JP2014039010A - 半導体素子、感放射線性樹脂組成物、硬化膜および表示素子 - Google Patents

半導体素子、感放射線性樹脂組成物、硬化膜および表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】光の影響による特性低下を低減した半導体素子を提供し、その形成に用いる感放射線性樹脂組成物と硬化膜を提供し、表示素子を提供する。
【解決手段】半導体素子1は、基板10の上に半導体層2と、その第1面に設けられたソース電極3とドレイン電極4とを有する。半導体層2と、ソース電極3およびドレイン電極4との間には、光酸発生体を含む感放射線性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜5が配置される。半導体層2の第1面とドレイン電極4との電気的な接続は、硬化膜5のパターニングにより形成されたスルーホール6を介して行われる。硬化膜5は、光酸発生体による遮光性を有する。半導体素子1を用い、半導体基板を構成し、表示素子である液晶表示素子を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子、感放射線性樹脂組成物、硬化膜および表示素子に関する。
表示素子である液晶表示素子は、一対の基板に液晶を挟持して構成される。各基板の表面には、液晶の配向を制御するように配向膜が設けられている。そして、基板間に電界を印加することで液晶に配向変化を生じさせる。液晶表示素子では、その液晶の配向変化に対応して、光を部分的に透過し、または遮蔽する。液晶表示素子は、こうした特性を利用して画像を表示することができる。液晶表示素子には、従来のCRT方式の表示素子に比較して、薄型化や軽量化が図れるといった利点がある。
開発当初の液晶表示素子は、キャラクタ表示等を中心とする電卓や時計の表示素子として利用された。その後、単純マトリクス方式の開発によって、ドットマトリクス表示が容易となったことにより、ノートパソコンの表示素子等へと用途を拡大した。次いで、半導体素子であるTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)の開発により、アクティブマトリクス方式の液晶表示素子が開発された。そして、コントラスト比や応答性能に優れた良好な画質を実現できるようになり、さらに、高精細化、カラー化および視野角拡大等の課題も克服したことによって、デスクトップコンピュータのモニター用等にも用いられるようになった。最近では、より広い視野角、液晶の高速応答化および表示品位の向上等が実現され、薄型のテレビ用表示素子として利用されるに至っている。
そして、近年、液晶表示素子は、さらなら高性能化が求められ、例えば、大型テレビを提供する大画面化や、フレキシブル基板を使用したフレキシブル化等が求められるようになっている。そのため、液晶表示素子の主要な構成要素をなすTFTにも、高性能化が求められている。
従来、半導体素子であるTFTは、半導体層にアモルファスシリコンや多結晶シリコンを用いるものが多用されてきた。そして最近では、より低温で形成できて、樹脂基板等のフレキシブル基板上での形成が可能であり、また、所望とする移動度が得られるように、新たな構造のTFTの検討もなされている。
例えば、特許文献1には、半導体層に透明な酸化物半導体を用いるTFTの技術が開示されている。特許文献1に記載のTFTでは、半導体層にIGZO(酸化インジウムガリウム亜鉛)が用いられている。そして、TFTの低温での形成を可能とし、耐熱性に乏しい樹脂基板上にTFTを形成して、フレキシブルなアクティブマトリクス方式の液晶表示素子の提供を可能とする。
特開2006−165529号公報
しかしながら、半導体層に酸化物半導体を用いる半導体の場合、耐光性に課題がある。具体的には、酸化物半導体を用いた半導体層の場合、紫外線領域等に吸収を有することがある。そのため、それを用いた半導体素子では、外部から光が照射されたときにOFF時の抵抗が下がり、表示素子のスイッチング素子として用いる場合に十分なON/OFF比が得られないということがあった。したがって、その半導体素子を液晶表示素子に用いる場合には、外部からの光の影響により特性が悪化してしまうことが問題となっている。
このような光照射による特性悪化の問題は、程度の軽重に差異はあるものの、従来のアモルファスシリコン等を半導体層に用いる半導体素子でも問題とされている。したがって、半導体素子において、特に液晶表示素子等の表示素子に用いる半導体素子において、耐光性を向上する技術が求められている。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、光の影響による特性低下を低減した半導体素子を提供することにある。
また、本発明の目的は、光の影響による特性低下を低減した半導体素子の硬化膜の形成に用いられる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
そして、本発明の目的は、光の影響による特性低下を低減した半導体素子の硬化膜を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、光の影響による特性低下を低減した半導体素子を有する表示素子を提供することにある。
本発明の第1の態様は、インジウム(In)、亜鉛(Zn)および錫(Sn)のうちの少なくとも1種を含む酸化物を用いて形成された半導体層と、その半導体層の第1面に設けられた電極とを有する半導体素子であって、
半導体層と電極との間に硬化膜が配置され、
硬化膜が下記式(1A−1)〜下記式(1A−9)で表される架橋部分の少なくとも一つを有することを特徴とする半導体素子に関する。
Figure 2014039010
(式(1A−7)〜式(1A−9)中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示す。)
本発明の第1の態様において、硬化膜が、
[A]同一または異なる重合体分子中に下記式(1B)で表される基を含む構造単位とエポキシ基を含む構造単位とを有する重合体、および
[B]光酸発生体
を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
Figure 2014039010
(式(1B)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。(但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。)Rは、炭素数1〜30のエーテル基、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。RとRとが連結して環状エーテルを形成してもよい。)
本発明の第1の態様において、硬化膜にはスルーホールが設けられ、
半導体層の第1面と電極との接続は、そのスルーホールを介して行われるよう構成されることが好ましい。
本発明の第1の態様において、半導体層は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化亜鉛錫(ZTO)および酸化インジウム亜鉛(IZO)のうちの少なくとも1種を用いて形成されたものであることが好ましい。
本発明の第1の態様において、[B]光酸発生体は、下記式(2)で表されるオキシムスルホネート基を含むことが好ましい。
Figure 2014039010
(式(2)中、RB1は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよい。)
本発明の第1の態様において、硬化膜は、[C]紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
本発明の第1の態様において、[C]紫外線吸収剤は、下記式(3−1)および下記式(3−2)で表される化合物からなる群より選ばれる1種を含むことが好ましい。
Figure 2014039010
Figure 2014039010
(式(3−1)および式(3−2)中、R11〜R25は、各々独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のベンゾイロキシ基または水酸基を表す。)
本発明の第1の態様において、半導体層の第2面にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
第1面に設けられたソース電極およびドレイン電極とを有してボトムゲート型半導体素子を構成することが好ましい。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の半導体素子の硬化膜の形成に用いられることを特徴とする感放射線性樹脂組成物に関する。
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様の感放射線性樹脂組成物から形成されることを特徴とする硬化膜に関する。
本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様の半導体素子を用いたことを特徴とする表示素子に関する。
本発明の第1の態様によれば、光の影響による特性低下を低減した半導体素子が得られる。
本発明の第2の態様によれば、光の影響による特性低下を低減した半導体素子の硬化膜の形成に用いられる感放射線性樹脂組成物が得られる。
本発明の第3の態様によれば、光の影響による特性低下を低減した半導体素子の硬化膜が得られる。
本発明の第4の態様によれば、光の影響による特性低下を低減した半導体素子を有する表示素子が得られる。
本実施形態の半導体素子の構造を模式的に説明する断面図である。 本実施形態の半導体基板の要部構造を模式的に説明する平面図である。 本実施形態の液晶表示素子の要部構造を模式的に説明する断面図である。
以下では、本発明の実施形態の半導体素子について説明する。次いで、その半導体素子を用いて構成された半導体基板、およびその半導体素子を有する表示素子として液晶表示素子について説明する。
尚、本発明において、露光に際して照射される「放射線」には、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線および荷電粒子線等が含まれる。
実施形態1.
<半導体素子>
図1は、本実施形態の半導体素子の構造を模式的に説明する断面図である。
図1は、本実施形態の半導体素子1が、基板10の一方の面に設けられた例を示す。
半導体素子1は、半導体層2と、その半導体層2の、図1における上方側の面である、第1面に設けられた電極とを有する。電極は、ソース電極3とドレイン電極4とからなる。
半導体素子1は、半導体層2と、ソース電極3およびドレイン電極4との間に、硬化膜5を配置して有する。後に詳述するように、硬化膜5は樹脂を用いて構成されている。したがって、硬化膜5にはスルーホール6が設けられ、半導体層2の第1面とソース電極3との電気的な接続、および、半導体層2の第1面とドレイン電極4との電気的な接続は、それぞれ、対応するスルーホール6を介して行われるよう構成されている。
図1の半導体素子1は、半導体層2の、図1における下方側の面である、第2面にゲート絶縁膜12を介してゲート電極11を有している。すなわち、半導体素子1は、基板10上にゲート電極11が配置され、そのゲート電極11の上にゲート絶縁膜12が形成されている。半導体層2は、ゲート絶縁膜12を介してゲート電極11の上に配置され、半導体層2に接続するソース電極3およびドレイン電極4とを有する。半導体素子1は、ボトムゲート型の半導体素子を構成する。
尚、本発明の実施形態の半導体素子は、図1に示されるボトムゲート型に限られるわけではない。半導体層の上方側の面である第1面側にゲート絶縁膜を介してゲート電極を設け、その第1面には、それに接続するソース電極およびドレイン電極を配置して有するトップゲート型とすることも可能である。
図1に示す半導体素子1において、ゲート電極11は、基板10上に、蒸着法やスパッタ法等により金属薄膜を形成し、エッチングプロセスを利用したパターニングを行って形成することができる。また、金属酸化物導電膜、または、有機導電膜をパターニングして用いることも可能である。
ゲート電極11を構成する金属薄膜の材料としては、例えば、Al(アルミニウム)、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)、Au(金)、およびAg(銀)等の金属、Al−Nd(ネオジム)およびAPC(Ag/Pd(パラジウム)/Cu(銅))合金等の合金をあげることができる。そして、金属薄膜としては、AlとMoとの積層膜等の積層膜を用いることも可能である。
ゲート電極11を構成する金属酸化物導電膜の材料としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide:ITO)、および酸化インジウム亜鉛(IZO)等の金属酸化物導電膜を挙げることができる。
また、有機導電膜の材料としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、およびポリピロ−ル等の導電性の有機化合物、またはこれらの混合物を挙げることができる。
ゲート電極11の厚みは、10nm〜1000nmとすることが好ましい。
ゲート電極11を覆うように配置されたゲート絶縁膜12は、スパッタ法やCVD法、蒸着法等により酸化膜や窒化膜を成膜して形成することができる。ゲート絶縁膜12は、例えば、SiO等の金属酸化物やSiN等の金属窒化物から形成することができる。また、高分子材料等の有機材料から構成することも可能である。ゲート絶縁膜12の膜厚としては10nm〜10μmが好ましく、特に、金属酸化物等の無機材料を用いた場合は、10nm〜1000nmが好ましく、有機材料を用いた場合は50nm〜10μmが好ましい。
半導体層2と接続するソース電極3およびドレイン電極4は、それら電極を構成する導電膜を、印刷法やコーティング法の他、スパッタ法やCVD法、蒸着法等の方法を用いて形成した後、フォトリソグラフィ法等を利用したパターニングを施して形成することができる。ソース電極3およびドレイン電極4の構成材料としては、例えば、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、およびAg等の金属、Al−NdおよびAPC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、ITO、IZO、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、およびGZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)等の導電性の金属酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、およびポリピロ−ル等の導電性の有機化合物を挙げることができる。
ソース電極3およびドレイン電極4の厚みは、10nm〜1000nmとすることが好ましい。
本実施形態の半導体素子1の半導体層2は、例えば、a−Si(アモルファス−シリコン)、p−Si(ポリ−シリコン)、または、微結晶シリコン等のシリコン(Si)材料を用いることによって形成することができる。
また、本実施形態の半導体素子1の半導体層2は、酸化物を用いて形成することができる。本実施形態の半導体層2に適用可能な酸化物としては、単結晶酸化物、多結晶酸化物、およびアモルファス酸化物、並びにこれらの混合物が挙げられる。多結晶酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)等を挙げることができる。
半導体層2に適用可能なアモルファス酸化物としては、インジウム(In)、亜鉛(Zn)および錫(Sn)の少なくとも1種類の元素を含み構成されるアモルファス酸化物を挙げることができる。
半導体層2に適用可能なアモルファス酸化物の具体的例としては、Sn−In−Zn酸化物、In−Ga−Zn酸化物(IGZO:酸化インジウムガリウム亜鉛)、In−Zn−Ga−Mg酸化物、Zn−Sn酸化物(ZTO:酸化亜鉛錫)、In酸化物、Ga酸化物、In−Sn酸化物、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物(IZO:酸化インジウム亜鉛)、Zn−Ga酸化物、Sn−In−Zn酸化物等を挙げることができる。尚、以上の場合、構成材料の組成比は必ずしも1:1である必要は無く、所望の特性を実現する組成比の選択が可能である。
アモルファス酸化物を用いた半導体層2は、例えば、それがIGZOやZTOを用いて形成される場合、IGZOターゲットやZTOターゲットを用いてスパッタ法や蒸着法により半導体の層を形成し、フォトリソグラフィ法等を利用して、レジストプロセスとエッチングプロセスによるパターニングを行って形成される。アモルファス酸化物を用いた半導体層2の厚みは、1nm〜1000nmとすることが好ましい。
以上で例示した酸化物を用いることにより、移動度の高い半導体層2を低温で形成することができ、本実施形態の半導体素子1を提供することができる。
そして、本実施形態の半導体素子1の半導体層2を形成するのに特に好ましい酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化亜鉛錫(ZTO)および酸化インジウム亜鉛(ZIO)を挙げることができる。
これら酸化物を用いることにより半導体素子1は、移動度に優れた半導体層2をより低温で形成して有し、高ON/OFF比を示すことが可能となる。
本実施形態の半導体素子1は、半導体層2と、ソース電極3およびドレイン電極4との間に硬化膜5が配置されている。本実施形態の硬化膜5は、後に詳述する、重合体および光酸発生体を含む本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成された絶縁性の膜である。
硬化膜5は、ゲート電極11およびゲート絶縁膜12、および半導体層2等が形成された基板10上に、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物を塗布し、スルーホール6の形成等の必要なパターニングをした後、加熱硬化して形成される。形成された硬化膜5は、紫外線等の光に対する吸収性を備えた光酸発生体を含むことができ、その場合に優れた遮光性を実現することができる。さらに、硬化膜5は、紫外線吸収剤を含有して構成することも可能である。
したがって、半導体層2と、ソース電極3およびドレイン電極4との間に硬化膜5を有する本実施形態の半導体素子1は、硬化膜5の効果により、半導体層2の遮光が可能である。そして、本実施形態の半導体素子1は、硬化膜5の遮光効果により、光の影響による特性の低下を低減することができる。
このとき、半導体素子を用いて構成される素子としては、上述したように、例えば、液晶表示素子がある。液晶表示素子の場合、半導体素子であるTFTを有する半導体基板とカラーフィルタを有するカラーフィルタ基板との間に液晶を挟持して製造される。そして、通常、半導体基板側にバックライトユニットを配置し、高コントラスト比の画像表示を可能とする。
したがって、液晶表示素子の半導体基板側は、バックライトユニットからの光、特に可視域の光を透過しやすくすること(透明性)が必要であり、遮光性を有する膜を設けることは、通常は好ましくない。
しかしながら、本実施形態の半導体素子1は、好適に選択された光酸発生体を含む硬化膜5を用いることで、液晶表示素子等に求められる可視光透過性(透明性)と遮光性のバランスを好適に制御することができる。
後述するように、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物は、所謂、ポジ型の感放射線性を有することができる。そして、その感放射線性樹脂組成物に含有される光酸発生体は、紫外線等の放射線の照射を受けて酸を発生させ、形成される硬化膜のパターニングやスルーホールの形成を可能とする。その場合、パターニング等の後に残った硬化膜中には、その光酸発生体が含まれている。その硬化膜中に含まれる光酸発生体は、硬化膜に対して光に対する保護機能を付与することができる。
以上のように、本実施形態の半導体素子1において、その硬化膜5は特有の効果を示し、主要な構成要素となる。そこで次に、本実施形態の半導体素子1の硬化膜5とその形成について、より詳細に説明する。特に、硬化膜5の形成に用いられる感放射線性樹脂組成物について詳細に説明する。
<硬化膜>
硬化膜は、後述するように、[A]特定の重合体および[B]光酸発生体を含有するポジ型の感放射線性組成物を用いて形成されたものであり、樹脂から構成される。そして、硬化膜は、その硬化膜を構成する樹脂が、下記式(1A−1)〜下記式(1A−9)で表される架橋部分を有する。上述した本実施形態の半導体素子は、半導体層と、ソース電極およびドレイン電極との間に、下記式(1A−1)〜下記式(1A−9)で表される架橋部分を有する硬化膜を備えることで、優れた耐熱性および耐光性を有し、その結果、本実施形態の半導体素子は、高い信頼性を有することができる。
Figure 2014039010
上記式(1A−7)〜上記式(1A−9)中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示す。
上記式(1A−1)〜上記式(1A−9)で表される架橋部分は、例えば、下記の各反応式で表されるように、カルボキシル基等の官能基を有する重合体とエポキシ基を有する重合体とが熱架橋すること、または一分子中にカルボキシル基とエポキシ基を有する重合体間で熱架橋することによって形成される。尚、上述のカルボキシル基等の官能基とは、例えば、下記式(1B)で表される保護基が酸によって脱保護された基が該当する。
Figure 2014039010
Figure 2014039010
Figure 2014039010
上記式(1B)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。(但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。)Rは、炭素数1〜30のエーテル基、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。RとRとが連結して環状エーテルを形成してもよい。
<感放射線性樹脂組成物>
本実施形態の半導体素子において、半導体層と、ソース電極およびドレイン電極との間に配置され、構成部材となる硬化膜の製造に用いられる本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[A]特定の重合体(以下、単に「[A]重合体」と言うことがある。)および[B]光酸発生体(以下、単に、「[B]成分」と言うことがある。)を含有する。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型の感放射線性樹脂組成物としての使用が可能である。
そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[C]紫外線吸収剤(以下、単に「[C]成分」と言うことがある。)を含有することができる。さらに、後に詳述する[D]化合物(以下、単に「[D]成分」と言うことがある。)を含有することができ、また、本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分(以下、単に「[E]成分」と言うことがある。)を含有することができる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、以上の組成を有し、優れたパターニング性と、形成後の遮光性を併せ持つ膜を提供することができる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物について、その含有する各成分の詳細を以下で説明する。
<[A]特定の重合体>
[A]特定の重合体(以下、[A]重合体」と言う。)は、同一または異なる重合体分子中に、下記式(1B)で表される基を含む構造単位(以下、単に「構造単位(1)」とも言う。)とエポキシ基含有構造単位とを有しており、必要に応じてその他の構造単位を有していてもよい。
[A]重合体の態様としては特に限定されず、
(i)同一の重合体分子中に構造単位(1)およびエポキシ基含有構造単位の両方を有しており、[A]重合体中に1種の重合体分子が存在する場合;
(ii)一の重合体分子中に構造単位(1)を有し、それとは異なる重合体分子中にエポキシ基含有構造単位の両方を有しており、[A]重合体中に2種の重合体分子が存在する場合;
(iii)一の重合体分子中に構造単位(1)およびエポキシ基含有構造単位の両方を有し、それとは異なる重合体分子中に構造単位(1)を有し、これらとはさらに異なる重合体分子中にエポキシ基含有構造単位を有しており、[A]重合体中に3種の重合体分子が存在する場合;
(iv)(i)〜(iii)に規定の重合体分子に加え、[A]重合体中にさらに別の1種または2種以上の重合体分子を含む場合等が挙げられる。
Figure 2014039010
上記式(1B)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。
は、炭素数1〜30のエーテル基、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。RとRとが連結して環状エーテルを形成してもよい。
上記式(1B)においてRおよびRで表される炭素数1〜30の炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜30の直鎖状および分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基であり、このアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。
上述した直鎖状および分岐状アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖状アルキル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基等の分岐状アルキル基が挙げられる。
上述したシクロアルキル基としては、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、多環でもよく、環内に酸素原子を有していてもよい。上述したシクロアルキル基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
上述したアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、単環でもよく、単環が連結した構造であってもよく、縮合環であってもよい。上述したアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記式(1B)において、RおよびRで表される炭素数1〜30の炭化水素基は、その水素原子の一部または全部が、置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基が好ましい。
上述の置換基については、この他にも、ニトロ基、カルボキシル基、カルボニル基、シクロアルキル基(このシクロアルキル基としては、上記シクロアルキル基の説明を好適に適用することができる。)、アリール基(このアリール基としては、上記アリール基の説明を好適に適用することができる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20のアシル基であり、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、i−ブチリル基等が挙げられる。)、アシロキシ基(好ましくは炭素数2〜10のアシロキシ基であり、例えば、アセトキシ基、エチリルオキシ基、ブチリルオキシ基、t−ブチリルオキシ基、t−アミリルオキシ基等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等が挙げられる。)、ハロアルキル基(上記アルキル基またはシクロアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基であり、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、フルオロシクロプロピル基、フルオロシクロブチル基等が挙げられる。)等が挙げられる。アリール基、シクロアルキル基等における環状構造については、さらなる置換基としては上記アルキル基が挙げられる。
上記式(1B)においてRで表される炭素数1〜30のエーテル基とは、酸素に炭素数1〜30の炭化水素基が結合した基の総称であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、フェノキシ基、ナフトオキシ基、ベンジルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ビニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基等が挙げられる。
上述のエーテル基を構成する炭素数1から30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基は、RおよびRでの説明を適用することができる。
上記式(1B)において、上述したように、RとRとが連結して環状エーテルを形成してもよい。このような環状エーテルとしては、例えば、2−オキセタニル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−ジオキサニル基等が挙げられる。この環状エーテルの水素原子の一部または全部は、上記置換基で置換されていてもよい。
構造単位(1)は、他の炭素原子に結合することによりアセタール構造またはケタール構造を有することとなる官能基を有することにより、そのアセタール構造またはケタール構造を持つことができる。
上記の他の炭素原子に結合することにより、アセタール構造を有することとなるべき官能基としては、例えば、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−プロポキシエトキシ基、1−i−プロポキシエトキシ基、1−n−ブトキシエトキシ基、1−i−ブトキシエトキシ基、1−sec−ブトキシエトキシ基、1−t−ブトキシエトキシ基、1−シクロペンチルオキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−ノルボルニルオキシエトキシ基、1−ボルニルオキシエトキシ基、1−フェニルオキシエトキシ基、1−(1−ナフチルオキシ)エトキシ基、1−ベンジルオキシエトキシ基、1−フェネチルオキシエトキシ基、(シクロヘキシル)(メトキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(エトキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(n−プロポキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(i−プロポキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(フェノキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(ベンジルオキシ)メトキシ基、(フェニル)(メトキシ)メトキシ基、(フェニル)(エトキシ)メトキシ基、(フェニル)(n−プロポキシ)メトキシ基、(フェニル)(i−プロポキシ)メトキシ基、(フェニル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシ基、(フェニル)(フェノキシ)メトキシ基、(フェニル)(ベンジルオキシ)メトキシ基、(ベンジル)(メトキシ)メトキシ基、(ベンジル)(エトキシ)メトキシ基、(ベンジル)(n−プロポキシ)メトキシ基、(ベンジル)(i−プロポキシ)メトキシ基、(ベンジル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシ基、(ベンジル)(フェノキシ)メトキシ基、(ベンジル)(ベンジルオキシ)メトキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基、1−トリメチルシラニルオキシエトキシ基、1−トリメチルゲルミルオキシエトキシ基等が挙げられる。
これらのうち、1−エトキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基、1−n−プロポキシエトキシ基を好ましいものとして挙げられる。
上記の他の炭素原子に結合することにより、ケタール構造を有することとなる官能基としては、例えば、1−メチル−1−メトキシエトキシ基、1−メチル−1−エトキシエトキシ基、1−メチル−1−n−プロポキシエトキシ基、1−メチル−1−i−プロポキシエトキシ基、1−メチル−1−n−ブトキシエトキシ基、1−メチル−1−i−ブトキシエトキシ基、1−メチル−1−sec−ブトキシエトキシ基、1−メチル−1−t−ブトキシエトキシ基、1−メチル−1−シクロペンチルオキシエトキシ基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−メチル−1−ノルボルニルオキシエトキシ基、1−メチル−1−ボルニルオキシエトキシ基、1−メチル−1−フェニルオキシエトキシ基、1−メチル−1−(1−ナフチルオキシ)エトキシ基、1−メチル−1−ベンジルオオキシエトキシ基、1−メチル−1−フェネチルオキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−メトキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−エトキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−n−プロポキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−i−プロポキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−フェノキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−ベンジルオキシエトキシ基、1−フェニル−1−メトキシエトキシ基、1−フェニル−1−エトキシエトキシ基、1−フェニル−1−n−プロポキシエトキシ基、1−フェニル−1−i−プロポキシエトキシ基、1−フェニル−1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−フェニル−1−フェニルオキシエトキシ基、1−フェニル−1−ベンジルオキシエトキシ基、1−ベンジル−1−メトキシエトキシ基、1−ベンジル−1−エトキシエトキシ基、1−ベンジル−1−n−プロポキシエトキシ基、1−ベンジル−1−i−プロポキシエトキシ基、1−ベンジル−1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−ベンジル−1−フェニルオキシエトキシ基、1−ベンジル−1−ベンジルオキシエトキシ基、2−(2−メチル−テトラヒドロフラニル)オキシ基、2−(2−メチル−テトラヒドロピラニル)オキシ基、1−メトキシ−シクロペンチルオキシ基、1−メトキシ−シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
これらのうち、1−メチル−1−メトキシエトキシ基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエトキシ基を好ましいものとして挙げられる。
上記アセタール構造またはケタール構造を有する構造単位(1)の具体例としては、例えば、下記式(1−1)〜(1−3)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2014039010
上記式(1−1)および(1−3)中、R´は水素原子またはメチル基である。R、RおよびRは上述した式(1)の説明と同義である。
上記式(1−1)〜(1−3)で表される構造単位(1)を与えるラジカル重合性を有する単量体(以下、単に「アセタール構造含有単量体」ともいう。)としては、例えば、 1−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、1−(シクロアルキルオキシ)アルキル(メタ)アクリレート、1−(ハロアルコキシ)アルキル(メタ)アクリレート、1−(アラルキルオキシ)アルキル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系アセタール構造含有単量体;
2,3−ジ(1−(トリアルキルシラニルオキシ)アルコキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ジ(1−(トリアルキルゲルミルオキシ)アルコキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ジ(1−アルコキシアルコキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ジ(1−(シクロアルキルオキシ)アルコキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ジ(1−(アラルキルオキシ)アルコキシカルボニル)−5−ノルボルネン等のノルボルネン系アセタール構造含有単量体;
1−アルコキシアルコキシスチレン、1−(ハロアルコキシ)アルコキシスチレン、1−(アラルキルオキシ)アルコキシスチレン、テトラヒドロピラニルオキシスチレン等のスチレン系アセタール構造含有単量体が挙げられる。
これらの中で、1−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、1−アルコキシアルコキシスチレン、テトラヒドロピラニルオキシスチレンが好ましく、1−アルコキシアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。
上記構成単位(1)を与えるアセタール構造含有単量体の具体例としては、例えば、
1−エトキシエチルメタクリレート、1−メトキシエチルメタクリレート、1−n−ブトキシエチルメタクリレート、1−イソブトキシエチルメタクリレート、1−t−ブトキシエチルメタクリレート、1−(2−クロルエトキシ)エチルメタクリレート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチルメタクリレート、1−n−プロポキシエチルメタクリレート、1−シクロヘキシルオキシエチルメタクリレート、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチルメタクリレート、1−ベンジルオキシエチルメタクリレート、2−テトラヒドロピラニルメタクリレート、
1−エトキシエチルアクリレート、1−メトキシエチルアクリレート、1−n−ブトキシエチルアクリレート、1−イソブトキシエチルアクリレート、1−t−ブトキシエチルアクリレート、1−(2−クロルエトキシ)エチルアクリレート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチルアクリレート、1−n−プロポキシエチルアクリレート、1−シクロヘキシルオキシエチルアクリレート、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチルアクリレート、1−ベンジルオキシエチルアクリレート、2−テトラヒドロピラニルアクリレート、
2,3−ジ(1−(トリメチルシラニルオキシ)エトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ジ(1−(トリメチルゲルミルオキシ)エトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ジ(1−メトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ジ(1−(シクロヘキシルオキシ)エトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ジ(1−(ベンジルオキシ)エトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
pまたはm−1−エトキシエトキシスチレン、pまたはm−1−メトキシエトキシスチレン、pまたはm−1−n−ブトキシエトキシスチレン、pまたはm−1−イソブトキシエトキシスチレン、pまたはm−1−(1,1−ジメチルエトキシ)エトキシスチレン、pまたはm−1−(2−クロルエトキシ)エトキシスチレン、pまたはm−1−(2−エチルヘキシルオキシ)エトキシスチレン、pまたはm−1−n−プロポキシエトキシスチレン、pまたはm−1−シクロヘキシルオキシエトキシスチレン、pまたはm−1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エトキシスチレン、pまたはm−1−ベンジルオキシエトキシスチレン等が挙げられる。
上記構造単位(1)は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記構成単位(1)を与えるアセタール構造含有単量体の中でも、1−エトキシエチルメタクリレート、1−n−ブトキシエチルメタクリレート、2−テトラヒドロピラニルメタクリレート、1−ベンジルオキシエチルメタクリレートが好ましい。
構造単位(1)を与えるアセタール構造含有単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、上記式(1−1)で表される構造単位(1)を与えるアセタール構造含有単量体は、下記に示すように(メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。
Figure 2014039010
(式中、R’、RおよびRは、それぞれ上記式(1−1)におけるR’、RおよびRに対応し、RおよびRは、−CH(R)(R)として、上記式(1−1)におけるRに対応する。)
[A]重合体における構造単位(1)の含有量としては、[A]重合体が酸によりアルカリ可溶性を示し、硬化膜の所望の耐熱性が発揮される限り特に限定されず、一の重合体分子に構造単位(1)とエポキシ基含有構造単位とを含む場合、[A]重合体に含まれる全構造単位に対して、単量体仕込み比で、5質量%〜70質量%が好ましく、10質量%〜60質量%がより好ましく、20質量%〜50質量%が特に好ましい。
一方、一の重合体分子に構造単位(1)を有し、かつ別の一の重合体分子にエポキシ基含有構造単位を有する場合、構造単位(1)を有する一の重合体分子における構造単位(1)の含有量としては、その重合体分子に含まれる全構造単位に対して、単量体仕込み比で、40質量%〜99質量%が好ましく、50質量%〜98質量%がより好ましく、55質量%〜95質量%が特に好ましい。
<エポキシ基含有構造単位>
[A]重合体は、上述の構造単位(1)と共に、エポキシ基含有構造単位を有する。エポキシ基含有構造単位は、ラジカル重合性を有するエポキシ基含有単量体に由来する構造単位であり、エポキシ基を含有する。このエポキシ基としては、オキシラニル基(1,2−エポキシ構造)、オキセタニル基(1,3−エポキシ構造)が挙げられる。[A]重合体が分子中にオキシラニル基またはオキセタニル基等を含む構造単位を有することで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物から得られる硬化膜の硬度を向上させて耐熱性をさらに高めることができる。
上述したエポキシ基含有構造単位を与えるエポキシ基含有単量体の具体例としては、例えば、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3−エチル−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−5,6−エポキシヘキシル、メタクリル酸−5,6−エポキシヘキシル、メタクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、メタクリル酸−5−エチル−5,6−エポキシヘキシル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、
3,4−エポキシシクロへキシルメタクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルエチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルプロピルメタクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルブチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルヘキシルメタクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルアクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルエチルアクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルプロピルアクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルブチルアクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルヘキシルアクリレート等のオキシラニル基含有(メタ)アクリル系化合物;
o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等のビニルベンジルグリシジルエーテル類;
o−ビニルフェニルグリシジルエーテル、m−ビニルフェニルグリシジルエーテル、p−ビニルフェニルグリシジルエーテル等のビニルフェニルグリシジルエーテル類;
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−フェニルオキセタン、
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−フェニルオキセタン、
2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−2−エチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、
2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−2−エチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン等のオキセタニル基含有(メタ)アクリル系化合物等が挙げられる。
上記エポキシ基含有構造単位は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記エポキシ基含有単量体の中でも、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−2−メチルグリシジル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタンが他のラジカル重合性単量体との共重合反応性、および感放射線性樹脂組成物の現像性を良好なものとする観点から好ましい。
[A]重合体におけるエポキシ基含有構造単位の含有量としては、硬化膜の所望の耐熱性が発揮される限りにおいて特に限定はされないが、一の重合体分子に構造単位(1)とエポキシ基含有構造単位とを含む場合、[A]重合体に含まれる全構造単位に対して、単量体仕込み比で、10質量%〜60質量%が好ましく、15質量%〜55質量%がより好ましく、20質量%〜50質量%が特に好ましい。
一方、一の重合体分子に構造単位(1)を有し、かつ別の一の重合体分子にエポキシ基含有構造単位を有する場合、エポキシ基含有構造単位を有する一の重合体分子に含まれる全構造単位に対するエポキシ基含有構造単位の含有量としては、単量体仕込み比で、10質量%〜80質量%が好ましく、20質量%〜70質量%がより好ましく、25質量%〜60質量%が特に好ましい。
<その他の構造単位>
その他の構造単位を与えるラジカル重合性単量体としては、カルボキシル基またはその誘導体、水酸基を有するラジカル重合性単量体等が挙げられる。
上記カルボキシル基またはその誘導体を有するラジカル重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のモノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;
上記ジカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
上記水酸基を有するラジカル重合性単量体の例としては、
アクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸−3−ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルエステル、アクリル酸−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルエステル等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;
メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピルエステル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチルエステル、メタクリル酸−5−ヒドロキシペンチルエステル、メタクリル酸−6−ヒドロキシヘキシルエステル、メタクリル酸−4−ヒドロキシメチル−シクロヘキシルメチルエステル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。
これらの水酸基を有するラジカル重合性単量体のうち、その他のラジカル重合性単量体との共重合反応性および得られる硬化膜等の耐熱性の観点から、アクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸−3−ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルエステル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチルエステル、アクリル酸−4−ヒドロキシメチル−シクロヘキシルメチルエステル、メタクリル酸−4−ヒドロキシメチル−シクロヘキシルメチルエステルが好ましい。
その他のラジカル重合性単量体の例としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸i−プロピル等のアクリル酸アルキルエステル;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル;
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸−2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、アクリル酸イソボルニル等のアクリル酸脂環式アルキルエステル;
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸−2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、メタクリル酸イソボルニル等のメタクリル酸脂環式アルキルエステル;
アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸のアリールエステルおよびアクリル酸のアラルキルエステル;
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸のアリールエステルおよびメタクリル酸のアラルキルエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジアルキルエステル;
メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフリル、メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−メチル等の酸素1原子を含む不飽和複素五員環メタクリル酸エステルおよび不飽和複素六員環メタクリル酸エステル;
4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等の酸素2原子を含む不飽和複素五員環メタクリル酸エステル;
4−アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2、2−ジエチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−シクロペンチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシエチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシプロピル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシブチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン等の酸素2原子を含む不飽和複素五員環アクリル酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、4−イソプロペニルフェノール等のビニル芳香族化合物;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のN位置換マレイミド;
1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等のその他の不飽和化合物が挙げられる。
これらのその他のラジカル重合性単量体のうち、スチレン、4−イソプロペニルフェノール、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、1,3−ブタジエン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、メタクリル酸ベンジル等が、上記の反応官能基を有するラジカル重合性単量体との共重合反応性、および感放射線性樹脂組成物の現像性を良好なものとする点で好ましい。
[A]重合体のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算質量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは2.0×10〜1.0×10、より好ましくは5.0×10〜5.0×10である。[A]重合体のMwを上記範囲とすることによって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の放射線感度およびアルカリ現像性を高めることができる。
また、[A]重合体のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)は、好ましくは2.0×10〜1.0×10、より好ましくは5.0×10〜5.0×10である。共重合体のMnを上記範囲とすることによって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜の硬化時の硬化反応性を向上させることができる。
さらに、[A]重合体の分子量分布(以下、「Mw/Mn」という。)は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.6以下である。[A]重合体のMw/Mnを3.0以下とすることにより、得られる硬化膜の現像性を高めることができる。[A]重合体を含む感放射線性樹脂組成物は、現像する際に現像残りを生じることなく容易に所望のパターン形状を形成することができる。
<[A]重合体の製造方法>
[A]重合体は、アセタール構造含有単量体、エポキシ基含有単量体、その他の構造単位を与える単量体のラジカル共重合により製造できる。同一の重合体分子に構造単位(1)およびエポキシ基含有構造単位の両方を含む[A]重合体を製造する場合は、少なくともアセタール構造含有単量体とエポキシ基含有単量体とを含む混合物を用いて共重合させればよい。一方、一の重合体分子に構造単位(1)を有し、かつそれとは異なる重合体分子にエポキシ基含有構造単位を有する[A]重合体を製造する場合は、少なくともアセタール構造含有単量体を含む重合性溶液をラジカル重合させて構造単位(1)を有する重合体分子を得ておき、別途少なくともエポキシ基含有単量体を含む重合性溶液をラジカル重合させてエポキシ基含有構造単位を有する重合体分子を得て、最後に両者を混合して[A]重合体とすればよい。
[A]重合体を製造するための重合反応に用いられる溶媒としては、例えば、アルコール類、エーテル類、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素類、ケトン類、他のエステル類等が挙げられる。
[A]重合体を製造するための重合反応に用いられる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤として知られているものが使用できる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;
ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物;
および、過酸化水素が挙げられる。
<[B]光酸発生体>
[B]光酸発生体は、放射線の照射によって酸を発生する化合物である。放射線としては、上述したように、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[B]光酸発生体を含むことで、ポジ型の感放射線特性を発揮し、ポジ型の感放射線性樹脂組成物として使用することができる。[B]光酸発生体は、放射線の照射によって酸(例えば、カルボン酸、スルホン酸等)を発生させる化合物である限り、特に限定されない。[B]光酸発生体の感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、後述するような化合物である光酸発生剤(以下、「[B]光酸発生剤」とも言う。)の形態でも、[A]重合体または他の重合体の一部として組み込まれた光酸発生基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]光酸発生剤としては、オキシムスルホネート化合物や、スルホンイミド化合物等が挙げられ、中でもオキシムスルホネート化合物が好ましい。
<オキシムスルホネート化合物>
上述のオキシムスルホネート化合物としては、下記式(2)で表されるオキシムスルホネート基を含有する化合物が好ましい。
Figure 2014039010
上記式(2)中、RB1は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよい。
上記式(2)において、RB1のアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。RB1のアルキル基は、炭素数1〜10のアルコキシ基または脂環式基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基等の有橋式脂環式基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されていてもよい。RB1のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基がさらに好ましい。RB1のアリール基は、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されてもよい。
上記式(2)で表されるオキシムスルホネート基を含有する上記化合物は、下記式(2−1)で表されるオキシムスルホネート化合物であることがさらに好ましい。
Figure 2014039010
上記式(2−1)において、RB1は、式(2)におけるRB1の説明と同義である。Xは、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子である。mは0〜3の整数である。mが2または3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。Xとしてのアルキル基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。
上記式(2−1)において、Xとしてのアルコキシ基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルコキシ基が好ましい。Xとしてのハロゲン原子は、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。mは0または1が好ましい。特に、上記式(2−1)において、mが1、Xがメチル基であり、Xの置換位置がオルトである化合物が好ましい。
上記式(2)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、例えば、下記式(2−1−i)〜(2−1−v)でそれぞれ表される化合物(2−1−i)、化合物(2−1−ii)、化合物(2−1−iii)、化合物(2−1−iv)および化合物(2−1−v)等が挙げられる。
Figure 2014039010
これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができ、[B]成分としての他の光酸発生剤と組み合わせて使用することもできる。上記化合物(2−1−i)[(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、化合物(2−1−ii)[(5H−オクチルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、化合物(2−1−iii)[(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、化合物(2−1−iv)[(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]および化合物(2−1−v)[(5−オクチルスルフォニルオキシイミノ)−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル]は、市販品として入手することができる。
<スルホンイミド化合物>
[B]光酸発生剤として好ましいスルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(ノナフルオロブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ペンタフルオロエチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ヘプタフルオロプロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(エチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(プロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ペンチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ヘキシルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ヘプチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(オクチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ノニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド等が挙げられる。
以上で説明した[B]光酸発生剤の中でも、放射線感度の向上および溶解性の観点から、上述したように、オキシムスルホネート化合物が好ましく、上記式(2)で表されるオキシムスルホネート基を含有する化合物がより好ましく、上記式(2−1)で表されるオキシムスルホネート化合物がさらに好ましい。なかでも市販品として入手可能な[(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、[(5H−オクチルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、[(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、[(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、[(5−オクチルスルフォニルオキシイミノ)−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル]が特に好ましい。
[B]光酸発生剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。本実施形態の感放射線性樹脂組成物における[B]光酸発生剤としての含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜10質量部、より好ましくは1質量部〜5質量部である。[B]光酸発生剤の含有量が上記範囲にあると、感放射線性樹脂組成物の放射線感度を最適化し、硬化膜を形成することができる。
<[C]紫外線吸収剤>
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述した[A]特定の重合体および[B]光酸発生体を必須の成分として含有する。そして、それらとともに[C]紫外線吸収剤を含有することができる。[C]紫外線吸収剤の含有により、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、形成後の硬化膜において紫外線吸収性を強化することができる。そして、半導体素子における紫外線の影響を低減することができる。
[C]紫外線吸収剤は、300nm〜400nmに吸収を有する化合物が好ましい。[C]紫外線吸収剤としては、上述した範囲に吸収帯を有するものであれは特に限定されないが、特に、入手の容易な[C]紫外線吸収剤として、上述した範囲に吸収帯を有するベンゾトリアゾール系化合物およびベンゾフェノン系化合物等が好適に用いられる。
ベンゾトリアゾール系化合物は、下記式(3−1)で表される構造を有する化合物である。ベンゾフェノン系化合物は、下記式(3−2)で表される化合物である。
Figure 2014039010
Figure 2014039010
上記式(3−1)および上記式(3−2)において、R11〜R25は、各々独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のベンゾイロキシ基または水酸基を表す。
このようなベンゾトリアゾール系化合物としては、具体的には、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらのベンゾトリアゾール系化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、このようなベンゾフェノン系化合物としては、具体的には、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸三水和物、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらのベンゾフェノン系化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物における[C]紫外線吸収剤の使用量は、[A]重合体100質量部に対して、0.01質量部〜30質量部の範囲であることが好ましく、特に、0.1質量部〜20質量部の範囲で使用することが好ましい。0.01質量部以下であると、得られる硬化膜の紫外線に対する遮蔽効果が乏しくなり、30質量部以上であると本実施形態の感放射線性樹脂組成物の感放射線性が低下し、パターン形成に支障をきたすおそれがある。
<[D]化合物>
本実施形態の半導体素子の硬化膜の形成に用いられる、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述した[A]特定の重合体および[B]光酸発生体を必須の成分として含有するとともに、[C]紫外線吸収剤の他、[D]化合物を含有することができる。
[D]化合物は、感放射線性樹脂組成物から形成される塗膜の硬化を促進する、硬化剤として機能する化合物である。したがって、便宜上、[D]化合物(硬化剤)や単に[D]硬化剤等と称することもある。[D]化合物は、下記式(4)で表される化合物、ホスホニウム塩、チオール化合物およびブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物である。感放射線性樹脂組成物が、その特定の化合物群から選択される[D]化合物を含有することで、硬化膜の硬化温度をより効果的に低下させることができる。本実施の形態の感放射線性樹脂組成物は、[D]化合物を含有することにより、例えば、180℃〜200℃等、200℃以下の硬化温度により硬化膜を製造することが可能となる。以下、[C]化合物である各化合物を詳述する。
[式(4)で表される化合物]
[D]化合物としては、下記式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。[D]化合物として、アミノ基と電子欠乏基とを有する、上述の特定化合物を選択することで、硬化膜の硬化温度をより効果的に低下させることができる。
Figure 2014039010
上記式(4)中、R27〜R36は、それぞれ独立して水素原子、電子吸引性基またはアミノ基である。但し、R27〜R36のうち少なくとも1つはアミノ基である。また、上記アミノ基は、水素原子の全部または一部が炭素数2〜6のアルキレン基で置換されていてもよい。Yは、単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルメチレン基、スルフィニル基、スルホニル基、メチレン基または炭素数2〜6のアルキレン基である。但し、上記メチレン基およびアルキレン基は、水素原子の全部または一部がシアノ基、ハロゲン原子またはフルオロアルキル基で置換されていてもよい。
上記式(4)のR27〜R36が示す電子吸引性基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、アシル基、アルキルスルホニル基、アルキルオキシスルフォニル基、ジシアノビニル基、トリシアノビニル基、スルホニル基等が挙げられる。これらのうち、ニトロ基、アルキルオキシスルフォニル基、トリフルオロメチル基が好ましい。Yが示す基としては、スルホニル基、フルオロアルキル基で置換されていてもよいメチレン基が好ましい。
上記式(4)で表される化合物としては、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3−ビス(4−アミノフェニル)スクシノニトリル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノフェニルベンゾエート、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンが好ましく、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンがより好ましい。
上記式(4)で表される化合物は、単独でまたは2種類以上を混合して使用できる。上記式(4)で表される化合物の含有割合としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.2質量部〜10質量部がより好ましい。上記式(4)で表される化合物の含有割合を上記範囲とすることで、感放射線性樹脂組成物から形成される絶縁膜の効果的な硬化促進を実現することができる。
[ホスホニウム塩]
ホスホニウム塩としては、下記式(5)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
Figure 2014039010
上記式(5)中、Aはリン原子である。R41〜R44は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基である。但し、これらの基は水素原子の一部または全部が置換されていてもよい。Qは、1価の陰イオンである。
上記式(5)中のR41〜R44が示す炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、直鎖状または分岐状の、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
上記式(5)中のR41〜R44が示す炭素数6〜18のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記式(5)中のR41〜R44が示す炭素数7〜30のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
上記式(5)中のQが示す1価の陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、シアン化物イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、次亜塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、過マンガン酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸二水素イオン、硫化水素イオン、チオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、フェノキシドイオン、テトラフルオロボレートイオン、テトラアリールボレートイオン、ヘキサフルオロアンチモネートイオン等が挙げられる。
ホスホニウム塩としては、例えば、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ(p−トリル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ(p−エチルフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ(p−メトキシフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ(p−エトキシフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ(p−tert−ブトキシフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ(m−トリル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ(m−メトキシフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)フェニルホスホニウム・テトラ(p−トリル)ボレート、テトラ(p−トリル)ホスホニウム・テトラ(p−トリル)ボレート、トリ(p−メトキシフェニル)フェニルホスホニウム・テトラ(p−トリル)ボレート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート、メチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート、p−トリルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。
これらのホスホニウム塩のうち、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネートが好ましい。ホスホニウム塩は、単独でまたは2種類以上を混合して使用することができる。感放射線性樹脂組成物におけるホスホニウム塩の含有割合としては、[A]重合体100質量部に対して、0.05質量部〜10質量部が好ましく、0.1質量部〜5質量部がより好ましい。ホスホニウム塩の含有割合を上記特定の範囲とすることで、感放射線性樹脂組成物の硬化促進を実現することができる。
[チオール化合物]
チオール化合物としては、1分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合物である。チオール化合物は、1分子中に2個以上のメルカプト基を有する限り特に限定されるものではないが、下記式(6)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
Figure 2014039010
上記式(6)中、R51は、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基である。但し、これらの基は水素原子の一部または全部がアルキル基で置換されていてもよい。Yは、単結合、−CO−または−O−CO−である。但し、「*」を付した結合手がR51と結合する。nは2〜10の整数である。Aは、1個または複数個のエーテル結合を有していてもよい炭素数2〜70のn価の炭化水素基、または、nが3の場合、下記式(7)で示される基である。
Figure 2014039010
上記式(7)中、R52〜R54は、それぞれ独立してメチレン基または炭素数2〜6のアルキレン基である。「*」は、それぞれ結合手であることを表す。
上記式(6)で表される化合物として、典型的にはメルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル化物等を使用することができる。エステル化物を構成するメルカプトカルボン酸としては、例えば、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトブタン酸、3−メルカプトペンタン酸等が挙げられる。また、エステル化物を構成する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、テトラエチレングリコール、ジペンタエリスリトール、1,4−ブタンジオール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記式(6)で表される化合物としては、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトペンチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンが好ましい。
チオール化合物の1分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合物としては、下記式(8)〜下記式(10)で表される化合物を用いることもできる。
Figure 2014039010
Figure 2014039010
上記式(8)中、R61は、メチレン基または炭素数2〜20のアルキレン基である。R62は、メチレン基または炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐アルキレン基である。kは1〜20の整数である。
上記式(9)中、R63〜R66は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基または下記式(10)で表される基である。但し、R63〜R66の少なくとも1つは下記式(10)で表される基である。
Figure 2014039010
上記式(10)中、R67は、メチレン基または炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐アルキレン基である。
チオール化合物は、単独でまたは2種類以上を混合して使用できる。感放射線性樹脂組成物におけるチオール化合物の含有割合としては、[A]重合体100質量部に対して、1質量部〜20質量部が好ましく、5質量部〜15質量部がより好ましい。チオール化合物の含有割合を上記特定の範囲とすることで、感放射線性樹脂組成物の硬化促進を実現することができる。
[ブロックイソシアネート化合物]
ブロックポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基を活性水素基含有化合物(ブロック剤)と反応させて常温で不活性としたものであり、これを加熱するとブロック剤が解離してイソシアネート基が再生されるという性質を持つものである。感放射線性樹脂組成物がブロックポリイソシアネートを含有することで、効果的な架橋剤としてイソシアネート−水酸基架橋反応が進行し、感放射線性樹脂組成物の硬化促進を実現することができる。
ブロックポリイソシアネート化合物は、脂肪族または脂環族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートと活性水素とを有する化合物(ブロック剤)との公知の反応によって得られる。
ジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリジンイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられる。
市販品としては、例えば、
イソシアネート基をメチルエチルケトンのオキシムでブロックしたものとして、デュラネート(登録商標)TPA−B80E、同TPA−B80X、同E402−B80T、同MF−B60XN、同MF−B60X、同MF−B80M(以上、旭化成工業社);
イソシアネート基を活性メチレンでブロックしたものとして、デュラネート(登録商標)MF−K60X(旭化成工業社);
(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物のブロック体として、カレンズ(登録商標)MOI−BP、カレンズ(登録商標)MOI−BM(以上、昭和電工社)が挙げられる。
これらのうち、デュラネート(登録商標)E402−B80T、同MF−B60Xを用いた場合に高いフレキシブル性が発現し、他との混合系にして使用することで、自在にその硬さを制御することができるため好ましい。
ジイソシアネートより誘導されるポリイソシアネートとしては、例えば、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビュウレット型ポリイソシアネート、ウレタン型ポリイソシアネート、アロファネート型ポリイソシアネート等が挙げられる。硬化性の観点からイソシアヌレート型ポリイソシアネートが好ましい。
ブロック剤としては、例えば、アルコール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、ピリジン系化合物等が挙げられる。
アルコール系化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、メチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等;
フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等;
活性メチレン系化合物としては、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等;
メルカプタン系化合物としては、例えば、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等;
酸アミド系化合物としては、例えば、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等;
酸イミド系化合物としては、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等;
イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等;
ピラゾール系化合物としては、例えば、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−エチルピラゾール等;
尿素系化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等;
オキシム系化合物としては、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等;
アミン系化合物としては、例えば、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等;
イミン系化合物としては、例えば、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等;
ピリジン系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリン等が挙げられる。
ブロックポリイソシアネート化合物は、単独でまたは2種類以上を混合して使用できる。感放射線性樹脂組成物におけるブロックポリイソシアネート化合物の含有割合としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.5質量部〜5質量部がより好ましい。ブロックポリイソシアネート化合物の含有割合を上記範囲とすることで、感放射線性樹脂組成物の硬化促進を実現することができる。
<その他の任意成分>
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述の[A]重合体および[B]光酸発生体に加え、[C]紫外線吸収剤や[D]化合物(硬化剤)の他、[E]成分として、熱酸発生剤やその他の任意成分を含有することができる。
熱酸発生剤は、熱をかけることによって樹脂を硬化させる際の触媒として作用する酸性活性物質を放出することができる化合物である。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、界面活性剤、保存安定剤、接着助剤、耐熱性向上剤等のその他の任意成分を含有できる。これらの各任意成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
本実施形態の半導体素子の製造に用いられる、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上記[A]重合体および[B]光酸発生体の他、必要に応じて添加される、[C]紫外線吸収剤、[D]化合物(硬化剤)および[E]成分であるその他任意成分を混合することによって調製される。そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型の感放射線性樹脂組成物として使用することができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、好ましくは適当な溶媒に溶解または分散させた状態に調製され、使用される。例えば、溶媒中で、[A]成分([A]重合体)、[B]成分([B]光酸発生体)、および任意の成分である[C]成分([C]紫外線吸収剤)、[D]成分([D]化合物(硬化剤))および[E]成分等を所定の割合で混合することにより、感放射線性樹脂組成物を調製することができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物の固形分濃度(重合体溶液に含まれる重合体の質量が重合体溶液の全質量に占める割合を言う。)は、使用目的や所望の膜厚等に応じて任意に設定することができるが、好ましくは5質量%〜50質量%、より好ましくは10質量%〜40質量%、さらに好ましくは15質量%〜35質量%である。実際には、上記濃度範囲において、所望の膜厚の値等に応じた固形分濃度(組成物溶液中に占める溶媒以外の成分)が設定される。
このようにして調製された溶液状の感放射線性樹脂組成物は、孔径0.5μm程度のミリポアフィルタ等を用いて濾過した後に本実施形態の硬化膜の形成に使用することが好ましい。
<溶媒>
本実施形態の感放射線性樹脂組成物の調製に用いることができる溶媒としては、上述したように、各成分を均一に溶解または分散し、各成分と反応しないものが好適に用いられる。このような溶媒としては、例えば、アルコール類、エーテル類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類等が挙げられる。
これらの溶媒としては、
アルコール類として、例えば、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等;
エーテル類として、例えば、テトラヒドロフランや、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジn−ペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジn−ヘキシルエーテル等のジアルキルエーテル等;
ジエチレングリコールアルキルエーテル類として、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類として、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテル類として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート等;
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等;
ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等;
エステル類として、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロチル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等をそれぞれ挙げられる。
これらの溶媒の中でも、溶解性または分散性が優れていること、各成分と非反応性であること、並びに塗膜形成を容易にすること等の観点から、ジアルキルエーテル等のエーテル類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ケトン類及びエステル類が好ましく、特に、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、酢酸プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチルが好ましい。これらの溶媒は、単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
また、これらの溶媒の中でも、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジn−ペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジn−ヘキシルエーテル等のジアルキルエーテル等のエーテル類が好ましく、ジイソペンチルエーテルが最も好ましい。このような溶媒を用いることによって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜形成時に、乾燥工程時間を短縮すると同時に、塗布性をより一層向上(塗布ムラを抑制)することが可能となる。
上記した溶媒に加え、さらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等の高沸点溶媒を併用することもできる。
以上の成分と調製方法による感放射線性樹脂組成物は、半導体素子のパターニングされた硬化膜を形成することができ、特に、低温硬化によってコンタクトホールを備えた硬化膜を形成することができる。そして、例えば、180℃〜200℃等の、従来に比べて低い硬化温度によって、良好な耐溶媒性を備える等、優れた信頼性の硬化膜を形成することができる。
<硬化膜の形成方法>
本実施形態の半導体素子の硬化膜は、ゲート電極およびゲート絶縁膜、並びに半導体層等が形成された基板上に、本実施形態の感放射線性樹脂組成物を塗布し、スルーホールの形成等の必要なパターニングをした後、加熱硬化して形成される。形成された硬化膜は、感放射線性樹脂組成物に含有された上述の[A]重合体および[B]光酸発生体を含んで構成されて、好適な遮光性を有している。
以下で、硬化膜の形成方法について、より詳しく説明する。
本実施形態の半導体素子の硬化膜の形成においては、はじめに、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する。この基板には、公知の方法に従い、ゲート電極およびゲート絶縁膜、並びに半導体層等が形成されている。例えば、半導体層等は、上記特許文献1に記載の方法等に従い、基板上で半導体成膜と、フォトリソグラフィ法によるエッチングを繰り返して成されたものである。
上記基板において、半導体層等が形成された面に、上述した本実施形態の感放射線性樹脂組成物を塗布した後、プレベークを行って溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。
感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法またはスピンナ法と称されることもある。)、スリット塗布法(スリットダイ塗布法)、バー塗布法、インクジェット塗布法等の適宜の方法が採用できる。これらのうち、均一な厚みの膜を形成できる点から、スピンコート法またはスリット塗布法が好ましい。
上述のプレベークの条件は、感放射線性樹脂組成物を構成する各成分の種類、配合割合等によって異なるが、70℃〜120℃の温度で行うのが好ましく、時間は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置によって異なるが、おおよそ1分間〜15分間程度である。
次いで、上述のようにして形成された塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する。このとき、塗膜の一部にのみ照射するには、例えば、所望のスルーホールの形成、および、所望の形状形成に対応するパターンのフォトマスクを介して行う。
照射に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線等が挙げられる。このうち波長が200nm〜550nmの範囲にある放射線が好ましく、365nmの紫外線を含む放射線がより好ましい。
放射線照射量(露光量)は、照射される放射線の波長365nmにおける強度を照度計(OAI model 356、Optical Associates Inc.製)により測定した値として、10J/m〜10000J/mとすることができ、好ましくは100J/m〜3000J/m、より好ましくは500J/m〜2000J/mである。
次に、放射線照射後の塗膜を現像して不要な部分を除去し、所定の形状のスルーホールが形成された塗膜を得る。
現像に使用される現像液としては、アルカリ性の水溶液が好ましい。含有されるアルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
上述のアルカリ性水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を適当量添加して使用することもできる。さらに、界面活性剤をそれのみで、または、上述の水溶性有機溶媒の添加とともに、適当量添加して使用することもできる。アルカリ水溶液におけるアルカリの濃度は、適当な現像性を得る観点から、好ましくは0.1質量%〜5質量%とすることができる。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の適宜の方法を利用することができる。現像時間は、感放射線性樹脂組成物の組成によって異なるが、好ましくは10秒間〜180秒間程度である。このような現像処理に続いて、例えば流水洗浄を30秒間〜90秒間行った後、例えば、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望のパターンを形成することができる。
次いで、所定の形状のスルーホールが形成された塗膜を、ホットプレート、オーブン等の適当な加熱装置により硬化(ポストベークとも言う。)する。これにより、本実施形態の硬化膜が得られる。硬化膜の膜厚は、10nm〜1000nmが好ましい。硬化膜には、上述のように、所望の位置に配置されたスルーホールが形成されている。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物によれば、硬化温度を100℃〜250℃とすることが好ましく、添加された[D]化合物(硬化剤)の効果等により、硬化温度を200℃以下とすることも可能である。硬化時間は、例えば、ホットプレート上では5分間〜30分間とすることが好ましく、オーブン中では30分間〜180分間とすることが好ましい。
本実施形態の硬化膜を形成した後は、公知の方法に従い、その硬化膜の上にソース電極およびドレイン電極を形成して本実施形態の半導体素子を製造することができる。ソース電極およびドレイン電極は、公知の方法に従い、それら電極を構成する導電膜を、印刷法やコーティング法の他、スパッタ法やCVD法、蒸着法等の方法を用いて形成をした後、フォトリソグラフィ法等を利用したパターニングを施して形成することができる。
実施形態2.
<半導体基板>
図2は、本実施形態の半導体基板の要部構造を模式的に説明する平面図である。
図2に示すように、本実施形態の半導体基板21上では、基板22上に、データ配線23とゲート配線24とがマトリクス状に配設される。データ配線23とゲート配線24の交差部近傍に、上述した本実施形態の半導体素子1が配置され、半導体素子1のソース電極(図2では、図示されない。)はデータ配線23に接続し、ゲート電極11はゲート配線24に接続する。こうして、半導体基板21上に区画された各画素が構成される。本実施形態の半導体基板21は、液晶表示素子等の表示素子の構成に好適である。
基板22の材料としては、例えば、ソーダライムガラスおよび無アルカリガラス等のガラス基板、または、シリコン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミドおよびポリイミド等の樹脂基板等が挙げられる。また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の前処理を施しておくこともできる。
本実施形態の半導体基板21において、データ配線23が半導体素子1のソース電極と電気的に接続され、画素電極25が半導体素子1のドレイン電極(図2では、図示されない)と電気的に接続される。また、データ配線23がソース電極を兼ね、画素電極25がドレイン電極を兼ねることも可能である。
そして、本実施形態の半導体基板21において、ゲート配線24に走査信号が供給されると半導体素子1がオンする。このオンされた半導体素子1を通して、データ配線23からの映像信号が、画素電極25に供給される。ここで、ゲート配線24は、図2中、上下方向に並設され、データ配線23は、図2中、左右方向に並設されている。そして、隣接する一対のゲート配線24と隣接する一対のデータ配線23により囲まれる領域(画素)に、所望の形状の画素電極25が配置される。尚、図2に示す画素電極25の形状はベタ板状であるが、後述するように、本実施形態の表示素子がIPSモードやFFSモードの液晶表示素子である場合は、櫛歯形状等とすることが可能である。
実施形態3.
<液晶表示素子>
図3は、本実施形態の液晶表示素子の要部構造を模式的に説明する断面図である。
表示素子である、図3に示す液晶表示素子100は、上述した本実施形態の半導体基板21を用いて構成された、アクティブマトリクス型のTN(Twisted Nematic)モードのカラー液晶表示素子である。
液晶表示素子100は、上述した半導体素子1を有する半導体基板21と、カラーフィルタ40を形成したカラーフィルタ基板30とが、90°ツイスト配向されたネマチック相の液晶43を介して対向した構造を有する。
図3に示すように、半導体基板21では、透明な基板22の液晶43に接する側に、本実施形態の半導体素子1と、ITOからなる透明な画素電極(図3においては図示されない)とがマトリクス状に配置され、各画素を構成している。そして、半導体基板21の液晶43と接する面には、液晶43の配向を制御する配向膜42が設けられている。
カラーフィルタ基板30では、透明な基板45の液晶43に接する側に、着色パターン36等が配置され、カラーフィルタ40を構成している。カラーフィルタ40は、画素領域に設けられた赤色、緑色および青色の着色パターン36と、それらを囲むブラックマトリクス37とを有する。カラーフィルタ基板30は、カラーフィルタ40の着色パターン36の上に保護層38を有する。そして、カラーフィルタ基板30は、保護層38の上に、ITOからなる透明な共通電極41と、液晶43の配向を制御する配向膜42を有している。
半導体基板21とカラーフィルタ基板30にはそれぞれ、上述のように、液晶43の配向を制御するための配向膜42が設けられている。配向膜42は、必要な場合に、例えば、ラビング処理等の配向処理や、偏光照射による光配向処理が施され、半導体基板21とカラーフィルタ基板30とに挟持された液晶43の均一な配向を実現する。
半導体基板21とカラーフィルタ基板30とにおいて、液晶43に接する側と反対の側には、それぞれ偏光板44が配置されている。半導体基板21とカラーフィルタ基板30の間隔は、好ましくは、2μm〜10μmであり、これらは、周辺部に設けられたシール材46によって互いに固定されている。
図3において、符号47は、バックライトユニット(図示されない)から液晶43に向けて照射されたバックライト光である。バックライトユニットとしては、例えば、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の蛍光管と、散乱板とが組み合わされた構造のものを用いることができる。また、白色LEDを光源とするバックライトユニットを用いることもできる。白色LEDとしては、例えば、赤色LEDと、緑色LEDと、青色LEDとを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、赤色LEDと、緑色蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、赤色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、YAG系蛍光体との混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、橙色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、紫外線LEDと、赤色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体と、青色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED等を挙げることができる。
本実施形態の液晶表示素子100には、上述のTNモードの他、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In−Planes Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、VA(Vertical Alignment)モードまたはOCB(Optically Compensated Birefringence)モード等の液晶モードとすることが可能である。
本実施形態の液晶表示素子の半導体基板の半導体素子は、半導体層と、ソース電極およびドレイン電極との間に本実施形態の硬化膜を有しており、その効果により、半導体層の遮光が可能である。そのため、本実施形態の液晶表示素子の半導体素子は、光の影響による特性の低下を低減することができる。その結果、本実施形態の液晶表示素子は、光の影響による表示品位の低下を抑えることができる。
以下、実施例に基づき本発明の実施形態を詳述するが、この実施例によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
以下において、重合体の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、下記の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:GPC−101(昭和電工(株)製)
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803およびGPC−KF−804を結合
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<[A]重合体の合成>
[合成例1]
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸5質量部、2−テトラヒドロピラニルメタクリレート40質量部、スチレン5質量部、メタクリル酸グリシジル40質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部およびα−メチルスチレンダイマー3質量部を仕込み、窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して共重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た。共重合体(A−1)のポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)は9000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、31.3質量%であった。
[合成例2]
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)7質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込んだ。引き続き2−テトラヒドロピラニルメタクリレート85質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル7質量部、メタクリル酸8質量部を仕込み、窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を6時間保持して共重合体(a−1)を含む重合体溶液を得た。共重合体(a−1)のポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)は10000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、29.2質量%であった。
[合成例3]
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続き3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート52質量部、メタクリル酸ベンジル48質量部を仕込み、窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を6時間保持して共重合体(aa−1)を含む重合体溶液を得た。共重合体(aa−1)のポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)は10000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、32.3質量%であった。
[合成例4]
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸5質量部、2−テトラヒドロピラニルメタクリレート40質量部、スチレン5質量部、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン40質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部およびα−メチルスチレンダイマー3質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して共重合体(A−2)を含む重合体溶液を得た。共重合体(A−2)のポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)は10000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、31.2質量%であった。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
実施例1
合成例1で得られた共重合体(A−1)を含む溶液(共重合体(A−1)100質量部(固形分)に相当する量)に、[B]成分として[(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル](BASF社製の「CGI1380」)4質量部、[E]成分として酸化防止剤となるトリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(ADEKA社製の「アデカスタブ(登録商標)AO−20」)1質量部、[E]成分としてシリコーン系界面活性剤((株)東レ・ダウコーニング製の「SH 8400 FLUID」)0.20質量部、[E]成分としてγ−グリシドキプロピルトリメトキシシラン3.0質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(S−1)を調製した。
実施例2
合成例2と合成例3で得られた共重合体(a−1)と共重合体(aa−1)を含む溶液(共重合体(a−1)と共重合体(aa−1)それぞれ50質量部(固形分)を1対1の割合で混合した合計100質量部に相当する量)に、[B]成分として[(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル](BASF社製の「IRGACURE(登録商標) PAG 103」)4質量部、[D]成分として4,4’−ジアミノジフェニルスルホン0.5質量部、[E]成分として酸化防止剤となるトリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(ADEKA社製の「アデカスタブ(登録商標)AO−20」)1質量部、[E]成分としてシリコーン系界面活性剤((株)東レ・ダウコーニング製の「SH 8400 FLUID」)0.20質量部、[E]成分としてγ−グリシドキプロピルトリメトキシシラン3.0質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(S−2)を調製した。
実施例3
実施例1で共重合体(A−1)を含む溶液を用いた代わりに、合成例4で得られた共重合体(A−2)を含む溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、感放射線性樹脂組成物(S−3)を調製した。
<硬化膜の形成と評価>
実施例4
[感放射線性樹脂組成物(S−1)および(S−3)から形成された硬化膜]
無アルカリガラス基板上に、実施例1で調製した感放射線性樹脂組成物(S−1)をスピンナにより塗布した後、90℃のホットプレート上で2分間プレベークすることにより塗膜を形成した。次いで、得られた塗膜に高圧水銀ランプを用い、所望のパターンを有するフォトマスクを介して露光量500J/mとして放射線照射を行い、0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃で、60秒間現像を行った。次いで、オーブン中で220℃の硬化温度および1時間の硬化時間でポストベークすることにより、パターニングされた硬化膜を形成した。
次に、実施例1で調製した感放射線性樹脂組成物(S−1)を用いた代わりに、実施例3で調製した感放射線性樹脂組成物(S−3)を用い、それ以外は上述の感放射線性樹脂組成物(S−1)を用いた方法と同様にして、無アルカリガラス基板上に、パターニングされた硬化膜を形成した。
実施例5
[感放射線性樹脂組成物(S−2)から形成された硬化膜]
無アルカリガラス基板上に、実施例2で調製した感放射線性樹脂組成物(S−2)をスピンナにより塗布した後、90℃のホットプレート上で2分間プレベークすることにより塗膜を形成した。次いで、得られた塗膜に高圧水銀ランプを用い、所望のパターンを有するフォトマスクを介して露光量500J/mとして放射線照射を行い、0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃で、60秒間現像を行った。次いで、オーブン中で180℃の硬化温度および1時間の硬化時間でポストベークすることにより、パターニングされた硬化膜を形成した。
実施例6
[耐熱性の評価]
実施例4の形成方法によって感放射線性樹脂組成物(S−1)および(S−3)から形成された各硬化膜について、それぞれさらにオーブン中、230℃で20分間加熱し、この加熱前後での膜厚を触針式膜厚測定機(アルファステップIQ、KLAテンコール社)で測定した。そして、各硬化膜について残膜率(処理後膜厚/処理前膜厚×100)を算出し、この残膜率を耐熱性とした。残膜率はいずれの硬化膜においても99%であり、いずれの硬化膜も耐熱性は良好と判断した。
同様に実施例5の形成方法による硬化膜について、さらにオーブン中、230℃で20分間加熱し、この加熱前後での膜厚を触針式膜厚測定機(アルファステップIQ、KLAテンコール社)で測定した。そして、残膜率(処理後膜厚/処理前膜厚×100)を算出し、この残膜率を耐熱性とした。残膜率は99%であり、耐熱性は良好と判断した。
実施例7
[耐光性の評価]
実施例4の形成方法によって感放射線性樹脂組成物(S−1)および(S−3)から形成された各硬化膜について、それぞれさらに、UV照射装置(UVX−02516S1JS01、ウシオ社)を用いて、130mWの照度で800000J/mの紫外光を照射して、各硬化膜について照射後の膜減り量を調べた。膜減り量はいずれの硬化膜においても2%以下であり、いずれの硬化膜も耐光性は良好と判断した。
同様に、実施例5の形成方法による硬化膜について、さらに、UV照射装置(UVX−02516S1JS01、ウシオ社)を用いて、130mWの照度で800000J/mの紫外光を照射して、照射後の膜減り量を調べた。膜減り量は2%以下であり、耐光性は良好と判断した。
<液晶表示素子の製造>
実施例8
実施例1により得られた感放射線性樹脂組成物(S−1)を使用し、公知の方法に従いゲート電極とゲート絶縁膜が形成され、その上に酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)からなる半導体層が配置された基板上にスリットダイコーターで塗布した。この基板上の半導体層は、特開2007−115902号公報に記載の方法を参考にし、半導体膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法によるエッチングを繰り返す等して公知の方法に従って形成されたものである。
次に、実施例4の形成方法により、基板上の半導体層上に、パターニングされた、スルーホールを有する硬化膜を形成した。
その後、公知の方法に従い、スルーホールを有する硬化膜上に、ソース電極、ドレイン電極等の電極を形成し、データ配線およびゲート配線等の配線を形成した後、画素電極をパターニングして形成し、半導体基板を製造した。この半導体基板は、上述した図2に示す半導体基板21と同様の構造を有する。したがって、上述した図1に示す半導体素子1と同様の構造の半導体素子を備えている。
次いで、公知の方法により製造されたカラーフィルタ基板を準備した。このカラーフィルタ基板は、透明基板上に、赤色、緑色および青色の3色の微小な着色パターンと、ブラックマトリクスとが格子状に配置されている。そして、保護層の上には、ITOからなる透明な共通電極が形成されている。
次に、得られた半導体基板とカラーフィルタ基板それぞれの上に、光配向性基を有する感放射線性重合体を含む液晶配向剤を用いて光配向膜を形成した。光配向膜の形成方法としては、光配向性基を有する感放射線性重合体を含む液晶配向剤として、国際公開(WO)2009/025386号パンフレットの実施例6に記載の液晶配向剤A−1をスピンナにより各基板上に塗布する。次いで、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、内部を窒素置換したオーブンの中、180℃で1時間加熱して膜厚80nmの塗膜を形成した。次いで、この塗膜表面に、Hg−Xeランプおよびグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線200J/mを、基板表面に垂直な方向に対して40°傾いた方向から照射し、光配向膜を有する半導体基板とカラーフィルタ基板を製造した。
得られた光配向膜付きの半導体基板とカラーフィルタ基板とによって、液晶層を挟持してカラー液晶表示素子を製造した。液晶層としては、ネマチック液晶からなり、基板面に対して極小さな傾斜を伴ってほぼ平行に配向するものを用いた。この液晶表示素子は、上述した図3に示す液晶表示素子100と同様の構造を有する。そして、紫外線等の光が照射されても動作特性を低下させることが無く、優れた表示特性を示した。
実施例9
実施例2により得られた感放射線性樹脂組成物(S−2)を使用し、実施例5の形成方法により、基板上の半導体層上に、パターニングされた、スルーホールを有する硬化膜を形成したこと以外、上述の実施例8と同様にして、カラー液晶表示素子を製造した。この液晶表示素子は、上述した図3に示す液晶表示素子100と同様の構造を有する。そして、紫外線等の光が照射されても動作特性を低下させることが無く、優れた表示特性を示した。
実施例10
実施例3により得られた感放射線性樹脂組成物(S−3)を使用し、実施例4の形成方法により、基板上の半導体層上に、パターニングされた、スルーホールを有する硬化膜を形成したこと以外、上述の実施例8と同様にして、カラー液晶表示素子を製造した。この液晶表示素子は、上述した図3に示す液晶表示素子100と同様の構造を有する。そして、紫外線等の光が照射されても動作特性を低下させることが無く、優れた表示特性を示した。
尚、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
本発明の半導体素子は、本発明の感放射線性樹脂組成物を用いてその硬化膜を形成すること等により、低温加熱処理により製造でき、優れた移動度特性と耐光性を有する。したがって、樹脂基板等、耐熱性に課題がある基板上に形成するのに好適であり、フレキシブル性を備えて軽量な液晶表示素子の提供に好適である。また、耐光性に優れることから室外での利用に好適である。したがって、本発明の半導体素子、半導体基板および表示素子は、大型液晶TV用途等に加え、携帯用情報機器の表示素子の用途にも好適である。
1 半導体素子
2 半導体層
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 硬化膜
6 スルーホール
10、22、45 基板
11 ゲート電極
12 ゲート絶縁膜
21 半導体基板
22 基板
23 データ配線
24 ゲート配線
25 画素電極
30 カラーフィルタ基板
36 着色パターン
37 ブラックマトリクス
38 保護層
40 カラーフィルタ
41 共通電極
42 配向膜
43 液晶
44 偏光板
46 シール材
47 バックライト光
100 液晶表示素子

Claims (11)

  1. インジウム(In)、亜鉛(Zn)および錫(Sn)のうちの少なくとも1種を含む酸化物を用いて形成された半導体層と、前記半導体層の第1面に設けられた電極とを有する半導体素子であって、
    前記半導体層と前記電極との間に硬化膜が配置され、
    前記硬化膜が下記式(1A−1)〜下記式(1A−9)で表される架橋部分の少なくとも一つを有することを特徴とする半導体素子。
    Figure 2014039010
    (式(1A−7)〜式(1A−9)中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示す。)
  2. 前記硬化膜が、
    [A]同一または異なる重合体分子中に下記式(1B)で表される基を含む構造単位とエポキシ基を含む構造単位とを有する重合体、および
    [B]光酸発生体
    を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
    Figure 2014039010
    (式(1B)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。(但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。)Rは、炭素数1〜30のエーテル基、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。RとRとが連結して環状エーテルを形成してもよい。)
  3. 前記硬化膜にはスルーホールが設けられ、
    前記半導体層の第1面と前記電極との接続は、該スルーホールを介して行われるよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体素子。
  4. 前記半導体層は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化亜鉛錫(ZTO)および酸化インジウム亜鉛(IZO)のうちの少なくとも1種を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体素子。
  5. [B]光酸発生体は、下記式(2)で表されるオキシムスルホネート基を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の半導体素子。
    Figure 2014039010
    (式(2)中、RB1は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよい。)
  6. 前記硬化膜は、[C]紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体素子。
  7. [C]紫外線吸収剤は、下記式(3−1)および下記式(3−2)で表される化合物からなる群より選ばれる1種を含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体素子。
    Figure 2014039010
    Figure 2014039010
    (式(3−1)および式(3−2)中、R11〜R25は、各々独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のベンゾイロキシ基または水酸基を表す。)
  8. 前記半導体層の第2面にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
    前記第1面に設けられたソース電極およびドレイン電極とを有してボトムゲート型半導体素子を構成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体素子の硬化膜の形成に用いられることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
  10. 請求項9に記載の感放射線性樹脂組成物から形成されることを特徴とする硬化膜。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体素子を用いたことを特徴とする表示素子。
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