JP2014034831A - 開閉部材制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】別段のユーザ操作を要さずに適宜に設定停止位置を設定し直すことが可能な開閉部材制御装置を提供する。
【解決手段】車両用パワーウインドウ装置1において、駆動機構2がウインドウガラス11を全開位置P2に向けて駆動している際、位置検出機構により検出されたウインドウガラス11の位置がメモリ33に記憶された設定停止位置P1と一致すると、ウインドウガラス11が設定停止位置P1に停留するように制御機構3が駆動機構2を制御する。そして、駆動機構2がウインドウガラス11を全閉位置に向けて駆動している際、ウインドウガラス11が全閉位置P0に至った際にウインドウガラス11の検出位置が、メモリ33に記憶された全閉位置P0と相違すると、制御機構3は、ウインドウガラス11が全閉位置P0に至った際のウインドウガラス11の検出位置に応じて、メモリ33に記憶された設定停止位置P0を補正する。
【選択図】図6

Description

本発明は開閉部材制御装置に係り、特に開閉部材を位置制御しながら開閉動作させる開閉部材制御装置に関する。
開閉部材制御装置は、従来から既に知られており、その一例としては車両の窓ガラスの昇降制御装置がその一例として挙げられる。この窓ガラス昇降制御装置は、電動モータによる回転力を昇降機構に伝達し、昇降機構を介して窓ガラスを昇降させる構成となっている。このような昇降制御装置の中には、モータ駆動によって窓ガラスを下降動作させたときに窓ガラスを全開位置(開動作時に機械的にロック停止する位置)手前で停止させるものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
通常、窓ガラスを全開位置まで移動させてしまうと、窓ガラスがストッパによって機械的に拘束され、このとき過大な衝撃力が駆動系に加わり、駆動系の耐久性が損なわれると共に、不快な衝撃音が発生してしまう。これに対して、特許文献1に記載の装置では、上記のような不都合を回避するために、窓ガラスの現在位置を正確に把握した上で、窓ガラスを全開位置まで下降させずにその直前位置にて停止させている。
ところで、全開位置の直前位置として設定される窓ガラスの停止位置(以下、設定停止位置)については、例えば、全閉位置(閉動作時に機械的にロック停止する位置)を基準にして設定される。しかし、全閉位置については、車両(特に窓ガラス周りの機構)の経年変化等により変動する可能性があり、実際の位置と装置に記憶されている位置とが相違してしまうことがある。これに伴って、窓ガラスの停止位置として設定された位置と、実際に窓ガラスが下降動作時に停止する位置との間に相対的なズレが生じるおそれがあった。
このため、近年、適宜に窓ガラスの停止位置を再設定することが可能な制御装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された装置では、車両の乗員が所定のスイッチ操作を行うことをトリガーとして、窓ガラスが設定停止位置を超えて全閉位置まで強制的に移動し、その後に窓ガラスが実際に停止した強制停止位置に基づいて、設定停止位置の再設定が行われる。
実用新案登録第2577092号公報 特開2007−146496号公報
しかしながら、特許文献2に記載の技術によれば、設定停止位置の再設定処理を実行するうえで車両の乗員が所定のスイッチ操作を行わなければならず、手間を要することになる。また、特許文献2に記載の技術では、所定のスイッチ操作が行われない限り、設定停止位置の再設定処理が行われないため、例え、全閉位置が変更したとしても、設定停止位置が修正されない状態のままで放置されるおそれがある。そして、設定停止位置が見直されない以上、全閉位置と設定停止位置との相対位置関係は変わらないので、当初には好適な位置に設定された設定停止位置が、全閉位置の変動に伴って不適な位置に変わってしまう場合がある。
より具体的に説明すると、窓ガラスがドア内に完全に収容されるような位置に設定停止位置が設定されていた場合、全閉位置が変動すると、それに伴って実際の停止位置、つまり、窓ガラスが設定停止位置に到達することで強制停止させられる位置が上記の位置とは異なる位置となってしまう。この結果、窓ガラスが、強制停止した時点でドア内に完全収容されずにドアの窓枠の内側に残ってしまうおそれがある。
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、別段のユーザ操作を要さずに適宜に設定停止位置を設定し直すことが可能な開閉部材制御装置を提供することにある。
前記課題は、本発明の開閉部材制御装置によれば、全開位置と全閉位置との間を移動可能な開閉部材を駆動する駆動機構と、前記全閉位置を基準とする前記開閉部材の位置を検出する位置検出機構と、前記全閉位置と、前記全閉位置を基準にして前記全開位置よりも前記全閉位置側になるように設定された設定停止位置と、を記憶している記憶機構と、前記駆動機構が前記開閉部材を前記全開位置に向けて駆動している際、前記位置検出機構により検出された前記開閉部材の位置が前記記憶機構に記憶された前記設定停止位置と一致すると、前記開閉部材が前記設定停止位置に停留するように前記駆動機構を制御する制御機構と、を備え、前記駆動機構が前記開閉部材を前記全閉位置に向けて駆動している際、前記開閉部材が前記全閉位置に至った際に前記位置検出機構が検出した前記開閉部材の位置が、前記記憶機構に記憶された前記全閉位置と相違すると、前記制御機構は、前記開閉部材が前記全閉位置に至った際に前記位置検出機構が検出した前記開閉部材の位置に応じて、前記記憶機構に記憶された前記設定停止位置を補正することにより解決される。
以上のように構成された本発明の開閉部材制御装置であれば、開閉部材が全閉位置に至った際に位置検出機構が検出した開閉部材の位置と、記憶機構に記憶された全閉位置とが相違したときに、別段のユーザ操作を要することなく設定停止位置の補正処理を実行することが可能となる。そして、補正後の設定停止位置は、変化後の全閉位置に応じた位置となる。これにより、本発明の開閉部材制御装置では、全閉位置の変動に対して的確に対応し、変化後の全閉位置に応じて適切に設定された位置に開閉部材を強制停止させることが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記制御機構は、前記記憶機構に記憶された前記設定停止位置を補正する際、前記開閉部材が前記全閉位置に至った際に前記位置検出機構が検出した前記開閉部材の位置と前記記憶機構に記憶された前記全閉位置との差に相当する分だけ前記設定停止位置がずれるように前記設定停止位置を補正すると、好適である。
以上の構成のように、全閉位置が変わった場合にその変化量に相当する分だけずれるように設定停止位置を補正すれば、変化後の全閉位置に応じて適切に設定された位置に開閉部材を強制停止させる本発明の効果がより効果的に発揮されることとなる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記駆動機構が前記開閉部材を前記全閉位置に向けて駆動している際、前記開閉部材が前記全閉位置に至った際に前記位置検出機構が検出した前記開閉部材の位置が、前記記憶機構に記憶された前記全閉位置よりも前記全開位置から遠ざかると、前記制御機構は、前記差に相当する分だけ前記設定停止位置が前記全開位置側にずれるように、前記記憶機構に記憶された前記設定停止位置を補正すると、より好適である。
以上の構成のように、開閉部材が全閉位置に至った際に位置検出機構が検出した開閉部材の位置が、記憶機構に記憶された全閉位置よりも全開位置から遠ざかったときに、設定停止位置が全開位置側にずれるように補正すると、全閉位置の変化前後において、実際に開閉部材が強制停止させられる位置が同じ位置となる。したがって、変化後の全閉位置に応じて適切に設定された位置に開閉部材を強制停止させる本発明の効果がより一層効果的に発揮されることとなる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記開閉部材は、車両のドアに取り付けられた上下移動可能なウインドウガラスであり、前記設定停止位置は、前記駆動機構が前記ウインドウガラスを前記全閉位置に位置した状態から前記ドアに設けられたドアベルトモールよりも前記ウインドウガラスの上端が下方にある状態になるまで駆動した際の駆動量だけ、前記全閉位置よりも下方にある位置に設定されていることとしてもよい。
以上の構成であれば、本発明の効果がより有効なものとなる。すなわち、設定停止位置にウインドウガラスが到達した時点でウインドウガラスの上端がドアベルトモールよりも下方に位置するように設定停止位置が設定されている場合、全閉位置が変わったとしても、ウインドウガラスの強制停止位置が上記の位置に維持される。したがって、全閉位置の変化前後において、ウインドウガラスを全開位置まで到達させず、かつ、ドア内に完全に収容される位置に適切に強制停止させることが可能になる。
本発明の開閉部材制御装置によれば、開閉部材が全閉位置に至った際に位置検出機構が検出した開閉部材の位置と、記憶機構に記憶された全閉位置とが相違したときに、別段のユーザ操作を要することなく設定停止位置の補正処理を実行することが可能となる。そして、補正後の設定停止位置は、変化後の全閉位置に応じた位置となる。これにより、本発明の開閉部材制御装置では、全閉位置の変動に対して的確に対応し、変化後の全閉位置に応じて適切に設定された位置に開閉部材を強制停止させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るパワーウインドウ装置の説明図である。 図1のパワーウインドウ装置の制御システムに関する構成図である。 ウインドウガラスの設定位置とパルスカウント値との対応関係を表す説明図である。 ウインドウ制御処理の流れを示す図である。 窓位置制御処理の流れを示す図である。 アップ処理及びオートアップ処理における判定処理の流れを示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。
図1〜図6は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は、本発明の一実施形態に係るパワーウインドウ装置の説明図であり、図2は、図1のパワーウインドウ装置の制御システムに関する構成図であり、図3は、ウインドウガラスの設定位置とパルスカウント値との対応関係を表す説明図であり、図4は、ウインドウ制御処理の流れを示す図であり、図5は、窓位置制御処理の流れを示す図であり、図6は、アップ処理及びオートアップ処理における判定処理の流れを示す図である。
以下では、本発明の開閉部材制御装置の一例として、本発明を適用したパワーウインドウ装置を例に挙げて説明する。つまり、以下では、開閉部材の一例として、車両のドアに対して上下移動可能となるように取り付けられたウインドウガラス11を挙げ、当該ウインドウガラス11の動作を制御する装置について説明することとする。
本実施形態に係るパワーウインドウ装置1は、図1及び2に示すように、ウインドウガラス11を開閉駆動する駆動機構2と、駆動機構2を制御するための制御機構3と、車両の乗員が制御機構3に対して指令を行う際に乗員によって操作される操作スイッチ4,5とを主要構成要素としている。
本実施形態において、ウインドウガラス11は、不図示のレールに沿って、その上端縁部が上方の全閉位置(全閉ロック停止位置)P0と下方の全開位置(全開ロック停止位置)P2との間で移動可能に構成されている。全閉位置P0及び全開位置P2は、ウインドウガラス11の昇降移動限界であり、この位置ではウインドウガラス11は、構造上、それ以上の昇降移動が規制される。
ただし、経年変化等によって全閉位置P0や全開位置P2がわずかに変動する場合がある。例えば、窓枠に設けられたウェザーストリップとの当たり具合の変化等によって移動限界がわずかに変動する場合がある。
そして、本実施形態では、ウインドウガラス11が全開時に全開位置P2よりも手前、すなわち、全閉位置P0側に設定された設定停止位置P1で停止するように制御される。これにより、ウインドウガラス11が降下していったときに、下端位置で駆動系部材と当接して駆動系部材に衝撃力が加わり、これに伴って衝撃音が発生してしまうことを防止している。したがって、本実施形態に係るウインドウガラス11は、通常時、全閉位置P0から設定停止位置P1の間で上下移動するように構成されている。
また、本実施形態に係るパワーウインドウ装置1において、制御機構3は、閉動作時に異物がウインドウガラス11の上端縁部と不図示の窓枠との間に挟み込まれたことをウインドウガラス11の移動速度の変化量から検出する挟み込み検出機能を有する。そして、制御機構3は、挟み込みを検出した場合に、駆動機構2を反転動作させてウインドウガラス11を降下させ、異物を開放させるように構成されている。
その一方で、全閉位置P0近傍においては、不図示のウェザーストリップ等によってウインドウガラス11に掛かる摺動抵抗が大きくなり、これによってウインドウガラス11の移動速度が低下する。このため、本実施形態では、上記の速度低下を誤って挟み込みとして検出しないようにするために、全閉位置P0より幾分手前(全開位置P2側)の位置から全閉位置P0までの範囲を、挟み込み検出が行われない挟み込み検出解除領域(いわゆる不感帯領域)として設定されている。
なお、挟み込み検出機構としては公知の機構(例えば、前述の特許文献2に記載された挟み込み検出機構)が利用可能であるため、その詳細な構成に関する記載は省略する。
本例の駆動機構2は、図1に示すように、ドアに取り付けられたモータ20と、モータ20の出力軸に連結された主動プーリ12と、2つの従動プーリ13,14と、プーリ12,13,14に架け渡された無端状のワイヤ15とを有して構成されている。また、ワイヤ15中、従動プーリ13,14の間に位置する部分は、ウインドウガラス11に形成された固定部材16に係止されている。
以上のように構成された駆動機構2では、モータ20の回転によって各プーリ12,13,14が回転するようになると、ウインドウガラス11とワイヤ15とが一体的に動作する。そして、ワイヤ15の駆動に連動してウインドウガラス11が開閉移動するように構成されている。
なお、駆動機構2の構成については、上記の構成に限定されるものではなく、ウインドウガラス11を開閉移動させることが可能な構造のものである限り、他の機構(例えば、Xリンク式の機構)であってもよい。
本実施形態において、モータ20は、制御機構3、より具体的にはバッテリ6から電力供給を受けることにより回転駆動するように構成されている。さらに、本実施形態では、モータ20に回転検出装置21が取り付けられている。この回転検出装置21は、モータ20の回転と同期したパルス信号を制御機構3へ出力する。本実施形態に係る回転検出装置21は、複数のホール素子により構成されており、ウインドウガラス11の所定移動量毎もしくはモータ20の所定回転角毎にパルス信号を出力する。つまり、回転検出装置21は、モータ20の回転速度に略比例するウインドウガラス11の移動に応じた信号を出力可能である。
そして、回転検出装置21からのパルス信号に基づいて制御機構3がウインドウガラス11の位置を検出している。具体的に説明すると、制御機構3は、全閉位置P0を基準位置(原点位置)として、当該位置にウインドウガラス11が至った時点からカウントアップしたパルスカウント値(パルスカウント値については後述する)に基づいてウインドウガラス11の位置を特定する。このように本実施形態では、回転検出装置21と制御機構3によって位置検出手段が構成されている。
なお、本実施形態では、回転検出装置21がホール素子によって構成されているが、これに限らず、モータ20の回転を検出することができれば、ホール素子以外の構成要素、例えばエンコーダにより回転検出装置21を構成するようにしてもよい。また、本実施形態では、モータ20の回転回数、より具体的には回転検出装置21から出力されるパルス信号に基づいてウインドウガラス11の位置を検出することとしたが、これに限らず、公知の手段によってウインドウガラス11の位置を直接的に検出するようにしてもよい。
本実施形態の制御機構3は、図2に示すように、コントローラ31及び駆動回路32から構成されている。コントローラ31及び駆動回路32には、車両に搭載されるバッテリ6から作動に必要な電力が供給される。
本実施形態において、コントローラ31は、CPUを内蔵したマイクロコンピュータにより構成されている。ただし、これに限らず、コントローラ31をロジックIC、DSP、ゲートアレイ、トランジスタ等で構成することにしてもよい。
コントローラ31は、通常時、操作スイッチ4,5から伝送される操作信号を受信すると、当該操作信号に基づき、駆動回路32を介してモータ20を正逆回転させる。この結果、ウインドウガラス11が開閉移動するようになる。
また、コントローラ31は、回転検出装置21から受け取ったパルス信号に基づいてウインドウガラス11の位置を検出し、ウインドウガラス11の検出位置に応じて駆動回路32を介してモータ20への供給電力の大きさを調整する。具体的に説明すると、本実施形態に係るコントローラ31は、供給電圧の大きさをPWM制御するにあたりデューティー比の大きさを調整し、これによりモータ出力を調整している。
駆動回路32は、コントローラ31からの入力信号に基づいて、モータ20への電力供給の極性を切換えるためのものである。具体的に説明すると、駆動回路32は、コントローラ31から正回転指令信号を受けたときは、モータ20を正回転方向に回転させるようにモータ20へ電力を供給する。反対に、駆動回路32は、コントローラ31から逆回転指令信号を受けたときは、モータ20を逆回転方向に回転させるようにモータ20へ電力を供給する。
なお、本実施形態では、図2に示すように、駆動回路32がコントローラ31と分かれている構成としたが、これに限定されるものではなく、駆動回路32がコントローラ31内に組み込まれた構成であってもよい。
コントローラ31は、回転検出装置21から入力されるパルス信号の立上がり部、立下がり部(パルスエッジ)を検出し、このパルスエッジの間隔(周期)に基づいてモータ20の回転速度(回転周期)を算出すると共に、各パルス信号の位相差に基づいてモータ20の回転方向を検出する。つまり、コントローラ31は、モータ20の回転速度(回転周期)に基づいてウインドウガラス11の移動速度を間接的に算出し、モータ20の回転方向に基づいてウインドウガラス11の移動方向を特定している。
また、コントローラ31は、パルスエッジをカウントしている。一方、パルスカウント値Nは、ウインドウガラス11の開閉動作に伴って加減算される値である。そして、コントローラ31は、パルスカウント値Nの大きさによってウインドウガラス11の開閉位置を特定する。
より詳しく説明すると、本実施形態では、全閉位置P0を基準位置(原点位置)としており、全閉位置P0ではパルスカウント値Nが0に設定されている。そして、駆動機構2がウインドウガラス11を全開位置P2に向けて駆動しているときは、コントローラ31がパルス信号を受け取る毎にパルスカウント値Nを1だけインクリメントする。反対に、駆動機構2がウインドウガラス11を全閉位置P0に向けて駆動しているときは、コントローラ31がパルス信号を受け取る毎にパルスカウント値Nを1だけデクリメントする。
さらに具体的に説明をすると、本実施形態に係るパワーウインドウ装置1が搭載された車両には、当該パワーウインドウ装置1を作動させるために2つの操作スイッチが設けられている。この2つのスイッチは、上昇スイッチ4と下降スイッチ5であり、それぞれ、2段階操作可能な揺動型スイッチ等で構成されている。
そして、乗員が上昇スイッチ4を操作することにより、ウインドウガラス11を閉動作させるための指令信号がコントローラ31へ出力される。コントローラ31は、指令信号を受け取ると当該指令信号に応じて閉作動フラグをオンする。そして、オンとなった閉作動フラグに基づいて、駆動回路32の制御が行われる。ここで、上昇スイッチ4が1段階操作されるとき、そのスイッチ操作はマニュアル操作に相当し、同操作が行われている間だけ閉動作(ウインドウガラス11の上昇動作)が行われる。一方、上昇スイッチ4が2段階操作されたとき、その操作はオート操作に相当し、同操作を止めてもウインドウガラス11の上端縁部が全閉位置P0に到達するまで閉動作が続行される。
同様に、乗員が下降スイッチ5を操作することにより、ウインドウガラス11を開動作させるための指令信号がコントローラ31へ出力される。コントローラ31は、指令信号を受け取ると当該指令信号に応じて開作動フラグをオンする。そして、オンとなった開作動フラグに基づいて、駆動回路32の制御が行われる。ここで、下降スイッチ5が1段階操作されるとき、そのスイッチ操作はマニュアル操作に相当し、同操作が行われている間だけ開動作(ウインドウガラス11の下降動作)が行われる。一方、下降スイッチ5が2段階操作されたとき、その操作はオート操作に相当し、同操作を止めてもウインドウガラス11の上端縁部が設定停止位置P1に到達するまで開動作が続行される。
以上のように、本実施形態ではコントローラ31がオート閉指令信号を受け取ると、閉作動フラグがオンにラッチされる。同様に、コントローラ31がオート開指令信号を受け取ると、開作動フラグがオンにラッチされる。そして、これらのフラグに基づいて駆動回路32の制御を行う。これらのフラグは、所定条件でオフに変更され、ウインドウガラス11の駆動が停止される。
本実施形態において、コントローラ31は、図2に示すように、記憶機構としてのメモリ33を備えている。このメモリ33は、ROMやRAM等によって構成されており、本実施形態では、全閉位置P0、設定停止位置P1及び全開位置P2を記憶している。
より具体的に説明すると、メモリ33には図4に図示した対応関係が記憶されている。この対応関係は、ウインドウガラス11の位置とパルスカウント値Nとの対応関係であり、全閉位置P0に対応するパルスカウント値Nが0に設定されている。すなわち、メモリ33に記憶された全閉位置P0は、ウインドウガラス11の原点位置に相当する。
なお、本実施形態において、閉動作で挟み込みを生じることなくウインドウガラス11がロック状態となったとき、コントローラ31は、ウインドウガラス11が全閉位置P0に到達したと判定して、パルスカウント値Nを0に戻すリセット処理を実行する。
メモリ33に記憶された対応関係に関してさらに説明すると、設定停止位置P1に対応するパルスカウント値NがN1に設定されており、全開位置P2に対応するパルスカウント値NがN2に設定されている。これらのパルスカウント値Nは、原点位置に対応するパルスカウント値(すなわち、0)に対して相対的に決定されたものである。
そして、コントローラ31は、ウインドウガラス11の昇降に応じて加減算されるパルスカウント値Nと、メモリ33内に記憶された値とを対比することによって、ウインドウガラス11の位置を特定した上で、駆動機構2の動作を制御している。例えば、駆動機構2がウインドウガラス11を全閉位置P0に向けて駆動している際(すなわち、閉動作時)、パルスカウント値Nに基づいて検出された実際のウインドウガラス11の位置がメモリ33に記憶された設定停止位置P1と一致すると、コントローラ31は、ウインドウガラス11が設定停止位置P1に停留するように駆動機構2を制御する(停止させる)。
さらに、本実施形態において、コントローラ31は、メモリ33に記憶された設定停止位置P1、より具体的には設定停止位置P1に対応するパルスカウント値Nを再設定することが可能である。設定停止位置P1の再設定については、後に詳述する。
次に、本実施形態におけるウインドウガラス11の動作について概略説明する。
本実施形態では、上昇スイッチ4から継続的な通常閉指令信号またはオート閉指令信号を受けると、コントローラ31は、モータ20を全閉位置P0側へ駆動するように継続的に駆動電圧を供給する。反対に、下降スイッチ5から継続的な通常開指令信号またはオート開指令信号を受け取ると、コントローラ31は、モータ20を全開位置P2側へ駆動するように継続的に駆動電圧を供給する。これにより、モータ20が回転し、駆動機構2がモータ20から駆動力を受けてウインドウガラス11を開閉駆動する。
一方、前述したように、ウインドウガラス11が移動可能な範囲は、全閉位置P0から全開位置P2までの範囲であり、全閉位置P0及び全開位置P2の各々は、それ以上のウインドウガラス11の移動が強制的に停止される機械的ロック位置である。したがって、経年変化等がない場合には、挟み込み等の外乱が発生しない限り、ウインドウガラス11が閉方向に移動してパルスカウント値Nが0となったときに、ウインドウガラス11が全閉位置P0に到達してロック状態となる。
反対に、ウインドウガラス11が開方向に移動してパルスカウント値NがN1となったとき、ウインドウガラス11が強制的に停止されるようになる。つまり、ウインドウガラス11の位置がパルスカウント値N=N1となる位置、すなわち、設定停止位置P1と一致すると、コントローラ31は、モータ20への電力供給を中断して、ウインドウガラス11が更に全開位置P2に向けて移動するのを規制する。
ここで、本実施形態では、前述したように、設定停止位置P1が全開位置P2から所定距離だけ手前(全閉位置P0側)に設定されている。具体的には、設定停止位置P1は、全開位置P2から所定距離に相当するパルスカウント数分だけ手前にオフセットされた位置に設定されている。そして、本実施形態では、図1に示す通り、設定停止位置P1が、ドアベルトモール17(より具体的には、ダウン側のベルトモール)位置よりもウインドウガラス11の上端位置が車両下側にくるような位置に設定されている。
換言すると、本実施形態において、設定停止位置P1は、駆動機構2がウインドウガラス11を全閉位置P0に位置した状態からドアベルトモール17よりもウインドウガラス11の上端が下方にある状態になるまで駆動した際の駆動量だけ、全閉位置P0よりも下方にある位置に設定されている。
以上のような位置に設定停止位置P1が設定される理由は、全開動作によりウインドウガラス11をドア内に完全収容させるためである。そして、ウインドウガラス11をドア内に完全に収容されれば、車両ドアの窓枠周辺が良好な外観を呈するようになるとともに、乗員の身体が窓枠の内側に残ったウインドウガラス11と干渉することも回避される。
ところで、設定停止位置P1については、前述したように、原点位置(すなわち、メモリ33に記憶された全閉位置P0)を基準として設定される。一方で、実際の全閉位置P0は、経年変化によって変動する可能性がある。全閉位置P0が変動すると、全閉位置P0を基準にして設定した設定停止位置P1が、当初に設定した位置からずれてしまう可能性がある。
より分かり易く説明すると、全閉位置P0が、メモリ33に記憶された位置から上方に変動した場合、ウインドウガラス11が閉動作時においてロック状態となるまでにパルスカウント値Nが負の値となってしまう。そして、前述したように、本実施形態では、閉動作においてウインドウガラス11がロック状態となると、コントローラ31は、パルスカウント値Nをリセットする。つまり、パルスカウント値Nが負の値となっている位置に全閉位置P0が変わり、次回以降の開閉動作では、変更後の全閉位置P0が基準位置(原点位置)となる。
以上のように全閉位置P0が変化した場合、全閉位置P0に対する設定停止位置P1の相対位置関係も変化することになる。しかし、仮に設定停止位置P1が変更前の全閉位置P0を基準にして設定された位置のままであると、次回の全開動作において、本来の設定停止位置P1(当初に設定停止位置P1として設定された位置)にウインドウガラス11を停止させられなくなってしまう。このような不具合により、場合によっては、ウインドウガラス11を全開させたときに、ウインドウガラス11の上端がドアベルトモール17よりも上方位置に位置してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、全閉位置P0が変化した場合には、併せて設定停止位置P1の補正を実行することとしている。さらに、本実施形態では、閉動作時にウインドウガラス11がロック状態となったときに、ウインドウガラス11の検出位置がメモリ33に記憶された全閉位置P0と相違していると、コントローラ31が自動的に設定停止位置P1の補正処理を実行する。つまり、本実施形態では、メモリ33に記憶された全閉位置P0と異なる位置でウインドウガラス11がロックすると、設定停止位置P1を設定し直す補正処理が自動的に実行されることになっている。
以下、設定停止位置P1の補正処理の手順について説明する。
本実施形態では、上述したように、閉動作時にウインドウガラス11がロック状態となった時点でウインドウガラス11の検出位置がメモリ33に記録された全閉位置P0と相違していると、自動的に設定停止位置P1の補正処理が実行される。ここで、ウインドウガラス11の検出位置は、パルスカウント値Nによって示され、メモリ33に記録された全閉位置P0でロック状態となった場合、上記のパルスカウント値Nは0となる。
一方で、ウインドウガラス11が全閉位置P0に至った際のウインドウガラス11の検出位置が、メモリ33に記憶された全閉位置P0よりも上方に位置する(換言すると、全開位置P2から遠ざかる)と、上記のパルスカウント値Nが負の値となる。この場合、コントローラ31は、ウインドウガラス11の検出位置に応じて、メモリ33に記憶された設定停止位置P1を補正する。
具体的に説明すると、本実施形態では、設定停止位置P1の補正処理において、コントローラ31がウインドウガラス11の検出位置とメモリ33に記録された全閉位置P0との差だけ、設定停止位置P1が下方(全開位置P2側)にずれるように、メモリ33に記憶された設定停止位置P1を補正する。
より具体的には、ウインドウガラス11が全閉位置P0に至った際のウインドウガラス11の検出位置を示すパルスカウント値Nと、メモリ33に記憶された全閉位置P0に対応するパルスカウント値N(すなわち、0)との差分を求め、当該差分に相当するだけ、メモリ33に記憶された設定停止位置P1に対応するパルスカウント値N(すなわち、N1)を増加させる。これらの工程が終わると、設定停止位置P1の補正処理が完了する。
以上のように、本実施形態に係る補正処理では、実際の全閉位置P0がメモリ33に記憶された位置から上方にずれた場合に、当該全閉位置P0の変化量分だけ、設定停止位置P1を下方にオフセットするように、メモリ33に記憶された設定停止位置P1を補正する。このような補正処理が実行されることにより、例え全閉位置P0が変化したとしても、設定停止位置P1の絶対的な位置が変わらないように全閉位置P0に対する設定停止位置P1が補正されるので、ウインドウガラス11を全開させる際には常に所望の停止位置にウインドウガラス11を停留させておくことが可能となる。
特に、本実施形態では、閉動作時にウインドウガラス11がロック状態となったときに、ウインドウガラス11の検出位置がメモリ33に記憶された全閉位置P0と相違していると、設定停止位置P1の補正が自動的に実行される。つまり、本実施形態では、別段のユーザ操作を要することなく設定停止位置P1の補正処理が実行される。そして、補正後の設定停止位置P1は、変化後の全閉位置P0に応じた位置となる。これにより、本実施形態に係るパワーウインドウ装置1では、全閉位置P0の変動に対して的確に対応し、開動作時には変化後の全閉位置P0に応じて適切に設定された位置にウインドウガラス11を停止させることが可能となる。
さらに、本実施形態では、設定停止位置P1にウインドウガラス11が到達した時点でウインドウガラス11の上端がドアベルトモール17よりも下方に位置するように設定停止位置が設定されている。このような構成では、上述した効果、すなわち、全閉位置P0の変動に応じて設定停止位置P1を適切な位置に補正する効果がより有効なものとなる。
より分かり易く説明すると、上述した効果により、全閉位置P0が変わったとしても、ウインドウガラス11が設定停止位置P1に到達した時点で、ウインドウガラス11の上端がドアベルトモール17よりも下方に位置するようになる。したがって、全閉位置P0が変化した後においても、開動作時には、ウインドウガラス11を全開位置P2まで到達させず、かつ、ドア内に完全に収容される位置にウインドウガラス11を停止させることが可能となる。
次に、図4乃至6を参照しながらコントローラ31の処理フローについて説明する。
コントローラ31によるウインドウ制御処理は、所定時間毎に繰り返し行われる。このウインドウ制御処理において、コントローラ31は、ウインドウガラス11を昇降動作させるための現在の動作モードを更新しながらメモリ33に記憶している。本実施形態において選択可能な動作モードとしては、アップモード、オートアップモード、ダウンモード、オートダウンモード及び停止モードが挙げられる。なお、後述するように、原則として動作モードは、操作スイッチ4,5の操作に応じて切替えられるようになっている。
本実施形態では、上昇スイッチ4を一段階操作すると、当該操作が行われている間のみ動作モードがアップモードに切り替えられてメモリ33に記憶される。同様に、下降スイッチ5を一段階操作すると、当該操作が行われている間のみ動作モードがダウンモードに切り替えられてメモリ33に記憶される。
一方、操作スイッチ4,5を2段階操作すると、動作モードがオートアップモードまたはオートダウンモードにラッチされてメモリ33に記憶される。そして、コントローラ31は、メモリ33に記憶されている動作モードに応じて各種処理を行う。すなわち、以下に説明する各ステップは、コントローラ31により実行されるものである。
ウインドウ制御処理では、まず、現時点でメモリ33に記憶している動作モードが、アップモードであるか否かを判定する(ステップS1)。現在の動作モードがアップモードであった場合(ステップS1でYes)は、コントローラ31は、閉動作処理を行う(ステップS11)。また、現在の動作モードがアップモードである場合は、ステップS1及びステップS11を繰り返して行い、挟み込み等の外乱がなければ、ウインドウガラス11は、全閉位置P0まで移動して停止する。ウインドウガラス11の停止により動作モードは停止モードに更新される。
現在の動作モードがアップモードでなかった場合(ステップS1でNo)には、次に、現在の動作モードがオートアップモードであるか否かが判定される(ステップS2)。現在の動作モードがオートアップモードであった場合(ステップS2でYes)は、コントローラ31は、オート閉動作処理を行う(ステップS12)。すなわち、コントローラ31は、ウインドウガラス11を全閉位置P0まで移動させるべく、駆動回路32を介してモータ20を回転させて、駆動機構2を作動させる。
そして、現在の動作モードがオートアップモードである場合は、ステップS1、ステップS2及びステップS12を繰り返して行い、挟み込み等の外乱がなければ、ウインドウガラス11は、全閉位置P0まで移動して停止する。ウインドウガラス11の停止により動作モードは停止モードに更新される。
ところで、本実施形態では、図6に示すように、図4のフローにおいて閉動作処理(ステップS11)及びオート閉動作処理(ステップS12)に進むと、ウインドウガラス11が前述の挟み込み解除領域内でロック状態にあるか否かが判定される(ステップS31)。ここで、コントローラ31は、動作モードがアップモードまたはオートアップモードであるときに回転検出装置21からパルス信号を所定時間継続して受信しない場合、モータ20の回転が停止してウインドウガラス11がロック状態にあると判定する。なお、オートアップモードの場合、ウインドウガラス11は、通常、挟み込み等の外乱がなければ全閉位置P0まで移動し、ロック状態となるのはウインドウガラス11が全閉位置P0に到達したときである。
ウインドウガラス11がロック状態でない場合(ステップS31でNo)とは、通常の作動範囲内でウインドウガラス11をオート閉動作させている場合である。かかる場合には、下記のステップS32、S33及びS34を省略して、オート閉動作が継続される。
ウインドウガラス11が挟み込み解除領域内でロック状態にあると判定された場合(ステップS31でYes)、コントローラ31は、さらに、ロック位置が原点位置、すなわち、メモリ33に記憶された全閉位置P0よりも上方であるか否かを判定する(ステップS32)。具体的には、ウインドウガラス11がロックした時点でのウインドウガラス11の検出位置を示すパルスカウント値Nが負の値であるか否かを判定する。
ここで、ロック位置が原点位置よりも上方であると判定された場合(ステップS32でYes)とは、全閉位置P0が経年変化によって上方にずれた場合である。この場合、コントローラ31は、上述した設定停止位置P1の補正処理を実行する(ステップS33)。そして、補正処理において、コントローラ31は、全閉位置P0が変動した分だけ設定停止位置P1を下方にオフセットするようにメモリ33に記憶された設定停止位置P1を補正する。
そして、補正処理(ステップS33)の完了後、コントローラ31は、パルスカウント値Nをリセットし(S34)、変更後の全閉位置P0を原点位置として設定する。その後、コントローラ31は、運転モードを停止モードに切り替える。これにより、コントローラ31は、モータ20への電力供給を中断し、駆動機構2を停止させてウインドウガラス11を全閉位置P0(変更後の全閉位置P0)で停留させる。
一方、ロック位置が原点位置よりも上方ではないと判定された場合(ステップS32でNo)とは、異物の挟み込み等によりウインドウガラス11が全閉位置P0の手前(全開位置P2側)でロックした場合である。この場合、コントローラ31は、挟み込まれた異物を開放するためにウインドウガラス11を所定距離だけ下降させた後に、オート閉動作を続行させる。
図4に戻って、現在の動作モードがオートアップモードでなかった場合(ステップS2でNo)は、現在の動作モードがダウンモードであるか否かが判定される(ステップS3)。現在の動作モードがダウンモードであった場合(ステップS3でYes)、コントローラ31は、開動作処理を行う(ステップS24)。そして、ステップS1、ステップS2、ステップS3及びステップS13が繰り返して行われる。
現在の動作モードがダウンモードでなかった場合(ステップS3でNo)、現在の動作モードがオートダウンモードであるか否かが判定される(ステップS4)。現在の動作モードがオートダウンモードであった場合(ステップS4でYes)、コントローラ31は、オート開動作処理を行う(ステップS14)。すなわち、コントローラ31は、ウインドウガラス11を全開位置P2側に移動させるべく、駆動回路32を介してモータ20を回転させて、駆動機構2を作動させる。そして、現在の動作モードがオートダウンモードである場合、ステップS1、ステップS2、ステップS3、ステップS4及びステップS14が繰り返して行われる。
さらに、本実施形態において、コントローラ31は、開動作時のウインドウガラス11に対する位置制御を実行する。この制御処理は、図5に示す手順に従って進行し、ウインドウ制御処理と同様に繰り返し行われる。
先ず、コントローラ31は、現在の動作モードがダウンモードまたはオートダウンモードであるか否かを判定する(ステップS21)。現在の動作モードがダウンモードでもオートダウンモードでもなかった場合(ステップS21でNo)、ウインドウガラス11の位置情報、より具体的には位置フラグは、「全開」にセットされずに終了する。
一方、動作モードがダウンモードまたはオートダウンモードであった場合(ステップ21でYes)、コントローラ31は、ウインドウガラス11の現在位置が設定停止位置P1以上であるか否か、すなわち、ウインドウガラス11が設定停止位置P1から全開位置P2の範囲に位置するか否かを判定する(ステップS22)。ウインドウガラス11の現在位置が設定停止位置P1以上である場合(ステップS22でYes)、位置フラグが「全開」にセットされる(ステップS24)。
ウインドウガラス11の現在位置が設定停止位置P1よりも全閉位置P0に近い場合(ステップS22でNo)には、コントローラ31は、ウインドウガラス11の現在位置が通常作動範囲内にあり、かつ、ロック検出されているか否かを判定する(ステップS23)。ここで、通常作動範囲とは、全閉位置P0から所定距離以上全開位置P2側の位置する範囲のことであり、より具体的には、前述した挟み込み解除領域よりも下方に位置し、かつ、設定停止位置P1よりも上方に位置する範囲のことである。
ウインドウガラス11が通常作動範囲内でロックしている場合(ステップS23でYes)、コントローラ31は、位置フラグを「全開」にセットする(ステップS24)。このように本実施形態では、ウインドウガラス11が設定停止位置P1に到達していない場合でも、何らかの要因でウインドウガラス11がロックされたときには、位置フラグが「全開」にセットされる。一方、ウインドウガラス11が通常作動範囲内でロックしていない場合(ステップS23でNo)、コントローラ31は、位置フラグを「全開」にセットすることなく処理を終了する。
以上までに説明してきた実施形態は、本発明の具体的構成を示す一例に過ぎず、上述した構成、手順等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
また、上記実施形態では、ウインドウガラス11がメモリ33に記憶された全閉位置P0よりも上方位置でロックした場合に設定停止位置P1の補正処理が実行されるように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、ウインドウガラス11がメモリ33に記憶された全閉位置P0よりも下方位置でロックした場合にも、設定停止位置P1の補正処理が実行されるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、ウインドウガラス11の上端がドアベルトモール17よりも下方にあるような位置に設定停止位置P1が設定されていることとしたが、これに限定されるものではない。設定停止位置P1については全開位置P2よりも上方(全閉位置P0側)にある限り、他の位置に設定することとしてもよく、例えば、ウインドウガラス11の上端がドアベルトモール17よりも上方にあるような位置に設定されていることとしてもよい。
また、上記実施形態では、車両のパワーウインドウ装置1に本発明の開閉部材制御装置を適用した例を示したが、これに限らず、サンルーフ開閉装置やスライドドア開閉装置等の開閉部材を開閉駆動する装置に全般に適用してもよい。
1 パワーウインドウ装置(開閉部材制御装置)、2 駆動機構
3 制御機構、4 上昇スイッチ、5 下降スイッチ
6 バッテリ、11 ウインドウガラス(開閉部材)、12 主動プーリ
13,14 従動プーリ、15 ワイヤ、16 固定部材
17 ドアベルトモール、20 モータ、21 回転検出装置
31 コントローラ、32 駆動回路、33 メモリ(記憶機構)
P0 全閉位置、P1 設定停止位置、P2 全開位置

Claims (4)

  1. 全開位置と全閉位置との間を移動可能な開閉部材を駆動する駆動機構と、
    前記全閉位置を基準とする前記開閉部材の位置を検出する位置検出機構と、
    前記全閉位置と、前記全閉位置を基準にして前記全開位置よりも前記全閉位置側になるように設定された設定停止位置と、を記憶している記憶機構と、
    前記駆動機構が前記開閉部材を前記全開位置に向けて駆動している際、前記位置検出機構により検出された前記開閉部材の位置が前記記憶機構に記憶された前記設定停止位置と一致すると、前記開閉部材が前記設定停止位置に停留するように前記駆動機構を制御する制御機構と、を備え、
    前記駆動機構が前記開閉部材を前記全閉位置に向けて駆動している際、前記開閉部材が前記全閉位置に至った際に前記位置検出機構が検出した前記開閉部材の位置が、前記記憶機構に記憶された前記全閉位置と相違すると、前記制御機構は、前記開閉部材が前記全閉位置に至った際に前記位置検出機構が検出した前記開閉部材の位置に応じて、前記記憶機構に記憶された前記設定停止位置を補正することを特徴とする開閉部材制御装置。
  2. 前記制御機構は、前記記憶機構に記憶された前記設定停止位置を補正する際、前記開閉部材が前記全閉位置に至った際に前記位置検出機構が検出した前記開閉部材の位置と前記記憶機構に記憶された前記全閉位置との差に相当する分だけ前記設定停止位置がずれるように前記設定停止位置を補正することを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  3. 前記駆動機構が前記開閉部材を前記全閉位置に向けて駆動している際、前記開閉部材が前記全閉位置に至った際に前記位置検出機構が検出した前記開閉部材の位置が、前記記憶機構に記憶された前記全閉位置よりも前記全開位置から遠ざかると、前記制御機構は、前記差に相当する分だけ前記設定停止位置が前記全開位置側にずれるように、前記記憶機構に記憶された前記設定停止位置を補正することを特徴とする請求項2に記載の開閉部材制御装置。
  4. 前記開閉部材は、車両のドアに取り付けられた上下移動可能なウインドウガラスであり、
    前記設定停止位置は、前記駆動機構が前記ウインドウガラスを前記全閉位置に位置した状態から前記ドアに設けられたドアベルトモールよりも前記ウインドウガラスの上端が下方にある状態になるまで駆動した際の駆動量だけ、前記全閉位置よりも下方にある位置に設定されていることを特徴とする請求項2または3に記載の開閉部材制御装置。
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