JP2014040385A - 乳化化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 べたつき感がなく、離水の問題も生じず、しかも、皮膚に塗布した際に浸透感を想起させる崩壊感を有する乳化化粧料を提供する。
【解決手段】
(a)疎水変性ポリエーテルウレタンを1.0〜2.0質量%と、(b)親水性化合物からなるゲルの破砕により得られるミクロゲルと、(c)粉末を0.5〜2.0質量%とを含有することを特徴とする。特に、(a)疎水変性ポリエーテルウレタンが(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーであることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】
(a)疎水変性ポリエーテルウレタンを1.0〜2.0質量%と、(b)親水性化合物からなるゲルの破砕により得られるミクロゲルと、(c)粉末を0.5〜2.0質量%とを含有することを特徴とする。特に、(a)疎水変性ポリエーテルウレタンが(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は乳化化粧料に関する。さらに詳しくは、べたつき感がなく、離水の問題も生じず、しかも、皮膚に塗布した際に浸透感を想起させる崩壊感を有する乳化化粧料に関する。
医薬品、化粧品等の技術分野においては、その剤型保持のために種々の増粘剤が配合されている。なかでも、粘度安定性だけでなく使用性にも優れたタイプの水溶性増粘剤として、特定の疎水変性ポリエーテルウレタンからなる会合性増粘剤が使用されるに至っている。例えば、特許文献1には、水溶性モノマーと疎水性モノマーからなる比較的低分子量の疎水変性ポリエーテルウレタンからなる会合性増粘剤が、塩濃度やpHなどの外的要因に対して優れた増粘安定性を有し、しっとりさ等の使用性にも優れることが記載されている。また、特許文献2には、疎水変性ポリエーテルウレタンからなる会合性増粘剤と、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤とを、所定の配合量で組み合わせることにより、相乗的に増大した増粘効果が得られることに加えて、弾力性に優れた新規な感触が得られることが記載されている。
一方、べたつき感がなく、系の粘性低下の問題を生じにくい新しいタイプの増粘剤として、ゲル化能を有する親水性化合物のミクロゲルが注目されている。例えば、特許文献3には、ゼラチン、寒天、カードラン、ジェランガム、アルギン酸、カラギーナン等の親水性多糖類を水または水性成分に溶解した後、放置冷却してゲルを形成し、次いで該ゲルを粉砕して平均粒径0.1〜1000μmのミクロゲルとした増粘剤が、べたつき感、きしみ感がなく、優れた使用性を有し、しかも、薬剤成分や塩類を高配合した場合であっても粘度低下をきたすことがなく、さらに長期にわたって安定性を維持できることが記載されている。
そこで、これら二つのタイプの増粘剤を併用することにより、使用性と増粘安定性に優れた増粘系を実現する試みがなされている。特許文献4には、疎水変性ポリエーテルウレタンからなる会合性増粘剤とゲル化能を有する親水性化合物のミクロゲル増粘剤とを所定の配合量及び比率で配合することにより、使用感触に優れ、低〜中粘度域において粘度を安定に保つことができ、塩型成分を配合した場合であっても粘度変化を生じない増粘性組成物が得られることが記載されている。
しかしながら、一般に、疎水変性ポリエーテルウレタンからなる会合性増粘剤を用いると塗布後にべたつき感を生じ、特に乳化化粧料において配合量を多くした場合には、その傾向が顕著となって使用感触が悪化する場合があった。また、このようなべたつきの発生は、比較的使用性に優れるとされるミクロゲル増粘剤と併用しても十分に解消できるものではなかった。このため、べたつき感を伴うことなく、疎水変性ポリエーテルウレタンによる増粘効果及び使用感触を実現することは困難であった。
また、化粧料のべたつきを抑えることを目的として粉末を配合する場合があるが、疎水変性ポリエーテルウレタンを含む乳化化粧料に粉末を配合すると、乳化安定性が悪化し、経時的に離水を生じる場合があった。
かくして、乳化化粧料の安定性を損なうことなく、疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤に起因するべたつき感を抑制することが依然として求められている。
また、化粧料のべたつきを抑えることを目的として粉末を配合する場合があるが、疎水変性ポリエーテルウレタンを含む乳化化粧料に粉末を配合すると、乳化安定性が悪化し、経時的に離水を生じる場合があった。
かくして、乳化化粧料の安定性を損なうことなく、疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤に起因するべたつき感を抑制することが依然として求められている。
本発明者等は、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤とゲル化能を有する親水性化合物からなるミクロゲルとからなる増粘系に対してさらに粉末を配合し、なおかつ、疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤と粉末の配合量を特定の範囲に調節することによって、粉末に起因し得る乳化物の離水を引き起こすことなく、疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤に起因し得るべたつき感を抑えられることを見出し、本発明を完成するに至った。また、このような増粘系によって得られた乳化物は、皮膚に塗布する際に「浸透感を想起する崩壊感」と言うべき独特の使用感触を有することも見出した。
すなわち、本発明は、
(a)下記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを1.0〜2.0質量%と、
(b)ゲル化能を有する親水性化合物からなるゲルの破砕により得られるミクロゲルと、
(c)粉末を0.5〜2.0質量%と
を含有する乳化化粧料を提供するものである。
R1-{(O-R2)k-OCONH-R3[-NHCOO-(R4-O)n-R5]h}m (I)
[式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭素原子数2〜4の炭化水素基を示し;R3はウレタン結合を有していてもよい炭素原子数1〜10の炭化水素基を示し;R5は炭素原子数8〜36の炭化水素基を示し;mは2以上の数であり;hは1以上の数であり;kは1〜500の数であり;nは1〜200の数である。]
(a)下記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを1.0〜2.0質量%と、
(b)ゲル化能を有する親水性化合物からなるゲルの破砕により得られるミクロゲルと、
(c)粉末を0.5〜2.0質量%と
を含有する乳化化粧料を提供するものである。
R1-{(O-R2)k-OCONH-R3[-NHCOO-(R4-O)n-R5]h}m (I)
[式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭素原子数2〜4の炭化水素基を示し;R3はウレタン結合を有していてもよい炭素原子数1〜10の炭化水素基を示し;R5は炭素原子数8〜36の炭化水素基を示し;mは2以上の数であり;hは1以上の数であり;kは1〜500の数であり;nは1〜200の数である。]
本発明は、疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤とゲル化能を有する親水性化合物からなるミクロゲル増粘剤とを組み合わせた増粘系に粉末を配合し、さらに疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤と粉末の配合量を特定の範囲とすることによって、疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤に起因するべたつき感を抑えることができ、長期にわたって安定で離水等を生じることもなく、なおかつ、塗布の際に独特の使用感触である「浸透感を想起する崩壊感」を実現することができる。
本発明における「浸透感を想起する崩壊感」とは、指で軽く触れた程度の小さな負荷では弾力を感じるが、一定の負荷を超えると一気に崩れて水のように広がり、皮膚に瞬時に浸み込んでいく、みずみずしい感触を指す。その結果、容器から取り出しやすい弾力性を備える一方で、それを皮膚に伸ばす際には肌の上で溶けて浸み込むような新たな塗布感を与えることができる。
このような新規の使用感触を与える作用機構は必ずしも明らかではないが、(a)成分の疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤と、(b)成分のミクロゲルと、(c)成分の粉末とが、水溶液中にて増粘効果に好ましい巨大なネットワーク構造を形成し、その結果、増粘効果が飛躍的に増大し、乳化化粧料全体の弾力性が増大するものと考えられる。そして、このネットワーク構造は動的なため、負荷(衝撃)を与えると一気に破壊され、弾力を失って液状になるものと考えられる。
以下、本発明について詳述する。
<(a)成分>
本発明に用いられる(a)成分は下記式(I):
R1-{(O-R2)k-OCONH-R3[-NHCOO-(R4-O)n-R5]h}m (I)
で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである。該コポリマーは会合性増粘剤である。会合性増粘剤は、親水基部を骨格とし、末端に疎水性部分をもつコポリマーであり、水性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し、親水部がループ状、ブリッジ状をなし、増粘作用を示す。
本発明に用いられる(a)成分は下記式(I):
R1-{(O-R2)k-OCONH-R3[-NHCOO-(R4-O)n-R5]h}m (I)
で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである。該コポリマーは会合性増粘剤である。会合性増粘剤は、親水基部を骨格とし、末端に疎水性部分をもつコポリマーであり、水性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し、親水部がループ状、ブリッジ状をなし、増粘作用を示す。
上記式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭素原子数2〜4の炭化水素基を示す。好ましくは炭素原子数2〜4のアルキレン基である。
R3はウレタン結合を有していてもよい炭素原子数1〜10の炭化水素基を示す。
R5は炭素原子数8〜36、好ましくは12〜24の炭化水素基を示す。
mは2以上の数である。好ましくは2である。hは1以上の数である。好ましくは1である。kは1〜500の数である。好ましくは100〜300の数である。nは1〜200の数である。好ましくは10〜100の数である。
R3はウレタン結合を有していてもよい炭素原子数1〜10の炭化水素基を示す。
R5は炭素原子数8〜36、好ましくは12〜24の炭化水素基を示す。
mは2以上の数である。好ましくは2である。hは1以上の数である。好ましくは1である。kは1〜500の数である。好ましくは100〜300の数である。nは1〜200の数である。好ましくは10〜100の数である。
上記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えば、R1−[(O−R2)k−OH]m(ここで、R1、R2、k、mは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R3−(NCO)h+1(ここで、R3、hは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO−(R4−O)n−R5(ここで、R4、R5、nは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得る方法が好適例として挙げられる。
この場合、式(I)中のR1〜R5は、用いるR1−[(O−R2)k−OH]m、R3−(NCO)h+1、HO−(R4−O)n−R5により決定される。上記3者の仕込み比は、特に限定されるものでないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1〜1.4:1であるのが好ましい。
上記式R1−[(O−R2)k−OH]mで表されるポリエーテルポリオール化合物は、m価のポリオールにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド、スチレンオキシド等を付加重合することによりできる。
ここでポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタトリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の4価のアルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール;ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
また、付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等により、R2が決定されるが、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるためには、炭素原子数2〜4のアルキレンオキシドあるいはスチレンオキシドが好ましい。
付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等は単独重合、2種類以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。重合度kは1〜500である。R2に占めるエチレン基の割合は、好ましくは全R2の50〜100質量%である。
R1−[(O−R2)k−OH]mの分子量は500〜10万のものが好ましく、1000〜5万のものが特に好ましい。
上記式R3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジ−、トリ−、テトライソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5,2’,5’−テトラメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4−イソシオントフェニル)メタン、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジエトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチル−5,5’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3’−ジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのトリイソシアネートとしては、例えば、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)で用いられてもよく、また、アミンと反応させてビウレットとして用いてもよい。
さらに、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。ポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。なお、R3−(NCO)h+1として3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、このウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
上記式HO−(R4−O)n−R5で表されるポリエーテルモノアルコールは1価アルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。このような化合物は、1価アルコールにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド、スチレンオキシド等を付加重合することにより得ることができる。
ここでいう1価アルコールは、下記式(II)、(III)、(IV)で表される。
R6−OH (II)
したがって、R5は、上記式(II)〜(IV)において水酸基を除いた基である。上記式(II)〜(IV)においてR6、R7、R8、R10およびR11は炭化水素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等である。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アルキルアリール基としては、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
上記式(III)において、R9は炭化水素基であり、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等である。
また、R5は、炭化水素基であり、そのうちアルキル基であることが好ましく、さらにその合計の炭素原子数が8〜36が好ましく、12〜24が特に好ましい。
また、付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等は、単独重合、2種以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。重合度nは0〜1000であり、好ましくは1〜200、さらに好ましくは10〜200が良い。また、R4に占めるエチレン基の割合が、好ましくは、好ましくは全R4の50〜100重量%、さらに好ましくは、65〜100重量%であると、本発明の目的に良好な会合性増粘剤が得られる。
上記式(I)で表されるコポリマーを製造する方法としては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応と同様にして、例えば、80〜90℃で1〜3時間加熱し、反応せしめて得ることができる。
また、R1−[(O−R2)k−OH]mで表されるポリエーテルポリオール(A)と、R3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネート(B)と、HO−(R4−O)n−R5で表されるポリエーテルモノアルコール(C)とを反応させる場合には、式(I)の構造のコポリマー以外のものも副生することがある。例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としては式(I)で表されるC−B−A−B−C型のコポリマーが生成するが、その他、C−B−C型、C−B−(A−B)x−A−B−C型等のコポリマーが副生することがある。この場合、特に式(I)型のコポリマーを分離することなく、式(I)型のコポリマーを含む混合物の状態で本発明に使用することができる。
特に好ましい(a)成分としては、(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー(上記式(I)に示すコポリマーであって、R1、R2、R4がそれぞれエチレン基、R3=ヘキサメチレン基、R5=2−ドデシルドデシル基、h=1、m=2、k=120、n=20)が挙げられる。当該コポリマーは、商品名「アデカノールGT−700」として株式会社ADEKAから市販されている。
(a)成分の配合量は、乳化化粧料の全量に対して、1.0〜2.0質量%であり、好ましくは1.2〜1.7質量%である。1.0質量%未満では「浸透感を想起する崩壊感」を実現できず、一方、2.0質量%超では、べたつきの抑制が難しくなる傾向があるので好ましくない。
<(b)成分>
(b)成分であるゲル化能を有する親水性化合物からなるゲルの破砕により得られるミクロゲルとして、本発明では、ゲル化能を有する親水性化合物を水または水性成分に溶解した後、放置冷却して形成したゲルを粉砕してなる平均粒径0.1〜1000μmのミクロゲルが好ましく用いられる。
(b)成分であるゲル化能を有する親水性化合物からなるゲルの破砕により得られるミクロゲルとして、本発明では、ゲル化能を有する親水性化合物を水または水性成分に溶解した後、放置冷却して形成したゲルを粉砕してなる平均粒径0.1〜1000μmのミクロゲルが好ましく用いられる。
このようなミクロゲル増粘剤は、従来化粧料に用いられてきた増粘多糖類あるいは合成高分子増粘剤と異なり、分子レベルの絡み合いにより増粘効果を発揮するものではなく、ゲルを粉砕したミクロゲル同士の摩擦により増粘効果を発揮する。したがって、高分子溶液に特徴的な曳糸性は全くみられず、非常にさっぱりとした使用感を実現することができる。また、高分子溶液は配合する薬剤、塩等による影響を受けて粘度低下を起こし、配合が制限される場合があるが、ミクロゲルはそのような心配もない。
ミクロゲルを形成する上記ゲル化能を有する親水性化合物としては、化粧料、医薬品分野で用いられ得るものであれば特に限定されるものでない。具体的には、ゼラチン、コラーゲン等の親水性タンパク質や、寒天、カードラン、スクレログルカン、シゾフィラン、ジェランガム、アルギン酸、カラギーナン、マンナン、ペクチン、ヒアルロン酸等の親水性多糖類等が例示される。中でも、ゼラチン、寒天、カードラン、ジェランガム、アルギン酸、カラギーナンは、塩やイオンの影響を受け難く、安定なゲルを調製可能であることから特に好ましく用いられる。ゲル化能を有する親水性化合物は1種または2種以上を用いることができる。
これらゲル化能を有する親水性化合物を用いてミクロゲルを調製する方法は特に限定されるものではなく、一般的な方法を用いることができる。以下、典型的な調製方法について説明する。
まず、ゲル化能を有する親水性化合物を水または水性成分に溶解した後、放置冷却して固化させ、ゲルを形成する。上記化合物の水または水性成分への溶解は、混合、加熱等によって行うことができる。ゲル化(固化)は、溶解後、加熱を止めてゲル化温度(固化温度)より低温となるまで放置(静置)することにより行う。
まず、ゲル化能を有する親水性化合物を水または水性成分に溶解した後、放置冷却して固化させ、ゲルを形成する。上記化合物の水または水性成分への溶解は、混合、加熱等によって行うことができる。ゲル化(固化)は、溶解後、加熱を止めてゲル化温度(固化温度)より低温となるまで放置(静置)することにより行う。
水性成分としては、化粧料、医薬品分野において用いられ得る水性成分であれば特に限定されるものでなく、例えば1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類や、エタノール、プロパノール等の低級アルコールのほか、一般に化粧料の水相成分として配合される成分を含有することができる。具体的には、メタリン酸塩、エデト酸塩等のキレート剤や、pH調整剤、防腐剤等が例示されるが、これら例示に限定されるものでない。なお、ゲル化能を有する親水性化合物としてジェランガムを用いる場合、ゲル強度をより向上させるために、水性成分中に陽イオンを添加するのが好ましい。陽イオンとしては、特に限定されるものでないが、1価または2価の陽イオンが好ましく、具体的には1価の陽イオン(H+)を放出する酸、例えば酢酸、クエン酸等、1価または2価の陽イオン、例えばMg++、Ca++、Na+、K+を放出する塩、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
上記ゲルのゲル強度は、ゲル自体がその形状を維持でき、また次工程のミクロゲルを得ることができる程度のものであれば特に限定されるものでない。本発明では、ゲル強度がかなり高いものでも使用することができ、例えばゼリー強度が1,000g/cm2(日寒水式測定)若しくはそれ以下程度の高ゼリー強度のものでも用いることができる一方、ゼリー強度30g/cm2程度のかなり弱いゲル強度でもミクロゲルを得ることができる。使用性向上の点からはゼリー強度100g/cm2前後のものが好ましい。
次いで、上記形成されたゲルをホモジナイザー、ディスパー、メカニカルスターラー等により破砕し、望みのミクロゲルを得る。本発明においてミクロゲルの平均粒径は0.1〜1,000μmであり、好ましくは1〜300μm程度、より好ましくは10〜200μm程度である。ミクロゲルの平均粒径が1,000μm超では、指どれが悪くなるなど使用性上問題となる場合があり、一方、0.1μm未満ではゲル製剤としての粘性が保てなくなる場合もある。破砕の度合いは、得られるミクロゲルの平均粒径が上記範囲を逸脱しない程度において、目的に応じて調節可能であり、より滑らかな使用性が必要とされる場合には高速攪拌により十分に破砕し、細かな粒径のミクロゲルとし、一方、ミクロゲル自体の触感を必要とする場合には軽い攪拌により破砕の度合いを弱めてやや大き目の粒径のミクロゲルとする。
このようにして得られるミクロゲルの粘度は、用途に応じて必要とされる粘度が異なり、一概にいえないが、例えば寒天を用いた場合、寒天濃度0.5〜2%程度で、BL型粘度計(12回転、25℃)による測定で2,000〜1,000,000mPa.s程度のものが好ましい。
(b)成分の配合量は、特に限定されるものではないが、乳化化粧料の全量に対して、好ましくは0.1〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.2〜2.0質量%である。上記配合量の範囲外では、浸透感を想起する崩壊感を実現できない傾向があるので好ましくない。
<(c)成分>
本発明で用いられる(c)成分の粉末としては、樹脂または無機材料からなる粉末を用いることができる。
樹脂粉末としては、通常化粧品や医薬品に配合できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド樹脂(ナイロン粉末)ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリウレタン粉末、ポリスチレン粉末、ポリアクリル酸アルキル粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、シリコーン粉末、架橋型シリコーン粉末等が挙げられる。市販品としては、ポリメチルシルセスキオキサン粉末(「トスパール2000B」 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、シリコーン複合パウダー(「KSP100」 信越化学工業株式会社製)、ポリメチルメタクリレート(「マツモトマイクロスフェアーM−330」 マツモト油脂社製)等を挙げることができる。
また無機粉末としては、通常化粧品や医薬品に配合できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。市販品としては、シリカ粉末(「サンスフェアL−51S」 AGCエスアイテック株式会社製)等を挙げることができる。
本発明で用いられる(c)成分の粉末としては、樹脂または無機材料からなる粉末を用いることができる。
樹脂粉末としては、通常化粧品や医薬品に配合できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド樹脂(ナイロン粉末)ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリウレタン粉末、ポリスチレン粉末、ポリアクリル酸アルキル粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、シリコーン粉末、架橋型シリコーン粉末等が挙げられる。市販品としては、ポリメチルシルセスキオキサン粉末(「トスパール2000B」 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、シリコーン複合パウダー(「KSP100」 信越化学工業株式会社製)、ポリメチルメタクリレート(「マツモトマイクロスフェアーM−330」 マツモト油脂社製)等を挙げることができる。
また無機粉末としては、通常化粧品や医薬品に配合できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。市販品としては、シリカ粉末(「サンスフェアL−51S」 AGCエスアイテック株式会社製)等を挙げることができる。
(c)成分の粉末の平均粒径は0.5〜30μmが好ましく、より好ましくは1〜15μmである。平均粒径が上記範囲外であると、べたつき感の抑制や離水安定性の維持が難しくなる傾向がある。
(c)成分の配合量は、乳化化粧料の全量に対して、0.5〜2.0質量%であり、好ましくは0.8〜1.5質量%である。0.5質量%未満ではべたつきを十分に抑制できず、一方、2.0質量%超では、離水安定性が損なわれる傾向がある。
<乳化化粧料>
本発明の乳化化粧料には、通常、化粧料に配合し得る添加成分、例えば、上記以外の増粘剤、油分、アルコール、天然高分子、合成高分子、糖類、各種抽出液、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、色素、香料、pH調整剤等を、本発明の目的、効果を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
本発明の乳化化粧料には、通常、化粧料に配合し得る添加成分、例えば、上記以外の増粘剤、油分、アルコール、天然高分子、合成高分子、糖類、各種抽出液、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、色素、香料、pH調整剤等を、本発明の目的、効果を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
本発明の乳化化粧料は、30℃における粘度が好ましくは7500以上、さらに好ましくは10000以上、最も好ましくは20000以上である。30℃における粘度が当該範囲であれば、取り扱いやすい弾力性を備えると同時に、化粧料を皮膚に塗布する際には適度な崩壊感が演出される。この崩壊感と崩壊後のみずみずしい塗布感とが相俟って独特の使用感触を付与することができる。
乳化化粧料の剤型としては、ややとろみのあるジェル状、乳液状等が好適剤型として挙げられる。化粧料の具体例としては、例えば、保湿ジェル、マッサージジェル、美容液、化粧水、乳液、メーキャップ化粧料、サンケア用品、ヘアセット剤やヘアジェル等の毛髪化粧料、染毛剤、ボディケア用品等に好ましく適用される。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、配合量は全量に対する質量%を表す。
表1に示す処方にて、常法により乳化組成物を製造し、以下の評価を行った。
<粘度>
各試料(組成物)を30℃で一週間静置した後、BL型粘度計(ロータNo.3、12回転)により粘度(mPa・s)を測定した。
各試料(組成物)を30℃で一週間静置した後、BL型粘度計(ロータNo.3、12回転)により粘度(mPa・s)を測定した。
<べたつきのなさ>
専門パネル(女性10名)に各試料(組成物)を使用してもらい、肌への塗布時のべたつきのなさについて、下記の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:7名以上がべたつきがないと回答
△:3〜6名がべたつきがないと回答
×:2名以下がべたつきがないと回答。
専門パネル(女性10名)に各試料(組成物)を使用してもらい、肌への塗布時のべたつきのなさについて、下記の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:7名以上がべたつきがないと回答
△:3〜6名がべたつきがないと回答
×:2名以下がべたつきがないと回答。
<浸透感を想起する崩壊感>
専門パネル(女性10名)に各試料(組成物)を使用してもらい、肌への塗布時に新規な使用感触である「浸透感を想起する崩壊感」を感じるかどうか、下記の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:8名以上が新規な使用感触を感じると回答
○△:5〜7名が新規な使用感触を感じると回答
△:3〜4名が新規な使用感触を感じると回答
×:2名以下が新規な使用感触を感じると回答。
専門パネル(女性10名)に各試料(組成物)を使用してもらい、肌への塗布時に新規な使用感触である「浸透感を想起する崩壊感」を感じるかどうか、下記の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:8名以上が新規な使用感触を感じると回答
○△:5〜7名が新規な使用感触を感じると回答
△:3〜4名が新規な使用感触を感じると回答
×:2名以下が新規な使用感触を感じると回答。
<離水安定性>
各試料(組成物)を25℃で一週間静置した後、離水の有無を以下の評価基準に基づいて目視にて判断した。
○:離水は観察されなかった
△:僅かな離水が認められたが、許容できる程度
×:離水量が多く、化粧料として使用に支障がある。
各試料(組成物)を25℃で一週間静置した後、離水の有無を以下の評価基準に基づいて目視にて判断した。
○:離水は観察されなかった
△:僅かな離水が認められたが、許容できる程度
×:離水量が多く、化粧料として使用に支障がある。
*2 ケルコゲル(CPケルコ社)のジェランガム1%水分散液を80℃に加熱し完全に溶解したことを確認した後、塩化ナトリウム2.8%水溶液を添加し均一に攪拌し、静置して得られたゲル状組成物をホモジナイザーにより破砕したミクロゲル(平均粒径約50μm)
*3 アデカノールGT−700(株式会社ADEKA)
*4 サンスフェアL−51S(AGCエスアイテック株式会社)
表1から明らかなように、(a)成分である(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーと(b)成分であるジェランガムとを含む増粘系処方(比較例1)に、(c)無水ケイ酸粉末を配合することにより(比較例2)、前記増粘系に特徴的に見られるべたつき感を改善できた。しかし一方で、粉末の配合に伴って離水安定性が悪化することも確認された。また、前記増粘系において(a)成分の配合量を増加させると(比較例3〜6)、べたつきが上昇してしまうが、独特の使用感触である「浸透感を想起する崩壊感」が得られることが確認された。
そこで、(a)成分の配合量を独特の使用感触が得られる範囲とした上で、(c)成分を所定の配合量で加えたところ、使用感触を維持したまま、離水安定性を悪化させることなく、べたつきを抑制することができた(実施例1〜5)。このことから、(a)成分を1.0〜2.0質量%の範囲で配合しかつ(c)成分を0.5〜2.0質量%の範囲で配合することにより、両成分が相互に作用して、(c)成分が(a)成分に起因するべたつきを抑制すると同時に、(a)成分が(c)成分に起因する離水の発生を抑制するものと考えられる。しかし、(c)成分の配合量が多すぎる場合には離水安定性を維持することができず(比較例7)、(a)成分の配合量が多すぎる場合にはべたつきを十分に改善することはできなかった(比較例8〜9)。
そこで、(a)成分の配合量を独特の使用感触が得られる範囲とした上で、(c)成分を所定の配合量で加えたところ、使用感触を維持したまま、離水安定性を悪化させることなく、べたつきを抑制することができた(実施例1〜5)。このことから、(a)成分を1.0〜2.0質量%の範囲で配合しかつ(c)成分を0.5〜2.0質量%の範囲で配合することにより、両成分が相互に作用して、(c)成分が(a)成分に起因するべたつきを抑制すると同時に、(a)成分が(c)成分に起因する離水の発生を抑制するものと考えられる。しかし、(c)成分の配合量が多すぎる場合には離水安定性を維持することができず(比較例7)、(a)成分の配合量が多すぎる場合にはべたつきを十分に改善することはできなかった(比較例8〜9)。
次に、(c)粉末を種々の成分に変更して効果を調べた。結果を表2に示す。
*5 トスパール2000B(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
*6 シリコーンパウダーKSP100(信越化学工業株式会社)
*7 マツモトマイクロスフェアーM−330(マツモト油脂社)
表2から明らかなように、無水ケイ酸以外の材質から成る(c)粉体を比較例1の増粘系処方に配合した場合も、無水ケイ酸粉末を用いた場合(上記比較例2)と同様に、べたつき感を改善できる一方で、離水安定性が悪化することが確認された(比較例10〜12)。しかし、(a)成分の配合量を1.4質量%とすることにより、無水ケイ酸粉末を用いた場合(上記実施例1)と同様に、離水安定性を悪化させることなく、べたつきを抑制することができた(実施例6〜8)。
次に、(b)ミクロゲルを構成する親水性化合物を寒天に変更して効果を調べた。結果を表3に示す。
表3から明らかなように、寒天から成る(b)ミクロゲルを配合した場合であっても、(a)成分と組み合わせて用いることにより、独特の使用感触が得られることが確認された(実施例9)。
Claims (4)
- (a)下記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを1.0〜2.0質量%と、
(b)ゲル化能を有する親水性化合物からなるゲルの破砕により得られるミクロゲルと、
(c)粉末を0.5〜2.0質量%と
を含有する乳化化粧料。
R1-{(O-R2)k-OCONH-R3[-NHCOO-(R4-O)n-R5]h}m (I)
[式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭素原子数2〜4の炭化水素基を示し;R3はウレタン結合を有していてもよい炭素原子数1〜10の炭化水素基を示し;R5は炭素原子数8〜36の炭化水素基を示し;mは2以上の数であり;hは1以上の数であり;kは1〜500の数であり;nは1〜200の数である。] - 前記(a)疎水変性ポリエーテルウレタンが(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーである、請求項1記載の乳化化粧料。
- 前記(b)ミクロゲルを形成するゲル化能を有する親水性化合物がジェランガム及び/又は寒天である、請求項1または2に記載の乳化化粧料。
- 30℃における粘度が7500以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乳化化粧料。
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