JP2014024894A - ポリイミド樹脂、ポリイミド樹脂硬化物およびポリイミドフィルム - Google Patents

ポリイミド樹脂、ポリイミド樹脂硬化物およびポリイミドフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】透明性、耐熱性に優れ、耐有機溶剤性に優れるポリイミドフィルムを提供する。
【解決手段】式(I)で示される構成単位を有するポリイミド樹脂。
(式(I)中、Rは、環状構造、非環状構造、または環状構造と非環状構造を有する炭素数4〜10の4価の基である。Φは、脂肪族構成単位、脂環族構成単位、芳香族構成単位、オルガノシロキサン構成単位、またはこれらの組み合わせあるいは繰り返しからなる炭素数2〜39の2価の連結基であり、Φの主鎖には−O−、−SO−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−CO−、および−S−からなる群から選ばれた少なくとも1種の基が介在していてもよい。nは繰り返し単位であることを示す。X1、X2は、式(II)または式(III)で示される基、若しくは水素原子のいずれかであって、前記X1およびX2の少なくとも一方は式(II)または式(III)で示される基である。式(II)、式(III)中、X3は炭素数2〜10の基であり、エステル結合を有してもよい。X4は水素原子またはメチル基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は特定構造のポリイミド樹脂、前記ポリイミド樹脂に紫外線または電子線を照射して硬化させることにより得られる、透明性、耐熱性に優れ、耐有機溶剤性に優れるポリイミド樹脂硬化物およびポリイミドフィルムに関する。本発明のポリイミドフィルムは透明導電性フィルム、薄膜トランジスタ基板、フレキシブルプリント配線基板に利用される。
従来より、ポリイミドはその優れた耐熱性に加え、機械物性、耐薬品性、電気特性等の点において優れた特性を有しているために、成形材料、複合材料、電気・電子部品等の分野において幅広く用いられている。近年の電気・電子機器は小型化、薄型化、軽量化が著しく進歩しており、それを構成する部品の一つであるプラスチックフィルムに対しても、これまで以上に耐熱性、機械的特性、寸法安定性の点で長期にわたる信頼性を要求されている。
近年、高度情報化社会の到来に伴い、光ファイバー、光導波路等の光通信分野、液晶配向膜、カラーフィルター等表示装置分野では、耐熱性と透明性とを併せ持つ材料が求められている。特に表示装置分野では、軽量でフレキシブル性に優れたプラスチック基板へのガラス基板代替検討や曲げたり丸めたりすることが可能なディスプレイの開発が盛んに行われている。この分野では、透明性と耐熱性に加え、靭性にも優れる樹脂材料の開発が強く求められている。
しかしながら、一般にポリイミド樹脂は分子内共役や電荷移動錯体の形成により本質的に黄褐色に着色する。このような問題を解決すべく、特許文献1には、特定のテトラカルボン酸二無水物と直鎖または分岐した脂肪族ジアミンからなる無色透明ポリイミドが開示されている。特許文献2には、特定のテトラカルボン酸またはその二無水物を特定比率以上で用いた透明ポリイミド樹脂が開示されている。また、特許文献3には、ジアミン成分と酸二無水物成分とを混合し重合したポリアミド酸溶液を減圧下で加熱し、熱イミド化して得たポリイミド樹脂を溶媒で再度溶解し、流延塗布後に乾燥して得られる透明ポリイミドフィルムが開示されている。しかし、これらポリイミド樹脂は耐有機溶媒性が劣るという問題点がある。そのため、基板用および光学用フィルムとして使用されるとき、極性溶媒や溶媒を含むコーティング液に曝される場合、その表面の溶出または膨潤によりその形態が変わるため、フィルムの保護層なしにそれ自体で使用することが困難である。
特許第3702579号公報 特開2001−48983号公報 国際公開2002/66546号
本発明の課題は、透明性や耐熱性を有しながら、耐溶剤性が改善された透明ポリイミドフィルムを提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、脂肪族テトラカルボン酸構造を含む繰り返し単位を有するポリイミドを骨格として、末端にアクリル基またはメタクリル基を含む化合物を結合させ、紫外線等により硬化し乾燥させることで、透明性と耐熱性を有しながら耐有機溶剤性が改善されたポリイミド樹脂硬化物およびポリイミドフィルムが得られることを見出し、発明を完成させるに至った。
本明細書において、「(メタ)アクリル基」とは、アクリル基またはメタクリル基を意味するものとする。また「(メタ)アクリルモノマー」とは、アクリル基またはメタクリル基を有するモノマーを意味するものとする。
すなわち本発明は、下記の通りである。
1.下記式(I)で示されるポリイミド樹脂。
Figure 2014024894
Figure 2014024894
Figure 2014024894
(式(I)中、Rは、環状構造、非環状構造、または環状構造と非環状構造を有する炭素数4〜10の4価の基である。Φは、脂肪族構成単位、脂環族構成単位、芳香族構成単位、オルガノシロキサン構成単位、またはこれらの組み合わせあるいは繰り返しからなる炭素数2〜39の2価の連結基であり、Φの主鎖には−O−、−SO−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−CO−、および−S−からなる群から選ばれた少なくとも1種の基が介在していてもよい。nは繰り返し単位であることを示す。X1、X2は、式(II)または式(III)で示される基、若しくは水素原子のいずれかであって、前記X1およびX2の少なくとも一方は式(II)または式(III)で示される基である。式(II)、式(III)中、X3は炭素数2〜10の基であり、エステル結合を有してもよい。X4は水素原子またはメチル基である。)
2.前記式(I)中のRがシクロヘキサンから4個の水素原子を除いて形成される4価の基である上記1に記載のポリイミド樹脂。
3.テトラカルボン酸成分とジアミン成分を、前記ジアミン成分に対する前記テトラカルボン酸成分のモル比が0.80以上0.98以下の範囲において反応させる工程、前記工程を経て得られた化合物の末端に存在するアミノ基と、イソシアネート基またはエポキシ基を有する(メタ)アクリル化合物における前記イソシアネート基またはエポキシ基とを反応させることを特徴とする、式(I)で示されるポリイミド樹脂の製造方法。
4.上記1または2のいずれかに記載のポリイミド樹脂に、紫外線または電子線を照射して得られる、ポリイミド樹脂硬化物。
5.前記ポリイミド樹脂硬化物と、プラスチックフィルム、シリコンウェハー、金属箔およびガラスから選ばれる基材からなる積層体。
6.前記、基材が銅箔である、上記5に記載の積層体。
7.前記、ポリイミド樹脂硬化物からなる、ポリイミドフィルム。
本発明のポリイミドフィルムは、耐熱性や透明性を有しながら、有機溶媒を含むコーティング剤などに曝されても形態変化がないといった耐有機溶剤性にも優れることを特徴とする。
本発明のポリイミド樹脂は、下記式(I)で示される。
Figure 2014024894
Figure 2014024894
Figure 2014024894
(式(I)中、Rは、環状構造、非環状構造、または環状構造と非環状構造を有する炭素数4〜10の4価の基である。Φは、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基、およびオルガノシロキサン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する、炭素数2〜39の2価の基であり、Φの主鎖には−O−、−SO−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−CO−、および−S−からなる群から選ばれる少なくとも1種の基が介在していてもよい。nは繰り返し単位であることを示す。X1、X2は、式(II)または式(III)で示される基、若しくは水素原子のいずれかであって、前記X1およびX2の少なくとも一方は式(II)または式(III)で示される基である。式(II)、式(III)中、X3は炭素数2〜10の基であり、エステル結合を有してもよい。X4は水素原子またはメチル基である。)
上記式(I)における好ましいRとしてはシクロヘキサン、シクロペンタン、シクロブタン、ビシクロペンタン、およびこれらの立体異性体から4個の水素原子を除いて形成される4価の基が挙げられる。より具体的には、下記構造式で表される4価の基が挙げられる。
Figure 2014024894
中でもシクロヘキサンから4個の水素原子を除いて形成される4価の基がより好ましい。
上記式(I)におけるΦは、脂肪族構成単位、脂環族構成単位、芳香族構成単位、オルガノシロキサン構成単位、またはこれらの組み合わせあるいは繰り返しからなる炭素数2〜39の2価の連結基であり、Φの主鎖には−O−、−SO−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−CO−、および−S−からなる群から選ばれた少なくとも1種の基が介在していてもよい。ここでΦはシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン、ジメチルシクロヘキサン、イソフォロン、ノルボルナン、およびそれらのアルキル置換体、ハロゲン置換体;ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフォン、ベンゾフェノン、およびそれらのアルキル置換体,ハロゲン置換体;オルガノ(ポリ)シロキサンなどの化合物から2個の水素原子を除いて形成される2価の基が挙げられる。より具体的には、下記構造式で表される炭素数6〜27の2価の基が好ましく挙げられる。
Figure 2014024894
以下に、本発明のポリイミド樹脂の製造方法を示す。本発明のポリイミド樹脂は、
ステップ1:テトラカルボン酸成分とジアミン系成分を反応させ、末端にアミノ基を有するポリイミドを得る工程、
ステップ2:ステップ1で得られた末端にアミノ基を有するポリイミドと、イソシアネート基またはエポキシ基のいずれかの基および(メタ)アクリル基を有する化合物を反応させる工程、
を経て得られる。
ステップ1の工程について説明する。テトラカルボン酸成分としては、シクロヘキサンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸エステル類、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸エステル類、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸エステル類、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられるが、好ましいのはシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物である。さらに好ましいのはシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物である。なお、前記テトラカルボン酸成分は位置異性体を含む。
前記テトラカルボン酸成分の好ましい例としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸メチルエステル、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸メチルエステル、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸メチルエステル、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸メチルエステル、3−カルボキシメチル−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸メチルエステル、ジシクロヘキシルテトラカルボン酸、ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシルテトラカルボン酸メチルエステルが挙げられる。
中でも、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸メチルエステルは、ポリイミド樹脂を製造する際に高分子量化が容易で、フレキシブルなフィルムが得られ易い面で有利であるため、特に好ましい。
テトラカルボン酸成分は、フィルムのフレキシビリティ、熱圧着性を損なわない範囲で、他のテトラカルボン酸またはその誘導体、例えば、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、4,4−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、エチレンテトラカルボン酸、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、およびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。
ジアミン系成分としては、ジアミン、ジイソシアネート、ジアミノジシラン類などが上げられるが、好ましいのはジアミンである。ジアミン系成分中のジアミン含量は、好ましくは50モル%以上(100モル%を含む)である。
前記ジアミンは、脂肪族ジアミンであっても芳香族ジアミンであってもよく、それらの混合物でもよい。なお、本発明において“芳香族ジアミン”とは、アミノ基が芳香族環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族基、脂環基、その他の置換基を含んでいてもよい。“脂肪族ジアミン”とは、アミノ基が脂肪族基または脂環基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香族基、その他の置換基を含んでいてもよい。
一般に、脂肪族ジアミンを構成成分として使用すると、中間生成物であるポリアミド酸と脂肪族ジアミンが強固な錯体を形成するために、高分子量ポリイミドが得られにくい。そのため、錯体の溶解性が比較的高い溶剤、例えばクレゾール、を用いるなどの工夫が必要になる。しかし、シクロへキサンテトラカルボン酸またはその誘導体と脂肪族ジアミンを構成成分として用いると、ポリアミド酸と脂肪族ジアミンの結合が比較的弱い錯体が形成されるので、ポリイミドを容易に高分子量化できる。
前記脂肪族ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ポリプロピレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、シロキサンジアミン類などが挙げられる。
前記芳香族ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、2,6−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレンなどが挙げられる。
ステップ1において、テトラカルボン酸成分とジアミン成分を反応させる際に使用する有機溶媒は、環状エーテル、環状ケトン、環状エステル、アミド、およびウレアからなる群から選ばれる構造を少なくとも1つ含有する溶媒が好ましい。具体例としては、特に限定されないがγ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフランなどの非プロトン性の極性有機溶媒から選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましい。中でも、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルフォルムアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンより選ばれる一種以上であることがより好ましい。
ステップ1において、テトラカルボン酸成分とジアミン成分を反応させる際にイミド化触媒を使用してもよい。イミド化触媒としては、3級アミン化合物が好ましく、具体的にはトリメチルアミン、トリエチルアミン(TEA)、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、イミダゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリンなどが挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種の触媒の存在下で行うことができる。
ステップ1における反応温度は、通常160〜200℃の範囲であり、好ましくは170〜190℃の範囲、より好ましくは180〜190℃の範囲である。160℃未満であると、温度不足によりイミド化および高分子量化が十分に進行しない恐れがあり、200℃を超えると、溶液粘度が著しく増加した場合に反応容器の壁面に樹脂が焦げ付くなどの不具合が生じる恐れがある。なお、場合によってはトルエン、キシレンなどの共沸脱水剤を用いても良い。反応圧力は通常、常圧であるが、必要に応じて加圧でも反応を行うことができる。反応温度の保持時間としては、少なくとも1時間以上が必要であり、より好ましくは3時間以上である。1時間未満であると、イミド化および高分子量化が十分に進行しない恐れがある。反応時間について上限は特にないが、通常3〜10時間の範囲で行う。
前記テトラカルボン酸成分Aモルとジアミン成分Bモルとを、0.80≦A/B≦0.98の範囲で反応させることが好ましく、より好ましくは0.85≦A/B≦0.95である。0.80≦A/Bであれば、柔軟性が良好であり、また、A/B≦0.98であれば十分な耐有機溶剤性を有するポリイミド樹脂が得られる。
ステップ2は、ステップ1で得られた末端にアミノ基を有するポリイミドと、イソシアネート基またはエポキシ基のいずれかの基および(メタ)アクリル基を有する化合物を反応させ、末端に(メタ)アクリル基を有するポリイミド樹脂を得る工程である。
本発明に用いられるアミノ基と反応する基及び(メタ)アクリル基を有する化合物としては、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリラート、1、1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げられ、これらを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して使用してもかまわない。
ステップ2における反応温度は30〜100℃が好ましく、反応時間は1〜5時間であることが好ましい。
本発明のポリイミド樹脂硬化物およびポリイミドフィルムは、特に制限されないが下記の方法によって製造される。
ステップ2で得られた、末端に(メタ)アクリル基を有するポリイミドを含む溶液に対して、光重合開始剤を混合してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチループロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられ、これらを単独で用いても良いし、二成分以上を混合して使用してもかまわない。光重合開始剤は末端に(メタ)アクリル基を有するポリイミド樹脂を含む溶液中の固形分に対して0.1〜10重量部の割合で混合するのが好ましい。
また、ステップ2で得られた、末端に(メタ)アクリル基を有するポリイミドを含む溶液に対して2官能以上の(メタ)アクリルモノマーを混合してもよい。混合する(メタ)アクリルモノマーの構造により、柔軟性や耐熱性を制御することができる。この(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらを単独で用いても良いし、二成分以上を組み合わせて使用してもかまわない。これらの2官能以上の(メタ)アクリルモノマーは、末端に(メタ)アクリル基を有するポリイミドを含む溶液中の固形分に対して、1/2〜4倍モルの割合で混合するのが好ましい。
続いて、末端に(メタ)アクリル基を有するポリイミドを含む溶液を基材上に塗布する。基材上に塗布する方法としては、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、大コート法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。基板上に塗布する際、末端に(メタ)アクリル基を有するポリイミドを含む溶液の固形分濃度を、5〜20重量%の範囲になるように調整することが好ましい。必要であれば有機溶媒で希釈してもよい。希釈用の有機溶媒としては、段落0030に記載された有機溶媒を使用することができる。
前記基材としては、ガラス、シリコンウェハー、金属箔、プラスチックフィルムが挙げられる。上記金属箔の中でも特に銅箔が好適に使用される。
続いて、基材上に塗布して得られた塗膜に紫外線を照射し、ポリイミド樹脂硬化物(硬化膜)を得る。紫外線照射量は、積算照射量が500mJ/cm2以上であることが好ましい。
次に、前記ポリイミド樹脂硬化物(硬化膜)に含まれる溶媒を蒸発させるために加熱処理を行う。加熱処理条件としては、加熱温度が250℃以上であり、加熱時間は1〜5時間であることが好ましい。その後、基材から加熱処理後のポリイミド樹脂硬化物(硬化膜)を剥離し、ポリイミドフィルムが得られる。ポリイミドフィルムの厚さは、20μm〜500μmの範囲であることが好ましい。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
実施例および比較例で得たポリイミドフィルムの評価は以下のように行った。
・ ガラス転移温度
エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の示差走査熱量計装置(DSC6200)を用い、昇温速度10℃/minの条件でDSC測定を行い、ガラス転移温度を求めた。
・ 全光線透過率、ヘイズ
日本電色工業株式会社製色彩・濁度同時測定器(COH400)を用いて測定した。
(3)耐有機溶剤性
50mLの三角フラスコへポリイミドフィルム0.1gと各有機溶剤を20mL入れ、マグネチックスターラーで24時間攪拌し耐有機溶剤性を評価した。○:溶解しない、×:溶解した
<参考例1>
1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物の合成
内容積5リットルのハステロイ製(HC22)オートクレーブにピロメリット酸552g、活性炭にロジウムを担持させた触媒(エヌ・イーケムキャット株式会社(N.E. Chemcat Corporation)製)200g、水1656gを仕込み、攪拌をしながら反応器内を窒素ガスで置換した。次に水素ガスで反応器内を置換し、反応器の水素圧を5.0MPaとして60℃まで昇温した。水素圧を5.0MPaに保ちながら2時間反応させた。反応器内の水素ガスを窒素ガスで置換し、反応液をオートクレーブより抜き出し、この反応液を熱時濾過して触媒を分離した。濾過液をロータリーエバポレーターで減圧下に水を蒸発させて濃縮し、結晶を析出させた。析出した結晶を室温で固液分離し、乾燥して1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸481g(収率85.0%)を得た。
続いて、得られた1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸450gと無水酢酸4000gとを、5リットルのガラス製セパラブルフラスコ(ジムロート冷却管付)に仕込み、攪拌しながら反応器内を窒素ガスで置換した。窒素ガス雰囲気下で溶媒の還流温度まで昇温し、10分間溶媒を還流させた。攪拌しながら室温まで冷却し、結晶を析出させた。析出した結晶を固液分離し、乾燥して一次結晶を得た。更に分離母液をロータリーエバポレーターで減圧下に濃縮し、結晶を析出させた。この結晶を固液分離し、乾燥して二次結晶を得た。一次結晶、二次結晶を合わせて1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物375gが得られた(無水化の収率96.6%)。
<参考例2>
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えた500mL5つ口フラスコに、窒素気流下、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン48.9g(0.119モル)と、溶剤としてγ―ブチロラクトン 91.6gおよびN,N−ジメチルアセトアミド 22.9gを仕込んで溶解させた後、参考例1で合成した1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物24.1g(0.107モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン0.5g(0.005モル)を一括で添加した。滴下終了後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら5時間還流を行い末端にアミノ基を有するポリイミドを含む溶液を得た。
<参考例3>
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えた500mL5つ口フラスコに、窒素気流下、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン48.7g(0.119モル)と、溶剤としてγ―ブチロラクトン 91.6gおよびN,N−ジメチルアセトアミド 22.9gを仕込んで溶解させた後、参考例1で合成した1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物25.3g(0.113モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン0.5g(0.005モル)を一括で添加した。滴下終了後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら5時間還流を行い末端にアミノ基を有するポリイミドを含む溶液を得た。
<参考例4>
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えた500mL5つ口フラスコに、窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル35.5g(0.177モル)と、溶剤としてγ―ブチロラクトン 94.1gおよびN,N−ジメチルアセトアミド 23.5gを仕込んで溶解させた後、参考例1で合成した1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物35.8g(0.160モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン0.8g(0.005モル)を一括で添加した。滴下終了後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら5時間還流を行い末端にアミノ基を有するポリイミドを含む溶液を得た。
<参考例5>
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えた500mL5つ口フラスコに、窒素気流下、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)35.6g(0.097モル)と、溶剤としてγ―ブチロラクトン 69.0gおよびN,N−ジメチルアセトアミド17.2gを仕込んで溶解させた後、参考例1で合成した1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物20.6g(0.092モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン0.5g(0.005モル)を一括で添加した。滴下終了後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら5時間還流を行い末端にアミノ基を有するポリイミドを含む溶液を得た。
<実施例1>
参考例2で合成した末端にアミノ基を有するポリイミドを含む溶液中に、2−イソシアナトエチルアクリラートを3.4g(0.024モル)添加し、60℃で3時間反応後、末端にアクリル基を有するポリイミドを含む溶液を得た。得られたポリイミド溶液に、樹脂固形分換算で0.1重量部の光重合開始剤を添加した。続いてガラス板上へ、ポリイミド溶液を塗布し、積算照射量4,800mJ/cm2で紫外線照射後、熱風乾燥機中250℃で2時間加熱し溶媒を蒸発させ、厚み100μmのポリイミドフィルムを得た。結果を表1に示す。
<実施例2>
前記実施例1で得られた、末端にアクリル基を有するポリイミドを含む溶液に対して、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートを8.0g(0.024モル)添加した以外は、実施例1と同様の方法で厚み100μmのポリイミドフィルムを得た。結果を表1に示す。
<実施例3>
前記実施例1で得られた、末端にアクリル基を有するポリイミドを含む溶液に対して、トリメチロールプロパントリアクリレートを4.7g(0.016モル)添加した以外は、実施例1と同様の方法で厚み100μmのポリイミドフィルムを得た。結果を表1に示す。
<実施例4>
参考例3で合成した末端にアミノ基を有するポリイミドを含む溶液中に、2−イソシアナトエチルアクリラートを1.6g(0.012モル)添加し、60℃で3時間反応後、末端にアクリル基を有するポリイミドを含む溶液を得た。得られたポリイミド溶液に、樹脂固形分換算で0.1重量部の光重合開始剤を添加した。続いてガラス板上へ、ポリイミド溶液を塗布し、積算照射量4,800mJ/cm2で紫外線照射後、熱風乾燥機中250℃で2時間加熱し溶媒を蒸発させ、厚み100μmのポリイミドフィルムを得た。結果を表1に示す。
<実施例5>
前記実施例4で得られた、末端にアクリル基を有するポリイミドを含む溶液に対して、トリメチロールプロパントリアクリレートを2.4g(0.008モル)添加した以外は、実施例4と同様の方法で厚み100μmのポリイミドフィルムを得た。結果を表1に示す。
<実施例6>
参考例4で合成した末端にアミノ基を有するポリイミドを含む溶液中に、2−イソシアナトエチルアクリラートを3.4g(0.024モル)添加し、60℃で3時間反応後、末端にアクリル基を有するポリイミドを含む溶液を得た。得られたポリイミド溶液に、樹脂固形分換算で0.1重量部の光重合開始剤を添加した。続いてガラス板上へ、ポリイミド溶液を塗布し、積算照射量4,800mJ/cm2で紫外線照射後、熱風乾燥機中280℃で2時間加熱し溶媒を蒸発させ、厚み100μmのポリイミドフィルムを得た。結果を表1に示す。
<実施例7>
2−イソシアナトエチルアクリラートの変わりに、1、1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートを7.3g(0.035モル)を用いた以外は実施例6と同様の方法で厚み100μmのポリイミドフィルムを得た。結果を表1に示す。
<実施例8>
前記実施例6で得られた、末端にアクリル基を有するポリイミドを含む溶液に対して、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートを11.6g(0.035モル)添加した以外は、実施例6と同様の方法で厚み100μmのポリイミドフィルムを得た。結果を表1に示す。
<実施例9>
前記実施例6で得られた、末端にアクリル基を有するポリイミドを含む溶液に対して、トリメチロールプロパントリアクリレートを6.8g(0.023モル)添加した以外は、実施例6と同様の方法で厚み100μmのポリイミドフィルムを得た。結果を表1に示す。
<実施例10>
参考例5で合成した末端にアミノ基を有するポリイミドを含む溶液中に、2−イソシアナトエチルアクリラートを1.4g(0.010モル)添加し、60℃で3時間反応後、樹脂固形分0.1重量部の光重合開始剤を添加し、末端にアクリル基を有するポリイミドを含む溶液を得た。得られたポリイミド溶液に、樹脂固形分換算で0.1重量部の光重合開始剤を添加した。続いてガラス板上へ、得られたポリイミド溶液を塗布し、積算照射量4,800mJ/cm2で紫外線照射後、熱風乾燥機中280℃で2時間加熱し溶媒を蒸発させ、厚み100μmのポリイミドフィルムを得た。結果を表1に示す。
<比較例1>
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えた500mL5つ口フラスコに、窒素気流下、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン13.5g(0.060モル)と、溶剤としてγ―ブチロラクトン 45.8gおよびN,N−ジメチルアセトアミド 11.5gを仕込んで溶解させた後、参考例1で合成した1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物13.5g(0.06モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン0.5g(0.005モル)を一括で添加した。滴下終了後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら5時間還流を行い、反応終了とし、内温が100℃になるまで空冷した後、希釈溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミド86.8gを加え、攪拌しながら冷却し、固形分濃度20重量%のポリイミド溶液を得た。続いてガラス板上へ、得られたポリイミド溶液を塗布し、ホットプレートで100℃、60分間保持し、溶媒を揮発させることで自己支持性を有する無色透明な一次乾燥フィルムを得た。このフィルムをステンレス枠に固定し、熱風乾燥機中250℃で2時間加熱し溶媒を蒸発させ、厚み100μmのフィルムを得た。結果を表1に示す。
<比較例2>
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えた500mL5つ口フラスコに、窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル18.6g(0.093モル)と、溶剤としてγ―ブチロラクトン 47.2gおよびN,N−ジメチルアセトアミド 11.8gを仕込んで溶解させた後、参考例1で合成した1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物20.8g(0.093モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン0.5g(0.005モル)を一括で添加した。滴下終了後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら5時間還流を行い、反応終了とし、内温が100℃になるまで空冷した後、希釈溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミド85.0gを加え、攪拌しながら冷却し、固形分濃度20重量%のポリイミド溶液を得た。続いてガラス板上へ、得られたポリイミド溶液を塗布し、ホットプレートで100℃、60分間保持し、溶媒を揮発させることで自己支持性を有する無色透明な一次乾燥フィルムを得た。このフィルムをステンレス枠に固定し、熱風乾燥機中250℃で2時間加熱し溶媒を蒸発させ、厚み100μmのフィルムを得た。結果を表1に示す。
<比較例3>
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えた500mL5つ口フラスコに、窒素気流下、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)23.9g(0.065モル)と、溶剤としてγ―ブチロラクトン 46.0gおよびN,N−ジメチルアセトアミド 11.5gを仕込んで溶解させた後、参考例1で合成した1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物14.5g(0.065モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン0.5g(0.005モル)を一括で添加した。滴下終了後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら5時間還流を行い、反応終了とし、内温が100℃になるまで空冷した後、希釈溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミド86.5gを加え、攪拌しながら冷却し、固形分濃度20重量%のポリイミド溶液を得た。続いてガラス板上へ、得られたポリイミド溶液を塗布し、ホットプレートで100℃、60分間保持し、溶媒を揮発させることで自己支持性を有する無色透明な一次乾燥フィルムを得た。このフィルムをステンレス枠に固定し、熱風乾燥機中250℃で2時間加熱し溶媒を蒸発させ、厚み100μmのフィルムを得た。結果を表1に示す。
Figure 2014024894
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
GBL:γ―ブチロラクトン

Claims (7)

  1. 下記式(I)で示されるポリイミド樹脂。
    Figure 2014024894
    Figure 2014024894
    Figure 2014024894
    (式(I)中、Rは、環状構造、非環状構造、または環状構造と非環状構造を有する炭素数4〜10の4価の基である。Φは、脂肪族構成単位、脂環族構成単位、芳香族構成単位、オルガノシロキサン構成単位、またはこれらの組み合わせあるいは繰り返しからなる炭素数2〜39の2価の連結基であり、Φの主鎖には−O−、−SO−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−CO−、および−S−からなる群から選ばれた少なくとも1種の基が介在していてもよい。nは繰り返し単位であることを示す。X1、X2は、式(II)または式(III)で示される基、若しくは水素原子のいずれかであって、前記X1およびX2の少なくとも一方は式(II)または式(III)で示される基である。式(II)、式(III)中、X3は炭素数2〜10の基であり、エステル結合を有してもよい。X4は水素原子またはメチル基である。)
  2. 前記式(I)中のRがシクロヘキサンから4個の水素原子を除いて形成される4価の基である請求項1記載のポリイミド樹脂。
  3. テトラカルボン酸成分とジアミン成分を、前記ジアミン成分に対する前記テトラカルボン酸成分のモル比が0.80以上0.98以下の範囲において反応させる工程、前記工程を経て得られた化合物の末端に存在するアミノ基と、イソシアネート基またはエポキシ基を有する(メタ)アクリル化合物における前記イソシアネート基またはエポキシ基とを反応させることを特徴とする、式(I)で示されるポリイミド樹脂の製造方法。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載のポリイミド樹脂に、紫外線または電子線を照射して得られる、ポリイミド樹脂硬化物。
  5. 前記ポリイミド樹脂硬化物と、プラスチックフィルム、シリコンウェハー、金属箔およびガラスから選ばれる基材からなる積層体。
  6. 前記、基材が銅箔である、請求項5に記載の積層体。
  7. 前記、ポリイミド樹脂硬化物からなる、ポリイミドフィルム。




































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