JP2017145094A - クレーンの車輪装置 - Google Patents

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匠 木村
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Abstract

【課題】クレーン作業時に吊り性能を悪化させることなく、クレーンを張出し姿勢および抱込み姿勢のいずれの姿勢にも移行させることのできる車輪装置を提供する。
【解決手段】クレーンの車輪装置は、ブームに回動可能に取り付けられたジブを支持するクレーンの車輪装置であって、ジブの先端部に着脱可能かつ回動可能に取り付けられる着脱機構と、地面上を転動する複数の車輪と、地面と着脱機構との間の距離を、倒伏したブームからジブが張り出した張出し姿勢のときに第1の距離に調節し、倒伏したブームに対して折り畳まれた抱込み姿勢のときに第1の距離とは異なる第2の距離に調節する調節機構と、を備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、クレーンの車輪装置に関する。
ブームに回動可能に取り付けられたジブを備えたクレーンにおいて、ブームとジブとを分解する際に、張出し姿勢や抱込み(内抱き)姿勢を形成することが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載のクレーンは、ジブの先端に回動可能に取り付けられた車輪支持部材と、車輪支持部材に回転可能に支持された車輪を備えている。特許文献1に記載のクレーンでは、車輪と補助シーブ(補巻用ポイントシーブ)とが共通の軸周りに回転可能となるように設けられ、かつ、車輪は補助シーブよりも大きな直径を有している。車輪支持部材は、張出し用支持位置と内抱き用支持位置とに選択的に固定される。車輪は、ジブの先端が地上に降ろされる際、ジブよりも先に着地する位置に設けられている。
特許文献1に記載のクレーンでは、着地後に車輪を転動させることにより、ブームを倒伏させながらジブを張り出して張出し姿勢を形成したり、ジブの腹面とブームの腹面とが近接するように折り畳んで抱込み姿勢を形成したりすることができる。
特開2011−26132号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車輪は、補助シーブの支持軸に取り付けられている。車輪支持部材によって車輪だけでなく補助シーブが支持されているので(特許文献1の図4〜図6参照)、クレーン作業時にも車輪が取り付けられたままとなる(特許文献1の図1参照)。このため、特許文献1に記載のクレーンでは、クレーン作業時にもジブの先端に、重量の大きい車輪が取り付けられたままであるので、吊り性能が悪化するという問題がある。
本発明の一態様によるクレーンの車輪装置は、ブームに回動可能に取り付けられたジブを支持するクレーンの車輪装置であって、前記ジブの先端部に着脱可能かつ回動可能に取り付けられる着脱機構と、地面上を転動する複数の車輪と、地面と前記着脱機構との間の距離を、倒伏した前記ブームから前記ジブが張り出した張出し姿勢のときに第1の距離に調節し、倒伏した前記ブームに対して折り畳まれた抱込み姿勢のときに前記第1の距離とは異なる第2の距離に調節する調節機構と、を備えている。
本発明によれば、クレーン作業時に吊り性能を悪化させることなく、クレーンを張出し姿勢および抱込み姿勢のいずれの姿勢にも移行させることができる。
タワークレーンの外観を示す側面模式図。 ジブの先端部を示す図。 (a)は、張出し姿勢において、ジブの先端部に車輪装置が取り付けられた状態を示す図で、(b)は(a)に示す車輪装置をクレーンの前方から見た図。 第1の実施の形態に係る車輪装置の構成を示す図。 着脱機構にシャフトを取り付ける様子を説明する図。 張出し姿勢から作業姿勢に移行するクレーンを説明する図。 抱込み姿勢から作業姿勢に移行するクレーンを説明する図。 抱込み姿勢において、ジブの先端部に車輪装置が取り付けられた状態を示す図。 第2の実施の形態に係る車輪装置の構成を示す図。 第3の実施の形態に係る車輪装置の構成を示す図。
図面を参照して、本発明に係るクレーンの一実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、各図に記載したように、クレーンの前後左右および上下方向を規定する。
−第1の実施の形態−
図1は、タワークレーンの外観を示す側面模式図である。タワークレーン(以下、クレーン100と記す)は、走行体101と、走行体101上に旋回可能に搭載された旋回体102と、旋回体102のフレームに回動可能に取り付けられたタワーブーム(以下、ブーム103と記す)と、ブーム103の先端部(頂部)の接続部139に回動可能に取り付けられたタワージブ(以下、ジブ104と記す)とを有する。
ジブ104の先端部には主フック105が吊り下げられている。また、ジブ104の先端部におけるジブ104の腹面側には補フック106を吊り下げるための補助シーブ(補巻用ポイントシーブ)114が設けられている。
旋回体102にはブーム起伏ウインチ(不図示)が搭載されている。旋回体102の前部にはマスト107が回動可能に軸支され、マスト107の先端部とブーム103の先端部とはペンダント部材115で接続されている。ブーム起伏ウインチ(不図示)にはブーム起伏用のワイヤロープ(以下、ブーム起伏ロープ110aと記す)が巻回されている。ブーム起伏ロープ110aは、ブーム起伏ウインチ(不図示)の後方に設けたシーブ121とマスト107の先端部に設けたシーブ122との間に複数回掛け回されている。ブーム起伏ウインチ(不図示)の駆動によりブーム起伏ロープ110aが巻き取りまたは繰り出されてマスト107が回動し、ペンダント部材115を介してブーム103が起伏する。
ブーム103の基端部には、ジブ起伏ウインチ113と、主巻ウインチ111と、補巻ウインチ112とが搭載されている。ジブ起伏ウインチ113にはジブ起伏用のワイヤロープ(以下、ジブ起伏ロープ113aと記す)が巻回されている。ブーム103の先端部には、フロントポスト108とリアポスト109とが回動可能に取り付けられている。フロントポスト108は、ジブ104とリアポスト109との間に配置され、ジブ104の先端部に、分割自在なペンダント部材116を介して連結されている。
リアポスト109の先端部とブーム103とは、分割自在なペンダント部材140によって連結されている。フロントポスト108の先端部にはシーブ123が設けられ、リアポスト109の先端部にはシーブ124が設けられている。フロントポスト108のシーブ123とリアポスト109のシーブ124との間には、ジブ起伏ロープ113aが複数回掛け回されている。ジブ起伏ウインチ113の駆動によりジブ起伏ロープ113aが巻き取りまたは繰り出されると、リアポスト109に対してフロントポスト108が回動し、ペンダント部材116を介してジブ104が起伏する。
主巻ウインチ111には主巻用のワイヤロープ(以下、主巻ロープ111aと記す)が巻回されている。主巻ロープ111aは、ブーム103の先端部のガイドシーブ、フロントポスト108のガイドシーブ、およびジブ104の先端部の第1ガイドシーブ117aおよびポイントシーブ118を経由して主フック105に接続されている。主巻ウインチ111の駆動により主巻ロープ111aが巻き取りまたは繰り出され、主フック105が昇降する。
補巻ウインチ112には補巻用のワイヤロープ(以下、補巻ロープ112aと記す)が巻回されている。補巻ロープ112aは、ブーム103の先端部のガイドシーブ、フロントポスト108のガイドシーブ、およびジブ104の先端部の第2ガイドシーブ117bおよび補助シーブ114を経由して補フック106に接続されている。補巻ウインチ112の駆動により補巻ロープ112aが巻き取りまたは繰り出され、補フック106が昇降する。
図2は、ジブ104の先端部を示す図である。ポイントシーブ118はジブ104の腹面側の略先端に設けられ、第1ガイドシーブ117aおよび第2ガイドシーブ117bはジブ104の背面側において、それぞれ同軸上に回転可能に設けられている。ポイントシーブ118よりもジブ104の基端側には、ジブ104の腹面に主巻ロープ111aの先端を取り付けるための元付け111bが設けられている。ジブ104の先端には、第1ショートジブ131および第2ショートジブ132が取り付けられている。補助シーブ114は、第1ショートジブ131の先端に軸支されている。ジブ104の中心軸CLから補助シーブ114の回転中心までの距離は、ジブ104の中心軸CLからポイントシーブ118の回転中心までの距離よりも長い。
第2ショートジブ132は、ジブ104の先端部の背面側に基端部が軸着された左右一対の第1支持部材134と、ジブ104の先端部の腹面側に基端部が軸着された左右一対の第2支持部材135と、第1支持部材134と第2支持部材135とを両者の先端部で連結するシャフト133とを備えている。
図3(a)は、張出し姿勢において、ジブ104の先端部に車輪装置150が取り付けられた状態を示す図であり、図3(b)は、図3(a)に示す車輪装置150をクレーン100の前方から見た図である。図3(b)に示すように、左右一対の第1支持部材134は、それぞれ左右方向に対向して配置される一対の平板状部材から構成されている。同様に、左右一対の第2支持部材135は、それぞれ左右方向に対向して配置される一対の平板状部材から構成されている。第2支持部材135を構成する一対の平板状部材は、第1支持部材134を構成する一対の平板状部材の内側に配置されている。
シャフト133は、第1支持部材134の先端部に設けられた貫通孔と、第2支持部材135の先端部に設けられた貫通孔に挿通された状態で、第1支持部材134および第2支持部材135に固着されている。シャフト133は、左右一対の第1支持部材134間の寸法よりも長い。つまり、シャフト133は、一対の第1支持部材134を貫通して、左右方向に突出している。シャフト133において、左側の第1支持部材134よりも左側に延在する部分、ならびに、右側の第1支持部材134よりも右側に延在する部分を突出部133aと呼ぶ。左右方向に突出する左右の突出部133aは、それぞれ車輪装置150に着脱可能に取り付けられる。
図4は、第1の実施の形態に係る車輪装置150の構成を示す図である。車輪装置150は、ジブ104の先端部に着脱可能かつ回動可能に取り付けられる着脱機構160と、地面上を転動する複数の車輪180と、を備えている。車輪装置150は、地面と着脱機構160との間の距離(以下、地上高さHと記す)を調節する調節機構170を備えている。本実施の形態では、地上高さHは、地面から着脱機構160に取り付けられるシャフト133の中心軸までの寸法と定義する。
調節機構170は、倒伏したブーム103から地面に沿ってジブ104が張り出した張出し姿勢(図6(a)参照)のときに、地上高さHを第1の距離H1に調節する。調節機構170は、倒伏したブーム103の腹面にジブ104が近接するようにジブ104がブーム103に対して折り畳まれた抱込み姿勢(7(a)参照)のときに、地上高さHを第1の距離H1とは異なる第2の距離H2に調節する。以下、車輪装置150について詳細に説明する。なお、左側の突出部133aに取り付けられる車輪装置150と、右側の突出部133aに取り付けられる車輪装置150は、同様の構成であるので、一方についてのみ説明する。
図4(a)は地上高さHが第1の距離H1に調節された状態の車輪装置150を右方から見た図であり、図4(b)は図4(a)の車輪装置150を前方から見た図である。図4(c)は地上高さHが第2の距離H2に調節された状態の車輪装置150を右方から見た図であり、図4(d)は図4(c)の車輪装置150を前方から見た図である。なお、図4では、説明の便宜上、車輪180に隠れる部材の外形を実線で模式的に表している。
図4に示すように、車輪装置150は、左右一対の前輪180Fと左右一対の後輪180Rを有し、自立可能な構成とされている。前輪180Fと後輪180Rは同様の構成であるので、両者を総称して車輪180とも呼ぶ。左右一対の車輪180は、車軸181に回転可能に取り付けられている。前輪180Fの車軸181と、後輪180Rの車軸181とは、連結部190によって連結されている。車輪装置150の上端部には、シャフト133が取り付けられる着脱機構160が設けられている。着脱機構160は、後述の前側テレスコピック機構179Fと後側テレスコピック機構179Rを介して前輪180Fと後輪180Rの車軸181に接続されている。
図5は、着脱機構160にシャフト133を取り付ける様子を説明する図である。図5に示すように、着脱機構160は、受け部166と、一対のブラケット161と、一対の規制ロッド167と、を備えている。受け部166は、平板状部材の中央部を湾曲させた断面略U字状の部材であって、湾曲部にはシャフト133が載置される。
ブラケット161は、受け部166の長手方向(左右方向)両端において受け部166の湾曲部に溶接などにより固着される平板状の部材である。受け部166の上端部には、規制ロッド167が前後方向に挿通される貫通孔166hが設けられている。
図5に示すように、受け部166の湾曲部にシャフト133が載置された後、規制ロッド167が貫通孔166hに前後方向に挿通され、規制ロッド167の両端に止めピン(松葉ピン)168が装着される。図3(a)に示すように、規制ロッド167が、受け部166の前後両端部に設けられた貫通孔166hに架け渡された状態で、受け部166に固定される。これにより、シャフト133が受け部166の湾曲部と規制ロッド167により挟まれ、シャフト133が着脱機構160に回動可能に取り付けられる。
図4に示すように、地上高さHを調節する調節機構170は、前側テレスコピック機構179Fと、後側テレスコピック機構179Rとを有している。前側テレスコピック機構179Fは、一端部が前輪180Fの車軸181に回動可能に取り付けられ、他端部が着脱機構160に回動可能に取り付けられている。後側テレスコピック機構179Rは、一端部が後輪180Rの車軸181に回動可能に取り付けられ、他端部が着脱機構160に回動可能に取り付けられている。
前側テレスコピック機構179Fは、前輪180Fの車軸181と着脱機構160との間で伸縮する。後側テレスコピック機構179Rは、後輪180Rの車軸181と着脱機構160との間で伸縮する。前側テレスコピック機構179Fおよび後側テレスコピック機構179Rは同様の伸縮機構であるので、以下、両者をテレスコピック機構179と総称して、説明する。
テレスコピック機構179は、円筒状の内筒171と、円筒状の外筒172と、内筒171と外筒172とを固定する固定ピン173とを有している。外筒172は、内筒171が収容可能な内径を有している。内筒171は、上端が着脱機構160のブラケット161に挿着されるピン162を介して回動可能に連結され、下端が外筒172内に摺動可能に挿入されている。外筒172は、下端に固着された取付けブラケット178を介して車軸181に回動可能に連結されている。
内筒171の下端部には、固定ピン173が挿通される第1ピン挿入孔174aが設けられている。内筒171の上端部には、固定ピン173が挿通される第2ピン挿入孔174bが設けられている。外筒172の上端部には、固定ピン173が挿通されるピン挿入孔175が設けられている。
図4(a)および図4(b)に示すように、内筒171の第1ピン挿入孔174aと、外筒172のピン挿入孔175との位置を合わせ、第1ピン挿入孔174aとピン挿入孔175に固定ピン173を挿着すると、テレスコピック機構179が伸長状態で固定される。図4(c)および図4(d)に示すように、内筒171の第2ピン挿入孔174bと、外筒172のピン挿入孔175との位置を合わせ、第2ピン挿入孔174bとピン挿入孔175に固定ピン173を挿着すると、テレスコピック機構179が収縮状態で固定される。
図4(a)および図4(b)に示すように、前側テレスコピック機構179Fおよび後側テレスコピック機構179Rの双方が伸長状態で固定されているとき、車輪装置150は伸長状態にあり、地上高さHが第1の距離H1となる。図4(c)および図4(d)に示すように、前側テレスコピック機構179Fおよび後側テレスコピック機構179Rの双方が収縮状態で固定されているとき、車輪装置150は収縮状態にあり、地上高さHが第2の距離H2となる。第1の距離H1は、第2の距離H2よりも長く設定されている(H1>H2)。このように、車輪装置150は、テレスコピック機構179の伸縮の状態により、地上高さHを変更できる構成とされている。
ところで、クレーン100は、通常、ブーム103やジブ104等を分解した状態でトレーラによって作業現場に個別に搬送され、作業現場において組み立てられる。また、別の作業現場にクレーン100を輸送する場合には、クレーン100は作業現場において解体される。ブーム103とジブ104の組立作業や解体作業において、ブーム103は、地面に対してほぼ水平となるように倒伏される。
以下、クレーン100の組立作業の一例について説明する。分解されたクレーン100が作業現場に搬入されると、ブーム103の基端が旋回体102に取り付けられ、マスト107の先端部とブーム103の先端部とがペンダント部材115で接続される。さらに、ブーム103にフロントポスト108およびリアポスト109が取り付けられ、ブーム103側とリアポスト109側に分割されたペンダント部材140を連結する。
−張出し姿勢から作業姿勢への移行−
図6は、張出し姿勢から作業姿勢に移行するクレーン100を説明する図である。図6(a)に示すように、ブーム103の先端部にジブ104の基端部を回動可能に取り付ける。このとき、クレーン100は、倒伏したブーム103の先端から前方に向かって一直線上に地面に沿ってジブ104が張り出された張出し姿勢とされている。ジブ104の先端部のシャフト133には、予め車輪装置150が取り付けられている。ジブ104は、基端部がブーム103に支持され、先端部が車輪装置150により支持される。この状態で、フロントポスト108側とジブ104側に分割されたペンダント部材116を連結する。
図6(b)に示すように、ブーム103を引き起こし、主フック105を主巻ロープ111aに取り付け、補フック106を補巻ロープ112aに取り付ける。車輪装置150をブーム103の先端から取り外した後、ブーム103を引き起こす。図6(c)に示すように、ブーム103が略垂直となるまでブーム103を引き起こし、作業姿勢とする。図6(a)の姿勢から図6(b)の姿勢にかけて、車輪装置150は、地面上を転動する。
車輪装置150は、予め、テレスコピック機構179が伸長状態で固定されており、図3に示すように、図6(a)の姿勢から図6(b)の姿勢にかけて、ブーム103の先端の補助シーブ114が地面に接触することはない。換言すれば、車輪装置150が伸長状態にあるときの地上高さHである第1の距離H1は、張出し姿勢のときに、地面と補助シーブ114とが干渉しないように第2の距離H2よりも長く設定されている。仮に、車輪装置150が収縮状態にある場合、張出し姿勢では、地面と補助シーブ114とが干渉してしまうことになる。
なお、クレーン100の解体作業時に作業姿勢から張出し姿勢に移行する場合には、ジブ104の先端部が地上に近接するまでブーム103を倒伏させ、伸長状態に固定された車輪装置150をジブ104の先端部のシャフト133に取り付ける(図6(b)参照)。その後、車輪装置150の車輪180を地面上で転動させつつ、ブーム103を倒伏させ、ブーム103およびジブ104が一直線上に伸びた張出し姿勢へと移行させる(図6(a)参照)。
−抱込み姿勢から作業姿勢への移行−
図7は、抱込み姿勢から作業姿勢に移行するクレーン100を説明する図である。図7(a)に示すように、ブーム103の先端部にジブ104の基端部を回動可能に取り付ける。このとき、クレーン100は、倒伏したブーム103の腹面にジブ104が近接するようにジブ104がブーム103に対して折り畳まれた抱込み姿勢とされている。ジブ104の先端部のシャフト133には、予め車輪装置150が取り付けられている。ジブ104は、基端部がブーム103に支持され、先端部が車輪装置150により支持される。
図7(b)に示すように、ジブ104が略垂直となるまでブーム103を引き起こす。その後、ジブ104を前方へ移動させるためのきっかけを作るために、ジブ104を前方に引張り、図7(c)に示すように、フロントポスト108側とジブ104側に分割されたペンダント部材116を連結できる位置までブーム103を倒す。その後、フロントポスト108側とジブ104側に分割されたペンダント部材116を連結する。また、主フック105を主巻ロープ111aに取り付け、補フック106を補巻ロープ112aに取り付ける。車輪装置150をジブ104の先端から取り外した後、ブーム103を引き起こす。図6(c)に示すように、ブーム103が略垂直となるまでブーム103を引き起こし、作業姿勢とする。図7(a)の姿勢から図7(c)の姿勢にかけて、車輪装置150は、地面上を転動する。図7(a)の姿勢から図7(c)の姿勢にかけて、ブーム103の先端の補助シーブ114が地面に接触することはない。
車輪装置150は、予め、テレスコピック機構179が収縮状態で固定されている。図8は、抱込み姿勢(図7(a)参照)において、ジブ104の先端部に車輪装置150が取り付けられた状態を示す図である。図7(a)および図8に示すように、抱込み姿勢では、できるだけブーム103を倒し、ブーム103におけるジブ104との接続部139の地上からの高さを低くすることが好ましい(図7(a)参照)。本実施の形態では、車輪装置150が収縮状態にあるときの地上高さHである第2の距離H2は、ブーム103の腹面と補助シーブ114とが干渉しないように、かつ、できるだけブーム103の先端部を地面に近づけることができるように、第1の距離H1よりも短く設定されている。
なお、クレーン100の解体作業時に作業姿勢から抱込み姿勢に移行する場合には、ジブ104の先端部が地上に近接するまでブーム103を倒伏させ、収縮状態に固定された車輪装置150をジブ104の先端部のシャフト133に取り付ける(図7(c)参照)。その後、車輪装置150の車輪180を地面上で転動させつつ、ジブ104が地面に対して略垂直となるまで、ブーム103を起立させる(図7(b)参照)。その後、ジブ104の先端部を旋回体102に近づけるように移動させるためのきっかけを作るために、ジブ104を後方に引っ張る。その後、車輪装置150の車輪180を地面上で転動させつつ、ブーム103を倒伏させ、ブーム103の腹面にジブ104を近接させるように、ジブ104をブーム103に対して折り畳んだ抱込み姿勢へと移行させる(図7(a)参照)。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)車輪装置150は、ジブ104の先端部に着脱可能かつ回動可能に取り付けられる着脱機構160と、地面上を転動する複数の車輪180と、地面と着脱機構160との間の距離である地上高さHを、倒伏したブーム103から地面に沿ってジブ104が張り出された張出し姿勢のときに第1の距離H1に調節し、倒伏したブーム103の腹面にジブ104が近接するようにジブ104がブーム103に対して折り畳まれた抱込み姿勢のときに第1の距離H1とは異なる第2の距離H2に調節する調節機構170と、を備えている。これにより、クレーン作業時に吊り性能を悪化させることなく、クレーン100を張出し姿勢および抱込み姿勢のいずれの姿勢にも移行させることができる。
(2)クレーン100は、ジブ104の先端部に補助シーブ114を備えており、第1の距離H1は、張出し姿勢のときに、地面と補助シーブ114とが干渉しないように第2の距離H2よりも長く設定されている。これにより、伸長状態の車輪装置150を装着することで、張出し姿勢から作業姿勢に移行する際、または、作業姿勢から張出し姿勢に移行する際に、地面と補助シーブ114とが干渉することを防止できる。また、第2の距離H2が第1の距離H1よりも短く設定されている。このため、収縮状態の車輪装置150を装着することで、伸長状態の車輪装置150を装着する場合に比べて、抱込み姿勢時にブーム103を地面に近づけることができる。つまり、ブーム103におけるジブ104の接続部139の地上からの高さを低くできるので、ブーム103へのジブ104の接続作業性を向上できる。
(3)複数の車輪180には、前輪180Fと後輪180Rとが含まれ、連結部190により、前輪180Fと後輪180Rとが連結されることで、車輪装置150が自立可能とされている。第1の実施の形態において、調節機構170を構成する前側テレスコピック機構179Fは、一端部が前輪180Fの車軸181に回動可能に取り付けられ、他端部が着脱機構160に回動可能に取り付けられ、前輪180Fの車軸181と着脱機構160との間で伸縮する。調節機構170を構成する後側テレスコピック機構179Rは、一端部が後輪180Rの車軸181に回動可能に取り付けられ、他端部が着脱機構160に回動可能に取り付けられ、後輪180Rの車軸181と着脱機構160との間で伸縮する。車輪装置150をクレーン100から分離させた状態で、テレスコピック機構179の伸縮状態を変化させることで、車輪装置150の地上高さHを変更することができるので作業性がよい。
特許文献1に記載の技術において解体作業時に抱込み(内抱き)姿勢に移行する場合、ブームを倒し、ジブの先端に装着されている車輪を着地させ、回動側連結部および車輪側連結部の連結ピンを引き抜いて両連結部を切り離す。その後、ジブの先端を僅かに持ち上げて車輪を地面から浮かせて、車輪および車輪支持部材をピンから垂下させた状態にしてから、再着地させる。その後、ジブの先端をさらに少しずつ下げて車輪支持部材の傾きを増加させて、車輪支持部材の車輪側連結部とジブ側連結部との位置決めを行い、車輪側連結部とジブ側連結部を連結ピンで連結する。このように、特許文献1に記載の技術では、内抱き姿勢への移行の際に、ブームおよびジブの回動とともに、車輪支持部材の位置を切り換える必要があるので(特許文献1の明細書の段落[0051]〜[0055]、図7〜図11参照)、抱込み姿勢への移行に手間がかかるという問題がある。
これに対して、本実施の形態では、自立している車輪装置150の着脱機構160の受け部166にジブ104の先端のシャフト133を載せてから規制ロッド167を装着することで、車輪装置150をジブ104に取り付けることができる。なお、車輪装置150は、クレーン100に取り付ける前に、予め、伸長状態または収縮状態にしておくことができる。このため、本実施の形態によれば、抱込み姿勢や張出し姿勢への移行をスムーズ行うことができる。
−第2の実施の形態−
図9を参照して、第2の実施の形態に係るクレーン100の車輪装置250について説明する。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。第1の実施の形態では、前側テレスコピック機構179Fと後側テレスコピック機構179Rにより、車輪装置150の地上高さHの調節機構170を構成する例について説明した。これに対して、第2の実施の形態では、着脱機構160に固着されたスライド部271を連結部290に対して上下方向にスライドさせて、車輪装置150の地上高さHを調節する。
図9は、第2の実施の形態に係る車輪装置250の構成を示す図である。なお、図9では、説明の便宜上、車輪180に隠れる部材の外形を実線で模式的に表している。車輪装置250の調節機構270は、着脱機構160から下方に延在するスライド部271と、前輪180Fと後輪180Rとを連結する連結部290と、を有している。
連結部290は、略台形状の一対の平板状部材が対向配置された状態で一体化されてなる。連結部290の上端近傍には、固定ピン273が挿通されるピン挿入孔275が設けられている。ピン挿入孔275に挿入される固定ピン273が、後述のスライド部271に設けられた第1位置決め孔274aまたは第2位置決め孔274bに挿着されると、固定ピン273によってスライド部271が保持される。
連結部290を構成する一対の平板状部材間には、スライド部271が収容される空間が形成されている。連結部290を構成する一対の平板状部材間の寸法は、スライド部271の左右幅寸法よりも僅かに大きい寸法とされている。なお、スライド部271の前後方向の移動を規制するガイド部材を、連結部290を構成する一対の平板状部材間に設けることが好ましい。
スライド部271は、略矩形状の一対の平板状部材が対向配置された状態で一体化されてなり、上端部が着脱機構160の受け部166の湾曲部の底面に溶接されている。スライド部271は連結部290を構成する一対の平板状部材間において上下方向に摺動自在とされている。
スライド部271の上端近傍には、地上高さHを第1の距離H1とするときに、固定ピン273が挿通される前後一対の第1位置決め孔274aが設けられている。スライド部271の下端近傍には、地上高さHを第2の距離H2とするときに、固定ピン273が挿通される前後一対の第2位置決め孔274bとが設けられている。
図9(a)および図9(b)に示すように、スライド部271の第1位置決め孔274aと、連結部290のピン挿入孔275との位置を合わせ、第1位置決め孔274aとピン挿入孔275に固定ピン273を挿通することで、スライド部271が連結部290から上方に大きく突出した状態(以下、突出状態と記す)で固定される。
図9(c)および図9(d)に示すように、スライド部271の第2位置決め孔274bと、連結部290のピン挿入孔275との位置を合わせ、第2位置決め孔264bとピン挿入孔275に固定ピン273を挿通することで、スライド部271の略全体が連結部290内に収容された状態(以下、収容状態と記す)で固定される。収容状態では、連結部290からスライド部271が突出する高さが、突出状態のときに比べて低い。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
(4)スライド部271は、地上高さHを第1の距離H1とするときに、ピン挿入孔275に挿通される固定ピン273(スライド保持部)に取り付けられる第1位置決め孔274aと、地上高さHを第2の距離H2とするときに、ピン挿入孔275に挿通される固定ピン273(スライド保持部)に取り付けられる第2位置決め孔274bと、を有している。スライド部271を上下方向にスライドさせて固定すればよいので、複数のテレスコピック機構179を伸縮する場合に比べて、さらに作業効率を向上できる。また、部品点数を低減できるので、車輪装置250のコストの低減を図ることもできる。
−第3の実施の形態−
図10を参照して、第3の実施の形態に係るクレーン100の車輪装置350について説明する。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。第1の実施の形態では、着脱機構160と車軸181とを連結する部材を伸縮させる例について説明した。これに対して、第3の実施の形態では、前輪180Fと後輪180Rとを連結する部材を伸縮させることで、車輪装置350の地上高さHを調節する。
図10は、第3の実施の形態に係る車輪装置350の構成を示す図である。なお、図10では、説明の便宜上、車輪180に隠れる部材の外形を実線で模式的に表している。車輪装置350は、円筒状の前側リンク371Fと、円筒状の後側リンク371Rと、車輪間距離調節機構390とを備えている。前側リンク371Fの下端部は、前輪180Fの車軸181に回動可能に取り付けられている。前側リンク371Fの上端部は、着脱機構160のブラケット161に挿着されるピン162を介して回動可能に取り付けられている。後側リンク371Rの下端部は、後輪180Rの車軸181に回動可能に取り付けられている。後側リンク371Rの上端部は、着脱機構160のブラケット161に挿着されるピン162を介して回動可能に取り付けられている。
車輪間距離調節機構390は、前輪180Fと後輪180Rとを連結する連結部材であって、前輪180Fと後輪180Rとの間で伸縮する。車輪間距離調節機構390は、円筒状の内筒391と、円筒状の外筒392と、内筒391と外筒392とを固定する固定ピン393とを有している。外筒392は、内筒391が収容可能な内径を有している。内筒391は、後端に固着された取付けブラケットを介して後輪180Rの車軸181に固着され、前端が外筒392内に摺動可能に挿入されている。外筒392は、前端に固着された取付けブラケットを介して前輪180Fの車軸181に固着されている。
内筒391の前端部には、固定ピン393が挿通されるピン挿入孔395が設けられている。外筒392の前端部には、固定ピン393が挿通される第1ピン挿入孔394aが設けられている。外筒392の後端部には、固定ピン393が挿通される第2ピン挿入孔394bが設けられている。
図10(a)および図10(b)に示すように、外筒392の第1ピン挿入孔394aと、内筒391のピン挿入孔395との位置を合わせ、第1ピン挿入孔394aとピン挿入孔395に固定ピン393を挿着すると、車輪間距離調節機構390が収縮状態で固定される。図10(c)および図10(d)に示すように、外筒392の第2ピン挿入孔274bと、内筒391のピン挿入孔395との位置を合わせ、第2ピン挿入孔394bとピン挿入孔395に固定ピン393を挿着すると、車輪間距離調節機構390が伸長状態で固定される。
図10(a)および図10(b)に示すように、車輪間距離調節機構390が収縮状態にあるときには、地上高さHが第1の距離H1となり、図10(c)および図10(d)に示すように、車輪間距離調節機構390が伸長状態にあるときには、地上高さHが第2の距離H2となる(H2<H1)。つまり、車輪装置350は、車輪間距離調節機構390の伸縮の状態により、地上高さHを変更できる構成とされている。
このような第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
(5)一端部が前輪180Fの車軸181に回動可能に取り付けられ、他端部が着脱機構160に回動可能に取り付けられた前側リンク371Fと、一端部が後輪180Rの車軸181に回動可能に取り付けられ、他端部が着脱機構160に回動可能に取り付けられた後側リンク371Rと、前輪180Fと後輪180Rとを連結し、前輪180Fと後輪180Rとの間で伸縮する車輪間距離調節機構390とで、地上高さHを調節する調節機構370を構成した。本実施の形態によれば、車輪180と同程度の高さ、すなわち低い位置に配置される車輪間距離調節機構390の長さを調節して固定すればよい。このため、車輪180と着脱機構160とを接続するテレスコピック機構179を伸縮する場合に比べて、さらに作業効率を向上できる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述した実施の形態では、第1の距離H1が第2の距離H2よりも長く設定されている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、補助シーブ114を支持する軸に車輪装置を取り付ける場合、第1の距離H1に比べて第2の距離H2を長く設定することもできる。
(変形例2)
第1の実施の形態では、ピン挿入孔175を外筒172に設け、クレーン100の姿勢に応じて選択されて使用される第1ピン挿入孔174aおよび第2ピン挿入孔174bを内筒171に設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ピン挿入孔175を内筒172に設け、クレーン100の姿勢に応じて選択されて使用される第1ピン挿入孔174aおよび第2ピン挿入孔174bを外筒172に設けてもよい。
(変形例3)
第2の実施の形態では、ピン挿入孔275を連結部290に設け、クレーン100の姿勢に応じて選択されて使用される第1ピン挿入孔274aおよび第2ピン挿入孔274bをスライド部271に設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ピン挿入孔275をスライド部271に設け、クレーン100の姿勢に応じて選択されて使用される第1ピン挿入孔274aおよび第2ピン挿入孔274bを連結部290に設けてもよい。
(変形例4)
第3の実施の形態では、ピン挿入孔395を内筒391に設け、クレーン100の姿勢に応じて選択されて使用される第1ピン挿入孔394aおよび第2ピン挿入孔394bを外筒392に設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ピン挿入孔395を外筒392に設け、クレーン100の姿勢に応じて選択されて使用される第1ピン挿入孔394aおよび第2ピン挿入孔394bを内筒392に設けてもよい。
(変形例5)
上述した実施の形態では、前輪180fと後輪180rのみを備える車輪装置150,250,350について説明したが、本発明はこれに限定されない。前輪180rと後輪180fの間に車輪をさらに設けてもよい。また、単一の車輪180の車軸181に、伸縮機構を設けた車輪装置としてもよい。
(変形例6)
上述した実施の形態では、クローラクレーンの車輪装置を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。定置式のタワークレーンなど、ブームに回動可能に取り付けられたジブを備える種々のクレーンに本発明を適用することができる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
100 クレーン、103 ブーム、104 ジブ、114 補助シーブ、150 車輪装置、160 着脱機構、170 調節機構、179F 前側テレスコピック機構、179R 後側テレスコピック機構、180 車輪、180F 前輪、180R 後輪、181 車軸、190 連結部、250 車輪装置、270 調節機構、271 スライド部、273 固定ピン(スライド保持部)、274a 第1位置決め孔(第1位置決め部)、274b 第2位置決め孔(第2位置決め部)、275 ピン挿入孔(スライド保持部)、290 連結部、350 車輪装置、370 調節機構、371F 前側リンク、371R 後側リンク、390 車輪間距離調節機構

Claims (5)

  1. ブームに回動可能に取り付けられたジブを支持するクレーンの車輪装置であって、
    前記ジブの先端部に着脱可能かつ回動可能に取り付けられる着脱機構と、
    地面上を転動する複数の車輪と、
    地面と前記着脱機構との間の距離(以下、地上高さと記す)を、倒伏した前記ブームから前記ジブが張り出した張出し姿勢のときに第1の距離に調節し、倒伏した前記ブームに対して折り畳まれた抱込み姿勢のときに前記第1の距離とは異なる第2の距離に調節する調節機構と、を備えることを特徴とするクレーンの車輪装置。
  2. 請求項1に記載のクレーンの車輪装置において、
    前記クレーンは、前記ジブの先端部に補助シーブを備えており、
    前記第1の距離は、張出し姿勢のときに、地面と前記補助シーブとが干渉しないように前記第2の距離よりも長く設定されていることを特徴とするクレーンの車輪装置。
  3. 請求項2に記載のクレーンの車輪装置において、
    前記複数の車輪には、前輪と後輪とが含まれ、
    前記前輪と前記後輪とを連結する連結部を備え、
    前記調節機構は、一端部が前記前輪の車軸に回動可能に取り付けられ、他端部が前記着脱機構に回動可能に取り付けられ、前記前輪の車軸と前記着脱機構との間で伸縮する前側テレスコピック機構と、一端部が前記後輪の車軸に回動可能に取り付けられ、他端部が前記着脱機構に回動可能に取り付けられ、前記後輪の車軸と前記着脱機構との間で伸縮する後側テレスコピック機構と、を有していることを特徴とするクレーンの車輪装置。
  4. 請求項2に記載のクレーンの車輪装置において、
    前記複数の車輪には、前輪と後輪とが含まれ、
    前記調節機構は、
    前記着脱機構から下方に延在するスライド部と、
    前記前輪と前記後輪とを連結し、前記スライド部を保持するスライド保持部を有する連結部と、を有し、
    前記スライド部は、前記地上高さを前記第1の距離とするときに、前記スライド保持部に取り付けられる第1位置決め部と、前記地上高さを前記第2の距離とするときに、前記スライド保持部に取り付けられる第2位置決め部と、を有していることを特徴とするクレーンの車輪装置。
  5. 請求項2に記載のクレーンの車輪装置において、
    前記複数の車輪には、前輪と後輪とが含まれ、
    前記調節機構は、
    一端部が前記前輪の車軸に回動可能に取り付けられ、他端部が前記着脱機構に回動可能に取り付けられた前側リンクと、
    一端部が前記後輪の車軸に回動可能に取り付けられ、他端部が前記着脱機構に回動可能に取り付けられた後側リンクと、
    前記前輪と前記後輪とを連結し、前記前輪と前記後輪との間で伸縮する車輪間距離調節機構と、を備えていることを特徴とするクレーンの車輪装置。
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