JP2014024618A - 折り曲げ式クレーン - Google Patents

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Abstract

【課題】クレーン展開時にシリンダーに作用する負荷を軽減してクレーンの大型化を抑制すると共に、必要なクレーン展開角度を確保することができ、且つ、クレーン格納時のコンパクト化を図ることができる折り曲げ式クレーンを提供すること。
【解決手段】クレーン支持台3に下端部41が差し込まれて起立するコラム4の先端部42に、一端部51が上下回動可能に支持されるリンクブーム5と、リンクブーム5の先端部52に、一端部61が上下回動可能に支持されると共に、途中位置が折り曲げ可能なブームBと、コラム4とブームBに、両端部81a,82aがそれぞれ上下回動可能に支持された伸縮自在なシリンダー8と、を備え、シリンダー8の一端部81aを、コラム4の先端部42近傍位置に支持し、シリンダー8の他端部82aを、ブームBの折曲部(第3回動支持軸)J3近傍位置に支持した。
【選択図】図2

Description

本発明は、コラムの先端に取り付けられたブームが、途中位置から折り曲げられて側方格納される折り曲げ式クレーンに関するものである。
従来、トラック等の車両の荷台に起立支持されるコラムと、このコラムの先端部に一端部が上下回動可能に支持されると共に、途中位置が折り曲げ可能なブームと、コラムの下端部の近傍とブームの一端部の近傍に、両端がそれぞれ固定された伸縮自在なシリンダーと、を備えた折り曲げ式クレーンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000-357019号公報
しかしながら、従来の折り曲げ式クレーンにあっては、シリンダーを伸長することでブームを上方に回動させてのクレーン展開時、シリンダーに作用する負荷が大きくなり、大型のシリンダーが必要となっていた。そのため、クレーン全体が大型化し、重量も重くなるという問題があった。
しかも、この折り曲げ式クレーンは、トラック等の車両に搭載されるため、シリンダーを縮小することでブームを下方に回動させてのクレーン格納時には、コンパクトに折りたたむ必要があった。
また、この折り曲げ式クレーンにおける展開角度、つまりブームの回動角度は、クレーン用途に応じて設定されるものであり、用途に応じた必要なクレーン展開角度を確保しなければならないという問題もあった。
そこで、本発明は、上記問題に着目してなされたものであり、クレーン展開時にシリンダーに作用する負荷を軽減してクレーンの大型化を抑制すると共に、必要なクレーン展開角度を確保することができ、且つ、クレーン格納時のコンパクト化を図ることができる折り曲げ式クレーンを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の折り曲げ式クレーンは、コラムと、リンクブームと、メインブームと、シリンダーと、を備えている。
前記コラムは、クレーン支持台に下端部が差し込まれて起立する。
前記リンクブームは、前記コラムの先端部に、一端部が上下回動可能に支持される。
前記メインブームは、前記リンクブームの先端部に、一端部が上下回動可能に支持されると共に、途中位置が折り曲げ可能となっている。
前記シリンダーは、伸縮自在であって、前記コラムと前記ブームに、両端部がそれぞれ固定され、前記シリンダーの一端部を、前記コラムの先端部近傍位置に支持し、前記シリンダーの他端部を、前記ブームの折曲部近傍位置に支持した。
よって、本発明の折り曲げ式クレーンにあっては、クレーン格納状態からシリンダーが伸長すると、まずブームがリンクブームとの連結位置である一端部を中心に上方に回動し、ブームが展開する。このとき、リンクブームは回動しない。そして、さらにシリンダーが伸長し、ブームに対するシリンダーの取付位置がリンクブーム軸方向に一致したら、リンクブームとブームが一体になって、コラムとの連結位置であるリンクブームの一端部を中心に上方に回動する。すなわち、シリンダーの伸長長さに伴って、ブーム及びリンクブームの回動中心位置が変化しながらクレーン展開が行われる。
そして、両端部がそれぞれコラムとブームに固定されたシリンダーは、一端部がコラムの先端部近傍位置に支持され、他端部がブームの折曲部近傍位置に支持されているので、
ブームの回動中心位置とブームに対するシリンダーの取付位置との距離を大きく確保することができる。そのため、クレーン展開時にシリンダーに作用する負荷を軽減してクレーンの大型化を抑制することができる。
また、ブームに対するシリンダーの取付位置がリンクブーム軸方向に一致したら、リンクブームの一端部を中心に上方にリンクブームとブームが一体になって回動する。このため、ブームの回動中心位置とコラムに対するシリンダーの取付位置との水平方向のずれが小さくなる。これにより、ブームの回動角度であるクレーンの展開角度を大きく確保することができる。
さらに、リンクブーム及びブームが最も下方に回動したクレーン格納状態では、リンクブームをコラムとブームの間に介装することで、コラムとブームの間にシリンダー配置可能空間を確保することができる。これにより、クレーン格納時のコンパクト化を図ることができる。
実施例1の折り曲げ式クレーンを塔載したトラックを示す概略側面図である。 実施例1のクレーン本体の格納状態を示す側面図である。 実施例1のクレーン支持台を示す斜視図である。 実施例1のクレーン本体の展開動作を示す図であり、ブーム水平展開状態を示す側面図である。 実施例1のクレーン本体の展開動作を示す図であり、ブーム最大展開状態を示す側面図である。 比較例の折り曲げ式クレーンのクレーン本体を示す側面図である。 図7は、比較例の折り曲げ式クレーンのクレーン本体を示す側面図であり、(a)は水平展開状態を示し、(b)は最大展開状態を示している。 ブームに作用するモーメントのつりあいを説明する説明図である。 比較例の折り曲げ式クレーンの変形例における構造と動作を示す模式図である。 実施例1の折り曲げ式クレーンにおける構造と動作を示す模式図である。
以下、本発明の折り曲げ式クレーンを実現するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1の折り曲げ式クレーンの構成を、「折り曲げ式クレーンが適用された車両の全体構成」、「クレーン本体の詳細構成」に分けて説明する。
[折り曲げ式クレーンが塔載された車両の全体構成]
図1は、実施例1の折り曲げ式クレーンを塔載したトラックを示す概略側面図である。以下、図1に基づき、折り曲げ式クレーンを搭載した車両の全体構成を説明する。
図1に示すトラック(車両)Tは、左右前輪FL,FRと、左右後輪RL,RRと、運転室Rと、荷台Lと、を備えている。そして、運転室Rの近傍後方の荷台Lには、折り曲げ式クレーン1が搭載されている。なお、荷台Lの荷物搭載部L1と折り曲げ式クレーン1との間には、仕切壁Hが設けられている。
前記折り曲げ式クレーン1は、例えば木材をトラックTの荷物搭載部L1から積み下ろしする際に使用されるクレーンである。使用時(作業時)には図1に示すように展開され、非使用時(格納時)には折りたたまれて運転室Rと仕切壁Hの間に格納される。この折り曲げ式クレーン1は、荷台L上に固定された台座1Aと、前記台座1Aに起立支持されるクレーン本体1Bと、クレーン本体1Bに設けられたクレーン操作部1Cと、を備えている。
前記台座1Aは、荷台Lに固定される部位であり、図示しないアウトリガが設けられている。前記アウトリガは、クレーン本体1Bの展開時に車体側方に張り出し、作業安定性を確保する。
前記クレーン本体1Bは、油圧による展開・格納制御がなされるクレーンである。詳細については後述する。
前記クレーン操作部1Cは、後述するコラム4の側方に設けられ、オペレータが座るシート2aと、コントロールレバー2bと、梯子2cと、を有している。なお、シート2a及びコントロールレバー2bは、クレーン本体1Bに向かって傾倒可能となっている。
[クレーン本体の詳細構成]
図2は、格納状態のクレーン本体を示す側面図であり、図3は、クレーン支持台を示す斜視図である。以下、図2及び図3に基づき、クレーン本体の詳細構成を説明する。
前記クレーン本体1Bは、図2に示すように、クレーン支持台3と、コラム4と、リンクブーム5と、ブームBと、シリンダー8と、サブシリンダー9と、を備えている。
前記クレーン支持台3は、台座1Aに固定された中空の角錐鋼材であり、図3に示すように、上端面31にコラム4が差し込まれる差し込み開口32が形成されている。また、このクレーン支持台3の内部底面3aには、差し込み開口32に対向するコラム受け33が形成されている。なお、差し込み開口32及びコラム受け33の内側には、コラム4を回動可能に支持するベアリング(図示せず)が設けられている。また、このクレーン支持台3の外側には、図示しないブーム受けが設けられている。
さらに、このクレーン支持台3の互いに対向する両側面(支持台側面)3b,3bには、クレーン支持台3に差し込まれたコラム4の軸方向(上下方向)に並んだ一対のラックギヤシャフト34,34がそれぞれ貫通する。また各側面3bには、この側面3bから突出したラックギヤシャフト34の端部34aをカバーする案内カバー35が設けられている。
前記ラックギヤシャフト34は、中間部の側面にラックギヤ歯34bが形成された金属シャフトである。各ラックギヤシャフト34は、図示しない油圧システムによって軸方向に往復動可能となっており、各端部34a,34aは、それぞれ案内カバー35内で摺動可能となっている。
前記コラム4は、図2に示すように、下端部41が差し込み開口32を介してクレーン支持台3の内部に差し込まれて起立し、先端部42にリンクブーム5の一端部51が上下回動可能に支持される。このとき、クレーン支持台3から突出した部位は、鉛直方向に対して傾斜する。そして、図3に示すように、クレーン支持台3に差し込まれた下端(下端部先端)41aは、コラム受け33に嵌合し、図示しないベアリングによって軸方向周りに回転可能に支持される。また、差し込み開口32に対する接触面も、図示しないベアリングによって軸方向周りに回転可能に支持される。
さらに、コラム4の下端部41の周面には、クレーン支持台3の内部に配置される軸方向(上下方向)に並んだ一対のピニオンギヤ43,43が形成されている。各ピニオンギヤ43は、コラム4の周面に沿って環状に形成され、クレーン支持台3を貫通するラックギヤシャフト34のラックギヤ歯34bと噛合する。
一方、前記コラム4の先端部42には、軸貫通孔(図示せず)が形成され、リンクブーム5の一端部51に形成された軸貫通孔(図示せず)と共に第1回動支持軸J1が貫通する。これにより、コラム4に対してリンクブーム5が上下回動可能となる。
さらに、前記コラム4の中間部には、第1シリンダー支持部44が設けられると共に、規制リブ(回動規制手段)45が形成されている。
前記第1シリンダー支持部44は、コラム4の先端部42の近傍位置から側方に突出する金属片であり、シリンダー8の一端部であるハウジング81に設けられた取付片81aを上下回動可能に支持する。この第1シリンダー支持部44には、軸貫通孔(図示せず)が形成され、シリンダー8の取付片81aに形成された軸貫通孔(図示せず)と共に第1シリンダー支持軸J4が貫通する。これにより、コラム4に対してシリンダー8が上下回動可能となる。
なお、「先端部42の近傍位置」とは、コラム4のうち、クレーン支持台3から突出した部位の上下方向中央位置よりも先端部42側の領域である。
前記規制リブ45は、第1回動支持軸J1と第1シリンダー支持部44との間に配置され、水平方向側方に突出する金属片である。この規制リブ45には、リンクブーム5の下側面53が干渉し、リンクブーム5が水平方向よりも下方に回動することを規制する。
前記リンクブーム5は、長尺金属部材であり、図2に示すように、一端部51がコラム4に上下回動可能に支持されると共に、先端部52にブームBの後述するメインブーム6の一端部61が上下回動可能に支持される。ここで、リンクブーム5の先端部52には、一端部51と同様に軸貫通孔(図示せず)が形成され、メインブーム6の一端部61に形成された軸貫通孔(図示せず)と共に第2回動支持軸J2が貫通する。これにより、リンクブーム5に対してメインブーム6が上下回動可能となる。
また、第1回動支持軸J1(コラム4に対するリンクブーム5の回動中心位置)と、第2回動支持軸J2(リンクブーム5に対するメインブーム6の回動中心位置)との間の間隔寸法W1は、クレーン本体1Bが格納状態のときに、コラム4とメインブーム6の間にシリンダー8を配置可能な大きさに設定される。
ここで「クレーン本体1Bが格納状態」とは、リンクブーム5及びメインブーム6が下方に向かって最大回動した状態(図2参照)である。なお、リンクブーム5の下方への最大回動状態は、規制リブ45によって規制される水平状態である。また、メインブーム6の下方への最大回動状態は、リンクブーム5に対してほぼ直角に曲がった状態である。
前記ブームBは、途中位置が折り曲げ可能となっており、折曲部を中心にメインブーム6とサブブーム7とに分かれている。
前記メインブーム6は、図2に示すように、一端部61がリンクブーム5に上下回動可能に支持されると共に、先端部62にサブブーム7の一端部71が上下回動可能に支持される。ここで、メインブーム6の先端部62には、一端部61と同様に軸貫通孔(図示せず)が形成され、サブブーム7の一端部71に形成された軸貫通孔(図示せず)と共に第3回動支持軸J3が貫通する。これにより、メインブーム6に対してサブブーム7が上下回動可能となる。なお、この第3回動支持軸J3がブームBの折曲部となる。
さらに、前記メインブーム6の中間部には、第2シリンダー支持部63と、第3シリンダー支持部64と、が設けられる。
前記第2シリンダー支持部63は、メインブーム6の先端部62の近傍位置から側方に突出する金属片であり、シリンダー8の他端部であるロッド先端82aを上下回動可能に支持する。この第2シリンダー支持部63には、軸貫通孔(図示せず)が形成され、シリンダー8のロッド先端82aに形成された軸貫通孔(図示せず)と共に第2シリンダー支持軸J5が貫通する。これにより、シリンダー8に対してメインブーム6が上下回動可能となる。
なお、「先端部62の近傍位置」とは、メインブーム6の長手方向中央位置よりも先端部62側の領域である。
前記第3シリンダー支持部64は、メインブーム6の側面に形成された軸貫通孔から構成され、サブシリンダー9の一端部であるハウジング91に設けられた取付片91aを上下回動可能に支持する。この第3シリンダー支持部64には、メインブーム6の内部に配置されたサブシリンダー9の取付片91aに形成された軸貫通孔(図示せず)と共に第3シリンダー支持軸J6が貫通する。これにより、メインブーム6に対してサブシリンダー9が上下回動可能となる。
前記サブブーム7は、図2に示すように、一端部71がメインブーム6に上下回動可能に支持されると共に、先端部72に吊具S(図1参照)を吊り下げ可能な取付機構73が設けられている。ここで、取付機構73には、ピン貫通孔73aが形成され、吊具Sに設けられたブラケット(図示せず)と共に吊具用ピン(図示せず)が貫通する。これにより、サブブーム7に吊具Sが吊り下げられる。また、このサブブーム7は、いわゆるテレスコピック構造であり、取付機構73を有するインナブームが、メインブーム6に支持されたアウタブームの内側に出没可能に収納されている。
さらに、このサブブーム7の一端(一端部71側の端部)71aには、サブシリンダー9のロッド先端92aを上下回動可能に支持する第4シリンダー支持部74が設けられる。この第4シリンダー支持部74は、サブブーム7の側面に形成された軸貫通孔から構成される。そして、この第4シリンダー支持部74には、サブシリンダー9のロッド先端92aに形成された軸貫通孔(図示せず)と共に第4シリンダー支持軸J7が貫通する。これにより、サブシリンダー9に対してサブブーム7が上下回動可能となる。
前記シリンダー8は、図示しない油圧システムによって駆動する油圧シリンダーであり、筒状のハウジング81と、このハウジング81から出没するピストンロッド82とを備えている。前記ハウジング81は、コラム4側端部に取付片81aが形成され、コラム4の第1シリンダー支持部44に上下回動可能に支持されている。また、前記ピストンロッド82のロッド先端82aは、メインブーム6の第2シリンダー支持部63に上下回動可能に支持されている。
すなわち、このシリンダー8は、一端部である取付片81aがコラム4の先端部42の近傍位置に支持され、他端部であるロッド先端82aがメインブーム6の先端部62の近傍位置に支持されている。
前記サブシリンダー9は、図示しない油圧システムによって駆動する油圧シリンダーであり、筒状のハウジング91と、このハウジング91から出没するピストンロッド92とを備えている。前記ハウジング91は、メインブーム6の内側に配置される端部に取付片91aが形成され、メインブーム6の第3シリンダー支持部64に上下回動可能に支持されている。また、前記ピストンロッド92のロッド先端92aは、サブブーム7の第4シリンダー支持部74に上下回動可能に支持されている。
次に、作用を説明する。
まず、実施例1の折り曲げ式クレーンの起伏動作について説明し、続いて、比較例の折り曲げ式クレーンの構成・動作・課題について説明する。そして、実施例1の折り曲げ式クレーンにおける作用を「クレーン格納時作用」、「クレーン展開時作用」、「クレーン回転時作用」に分けて説明する。
[折り曲げ式クレーンの起伏動作]
図4及び図5は、実施例1のクレーン本体の展開動作を示す図であり、ブーム水平展開状態と、ブーム最大展開状態を示す側面図である。以下、図2及び図4,5に基づき、折り曲げ式クレーンの起伏動作を説明する。
実施例1の折り曲げ式クレーン1において、前記クレーン本体1Bは、シリンダー8の伸縮動作に伴ってメインブーム6やリンクブーム5が上下回動し、図2に示す格納状態から図4及び図5に示す展開状態へと変形する。さらに、このクレーン本体1BのブームBは、サブシリンダー9の伸縮動作に伴ってサブブーム7がメインブーム6に対して上下回動し、図2に示す格納状態から図4に示す展開状態、さらに図5に示す屈曲状態へと変形する。
(シリンダー8の伸縮に伴う動作)
実施例1の折り曲げ式クレーン1では、コラム4とメインブーム6の間にシリンダー8が設けられている。そのため、シリンダー8のハウジング81内にピストンロッド82が入り込んで縮小することで、コラム4に対してメインブーム6が引き付けられる。このため、シリンダー8が最も縮んでいるときには、メインブーム6は第2回動支持軸J2を中心に最も下方に回動した状態となる。なお、このときメインブーム6は、クレーン支持台3に設けたブーム受け(図示せず)に接触することで安定する。
一方、リンクブーム5は、シリンダー8を介して連結されたコラム4とメインブーム6の間に介装されている。そのため、このリンクブーム5は、メインブーム6に対するシリンダー8の取付位置である第2シリンダー支持部63が、リンクブーム5の軸方向と一致する以上にメインブーム6が上方に回動したとき、メインブーム6の回動に伴って上下回動する。また、リンクブーム5の下方への回動は、規制リブ45によって水平状態までに規制される。このため、リンクブーム5は水平状態から下方には回動することができない。すなわち、シリンダー8が最も縮んでいるときには、リンクブーム5は水平状態となる。
そして、ピストンロッド82がハウジング81から突出し、シリンダー8が伸長していくと、このピストンロッド82の突出力がメインブーム6の第2シリンダー支持部63に作用し、図4に示すように、メインブーム6は第2回動支持軸J2を中心に上方に向かって回動する。また、このとき、第2シリンダー支持部63がリンクブーム5の軸方向に一致していないため、リンクブーム5は水平状態のまま保持される。
さらに、シリンダー8のピストンロッド82が突出し、メインブーム6の第2シリンダー支持部63がリンクブーム5の軸方向に一致すれば、クレーン本体1Bは図4に示す水平展開状態となる。
そして、シリンダー8のピストンロッド82がさらに突出すると、メインブーム6はさらに上方に押し上げられる。また、リンクブーム5は、メインブーム6によってピストンロッド82の軸方向に引っ張られる。これにより、リンクブーム5及びメインブーム6は、第2シリンダー支持部63とリンクブーム5の軸方向が一致した状態のまま、一体となって第1回動支持軸J1を中心に上方に回動する。なお、このとき、メインブーム6は、ピストンロッド82の軸方向に沿って作用する突出力によって上方に引っ張られるため、第2回動支持軸J2を中心にメインブーム6が回動することはない。
そして、シリンダー8が最も伸びると、メインブーム6及びリンクブーム5の上方への回動は停止し、クレーン本体1Bは図5に示す最大展開状態となる。なお、この最大展開状態からシリンダー8が収縮するときには、メインブーム6及びリンクブーム5は、シリンダー伸長時とは逆の動作で回動し、最終的に図2に示す格納状態となる。
(サブシリンダー9の伸縮に伴う動作)
実施例1の折り曲げ式クレーン1では、メインブーム6とサブブーム7の間にサブシリンダー9が設けられている。ここで、サブシリンダー9のハウジング91内からピストンロッド92が突出することで、メインブーム6に対してサブブーム7が引き付けられる。すなわち、サブシリンダー9が最も伸長しているときに、第3回動支持軸J3よりも第4シリンダー支持軸J7が下方に位置していれば、図2に示すように、メインブーム6の上側にサブブーム7が重なった格納状態となる。
そして、この格納状態からピストンロッド92がハウジング91内に入り込み、サブシリンダー9が縮んでいくと、サブブーム7は第3回動支持軸J3を中心に回動する。このとき、第4シリンダー支持軸J7が下方に向かって回動し、サブブーム7の先端部72が上方に向かって回動する。
そして、サブシリンダー9が最も縮むと、図4に示すように、第3回動支持軸J3と第4シリンダー支持軸J7とが同一直線上に位置し、メインブーム6とサブブーム7はほぼ同一直線上に沿って伸びる。
続いて、ハウジング91からピストンロッド92が突出し、サブシリンダー9が伸長していくと、図5に示すように、第3回動支持軸J3を中心に、サブブーム7の先端部72が自重によって下方に回動する。そして、サブシリンダー9が最も伸びると、サブブーム7の下方への回動は停止し、サブブーム7は図5に示す最大屈曲状態となる。
なお、この最大屈曲状態(図5)から格納状態(図2)へと変形するには、まず、サブシリンダー9を収縮する。これにより、サブブーム7は第3回動支持軸J3を中心に回動し、先端部72が上方に引き上げられて、第3回動支持軸J3と第4シリンダー支持軸J7とが同一直線上に位置する。この状態で、例えばトラックTの荷台Lに先端部72を接触させることで、第3回動支持軸J3よりも第4シリンダー支持軸J7を下方に位置させる。この状態でサブシリンダー9を伸長させ、第3回動支持軸J3を中心にサブブーム7を先端部72側が上方向かうように回動させて、サブブーム7をメインブーム6に重ねた格納状態とする。
[比較例の折り曲げ式クレーンの構成]
図6は、比較例の折り曲げ式クレーンのクレーン本体を示す側面図であり、格納状態を示している。
比較例の折り曲げ式クレーン100は、図6に示すように、クレーン支持台101と、コラム102と、ブームB´と、シリンダー105と、サブシリンダー106と、を備えている。
前記クレーン支持台101は、荷台に塔載された台座(図示せず)や荷台に直接固定される中空の角錐鋼材である。このクレーン支持台101には、水平方向に並んだ一対のラックギヤシャフト107,107が貫通している。
前記コラム102は、下端部102aがクレーン支持台101の内部に差し込まれて起立し、先端部102bに後述するメインブーム103の一端部103aが上下回動可能に支持される。
前記ブームB´は、途中位置が折り曲げ可能となっており、メインブーム103と、サブブーム104とを有している。
前記メインブーム103は、一端部103aがコラム102に上下回動可能に支持され、先端部103bにサブブーム104の一端部104aが上下回動可能に支持されている。このとき、メインブーム103の一端部103aに形成された図示しない軸貫通孔と、コラム102の先端部102bに形成された図示しない軸貫通孔とを、回動支持軸Jが共に貫通する。
前記サブブーム104は、一端部104aがメインブーム103に上下回動可能に支持され、先端部104bに吊具(図示せず)を吊り下げ可能な取付機構104cが設けられている。
前記シリンダー105は、油圧式シリンダーであり、両端部がコラム102とメインブーム103にそれぞれ上下回動可能に支持されている。ここで、シリンダー105の一端部であるハウジング取付部105aは、コラム102のうち、クレーン支持台101から突出した部位のうち、下端部x1に設けられた第1シリンダー支持部102cに支持されている。一方、シリンダー105の先端部であるロッド先端105bは、メインブーム103のうち、一端部103aの近傍位置x2に形成された第2シリンダー支持部103cに支持されている。
前記サブシリンダー106は、油圧式シリンダーであり、両端部がメインブーム103とサブブーム104にそれぞれ上下回動可能に支持されている。
[比較例の折り曲げ式クレーンの動作]
図7は、比較例の折り曲げ式クレーンのクレーン本体を示す側面図であり、(a)は水平展開状態を示し、(b)は最大展開状態を示している。
比較例の折り曲げ式クレーン100において、シリンダー105が最も縮小し、コラム102に対してメインブーム103が引き付けられた図6に示す格納状態から、クレーン展開状態とするには、シリンダー105を伸長する。
そして、このシリンダー105を伸長していくと、シリンダー105の伸長力(ピストンロッド105cの突出力)がメインブーム103に作用し、図7(a)に示すように、メインブーム103は、一端部103aをコラム102と共に貫通する回動支持軸Jを中心に上方に向かって回動する。
そして、図7(a)に示す水平展開状態からさらにシリンダー105を伸長すると、図7(b)に示すように、メインブーム103は、回動支持軸Jを中心にさらに上方に向かって回動する。
[比較例の折り曲げ式クレーンの課題]
図8は、ブームに作用するモーメントのつりあいを説明する説明図である。図9は、比較例の折り曲げ式クレーンの変形例における構造を示す模式図である。
図6に示す比較例の折り曲げ式クレーン100において、シリンダー105が伸長すると、メインブーム103の位置x2に形成された第2シリンダー支持部103cには、シリンダー105からのシリンダー伸長力F1が作用する。一方、メインブーム103の先端部103bには、常時サブブーム104等からの重量F2が作用する。なお、実際にメインブーム103に作用するシリンダー伸長力F1は、鉛直上方に作用する分力であり、重量F2は、鉛直下方に作用する分力である。
ここで、メインブーム103は、一端部103aが回動支持軸Jを中心にコラム102に上下回動可能に支持されているため、メインブーム103の第2シリンダー支持部103cには上向きのモーメントM1が作用し、先端部103bには下向きのモーメントM2が作用する。
そして、第2シリンダー支持部103cでのモーメントM1は、図8に示すように、メインブーム103の回動中心である回動支持軸Jから第2シリンダー支持部103cまでの距離をL1とすれば、下記式(1)によって求められる。
M1=L1×F1 ・・・(1)
また、先端部103bでのモーメントM2は、図8に示すように、メインブーム103の回動中心である回動支持軸Jから先端部103bまでの距離をL2とすれば、下記式(2)によって求められる。
M2=L2×F2 ・・・(2)
そして、M2=M1であれば、メインブーム103の2箇所に作用するモーメントがつりあって、メインブーム103の回動動作は停止する。また、M2>M1であれば、下向きのモーメントが大きいので、メインブーム103は下方に向かって回動する。また、M2<M1であれば、上向きのモーメントが大きいので、メインブーム103は上方に向かって回動する。
一方、メインブーム103におけるシリンダー105の支持位置(第2シリンダー支持部103c)が、先端部103b近傍である場合を考える。つまり、メインブーム103の先端部103bの近傍に形成された第2シリンダー支持部103c´に、シリンダー105からのシリンダー伸長力F1´が作用する場合である(図8参照)。このとき第2シリンダー支持部103c´でのモーメントM3は、メインブーム103の回動中心である回動支持軸Jから第2シリンダー支持部103c´までの距離をL1´とすれば、下記式(3)によって求められる。
M3=L1´×F1´ ・・・(3)
なお、メインブーム103の回動動作を停止させるために必要なモーメントはM2であるため、M2=M3となれば、メインブーム103の2箇所に作用するモーメントがつりあって、メインブーム103の回動動作は停止する。
そして、上記式(1)〜(3)に基づき、メインブーム103の2箇所に作用するモーメントがつりあっているときの、第2シリンダー支持部103cに作用するシリンダー伸長力F1、及び、第2シリンダー支持部103c´に作用するシリンダー伸長力F1´は、下記式(4),(5)によって求められる。
F1=M2/L1 ・・・(4)
F1´=M2/L1´ ・・・(5)
ここで、L1<L1´であることから、F1>F1´となる。つまり、メインブーム103の回動中心である回動支持軸Jから、メインブーム103におけるシリンダー105の支持位置(第2シリンダー支持部103c)までの距離が大きいほど、この第2シリンダー支持部103cに作用するシリンダー伸長力F1は小さくてよいことがわかる。
これに対し、図9(a)に模式的に示す折り曲げ式クレーン200を考える。この折り曲げ式クレーン200では、コラム102におけるシリンダー105の支持位置(第1シリンダー支持部102c)を、図6に示した比較例の折り曲げ式クレーン100の場合よりもコラム102の先端部102bに近接させる。また、メインブーム103におけるシリンダー105の支持位置(第2シリンダー支持部103c)を、図6に示した比較例の折り曲げ式クレーン100の場合よりもメインブーム103の先端部103bに近接させる。
ここで、折り曲げ式クレーン100,200では、いずれもメインブーム103が回動支持軸Jを中心に上下回動するため、メインブーム103が下方に回動するほど、コラム102とメインブーム103の間に生じる空間であるシリンダー配置可能空間Kが狭くなる。しかし、シリンダー105を適切に配置するためには、所定の広さのシリンダー配置可能空間Kを確保しなければならないため、この必要なシリンダー配置可能空間Kに基づき、メインブーム103の下方への回動角度の限界値が設定される。
一方、シリンダー105は、通常、コラム102に支持されるハウジング取付部105aの方が、ロッド先端105bよりも外径が大きくなる。つまり、ハウジング取付部105aを配置するためには、ロッド先端105bを配置する場合よりも大きいシリンダー配置可能空間Kが必要となっている。
図9(a)に示す折り曲げ式クレーン200では、回動支持軸Jから、メインブーム103におけるシリンダー105の支持位置(第2シリンダー支持部103c)までの距離を、図6に示す折り曲げ式クレーン100の場合よりも大きく確保することはできる。これにより、メインブーム103を上方に回動するときにシリンダー105に作用する負荷を低減することができる。しかし、この折り曲げ式クレーン200では、回動支持軸Jの近傍にハウジング取付部105aが配置される。このため、コラム102とメインブーム103の間のシリンダー配置可能空間Kは、図6の折り曲げ式クレーン100の場合よりも大きく確保しなければならず、メインブーム103の下方への回動角度が規制されてしまう。そのため、図6に示す折り曲げ式クレーン100と比べて、メインブーム103をコンパクトに格納することができなくなってしまうという問題が生じる。
そこで、これに対し、図9(b)に模式的に示す折り曲げ式クレーン300を考える。この折り曲げ式クレーン300では、コラム102の中間部Cを屈曲し、メインブーム103の回動中心となる回動支持軸Jを、シリンダー105の支持位置(第1シリンダー支持部102c)に対して水平方向にオフセットさせる。
この折り曲げ式クレーン300では、メインブーム103は第1シリンダー支持部102cから水平方向にオフセットした回動支持軸Jを中心に回動する。このため、このメインブーム103が最も下方に回動した場合であっても、コラム102とメインブーム103との間に、十分な広さのシリンダー配置可能空間Kを確保することができる。これにより、メインブーム103をコンパクトに格納することが可能となる。
そして、この折り曲げ式クレーン300において、シリンダー105を伸長させていくと、メインブーム103は回動支持軸Jを中心に回動する。このとき、シリンダー105は、シリンダー軸方向が、コラム102に対するシリンダー105の支持位置(第1シリンダー支持部102c)と、メインブーム103の回動中心である回動支持軸Jとを結ぶ直線(図9(b)において破線で示す)よりも上方にメインブーム103を回動させることはできない。
つまり、第2シリンダー支持部103cに作用するシリンダー伸長力F1は、シリンダー軸方向に作用し、メインブーム103を上方に回動させるモーメントは、このシリンダー伸長力F1のうち鉛直上方に向かう分力によって生じるものである。しかしながら、シリンダー軸方向が、第1シリンダー支持部102cと回動支持軸Jとを結ぶ直線に一致すると、鉛直上方に向かう分力は発生せず、メインブーム103を上方に回動させるモーメントは生じない。そのため、この「コラム102に対するシリンダー105の支持位置(第1シリンダー支持部102c)と、メインブーム103の回動中心である回動支持軸Jとを結ぶ直線」を基準に、メインブーム103の上方への回動角度が規制されてしまう。そのため、図6に示す折り曲げ式クレーン100と比べて、メインブーム103の回動範囲が狭くなってしまうという問題が生じる。
[クレーン格納時作用]
図10は、実施例1の折り曲げ式クレーンの構造と動作を示す模式図である。
実施例1の折り曲げ式クレーン1において、リンクブーム5及びメインブーム6が下方に向かって最大回動し、クレーン本体1Bが格納状態となると、リンクブーム5は、規制リブ45(図2参照)に干渉して水平状態に保持され、メインブーム6は、ほぼ鉛直状態に保持される。このとき、コラム4もクレーン支持台3から起立しているため、コラム4とメインブーム6との間には、リンクブーム5の軸方向長さ分の隙間が生じることとなる。つまり、コラム4とメインブーム6との間にリンクブーム5を介装したことで、シリンダー配置可能空間Kを確保することができ、図6に示す折り曲げ式クレーン100と比べて、メインブーム6をコンパクトに格納することが可能となる。
特に、実施例1では、コラム4に、リンクブーム5が水平方向よりも下方に回転することを規制する規制リブ45が設けられているので、コラム4とメインブーム6との距離を大きく確保することができる。
すなわち、リンクブーム5は第1回動支持軸J1を中心に回動するが、このとき、このリンクブーム5の軸方向が水平方向に一致したとき、第1回動支持軸J1とメインブーム6の回動中心位置となる第2回動支持軸J2との水平方向距離が最大になる。このため、コラム4に設けた規制リブ45によってリンクブーム5を水平状態に保持することで、リンクブーム5の両端部である第1回動支持軸J1と第2回動支持軸J2との水平方向距を最大とすることができ、コラム4とメインブーム6との距離が大きくなって、大きなシリンダー配置可能空間Kを確保することができる。
しかも、実施例1では、第1回動支持軸J1(コラム4に対するリンクブーム5の回転中心位置)と、第2回動支持軸J2(リンクブーム5に対するブームBの回転中心位置)との間の間隔寸法W1(図2参照)を、リンクブーム5及びメインブーム6が下方に向かって最大回動した際に、コラム4とメインブーム6の間にシリンダー8を配置可能な大きさに設定している。
つまり、シリンダー8を配置してもリンクブーム5及びメインブーム6の下方への回動が阻害されることはなく、シリンダー配置可能空間Kを確保しつつ、両ブーム5,6は、いずれも下方に最大回動可能とすることができる。
[クレーン展開時作用]
実施例1の折り曲げ式クレーン1では、シリンダー8のハウジング81の取付片81aがコラム4の先端部42近傍位置の第1シリンダー支持部44に支持され、ピストンロッド82のロッド先端82aがメインブーム6の折曲部である先端部62近傍位置の第2シリンダー支持部63に支持されている。そして、ピストンロッド82が伸長し、シリンダー8からの伸長力が第2シリンダー支持部63に作用すると、メインブーム6は、第2回動支持軸J2を中心に上方に向かって回動する。
つまり、シリンダー8からの伸長力が作用する(いわゆる力点に相当する)第2シリンダー支持部63と、メインブーム6の回動中心となる(いわゆる支点に相当する)第2回動支持軸J2との距離を大きく確保することができる。このため、メインブーム6を回動させるために必要なシリンダー8の伸長力(クレーン展開時にシリンダー8に作用する負荷)が、図6に示す折り曲げ式クレーン100と比べて小さくなり、シリンダー8を大型化する必要がなくなる。このため、折り曲げ式クレーン1の全体の小型化を図ることができる。
そして、シリンダー8が伸長していき、メインブーム6の第2シリンダー支持部63がリンクブーム5の軸方向に一致すれば、メインブーム6と共にリンクブーム5も一体となって第1回動支持軸J1を中心に上方に回動していく。つまり、ブームBにおける回動中心位置が、第2回動支持軸J2から第1回動支持軸J1へと変化する。
このため、コラム4に対するシリンダー8の支持位置である第1シリンダー支持部44と、ブームBの回動中心である第1回動支持軸J1とを結ぶ直線がほぼ鉛直となる。これにより、メインブーム6の回動範囲を図6に示す折り曲げ式クレーン100と同程度に確保することができ、必要なクレーン展開角度を確保することができる。
なお、メインブーム6の第2シリンダー支持部63がリンクブーム5の軸方向に一致するまでは、ブームBが第2回動支持軸J2を中心に回動するため、シート2aに座ったオペレータからブームBの回動中心までの距離を比較的長く確保することができる。
このため、ブームBがオペレータの視界を邪魔しにくく、クレーン操作を行いやすくすることができる。
[クレーン回転時作用]
実施例1の折り曲げ式クレーン1において、コラム4を軸方向回りに回転させるには、クレーン支持台3の側面3bを貫通するラックギヤシャフト34を軸方向に移動させる。これにより、ラックギヤシャフト34のラックギヤ歯34bに噛合したピニオンギヤ43が回転し、コラム4が回転することとなる。
ここで、ラックギヤシャフト34及びピニオンギヤ43は、それぞれコラム4の軸方向に並んで一対設けられている。そのため、ラックギヤシャフト34の径を小さくしても、コラム4を回転させるための十分なパワー、またコラム4の回転を規制するための十分なブレーキ力を確保することができる。
さらに、一対のラックギヤシャフト34をコラム4の軸方向に並んで設けたことで、コラム4を挟んで一対のラックギヤシャフト34を水平方向に設けた場合よりも、クレーン支持台3の水平方向の大きさを縮小することができる。そのため、折り曲げ式クレーン1の搭載スペースが狭くても搭載可能とすることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の折り曲げ式クレーンにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) クレーン支持台3に下端部41が差し込まれて起立するコラム4と、
前記コラム4の先端部42に、一端部51が上下回動可能に支持されるリンクブーム5と、
前記リンクブーム5の先端部52に、一端部61が上下回動可能に支持されると共に、途中位置(第3回動支持軸)J3が折り曲げ可能なブームBと、
前記コラム4と前記ブームBに、両端部81a,82aがそれぞれ上下回動可能に支持された伸縮自在なシリンダー8と、
を備え、
前記シリンダー8の一端部(取付片)81aを、前記コラム4の先端部42近傍位置に支持し、前記シリンダー8の他端部(ロッド先端)82aを、前記ブームBの折曲部(第3回動支持軸)J3近傍位置に支持した構成とした。
このため、クレーン展開時にシリンダー8に作用する負荷を軽減してクレーン1の大型化を抑制すると共に、必要なクレーン展開角度を確保することができ、且つ、クレーン格納時のコンパクト化を図ることができる。
(2) 前記コラム4に、前記リンクブーム5が水平方向よりも下方に回転することを規制する回転規制手段(規制リブ)45を設けた構成とした。
このため、コラム4とブームBの間に生じるシリンダー配置可能空間Kを、大きく確保することができる。
(3) 前記コラム4に対する前記リンクブーム5の回転中心位置(第1回動支持軸)J1と、前記リンクブーム5に対する前記ブームBの回転中心位置(第2回動支持軸)J2との間の間隔寸法W1を、前記リンクブーム5及び前記ブームBが下方に向かって最大回動した際に、前記コラム4と前記ブームBの間に前記シリンダー8を配置可能な大きさに設定した構成とした。
このため、コラム4とブームBの間にシリンダー配置可能空間Kを確保しつつ、リンクブーム5及びブームBを、いずれも下方に最大回動可能とすることができる。
(4) 前記コラム4の下端部41の周面に、前記クレーン支持台3の内部に配置されたピニオンギヤ43を設け、
前記クレーン支持台3に、上下方向に並んで支持台側面(側面)3bを貫通すると共に、前記ピニオンギヤ43に噛み合う複数のラックギヤシャフト34を設けた構成とした。
このため、ラックギヤシャフト34の径を小さくしても、コラム4を回転させるためのパワーや回転ブレーキ力を確保することができると共に、クレーン支持台3の水平方向の大きさを小さくして、必要塔載スペースの縮小を図ることができる。
以上、本発明の折り曲げ式クレーンを実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ピニオンギヤ43をコラム4の軸方向に並んで一対設けた例を示したが、これに限らず、例えばコラム4の軸方向に長い一つのピニオンギヤであってもよい。この場合であっても、一対のラックギヤシャフト34がそれぞれピニオンギヤに噛合することで、ラックギヤシャフト34の径が小さくても十分なコラム回転パワーを確保することができる。さらに、ラックギヤシャフト34を3本以上用いても良い。
また、実施例1では、折り曲げ式クレーン1を搭載した車両としてトラックTを示したが、これに限らない。トラクター(牽引車)やトレーラ(被牽引車)であっても適用することができる。また、折り曲げ式クレーン1を車両の後部に搭載してもよい。さらに、建物や地上面に据え付けてもよい。
T トラック(車両)
1 折り曲げ式クレーン
1A 台座
1B クレーン本体
1C クレーン操作部
3 クレーン支持台
32 差し込み開口
34 ラックギヤシャフト
35 案内カバー
4 コラム
41 下端部
42 先端部
43 ピニオンギヤ
44 第1シリンダー支持部
45 規制リブ(回動規制手段)
5 リンクブーム
51 一端部
52 先端部
53 下側面
B ブーム
6 メインブーム
61 一端部
62 先端部
63 第2シリンダー支持部
64 第3シリンダー支持部
7 サブブーム
71 一端部
72 先端部
74 第4シリンダー支持部
8 シリンダー
81 ハウジング
81a 取付片
82 ピストンロッド
82a ロッド先端
9 サブシリンダー
J1 第1回動支持軸
J2 第2回動支持軸
J3 第3回動支持軸
J4 第1シリンダー支持軸
J5 第2シリンダー支持軸

Claims (4)

  1. クレーン支持台に下端部が差し込まれて起立するコラムと、
    前記コラムの先端部に、一端部が上下回動可能に支持されるリンクブームと、
    前記リンクブームの先端部に、一端部が上下回動可能に支持されると共に、途中位置が折り曲げ可能なブームと、
    前記コラムと前記ブームに、両端部がそれぞれ上下回動可能に支持された伸縮自在なシリンダーと、
    を備え、
    前記シリンダーの一端部を、前記コラムの先端部近傍位置に支持し、前記シリンダーの他端部を、前記ブームの折曲部近傍位置に支持した
    ことを特徴とする折り曲げ式クレーン。
  2. 請求項1に記載された折り曲げ式クレーンにおいて、
    前記コラムに、前記リンクブームが水平方向よりも下方に回転することを規制する回転規制手段を設けた
    ことを特徴とする折り曲げ式クレーン。
  3. 請求項2に記載された折り曲げ式クレーンにおいて、
    前記コラムに対する前記リンクブームの回転中心位置と、前記リンクブームに対する前記ブームの回転中心位置との間の間隔寸法を、前記リンクブーム及び前記ブームが下方に向かって最大回動した際に、前記コラムと前記ブームの間に前記シリンダーを配置可能な大きさに設定した
    ことを特徴とする折り曲げ式クレーン。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された折り曲げ式クレーンにおいて、
    前記コラムの下端部の周面に、前記クレーン支持台の内部に配置されるピニオンギヤを設け、
    前記クレーン支持台に、上下方向に並んで支持台側面を貫通すると共に、前記ピニオンギヤに噛み合う複数のラックギヤシャフトを設けた
    ことを特徴とする折り曲げ式クレーン。
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