JP2022090803A - 皮膚化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚化粧料を、疎水変性ポリエーテルウレタンのぷるぷるとした独特の感触はそのままに、肌に塗り広げやすく、肌への密着性がありながらべたつかないものとする。【解決手段】皮膚化粧料を、(A)疎水変性ポリエーテルウレタンと、(B)カルボキシビニルポリマーと、(C)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくともいずれかと、(D)高級脂肪酸とを含むものとする。【選択図】なし

Description

本発明は、疎水変性ポリエーテルウレタンを含有する皮膚化粧料に関するものである。
疎水変性ポリエーテルウレタン(Hydrophobically modified Ethoxylated Urethane Copolymer: HEUR)は、粘度安定性および使用性に優れた水溶性増粘剤であり、疎水変性ポリエーテルウレタンで増粘された組成物は、ぷるぷるした独特の感触が得られるため化粧料にも配合されている。
しかし、疎水変性ポリエーテルウレタンで増粘した組成物は、油性成分や両親媒性物質などの第3の成分の混合によりぷるぷるとした独特の感触が失われてしまうことがある。このため、従来より疎水変性ポリエーテルウレタンの配合に際しては様々な工夫がなされている。例えば、特許文献1には疎水変性ポリエーテルウレタンを150nm以下の微細な油滴を有する水中油型乳化物に配合することにより、他の増粘剤が存在しなくても相乗的な増粘効果が得られ、なおかつ疎水変性ポリエーテルウレタン含有組成物が元来有している使用感(ぷるぷるした弾力のある感触)を維持したまま高温での粘度安定性を改善できることが記載されている。
また、特許文献2には、疎水変性ポリエーテルウレタンを含むゲル状水性化粧料において、脂肪酸またはその塩を含有することで、経時での硬度の上昇が抑制され、保存安定性を向上させることができる旨、記載されている。
さらに、特許文献3には、疎水変性ポリエーテルウレタンとともに疎水性粉末や親水性の板状粉末を配合することにより、その弾力性を維持したまま固形状に固めることができ、ぷよぷよとした弾力感を有する水系固形化粧料が得られることが記載されている。
一方、特許文献4には疎水変性ポリエーテルウレタンとセルロースナノファイバーとを含有する化粧料において、両者の配合比率を調整することで、被膜性が付与されてべたつきがなくなることが記載されている。
特開2016-88868号公報 特開2016-69336号公報 国際公開第2017/188420号 特開2020-142991号公報
上記のように疎水変性ポリエーテルウレタンはぷるぷるした独特の感触を与えることができるため、皮膚等に塗布する化粧料基剤として魅力的であるが、増粘剤の常として、増粘剤の配合量を増やすと肌への密着性は上がるものの、べたつきが生じるという問題がある。密着感とべたつきのなさはいわゆる二律背反の関係であるため、両立することは極めて困難である。また、化粧料の静置粘度が高いと通常は動粘度も高くなるが、動粘度が高いと肌に塗り広げにくい(使用時にのびが悪い)という問題がある。さらに、化粧料をマスク用基剤として使用する場合、基剤を高粘度に調製すれば液だれを防止することができ、また、シートの密着性は良くなるものの、シートを剥がした後に肌がべたつくという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、疎水変性ポリエーテルウレタンのぷるぷるとした独特の感触はそのままに、肌に塗り広げやすく、肌への密着性がありながらべたつかない皮膚化粧料を提供することを目的とするものである。
本発明の皮膚化粧料は、
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンと、
(B)カルボキシビニルポリマーと、
(C)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくともいずれかと、
(D)高級脂肪酸と
を含むものである。
(D)高級脂肪酸はイソステアリン酸であることが好ましい。
イソステアリン酸は化粧料全量に対し0.2~1質量%含むことが好ましい。
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンは(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーであることが好ましい。
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンに対するイソステアリン酸の質量比は0.3~1.6であることが好ましい。
(C)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルは(モノ)イソステアリン酸PEG-20グリセリルであることが好ましい。
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油はPEG60水添ヒマシ油であることが好ましい。
(B)カルボキシビニルポリマーを化粧料全量に対し0.01~1質量%含むことが好ましい。
さらに(E)ジグリセリンを化粧料全量に対し0.2~4質量%含むことが好ましい。
さらに(F)25℃における動粘度が50mm2/s以上のジメチコンを化粧料全量に対し2~5質量%含むことが好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、マスク用基剤であってもよい。
本発明の皮膚化粧料は、
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンと、
(B)カルボキシビニルポリマーと、
(C)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくともいずれかと、
(D)高級脂肪酸と
を含むので、疎水変性ポリエーテルウレタンのぷるぷるとした独特の感触はそのままに、肌に塗り広げやすく、肌への密着性がありながらべたつかないものとすることができる。
以下、本発明の皮膚化粧料について詳細に説明する。
本発明の皮膚化粧料は、
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンと、
(B)カルボキシビニルポリマーと、
(C)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくともいずれかと、
(D)高級脂肪酸と
を含むものである。
以下、各成分について説明する。なお、以下において各成分を、単に(A)成分、(B)成分等と称する場合がある。
また、本明細書において、HDIはヘキサメチレンジイソシアネート、POEはポリオキシエチレン、PEGはポリエチレングリコール、POPはポリオキシプロピレン、PPGはポリプロピレングリコール、DPGはジプロピレングリコール、BGはブチレングリコール、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシドの略である。
(A)疎水変性ポリエーテルウレタン
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンは下記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである。
Figure 2022090803000001
上記式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭素原子数2~4のアルキレン基、またはフェニルエチレン基を示す。好ましくは炭素原子数2~4のアルキレン基である。
3はウレタン結合を有していてもよい炭素原子数1~10のアルキレン基を示す。
5は炭素原子数8~36、好ましくは12~24の、直鎖、分岐または2級のアルキル基を示す。
mは2以上の数である。好ましくは2である。
hは1以上の数である。好ましくは1である。
kは1~500の数である。好ましくは100~300の数である。
nは1~200の数である。好ましくは10~100の数である。
上記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えば、R1-[(O-R2k-OH]m(ここで、R1、R2、k、mは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R3-(NCO)h+1(ここで、R3、hは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO-(R4-O)n-R5(ここで、R4、R5、nは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得る方法が好適例として挙げられる。
この場合、式(I)中のR1~R5は、用いるR1-[(O-R2k-OH]m、R3-(NCO)h+1、HO-(R4-O)n-R5により決定される。上記3者の仕込み比は、特に限定されるものでないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1~1.4:1であるのが好ましい。
上記式R1-[(O-R2k-OH]mで表されるポリエーテルポリオール化合物は、m価のポリオールにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド、スチレンオキシド等を付加重合することによりできる。
ここでポリオールとしては、2~8価のものが好ましく、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,3-ペンタトリオール、2-メチル-1,2,3-プロパントリオール、2-メチル-2,3,4-ブタントリオール、2-エチル-1,2,3-ブタントリオール、2,3,4-ペンタントリオール、2,3,4-ヘキサントリオール、4-プロピル-3,4,5-ヘプタントリオール、2,4-ジメチル-2,3,4-ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,4-ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4-ペンタンテトロール、2,3,4,5-ヘキサンテトロール、1,2,4,5-ペンタンテトロール、1,3,4,5-ヘキサンテトロール等の4価のアルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール;ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
また、付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等により、R2が決定されるが、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるためには、炭素原子数2~4のアルキレンオキシドあるいはスチレンオキシドが好ましい。
付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等は単独重合、2種類以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。重合度kは1~500である。R2に占めるエチレン基の割合は、好ましくは全R2の50~100質量%である。
1-[(O-R2k-OH]mの分子量は500~10万のものが好ましく、1000~5万のものが特に好ましい。
上記式R3-(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジ-、トリ-、テトライソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアネート、3-メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3-ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,6-ナフタレンジイソシアネート、2,7-ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,5,2’,5’-テトラメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4-イソシオントフェニル)メタン、3,3’-ジメトキシジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジメトキシジフェニルメタン-3,3’-ジイソシアネート、4,4’-ジエトキシジフェニルメタン-3,3’-ジイソシアネート、2,2’-ジメチル-5,5’-ジメトキシジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジクロロジフェニルジメチルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ベンゾフェノン-3,3’-ジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのトリイソシアネートとしては、例えば、1-メチルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,7-ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、3-メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)で用いられてもよく、また、アミンと反応させてビウレットとして用いてもよい。
さらに、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。ポリオールとしては、2~8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。なお、R3-(NCO)h+1として3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、このウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
上記式HO-(R4-O)n-R5で表されるポリエーテルモノアルコールは、直鎖および分岐鎖または2級の1価アルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。このような化合物は、直鎖および分岐鎖または2級の1価アルコールにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド、スチレンオキシド等を付加重合することにより得ることができる。
ここでいう直鎖アルコールとは、下記式(II)で表される。
6-OH (II)
また、ここでいう分岐鎖アルコールとは、下記式(III)で表される。
Figure 2022090803000002
また、2級アルコールとは、下記式(IV)で表される。
Figure 2022090803000003
したがって、R5は、上記式(II)~(IV)において水酸基を除いた基である。上記式(II)~(IV)においてR6、R7、R8、R10およびR11は炭化水素基またはフッ素炭素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等である。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2-オクチルドデシル、2-ドデシルヘキサデシル、2-テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐-イソステアリル等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アルキルアリール基としては、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、α-ナフチル、β-ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
上記式(III)において、R9は炭化水素基、またはフッ化炭素基であり、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等である。
また、R5は、炭化水素基またはフッ化炭素基であり、そのうちアルキル基であることが好ましく、さらにその合計の炭素原子数が8~36が好ましく、12~24が特に好ましい。
また、付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等は、単独重合、2種以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。重合度nは0~1000であり、好ましくは1~200、さらに好ましくは10~200が良い。また、R4に占めるエチレン基の割合が、好ましくは全R4の50~100質量%、さらに好ましくは、65~100質量%であることが望ましい。
上記式(I)で表されるコポリマーを製造する方法としては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応と同様にして、例えば、80~90℃で1~3時間加熱し、反応せしめて得ることができる。
また、R1-[(O-R2k-OH]mで表されるポリエーテルポリオール(a)と、R3-(NCO)h+1で表されるポリイソシアネート(b)と、HO-(R4-O)n-R5で表されるポリエーテルモノアルコール(c)とを反応させる場合には、式(I)の構造のコポリマー以外のものも副生することがある。例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としては式(I)で表されるc-b-a-b-c型のコポリマーが生成するが、その他、c-b-c型、c-b-(a-b)x-a-b-c型等のコポリマーが副生することがある。この場合、特に式(I)型のコポリマーを分離することなく、式(I)型のコポリマーを含む混合物の状態で本発明に使用することができる。
特に好ましい例として、INCI名称が「(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー(PEG-240/HDI COPOLYMER BISDECYLTETRADECETH-20 ETHER)」である疎水変性ポリエーテルウレタンが挙げられる。当該コポリマーは、商品名「アデカノールGT-700」として株式会社ADEKAから市販されている。
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量は、化粧料全量に対して、好ましくは0.1~3質量%、より好ましくは0.3~2.5質量%、さらには0.5~3質量%であることが望ましい。配合量が0.1質量%以上であることでぷるぷるとした独特の感触がより得られ、3質量%以下であることで肌に塗布したときにより塗り広げやすいものとすることができる。
(B)カルボキシビニルポリマー
(B)カルボキシビニルポリマー(カルボマー)は、カルボキシル基を有する水溶性のビニルポリマーであり、具体的には、アクリル酸および/またはメタクリル酸を主鎖とするポリマーである。カルボキシビニルポリマーの市販品としては、Carbopol 940、Carbopol 941、Carbopol 980、Carbopol 981(いずれもルブリゾール社製)等を使用することができる。
(B)カルボキシビニルポリマーの配合量は0.01~1質量%が好ましく、さらに好ましくは0.05~0.8質量%、さらには0.1~0.5質量%であることが望ましい。(B)カルボキシビニルポリマーの配合量が0.01質量%以上であることで、静置粘度をより充分なものすることができる。また1質量%以下であることで、より塗り広げやすく、べたつきも少ないものとすることができる。
(C)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(C)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は少なくともいずれかを含めばよく、両方を含んでいてもよい。
(ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル)
ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルとしては、例えば、(モノ)イソステアリン酸PEG-8グリセリル、(モノ)イソステアリン酸PEG-20グリセリル、(モノ)イソステアリン酸PEG-60グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルが挙げられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルは、ポリオキシエチレンの付加モル数が5~20であるものが好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルの市販品としては、ポリオキシエチレン(8)モノイソステアリン酸グリセリルであるエマレックスGWIS-108(日本エマルジョン株社製)、(モノ)イソステアリン酸PEG-20グリセリルであるエマレックスGWIS-120(同)、ポリオキシエチレン(60)モノイソステアリン酸グリセリルであるエマレックスGWIS-160(同)、ポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリルであるエマレックスGWIS-320(同)、PEG-7ヤシ油脂肪酸グリセリルであるセチオールHE(コグニスジャパン株社製)やグリセロックスHE(CRODA社)等が挙げられる。
(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、親水性であることが好ましく、エチレンオキシドの平均付加モル数が30~100、さらには40~80であることが好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の市販品としては、PEG30水添ヒマシ油であるニッコールHCO-30、PEG40水添ヒマシ油であるニッコールHCO-40、PEG60水添ヒマシ油であるニッコールHCO-60、PEG100水添ヒマシ油であるニッコールHCO-100等(いずれも日光ケミカルズ株社製)が挙げられる。このうち、PEG60水添ヒマシ油を特に好適に用いることができる。
(C)成分の配合量は0.01~1質量%が好ましく、さらに好ましくは0.05~0.8質量%、さらには0.08~0.5質量%であることが望ましい。(C)成分の配合量が0.01質量%以上であることで、化粧料のぷっくりとした感触(ぷるぷるとした感触)をより保つことができ、かつ乳化安定性もより向上させることができる。また1質量%以下であることで、よりべたつきのない感触を維持することができる。
(D)高級脂肪酸
(D)高級脂肪酸は、直鎖状または分岐鎖状の、飽和または不飽和の炭化水素基を有する炭素原子数12~22の高級脂肪酸であって、常温(25℃)で液状のものであることが好ましい。例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の直鎖脂肪酸や、イソステアリン酸、イソパルミチン酸等の分岐鎖脂肪酸が挙げられる。特にイソステアリン酸が好ましく使用できる。
(D)高級脂肪酸の配合量は0.01~3質量%が好ましく、さらに好ましくは0.05~2質量%、さらには0.1~1.5質量%、特には0.2~1質量%であることが望ましい。(D)高級脂肪酸の配合量が0.01質量%以上であることで、より肌への密着性がありながらべたつかないものとすることができる。また3質量%以下であることで、より肌に塗り広げやすいものとすることができる。
(D)高級脂肪酸がイソステアリン酸である場合、(A)疎水変性ポリエーテルウレタンに対するイソステアリン酸の質量比は0.3~1.6であることが好ましい。(A)疎水変性ポリエーテルウレタンに対するイソステアリン酸の質量比が0.3以上であることで、より肌への密着性がありながらべたつかないものとすることができる。また、1.6以下であることでより肌に塗り広げやすいものとすることができる。
(E)ジグリセリン
本発明の皮膚化粧料は、1分子内に水酸基を3個以上有する多価アルコールである(E)ジグリセリンを化粧料全量に対し0.2~4質量%含むことが好ましい。(E)ジグリセリンを化粧料全量に対し0.2~4質量%の範囲であることで、より化粧料をべたつきがないものとすることができ、またシート基剤として用いた場合には、密着性が良好でありながらもシートを剥がした後の肌のべたつきを抑制することができる。
(F)25℃における動粘度が50mm2/s以上のジメチコン
本発明の皮膚化粧料は、(F)25℃における動粘度が50mm2/s以上のジメチコンを化粧料全量に対し2~5質量%含むことが好ましい。(F)成分の配合量が化粧料全量に対し2~5質量%の範囲であることで、より化粧料をべたつきがないものとすることができ、またシート基剤として用いた場合には、密着性が良好でありながらもシートを剥がした後の肌のべたつきを抑制することができる。
なお、動粘度は25℃において、ASTM D 445-46T(JIS Z 8803でも可)によるウッベローデ粘度計により測定される値である。
本発明の皮膚化粧料は、不織布のシートに含浸させるいわゆるフェイスマスクのマスク用基剤として用いてもよい。含浸される不織布は特に限定されないが、コットン、パルプ、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどの天然繊維、再生繊維、合成繊維から選ばれる単繊維または混合繊維の単層または積層であっても良い。特にコットン、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、パルプのいずれかから選ばれる単繊維または混合繊維の積層不織布が好ましい。
本発明の皮膚化粧料には上記の(A)~(F)成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、水性成分、油性成分、粉末等を必要に応じて適宜配合することができる。
水性成分としては、水や水溶性成分などが挙げられる。水溶性成分としては、例えば低級アルコール、保湿剤、水溶性高分子(天然、半合成、合成、無機)などが挙げられる。なお、水溶性高分子は増粘目的ではない物を指す。
低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどが例示される。
保湿剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、エラスチン、アミノ酸、核酸、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物などが例示される。
天然の水溶性高分子としては、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリントガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系水溶性高分子;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグリカン、ブルラン等の微生物系水溶性高分子;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系水溶性高分子などが例示される。
半合成水溶性高分子としては、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系水溶性高分子;メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系水溶性高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系水溶性高分子などが例示される。
合成水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン等のビニル系水溶性高分子;ポリエチレングリコール20,000、同4,000,000、同600,000等のポリオキシエチレン系水溶性高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の共重合系水溶性高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系水溶性高分子のほか、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなどが例示される。
無機の水溶性高分子としては、ベントナイト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸などが例示される。
粉末成分としては、疎水性粉末、親水性粉末のいずれも用いることができる。また、粉末自体が疎水性、親水性のもののみならず、粉末表面を疎水化、親水化の処理をしてもよい。
粉末成分としては、例えばタルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末などの有機粉末や、トリメチルシルセスキオキサン粉末などのシリコーン粉末、窒化ホウ素等の無機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料;γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック、低次二酸化チタン等の無機黒色系顔料;マンゴバイオレット、バルトバイオレット等の無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青等の無機青色系顔料;二酸化チタンコーテッドマイカ、二酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、二酸化チタンコーテッドタルク、着色二酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料等が挙げられる。
これら粉末成分を疎水化処理する方法としては、疎水化処理方法としては、撥水性を付与できる方法であればいかなるものでもよく、その方法は問わないが、例えば気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等、通常の表面処理方法を用いることができる。疎水化処理剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸デキストリン処理粉末、トリメチルシロキシ珪酸処理粉末、フッ素変性トリメチルシロキシ珪酸処理粉末、メチルフェニルシロキシ珪酸処理粉末、フッ素変性メチルフェニルシロキシ珪酸処理粉末、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の低粘度~高粘度油状ポリシロキサン処理粉末、ガム状ポリシロキサン処理粉末、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、フッ素変性メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、メチルトリクロルシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルクロルシラントリメチルアルコキシシラン等の有機シリル化合物あるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、エチルトリクロルシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリクロルシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリクロルシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリクロルシラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン等の有機変性シランあるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、アミノ変性ポリシロキサン処理粉末、フッ素変性ポリシロキサン処理粉末、フッ化アルキルリン酸処理粉末等が挙げられる。
本発明の皮膚化粧料に配合される油性成分は、通常化粧料に配合され得る油性成分であれば特に限定されるものでなく、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等が挙げられる。
油脂としては、アボガド油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂;カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂などが例示される。
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテルなどが例示される。
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが例示される。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール;モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分岐鎖アルコールなどが例示される。
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリー2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-クチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、クロタミトン(C1317NO)などが例示される。
シリコーン油としては、(F)以外のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン等の環状ポリシロキサン;3次元網目構造を形成しているシリコ-ン樹脂、シリコーンゴムなどが例示される。
乳化剤としては、グリセリンまたはポリグリセリン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビット脂肪酸エステル類、POE脂肪酸エステル類、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POE蜜ロウ・ラノリン誘導体、アルカノールアミド類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル類、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド類から選択される1種または2種以上を配合する。
上記例示した成分以外のその他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、トラネキサム酸、メトキシサリチル酸カリウム(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)、アスコルビン酸グルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等);紫外線吸収剤等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
本発明の皮膚化粧料は、皮膚に適用する形態、特に限定されるものではないが、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液などの形態とすることができる。特に、本発明の皮膚化粧料をシートに含浸させて使用した場合には、液だれを抑制することができ、シートは肌への密着性が良好で、シートを剥がした後でも肌がべたつくことが少ないものとすることができるので、マスク用基剤として好適に用いることができ、シートに含浸させたシート状化粧料の形態とすることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限りすべて質量%である。
(実施例および比較例)
下記表1および2に示す処方で皮膚化粧料を作製し、作製した化粧料について静置粘度および動粘度を以下の条件で測定するとともに、化粧料の状態や使用性について以下の基準で評価した。
(静置粘度)
作製した化粧料について、レオメーターとしてMCR300(Anton―Paar社製)を用い、25℃雰囲気下において、せん断速度0.05[1/s]時の粘度を測定した。
(動粘度)
作製した化粧料についてVISCOMETER TVB-15(東機産業社製)、ローターNo.2、No.3、No.4を用い、回転数12rpm、1分間の条件で測定した。
(化粧料の状態)
調製した皮膚化粧料を目視で確認し、以下の基準で評価した。
A:正常
B:表面の油浮きが見られる
C:クリーミングもしくは分離が見られる
(ぷっくりさ)
調製した皮膚化粧料を専門パネラー10名に使用してもらい、ぷっくりさについて評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価点>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<評価基準>
A+:平均点が4.5点以上
A :平均点が3.5点以上4.5点未満
B :平均点が2.5点以上3.5点未満
C :平均点が2.5点未満
(べたつきのなさ)
調製した皮膚化粧料を専門パネラー10名に使用してもらい、べたつきのなさについて評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価点>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<評価基準>
A+:平均点が4.5点以上
A :平均点が3.5点以上4.5点未満
B :平均点が2.5点以上3.5点未満
C :平均点が2.5点未満
(シートの密着感)
調製した皮膚化粧料を不織布シート1g当たり1.5ml含浸させたフェイスマスクを10分間専門パネラー10名に使用してもらい、シートの密着感について評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価点>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<評価基準>
A+:平均点が4.5点以上
A :平均点が3.5点以上4.5点未満
B :平均点が2.5点以上3.5点未満
C :平均点が2.5点未満
(シートをはがした後のべたつきのなさ)
調製した皮膚化粧料を不織布シート1g当たり1.5ml含浸させたフェイスマスクを10分間専門パネラー10名に使用してもらい、シートをはがした後のべたつきのなさについて評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価点>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<評価基準>
A+:平均点が4.5点以上
A :平均点が3.5点以上4.5点未満
B :平均点が2.5点以上3.5点未満
C :平均点が2.5点未満
処方および評価結果を表1および2に示す。なお、表に示す成分のうち、主だったものの市販品名を以下に示す。
・(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー:アデカノールGT-700(株式会社ADEKA製)純分99.95質量%
・カルボマー:カーボポール980(日光ケミカルズ株社製)
・イソステアリン酸PEG-20グリセリル:エマレックスGWIS-120(日本エマルジョン株社製)
・PEG-60水添ヒマシ油:ニッコールHCO-60(日光ケミカルズ株社製)
・ジメチコン*1:シリコーンKF-96A-6T(信越シリコーン社製)
・ジメチコン*2:メチルポリシロキサン100CS(25℃における動粘度100mm2/s)
・イソステアリン酸:イソステアリン酸SX(高級アルコール工業社製)
Figure 2022090803000004
Figure 2022090803000005
表1に示すように本発明の皮膚化粧料は、疎水変性ポリエーテルウレタンのぷるぷるとした独特の感触(ぷっくりさ)はそのままでありながら、静置粘度が高いにもかかわらず動粘度が比較的低いので、肌に塗り広げやすく、肌への密着性がありながらべたつかない使用感が得られた。また、シートの基剤として用いた場合、密着性が良好でありながら、シートを剥がした後はべたつかないという、相反する効果を実現することができた。
実施例1~4はイソステアリン酸の配合量を変更した例であるが、実施例に示す処方においては、イソステアリン酸が化粧料全量に対し0.2~1質量%の範囲の場合、疎水性変ポリエーテルウレタンのぷっくり感はそのままでありながら、べたつきがない使用感が得られ、また、シートの基剤として用いた場合には、密着性が良好でありながら、シートを剥がした後はべたつかず、特にイソステアリン酸が化粧料全量に対し0.5~1質量%の範囲ではシートを剥がした後のべたつきがより改善された。
実施例5は(A)成分の量を変更した例、実施例6は(C)成分の量を変更した例、実施例7は(C)成分のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルをポリオキシエチレン硬化ヒマシ油に変更した例、実施例8は(B)成分の量を変更した例であるが、いずれの場合も疎水変性ポリエーテルウレタンのぷっくり感はそのままでありながら、べたつきがなく、シートの基剤として用いた場合、密着性が良好でありながら、シートを剥がした後はべたつかなかった。また、実施例9は油分のジメチコンを動粘度が100mm2/sのジメチコンに変更した例、実施例10はさらにジグリセリンを追加した例、実施例11はDPGを追加した例であるが、これらの場合は実施例8よりも、よりべたつきのない使用感が得られ、シートを剥がした後のべたつきがより改善された。
一方、(A)成分と(C)成分と(D)成分を含まない比較例1は、(A)成分を含まないためべたつきはなかったもののぷっくり感も得られず、シートの基剤として用いた場合には密着性が悪かった。(C)成分と(D)成分を含まない比較例2、(D)成分を含まない比較例3はシートを剥がした後にべたつきが残った。比較例2や3は実施例と同量の(A)成分を含むが、(C)成分や(D)成分を含まないために、疎水変性ポリエーテルウレタンのぷっくりとした使用感とべたつかない使用感を両立することができなかった。
(C)成分を含まない比較例4は、特に基剤のぷっくりさ、シートの密着感において、実施例1~4と比較して評価が低い結果となった。(A)成分の配合量を減らした(D)成分を含まない比較例5は(A)成分の配合量が同じ実施例5と比較して、べたつきがあり、シートの基剤として用いた場合の密着性、シートを剥がした後のべたつきのなさにおいて、評価が低下した。これらのことから(A)~(D)の組み合わせがぷっくりさや密着感を良好なものとし、さらに(D)がべたつきのなさに寄与しているものと考えられる。(B)成分と(D)成分を含まない比較例6、(B)成分を含まない比較例7は、基剤に粘度を付与することができなかったため化粧料がクリーミングを起こした(このため、比較例6および7は使用性評価を行わなかった)。また(B)成分を含まない場合には(D)成分を含んでいても静置粘度には大きな差が出ず、静置粘度の向上には(B)成分と(D)成分の併用が有効であることがわかる。
比較例3と実施例1~4の静置粘度を比較すると、比較例3は92290mPa・s、実施例1~4は125200~169600mPa・s、一方、比較例3の動粘度は15900、実施例1~4の動粘度は14850~19900mPa・sであり、実施例は静置粘度が高いわりに、動粘度が低いことがわかる。このことから、(D)成分を配合するとともに、(C)成分と(B)成分を併用することで、べたつきがない状態で粘度を上げることができるため、べたつきのなさと密着性の向上の両立を図ることができることがわかる。また、静置粘度が高くても動粘度が低いため、化粧料に力をかけるとすぐに崩れるため、塗り広げやすく、のびのよい使用性を備えていることもわかる。同じことが、比較例5と実施例5の比較からも言える。

Claims (11)

  1. (A)疎水変性ポリエーテルウレタンと、
    (B)カルボキシビニルポリマーと、
    (C)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくともいずれかと、
    (D)高級脂肪酸と
    を含む皮膚化粧料。
  2. 前記(D)高級脂肪酸がイソステアリン酸である請求項1記載の皮膚化粧料。
  3. 前記イソステアリン酸を化粧料全量に対し0.2~1質量%含む請求項2記載の皮膚化粧料。
  4. 前記(A)疎水変性ポリエーテルウレタンが(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーである請求項1、2または3記載の皮膚化粧料。
  5. 前記(A)疎水変性ポリエーテルウレタンに対する前記イソステアリン酸の質量比が0.3~1.6である請求項3または4記載の皮膚化粧料。
  6. 前記(C)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルが(モノ)イソステアリン酸PEG-20グリセリルである請求項1~5いずれか1項記載の皮膚化粧料。
  7. 前記(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がPEG60水添ヒマシ油である請求項1~6いずれか1項記載の皮膚化粧料。
  8. 前記(B)カルボキシビニルポリマーを化粧料全量に対し0.01~1質量%含む請求項1~7いずれか1項記載の皮膚化粧料。
  9. さらに(E)ジグリセリンを化粧料全量に対し0.2~4質量%含む請求項1~8いずれか1項記載の皮膚化粧料。
  10. さらに(F)25℃における動粘度が50mm2/s以上のジメチコンを化粧料全量に対し2~5質量%含む請求項1~9いずれか1項記載の皮膚化粧料。
  11. マスク用基剤である請求項1~10いずれか1項記載の皮膚化粧料。
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