JP2014024496A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Katsuyoshi Ogawa
勝義 小川
Atsuhiro Mori
淳弘 森
Shunichi Mitsuishi
俊一 三石
Eigo Sakagami
永悟 坂上
Toru Takaishi
哲 高石
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Abstract

【課題】駆動力配分装置の耐久性を向上することができる車両の制御装置を提案する。
【解決手段】第1ローラ31(第1回転部材)と第2ローラ32(第2回転部材)の回転数の差が所定値以上になると、エンジン2(動力源)が出力する駆動力をエンジンコントローラ20(駆動力制御手段)により減少させる第1の保護制御を行うTCSコントローラ(第1の保護制御手段)と、第1の保護制御後、エンジン2(動力源)が出力する駆動力が増大される前に、ローラ間の径方向押し付け力を所定値よりも大きくする第2の保護制御を行うトランスファーコントローラ111(第2の保護制御手段)と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動力配分装置を備えた車両の制御装置に関する。
従来、摩擦伝動式の駆動力配分装置として、主駆動輪の伝動系に機械的に結合された第1回転部材と、従駆動輪の駆動系に機械的に結合された第2回転部材とを備え、これら回転部材を相互に押し付けることにより、主駆動輪への駆動力の一部を従駆動輪へ分配して出力させ得るようにしたものが知られている。かかる駆動力配分装置にあっては、第1回転部材及び第2回転部材間における押し付け力を加減することにより、これら回転部材間のトルク伝達容量、従って主駆動輪及び従駆動輪間の駆動力配分を制御することができる。
このような駆動力配分装置では、回転部材へ大きなトルクを印加しているときに回転部材間の滑りが発生すると、回転部材が発熱してトルク伝達特性が劣化し、装置の耐久性が低下するおそれがある。これを防止するための保護制御として、特許文献1には、回転部材への印加トルクと回転部材間の滑り量とから回転部材の負荷を演算し、この演算値が所定値以上のときに回転部材間の押し付け力をゼロまたは所定値以上とすることで、回転部材間の滑りを抑制する構成が開示されている。
特開2001−225654号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、動力源が出力する駆動力(回転部材へ入力されるトルク)を制御する場合を想定したとき、この駆動力制御と回転部材間の押し付け力の制御とを協調させるという観点はなく、駆動力配分装置の耐久性を向上する余地を残していた。本発明は、上記問題に着目したものであって、駆動力配分装置の耐久性を向上することができる車両の制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため本発明の車両の制御装置は、これを以下のように構成する。
まず前提となる車両の制御装置を説明すると、これは、駆動力を主駆動輪伝動系に出力する動力源と、動力源が出力する駆動力を制御する駆動力制御手段と、主駆動輪伝動系と共に回転する第1回転部材と、従駆動輪伝動系と共に回転する第2回転部材とを相互に押し付けることにより従駆動輪への駆動力配分が可能であると共に、これら回転部材間の押し付け力を加減することにより主駆動輪及び従駆動輪間の駆動力配分を制御する駆動力配分装置とを備えたものである。
本発明は、かかる車両の制御装置に対し以下の保護制御手段を設けた構成に特徴づけられる。第1の保護制御手段は、第1回転部材と第2回転部材との回転数の差が所定値以上になると、動力源が出力する駆動力を駆動力制御手段により減少させる第1の保護制御を行う。第2の保護制御手段は、第1の保護制御後、動力源が出力する駆動力が増大される前に、回転部材間の押し付け力を所定値よりも大きくする第2の保護制御を行う。
かかる本発明の車両の制御装置によれば、以下の作用効果が奏し得られる。つまり、動力源が出力する駆動力を制御する場合、この駆動力制御と回転部材間の押し付け力の制御とを協調させることで、駆動力配分装置の保護制御の効果を向上することができる。
具体的には、まず、第1回転部材と第2回転部材との回転数の差が所定値以上になると、動力源が主駆動輪伝動系に出力する駆動力(すなわち第1回転部材への入力トルク)を減少させる第1の保護制御を行う。これにより、第1回転部材と第2回転部材との回転数の差(回転部材間の滑り)を抑制して回転部材の負荷を低減する。よって、回転部材の発熱を抑制し、駆動力配分装置の耐久性を向上できる。
さらに、第1の保護制御後、動力源が出力する駆動力(すなわち第1回転部材への入力トルク)が増大される前に、回転部材間の押し付け力を所定値よりも大きくする第2の保護制御を行う。これにより、動力源が出力する駆動力を復帰させる際、第1回転部材と第2回転部材との回転数の差(回転部材間の滑り)を抑制することで、回転部材の負荷を低減し、駆動力配分装置の耐久性を向上できる。
実施例1の車両の制御装置が適用される四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。 図1における駆動力配分装置の縦断側面図である。 図2に示す駆動力配分装置で用いたクランクシャフトを示す縦断正面図である。 図2に示す駆動力配分装置の動作説明図で、 (a)は、クランクシャフト回転角が基準点の0°である位置における第1ローラ及び第2ローラの離間状態を示す動作説明図、 (b)は、クランクシャフト回転角が90°である時における第1ローラ及び第2ローラの接触状態を示す動作説明図、 (c)は、クランクシャフト回転角が180°である時における第1ローラ及び第2ローラの接触状態を示す動作説明図である。 実施例1の車両の制御装置が実行する駆動力配分装置の保護制御プログラムを示すフローチャートである。 実施例1の車両の制御装置が実行する駆動力配分装置の保護制御における各変数の変化の一例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図示の実施例に基づき詳細に説明する。
[実施例1]
<実施例1の構成>
図1は、本発明の一実施例になる車両の制御装置が適用される四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。この四輪駆動車両は、エンジン2からの回転を変速機3による変速後、リヤプロペラシャフト4及びリヤファイナルドライブユニット5を順次経て左右後輪6L,6Rに伝達するようにした後輪駆動車をベース車両とし、左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を、トランスファーとしての駆動力配分装置1により、フロントプロペラシャフト7及びフロントファイナルドライブユニット8を順次経て左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ伝達することにより、四輪駆動走行が可能となるようにした車両である。
エンジン2は、駆動力を直接的には左右後輪(主駆動輪)6L,6Rの伝動系に出力する動力源である。エンジンコントローラ20は、エンジン回転数センサやアクセル開度センサ等の各種センサからの信号の入力に基づき、エンジン2の点火機構や燃料系統や吸排気系統等の各種アクチュエータ(インジェクターや電子制御スロットル等)を制御することでエンジン2の運転状態を制御するコントローラであり、エンジン2が出力する駆動力(エンジントルクTENG)を制御する駆動力制御手段を構成する。
TCSコントローラ10は、各車輪6,7の回転数Vwを検出する車輪速センサ113からの信号の入力を受け、この入力情報を基に後輪(主駆動輪)6L,6Rに加速スリップが発生していると判定すると、エンジンコントローラ20に指令を出力し、エンジントルクTENGを減少させることで、後輪(主駆動輪)6L,6Rの加速スリップ(空転ないしスリップ傾向)を抑制するTCS制御を行う。具体的には、まず、後輪(主駆動輪)6L,6Rの加速スリップ量として、前後輪6,9の車輪速差ΔV(=左右後輪6L,6Rの平均回転数Vwr−左右前輪9L,9Rの平均回転数Vwf)を算出する。そして、この車輪速差ΔVが設定された閾値ΔV1以上であれば加速スリップが発生していると判定する。なお、車輪速センサだけでなく、舵角センサやヨーレートセンサからの入力情報をも加味して加速スリップを判定してもよい。また、所定のモデルを用いて車輪速等の情報に基づいて車体速を推定し、この推定車体速と後輪の車輪速との偏差により加速スリップ量を算出してもよい。TCSコントローラ10は、加速スリップが発生していると判定すると、必要な目標エンジントルクTENG*の演算を行い、エンジンコントローラ20に対しエンジントルクTENGを低減する指令を出力する。エンジンコントローラ20は、TCSコントローラ10からの指令を受けて、電子制御スロットルに対するスロットル開度制御、及びインジェクターに対する燃料カット制御等を行う。
なお、TCSコントローラ10、エンジンコントローラ20、及び後述するトランスファーコントローラ111は、互いに情報を交換可能にCAN通信線等により接続されている。
駆動力配分装置1は、上記のごとくエンジン2から左右後輪(主駆動輪)6L,6Rの伝動系へ出力されたトルク(駆動力)の一部を左右前輪(従駆動輪)9L,9Rの伝動系へ分配して出力することにより、左右後輪(主駆動輪)6L,6R及び左右前輪(従駆動輪)9L,9R間の駆動力配分比を決定するもので、本実施例においては、この駆動力配分装置1を図2に示すように構成する。
図2において11は、駆動力配分装置1のハウジングを示し、このハウジング11内に入力軸12及び出力軸13を、それぞれの回転軸線O1及びO2が互いに所定角度を有するよう、相互に傾斜させて横架する。入力軸12は、その両端におけるボールベアリング14,15によりハウジング11に対し回転自在に支承する。入力軸12の両端をそれぞれ、シールリング25,26による液密封止下でハウジング11から突出させる。図2において入力軸12の左端を変速機3(図1参照)の出力軸に駆動結合し、右端はリヤプロペラシャフト4(図1参照)を介してリヤファイナルドライブユニット5に駆動結合する。
入力軸12及び出力軸13の両端近くにそれぞれ配して、これら入出力軸12,13間に一対のベアリングサポート16,17を架設し、これらベアリングサポート16,17をそれぞれの中程で、ボルト(図示せず)によりハウジング11の軸線方向対向内壁に取着する。ベアリングサポート16,17と入力軸12との間にはローラベアリング21,22を介在させ、これにより入力軸12をベアリングサポート16,17に対し回転自在となすことで、ベアリングサポート16,17を介しても入力軸12をハウジング11内に回転自在に支持する。
ベアリングサポート16,17間(ローラベアリング21,22間)における入力軸12の軸線方向中程位置に第1回転部材としての第1ローラ31を同軸に一体成形する。この第1ローラ31に作動油(潤滑油)を介して動力伝達可能に摩擦接触し得るよう配して出力軸13の軸線方向中程位置に第2回転部材としての第2ローラ32を同軸に一体成形する。これら第1ローラ31及び第2ローラ32の外周面31a,32aは、入力軸12及び出力軸13の前記した傾斜に関わらず相互に線接触し得るような円錐テーパ面とする。
出力軸13は、その両端近くにおける前記のベアリングサポート16,17に対し旋回可能に支承することで、これらベアリングサポート16,17を介してハウジング11内に旋回可能に支持する。このように出力軸13をベアリングサポート16,17に対し旋回可能に支承するに当たっては、以下のような偏心支承構造を用いる。
出力軸13と、これが貫通するベアリングサポート16,17との間にそれぞれ、中空アウターシャフト型式のクランクシャフト51L,51Rを遊嵌し、これらクランクシャフト51L,51Rを本発明におけるローラ旋回駆動メンバとして用いる。クランクシャフト51L及び出力軸13をそれぞれ図2の左端においてハウジング11から突出させ、該突出部においてハウジング11及びクランクシャフト51L間にシールリング27を介在させると共に、クランクシャフト51L 及び出力軸13間にシールリング28を介在させて、ハウジング11から突出するクランクシャフト51L及び出力軸13の突出部をそれぞれ液密封止する。図2においてハウジング11から突出する出力軸13の左端は、フロントプロペラシャフト7(図1参照)及びフロントファイナルドライブユニット8を介して左右前輪9L,9Rに駆動結合する。
クランクシャフト51L,51Rの中空孔51La,51Ra(半径Ri)と、出力軸13の対応端部との間にそれぞれローラベアリング52L,52Rを介在させて、出力軸13をクランクシャフト51L,51Rの中空孔51La,51Ra内で、これらの中心軸線O2の周りに自由に回転し得るよう支持する。クランクシャフト51L,51Rの中空孔51La,51Ra(中心軸線O2)は図3に明示するごとく、外周部51Lb,51Rb(中心軸線O3、半径Ro)に対し偏心させた偏心中空孔とし、これら偏心中空孔51La,51Raの中心軸線O2は外周部51Lb,51Rbの中心軸線O3から、両者間の偏心分εだけオフセットしている。クランクシャフト51L,51Rの外周部51Lb,51Rbはそれぞれ、ローラベアリング53L,53Rを介して対応する側におけるベアリングサポート16,17内に回転自在に支持される。この際、クランクシャフト51L,51Rをそれぞれ、第2ローラ32と共に、スラストベアリング54L,54Rで軸線方向に位置決めする。
クランクシャフト51L,51Rの相互に向き合う隣接端にそれぞれ、同仕様のリングギヤ51Lc,51Rcを一体に設ける。これらリングギヤ51Lc,51Rcにそれぞれ、共通なクランクシャフト駆動ピニオン55を噛合させ、これらクランクシャフト駆動ピニオン55をピニオンシャフト56に結合する。なお、上記のごとくリングギヤ51Lc,51Rcにクランクシャフト駆動ピニオン55を噛合させるに当たっては、クランクシャフト51L,51Rを両者の外周部51Lb,51Rbが円周方向において相互に整列して同位相となる回転位置にした状態で、当該リングギヤ51Lc,51Rcに対するクランクシャフト駆動ピニオン55の噛合を行わせる。
ピニオンシャフト56は、その両端を軸受56a,56bによりハウジング11に対し回転自在に支持する。図2の右側におけるピニオンシャフト56の右端をハウジング11に貫通してこれから露出させ、該ピニオンシャフト56の露出端面には、ハウジング11に取着して設けたモータ35(ローラ間押し付け力制御モータ)の出力軸35aをセレーション嵌合などにより駆動結合し、このモータ35をアクチュエータとして用いる。よって、モータ35によりピニオン55及びリングギヤ51Lc,51Rcを介しクランクシャフト51L,51Rを回転位置制御するとき、出力軸13及び第2ローラ32の回転軸線O2が、図3に破線で示す軌跡円αに沿って中心軸線Oの周りに旋回する。
図3の軌跡円αに沿った回転軸線O2(第2ローラ32)の旋回により第2ローラ32は、後述するが図4(a)〜(c)に示すごとく第1ローラ31に対し径方向へ接近し、これら第1ローラ31及び第2ローラ32のローラ軸間距離L1をクランクシャフト51L,51Rの回転角θの増加につれ、第1ローラ31の半径と第2ローラ32の半径との和値よりも小さくすることができる。かかるローラ軸間距離L1の低下により、第1ローラ31に対する第2ローラ32の径方向押し付け力が大きくなる。ローラ軸間距離L1の低下度合いに応じてローラ間径方向押し付け力(ローラ間伝達トルク容量:トラクション伝動容量)、つまり駆動力配分比を任意に制御することができる。
図4(a)に示すように本実施例では、第2ローラ回転軸線O2がクランクシャフト回転軸線O3の直下に位置し、第1ローラ31及び第2ローラ32の軸間距離L1が最大となる下死点でのローラ軸間距離L1を、第1ローラ31の半径と第2ローラ32の半径との和値よりも大きくする。これにより当該クランクシャフト回転角θ=0°の下死点においては、第1ローラ31及び第2ローラ32が相互に径方向へ押し付けられることがなく、ローラ31,32間でトラクション伝動が行われないトラクション伝動容量=0の状態を得ることができ、トラクション伝動容量を下死点での0と、図4(c)に示す上死点(θ=180°)で得られる最大値との間で任意に制御することができる。
〔駆動力配分作用〕
図1〜4につき上述した駆動力配分装置1の駆動力配分作用を以下に説明する。変速機3(図1参照)から駆動力配分装置1の入力軸12に達したトルクは、一方でこの入力軸12からそのままリヤプロペラシャフト4及びリヤファイナルドライブユニット5(ともに図1参照)を経て左右後輪6L,6R(主駆動輪)へ伝達される。
他方で駆動力配分装置1は、モータ35によりピニオン55及びリングギヤ51Lc,51Rcを介しクランクシャフト51L,51Rを回転位置制御して、ローラ軸間距離L1(図4参照)を第1ローラ31及び第2ローラ32の半径の和値よりも小さくするとき、これらローラ31,32が径方向相互押し付け力に応じたローラ間伝達トルク容量を持つことから、このトルク容量に応じて、左右後輪6L,6R(主駆動輪)へのトルクの一部を、第1ローラ31から第2ローラ32を経て出力軸13に向かわせ、左右前輪9L,9R(従駆動輪)をも駆動することができる。かくして車両は、左右後輪6L,6R(主駆動輪)及び左右前輪(従駆動輪)9L,9Rの全てを駆動しての四輪駆動走行が可能である。なお、上記トラクション伝動は、滑らかな一対の転動体である第1ローラ31と第2ローラ32を相互に径方向に押し付けることでできる弾性変形接触部に作動油を閉じ込め、この作動油の剪断応力により接線方向(ローラ回転方向)の力を伝えるものである。よって、作動油は、限界剪断応力の大きなもの(例えばナフテン系の油)を用いることが好ましい。
この四輪駆動走行中、クランクシャフト51L,51Rの回転角θが図4(b)に示すごとく例えば90°であって、第1ローラ31及び第2ローラ32が相互に、この時のオフセット量OSに対応した径方向押し付け力で押し付けられて(作動油を介して)摩擦接触している場合、これらローラ間のオフセット量OSに対応したトラクション伝動容量で左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへの動力伝達が行われる。
そして、クランクシャフト51L,51Rを図4(b)の位置から、図4(c)に示すクランクシャフト回転角θ=180°の上死点に向け回転操作してクランクシャフト回転角θを増加させるにつれ、ローラ軸間距離L1が更に減少して第1ローラ31及び第2ローラ32の相互オーバーラップ量OLが増大する結果、第1ローラ31及び第2ローラ32は径方向相互押し付け力を増大され、これらローラ間のトラクション伝動容量を増大させることができる。クランクシャフト51L,51Rが図4(c)の上死点位置に達すると、第1ローラ31及び第2ローラ32は相互に、最大のオーバーラップ量OLに対応した径方向最大押し付け力で径方向へ押し付けられて、これらの間のトラクション伝動容量を最大にすることができる。なお最大のオーバーラップ量OLは、第2ローラ回転軸線O2及びクランクシャフト回転軸線O3間の偏心量εと、図4(b)につき上記したオフセット量OSとの和値である。
以上の説明から明らかなように、クランクシャフト51L,51Rをクランクシャフト回転角θ=0°の回転位置から、θ=180°の回転位置まで回転操作することにより、クランクシャフト回転角θの増加につれ、ローラ間トラクション伝動容量を0から最大値まで連続変化させることができる。また逆に、クランクシャフト51L,51Rをθ=180°の回転位置から、θ=0°の回転位置まで回転操作することにより、クランクシャフト回転角θの低下につれ、ローラ間トラクション伝動容量を最大値から0まで連続変化させることができる。このように、ローラ間トラクション伝動容量をクランクシャフト51L,51Rの回転操作により自在に制御し得る。
〔トラクション伝動容量制御〕
上記した四輪駆動走行中は駆動力配分装置1が、上記のごとく左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ分配して出力するため、第1ローラ31及び第2ローラ32間のトラクション伝動容量を、左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ分配すべき目標前輪駆動力に対応させる必要がある。この要求にかなうトラクション伝動容量制御のために本実施例においては、図1に示すようにトランスファーコントローラ111を設け、これによりモータ35の回転位置制御(クランクシャフト回転角θの制御)を行うものとする。
そのためトランスファーコントローラ111には、エンジン2の出力を加減するアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ112からの信号と、左右後輪(主駆動輪)6L,6Rの回転数Vwrを検出する車輪速センサ113からの信号と、車両の重心を通る鉛直軸線周りにおけるヨーレートφを検出するヨーレートセンサ114からの信号と、ハウジング11内に設けられてクランクシャフト51L,51Rの回転角θを検出するクランクシャフト回転角センサ115からの信号と、駆動力配分装置1(ハウジング11)内における作動油の温度TEMPを検出する油温センサ116からの信号を入力する。
トランスファーコントローラ111は、これら入力情報を基に、駆動力配分装置1のトラクション伝動容量制御(四輪駆動車両の前後輪駆動力配分制御)を概略以下のように行う。つまり、トランスファーコントローラ111は、アクセル開度APO、後輪速Vwr、及びヨーレートφに基づき、先ず左右後輪(主駆動輪)6L,6Rの駆動力及び前後輪目標駆動力配分比を周知の要領で求める。次にトランスファーコントローラ111は、これら左右後輪(主駆動輪)6L,6Rの駆動力及び前後輪目標駆動力配分比から、左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ分配すべき目標前輪駆動力を求める。
更にトランスファーコントローラ111は、この目標前輪駆動力を伝達するのに必要な第1ローラ31及び第2ローラ32の目標伝達トルク(第1ローラ31及び第2ローラ32間のトラクション伝動容量)としてローラ間径方向押し付け力をマップ検索などにより求め、このローラ間径方向押し付け力を実現するのに必要なクランクシャフト51L,51Rの回転角目標値tθ、つまり第2ローラ軸線O2の目標旋回位置を演算する。
そしてトランスファーコントローラ111は、クランクシャフト回転角センサ115で検出したクランクシャフト回転角θ及び上記のクランクシャフト回転角目標値tθ間におけるクランクシャフト回転角偏差に応じ、クランクシャフト回転角θがクランクシャフト回転角目標値tθに一致するよう、モータ35を駆動制御する。すなわち、目標伝達トルクを得る締結力指令TETSとして、クランクシャフト回転角偏差に応じた電流指令をモータ35に出力する。当該モータ35の駆動制御によりクランクシャフト51L,51Rの回転角θが目標値tθに一致することで、第1ローラ31及び第2ローラ32は上記の目標前輪駆動力を伝達可能なように相互に径方向に押圧される。これにより、前後輪目標駆動力配分比を実現するよう第1ローラ31及び第2ローラ32間のトラクション伝動容量を制御する。
〔保護制御〕
本実施例の車両の制御装置は、駆動力配分装置1の保護制御を行う手段として、第1の保護制御手段と第2の保護制御手段を備える。第1の保護制御手段は、TCSコントローラ10により構成される。すなわち、TCSコントローラ10は、後輪(主駆動輪)6L,6Rと前輪(従駆動輪)9L,9Rの車輪速差ΔVが所定の閾値ΔV1以上になると、エンジントルクTENGを減少させる。ここで、車輪速差ΔVは第1ローラ31と第2ローラ32との回転数の差に相当する。TCSコントローラ10は、エンジントルクTENGを減少させて第1ローラ31への入力トルクを抑制することにより、後輪(主駆動輪)6L,6Rの加速スリップを抑制するTCS制御機能を有すると同時に、第1ローラ31と第2ローラ32との回転数の差(ローラ間の滑り)を抑制して第1ローラ31及び第2ローラ32の負荷を低減する第1の保護制御機能を有する。
第2の保護制御手段は、トランスファーコントローラ111により構成される。すなわち、トランスファーコントローラ111は、TCSコントローラ10によるTCS制御(第1の保護制御)後、エンジントルクTENGが再び増大される前に、ローラ間の径方向押し付け力、言い換えるとローラ間の(作動油を介した)摩擦接触力を所定値よりも大きくする。これにより、第1ローラ31と第2ローラ32との回転数の差(ローラ間の滑り)を抑制することで第1ローラ31及び第2ローラ32の負荷を低減する第2の保護制御機能を有する。上記所定値は、TCS制御の実行直前の締結力指令TETS-1、すなわち前後輪6,9の車輪速差ΔVが閾値ΔV1以上になるようなローラ間の径方向押し付け力であり、例えばトランスファーコントローラ111内に記憶しておく。ローラ間の径方向押し付け力をこの所定値より大きくする際、好ましくは最大値とする。
図5は、本実施例の車両の制御装置により実行される駆動力配分装置1の保護制御の流れを示すフローチャートである。この制御フローは所定の制御周期で繰り返し実行する。
ステップS1では、TCSコントローラ10が、前後輪6,9の車輪速差ΔVが閾値ΔV1以上であるか否かを判定する。閾値ΔV1以上であれば加速スリップが発生していると判定してステップS2へ移行し、閾値ΔV1未満であれば今回の制御周期を終了する。
ステップS2では、トランスファーコントローラ111が、TCS制御の際に締結力指令TETS(ローラ間の径方向押し付け力)を低下させる第3の保護制御を行う。具体的には、ステップS3におけるTCS制御を実行する直前に、TETSをゼロとする。その後、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、TCSコントローラ10が、第1の保護制御としてのTCS制御を実行する。具体的には、エンジントルクTENGをエンジンコントローラ20により所定の勾配(速度)で減少させる。TCS制御の開始後、ステップS4へ移行する。
ステップS4では、TCSコントローラ10が、前後輪6,9の車輪速差ΔVが略ゼロまで減少したか否かを判定する。具体的には、ΔVが微小な第2の閾値ΔV0以下であるか否かを判定する。ΔVがΔV0以下であれば加速スリップが解消したと判定して、ステップS5へ移行する。ΔVがΔV0より大きければステップS3を繰り返してTCS制御を継続する。
ステップS5では、トランスファーコントローラ111が、締結力指令TETSを所定値TETS-1よりも大きくする第2の保護制御を行う。すなわち、TCS制御後にエンジントルクTENGが ステップS6で再び増大される前に、ローラ間の径方向押し付け力をステップS5で大きくしておく。具体的には、締結力指令TETSを最大値とする。その後、ステップS6へ移行する。
ステップS6では、トランスファーコントローラ111が、締結力指令TETSの増加が完了した(最大値となった)ことを確認してから、エンジントルクTENGの増大(復帰)を許可する。エンジンコントローラ20が、エンジントルクTENGをアクセル開度APOに応じた値まで徐々に増大(復帰)させる。その後、今回の制御周期を終了する。
図6は、本実施例の保護制御における各変数の変化の一例を示すタイムチャートである。
時刻t1以前では、車両は停止状態である。
時刻t1で、アクセルペダルが踏まれ(アクセル開度APOが所定値となり)、エンジンコントローラ20がアクセル開度APOに応じたエンジントルクTENGを発生すると共に、トランスファーコントローラ111がアクセル開度APOに基づく締結力指令TETSを出力する。車速Vが発生して車両が四輪駆動状態で発進すると共に、前後輪6,9の車輪速差(加速スリップ量)ΔVが徐々に増大する。
時刻t2で、ΔVが閾値ΔV1以上になるため、図5でステップS1→S2→S3へ進む流れとなり、トランスファーコントローラ111が締結力指令TETSをゼロまで低下させると共に、t2以後、TCSコントローラ10がエンジントルクTENGを徐々に減少させる。TENGの減少に応じて、ΔVが徐々に減少する。
時刻t3で、TENGがゼロまで減少する。
時刻t4で、ΔVが第2の閾値ΔV0以下となるため、ステップS4→S5へ進む流れとなり、TCSコントローラ10がTCS制御を終了すると共に、トランスファーコントローラ111がTETSを最大値TETSmax(≧TETS-1)まで増加させる。
時刻t5で、TETSの増加が完了しているため、エンジンコントローラ20がTENGを徐々に増大(復帰)する。
時刻t6で、アクセルペダルが戻される(アクセル開度APOが略ゼロとなる)ため、TENGが略ゼロになると共に、アクセル開度APOに基づく締結力指令TETSも略ゼロとなる。
時刻t1以後、所定のTETS-1すなわちローラ間の径方向押し付け力が発生している状態で、前後輪6,9の車輪速差ΔVすなわちローラ間の滑り量が所定値以上になると、ローラの負荷が増大して駆動力配分装置1の耐久性が低下するおそれがある。これに対し、ΔV(ローラ間の滑り量)が所定値以上になる時刻t2以後、TCS制御によりエンジントルクTENGすなわち第1ローラへの入力トルクを減少させることで、ΔVすなわちローラ間の滑り量を抑制してローラの負荷を低減することができる(第1の保護制御)。
時刻t2以後、TCS制御を実行する際、締結力指令TETSすなわちローラ間の径方向押し付け力を低下させる。これにより、ローラ間の径方向押し付け力が発生している状態でローラ間の相対回転(滑り)が生じる事態を回避し、TCS制御中のローラの負荷をより低減することができる(第3の保護制御)。ここで、TCS制御中のローラ31,32の負荷を低減するため、ローラ間の径方向押し付け力を低下させる上記第3の保護制御を実行する代わりに、図6の一点鎖線で示すように、時刻t2以後、TCS制御を実行する際、ローラ間の径方向押し付け力を増大させる(例えば最大値とする)ことも考えられる。この場合、後述するように、TCS制御後に時刻t5でエンジントルクTENGが増大される前にローラ間の径方向押し付け力を大きくする(最大値とする)ことで、ローラ間の相対回転(滑り)を抑制し、ローラ31,32の負荷を低減する、という第2の保護制御と同様の効果を得ることができると考えられる。また、TCS制御中、ローラ間の径方向押し付け力によってローラ間の相対回転(滑り)を抑制し、ローラ31,32の負荷を低減できるとも考えられる。しかし、この場合、時刻t2後、少なくとも車輪速差ΔVすなわちローラ間の滑り量がローラ間の径方向押し付け力によって十分に抑制されるまでの間は、ローラ間の径方向押し付け力が増大した(最大値となった)状態でローラ31,32が相対回転する(滑る)こととなり、ローラ31,32の負荷を十分に低減できない。これに対し、本実施例のようにTCS制御中はローラ間の径方向押し付け力を低下させることとすれば、ローラ31,32の負荷を十分に低減することが可能となる。本実施例のようにローラ間の径方向押し付け力をゼロまで低下させることで、ローラ31,32の負荷低減効果を最大とすることができる。
図6の点線で示すように、TCS制御後、仮に、エンジントルクTENGを増大させ始める時刻t5よりも前に締結力TETSを増加させず、時刻t5より後の時刻t50でTETSを増加させた場合には、TENG(すなわち第1ローラ31への入力トルク)の増大に対してローラ間の径方向押し付け力(トラクション伝動容量)が不足し、ΔV(すなわちローラ間の滑り)が発生するおそれがある。この場合、TCS制御後にエンジントルクTENGを復帰させる際、ローラ間の径方向押し付け力が発生している状態でローラ間の相対回転(滑り)が生じることとなり、TCS制御後の復帰時におけるローラ31,32の負荷が増大するおそれがある。これに対し、本実施例では、TCS制御後、TENGを増大させ始める時刻t5より前の時刻t4でTETSを増大させることにより、TENG(すなわち第1ローラ31への入力トルク)を増大させ始める前に予めローラ間の径方向押し付け力(トラクション伝動容量)を確保する。言い換えると、TCS制御と駆動力配分装置1の伝動容量制御とを協調させることで、ローラ31,32の負荷の増大を前もって抑制する。これにより、TCS制御後にエンジントルクTENGを復帰させる際、ローラ間の径方向押し付け力が発生している状態でΔV(すなわちローラ間の滑り)が生じる事態を回避し、TCS制御後もローラ31,32の負荷を低減することができる(第2の保護制御)。
<実施例1の効果>
上述した本実施例になる車両の制御装置によれば、TCSコントローラ10(ステップS3,S4)は、TCS制御(第1の保護制御)を行うことで、駆動力配分装置1を保護する第1の保護制御手段を構成する。エンジン2が主駆動輪伝動系に出力する駆動力としてのエンジントルクTENG(すなわち第1ローラ31への入力トルク)をエンジンコントローラ20により減少させ、第1ローラ31と第2ローラ32との回転数の差(滑り)を抑制する第1の保護制御(TCS制御)を行うことにより、ローラ31,32の負荷を低減してローラ31,32の発熱を抑制し、駆動力配分装置1の耐久性を向上できる(ユニット保護)。
すなわち、後輪駆動ベースの四輪駆動車において、駆動力配分装置1の第1ローラ31と第2ローラ32とを相互に押し付けることにより、エンジン2が出力する駆動力を前輪(従駆動輪)9L,9Rへ配分中、例えば後輪6L,6Rが加速スリップ状態となると、前後輪6,9の車輪速差ΔVが発生する。TCSコントローラ10は、エンジン2が出力する駆動力をエンジンコントローラ20により減少させ、後輪6L,6Rの加速スリップ量を抑制することを介して、車輪速差ΔVすなわち第1ローラ31と第2ローラ32との回転数の差(滑り)を抑制する。これによりローラ31,32の負荷を低減し、駆動力配分装置1の耐久性を向上することができる。
トランスファーコントローラ111(ステップS5)は、第2の保護制御を行うことで、駆動力配分装置1を保護する第2の保護制御手段を構成する。第1の保護制御(TCS制御)後、エンジン2が出力する駆動力(すなわち第1ローラ31への入力トルク)が再び増大される前に、締結力指令TETS(ローラ間の径方向押し付け力)を所定値TETS-1よりも大きくする第2の保護制御を行うことにより、エンジン2が出力する駆動力を復帰させる際に、第1ローラ31と第2ローラ32の回転数の差(滑り)の発生を予め抑制する。これにより、ローラ間の径方向押し付け力が発生している状態でΔV(すなわちローラ間の滑り)が生じる事態を回避して、駆動力配分装置1の耐久性を向上することができる。
つまり、エンジン2が出力する駆動力を制御する場合、この駆動力制御とローラ間の押し付け力の制御とを協調させることで、駆動力配分装置1の保護制御の効果を向上することができる。
所定値TETS-1を、第1の保護制御(TCS制御)が行われる直前における締結力指令TETS(ローラ間の径方向押し付け力)の値とすることにより、エンジン2が出力する駆動力を復帰させる際、ローラ間の径方向押し付け力(締結力TETS)を、少なくとも第1の保護制御(TCS制御)前の値よりも大きくする。すなわち、ローラ間の径方向押し付け力を、第1の保護制御(TCS制御)前にローラ間の回転数差(滑り)が発生した(ΔV1以上になった)押し付け力の値よりも大きくする。これにより、エンジン2が出力する駆動力を復帰させる際、ローラ間の回転数差(滑り)をより確実に抑制することができる。
具体的には、トランスファーコントローラ111(ステップS5)は、第1の保護制御(TCS制御)後、エンジン2が出力する駆動力が増大される前に、締結力指令TETS(ローラ間の径方向押し付け力)を最大値とすることにより、ローラ間の回転数差(滑り)を最大限抑制し、駆動力配分装置1の耐久性をより向上できる。
トランスファーコントローラ111(ステップS2)は、第1の保護制御(TCS制御)の際、並行して第3の保護制御を行うことで、駆動力配分装置1を保護する第3の保護制御手段を構成する。第1の保護制御(TCS制御)によりローラ間の回転数差(滑り)を抑制するだけでなく、締結力指令TETS(ローラ間の径方向押し付け力)を低下させる第3の保護制御を行うことにより、ローラ31,32の負荷をより効果的に低減し、またローラ同士の焼き付きを防止して、駆動力配分装置1の耐久性を向上することができる。つまり、エンジン2が出力する駆動力を制御する場合、この駆動力制御とローラ間の押し付け力の制御とを協調させることで、駆動力配分装置1の保護制御の効果を向上することができる。
具体的には、第1の保護制御(TCS制御)の際、締結力指令TETSをゼロとして、ローラ間の径方向押し付け力(締結力)をゼロとすることにより、ローラ31,32の負荷低減等の効果を最大とすることができる。
<他の実施例>
以上、本発明を実施するための形態を、図面に基づく実施例により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、摩擦伝動式の駆動力配分装置として、ローラ31,32間を作動油を介して摩擦接触させ、この作動油の剪断応力によりトルクを伝達するものを示したが、これに限らず、例えばローラ同士を直接摩擦接触させ、ローラ間の摩擦力によりトルクを伝達するものであってもよい。
実施例では、駆動力配分装置において相互に押し付ける回転部材としてローラを用いた例を示したが、クラッチ等を用いてもよく、特に限定しない。要は、主駆動輪伝動系と共に回転する第1回転部材と、従駆動輪伝動系と共に回転する第2回転部材とを相互に押し付けることにより従駆動輪への駆動力配分が可能であると共に、これら回転部材間の押し付け力を加減することにより前記主駆動輪及び従駆動輪間の駆動力配分を制御するものであればよい。
実施例では、駆動力を主駆動輪の伝動系に出力する動力源としてエンジンを用いた例を示したが、電動モータ等を用いてもよく、特に限定しない。例えば、動力源としてエンジンとモータジェネレータをタンデムに備えたハイブリッド車両に対して本発明の制御装置を適用することも可能である。
1 駆動力配分装置
2 エンジン(動力源)
6L,6R 左右後輪(主駆動輪)
9L,9R 左右前輪(従駆動輪)
10 TCSコントローラ(第1の保護制御手段)
20 エンジンコントローラ(駆動力制御手段)
31 第1ローラ(第1回転部材)
32 第2ローラ(第2回転部材)
111 トランスファーコントローラ(第2,第3の保護制御手段)

Claims (5)

  1. 駆動力を主駆動輪伝動系に出力する動力源と、
    前記動力源が出力する駆動力を制御する駆動力制御手段と、
    主駆動輪伝動系と共に回転する第1回転部材と、従駆動輪伝動系と共に回転する第2回転部材とを相互に押し付けることにより従駆動輪への駆動力配分が可能であると共に、これら回転部材間の押し付け力を加減することにより主駆動輪及び従駆動輪間の駆動力配分を制御する駆動力配分装置と、
    前記第1回転部材と前記第2回転部材の回転数の差が所定値以上になると、前記動力源が出力する駆動力を前記駆動力制御手段により減少させる第1の保護制御を行う第1の保護制御手段と、
    前記第1の保護制御後、前記動力源が出力する駆動力が増大される前に、前記回転部材間の押し付け力を所定値よりも大きくする第2の保護制御を行う第2の保護制御手段と、を備える
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置において、
    前記第1の保護制御の際、前記回転部材間の押し付け力を低下させる第3の保護制御を行う第3の保護制御手段を備えることを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の制御装置において、
    前記第3の保護制御手段は、前記第1の保護制御の際、前記回転部材間の押し付け力をゼロとすることを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の制御装置において、
    前記所定値は、前記第1の保護制御が行われる直前における前記回転部材間の押し付け力の値であることを特徴とする車両の制御装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の車両の制御装置において、
    前記第2の保護制御手段は、前記第1の保護制御後、前記動力源が出力する駆動力が増大される前に、前記回転部材間の押し付け力を最大値とすることを特徴とする車両の制御装置。
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