JP2004019632A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】等速ジョイントの小型化に寄与することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は車速Vと車速判定閾値Vsとの大小を比較する(S101)。車速Vが車速判定閾値Vsよりも小さいと判断した場合、制御装置はS102へ処理を移行し、操舵角τと操舵角判定閾値τsとの大小を比較する。操舵角τが操舵角判定閾値τsよりも大きいと判断した場合、制御装置はジョイント角が大角度領域(例えば40度を超える領域)の角度であるとしてS103へ処理を移行する。そして、制御装置はエンジントルクが予め設定した大角度領域時の設定エンジントルク(所定値)を超えないようにスロットルアクチュエータを駆動制御する。大角度時の駆動軸への入力トルクを制限することにより、等速ジョイントを全体的に小型化することができる。
【選択図】 図6
【解決手段】制御装置は車速Vと車速判定閾値Vsとの大小を比較する(S101)。車速Vが車速判定閾値Vsよりも小さいと判断した場合、制御装置はS102へ処理を移行し、操舵角τと操舵角判定閾値τsとの大小を比較する。操舵角τが操舵角判定閾値τsよりも大きいと判断した場合、制御装置はジョイント角が大角度領域(例えば40度を超える領域)の角度であるとしてS103へ処理を移行する。そして、制御装置はエンジントルクが予め設定した大角度領域時の設定エンジントルク(所定値)を超えないようにスロットルアクチュエータを駆動制御する。大角度時の駆動軸への入力トルクを制限することにより、等速ジョイントを全体的に小型化することができる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、等速ジョイントを備えた車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば前輪駆動車や四輪駆動車等の車両において、エンジンの駆動力(トルク)を車輪に伝えるドライブシャフトと車輪との連結部には、等速ジョイントが使用されている。これにより、駆動軸と従動軸とが所定の交差角(ジョイント角)を採った状態で回転しても回転力を滑らかに且つ等速で伝達可能としている。
【0003】
即ち、図11に示すように、等速ジョイント151は駆動軸152がスプライン結合されたインナレース153及び従動軸154が連結されたアウタレース155を備えており、インナレース153はアウタレース155の内部に収容されている。インナレース153の球面状の外面には複数のボール溝153aが、またアウタレース155の球面状の内面には複数のボール溝155aがそれぞれ円周方向において等間隔に形成されている。
【0004】
インナレース153のボール溝153aとアウタレース155のボール溝155aとの間には、ケージ156の複数のボール保持窓156aによりそれぞれ円周方向の間隔が一定に保持された複数のトルク伝達ボール157が配置されている。各トルク伝達ボール157がそれぞれ各ボール溝153a,155aに沿って転動することにより、アウタレース155の回転軸に対してインナレース153の回転軸を揺動可能となっている。
【0005】
一方、インナレース153の外周面及びアウタレース155の内周面における両ボール溝153a,155aの側壁によりトルク伝達ボール157の円周方向への移動が規制される。これにより、インナレース153とアウタレース155との相対回転が規制される。従って、駆動軸152と従動軸154との交差角(ジョイント角θ)の変化が許容されながらインナレース153及びアウタレース155はそれぞれ等速で回転する。図11は最大ジョイント角θmax近傍の状態を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の等速ジョイントには次のような問題があった。通常、ステアリングを大きく切った状態(例えば車庫入れ、切り返し、狭い道幅での右左折など)でドライブシャフト(即ち駆動軸152)に大きなトルクを入力する状態が実際にはほとんどありえないが、万一に備えてこの状態におけるジョイント強度をある程度確保する必要があった。ステアリングを大きく切った状態であっても運転者がアクセルペダルを大きく踏み込めば、大きなトルクが出力可能とされているからである。
【0007】
具体的には、ジョイント角θが常用角度域(例えば0≦θ≦10度)にある状態においては破損のおそれがない部位、例えばアウタレース155、ケージ156及びインナレース153の中央部付近の肉厚をそれぞれ確保すると共に、ボール溝153aの深さを確保する必要がある。
【0008】
さらに、ステアリングが大きく切られてジョイント角θが大角度領域(例えばθ>40度)の角度になったときには、アウタレース155の開口部付近に応力集中が発生する。特に、アウタレース155の開口部付近外周にはブーツ( 図示略) を固定するための凹溝が形成されており(図12におけるa部)肉厚が薄い。このため、ジョイント角θが大角度領域にある状態で駆動軸152に大トルクが入力されるとアウタレース155におけるa部が破損(湾曲など)するおそれがあった。これを防止するため、アウタレース155の開口部付近の肉厚を確保する必要があった。
【0009】
また、ジョイント角が大きくされるほど且つ駆動軸152への入力トルクが大きくなるほど、ケージ156のボール保持窓156aの周縁部(例えば図13におけるb1部,b2部,b3部)に作用する捩れ,曲げ,引っ張り等の力が大きくなる。そして、ケージ156の肉厚が十分でない場合、ケージ156のb1部,b2部,b3部がそれぞれ破損(湾曲など)するおそれがあった。これを防止するため、ケージ156の肉厚を全体的に確保する必要があった。
【0010】
また、インナレース153において、ボール溝153a底部の肉厚は外方へ向かうほど薄くされている。そして、ジョイント角が大きくされるほどトルク伝達ボール157はボール溝153aの外方へ移動し、ジョイント角θが大角度領域の角度になったときにはインナレース153の開口部付近(例えば図14におけるc部)に応力集中が発生する。この状態で駆動軸152に大トルクが入力されるとインナレース153におけるc部が破損(湾曲など)するおそれがあった。これを防止するため、インナレース153の開口部付近の肉厚を確保する必要があった。
【0011】
さらに、ボール溝153aの深さが十分確保されていない場合、次のような問題があった。即ち、ジョイント角θが大角度領域の角度(例えば図11に示す最大ジョイント角θmax)になった状態で駆動軸152に大トルクが入力されると、ボール溝153aとトルク伝達ボール157との楕円状の接触面(接触楕円S)が当該ボール溝153aのエッジからはみ出すおそれがあった(図14参照)。
【0012】
このため、ボール溝153aのエッジには過度の負荷がかかり、ボール溝153aのエッジに欠け等が発生するおそれがあった。これを防止するため、ボール溝153aの深さを確保する必要があった。ちなみに、小角度時及びジョイント角0時の接触楕円はそれぞれSa及びS0で示すようになり、ボール溝153aからはみでるおそれはない。
【0013】
以上のように、ジョイント角θが大角度域にある場合に大きなトルクが入力されたときのみに破損のおそれがある部位の肉厚及びボール溝153aの深さをそれぞれ大トルクに耐え得る程度に確保する必要があった。従って、等速ジョイント151全体の小型化には限界があった。
【0014】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、等速ジョイントの小型化に寄与することができる車両の制御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、動力源の駆動力をドライブシャフト及び当該ドライブシャフトに連結された等速ジョイントを介して駆動輪に伝達するようにした車両の制御装置において、等速ジョイントの交差角が予め設定した大角度領域に含まれているか否かを判断する交差角判断手段を備え、この交差角判断手段により交差角が大角度領域に含まれていると判断されたとき、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように当該駆動力を可変制御するようにしたことを要旨とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制御装置において、前記交差角判断手段は、操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、等速ジョイントの交差角が前記大角度領域に含まれていると判断し、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように当該駆動力を可変制御するようにしたことを要旨とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両の制御装置において、前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、動力源により発生される駆動力を制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにしたことを要旨とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記動力源は内燃機関及びモータのうち少なくとも一方を備えていることを要旨とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記動力源は内燃機関を備えており、また、前記車両は当該内燃機関への吸入空気量を調節する吸入空気量調節手段を備えており、前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、前記吸入空気量調節手段の吸入空気量を制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにしたことを要旨とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記動力源は内燃機関を備えており、また、前記車両は当該内燃機関へ燃料を供給する燃料供給装置を備えており、前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、燃料供給装置の燃料供給量を制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにしたことを要旨とする。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の車両の制御装置において、前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、動力源とドライブシャフトとの間に設けられた駆動力伝達装置の駆動力伝達割合を可変制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにしたことを要旨とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車両の制御装置において、前記駆動力伝達装置は変速機を含み、前記操舵角検出手段により検出された操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断に先立ち、変速機のギヤ段により規定される条件が成立しているか否かの判断を行うようにし、前記ギヤ段により規定される条件はギヤ段が低速位置であるときに成立するようにしたことを要旨とする。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記操舵角検出手段により検出された操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断に先立ち、車速検出手段により検出された車速により規定される条件が成立しているか否かの判断を行うようにし、前記車速により規定される条件は車速検出手段により検出された車速が予め設定された車速判定閾値を下回ったときに成立するようにしたことを要旨とする。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記等速ジョイントは、駆動軸に連結されたインナレースと、従動軸に連結されたアウタレースと、アウタレースの内球面に回転軸方向に延設された複数のボール溝とインナレースの内球面に回転軸方向に延設された複数のボール溝との間にそれぞれ介在された複数のトルク伝達ボールとを備えると共に前記従動軸は駆動軸に対して交差するように揺動可能とされており、前記所定値は、駆動軸と従動軸との交差角が、予め設定された大角度域にあるときの等速ジョイントの強度に基づいて設定するようにしたことを要旨とする。
【0025】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、動力源の駆動力はドライブシャフト及び当該ドライブシャフトに連結された等速ジョイントを介して駆動輪に伝達される。そして、等速ジョイントの交差角が予め設定した大角度領域に含まれていると判断されたとき、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように当該駆動力が可変制御される。即ち、等速ジョイントの交差角により規定される条件が成立したとき、所定値を超える駆動力がドライブシャフトを介して等速ジョイントに入力されることはない。
【0026】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の車両の制御装置の作用に加えて、操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように当該駆動力が可変制御される。即ち、前記操舵角により規定される条件が成立したとき、所定値を超える駆動力がドライブシャフトを介して等速ジョイントに入力されることはない。
【0027】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の車両の制御装置の作用に加えて、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように動力源により発生される駆動力が制御される。
【0028】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置の作用に加えて、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように内燃機関及びモータのうち少なくとも一方により発生される駆動力が制御される。
【0029】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4に記載の車両の制御装置の作用に加えて、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように内燃機関への吸入空気量が制御される。
【0030】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置の作用に加えて、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように内燃機関への燃料供給量が制御される。
【0031】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の車両の制御装置の作用に加えて、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように動力源とドライブシャフトとの間に設けられた駆動力伝達装置の駆動力伝達割合が可変制御される。
【0032】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車両の制御装置の作用に加えて、操舵角検出手段により検出された操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断に先立ち、変速機のギヤ段により規定される条件が成立しているか否かの判断が行われる。変速機のギヤ段が低速位置であるときにギヤ段により規定される条件は成立し、この後、操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断が行われる。
【0033】
請求項9に記載の発明は、請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置の作用に加えて、操舵角検出手段により検出された操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断に先立ち、車速検出手段により検出された車速により規定される条件が成立しているか否かの判断が行われる。車速検出手段により検出された車速が予め設定された車速判定閾値を下回ったときに前記車速により規定される条件は成立し、操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断が行われる。
【0034】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置の作用に加えて、前記所定値は、駆動軸と従動軸との交差角が、予め設定された大角度域にあるときの等速ジョイントの強度に基づいて設定される。このため、等速ジョイントが耐えられないようなトルクが入力されることはない。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を内燃機関を動力源とする前輪駆動車の制御装置に具体化した第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0036】
図1に示すように、自動車等の車両11は、エンジン12及びオートマチックトランスミッション(以下、「AT13」という。)を備えている。このAT13はトルクコンバータ14a及び自動変速機14bを備えており、自動変速機14bにはフロントデフ15を介して一対のフロントアクスル(ドライブシャフト)16,16の一端が連結されている。両フロントアクスル16,16の他端にはそれぞれ後述する等速ジョイント31を介して前輪(車輪)17, 17が連結されている。エンジン12の駆動力(トルク)はトルクコンバータ14a、自動変速機14b、フロントデフ15及び両フロントアクスル16, 16を介してそれぞれ両前輪17, 17に伝達される。
【0037】
エンジン12は例えば筒内噴射式4気筒ガソリンエンジンである。このエンジン12は各気筒#1〜#4の燃焼室内にそれぞれ燃料を直接噴射するインジェクタ18及び各インジェクタ18により噴射された燃料に点火する点火プラグ( 図示略) を備えている。また、エンジン12には各気筒#1〜#4の燃焼室内に連通するように吸気通路19が接続されており、この吸気通路19の途中にはスロットルバルブ20が設けられている。アクセルペダル21の踏込量に応じてスロットルアクチュエータ20a(スロットルモータ)が開閉駆動されることにより、スロットルバルブ20の開度(スロットル開度)は調節される。このスロットル開度に基づいて吸気通路19を通って各気筒#1〜#4の燃焼室内に供給される吸入空気量が調節される。
【0038】
トルクコンバータ14aはエンジン12の駆動力(エンジントルク)を自動変速機14bへ所定のトルク比(入力トルクと出力トルクとの比)で伝達する一種の流体継手である。トルクコンバータ14aのトルク比、即ちエンジントルクの伝達割合はコントロールバルブ14cによる油圧制御によって適宜変更可能とされている。
【0039】
自動変速機14bにはシフトケーブル22を介してシフト機構23が接続されている。シフトレバーの操作又はスロットル開度や車速等の走行情報に基づいて自動変速機14b内の変速ギアの噛み合わせが変更される。変速時には例えば油圧回路で構成されたクラッチアクチュエータ( 図示略) の駆動により自動変速機14bに組み込まれたクラッチ機構( 図示略) の断続が自動的に行われる。
【0040】
(等速ジョイント)
次に、等速ジョイントの構成を説明する。
図2に示すように、等速ジョイント31は駆動軸32の端部にスプライン結合されたインナレース33と、従動軸34に連結されたアウタレース35とを備えている。駆動軸32はフロントアクスル16に連結されており、従動軸34は前輪17に連結されている。また、等速ジョイント31はインナレース33とアウタレース35との間に介在されて、それらの間でのトルク伝達を行う複数のトルク伝達ボール36と、各トルク伝達ボール36を保持するケージ37を備えている。
【0041】
インナレース33の球面状の外周面(外球面)には複数のボール溝33aが回転軸L1の周方向に等間隔に形成されている。また、アウタレース35の球面状の内周面(内球面)にも複数のボール溝35aが回転軸L2の周方向に等間隔に形成されている。各ボール溝33aと各ボール溝35aとは互いに対応しており、各ボール溝33aと各ボール溝35aとの間にはそれぞれトルク伝達ボール36が収容されている。
【0042】
インナレース33の外周面とアウタレース35の外周面との間には円環状のケージ37が配置されており、当該ケージ37の周壁にはトルク伝達ボール36と同数のボール保持窓37aが周方向に等間隔に形成されている。各トルク伝達ボール36はそれぞれボール保持窓37a内に配置されることにより、インナレース33の周方向の間隔が一定に保持されている。
【0043】
等速ジョイント31において、駆動軸32が回動駆動されるとそのトルクはインナレース33、トルク伝達ボール36、アウタレース35及び従動軸34の順に伝達される。そして、運転者により前輪17が操舵されると、各ボール溝33a,35aの内面に対してトルク伝達ボール36を摺動させながらアウタレース35がインナレース33に対して移動することにより、駆動軸32に対して従動軸34がその回転速度を維持した状態で所定のジョイント角θをなすように変位する。尚、図1は、ジョイント角θが最大ジョイント角θmax近傍となる状態を示す。
【0044】
(電気的構成)
次に、車両11の電気的構成について説明する。
図1に示すように、車両11は、制御装置(ECU)41を備えている。制御装置41はCPU(中央処理装置)、RAM(読出し書込み専用メモリ)、ROM(読出し専用メモリ)及び入出力インターフェイス等を備えたマイクロコンピュータを中心として構成されている。
【0045】
ROMには制御装置41が実行する各種の制御プログラム及び各種のデータ等が格納されている。制御プログラムには等速ジョイント31を保護するためのエンジントルク制御プログラムやAT制御プログラム等が含まれている。RAMはROMに書き込まれた制御プログラムを展開して制御装置41のCPUが各種の演算処理を実行するためのデータ作業領域である。
【0046】
制御装置41にはスロットルセンサ42、操舵角センサ43、車輪速センサ44及びエンジントルクセンサ49等の各種センサがそれぞれ入出力インターフェースを介して接続されている。
【0047】
スロットルセンサ42はエンジン12への吸気量を調節するスロットルバルブの開度(スロットル開度)を検出する。操舵角センサ43はハンドル軸に設けられておりハンドルの回転角(操舵角)を検出する。車輪速センサ44は左右の前輪17,17及び左右の後輪46,46にそれぞれ設けられており、両前輪17,17及び両後輪46,46の車輪速(車輪の単位時間当たりの回転数、即ち回転速度)を各別に検出する。制御装置41は取り込んだ各車輪速に基づいて車速を演算する。エンジントルクセンサ49はエンジン12のクランクシャフト( 図示略) の途中に設けられ、エンジントルク(駆動力)Teを検出する。
【0048】
制御装置41は操舵角センサ43等の各種センサから送られてくる検出情報に基づいて車両11の全体を統括的に制御する。
(実施形態の作用)
次に、前述のように構成した車両の制御装置によるエンジントルク制御を図6に示すフローチャートに従って説明する。このフローチャートは予めROMに格納された制御プログラムに従って実行される。尚、本実施形態では、ステップを「S」と略記する。
【0049】
図6に示すように、等速ジョイント31を保護するためのエンジントルク制御時、制御装置41はまず各車輪速に基づいて算出された車速Vと予め設定された車速判定閾値Vsとの大小を比較する(S101)。
【0050】
車速Vが車速判定閾値Vsよりも小さいと判断した場合(S101でYES)、制御装置41はS102へ処理を移行し、操舵角判定処理を実行する。車速Vが車速判定閾値Vsよりも大きいと判断した場合(S101でNO)、制御装置41は処理を終了する。車速Vをパラメータとしたのは例えば急カーブ走行中であっても大きなトルクが要求される場合もあるからである。車速Vが車速判定閾値Vsよりも小さい場合は、運転者の加速意欲は少なくトルクを低減させても問題はない。
【0051】
S102において、制御装置41は、操舵角センサ43により検出された操舵角τと予め設定された操舵角判定閾値τsとの大小を比較する。
操舵角τが操舵角判定閾値τsよりも大きいと判断した場合(S102でYES)、制御装置41はジョイント角θが大角度領域(例えばθ>40度)の角度になっている判断してS103へ処理を移行する。操舵角τが操舵角判定閾値τsよりも小さいと判断した場合(S102でNO)、制御装置41は処理を終了する。尚、このS102の処理は等速ジョイント31のジョイント角θ(交差角)が予め設定した大角度領域に含まれているか否かを判断する交差角判断手段を構成する。
【0052】
S103において、制御装置41はそのときのエンジントルクTeが予め設定した大角度領域時の設定エンジントルクTer(所定値)を超えないようにスロットルアクチュエータ20aを駆動制御し、処理を終了する。例えば、エンジントルクセンサ49により検出されたそのときのエンジントルクTeが設定エンジントルクTerよりも大きい場合、制御装置41はスロットルアクチュエータ20aを駆動させてスロットル開度を小さくする。エンジン12への吸入空気量が絞られることによりエンジントルクTeが設定エンジントルクTer以下に低減される。大角度領域時の設定エンジントルクTer(所定値)は、予め設定された大角度時における等速ジョイント31の強度に基づいて設定されている。
【0053】
尚、本実施形態において、エンジントルクTeは車両11が走行するための駆動力(車両トルクT)、即ちフロントアクスル16への入力トルクとなる。また、大角度領域時の設定エンジントルクTerは大角度領域時の設定車両トルクTrとなる。
【0054】
以後、制御装置41は所定の制御周期毎にS101〜S103を繰り返す。
前述したように、等速ジョイント31の駆動軸32に伝達されるトルクは、ジョイント角θが大角度領域(例えばθ>40度)の角度になったとき(以下、「大角度時」という。)のエンジントルク制御を行わないようにした従来の場合に比べて小さくなる。このため、アウタレース35におけるA部の肉厚は必要最小限でよく当該A部の肉厚を従来に比べて薄くすることができる。このようにしても、大角度時のアウタレース35の開口部付近(図3におけるA部)には応力集中が発生するものの、アウタレース35におけるA部が破損(湾曲など)することはない。駆動軸32への入力トルクが小さくされているからである。
【0055】
また、ケージ37のボール保持窓37aの周縁部(例えば図4におけるB1部,B2部,B3部)に作用する捩れ,曲げ,引っ張り等の力が小さくなる。このため、ジョイント角θが常用角度域(例えば0≦θ≦10度)にある状態に作用する力に合わせてケージ37の肉厚を設定すればよい。換言すれば、ケージ37の肉厚は必要最小限でよく当該ケージ37の肉厚を従来に比べて薄くすることができる。このようにしても、ケージ37のB1部,B2部,B3部がそれぞれ破損(湾曲など)することはない。
【0056】
また、大角度時における駆動軸32への入力トルクが小さくされることにより、インナレース33の開口部付近(例えば図5におけるC部)の肉厚は必要最小限でよく当該C部の肉厚を従来に比べて薄くすることができる。このようにしても、ジョイント角θが例えば最大ジョイント角θmaxになったとき、インナレース33のC部には応力集中が発生するものの、当該C部が破損(湾曲など)することはない。
【0057】
さらに、大角度時において駆動軸32へ入力されるトルクが小さくされることによりトルク伝達ボール36のボール溝33aに対する単位面積当りの圧力(面圧)が小さくなり、これに伴って接触楕円Sの面積が小さくなる。接触楕円Sが小さくなる分だけボール溝33aをその全長にわたって浅くすることができる。大角度時において接触楕円Sがボール溝33aのエッジからはみ出し、ボール溝33aのエッジに欠け等が発生することもない(図5参照)。ちなみに、小角度時の接触楕円Sa及びジョイント角θがゼロのときの接触楕円S0の面積はそれぞれ従来と同じである。
【0058】
以上のように、大角度時のジョイント強度以上のトルク(設定エンジントルクTerを超えるトルク)が入力されないようにエンジントルクが制御されることにより、ジョイント角θが大角度領域にある場合に大きなトルクが入力されたときのみに破損するおそれのある部位の補強を必要最小限にすることができる。
【0059】
(実施形態の効果)
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・大角度領域での駆動軸32への入力トルクを低減するようにしたことにより、大角度時にのみ破損する部位であるインナレース33、アウタレース35及びケージ37の肉厚を薄くすることができる。また、大角度領域におけるトルク伝達ボール36のボール溝33aに対する単位面積当りの圧力(面圧)が小さくなる。ひいては、トルク伝達ボール36のボール溝33aに対する接触面積(接触楕円)が小さくなる。このため、ボール溝33aの深さを接触楕円がはみ出さない程度に浅くすることができ、インナレース33及びアウタレース35を小型化することができる。従って、等速ジョイント31を全体的に小型化することができる。ひいては、車両レイアウトの自由度の向上が図られる。また、小型化に伴い等速ジョイント31の軽量化が図られ、燃費が向上する。
【0060】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態は、車速により規定されるサンプリング条件をシフトレバーのシフト位置(厳密には自動変速機のギヤ段)により規定される条件に置き換えた点で前記第1実施形態と異なる。従って、前記第1実施形態と同様の部材構成は同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0061】
図1に示すように、制御装置41にはシフトポジションセンサ47が入出力インターフェイスを介して接続されている。このシフトポジションセンサ47はシフトレバーの操作位置(シフトレンジ;1st,2nd,D,N,R,P)を検出し、この検出したシフト位置信号Pを制御装置41へ送る。制御装置41はシフトレンジ(シフト位置信号P)、スロットル開度及び車速V等の走行情報に基づいて自動変速機14b内の変速ギヤの噛み合わせを変更する。
【0062】
次に、車両の制御装置によるエンジントルク制御について図7に示すフローチャートに従って説明する。
図7に示すように、制御装置41は自動変速機14bのギヤ段が低速位置にあるか否か、具体的には1st(一速)又は2nd(2速)のいずれかであるか否かを前記各種の走行情報に基づいて判断する(S201)。
【0063】
ギヤ段が1st又は2ndのいずれかであると判断した場合(S201でYES)、制御装置41は前記S102へ処理を移行し、前述と同様の処理を行う。ギヤ段が1st又は2ndのいずれでもないと判断した場合(S201でNO)、制御装置41は処理を終了する。
【0064】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、大角度時におけるエンジントルクの低減手段の点で前記第1実施形態と異なる。
【0065】
図6におけるS103において、制御装置41は各気筒#1〜#4のうち一部の気筒(例えば♯1,♯2)内への燃料供給がそれぞれ停止されるように、又は燃料供給量が低減されるように各インジェクタ18をそれぞれ制御する。この結果、エンジントルクTeの出力が低下する。
【0066】
従って、本実施形態によれば、前記第2実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。燃料の噴射を制御するだけのため制御装置41の制御仕様を変更するだけである。このため、特別なアクチュエータは不要あり、構成が複雑になることはない。また、速応性が確保される。
【0067】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。本実施形態は、エンジントルク出力自体を制御するのではなく、フロントアクスル16(ドライブシャフト)への伝達トルクを制御するようにした点で前記第3実施形態と異なる。
【0068】
図6におけるS103において、制御装置41はトルクコンバータ14aの駆動力伝達割合を可変制御する。即ち、伝達トルク制御時において、フロントアクスル16(即ち駆動軸32)へ入力されるトルクが予め設定した所定値(制限値)を超えないように、制御装置41はコントロールバルブ14cを制御する。尚、大角度時においてフロントアクスル16(ドライブシャフト)へ入力されるトルクの所定値は、実験等により予め求められた大角度時における等速ジョイント31の強度に基づいて設定されている。このため、フロントアクスル16には前記所定値を超えるトルクが入力されることはない。
【0069】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明を内燃機関及びモータの2つの動力源を備えたパラレル方式のハイブリッド車の制御装置に具体化した第5実施形態を図8に従って説明する。このパラレル方式はエンジンと駆動用モータとの双方で車輪を駆動す方式である。尚、前記第1実施形態と同様の部材構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0070】
図8に示すように、パラレル方式のハイブリッド車51(車両)はエンジン12、変速機52及び駆動用モータ53を備えている。また、ハイブリッド車51はバッテリ54及びインバータ55を備えている。バッテリ54からの直流電力はインバータ55により交流電力に変換されて駆動用モータ53に供給可能とされている。
【0071】
エンジン12の駆動力(エンジントルクTe)は変速機52、フロントデフ15、フロントアクスル16及び等速ジョイント31を介して前輪17に伝達可能とされている。駆動用モータ53の駆動力(モータトルクTm)はフロントデフ15、フロントアクスル16及び等速ジョイント31を介して前輪17に伝達可能とされている。
【0072】
ハイブリッド車51が走行するための駆動力は主にエンジン12から供給される。エンジン12に負荷がかかる発進時や加速時には駆動用モータ53が駆動され、この駆動用モータ53の駆動力によりエンジン12の駆動力が補助される。従って、ハイブリッド車51の駆動力(以下、「車両トルクT」という。)は、エンジン12による直接駆動力(エンジントルクTe)と駆動用モータ53による駆動力(モータトルクTm)とを合計した値となる。尚、エンジン12はバッテリ54を充電する動力源としても使用される。
【0073】
ハイブリッド車51は制御装置56を備えており、当該制御装置56には前記スロットルセンサ42、操舵角センサ43、車輪速センサ44及びエンジントルクセンサ49等の各種センサに加えてモータトルクセンサ57が接続されている。モータトルクセンサ57は駆動用モータ53の出力軸( 図示略) に設けられ、当該駆動用モータ53のモータトルクTmを検出する。制御装置56は前記各種センサから送られてくる検出情報に基づいてハイブリッド車51の全体を統括的に制御する。
【0074】
さて、図6におけるS103において、制御装置56は、そのときの車両トルクT(即ち、フロントアクスル16への入力トルク)が予め設定した大角度領域時の設定車両トルクTr(所定値)を超えないようにスロットルアクチュエータ20a及び駆動用モータ53をそれぞれ駆動制御する。大角度領域時の設定車両トルクTrは、実験等により予め求められた大角度時における等速ジョイント31の強度に基づいて設定されている。このため、フロントアクスル16(即ち、駆動軸32)には設定車両トルクTrを超えるトルクが入力されることはない。従って、本実施形態によれば、パラレル方式のハイブリッド車51において、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
なお、エンジン12及び駆動用モータ53のうちいずれか一方のみを駆動制御することによりフロントアクスル16への入力トルクを制限するようにしてもよい。
【0076】
(第6実施形態)
次に、本発明を内燃機関及びモータの2つの動力源を備えたシリーズ方式のハイブリッド車の制御装置に具体化した第6実施形態を図9に従って説明する。このシリーズ方式は駆動用モータの駆動力によってのみ車輪を駆動する方式である。尚、前記第5実施形態と同様の部材構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0077】
図9に示すように、シリーズ方式のハイブリッド車61(車両)は発電機62を備えており、当該発電機62はエンジン12により駆動されて発電する。この発電機62により発電された交流電力はインバータ55により直流電力に変換されてバッテリ54に充電される。このバッテリ54からの直流電力はインバータ55により交流電力とされて駆動用モータ53へ供給可能とされている。駆動用モータ53の駆動力(モータトルクTm)は、フロントデフ15、フロントアクスル16及び等速ジョイント31を介して前輪17に伝達可能とされている。本実施形態では、モータトルクTmが車両トルクT(即ち、フロントアクスル16への入力トルク)となる。
【0078】
ハイブリッド車61は制御装置63を備えており、この制御装置63は前記スロットルセンサ42、操舵角センサ43、車輪速センサ44及びモータトルクセンサ57等の各種センサから送られてくる検出情報に基づいてハイブリッド車61の全体を統括的に制御する。
【0079】
さて、図6におけるS103において、制御装置63は、そのときの車両トルクT(即ち、モータトルクTm)が予め設定した大角度領域時の設定車両トルクTr(所定値)を超えないように駆動用モータ53を駆動制御する。
【0080】
従って、本実施形態によれば、シリーズ方式のハイブリッド車61において、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
次に、本発明を電気自動車の制御装置に具体化した第7実施形態を図10に従って説明する。尚、前記第1実施形態と同様の部材構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0081】
図9に示すように、電気自動車71(車両)は駆動用モータ72、トランスアクスル73、パワーコントロールユニット74及びバッテリ75を備えている。バッテリ75からの直流電力はパワーコントロールユニット74に内蔵されたインバータ( 図示略) により交流電力に変換されて駆動用モータ72に供給可能とされている。駆動用モータ72の駆動力(モータトルクTm)は、トランスアクスル73、フロントアクスル16及び等速ジョイント31を介して前輪17に伝達可能とされている。本実施形態では、モータトルクTmが車両トルクT(即ち、フロントアクスル16への入力トルク)となる。
【0082】
パワーコントロールユニット74は前記操舵角センサ43、車輪速センサ44及びモータトルクセンサ57等の各種センサから送られてくる検出情報に基づいて電気自動車71の全体を統括的に制御する。パワーコントロールユニット74はアクセルペダル21(図1参照)の踏込量に応じてバッテリ75から駆動用モータ72に伝達する電力を制御する。
【0083】
さて、図6におけるS103において、パワーコントロールユニット74は、そのときの車両トルクT(即ち、モータトルクTm)が予め設定した大角度領域時の設定車両トルクTr(所定値)を超えないように駆動用モータ72を駆動制御する。即ち、パワーコントロールユニット74は設定車両トルクTrを超えないように駆動用モータ72への電力の伝達量を可変制御する。ジョイント角θが大角度領域にあるとき、運転者がいくらアクセルペダル21を踏み込んでも、駆動用モータ72には所定の電力しか供給されない。
【0084】
従って、本実施形態によれば、大角度時において駆動用モータ72へ供給する電力を制限するようにしたことにより、電気自動車において、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
(別例)
尚、前記実施形態は以下の別例のように変更して実施してもよい。
・第1及び第3実施形態では、AT13を搭載した車両11において等速ジョイント保護制御を行うようにしたが、マニュアルトランスミッション(MT)を搭載した車両に応用するようにしてもよい。
【0086】
・第1実施形態では、スロットルバルブ20の開度を制御することによりエンジントルク出力を制御するようにしたが、アクセル開度センサ48(図1参照)に基づいてアクセル開度を制御するようにしてもよい。
【0087】
・第1〜第4実施形態における操舵角τにより規定される条件(図6及び図7におけるS102)を次の条件に置き換えてもよい。即ち、図6及び図7におけるS102の処理を、各車輪速センサ44からの車輪速に基づいて前輪17外側輪と後輪46内側輪との回転速度差を演算し、この算出した回転速度差により規定される条件に置き換える。そして、回転速度差が予め設定された所定値(回転速度差判定閾値)よりも小さい場合には条件不成立とし(ジョイント角θ小)、所定値以上であれば条件成立とする(ジョイント角θ大)。尚、前記所定値は、ジョイント角θ大の領域(本実施形態では、θ>40度)になる場合において生じる前輪外側輪と後輪内側輪との回転速度差を実験や周知の理論計算等により求め、この値に基づいて予め設定する。
【0088】
・第5実施形態ではパラレル方式のハイブリッド車の制御装置に、また第6実施形態ではシリーズ方式のハイブリッド車の制御装置に本発明を具体化したが、これらの方式以外のハイブリッド車の制御装置に具体化するようにしてもよい。例えば、シリーズ方式及びパラレル方式の両方を兼ねそなえたシリーズ・パラレル方式や遊星歯車を利用してエンジンの出力を分岐するパワースプリット方式のハイブリッド車の制御装置に具体化するようにしてもよい。
【0089】
・第5及び第6実施形態では、エンジン12及びバッテリ54の2つの動力源を備えたが、エンジン12とバッテリ54以外の他の動力源とを組み合わせるようにしてもよい。例えばバッテリ54からの電力ではなく、油圧によりエンジン12を補助可能に構成した蓄圧方式のハイブリッド車(車両)に本発明を具体化する。この蓄圧方式のハイブリッド車は制動エネルギを加速及び発進時に再利用するものである。ブレーキをかけると油圧ポンプが作動して、いままで大気中に放散されていた運動エネルギを油圧エネルギとして蓄える。この蓄えられた油圧を車の発進時や加速時に逆方向に流すことにより、油圧モータにトルクを発生させてエンジンを補助する。ジョイント角θが大角度領域に含まれていると判断したとき、蓄圧方式のハイブリッド車の制御装置はフロントアクスル16へ伝達される駆動力(トルク)が予め設定した所定値を超えないように油圧モータを制御する。
【0090】
・第1〜第6実施形態において、エンジン12はガソリンエンジン、ディーゼルエンジン及び天然ガスエンジンのいずれの機関としてもよい。
・第7実施形態では、バッテリ75を搭載した電気自動車71に本発明を具体化したが、燃料電池自動車(車両)の制御装置に具体化するようにしてもよい。燃料電池自動車は燃料電池で発電した電力をモータに供給し、このモータの駆動力により走行する。燃料電池は水素と酸素とを化学反応させて発生する電気エネルギを取り出すものである。ジョイント角θが大角度領域に含まれていると判断したとき、燃料電池自動車の制御装置はフロントアクスル16へ伝達される駆動力(トルク)が予め設定した所定値を超えないように前記モータを制御する。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、等速ジョイントの交差角が予め設定した大角度領域に含まれていると判断されたとき、予め設定した所定値を超える駆動力がドライブシャフトを介して等速ジョイントに入力されることはないので、等速ジョイントの補強は必要最小限でよく、当該等速ジョイントの小型化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における車両の概略構成図。
【図2】第1実施形態における等速ジョイントの正断面図。
【図3】第1実施形態における等速ジョイントの要部拡大正断面図。
【図4】第1実施形態における等速ジョイントのケージの正面図。
【図5】第1実施形態における等速ジョイントのインナレースの要部正断面図。
【図6】第1実施形態における等速ジョイントへの伝達トルク制御の手順を示すフローチャート。
【図7】第2実施形態における等速ジョイントへの伝達トルク制御の手順を示すフローチャート。
【図8】第5実施形態におけるハイブリッド車の概略構成図。
【図9】第6実施形態におけるハイブリッド車の概略構成図。
【図10】第7実施形態における電気自動車の概略構成図。
【図11】従来の等速ジョイントの正断面図。
【図12】従来の等速ジョイントの要部拡大正断面図。
【図13】従来の等速ジョイントにおけるケージの正面図。
【図14】従来の等速ジョイントにおけるインナレースの要部正断面図。
【符号の説明】
11…車両、12…動力源及び内燃機関を構成するエンジン、
13…駆動力伝達装置を構成するオートマチックトランスミッション、
14a…トルクコンバータ、14b…変速機を構成する自動変速機、
16…ドライブシャフトを構成するフロントアクスル、
17…駆動輪を構成する前輪、
18…燃料供給装置を構成するインジェクタ、
20…吸入空気量調節手段を構成するスロットルバルブ、
20a…吸入空気量調節手段を構成するスロットルアクチュエータ、
23…シフト機構、31…等速ジョイント、
32…駆動軸、33…インナレース、33a,35a…ボール溝、
34…従動軸、35…アウタレース、36…トルク伝達ボール、
41,56,63…交差角判断手段を構成する制御装置、
43…操舵角検出手段を構成する操舵角センサ、
44…車速検出手段を構成する車輪速センサ、
47…シフト位置検出手段を構成するシフトポジションセンサ、
51,61…ハイブリッド車(車両)、
53,72…動力源を構成する駆動用モータ、
71…電気自動車(車両)、
74…交差角判断手段を構成するパワーコントロールユニット(制御装置)、
P…シフト位置を示すシフト位置信号、T…エンジントルク、
Tr…設定エンジントルク、V…車速、Vs…車速判定閾値、
θ…ジョイント角(交差角)、τ…操舵角、τs…操舵角判定閾値。
【発明の属する技術分野】
本発明は、等速ジョイントを備えた車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば前輪駆動車や四輪駆動車等の車両において、エンジンの駆動力(トルク)を車輪に伝えるドライブシャフトと車輪との連結部には、等速ジョイントが使用されている。これにより、駆動軸と従動軸とが所定の交差角(ジョイント角)を採った状態で回転しても回転力を滑らかに且つ等速で伝達可能としている。
【0003】
即ち、図11に示すように、等速ジョイント151は駆動軸152がスプライン結合されたインナレース153及び従動軸154が連結されたアウタレース155を備えており、インナレース153はアウタレース155の内部に収容されている。インナレース153の球面状の外面には複数のボール溝153aが、またアウタレース155の球面状の内面には複数のボール溝155aがそれぞれ円周方向において等間隔に形成されている。
【0004】
インナレース153のボール溝153aとアウタレース155のボール溝155aとの間には、ケージ156の複数のボール保持窓156aによりそれぞれ円周方向の間隔が一定に保持された複数のトルク伝達ボール157が配置されている。各トルク伝達ボール157がそれぞれ各ボール溝153a,155aに沿って転動することにより、アウタレース155の回転軸に対してインナレース153の回転軸を揺動可能となっている。
【0005】
一方、インナレース153の外周面及びアウタレース155の内周面における両ボール溝153a,155aの側壁によりトルク伝達ボール157の円周方向への移動が規制される。これにより、インナレース153とアウタレース155との相対回転が規制される。従って、駆動軸152と従動軸154との交差角(ジョイント角θ)の変化が許容されながらインナレース153及びアウタレース155はそれぞれ等速で回転する。図11は最大ジョイント角θmax近傍の状態を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の等速ジョイントには次のような問題があった。通常、ステアリングを大きく切った状態(例えば車庫入れ、切り返し、狭い道幅での右左折など)でドライブシャフト(即ち駆動軸152)に大きなトルクを入力する状態が実際にはほとんどありえないが、万一に備えてこの状態におけるジョイント強度をある程度確保する必要があった。ステアリングを大きく切った状態であっても運転者がアクセルペダルを大きく踏み込めば、大きなトルクが出力可能とされているからである。
【0007】
具体的には、ジョイント角θが常用角度域(例えば0≦θ≦10度)にある状態においては破損のおそれがない部位、例えばアウタレース155、ケージ156及びインナレース153の中央部付近の肉厚をそれぞれ確保すると共に、ボール溝153aの深さを確保する必要がある。
【0008】
さらに、ステアリングが大きく切られてジョイント角θが大角度領域(例えばθ>40度)の角度になったときには、アウタレース155の開口部付近に応力集中が発生する。特に、アウタレース155の開口部付近外周にはブーツ( 図示略) を固定するための凹溝が形成されており(図12におけるa部)肉厚が薄い。このため、ジョイント角θが大角度領域にある状態で駆動軸152に大トルクが入力されるとアウタレース155におけるa部が破損(湾曲など)するおそれがあった。これを防止するため、アウタレース155の開口部付近の肉厚を確保する必要があった。
【0009】
また、ジョイント角が大きくされるほど且つ駆動軸152への入力トルクが大きくなるほど、ケージ156のボール保持窓156aの周縁部(例えば図13におけるb1部,b2部,b3部)に作用する捩れ,曲げ,引っ張り等の力が大きくなる。そして、ケージ156の肉厚が十分でない場合、ケージ156のb1部,b2部,b3部がそれぞれ破損(湾曲など)するおそれがあった。これを防止するため、ケージ156の肉厚を全体的に確保する必要があった。
【0010】
また、インナレース153において、ボール溝153a底部の肉厚は外方へ向かうほど薄くされている。そして、ジョイント角が大きくされるほどトルク伝達ボール157はボール溝153aの外方へ移動し、ジョイント角θが大角度領域の角度になったときにはインナレース153の開口部付近(例えば図14におけるc部)に応力集中が発生する。この状態で駆動軸152に大トルクが入力されるとインナレース153におけるc部が破損(湾曲など)するおそれがあった。これを防止するため、インナレース153の開口部付近の肉厚を確保する必要があった。
【0011】
さらに、ボール溝153aの深さが十分確保されていない場合、次のような問題があった。即ち、ジョイント角θが大角度領域の角度(例えば図11に示す最大ジョイント角θmax)になった状態で駆動軸152に大トルクが入力されると、ボール溝153aとトルク伝達ボール157との楕円状の接触面(接触楕円S)が当該ボール溝153aのエッジからはみ出すおそれがあった(図14参照)。
【0012】
このため、ボール溝153aのエッジには過度の負荷がかかり、ボール溝153aのエッジに欠け等が発生するおそれがあった。これを防止するため、ボール溝153aの深さを確保する必要があった。ちなみに、小角度時及びジョイント角0時の接触楕円はそれぞれSa及びS0で示すようになり、ボール溝153aからはみでるおそれはない。
【0013】
以上のように、ジョイント角θが大角度域にある場合に大きなトルクが入力されたときのみに破損のおそれがある部位の肉厚及びボール溝153aの深さをそれぞれ大トルクに耐え得る程度に確保する必要があった。従って、等速ジョイント151全体の小型化には限界があった。
【0014】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、等速ジョイントの小型化に寄与することができる車両の制御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、動力源の駆動力をドライブシャフト及び当該ドライブシャフトに連結された等速ジョイントを介して駆動輪に伝達するようにした車両の制御装置において、等速ジョイントの交差角が予め設定した大角度領域に含まれているか否かを判断する交差角判断手段を備え、この交差角判断手段により交差角が大角度領域に含まれていると判断されたとき、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように当該駆動力を可変制御するようにしたことを要旨とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制御装置において、前記交差角判断手段は、操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、等速ジョイントの交差角が前記大角度領域に含まれていると判断し、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように当該駆動力を可変制御するようにしたことを要旨とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両の制御装置において、前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、動力源により発生される駆動力を制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにしたことを要旨とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記動力源は内燃機関及びモータのうち少なくとも一方を備えていることを要旨とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記動力源は内燃機関を備えており、また、前記車両は当該内燃機関への吸入空気量を調節する吸入空気量調節手段を備えており、前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、前記吸入空気量調節手段の吸入空気量を制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにしたことを要旨とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記動力源は内燃機関を備えており、また、前記車両は当該内燃機関へ燃料を供給する燃料供給装置を備えており、前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、燃料供給装置の燃料供給量を制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにしたことを要旨とする。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の車両の制御装置において、前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、動力源とドライブシャフトとの間に設けられた駆動力伝達装置の駆動力伝達割合を可変制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにしたことを要旨とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車両の制御装置において、前記駆動力伝達装置は変速機を含み、前記操舵角検出手段により検出された操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断に先立ち、変速機のギヤ段により規定される条件が成立しているか否かの判断を行うようにし、前記ギヤ段により規定される条件はギヤ段が低速位置であるときに成立するようにしたことを要旨とする。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記操舵角検出手段により検出された操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断に先立ち、車速検出手段により検出された車速により規定される条件が成立しているか否かの判断を行うようにし、前記車速により規定される条件は車速検出手段により検出された車速が予め設定された車速判定閾値を下回ったときに成立するようにしたことを要旨とする。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記等速ジョイントは、駆動軸に連結されたインナレースと、従動軸に連結されたアウタレースと、アウタレースの内球面に回転軸方向に延設された複数のボール溝とインナレースの内球面に回転軸方向に延設された複数のボール溝との間にそれぞれ介在された複数のトルク伝達ボールとを備えると共に前記従動軸は駆動軸に対して交差するように揺動可能とされており、前記所定値は、駆動軸と従動軸との交差角が、予め設定された大角度域にあるときの等速ジョイントの強度に基づいて設定するようにしたことを要旨とする。
【0025】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、動力源の駆動力はドライブシャフト及び当該ドライブシャフトに連結された等速ジョイントを介して駆動輪に伝達される。そして、等速ジョイントの交差角が予め設定した大角度領域に含まれていると判断されたとき、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように当該駆動力が可変制御される。即ち、等速ジョイントの交差角により規定される条件が成立したとき、所定値を超える駆動力がドライブシャフトを介して等速ジョイントに入力されることはない。
【0026】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の車両の制御装置の作用に加えて、操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように当該駆動力が可変制御される。即ち、前記操舵角により規定される条件が成立したとき、所定値を超える駆動力がドライブシャフトを介して等速ジョイントに入力されることはない。
【0027】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の車両の制御装置の作用に加えて、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように動力源により発生される駆動力が制御される。
【0028】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置の作用に加えて、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように内燃機関及びモータのうち少なくとも一方により発生される駆動力が制御される。
【0029】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4に記載の車両の制御装置の作用に加えて、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように内燃機関への吸入空気量が制御される。
【0030】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置の作用に加えて、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように内燃機関への燃料供給量が制御される。
【0031】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の車両の制御装置の作用に加えて、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように動力源とドライブシャフトとの間に設けられた駆動力伝達装置の駆動力伝達割合が可変制御される。
【0032】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車両の制御装置の作用に加えて、操舵角検出手段により検出された操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断に先立ち、変速機のギヤ段により規定される条件が成立しているか否かの判断が行われる。変速機のギヤ段が低速位置であるときにギヤ段により規定される条件は成立し、この後、操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断が行われる。
【0033】
請求項9に記載の発明は、請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置の作用に加えて、操舵角検出手段により検出された操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断に先立ち、車速検出手段により検出された車速により規定される条件が成立しているか否かの判断が行われる。車速検出手段により検出された車速が予め設定された車速判定閾値を下回ったときに前記車速により規定される条件は成立し、操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断が行われる。
【0034】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置の作用に加えて、前記所定値は、駆動軸と従動軸との交差角が、予め設定された大角度域にあるときの等速ジョイントの強度に基づいて設定される。このため、等速ジョイントが耐えられないようなトルクが入力されることはない。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を内燃機関を動力源とする前輪駆動車の制御装置に具体化した第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0036】
図1に示すように、自動車等の車両11は、エンジン12及びオートマチックトランスミッション(以下、「AT13」という。)を備えている。このAT13はトルクコンバータ14a及び自動変速機14bを備えており、自動変速機14bにはフロントデフ15を介して一対のフロントアクスル(ドライブシャフト)16,16の一端が連結されている。両フロントアクスル16,16の他端にはそれぞれ後述する等速ジョイント31を介して前輪(車輪)17, 17が連結されている。エンジン12の駆動力(トルク)はトルクコンバータ14a、自動変速機14b、フロントデフ15及び両フロントアクスル16, 16を介してそれぞれ両前輪17, 17に伝達される。
【0037】
エンジン12は例えば筒内噴射式4気筒ガソリンエンジンである。このエンジン12は各気筒#1〜#4の燃焼室内にそれぞれ燃料を直接噴射するインジェクタ18及び各インジェクタ18により噴射された燃料に点火する点火プラグ( 図示略) を備えている。また、エンジン12には各気筒#1〜#4の燃焼室内に連通するように吸気通路19が接続されており、この吸気通路19の途中にはスロットルバルブ20が設けられている。アクセルペダル21の踏込量に応じてスロットルアクチュエータ20a(スロットルモータ)が開閉駆動されることにより、スロットルバルブ20の開度(スロットル開度)は調節される。このスロットル開度に基づいて吸気通路19を通って各気筒#1〜#4の燃焼室内に供給される吸入空気量が調節される。
【0038】
トルクコンバータ14aはエンジン12の駆動力(エンジントルク)を自動変速機14bへ所定のトルク比(入力トルクと出力トルクとの比)で伝達する一種の流体継手である。トルクコンバータ14aのトルク比、即ちエンジントルクの伝達割合はコントロールバルブ14cによる油圧制御によって適宜変更可能とされている。
【0039】
自動変速機14bにはシフトケーブル22を介してシフト機構23が接続されている。シフトレバーの操作又はスロットル開度や車速等の走行情報に基づいて自動変速機14b内の変速ギアの噛み合わせが変更される。変速時には例えば油圧回路で構成されたクラッチアクチュエータ( 図示略) の駆動により自動変速機14bに組み込まれたクラッチ機構( 図示略) の断続が自動的に行われる。
【0040】
(等速ジョイント)
次に、等速ジョイントの構成を説明する。
図2に示すように、等速ジョイント31は駆動軸32の端部にスプライン結合されたインナレース33と、従動軸34に連結されたアウタレース35とを備えている。駆動軸32はフロントアクスル16に連結されており、従動軸34は前輪17に連結されている。また、等速ジョイント31はインナレース33とアウタレース35との間に介在されて、それらの間でのトルク伝達を行う複数のトルク伝達ボール36と、各トルク伝達ボール36を保持するケージ37を備えている。
【0041】
インナレース33の球面状の外周面(外球面)には複数のボール溝33aが回転軸L1の周方向に等間隔に形成されている。また、アウタレース35の球面状の内周面(内球面)にも複数のボール溝35aが回転軸L2の周方向に等間隔に形成されている。各ボール溝33aと各ボール溝35aとは互いに対応しており、各ボール溝33aと各ボール溝35aとの間にはそれぞれトルク伝達ボール36が収容されている。
【0042】
インナレース33の外周面とアウタレース35の外周面との間には円環状のケージ37が配置されており、当該ケージ37の周壁にはトルク伝達ボール36と同数のボール保持窓37aが周方向に等間隔に形成されている。各トルク伝達ボール36はそれぞれボール保持窓37a内に配置されることにより、インナレース33の周方向の間隔が一定に保持されている。
【0043】
等速ジョイント31において、駆動軸32が回動駆動されるとそのトルクはインナレース33、トルク伝達ボール36、アウタレース35及び従動軸34の順に伝達される。そして、運転者により前輪17が操舵されると、各ボール溝33a,35aの内面に対してトルク伝達ボール36を摺動させながらアウタレース35がインナレース33に対して移動することにより、駆動軸32に対して従動軸34がその回転速度を維持した状態で所定のジョイント角θをなすように変位する。尚、図1は、ジョイント角θが最大ジョイント角θmax近傍となる状態を示す。
【0044】
(電気的構成)
次に、車両11の電気的構成について説明する。
図1に示すように、車両11は、制御装置(ECU)41を備えている。制御装置41はCPU(中央処理装置)、RAM(読出し書込み専用メモリ)、ROM(読出し専用メモリ)及び入出力インターフェイス等を備えたマイクロコンピュータを中心として構成されている。
【0045】
ROMには制御装置41が実行する各種の制御プログラム及び各種のデータ等が格納されている。制御プログラムには等速ジョイント31を保護するためのエンジントルク制御プログラムやAT制御プログラム等が含まれている。RAMはROMに書き込まれた制御プログラムを展開して制御装置41のCPUが各種の演算処理を実行するためのデータ作業領域である。
【0046】
制御装置41にはスロットルセンサ42、操舵角センサ43、車輪速センサ44及びエンジントルクセンサ49等の各種センサがそれぞれ入出力インターフェースを介して接続されている。
【0047】
スロットルセンサ42はエンジン12への吸気量を調節するスロットルバルブの開度(スロットル開度)を検出する。操舵角センサ43はハンドル軸に設けられておりハンドルの回転角(操舵角)を検出する。車輪速センサ44は左右の前輪17,17及び左右の後輪46,46にそれぞれ設けられており、両前輪17,17及び両後輪46,46の車輪速(車輪の単位時間当たりの回転数、即ち回転速度)を各別に検出する。制御装置41は取り込んだ各車輪速に基づいて車速を演算する。エンジントルクセンサ49はエンジン12のクランクシャフト( 図示略) の途中に設けられ、エンジントルク(駆動力)Teを検出する。
【0048】
制御装置41は操舵角センサ43等の各種センサから送られてくる検出情報に基づいて車両11の全体を統括的に制御する。
(実施形態の作用)
次に、前述のように構成した車両の制御装置によるエンジントルク制御を図6に示すフローチャートに従って説明する。このフローチャートは予めROMに格納された制御プログラムに従って実行される。尚、本実施形態では、ステップを「S」と略記する。
【0049】
図6に示すように、等速ジョイント31を保護するためのエンジントルク制御時、制御装置41はまず各車輪速に基づいて算出された車速Vと予め設定された車速判定閾値Vsとの大小を比較する(S101)。
【0050】
車速Vが車速判定閾値Vsよりも小さいと判断した場合(S101でYES)、制御装置41はS102へ処理を移行し、操舵角判定処理を実行する。車速Vが車速判定閾値Vsよりも大きいと判断した場合(S101でNO)、制御装置41は処理を終了する。車速Vをパラメータとしたのは例えば急カーブ走行中であっても大きなトルクが要求される場合もあるからである。車速Vが車速判定閾値Vsよりも小さい場合は、運転者の加速意欲は少なくトルクを低減させても問題はない。
【0051】
S102において、制御装置41は、操舵角センサ43により検出された操舵角τと予め設定された操舵角判定閾値τsとの大小を比較する。
操舵角τが操舵角判定閾値τsよりも大きいと判断した場合(S102でYES)、制御装置41はジョイント角θが大角度領域(例えばθ>40度)の角度になっている判断してS103へ処理を移行する。操舵角τが操舵角判定閾値τsよりも小さいと判断した場合(S102でNO)、制御装置41は処理を終了する。尚、このS102の処理は等速ジョイント31のジョイント角θ(交差角)が予め設定した大角度領域に含まれているか否かを判断する交差角判断手段を構成する。
【0052】
S103において、制御装置41はそのときのエンジントルクTeが予め設定した大角度領域時の設定エンジントルクTer(所定値)を超えないようにスロットルアクチュエータ20aを駆動制御し、処理を終了する。例えば、エンジントルクセンサ49により検出されたそのときのエンジントルクTeが設定エンジントルクTerよりも大きい場合、制御装置41はスロットルアクチュエータ20aを駆動させてスロットル開度を小さくする。エンジン12への吸入空気量が絞られることによりエンジントルクTeが設定エンジントルクTer以下に低減される。大角度領域時の設定エンジントルクTer(所定値)は、予め設定された大角度時における等速ジョイント31の強度に基づいて設定されている。
【0053】
尚、本実施形態において、エンジントルクTeは車両11が走行するための駆動力(車両トルクT)、即ちフロントアクスル16への入力トルクとなる。また、大角度領域時の設定エンジントルクTerは大角度領域時の設定車両トルクTrとなる。
【0054】
以後、制御装置41は所定の制御周期毎にS101〜S103を繰り返す。
前述したように、等速ジョイント31の駆動軸32に伝達されるトルクは、ジョイント角θが大角度領域(例えばθ>40度)の角度になったとき(以下、「大角度時」という。)のエンジントルク制御を行わないようにした従来の場合に比べて小さくなる。このため、アウタレース35におけるA部の肉厚は必要最小限でよく当該A部の肉厚を従来に比べて薄くすることができる。このようにしても、大角度時のアウタレース35の開口部付近(図3におけるA部)には応力集中が発生するものの、アウタレース35におけるA部が破損(湾曲など)することはない。駆動軸32への入力トルクが小さくされているからである。
【0055】
また、ケージ37のボール保持窓37aの周縁部(例えば図4におけるB1部,B2部,B3部)に作用する捩れ,曲げ,引っ張り等の力が小さくなる。このため、ジョイント角θが常用角度域(例えば0≦θ≦10度)にある状態に作用する力に合わせてケージ37の肉厚を設定すればよい。換言すれば、ケージ37の肉厚は必要最小限でよく当該ケージ37の肉厚を従来に比べて薄くすることができる。このようにしても、ケージ37のB1部,B2部,B3部がそれぞれ破損(湾曲など)することはない。
【0056】
また、大角度時における駆動軸32への入力トルクが小さくされることにより、インナレース33の開口部付近(例えば図5におけるC部)の肉厚は必要最小限でよく当該C部の肉厚を従来に比べて薄くすることができる。このようにしても、ジョイント角θが例えば最大ジョイント角θmaxになったとき、インナレース33のC部には応力集中が発生するものの、当該C部が破損(湾曲など)することはない。
【0057】
さらに、大角度時において駆動軸32へ入力されるトルクが小さくされることによりトルク伝達ボール36のボール溝33aに対する単位面積当りの圧力(面圧)が小さくなり、これに伴って接触楕円Sの面積が小さくなる。接触楕円Sが小さくなる分だけボール溝33aをその全長にわたって浅くすることができる。大角度時において接触楕円Sがボール溝33aのエッジからはみ出し、ボール溝33aのエッジに欠け等が発生することもない(図5参照)。ちなみに、小角度時の接触楕円Sa及びジョイント角θがゼロのときの接触楕円S0の面積はそれぞれ従来と同じである。
【0058】
以上のように、大角度時のジョイント強度以上のトルク(設定エンジントルクTerを超えるトルク)が入力されないようにエンジントルクが制御されることにより、ジョイント角θが大角度領域にある場合に大きなトルクが入力されたときのみに破損するおそれのある部位の補強を必要最小限にすることができる。
【0059】
(実施形態の効果)
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・大角度領域での駆動軸32への入力トルクを低減するようにしたことにより、大角度時にのみ破損する部位であるインナレース33、アウタレース35及びケージ37の肉厚を薄くすることができる。また、大角度領域におけるトルク伝達ボール36のボール溝33aに対する単位面積当りの圧力(面圧)が小さくなる。ひいては、トルク伝達ボール36のボール溝33aに対する接触面積(接触楕円)が小さくなる。このため、ボール溝33aの深さを接触楕円がはみ出さない程度に浅くすることができ、インナレース33及びアウタレース35を小型化することができる。従って、等速ジョイント31を全体的に小型化することができる。ひいては、車両レイアウトの自由度の向上が図られる。また、小型化に伴い等速ジョイント31の軽量化が図られ、燃費が向上する。
【0060】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態は、車速により規定されるサンプリング条件をシフトレバーのシフト位置(厳密には自動変速機のギヤ段)により規定される条件に置き換えた点で前記第1実施形態と異なる。従って、前記第1実施形態と同様の部材構成は同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0061】
図1に示すように、制御装置41にはシフトポジションセンサ47が入出力インターフェイスを介して接続されている。このシフトポジションセンサ47はシフトレバーの操作位置(シフトレンジ;1st,2nd,D,N,R,P)を検出し、この検出したシフト位置信号Pを制御装置41へ送る。制御装置41はシフトレンジ(シフト位置信号P)、スロットル開度及び車速V等の走行情報に基づいて自動変速機14b内の変速ギヤの噛み合わせを変更する。
【0062】
次に、車両の制御装置によるエンジントルク制御について図7に示すフローチャートに従って説明する。
図7に示すように、制御装置41は自動変速機14bのギヤ段が低速位置にあるか否か、具体的には1st(一速)又は2nd(2速)のいずれかであるか否かを前記各種の走行情報に基づいて判断する(S201)。
【0063】
ギヤ段が1st又は2ndのいずれかであると判断した場合(S201でYES)、制御装置41は前記S102へ処理を移行し、前述と同様の処理を行う。ギヤ段が1st又は2ndのいずれでもないと判断した場合(S201でNO)、制御装置41は処理を終了する。
【0064】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、大角度時におけるエンジントルクの低減手段の点で前記第1実施形態と異なる。
【0065】
図6におけるS103において、制御装置41は各気筒#1〜#4のうち一部の気筒(例えば♯1,♯2)内への燃料供給がそれぞれ停止されるように、又は燃料供給量が低減されるように各インジェクタ18をそれぞれ制御する。この結果、エンジントルクTeの出力が低下する。
【0066】
従って、本実施形態によれば、前記第2実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。燃料の噴射を制御するだけのため制御装置41の制御仕様を変更するだけである。このため、特別なアクチュエータは不要あり、構成が複雑になることはない。また、速応性が確保される。
【0067】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。本実施形態は、エンジントルク出力自体を制御するのではなく、フロントアクスル16(ドライブシャフト)への伝達トルクを制御するようにした点で前記第3実施形態と異なる。
【0068】
図6におけるS103において、制御装置41はトルクコンバータ14aの駆動力伝達割合を可変制御する。即ち、伝達トルク制御時において、フロントアクスル16(即ち駆動軸32)へ入力されるトルクが予め設定した所定値(制限値)を超えないように、制御装置41はコントロールバルブ14cを制御する。尚、大角度時においてフロントアクスル16(ドライブシャフト)へ入力されるトルクの所定値は、実験等により予め求められた大角度時における等速ジョイント31の強度に基づいて設定されている。このため、フロントアクスル16には前記所定値を超えるトルクが入力されることはない。
【0069】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明を内燃機関及びモータの2つの動力源を備えたパラレル方式のハイブリッド車の制御装置に具体化した第5実施形態を図8に従って説明する。このパラレル方式はエンジンと駆動用モータとの双方で車輪を駆動す方式である。尚、前記第1実施形態と同様の部材構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0070】
図8に示すように、パラレル方式のハイブリッド車51(車両)はエンジン12、変速機52及び駆動用モータ53を備えている。また、ハイブリッド車51はバッテリ54及びインバータ55を備えている。バッテリ54からの直流電力はインバータ55により交流電力に変換されて駆動用モータ53に供給可能とされている。
【0071】
エンジン12の駆動力(エンジントルクTe)は変速機52、フロントデフ15、フロントアクスル16及び等速ジョイント31を介して前輪17に伝達可能とされている。駆動用モータ53の駆動力(モータトルクTm)はフロントデフ15、フロントアクスル16及び等速ジョイント31を介して前輪17に伝達可能とされている。
【0072】
ハイブリッド車51が走行するための駆動力は主にエンジン12から供給される。エンジン12に負荷がかかる発進時や加速時には駆動用モータ53が駆動され、この駆動用モータ53の駆動力によりエンジン12の駆動力が補助される。従って、ハイブリッド車51の駆動力(以下、「車両トルクT」という。)は、エンジン12による直接駆動力(エンジントルクTe)と駆動用モータ53による駆動力(モータトルクTm)とを合計した値となる。尚、エンジン12はバッテリ54を充電する動力源としても使用される。
【0073】
ハイブリッド車51は制御装置56を備えており、当該制御装置56には前記スロットルセンサ42、操舵角センサ43、車輪速センサ44及びエンジントルクセンサ49等の各種センサに加えてモータトルクセンサ57が接続されている。モータトルクセンサ57は駆動用モータ53の出力軸( 図示略) に設けられ、当該駆動用モータ53のモータトルクTmを検出する。制御装置56は前記各種センサから送られてくる検出情報に基づいてハイブリッド車51の全体を統括的に制御する。
【0074】
さて、図6におけるS103において、制御装置56は、そのときの車両トルクT(即ち、フロントアクスル16への入力トルク)が予め設定した大角度領域時の設定車両トルクTr(所定値)を超えないようにスロットルアクチュエータ20a及び駆動用モータ53をそれぞれ駆動制御する。大角度領域時の設定車両トルクTrは、実験等により予め求められた大角度時における等速ジョイント31の強度に基づいて設定されている。このため、フロントアクスル16(即ち、駆動軸32)には設定車両トルクTrを超えるトルクが入力されることはない。従って、本実施形態によれば、パラレル方式のハイブリッド車51において、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
なお、エンジン12及び駆動用モータ53のうちいずれか一方のみを駆動制御することによりフロントアクスル16への入力トルクを制限するようにしてもよい。
【0076】
(第6実施形態)
次に、本発明を内燃機関及びモータの2つの動力源を備えたシリーズ方式のハイブリッド車の制御装置に具体化した第6実施形態を図9に従って説明する。このシリーズ方式は駆動用モータの駆動力によってのみ車輪を駆動する方式である。尚、前記第5実施形態と同様の部材構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0077】
図9に示すように、シリーズ方式のハイブリッド車61(車両)は発電機62を備えており、当該発電機62はエンジン12により駆動されて発電する。この発電機62により発電された交流電力はインバータ55により直流電力に変換されてバッテリ54に充電される。このバッテリ54からの直流電力はインバータ55により交流電力とされて駆動用モータ53へ供給可能とされている。駆動用モータ53の駆動力(モータトルクTm)は、フロントデフ15、フロントアクスル16及び等速ジョイント31を介して前輪17に伝達可能とされている。本実施形態では、モータトルクTmが車両トルクT(即ち、フロントアクスル16への入力トルク)となる。
【0078】
ハイブリッド車61は制御装置63を備えており、この制御装置63は前記スロットルセンサ42、操舵角センサ43、車輪速センサ44及びモータトルクセンサ57等の各種センサから送られてくる検出情報に基づいてハイブリッド車61の全体を統括的に制御する。
【0079】
さて、図6におけるS103において、制御装置63は、そのときの車両トルクT(即ち、モータトルクTm)が予め設定した大角度領域時の設定車両トルクTr(所定値)を超えないように駆動用モータ53を駆動制御する。
【0080】
従って、本実施形態によれば、シリーズ方式のハイブリッド車61において、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
次に、本発明を電気自動車の制御装置に具体化した第7実施形態を図10に従って説明する。尚、前記第1実施形態と同様の部材構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0081】
図9に示すように、電気自動車71(車両)は駆動用モータ72、トランスアクスル73、パワーコントロールユニット74及びバッテリ75を備えている。バッテリ75からの直流電力はパワーコントロールユニット74に内蔵されたインバータ( 図示略) により交流電力に変換されて駆動用モータ72に供給可能とされている。駆動用モータ72の駆動力(モータトルクTm)は、トランスアクスル73、フロントアクスル16及び等速ジョイント31を介して前輪17に伝達可能とされている。本実施形態では、モータトルクTmが車両トルクT(即ち、フロントアクスル16への入力トルク)となる。
【0082】
パワーコントロールユニット74は前記操舵角センサ43、車輪速センサ44及びモータトルクセンサ57等の各種センサから送られてくる検出情報に基づいて電気自動車71の全体を統括的に制御する。パワーコントロールユニット74はアクセルペダル21(図1参照)の踏込量に応じてバッテリ75から駆動用モータ72に伝達する電力を制御する。
【0083】
さて、図6におけるS103において、パワーコントロールユニット74は、そのときの車両トルクT(即ち、モータトルクTm)が予め設定した大角度領域時の設定車両トルクTr(所定値)を超えないように駆動用モータ72を駆動制御する。即ち、パワーコントロールユニット74は設定車両トルクTrを超えないように駆動用モータ72への電力の伝達量を可変制御する。ジョイント角θが大角度領域にあるとき、運転者がいくらアクセルペダル21を踏み込んでも、駆動用モータ72には所定の電力しか供給されない。
【0084】
従って、本実施形態によれば、大角度時において駆動用モータ72へ供給する電力を制限するようにしたことにより、電気自動車において、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
(別例)
尚、前記実施形態は以下の別例のように変更して実施してもよい。
・第1及び第3実施形態では、AT13を搭載した車両11において等速ジョイント保護制御を行うようにしたが、マニュアルトランスミッション(MT)を搭載した車両に応用するようにしてもよい。
【0086】
・第1実施形態では、スロットルバルブ20の開度を制御することによりエンジントルク出力を制御するようにしたが、アクセル開度センサ48(図1参照)に基づいてアクセル開度を制御するようにしてもよい。
【0087】
・第1〜第4実施形態における操舵角τにより規定される条件(図6及び図7におけるS102)を次の条件に置き換えてもよい。即ち、図6及び図7におけるS102の処理を、各車輪速センサ44からの車輪速に基づいて前輪17外側輪と後輪46内側輪との回転速度差を演算し、この算出した回転速度差により規定される条件に置き換える。そして、回転速度差が予め設定された所定値(回転速度差判定閾値)よりも小さい場合には条件不成立とし(ジョイント角θ小)、所定値以上であれば条件成立とする(ジョイント角θ大)。尚、前記所定値は、ジョイント角θ大の領域(本実施形態では、θ>40度)になる場合において生じる前輪外側輪と後輪内側輪との回転速度差を実験や周知の理論計算等により求め、この値に基づいて予め設定する。
【0088】
・第5実施形態ではパラレル方式のハイブリッド車の制御装置に、また第6実施形態ではシリーズ方式のハイブリッド車の制御装置に本発明を具体化したが、これらの方式以外のハイブリッド車の制御装置に具体化するようにしてもよい。例えば、シリーズ方式及びパラレル方式の両方を兼ねそなえたシリーズ・パラレル方式や遊星歯車を利用してエンジンの出力を分岐するパワースプリット方式のハイブリッド車の制御装置に具体化するようにしてもよい。
【0089】
・第5及び第6実施形態では、エンジン12及びバッテリ54の2つの動力源を備えたが、エンジン12とバッテリ54以外の他の動力源とを組み合わせるようにしてもよい。例えばバッテリ54からの電力ではなく、油圧によりエンジン12を補助可能に構成した蓄圧方式のハイブリッド車(車両)に本発明を具体化する。この蓄圧方式のハイブリッド車は制動エネルギを加速及び発進時に再利用するものである。ブレーキをかけると油圧ポンプが作動して、いままで大気中に放散されていた運動エネルギを油圧エネルギとして蓄える。この蓄えられた油圧を車の発進時や加速時に逆方向に流すことにより、油圧モータにトルクを発生させてエンジンを補助する。ジョイント角θが大角度領域に含まれていると判断したとき、蓄圧方式のハイブリッド車の制御装置はフロントアクスル16へ伝達される駆動力(トルク)が予め設定した所定値を超えないように油圧モータを制御する。
【0090】
・第1〜第6実施形態において、エンジン12はガソリンエンジン、ディーゼルエンジン及び天然ガスエンジンのいずれの機関としてもよい。
・第7実施形態では、バッテリ75を搭載した電気自動車71に本発明を具体化したが、燃料電池自動車(車両)の制御装置に具体化するようにしてもよい。燃料電池自動車は燃料電池で発電した電力をモータに供給し、このモータの駆動力により走行する。燃料電池は水素と酸素とを化学反応させて発生する電気エネルギを取り出すものである。ジョイント角θが大角度領域に含まれていると判断したとき、燃料電池自動車の制御装置はフロントアクスル16へ伝達される駆動力(トルク)が予め設定した所定値を超えないように前記モータを制御する。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、等速ジョイントの交差角が予め設定した大角度領域に含まれていると判断されたとき、予め設定した所定値を超える駆動力がドライブシャフトを介して等速ジョイントに入力されることはないので、等速ジョイントの補強は必要最小限でよく、当該等速ジョイントの小型化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における車両の概略構成図。
【図2】第1実施形態における等速ジョイントの正断面図。
【図3】第1実施形態における等速ジョイントの要部拡大正断面図。
【図4】第1実施形態における等速ジョイントのケージの正面図。
【図5】第1実施形態における等速ジョイントのインナレースの要部正断面図。
【図6】第1実施形態における等速ジョイントへの伝達トルク制御の手順を示すフローチャート。
【図7】第2実施形態における等速ジョイントへの伝達トルク制御の手順を示すフローチャート。
【図8】第5実施形態におけるハイブリッド車の概略構成図。
【図9】第6実施形態におけるハイブリッド車の概略構成図。
【図10】第7実施形態における電気自動車の概略構成図。
【図11】従来の等速ジョイントの正断面図。
【図12】従来の等速ジョイントの要部拡大正断面図。
【図13】従来の等速ジョイントにおけるケージの正面図。
【図14】従来の等速ジョイントにおけるインナレースの要部正断面図。
【符号の説明】
11…車両、12…動力源及び内燃機関を構成するエンジン、
13…駆動力伝達装置を構成するオートマチックトランスミッション、
14a…トルクコンバータ、14b…変速機を構成する自動変速機、
16…ドライブシャフトを構成するフロントアクスル、
17…駆動輪を構成する前輪、
18…燃料供給装置を構成するインジェクタ、
20…吸入空気量調節手段を構成するスロットルバルブ、
20a…吸入空気量調節手段を構成するスロットルアクチュエータ、
23…シフト機構、31…等速ジョイント、
32…駆動軸、33…インナレース、33a,35a…ボール溝、
34…従動軸、35…アウタレース、36…トルク伝達ボール、
41,56,63…交差角判断手段を構成する制御装置、
43…操舵角検出手段を構成する操舵角センサ、
44…車速検出手段を構成する車輪速センサ、
47…シフト位置検出手段を構成するシフトポジションセンサ、
51,61…ハイブリッド車(車両)、
53,72…動力源を構成する駆動用モータ、
71…電気自動車(車両)、
74…交差角判断手段を構成するパワーコントロールユニット(制御装置)、
P…シフト位置を示すシフト位置信号、T…エンジントルク、
Tr…設定エンジントルク、V…車速、Vs…車速判定閾値、
θ…ジョイント角(交差角)、τ…操舵角、τs…操舵角判定閾値。
Claims (10)
- 動力源の駆動力をドライブシャフト及び当該ドライブシャフトに連結された等速ジョイントを介して駆動輪に伝達するようにした車両の制御装置において、
等速ジョイントの交差角が予め設定した大角度領域に含まれているか否かを判断する交差角判断手段を備え、この交差角判断手段により交差角が大角度領域に含まれていると判断されたとき、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように当該駆動力を可変制御するようにした車両の制御装置。 - 前記交差角判断手段は、操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、等速ジョイントの交差角が前記大角度領域に含まれていると判断し、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないように当該駆動力を可変制御するようにした請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、動力源により発生される駆動力を制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにした請求項2に記載の車両の制御装置。
- 前記動力源は内燃機関及びモータのうち少なくとも一方を備えている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置。
- 前記動力源は内燃機関を備えており、また、前記車両は当該内燃機関への吸入空気量を調節する吸入空気量調節手段を備えており、
前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、前記吸入空気量調節手段の吸入空気量を制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにした請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置。 - 前記動力源は内燃機関を備えており、また、前記車両は当該内燃機関へ燃料を供給する燃料供給装置を備えており、
前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、燃料供給装置の燃料供給量を制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにした請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置。 - 前記操舵角検出手段により検出された操舵角が予め設定された操舵角判定閾値を超えたとき、動力源とドライブシャフトとの間に設けられた駆動力伝達装置の駆動力伝達割合を可変制御することにより、ドライブシャフトへ伝達される駆動力が予め設定した所定値を超えないようにした請求項2に記載の車両の制御装置。
- 前記駆動力伝達装置は変速機を含み、
前記操舵角検出手段により検出された操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断に先立ち、変速機のギヤ段により規定される条件が成立しているか否かの判断を行うようにし、
前記ギヤ段により規定される条件はギヤ段が低速位置であるときに成立するようにした請求項7に記載の車両の制御装置。 - 前記操舵角検出手段により検出された操舵角により規定される条件が成立しているか否かの判断に先立ち、車速検出手段により検出された車速により規定される条件が成立しているか否かの判断を行うようにし、
前記車速により規定される条件は車速検出手段により検出された車速が予め設定された車速判定閾値を下回ったときに成立するようにした請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置。 - 前記等速ジョイントは、駆動軸に連結されたインナレースと、従動軸に連結されたアウタレースと、アウタレースの内球面に回転軸方向に延設された複数のボール溝とインナレースの内球面に回転軸方向に延設された複数のボール溝との間にそれぞれ介在された複数のトルク伝達ボールとを備えると共に前記従動軸は駆動軸に対して交差するように揺動可能とされており、
前記所定値は、駆動軸と従動軸との交差角が、予め設定された大角度域にあるときの等速ジョイントの強度に基づいて設定するようにした請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の車両の制御装置。
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