JP2014026877A - アルカリ電池用セパレータ及びアルカリ電池 - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ及びアルカリ電池 Download PDF

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Abstract

【課題】金属酸化物のデンドライト等による内部短絡を防止することのできる遮蔽性と放電性能の向上が図れる保液性を同時に充足するアルカリ電池用セパレータ及び該セパレータを用いたアルカリ電池を提供することを目的とする。
【解決手段】
耐アルカリ性セルロース繊維と、耐アルカリ性合成繊維と、バインダ成分とからなる多層構造を有する湿式不織布であって、前記湿式不織布の遮蔽性を示す指標として平均孔径10μm以下、かつ、保液率400%以上のアルカリ電池用セパレータ及び該セパレータを用いたアルカリ電池を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明はアルカリ電池、例えば、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、水銀電池、亜鉛空気電池等の各種アルカリ電池に使用されるアルカリ電池用セパレータ及び該セパレータを使用したアルカリ電池に関するものである。
従来から上記アルカリ電池における正極活物質と負極活物質とを隔離するためのセパレータに要求されている特性として、正極活物質と負極活物質の接触による内部短絡や導電性の金属酸化物の針状結晶(デンドライト)による内部短絡を防止し、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、酸化銀等の正極活物質や水酸化カリウム等の電解液に対して収縮及び変質を起こさない耐久性を有するとともに、起電反応を生ずるために十分な量の電解液を長期間保持し、イオン伝導を妨げないことが挙げられる。
従来、このような特性を備えたアルカリ電池用セパレータとしては、アセタール化ポリビニルアルコール繊維やナイロン繊維等の耐アルカリ性合成繊維に、耐アルカリ性に優れたマーセル化パルプ、コットンリンターパルプ等のセルロースパルプやレーヨン繊維、ポリノジック繊維、溶剤紡糸セルロース繊維等の再生セルロース繊維を配合し、さらに60℃〜90℃で水に溶解する易溶解性ポリビニルアルコール繊維をバインダ成分として添加した合成繊維とセルロース繊維の混抄紙が使用されている。
合成繊維のみではセパレータの電解液保持性が劣るため、親液性に優れたセルロース繊維の配合によってセパレータの電解液保液量を増加してアルカリ電池の放電特性を向上することができる。また、セルロース繊維の電解液中での収縮が合成繊維の配合によって軽減されるため寸法変化の少ないセパレータが得られる。
セパレータの製造にあたって、マーセル化パルプ、コットンリンターパルプ、ポリノジック繊維、溶剤紡糸セルロース繊維等のフィブリル化が可能なセルロース繊維は、必要に応じて叩解して、繊維をフィブリル化して使用されている。フィブリル化したセルロース繊維の配合によってセパレータに緻密性を付与して、デンドライトによる内部短絡の発生を防止できる。
このためフィブリル化が可能なセルロース繊維を必要に応じて叩解して、アセタール化ポリビニルアルコール繊維等の耐アルカリ性合成繊維とバインダ成分である易溶解性ポリビニルアルコール繊維を配合して抄紙され、あるいは、これらのセルロース繊維、合成繊維と易溶解性ポリビニルアルコール繊維に加えて、レーヨン繊維や溶剤紡糸セルロース繊維等の再生セルロース繊維を配合して抄紙され、アルカリ電池用セパレータとして広く使用されてきた。
このようなフィブリル化が可能なセルロース繊維を使用したアルカリ電池用セパレータとして、特許文献1では、叩解の程度がCSFの値で25〜700mlの溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物と耐アルカリ性合成繊維であるポリビニルアルコール繊維を含有し、各々の比率が重量比で95〜25%:5〜75%であることを特徴とするアルカリ電池用セパレータが開示されている。
また、特許文献2には、陽極活物質と陰極活物質との内部短絡を防止するための緻密性を維持する緻密層と、電解液の保液率を高めるための保液層とを積層一体化してなることを特徴とするアルカリ電池用セパレータが開示されている。
一方、特許文献3には、セパレータを粗層と密層の少なくとも二層で構成された積層構造にし、粗層を構成する耐アルカリ性セルロース繊維を特定の割合にするとともに、特定のCSF差を有する複数種のセルロース繊維から形成し、耐アルカリ性セルロース繊維全体のCSFを特定の値とすることによって、CSFの高いセルロース繊維により保液性を達成するとともに、CSFの低いセルロース繊維によりセパレータに存在する最大ポアサイズを小さくすることができ、アルカリ電池に必要な保液性を確保しつつ、デンドライトの発生を有効に抑制できるだけでなく、セパレータの耐衝撃性を向上できることが開示されている。
上記特許文献1及び3に記載のセパレータに使用されている溶剤紡糸セルロース繊維としては、現在リヨセル(登録商標)又はテンセル(登録商標)という再生セルロース繊維が知られ、マーセル化パルプと同様に叩解して配合することで両極活物質の遮蔽特性に優れたセパレータを得る事ができる。
特開平06−163024号公報 特開平10−92411号公報 国際公開WO第2012/036025号公報
従来のアルカリ電池用セパレータにおいて、合成繊維とセルロース繊維とを混抄して成るセパレータは、電解液や両極活物質に対する耐久性と電解液の保持性はあるが、セパレータの孔径が大きい場合は、両極活物質の接触による内部短絡を防止する面で遮蔽性が不十分であるという課題があった。これに対処するため、セパレータを製造するに際しフィブリル化可能なセルロース繊維を叩解して配合したり、繊度の小さい合成繊維を配合したりする手段がとられている。また、セパレータとして使用するに際してもセパレータを数層に積層して実質的な孔径を小さくしたり、セロハンフィルムやポリエチレン多孔質膜等の孔径の小さいセパレート材と重ね合わせて使用したりする等の手段がとられている。
しかしながら、フィブリル化可能なセルロース繊維を叩解して配合する場合は、叩解を進めた原料を配合するほどセパレータを構成する繊維が密になり、電池に組み込まれた際、電解液の保液性が損なわれることになる。電解液の保液性が損なわれると、イオン伝導の妨げとなり、例えば特許文献1ではCSF値で25ml未満の叩解度が除外されているように、十分な遮蔽性と電解液の保持性を両立することは困難である。
また、特許文献2には、緻密性を維持する緻密層と、電解液の保液率を高めるための保液層とを積層一体化してなることを特徴とするアルカリ電池用セパレータが開示されているが、内部短絡を防止するために十分な遮蔽性と電解液の保持性の両立は図れるものの、原料構成の異なる層を積層一体化したために、電池の組立工程で電解液を含浸させた際、電解液中での各層の伸縮度合いの違いからセパレータのカールが発生し、セパレータの端部が円筒内側にカールして、セパレータの円筒内部に所定量のゲル状負極が入らなくなる。あるいは、セパレータの端部が円筒の外側にカールして、樹脂製封口体を取り付ける際、セパレータ端部が外側にはみ出して封口不良となる等、取り扱い上の課題があった。
特許文献3では、デンドライトの侵入を防ぐための指標として最大ポアサイズに主眼を置いており、平均ポアサイズ(本明細書では「平均孔径」と記載)が最も小さいもので12μmのセパレータが公開されている。しかし、平均孔径が10μmを超えるセパレータは、デンドライトの成長に対して十分な遮蔽効果は得られず、間欠放電や長期保存に耐え得るに十分な特性を有していない。また、特許文献2と同様に原料構成の異なる層を積層一体化したために、電池の組立工程で電解液を含浸させた際、電解液中での各層の伸縮度合いの違いからセパレータのカールが発生し、その後の負極物質の充填や封口に支障をきたす等、取り扱い上の課題がある。
本発明は上述した課題を解決することを目的としてなされたもので、係る課題を解決する一手段として、例えば、以下の構成を備える。
即ち、アルカリ電池の正極と負極の間に介在させ、両極の活物質を隔離するために使用するアルカリ電池用セパレータにおいて、前記セパレータは耐アルカリ性セルロース繊維と、耐アルカリ性合成繊維と、バインダ成分とからなる多層構造を有する湿式不織布であって、平均孔径が10μm以下であることを特徴とする。
そして例えば、前記アルカリ電池用セパレータは30〜70重量%の耐アルカリ性セルロース繊維と、20〜50重量%の耐アルカリ性合成繊維と、5〜20重量%のバインダ成分を含有していることを特徴とする。
また例えば、前記湿式不織布の厚さが、70〜140μmの範囲で、かつ、40%水酸化カリウム(KOH)水溶液の保液率が、400%以上であることを特徴とする。
更に例えば、耐アルカリ性合成繊維が、アセタール化ポリビニルアルコール繊維(以下、「ビニロン繊維」という)、未アセタール化ポリビニルアルコール繊維(以下、「PVA繊維」という)、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン/変性ポリプロピレン複合繊維、ポリアミド/変性ポリアミド複合繊維、ポリプロピレン合成パルプ、ポリエチレン合成パルプからなる群より選択される少なくとも一種以上であることを特徴とする。
又例えば、耐アルカリ性セルロース繊維が、叩解した溶剤紡糸セルロース繊維に加えて、再生セルロース繊維、マーセル化パルプ、コットンリンターパルプ、溶解パルプからなる群より選択される少なくとも一種以上を含み、かつ、叩解した溶剤紡糸セルロース繊維の叩解度が、CSF値で10〜0mlであることを特徴とする。
尚、以上におけるバインダ成分とは、上記耐アルカリ性セルロース繊維と耐アルカリ性合成繊維とを結着するために含有させるものであり、60℃〜90℃の水に溶解する易溶解性ポリビニルアルコール繊維(以下、「PVAバインダ繊維」という)、であることを特徴とする。
または、上記したいずれかのアルカリ電池用セパレータを使用したことを特徴とするアルカリ電池とする。
本発明によれば、内部短絡の防止に対する信頼性が向上したアルカリ電池用セパレータ及びアルカリ電池を提供できる。より具体的には、本発明によれば、セパレータの平均孔径を小さくすることができるため、内部短絡の防止に対する信頼性が向上できる。
本発明に係る一発明の実施の形態例にかかるアルカリ電池用セパレータを使用したアルカリ電池の中央縦断面図である。
以下、図面も参照して本発明に係る一発明の実施の形態例を詳細に説明する。本実施の形態例は、例えば、金属酸化物のデンドライト等による内部短絡を防止することのできる遮蔽性と放電性能の向上が図れる保液性を同時に充足するセパレータ、具体的には、耐アルカリ性セルロース繊維と、耐アルカリ性合成繊維と、バインダ成分とからなる多層構造を有する湿式不織布であって、湿式不織布の遮蔽性を示す指標として平均孔径10μm以下、かつ、保液率400%以上のアルカリ電池用セパレータ及び該セパレータを用いたアルカリ電池を提供する。
即ち、従来実現できなかったセパレータの緻密性の向上と、イオン透過性の向上という、相反する要求について、双方を高いレベルで満足するセパレータを提供し、セパレータの構成材料としてフィブリル化が可能な再生セルロース繊維のフィブリル化物に着目したものである。
フィブリル化が可能な再生セルロース繊維は、叩解すると直径1μm以下の非常に細いフィブリルに分割することが可能である。特に、フィブリル化が可能な溶剤紡糸セルロース繊維は、高い結晶化度を有するものであり、その繊維の内部構造は、セルロース結晶部分と非晶部分とからなっており、結晶部分は非晶質を介して互いに接着して繊維を構成している。
この繊維に叩解作用を加えると非晶質部分が破壊され、結晶部分が繊維から剥離し直径1μm以下のフィブリルを発生させる。このフィブリル化物により構成されたセパレータは非常に緻密な構造となる。またこのフィブリルは、結晶化度が非常に高いセルロースであるため剛性も高く、抄造工程におけるプレスによってもフィブリル自体が偏平に潰れることが少なく円形に近い断面形状を維持し、フィブリル同士は、接触点の交絡及び水素結合により紙層を形成する。したがって、当該フィブリル化物を含有するセパレータは、非常に緻密な紙質となりながらも、イオン流路の冗長が少なくイオン透過性の優れたものとなる。
以下、より詳細に説明する、本実施の形態例に係るセパレータの構成としては、耐アルカリ性セルロース繊維の一部として、フィブリル化が可能な溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物を含有し、当該フィブリル化物の叩解の程度を示すCSFの値が10〜0mlの範囲まで高度にフィブリル化されていることを特徴としている。
溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物の含有率は、セパレータに求める特性に応じて増減することができるが、含有率が5重量%未満では当該フィブリル化物の最大の特徴であるセパレータの緻密性が損なわれ、含有率が20重量%より大きい場合は当該フィブリル化物の過剰配合によりセパレータのイオン透過性が損なわれる傾向にあるため、遮蔽性と電気特性双方を高いレベルで実現するためには5〜20重量%の範囲が望ましい。
また、叩解の程度を示すCSF値の範囲は10〜0mlが好ましい。CSFが10mlより大きい場合、当該フィブリル化物によるセパレータの緻密性が十分に得られなくなる。
更に、溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物に加えて配合する他の耐アルカリ性セルロース繊維としては、再生セルロース繊維、マーセル化パルプ、コットンリンターパルプ、溶解パルプからなる群より選択される少なくとも一種以上であり、溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物と合わせて、セパレータの30〜70重量%まで含有できる。
含有率が30重量%未満ではセパレータの電解液保持特性が悪化し、70重量%を超えると耐アルカリ性セルロース繊維同士の水素結合箇所が増加し、セパレータの緻密性が高くなり、ひいてはイオン透過性が損なわれることとなる。
溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物に配合する他の再生セルロース繊維としては、レーヨン繊維、モダル繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、リヨセル繊維等が好ましい。本実施の形態例において、溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物に加えて配合する他の耐アルカリ性セルロース繊維としては、電池に組み込んだ際の水素ガス発生量低減の観点から、溶解パルプを用いることが好ましい。
また、アルカリ電池に使用される耐アルカリ性合成繊維としては、アルカリ系電解液中での寸法安定性に優れるビニロン繊維、PVA繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン/変性ポリプロピレン複合繊維、ポリアミド/変性ポリアミド複合繊維、ポリプロピレン合成パルプ、ポリエチレン合成パルプからなる群より選択される少なくとも一種以上の耐アルカリ性合成繊維を20〜50重量%の範囲で混抄し、セパレータに物理的強度を付与するバインダ成分を5〜20%配合することで、電解液中での寸法安定性に優れ、良好なイオン透過性を示す緻密なセパレータとなる。
耐アルカリ性合成繊維が20重量%未満であると、アルカリ電解液に含浸したときにセパレータの寸法安定性が損なわれ、50重量%を超えるとセパレータの緻密性が損なわれ、内部短絡が発生しやすくなる。また、セパレータの保液性が低下するため、アルカリ電池の高率放電特性が悪化するという問題がある。
本実施の形態例のアルカリ電池用セパレータの厚さは、70〜140μmが好ましい。セパレータの厚さが70μm未満であると、正極と負極との距離が短くなるため内部短絡が発生しやすくなると共にアルカリ電解液の保持量が不足するため高率放電特性が悪化する。140μmを超えると、電極間距離が長くなるため、電池の内部抵抗が高くなる。また、電池に挿入する電極活物質量が減少するため、放電容量が減少する可能性がある。
また、本実施の形態例のアルカリ電池用セパレータの40%KOH保液率は、400%以上であることが好ましい。40%KOH水溶液の保液率が400%未満であると、高率放電特性が悪化するという問題がある。保液率は高いほど好ましいが、実質的にセパレータが保液できる電解液量には上限があり、700%程度が上限になると考えられる。
更に、本実施の形態例のセパレータは、平均孔径が10μm以下であることを特徴とする。セパレータの平均孔径が10μmより大きいと、デンドライトの成長に対して十分な遮蔽効果が得られず、間欠放電に耐え得る程度の十分な遮蔽性能が得られないため、セパレータの平均孔径は10μm以下であることが好ましい。
次に、本実施の形態例のアルカリ電池用セパレータの製造方法について説明する。本実施の形態例のセパレータの製造は、以下の工程で行われる。
(1)前述したフィブリル化が可能な溶剤紡糸セルロース繊維を水に分散させ、ビーターあるいはリファイナ等の製紙用叩解機で所定のCSF値まで叩解する。
(2)これに前述した他の耐アルカリ性セルロース繊維の1種あるいは2種以上を混合する。尚、フィブリル化が可能な溶剤紡糸セルロース繊維と併せて、使用する他の耐アルカリ性セルロース繊維も、必要に応じて叩解することが可能である。
(3)さらにアルカリ電解液中で寸法安定性に優れる耐アルカリ性合成繊維の1種あるいは2種以上を混合する。
(4)セパレータの強度付与のために必要ならば、PVAバインダ繊維などのバインダ成分となる繊維を添加混合して原料とする。
(5)この原料を円網抄紙機や短網抄紙機、あるいは長網抄紙機等の湿式抄紙機を組み合わせたコンビネーション抄紙機を使用して抄紙する。
(6)抄紙機上で積層一体化して本実施の形態例のセパレータを得る。
かかる各層の積層一体化は、抄き合わせ可能な湿式抄紙機を用いて積層する方法であり、各層を単独で製造した後に、後加工で複数層を貼り合わせてもよい。
各層の積層組合せとしては、円網/円網二層、円網/短網二層、長網/円網二層、円網/円網/円網三層、円網/短網/円網三層、短網/円網/短網三層、円網/長網/円網三層、長網/円網/円網三層など、セパレータの遮蔽性及び保液性を損なわなければ、種々の組合せが可能である。
ここにある傾斜短網抄紙機および長網抄紙機を使用した抄紙方法は、抄紙網の上に送り込む繊維スラリー液の流速を増減させることで、セパレータの縦および横方向の繊維の配向を自在にコントロールすることができ、セパレータの縦および横方向の強度や曲げ剛性等を調整することが可能であり、電池製造時において、セパレータの加工性を考慮した設計が可能となる抄紙法である。
以下、本発明に係る一実施例のアルカリ電池用セパレータ及び該セパレータを使用したアルカリ電池の具体例について詳細に説明する。なお、本願発明はこれら実施例の記載内容に限定されるものではない。
(試験方法)
実施例、比較例および従来例にかかるセパレータの各測定値は次の方法で測定した。
(1)CSF(カナダ標準形濾水度、Canadian Standard Freeness)JIS P 8121に規定のカナダ標準形の方法で測定した。
(2)厚さ
2枚重ねにしたセパレータの厚さを、ダイヤルシックネスゲージを用いて均等な間隔で測定し、その1/2を1枚当たりの厚さとし、さらに測定個所の平均値をセパレータの厚さ(μm)とした。
(3)坪量
セパレータの面積と重量を測定し、セパレータ面積(m2)当たりの重量(g)を求めた。
(4)保液率
セパレータを50mm×50mmの正方形に切り取り、乾燥後の質量を測定した後、40%KOH水溶液に10分間浸漬した。この試験片を45度の角度に傾斜させたガラス板にそのまま貼り付けて3分間固定し、過剰の40%KOH水溶液を流下させて取り除き、そのまま保液した試験片の質量を測定し、次式により保液率(%)を算出した。
保液率(%)=(W2−W1)/W1×100
W1=浸漬前の質量
W2=浸漬後の質量
(5)イオン抵抗
40%KOH水溶液に浸漬された、約2mmの間隔で並行する白金電極(白金黒付けした直径20mmの円板形状の電極)の間にセパレータを挿入し、この挿入に伴う電極間の電気抵抗の増加をセパレータのイオン抵抗(mΩ)とした。なお、電極間の電気抵抗は1000Hzの周波数でLCRメータを用いて測定した。
(6)平均孔径
Porous Materials,Inc.製CFP−1200−AEXL−ESAを用いて、バブルポイント法(ASTM F316−86、JIS K3832)により測定されるセパレータの孔径分布から、その平均孔径(μm)を求めた。
(7)水素ガス発生量
市販されているアルカリマンガン電池負極用の亜鉛合金粉末にセパレータ及びKOH電解液(酸化亜鉛を添加)を加え、70℃で10日間放置して発生する水素ガス量(亜鉛1gに対する発生した水素ガスの容積(μl))を測定した。なお、各セパレータの測定にあたり、亜鉛合金粉末:セパレータ:KOH電解液は質量比で1:0.05:1の一定量を取り、特開2008−171767号公報で開示された図2に類似した装置を使用して水素ガス発生量を測定した。
(8)放電試験
A.電池の製作
本実施例および比較例のセパレータを使用して、図1に示す正極缶2、正極合剤3、セパレータ4、ゲル状負極5、負極集電子6、樹脂製封口体7、負極端子板8、樹脂外装材9、で構成されるアルカリマンガン電池1(LR6)を各30個製作した。
図1において、1はアルカリマンガン電池であり、2は有底筒状の正極缶であり、一端部に正極端子2aが形成されている。この正極缶2内には、二酸化マンガンと黒鉛からなる円筒状の正極合剤3が圧入されている。4は筒状に捲回した本実施の形態例のセパレータで、その内部には水銀無添加の亜鉛合金粉末とアルカリ電解液とを混合したゲル状負極5が充填されている。
6は負極集電子、7は正極缶2の開口部を閉塞する樹脂製封口体で、この樹脂製封口体7には、負極端子を兼ねる負極端子板8が負極集電子6の頭部に溶接されている。筒状に捲回したセパレータ4の正極端子側はセパレータ端部を接着あるいは融着して封止し、負極と正極とが接触するのを防止している。9は樹脂外装材であり、正極端子2aと負極端子板8を露出させた状態で正極缶2の外周面に密着して包装されている。
B.放電試験方法
2Ωの負荷で0.9Vの終止電圧までの時間(分)を測定する高率負荷放電試験と、100Ωの負荷で0.9Vの終止電圧までの時間(時間)を測定する軽負荷放電試験を行い、その平均値(サンプル数n=10)を算出した。
間欠放電試験は電池10個をそれぞれ3.9Ωの負荷で5分間/日放電し、50日以内に0.9V以下に低下した電池を不良個数としてカウントした。
〔実施例1〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度3.3dtex.繊維長6mm:Lenzing社のテンセル繊維)5重量%をCSF値で0mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維として針葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.0%)40重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)50重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)5重量%を混合した。この混合原料を傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ139.3μm、坪量40.2g/m2の二層セパレータを得た。
〔実施例2〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長4mm:Lenzing社のテンセル繊維)5重量%をCSF値で0mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維としてコットンリンターパルプ(α‐セルロース含有率は98.1%)45重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)20重量%、ポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘型複合繊維(繊度0.8dtex.繊維長5mm)15重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)15重量%を混合した。この混合原料を傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ84.6μm、坪量25.9g/m2の二層セパレータを得た。
〔実施例3〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長4mm:Lenzing社のテンセル繊維)15重量%をCSF値で0mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維としてコットンリンターパルプ(α‐セルロース含有率は98.1%)35重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)20重量%、ポリプロピレン/変性ポリプロピレン芯鞘型複合繊維(繊度0.8dtex.繊維長5mm)15重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)15重量%を混合した。この混合原料を傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ91.1μm、坪量26.3g/m2の二層セパレータを得た。
〔実施例4〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長4mm:Lenzing社のテンセル繊維)20重量%をCSF値で10mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維としてマーセル化広葉樹パルプ(α‐セルロース含有率は97.0%)30重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)20重量%、ポリアミド繊維(ナイロン−6繊維:繊度0.8dtex.繊維長5mm)15重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)15重量%を混合した。この混合原料を傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ87.5μm、坪量25.9g/m2の二層セパレータを得た。
〔実施例5〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長4mm:Lenzing社のテンセル繊維)20重量%をCSF値で10mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維としてマーセル化針葉樹パルプ(α‐セルロース含有率は97.3%)50重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)20重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)10重量%を混合した。この混合原料を傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ84.2μm、坪量25.7g/m2の二層セパレータを得た。
〔実施例6〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長4mm:Lenzing社のテンセル繊維)20重量%をCSF値で0mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維として広葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.3%)40重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)20重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)20重量%を混合した。この混合原料を傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ71.0μm、坪量26.4g/m2の二層セパレータを得た。
〔実施例7〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長4mm:Lenzing社のテンセル繊維)15重量%をCSF値で0mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維として広葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.3%)30重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)25重量%、PVA繊維(繊度1.1dtex.繊維長2mm)15重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)15重量%を混合した。この混合原料を傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ107.9μm、坪量31.2g/m2の二層セパレータを得た。
〔実施例8〕
耐アルカリ性セルロース繊維を針葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.0%)15重量%と広葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.3%)20重量%に、耐アルカリ性合成繊維のポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘型複合繊維(繊度0.8dtex.繊維長5mm)をポリプロピレン繊維(繊度0.8dtex.繊維長5mm)に変更した以外は実施例3と同様にして、厚さ90.3μm、坪量25.5g/m2の二層セパレータを得た。
〔実施例9〕
耐アルカリ性合成繊維をビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)30重量%とポリエチレン繊維(繊度0.8dtex.繊維長5mm)5重量%に変更し、円網多層抄紙機で三層に積層抄紙する以外は実施例3と同様にして、厚さ96.0μm、坪量25.9g/m2の三層セパレータを得た。
〔実施例10〕
溶剤紡糸セルロース繊維および耐アルカリ性合成繊維、バインダ成分は実施例6と同様にして、混合する耐アルカリ性セルロース繊維を広葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.3%)20重量%とビスコースレーヨン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)20重量%に変更し、この混合原料を円網/傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ98.0μm、坪量26.3g/m2の三層セパレータを得た。
〔比較例1〕
耐アルカリ性合成繊維をビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)35重量%に変更し、傾斜短網抄紙機で単層抄紙する以外は実施例3と同様にして、厚さ145.4μm、坪量41.5g/m2の一層セパレータを得た。
〔比較例2〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長4mm:Lenzing社のテンセル繊維)20重量%をCSF値で15mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維として針葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.0%)10重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)50重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)20重量%を混合した。この混合原料を傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ89.6μm、坪量25.7g/m2の二層セパレータを得た。
〔比較例3〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長4mm:Lenzing社のテンセル繊維)の配合率を25重量%、耐アルカリ性セルロース繊維を広葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.3%)25重量%、耐アルカリ性合成繊維をビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)35重量%に変更する以外は実施例4と同様にして、厚さ85.1μm、坪量25.9g/m2の二層セパレータを得た。
〔比較例4〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長4mm:Lenzing社のテンセル繊維)10重量%をCSF値で0mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維として針葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.0%)20重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)55重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)15重量%を混合した。この混合原料を傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ90.0μm、坪量25.9g/m2の二層セパレータを得た。
〔比較例5〕
耐アルカリ性セルロース繊維をマーセル化針葉樹パルプ(α‐セルロース含有率は97.3%)55重量%、耐アルカリ性合成繊維をビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)の配合率を15重量%に変更する以外は実施例5と同様にして、厚さ68.7μm、坪量26.3g/m2の二層セパレータを得た。
〔比較例6〕
耐アルカリ性セルロース繊維を広葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.3%)5重量%、耐アルカリ性合成繊維をビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)の配合率を55重量%に変更する以外は実施例6と同様にして、厚さ92.5μm、坪量26.3g/m2の二層セパレータを得た。
〔比較例7〕
耐アルカリ性セルロース繊維として針葉樹溶解パルプ(α‐セルロース含有率は98.0%)45重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)50重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)5重量%を混合した。この混合原料を傾斜短網/円網コンビネーション抄紙機で積層抄紙して、厚さ100.0μm、坪量26.0g/m2の二層セパレータを得た。
〔従来例1〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長2mm:Lenzing社のテンセル繊維)38重量%をCSF値で500mlまで叩解した。これに耐アルカリ性合成繊維としてPVA繊維(繊度0.3dtex.繊維長2mm)50重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)12重量%を混合した。この混合原料を円網抄紙機で単層抄紙して、厚さ90.2μm、坪量24.0g/m2の一層セパレータを得た。
〔従来例2〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長2mm:Lenzing社のテンセル繊維)40重量%をCSF値で400mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維としてマーセル化広葉樹パルプ(α‐セルロース含有率は97.3%)15重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度0.3dtex.繊維長2mm)30重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)15重量%を混合した。この混合原料を円網抄紙機で単層抄紙して、厚さ119.8μm、坪量27.0g/m2の一層セパレータを得た。
〔従来例3〕
溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長2mm:Lenzing社のテンセル繊維)40重量%をCSF値で600mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維としてマーセル化広葉樹パルプ(α‐セルロース含有率は97.3%)10重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度0.3dtex.繊維長2mm)40重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)10重量%を混合した。この混合原料を円網抄紙機で単層抄紙して、厚さ90.0μm、坪量23.9g/m2の一層セパレータを得た。
〔従来例4〕
特許文献3の実施例10に従い、溶剤紡糸セルロース繊維(Lenzing社のテンセル繊維:繊度1.7dtex.繊維長2mm)40重量%をCSF値で150mlまで叩解した。これに耐アルカリ性セルロース繊維としてCSF値で705mlまで叩解したマーセル化広葉樹パルプ(α‐セルロース含有率は97.3%)30重量%と耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度0.3dtex.繊維長2mm)40重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)15重量%を混合し粗層とした。一方で、溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex.繊維長2mm:Lenzing社のテンセル繊維)50重量%をCSF値で125mlまで叩解した。これに耐アルカリ性合成繊維としてビニロン繊維(繊度0.3dtex.繊維長2mm)35重量%、バインダ成分としてPVAバインダ繊維(繊度1.1dtex.繊維長3mm)15重量%を混合し密層とした。この2種類の原料を円網多層抄紙機で積層抄紙して、厚さ86.0μm、坪量27.2g/m2、の二層セパレータを得た。
実施例1〜10、比較例1〜7および従来例1〜4にかかるセパレータの各種測定データを表1に示す。
Figure 2014026877
上記実施例1〜10のセパレータは、高率放電特性である2Ω放電と放電容量の指標となる100Ωの軽負荷放電に優れている。さらに間欠放電試験でも不良個数が0個であり、これまで相反するとされてきたデンドライトを遮蔽する能力も兼ね備えたセパレータであることがわかる。
比較例1のセパレータは、高率放電特性である2Ω放電は優れているが、間欠放電試験での不良個数が多い。これはセパレータが一層であり、またセパレータの平均孔径が15.0μmと大きい為、デンドライトを阻止することが出来ず、軽度の内部短絡が起きているものと考えられる。
比較例2のセパレータも、間欠放電試験での不良個数が多い。これは溶剤紡糸セルロース繊維の叩解度が15mlと浅いため、セパレータの平均孔径が大きく、比較例1と同様にデンドライトに対する遮蔽性が損なわれたことが原因と考えられる。
比較例3のセパレータは、間欠放電試験での不良は無いが、高率放電特性である2Ω放電時間と放電容量の指標となる100Ωの軽負荷放電時間が短い。これは叩解した溶剤紡糸セルロース繊維の過剰配合によりイオン透過性が損なわれたためと考えられる。
比較例4のセパレータは、耐アルカリ性合成繊維であるビニロン繊維の配合率が高いため、セパレータの保液率が低く、平均孔径が大きい。電解液の保液率が低いため、高率放電特性である2Ω放電時間が短くなり、またセパレータの平均孔径が大きいことから、間欠放電試験での不良個数が多く、軽度の内部短絡が起きているものと考えられる。
比較例5のセパレータは、間欠放電試験での不良が多い。これは耐アルカリ性合成繊維であるビニロン繊維の配合量が少ないため、アルカリ電解液に浸漬した際、セパレータの寸法安定性が損なわれ、電池内部で短絡が起きているものと考えられる。また、放電容量の指標となる100Ωの軽負荷放電時間が短く、耐アルカリ性セルロース繊維全体の配合量が70重量%を超えたため、イオン透過性が損なわれたものと考えられる。
比較例6のセパレータは、耐アルカリ性セルロース繊維の配合率が低く、耐アルカリ性合成繊維であるビニロン繊維の配合率が高いため、セパレータの保液率が低く、平均孔径が大きい。電解液の保液率が低いため、高率放電特性である2Ω放電時間が短くなり、またセパレータの平均孔径が大きいことから、間欠放電試験での不良個数が多く、軽度の内部短絡が起きているものと考えられる。
比較例7のセパレータは、間欠放電試験での不良個数が多い。これは叩解した溶剤紡糸セルロース繊維が配合されていないため、平均孔径が大きくなり、セパレータの遮蔽性が損なわれたことが原因と考えられる。
従来例1〜3のセパレータは、高率放電特性である2Ω放電は比較的優れているが、間欠放電試験での不良個数が多い。これはセパレータが一層であり、またセパレータの平均孔径がいずれも10μmより大きい為、デンドライトの成長を阻止することができず、軽度の内部短絡が起きているものと考えられる。
従来例4のセパレータは、特許文献3に記載のセパレータである。このセパレータの最大孔径(ポアサイズ)は40μm、平均孔径が12μmであり、セパレータの平均孔径が10μmを超えているため、上記実施例1〜10に比べ間欠放電試験後の不良電池の個数が多い。
また、放電試験用電池の製作段階で電解液を含浸させた際、電解液中での各層の伸縮度合いの差に起因すると考えられるセパレータのカールが、円筒の内側方向に発生して、セパレータの円筒内部に所定量のゲル状負極が入らなくなり電池の製作を断念した。
次に、セパレータを円筒状に巻き取る際の粗層と密層との表裏を反転させて巻き取ったが、樹脂製封口体で正極缶の開口部を閉塞する際に、カールによって外側にはみ出したセパレータの端部で封口不良が発生した。
次に、アルカリ電池の液漏れの原因となる水素ガス発生量に着目してみる。耐アルカリ性セルロース繊維として溶解パルプを混合した実施例1、6、7、8、10は、他の実施例に比べ、ガス発生量が少ない。また、比較例3は他の比較例に比べガス発生量が少ない。
これは、詳細には不明であるが、溶解パルプには、負極の亜鉛合金粉末を腐食させる成分の含有量が少ないためと考えられ、本実施の形態例のアルカリ電池セパレータにおいては、溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物に配合する耐アルカリ性セルロース繊維としては溶解パルプを用いることが好ましいことがわかる。
尚、比較例2、4、6、7も耐アルカリ性セルロース繊維として溶解パルプを混合しているが、内部短絡の発生で実施例1、6、7、8、10及び比較例3に比べガス発生量が増加したと考えられる。なお、ガス発生量が多いセパレータを使用すると、アルカリ電池が漏液しやすくなる。また、腐食によって負極活物質が消費されるため、アルカリ電池の保存後の特性が低下することになる。
以上説明したように本実施の形態例によれば、従来の単層からなるセパレータに比べて、セパレータ中のピンホール部分が二層以上に積層され重ね合わされることで細かな孔となり、また、高度にフィブリル化したセルロース繊維を配合することで、セパレータの平均孔径を小さくすることができるため、金属酸化物のデンドライトによる内部短絡の防止に対する信頼性が向上できる。
また、従来の二層セパレータは粗層と密層が異なる原料で構成されているため、電池製造工程において電解液浸漬時にセパレータ各層の伸縮度合いに表裏差が発生し、カールが生じ、負極物質の充填等に難があるが、本実施の形態例の複層セパレータでは、セパレータの表裏差がないため、カール自体が生じない。
さらに、溶剤紡糸セルロース繊維をCSF値で10〜0mlと高度にフィブリル化することで、叩解された溶剤紡糸セルロース繊維の配合率を5〜20重量%と従来に比べ少なくすることが可能となる。このことにより、良好なイオン透過性を示しながらも、セパレータの緻密性は十分担保することができる。また、耐アルカリ性セルロース繊維と耐アルカリ性合成繊維とを併用することで、セパレータをアルカリ電解液に浸漬した際の寸法安定性を維持することが可能となる。
また上記繊維を使用し、さらに多層構造とすることにより、セパレータの平均孔径を10μm以下にすることが出来るため、良好な遮蔽性を有する。さらに、本実施の形態例のセパレータは電解液の保液性が高くできるので、高率放電特性の向上をはかることができ、アルカリマンガン電池、 ニッケル亜鉛電池、 酸化銀電池、空気亜鉛電池等の亜鉛を負極活物質とするアルカリ電池に広く利用することができる。
〔実施の形態例の効果〕
以上説明したように本実施の形態例によれば、従来の単層よりなるセパレータに比べて、セパレータ中のピンホール部分や、抄紙時に発生した気泡等による孔が二層以上に積層され重ね合わされることでさらに細かな孔となり、また、高度にフィブリル化した溶剤紡糸セルロース繊維を配合することで、セパレータの平均孔径を小さくすることができるため、内部短絡の防止に対する信頼性を向上できる。
さらに、高度にフィブリル化した溶剤紡糸セルロース繊維を使用することで、当該溶剤紡糸セルロース繊維の配合率を少なくしても、遮蔽性を担保できるようになる。また多層構造とすることで、セパレータのピンホールが減少することとなり、低密度であっても遮蔽性が向上することとなる。つまり、多層構造で低密度のセパレータとすることで、電解液の保液性が高く、放電特性の優れたアルカリ電池が得られる。

Claims (8)

  1. 耐アルカリ性セルロース繊維と、耐アルカリ性合成繊維と、バインダ成分とからなる多層構造を有する湿式不織布からなるアルカリ電池用セパレータであって、
    前記湿式不織布の平均孔径が10μm以下であることを特徴とするアルカリ電池用セパレータ。
  2. 耐アルカリ性セルロース繊維が30〜70重量%、耐アルカリ性合成繊維が20〜50重量%、バインダ成分が5〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載のアルカリ電池用セパレータ。
  3. 前記耐アルカリ性セルロース繊維として、CSFの値で10〜0mlまで叩解された溶剤紡糸セルロース繊維を5〜20重量%含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  4. 前記耐アルカリ性セルロース繊維として、さらに、再生セルロース繊維、マーセル化パルプ、コットンリンターパルプ、溶解パルプからなる群より選択される少なくとも一種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレータ。
  5. 前記耐アルカリ性合成繊維が、アセタール化ポリビニルアルコール繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、ポリプロピレン/変性ポリプロピレン複合繊維、ポリアミド/変性ポリアミド複合繊維、ポリプロピレン合成パルプ、ポリエチレン合成パルプからなる群より選択される少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレータ。
  6. 前記湿式不織布の厚さが、70〜140μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレータ。
  7. 前記湿式不織布の40%KOH保液率が、400%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレータ。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレータを使用したことを特徴とするアルカリ電池。
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