JP2014027177A - 光電変換素子、太陽電池、及び太陽電池モジュール - Google Patents

光電変換素子、太陽電池、及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】より高い光電変換効率を実現する光電変換素子を提供する。
【解決手段】基材と、カソードと、活性層と、アノードとがこの順に配置された構造を有する光電変換素子。活性層は、下記式(1A)で表される繰り返し単位と式(1B)で表される繰り返し単位とを含むコポリマーを含有する。活性層の膜厚は120nm以上500nm以下である。
Figure 2014027177

Figure 2014027177

【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子、並びにこれを用いた太陽電池及び太陽電池モジュールに関する。
有機光電変換素子としては、基材側に正孔を捕集する電極(アノード)を有する順型構成素子が従来からよく用いられていた(例えば非特許文献1又は特許文献1)。しかし、近年基材側に電子を捕集する電極(カソード)を有する逆型構成素子に注目が集まっている。例えば非特許文献2には、イミドチオフェン骨格とジチエノシロール骨格とを有するコポリマーを使用した逆型構成の有機光電変換素子であって、膜厚が90nmである有機光電変換素子が記載されている。
有機光電変換素子の活性層が薄すぎる場合には、活性層が光を十分に吸収できないために、変換効率が低下する。一方で活性層が厚すぎる場合にも、変換効率が低下することが知られている。この理由の一つとして、活性層で発生した電荷が電極に到達することが困難となることがある。例えば非特許文献1には、イミドチオフェン骨格とジチエノシロール骨格を有するコポリマーを使用した順型構成素子において、活性層の膜厚が220nmである場合の変換効率(6.1%)は、膜厚が90nmである場合の変換効率(7.3%)と比較して、1%以上低いことが記載されている。
国際公開第2011/028827号
J.Am.Chem.Soc.,2011,133,4250−4253 Solar Energy Materials & Solar Cells 2012,96,155−159
有機光電変換素子の実用化のために、さらに高い光電変換効率を実現することが求められている。
本発明は、より高い光電変換効率を実現する光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、逆型構成の光電変換素子においては、活性層の膜厚をより厚くしても光電変換効率が低下しないことを見出し、また特定範囲の膜厚を有する活性層を備える逆型構成の光電変換素子により、本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、以下に存する。
[1]基材と、カソードと、活性層と、アノードとがこの順に配置された構造を有する光電変換素子であって、
前記活性層は、下記式(1A)で表される繰り返し単位と式(1B)で表される繰り返し単位とを含むコポリマーを含有し、
前記活性層の膜厚が120nm以上500nm以下であることを特徴とする光電変換素子。
Figure 2014027177
(式中、Aは周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、Rはヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表す。)
Figure 2014027177
(式中、Qは周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。)
[2]前記コポリマーが下記式(1AB)で表される繰り返し単位を含むコポリマーであることを特徴とする、[1]に記載の光電変換素子。
Figure 2014027177
(式中、Aは周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、Rはヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表し、Qは周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。)
[3][1]又は[2]に記載の光電変換素子を備えることを特徴とする、太陽電池。
[4][3]に記載の太陽電池を備えることを特徴とする、太陽電池モジュール。
より高い光電変換効率を実現する光電変換素子を提供することができる。
本発明の一実施形態としての光電変換素子の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態としての太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態としての太陽電池モジュールの構成を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定はされない。
<1.光電変換素子>
本発明に係る光電変換素子は、基材と、カソードと、活性層と、アノードとがこの順に配置された構造を有する。この活性層は、後に説明する下記式(1A)で表される繰り返し単位と下記式(1B)で表される繰り返し単位とを含むコポリマー(以下、本発明に係るコポリマーと呼ぶ)を含有する。また、活性層の膜厚は120nm以上500nm以下である。
Figure 2014027177
Figure 2014027177
本発明の一実施形態に係る光電変換素子107を図1に示す。図1は一般的な有機薄膜太陽電池に用いられる光電変換素子を表すが、本発明に係る光電変換素子が図1の構成に限られるわけではない。
光電変換素子107は、基材106と、電極(カソード)101と、活性層103と、電極(アノード)105と、がこの順に配置された構造を有する。光電変換素子107はさらに、バッファ層(電子取り出し層)102とバッファ層(正孔取り出し層)104とを有する。すなわち光電変換素子107は、基材106と、カソード101と、バッファ層(電子取り出し層)102と、活性層103と、バッファ層(正孔取り出し層)104と、アノード105と、がこの順に配置された構造を有する。もっとも、本発明に係る光電変換素子は、電子取り出し層102を有さなくてもよい。また本発明に係る光電変換素子は、正孔取り出し層104を有さなくてもよい。以下、これらの各部について説明する。
<1.1 活性層(103)>
活性層103は光電変換が行われる層を指し、通常、p型半導体化合物とn型半導体化合物を含む。p型半導体化合物とはp型半導体材料として働く化合物のことを指し、n型半導体化合物とはn型半導体材料として働く化合物のことを指す。光電変換素子107が光を受けると、光が活性層103に吸収され、p型半導体化合物とn型半導体化合物との界面で電気が発生し、発生した電気がカソード101及びアノード105から取り出される。本発明においては、本発明に係るコポリマーがp型半導体化合物として用いられる。
活性層103の膜厚は、120nm以上、好ましくは150nm以上、より好ましくは200nm以上である。活性層103の膜厚は、250nm以上であってもよい。一方、活性層103の膜厚は、500nm以下、好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
活性層103の膜厚が120nm以上であることにより、光電変換素子107の変換効率が向上する。また、活性層103の膜厚が120nm以上であることは、膜の均一性が保たれる点でも好ましい。活性層103の厚さが500nm以下であることは、内部抵抗が小さくなり、かつ電極101,105間の距離が離れすぎず電荷の拡散が良好となるために好ましい。さらには、活性層103の膜厚を120nm以上500nm以下にすることは、活性層103を作製するプロセスにおける再現性が向上する点で好ましい。
非特許文献1に記載されているように、順型構成の光電変換素子の場合には、活性層103の膜厚が90nmより大きい場合には変換効率が低下している。しかしながら本発明のように、逆型構成の光電変換素子の場合には、活性層103の膜厚を120nm以上とすることにより変換効率が向上することが見出された。
この理由の1つとして、以下の理由が考えられる。順型構成の光電変換素子を作製する場合、基材側の電極(アノード)上に、PEDOT:PSS等を材料として用いる正孔取り出し層が形成される。そして、正孔取り出し層上に、本発明に係るコポリマーとn型半導体化合物とを含有する活性層が形成される。ここで、正孔取り出し層材料と、活性層中の本発明に係るコポリマーとが反発するため、n型半導体化合物は正孔取り出し層近傍に局在し、本発明に係るコポリマーは正孔取り出し層とは反対側の面に局在する。ここで、光吸収により発生した正孔がアノードへと移動する場合に、正孔はn型半導体化合物が局在化した領域を通るため、この領域で電子と再結合する確率が高くなる傾向にある。
活性層を厚くすればするほど、n型半導体化合物が局在化している領域が厚くなるため、正孔のアノードへの輸送が妨げられ、光電変換効率が低下する。また、一般的に、活性層を厚くすればするほど、電極、又は電子取り出し層若しくは正孔取り出し層までの、活性層中で発生した電荷の移動距離が増加することから、電荷の電極への輸送が妨げられる。このように、活性層103が厚い場合、光を吸収できる領域は増えるものの、光吸収によって生じた電荷の輸送が困難であることから、光電変換効率が低下する。実際に、非特許文献1には、膜厚が220nmの有機光電変換素子の効率(6.1%)は、膜厚が90nmのもの(7.3%)と比較して、1%以上低下することが記載されている。
一方、本発明のような逆型構成の光電変換素子の場合にも、同様に膜厚を増すことにより光電変換効率が低下することが予想されたが、活性層103の膜厚を120nm以上とすることにより効率が向上することが判明した。本発明のメカニズムは不明であるが、以下の理由が考えられる。逆型構成の光電変換素子を作製する場合、基材106側のカソード101上に、電子取り出し層102が形成される。そして、電子取り出し層102上に、本発明に係るコポリマーとn型半導体化合物とを含有する活性層103が形成される。この場合には、順型構成の光電変換素子とは異なり、活性層103中で本発明に係るコポリマーが局在化しない傾向にあると考えられる。このため、順型構成の光電変換素子とは異なり、活性層103の膜厚がより大きい場合にも、活性層で発生した電荷の取り出し効率が低下しないものと考えられる。
活性層103中における、本発明に係るコポリマー又はn型半導体化合物の膜厚方向の濃度勾配は、塗布法により活性層を形成する際に用いる塗布液の溶媒選択、溶媒若しくは半導体材料の配合比、塗布条件、又は乾燥条件等によって制御することができる。また、n型半導体化合物と親和性の高い物質を塗布液に加えることにより、カソード101又は電子取り出し層102付近にn型半導体化合物を局在化させ、電子の輸送をより容易とするとともに、活性層103をより厚くすることができる。例えばn型半導体化合物としてフラーレンを用いる場合、フラーレン化合物と親和性の高いテトラリン等の芳香族化合物を塗布液に添加することは好ましい。
活性層103中における、本発明に係るコポリマー又はn型半導体化合物の膜厚方向の濃度分布は、飛行時間二次イオン質量分析計(ToF−SIMS)又は染色法を用いた断面透過型電子顕微鏡(TEM)観察によって解析することができる。
[1.1.1 活性層の層構成]
活性層103の層構成としては、p型半導体化合物とn型半導体化合物とが積層された薄膜積層型、又はp型半導体化合物とn型半導体化合物とが混合した層を有するバルクヘテロ接合型等が挙げられる。なかでも、光電変換効率がより向上しうる点で、バルクヘテロ接合型の活性層が好ましい。
(薄膜積層型の活性層)
薄膜積層型の活性層は、p型半導体化合物を含むp型半導体層と、n型半導体化合物を含むn型半導体層とが積層された構造を有する。薄膜積層型の活性層は、p型半導体層と、n型半導体層とをそれぞれ形成することにより作製することができる。p型半導体層とn型半導体層とが別の方法によって形成されてもよい。
p型半導体層は、塗布法及び蒸着法を含む任意の方法により形成することができるが、塗布法、好ましくは湿式塗布法を用いることが、より簡単にp型半導体層を形成できる点で好ましい。塗布液の溶媒は任意に選択でき、例えばi層用の塗布液の溶媒として後述するものを用いることができる。塗布方法としては任意の方法を用いることができる。本発明に係るコポリマーは溶媒に対する溶解性を有し、塗布成膜性に優れる点で好ましい。p型半導体層が含むp型半導体化合物のうち、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上が、本発明に係るコポリマーである。本発明に係るコポリマーはp型半導体化合物として好適な性質を有するため、p型半導体層が、p型半導体化合物として本発明に係るコポリマーのみを含むことが特に好ましい。
n型半導体層は、塗布法及び蒸着法を含む任意の方法により形成することができるが、塗布法を用いることはより簡単にn型半導体層を形成できることから好ましい。塗布法によりn型半導体層を作製する場合、n型半導体化合物を含む塗布液を調製し、この塗布液を塗布すればよい。塗布液の溶媒は任意に選択でき、例えばi層用の塗布液の溶媒として後述するものを用いることができる。塗布方法としては任意の方法を用いることができる。
(バルクヘテロ接合型の活性層)
バルクヘテロ接合型の活性層は、p型半導体化合物とn型半導体化合物とが混合された層(i層)を有する。i層はp型半導体化合物とn型半導体化合物とが相分離した構造を有し、相界面でキャリア分離が起こり、生じたキャリア(正孔及び電子)が電極まで輸送される。
i層に含まれるp型半導体化合物のうち、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上が、本発明に係るコポリマーである。本発明に係るコポリマーはp型半導体化合物として好適な性質を有するため、i層がp型半導体化合物として本発明に係るコポリマーのみを含むことが特に好ましい。
バルクヘテロ接合型の活性層には、i層の他に、p型半導体層とn型半導体層との少なくとも一方が積層されていてもよい。活性層103は所定の膜厚を有するが、ここで、i層に積層されたp型半導体層又はn型半導体層は、活性層103には含まれないものとする。すなわち、活性層103がバルクヘテロ接合型である場合、p型半導体化合物とn型半導体化合物とが混合されたi層の膜厚は、120nm以上、好ましくは150nm以上、より好ましくは200nm以上であり、250nm以上であってもよい。一方、i層の膜厚は、500nm以下、好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
i層中でのp型半導体化合物とn型半導体化合物との重量比(p型半導体化合物/n型半導体化合物)は、良好な相分離構造を得ることにより光電変換効率を向上させる観点から、0.15以上が好ましく、より好ましくは0.3以上であり、一方、2以下が好ましく、1以下がより好ましく、特に好ましくは0.8以下である。
i層は、塗布法及び蒸着法(例えば共蒸着法)を含む任意の方法により形成することができるが、塗布法を用いることは、より簡単にi層を形成できるため好ましい。本発明に係るコポリマーは溶媒に対する溶解性を有するため、塗布成膜性に優れる点で好ましい。塗布法によりi層を作製する場合、p型半導体化合物及びn型半導体化合物を含む塗布液を調製し、この塗布液を塗布すればよい。p型半導体化合物及びn型半導体化合物を含む塗布液は、p型半導体化合物を含む溶液とn型半導体化合物を含む溶液をそれぞれ調製後混合して作製してもよく、後述する溶媒にp型半導体化合物及びn型半導体化合物を溶解して作製してもよい。また、半導体化合物前駆体を含む塗布液を作製して、この塗布液を塗布した後、半導体化合物前駆体を半導体化合物へと変換することにより、i層を形成してもよい。
塗布液中のp型半導体化合物とn型半導体化合物との合計濃度は、特に限定されないが、十分な膜厚の活性層を形成する観点から塗布液全体に対して1.0重量%以上であることが好ましく、半導体化合物を十分に溶解させる観点から塗布液全体に対して5.0重量%以下であることが好ましい。
塗布方法としては任意の方法を用いることができるが、例えば、スピンコート法、インクジェット法、ドクターブレード法、ドロップキャスティング法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法又はカーテンコート法等が挙げられる。塗布液の塗布後に、加熱等による乾燥処理を行ってもよい。
塗布液の溶媒としては、p型半導体化合物及びn型半導体化合物を均一に溶解できるものであれば特に限定されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン若しくはデカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、クロロベンゼン若しくはオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、テトラリン若しくはデカリン等の脂環式炭化水素類;メタノール、エタノール若しくはプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等の脂肪族ケトン類;アセトフェノン若しくはプロピオフェノン等の芳香族ケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル若しくは乳酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン若しくはトリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル類;又は、ジメチルホルムアミド若しくはジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。
なかでも好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、クロロベンゼン若しくはオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、テトラリン若しくはデカリン等の脂環式炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等のケトン類;又は、エチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル類である。
より好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン若しくはシクロヘキシルベンゼン等の非ハロゲン系芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等の非ハロゲン系ケトン類;アセトフェノン若しくはプロピオフェノン等の芳香族ケトン類;テトラヒドロフラン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン若しくはデカリン等の非ハロゲン系脂環式炭化水素類;又は、1,4−ジオキサン等の非ハロゲン系脂肪族エーテル類である。特に好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン又はシクロヘキシルベンゼン等の非ハロゲン系芳香族炭化水素類である。
溶媒としては1種の溶媒を単独で用いてもよいし、任意の2種以上の溶媒を任意の比率で併用してもよい。2種以上の溶媒を併用する場合、常圧下での沸点が60℃以上150℃以下である低沸点溶媒と、常圧下での沸点が180℃以上である高沸点溶媒とを組み合わせることが好ましい。このように高沸点溶媒と低沸点溶媒とを組み合わせて用いる場合、活性層を成膜する際に、揮発性のより低い高沸点溶媒がゆっくりと揮発することにより、半導体化合物の組織化が促進され、相分離構造が最適化されうる。
環境負荷の観点から、これらの高沸点溶媒及び低沸点溶媒は非ハロゲン系溶媒であることが好ましい。また、非ハロゲン系の溶媒はハロゲン系の溶媒と比較して安定性が高く、活性層に対して損傷を与えにくい点でも好ましい。
低沸点溶媒の沸点は、好ましくは35℃以上であり、一方、好ましくは120℃以下である。沸点が35℃以上であることにより塗布前の塗布液から溶媒が揮発しにくく、120℃以下であることにより塗布後の塗布液から容易に溶媒が揮発しうる。
低沸点溶媒の好ましい例としては、トルエン若しくはキシレン等の炭素数10以下の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン等の炭素数10以下の脂環式炭化水素類、又はエチルメチルケトン等の炭素数10以下の脂肪族ケトン類等が挙げられる。
高沸点溶媒の沸点は、好ましくは200℃以上であり、一方、通常600℃以下、好ましくは500℃以下、さらに好ましくは400℃以下、より好ましくは300℃以下、特に好ましくは250℃以下である。沸点が600℃以下あることにより、塗布液の塗布後に、高沸点溶媒がより容易に揮発しうる。
芳香族炭化水素類を高沸点溶媒として用いる場合、その炭素数は、通常6以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上である。一方、通常50以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。炭素数がこの範囲にある場合、沸点が高い一方で凝固しにくく、塗布液が安定となりうる。このような芳香族炭化水素類としては、テトラリン等が挙げられる。
芳香族複素環化合物を高沸点溶媒として用いる場合、その炭素数は、通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは6以上であり、一方、通常50以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。炭素数がこの範囲にある場合、沸点が高い一方で凝固しにくく、塗布液が安定となりうる。
脂環式炭化水素類を高沸点溶媒として用いる場合、その炭素数は、通常6以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上である。一方、通常50以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。炭素数がこの範囲にある場合、沸点が高い一方で凝固しにくく、塗布液が安定となりうる。このような脂環式炭化水素類としては、デカリン等が挙げられる。
芳香族ケトン類を高沸点溶媒として用いる場合、その炭素数は、通常3以上、好ましくは6以上、より好ましくは8以上である。一方、通常50以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。炭素数がこの範囲にある場合、沸点が高い一方で凝固しにくく、塗布液が安定となりうる。このような芳香族ケトン類としては、アセトフェノン等が挙げられる。
高沸点溶媒と低沸点溶媒との比率は、特に制限されないが、重量比(高沸点溶媒/低沸点溶媒)が1/20以上であることが好ましく、1/15以上であることがさらに好ましく、1/10以上であることがより好ましい。一方、10/1以下であることが好ましく、2/1以下であることがさらに好ましく、1/1以下であることがより好ましく、1/2以下であることが特に好ましい。
低沸点溶媒と高沸点溶媒との組み合わせの例としては、非ハロゲン芳香族炭化水素類と脂環式炭化水素類、非ハロゲン芳香族炭化水素類と芳香族ケトン類、エーテル類と脂環式炭化水素類、エーテル類と芳香族ケトン類、脂肪族ケトン類と脂環式炭化水素類、又は脂肪族ケトン類と芳香族ケトン類、等が挙げられる。
好ましい組み合わせの具体例としては、トルエンとテトラリン、キシレンとテトラリン、トルエンとアセトフェノン、キシレンとアセトフェノン、テトラヒドロフランとテトラリン、テトラヒドロフランとアセトフェノン、メチルエチルケトンとテトラリン、メチルエチルケトンとアセトフェノン、等が挙げられる。
バルクヘテロ接合型の活性層を塗布法によって形成する場合、p型半導体化合物とn型半導体化合物とを含む塗布液に、さらに添加剤を加えてもよい。バルクヘテロ接合型の活性層におけるp型半導体化合物とn型半導体化合物との相分離構造は、光吸収過程、励起子の拡散過程、励起子の乖離(キャリア分離)過程、キャリア輸送過程等に対する影響がある。したがって、相分離構造を最適化することにより、良好な光電変換効率を実現することができるものと考えられる。塗布液が、p型半導体化合物又はn型半導体化合物と親和性の高い添加剤を含有することにより、好ましい相分離構造を有する活性層が得られ、光電変換効率が向上しうる。
添加剤が活性層103から失われにくくなる点で、添加剤は常温常圧(25℃、1気圧)の条件下において安定な固体であることが好ましい。また、活性層103の熱安定性を高める観点から、添加剤の融点はより高いことが好ましい。具体的には、添加剤の融点(1気圧)は通常35℃以上であり、好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは100℃以上、殊更に好ましくは150℃以上、特に好ましくは200℃以上である。
添加剤の例としては、例えば、炭素数10以上の脂肪族炭化水素類又は芳香族化合物等が挙げられる。具体的な例としてはナフタレン化合物が挙げられ、特にナフタレンに1以上8以下の置換基が結合した化合物が好ましい。ナフタレンに結合している置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、アミノ基、アミド基、カルボニルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、シリル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基又は芳香族基が挙げられる。添加剤の別の例としては、4以上6以下のハロゲン原子が結合しているベンゼン化合物が挙げられる。
p型半導体化合物とn型半導体化合物とを含む塗布液に含まれる添加剤の量は、塗布液全体に対して0.1重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がさらに好ましい。また、塗布液全体に対して10重量%以下が好ましく、3重量%以下がさらに好ましい。添加剤の量がこの範囲にあることにより、好ましい相分離構造が得られうる。
[1.1.2 p型半導体化合物]
活性層103は、p型半導体化合物として、本発明に係るコポリマーを少なくとも含有する。
(本発明に係るコポリマー)
本発明に係るコポリマーは、下記式(1A)で表される繰り返し単位と式(1B)で表される繰り返し単位とを含む。本発明に係るコポリマーは、溶解性と結晶性を両方バランスよく有する点で好ましい。また、光吸収波長領域が長波長化し、かつ光吸収性が高い点で好ましい。
Figure 2014027177
(式中、Aは周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、Rはヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表す。)
Figure 2014027177
(式中、Qは周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。)
まず、式(1A)で表される繰り返し単位について説明する。Aは周期表第16族元素から選ばれる原子を表す。本明細書において周期表とは、IUPAC2005年推奨版をいう。具体的には、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子等である。なかでも、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。酸素原子は、開放電圧(Voc)が向上しうる点で好ましく、硫黄原子は、コポリマー同士の分子間相互作用が向上しうる点で好ましい。
はヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表す。Rの具体的な例としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基又は置換基を有していてもよい芳香族基(アリール基)が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数は、通常1以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、特に好ましくは6以上であり、一方、通常30以下、好ましくは25以下、より好ましくは20以下である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、3−メチルブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基、ラウリル基、シクロラウリル基、又は1−(2−エチル)ヘキシル−3−エチルへプチル基等が挙げられる。なかでも、n−プロピル基、iso−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、3−メチルブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基、ラウリル基、シクロラウリル基、又は1−(2−エチル)ヘキシル−3−エチルへプチル基が好ましく、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、又は1−(2−エチル)ヘキシル−3−エチルへプチル基がより好ましい。
アルケニル基としては、炭素数が、通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、一方、通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下である。このようなアルケニル基としては、例えば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基又はゲラニル基等である。好ましくは、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基又はドデセニル基であり、より好ましくは、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、又はデセニル基である。
芳香族基としては、炭素原子数が、通常2以上、一方、通常60以下、好ましくは20以下、より好ましくは14以下である。このような芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、インデニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、又はアズレニル基等の芳香族炭化水素基;チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリミジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、又はベンゾトリアゾリル基等の芳香族複素環基等が挙げられる。なかでも、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、チアゾリル基、又はオキサゾリル基が好ましい。
をこれらの基とすることは、本発明に係るコポリマーの有機溶媒への溶解性が優れたものとなりやすく、塗布成膜プロセスにおいて有利となり得るために好ましい。さらに好ましくは、Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族基である。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましい。直鎖状のアルキル基はポリマーの結晶性が向上しうるためにキャリア移動度が大きくなりうる点で好ましく、分岐状のアルキル基はポリマーの溶解性が向上しうる点で好ましい。また、Rが置換基を有していてもよい芳香族基であることは、コポリマーがより長波長の光を吸収しうる点、及び、ポリマーの結晶性が向上しうるために移動度が大きくなりうる点で好ましい。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」との用語において、有していてもよい置換基としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定はないが、好ましくはハロゲン原子、水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シリル基、ボリル基、シアノ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又は芳香族基等が挙げられる。これらの置換基は、隣接する置換基同士で連結して環を形成していてもよい。
次に、式(1B)で表される繰り返し単位について説明する。Qは周期表第14族元素から選ばれる原子を表す。具体的には、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子が挙げられる。なかでも、炭素原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子が好ましい。より好ましくは炭素原子又はケイ素原子である。炭素原子は、結晶性が向上しうる点で好ましく、ケイ素原子は、溶解性が向上しうる点で好ましい。
及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表す。ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基の例としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基又は置換基を有していてもよい芳香族基(アリール基)が挙げられる。アルキル基、アルケニル基、及び芳香族基は、Rについて挙げたものと同様のものでありうる。また、アルキル基、アルケニル基、及び芳香族基が有していてもよい置換基は、Rについて挙げたものと同様のものでありうる。R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。
なかでも、R及びRの少なくともひとつが置換基を有していてもよいアルキル基又は芳香族基であることが好ましく、RとRとの双方が置換基を有していてもよいアルキル基又は芳香族基であることがさらに好ましい。直鎖状のアルキル基は、ポリマーの結晶性が向上することにより移動度が大きくなりうる点で好ましく、分岐状のアルキル基は、ポリマーの溶解性が向上することにより塗布プロセスによる成膜が容易となりうる点で好ましい。R及びRの少なくともひとつがアルキル基であることは、本発明に係るコポリマーがより長波長の光を吸収しうるという観点からも好ましい。これらの観点からは、R及びRの少なくともひとつが炭素数1以上20以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数6以上20以下のアルキル基であることが特に好ましい。芳香族基は、π電子間の相互作用により分子間の相互作用が向上するために移動度が大きくなる傾向がある点で好ましい。芳香族基はまた、式(1B)で表される縮合環骨格の安定性を向上させる傾向がある点で好ましい。
第14族元素から選ばれる原子であるQ周辺の立体障害を大きくすることにより本発明に係るコポリマーの耐久性を向上させるという観点からは、R及びRが、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は置換基を有していてもよい芳香族基であることが好ましい。
また、R及びRの少なくともひとつがハロゲン原子であることも好ましい。このことは、本発明に係るコポリマーの耐熱性、耐候性、耐化学薬品性又は撥水・撥油性等が向上する点で好ましい。
本発明に係るコポリマー中の式(1A)で表される繰り返し単位の比率は、特段の制限は無いが、通常1モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは15モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上である。一方、通常99モル%以下、好ましくは95モル%以下、より好ましくは85モル%以下、さらに好ましくは70モル%以下である。
本発明に係るコポリマー中の式(1B)で表される繰り返し単位の比率は、特段の制限は無いが、通常1モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは15モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上である。一方、通常99モル%以下、好ましくは95モル%以下、より好ましくは85モル%以下、さらに好ましくは70モル%以下である。
本発明に係るコポリマー中の式(1A)で表される繰り返し単位に対する式(1B)で表される繰り返し単位の比は、特段の制限は無いが、通常0.01以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上である。一方、通常100以下、好ましくは10以下、より好ましくは2以下である。
本発明に係るコポリマーにおける、繰り返し単位(1A)及び(1B)の配列状態は、交互、ブロック及びランダムのいずれでもよい。すなわち、本発明に係るコポリマーは、交互コポリマー、ブロックコポリマー、及びランダムコポリマーのいずれでもよい。好ましくは交互に配列しているものである。
とりわけ、本発明に係るコポリマーは、下記式(1AB)で表される繰り返し単位を含むコポリマーであることが好ましい。下記式(1AB)で表される繰り返し単位を含むことにより、電荷分離状態の維持がより容易となりうる。
Figure 2014027177
(式中、Aは周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、Rはヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表し、Qは周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。)
式(1AB)中、A、Q、R〜Rの具体例としては、式(1A)及び(1B)について説明したものと同様のものが挙げられる。溶解性及び光吸収性の観点から、Qがケイ素原子であり、Aが硫黄原子であることはより好ましい。
本発明に係るコポリマーが式(1AB)で表される繰り返し単位を含む好ましい例において、本発明に係るコポリマー中の式(1AB)で表される繰り返し単位の比率は、特段の制限は無いが、通常10モル%以上、好ましくは25モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上である。上限は特になく、100モル%以下である。
また、本発明に係るコポリマーは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の繰り返し単位を含んでいてもよい。他の繰り返し単位としては、例えばチオフェンジイル基やチアゾールジイル基等の芳香族複素環等が挙げられる。
本発明に係るコポリマーは、式(1A)及び(1B)で表される繰り返し単位のうちそれぞれ1種のみを含んでいてもよい。また、式(1A)で表される繰り返し単位を2種以上含んでいてもよいし、また、式(1B)で表される繰り返し単位を2種以上含んでいてもよい。本発明に係るコポリマーが含む繰り返し単位の種類に制限はないが、通常8以下、好ましくは5以下である。同様に、本発明に係るコポリマーは、式(1AB)で表される繰り返し単位のうち1種のみを含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
本発明に係るコポリマーの好ましい具体例を以下に示す。しかしながら、本発明に係るコポリマーは以下の例示に限られない。以下の具体例において、C、C17、及びC1225は、直鎖のアルキル基を表す。また、Bu、Hex及びOctはそれぞれn−ブチル基、n−ヘキシル基及びn−オクチル基を表す。本発明に係るコポリマーが複数の繰り返し単位を含む場合は、各繰り返し単位の数の比率は任意である。
Figure 2014027177
Figure 2014027177
Figure 2014027177
Figure 2014027177
Figure 2014027177
Figure 2014027177
Figure 2014027177
Figure 2014027177
本発明に係るコポリマーは、長波長領域(600nm以上)に吸収を持つ。また、本発明に係るコポリマーを用いた光電変換素子は、高い開放電圧(Voc)を示し、高い光電変換特性を示す。本発明に係るコポリマーは、特にフラーレン化合物と組み合わせると、高い光電変換特性を示す。また本発明に係るコポリマーは、HOMOエネルギー準位が低く酸化されにくい利点もある。
また、本発明に係るコポリマーは高溶解性を示すために、塗布成膜が容易であるという利点がある。また、塗布成膜を行う際に溶媒の選択の幅が広がるために、成膜により適した溶媒を選択でき、形成された活性層の膜質を向上させることができる。このことも、本発明に係るコポリマーを用いた光電変換素子が高い光電変換特性を示す一因であると考えられる。
本発明に係るコポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常2.0×10以上、好ましくは5.0×10以上、より好ましくは1.0×10以上、さらに好ましくは3.0×10以上、よりさらに好ましくは5.0×10以上、特に好ましくは1.0×10以上である。一方、好ましくは1.0×10以下、より好ましくは5.0×10以下、さらにより好ましくは3.0×10以下、さらに好ましくは2.0×10以下、よりさらに好ましくは1.0×10以下、殊更に好ましくは5.0×10以下、特に好ましくは3.0×10以下である。光吸収波長を長波長化する観点、高い吸光度を実現する観点、及び相分離構造が最適化されうるという観点から、重量平均分子量がこの範囲にあることが好ましい。
本発明に係るコポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。具体的には、カラムとして、PolymerLaboratories GPC用カラム(PLgel MIXED−B 10μm,内径7.5mm,長さ30cm)を2本直列に接続して使用し、ポンプとしてLC−10AT(島津製作所社製)、オーブンとしてCTO−10A(島津製作所社製)、検出器として示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A)、及びUV−vis検出器(島津製作所製:SPD−10A)を用いることにより測定できる。測定対象のコポリマー(1mg)をクロロホルム(200mg)に溶解させ、得られた溶液1μLをカラムに注入する。移動相としてクロロホルムを用い、1.0mL/minの流速で測定を行う。解析にはLC−Solution(島津製作所)を用いる。
本発明に係るコポリマーの数平均分子量(Mn)は、通常1.0×10以上、好ましくは3.0×10以上、より好ましくは5.0×10以上、さらに好ましくは1.0×10以上、よりさらに好ましくは1.5×10以上、殊更に好ましくは2.0×10以上、特に好ましくは2.5×10以上である。一方、好ましくは1.0×10以下、より好ましくは5.0×10以下、さらにより好ましくは2.0×10以下、特に好ましくは1.0×10以下である。光吸収波長を長波長化するという観点、高い吸光度を実現する観点、及び相分離構造が最適化されうるという観点から、数平均分子量がこの範囲にあることが好ましい。本発明に係るコポリマーの数平均分子量は、重量平均分子量と同様の方法で測定することができる。
本発明に係るコポリマーの分子量分布(PDI、(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)))は、通常1.0以上、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.3以上である。一方、好ましくは20.0以下、より好ましくは15.0以下、さらに好ましくは10.0以下である。コポリマーの溶解度が塗布に適した範囲になりうるという点で、分子量分布がこの範囲にあることが好ましい。本発明に係るコポリマーの分子量分布は、重量平均分子量と同様の方法で測定することができる。
本発明に係るコポリマーは、好ましくは光吸収極大波長(λmax)が470nm以上、より好ましくは480nm以上にあり、一方、通常1200nm以下、好ましくは1000nm以下、より好ましくは900nm以下にある。また、半値幅が通常10nm以上、好ましくは20nm以上であり、一方、通常300nm以下である。また、本発明に係るコポリマーの吸収波長領域は太陽光の吸収波長領域に近いほど望ましい。
本発明に係るコポリマーの溶解度は、特に限定は無いが、好ましくは25℃におけるクロロベンゼンに対する溶解度が通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上であり、一方、通常30重量%以下、好ましくは20重量%である。溶解性が高いことは、より厚い活性層を成膜することが可能となる点で好ましい。
本発明に係るコポリマーは分子間で相互作用するものであることが好ましい。本明細書において、分子間で相互作用するということは、分子間でのπ−πスタッキングの相互作用等によってポリマー鎖間の距離が短くなることを意味する。相互作用が強いほど、コポリマーが高い移動度及び/又は結晶性を示す傾向がある。すなわち、分子間で相互作用するコポリマーにおいては分子間での電荷移動が起こりやすいため、活性層103内の本発明に係るコポリマーとn型半導体化合物との界面で生成した正孔(ホール)を効率よくアノード105へ輸送できると考えられる。
結晶性の測定方法としてはX線回折法(XRD)が挙げられる。本明細書において結晶性を有するとは、コポリマーの回折ピークがX線回折スペクトルに示されることを意味し、特に2θ=4.8°近傍に回折ピークを示すことが好ましい。結晶性を有することは、分子同士が配列した積層構造を有することを意味すると考えられ、より厚い活性層を得ることが容易となる傾向がある点で好ましい。X線回折法(XRD)は公知文献(X線結晶解析の手引き(応用物理学選書4))に記載の方法に基づいて行うことができる。
本発明に係るコポリマーの正孔移動度は、通常1.0×10−7cm/Vs以上、好ましくは1.0×10−6cm/Vs以上、より好ましくは1.0×10−5cm/Vs以上、特に好ましくは1.0×10−4cm/Vs以上である。一方、本発明に係るコポリマーの正孔移動度は通常1.0×10cm/Vs以下であり、好ましくは1.0×10cm/Vs以下であり、より好ましくは1.0×10cm/Vs以下である。高い変換効率を得るためには、n型半導体化合物の移動度と、本発明に係るコポリマーの移動度とのバランスが重要である。p型半導体化合物として用いられる本発明に係るコポリマーの移動度と、n型半導体化合物の移動度とを近づける観点から、本発明に係るコポリマーの正孔移動度がこの範囲にあることが好ましい。正孔移動度の測定方法としてはFET法が挙げられる。FET法は公知文献(特開2010−045186号公報)に記載の方法により行うことができる。
本発明に係るコポリマー中の不純物は極力少ないほうが好ましい。特に、パラジウム、銅等の遷移金属触媒が残っていると、遷移金属の重原子効果による励起子トラップが生じるために電荷移動を阻害され、結果として光電変換素子の光電変換効率を低下させるおそれがある。具体的には、本発明に係るコポリマー中の遷移金属触媒の濃度は、通常1000ppm以下、好ましくは500pm以下、より好ましくは100ppm以下である。一方、通常0ppmより大きく、1ppm以上であってもよく、3ppm以上であってもよい。
本発明に係るコポリマーにおける末端残基(後述の式(2A)及び式(2B)でのX及びX)の残存量は、特段の制限は無いが、通常6000ppm以下、好ましくは4000ppm以下、より好ましくは3000ppm以下、さらに好ましくは2000ppm以下、よりさらに好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは500ppm以下、最も好ましくは200ppm以下である。一方、通常0ppmより大きく、1ppm以上であってもよく、3ppm以上であってもよい。
特に、本発明に係るコポリマー中のスズ原子の残存量は、通常5000ppm以下、好ましくは4000ppm以下、より好ましくは2500ppm以下、さらに好ましくは1000ppm以下、よりさらに好ましくは750ppm以下、特に好ましくは500ppm以下、最も好ましくは100ppm以下である。一方、通常0ppmより大きく、1ppm以上であってもよく、3ppm以上でであってもよい。スズ原子の残存量を5000ppm以下にすることは、熱分解しやすいアルキルスタニル基中のスズ原子の残存量が少なくなり、より高い安定性を得ることができるために、好ましい。
また、本発明に係るコポリマー中のハロゲン原子の残存量は、通常5000ppm以下、好ましくは4000ppm以下、より好ましくは2500ppm以下、さらに好ましくは1000ppm以下、よりさらに好ましくは750ppm以下、特に好ましくは500ppm以下、最も好ましくは100ppm以下である。一方、通常0ppmより大きく、1ppm以上であってもよく、3ppm以上であってもよい。ハロゲン原子の残存量を5000ppm以下にすることは、光電変換素子の光電変換特性及び耐久性等が向上する傾向にあることから好ましい。
コポリマーの末端残基(後述のX及びX)の残存量は、炭素、水素及び窒素以外の元素量により測定することができる。測定手法として、得られたコポリマーの元素分析は、臭素イオン(Br)及びヨウ素イオン(I)についてはイオンクロマトグラフィー法又はICP質量分析法で実施することができ、パラジウム及びスズについてはICP質量分析法で実施することができる。
イオンクロマトグラフィー法は、公知文献(「イオンクロマトグラフィー」:共立出版株式会社)に記載されている方法により実施できる。例えば、イオンクロマトグラフ分析装置(Dionex社製 イオンクロマト分析装置 DX120型又はDX500型)により実施することができる。
ICP質量分析法は、公知文献(「プラズマイオン源質量分析」(学会出版センター))に記載されている方法により実施できる。具体的には、Pd及びSnについて、試料を湿式分解後、分解液中のPd,SnをICP質量分析装置(Agilent Technologies社製 ICP質量分析装置 7500ce型)を用いて検量線法により定量することができる。又、Br及びIについて、試料を試料燃焼装置(三菱化学アナリテック社製 試料燃焼装置 QF−02型)にて燃焼し、燃焼ガスを還元剤入りのアルカリ吸収液に吸収し、吸収液中のBr及びIをICP質量分析装置(Agilent Technologies社製 ICP質量分析装置 7500ce型)を用いて検量線法により定量することができる。
(本発明に係るコポリマーの製造方法)
本発明に係るコポリマーの製造方法には特に限定はない。例えば、下記一般式(2A)で表される化合物と、下記一般式(2B)で表される化合物とを用いて公知の方法で製造することができる。好ましい方法としては、下記一般式(2A)で表される化合物と、下記一般式(2B)で表される化合物とを、必要であれば適当な触媒の存在下で、重合する方法が挙げられる。
Figure 2014027177
式(2A)中、A及びRは、式(1A)と同義である。式(2B)中、Q、R及びRは式(1B)と同義である。
及びXは各々独立して、ハロゲン原子、アルキルスタニル基、アルキルスルホ基、アリールスルホ基、アリールアルキルスルホ基、ホウ酸エステル残基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホウ酸残基(−B(OH))、ホルミル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。
式(2A)又は(2B)で表される化合物の合成上の観点及び反応のし易さの観点から、X及びXは各々独立に、ハロゲン原子、アルキルスタニル基、ホウ酸エステル残基、又はホウ酸残基(−B(OH))であることが好ましい。X及びXにおいて、ハロゲン原子としては、臭素原子又はヨウ素原子が好ましい。
ホウ酸エステル残基としては、例えば、下記式で示される基が挙げられる。
Figure 2014027177
(式中、Meはメチル基を示し、Etはエチル基を表す。)
アルキルスタニル基としては、例えば、下記式で示される基が挙げられる。
Figure 2014027177
アルケニル基としては、例えば炭素数2以上12以下のアルケニル基が挙げられる。
本発明に係るコポリマーの重合に用いる反応方法としては、Suzuki−Miyauraクロスカップリング反応方法、Stilleカップリング反応方法、Yamamotoカップリング反応方法、Grignard反応方法、ヘック反応方法、薗頭反応方法、FeCl等の酸化剤を用いる反応方法、電気化学的な酸化反応を用いる方法、又は適当な脱離基を有する中間体化合物の分解による反応方法等が挙げられる。これらの中でも、Suzuki−Miyauraカップリング反応方法、Stilleカップリング反応方法、Yamamotoカップリング反応方法、又はGrignard反応方法が、構造制御がしやすい点で好ましい。特に、Suzuki−Miyauraクロスカップリング反応方法、Stilleカップリング反応方法、又はGrignard反応方法が、材料の入手しやすさ、反応操作の簡便さの点からも好ましい。これらの反応は、「クロスカップリング−基礎と産業応用−(CMC出版)」、「有機合成のための遷移金属触媒反応(辻二郎著:有機合成化学協会編)」、「有機合成のための触媒反応103(檜山為次郎著:東京化学同人)」等の公知文献の記載の方法に従って行うことができる。以下はStilleカップリング反応方法について述べる。
Stilleカップリング反応方法を用いる場合、上記一般式(2A)及び(2B)において、Xがハロゲン原子でありかつXがアルキルスタニル基であるか、又はXがアルキルスタニル基でありかつXがハロゲン原子であることが好ましい。
式(2A)で表される化合物に対する、式(2B)で表される化合物のモル比(2B/2A)は、通常0.90以上、好ましくは0.95以上であり、一方、通常1.3以下、好ましくは1.2以下である。モル比が上記の範囲内にあることは、より高い収率でより高い分子量を有するコポリマーが得られうる点で好ましい。
本発明に係るコポリマーの純度を高めることにより、光電変換素子の変換特性が向上しうるため、重合前のモノマー(一般式(2A)又は(2B)で表される化合物)を蒸留、昇華精製、カラムクロマトグラフィー又は再結晶等の方法で精製した後に、重合反応を行うことが好ましい。重合前のモノマーの純度は、通常90%以上、好ましくは95%以上である。
重合反応においては、反応促進のために、アルカリ、触媒、補触媒、有機配位子又は相間移動触媒等を添加することができる。これらのアルカリ又は触媒等は、重合反応の種類に応じて選択すればよいが、重合反応に用いる溶媒に十分に溶解することが好ましい。アルカリとしては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸セシウム等の無機塩基、又はトリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)等のホスフィン化合物を配位子として含むパラジウム錯体若しくは酢酸パラジウム等のパラジウム(Pd)触媒;Ni(dppp)Cl若しくはNi(dppe)Cl等のニッケル触媒;塩化鉄等の鉄触媒;又はヨウ化銅等の銅触媒等が挙げられる。
ホスフィン化合物を配位子として含むパラジウム錯体としては、具体的には、Pd(PPh、Pd(P(o−tolyl)、Pd(PCy、Pd(dba)又はPdCl(PPh等が挙げられる(式中、Phはフェニル基を表し、Cyはシクロヘキシル基を表し、o−tolylは2−トリル基を表し、dbaはジベンジリデンアセトンを表す)。Pd(dba)又はPdCl(PPh等の2価のPd錯体を用いる場合には、PPhやP(o−tolyl)等の有機配位子と併せて使用することが望ましい。
触媒の使用量は、式(2A)で表される化合物と式(2B)で表される化合物との合計に対して、通常1.0×10−4mol%以上、好ましくは1.0×10−3mol%以上、より好ましくは1.0×10−2mol%以上であり、一方、通常1.0×10mol%以下、より好ましくは5mol%以下である。触媒の使用量がこの範囲にあることは、より低コストかつ高い収率で、より高分子量の本発明に係るコポリマーが得られる傾向にある点で好ましい。
補触媒としてはフッ化セシウム、酸化銅又はハロゲン化銅等の無機塩が挙げられる。補触媒の使用量は、式(2A)で表される化合物に対して、通常1.0×10−4mol%以上、好ましくは1.0×10−3mol%以上、より好ましくは1.0×10−2mol%以上であり、一方、通常1.0×10mol%以下、好ましくは1.0×10mol%以下、より好ましくは1.5×10mol%以下である。補触媒の使用量がこの範囲にあることは、より低コストかつ高い収率で本発明に係るコポリマーが得られる傾向にある点で好ましい。
相間移動触媒としては、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドやAliquat336(アルドリッチ社製)等が挙げられる。相間移動触媒の使用量は、式(2A)で表される化合物に対して、通常1.0×10−4mol%以上、好ましくは1.0×10−3mol%以上、より好ましくは1.0×10−2mol%以上であり、一方、通常5mol%以下、より好ましくは3mol%以下である。相間移動触媒の使用量がこの範囲にあることは、より低コストかつ高い収率で本発明に係るコポリマーが得られる傾向にある点で好ましい。
重合反応に用いられる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン又はシクロヘキサン等の飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン又はキシレン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン又はトリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はt−ブチルアルコール等のアルコール類;水;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン又はジオキサン等のエーテル類;DMF等の非プロトン性有機溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、一種を単独で用いても二種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、式(2A)で表される化合物と式(2B)で表される化合物との合計1gに対して、通常、1.0×10−2mL以上、好ましくは1.0×10−1mL以上、より好ましくは1mL以上であり、一方、通常1.0×10mL以下、好ましくは1.0×10mL以下、より好ましくは2.0×10mL以下である。
Stilleカップリング反応の反応温度は、通常0℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。一方、通常300℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下、特に好ましくは160℃以下である。
加熱方法としては、特段の制限は無いが、オイルバス加熱、熱電対加熱、赤外線加熱、マイクロウェーブ加熱の他、IHヒーターを用いた接触による加熱等が挙げられる。
反応時間は、通常1分間以上、好ましくは10分間以上であり、一方、通常160時間以下、好ましくは120時間以下、より好ましくは100時間以下である。これらの反応条件で反応を行うことにより、より短時間かつ高い収率でコポリマーが得られうる。
重合反応後は、例えば、水でクエンチした後に生成物を有機溶媒で抽出し、有機溶媒を留去する等の通常の後処理により、粗製のコポリマーを得ることができる。コポリマーの合成後、再沈精製、ソックスレーを用いた精製、ゲル浸透クロマトグラフィー、又はスキャベンジャーによる金属除去等の、純化処理をすることが好ましい。
また、Stilleカップリング反応は窒素(N)又はアルゴン(Ar)雰囲気下で行うことが好ましい。
重合反応により得られたコポリマーに対しては、末端処理を行うことが好ましい。コポリマーの末端処理を行うことにより、臭素(Br)若しくはヨウ素(I)等のハロゲン原子又はアルキルスタニル基等の、末端残基(上述のX及びX)のコポリマー中の残存量を減らすことができる。この末端処理を行うことは、効率及び耐久性の点でよりよい性能のコポリマーを得ることができるために、好ましい。
コポリマーの末端処理方法としては、特段の制限は無いが、以下の方法が挙げられる。Stilleカップリング反応によってコポリマーを製造した場合には、コポリマーの末端に存在する臭素(Br)やヨウ素(I)等のハロゲン原子及びアルキルスタニル基に対する末端処理を行うことができる。
ハロゲン原子の末端処理方法としては、反応系中に末端処理剤としてアリールトリアルキルスズを加えた後、加熱攪拌を行うことにより行うことができる。アリールトリアルキルスズとしてはフェニルトリメチルスズ又はチエニルトリメチルスズ等が挙げられる。末端処理剤の添加量に特段の制限は無いが、ハロゲン原子が末端に付加したモノマーに対して、通常1.0×10−2当量以上、好ましくは0.1当量以上、より好ましくは1当量以上であり、一方、通常50当量以下、好ましくは20当量以下、より好ましくは10当量以上である。加熱時間にも特段の制限は無いが、通常30分以上、好ましくは1時間以上であり、一方、通常50時間以下、好ましくは20時間以下である。これらの反応条件で反応を行うことにより、より短時間かつ高い変換率で末端処理を行うことができる。末端処理によりコポリマー末端のハロゲン原子をアリール基に置換することは、共役安定効果によりコポリマーがより安定になりうるために、好ましい。
アルキルスタニル基の末端処理方法としては、反応系中に末端処理剤としてアリールハライドを加えたのち、加熱攪拌を行うことにより行うことができる。アリールハライドとしてはヨードチオフェン、ヨードベンゼン、ブロモチオフェン又はブロモベンゼン等が挙げられる。末端処理剤の添加量に特段の制限は無いが、アルキルスタニル基が末端に付加したモノマーに対して、通常1.0×10−2当量以上、好ましくは0.1当量以上、より好ましくは1当量以上であり、一方、通常50当量以下、好ましくは20当量以下、より好ましくは10当量以下である。加熱時間にも特段の制限は無いが、通常30分以上、好ましくは1時間以上であり、一方、通常50時間以下、好ましくは10時間以下である。これらの反応条件で反応を行うことにより、より短時間かつ高い変換率で末端処理を行うことができる。末端処理によりコポリマー末端のアルキルスタニル基をアリール基に置換することによって、熱分解しやすいアルキルスタニル基中のスズ原子がコポリマー中に存在しなくなることから、コポリマーの経時劣化が抑えられることが期待される。また、コポリマー末端のアルキルスタニル基をアリール基に置換することは、共役安定効果によりコポリマーがより安定になりうる点においても好ましい。
末端処理の反応操作については、特段の制限は無いが、各々独立に行うことが好ましい。例えば、Stilleカップリング反応を用いた場合、ハロゲン原子の末端処理と、アルキルスタニル基の末端処理とを、独立に行うことが好ましい。各々の末端処理の操作順序に特段の制限は無く、順序は適宜選択できる。
また、末端処理は、コポリマーの精製前に行っても、コポリマーの精製後に行ってもよい。末端処理をコポリマー精製後に行う場合には、コポリマーと片方の末端処理剤(アリールハライド又はアリールトリアルキルスズ)を有機溶剤に溶解した後、パラジウム触媒等の遷移金属触媒を加え、窒素条件下加熱攪拌を行う。その後、さらにもう片方の末端処理剤(アリールトリアルキルスズ又はアリールハライド)を加え、加熱攪拌を行うことにより、末端処理を行うことができる。上記の処理は、末端残基を短時間に効率よく除去できるために好ましい。
パラジウム触媒等の遷移金属触媒の添加量としては、特段の制限は無いが、コポリマーに対して、通常5.0×10−3当量以上、好ましくは1.0×10−2当量以上であり、一方、通常1.0×10−1当量以下、好ましくは5.0×10−2当量以下である。触媒の添加量がこの範囲にあることにより、より低コストかつ高い変換率で末端処理を行うことができる。
アルキルスタニル基の末端処理剤の添加量としては、特段の制限は無いが、アルキルスタニル基が末端に付加したモノマーに対して、通常1.0×10−2当量以上、好ましくは1.0×10−1当量以上、より好ましくは1当量以上であり、一方、通常50当量以下、好ましくは20当量以下、より好ましくは10当量以下である。末端処理剤の添加量がこの範囲にあることにより、より低コストかつ高い変換率で末端処理を行うことができる。
ハロゲン基の末端処理剤の添加量としては、特段の制限は無いが、ハロゲン基が末端に付加したモノマーに対して、通常1.0×10−2当量以上、好ましくは1.0×10−1当量以上、より好ましくは1当量以上であり、一方、通常50当量以下、好ましくは20当量以下、より好ましくは10当量以下である。末端処理剤の添加量がこの範囲にあることにより、より低コストかつ高い変換率で末端処理を行うことができる。
加熱時間は、特段の制限は無いが、通常30分以上、好ましくは1時間以上であり、一方、通常25時間以下、好ましくは10時間以下である。
なお、Suzuki−Miyauraクロスカップリング反応方法によりコポリマーを重合した場合には、ハロゲン基の末端処理剤としてアリールボロン酸を用い、アリールボロン酸を加えた後加熱攪拌を行うことにより、末端処理を行うことができる。
末端処理後のコポリマーの精製は、上記の通り、ソックスレーによる精製、ゲル浸透クロマトグラフィー、又はスキャベンジャーによる金属除去等の方法により行うことができる。
重合反応の原料として用いられる式(2A)に示される化合物の製造方法は特に限定されず、例えばJ.Am.Chem.Soc.,2010,132(22),7595−7597に記載の方法に準じて製造することができる。また、式(2B)に示される化合物の製造方法も特に限定されず、J.Mater.Chem.,2011,21,3895及びJ.Am.Chem.Soc.2008,130,16144−16145に記載の方法に準じて製造することができる。
(その他のp型半導体化合物)
活性層103は、p型半導体化合物として、本発明に係るコポリマーを少なくとも含有する。しかしながら、他の有機半導体材料を、本発明に係るコポリマーと混合及び/又は積層して併用することも可能である。以下、併用しうる有機半導体材料、例えば、高分子有機半導体化合物及び低分子有機半導体化合物について説明する。
(高分子有機半導体化合物)
p型半導体化合物として併用しうる高分子有機半導体化合物としては、特に限定はなく、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリアセチレン又はポリアニリン等の共役コポリマー半導体化合物;アルキル基やその他の置換基が置換されたオリゴチオフェン等のコポリマー半導体化合物等が挙げられる。また、二種以上のモノマー単位を共重合させたコポリマー半導体化合物も挙げられる。共役コポリマーは、例えば、Handbook of Conducting Polymers,3rd Ed.(全2巻),2007、Materials Science and Engineering,2001,32,1−40、Pure Appl.Chem.2002,74,2031−3044、Handbook of THIOPHENE−BASED MATERIALS(全2巻),2009等の公知文献に記載されたコポリマーやその誘導体、及び記載されているモノマーの組み合わせによって合成し得るコポリマーを用いることができる。p型半導体化合物として併用される高分子有機半導体化合物は、一種の化合物でも複数種の化合物の混合物でもよい。
p型半導体化合物として併用しうる高分子有機半導体化合物の具体例としては以下のものが挙げられるが、以下のものに限定されるわけではない。
Figure 2014027177
Figure 2014027177
(低分子有機半導体化合物)
p型半導体化合物として併用しうる低分子有機半導体化合物としては、周知のものを用いることができ、具体的には国際公開第2011/016430号等の公知文献に記載のものを採用することができる。
p型半導体化合物は、成膜された状態において、何らかの自己組織化した構造を有していても、アモルファス状態であってもよい。
p型半導体化合物のHOMO(最高被占分子軌道)エネルギー準位は、特に限定は無く、後述のn型半導体化合物の種類によって選択することができる。特に、フラーレン化合物をn型半導体化合物として用いる場合、p型半導体化合物のHOMOエネルギー準位は、通常−5.7eV以上、より好ましくは−5.5eV以上、一方、通常−4.6eV以下、より好ましくは−4.8eV以下である。p型半導体化合物のHOMOエネルギー準位が−5.7eV以上であることによりp型半導体としての特性が向上し、p型半導体化合物のHOMOエネルギー準位が−4.6eV以下であることにより化合物の安定性が向上し、開放電圧(Voc)も向上する。
p型半導体化合物のLUMO(最低空分子軌道)エネルギー準位は、特に限定は無いが、後述のn型半導体化合物の種類によって選択することができる。特に、フラーレン化合物をn型半導体化合物として用いる場合、p型半導体化合物のLUMOエネルギー準位は、通常−3.7eV以上、好ましくは−3.6eV以上である。一方、通常−2.5eV以下、好ましくは−2.7eV以下である。p型半導体のLUMOエネルギー準位が−2.5eV以下であることにより、バンドギャップが調整され長波長の光エネルギーを有効に吸収することができ、短絡電流密度が向上する。p型半導体化合物のLUMOエネルギー準位が−3.7eV以上であることにより、n型半導体化合物への電子移動が起こりやすくなり短絡電流密度が向上する。
LUMOエネルギー準位及びHOMOエネルギー準位の算出方法は、理論的に計算値で求める方法と実際に測定する方法が挙げられる。理論的に計算値で求める方法としては、半経験的分子軌道法及び非経験的分子軌道法が挙げられる。実際に測定する方法としては、紫外可視吸収スペクトル測定法又はサイクリックボルタモグラム測定法が挙げられる。その中でも好ましくはサイクリックボルタモグラム測定法であり、本明細書においてサイクリックボルタモグラム測定法を用いるものとする。具体的には、例えば公知文献(国際公開第2011/016430号)に記載の方法で測定することができる。
[1.1.3 n型半導体化合物]
n型半導体化合物としては、特段の制限はないが、具体的にはフラーレン化合物;8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体;ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド又はペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類;ペリレンジイミド誘導体、ターピリジン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリノン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジン誘導体、ボラン誘導体;アントラセン、ピレン、ナフタセン又はペンタセン等の縮合多環芳香族炭化水素の全フッ化物;単層カーボンナノチューブ、n型ポリマー(n型高分子半導体化合物)等が挙げられる。
その中でも、フラーレン化合物、ボラン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、N−アルキル置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、N−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体又はn型高分子半導体化合物が好ましく、フラーレン化合物、N−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体、N−アルキル置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド又はn型高分子半導体化合物がより好ましい。上記のうち一種の化合物を用いてもよいし、複数種の化合物の混合物を用いてもよい。
n型半導体化合物のLUMOエネルギー準位は、特に限定はされないが、例えばサイクリックボルタモグラム測定法により算出される真空準位に対する値が、通常−3.85eV以上、好ましくは−3.80eV以上である。p型半導体化合物から効率良くn型半導体化合物へと電子を移動させるためには、p型半導体化合物とn型半導体化合物とのLUMOエネルギー準位の相対関係が重要である。具体的には、p型半導体化合物のLUMOエネルギー準位が、n型半導体化合物のLUMOエネルギー準位より所定の値だけ上にあること、言い換えると、n型半導体化合物の電子親和力がp型半導体化合物の電子親和力より所定のエネルギーだけ大きいことが好ましい。開放電圧(Voc)はp型半導体化合物のHOMOエネルギー準位とn型半導体化合物のLUMOエネルギー準位の差に依存するため、n型半導体化合物のLUMOエネルギー準位を高くすると、Vocが高くなる傾向がある。一方、LUMOエネルギー準位の値は通常−1.0eV以下、好ましくは−2.0eV以下、より好ましくは−3.0eV以下、さらに好ましくは−3.3eV以下である。n型半導体化合物のLUMOエネルギー準位を低くすることで、電子の移動が起こりやすくなり、短絡電流(Jsc)が高くなる傾向がある。
n型半導体化合物のHOMOエネルギー準位は、特に限定は無いが、通常−5.0eV以下、好ましくは−5.5eV以下である。一方、通常−7.0eV以上、好ましくは−6.6eV以上である。n型半導体化合物のHOMOエネルギー準位が−7.0eV以上であることは、n型半導体化合物の光吸収も発電に利用しうる点で好ましい。n型半導体化合物のHOMOエネルギー準位が−5.0eV以下であることは、正孔の逆移動を阻止できる点で好ましい。
n型半導体化合物の電子移動度は、特段の制限はないが、通常1.0×10−6cm/Vs以上であり、1.0×10−5cm/Vs以上が好ましく、5.0×10−5cm/Vs以上がより好ましく、1.0×10−4cm/Vs以上がさらに好ましい。一方、通常1.0×10cm/Vs以下であり、1.0×10cm/Vs以下が好ましく、5.0×10cm/Vs以下がより好ましい。n型半導体化合物の電子移動度が1.0×10−6cm/Vs以上であることは、光電変換素子の電子拡散速度向上、短絡電流向上、変換効率向上等の効果が得られうる点で好ましい。電子移動度の測定方法としてはFET法が挙げられ、公知文献(特開2010−045186号公報)に記載の方法により実施することができる。
n型半導体化合物の25℃でのトルエンに対する溶解度は、通常0.5重量%以上であり、0.6重量%以上が好ましく、0.7重量%以上がより好ましい。一方、通常90重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましく、70重量%以下がさらに好ましい。n型半導体化合物の25℃でのトルエンに対する溶解度が0.5重量%以上であることは、溶液中でのn型半導体化合物の分散安定性が向上し、凝集、沈降、分離等を起こしにくくなるために、好ましい。
以下、好ましいn型半導体化合物の例について説明する。
(フラーレン化合物)
フラーレン化合物としては、一般式(n1)、(n2)、(n3)及び(n4)で表される部分構造を有するものが好ましい例として挙げられる。
Figure 2014027177
上式中、FLNは、閉殻構造を有する炭素クラスターであるフラーレンを表す。フラーレンの炭素数は、通常60以上130以下の偶数であれば何でもよい。フラーレンとしては、例えば、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94、C96及びこれらよりも多くの炭素を有する高次の炭素クラスター等が挙げられる。その中でも、C60又はC70が好ましい。フラーレンとしては、一部のフラーレン環上の炭素−炭素結合が切れていてもよい。また、フラーレンを構成する炭素原子の一部が、他の原子に置き換えられていてもよい。さらにフラーレンは、金属原子、非金属原子あるいはこれらから構成される原子団をフラーレンケージ内に内包していてもよい。
a、b、c及びdは整数であり、a、b、c及びdの合計は通常1以上であり、一方、通常5以下であり、好ましくは3以下である。(n1)、(n2)、(n3)及び(n4)中の部分構造は、フラーレン骨格中の同一の五員環又は六員環に結合している。一般式(n1)では、フラーレン骨格中の同一の5員環又は6員環上の隣接する2つの炭素原子に対して、−R21と、−(CHとがそれぞれ結合している。一般式(n2)では、フラーレン骨格中の同一の5員環又は6員環上の隣接する2つの炭素原子に対して、−C(R25)(R26)−N(R27)−C(R28)(R29)−が付加して5員環を形成している。一般式(n3)では、フラーレン骨格中の同一の5員環又は6員環上の隣接する2つの炭素原子に対して、−C(R30)(R31)−C−C−C(R32)(R33)−が付加して6員環を形成している。一般式(n4)では、フラーレン骨格中の同一の5員環又は6員環上の隣接する2つの炭素原子に対して−C(R34)(R35)−が付加して3員環を形成している。Lは1以上8以下の整数である。Lとして好ましくは1以上4以下の整数であり、さらに好ましくは1以上2以下の整数である。
一般式(n1)中のR21は、置換基を有していてもよい炭素数1以上14以下のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1以上14以下のアルコキシ基又は置換基を有していてもよい芳香族基である。
アルキル基としては、炭素数1以上10以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基又はイソブチル基がより好ましく、メチル基又はエチル基がさらに好ましい。アルコキシ基としては、炭素数1以上10以下のアルコキシ基が好ましく、炭素数1以上6以下のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が特に好ましい。芳香族基としては、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基又は炭素数2以上20以下の芳香族複素環基が好ましく、フェニル基、チエニル基、フリル基又はピリジル基がより好ましく、フェニル基又はチエニル基がさらに好ましい。
上記のアルキル基、アルコキシ基及び芳香族基が有していてもよい置換基としては特に限定されないが、ハロゲン原子又はシリル基が好ましい。ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。シリル基としては、ジアリールアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、トリアリールシリル基又はトリアルキルシリル基が好ましく、ジアルキルアリールシリル基がより好ましく、ジメチルアリールシリル基がさらに好ましい。
一般式(n1)中のR22〜R24は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1以上14以下のアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族基である。
アルキル基としては、炭素数1以上10以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基又はn−ヘキシル基が好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基としてはハロゲン原子が好ましい。ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。フッ素原子で置換されたアルキル基としては、パーフルオロオクチル基、パーフルオロヘキシル基又はパーフルオロブチル基が好ましい。
芳香族基としては、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基又は炭素数2以上20以下の芳香族複素環基が好ましく、フェニル基、チエニル基、フリル基又はピリジル基がより好ましく、フェニル基又はチエニル基がさらに好ましい。芳香族基が有していてもよい置換基は特に限定されないが、フッ素原子、炭素数1以上14以下のアルキル基、炭素数1以上14以下のフッ化アルキル基、炭素数1以上14以下のアルコキシ基又は炭素数2以上10以下の芳香族基が好ましく、フッ素原子又は炭素数1以上14以下のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、n−ブトキシ基又は2−エチルヘキシルオキシ基がさらに好ましい。芳香族基が置換基を有する場合、その数に限定は無いが、1以上3以下が好ましく、1がより好ましい。芳香族基が置換基を複数有する場合、その置換基の種類は異なっていてもよいが、好ましくは同一である。
一般式(n2)中のR25〜R29は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1以上14以下のアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族基である。
アルキル基として好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基又はオクチル基であり、より好ましくはメチル基である。アルキル基が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、ハロゲン原子が好ましい。ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。フッ素原子で置換されたアルキル基としては、パーフルオロオクチル基、パーフルオロヘキシル基又はパーフルオロブチル基が好ましい。
芳香族基としては、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基又は炭素数2以上20以下の芳香族複素環基が好ましく、フェニル基又はピリジル基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。芳香族基が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、好ましくはフッ素原子、炭素数1以上14以下のアルキル基、又は炭素数1以上14以下のアルコキシ基である。アルキル基にはフッ素原子が置換されていてもよい。さらに好ましくは炭素数1以上14以下のアルコキシ基であり、さらに好ましくはメトキシ基である。置換基を有する場合、その数に限定は無いが、好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは1である。置換基の種類は異なっていてもよいが、好ましくは同一である。
一般式(n3)中のArは、置換基を有していてもよい炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基又は炭素数2以上20以下の芳香族複素環基であり、好ましくはフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリミジル基、キノリル基又はキノキサリル基であり、さらに好ましくはフェニル基、チエニル基又はフリル基である。
有していてもよい置換基として限定は無いが、フッ素原子、塩素原子、水酸基、シアノ基、シリル基、ボリル基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、炭素数1以上14以下のアルキル基、炭素数1以上14以下のアルコキシ基、炭素数2以上14以下のアルキルカルボニル基、炭素数1以上14以下のアルキルチオ基、炭素数2以上14以下のアルケニル基、炭素数2以上14以下のアルキニル基、炭素数2以上14以下のエステル基、炭素数3以上20以下のアリールカルボニル基、炭素数2以上20以下のアリールチオ基、炭素数2以上20以下のアリールオキシ基、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基又は炭素数2以上20以下の複素環基が好ましく、フッ素原子、炭素数1以上14以下のアルキル基、炭素数1以下14以下のアルコキシ基、炭素数2以上14以下のエステル基、炭素数2以上14以下のアルキルカルボニル基又は炭素数3以上20以下のアリールカルボニル基がより好ましい。炭素数1以上14以下のアルキル基は1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよい。
炭素数1以上14以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基又はプロピル基が好ましい。炭素数1以上14以下のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基が好ましい。炭素数2以上14以下のアルキルカルボニル基としては、アセチル基が好ましい。炭素数2以上14以下のエステル基としては、メチルエステル基又はn−ブチルエステル基が好ましい。炭素数3以上20以下のアリールカルボニル基としては、ベンゾイル基が好ましい。
置換基を有する場合、その数に限定は無いが、1以上4以下が好ましく、1以上3以下がより好ましい。置換基が複数の場合、その種類は異なっていてもよいが、好ましくは同一である。
一般式(n3)中のR30〜R33は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアルキルチオ基である。R30又はR31は、R32とR33とのいずれか一方と結合して環を形成していてもよい。環を形成する場合における構造としては、例えば、芳香族基が縮合したビシクロ構造である一般式(n5)に表す構造が挙げられる。
Figure 2014027177
一般式(n5)においてfはcと同義であり、Zは、2つの水素原子、酸素原子、硫黄原子、アミノ基、アルキレン基又はアリーレン基である。アルキレン基としては炭素数1以上2以下が好ましい。アリーレン基としては炭素数5以上12以下が好ましく、例えばフェニレン基が挙げられる。アミノ基は、メチル基やエチル基等の炭素数1以上6以下のアルキル基で置換されていてもよい。アルキレン基は、メトキシ基等の炭素数1以上6以下のアルコキシ基、炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基又は炭素数2以上20以下の芳香族複素環基で置換されていてもよい。アリーレン基は、メトキシ基等の炭素数1以上6以下のアルコキシ基、炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基又は炭素数2以上20以下の芳香族複素環基で置換されていてもよい。
式(n5)に表す構造として特に好ましくは、下記式(n6)又は式(n7)で表される構造である。
Figure 2014027177
一般式(n4)中のR34〜R35は、それぞれ独立して、水素原子、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数1以上14以下のアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族基である。
アルコキシカルボニル基を構成するアルコキシ基としては、炭素数1以上12以下のアルコキシ基又は炭素数1以上12以下のフッ化アルコキシ基が好ましく、炭素数1以上12以下のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ヘキソキシ基、オクトキシ基、2−プロピルペントキシ基、2−エチルヘキソキシ基、シクロヘキシルメトキシ基又はベンジルオキシ基がさらに好ましく、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基又はn−ヘキソキシ基が特に好ましい。
アルキル基としては、炭素数1以上8以下の直鎖アルキル基が好ましく、n−プロピル基がより好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基には特に限定は無いが、好ましくはアルコキシカルボニル基である。アルコキシカルボニル基を構成するアルコキシ基としては、炭素数1以上14以下のアルコキシ基又はフッ化アルコキシ基が好ましく、炭素数1以上14以下のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ヘキソキシ基、オクトキシ基、2−プロピルペントキシ基、2−エチルヘキソキシ基、シクロヘキシルメトキシ基又はベンジルオキシ基がさらに好ましく、メトキシ基又はn−ブトキシ基が特に好ましい。
芳香族基としては、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基又は炭素数2以上20以下の芳香族複素環基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、チエニル基、フリル基又はピリジル基が好ましく、フェニル基又はチエニル基がさらに好ましい。芳香族基が有していてもよい置換基としては、炭素数1以上14以下のアルキル基、炭素数1以上14以下のフッ化アルキル基又は炭素数1以上14以下のアルコキシ基が好ましく、炭素数1以上14以下のアルコキシ基がさらに好ましく、メトキシ基又は2−エチルヘキシルオキシ基が特に好ましい。置換基を有する場合、その数に限定は無いが、好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは1である。置換基の種類は異なっていても同一でもよく、好ましくは同一である。
一般式(n4)の構造として好ましくは、R34、R35が共にアルコキシカルボニル基であるか、R34、R35が共に芳香族基であるか、又はR34が芳香族基でありかつR35が3−(アルコキシカルボニル)プロピル基であるものが挙げられる。
フラーレン化合物としては、上記のうち一種の化合物を用いてもよいし、複数種の化合物の混合物を用いてもよい。
塗布法によりフラーレン化合物を成膜するためには、フラーレン化合物自体が液状で塗布可能であるか、又はフラーレン化合物が何らかの溶媒に対して溶解性が高く溶液として塗布可能であることが好ましい。溶解性の好適な範囲をあげると、25℃でのトルエンに対する溶解度が、通常0.1重量%以上、好ましくは0.4重量%以上、より好ましくは0.7重量%以上である。フラーレン化合物の溶解度が0.1重量%以上であることは、フラーレン化合物の溶液中での分散安定性が増加し、凝集、沈降、分離等が起こりにくくなるために好ましい。
フラーレン化合物を溶解させる溶媒としては、非極性有機溶媒であれば特段に制限はないが、非ハロゲン系溶媒が好ましい。ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒を用いることも可能であるが、環境負荷の面等から代替が求められている。非ハロゲン系溶媒としては、例えば、非ハロゲン系芳香族炭化水素類が挙げられる。その中でも好ましくはトルエン、キシレン又はシクロヘキシルベンゼン等である。
(フラーレン化合物の製造方法)
フラーレン化合物の製造方法としては、特に制限はないが、例えば、部分構造(n1)を有するフラーレン化合物の合成は、国際公開第2008/059771号やJ.Am.Chem.Soc.,2008,130(46),15429−15436のような公知文献の記載に従って実施可能である。
部分構造(n2)を有するフラーレン化合物の合成は、J.Am.Chem.Soc.1993,115,9798−9799、Chem.Mater.2007,19,5363−5372及びChem.Mater.2007,19,5194−5199のような公知文献の記載に従って実施可能である。
部分構造(n3)を有するフラーレン化合物の合成は、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1993,32,78−80、Tetrahedron Lett.1997,38,285−288、国際公開第2008/018931号及び国際公開第2009/086210号のような公知文献の記載に従って実施可能である。
部分構造(n4)を有するフラーレン化合物の合成は、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1997 1595、Thin Solid Films 489(2005)251−256、Adv.Funct.Mater.2005,15,1979−1987及びJ.Org.Chem.1995,60,532−538のような公知文献の記載に従って実施可能である。
また、市販されているフラーレン化合物として、例えばPC61BM及びPC71BMを含むPCBM(フロンティアカーボン社製)、PCBNB(フロンティアカーボン社製)等が好適に使用できる。
(N−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体)
N−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体としては、特段の制限はないが、具体的には国際公開第2008/063609号、国際公開第2009/115513号、国際公開第2009/098250号、国際公開第2009/000756号及び国際公開第2009/091670号に記載されている化合物が挙げられる。これらの化合物は電子移動度が高く、可視域の光を吸収しうるために、電荷輸送と発電との両方に寄与しうる点から好ましい。
(ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドとしては、特段の制限はないが、具体的には国際公開第2008/063609号、国際公開第2007/146250号及び国際公開第2009/000756号に記載されている化合物が挙げられる。これらの化合物は電子移動度が高く、溶解性が高く塗布性に優れている点から好ましい。
(n型高分子半導体化合物)
n型高分子半導体化合物としては、特段の制限はないが、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド若しくはペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、ペリレンジイミド誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、ビピリジン誘導体及びボラン誘導体のうち少なくとも一つを構成ユニットとするn型高分子半導体化合物等が挙げられる。
その中でも、ボラン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、N−アルキル置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド及びN−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体のうち少なくとも一つを構成ユニットとするポリマーが好ましく、N−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体及びN−アルキル置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミドのうち少なくとも一つを構成ユニットとするn型高分子半導体化合物がより好ましい。n型高分子半導体化合物として上記のうち一種の化合物を用いてもよいし、複数種の化合物の混合物を用いてもよい。
n型高分子半導体化合物として具体的には、国際公開第2009/098253号、国際公開第2009/098250号及び国際公開第2010/012710号に記載されている化合物が挙げられる。これらの化合物は可視域の光を吸収しうるために発電に寄与することができ、粘度が高く、塗布性に優れている点から好ましい。
<1.2 バッファ層(102,104)>
光電変換素子107は、活性層103と電極101,105の間にバッファ層102,104を有する。バッファ層は、電子取り出し層102及び正孔取り出し層104に分類することができる。バッファ層を設けることで、活性層103と電極101,105との間での電子又は正孔の移動が容易となるほか、電極間の短絡が防止されうる。もっとも本発明において、バッファ層102,104は存在しなくてもよい。
電子取り出し層102と正孔取り出し層104とは、1対の電極101,105の間に、活性層103を挟むように配置される。すなわち、本発明に係る光電変換素子107が電子取り出し層102と正孔取り出し層104との両者を含む場合、カソード101、電子取り出し層102、活性層103、正孔取り出し層104、及びアノード105がこの順に配置される。本発明に係る光電変換素子107が電子取り出し層102を含み正孔取り出し層104を含まない場合は、カソード101、電子取り出し層102、活性層103、及びアノード105がこの順に配置される。正孔取り出し層104と電子取り出し層102との少なくとも一方が、異なる複数の膜により構成されていてもよい。
[1.2.1 電子取り出し層(102)]
電子取り出し層102の材料は、活性層103からカソード101へ電子の取り出し効率を向上させる電子輸送性の材料であれば特段の制限はないが、無機化合物又は有機化合物が挙げられる。
本発明に係るコポリマーと組み合わせて用いることが好ましい、無機化合物の材料の好ましい例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはセシウム等のアルカリ金属の塩、又は金属酸化物等が挙げられる。なかでも、アルカリ金属の塩としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム又はフッ化セシウムのようなフッ化物塩が好ましく、金属酸化物としては、酸化チタン(TiOx)や酸化亜鉛(ZnO)のようなn型半導体特性を有する金属酸化物が好ましい。無機化合物の材料としてより好ましくは、酸化チタン(TiOx)又は酸化亜鉛(ZnO)のような、n型半導体特性を有する金属酸化物である。特に好ましくは酸化亜鉛(ZnO)である。このような材料の動作機構は不明であるが、カソード101と組み合わされた際に、仕事関数を小さくし、太陽電池素子内部に印加される電圧を上げる事が考えられる。
本発明に係るコポリマーと組み合わせて用いることが好ましい、有機化合物の材料の例としては、例えば、トリアリールホスフィンオキシド化合物のようなリン原子と第16族元素との二重結合を有するホスフィン化合物;バソキュプロイン(BCP)又はバソフェナントレン(Bphen)のような、置換基を有してもよく、1位及び10位がヘテロ原子で置き換えられていてもよいフェナントレン化合物;トリアリールホウ素のようなホウ素化合物;(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)のような有機金属酸化物;オキサジアゾール化合物又はベンゾイミダゾール化合物のような、置換基を有していてもよい1又は2の環構造を有する化合物;ナフタレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)又はペリレンテトラカルボン酸無水物(PTCDA)のような、ジカルボン酸無水物のような縮合ジカルボン酸構造を有する芳香族化合物等が挙げられる。
電子取り出し層102の材料のLUMOエネルギー準位は、特に限定は無いが、通常−4.0eV以上、好ましくは−3.9eV以上である。一方、通常−1.9eV以下、好ましくは−2.0eV以下である。電子取り出し層102の材料のLUMOエネルギー準位が−1.9eV以下であることは、電荷移動が促進されうる点で好ましい。電子取り出し層102の材料のLUMOエネルギー準位が−4.0eV以上であることは、n型半導体材料への逆電子移動が防がれうる点で好ましい。
電子取り出し層102の材料のHOMOエネルギー準位は、特に限定は無いが、通常−9.0eV以上、好ましくは−8.0eV以上である。一方、通常−5.0eV以下、好ましくは−5.5eV以下である。電子取り出し層102の材料のHOMOエネルギー準位が−5.0eV以下であることは、正孔が移動してくることを阻止しうる点で好ましい。電子取り出し層102の材料のLUMOエネルギー準位及びHOMOエネルギー準位の算出方法としては、上述のサイクリックボルタモグラム測定法が挙げられる。
電子取り出し層102の材料が有機化合物である場合、DSC法により測定した場合のこの化合物のガラス転移温度(以下、Tgと記載する場合もある)は、特段の制限はないが、観測されないか、又は55℃以上であることが好ましい。DSC法によりガラス転移温度が観測されないとは、ガラス転移温度がないことを意味する。具体的には400℃以下のガラス転移温度の有無により判別する。DSC法によるガラス転移温度が観測されない材料は、熱的に高い安定性を有している点で好ましい。
また、DSC法により測定した場合のガラス転移温度が55℃以上である化合物の中でも、ガラス転移温度が、好ましくは65℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは110℃以上、特に好ましくは120℃以上である化合物が望ましい。一方、ガラス転移温度の上限は特に限定はないが、通常400℃以下、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下である。また、電子取り出し層102の材料は、DSC法によるガラス転移温度が30℃以上55℃未満に観測されないものであることが好ましい。
本明細書におけるガラス転移温度とは、アモルファス状態の固体において、熱エネルギーにより局所的な分子運動が開始される温度とされており、比熱が変化する点として定義される。Tgよりさらに温度が上がると、固体構造が変化して結晶化が起こる(この時の温度を結晶化温度(Tc)とする)。さらに温度が上がると、融点(Tm)で融解し液体状態に変化することが一般的である。但し、高温で分子が分解したり、昇華したりして、これらの相転移が見られないこともある。
DSC法とは、JIS K−0129“熱分析通則”に定義された熱物性の測定法(示差走査熱量測定法)である。ガラス転移温度をより明確に決める為には、一度ガラス転移点以上の温度に加熱したサンプルを急冷した後に測定することが望ましい。例えば、公知文献(国際公開第2011/016430号)に記載の方法により、測定を実施することができる。
電子取り出し層に用いられる化合物のガラス転移温度が55℃以上である場合、この化合物は、印加される電場、流れる電流、曲げや温度変化による応力等の外部ストレスに対して構造が変化しにくいため、耐久性の面で好ましい。さらに、化合物の薄膜の結晶化が進みにくい傾向も有すことから、使用温度範囲においてこの化合物がアモルファス状態と結晶状態との間で変化しにくくなることにより、電子取り出し層としての安定性が良くなるため、耐久性の面で好ましい。この効果は、材料のガラス転移温度が高ければ高いほど、より顕著に表れる。
電子取り出し層102の膜厚は特に限定はないが、通常0.1nm以上、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1.0nm以上である。一方、通常100nm以下、好ましくは70nm以下、より好ましくは40nm以下、特に好ましくは20nm以下である。電子取り出し層102の膜厚が0.1nm以上であることでバッファ材料としての機能を果たすことになり、電子取り出し層102の膜厚が100nm以下であることで、電子が取り出しやすくなり、光電変換効率が向上しうる。
[1.2.2 正孔取り出し層(104)]
正孔取り出し層104の材料に特に限定は無く、活性層103からアノード105への正孔の取り出し効率を向上させることが可能な正孔輸送性の材料であれば特に限定されない。具体的には、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、トリフェニレンジアミン又はポリアニリン等に、スルホン酸及び/又はヨウ素等がドーピングされた導電性ポリマー、スルホニル基を置換基として有するポリチオフェン誘導体、アリールアミン等の導電性有機化合物、三酸化モリブデン、五酸化バナジウム又は酸化ニッケル等のp型半導体特性を有する金属酸化物、上述のp型半導体化合物等が挙げられる。その中でも好ましくはスルホン酸をドーピングした導電性ポリマーが挙げられ、ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルホン酸をドーピングしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)がより好ましい。また、別の好ましい例としては三酸化モリブデン、五酸化バナジウム又は酸化ニッケル等のp型半導体特性を有する金属酸化物が挙げられる。また、金、インジウム、銀又はパラジウム等の金属等の薄膜も使用することができる。金属等の薄膜は、単独で形成してもよいし、上記の有機材料と組み合わせて用いることもできる。
正孔取り出し層104の膜厚は特に限定はないが、通常0.2nm以上、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1.0nm以上である。一方、通常400nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、特に好ましくは70nm以下である。正孔取り出し層104の膜厚が0.2nm以上であることでバッファ材料としての機能を果たすことになり、正孔取り出し層104の膜厚が400nm以下であることで、正孔が取り出し易くなり、光電変換効率が向上しうる。
電子取り出し層102及び正孔取り出し層104の形成方法に制限はない。例えば、昇華性を有する材料を用いる場合は真空蒸着法等により形成することができる。また、例えば、溶媒に可溶な材料を用いる場合は、スピンコートやインクジェット等の湿式塗布法等により形成することができる。正孔取り出し層104に半導体化合物を用いる場合は、活性層103と同様に、半導体化合物前駆体を含む層を形成した後に、前駆体を半導体化合物に変換してもよい。
<1.3 電極(101,105)>
電極101,105は、光吸収により生じた正孔及び電子を捕集する機能を有する。したがって、一対の電極には、電子の捕集に適した電極101(カソード)と、正孔の捕集に適した電極105(アノード)とを用いることが好ましい。一対の電極は、いずれか一方が透光性であればよく、両方が透光性であっても構わない。透光性があるとは、太陽光が40%以上透過することを指す。また、透光性を有する透明電極の太陽光線透過率は70%以上であることが、透明電極を透過させて活性層103に光を到達させるために好ましい。光の透過率は、通常の分光光度計で測定できる。
カソード101は、一般には仕事関数がアノードよりも小さい値を有する導電性材料で構成され、活性層103で発生した電子をスムーズに取り出す機能を有する電極である。
カソード101の材料を挙げると、例えば、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム又はマグネシウム等の金属及びその合金;フッ化リチウムやフッ化セシウム等の無機塩;酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化リチウム又は酸化セシウムのような金属酸化物等が挙げられる。これらの材料は小さい仕事関数を有する材料であるため、好ましい。また、電子取り出し層102の材料として酸化亜鉛のようなn型半導体材料で導電性を有するものを用いる場合、ITOのような、アノードに適した大きい仕事関数を有する材料を、カソード101の材料として用いることもできる。電極保護の観点から、カソード101の材料として好ましくは、白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、カルシウム又はインジウム等の金属及びこれらの金属を用いた合金である。
カソード101の膜厚は特に制限は無いが、通常10nm以上、好ましくは20nm以上、より好ましくは50nm以上である。一方、通常10μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは500nm以下である。カソード101の膜厚が10nm以上であることにより、シート抵抗が抑えられ、カソード101の膜厚が10μm以下であることにより、光透過率を低下させずに効率よく光を電気に変換することができる。カソード101を透明電極として用いる場合には、光透過率とシート抵抗を両立する膜厚を選ぶ必要がある。
カソード101のシート抵抗は、特に制限は無いが、通常1000Ω/□以下、好ましくは500Ω/□以下、さらに好ましくは100Ω/□以下である。下限に制限は無いが、通常は1Ω/□以上である。
カソード101の形成方法としては、蒸着法若しくはスパッタ法等の真空成膜方法、又はナノ粒子や前駆体を含有するインクを塗布して成膜する湿式塗布法等がある。
アノード105とは、一般には仕事関数がカソードよりも大きい導電性材料で構成され、活性層103で発生した正孔をスムーズに取り出す機能を有する電極である。
アノード105の材料を挙げると、例えば、酸化ニッケル、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、インジウム−ジルコニウム酸化物(IZO)、酸化チタン、酸化インジウム又は酸化亜鉛等の導電性金属酸化物;金、白金、銀、クロム又はコバルト等の金属あるいはその合金等が挙げられる。これらの物質は大きい仕事関数を有するため、好ましく、さらに、ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルホン酸をドーピングしたPEDOT:PSSで代表されるような導電性高分子材料を積層することができるため、好ましい。このような導電性高分子を積層する場合には、この導電性高分子材料の仕事関数が大きいことから、上記のような大きい仕事関数の材料でなくとも、アルミニウムやマグネシウム等のカソードに適した金属も広く用いることが可能である。
ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルホン酸をドーピングしたPEDOT:PSSや、ポリピロール又はポリアニリン等にヨウ素等をドーピングした導電性高分子材料を、アノードの材料として使用することもできる。
アノード105が透明電極である場合には、ITO、酸化亜鉛又は酸化錫等の透光性がある導電性金属酸化物を用いることが好ましく、特にITOを用いることが好ましい。
アノード105の膜厚に特に制限は無いが、通常10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは50nm以上である。一方、通常10μm以下、好ましくは1μm以下、さらに好ましくは500nm以下である。アノード105の膜厚が10nm以上であることにより、シート抵抗が抑えられ、アノード105の膜厚が10μm以下であることにより、光透過率を低下させずに効率よく光を電気に変換することができる。アノード105が透明電極である場合には、光透過率とシート抵抗とを両立できる膜厚を選ぶ必要がある。
アノード105のシート抵抗は、特段の制限はないが、通常1Ω/□以上、一方、1000Ω/□以下、好ましくは500Ω/□以下、さらに好ましくは100Ω/□以下である。
アノード105の形成方法としては、蒸着法若しくはスパッタ法等の真空成膜方法、又はナノ粒子や前駆体を含有するインクを塗布して成膜する湿式塗布法が挙げられる。
さらに、カソード101及びアノード105は、2層以上の積層構造を有していてもよい。また、カソード101及びアノード105に対して表面処理を行うことにより、特性(電気特性やぬれ特性等)を改良してもよい。
<1.4 基材(106)>
光電変換素子107は、通常は支持体となる基材106を有する。すなわち、基材上に、電極101,105と、活性層103とが形成される。もっとも、本発明に係る光電変換素子は基材106を有さなくてもよい。
基材106の材料は、本発明の効果を著しく損なわない限り特に限定されない。基材106の材料の好適な例を挙げると、石英、ガラス、サファイア又はチタニア等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル若しくはポリエチレン等のポリオレフィン、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン又はエポキシ樹脂等の有機材料;紙又は合成紙等の紙材料;ステンレス、チタン又はアルミニウム等の金属に、絶縁性を付与するために表面をコート又はラミネートしたもの等の複合材料;等が挙げられる。
ガラスとしてはソーダガラス、青板ガラス又は無アルカリガラス等が挙げられる。ガラスからの溶出イオンが少ない点で、これらの中でも無アルカリガラスが好ましい。
基材106の形状に制限はなく、例えば、板状、フィルム状又はシート状等のものを用いることができる。また、基材106の膜厚に制限はないが、通常5μm以上、好ましくは20μm以上であり、一方、通常20mm以下、好ましくは10mm以下である。基材の膜厚が5μm以上であることは、光電変換素子の強度が不足する可能性が低くなるために好ましい。基材の膜厚が20mm以下であることは、コストが抑えられ、かつ重量が重くならないために好ましい。基材106の材料がガラスである場合の膜厚は、通常0.01mm以上、好ましくは0.1mm以上であり、一方、通常1cm以下、好ましくは0.5cm以下である。ガラス基材106の膜厚が0.01mm以上であることは、機械的強度が増加し、割れにくくなるために、好ましい。また、ガラス基材106の膜厚が0.5cm以下であることは、重量が重くならないために好ましい。
<1.5 光電変換素子の製造方法>
光電変換素子107は、上述した方法に従い、基材106、カソード101、電子取り出し層102、活性層103、正孔取り出し層104、及びアノード105を順次積層することにより作製することができる。異なる構成を有する光電変換素子、例えば基材106、電子取り出し層102、及び正孔取り出し層104のうちの少なくとも1つを有さない光電変換素子も、同様の方法により作製することができる。
カソード101及びアノード105を積層した後に、光電変換素子を通常50℃以上、好ましくは80℃以上、一方、通常300℃以下、好ましくは280℃以下、より好ましくは250℃以下の温度範囲において、加熱することが好ましい(この工程をアニーリング処理工程と称する)。アニーリング処理工程を50℃以上の温度で行うことは、光電変換素子の各層間の密着性、例えば電子取り出し層102とカソード101及び/又は電子取り出し層102と活性層103の密着性が向上する効果が得られるため、好ましい。各層間の密着性が向上することにより、光電変換素子の熱安定性や耐久性等が向上しうる。また、アニーリング処理工程により、活性層の自己組織化が促進されうる。アニーリング処理工程の温度を300℃以下にすることは、活性層103内の有機化合物が熱分解する可能性が低くなるため、好ましい。アニーリング処理工程においては、上記の温度範囲内で段階的な加熱を行ってもよい。
加熱する時間としては、通常1分以上、好ましくは3分以上、一方、通常3時間以下、好ましくは1時間以下である。アニーリング処理工程は、太陽電池性能のパラメータである開放電圧、短絡電流及びフィルファクターが一定の値になったところで終了させることが好ましい。また、アニーリング処理工程は、常圧下、かつ不活性ガス雰囲気中で実施することが好ましい。
加熱する方法としては、ホットプレート等の熱源に光電変換素子を載せてもよいし、オーブン等の加熱雰囲気中に光電変換素子を入れてもよい。また、加熱はバッチ式で行っても連続方式で行ってもよい。
<1.6 光電変換特性>
光電変換素子107の光電変換特性は次のようにして求めることができる。光電変換素子107にソーラシュミレーターでAM1.5G条件の光を照射強度100mW/cmで照射して、電流−電圧特性を測定する。得られた電流−電圧曲線から、光電変換効率(PCE)、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、フィルファクター(FF)、直列抵抗、シャント抵抗といった光電変換特性を求めることができる。
本発明に係る光電変換素子の光電変換効率は、特段の制限はないが、通常1%以上、好ましくは1.5%以上、より好ましくは2%以上である。一方、上限に特段の制限はなく、高ければ高いほどよい。
また、光電変換素子の耐久性を測定する方法としては、光電変換素子を大気暴露する前後での、光電変換効率の維持率を求める方法が挙げられる。
(維持率)=(大気暴露N時間後の光電変換効率)/(大気暴露直前の光電変換効率)
光電変換素子を実用化するには、製造が簡便かつ安価であること以外に、高い光電変換効率及び高い耐久性を有することが重要である。この観点から、1週間大気暴露する前後での光電変換効率の維持率は、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、高ければ高いほどよい。
<2.本発明に係る太陽電池>
本発明に係る光電変換素子107は、太陽電池、なかでも薄膜太陽電池の太陽電池素子として使用されることが好ましい。
図2は本発明の一実施形態としての薄膜太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本実施形態の薄膜太陽電池14は、耐候性保護フィルム1と、紫外線カットフィルム2と、ガスバリアフィルム3と、ゲッター材フィルム4と、封止材5と、太陽電池素子6と、封止材7と、ゲッター材フィルム8と、ガスバリアフィルム9と、バックシート10とをこの順に備える。そして、耐候性保護フィルム1が形成された側(図中下方)から光が照射されて、太陽電池素子6が発電するようになっている。なお、後述するバックシート10としてアルミ箔の両面にフッ素系樹脂フィルムを接着したシート等の防水性の高いシートを用いる場合は、用途によりゲッター材フィルム8及び/又はガスバリアフィルム9を用いなくてもよい。
上記構成及びその製造方法については、周知技術を用いることができ、具体的には国際公開第2011/016430号等の公知文献に記載のものを採用することができる。
本発明に係る太陽電池、特には上述した薄膜太陽電池14の用途に制限はなく、任意の用途に用いることができる。本発明に係る薄膜太陽電池を適用できる分野の例を挙げると、建材用太陽電池、自動車用太陽電池、インテリア用太陽電池、鉄道用太陽電池、船舶用太陽電池、飛行機用太陽電池、宇宙機用太陽電池、家電用太陽電池、携帯電話用太陽電池又は玩具用太陽電池等である。
本発明に係る太陽電池、特には薄膜太陽電池はそのまま用いても、基材上に太陽電池を設置して太陽電池モジュールとして用いてもよい。例えば、図3に模式的に示すように、基材12上に薄膜太陽電池14を備えた太陽電池モジュール13を用意し、これを使用場所に設置して用いればよい。基材12としては周知のものを用いることができ、具体的には国際公開第2011/016430号等の公知文献に記載のものを採用することができる。具体例を挙げると、基材12として建材用板材を使用する場合、この板材の表面に薄膜太陽電池14を設けることにより、太陽電池モジュール13として太陽電池パネルを作製することができる。
以下、本発明の実施例を示して本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。本実施例に記載の項目は以下の方法によって測定した。
(重量平均分子量及び数平均分子量の測定方法)
ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。分子量分布(PDI)は、Mw/Mnを表す。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定は以下の条件で行った。
カラム:PolymerLaboratories GPC用カラム(PLgel MIXED−B 10μm,内径7.5mm,長さ30cm)を2本直列に接続して使用
ポンプ:LC−10AT(島津製作所社製)
オーブン:CTO−10A(島津製作所社製)
検出器:示差屈折率検出器(島津製作所社製,RID−10A)及びUV−vis検出器(島津製作所社製,SPD−10A)
サンプル:試料1mgをクロロホルム(200mg)に溶解させた液1μL
移動相:クロロホルム
流速:1.0mL/min
解析:LC−Solution(島津製作所社製)
(光電変換素子の評価方法)
光電変換素子に4mm角のメタルマスクを付け、照射光源としてエアマス(AM)1.5G、放射照度100mW/cmのソーラシミュレータを用い、ソースメーター(ケイスレー社製,2400型)により、ITO電極とアルミニウム電極との間における電流−電圧特性を測定した。この測定結果から、開放電圧Voc(V)、短絡電流密度Jsc(mA/cm)、形状因子FF、及び光電変換効率PCE(%)を算出した。
ここで、開放電圧Vocとは電流値=0(mA/cm)の際の電圧値であり、短絡電流密度Jscとは電圧値=0(V)の際の電流密度である。形状因子FFとは内部抵抗を表すファクターであり、最大出力をPmaxとすると次式で表される。
FF = Pmax/(Voc×Jsc)
また、光電変換効率PCEは、入射エネルギーをPinとすると次式で与えられる。
PCE = (Pmax/Pin)×100
= (Voc×Jsc×FF/Pin)×100
<合成例1:コポリマーAの合成>
Figure 2014027177
公知文献(Solar Energy Materials & Solar Cells 2012,96,155−159)に記載の方法を参考にして、コポリマーAを合成した。
合成したコポリマーAの重量平均分子量及び分子量分布(PDI)を上述のように測定したところ、それぞれ、1.4×10及び3.3であった。
<実施例1>
(インク1の作製)
p型半導体化合物として合成例1で得られたコポリマーA、及びn型半導体化合物としてPC71BM(フェニルC71酪酸メチルエステル,フロンティアカーボン社製,NS−E112)を、重量比が1:2となるように混合し、混合物が3重量%の濃度となるように窒素雰囲気中でオルトキシレンとテトラリンとの混合溶媒(体積比4:1)に溶解させた。この溶液をホットスターラー上で80℃の温度にて1時間攪拌混合した。攪拌混合後の溶液を1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過することにより、インク1を得た。
Figure 2014027177
(光電変換素子の作製)
酸化インジウムスズ(ITO)透明導電膜(カソード)がパターニングされたガラス基板(ジオマテック社製)を、アセトンによる超音波洗浄、ついでイソプロパノールによる超音波洗浄の後、窒素ブローで乾燥させた。
次に、2−メトキシエタノール(アルドリッチ社製,3mL)に、酢酸亜鉛二水和物(和光純薬社製,1.1mmol)、及び4容積%のエタノールアミン(アルドリッチ社製)を添加した溶液を、ホットスターラー上で60℃の温度にて1時間攪拌混合した。得られた溶液を、上記のように洗浄したガラス基板上に0.5mL滴下後、スピンコート(3000rpm)により塗布した。塗布後の基板について、紫外線オゾン洗浄を紫外線オゾン洗浄装置を用いて10分間行った後、150℃のホットプレート上で10分間、大気中で加熱し、さらに200℃のホットプレート上で10分間、大気中で加熱することにより、酸化亜鉛を含む電子取り出し層を形成した。形成された電子取り出し層の膜厚は約50nmであった。
電子取り出し層を成膜した基板をグローブボックスに持ち込み、窒素雰囲気下150℃で3分間加熱処理し、冷却後に上述のように作製したインク1(0.2mL)をスピンコート(450rpm)により塗布することにより、150nmの厚みの活性層を形成した。さらに同じグローブボックス中で、ホットプレートを用いて140℃で10分間熱処理をし、活性層の成膜を完了させた。
さらに、活性層上に、正孔取り出し層として3.0nmの厚さの三酸化モリブデン(MoO)を、次いで電極層(アノード)として100nmの厚さの銀を、それぞれ抵抗加熱型真空蒸着法により順次成膜し、5mm角の光電変換素子を作製した。
(光電変換素子の評価)
このように作製した光電変換素子を、上述のように電流−電圧特性を測定することにより評価した。結果を表1に示す。
<実施例2>
スピンコートを400rpmで行うことにより活性層の膜厚を220nmにしたことを除いては、実施例1と同様の方法で光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子を、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
スピンコートを330rpmで行うことにより活性層の膜厚を320nmにしたことを除いては、実施例1と同様の方法で光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子を、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例4>
スピンコートを270rpmで行うことにより活性層の膜厚を400nmにしたことを除いては、実施例1と同様の方法で光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子を、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
スピンコートを500rpmで行うことにより活性層の膜厚を90nmにしたことを除いては、実施例1と同様の方法で光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子を、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
スピンコートを150rpmで行うことにより活性層の膜厚を600nmにしたことを除いては、実施例1と同様の方法で光電変換素子を作製した。作製した光電変換素子を、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2014027177
表1に示すように、カソードが基板側に配置された逆型構成の光電変換素子においては、活性層の膜厚を120nm以上500nm以下とすることにより、活性層の膜厚が90nmである場合と比べて変換効率が向上することがわかった。
101 カソード
102 電子取り出し層
103 活性層
104 正孔取り出し層
105 アノード
106 基材
107 光電変換素子
1 耐候性保護フィルム
2 紫外線カットフィルム
3,9 ガスバリアフィルム
4,8 ゲッター材フィルム
5,7 封止材
6 太陽電池素子
10 バックシート
12 基材
13 太陽電池モジュール
14 薄膜太陽電池

Claims (4)

  1. 基材と、カソードと、活性層と、アノードとがこの順に配置された構造を有する光電変換素子であって、
    前記活性層は、下記式(1A)で表される繰り返し単位と式(1B)で表される繰り返し単位とを含むコポリマーを含有し、
    前記活性層の膜厚が120nm以上500nm以下であることを特徴とする光電変換素子。
    Figure 2014027177
    (式中、Aは周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、Rはヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表す。)
    Figure 2014027177
    (式中、Qは周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。)
  2. 前記コポリマーが下記式(1AB)で表される繰り返し単位を含むコポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 2014027177
    (式中、Aは周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、Rはヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表し、Qは周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。)
  3. 請求項1又は2に記載の光電変換素子を備えることを特徴とする、太陽電池。
  4. 請求項3に記載の太陽電池を備えることを特徴とする、太陽電池モジュール。
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