JP2007042852A - トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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貴祐 樋口
Yuji Hirose
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Abstract

【課題】耐溶剤性と柔軟性に優れたゲート絶縁層を有する有機電界効果トランジスタを、低コストで提供する。
【解決手段】基板と、互いに分離して設けられたソース電極及びドレイン電極と、該ソース電極及び該ドレイン電極間に介在する有機半導体層と、該有機半導体層にゲート絶縁層を介して設けられたゲート電極を備える有機電界効果トランジスタにおいて、該ゲート絶縁層が架橋された有機膜からなり、該有機膜の架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であることを特徴とする有機電界効果トランジスタ、及びその製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機半導体を用いた電界効果トランジスタに関する。
電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、以下、「FET」と略称する場合がある)は、バイポーラトランジスタと並んで最も一般的なトランジスタであって、スイッチや増幅素子として広く用いられている。
一般に、FETは、基板、ゲート絶縁層、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体層からなる。このうち、半導体層には、現在、シリコンが広く用いられているが、その製造過程においてクリーンルームなどの大規模な施設が必要なため、製造コストが高いという欠点を有している。
このため、近年、半導体層に有機半導体を用いたFET(以下、「有機FET」と略称する場合がある)の研究が活発に行なわれている。有機FETは、半導体層の形成を塗布等の安価なプロセスにより行うことができるため、低コストで製造できるというメリットがあり、さらに、基板として柔軟な樹脂を用いることができるため、軽量で壊れにくいトランジスタを製造できるというメリットがある。例えば、非特許文献1には、ポリエチレンテレフタレート製の基板上にインジウム・鉛酸化物からなるゲート電極を設け、その上にポリイミドからなる絶縁層、有機半導体層、ソース電極及びドレイン電極を順次スクリーン印刷することによって有機FETを形成できることが開示されている。
次に、有機FETの代表的な構造を示す。
図1の有機FETは、基板1上にゲート電極2が設けられ、この上にゲート絶縁層3が設けられ、ゲート絶縁層3の上に有機半導体層4が設けられている。この有機半導体層4に接するように、ソース電極5とドレイン電極6がゲート絶縁層3上に設けられている。このような有機FETはボトムゲート・ボトムコンタクト型と呼ばれる。
図2の有機FETは、ゲート絶縁層3上の有機半導体層4上にソース電極5とドレイン電極6が設けられている点が図1に示す有機FETと異なるが、その他は同様の構成である。このような有機FETはボトムゲート・トップコンタクト型と呼ばれる。
図3の有機FETは、基板1上にソース電極5とドレイン電極6が設けられ、これら基板1、ソース電極5及びドレイン電極6の上に有機半導体層4が設けられ、その上にゲート絶縁体層3が設けられ、ゲート絶縁層3上にゲート電極2が設けられている。このような有機FETはトップゲート・ボトムコンタクト型と呼ばれる。
このような有機FETを塗布プロセスによって製造する場合、ゲート絶縁層上に有機半導体部や電極部を塗布することとなるが、このとき、下層となる絶縁層部が、塗布される有機半導体溶液や電極形成溶液中の有機溶剤によって溶解してしまう場合があり課題とされていた。この対策として、ゲート絶縁層の形成を高温焼付によって行うことが考えられるが、有機FETは、有機半導体層の柔軟性を活用するために基板として柔軟な樹脂を用いることが望まれており、基板樹脂を劣化させる高温焼付は好ましくない。また、特許文献1には、ゲート絶縁層にラダー状のシルセスキオキサン骨格を有する化合物を用いることによって、樹脂基板に適用可能な低温加熱(200℃以下)で耐溶剤性に優れたゲート絶縁層を形成できることが開示されているが、該化合物は比較的高価なため、製造コストが高くなる上、形成されるゲート絶縁層においてワレが生じる場合がある。
Z.Bao,Y.Feng,A.Dodabalapur,V.R.Raju,and A.J.Lovinger,Chem.Mater.9,1299(1997) 特開2004−304115号公報
本発明は、耐溶剤性と柔軟性に優れたゲート絶縁層を有する有機FETを、低コストで提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、ゲート絶縁層が架橋された有機膜からなり、該有機膜の架橋間分子量が250〜5,000の範囲内である場合に、耐溶剤性と柔軟性に優れたゲート絶縁層が形成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1.基板、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層、ゲート絶縁層及びゲート電極を有し、該ソース電極及びドレイン電極が互いに離間し、該ソース電極及び該ドレイン電極間に有機半導体層が介在するとともに、該有機半導体層とゲート電極とがゲート絶縁層により隔離されてなるトランジスタにおいて、
該ゲート絶縁層が架橋された有機膜からなり、該有機膜の架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であることを特徴とするトランジスタ、
2.ゲート絶縁層のゲル分率が80%以上であることを特徴とする前記1に記載のトランジスタ、
3.ゲート絶縁層が、熱硬化性樹脂及び/又は活性エネルギー線硬化性樹脂を含む樹脂組成物(X)を硬化させてなるものであることを特徴とする前記1又は2に記載のトランジスタ、
4.樹脂組成物(X)が、水酸基含有樹脂とアミノ樹脂との組み合わせ、水酸基含有樹脂とイソシアネート基含有樹脂との組み合わせ、及びカルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂との組み合わせから選ばれる熱硬化性樹脂であることを特徴とする前記3に記載のトランジスタ、
5.樹脂組成物(X)が、シアノ基及び/又はニトロ基を有する水酸基含有樹脂とアミノ樹脂を含有する熱硬化性樹脂であることを特徴とする前記4に記載のトランジスタ、
6.ゲート絶縁層の膜厚が、50〜5,000nmの範囲内であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のトランジスタ、
7.(工程a−1):基板上にゲート電極を形成する工程、
(工程a−2):前記(工程a−1)で形成されたゲート電極上に、樹脂組成物(X)を塗布する工程、
(工程a−3):前記(工程a−2)で塗布された樹脂組成物(X)を架橋させることにより、架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であるゲート絶縁層を形成する工程、
(工程a−4):前記(工程a−3)で形成されたゲート絶縁層上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成する工程、
(工程a−5):前記(工程a−4)で形成されたソース電極及びドレイン電極の間隔を埋めるように前記ゲート絶縁層上に有機半導体層を形成する工程、
を含むことを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のトランジスタの製造方法、
8.(工程b−1):基板上にゲート電極を形成する工程、
(工程b−2):前記(工程b−1)で形成されたゲート電極上に、樹脂組成物(X)を塗布する工程、
(工程b−3):前記(工程b−2)で塗布された樹脂組成物(X)を架橋させることにより、架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であるゲート絶縁層を形成する工程、
(工程b−4):前記(工程b−3)で形成されたゲート絶縁層上に、有機半導体層を形成する工程、
(工程b−5):前記(工程b−4)で形成された有機半導体層上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成する工程、
を含むことを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のトランジスタの製造方法、
9.(工程c−1):基板上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成する工程、
(工程c−2):前記(工程c−1)で形成されたソース電極及びドレイン電極の間隔を埋めると共に、それらの上面を覆うように前記基板、該ソース電極及び該ドレイン電極上に有機半導体層を形成する工程、
(工程c−3):前記(工程c−2)で形成された有機半導体層上に樹脂組成物(X)を塗布する工程、
(工程c−4):前記(工程c−3)で塗布された樹脂組成物(X)を架橋させることにより、架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であるゲート絶縁層を形成する工程、
(工程c−5):前記(工程c−4)で形成されたゲート絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
を含むことを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のトランジスタの製造方法。
本発明によって、耐溶剤性と柔軟性に優れたゲート絶縁層を有する有機FETを、低コストで提供することができる。
前述した図1〜3は、有機FETの代表的な構造であり、また、本発明で得られる有機FETの一般的な構造でもある。以下、図1〜3を用いて本発明のトランジスタ、及びその製造方法について説明するが、本発明に係るトランジスタの構造は図1〜3の構造に限られるものではない。
図1〜3に示すように、本発明のトランジスタは、基板1と、互いに分離して設けられたソース電極5及びドレイン電極6と、該ソース電極5及び該ドレイン電極6間に介在する有機半導体層4と、該有機半導体層4にゲート絶縁層3を介して設けられたゲート電極2とを備える構造を有する。
そして、ゲート電極2にゲート電圧を印加させると、有機半導体層4とゲート絶縁層3の界面付近における有機半導体層4のキャリア密度が変化し、ソース電極5及びドレイン電極6の間に流れる電流量が変化する。
トランジスタの製造は、例えば、図1に示すボトムゲート・ボトムコンタクト型トランジスタにおいては、基板1上にゲート電極2を形成する工程、ゲート電極2を覆うように基板1上にゲート絶縁層3を形成する工程、ゲート絶縁層3表面にソース電極5及びドレイン電極6を分離して形成する工程、さらにゲート絶縁層3、ソース電極5及びドレイン電極6上に有機半導体層4を形成する工程、により行われる。
また、図2に示すボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタは、基板1上にゲート電極2を形成する工程、ゲート電極2を覆うように基板1上にゲート絶縁層3を形成する工程、ゲート絶縁層3上に有機半導体層4を形成する工程、有機半導体層4上にソース電極5及びドレイン電極6を分離して形成する工程、により製造される。
また、図3に示すトップゲート・ボトムコンタクト型トランジスタは、基板1上にソース電極5及びドレイン電極6を分離して形成する工程、ソース電極5及びドレイン電極6を覆うように基板1上に有機半導体層4を形成する工程、有機半導体層4上にゲート絶縁層3を形成する工程、さらにゲート絶縁層3上にゲート電極2を形成する工程、により製造される。
本発明に係るゲート絶縁層とは、図1〜3におけるゲート絶縁層3のことであり、以下、ゲート絶縁層3、基板1、電極層(ゲート電極2、ソース電極5及びドレイン電極6)、及び有機半導体層4について詳細に説明する。
1−1)ゲート絶縁層3
本発明において、ゲート絶縁層3は架橋された有機膜からなり、該有機膜の架橋間分子量が250〜5,000の範囲内である。中でも、500〜2,000の範囲内であることが好ましく、1,000〜1,500の範囲内であることがさらに好ましい。架橋間分子量が5,000を超えると耐溶剤性が劣り、250未満ではゲート絶縁層にワレを生じる場合がある。
本発明における架橋間分子量は、動的粘弾性測定装置によって得られた測定値を理論式に適用して求めた計算値であって、以下のようにして測定することができる。
樹脂組成物(X)をテフロン(登録商標)板上に硬化膜厚が20μmになるように塗布し、所定の硬化条件によって硬化塗膜を形成した後、得られた硬化塗膜を長さ30mm、幅5mmの短冊状に裁断する。次に、該硬化塗膜をテフロン(登録商標)板から剥離し、得られた短冊状の硬化塗膜について、バイブロン動的粘弾性測定装置 DAYNAMIC VISCO ELASTOMETER MODEL VIBRON DDV−IIEA 型(TOYO BALDWIN社製)を用いて、周波数3.5ヘルツ、昇温速度4℃/分において測定した値を、下記のゴム粘弾性理論式にあてはめ、架橋間分子量を求める。
架橋間分子量Mc=3ρRT/Emin
[ただし、ρ=試料塗膜の密度(kg/m)、R=8.314 (J/(mol・K))、T=弾性率最小のときの絶対温度(K)、Emin =最小弾性率(Pa) である]。
ゲート絶縁層3は、熱硬化性樹脂及び/又は活性エネルギー線硬化性樹脂を含む樹脂組成物(X)を硬化させて形成することが、樹脂組成物(X)の貯蔵安定性に優れるため、好ましい。上記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を挙げることができる。
樹脂組成物(X)に含まれる硬化性樹脂は、1種又は2種以上の硬化性樹脂であって、それ自体が反応硬化して架橋有機膜を形成する硬化性樹脂であっても、基体樹脂(x−1)と架橋剤(x−2)からなり、架橋反応して架橋有機膜を形成する硬化性樹脂であっても良い。中でも、基体樹脂(x−1)と架橋剤(x−2)からなる硬化性樹脂が、貯蔵安定性に優れるため、好ましい。
該硬化性樹脂の分子量および官能基数を調整することによって、架橋有機膜の架橋間分子量を調整することができる。
また、該硬化性樹脂が、シアノ基及び/又はニトロ基を含有することが、トランジスタ特性を向上させることができるため、好ましい。
該硬化性樹脂としては、水酸基、メチロール基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタン基、オキシラン基、シラノール基、アジリジン基、アミド基、メルカプト基、カーバメイト基、エーテル基、オキシム基、アセトアセトキシ基、アルコキシシリル基、オキサゾリン基、ビニルエーテル基、カルボニル基、ヒドラジド基、エチレン性不飽和基及び環状エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する硬化性樹脂が好ましい。
該硬化性樹脂の架橋形式としては、水酸基含有樹脂とアミノ樹脂による架橋、水酸基含有樹脂とイソシアネート基含有樹脂による架橋、及びカルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂による架橋が好ましく、中でも、水酸基含有樹脂とアミノ樹脂による架橋が特に好ましい。
上記硬化性樹脂が、基体樹脂(x−1)と架橋剤(x−2)からなる場合において、基体樹脂(x−1)は、架橋剤(x−2)と架橋する基を有する樹脂であり、特に限定されるものではないが、例えば、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等を用いることができる。中でもビニル樹脂が好ましく、シアノ基を有するビニル樹脂が、トランジスタ特性に優れるため、特に好ましい。
また、基体樹脂(x−1)としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基からなる群の少なくとも1種の官能基を含有する樹脂であることが好適であり、中でも水酸基含有樹脂であることが好ましく、シアノ基及び/又はニトロ基を有する水酸基含有樹脂であることがさらに好ましい。
基体樹脂(x−1)としては、水酸基を含有するビニル樹脂が好ましく、水酸基及びシアノ基を含有するビニル樹脂がさらに好ましい。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを共重合することによって得られ、ビニルモノマーとしては、例えば、水酸基を有するビニルモノマー[a]、(メタ)アクリル酸エステル[b]、ビニルエーテル及びアリールエーテル[c]、オレフィン系化合物及びジエン化合物[d]、炭化水素環含有不飽和単量体[e]、含窒素不飽和単量体[f]等を挙げることができる。
水酸基を有するビニルモノマー[a]としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸とのモノエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和モノマーとのモノエーテル;無水マレイン酸や無水イタコン酸のような酸無水基含有不飽和化合物と、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類とのモノエステル化物又はジエステル化物;ヒドロキシエチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビニルエーテル類;アリルアルコール等;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;α,β−不飽和カルボン酸と、カージュラE10P(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)やα−オレフィンエポキシドのようなモノエポキシ化合物との付加物;グリシジル(メタ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸、脂肪酸類のような一塩基酸との付加物;上記水酸基含有モノマーとラクトン類(例えばε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン)との付加物等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステル類[b]の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル等が挙げられる。
ビニルエーテル及びアリールエーテル[c]としては、例えば、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、トリビニルエーテル等のアリールビニルエーテル類、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテル等のアラルキルビニルエーテル類;アリルグリシジルエーテル、アリルエチルエーテル等のアリルエーテル類等が挙げられる。
オレフィン系化合物及びジエン化合物[d]としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
炭化水素環含有不飽和単量体[e]としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、p−tert−ブチル−安息香酸と(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとのエステル化物、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
含窒素不飽和単量体[f]としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン等の芳香族含窒素モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニトリル;アリルアミン等が挙げられる。
例えば、水酸基を含有するビニル樹脂は、ビニルモノマーとして、水酸基を有するビニルモノマー[a]を用いることによって得ることができ、水酸基及びシアノ基を含有するビニル樹脂は、ビニルモノマーとして、水酸基を有するビニルモノマー[a]及びアクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニトリルを用いることによって得ることができる。
ビニル樹脂の共重合手法としては、一般的なビニルモノマーの重合法を用いることができるが、汎用性やコスト等を考慮して、有機溶剤中におけるラジカル重合法が最も適している。即ち、キシレン、トルエン等の芳香族溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤;n−ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤等の溶剤中でアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の重合開始剤の存在下、60〜150℃程度の温度範囲内で共重合反応を行うことによって、容易に目的の重合体を得ることができる。
基体樹脂(x−1)が水酸基含有樹脂である場合、水酸基価が20〜200mgKOH/gの範囲内であることが、耐溶剤性及び耐ワレ性に優れた架橋有機膜を形成することができるため、好ましく、50〜150mgKOH/の範囲内であることがさらに好ましい。
基体樹脂(x−1)が水酸基含有樹脂である場合、架橋剤(x−2)として、例えばアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物等を使用することが可能であり、中でも、アミノ樹脂を使用することが好ましい。また、基体樹脂(x−1)として、シアノ基及び/又はニトロ基を有する水酸基含有樹脂を用い、架橋剤(x−2)として、アミノ樹脂を用いることがさらに好ましい。
アミノ樹脂としてはメラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等がある。また、このメチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものも使用でき、エーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
アミノ樹脂としてはエーテル化されたメラミン樹脂が好ましく、中でも、基体樹脂(x−1)として、シアノ基及び/又はニトロ基を有する水酸基含有樹脂を用い、架橋剤(x−2)として、エーテル化されたメラミン樹脂を用いることがさらに好ましい。
水酸基含有樹脂とアミノ樹脂との混合割合は、この両成分の合計固形分量を基準に、水酸基含有樹脂は40〜90質量%、特に50〜80質量%、アミノ樹脂は10〜60質量%、特に20〜50質量%の範囲内であることが好ましい。水酸基含有樹脂とアミノ樹脂との混合割合が、上記範囲内である場合に、耐溶剤性及び耐ワレ性に優れた架橋有機膜を形成することができる。
上記ポリイソシアネート化合物は1分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族系、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系等のものがあげられる。
上記ブロック化ポリイソシアネート化合物としては、上記ポリイソシアネート化合物を、例えばε−カプロラクタムなどのラクタム系ブロック化剤、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系ブロック化剤、アセトキシムなどのオキシム系ブロック化剤などでブロック化したものなどが挙げられる。
また、水酸基含有樹脂と(ブロック化)ポリイソシアネート化合物の混合割合は、水酸基含有樹脂の水酸基に対し、(ブロック化)ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が、0.6〜1.5当量の範囲内であることが、耐溶剤性及び耐ワレ性に優れた架橋有機膜を形成することができるため、好ましく、0.8〜1.2当量の範囲内であることがさらに好ましい。
基体樹脂(x−1)と架橋剤(x−2)の組み合わせとしては、基体樹脂(x−1)にシアノ基を有する水酸基含有樹脂を用い、架橋剤(x−2)にエーテル化されたメチロール化メラミン樹脂を用いることが、耐溶剤性及びトランジスタ特性に優れるため、好ましい。
樹脂組成物(X)は、無機化合物微粒子を含有することができる。なかでも、比誘電率が5以上の無機化合物微粒子を含有することが好ましく、比誘電率が10以上の無機化合物微粒子を含有することがさらに好ましい。無機化合物微粒子を含有させることで、ソース電極5−ドレイン電極6間の電流制御を行うためのゲート電圧を小さくすることができる。
樹脂組成物(X)は、溶媒、及び硬化触媒、表面調整剤、粘度調整剤等の添加剤を含有することができる。溶媒としては、水、有機溶剤等、任意の溶媒を用いることができる。
また、ゲート絶縁層3のゲル分率は、80〜100%の範囲内であることが好ましく、95〜100%の範囲内であることがさらに好ましい。ゲル分率が該範囲内である場合、耐溶剤性に優れたゲート絶縁層3を形成することができる。
本発明におけるゲル分率の測定は次のようにして行った。
樹脂組成物(X)をテフロン(登録商標)板上に硬化膜厚が20μmになるように塗布し、所定の硬化条件によって塗膜を形成した後、得られた硬化塗膜を長さ50mm、幅30mmの短冊状に裁断する。次に、該硬化塗膜をテフロン(登録商標)板から剥離し、得られた短冊状の硬化塗膜について、質量を測定した後、フラスコ中で還流(80℃)中のメチルエチルケトン中に浸漬し、5時間抽出処理を行い、80℃で1時間乾燥した後、抽出後の塗膜質量を測定する。抽出前の塗膜質量と抽出後の塗膜質量から(ゲル分率)=(抽出後の塗膜質量/抽出前の塗膜質量×100)[%]を求める。
ゲート絶縁層3の膜厚は、50〜5,000nmの範囲内であることが適しており、中でも100〜2,000nmの範囲内であることが好ましく、200〜1,000nmの範囲内であることが特に好ましい。膜厚が50nmより小さいと、均一な膜厚のゲート絶縁層を形成することが困難になるため絶縁性が低下し、膜厚が5,000nmより大きいと、ソース電極5−ドレイン電極6間の電流制御を行うためのゲート電圧が高くなる。なお、トランジスタ設計上、ゲート絶縁層3の表面が平坦と見なせない場合は、実質的にチャネルが生成する界面とゲート電極間の距離をゲート絶縁層3の膜厚とする。
次に、ゲート絶縁層3の形成方法について詳細に説明する。
本発明に係る架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であるゲート絶縁層3は、樹脂組成物(X)を、例えば、ゲート電極2が形成された基板1上(図1又は図2の場合)、あるいは有機半導体層4上(図3の場合)に塗布した後、加熱及び/又は活性エネルギー線照射を行うことによって形成することが好ましい。
樹脂組成物(X)を塗布した後に加熱を行う場合、基板1に樹脂基板を使用した際に基板が損傷するおそれがあるため、基板に使用する樹脂の耐熱温度以下の加熱とすることが好ましい。中でも、200℃以下の加熱であることが、基板1として安価なポリエステルを用いることができ、トランジスタの製造コストを低減できるため、好ましく、180℃以下の加熱であることがさらに好ましい。
上記活性エネルギー線としては、例えば、水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、エキシマー等による紫外線、β線、電子線等を挙げることができ、中でも、紫外線及び/又は電子線を用いることが好ましい。
また、樹脂組成物(X)を塗布した後、常温で硬化させることにより、架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であるゲート絶縁層3を形成させても良い。
また、必要に応じて、減圧環境下及び/又は不活性ガス雰囲気下でゲート絶縁層3の形成を行っても良い。
樹脂組成物(X)を塗布する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法、ブレードコート法、キャスト法、スプレー法、ディッピング法、印刷法、インクジェット法等が挙げることができ、中でも、スピンコート法、印刷法が、短時間で塗膜を形成することができ、製造効率に優れるため、好ましい。
また、架橋間分子量が250〜5,000の範囲内である有機膜を予め作製し、例えばゲート電極2が形成された基板1上(図1又は図2の場合)、あるいは有機半導体層4上(図3の場合)に貼付することによってゲート絶縁層3を形成しても良い。
1−2)基板1
基板1は、絶縁性の材料から選択される。具体的には、ガラス、アルミナ焼結体などの無機材料、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などの各種絶縁性樹脂等が使用可能である。軽量でフレシキブルなトランジスタを作製することができるため、基板1の材料としては樹脂を用いることが好ましく、中でも、経済性に優れるポリエステル、又は耐溶剤性に優れるポリイミドが好ましい。
1−3)有機半導体層4
有機半導体層4を形成する有機半導体としては、特に限定されず、低分子有機半導体、高分子有機半導体のいずれであってもよく、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン又はそれらの置換誘導体を含むアセン分子材料、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド又はそれらの置換誘導体、無水フタロシアニン、金属フタロシアニン又はそれらの置換誘導体、フラーレンC60、オリゴ重合度が4以上8以下のチオフェンオリゴマー又はそれらの置換誘導体、4個以上12個以下の炭素を含むアルキル置換基を有するレジオレギュラーポリ(3−アルキルチオフェン)等が挙げられる。中でも、有機溶媒に溶解させることができる高分子有機半導体が好ましく、特にコンフォメーション形成することで半導体特性が向上するレジオレギュラーポリ(3−ヘキシルチオフェン)が好ましい。また、有機半導体材料は近年、種々のものが開発されており、そのいずれをも用いることが出来る。
有機半導体層4を形成する方法としては、蒸着により形成する方法や、上記有機半導体材料を溶媒に溶解して、有機半導体溶液を作製し、該有機半導体溶液を塗布して形成する方法が挙げられる。中でも、塗布によって形成する方法が、生産性に優れるため、好ましく、塗布方法として、スピンコート法、印刷法、インクジェット法を用いることが特に好ましい。
また、目的とする有機半導体の前駆体の層を形成し、その後に加熱等の処理を行うことによって、該前駆体層を、目的とする有機半導体層に変換し、有機半導体層4を形成してもよい。
有機半導体層4の形成工程は、樹脂基板への影響を低減するために、200℃以下で行なわれることが好ましい。
1−4)電極層(ゲート電極2、ソース電極5及びドレイン電極6)
電極層(ゲート電極2、ソース電極5及びドレイン電極6)の材料は、特に限定されず、導電性を示すものであればよい。例えば、金、白金、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、ニッケル等の金属;これらの金属を用いた合金;ポリシリコン、アモルファスシリコン、錫酸化物、酸化インジウム、インジウム・錫酸化物(ITO)等の無機材料;ポリアニリン、ポリチオフェン等の有機材料等が挙げられる。
電極層(ゲート電極2、ソース電極5及びドレイン電極6)の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、インクジェット法、印刷法、ゾルゲル法等が挙げることができ、更にそのパターニング方法としては、フォトリソグラフィー法、インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法、及びこれらの手法を複数組み合わせた方法が挙げることができる。中でも、上記導電性材料を溶媒に溶解した導電性材料溶液を用いて、印刷法又はインクジェット法により電極層を形成する方法が、生産性に優れており、好ましい。
また、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して材料を除去することや材料の導電性を変化させることにより、直接パターンを作製することも可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお文中「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。
水酸基含有アクリル共重合体溶液の製造
製造例1
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入口及び滴下装置を備えた四ツ口フラスコにシクロヘキサノン160部を仕込み、窒素気流中で攪拌混合し、73℃に昇温した。73℃に達した後、スチレン141部、2−ヒドロキシエチルアクリレート30部、アクリロニトリル29部及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2部からなる混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後73℃で1時間保持して熟成を行った。次いで、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1部及びシクロヘキサノン50部からなる混合溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後73℃で2時間保持して熟成を行った後、シクロヘキサノンを加え、固形分40%の水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−1)を得た。
製造例2
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入口及び滴下装置を備えた四ツ口フラスコにシクロヘキサノン160部を仕込み、窒素気流中で攪拌混合し、125℃に昇温した。125℃に達した後、スチレン26部、2−ヒドロキシエチルアクリレート18部、メチルアクリレート79部、イソステアリルアクリレート140部及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10部からなる混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後125℃で1時間保持して熟成を行った。次いで、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5部及びシクロヘキサノン10部からなる混合溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後125℃で2時間保持して熟成を行った後、シクロヘキサノンを加え、固形分60%の水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−2)を得た。
製造例3
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入口及び滴下装置を備えた四ツ口フラスコにキシレン120部を仕込み、窒素気流中で攪拌混合し、125℃に昇温した。125℃に達した後、スチレン60部、イソボルニルアクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート6部、tert−ブチルアクリレート18部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート56部及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート12部からなる混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後125℃で1時間保持して熟成を行った。次いで、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部、酢酸ブチル7部及びキシレン3部からなる混合溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後125℃で2時間保持して熟成を行った後、キシレンを加え、固形分60%の水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−3)を得た。
製造例4
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入口及び滴下装置を備えた四ツ口フラスコにシクロヘキサノン160部を仕込み、窒素気流中で攪拌混合し、125℃に昇温した。125℃に達した後、スチレン26部、アクリル酸30部、メチルアクリレート90部、n−ブチルメタクリレート48部、n−ブチルアクリレート23部及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5部からなる混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後125℃で1時間保持して熟成を行った。次いで、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5部及びシクロヘキサノン10部からなる混合溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後125℃で2時間保持して熟成を行った後、シクロヘキサノンを加え、固形分60%のカルボキシル基含有アクリル共重合体溶液(A−4)を得た。
製造例5
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入口及び滴下装置を備えた四ツ口フラスコにシクロヘキサノン160部を仕込み、窒素気流中で攪拌混合し、125℃に昇温した。125℃に達した後、メチルメタクリレート45.8部、アクリル酸33.5部、メタクリル酸5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15.7部及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート8部からなる混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後125℃で1時間保持して熟成を行った。次いで、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5部及びシクロヘキサノン10部からなる混合溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後125℃で2時間保持して熟成を行った後、シクロヘキサノンを加え、固形分60%のカルボキシル基含有アクリル共重合体溶液(A−5)を得た。
樹脂組成物(X)の製造
製造例6
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例1で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−1)80部及びサイメル325(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、エーテル化されたメチロール化メラミン樹脂、固形分80%)20部を加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−1)を得た。
製造例7
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例1で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−1)90部を加え、さらにサイメル325を10部加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−2)を得た。
製造例8
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例1で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−1)95部を加え、さらにサイメル325を5部加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−3)を得た。
製造例9
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例2で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−2)80部を加え、さらにサイメル325を20部加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−4)を得た。
製造例10
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例2で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−2)90部を加え、さらにサイメル325を10部加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−5)を得た。
製造例11
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例2で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−2)95部を加え、さらにサイメル325を5部加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−6)を得た。
製造例12
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例3で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−3)80部を加え、さらにサイメル325を20部加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−7)を得た。
製造例13
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例3で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−3)90部を加え、さらにサイメル325を10部加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−8)を得た。
製造例14
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例3で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−3)95部を加え、さらにサイメル325を5部加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−9)を得た。
製造例15
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例3で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−3)84.5部、デュラネートTPA−100(商品名、旭化成ケミカルズ社製、ポリイソシアネート化合物、固形分100%)15部及びジブチルチンジラウレート0.5部を加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−10)を得た。
製造例16
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例3で得た水酸基含有アクリル共重合体溶液(A−3)89.5部、デュラネートTPA−100 10部及びジブチルチンジラウレート0.5部を加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−11)を得た。
製造例17
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例4で得たカルボキシル基含有アクリル共重合体溶液(A−4)73部、エピコートEP−828EL(商品名、ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形分100%)26.5部及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.5部を加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−12)を得た。
製造例18
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例4で得たカルボキシル基含有アクリル共重合体溶液(A−4)85部、エピコートEP−828EL 14.5部及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.5部を加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−13)を得た。
製造例19
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例4で得たカルボキシル基含有アクリル共重合体溶液(A−4)92部、エピコートEP−828EL 7.5部及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.5部を加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−14)を得た。
製造例20
シクロヘキサノン80部中に、攪拌しながら、製造例5で得たカルボキシル基含有アクリル共重合体溶液(A−5)60部、エピコートEP−828EL 40部及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.5部を加えて均一になるまで混合した後、さらにシクロヘキサノンを添加して、固形分20%の樹脂組成物(X−15)を得た。
実施例1
架橋間分子量の測定
製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)をテフロン(登録商標)板上に、間隙200μmのアプリケーターで硬化膜厚が20μmになるように塗布し、熱風循環式乾燥炉で145℃、30分間加熱して硬化させ、得られた硬化塗膜を幅5mm、長さ30mmの短冊状に裁断した。続いて、硬化塗膜をテフロン(登録商標)板から剥がし、得られた短冊状の硬化塗膜について、バイブロン動的粘弾性測定装置 DAYNAMIC VISCO ELASTOMETER MODEL VIBRON DDV−IIEA 型(TOYO BALDWIN社製)を用いて、周波数3.5ヘルツ、昇温速度4℃/分において測定した値を、下記のゴム粘弾性理論式にあてはめて、架橋間分子量を求めた。
架橋間分子量Mc=3ρRT/Emin
[ただし、ρ=試料塗膜の密度(kg/m)、R=8.314 (J/(mol・K))、T=弾性率最小のときの絶対温度(K)、Emin =最小弾性率(Pa) である]。
ゲル分率の測定
製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)をテフロン(登録商標)板上に、間隙200μmのアプリケーターで硬化膜厚が20μmになるように塗布し、熱風循環式乾燥炉で145℃、30分間加熱して硬化させ、得られた硬化塗膜を幅30mm、長さ50mmの短冊状に裁断した。続いて、硬化塗膜をテフロン(登録商標)板から剥がし、得られた短冊状の硬化塗膜について、質量を測定した後、フラスコ中で還流(80℃)中のメチルエチルケトン中に浸漬し、5時間抽出処理を行い、80℃で1時間乾燥した後、抽出後の塗膜質量を測定した。抽出前の塗膜質量と抽出後の塗膜質量から(ゲル分率)=(抽出後の塗膜質量/抽出前の塗膜質量×100)[%]を求めた。
耐溶剤性の評価
製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)をガラス板上に、スピンコーターで、硬化膜厚が1μmになるように塗布した後、145℃のホットプレートで30分間加熱し硬化させた。得られた硬化塗膜上にアセトンを0.5mL滴下し、滴下1分後のアセトン滴下部分の塗膜外観を目視評価した。評価基準を以下に示す。
○:変化が見られない
×:塗膜の膨潤、破壊、ガラス板からの剥離等何らかの変化が見られる。
耐屈曲性(耐ワレ性)の評価
製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を厚さ38μmのPETフィルム上に、ナイフエッジコーターで、硬化膜厚が20μmになるように塗布した後、熱風循環式乾燥炉で145℃で30分間加熱し硬化させ、試験用フィルムを得た。該試験用フィルムについて、耐屈曲性(耐ワレ性)試験を、JISK5600−5−1規格に準じ、測定温度20℃、試験装置タイプ1、マンドレルの直径20mmの試験条件で行い、目視で評価した。評価基準を以下に示す。
○:ワレが見られない
△:微小なワレが見られる
×:顕著なワレが見られる。
絶縁性の評価
透明導電膜として上記ITOを有するガラス板上に、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、回転数500rpm、回転時間30秒でスピンコートし、145℃のホットプレートで30分間加熱し硬化させた。得られた硬化塗膜上に電極を形成した後、該硬化塗膜に電圧を印加し、塗膜中を流れる微小電流(リーク電流)値を微小電流計(KEITHLEY社製、MODEL6487)を用いて測定した。得られた微小電流値を電極面積で除した値を電流密度とし、この電流密度の値が10−3A/cm以上となったときの印加電圧を絶縁破壊電圧とした。評価基準は、該絶縁破壊電圧が1MV/cm以上であれば「○」、1MV/cm未満であれば「×」とした。また、硬化塗膜の膜厚は、該硬化塗膜の一部分を剥離した後、剥離部と未剥離部の表面形状を触針式表面形状測定器Alpha−Step500(Tencor社製)を用いて測定したときの、剥離部と未剥離部の段差の大きさとした。
FET特性の評価
ITO付ガラス板上に製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、回転数500rpm、回転時間30秒でスピンコートし、145℃のホットプレートで30分間加熱し硬化させた。得られた硬化塗膜上に、ポリ3−ヘキシルチオフェンの0.5%o−ジクロロベンゼン溶液を、回転数700rpm、回転時間30秒でスピンコートし、100℃のホットプレートで1分間乾燥した。次いでニッケル製マスクを介して金を蒸着し、ソース及びドレイン電極を設け、ボトムゲート・トップコンタクト型の有機FETを得た。得られた有機FETについて、ゲート電極の印加電圧(以下、「ゲート電圧(Vg)」と称する)を変化させた時の、ソース電極とドレイン電極間の印加電圧(以下、「ドレイン電圧(Vd)」と称する)と、ソース電極とドレイン電極間を流れる電流(以下、「ドレイン電流(Id)」と称する)の関係を、微小電流計を用いて測定した。
得られた結果を図4に示す。ゲート電圧(Vg)を加えない場合(Vg=0)は、ドレイン電圧(Vd)を加えてもドレイン電流(Id)がほとんど流れないのに対し、ゲート電圧を加えた場合(Vg=−10、−20、−30、−40、−50V)は、ドレイン電圧(Vd)を加えるとドレイン電流(Id)が流れ、さらに、ある一定のドレイン電圧(Vd)以上でドレイン電流(Id)が飽和した。例えば、ゲート電圧(Vg)が−50Vの場合、ドレイン電圧(Vd)が約−30V以上の時、ドレイン電流(Id)が約−3.3μAで飽和した。
本実施例で見られた、ゲート電圧(Vg)を加えない場合はドレイン電圧(Vd)を加えてもドレイン電流(Id)がほとんど流れず、ゲート電圧を加えた場合は、ドレイン電圧(Vd)を加えるとドレイン電流(Id)が流れ始め、さらに、ある一定のドレイン電圧(Vd)以上でドレイン電流(Id)が飽和するという特性は、典型的なFET特性であり、有機FETが、該FET特性を有する場合は「○」、有さない場合は「×」として、FET特性を評価した。
実施例2
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例7で得られた樹脂組成物(X−2)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例3
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例10で得られた樹脂組成物(X−5)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例4
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例13で得られた樹脂組成物(X−8)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例5
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例14で得られた樹脂組成物(X−9)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例6
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例15で得られた樹脂組成物(X−10)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例7
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例17で得られた樹脂組成物(X−12)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例8
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例18で得られた樹脂組成物(X−13)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例9
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例20で得られた樹脂組成物(X−15)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
比較例1
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例8で得られた樹脂組成物(X−3)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。また、FET特性の評価を行った際の、ゲート電圧(Vg)を変化させた時の、ドレイン電圧(Vd)とドレイン電流(Id)の関係を図5に示す。ゲート電圧を加えない場合(Vg=0)でも、ドレイン電圧(Vd)に比例して、ドレイン電流(Id)が流れ、ゲート電圧(Vg)を変化させても(Vg=0、−10、−20、−30、−40、−50V)、ドレイン電圧(Vd)とドレイン電流(Id)の関係は変化せず、同一のグラフとなった。すなわち、比較例1において形成された有機FETは、FET特性を示さなかった。
比較例2
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例9で得られた樹脂組成物(X−4)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
比較例3
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例11で得られた樹脂組成物(X−6)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
比較例4
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例12で得られた樹脂組成物(X−7)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
比較例5
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例16で得られた樹脂組成物(X−11)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
比較例6
上記実施例1において、製造例6で得られた樹脂組成物(X−1)を、製造例19で得られた樹脂組成物(X−14)とする以外は、実施例1と同様にして評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2007042852
電界効果トランジスタの構造例を示す断面図である。 電界効果トランジスタの構造例を示す断面図である。 電界効果トランジスタの構造例を示す断面図である。 本発明の実施例1において、ゲート電圧(Vg)を変化させた時の、ドレイン電圧(Vd)とドレイン電流(Id)の関係を示す図である。 本発明の比較例1において、ゲート電圧(Vg)を変化させた時の、ドレイン電圧(Vd)とドレイン電流(Id)の関係を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁層
4 有機半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極

Claims (9)

  1. 基板、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層、ゲート絶縁層及びゲート電極を有し、該ソース電極及びドレイン電極が互いに離間し、該ソース電極及び該ドレイン電極間に有機半導体層が介在するとともに、該有機半導体層とゲート電極とがゲート絶縁層により隔離されてなるトランジスタにおいて、
    該ゲート絶縁層が架橋された有機膜からなり、該有機膜の架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であることを特徴とするトランジスタ。
  2. ゲート絶縁層のゲル分率が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載のトランジスタ。
  3. ゲート絶縁層が、熱硬化性樹脂及び/又は活性エネルギー線硬化性樹脂を含む樹脂組成物(X)を硬化させてなるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のトランジスタ。
  4. 樹脂組成物(X)が、水酸基含有樹脂とアミノ樹脂との組み合わせ、水酸基含有樹脂とイソシアネート基含有樹脂との組み合わせ、及びカルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂との組み合わせから選ばれる熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項3に記載のトランジスタ。
  5. 樹脂組成物(X)が、シアノ基及び/又はニトロ基を有する水酸基含有樹脂とアミノ樹脂を含有する熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項4に記載のトランジスタ。
  6. ゲート絶縁層の膜厚が、50〜5,000nmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトランジスタ。
  7. (工程a−1):基板上にゲート電極を形成する工程、
    (工程a−2):前記(工程a−1)で形成されたゲート電極上に、樹脂組成物(X)を塗布する工程、
    (工程a−3):前記(工程a−2)で塗布された樹脂組成物(X)を架橋させることにより、架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であるゲート絶縁層を形成する工程、
    (工程a−4):前記(工程a−3)で形成されたゲート絶縁層上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成する工程、
    (工程a−5):前記(工程a−4)で形成されたソース電極及びドレイン電極の間隔を埋めるように前記ゲート絶縁層上に有機半導体層を形成する工程、
    を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトランジスタの製造方法。
  8. (工程b−1):基板上にゲート電極を形成する工程、
    (工程b−2):前記(工程b−1)で形成されたゲート電極上に、樹脂組成物(X)を塗布する工程、
    (工程b−3):前記(工程b−2)で塗布された樹脂組成物(X)を架橋させることにより、架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であるゲート絶縁層を形成する工程、
    (工程b−4):前記(工程b−3)で形成されたゲート絶縁層上に、有機半導体層を形成する工程、
    (工程b−5):前記(工程b−4)で形成された有機半導体層上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成する工程、
    を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトランジスタの製造方法。
  9. (工程c−1):基板上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成する工程、
    (工程c−2):前記(工程c−1)で形成されたソース電極及びドレイン電極の間隔を埋めると共に、それらの上面を覆うように前記基板、該ソース電極及び該ドレイン電極上に有機半導体層を形成する工程、
    (工程c−3):前記(工程c−2)で形成された有機半導体層上に樹脂組成物(X)を塗布する工程、
    (工程c−4):前記(工程c−3)で塗布された樹脂組成物(X)を架橋させることにより、架橋間分子量が250〜5,000の範囲内であるゲート絶縁層を形成する工程、
    (工程c−5):前記(工程c−4)で形成されたゲート絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
    を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトランジスタの製造方法。
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