JP2008207723A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動源で発生される駆動力を変速機で変速して車輪に伝達する車両において、ドライブシャフトやドライブシャフトジョイント等の駆動系部品の強度を保証すること。
【解決手段】エンジン2で発生される回転駆動力を自動変速機3で変速してドライブシャフト4L,4R、等速ジョイント5L,5R等を介して前輪6FL,6FRに伝達するように構成されている車両1において、エンジン制御装置80は次のような制御を行う。車両状態より等速ジョイント5L,5Rのジョイント角度が所定角度以上であるか否かを判断するジョイント角度判断手段と、車両状態より運転者に急発進または急加速の意図があるか否かを判断する急発進等判断手段とを備え、ジョイント角度が所定角度以上であり、かつ、運転者に急発進または急加速の意図がある場合には、エンジン2の出力トルクを抑制する。
【選択図】図4

Description

本発明は、駆動源で発生される駆動力を変速機で変速して車輪に伝達するように構成されている車両において、その車輪に伝達される駆動力を制御する装置に関する。
一般に、車両においては、エンジン等の駆動源で発生される回転駆動力を車輪へ伝達するための駆動系部品、具体的には、ドライブシャフトや、ドライブシャフトジョイント(ドライブシャフトと車輪取り付け用のハブユニットとを連結するジョイント)等の強度は十分に確保されている。しかし、例えば、スピンターン等の急旋回や急発進等のように、ステアリング操舵量をフルステアリング状態またはそれに近い状態にして急発進または急加速を行う場合、駆動系部品に過大な駆動力(駆動トルク)が急激に入力されることがある。特に、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)方式の車両や、4WD方式の車両(特に、FRベースの4WD)では、左右の前輪が駆動輪および操舵輪となっているため、その左右の前輪へトルクを伝達する駆動系部品にかかる負荷が大きくなる。
具体例を挙げて説明すると、ドライブシャフトジョイントとしては、例えば、図8に示すようなツェッパ型等速ジョイント(バーフィールド型等速ジョイントとも呼ばれる。)が用いられる。ツェッパ型の等速ジョイント110は、複数(例えば6つ)のボール111、内筒部材112、外筒部材113、保持器114等を含んで構成されており、その内部にはグリース等の潤滑剤がブーツ115によって封入されるようになっている。
内筒部材112は、ドライブシャフト120の端部外周に嵌合固定されるもので、その外径側の円周数ヶ所(ボール111と同数)には、軸方向に沿うとともに軸方向で湾曲する外側湾曲溝112aが設けられている。外筒部材113は、内筒部材112の外径側に配置されるもので、有底円筒形とされていて、その内径側の円周数ヶ所(ボール111と同数)には、軸方向に沿うとともに軸方向で湾曲する内側湾曲溝113aが、また、底部中心には、軸方向に突出する軸部分113bが設けられている。そして、内筒部材112の外側湾曲溝112aと外筒部材113の内側湾曲溝113aとの対向間に、保持器114で保持されているボール111が対応して転動自在に介装されている。外筒部材113から延びる軸部分113bは、図示しない車輪取り付け用のハブユニットに装着される。
そして、車両状態により、等速ジョイント110のジョイント角度、つまり、ドライブシャフト120と外筒部材113の軸部分113bとのなす角度が変化すると、ボール111が内筒部材112の外側湾曲溝112aと外筒部材113の内側湾曲溝113aとに沿って移動する。ボール111は、等速ジョイント110のジョイント角度が大きくなるほど、外筒部材113の内側湾曲溝113aの開放端側周縁部113c側に向けて移動する(開放端側周縁部113c付近に位置するボール111を想像線で示す)。
このような等速ジョイント110のジョイント角度の大きい状態で駆動トルクの伝達が行われると、ボール111が接する外筒部材113の内側湾曲溝113aの開放端側周縁部113cにかかる負荷が大きくなる。外筒部材113の内側湾曲溝113aの開放端側周縁部113cは比較的薄肉の部分であるため、この開放端側周縁部113cには過大な負荷がかからないようにすることが好ましい。
ところで、上述のような車両状態での運転は、全ての運転者が行わないとは限らず、一部の運転者は行う可能性がある。したがって、ドライブシャフトジョイント角度が所定角度以上であり、かつ、運転者に急発進または急加速の意図があるような車両状態でのトルク伝達をも想定して駆動系部品の強度を確保しておく必要がある。ここで、駆動系部品の強度は、そのサイズを大きくしたり、その材料を強度的に優れたものに置換すること等によって向上させることが可能であるが、車両運動性能や燃費面で不利になったり、コストアップ等を招くという問題点がある。
特許文献1には、車両の斜め方向への急発進を防止するようにした技術が開示されており、発進時にステアリング操舵量が所定量以上の場合には、エンジン出力を制限して車両の発進速度を抑制するようにしたことが示されている。
特開平11−334626号公報
しかし、上記特許文献1には、発進時にステアリング操舵量が所定量以上の場合、エンジン出力を制限して車両の発進速度を抑制することに関して開示されているだけであって、ドライブシャフトやドライブシャフトジョイント等の駆動系部品の強度を保証することに関しては何ら言及されていない。
本発明は、そのような点を鑑みてなされたものであり、駆動源で発生される駆動力を変速機で変速して車輪に伝達する車両において、ドライブシャフトやドライブシャフトジョイント等の駆動系部品の強度を保証することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、駆動源で発生される駆動力を変速機で変速して車輪に伝達する車両の駆動力制御装置であって、車両状態よりドライブシャフトジョイント角度が所定角度以上であるか否かを判断するジョイント角度判断手段と、車両状態より運転者に急発進または急加速の意図があるか否かを判断する急発進等判断手段と、ドライブシャフトジョイント角度が所定角度以上であり、かつ、運転者に急発進または急加速の意図がある場合には、前記車輪に伝達される駆動力を抑制する駆動力抑制手段とを備えることを特徴としている。
ここで、駆動源は、エンジンおよびモータ(モータジェネレータの場合も含む)の少なくとも一方を意味している。ドライブシャフトジョイントは、ドライブシャフトと車輪取り付け用のハブユニットとを連結するために用いられる等速ジョイントである。ジョイント角度は、その等速ジョイントによって連結される、ドライブシャフトと、駆動輪の取り付け用のハブユニットに装着される軸部材(等速ジョイントの外筒部材から延びる軸部分)とのなす角度である。
上記構成によれば、ドライブシャフトジョイント角度が所定角度以上であり、かつ、運転者に急発進または急加速の意図があるような車両状態では、駆動源から変速機、ドライブシャフト等を介して駆動輪に伝達される駆動力(駆動トルク)が抑制されるので、そのような車両状態での急発進または急加速を回避することができる。そして、駆動系部品に伝達されるトルクを低減することができる。したがって、駆動系部品にかかる負荷が小さくて済み、駆動系部品にダメージが蓄積されにくくなるので、駆動系部品の耐久性を向上させることができ、その駆動系部品の強度を保証することができる。この場合、駆動系部品のサイズを大きくしたり、駆動系部品の材料を強度的に優れたものに置換することなく、駆動系部品の強度を十分に確保することが可能になるので、併せてコストダウンも図ることができる。
本発明において、前記ジョイント角度判断手段の具体構成として、例えば、次の構成が挙げられる。すなわち、ジョイント角度判断手段を、車高が所定値以上であり、かつ、ステアリング操舵量が所定量以上であるときに、ドライブシャフトジョイント角度が所定角度以上であると判断する構成とすることが可能である。
このように、車高をジョイント角度が所定角度以上であるか否かの判断要素としているのは、車両の乗車人数等によって車高が変化することにともない、ジョイント角度が変化するからである。この場合、空車の状態を除けば実車では1名乗車の状態が最も車高が高くなり、ジョイント角度が最も大きくなる。このため、車高を判断要素の1つとして、車高が最も高い状態あるいはそれに近い状態、言い換えれば、車高が所定値以上であるか否かを判別するようにしている。
また、ステアリング操舵量をジョイント角度が所定角度以上であるか否かの判断要素としているのは、ステアリングホイールの操舵量によって、ジョイント角度が変化するからである。この場合、ステアリングホイールの操舵量が最大のフルステアリング状態のとき、ジョイント角度が最も大きくなる。このため、ステアリング操舵量を判断要素の1つとして、フルステアリング状態あるいはそれに近い状態、言い換えれば、ステアリング操舵量が所定量以上であるか否かを判別するようにしている。
また、本発明において、前記急発進等判断手段の具体構成として、例えば、次の構成が挙げられる。すなわち、急発進等判断手段を、ブレーキ操作とアクセル操作とが同時に行われているときに、運転者に急発進または急加速の意図があると判断する構成とすることが可能である。
このように、ブレーキ操作の有無およびアクセル操作の有無を運転者に急発進または急加速の意図があるか否かの判断要素としているのは、運転者が車両を意図的に急発進または急加速させる際には、ブレーキペダルとアクセルペダルとを同時に踏み込み操作するからである。つまり、ブレーキペダルを踏み込んだ状態でさらにアクセルペダルを踏み込み、この状態で、ブレーキペダルを急解放すれば、車両を急発進または急加速させることが可能になるからである。
次に、本発明において、前記駆動力抑制手段の具体構成として、例えば、以下の4形態が挙げられる。
まず第1に、エンジンの出力トルクを抑制する形態が挙げられる。
第2に、車両が、エンジンで発生する回転動力を有段式の自動変速機で減速して車輪に伝達するように構成されている場合、その有段式の自動変速機の変速段の変更に際して参照される、車両のアクセル開度またはスロットル開度と、車速とに基づいた制御マップにおける1速から2速への変速線(変速段の切り換えライン)を低車速側へ変更する形態が挙げられる。
第3に、車両が、エンジンで発生する回転動力を無段式の自動変速機で減速して車輪に伝達するように構成されている場合、その無段式の自動変速機の変速比を増速側へ変更する形態が挙げられる。
そして第4に、車両が、エンジンおよびモータ(モータジェネレータの場合も含む)の少なくとも一方で発生する回転駆動力を変速機で減速して車輪に伝達するように構成されている場合、そのモータの出力を抑制する形態が挙げられる。
本発明によれば、ドライブシャフトジョイント角度が所定角度以上であり、かつ、運転者に急発進または急加速の意図があるような車両状態では、駆動源から変速機、ドライブシャフト等を介して駆動輪に伝達される駆動力(駆動トルク)が抑制されるので、そのような車両状態での急発進または急加速を回避することができる。そして、駆動系部品に伝達されるトルクを低減することができる。したがって、駆動系部品にダメージが蓄積されにくくなるので、駆動系部品の耐久性を向上させることができ、その駆動系部品の強度を保証することができる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下では、本発明をフロントエンジン・フロントドライブ(FF)方式の車両に適用した実施形態について説明する。また、車輪に伝達される駆動力(駆動トルク)を抑制する形態として、エンジンの出力トルクを抑制する場合を例に挙げて説明する。
[車両の概略構成]
まず、実施形態に係る車両の概略構成について、図1を参照して説明する。
図1に示す車両1は、駆動源としてのエンジン2で発生された回転駆動力が自動変速機(トランスアクスル)3で適宜に変速されて、左右のドライブシャフト4L,4Rを介して、左右の前輪6FL,6FRに伝達されるように構成されている。このように、左右の前輪6FL,6FRは、駆動輪として設けられている。自動変速機3は、トルクコンバータと、クラッチ、ブレーキ、遊星歯車装置等によりギア段を設定する遊星歯車式変速機構と、デファレンシャル機構とを含む構成となっている。この自動変速機3では、アクセル開度(またはスロットル開度)と車速とに基づいて、トランスミッション制御装置90に予め記憶されている制御マップ(変速マップ;例えば図7参照)を参照して必要な変速段(ギア段)を決定し、トランスミッション制御装置90で、例えば、油圧制御装置等を制御することにより、変速動作(変速段の変更)を行うようになっている。
ここで、左方のドライブシャフト4Lと左方の前輪6FLとは、ツェッパ型の等速ジョイント5L(具体的には図8参照)を介して連結されている。詳細には、ツェッパ型等速ジョイント5Lによって、ドライブシャフト4Lと、前輪6FLの取り付け用のハブユニットとが連結されている。同様に、右方のドライブシャフト4Rと右方の前輪6FRも、ツェッパ型等速ジョイント5Rを介して連結されている。一方、左右の後輪6RL,6RRは、従動輪となっており、リアアクスルシャフト(図示省略)により互いに連結されている。
また、左右の前輪6FL,6FRは、操舵輪として設けられている。つまり、左右の前輪6FL,6FRは、運転者が車両1の室内に設置されるステアリングホイール43を操舵することによって、その操舵方向に操舵量(回転角度)に応じて回転されるように構成されている。このようなステアリング機構は、例えば、アシスト用電動モータ16、減速機構17等を備えるいわゆる電動パワーステアリング機構として構成される。詳細には、アシスト用電動モータ16は、ステアリングホイール43の操舵による左右の前輪6FL,6FRの操舵に対してアシスト力を付与するためのものである。このアシスト用電動モータ16は、減速機構17を介してステアリングホイール43に連結された操舵軸18にトルク伝達可能に取り付けられており、その回転に応じてラックバー19を軸線方向に駆動し、このラックバー19にタイロッド(図示省略)を介して連結されている左右の前輪6FL,6FRを操舵するようになっている。
そして、左右の前輪6FL,6FRには、フロントブレーキ7FL,7FRが、また、左右の後輪6RL,6RRには、リアブレーキ7RL,7RRがそれぞれ設けられている。これらのフロントブレーキ7FL,7FRおよびリアブレーキ7RL,7RRは、例えば、いわゆるディスクブレーキとして構成される。具体的には、前後左右のブレーキ7FL,7FR,7RL,7RRは、それぞれディスクロータ8とブレーキキャリパ9とを含んで構成されている。ブレーキキャリパ9には、ディスクロータ8の両側面に配置される左右一対のブレーキパッド(図示省略)が保持されている。
そして、これらのブレーキ7FL,7FR,7RL,7RRは、運転者が車両1の室内に設置されるブレーキペダル42を踏み込み操作することによって作動されるようになっている。詳細には、運転者によるブレーキペダル42の踏み込み操作力は、動力伝達ユニット13を介してブレーキキャリパ9を駆動するためのアクチュエータ12に伝達される。アクチュエータ12は、ブレーキ7FL,7FR,7RL,7RRの作動、つまり、ブレーキキャリパ9に対する作動液圧(ブレーキ液圧)を増減調節するためのものである。動力伝達ユニット13は、ブレーキペダル42の踏み込み操作力に応じて、アクチュエータ12を駆動するためのものであって、負圧ブースタ14と、マスターシリンダ15とを含んで構成されている。負圧ブースタ14は、ブレーキペダル42の踏み込み操作力に応じて、その踏み込み操作力にエンジン2の負圧や圧縮空気等の力を加えることにより、ブレーキペダル42の踏み込み操作力を軽くしながら制動力を強くするものである。マスターシリンダ15は、ブレーキペダル42の踏み込み操作力をアクチュエータ12からブレーキキャリパ9へ供給するブレーキ液圧に変換するものである。
[エンジンおよびエンジン制御装置]
次に、エンジン2の一例について、図2等を参照して、その基本的な構成を簡潔に説明する。
図2に例示するエンジン2は、シリンダブロック21のシリンダ21aとシリンダヘッド(図示省略)とピストン23とにより区画された燃焼室24に、吸入系および吸気ポート22aから導入される空気とインジェクタ25から噴射される燃料とが所定割合で混合された混合気を供給し、この混合気を、点火プラグ26の火花放電によって着火燃焼させることにより、ピストン23、コネクティングロッド27を介してクランクシャフト28を回転させて、エンジン2の駆動力(エンジントルク)を出力するように構成されている。燃焼室24で燃焼された後の排気ガスは、排気ポート22bから排気系へ排出される。なお、吸入系は、吸気ポート22aに連結される吸気通路37の上流に設けられるエアクリーナ(図示省略)や、吸気通路37の途中に設けられ、かつ、運転者によるアクセルペダル41の踏み込み操作により開閉駆動されるスロットルバルブ29等を含む。
シリンダヘッド22には、吸気ポート22aを開閉する吸気バルブ31と、排気ポート22bを開閉する排気バルブ32とが、それぞれ配置されている。そして、吸気バルブ31は吸気側カムシャフト33により、また、排気バルブ32は排気側カムシャフト34によりそれぞれ開閉動作される。吸気側カムシャフト33および排気側カムシャフト34は、クランクシャフト28により図示しないタイミングチェーン(またはタイミングベルト)を介して回転駆動される。
このようなエンジン2の動作を制御するためのエンジン制御装置80は、自動変速機3の動作を制御するトランスミッション制御装置90と、互いに必要な情報を送受可能となるように接続されている。両制御装置80,90は、ともに、一般的に公知のECU(電子制御装置)として構成されている。ここでは、この実施形態に関連するエンジン制御装置80についてのみ、図3に例示して説明する。
エンジン制御装置80は、各種の情報入力に基づいてエンジン2の動作を制御することによりエンジン回転数やエンジントルクを調節するもので、例えば、図3に示すように、中央処理装置(CPU)81と、読出し専用メモリ(ROM)82と、ランダムアクセスメモリ(RAM)83と、バックアップRAM84と、入力インタフェース85と、出力インタフェース86とが、双方向性バス87を介して相互に接続された構成になっている。
CPU81は、ROM82に記憶された適宜の制御プログラムや制御マップに基づいて演算処理を実行する。ROM82には、基本的なエンジン制御に関する制御プログラムが、少なくとも記憶されている。RAM83は、CPU81での演算結果や、各種センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM84は、各種の保存すべきデータを記憶する不揮発性のメモリである。
[実施形態の特徴部分]
次に、この実施形態の特徴部分について、図3、図4を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、等速ジョイント5L,5Rのジョイント角度(以下、単に「ジョイント角度」とも言う。)が大きく、かつ、運転者が急発進等の操作をしようとしたときには、前輪6FL,6FRに伝達される駆動力(駆動トルク)を抑制するような工夫を行っている。ここで、等速ジョイント5Lのジョイント角度は、この等速ジョイント5Lによって連結される、ドライブシャフト4Lと、前輪6FLの取り付け用のハブユニットに装着される軸部材(等速ジョイント5Lの外筒部材から延びる軸部分)とのなす角度を言う(等速ジョイント5Rのジョイント角度についても同様)。
具体的に、エンジン制御装置80の入力インタフェース85には、図3に示すように、基本的なエンジン制御に必要な各種センサ(例えば、水温センサ61、エアフローメータ62、吸気温センサ63、アクセルポジションセンサ64、スロットルポジションセンサ65、クランクポジションセンサ66、吸気用カムポジションセンサ67、排気用カムポジションセンサ68等)に加え、少なくとも、車輪速センサ71a〜71d、ブレーキスイッチ72、操舵角センサ73、車高センサ74L,74R、入力軸回転数センサ76、出力軸回転数センサ77等が接続されている。
また、出力インタフェース86には、基本的なエンジン制御に必要な各種の構成要素として、例えば、インジェクタ25、点火プラグ26の点火用のイグナイタ35、スロットルバルブ29の開閉駆動用のスロットルモータ36等が接続されている。
アクセルポジションセンサ64は、アクセルペダル41に取り付けられ、運転者によるアクセルペダル41の踏み込み操作量を検出するものである。このアクセルポジションセンサ64からの検出出力に基づいて、運転者によるアクセルペダル41の踏み込み操作の有無を判別したり、その踏み込み操作量(アクセル開度)を認識することが可能になっている。ここで、運転者によるアクセルペダル41の踏み込み操作の有無は、その踏み込み操作量が予め設定した所定値(閾値)以上になったか否かによって判別することが可能である。
車輪速センサ71a〜71dは、前輪6FL,6FRおよび後輪6RL,6RRの車輪速度をそれぞれ検出するものである。これらの車輪速センサ71a〜71dからの検出出力に基づいて、前輪6FL,6FRおよび後輪6RL,6RRごとの車輪速度を認識し、この認識した各車輪速度に基づいて、車両1の車体速度(車速)等を算出することが可能になっている。
ブレーキスイッチ72は、ブレーキペダル42に取り付けられ、運転者によるブレーキペダル42の踏み込み操作の有無を検出するものである。このブレーキスイッチ72からの検出出力に基づいて、運転者によるブレーキペダル42の踏み込み操作の有無を判別することが可能になっている。
操舵角センサ73は、ステアリングホイール43に連結された操舵軸18の操舵トルクを検出するものである。この操舵角センサ73からの検出出力に基づいて、運転者による左方向または右方向へのステアリングホイール43の操舵量(操舵角)を算出することが可能になっている。
車高センサ74L,74Rは、例えば、前輪6FL,6FRを支持するサスペンション部材と車体との間にそれぞれ設けられ、これらの車高センサ74L,74Rの配設箇所の高さ(路面からの距離)を検出するものである。これらの車高センサ74L,74Rからの検出出力に基づいて、車両1の車高を算出する(例えば、平均値)ことが可能になっている。車高センサ74L,74Rは、例えば、路面からの距離を超音波やレーザー光等の検出波を使って計測する構成とすることが可能である。なお、車高センサを、車軸部(ドライブシャフト4L,4R)に対する車両1の車体の傾斜角度を検出するような構成としてもよい。また、前輪6FL,6FRおよび後輪6RL,6RRのそれぞれに車高センサを設ける構成としてもよい。
入力軸回転数センサ76および出力軸回転数センサ77は、自動変速機3の入力軸の回転数および出力軸の回転数をそれぞれ検出するものである。これらの入力軸回転数センサ76および出力軸回転数センサ77からの検出出力に基づいて、自動変速機3の入力軸の回転数および出力軸の回転数の比(出力軸回転数/入力軸回転数)を算出することが可能になっており、この回転数の比に基づいて、自動変速機3の現在の変速段(ギア段)を推定することが可能になっている。
[エンジン制御装置の動作]
次に、エンジン制御装置80の動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。この図4に示すルーチンは、エンジン制御装置80が実行するエンジン制御に関するメインルーチンの一部であり、一定周期ごとに繰り返される。
まず、エンジン制御装置80は、ステップST11において、車速が所定速度以下であるか否かを判定する。この判定は、車輪速センサ71a〜71dからの検出出力に基づいて行うことが可能である。そして、車速が所定速度を上回っている場合には、以下に述べるような急発進または急加速には該当する可能性がないので、以下の処理を省略してこのルーチンを終了する。一方、車速が所定速度以下である場合には、以下に述べるような急発進または急加速に該当する可能性があり、次のステップST12へ移行する。なお、ステップST11において、「所定速度以下」は、車両1の停車状態を含み、また、車両1が前後に揺動している状態も含む意味である。
次に、エンジン制御装置80は、ステップST12,ST13において、車両状態よりジョイント角度が所定角度以上であるか否かを判断する。この実施形態では、ジョイント角度が所定角度以上であるか否かの判断要素として、車高(ステップST12)と、ステアリング操舵量(ステップST13)とを採用している。
具体的に、ステップST12では、エンジン制御装置80は、車高が所定値以上であるか否かを判定する。この判定は、車高センサ74L,74Rからの検出出力に基づいて行うことが可能である。そして、車高が所定値を下回っている場合には、このルーチンを終了する。一方、車高が所定値以上である場合には、次のステップST13へ移行する。
このように、車高をジョイント角度が所定角度以上であるか否かの判断要素としているのは、車両1の乗車人数等によって車高が変化することにともない、ジョイント角度が変化するからである。この場合、空車の状態を除けば実車では1名乗車の状態が最も車高が高くなり、ジョイント角度が最も大きくなる。このため、車高を判断要素の1つとして、車高が最も高い状態あるいはそれに近い状態、言い換えれば、車高が所定値以上であるか否かを判別するようにしている。
ステップST13では、エンジン制御装置80は、ステアリングホイール43の操舵量が所定量以上であるか否かを判定する。この判定は、操舵角センサ73からの検出出力に基づいて行うことが可能である。そして、ステアリングホイール43の操舵量が所定量を下回っている場合には、このルーチンを終了する。一方、ステアリングホイール43の操舵量が所定量以上である場合には、エンジン制御装置80は、ジョイント角度が所定角度以上であると判断する(ステップST14)。
このように、ステアリング操舵量をジョイント角度が所定角度以上であるか否かの判断要素としているのは、ステアリングホイール43の操舵量によって、ジョイント角度が変化するからである。この場合、ステアリングホイール43の操舵量が最大のフルステアリング状態のとき、ジョイント角度が最も大きくなる。このため、ステアリング操舵量を判断要素の1つとして、フルステアリング状態あるいはそれに近い状態、言い換えれば、ステアリング操舵量が所定量以上であるか否かを判別するようにしている。
以上のように、車高が所定値以上の場合、かつ、ステアリングホイール43の操舵量が所定量以上の場合に、ジョイント角度が所定角度以上であると判断されるようになっている。
次に、エンジン制御装置80は、ステップST15において、自動変速機3の現在の変速段が1速であるか否かを判定する。この判定は、入力軸回転数センサ76および出力軸回転数センサ77からの検出出力に基づいて行うことが可能である。そして、自動変速機3の変速段が1速ではない場合には、このルーチンを終了する。一方、自動変速機3の変速段が1速である場合には、次のステップST16へ移行する。
このように、自動変速機3の変速段を確認するのは、自動変速機3の変速段によって、ドライブシャフト4L,4Rを介して、前輪6FL,6FRに伝達される駆動力(駆動トルク)が変化するからである。この場合、自動変速機3の変速段が1速のとき、その伝達トルクが最も大きくなる。このため、自動変速機3の変速段が1速であるか否かを判別するようにしている。
次に、エンジン制御装置80は、ステップST16,ST17において、車両状態より運転者に急発進または急加速の意図があるか否かを判断する。この実施形態では、運転者に急発進または急加速の意図があるか否かの判断要素として、ブレーキ操作の有無(ステップST16)と、アクセル操作の有無(ステップST17)とを採用している。
具体的に、ステップST16では、エンジン制御装置80は、運転者によるブレーキペダル42の踏み込み操作が行われているか否かを判定する。この判定は、ブレーキスイッチ72からの検出出力に基づいて行うことが可能である。そして、運転者によるブレーキペダル42の踏み込み操作が行われていない場合には、このルーチンを終了する。一方、運転者によるブレーキペダル42の踏み込み操作が行われている場合には、次のステップST17へ移行する。
ステップST17では、エンジン制御装置80は、運転者によるアクセルペダル41の踏み込み操作が行われているか否かを判定する。この判定は、アクセルポジションセンサ64からの検出出力に基づいて行うことが可能である。そして、運転者によるアクセルペダル41の踏み込み操作が行われていない場合には、このルーチンを終了する。一方、運転者によるアクセルペダル41の踏み込み操作が行われている場合には、エンジン制御装置80は、運転者に急発進または急加速の意図があると判断する(ステップST18)。
このように、ブレーキ操作の有無およびアクセル操作の有無を運転者に急発進または急加速の意図があるか否かの判断要素としているのは、運転者が車両1を意図的に急発進または急加速させる際には、ブレーキペダル42とアクセルペダル41とを同時に踏み込み操作するからである。つまり、ブレーキペダル42を踏み込んだ状態でさらにアクセルペダル41を踏み込み、この状態で、ブレーキペダル42を急解放すれば、車両1を急発進または急加速させることが可能になるからである。
以上のように、運転者によりブレーキペダル42とアクセルペダル41とが同時に踏み込み操作されている場合に、運転者に急発進または急加速の意図があると判断されるようになっている。
そして、エンジン制御装置80は、ステップST19において、エンジン2の出力トルクを所定値以下に抑制する制御を実行する。エンジン2の出力トルクの抑制は、例えば、スロットルモータ36でスロットルバルブ29の開度を所定値以下に制御することによって行うことが可能である。
これにより、ジョイント角度が所定角度以上であり、かつ、運転者に急発進または急加速の意図があるような車両状態では、エンジン2から自動変速機3、ドライブシャフト4L,4R等を介して前輪6FL,6FRに伝達される駆動力(駆動トルク)が所定値以下に抑制され、その結果、そのような車両状態での車両1の急発進または急加速を回避することができる。そして、駆動系部品に伝達されるトルクを所定値以下に低減することができる。したがって、駆動系部品にかかる負荷が小さくて済み、駆動系部品にダメージが蓄積されにくくなるので、駆動系部品の耐久性を向上させることができ、その駆動系部品の強度を保証することができる。また、車両1の走行性能を向上させるうえでも有利となる。
そして、この場合、駆動系部品のサイズを大きくしたり、駆動系部品の材料を強度的に優れたものに置換することなく、駆動系部品の強度を十分に確保することが可能になるので、併せてコストダウンも図ることができる。ここで、駆動系部品に伝達されるトルクの上記所定値は、駆動系部品の強度を十分に確保可能な値となっており、予め実験・計算等を行うことによって経験的に求められる。また、エンジン2の出力トルクの上記所定値およびスロットルバルブ29の開度の上記所定値は、そのような駆動系部品に伝達されるトルクの所定値が得られるような値に設定される。
ところで、この実施形態の車高センサ74L,74Rおよび操舵角センサ73と、エンジン制御装置80によるステップST12,ST13の処理機能とが、請求項1に記載のジョイント角度判断手段に相当する。また、この実施形態のブレーキスイッチ72およびアクセルポジションセンサ64と、エンジン制御装置80によるステップST16,ST17の処理機能とが、請求項1に記載の急発進等判断手段に相当する。また、この実施形態のエンジン制御装置80によるステップST19の処理機能が、請求項1に記載の駆動力抑制手段に相当する。したがって、この実施形態では、エンジン制御装置80が、本発明に係る駆動力制御装置に相当している。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態は一例であり、さまざまに変形することが可能である。その一例を以下に挙げる。
(1)上記実施形態では、エンジンのみを駆動源とするタイプの車両を例に挙げたが、エンジンおよびモータ(モータジェネレータの場合も含む)を駆動源として併用するタイプのハイブリッド車両とすることも可能である。つまり、車両を、エンジンおよびモータの少なくとも一方で発生する回転駆動力を変速機で減速して車輪に伝達可能な構成とすることが可能である。
(2)上記実施形態では、FF方式の車両を例に挙げたが、左右の前輪が駆動輪および操舵輪となっている車両であれば特に限定されない。例えば、4WD方式の車両とすることも可能である。
(3)上記実施形態では、図4のステップST11において、車速が所定速度以下であるか否かを判定したが、この判定の代わりに、車両が停止状態にあるか否か、つまり、車速が「0」であるか否かを判定するようにしてもよい。車両が停止状態にあれば、自動変速機の変速段が1速に決定されるので、この場合、図4のステップST15の判定を省略する構成とすることが可能である。
(4)上記実施形態では、有段変速式の自動変速機を例に挙げたが、変速機として、変速比を無段階に調整可能なベルト式の無段変速機(CVT)を車両に搭載する構成としてもよい。CVTの場合、ステップST15において、入力軸回転数センサ76および出力軸回転数センサ77からの検出出力に基づいて、CVTの変速比(入力軸回転数/出力軸回転数)が予め設定されたLレンジ(Lowレンジ)にあるか否かの判定を行うようにする。
また、クラッチの接断動作と変速機の変速動作とを油圧制御装置等を通じて行うSMT(シーケンシャル・マニュアル・トランスミッション)を車両に搭載する構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、車輪に伝達される駆動力(駆動トルク)を抑制する形態として、エンジンの出力トルクを抑制する場合を例に挙げたが、それ以外の形態を採用してもよい。
(5−1)例えば、有段式の自動変速機の変速動作(変速段の変更)に際して参照される、車両のアクセル開度(またはスロットル開度)と車速とに基づいた制御マップ(変速マップ)における1速から2速への変速線(変速段の切り換えライン)を低車速側へ変更することによって、車輪に伝達される駆動力(駆動トルク)を抑制するような構成としてもよい。この場合、駆動力抑制制御は、エンジン(駆動源側)ではなく、自動変速機側で行われるようになるので、その制御主体を、エンジン制御装置ではなく、図5に示すようなトランスミッション制御装置90’とすることが好ましい。
ここで、トランスミッション制御装置90’の具体構成について説明すると、トランスミッション制御装置90’は、各種の情報入力に基づいて、例えば、油圧制御装置98等を通じて自動変速機の動作を制御することによりその変速段等を調節するもので、エンジンの動作を制御するエンジン制御装置と、互いに必要な情報を送受可能となるように接続されている。そして、トランスミッション制御装置90’は、例えば、図5に示すように、中央処理装置(CPU)91と、読出し専用メモリ(ROM)92と、ランダムアクセスメモリ(RAM)93と、バックアップRAM94と、入力インタフェース95と、出力インタフェース96とが、双方向性バス97を介して相互に接続された構成になっている。
CPU91は、ROM92に記憶された適宜の制御プログラムや制御マップに基づいて演算処理を実行する。ROM92には、基本的な変速制御に関する制御プログラムや上述した変速マップが、少なくとも記憶されている。RAM93は、CPU91での演算結果や、各種センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM94は、各種の保存すべきデータを記憶する不揮発性のメモリである。また、入力インタフェース95には、基本的な変速制御に必要な各種センサ(例えば、アクセルポジションセンサ64、スロットルポジションセンサ65、クランクポジションセンサ66、入力軸回転数センサ76、出力軸回転数センサ77、シフトポジションセンサ78等)に加え、少なくとも、車輪速センサ71a〜71d、ブレーキスイッチ72、操舵角センサ73、車高センサ74L,74R等が接続されている。出力インタフェース96には、少なくとも、自動変速機の油圧制御装置98が接続されている。
トランスミッション制御装置90’が実行する駆動力抑制制御のルーチンを図6のフローチャートに示す。この図6に示すルーチンは、トランスミッション制御装置90’が実行する変速制御に関するメインルーチンの一部であり、一定周期ごとに繰り返される。
図6において、トランスミッション制御装置90’が実行するステップST21〜ST28の各処理は、図4に示すエンジン制御装置80が実行するステップST11〜ST18の各処理とそれぞれ同様となっている。これらのステップST21〜ST28により、ジョイント角度が所定角度以上であり、かつ、運転者に急発進または急加速の意図がある場合には、ステップST29(図4のステップST19に相当)へ移行する。
そして、ステップST29において、図7に示すように、自動変速機の変速段の1速から2速への変速線を、低車速側へ所定量だけ変更(シフト)するようにしている。図7では、自動変速機の変速マップにおける1速から2速へアップシフトする際の変速線だけを示しており、この駆動力抑制制御を行う場合の変速線を実線で示し、駆動力抑制制御を行わない通常の場合の変速線を破線で示している。こうすれば、速やかに1速から2速へシフトアップされるようになり、これにともなって、自動変速機からドライブシャフト等を介して前輪に伝達される駆動トルクが速やかに抑制されるようになる。そして、駆動系部品に伝達されるトルクを所定値以下に速やかに低減することができるようになる。
この場合、車高センサ74L,74Rおよび操舵角センサ73と、トランスミッション制御装置90’によるステップST22,ST23の処理機能とが、請求項1に記載のジョイント角度判断手段に相当する。また、ブレーキスイッチ72およびアクセルポジションセンサ64と、トランスミッション制御装置90’によるステップST26,ST27の処理機能とが、請求項1に記載の急発進等判断手段に相当する。また、トランスミッション制御装置90’によるステップST29の処理機能が、請求項1に記載の駆動力抑制手段に相当する。そして、この場合、トランスミッション制御装置90’が、本発明に係る駆動力制御装置に相当している。
(5−2)また、例えば、自動変速機を上記(4)のCVTとした場合、このCVTの変速比をアップシフト側(増速側)へ所定量だけ変更することによって、車輪に伝達される駆動力(駆動トルク)を抑制するような構成としてもよい。こうすれば、CVTの変速比のアップシフト側への変更にともなって、CVTからドライブシャフト等を介して前輪に伝達される駆動トルクが速やかに抑制されるようになる。この場合にも、上述した場合と同様に、駆動力抑制制御が、エンジン(駆動源側)ではなく、CVT側(変速機側)で行われるようになるので、その制御主体を、エンジン制御装置ではなく、トランスミッション制御装置とすることが好ましい。トランスミッション制御装置の具体構成は、上記(5−1)の場合とほぼ同様の構成とすることが可能である(図5参照)。なお、CVTの変速比の変更は、油圧制御装置を通じて行う構成することが可能であり、この場合、その油圧制御装置をトランスミッション制御装置によって制御する構成とすることが可能である。
(5−3)また、例えば、車両が上記(1)のハイブリッド車両とした場合、モータの出力を所定値以下に抑制することによって、車輪に伝達される駆動力(駆動トルク)を抑制するような構成としてもよい。この場合、駆動力抑制制御は、駆動源側で行われるので、その制御主体を、上記実施形態と同様のエンジン制御装置とすることが可能である。
実施形態に係る車両の全体構成を示す図である。 エンジン制御装置を模式的に示す概略構成図である。 エンジン制御装置の概略構成を示すブロック図である。 エンジン制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。 トランスミッション制御装置の概略構成を示すブロック図である。 トランスミッション制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。 自動変速機の変速マップを示し、自動変速機の変速線の変更(1速から2速へのアップシフト時のみ)を示す図である。 従来の問題点の具体例を説明するためのドライブシャフトジョイントを示す図である。
符号の説明
1 車両
2 エンジン
3 自動変速機
4L,4R ドライブシャフト
5L,5R 等速ジョイント
6FL,6FR 前輪
6RL,6RR 後輪
7FL,7FR フロントブレーキ
7RL,7RR リアブレーキ
29 スロットルバルブ
36 スロットルモータ
41 アクセルペダル
42 ブレーキペダル
43 ステアリングホイール
64 アクセルポジションセンサ
71a〜71d 車輪速センサ
72 ブレーキスイッチ
73 操舵角センサ
74L,74R 車高センサ
76 入力軸回転数センサ
77 出力軸回転数センサ
80 エンジン制御装置
90 トランスミッション制御装置

Claims (7)

  1. 駆動源で発生される駆動力を変速機で変速して車輪に伝達するように構成されている車両の駆動力制御装置であって、
    車両状態よりドライブシャフトジョイント角度が所定角度以上であるか否かを判断するジョイント角度判断手段と、
    車両状態より運転者に急発進または急加速の意図があるか否かを判断する急発進等判断手段と、
    ドライブシャフトジョイント角度が所定角度以上であり、かつ、運転者に急発進または急加速の意図がある場合には、前記車輪に伝達される駆動力を抑制する駆動力抑制手段とを備えることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記ジョイント角度判断手段は、車高が所定値以上であり、かつ、ステアリング操舵量が所定量以上であるときに、ドライブシャフトジョイント角度が所定角度以上であると判断することを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記急発進等判断手段は、ブレーキ操作とアクセル操作とが同時に行われているときに、運転者に急発進または急加速の意図があると判断することを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両の駆動力制御装置において、
    エンジンの出力トルクを抑制することによって、前記車輪に伝達される駆動力を抑制するように構成されていることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記車両は、エンジンで発生する回転動力を有段式の自動変速機で減速して車輪に伝達するように構成されており、
    前記有段式の自動変速機の変速段の変更に際して参照される、車両のアクセル開度またはスロットル開度と、車速とに基づいた制御マップにおける1速から2速への変速線を低車速側へ変更することによって、前記車輪に伝達される駆動力を抑制するように構成されていることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記車両は、エンジンで発生する回転動力を無段式の自動変速機で減速して車輪に伝達するように構成されており、
    前記無段式の自動変速機の変速比を増速側へ変更することによって、前記車輪に伝達される駆動力を抑制するように構成されていることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  7. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記車両は、エンジンおよびモータの少なくとも一方で発生する回転駆動力を変速機で減速して車輪に伝達するように構成されており、
    前記モータの出力を抑制することによって、前記車輪に伝達される駆動力を抑制するように構成されていることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
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