JP2014025592A - 熱交換器の製造方法 - Google Patents
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【課題】冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の熱交換器において、キャピラリーチューブと扁平管の当接面全長に亘り、接合不良が生じることがなく均一に接合することができ、組立作業性、生産性に優れた熱交換器の製造方法を提案する。
【解決手段】ガス冷媒が流通し、当接状態で並置した複数本のキャピラリーチューブをコイル巻きして筒状に形成し、水が流通する扁平管を同じくコイル巻きして筒状に形成し、当接状態のキャピラリーチューブの外周面に、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きし、キャピラリーチューブと扁平管が互いに当接して交互に配するように、キャピラリーチューブと扁平管を同軸的に組み立てて加熱炉内に投入し、当接面をろう付け接合する。
【選択図】図3
【解決手段】ガス冷媒が流通し、当接状態で並置した複数本のキャピラリーチューブをコイル巻きして筒状に形成し、水が流通する扁平管を同じくコイル巻きして筒状に形成し、当接状態のキャピラリーチューブの外周面に、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きし、キャピラリーチューブと扁平管が互いに当接して交互に配するように、キャピラリーチューブと扁平管を同軸的に組み立てて加熱炉内に投入し、当接面をろう付け接合する。
【選択図】図3
Description
この発明は、冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の熱交換器の製造方法に関するものである。
冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の熱交換器として、特許文献1に示す構造のものが広く適用されている。この熱交換器は、当接状態で並置した複数本のキャピラリーチューブ(銅製細管)をコイル巻きして筒状に形成し、扁平管を同じくコイル巻きして筒状に形成し、キャピラリーチューブと扁平管が互いに当接して交互に配するように、同軸的に一体としたものである。キャピラリーチューブを高温高圧のガス冷媒が流通し、扁平管を水が流通して熱交換が行われ、水を加熱して給湯するもので、キャピラリーチューブを用いることで、高温高圧のガス冷媒に耐える構造とされている。そして、キャピラリーチューブと扁平管を同軸的に組み立て、適宜の手段でろう材を設置し、組立品を加熱炉内に投入し、当接面をろう付け接合して製作されている。
図7に、加熱炉内に投入してろう付けするためのろう材の設置例を示す。図に示すように、キャピラリーチューブ1が扁平管2の平坦面に挟持され、当接状態で組み立てられ、(A)は、当接面に薄板状の箔ろうを設置した断面端面図で、(B)は、当接面にペースト状のろう材を塗布した断面端面図である。このようにしてろう材を設置した組立品を加熱炉内に投入し、加熱炉内でろうが溶融して当接面がろう付け接合される。(C)は、キャピラリーチューブ1と扁平管2を組立後、最外のキャピラリーチューブ1の外周の適宜の位置に、円弧状のろう棒5を設置した断面端面図である。この組立品を加熱炉内に投入し、加熱炉内で溶融したろうが毛管現象で当接面の間隙に侵入し、当接面がろう付け接合される。
上記構成の熱交換器は、極めて長尺なキャピラリーチューブと扁平管が用いられ、ろう付け接合する長さ距離も長尺となる。箔ろうやペースト状のろう材を当接面全長に設置してキャピラリーチューブと扁平管を組み立てる手段は、組立作業が煩雑となって工数を要し、作業性が著しく劣る。また、キャピラリーチューブの外周にろう棒を設置する手段は、内側のキャピラリーチューブへのろうの浸透性が悪く、接合不良が生じやすく、ろう棒の設置位置や組立品の炉内の姿勢にも制限がある。このように、従来のろう材設置手段は、ろう付け品質及び生産性に課題があり、製作コストが高価で量産に不適であった。
この発明は、上記構成のヒートポンプ式給湯機用の熱交換器の製造方法において、キャピラリーチューブと扁平管の当接面全長に亘り、接合不良が生じることがなく均一に接合することができ、組立作業性、生産性に優れ、製作コストを大幅に削減可能で、量産に適した熱交換器の製造方法を提案することを目的とするものである。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の熱交換器の製造方法は、冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の熱交換器で、高温高圧のガス冷媒と水とで熱交換する熱交換器の製造方法であって、ガス冷媒が流通し、当接状態で並置した複数本のキャピラリーチューブをコイル巻きして筒状に形成し、水が流通する扁平管を同じくコイル巻きして筒状に形成し、当接状態のキャピラリーチューブの外周面に、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きする。そして、キャピラリーチューブと扁平管が互いに当接して交互に配するように、キャピラリーチューブと扁平管を同軸的に組み立てて加熱炉内に投入し、当接面をろう付け接合するものである。
請求項2に記載の熱交換器の製造方法は、冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の熱交換器で、高温高圧のガス冷媒と水とで熱交換する熱交換器の製造方法であって、ガス冷媒が流通し、当接状態で並置した複数本のキャピラリーチューブをコイル巻きして筒状に形成し、水が流通する扁平管を同じくコイル巻きして筒状に形成し、最外に位置するキャピラリーチューブを除いたキャピラリーチューブの外周面に、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きする。そして、キャピラリーチューブと扁平管が互いに当接して交互に配するように、キャピラリーチューブと扁平管を同軸的に組み立て、最外に位置するキャピラリーチューブの外周の適宜の位置に、ろう棒を設置して加熱炉内に投入し、当接面をろう付け接合するものである。
請求項3に記載の熱交換器の製造方法は、請求項1又は2に記載のように、キャピラリーチューブの外周面にろう材テープを螺旋巻きするとともに、扁平管の外周面にも、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きするものである。
請求項4に記載の熱交換器の製造方法は、冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の交換器であって、高温高圧のガス冷媒と水とで熱交換する熱交換器の製造方法であって、ガス冷媒が流通し、当接状態で並置した複数本のキャピラリーチューブをコイル巻きして筒状に形成し、水が流通する扁平管を同じくコイル巻きして筒状に形成し、扁平管の外周面に、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きする。そして、キャピラリーチューブと扁平管が互いに当接して交互に配するように、キャピラリーチューブと扁平管を同軸的に組み立て加熱炉内に投入し、当接面をろう付け接合するものである。
請求項5に記載の熱交換器の製造方法は、上記の熱交換器の製造方法において、長尺テープ状のろう材テープに代わって、長尺ワイヤー状のろう材ワイヤーを用いるものである。
請求項1に記載の熱交換器の製造方法は、当接状態のキャピラリーチューブの外周面に、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きしたので、キャピラリーチューブと扁平管を同軸的に組み立てれば、ろう材が同時に設置された状態となる。したがつて、この組立品を加熱炉内に投入し、ろう材テープが加熱炉内で溶融し、キャピラリーチューブと扁平管の当接面全長に亘り、接合不良が生じることがなく均一に接合することができる。
また、キャピラリーチューブの外周面に予めろう材テープを螺旋巻きするだけで、従来のろう材の設置作業は不要となり、キャピラリーチューブと扁平管の組立作業も容易で生産性に優れ、製作コストを大幅に削減可能となり、量産に適するものである。
請求項2に記載の熱交換器の製造方法は、最外に位置するキャピラリーチューブを除いたキャピラリーチューブの外周面に、ろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きするとともに、最外に位置するキャピラリーチューブの外周の適宜の位置にろう棒を設置するので、内側のキャピラリーチューブはろう材テープが溶融して均一にろう付け接合され、従来のろう棒設置におけるろうの浸透不足による接合不良が解消される。
請求項3に記載の熱交換器の製造方法は、キャピラリーチューブの外周面にろう材テープを螺旋巻きするとともに。扁平管の外周面にもろう材テープを螺旋巻きしたので、ろう材テープの相乗効果で、当接面を堅固にろう材接合することができる。
請求項4に記載の熱交換器の製造方法は、キャピラリーチューブの外周面にろう材テープを螺旋巻きする代わりに、扁平管の外周面にろう材テープを螺旋巻きしたので、ろう材テープが加熱炉内で溶融し、同様にしてキャピラリーチューブと扁平管の当接面全長に亘り、接合不良が生じることがなく均一に接合することができるとともに、組立作業も容易で生産性に優れ、製作コストを大幅に削減可能となり、量産に適するものである。
また、上記の上記の熱交換器の製造方法において、長尺テープ状のろう材テープに代わって、長尺ワイヤー状のろう材ワイヤーを用いてもよく、ろう材ワイヤーが加熱炉内で溶融し、同様にしてキャピラリーチューブと扁平管の当接面全長に亘り、接合不良が生じることがなく均一に接合することができるものである。
以下に、この発明の実施形態を図面の実施例に基づいて具体的に説明する。
図1及び2は、この発明の製造方法を適用した、冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の熱交換器である。図において、当接状態で並置した3本のキャピラリーチューブ10がコイル巻きして筒状に形成され、扁平管20が同じくコイル巻きして筒状に形成され、キャピラリーチューブ10と扁平管20が互いに当接して交互に配するように、キャピラリーチューブ10と扁平管20が同軸的に一体とされている。図2に示すように、キャピラリーチューブ10が扁平管20の平坦面に挟持され、当接面をろう付け接合して製作されている。
図1及び2は、この発明の製造方法を適用した、冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の熱交換器である。図において、当接状態で並置した3本のキャピラリーチューブ10がコイル巻きして筒状に形成され、扁平管20が同じくコイル巻きして筒状に形成され、キャピラリーチューブ10と扁平管20が互いに当接して交互に配するように、キャピラリーチューブ10と扁平管20が同軸的に一体とされている。図2に示すように、キャピラリーチューブ10が扁平管20の平坦面に挟持され、当接面をろう付け接合して製作されている。
キャピラリーチューブ10の一端に入口ヘッダー11、他端に出口ヘッダー12が接合され、扁平管20の一端に入口管21、他端に出口管22が接合され、高温高圧のガス冷媒が入口ヘッダー11から出口ヘッダー12へキャピラリーチューブ10を流通し、水が入口管21から出口管22へと扁平管20を交差して流通する。そして、キャピラリーチューブ10と扁平管20の接合面を介して熱交換が行われ、水を加熱して給湯する。
図3に、当接状態の3本のキャピラリーチューブ10の外周面に、長尺テープ状のろう材テープ30を適宜のピッチで連続的に螺旋巻きした状態を示す。3本のキャピラリーチューブ10が一括して螺旋巻きされ、このキャピラリーチューブ10と扁平管20を同軸的に組み立てれば、ろう材が同時に設置された状態となる。この組立品を加熱炉内に投入し、ろう材テープ30が加熱炉内で溶融し、キャピラリーチューブ10と扁平管20の当接面全長に亘り、均一にろう付け接合される。
図4に、3本のキャピラリーチューブ10a、10b、10cのうち、内側2本のキャピラリーチューブの外周面に、ろう材テープ30を適宜のピッチで連続的に螺旋巻きした状態を示す。この3本のキャピラリーチューブ10a、10b、10cと扁平管20を同軸的に組み立て、最外に位置するキャピラリーチューブ10cの外周の適宜の位置に、図6(c)に示すように、円弧状のろう棒を設置し、この組立品を加熱炉内に投入し、ろう材テープ30及びろう棒が加熱炉内で溶融し、当接面が均一にろう付け接合される。
図5に、扁平管20の外周面に、ろう材テープ30を適宜のピッチで連続的に螺旋巻きした状態を示す。キャピラリーチューブ10の外周面にろう材テープ30を螺旋巻きする代わりに、扁平管20の外周面にろう材テープ30を螺旋巻きしても、同様にして当接面全長に亘り、均一にろう付け接合される。
また、キャピラリーチューブ10にろう材テープ30を螺旋巻きするとともに、扁平管20の外周面にもろう材テープ30を螺旋巻きすれば、ろう材テープ30の相乗効果で、当接面が堅固にろう付け接合される。
図6に、長尺テープ状のろう材テープ30に代わって、長尺ワイヤー状のろう材ワイヤー31を用い、当接状態の3本のキャピラリーチューブ10の外周面に、ろう材ワイヤー31を適宜のピッチで連続的に螺旋巻きした状態を示す。このように、ろう材テープ30に代わって、ろう材ワイヤー31を用いてもよく、このキャピラリーチューブ10と扁平管20を同軸的に組み立てれば、ろう材が同時に設置された状態となり、この組立品を加熱炉内に投入し、ろう材ワイヤー31が加熱炉内で溶融し、キャピラリーチューブ10と扁平管20の当接面全長に亘り、均一にろう付け接合される。
10 キャピラリーチューブ
20 扁平管
30 ろう材テープ
31 ろう材ワイヤー
20 扁平管
30 ろう材テープ
31 ろう材ワイヤー
Claims (5)
- 冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の熱交換器で、高温高圧のガス冷媒と水とで熱交換する熱交換器の製造方法であって、
ガス冷媒が流通し、当接状態で並置した複数本のキャピラリーチューブをコイル巻きして筒状に形成し、水が流通する扁平管を同じくコイル巻きして筒状に形成し、当接状態のキャピラリーチューブの外周面に、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きし、
キャピラリーチューブと扁平管が互いに当接して交互に配するように、キャピラリーチューブと扁平管を同軸的に組み立てて加熱炉内に投入し、当接面をろう付け接合する熱交換器の製造方法。 - 冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の熱交換器で、高温高圧のガス冷媒と水とで熱交換する熱交換器の製造方法であって、
ガス冷媒が流通し、当接状態で並置した複数本のキャピラリーチューブをコイル巻きして筒状に形成し、水が流通する扁平管を同じくコイル巻きして筒状に形成し、最外に位置するキャピラリーチューブを除いたキャピラリーチューブの外周面に、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きし、
キャピラリーチューブと扁平管が互いに当接して交互に配するように、キャピラリーチューブと扁平管を同軸的に組み立て、最外に位置するキャピラリーチューブの外周の適宜の位置に、ろう棒を設置して加熱炉内に投入し、当接面をろう付け接合する熱交換器の製造方法。 - 扁平管の外周面に、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きした請求項1又は2に記載の熱交換器の製造方法。
- 冷媒を熱源とするヒートポンプ式給湯機用の交換器であって、高温高圧のガス冷媒と水とで熱交換する熱交換器の製造方法であって、
ガス冷媒が流通し、当接状態で並置した複数本のキャピラリーチューブをコイル巻きして筒状に形成し、水が流通する扁平管を同じくコイル巻きして筒状に形成し、扁平管の外周面に、長尺テープ状のろう材テープを適宜のピッチで連続的に螺旋巻きし、
キャピラリーチューブと扁平管が互いに当接して交互に配するように、キャピラリーチューブと扁平管を同軸的に組み立て加熱炉内に投入し、当接面をろう付け接合する熱交換器の製造方法。 - 長尺テープ状のろう材テープに代わって、長尺ワイヤー状のろう材ワイヤーを用いた請求項1、2、3又は4に記載の熱交換器の製造方法。
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