JP2003329375A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水冷媒熱交換器の大型化を抑制しつつ、十分
な熱交換能力を確保する。 【解決手段】 第1チューブ2と第2チューブ3とを互
いに渦巻き状に屈曲した状態で巻いてろう接(ろう付
け)する。これにより、第1チューブ2と第2チューブ
3とが溶加材(ろう材)を介して一体化されるので、両
チューブ2、3間の接触熱抵抗は無視できるほど小さく
なる。したがって、両チューブ2、3間の伝熱面積を増
大させることなく、十分な熱交換能力を確保することが
できる。延いては、水冷媒熱交換器1の大型化を抑制し
つつ、十分な熱交換能力を確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器に関する
もので、蒸気圧縮式冷凍機(ヒートポンプ)を用いた給
湯器の水冷媒熱交換器に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】水冷媒
熱交換器として、例えば特開2001−241865号
公報に記載の発明では、冷媒管と給湯水管とを交互に重
ねて螺旋状に巻いてコイル状とし、軸方向両端側からボ
ルトとナットを締め付けることにより、冷媒管と給湯水
管とを圧接して冷媒管と給湯水管との間の接触熱抵抗を
低減している。
【0003】しかし、締め付けによる圧接では、冷媒管
と給湯水管との間に発生する微細な空隙を排除すること
は難しく、冷媒管と給湯水管との間の接触熱抵抗を十分
に低減することはできない。
【0004】このため、上記公報に記載の発明におい
て、十分な熱交換能力を確保するには、冷媒管と給湯水
管との接触面積を増大させて伝熱面積を増大させる必要
があるので、冷媒管及び給湯水管、つまり水冷媒熱交換
器の大型化を招いてしまう。
【0005】本発明は、上記点に鑑み、熱交換器の大型
化を抑制しつつ、十分な熱交換能力を確保することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に記載の発明では、一次流体が
流れる第1チューブ(2)、及び二次流体が流れる第2
チューブ(3)を有し、一次流体と二次流体との間で熱
交換可能に第1チューブ(2)と第2チューブ(3)と
が屈曲した状態でろう接又は溶接されていることを特徴
とする。
【0007】これにより、両チューブ(2、3)間の接
触熱抵抗を無視できるほど小さくすることが可能となる
ので、両チューブ(2、3)間の伝熱面積を増大させる
ことなく、十分な熱交換能力を確保することができる。
延いては、熱交換器の大型化を抑制しつつ、十分な熱交
換能力を確保することができる。
【0008】また、両チューブ(2、3)を屈曲した状
態でろう接又は溶接するので、熱交換器の大型化を抑制
しつつ、熱交換量を増大させながら、ボルトやナット等
の両チューブ(2、3)を機械的に圧接させる手段を廃
止することができる。
【0009】請求項2に記載の発明では、一次流体が流
れる第1チューブ(2)、及び二次流体が流れる第2チ
ューブ(3)を有し、一次流体と二次流体との間で熱交
換可能に第1チューブ(2)と第2チューブ(3)とが
渦巻き状に屈曲した状態でろう接又は溶接されているこ
とを特徴とする。
【0010】これにより、両チューブ(2、3)間の接
触熱抵抗を無視できるほど小さくすることが可能となる
ので、両チューブ(2、3)間の伝熱面積を増大させる
ことなく、十分な熱交換能力を確保することができる。
延いては、熱交換器の大型化を抑制しつつ、十分な熱交
換能力を確保することができる。
【0011】また、両チューブ(2、3)を屈曲した状
態でろう接又は溶接するので、熱交換器の大型化を抑制
しつつ、熱交換量を増大させながら、ボルトやナット等
の両チューブ(2、3)を機械的に圧接させる手段を廃
止することができる。
【0012】請求項3に記載の発明では、一次流体が流
れる第1チューブ(2)、及び二次流体が流れる第2チ
ューブ(3)を有し、一次流体と二次流体との間で熱交
換可能に第1チューブ(2)と第2チューブ(3)とが
螺旋状に屈曲した状態でろう接又は溶接されていること
を特徴とする。
【0013】これにより、両チューブ(2、3)間の接
触熱抵抗を無視できるほど小さくすることが可能となる
ので、両チューブ(2、3)間の伝熱面積を増大させる
ことなく、十分な熱交換能力を確保することができる。
延いては、熱交換器の大型化を抑制しつつ、十分な熱交
換能力を確保することができる。
【0014】また、両チューブ(2、3)を屈曲した状
態でろう接又は溶接するので、熱交換器の大型化を抑制
しつつ、熱交換量を増大させながら、ボルトやナット等
の両チューブ(2、3)を機械的に圧接させる手段を廃
止することができる。
【0015】請求項4に記載の発明では、第1チューブ
(2)は断面が扁平状に形成され、第2チューブ(3)
は、断面が円形状に形成されているとともに、第1チュ
ーブ(2)の扁平面(2a)に複数本接合されているこ
とを特徴とするものである。
【0016】請求項5に記載の発明では、第1チューブ
(2)と第2チューブ(3)とはろう接されており、さ
らに、扁平面(2a)には、溝(2d)が設けられてい
ることを特徴とする。
【0017】これにより、第1チューブ(2)と第2チ
ューブ(3)との接触箇所全てにろう材を配置すること
なく、第1チューブ(2)と第2チューブ(3)との間
に空隙が発生しないようにろう材を確実に充填すること
ができるので、第1チューブ(2)と第2チューブ
(3)との接触熱抵抗を増大させることなく、両チュー
ブ(2、3)を確実にろう接することができる。
【0018】請求項6に記載の発明では、両チューブ
(2、3)は、ステンレス製であり、かつ、銅ろうにて
ろう付けされていることを特徴とするものである。
【0019】請求項7に記載の発明では、両チューブ
(2、3)は、銅製であり、かつ、リン銅ろうにてろう
付けされていることを特徴とするものである。
【0020】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0021】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は、
本発明に係る熱交換器を蒸気圧縮式冷凍機(ヒートポン
プ)を用いた給湯器の水冷媒熱交換器に適用したもので
ある。
【0022】なお、水冷媒熱交換器とは、圧縮機から吐
出した高温・高圧の冷媒と給湯水とを熱交換することに
より給湯水を加熱する加熱用高圧側熱交換器である。
【0023】図1は本実施形態に係る水冷媒熱交換器1
の外観図であり、この水冷媒熱交換器1は、一次流体を
なす水が流れる第1チューブ2、及び二次流体をなす冷
媒が流れる第2チューブ3を有して構成された、一次流
体と二次流体との間で熱交換を行うもので、第1チュー
ブ2と第2チューブ3とは、互いに渦巻き状に屈曲した
状態で巻かれてろう接されている。
【0024】ここで、「ろう接」とは、例えば「接続・
接合技術」(東京電機大学出版局)に記載されているよ
うに、ろう材やはんだを用いて母材を溶融させないよう
に接合する技術を言う。因みに、融点が450℃以上の
溶加材を用いて接合するときをろう付けと言い、その際
の溶加材をろう材と呼び、融点が450℃以下の溶加材
を用いて接合するときをはんだ付けと言い、その際の溶
加材をはんだと呼ぶ。
【0025】また、第1チューブ2は、図2に示すよう
に、押し出し又は引き抜き加工にて断面が扁平状に形成
されたステンレス製のチューブであり、一方、第2チュ
ーブ3は、押し出し又は引き抜き加工にて断面が円形状
に形成されたステンレス製のキャピラリーチューブ(細
管)である。
【0026】そして、第2チューブ3は、第1チューブ
2の扁平面2aに複数本並んだ状態で銅をろう材として
第1チューブ2にろう付けにて接合されている。
【0027】なお、図1中、ヘッダ2bは、第1チュー
ブ2の長手方一向端部(巻き終わり側端部)にて接合さ
れて第1チューブ2と給湯配管(図示せず。)とを繋ぐ
ものであり、ヘッダ2cは、第1チューブ2の長手方他
端部(巻き始め側端部)にて接合されて第1チューブ2
と給湯配管(図示せず。)とを繋ぐものである。
【0028】また、ヘッダ3aは、第2チューブ3の長
手方一向端部(巻き始め側端部)にて接合されて複数本
の第2チューブ3に冷媒を分配供給するものであり、ヘ
ッダ3bは、第2チューブ3の長手方他端部(巻き終わ
り側端部)にて接合されて各第2チューブ3から冷媒を
集合回収するものである。
【0029】そして、冷媒と給湯水流れとが対向するよ
うに、本実施形態では、冷媒は巻きの中心から巻き終わ
り側に流れ、給湯水は冷媒は巻き終わり側から巻きの中
心に流れるように設定されている。
【0030】なお、当然ながらこれとは逆に、給湯水を
巻きの中心から巻き終わり側に向けて流し、冷媒を巻き
終わり側から巻きの中心に向けて流れるように設定して
もよいことは言うまでもない。
【0031】次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0032】本実施形態では、第1チューブ2と第2チ
ューブ3とがろう接されているので、第1チューブ2と
第2チューブ3とが溶加材(ろう材)を介して一体化さ
れる。
【0033】このため、両チューブ2、3間の接触熱抵
抗は、上記公報に比べると、無視できるほど小さくなる
ので、両チューブ2、3間の伝熱面積を増大させること
なく、十分な熱交換能力を確保することができる。延い
ては、水冷媒熱交換器1の大型化を抑制しつつ、十分な
熱交換能力を確保することができる。
【0034】ところで、上記説明からも明らかなよう
に、第1チューブ2と第2チューブ3との間に空隙が発
生しないように溶加材(ろう材)を充填された状態で両
チューブ2、3をろう接することが望ましい。
【0035】そこで、本実施形態では、図2に示すよう
に、上下方向が巻きの中心軸と一致するように、ろう接
前の水冷媒熱交換器1を炉内に配置するとともに、上部
側に溶加材を配置することにより、第1チューブ2と第
2チューブ3との接触箇所全てに溶加材を配置すること
なく、重力を利用して溶加材(ろう材)を第1チューブ
2と第2チューブ3との接触箇所全てに溶加材を供給し
ている。
【0036】また、第1チューブ2と第2チューブ3と
は、互いに渦巻き状に屈曲した状態で巻かれてろう接さ
れているので、水冷媒熱交換器1の大型化を抑制しつ
つ、給湯水と冷媒との熱交換量を増大させながら、ボル
トやナット等の両チューブ2、3を機械的に圧接させる
手段を廃止することができる。
【0037】(第2実施形態)第1実施形態では、第1
チューブ2と第2チューブ3とが互いに渦巻き状に屈曲
した状態で巻かれていたが、本実施形態は、図3に示す
ように、第1チューブ2と第2チューブ3とが互いに螺
旋状に屈曲した状態でろう接されたものである。
【0038】そして、本実施形態に係る水冷媒熱交換器
1においても、第1実施形態と同様な効果を得ることが
できる。
【0039】(第3実施形態)本実施形態は、図4、5
に示すように、第1チューブ2の扁平面2aに溝2dを
設けることにより、炉内で加熱した際に溶加材(ろう
材)が扁平面2a全体に流れ拡がるようにしたものであ
る。
【0040】これにより、第1チューブ2と第2チュー
ブ3との接触箇所全てに溶加材を配置することなく、第
1チューブ2と第2チューブ3との間に空隙が発生しな
いように溶加材(ろう材)を確実に充填することができ
るので、第1チューブ2と第2チューブ3との接触熱抵
抗を増大させることなく、両チューブ2、3を確実にろ
う接することができる。
【0041】なお、本実施形態では、溝2dを巻き方向
に対して傾けて湾曲させことにより、確実に溶加材(ろ
う材)が扁平面2a全体に流れ拡がるようにしている。
【0042】(その他の実施形態)上述の実施形態で
は、第1チューブ2と第2チューブ3とをろう接した
が、両チューブ2、3を溶接してもよい。なお、「溶
接」は母材の一部を溶融させて接合させる技術である。
【0043】また、上述の実施形態では、両チューブ
2、3をステンレス製として、銅ろうにてろう付けした
が、両チューブ2、3を銅製として、リン銅ろうにてろ
う付けしてもよい。
【0044】また、上述の実施形態では、本発明に係る
熱交換器を蒸気圧縮式冷凍機(ヒートポンプ)を用いた
給湯器の水冷媒熱交換器に適用したが、本発明の適用は
これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る水冷媒熱交換器の
外観図ある。
【図2】本発明の第1実施形態に係る水冷媒熱交換器の
模式図ある。
【図3】本発明の第2実施形態に係る水冷媒熱交換器の
模式図ある。
【図4】本発明の第3実施形態に係る水冷媒熱交換器の
模式図ある。
【図5】本発明の第3実施形態に係る水冷媒熱交換器の
模式図ある。
【符号の説明】
1…水冷媒熱交換器、2…第1チューブ、3…第2チュ
ーブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 9/013 F28F 9/00 311J (72)発明者 沖ノ谷 剛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3L036 AA04 3L103 AA05 BB43 CC02 CC28 DD32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次流体が流れる第1チューブ(2)、
    及び二次流体が流れる第2チューブ(3)を有し、 前記一次流体と前記二次流体との間で熱交換可能に前記
    第1チューブ(2)と前記第2チューブ(3)とが屈曲
    した状態でろう接又は溶接されていることを特徴とする
    熱交換器。
  2. 【請求項2】 一次流体が流れる第1チューブ(2)、
    及び二次流体が流れる第2チューブ(3)を有し、 前記一次流体と前記二次流体との間で熱交換可能に前記
    第1チューブ(2)と前記第2チューブ(3)とが渦巻
    き状に屈曲した状態でろう接又は溶接されていることを
    特徴とする熱交換器。
  3. 【請求項3】 一次流体が流れる第1チューブ(2)、
    及び二次流体が流れる第2チューブ(3)を有し、 前記一次流体と前記二次流体との間で熱交換可能に前記
    第1チューブ(2)と前記第2チューブ(3)とが螺旋
    状に屈曲した状態でろう接又は溶接されていることを特
    徴とする熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記第1チューブ(2)は断面が扁平状
    に形成され、 前記第2チューブ(3)は、断面が円形状に形成されて
    いるとともに、前記第1チューブ(2)の扁平面(2
    a)に複数本接合されていることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記第1チューブ(2)と前記第2チュ
    ーブ(3)とはろう接されており、 さらに、前記扁平面(2a)には、溝(2d)が設けら
    れていることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
  6. 【請求項6】 前記両チューブ(2、3)は、ステンレ
    ス製であり、かつ、銅ろうにてろう付けされていること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の
    熱交換器。
  7. 【請求項7】 前記両チューブ(2、3)は、銅製であ
    り、かつ、リン銅ろうにてろう付けされていることを特
    徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱交
    換器。
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