜながら、予め10mlの水に溶解した0.228g(0.001mol)の過硫酸アンモニウムと0.04g(0.0001mol)硫酸第二鉄の複合酸化剤溶液を20分間滴下した。
室温において、この混合溶液を3時間攪拌し、さらに還流しながら1時間加熱した後、溶媒を減圧除去して、薄黄色の固形物を得た。
得られた化合物のIR吸収スペクトル、ESCA分析、GPC分析からイソプレンスルホン酸ソーダユニットとイソプレンユニットとが1:1の比率で構成されている共重合体であり、分子量が約20000のポリアニオンであることがわかった。この薄黄色の固形物をポリアニオンIとした。
イソプレンの量を6.8gから27.2gに変えた以外は参考例1と同様にして得られた薄黄色の固形物であるポリアニオンIIを得た。これを分析した結果、イソプレンスルホン酸ナトリウムユニットとイソプレンユニットとが1:3の比率で構成されたポリアニオンであり、分子量が約14000であることがわかった。
80℃に保たれた水(50ml)に、攪拌しながら、100mlの水に溶解した17g(0.1mol)のイソプレンスルホン酸ナトリウムと55.5g(0.5mol)のN−ビニル−2−ピロリドン(東京化成工業社製)の混合溶液と、10mlの水に溶解した0.912g(0.004mol)の過硫酸アンモニウムと0.04g(0.0001mol)硫酸第二鉄の複合酸化剤溶液とを同時に、20分間滴下した。そして、この溶液を3時間攪拌した後、水を減圧除去し薄黄色の固形物であるポリアニオンIIIを得た。
これをポリアニオンIの方法で同定した結果、イソプレンスルホン酸ナトリウムユニットとN−ビニル−2−ピロリドンユニットとが1:5の比率で構成されたポリアニオンであり、分子量が約30000であることがわかった。
水(200ml)とメタノール(50ml)の混合溶媒に、13g(0.1mol)のビニルスルホン酸ナトリウム(製品名:N−SVS−25、旭化成ファインケム社製)と34g(0.5mol)のイソプレンを加え、室温下において掻き混ぜながら、10mlの水に溶解した0.684g(0.003mol)の過硫酸アンモニウムと0.04g(0.0001mol)硫酸第二鉄の複合酸化剤溶液とを20分間滴下した。
室温において、この溶液を3時間攪拌した後、さらに還流しながら1時間加熱した後、溶媒を減圧除去し薄黄色の固形物であるポリアニオンIVを得た。
これをポリアニオンIの方法で同定した結果、ビニルスルホン酸ナトリウムユニットとイソプレンユニットとが1:5の比率で構成されたポリアニオンであり、分子量が約15000であることがわかった。
100mlの水に14.2g(0.1mol)のアリルスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、0.04g(0.0001mol)硫酸第二鉄の複合酸化剤溶液を加え、この溶液を3時間攪拌した後、水を減圧除去し薄黄色の固形物であるポリアニオンVを得た。
これをポリアニオンIの方法で同定した結果、イソプレンスルホン酸ナトリウムを繰り返し単位とする分子量が約15000のポリアニオンであることがわかった。
6.80g(0.1mol)のピロールと、11.85g(0.05mol)のポリアニオンIを300mlの水に溶かし、この溶液に10wt%硫酸溶液を2g加え、0℃に冷やした。
この溶液を0℃に保ち、掻き混ぜながら、100mlの水に溶かした22.80g(0.1mol)の過硫酸アンモニウムと8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液をゆっくり加え、3時間攪拌した。
得られた反応液に100mlのエタノールを加え、沈殿物を減圧濾過し、黒青色の固形物を得た。
得られた黒青色の固形物を200mlの水に均質に分散させた後、100mlのエタノールを加え、沈殿物を減圧濾過し、黒青色の固形物を洗浄した。前記洗浄操作を3回行い、固形物中の残留イオンを除去して、ポリピロールとポリアニオンIを含有する黒青色の固形物である導電性組成物を得た。
得られた固形物を圧縮してペレット状にした後、真空乾燥した。得られたペレットの電気伝導度を評価した。その結果を表1に示す。
ポリアニオンIに代えてそれぞれ同モル数のポリアニオンII(実施例2)、ポリアニオンIII(実施例3)、ポリアニオンIV(実施例4)を用いた以外は実施例1と同様にして黒青色の固形物である導電性組成物を得た。
得られた固形物を圧縮してペレット状にした後、真空乾燥した。得られたペレットの電気伝導度を評価した。その結果を表1に示す。
6.80g(0.1mol)のピロールと、6.31g(0.014mol)のポリアニオンIIと、4.82g(0.028mol)p−トルエンスルホン酸を300mlの水に溶かし、0℃に冷やした。
この溶液を0℃に保ち、掻き混ぜながら、100mlの水に溶かした22.80g(0.1mol)の過硫酸アンモニウムと8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液をゆっくり加え、3時間攪拌した。 沈殿物を減圧濾過し、黒青色の固形物を得た。
得られた黒青色の固形物を200mlの水に均質に分散させた後、沈殿物を減圧濾過し、黒青色の固形物を洗浄した。前記洗浄操作を数回行い、固形物中の残留イオンを除去した。ポリピロールと、ポリアニオンIとp−トルエンスルホン酸とを含有する黒青色の固形物を得た。
得られた固形物を圧縮してペレット状にした後、真空乾燥した。得られたペレットの電気伝導度を評価した。その結果を表1に示す。
6.80g(0.1mol)のピロールと、6.31g(0.014mol)のポリアニオンIIと、9.76g(0.028mol)のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとを300mlの水に溶かし、0℃に冷やした。
この溶液を0℃に保ち、掻き混ぜながら、100mlの水に溶かした22.80g(0.1mol)の過硫酸アンモニウムと8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液をゆっくり加え、3時間攪拌した。
反応により得られた沈殿物を減圧濾過し、黒青色の固形物を得た。
得られた黒青色の固形物を200mlの水に均質に分散させた後、沈殿物を減圧濾過し、黒青色の固形物を洗浄した。前記洗浄操作を数回行い、固形物中の残留イオンを除去して、ポリピロールと、ポリアニオンIIと、p−トルエンスルホン酸を含有する黒青色の固形物を得た。
得られた固形物を圧縮してペレット状にした後、真空乾燥した。得られたペレットの電気伝導度を評価した。その結果を表1に示す。
6.80g(0.1mol)のピロールと、21.3g(0.15mol)のポリアニオンVを300mlの水に溶かし、0℃に冷やした。
この溶液を0℃に保ち、掻き混ぜながら、100mlの水に溶かした22.80g(0.1mol)の過硫酸アンモニウムと8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液をゆっくり加え、3時間攪拌した。 黒青色の溶液を得た。
得られた黒青色の溶液に500mlのイソプロパノールを加え、沈殿物を減圧濾過し、黒青色の固形物を得た。得られた黒青色の固形物を200mlの水に再分散させてから300mlのイソプロパノールを加え沈殿物を減圧濾過し固形物を洗浄した。前記洗浄操作をさらに2回繰り返し、固形物中の残留イオンを除去した。ポリピロールとポリアニオンVとを含有する黒青色の固形物を得た。
得られた固形物を圧縮してペレット状にした後、真空乾燥した。得られたペレットの電気伝導度を評価した。その結果を表1に示す。
Claims (6)
- ポリアニオンと、共役導電性高分子とを含有する導電性組成物であって、
共役導電性高分子はポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類から選ばれる1種以上からなり、
ポリアニオンは、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーであって、スルホン酸基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリイソプレン共重合体を含み、アニオン基を有する構成単位の数をm、アニオン基を有さない構成単位の数をnとしたとき、m/n≦1であり、
ポリアニオン1モルが2〜7モルの共役導電性高分子にドーピングしていることを特徴とする導電性組成物。 - 前記ポリアニオンが含有するアニオン基のモル数が、前記共役導電性高分子の含有するドーパントのモル数より少ないことを特徴とする請求項1記載の導電性組成物。
- 更に、前記ポリアニオン以外のアニオンを含有することを特徴とする請求項1または2記載の導電性組成物。
- 前記ポリアニオン以外のアニオンが有機スルホン酸であることを特徴とする請求項3記載の導電性組成物。
- 前記ポリアニオンの存在下で前記共役導電性高分子の単量体を酸化重合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性組成物の製造方法。
- 前記ポリアニオンと有機スルホン酸の存在下で前記共役導電性高分子の単量体を酸化重合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性組成物の製造方法。
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